説明

シリコン・オン・インシュレータ・ラッチアップ・パルス放射線検出器

【課題】シリコン・オン・インシュレータ技術を使用して形成した放射線検出器を提供すること。
【解決手段】この放射線検出器は、絶縁基板上に形成され、PNPN構造を有するシリコン層と、このPNPN構造上に形成され、PNゲートを有するゲート層とを備える。放射線検出器内の入射放射線に応答してのみ、ラッチアップが生じる。第2の態様は、シリコン・オン・インシュレータPNPNダイオード構造を備えており、放射線検出器内で入射放射線に応答してのみラッチアップが生じる、放射線検出器である。第3の態様は、絶縁基板上に形成されたシリコン層を備えており、このシリコン層が、PNPN構造とPNPN構造の上に形成されたゲート層とを備え、このゲート層がPNゲートを備えており、放射線検出器内で入射放射線に応答してのみラッチアップが生じる、シリコン・オン・インシュレータ放射線検出器である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に集積回路に関し、より詳細には、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)技術を使用して形成されたラッチアップ・パルス放射線検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコン・オン・インシュレータ(SOI)技術は、集積回路分野で重要性が増してきているが、絶縁材料の層の上にある、半導体材料の比較的薄い層内に半導体デバイス(例えば、ダイオード、トランジスタなど)を形成することに関係している。SOI技術は、バルク相補型金属酸化膜半導体(CMOS)プロセスに比べて、例えば高性能、高搭載密度、低消費電力、およびラッチアップの実質的な減少を含めて、多くの利点を提供する。
【0003】
すべての接合分離型、またはバルク型CMOSプロセスにおいて、ラッチアップの原因が存在する寄生PNPNパスである。このような寄生PNPNパスで形成された寄生PNPおよびNPNバイポーラ・トランジスタは、通常の条件では、活性化できない。しかし、ある種の条件では、例えば、スプリアスな電流スパイク(spurious current spike)に応答して、寄生PNPおよびNPNトランジスタは、活性化することがあり、それによって長い正のフィードバックを有する回路が形成される、すなわちラッチアップが起きる。
【0004】
寄生PNPNバイポーラ・トランジスタによって引き起こされるラッチアップを利用するために、しばしばバルク型CMOSプロセスを使用して放射線検出器を形成する。具体的には、バルク型CMOSタイプ放射線検出器は、検出器の内部で十分に大きい電流スパイクを生じることができる、α粒子、宇宙線、または他のタイプの放射線との相互作用に応答して選択的にラッチアップ状態に入るように設計されている。遺憾ながら、SOI技術の特徴の1つが、ラッチアップを実質的に減少させることなので、イオン化放射線トリガ・ラッチアップ(ionizing-radiation-triggered latch-up)が生じ得るSOI放射線検出器を作製することは非常に困難であることがわかっている。このようなSOIタイプ放射線検出器ができれば、SOI技術がもたらす利点がバルク型CMOSプロセスに比べて多いので、望ましいはずである。
【0005】
バルク型CMOSプロセスを用いて形成されたPNPNダイオード構造は、一般に、放射線検出器を作製するために使用される。遺憾ながら、このバルク型CMOS構造は、SOI技術では存在しない素子分離のすぐ下の電流経路を利用しており、したがって、この設計は、放射線検出器として使用するには適さなくなっている。
【0006】
図1に示すPNPNダイオード構造10は、絶縁基板12、絶縁基板12上に形成されたシリコン層14、シリコン層14上に形成されたゲート酸化物層(例えば、二酸化ケイ素)16、ゲート酸化物層16上に形成されたゲート層18、およびゲート層18の上に形成されたシリサイド・ストラップ20を備える。シリコン層14は、高ドープP+領域22、高ドープN+領域24、低ドープNウェル26、および低ドープPウェル28を備える。ゲート層18は、シリサイド・ストラップ20によって結合された、高ドープP+領域30および高ドープN+領域32を備える。ゲート層18のP+領域30の側面34とN+領域32の側面36の界面46は、シリコン層14のNウェル26の側面38とPウェル28の側面40の界面48にほぼ一致している。ゲート層18のP+領域30の対向側面42は、シリコン層14のP+領域22の上に部分的に広がっている。同様に、ゲート層18のN+領域32の対向側面44は、シリコン層14のN+領域24の上に部分的に広がっている。PNPNダーオード構造10は、当業者に知られた従来のSOIプロセスを使用して形成することができる。
【0007】
図2に示すように、動作時は、シリコン層14のP+領域22がソース電圧(例えば、VDD)に結合され、シリコン層14のN+領域24がアース(例えば、VSS)に結合され、他方ゲート層18は、ある動作電圧にある。ソース(Sp)がP+領域22で形成され、本体(Bp)がNウェル26で形成され、ドレイン(Dp)がPウェル28で形成され、ゲート(Gp)がゲート層18のP+領域30で形成された、寄生PMOSFET50がシリコン層14内に形成される。同様に、ソース(Sn)がN+領域24で形成され、本体(Bn)がPウェル28で形成され、ドレイン(Dn)がNウェル26で形成され、ゲート(Gn)がゲート層18のN+領域32で形成された、寄生NMOSFET52がシリコン層14内に形成される。
【0008】
寄生PMOSFET50の閾値電圧(Vtp)は、通常約−0.2ボルト程度である。したがって、寄生PMOSFET50がON状態になるのを防ぐには、ゲート層18(すなわち、Gp)のP+領域30をソース電圧(VDD)にほぼ等しい電圧に結合しなければならない。同様に、寄生NMOSFET52の閾値電圧(Vtn)は、通常約0.2ボルト程度である。したがって、寄生NMOSFET52がON状態になるのを防ぐには、ゲート層18(すなわち、Gn)のN+領域32をほぼVSSに等しい電圧に結合しなければならない。したがって、ゲート層18上の電圧に対して2つの相反する要件がある。すなわち、ゲート層18は、寄生PMOSFET50がON状態になるのを防ぐためにVDDに結合しなければならず、同時に寄生NMOSFET52がON状態になるのを防ぐためにVSSに結合しなければならない。これらの要件は、両方同時には満足できないので、最小限のゲート・バイアスに応答して寄生FET50、52のどちらか一方が常にON状態になり、ラッチアップが開始されることになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、この技術分野において、SOI技術を使用して形成された放射線検出器が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)を使用して形成されたラッチアップ・パルス放射線検出器を提供する。
【0011】
本発明の第1の態様は、絶縁基板上に形成されたシリコン層を備えており、このシリコン層がPNPN構造とPNPN構造の上に形成されたゲート層とを備え、このゲート層がPNゲートを備えており、放射線検出器内で入射放射線に応答してのみラッチアップが生じる、シリコン・オン・インシュレータ放射線検出器を対象としている。
【0012】
本発明の第2の態様は、シリコン・オン・インシュレータPNPNダイオード構造を備えており、放射線検出器内で入射放射線に応答してのみラッチアップが生じる、放射線検出器を対象としている。
【0013】
本発明の第3の態様は、絶縁基板上に形成されたシリコン層を備えており、このシリコン層が、PNPN構造とPNPN構造の上に形成されたゲート層とを備え、このゲート層がPNゲートを備えており、放射線検出器内で入射放射線に応答してのみラッチアップが生じる、シリコン・オン・インシュレータ放射線検出器を対象としている。
【0014】
本発明の前記の特徴および他の特徴は、以下、本発明の実施形態についてのより具体的な説明により明らかになるであろう。
【0015】
以下の図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。ここで同じ記号は同じ構成要素を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
PNPNダイオード構造100として形成した、本発明によるSOI放射線検出器の第1の実施形態を図3に示す。図3に示したPNPNダイオード構造100は、絶縁基板112、絶縁基板上に形成したシリコン層114、シリコン層114上に形成したゲート酸化物層116、ゲート酸化物層116上に形成したゲート層118、およびゲート層118の上に形成したシリサイド・ストラップ120を備える。シリコン層114は、高ドープP+領域122、高ドープN+領域124、低ドープNウェル126、および低ドープPウェル128を備える。ゲート層118は、シリサイド・ストラップ120によって結合された、高ドープP+領域130および高ドープN+領域132を備える。PNPNダイオード構造100は、当業者に知られた通常のSOIプロセスを使用して形成することができる。
【0017】
上記で詳しく述べたように、図1に示すPNPNダイオード構造10では、ゲート層18のP+領域30とN+領域32の界面46は、シリコン層14のNウェル26とPウェル28の界面48にほぼ一致している。しかし、PNPNダイオード構造100では、ゲート層118のP+領域130の側面134とN+領域132の側面136の界面146は、シリコン層114のNウェル126の側面138とPウェル128の側面140の界面148に対してずれている。具体的には、図3に示すように、ゲート層118のP+領域130とN+領域132の界面146は、シリコン層114のPウェル128の上に位置している。すなわち、P+領域130は、シリコン層114のPウェル128の上に、かなりの距離だけ広がっている。ゲート層118のP+領域130の対向側面142は、シリコン層114のP+領域122の上に部分的に広がっており、他方ゲート層118のN+領域132の対向側面144は、シリコン層114のN+領域124の上に部分的に広がっている。
【0018】
動作に際しては、図4に示すように、シリコン層114のP+領域122はソース電圧(例えば、VDD)に接続され、シリコン層114のN+領域124はアース(例えば、VSS)に接続される。ソース(Sp)がP+領域122で形成され、本体(Bp)がNウェル126で形成され、ドレイン(Dp)がPウェル128で形成され、ゲート(Gp)がゲート層118のP+領域130で形成された、寄生PMOSFET150がシリコン層114内に形成される。寄生PMOSFET150は、通常約−0.2ボルト程度の閾値電圧(Vtp)を有する。本発明では、寄生PMOSFET150がON状態になるのを防ぐために、ゲート層118のP+領域130をソース電圧(VDD)にほぼ等しい電圧にする。
【0019】
また、ソース(Sn)がN+領域124で形成され、本体(Bn)がPウェル128で形成され、ドレイン(Dn)がNウェル126で形成され、ゲート(Gn)がゲート層118のP+領域130で形成された、寄生NMOSFET152がシリコン層114内に形成される。しかし、図2に関して説明した寄生NMOSFET52とは異なり、寄生NMOSFET152の閾値電圧(Vtn)は、約0.2程度ではない。そうではなくて、ゲート層118のP+領域130が、Pウェル128の上にかなりの距離だけ広がり、寄生NMOSFET152のゲートを形成するので、寄生NMOSFET152の閾値電圧(Vtn)は、約1.0ボルトであるシリコンのバンド・ギャップ電圧にほぼ等しい量だけ増えて約1.2ボルトに等しい値となる。この場合、寄生NMOSFET152は、VDDを1.2ボルトより低く保つ限り、その異常に高い閾値電圧(Vtn)約1.2ボルトの故にオフ状態であり続ける。
【0020】
上記で説明したPNPNダイオード構造100は、放射線検出器として使用することができる。具体的には、入射放射線に応答して、おびただしい数の電子・正孔対がNウェル126内にも、Pウェル128内にも形成され、そこではキャリアの寿命が非常に長くなる傾向がある。入射放射線に応答して生成された電子・正孔対は、Nウェル126、Pウェル128を通してドリフト拡散していく。より具体的にいえば、電子はP+領域122に向かってドリフト拡散していき、他方、正孔は、N+領域124に向かってドリフトし拡散していく。正孔は、Nウェル126、Pウェル128、およびN+領域124によって形成された寄生npnバイポーラ・トランジスタのベース電流のように働き、他方、電子は、Nウェル126、Pウェル128、およびP+領域122により形成された寄生pnpトランジスタのベース電流のように働く。電子および正孔の寿命が十分に長い場合は、ゲインが生じる。すなわち、Nウェル126からP+領域122に入ってくる各電子ごとに、多数の正孔がP+領域122を離れ、Nウェル126に入る。同様にPウェル128からN+領域124に入ってくる各電子ごとに、多数の電子がN+領域124を離れ、Pウェル128に入る。この過程が連続して、暴走(すなわち、ラッチアップ)条件を作り出す。PNPNダイオード構造100中を流れる電流は、流れ続けて、この構造内の寄生抵抗によって決まる最大レベルに到達するまで増大する。
【0021】
PNPNダイオード構造200の相補的なバージョンを図5に示すが、これも放射線検出器に使用される。本発明のこの実施形態では、ゲート層118のP+領域130の側面134とN+領域132の側面136の界面146は、シリコン層114のNウェル126の上に位置している。シリコン層114のP+領域122はソース電圧(例えば、VDD)に接続され、シリコン層114のN+領域124はアース(例えば、VSS)に接続される。ソース(Sn)がN+領域124で形成され、本体(Bn)がPウェル128で形成され、ドレイン(Dn)がNウェル126で形成され、ゲート(Gn)がゲート層118のN+領域132で形成された、寄生NMOSFET252がシリコン層114内に形成される。寄生NMOSFET252は、通常約0.2ボルト程度の閾値電圧(Vtn)を有する。本発明では、寄生NMOSFET252がON状態になるのを防ぐために、ゲート層118のN+領域132をVSSにほぼ等しい電圧に接続する。
【0022】
また、ソース(Sp)がP+領域122で形成され、本体(Bp)がNウェル126で形成され、ドレイン(Dp)がPウェル128で形成され、ゲート(Gp)がゲート層118のN+領域132で形成された、寄生PMOSFET250がシリコン層114内に形成される。ゲート層118のN+領域132が、Nウェル126の上にかなりの距離だけ広がり、寄生PMOSFET250のゲートを形成するので、寄生PMOSFET250の閾値電圧(Vtp)は、シリコンのバンド・ギャップ電圧にほぼ等しい量だけ減少して、約−1.2ボルトに等しい値となる。この場合、寄生PMOSFET250は、VDDを1.2ボルトより低く保つ限り、その異常に高い閾値電圧(Vtp)約−1.2ボルトの故にオフ状態であり続ける。
【0023】
PNPNダイオード構造100と200の両方と共通の特性を持つPNPNダイオード構造300を備えた放射線検出器の別の実施形態を、図6に示す。本実施形態では、ゲート層118は、第1の高ドープP+領域302、Nウェル126の上に位置する第1の高ドープN+領域304、Pウェル128の上に位置する第2の高ドープP+領域306、および第2の高ドープN+領域308を備える。ゲート層118のN+領域304とP+領域306の界面310は、シリコン層114のNウェル126とPウェル128の界面148にほぼ等しい位置にある。
【0024】
シリコン層114のP+領域122はソース電圧(例えば、VDD)に接続され、シリコン層114のN+領域124はアース(例えば、VSS)に接続される。ソース(Sp)がP+領域122で形成され、本体(Bp)がNウェル126で形成され、ドレイン(Dp)がPウェル128で形成され、ゲート(Gp)がゲート層118のN+領域304で形成された、寄生PMOSFET350がシリコン層114内に形成される。ゲート層118の第1のN+領域304は、Nウェル126の上に位置し、寄生PMOSFET350のゲート(Gp)を形成するので、寄生PMOSFET350の閾値電圧(Vtp)は約−1.2ボルトである。同様に、ソース(Sn)がN+領域124で形成され、本体(Bn)がPウェル128で形成され、ドレイン(Dn)がNウェル126で形成され、ゲート(Gn)がゲート層118の第2のP+領域306で形成された、寄生NMOSFET352がシリコン層114内に形成される。Pウェル128の上の第2P+領域306の位置により、約1.2ボルト程度の閾値電圧(Vtn)のNMOSFET352がもたらされる。本発明のこの実施形態では、寄生PMOSFET350は、ゲート電圧が、(VDD−1.2ボルト)より高く保たれる限りオフ状態に留まり、他方、寄生NMOSFET352は、ゲートが1.2ボルトより低く保たれる限りオフ状態に留まる。したがって、VDDが1.2ボルトより低いときは、VDD、VSSまたは他のVDDとVSSの間の適切な電圧に、ゲート層118を接続させることができる。
【0025】
上記で図2に関して詳細に説明したように、Nウェル126とPウェル128は寄生pnpおよびnpnバイポーラ・トランジスタのベースを形成する。例えば、容量結合によって起きる突発的なラッチアップを防ぐために、浮動ベース(すなわち、Nウェル126、およびPウェル128)をそれぞれVDD、VSSに固定することができる。このことをPNPNダイオード構造100中で実施する1つの方法を図7に示す。
【0026】
Nウェル126、およびPウェル128を固定した図3のPNPN構造100を提供するプロセスを図7に要約して示す。当業者に知られた様々な処理ステップは、話を簡単にし、図を見やすくするために省略した。
【0027】
マスク400を設けて、シリコン・アイランド402を形成する。別のマスク404を使用してシリコン・アイランド402の上にゲート電極406(すなわち、ゲート層)を形成する。ゲート誘電体(図示せず)は、ゲート電極406とシリコン・アイランド402の間に位置する。シリコン・アイランド402のうちでゲート電極406の下にあり、Nウェル・マスク408で覆われている領域が、PNPNダイオード構造100のNウェル126を形成する。シリコン・アイランド402のうちでゲート電極406の下にあり、Nウェル・マスク408で覆われていない領域が、PNPNダイオード構造100のPウェル128を形成する。シリコン・アイランド402のうちでゲート電極406で覆われていない領域は、イオン注入によりP+またはN+に高濃度でドープされる。具体的には、シリコン・アイランド402のうちでゲート電極406で覆われず、マスク410で覆われた領域をP+にドープし、他方、シリコン・アイランド402のうちでゲート電極406で覆われてないか、またはマスク410で覆われていない領域をN+にドープする。これにより、シリコン層114のN+領域124とP+領域122を形成する。これによって、Pウェル128に結合したnpnベース接点412と、Nウェル126に結合したpnpベース接点414も作製される。npnベース接点412とpnpベース接点414は、それぞれVSS、VDDに接続されて浮動ベースを固定する。同様なドープ・プロセスを使用して、ゲート電極406をP+またはN+にドープして、この場合もマスク410の位置に応じてゲート層118のP+領域130およびN+領域132を形成する。
【0028】
本発明を、上記で概説した具体的な実施形態に関して説明してきたが、多くの代替形態、変更形態、変形形態が当業者には明らかであることは明白である。したがって、上述の本発明の実施形態は、限定的なものではなく例示的なものである。以下の特許請求の範囲で規定される本発明の精神および範囲から逸脱することなく様々な変更を加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】急激なラッチアップの問題を抱える4層SOIPNPNダイオード構造を示す図である。
【図2】急激なラッチアップの問題を抱える4層SOIPNPNダイオード構造を示す図である。
【図3】本発明の実施形態によるPNPNSOIダイオード構造を備える放射線検出器を示す図である。
【図4】本発明の実施形態によるPNPNSOIダイオード構造を備える放射線検出器を示す図である。
【図5】本発明の別の実施形態によるPNPNSOIダイオード構造を備える放射線検出器を示す図である。
【図6】本発明のさらに別の実施形態によるPNPNSOIダイオード構造を備える放射線検出器を示す図である。
【図7】NウェルおよびPウェルを固定したPNPNSOIダイオード構造を備える放射線検出器を形成するための構造を示す図である。
【符号の説明】
【0030】
100 PNPNダイオード構造
112 絶縁基板
114 シリコン層
116 ゲート酸化物層
118 ゲート層
120 シリサイド・ストラップ
122 高ドープP+領域
124 高ドープN+領域
126 低ドープNウェル
128 低ドープPウェル
130 高ドープP+領域
132 高ドープN+領域
134 P+領域130の側面
136 N+領域132の側面
138 Nウェル126の側面
140 Pウェル128の側面
142 118のP+領域130の対向側面
144 118のN+領域132の対向側面
146 130の側面134と132の側面136の界面
148 Nウェル126の側面138とPウェル128の側面140の界面
150 寄生PMOSFET
152 寄生NMOSFET
200 PNPNダイオード構造
250 寄生PMOSFET
252 寄生NMOSFET
300 PNPNダイオード構造
302 第1の高ドープP+領域
304 第1の高ドープN+領域
306 第2の高ドープP+領域
308 第2の高ドープN+領域
310 領域304と領域306の界面
350 寄生PMOSFET
352 寄生NMOSFET
400 マスク
402 シリコン・アイランド
404 マスク
406 ゲート電極
408 Nウェル・マスク
410 マスク
412 npnベース接点
414 pnpベース接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板上に形成され、PNPN構造を備えるシリコン層と、
前記PNPN構造の上に形成され、PNゲートを備えるゲート層とを備え、
入射放射線に応答してのみラッチアップが生じる、シリコン・オン・インシュレータ放射線検出器。
【請求項2】
前記PNPN構造が、P+領域、Nウェル、Pウェル、およびN+領域を備え、前記PNゲートが第1のP+領域および第1のN+領域を備える、請求項1に記載のシリコン・オン・インシュレータ放射線検出器。
【請求項3】
前記ゲートの前記第1のP+領域が、前記PNPN構造の前記Nウェルを覆い、かつ前記PNPN構造の前記Pウェルの上にかなりな距離だけ広がる、請求項2に記載のシリコン・オン・インシュレータ放射線検出器。
【請求項4】
前記PNPN構造のP+領域と前記ゲートの前記第1のP+領域をソース電圧に結合させることによりオン状態になるのを防止する前記放射線検出器内の寄生PMOSFETと、
約1.2ボルトの閾値電圧を有し、該閾値電圧は寄生NMOSFETがオン状態になるのを防止する、前記放射線検出器内の前記寄生NMOSFETとをさらに備える、請求項3に記載のシリコン・オン・インシュレータ放射線検出器。
【請求項5】
前記ゲートの前記第1のN+領域が、前記PNPN構造の前記Pウェルを覆い、かつ前記PNPN構造の前記Nウェルの上にかなりな距離だけ広がる、請求項2に記載のシリコン・オン・インシュレータ放射線検出器。
【請求項6】
前記PNPN構造のN+領域と前記ゲートの前記第1のN+領域をアースに結合させることによりオン状態になるのを防止する前記放射線検出器内の寄生PMOSFETと
約−1.2ボルトの閾値電圧を有し、該閾値電圧は、寄生PMOSFETがオン状態になるのを防止する前記放射線検出器内の前記寄生PMOSFETとをさらに備える、請求項5に記載のシリコン・オン・インシュレータ放射線検出器。
【請求項7】
前記ゲート層が、第1のP+領域、第1のN+領域、第2のP+領域、および第2のN+領域を含むPNPNゲートを備える、請求項1に記載のシリコン・オン・インシュレータ放射線検出器。
【請求項8】
前記PNPNゲートの前記第1のN+領域が、前記PNPN構造のNウェルの上に位置し、前記PNPNゲートの前記第2のP+領域が、前記PNPN構造のPウェルの上に位置している、請求項7に記載のシリコン・オン・インシュレータ放射線検出器。
【請求項9】
前記PNPNゲートの前記第1のN+領域と前記第2のP+領域との界面が、前記PNPN構造のPウェルとNウェルの界面にほぼ一致する、請求項8に記載のシリコン・オン・インシュレータ放射線検出器。
【請求項10】
約−1.2ボルトの閾値電圧を有し、該閾値電圧は寄生PMOSFETがオン状態になるのを防止する前記放射線検出器内の前記寄生PMOSFETと、
約1.2ボルトの閾値電圧を有し、該閾値電圧は寄生NMOSFETがオン状態になるのを防止する前記放射線検出器内の前記寄生NMOSFETとをさらに備える、請求項8に記載のシリコン・オン・インシュレータ放射線検出器。
【請求項11】
放射線検出器内で入射放射線に応答してのみラッチアップが生じる、シリコン・オン・インシュレータPNPNダイオード構造を備える、放射線検出器。
【請求項12】
前記PNPNダイオード構造の上のPNゲートであって、前記放射線検出器内の少なくとも1つの寄生FETが約1.2または約−1.2の閾値電圧をさらに有する、請求項11に記載の放射線検出器。
【請求項13】
前記PNPNダイオード構造の上のPNPNゲートであって、前記放射線検出器内の少なくとも1つの寄生FETが約1.2または約−1.2の閾値電圧をさらに有する、請求項11に記載の放射線検出器。
【請求項14】
絶縁基板上に形成され、PNPN構造を備えるシリコン層と、
PNPN構造の上に形成され、PN構造を備えるゲート層とを備え、
入射放射線に応答してのみラッチアップが生じる、シリコン・オン・インシュレータ放射線検出器を含む、集積回路。
【請求項15】
前記PNPN構造が、P+領域、Nウェル、Pウェル、およびN+領域を備え、前記PNゲートが、第1のP+領域および第1のN+領域を備え、前記ゲートの前記第1のP+領域が、PNPN構造のNウェルを覆い、前記PNPN構造のPウェルの上にかなりの距離だけ広がっている、請求項14に記載の集積回路。
【請求項16】
前記PNPN構造が、P+領域、Nウェル、Pウェル、およびN+領域を備え、前記PNゲートが、第1のP+領域および第1のN+領域を備え、前記ゲートの前記第1のN+領域が、PNPN構造のPウェルを覆い、前記PNPN構造のNウェルの上にかなりの距離だけ広がっている、請求項14に記載の集積回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−13114(P2006−13114A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−187616(P2004−187616)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】