説明

シミュレーション装置およびそれを含んだ検査装置

【課題】多層配線構造の半導体チップの研磨後標高分布を容易に算出することが可能なシミュレーション装置を提供すること。
【解決手段】凸部占有率算出部22は、シミュレーション対象層の直下のマスクデータに基づいてシミュレーション対象層の膜厚を算出し、下層の標高とシミュレーション対象の膜厚とに基づいて凸部占有率を算出する。標高分布算出部23は、プレストン式を用いて、下層の標高と凸部占有率算出部22によって算出された凸部占有率とに基づいてシミュレーション対象層の研磨後の標高を算出する。したがって、多層配線構造の半導体チップの研磨後標高分布を容易に算出することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置のマスクデータからCMP(Chemical Mechanical Polishing)研磨後の標高分布を予測する技術に関し、特に、多層配線構造を有する半導体装置のCMP研磨後の標高分布を予測するシミュレーション装置およびそれを含んだ検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップのCMP研磨後の標高分布を予測するために、プレストン式などに基づいてCMP研磨後の形状予測を行なうシミュレーション技術の開発が進んでいる。これに関連する技術として、下記の特許文献1および特許文献2に開示された発明がある。
【0003】
特許文献1に開示されたシミュレーション方法においては、各プロセスステップごとに与えられた計算モデルおよび加工条件に基づいて、露光マスクによって形成されるレジストパターンの幅を変更し、露光マスクのデータ存在領域を一定サイズのメッシュに分割して各分割領域(i,j)を得る。そして、各分割領域(i,j)におけるパターンの占める割合A(i,j)を求め、与えられた計算モデルおよび加工条件と割合A(i,j)とから膜厚X、段差h、面積率A(i,j)および側壁傾斜角θを求め、これらの値から高さH(i,j)を求めるものである。
【0004】
特許文献2に開示された半導体装置の製造方法においては、半導体装置表面を複数の領域に仮想分割し、各仮想分割領域における凸領域または凹領域の占める面積割合の差が10%以下であること、各仮想分割領域における凸領域または凹領域の占める割合の最小値に対する最大値の比が1.3以下であること、および各仮想分割領域における最大標高と最低標高との差が30nm以下であることの少なくとも1つを有するようにダミーパターンを形成するものである。
【特許文献1】特開平11−186205号公報
【特許文献2】特開2002−368103号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、半導体装置の高集積化、高密度化が進んでおり、半導体装置の製造プロセスにおける多層配線技術がさらに重要となってきている。
【0006】
しかしながら、上述した従来技術は、単一層のパターン占有率に基づくシミュレーション方式であり、多層配線構造の半導体チップのシミュレーションに適用することができないといった問題点があった。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、第1の目的は、多層配線構造の半導体チップの研磨後標高分布を容易に算出することが可能なシミュレーション装置を提供することである。
【0008】
第2の目的は、研磨残りの検査を高速に行なうことが可能な検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある局面に従えば、多層配線構造の半導体チップの研磨後標高分布を算出するシミュレーション装置であって、算出された各層の標高を格納する格納手段と、シミュレーション対象層の直下のマスクデータに基づいてシミュレーション対象層の膜厚を算出し、格納手段に格納された下層の標高とシミュレーション対象の膜厚とに基づいて凸部占有率を算出する第1の算出手段と、下層の標高と第1の算出手段によって算出された凸部占有率とに基づいてシミュレーション対象層の研磨後の標高を算出して格納手段に格納する第2の算出手段とを含む。
【0010】
本発明の別の局面に従えば、半導体チップの研磨後の膜残りを検査する検査装置であって、多層配線構造の半導体チップの研磨後標高分布を算出するシミュレーション手段と、シミュレーション手段によって算出された研磨後標高分布に基づいて、膜残りが発生する可能性が高い箇所に光を照射する照射手段と、照射手段によって照射された光の反射光を分光する分光手段と、分光手段によって分光された光を検出し、標高の実測値を検出する検出手段とを含み、シミュレーション手段は、シミュレーション対象層の直下のマスクデータに基づいてシミュレーション対象層の膜厚を算出し、下層の標高とシミュレーション対象の膜厚とに基づいて凸部占有率を算出する第1の算出手段と、下層の標高と第1の算出手段によって算出された凸部占有率とに基づいてシミュレーション対象層の研磨後の標高を算出する第2の算出手段とを含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明のある局面によれば、第1の算出手段が、シミュレーション対象層の直下のマスクデータに基づいてシミュレーション対象層の膜厚を算出し、格納手段に格納された下層の標高とシミュレーション対象の膜厚とに基づいて凸部占有率を算出するので、第2の算出手段は、多層配線構造におけるシミュレーション対象層の研磨後の標高を容易に算出することが可能となる。
【0012】
本発明の別の局面によれば、照射手段が、シミュレーション手段によって算出された研磨後標高分布に基づいて、膜残りが発生する可能性が高い箇所に光を照射するので、膜残りが発生する可能性が高い箇所の標高の実測値を容易に検出することができ、研磨残りの検査を高速に行なうことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるシミュレーション装置の構成例を示すブロック図である。このシミュレーション装置は、コンピュータ本体1、ディスプレイ装置2、FD(Flexible Disk)4が装着されるFDドライブ3、キーボード5、マウス6、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)8が装着されるCD−ROM装置7、およびネットワーク通信装置9を含む。シミュレーションプログラムは、FD4またはCD−ROM8等の記録媒体によって供給される。シミュレーションプログラムがコンピュータ本体1によって実行されることによって、半導体チップのCMP研磨後の標高分布のシミュレーションが行なわれる。また、シミュレーションプログラムは他のコンピュータより通信回線を経由し、コンピュータ本体1に供給されてもよい。
【0014】
また、コンピュータ本体1は、CPU10、ROM(Read Only Memory)11、RAM(Random Access Memory)12およびハードディスク13を含む。CPU10は、ディスプレイ装置2、FDドライブ3、キーボード5、マウス6、CD−ROM装置7、ネットワーク通信装置9、ROM11、RAM12またはハードディスク13との間でデータを入出力しながら処理を行う。FD4またはCD−ROM8に記録されたシミュレーションプログラムは、CPU10によりFDドライブ3またはCD−ROM装置7を介してハードディスク13に格納される。CPU10は、ハードディスク13から適宜シミュレーションプログラムをRAM12にロードして実行することによって、半導体チップのCMP研磨後の標高分布のシミュレーションが行なわれる。
【0015】
図2は、本発明の実施の形態におけるシミュレーション装置の機能的構成を示すブロック図である。このシミュレーション装置は、多層配線構造における各層の膜種を設定する膜種設定部21と、デポ(成膜)形状を考慮して凸部占有率を算出する凸部占有率算出部22と、CMP研磨後の標高分布を算出する標高分布算出部23と、標高分布算出部23による算出結果を出力する計算結果出力部24とを含む。
【0016】
図3は、本発明の実施の形態におけるシミュレーション装置によってシミュレーションが行なわれる多層配線構造の半導体チップの一例を示す図である。この半導体チップは4層の配線構造を有しており、第1層目直下の層は、Si基板(Si−sub)およびSTI(Shallow Trench Isolation)などの上に設けられたBP−TEOS(Boron Phosphor-Tetra Ethyl Ortho Silicate)酸化膜、Wプラグなどによって構成される。
【0017】
第2層目直下の層は、Al配線(1AL)、LS−TEOS酸化膜、FSG(Fluorinated Silicate Glass)膜、Wプラグなどによって構成される。
【0018】
第3層目直下の層は、Al配線(2AL)、LS−TEOS酸化膜、FSG膜、Wプラグなどによって構成される。
【0019】
第4層目直下の層は、AL配線(3AL)、LS−TEOS酸化膜、FSG膜、Wプラグなどによって構成される。
【0020】
膜種設定部21は、K(1≦K)層目の研磨後標高分布を算出する際、K層目直下に設けられる膜の膜種を設定する。たとえば、図3に示す多層配線構造の2層目のシミュレーションを行なう場合、2層目直下にはLS−TEOS酸化膜およびFSG膜が設けられるため、膜種設定部21はこれらの膜種を設定する。なお、各層の膜種は予めRAM12に格納されており、膜種設定部21はRAM12から対応する層の膜種を読出す。
【0021】
凸部占有率算出部22は、K層目直下のマスクデータに基づいて研磨対象層(K層)の凸部占有率を算出する際、シミュレーション対象の領域をメッシュに分割し、デポ形状を考慮して各メッシュの研磨対象層における標高を算出する。そして、算出された各メッシュの研磨対象層における標高から凸部占有率を算出する。なお、各層のマスクデータは予めRAM12に格納されており、凸部占有率算出部22はRAM12から対応する層のマスクデータを読出す。
【0022】
標高分布算出部23は、プレストン式を用い、(K−1)層目の標高分布と、凸部占有率算出部22によって算出された凸部占有率とから研磨後標高分布を算出する。なお、kを研磨状態によって定まる比例定数、Pを加工圧力、vを工具と被加工物との間の相対速度、tを研磨時間とすると、プレストン式によって求められる除去量Mは、次式の通りとなる。なお、比例定数kは、被加工物の膜種によって異なる値が用いられ、被加工物がWプラグである場合にも異なる値が用いられる。
【0023】
M=kPvt ・・・(1)
計算結果出力部24は、標高分布算出部23によって算出された研磨後標高分布を取得して出力する。
【0024】
図4は、本発明の実施の形態におけるシミュレーション装置の処理手順を説明するためのフローチャートである。まず、シミュレーション対象の半導体チップが何層によって構成されるかが判定される(S11)。半導体チップの層数Nが1、すなわち単一層の半導体チップであれば(S11,N=1)、膜種設定部21はシミュレーション対象の膜種をRAM12から読出して設定する(S12)。
【0025】
次に、凸部占有率算出部22は、シミュレーション対象の領域をメッシュに分割し、1層目直下のマスクデータをRAM12から読出し、このマスクデータに基づいて、デポ形状を考慮しながらメッシュ(ix,iy)における膜厚T(ix,iy)を算出する。そして、膜厚T(ix,iy)の最大値をTmaxとし、ρ(ix,iy)=T(ix,iy)/Tmaxを算出する。そして、ρ(ix,iy)を応力応答関数で平均化することによって、凸部占有率を算出する(S13)。
【0026】
次に、標高分布算出部23は、プレストン式(1)を用いて、凸部占有率算出部22によって算出された凸部占有率からCMP研磨後の標高分布を算出する(S14)。そして、計算結果出力部24は、標高分布算出部23によって算出された研磨後の標高分布を出力する(S15)。
【0027】
また、半導体チップの層数Nが1よりも大きければ(S11,N>1)、シミュレーション対象が何層目であるかを示す変数Kに1を代入し、ステップS17〜S20の処理を変数Kをインクリメントしながら行ない、K=Nとなるまで処理を繰返す。
【0028】
ステップS17において、膜種設定部21はシミュレーション対象であるK層目直下の膜の膜種をRAM12から読出して設定する(S17)。
【0029】
次に、凸部占有率算出部22は、シミュレーション対象の領域をメッシュに分割し、K層目直下のマスクデータをRAM12から読出し、このマスクデータに基づいて、デポ形状を考慮しながらメッシュ(ix,iy)における膜厚T(ix,iy)を算出する。そして、RAM12に格納されている、すでに算出された下層の標高(K−1層目の標高)であるTL(ix,iy)を読出し、研磨対象層の標高T0(ix,iy)を次式によって算出する。
【0030】
T0(ix,iy)=TL(ix,iy)+T(ix,iy) ・・・(2)
そして、各メッシュの標高T0(ix,iy)の最大値をTmaxとし、ρ(ix,iy)=T0(ix,iy)/Tmaxを算出する。そして、ρ(ix,iy)を応力応答関数で平均化することによって、凸部占有率を算出する(S18)。
【0031】
次に、Kが1でなければ、標高分布算出部23は、プレストン式(1)を用いて、凸部占有率算出部22によって算出されたK−1層の標高分布とK層目の凸部占有率とからCMP研磨後の標高分布を算出し、RAM12にこの標高分布を格納する(S19)。また、Kが1であれば、標高分布算出部23は、プレストン式(1)を用いて、凸部占有率算出部22によって算出された1層目の凸部占有率からCMP研磨後の標高分布を算出し、RAM12にこの標高分布を格納する(S20)。
【0032】
ステップS17〜S20の処理をK=Nとなるまで繰返した後、計算結果出力部24は、標高分布算出部23によって算出されたK層目の研磨後の標高分布を出力する(S15)。
【0033】
図5は、標高の実測値と本発明の実施の形態におけるシミュレーション装置によって算出された標高とを示す図である。図5においては、横軸のData No.はメッシュに対応するデータの番号を示しており、標高の実測値を実線で表し、下層の段差を考慮せずに算出した場合の2層目の標高を点線で表し、下層である1層目の段差を考慮して算出した2層目の標高を一点鎖線で表している。
【0034】
図5から分かるように、1層目の段差を考慮して2層目の標高を算出した場合の方が、1層目の段差を考慮せずに2層目の標高を算出した場合よりも、半導体チップの標高の実測値に近い。
【0035】
以上説明したように、本実施の形態におけるシミュレーション装置によれば、すでに算出されている下層の標高を考慮してシミュレーション対象の層の標高を算出するようにしたので、多層配線構造の半導体チップの研磨後標高分布を容易に算出することが可能となった。
【0036】
また、すでに算出されている下層の標高を考慮してシミュレーション対象の層の標高を算出するようにしたので、下層の標高を考慮せずにシミュレーション対象の層の標高を算出した場合と比較して、シミュレーション精度を向上させることが可能となった。
【0037】
(第2の実施の形態)
図6は、本発明の第2の実施の形態における検査装置の概略構成を示す図である。この検査装置は、第1の実施の形態において説明したCMPシミュレーション装置20と、UV光を照射する光照射器41と、ウェハ35からのUV光の反射光の向きを変えるミラー42と、ミラー42からの光を分光する回折格子43と、回折格子43によって分光された光を検出する検出器44とを含む。
【0038】
コンピュータ31は、ユーザが半導体装置の設計を行なう際に使用され、その半導体装置の設計情報32がコンピュータ33に与えられる。コンピュータ33(CMPシミュレーション装置20)は、図1に示すシミュレーション装置と同等の機能を有しており、第1の実施の形態において説明したシミュレーションを行ない、研磨後標高分布を出力する。そして、コンピュータ33は、研磨後標高分布を参照して、標高が最も低くなる位置情報を計測位置34として図示しない計測装置に与える。
【0039】
計測装置は、ウェハ35が載置されるステージを移動させる機能を有しており、光照射器41からのUV光が計測位置34に照射されるようにステージを移動させる。
【0040】
光照射器41からのUV光が計測位置に照射されると、その反射光がミラー42を介して回折格子43に照射される。検出器44は、回折格子43によって分光された光を検出し、計測装置がその検出結果を用いて計測位置34における標高の実測値を求める。
【0041】
多層配線構造の半導体チップに埋め込み膜を形成した後、CMP研磨を行なう場合、局所的に窪んだ箇所などがあると研磨ばらつきに起因する研磨不足が発生する。このとき、ウェハ35表面の埋め込み膜を除去しきれず、配線間でショートを起こしたりする。
【0042】
本実施の形態においては、CMPシミュレーション装置20による研磨後の標高分布からプラグの埋め込み膜などの窪みが発生しそうな計測位置34を特定し、検出器44によってその計測位置34における反射強度を検出して実測値を求めることにより、膜残りの有無を判定する。
【0043】
なお、本実施の形態においては、算出された研磨後の標高が最も低くなる位置情報を計測位置34としたが、標高が低い複数の箇所の位置情報を計測位置34とし、研磨残りが発生しそうな複数箇所を検査するようにしてもよい。
【0044】
以上説明したように、本実施の形態における検査装置によれば、第1の実施の形態において説明したシミュレーション装置によって算出されたCMP研磨後の標高分布から研磨残りが発生しそうな箇所を特定し、研磨残りの検査を行なうようにしたので、研磨残りの検査を高速に行なうことが可能となった。
【0045】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるシミュレーション装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるシミュレーション装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるシミュレーション装置によってシミュレーションが行なわれる多層配線構造の半導体チップの一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるシミュレーション装置の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図5】標高の実測値と本発明の実施の形態におけるシミュレーション装置によって算出された標高とを示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における検査装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
1 コンピュータ本体、2 ディスプレイ装置、3 FDドライブ、4 FD、5 キーボード、6 マウス、7 CD−ROM装置、8 CD−ROM、9 ネットワーク通信装置、10 CPU、11 ROM、12 RAM、13 ハードディスク、20 CMPシミュレーション装置、21 膜種設定部、22 凸部占有率算出部、23 標高分布算出部、24 計算結果出力部、31,33 コンピュータ、32 設計情報、34 計測位置、35 ウェハ、41 光照射器、42 ミラー、43 回折格子、44 検出器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層配線構造の半導体チップの研磨後標高分布を算出するシミュレーション装置であって、
算出された各層の標高を格納する格納手段と、
シミュレーション対象層の直下のマスクデータに基づいて前記シミュレーション対象層の膜厚を算出し、前記格納手段に格納された下層の標高と前記シミュレーション対象の膜厚とに基づいて凸部占有率を算出する第1の算出手段と、
前記下層の標高と前記第1の算出手段によって算出された凸部占有率とに基づいて前記シミュレーション対象層の研磨後の標高を算出して前記格納手段に格納する第2の算出手段とを含む、シミュレーション装置。
【請求項2】
前記第1の算出手段は、前記シミュレーション対象層を複数のメッシュに分割し、前記マスクデータに基づいて前記複数のメッシュにおける膜厚を算出し、前記格納手段に格納された前記複数のメッシュに対応する下層の標高と、前記複数のメッシュにおける膜厚とに基づいて前記複数のメッシュに対応する凸部占有率を算出する、請求項1記載のシミュレーション装置。
【請求項3】
前記第2の算出手段は、前記複数のメッシュに対応する下層の標高と前記第1の算出手段によって算出された前記複数のメッシュに対応する凸部占有率とに基づいて前記シミュレーション対象層の研磨後の標高を算出する、請求項2記載のシミュレーション装置。
【請求項4】
半導体チップの研磨後の膜残りを検査する検査装置であって、
多層配線構造の半導体チップの研磨後標高分布を算出するシミュレーション手段と、
前記シミュレーション手段によって算出された研磨後標高分布に基づいて、膜残りが発生する可能性が高い箇所に光を照射する照射手段と、
前記照射手段によって照射された光の反射光を分光する分光手段と、
前記分光手段によって分光された光を検出し、標高の実測値を検出する検出手段とを含み、
前記シミュレーション手段は、シミュレーション対象層の直下のマスクデータに基づいて前記シミュレーション対象層の膜厚を算出し、下層の標高と前記シミュレーション対象の膜厚とに基づいて凸部占有率を算出する第1の算出手段と、
前記下層の標高と前記第1の算出手段によって算出された凸部占有率とに基づいて前記シミュレーション対象層の研磨後の標高を算出する第2の算出手段とを含む、検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−10741(P2008−10741A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−181584(P2006−181584)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】