説明

シャワーヘッド装置及び成膜装置

【課題】膜厚の面内均一性を高くすることが可能なシャワーヘッド装置を提供する。
【解決手段】薄膜が形成される被処理体Wを収容する処理容器4内へガスを導入するシャワーヘッド装置46において、内部にガスを拡散させるガス拡散室48が形成されたシャワーヘッド本体50と、シャワーヘッド本体のガス噴射板52に設けられた複数のガス噴射孔54とを有し、複数のガス噴射孔は、ガス噴射板の中心部を中心として仮想的に形成される複数の螺旋状の曲線84に沿うように配置されている。これにより、ガスを平面方向へ均一に分散させて、膜厚の面内均一性を高くする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ等の被処理体の表面に薄膜を形成するためのシャワーヘッド装置及び成膜装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体デバイス等を製造するためには、半導体ウエハ等の被処理体に対して、成膜処理、エッチング処理、アニール処理等の各種の処理が繰り返し行われる。例えば半導体ウエハを1枚ずつ処理する枚葉式の成膜装置を例にとれば、真空排気可能になされた処理容器内に半導体ウエハを設置し、このウエハを加熱しながら、処理容器の天井部に設けたシャワーヘッドのガス噴射孔から各種の成膜用のガスを噴射し、これによりウエハの表面に所望の膜種の薄膜を堆積するようになっている。
【0003】
そして、最近にあっては、半導体デバイスの更なる高集積化、及び微細化等が要請されており、これに伴って薄自体をより薄膜化すること及び膜厚の面内均一性をより向上させることが求められている。
【0004】
上述のように、膜厚の面内均一性を向上させるためには、従来よりシャワーヘッドのガス噴射孔の配列や形状や大きさ等を最適化することが種々検討されている(例えば特許文献1、2、3)。例えば特許文献1ではガス噴射孔を多重の円周上や螺旋状に配置しており、特許文献2ではガス噴射孔を螺旋状に配置しており、特許文献3ではシャワーヘッドに区画部材により筒状に形成された多数のガス流路を形成し、この出口であるスリット状のガス噴射孔から処理容器内へガスを供給するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平03−248431号公報
【特許文献2】特開2009−152603号公報
【特許文献3】特開2009−239082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したような従来のシャワーヘッドにあっては、ガス噴射孔の配列や形状は十分に最適化されているとはいい難く、膜厚の面内均一性が劣ってしまう、といった問題があった。特に最近にあっては、有機金属材料を用いて高誘電率(high−k)の薄膜を形成する場合のように、成膜ガスの供給方法として、原料ガスとオゾン等の反応ガス(酸化ガス)とを間欠的に互いに交互に繰り返し供給して原子レベル或いは分子レベルの厚さの薄膜を積層するようにした、いわゆるALD(Atomic Layer Deposition)法が採用されている。
【0007】
このALD法では、数秒程度の短時間でシャワーヘッド内や処理容器内におけるガスの切り替えを上述したように行わなければならないが、膜厚の面内均一性を高く維持しつつシャワーヘッドのコンダクタンスを高くしてガスの切り替えを迅速に行うことは困難であった。
【0008】
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明は、膜厚の面内均一性を高くすることが可能なシャワーヘッド装置及び成膜装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るシャワーヘッド装置及び成膜装置によれば、次のような優れた作用効果を発揮することができる。
薄膜が形成される被処理体を収容する処理容器内へガスを導入するシャワーヘッド装置において、ガスを処理空間に均一に分散させて供給することができる。従って、被処理体に形成される膜厚の面内均一性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係るシャワーヘッド装置を用いた成膜装置を示す断面構成図である。
【図2】シャワーヘッド装置のガス噴射板の下面を示す平面図である。
【図3】図1中のA部を示す拡大断面図である。
【図4】ガス噴射板のガス噴射孔の配置を説明するための図である。
【図5】各ガスの供給のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
【図6】シャワーヘッド装置の変形実施例に用いる螺旋の態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係るシャワーヘッド装置及びこれを用いた成膜装置の一例を、添付図面に基づいて詳述する。図1は本発明に係るシャワーヘッド装置を用いた成膜装置を示す断面構成図、図2はシャワーヘッド装置のガス噴射板の下面を示す平面図、図3は図1中のA部を示す拡大断面図、図4はガス噴射板のガス噴射孔の配置を説明するための図である。
【0012】
図1に示すように、本発明の成膜装置2は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレススチール等により筒体状に成形された処理容器4を有している。この処理容器4の底部6は、その中心部が下方向へ突状に窪ませて成形されており、この底部側壁に排気口8が設けられている。
【0013】
この排気口8には、処理容器4内の雰囲気を排気する真空排気系10が設けられる。具体的には、この真空排気系10は、上記排気口8に接続された排気通路12を有している。この排気通路12には、その上流側より下流側に向けて上記処理容器4内の圧力を調整する圧力調整弁14及び真空ポンプ16が順次介設されている。
【0014】
そして、この処理容器4内には、被処理体である例えば半導体ウエハWを保持する保持手段18が設けられている。ここでは上記保持手段18は、処理容器4の底部6の中心に起立された支柱20を有しており、この支柱20の上端には円板状になされた載置台22が設けられ、この載置台22上に上記半導体ウエハWが載置されるようになっている。この半導体ウエハWの直径は、例えば300mmに設定されている。
【0015】
上記載置台22は、例えばAlN等のセラミック材やアルミニウム合金等により形成されており、この内部には、半導体ウエハWを加熱するための加熱手段24が設けられている。この加熱手段24としては、例えばカーボンワイヤヒータ等の抵抗加熱ヒータが用いられ、ウエハ温度をコントロールできるようになっている。上記加熱手段24として加熱ランプを用いるようにしてもよい。
【0016】
上記載置台22には、上記半導体ウエハWを搬入、搬出する際にウエハWを持ち上げ又は持ち下げるリフタ機構25が設けられる。このリフタ機構25は、載置台22の周辺部に設けられた貫通孔26内に昇降される複数の昇降ピン28を有しており、この昇降ピン28の下端部は昇降リング30に支持されている。
【0017】
そして、処理容器4の底部6にベローズ32を介して貫通させて設けられる昇降ロッド34により上記昇降リング30を上下動させることによって、上記昇降ピン28を載置台22の上面より上方に出没させてウエハWを持ち上げたり、持ち下げたりできるようになっている。上記昇降ロッド34は、この下端部に設けたアクチュエータ36により昇降される。上記昇降ピン28は載置台22の周方向に沿って均等に複数本、例えば3本(図示例では2本のみ記す)設けられている。
【0018】
そして、処理容器4の側壁には、ウエハWを搬出入するための搬出入口38が設けられ、この搬出入口38にはウエハの搬出入時に気密に開閉されるゲートバルブ40が設けられている。また処理容器4の天井部には、Oリング等のシール部材42を介して天井板44が設けられている。この天井板44には、処理容器4内へガスを導入する本発明に係るシャワーヘッド装置46が上記載置台22と対向させるようにして設けられている。
【0019】
具体的には、このシャワーヘッド装置46は、内部にガスを拡散させるガス拡散室48が形成されたシャワーヘッド本体50と、このシャワーヘッド本体50の下面であるガス噴射板52に設けた複数のガス噴射孔54とにより主に構成されている。上記天井板44は、上記ガス拡散室48を区画するシャワーヘッド本体50の一部として形成され、この天井板44には、各種のガスを導入するガス導入口56が形成されている。尚、このガス導入口56をガス種に応じて複数個設けるようにしてもよい。
【0020】
上記ガス導入口56には、成膜に必要な各種のガス供給系が接続されている。具体的には、ここでは原料ガス供給系60と反応ガス供給系62とパージガス供給系64とが接続されて各ガスを必要に応じてそれぞれ流量制御しつつ流すようになっている。上記原料ガス供給系60は、上記ガス導入口56に接続されるガス通路66を有している。このガス通路66には、開閉弁68及びマスフローコントローラのような流量制御器70が順次介設されており、後述するように原料ガスを間欠的に且つ流量制御しつつ流すようになっている。ここで原料ガスとしては、例えばハフニウム金属を含む有機金属材料であるテトラキス(エチルメチルアミノ)ハフニウム(TEMAHf)を用いている。
【0021】
また、上記反応ガス供給系62は、上記ガス導入口56に接続されるガス通路72を有している。このガス通路72には、開閉弁74及びマスフローコントローラのような流量制御器76が順次介設されており、後述するように反応ガスを間欠的に且つ流量制御しつつ流すようになっている。ここで反応ガスとしては、酸化ガスである例えば水蒸気(H O)を用いている。
【0022】
また、上記パージガス供給系64は、上記ガス導入口56に接続されるガス通路78を有している。このガス通路78には、開閉弁80及びマスフローコントローラのような流量制御器82が順次介設されており、後述するようにパージガスを間欠的に且つ流量制御しつつ流すようになっている。ここでパージガスとしては、例えば希ガスのArを用いている。尚、パージガスとしては、He等の他の希ガスや不活性ガスであるN ガスを用いるようにしてもよい。
【0023】
上記のような各ガスは、ガス拡散室48内で周辺方向へ拡散されつつ各ガス噴射孔54よりガス噴射板52と載置台22との間の処理空間Sへ流すようになっている。上記ガス噴射板52と載置台22の上面(ウエハ載置面)との間の距離H1は、処理空間Sにおけるガスの切り替えを容易にするためにできるだけ狭くなされており、例えば10mm程度に設定されている。
【0024】
ここで、本発明の特徴とするシャワーヘッド装置46における上記ガス噴射孔54の配置例について詳しく説明する。図2にも示すように、ガス噴射板52の直径D1は、半導体ウエハWの直径よりも大きい値、例えば360mm程度に設定され、上記ガス噴射孔54が形成されている円形領域83の直径D2も、半導体ウエハWの直径よりも大きい値、例えば310mm程度に設定されている。
【0025】
そして、上記複数のガス噴射孔54は、ガス噴射板52の中心部を中心として仮想的に形成される複数の螺旋状の曲線84に沿うように配置されている。図2において、上記仮想的な螺旋状の曲線84を、本発明の理解を容易にするために一部可視化して示している。そして、この螺旋状の曲線84に沿って形成される各ガス噴射孔54の開口面積は、ガス噴射板52の周辺部より中心部に行くに従って次第に小さくなされている。
【0026】
この場合、ガス噴射孔54の開口面積は、ガス噴射板52の中心部に向かうに従って、1つ隣りに行く毎に少しずつ小さくてもよいし、複数個、例えば隣りに連続する2〜3個のガス噴射孔54の開口面積は同じに設定して、2〜3個ずつ中心部に行くに従って少しずつ小さくなるようにしてもよい。いずれにしても、平面的に隣り合うガス噴射孔54同士が連結しないように中心部に行くに従ってその開口面積が少しずつ小さくなるように設定している。
【0027】
図示例では各ガス噴射孔54の形状は円形になされている。そして、図2では各ガス噴射孔54の配列は、フィボナッチ数列の中で隣り合う任意の3つの数値を用いて形成されている。ここでフィボナッチ数列とは、以下に示すような数列であり、どの項(数値)もその前の2つの項の和となっている数列である。
【0028】
0,1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,233,……
【0029】
このフィボナッチ数列は、自然界の現象に数多く出現し、例えばヒマワリの種の配列等に現れている。ここでは上記フィボナッチ数列の隣り合う3つの数値、例えば”13,21,34”を選択して用いている。
【0030】
具体的には、上記複数の螺旋状の曲線84の内で、上記ガス噴射板52の周辺部から中心部へ時計回り方向90で向かう螺旋状の曲線84Aの全体数は、カウントすると上記3つの選択された数値の内の最大値である”34”本になるように設定されている。そして、上記時計回り方向90の螺旋状の1本の曲線84A上には、ガス噴射孔54が上記3つの選択された数値の内の最小値である”13”個になるように設定されている。従って、ガス噴射板52に配置されるガス噴射孔54の数は”442”個(=34×13)となっている。
【0031】
そして、前述したように、上記螺旋状の曲線84A上に配置されるガス噴射孔54の開口面積、すなわちここでは直径は、ガス噴射板52の周辺部から中心部に向かうに従って小さくなされており、隣り合う孔同士が連通しないようになっている。そして、上記ガス噴射板52の中心には、上記各ガス噴射孔54とは異なる中心ガス噴射孔94が形成されており、ウエハWの中心部における膜厚の面内均一性を改善するようになっている。
【0032】
尚、ここで上記複数の螺旋状の曲線84の内で、上記ガス噴射板52の周辺部から中心部へ反時計回り方向92で向かう螺旋状の曲線84Bの全体数は、カウントすると上記3つの選択された数値の内の中間値である”21”本になるように設定されている。すなわち、1つのガス噴射孔54は、上記2つの螺旋状の曲線84A、84B上に位置することになる。
【0033】
そして、各ガス噴射孔54の直径の大きさは、そのガス噴射孔54とその周辺に隣り合うガス噴射孔54との間の間隔以上の大きさとなるように設定されている。具体的には、図2中において、ある特定のガス噴射孔54Aに注目した場合、このガス噴射孔54Aの直径をX1とし、このガス噴射孔54Aに対して時計回り方向90で向かう螺旋状の曲線84A上において両方で隣り合うガス噴射孔54との間の間隔をそれぞれXa、Xbとし、上記ガス噴射孔54Aに対して反時計回り方向92で向かう螺旋状の曲線84B上において両方で隣り合うガス噴射孔54との間の間隔をそれぞれXc、Xdとすると、間隔Xa〜Xdのいずれもが直径X1以下の大きさとなるような寸法に設定する。従って、実際には、ガス噴射孔54の直径は図示されているよりも大きい。なお、図示するように、「間隔Xa〜Xd」とは隣接する2つのガス噴射孔54の周縁間の最短距離である。
【0034】
すなわち、上述したような寸法に設定することにより、各ガス噴射孔54に対して、これに隣り合う周辺部のガス噴射孔54との間の間隔が過度に広くならないようにして、すなわち隣接するガス噴射孔54の間の領域が広くなりすぎないようにして、膜厚の面内均一性の向上を図るようにしている。
【0035】
更に、上記同一の螺旋状の曲線84上に隣り合うガス噴射孔54の間隔Xa〜Xdは、上記ガス噴射板52と上記載置台22との間の間隔H1(図1参照)以下、好ましくは間隔H1の0.9倍以下の大きさとなるように設定されており、複数のガス噴射孔54から噴射されたガスがウエハWに到達するまで処理空間S内において十分に拡散することからウエハW上でガスの濃淡が発生するのを防止して、膜厚の面内均一性の向上を図るようにしている。なお、後述するガス噴射孔54の配置規則によれば、一つの螺旋状の曲線84(84A,84B)上で隣り合うガス噴射孔54の中心間距離は外側ほど大きくなるが、外側のガス噴射孔54においても、上記の間隔H1と間隔Xa〜Xdとの関係が成立するように、外側のガス噴射孔54の方が直径が大きくなっている。
【0036】
上記中心ガス噴射孔94は、図3に示すようにネジ部材96に上下方向へ貫通させて設けられており、このネジ部材96を、ガス噴射板52の中心部にネジにより着脱可能に取り付けるようになっている。この場合、中心ガス噴射孔94の内径が異なるネジ部材96を交換できるため必要に応じて最適な中心ガス噴射孔94を選択することができる。この中心ガス噴射孔94の内径の大きさは、1.0〜1.3mm程度であり、内径が1.0mmよりも小さいと、ガスの流量が少な過ぎてこの中心ガス噴射孔94を設けた効果がなくなり、逆に1.3mmよりも大きいと、ガスが過度に流れて膜厚の面内均一性に悪影響を与えてしまう。ここでは上記中心ガス噴射孔94の内径は1.2mm程度に設定されている。
【0037】
ここで上記フィボナッチ数列を用いた各ガス噴射孔54の配列の幾何学的特徴について図4も参照して詳しく説明する。図4は図2中のガス噴射孔54のみを取り出して描いた図である。まず、複数のガス噴射孔54の内、最外周の特定の基準位置S0に位置させるべきガス噴射孔54を基準ガス噴射孔54Aとする。この基準ガス噴射孔54Aは、全てのガス噴射孔54の内でガス噴射板52の中心位置より最も遠い位置にある。
【0038】
そして、上記基準ガス噴射孔54Aを起点として、黄金角度又はその近似値に対応する回転角度だけ時計回り方向と反時計回り方向の内のいずれか一方、ここでは反時計回り方向92へ順次回転すると共に、回転の都度に1つの螺旋状の曲線上に隣り合うガス噴射孔のガス噴射板52(図4参照)の半径方向におけるピッチP1の1/[螺旋状の曲線の数]の長さだけ半径方向内側へずらした位置に新たなガス噴射孔を順次配置させるようにして全体が形成されている。そして、全てのガス噴射孔54を半径方向へ曲線状に連ねることにより、上記螺旋状の曲線が仮想的に形成されることになる。ここで、ピッチP1とは、1本の螺旋状の曲線84(84A、84B)上において隣接する2つのガス噴射孔54において、ガス噴射板52の中心からそれぞれのガス噴射孔54の中心までの距離の差を意味する。
【0039】
具体的には、黄金比は”1:(1+√5)/2”であり、黄金角度は、黄金比で円周を分割したときの短い弧に対応する中心角として定義され、以下の式で求められる。
360度×1/[1+(1+√5)/2]=137.5077…
上記の回転角度は、厳密に黄金角度である必要はなく、黄金角度の近似値例えば136〜138度の範囲内の角度を用いることもできる。回転角度は、360度を割り切れない角度に設定される。
【0040】
ここでは、上記回転角度として137.5度を用い、上記基準位置S0を起点(基準)として反時計回り方向92へ137.5ずつ回転し、回転の都度に曲線上に隣り合うガス噴射孔のガス噴射板中心方向におけるピッチの”1/34”(34:螺旋状の曲線の数)の長さだけガス噴射板の中心方向へ位置ずれさせた位置にガス噴射孔を配置するように設定されている。上述のようなガス噴射孔54の配列は、分数多角形で表現すると13分の34角形(21分の34角形でもある)となる。
【0041】
図4においては、1の螺旋状の曲線上に隣り合うガス噴射孔のガス噴射板の中心方向におけるピッチP1は11.5mmに設定されており、従って、基準位置S0から反時計回り方向へ137.5度ずつ回転する毎に0.33mm(=11.5mm/34)だけガス噴射板の中心方向へ位置ずれさせる。
よって、各ガス噴射孔の位置は、極座標系を用いて以下のように表記することができる。
(rn,θn)=(r0−0. 33n,θ0+137. 5n)
但し、(r0,θ0)は基準位置S0の極座標、nは回転回数であり、回転角度は反時計回り方向を正方向とする。
図4中では、1回目の回転後の位置を位置S1、2回目の回転後の位置を位置S2、3回目の回転後の位置を位置S3として表している。そして、上記回転を繰り返し行って34回目(螺旋状の曲線84Aの本数と同じ回数)になると、その回転後の位置は位置S34として表される。ここで基準位置S0と位置S34とは、同一の螺旋状の曲線84A(図2参照)上における隣り合うガス噴射孔54同士の位置となる。この際、基準位置S0と位置S34とがガス噴射板中心に対してなす角度θは”5度”となる。
【0042】
ここで、上記”5度”は次のようにして求まる。
137.5度×34(螺旋状の曲線の数)=4675度
4675度−(360度×12)=−355度
355度−360度=−5度
すなわち、ある一つの螺旋状の曲線84Aにおいて基準位置S0にあるガス噴射孔54Aに隣接するガス噴射孔54の角度位置は、基準位置S0から「5度」だけ時計回り方向へ戻った角度位置である。本実施形態では、上記操作により定められるガス噴射孔54の総数は、442個である。
また、前述のように、ある一つの螺旋状の曲線84Aにおいて隣接するガス噴射孔54の、ガス噴射板52の半径方向のピッチはP1(ここでは11.5mm)である。
従って、ある一つの螺旋状の曲線84Aにおける各ガス噴射孔54の位置は、極座標系を用いて以下のように表記することができる。
(rm,θm)=(ra−11.5(m−1),θa−5(m−1))
但し、「(ra,θa)」は当該螺旋状の曲線84A上に位置するもっとも外側のガス噴射孔54の極座標、「m」はそのガス噴射孔54が外側から何番目かをそれぞれ意味し、また、回転角度は反時計回り方向を正方向とする。
【0043】
上述したように、上記回転角度は黄金角度である137.5度に限らずに僅かにずれても膜厚の面内均一性に悪影響を与えることは少なく、その範囲は黄金角度の近似値である136〜138度の範囲内の角度を用いることもできる。但し、回転角度は360度を割り切れない数値である。この値で360度を割り切れると、ガス噴射孔54の配列が、ガス噴射板52の中心から複数の方向に沿って放射状に規則的に配列された状態となってしまい、周方向へ分散されて配列された状態とならず、この結果、面内におけるガス濃度に偏りが生じる危惧が発生してしまう。尚、ここでは上記最外周のガス噴射孔の直径は10mmに設定され、最内周のガス噴射孔の直径は2mmに設定され、ガス噴射孔の直径は同一の螺旋状の曲線上で外周より中心部側へ行くに従って、ほぼ0.5mm程度ずつ小さくしている。
このように、本実施形態のガス噴射孔54は、通常のシャワーヘッドのガス噴射板のガス噴射孔と比較して、かなりサイズが大きい。これにより、コンダクタンスを良くすることができ、ガスの導入及び置換を速やかに行うことができる。しかしながら、ガス噴射孔のサイズ(直径)を大きくしすぎると、ガス噴射孔の周辺のみでガス濃度が高くなり、均一性が悪くなる。本実施形態では、可能な限り大きな直径のガス噴射孔のサイズを大きくしてコンダクタンスを向上させる一方で、ガス噴射孔をフィボナッチ数列に基づいて配列することによりガス濃度の均一性も維持している。
【0044】
以上のように形成された成膜装置全体の動作は、例えばコンピュータ等よりなる装置制御部100により制御されるようになっており、この動作を行うコンピュータのプログラムは、記憶媒体102に記憶されている。この記憶媒体102は、例えばフレキシブルディスク、CD(Compact Disc)、ハードディスク、フラッシュメモリ或いはDVD等よりなる。具体的には、この装置制御部100からの指令により、各ガスの供給の開始、停止や流量制御、プロセス温度やプロセス圧力の制御等が行われる。
【0045】
<成膜方法>
次に、以上のように構成された成膜装置を用いて行われる成膜方法について図5も参照して説明する。図5は各ガスの供給のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。ここでは、成膜方法として各ガスを間欠的に交互に供給して薄膜を積層させるALD法を例にとって説明する。
【0046】
まず、真空引きのなされた処理容器4内へウエハWを搬入してこれを載置台22上に載置したならば、この処理容器4内を密閉する。そして、載置台22に設けた加熱手段24によりウエハWを所定のプロセス温度まで昇温してこの温度を維持する。これと同時に、処理容器4の天井部に設けたシャワーヘッド装置46のガス噴射板52のガス噴射孔54より処理空間Sに向けて各ガスを図5に示すような順序に従って導入する。
【0047】
この場合、原料ガスであるTEMAHfガスは原料ガス供給系60によりシャワーヘッド本体50のガス拡散室48内へ供給され、反応ガス(酸化ガス)である水蒸気は反応ガス供給系62によりシャワーヘッド本体50のガス拡散室48内へ供給され、パージガスであるArガスはパージガス供給系64によりシャワーヘッド本体50のガス拡散室48内へ供給される。各ガスは、上記ガス拡散室48内へ水平方向へ拡散しつつ各ガス噴射孔54から下方の処理空間Sに向けて流れて行く。各ガスの供給の開始と供給の停止は、対応する各開閉弁68、74、80を開閉することにより行う。
【0048】
上記各ガスの供給のタイミングの一例は図5に示されており、原料ガスであるTEMAHf(図2(A))と反応ガスである水蒸気(図2(B))とを交互に間欠的に繰り返供給して、パルス状の供給態様としている。そして、原料ガスの供給休止期間と反応ガスの供給休止期間とが重なる期間にはパージガスであるArガスを流しており、処理容器4内の残留ガスの排出を促進させている。上記原料ガスの供給時にはTEMAHfガスがウエハWの表面に吸着し、そして、反応ガスの供給時には上記ウエハW上に吸着していたTEMAHfガスが反応ガスである水蒸気と反応して酸化させて薄い原子レベル、或いは分子レベルの厚さの酸化ハフニウムが形成されることになる。この操作を繰り返すことにより上記薄膜が積層されて、必要な回数(サイクル)だけ繰り返すことにより所望の厚さの酸化ハフニウム膜が得られる。
【0049】
ここで原料ガスの供給期間の開始から次の原料ガスの供給期間の開始までの間が1サイクルとなる。一例として原料ガスの供給期間T1は、0.1〜5.0秒程度であり、反応ガスの供給期間T2は、0.1〜5.0秒程度であり、パージ期間T3は、0.1〜10.0秒程度である。また各ガスの供給量の一例は、TEMAHfガスが1〜500mg/min程度であり、水蒸気が1〜500mg/min程度であり、Arガスが100〜5000sccm程度である。またプロセス圧力は、1〜10Torrの範囲内であり、ここでは1〜3Torrの範囲内に設定している。また、プロセス温度は、200〜500℃程度である。尚、図2に示すALD法による各ガスの供給態様は単に一例を示したに過ぎず、これに限定されない。
【0050】
ここで、本発明のシャワーヘッド装置46では、ガス噴射板52の中心部を中心として仮想的に形成される複数の螺旋状の曲線84に沿って各ガス噴射孔54を配置するようにしたので、この下方に位置する処理空間Sに向けて各ガスを平面方向に均一に分散させて供給することが可能となる。従って、半導体ウエハWの表面に形成される薄膜の面内均一性を向上させることができる。
【0051】
特に、本実施例では、フィボナッチ数列の中で隣り合う任意の3つの数値の内の最大値が、ガス噴射板52の周辺部から中心部に例えば時計回り方向90で向かう螺旋状の曲線84Aをカウントした時の数値となるようにし、更に、この曲線84A上に上記3つの数値の内の最小値の数のガス噴射孔54を配置するようにしたので、半導体ウエハWの表面に形成される薄膜の面内均一性を一層向上させることができる。
【0052】
尚、図2及び図3に示す装置例では、螺旋状の曲線の数を時計回り方向90へカウントした場合に”34”とし、反時計回り方向92へカウントした場合に”21”となるように設定したが、両者を互いに逆方向となるように設定してもよい。
【0053】
<本発明の評価>
次に、上述したようにフィボナッチ数列の内の”13、21、34”の3つの数値を用いた本発明に係るシャワーヘッド装置を有する成膜装置を用いて実際に半導体ウエハの表面に薄膜を堆積する実験を行ったので、その評価結果について説明する。原料ガスとしてTEMAHfガスを用い、反応ガスとして水蒸気を用いてハフニウム酸化膜を成膜した。ここでTEMAHfの流量は100mg/min、水蒸気の流量は40mg/min、成膜のサイクル数は12回である。中心ガス噴射孔94の内径は1.2mmに設定し、プロセス圧力は80Pa、プロセス温度は350℃にそれぞれ設定した。
【0054】
比較例として、先の特許文献3に示されるようなスリット状のガス噴射孔を有するシャワーヘッドを備えた成膜装置を用いた。このシャワーヘッドの中心には内径が1.3mmの中心ガス噴射孔が形成されている。他のプロセス条件は、上記本発明のシャワーヘッド装置を用いた場合と同様になるように設定した。
【0055】
この結果、従来のシャワーヘッドを用いた場合には、膜厚の平均が34.3Åのときに膜厚の面内均一性は1.04%であったのに対して、本願発明のシャワーヘッド装置を用いた場合には、膜厚の平均が36.1Åのときに膜厚の面内均一性は0.98%であった。このように、本発明のシャワーヘッド装置を用いた場合には、膜厚の面内均一性を向上させることができることを確認することができた。
【0056】
<変形実施例>
次に、本発明のシャワーヘッド装置の変形実施例について説明する。ここではガス噴射孔を配置するための螺旋状の曲線としてアルキメデス螺旋と対数螺旋とを用いている。図6はシャワーヘッド装置の変形実施例に用いる螺旋の態様を示す図であり、図6(A)は第1変形実施例に用いる対数螺旋の一例を示し、図6(B)は第2変形実施例に用いるアルキメデス螺旋の一例を示している。
【0057】
ここでアルキメデス螺旋とは、以下の極座標の式によって表される曲線である。
r=aθ
r:原点からの距離、a:定数、θ:回転角
対数螺旋とは、極座標表示(r、θ)で以下の式によって表される曲線である。
log(r)=bθ・log(ae)
r:原点からの距離、e:ネイピア数、a,b:固定された定数、θ:回転角
この場合、上記螺旋状の1の曲線(アルキメデス螺旋又は対数螺旋のいずれか)を、黄金角度又はその近似値に対応する角度だけ時計回り方向と反時計回り方向の内のいずれか一方の方向へ順次回転させることにより、ガス噴射孔を配置するための複数の螺旋状の曲線が定義されることになる。この点は、図2及び図4に示す場合と類似している。
【0058】
この場合、全体で形成される複数の螺旋状の曲線の数は、フィボナッチ数列の中で隣り合う任意の3つの数値の内の最大値となるように設定する。そして、1の螺旋状の曲線上には、ガス噴射孔が上記3つの数値の内の他の2つの数値の内のいずれか一方の数だけ配置されるようになっている。
【0059】
具体的には、前述のようにフィボナッチ数列の中で隣り合う任意の3つの数値として”13、21、34”を選択した場合には、螺旋状の曲線の数を”34”に設定する。そして、全ての螺旋状の曲線に対して、1つの螺旋状の曲線上には、ガス噴射孔を”13”個配置するようにしてもよいし、或いは”21”個配置するようにしてもよい。
【0060】
この場合、螺旋状の曲線を、例えば34本形成すると、互いに交差する場合も生ずるが、交差点上にガス噴射孔を配置する場合には、そのガス噴射孔は交差する2本の螺旋状の曲線上に共通に存在するように配置されることになる。そして、先の実施例と同様に、ガス噴射孔の開口面積は、ガス噴射板の周辺部より中心部に行くに従って次第に小さくなされている。
【0061】
また、螺旋状の曲線の回転角度は、先に図2及び図4を参照して説明した場合と同様に、136〜138度の範囲内であって、360度を割り切れない数値である。この第1及び第2実施例の場合にも、先に図2等を参照して説明した実施例と同様な作用効果を発揮することができる。
【0062】
尚、上記各実施例では、フィボナッチ数列から隣り合う任意の3つ数として”13、21、34”を選択した場合を例にとって説明したが、これに限定されず、ガス噴射板の直径を考慮した場合、実用的には”8、13、21、34、55、89、144”の中から隣り合う任意の3つ数を選択するのがよい。
【0063】
また、上記各実施例では、ガス噴射孔の形状は、これを円形に設定した場合を例にとって説明したが、これに限定されず、ガス噴射孔の形状は三角形、四角形、楕円形状等に設定してもよい。また、上記各実施例では、成膜時の原料として、有機金属材料であるTEMAHfを用いた場合を例にとって説明したが、これに限定されず、他の有機金属材料、例えばTEMAZr、La(amd)等を用いてもよいし、更には有機金属材料に限定されず、他の成膜用の原料を用いてもよい。
【0064】
更には、上記各実施例では、反応ガスとして、酸化ガスである水蒸気を用いたが、他の酸化ガス、例えばO 、O 等を用いてもよいし、或いは反応ガスとして成膜すべき膜種によってはH 、SiH 、有機酸等の還元ガスやNH 等の窒化ガスを用いる場合もある。
【0065】
また、ここでは被処理体として半導体ウエハを例にとって説明したが、この半導体ウエハにはシリコン基板やGaAs、SiC、GaNなどの化合物半導体基板も含まれ、更にはこれらの基板に限定されず、液晶表示装置に用いるガラス基板やセラミック基板等にも本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0066】
2 成膜装置
4 処理容器
10 真空排気系
18 保持手段
22 載置台
46 シャワーヘッド装置
48 ガス拡散室
50 シャワーヘッド本体
52 ガス噴射板
54 ガス噴射孔
60 原料ガス供給系
62 反応ガス供給系
64 パージガス供給系
84 螺旋状の曲線
84A 時計回り方向の曲線
84B 反時計回り方向の曲線
94 中心ガス噴射孔
96 ネジ部材
W 半導体ウエハ(被処理体)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜が形成される被処理体を収容する処理容器内へガスを導入するシャワーヘッド装置において、
内部に前記ガスを拡散させるガス拡散室が形成されたシャワーヘッド本体と、
前記シャワーヘッド本体のガス噴射板に設けられた複数のガス噴射孔とを有し、
前記複数のガス噴射孔は、前記ガス噴射板の中心部を中心として仮想的に形成される複数の螺旋状の曲線に沿うように配置されていることを特徴とするシャワーヘッド装置。
【請求項2】
前記ガス噴射孔の開口面積は、周辺部より中心部に行くに従って次第に小さくなされていることを特徴とする請求項1記載のシャワーヘッド装置。
【請求項3】
フィボナッチ数列の中で隣り合う任意の3つの数値の内の最大値が、前記ガス噴射板の周辺部から中心部に時計回りの方向又は反時計回りの方向で向かう前記螺旋状の曲線をカウントした時の数値となるように設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載のシャワーヘッド装置。
【請求項4】
前記最大値がカウントされる方向の螺旋状の曲線上には、前記3つの数値の内の最小値の数の前記ガス噴射孔が配置されていることを特徴とする請求項3記載のシャワーヘッド装置。
【請求項5】
前記複数の螺旋状の曲線は、前記複数のガス噴射孔の内の最外周の特定の基準位置に位置するガス噴射孔を起点として、黄金角度又はこれに近似する近似値に対応する回転角度だけ時計回り方向と反時計回り方向の内のいずれか一方の方向へ順次回転させると共に、回転の都度に1の螺旋状の曲線上に隣り合うガス噴射孔の前記ガス噴射板の半径方向におけるピッチの1/[螺旋状の曲線の数]の長さだけ前記半径方向内側へずらした位置に新たなガス噴射孔を順次配置させ、前記ガス噴射孔を半径方向へ連ねることにより仮想的に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシャワーヘッド装置。
【請求項6】
前記回転角度は、136〜138度の範囲内であって、360度を割り切れない数値であることを特徴とする請求項5記載のシャワーヘッド装置。
【請求項7】
前記螺旋状の曲線は、アルキメデス螺旋であることを特徴とする請求項1又は2記載のシャワーヘッド装置。
【請求項8】
前記螺旋状の曲線は、対数螺旋であることを特徴とする請求項1又は2記載のシャワーヘッド装置。
【請求項9】
前記複数の螺旋状の曲線は、1の前記螺旋状の曲線を黄金角度又はこれに近似する近似値に対応する回転角度だけ時計回り方向と反時計回り方向の内のいずれか一方の方向へ順次回転させることにより仮想的に形成されていることを特徴とする請求項7又は8記載のシャワーヘッド装置。
【請求項10】
前記複数の螺旋状の曲線の数は、フィボナッチ数列の中で隣り合う任意の3つの数値の内の最大値の数値であり、1の螺旋状の曲線上には、前記ガス噴射孔は前記3つの数値の内の他の2つの数値の内のいずれか一方の数だけ配置されていることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載のシャワーヘッド装置。
【請求項11】
前記複数の螺旋状の曲線は、前記複数のガス噴射孔の内の最外周の特定の基準位置に位置するガス噴射孔を起点として、黄金角度又はこれに近似する近似値に対応する回転角度だけ時計回り方向と反時計回り方向の内のいずれか一方の方向へ順次回転させると共に、回転の都度に1の螺旋状の曲線上に隣り合うガス噴射孔の前記ガス噴射板の半径方向におけるピッチの1/[螺旋状の曲線の数]の長さだけ前記半径方向内側へずらした位置に新たなガス噴射孔を順次配置させ、前記ガス噴射孔を半径方向へ連ねることにより仮想的に形成されていることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか一項に記載のシャワーヘッド装置。
【請求項12】
前記回転角度は、136〜138度の範囲内であって、360度を割り切れない数値であることを特徴とする請求項9又は11記載のシャワーヘッド装置。
【請求項13】
同一の前記螺旋状の曲線上に隣り合うガス噴射孔の最短周縁間距離は、前記ガス噴射孔の直径以下の大きさに設定されていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載のシャワーヘッド装置。
【請求項14】
同一の前記螺旋状の曲線上において隣り合うガス噴射孔の最短周縁間距離は、前記ガス噴射板と、前記処理容器内に前記被処理体を保持させるために設置される保持手段の保持面との間の間隔以下に設定されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載のシャワーヘッド装置。
【請求項15】
前記ガス噴射板の中心には、前記複数の螺旋状の曲線に沿って形成される前記複数のガス噴射孔とは異なる中心ガス噴射孔が形成されていることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載のシャワーヘッド装置。
【請求項16】
前記ガス噴射板の中心部には、前記中心ガス噴射孔が形成されたネジ部材が取り付けられていることを特徴とする請求項15記載のシャワーヘッド装置。
【請求項17】
被処理体に対して薄膜を形成する成膜装置において、
前記被処理体を収容する処理容器と、
前記被処理体を保持する保持手段と、
前記被処理体を加熱する加熱手段と、
請求項1乃至16のいずれか一項に記載のシャワーヘッド装置と、
前記処理容器内の雰囲気を排気する真空排気系と、
成膜装置全体の動作を制御する装置制御部と、
を備えたことを特徴とする成膜装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−48227(P2013−48227A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−162407(P2012−162407)
【出願日】平成24年7月23日(2012.7.23)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】