説明

ジベンゾジアゾシンポリマー

ジベンゾジアゾシンポリマー、ジベンゾジアゾシンポリマーの製法、ジベンゾジアゾシンポリマーから形成される生成物、及びかかるジベンゾジアゾシンポリマーの使用が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジベンゾジアゾシンポリマーの組成物、調製及び適用に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、変形を受けるように誘発され得る有機材料によって機械的アクチュエータ適用に多くの興味が引きつけられてきた。これらの材料は、化学的、電気的、又は電磁気のエネルギーを機械的仕事に変換する。電気機械的アクチュエータは、合成筋肉材料として特に興味がある。少しの巧妙な方法と材料が筋肉の作用を模倣するために提唱されたが、この研究領域はなおその初期段階にあり、合成筋肉は、材料科学者のまだ達成されていない目標のままである。
レドックス活性ポリマーに基づく電気機械的アクチュエータは、筋肉の作用を模倣するために最も広範囲に研究されたシステムであった。これらの材料の作動メカニズムは、図1に示されるようにレドックスサイクルの間、対イオンの取込みと放出から生じる嵩容積変化に基づく。これらのシステムにおける対イオンが比容積を有するので、塊状重合体からそれらを導入及び除去することにより材料の全体の容積がそれぞれ増減する。都合の悪いことに、緩慢なサイクルタイムと限られたサイクル寿命が合成筋肉としてのレドックス活性ポリマーの使用を禁止した。これらの制限によって、異なるメカニズムによって電気機械的作動ができる新素材の探索が刺激された。
【0003】
電気機械的作動を達成する更に興味深い方法の1つは、炭素単結合と炭素二重結合が交互する8員巨大環である[8]アンヌレンに基づくものである。これらのシステムは、レドックス誘起のタブ(tub)から平面(planar)への立体配座の変化を受けることができる中性状態においてタブ状構造を有する。例えば、親[8]アンヌレン、シクロオクタテトラエンは、下記スキーム1に記載される2電子還元時に収縮構造から平面構造へ可逆的な立体配座の変化を受ける。この立体配座変化によって、筋組織の伸縮を模倣するために用いることができる隣接していない炭素原子間の距離(例えば、スキーム1のdplanarとdtub)の増加が生じる。
【0004】
【化1】

【0005】
電気機械的アクチュエータにおいて[8]アンヌレンのタブから平面への形状変化を利用する有効な方法は、ポリマーが有効な形状への安易な処理を可能にするのでかかる環構造をポリマー構造に組み込むことである。しかしながら、これらの適用に有効なかかるポリマー材料については、安定で可逆的なレドックス化学を示すとともに反復単位間の長期のレドックス伝達を容易にするために結合されなければならない。また、それらの合成が安易であり且つ材料の性質が特定の適用の要求に合わせて調整され得るように構造的な変更を可能にすることが非常に望ましい。
これらの要求によって、電気機械的作動において[8]アンヌレン単位を含有するポリマーの使用を厳しく制限することがなくなる。例えば、シクロオクタテトラエン単位を組み込んでいる共役ポリマーは、調製が非常に難しく且つ不活性大気条件下でのみ還元され得ることから、これらの適用に有効でない。[8]アンヌレンを含有する共役ポリマーのレドックス安定性は、例えば、1,2,5,6-ジベンゾシクロオクタテトラエン1やテトラベンゾシクロオクタテトラエン2にあるようなシクロオクタテトラエン単位に六員環を縮合することによって劇的に改善されるが、これらの単位を組み込んでいる共役ポリマーは報告されていない(おそらくは、調製が難しいことから)。更に、2における隣接フェニル環の立体障害がそのタブから平面への立体配座の変化を妨げる。これらの束縛によって、[8]アンヌレン単位のレドックス誘起立体配座の変化に基づく電気機械的作動に有効なポリマー材料を調製する能力が厳しく制限されてきた。
【0006】
【化2】

【発明の開示】
【0007】
一態様においては、本発明は、下記基からなる群より選ばれる反復単位を含むポリマーに関する。























【0008】
【化3】

【0009】
(ここで、R1-R8は、独立してH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ハロゲン、-CN、-CHO、-CORa、-CRa=NRb、-ORa、-SRa、-SO2Ra、-PORaRb、-PO3Ra、-OCORa、-CO2Ra、-NRaRb、-N=CRaRb、-NRaCORb、-CONRaRbからなる群より選ばれ、ここで、Ra、Rbは、独立してH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、及び置換ヘテロアリールからなる群より選ばれ、R1-R8、Ra、Rbの2つ以上は、結合して環構造を形成してもよい。)
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、ジベンゾジアゾシンポリマーの組成物、調製、及び適用に関する。一実施態様においては、本発明の実施に従って示されるジベンゾジアゾシンポリマーは、次の反復単位:


【0011】
【化4】

【0012】
のいずれか又は双方を含む。
ジベンゾジアゾシン反復単位は、[8]アンヌレンのジアゾ誘導体であり、それ故、電気機械的作動適用において有望であると予想される。ジベンゾジアゾシン含有ポリマーを調製するための多くのポリマー構造と合成法を後述する。更に、これらの材料のいくつかの適用が記載される。
本発明に従って示されるポリマーは、高温適用に有効である。高温適用において用いられるポリマーは、一般的には、200-250℃の最大使用温度を有する。250℃を超える最大使用温度を許容する極めて少ない材料があるが、それらのコスト及び/又はそれらの難しい処理プロトコールは、一般的には、それらの広範囲にわたる適用を制限する。本発明に従って示されるジベンゾジアゾシンポリマーの誘導体は、アモルファスポリマーの使用温度の大まかな指標である非常に高いガラス転移温度(Tgs)を有する。例えば、3、4、5は、n数の反復単位又は繰り返し単位を含み、それぞれ、269℃、310℃及び329℃(示差走査熱量測定法、DSCで測定された)のガラス転移温度を有するアモルファスポリマーである。更に、これらの材料は、溶融加工に容易に屈する(下記実施例を参照のこと)。

























【0013】
【化5】

【実施例】
【0014】
実施例1














【0015】
【化6】

【0016】
6の調製: 0℃において水酸化カリウム(148g、2.64モル)、フェニルアセトニトリル(16.7ml、0.126モルモル)、及びメタノール(300ml)の機械的に撹拌された溶液に、1:2テトラヒドロフラン:メタノール溶液(300ml)中の4-ブロモニトロベンゼン(25.4g、0.126モル)の溶液を添加した。その混合液を0℃で4.5時間撹拌し、次に、水(1リットル)に注入した。得られた沈殿をろ過によって集め、生成物をメタノールから再結晶によって精製した。収量20.5g(59.4%)。
5-ブロモ-2-アミノベンゾフェノンの調製: 80℃における酢酸(200ml)中の6(27.4g、0.10モル)の溶液に、水(50ml)と鉄粉(28g、0.5モル)を10回に分けて窒素下で2時間かけて添加した。得られた混合液を80℃で更に1時間撹拌した。その溶液を、室温に冷却し、エーテル(1リットル)で希釈し、水(1リットル)で抽出した。有機層を分離し、乾燥し、濃縮し、生成物をメタノールから再結晶した。収量22.38g(81%)。
3,3'ジベンゾイルベンジジン(7)の調製: 乾燥ジメチルホルムアミド(200ml)中のビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル(0)(22.5g、81.5ミリモル)のスラリーに、乾燥ジメチルホルムアミド(150ml)中の5-ブロモ-2-アミノベンゾフェノン(15g、54mmol)を窒素下で添加した。そのスラリーを、室温で15分間撹拌し、42℃で90分間撹拌し、次に、2%塩酸水溶液(500ml)に注入した。その溶液を塩化メチレンで抽出し、有機層をろ過し、乾燥し、濃縮した。生成物をクロマトグラフィで精製した。収量5.0g(50%)。
【0017】
8の調製: 撹拌棒とコンデンサに取り付けられたディーン・スタークトラップを備えた100ml丸底フラスコに、7(1.96g、5ミリモル)、トルエンスルホン酸1水和物(0.19g、1ミリモル、及び1,3-ジクロロベンゼン(20ml)を充填した。その混合液を2時間加熱還流した。次に、混合液を、室温に冷却し、トリエチルアミン(0.5ml)で中和し、生成物をメタノール(75ml)で凝固させ、減圧下で乾燥した。収量0.77g、分子量はGPC(ポリスチレン標準に対して)により12,000であった。
【0018】
実施例2

【0019】
【化7】

【0020】
9の調製: メタノール(500ml)中の水酸化ナトリウム(100g、2.5モル)の機械的撹拌溶液に、フェニルアセトニトリル(64.4g、0.55モル)を室温で添加した。その混合液を5分間撹拌し、次に、4,4'-ジニトロジフェニルエーテル(65.1g、0.25モル)を添加した。その溶液を70℃で9時間加熱し、次に、室温に冷却した。その混合液を、50%水メタノール(250ml)で希釈し、約0℃に冷却した。得られた沈殿をろ過によって集め、メタノールによるソックスレー抽出によって精製した。生成物を減圧下で乾燥して、生成物を得た。収量38.4g(38%)。
4,4'-ジアミノ-3,3'-ジベンゾイルジフェニルエーテル(10)の調製: 乾燥テトラヒドロフラン(400ml)中の9(40.4g、0.10モル)と10%パラジウム/木炭(2.12g)の懸濁液を、窒素下室温で7.5時間撹拌した。次に、反応混合液をセライトでろ過し、母液を濃縮した。得られた油状物をメタノールで混合して、結晶性生成物を得、それを減圧下で乾燥した。収量31.0g(76%)。
【0021】
11の調製: 撹拌棒とコンデンサに取り付けられたディーン・スタークトラップを備えた50mlの丸底フラスコに、10(2.04g、5.0ミリモル)、p-トルエンスルホン酸1水和物(190mg、1ミリモル)、及び1,3-ジクロロベンゼン(20ml)を充填した。その混合液を、22時間加熱還流し、その間に溶媒を追加して、反応容積を20-30mlに保った。その反応液を、室温に冷却し、メタノール(125ml)に注入して、緑色がかった灰色の沈殿を得た。固形物を、ろ過によって集め、乾燥し、ジクロロメタン(50ml)に溶解した。得られた溶液を、1M水酸化ナトリウム水溶液(2×10ml)と水(10ml)で洗浄した。有機層を分離し、濃縮し、メタノールに注入して薄灰色の固形物を得、それをろ過によって集めた。その固形物を、減圧下80℃(16h)で乾燥した。収量1.36g; 2頂分子量は、GPC(ポリスチレン標準に対して)によって、5,000,000と29,000でピークに達する。
【0022】
実施例3


【0023】
【化8】

【0024】
12の調製: 22リットルの丸底フラスコに、イサト酸無水物(2.0kg、12.3モル)、塩化チオニル(14.7kg、123モル)、及びピリジン(5ml)を充填し、その混合液を、窒素下で8日間撹拌した。過剰の塩化チオニルを減圧下で除去し、生成物を反応フラスコから蒸留した。収量1.98kg(89%)。
2-アミノ-4'-フルオロベンゾフェノンの調製: 12リットルの丸底フラスコに、三塩化アルミニウム(2.79kg、20.9モル)及びフルオロベンゼン(3.0kg、31モル)を充填し、得られた溶液を窒素下で-5℃に冷却した。フルオロベンゼン(1.0kg、10モル)中の12(1.52kg、8.4モル)の溶液を徐々に添加し、その混合液を更に1時間撹拌した後、10kgの氷上に注いだ。得られた固形物を、ろ過によって集め、塩化メチレン(6リットル)に溶解した。その溶液をろ過し、母液を硫酸マグネシウムで乾燥し、シリカゲルでろ過した。母液を濃縮して、生成物を得、それをクロマトグラフィによって精製した。収量630g(35%)。
【0025】
13の調製: ディーン・スタークコンデンサを備えた100mlの丸底フラスコに、2-アミノ-4'-フルオロベンゾフェノン(40g、0.19モル)、トルエンスルホン酸1水和物(1.8g、0.01モル)、及びキシレン(40ml)を充填した。その混合液を16時間加熱還流した後、室温に冷却した。得られた固形物を、塩化メチレン/ヘキサンから再結晶によって精製して、生成物を得、それを減圧下で乾燥した。収量32.75g(89%)。
【0026】
実施例4
【0027】
【化9】

【0028】
3の調製: 撹拌棒とコンデンサに取り付けられたディーン・スタックトラップを備えた125mlの丸底フラスコに、ビス-フェノール-Af(4.267g、12.7ミリモル)、炭酸カリウム(2.629、19.1ミリモル)、N-メチルピロリジノン(48ml)、及びトルエン(29ml)を充填した。系を、窒素(0.5時間)でパージし、加熱還流(16時間)した。トルエン(29ml)中の13(5.0g、12.7ミリモル)の溶液を反応混合液に添加し、20-30mlのトルエンを蒸留によって除去した。得られた溶液を、加熱された約160℃で約24時間加熱した。次に、その反応混合液を、N-メチルピロリジノン(50ml)で希釈し、室温に冷却し、メタノール(300ml)に注入した。得られた灰色の固形物を、ろ過によって集め、減圧下で16時間乾燥した。N-メチルピロリジノン(100ml)に溶解し、ろ過(1.2μ)を用いて、ポリマーを更に精製した。ろ液をメタノール(600ml)に注入し、得られた固形物をろ過によって集め、新しいメタノール(100ml)で洗浄した。その固形物を、沸騰メタノール(300ml、2時間)に懸濁させた後、ろ過によって集め、減圧下で65℃で6時間、次に、165℃で16時間乾燥した。収量7.16g(82%); 2頂分子量は、GPC(ポリスチレン標準に対して)によって、1,400,000と66,000でピークに達する。
【0029】
実施例5
【0030】
【化10】

【0031】
4の調製: 撹拌棒とコンデンサに取り付けられたディーン・スタークトラップを備えた125mlの丸底フラスコに、ビフェノール(2.362g、12.7ミリモル)、炭酸カリウム(2.629、19.1ミリモル)、N-メチルピロリジノン(48ml)、及びトルエン(29ml)を充填した。系を、窒素(0.5h)でパージし、加熱還流(16h)した。トルエン(29ml)中の13(5.0g、12.7ミリモル)の溶液を反応混合液に添加し、20-30mlのトルエンを蒸留によって除去した。得られた溶液を、約160℃で10時間加熱した。次に、反応混合液を、N-メチルピロリジノン(100ml)で希釈し、室温に冷却し、メタノール(600ml)に注入した。得られた灰色の固形物を、ろ過によって集め、減圧下で16時間乾燥した。N-メチルピロリジノン(100ml)に溶解し、ろ過(1.2μ)を用いて、ポリマーを更に精製した。ろ液をメタノール(600ml)に注入し、得られた固形物を、ろ過によって集め、新しいメタノール(100ml)で洗浄した。固形物を、沸騰メタノール(300ml、2時間)に懸濁した後、ろ過によって集め、減圧下で乾燥した(65℃で6時間、次に165℃で24時間)。収量5.70g(83%); 分子量は、GPCにより(ポリスチレン標準に対して)100,000である。
【0032】
実施例6
【0033】
【化11】

【0034】
14の調製: 撹拌棒とコンデンサに取り付けられたディーン・スタークトラップを備えた250mlの丸底フラスコを、ビフェノール(19.5ミリモル)、4-ヒドロキシビフェニル(0.5ミリモル)、炭酸カリウム(30ミリモル)、N-メチルピロリジノン(75ml)、及びトルエン(45ml)によって充填する。系を、窒素(0.5時間)でパージし、16時間加熱還流する。トルエン(25ml)中の13(5.0g、12.7ミリモル)の溶液をその反応混合液に添加し、30-40mlのトルエンを蒸留によって除去する。得られた溶液を、10時間加熱還流する。次に、反応混合液を、N-メチルピロリジノン(150ml)で希釈し、室温に冷却し、メタノール(1リットル)に注入する。得られた固形物を、ろ過によって集め、減圧下で16時間乾燥する。固形物を、N-メチルピロリジノン(200ml)に溶解し、ろ過し、メタノール(600ml)に沈殿させる。固形物を、沸騰メタノール(400ml、2時間)に懸濁し、次に、ろ過し、減圧下で乾燥する。
【0035】
実施例7
【0036】
【化12】

【0037】
5の調製: 撹拌棒とコンデンサに取り付けられたディーン・スタークトラップを備えた1リットルの丸底フラスコに、フルオレンビスフェノール(22.3g、63.5ミリモル)、炭酸カリウム(13.1、95.2ミリモル)、N-メチルピロリジノン(257ml)、及びトルエン(128ml)を充填した。系を、窒素(0.5時間)でパージし、16時間加熱還流した。その混合液をわずかに冷却し、13(25.0g、63.5ミリモル)を添加した。得られた溶液を、24時間加熱還流した。次に、その反応混合液を、N-メチルピロリジノン(100ml)で希釈し、室温に冷却し、メタノール(2リットル)に注入した。得られた固形物を、減圧下で16時間乾燥した。ポリマーを、N-メチルピロリジノン(900ml)に溶解し、ろ過(1.2μ)し、ポリマーを水(3.6リットル)に沈殿させた。固形物を、集め、沸騰メタノール(500ml)に懸濁させた後、ろ過によって集め、減圧下110℃で16時間乾燥した。収量40.7g(91%); 分子量は、GPCにより(ポリスチレン標準に対して)90,000である。
【0038】
実施例8
【0039】
【化13】

【0040】
15の調製: ディーン・スタークコンデンサを備えた250mlの丸底フラスコに2-アミノ-4'-クロロベンゾフェノン(25g、0.11モル)、トルエンスルホン酸1水和物(1.0g、0.005モル)、及びキシレン(90ml)を充填した。混合液を、16時間加熱還流した後、室温に冷却した。得られた固形物を、クロマトグラフィによって精製した。収量18.5g(80%)。
【0041】
実施例9
【0042】
【化14】

【0043】
16の調製: 40mlのバイアルに、窒素下で15(1.71g、4ミリモル)、2,5-ジクロロベンゾフェノン(1.0g、4ミリモル)、活性化亜鉛末(0.75g、12ミリモル)、臭化ニッケル(0.033g、0.15ミリモル)、トリフェニルホスフィン(0.38g、0.15ミリモル)、臭化ナトリウム(0.070g、0.68ミリモル)及び乾燥N-メチルピロリジノン(10ml)を充填した。バイアルを密封し、その混合液を70℃で20時間オービタルシェーカーで加熱した。次に、その混合液を、N-メチルピロリジノン(20ml)で希釈し、ろ過した。ろ液をメタノール(150ml)に注入し、得られた固形物をろ過によって集めた。固形物を、メタノール(200ml)中で沸騰させ、次に、減圧下で80℃で乾燥した。収量1.15g(54%); 分子量は、GPC(ポリスチレン標準に対して)により61,000である。
【0044】
実施例10
























【0045】
【化15】

【0046】
1,4-ジヘキシルベンゼンの調製: 2リットルの丸底フラスコに、1,4-ジクロロベンゼン(118g、0.80モル)、[1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]Ni(II)クロリド(500mg、0.9ミリモル)、及び乾燥エーテル(600ml)を充填する。その混合液を0℃に冷却し、エーテル(1リットル)中のn-臭化ヘキシルマグネシウムの2M溶液を滴下する。冷却浴を除去し、その溶液を徐々に加熱還流し、24時間沸騰させる。その混合液を、0℃に冷却し、水(50ml)で、次に、2M塩酸水溶液(500ml)で希釈する。水層を分離し、エーテル(2×200ml)で抽出し、合わせた有機層を水(100ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒は減圧下で除去し、生成物を蒸留によって精製する。
2,5-ジブロモ-1,4-ジヘキシルベンゼンの調製: 1,4-ジヘキシルベンゼン(0.16モル)とヨウ素(0.2g、1.6モル)の混合液に、臭素(0.34モル)を暗所で滴下する。室温で1日後、20%水酸化カリウム水溶液(100ml)を添加し、得られた混合液を色が消えるまでわずかに加温して振盪する。次に、その混合液を室温に冷却し、その水溶液を傾瀉し、生成物をエタノールから結晶化する。
【0047】
17の調製: テトラヒドロフラン中の2,5-ジブロモ-1,4-ジヘキシルベンゼン(33ミリモル)の溶液に、アルゴン下で削り屑状マグネシウム(1.9g、80ミリモル)を添加する。得られたグリニャール試薬溶液を、テトラヒドロフラン中のトリメチルボレート(38ml、330ミリモル)の撹拌溶液に-78℃で2時間徐々に滴下し、得られた溶液を、室温に温め、2日間撹拌する。撹拌するが、その反応混合液を5%硫酸/砕氷溶液の上に注ぎ、その混合液をエーテルで抽出する。有機層を分離し、濃縮し、得られた固形物をヘキサン-アセトンから再結晶する。次に、この固形物をトルエン中で1,2-エタンジオール(50ミリモル)と10時間撹拌し、生成物をクロマトグラフィによって精製する。
2-アミノ-4'-ブロモベンゾフェノンの調製: 1リットルの丸底フラスコに、三塩化アルミニウム(2.1モル)とブロモベンゼン(3.1モル)を充填し、得られた溶液を、窒素下で-5℃に冷却する。ブロモベンゼン(1.0kg、10モル)中の12(1.52kg、8.4モル)の溶液を徐々に添加し、その混合液を、更に1時間撹拌した後、1kgの氷の上に注ぐ。得られた固形物を、ろ過によって集め、塩化メチレン(600ml)に溶解する。得られた溶液をろ過し、母液を硫酸マグネシウムで乾燥し、シリカゲルでろ過する。母液を濃縮し、生成物をクロマトグラフィによって精製する。
【0048】
18の調製: ディーン・スタークコンデンサを備えた250mlの丸底フラスコに2-アミノ-4'-ブロモベンゾフェノン(0.11モル)、トルエンスルホン酸1水和物(1.0g、0.005モル)、及びキシレン(90ml)を充填する。その混合液を、16時間加熱還流した後、室温に冷却する。得られた固形物を、クロマトグラフィによって精製する。
19の調製: 40mlのバイアルに、窒素下で17(1.1ミリモル)、18(1.0ミリモル)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.02ミリモル)、アリコート(0.7mlの60%溶液)、トルエン(1.5ml)を充填する。この溶液を、2M炭酸カリウム水溶液(1.6ml)と混合し、得られた溶液を、窒素下で16時間撹拌する。その混合液をトルエン(10ml)で希釈し、有機層をろ過する。その溶液を9/1メタノール/水溶液に凝固させ、得られた生成物は減圧下で乾燥する。
【0049】
実施例11
【0050】
【化16】

【0051】
20の調製: フルオロベンゼン(50g、0.52モル)と二硫化炭素(500ml)の溶液に、三塩化アルミニウム(86.8g、0.651モル)を添加する。得られた懸濁液を加熱還流し、フマリルクロリド(28.2ml、0.26モル)は15分かけて添加する。得られた溶液を、18時間加熱還流し、次に、室温に冷却し、氷(1kg)/濃塩酸(15ml)混合物に注入する。得られた固形物を、ろ過によって集め、トルエンから再結晶する。
21の調製: トルエン(50ml)中の1,3-ブタジエン(1.19g、22.1ミリモル)の冷却溶液に、20(3g、11ミリモル)を添加する。混合物を、高圧装置内で12時間加熱還流する。溶媒を圧力下で除去し、生成物をエタノールから再結晶する。
22の調製: 熱い酢酸中の21(25g)の混合液に、濃リン酸(0.5g)を添加する。その混合液を10分間加熱還流し、冷却し、得られた生成物をろ過によって集める。
【0052】
23の調製: 氷酢酸(500ml)中の22(10.9g、35.4ミリモル)の沸騰溶液に、氷酢酸(60ml)中の臭素(11.3ml、70.8ミリモル)を添加する。その混合液を15分間加熱還流し、冷却し、酢酸ナトリウム(23.2g、283ミリモル)を添加する。得られた混合液を、更に15分間加熱還流する。その混合液を、冷却し、水(150ml)で希釈し、室温で数時間撹拌する。得られた白色沈殿を、ろ過によって集め、エタノールから再結晶する。
24の調製: ディーン・スタークコンデンサを備えた100mlの丸底フラスコに、23(0.2モル)、トルエンスルホン酸1水和物(1.8g、0.01モル)、及びメシチレン(40ml)を充填した。その混合液を、16時間加熱還流し、次に、室温に冷却する。得られた固形物を、クロマトグラフィによって精製する。
【0053】
実施例12
【0054】
【化17】

【0055】
25の調製: 撹拌棒とコンデンサに取り付けられたディーン・スタークトラップを備えた125mlの丸底フラスコにビフェノール(12.7ミリモル)、炭酸カリウム(19.1ミリモル)、N-メチルピロリジノン(48ml)、及びトルエン(29ml)を充填する。系を、窒素(0.5時間)でパージし、加熱還流(16時間)する。トルエン(20ml)中の24(12.7ミリモル)の溶液を反応混合物に添加し、20-30mlのトルエンを蒸留によって除去される。得られた溶液を、10時間加熱還流し、N-メチルピロリジノン(100ml)で希釈し、室温に冷却し、メタノール(600ml)に注入する。得られた固形物を、ろ過によって集め、減圧下で16時間乾燥する。その固形物をN-メチルピロリジノン(100ml)に再溶解し、ろ過し、メタノール(100ml)中で沈殿させ、得られた固形物を減圧下で乾燥する。
【0056】
実施例13
4の溶液フィルムキャスティング: N-メチルピロリジノン(10ml)の4(1.29g)の溶液を、ガラスプレートの上に注いだ。溶媒を減圧下で除去して(100℃、16h)、透明な黄色のフィルムを得た。
【0057】
実施例14
3の圧縮成形: 40mm×12mm金型に3(0.75g)を充填した。454kg(1,000lbs)の力を加える(0.5h)加熱した押圧(320℃)のプラテンの間に金型を入れた。加熱源を止め、金型を約50℃に徐々に冷却した。得られた圧縮成形パネルは、外観が半透明の茶色であった。
【0058】
実施例15
4の圧縮成形: 40mm×12mmの金型に4(0.75g)を充填した。454kg(1,000lbs)の力を加える(0.5h)加熱した押圧(320℃)のプラテンの間に金型を入れた。加熱源を止め、金型を約50℃に徐々に冷却した。得られた圧縮成形パネルは、外観が暗褐色であった。
【0059】
実施例16
圧縮成形による4のガラス繊維複合物の調製: N-メチルピロリジノンの4の10%溶液を、8センチメートル(3インチ)×8センチメートル(3インチ)のガラス生地(2g)に注入し、溶媒を減圧下で除去した。生地を、5つの等しい部分に切断し、それらの部分を圧縮型の最上面に相互に加層した。金型を、350℃、345bar(5,000psi)で30分間ホットプレスで加熱した。次に、金型を室温に冷却し、複合物を取り出した。
【0060】
実施例17
減圧バッグによる4の炭素繊維複合物の調製: N-メチルピロリジノン中の4の10%溶液を、8センチメートル(3インチ)×8センチメートル(3インチ)の炭素生地に注入し、溶媒を減圧下で部分的に除去する。生地を離型膜とブリーダー層で覆われる金型に掛け、重層構造を減圧バッグに入れる。準備した減圧バッグを、350℃、14bar(200psi)で2時間オートクレーブに入れ、740トールの減圧を設定し、次に、室温に冷却して最終的な部分を得た。
本発明の実施に従って得られた0.1質量%以上の1以上のポリマー又はコポリマーを含有する組成物と99.9質量%までの他のポリマー又は添加剤が企図される。
【0061】
本発明の実施に従って得られるジベンゾジアゾシンポリマーと混合又は配合し得る添加剤の例としては、以下の成分:
光安定剤(例えば、2-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、ヒンダードアミン、サリシレート、シンナメート誘導体、レゾルシノールモノベンゾエート、オキサニリド、p-ヒドロキシベンゾエート等); 可塑剤(例えば、フタレート等); 衝撃強さを改善するための高ポリマー添加剤; 充填剤(カーボネート、ガラス線維、水酸化アルミニウム、カオリン、タルク、二酸化ケイ素、ワラストナイト、ガラス球、雲母、炭素繊維、炭素ウィスカ等); 着色剤; 難燃剤(例えば、水酸化アルミニウム、酸化アンチモン、ホウ素化合物、臭素化合物、塩素化合物等); 帯電防止剤; バイオスタビライザー; 及び発泡剤が挙げられる。
更に、ジベンゾジアゾシンポリマーがポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド(例えば、UltemTM)、ポリアミドイミド(例えば、TorlonTM)、ポリフェニレン(例えば、Parmax(登録商標))、ポリスルホン(例えば、UdelTMやRadelTM)、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ尿素、結晶性液状ポリマー、ポリオレフィン、スチレニクス、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、ポリエチレンテレフタレート、及びアクリルを含むがこれらに限定されない他のあらゆるポリマーとブレンドすることができることが想定される。
【0062】
ラジオ、テレビ、コンピュータのようなデバイスは、本発明の1以上のポリマー又はコポリマーで被覆された電気的配線を使うことができ、誘電材料として本発明のポリマー又はコポリマーを使うこともできる。更に、本発明のポリマー又はコポリマーは、印刷配線板、半導体、及びフレキシブル回路機構を含むがこれに限定されない種々の電子適用の誘電体として用いることができる。更に、ジベンゾジアゾセンポリマー及びコポリマーは、リードフレーム接着剤を含むがこれに限定されない種々の電子用接着適用において使用し得る。
調製及び使用適用を含むジベンゾジアゾシンポリマーの例示的実施態様の前記説明は、具体的に説明するためのものである。当業者には変更が明らかであることから、本発明は、上記の具体的な実施態様に限定されるものではない。本発明の範囲は、次の特許請求の範囲において定義される。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】2つの個々のポリマー鎖(リボン)が酸化時に対イオン(楕円)のインターカレーションによる可逆的置換(Δd)を受けるレドックス活性ポリマーにおける電気機械的作動のメカニズムの概念図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記基からなる群より選ばれる1以上のジベンゾジアゾシン単位を含むポリマー。
【化1】

(ここで、R1-R8は、独立してH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ハロゲン、-CN、-CHO、-CORa、-CRa=NRb、-ORa、-SRa、-SO2Ra、-PORaRb、-PO3Ra、-OCORa、-CO2Ra、-NRaRb、-N=CRaRb、-NRaCORb、-CONRaRbからなる群より選ばれ、ここで、Ra、Rbは、独立してH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、及び置換ヘテロアリールからなる群より選ばれ、R1-R8、Ra、Rbの2つ以上は、結合して環構造を形成してもよい。)
【請求項2】
下記一般構造式を含むコポリマー。
【化2】

(式中、nは反復単位の数であり、-A-は反復単位の少なくとも0.1%を含み、ここで、-A-は、下記基:
【化3】

からなる群より選ばれるジベンゾジアゾシン単位であり、
ここで、R1-R8は、独立してH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ハロゲン、-CN、-CHO、-CORa、-CRa=NRb、-ORa、-SRa、-SO2Ra、-PORaRb、-PO3Ra、-OCORa、-CO2Ra、-NRaRb、-N=CRaRb、-NRaCORb、-CONRaRbからなる群より選ばれ、ここで、Ra、Rbは、独立してH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、及び置換ヘテロアリールからなる群より選ばれ、R1-R8、Ra、Rbの2つ以上は、結合して環構造を形成してもよい;
Yは、-Z-、-Z-Ara-、及び-Ara-Z-Arb-より選ばれる1以上の2価の基であり、ここで、Zは、-O-、-S-、-NRc-、-O(CO)-、-O(CO2)-、-(CO)NRc(CO)-、-NRc(CO)-、-OAraO-、フタルイミド、ピロメリトイミド、-CO-、-SO-、-SO2-、-P(O)Rc-、及び-CRcRd-からなる群より選ばれる2価の基であり、ここで、Rc、Rdは、独立してH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、及び置換ヘテロアリールからなる群より選ばれ、結合して環構造を形成してもよく、Ara、Arbは、独立してフェニレン、置換フェニレン、ビフェニル、置換ビフェニル、テルフェニル、置換テルフェニル、ナフチル、置換ナフチル、フルオレニル、置換フルオレニル、アントラセニル、及び置換アントラセニルを含むがこれらに限定されない2価の芳香族単位からなる基より選ばれる。)
【請求項3】
ジベンゾジアゾシン単位のベンゾ炭素原子の1つ以上が窒素で置き換えられている、請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマー。
【請求項4】
ポリマーが、線状、分岐、超分岐、樹木状、ランダム、ブロック、又はそのいくつかの組合せである、請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマー。
【請求項5】
ジベンゾジアゾシン反復単位の1つ以上が、それらのモノカチオン型又はジカチオン型である、請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマー。
【請求項6】
ポリマー単位におけるジベンゾジアゾシン反復単位のイミン窒素原子の1つ以上がプロトン化されている、請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマー。
【請求項7】
ポリマーにおけるジベンゾジアゾシン反復単位のイミン窒素原子の1つ以上がイミニウム塩である、請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマー。
【請求項8】
ポリマーにおけるジベンゾジアゾシン反復単位の1つ以上がそれらのモノアニオン型又はジアニオン型である、請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマー。
【請求項9】
ポリマーの質量平均分子量が、ポリスチレン標準に対するゲルパーミエーションクロマトグラフィにより測定されたように5,000-10,000,000である、請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマー。
【請求項10】
ポリマーが架橋可能な官能基を含む、請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマー。
【請求項11】
ポリマーが化学的に反応性の末端基を含む、請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマー。
【請求項12】
0.1質量%以上の請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマー及び99.9質量%までの他のポリマー又は添加剤を含む組成物。
【請求項13】
添加剤が、親ポリマーに対して物理的性質、加工性、安定性、又はそのいくつかの組合せを改善する、請求項12記載のポリマー又はコポリマー。
【請求項14】
添加剤が親ポリマーの溶融粘度を低下させる、請求項12記載のポリマー又はコポリマー。
【請求項15】
添加剤が親ポリマーの光安定性を改善する、請求項12記載のポリマー又はコポリマー。
【請求項16】
親ポリマーのコストを下げる添加剤を使っている、請求項12記載のポリマー又はコポリマー。
【請求項17】
ポリマー主鎖が、好ましくは50%を超える交互の二重結合と単結合を含む、請求項2記載のポリマー又はコポリマー。
【請求項18】
ポリマー主鎖が、75%を超える交互の二重結合と単結合を含む、請求項2記載のポリマー又はコポリマー。
【請求項19】
ポリマー主鎖が、交互の二重結合と単結合を含む、請求項2記載のポリマー又はコポリマー。
【請求項20】
1以上の金属が、ポリマーにキレート化されているか、共有結合で結合されているか、イオンで結合されているか又はそのいくつかの組合せである、請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマー。
【請求項21】
金属が、独立して遷移金属からなる群より選ばれる、請求項20記載のポリマー又はコポリマー。
【請求項22】
置換基R1-R8の1つ以上が、独立して-SO3H、-SO3-、-PO3H又は-PO3-からなる群より選ばれる、請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマー。
【請求項23】
請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマーの1つ以上と繊維の混合物からなるポリマー又はコポリマー。
【請求項24】
繊維が、独立してレーヨン、アクリル、ピッチ、アラミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリフェニレンスルフィド、メラミン、フルオロポリマー、及び高密度ポリエチレン、ガラス、及び炭素からなる群より選ばれる、請求項23記載のポリマー又はコポリマー。
【請求項25】
下記一般構造式を含む組成物。
【化4】

(式中、Xはフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、及びニトロからなる群より選ばれる。)
【請求項26】
下記一般構造式を含む組成物。
【化5】

(式中、Xはクロロ、ブロモ、及びヨードからなる群より選ばれる。)
【請求項27】
下記一般構造式を含む組成物。
【化6】

(式中、Xはフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、及びニトロからなる群より選ばれる。)
【請求項28】
請求項2記載のコポリマーの調製方法であって、塩基の存在下でビスフェノールとアリールジハライドとの求核置換重合反応を含む、前記方法。
【請求項29】
請求項2記載のコポリマーの調製方法であって、1以上のビスフェノキシドモノマーと下記基からなる群より選ばれる少なくとも1つのモノマーとの求核置換重合反応を含む、前記方法。
【化7】

(ここで、Ar、Ar'は、1,2-フェニレン、1,4-フェニレン、置換1,2-フェニレン、置換1,4-フェニレン、4,4-ビフェニレン、置換4,4'-ビフェニレン、4,4"-テルフェニレン、置換4,4"-テルフェニレン、1,4-ナフチレン、置換1,4-ナフチレン、2,6-ナフチレン、置換2,6-ナフチレン、2,7-フルオレニレン, 置換2,7-フルオレニレン、2,6-アントラセニレン、置換2,6-アントラセニレン; 9,10-アントラセニレン、及び置換9,10-アントラセニレンを含むがこれらに限定されない2価の芳香族単位であり;
X、X'は、独立してクロロ、フルオロ、及びニトロからなる群より選ばれ;
R1-R8は、独立してH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ハロゲン、-CN、-CHO、CORa、-CRa=NRb、-ORa、-SRa、-SO2Ra、-PORaRb、-PO3Ra、-OCORa、-CO2Ra、-NRaRb、-N=CRaRb、-NRaCORb、-CONRaRbからなる群より選ばれ、ここで、Ra、Rbは、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、及び置換ヘテロアリールからなる群より独立して選ばれ、R1-R8、Ra、Rbの2つ以上が結合して環構造を形成してもよい。
【請求項30】
X = X'である、請求項29記載の方法。
【請求項31】
Ar、Ar'が同じであり、1,2-フェニレン単位及び1,4-フェニレン単位からなる群より選ばれる、請求項29記載の方法。
【請求項32】
1つ又は複数のビスフェノキシドモノマーが、独立して塩基と、カテコール; レゾルシノール; ヒドロキノン; 4,4'-ビフェノール; ビスフェノールA; 4,4'-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフェノール; フェノールフタレイン; 1,2-ジヒドロキシナフタレン; 1,3-ジヒドロキシナフタレン; 1,5-ジヒドロキシナフタレン; 1,6-ジヒドロキシナフタレン; 2,3-ジヒドロキシナフタレン; 2,6-ジヒドロキシナフタレン; 2,7-ジヒドロキシナフタレン; 及び4,4'-(9-フルオレニリデン)ジフェノールからなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物の反応から誘導される、請求項29記載の方法。
【請求項33】
10%までの1以上のモノ官能基化アリールハライド又はモノ官能基化フェノキシドを反応に添加して、ポリマーをエンドキャップする、請求項29記載の方法。
【請求項34】
請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマーの調製方法であって、ジハロゲン化ジベンゾジアゾシン誘導体又はジハロゲン化置換ジベンゾジアゾシン誘導体の金属触媒還元カップリングを含む、前記方法。
【請求項35】
ニッケル触媒、ホスフィン又はホスファイト配位子、及び還元金属を含む、請求項34記載の方法。
【請求項36】
ジハロゲン化ジベンゾジアゾシン誘導体又はジハロゲン化置換ジベンゾジアゾシン誘導体がジクロロジベンゾジアゾシン誘導体又はビス(クロロフェニル)ジベンゾジアゾシン誘導体である、請求項34記載の方法。
【請求項37】
還元金属が、独立してリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、及び亜鉛からなる群より選ばれる、請求項35記載の方法。
【請求項38】
10%までの1以上のモノ官能基化ハライドを反応に添加して、ポリマーをエンドキャップする、請求項34記載の方法。
【請求項39】
請求項2記載のポリマー又はコポリマーの調製方法であって、金属安定化ジカルボアニオン部分とジハロゲン化ジベンゾジアゾシン誘導体又はジハロゲン化置換ジベンゾジアゾシン誘導体との金属触媒カップリングを含む、前記方法。
【請求項40】
安定化金属が、独立してLi、Na、Mg、K、Ca、Cu、Zn、Ag、Cd、Sn、Au、及びHgからなる群より選ばれる、請求項39記載の方法。
【請求項41】
塩基の存在下で芳香族ビスボロン酸か又は芳香族ビスボロン酸エステルとジヨード-、ジブロモ-、又はジクロロジベンゾジアゾシン誘導体とのパラジウム-又はニッケル触媒反応を含む、請求項39記載の方法。
【請求項42】
10%までの1以上のモノ官能基化ハライド又はモノ官能基化金属安定化カルボアニオン部分を反応に添加して、ポリマーをエンドキャップする、請求項39記載の方法。
【請求項43】
請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマーの調製方法であって、下記式
【化8】

からなる群より誘導される1以上のモノマーの酸触媒自己縮合か又は下記式
【化9】

からなる群より誘導される1以上のモノマーと下記式
【化10】

(式中、R1-R16は、独立してH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ハロゲン、-CN、-CHO、CORa、-CRa=NRb、-ORa、-SRa、-SO2Ra、-PORaRb、-PO3Ra、-OCORa、-CO2Ra、-NRaRb、-N=CRaRb、-NRaCORb、-CONRaRbからなる群より選ばれ、ここで、Ra、Rbは、独立してH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、及び置換ヘテロアリールからなる群より選ばれ、R1-R16、Ra、Rbの2つ以上が結合して、環構造を形成してもよい;
S、U、Vは、独立して無いか又は-Z-、-Z-Ara-、及び-Ara-Z-Arb-からなる群より独立して選ばれる1以上の2価の基からなる群より選ばれ、Tは、-Ara-及び-Ara-Z-Arb-からなる群より選ばれ、ここで、Zは、-O-、-S-、-NRa-、-O(CO)-、-O(CO2)-、-(CO)N Ra(CO)-、-NRa(CO)-、-OArbO-、フタルイミド、ピロメリトイミド、-CO、-SO、-SO2、-P(O)Rc-、及び-CRcRd-からなる群より選ばれる2価の基であり、Rc、Rdは、独立してH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、及び置換ヘテロアリールからなる群より選ばれ、また、結合して環構造を形成してもよく、Ara、Arbは、独立してフェニレン、置換フェニレン、ビフェニル、置換ビフェニル、テルフェニル、置換テルフェニル、ナフチル、置換ナフチル、フルオレニル、置換フルオレニル、アントラセニル、及び置換アントラセニルを含むがこれらに限定されない2価の芳香族単位からなる群より選ばれる。)
から誘導される1以上のモノマーとの酸触媒混合縮合を含む、前記方法。
【請求項44】
10%までのモノ官能基化オルト-アミノケトアリール誘導体; モノ官能基化オルト-アミノホルミルアリール誘導体; モノ官能基化1,2-ジアミノアリール誘導体; モノ官能基化2-ジケトアリール誘導体; モノ官能基化1,2-ジホルミルアリール誘導体; 又はモノ官能基化1-ケト-2-ホルミルアリール誘導体1つ以上を反応に添加して、ポリマーをエンドキャップする、請求項43記載の方法。
【請求項45】
請求項20記載のポリマー又はコポリマーが、合成有機変換のための触媒として役立つ方法。
【請求項46】
請求項10記載のポリマー又はコポリマーの分子量を増大させる方法であって、ポリマーを200℃を超える温度で加熱することを含む、前記方法。
【請求項47】
請求項11記載のポリマー又はコポリマーを硬化させる方法であって、ポリマーを化学反応させて架橋応答を誘発させることを含む、前記方法。
【請求項48】
請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマーをスルホン化する方法であって、ポリマーとスルホン化試薬とを反応させることを含む、前記方法。
【請求項49】
請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマーをリン酸化する方法であって、ポリマーをリン酸化剤で加熱することを含む、前記方法。
【請求項50】
請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマーを酸化させる方法であって、ポリマーと酸化剤とを反応させるか又はポリマーを電気化学的に酸化することを含む、前記方法。
【請求項51】
請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマーを還元する方法であって、ポリマーと還元剤とを反応させるか又はポリマーを電気化学的に還元することを含む、前記方法。
【請求項52】
請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマーから固体製品を製造する方法であって、前記ポリマーを圧縮成形するを含む、前記方法。
【請求項53】
請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマーから固体製品を製造する方法であって、前記ポリマーを吹込み成形することを含む、前記方法。
【請求項54】
請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマーから成形製品を製造する方法であって、前記ポリマーを射出成形することを含む、前記方法。
【請求項55】
請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマーから固体製品を製造する方法であって、前記ポリマー又はコポリマーを押出すことを含む、前記方法。
【請求項56】
フィルムを形成するために用いられる請求項55記載の方法。
【請求項57】
電線を被覆するために用いられる、請求項55記載の方法。
【請求項58】
請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマーから繊維を調製する方法であって、前記ポリマーを溶融紡糸することを含む、前記方法。
【請求項59】
請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマーからフリースタンディングフィルムを製造する方法であって、前記ポリマーを溶媒に溶解し、得られた溶液を基体上に被覆し、溶媒を蒸発によって除去し、得られたフィルムを基体から取り出すことによる、前記方法。
【請求項60】
固体製品を請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマーで被覆する方法であって、製品の表面を前記ポリマーの溶液で被覆し、溶媒を蒸発によって除去することによる、前記方法。
【請求項61】
請求項1又は2のポリマー又はコポリマーから複合構造を調製する方法であって、繊維を前記ポリマーで粉末被覆し、被覆された繊維をポリマー又はコポリマーのガラス転移温度を超える温度に加熱することを含む、前記方法。
【請求項62】
請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマーから複合構造を調製する方法であって、繊維をポリマーで溶液被覆し、溶媒を蒸発によって除去し、被覆された繊維をポリマーのガラス転移温度を超える温度に加熱することによる、前記方法。
【請求項63】
繊維が、独立してレーヨン、アクリル、ピッチ、アラミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリフェニレンスルフィド、メラミン、フルオロポリマー、高密度ポリエチレン、ガラス、及び炭素からなる群より選ばれる、請求項61又は62記載の方法。
【請求項64】
請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマーを使っている電気機械的動作デバイス。
【請求項65】
電気機械的動作要素が人工筋肉として機能する、請求項64記載のデバイス。
【請求項66】
デバイスが、カテーテル、カニューレ、ガイドワイヤ、内視鏡、又は同様の医療デバイスにおいて用いられる、請求項64記載の電気機械的動作デバイス。
【請求項67】
電気機械動作デバイスが、デバイスの機動性を改善するために用いられる、請求項66記載のデバイス。
【請求項68】
ポリマー又はコポリマーが、可撓性コーティングで封入されている、請求項66記載のデバイス。
【請求項69】
前記可撓性コーティングが、センザーが配置されている生物体と生体適合する、請求項66記載のデバイス。
【請求項70】
請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマーを使っている検出デバイス。
【請求項71】
200℃までの使用温度を必要とする適用において請求項1又は2記載の1以上のポリマー又はコポリマーを使っている製品。
【請求項72】
250℃までの使用温度を必要とする適用において請求項1又は2記載の1以上のポリマー又はコポリマーを使っている製品。
【請求項73】
300℃までの使用温度を必要とする適用において請求項1又は2記載の1以上のポリマー又はコポリマーを使っている製品。
【請求項74】
請求項1又は2記載の1以上の組成物で被覆されている電気配線を使っているデバイス。
【請求項75】
誘電材料として請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマーの組成物を使っているデバイス。
【請求項76】
ポリマー又はコポリマーの組成物がプリント配線板として役立つ、請求項74記載のデバイス。
【請求項77】
電子適用における接着材料として、請求項10又は11記載のポリマー又はコポリマーの組成物を使っているデバイス。
【請求項78】
請求項23又は24記載のポリマー又はコポリマーから全体的に或いは部分的に調製される繊維強化複合構造を使っているデバイス。
【請求項79】
請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマーの1つ以上を含むフリースタンディングフィルム。
【請求項80】
請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマーの1つ以上を含むコーティング。
【請求項81】
請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマーの1つ以上を含む繊維。
【請求項82】
請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマーの1つ以上を含むフォーム。
【請求項83】
請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマーの1つ以上を含む不織繊維マット。
【請求項84】
請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマーの1つ以上を含む成形品。
【請求項85】
請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマーの1つ以上を含む半透膜。
【請求項86】
請求項22記載のポリマー又はコポリマーの1つ以上を含むイオン交換膜。
【請求項87】
請求項22記載のポリマー又はコポリマーの1つ以上を含む膜電極アセンブリ。
【請求項88】
請求項86又は87記載のポリマー又はコポリマーを使っている燃料電池デバイス。
【請求項89】
請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマーの1つ以上を含む光ルミネセントデバイス又はエレクトロルミネセントデバイス。
【請求項90】
前記ポリマー又はコポリマーが発光成分として機能する、請求項89記載のデバイス。
【請求項91】
請求項1又は2記載のポリマー又はコポリマーから誘導される導電性材料を使っているデバイス。

【図1】
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【公表番号】特表2007−535591(P2007−535591A)
【公表日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−509695(P2007−509695)
【出願日】平成17年4月22日(2005.4.22)
【国際出願番号】PCT/US2005/013931
【国際公開番号】WO2005/105922
【国際公開日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(502030880)ソルヴェイ アドバンスド ポリマーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー (39)
【Fターム(参考)】