説明

タンク搭載車体後部構造

【課題】車両後部全体でエネルギーを吸収してガスタンクの保護を図り、従来補強に使用していた補強部材を無くして重量及びコスト低減を実現する。
【解決手段】本発明のタンク搭載車体後部構造では、リヤサイドメンバ3の下方にタンクを支持する後側タンクフレーム12を設け、後側タンクフレーム12の前部をリヤサイドメンバ3に固定すると共に、後部を直接、又は、間接的にリヤサイドメンバ3に固定して、トーションビーム17を後側タンクフレーム12の車両前方に配置する。リヤサイドメンバ後端部3b及び後側タンクフレーム12の後端部に車両前方へ向かう入力荷重Fが生じ、その入力荷重Fにより、リヤサイドメンバ3が車両前方上方へくの字状に折り曲げられる場合に、トーションビーム17に後側タンクフレーム12を衝突させて、後側タンクフレーム12の前部を前記リヤサイドメンバ3と共に車両上方へ押し上げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンク搭載車体後部構造に関し、詳細には、タンクの保護技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術としては、例えば特許文献1等に開示されるように、リヤサイドメンバに燃料タンクが設けられ、その燃料タンクの後側部位に第1座屈誘起部を設けると共に、前側部位に第2座屈誘起部を設け、リヤサイドメンバ後端の断面中心線を第1座屈誘起部の断面中心線よりも下側に位置させ、車両後方からの入力荷重によってリヤサイドメンバが前記第1座屈誘起部と第2座屈誘起部から折れ曲がって燃料タンクを包み込むようにして保護する構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−175421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、燃料タンクの前後に座屈誘起部を設けて、燃料タンクを潰さないようにするために、燃料タンクを包み込むようリヤサイドメンバを折り曲げるモードとしている。
【0005】
しかしながら、燃料タンクの保護のため、リヤサイドメンバの折れモードにより吸収できるエネルギー量は限られており、より多くのエネルギー吸収を得ようとすると、車体骨格への補強が必要となりコスト及び重量アップになる。
【0006】
特に、特許文献1における燃料タンクは、樹脂性や薄板でできた金属性等の燃料タンクであるため、燃料タンクの保護のためには、リヤサイドメンバの第1、第2座屈誘起部を折り曲げることが可能な範囲が少なく、リヤサイドメンバの折れモードにより吸収できるエネルギー量は限られている。
【0007】
また、リヤサイドメンバ内で相対的に強度の弱い屈曲部(キックアップ部)がサスペンションメンバといったサスペンション部品で補強されて容易に折り曲げることができないので、折れモードにより本来エネルギー吸収ができる部位でのエネルギー吸収量を多く取れないため、他の車体骨格部位をレインフォース等で補強し、重量及びコストがかかるという問題があった。
【0008】
そこで本発明は、上記した実状に鑑みて提案されたものであり、車両後部全体でエネルギーを吸収してタンクの保護を図り、従来補強に使用していた補強部材を無くして重量及びコスト低減を実現し得るタンク搭載車体後部構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、一対のリヤサイドメンバの下方に、タンクを支持するタンクフレームが設けられたタンク搭載車体後部構造である。このタンク搭載車体後部構造では、リヤサイドメンバにタンクフレームの前部を固定すると共に、そのタンクフレームの後端部を直接、又は、間接的にリヤサイドメンバに固定している。
【0010】
また、このタンク搭載車体後部構造では、リヤサイドメンバ及びタンクフレームの少なくとも一方の後端部に、車両前方へ向かう入力荷重が生じ、その入力荷重により、車両上方が凸となる方向へリヤサイドメンバが折り曲げられる場合に、タンクフレームの前部を、リヤサイドメンバと共に車両上方へ押し上げるメンバー折曲げ促進手段を設けている。
【発明の効果】
【0011】
本発明のタンク搭載車体後部構造によれば、車両後方から車両前方に向けてリヤサイドメンバ及びタンクフレームの少なくとも一方の後端部に入力荷重が加わると、車両上方が凸となる方向へリヤサイドメンバが折れ曲がる。そして、このタンク搭載車体後部構造では、メンバー折曲げ促進手段により、リヤサイドメンバに固定されたタンクフレームの前部が該リヤサイドメンバと共に車両上方へ押し上げるられるため、リヤサイドメンバの曲がりが大きくなり、車両後部の潰れ量を増加することができる。これにより、車両後部全体での入力荷重のエネルギーの吸収量が増加してタンクの潰れを防止する。したがって、本発明によれば、タンクを保護することができ、且つ従来補強に使用していた補強部材を無くして重量及びコストを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は第1実施形態のタンク搭載車体後部構造の底面図である。
【図2】図2は第1実施形態のタンク搭載車体後部構造の側面図である。
【図3】図3は第1実施形態のタンク搭載車体後部構造における車体後部潰れ動作の一連の動作図のうち潰れ初期段階の図である。
【図4】図4は第1実施形態のタンク搭載車体後部構造における車体後部潰れ動作の一連の動作図のうち潰れ中期前期段階の図である。
【図5】図5は第1実施形態のタンク搭載車体後部構造における車体後部潰れ動作の一連の動作図のうち潰れ中期後期段階の図である。
【図6】図6は第1実施形態のタンク搭載車体後部構造における車体後部潰れ動作の一連の動作図のうち潰れ後期段階の図である。
【図7】図7は第2実施形態のタンク搭載車体後部構造における車体後部潰れ動作の一連の動作図のうち潰れ初期段階の図である。
【図8】図8は第2実施形態のタンク搭載車体後部構造における車体後部潰れ動作の一連の動作図のうち潰れ中期前期段階の図である。
【図9】図9は第2実施形態のタンク搭載車体後部構造における車体後部潰れ動作の一連の動作図のうち潰れ中期後期段階の図である。
【図10】図10は第2実施形態のタンク搭載車体後部構造における車体後部潰れ動作の一連の動作図のうち潰れ後期段階の図である。
【図11】図11は第3実施形態のタンク搭載車体後部構造における車体後部潰れ動作の一連の動作図のうち潰れ初期段階の図である。
【図12】図12は第3実施形態のタンク搭載車体後部構造における車体後部潰れ動作の一連の動作図のうち潰れ中期前期段階の図である。
【図13】図13は第3実施形態のタンク搭載車体後部構造における車体後部潰れ動作の一連の動作図のうち潰れ中期後期段階の図である。
【図14】図14は第3実施形態のタンク搭載車体後部構造における車体後部潰れ動作の一連の動作図のうち潰れ後期段階の図である。
【図15】図15は第4実施形態のタンク搭載車体後部構造における車体後部潰れ動作の一連の動作図のうち潰れ初期段階の図である。
【図16】図16は第4実施形態のタンク搭載車体後部構造における車体後部潰れ動作の一連の動作図のうち潰れ中期前期段階の図である。
【図17】図17は第4実施形態のタンク搭載車体後部構造における車体後部潰れ動作の一連の動作図のうち潰れ中期後期段階の図である。
【図18】図18は第4実施形態のタンク搭載車体後部構造における車体後部潰れ動作の一連の動作図のうち潰れ後期段階の図である。
【図19】図19は第5実施形態のタンク搭載車体後部構造におけるスライド機構部の一例を示す要部拡大斜視図である。
【図20】図20は第5実施形態のタンク搭載車体後部構造における車体後部潰れ動作の一連の動作図のうち潰れ初期段階の図である。
【図21】図21は第5実施形態のタンク搭載車体後部構造における車体後部潰れ動作の一連の動作図のうち潰れ中期前期段階の図である。
【図22】図22は第5実施形態のタンク搭載車体後部構造における車体後部潰れ動作の一連の動作図のうち潰れ中期後期段階の図である。
【図23】図23は第5実施形態のタンク搭載車体後部構造における車体後部潰れ動作の一連の動作図のうち潰れ後期段階の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
「第1実施形態」
図1は第1実施形態のタンク搭載車体後部構造の底面図、図2は第1実施形態のタンク搭載車体後部構造の側面図、図3から図6は第1実施形態のタンク搭載車体後部構造における車体後部潰れ動作を示す一連の動作図である。なお、図1及び図2中、矢印FRは車両前方を表し、矢印RRは車両後方を表すものとする。
【0015】
この車両のリヤフロア部1は、金属パネル等で作られた車室の床面部分を形成するリヤフロアパネル2と、車両後端部に車幅方向に延在して設けられたリヤパネル6と、により構成されている。車体骨格部は、フロントフロア部4から車両後方へ延在し車幅方向左右に配置された一対のリヤサイドメンバ3、3と、左右のリヤサイドメンバ3、3の前端部を接合する車幅方向に延在されたシートクロスメンバ5と、このシートクロスメンバ5の後方に所定距離を置いて配置された前側クロスメンバ7と、後側クロスメンバ8とを主たる構成としている。
【0016】
リヤサイドメンバ3は、フロントフロア部4から屈曲部であるキックアップ部3aに向かって図2の側面視で車両後方上方へと上り勾配で傾斜されており、該キックアップ部3aより後方は略水平とされている。このリヤサイドメンバ3は、車両上方側が開放された断面略コ字形状に形成された車両骨格部材をなす。
【0017】
シートクロスメンバ5は、左右のリヤサイドメンバ3、3の前端部に車幅方向に向けて設けられ、これらリヤサイドメンバ3、3間を結合させている。
【0018】
前側クロスメンバ7は、キックアップ部3aよリやや車両後方に設けられ、左右のリヤサイドメンバ3、3間を車幅方向に延在して固定している。この前側クロスメンバ7は、リヤサイドメンバ3と同様、車両上方側が開放された断面略コ字形状に形成された車両骨格部材をなしている。
【0019】
後側クロスメンバ8は、前側クロスメンバ7の車両後方に設けられ、左右のリヤサイドメンバ3、3間を車幅方向に延在して固定している。この後側クロスメンバ8は、前側クロスメンバ7と同様、車両上方側が開放された断面略コ字形状に形成された車両骨格部材をなしている。
【0020】
前記リヤサイドメンバ3、3には、後輪を車体に懸架するリヤサスペンション14が取り付けられている。リヤサスペンション14は、トレーリングアーム16と、トーションビーム17と、サスペンションスプリング18と、ショックアブソーバー19とで構成された、いわゆるトーションビーム式のサスペンションとされている。
【0021】
トレーリングアーム16は、左右のリヤサイドメンバ3、3のキックアップ部3aより車両前方の該リヤサイドメンバ3に接合締結されたトレーリングアームブラケット15に対して、その前端部を略車両幅方向軸中心周りに回転自由な締結方法で支持されている。
【0022】
トーションビーム17は、左右のトレーリングアーム16、16を連結するように車幅方向に延設して配置されている。なお、トーションビーム17は、車両のロール挙動を制御する役割を持ち、さまざまな断面形状で実施することが可能である。例えば、その一例としては、車両下側が開放されくの字断面を持つものが挙げられる。
【0023】
サスペンションスプリング18は、車体側取付け点を前側クロスメンバ7とリヤサイドメンバ3の接合締結点とし、リヤサスペンション側取付け点をトーションビーム17より車両後方で且つトレーリングアーム16及びトーションビーム17を接合する皿状台座30として、車両上下方向に延設されている。このサスペンションスプリング18は、円筒形状をなすバネとされ、車両振動を減衰させる。
【0024】
ショックアブソーバー19は、後側クロスメンバ8とリヤサイドメンバ3の接合締結点とトレーリングアーム16の後端部16aとに亘って取り付けられている。
【0025】
そして、前記各骨格部材からなる車体後部には、タンクフレームに搭載されたタンクであるガスタンクが、車幅方向に向けて車体下部に吊り下げ固定されている。ガスタンクは、リヤサスペンション14を挟んで車両前後にそれぞれ配置される前側ガスタンク9と後側ガスタンク10の2つのタンクとされている。かかるガスタンクは、例えば燃料電池自動車の場合、水素ガスを充填した水素ガスタンクとされる。
【0026】
なお、前側ガスタンク9及び後側ガスタンク10は、非常に高圧で充填される気体水素等からの内圧に耐えうるように、ライナーと呼ばれる両端部がドーム状の円筒のアルミなどで出来た金属容器にカーボンファイバーと呼ばれる炭素繊維を何重にも巻きつけた構造とされている。そのため、この前側ガスタンク9及び後側ガスタンク10は、金属製の車体部品よりも強度が強い。
【0027】
前側ガスタンク9は、シートクロスメンバ5と前側クロスメンバ7と左右のリヤサイドメンバ3、3の間に収まるように設けられ、その長手方向を車幅方向に向けて配置されている。かかる前側ガスタンク9は、多角形の閉断面をもつ骨格部材で枠組みされた前側タンクフレーム11を介して車体下部に吊り下げ固定されている。前側タンクフレーム11は、車両前側取付け点を左右のリヤサイドメンバ3の前端部下面に締結させ、車両後側取付け点をキックアップ部3aより車両前方で該リヤサイドメンバ3とリヤフロアパネル2に接合されたタンク取り付けブラケット13に締結させている。
【0028】
同様に、後側ガスタンク10は、前側クロスメンバ7と後側クロスメンバ8と左右のリヤサイドメンバ3、3の間に収まるように設けられ、その長手方向を車幅方向に向けて配置されている。かかる後側ガスタンク10は、多角形の閉断面をもつ骨格部材で枠組みされた後側タンクフレーム12を介して車体下部に吊り下げ固定されている。後側タンクフレーム12は、車両前側取付け点を前側クロスメンバ7の下面に締結させ、車両後側取付け点を後側クロスメンバ8の下面に締結させている。これにより、後側タンクフレーム11の前側取り付け点は、リヤサイドメンバ3のキックアップ部3aの近傍部となる。
【0029】
なお、前側ガスタンク9及び後側ガスタンク10を支持する前側及び後側タンクフレーム11、12と車体との取り付け方法は、さまざまな方法が考えられるが、一例としてボルト及びナットを用いた締結方法が挙げられる。
【0030】
また、後側ガスタンク10とトーションビーム17との相対位置は、トーションビーム17が後側ガスタンク10及び後側タンクフレーム12より車両前方下方位置とされている。逆の見方をすると、トーションビーム17の上端部17aと後側ガスタンク10の車両上下方向での重心位置Gは、後側ガスタンク10の方がトーションビーム17よりも相対的に高い位置に設定されている。トーションビーム17は、前述の通りリヤサスペンションの一部をなすものであり車両走行に伴って上下方向に移動することから、上方に上がった位置でも後側ガスタンク10の重心位置Gが該トーションビーム17よりも上方へ位置する様に設定されている。つまり、リヤサスペンション14のバウンド・リバウンド時においても、後側ガスタンク10の重心位置Gとトーションビーム17の相対位置関係が変わらない様になっている。
【0031】
次に、リヤサイドメンバ3の強度分布について説明する。前述の通り、前側ガスタンク9及び後側ガスタンク10は、高圧水素を充填するために十分な強度を有していることから、車体骨格の圧壊及び曲げ強度よりも高い強度を持つ。さらに、前側ガスタンク9及び後側ガスタンク10を車体へ締結する前側タンクフレーム11及び後側タンクフレーム12についても重量物である前側ガスタンク9及び後側ガスタンク10を支えるための強度が必要であること及び車両衝突時にも車体へ締結し続ける必要があることから、前側ガスタンク9及び後側ガスタンク10と同様、車体骨格の圧壊及び曲げ強度よりも高い強度を持つ。
【0032】
さらには、前述の車体骨格への接合搭載位置と複数のガスタンク9、10の搭載位置からキックアップ部3aより車両前方側は、前側ガスタンク9及び前側タンクフレーム11が締結されるために相対的に強度強固部となっている。逆に、キックアップ部3aは、相対的に強度脆弱部となる。また、キックアップ部3aより車両後方側、すなわち後側タンクフレーム12の前側締結点が取り付けられる前側クロスメンバ7と後側クロスメンバ8間には、後側ガスタンク10及び後側タンクフレーム12が取り付けられるため、相対的に強度強固部となる。そして、後側クロスメンバ8より車両後方側は、相対的に強度脆弱部となる。
【0033】
そして、この車体後部構造では、リヤサイドメンバ後端部3b及び後側タンクフレーム12の後端部に車両前方へ向かう入力荷重Fが生じた時に、その入力荷重Fにより前記リヤサイドメンバ3が、前記屈曲部であるキックアップ部3aから車両前方上方へくの字状に折り曲げられると共に、前側ガスタンク9及び前側タンクフレーム11を前記リヤサイドメンバ3と共に車両上方へ押し上げるメンバー折曲げ促進手段を備えている。
【0034】
第1実施形態のメンバー折曲げ促進手段は、後側ガスタンク10の車両前方に設けられたトーションビーム式のリヤサスペンション14を構成するトーションビーム17からなり、後側ガスタンク10及び後側タンクフレーム12より車両前方の位置に配置したトーションビーム17に、前記入力荷重Fにより後側ガスタンク10及び後側タンクフレーム12を衝突させて、これらをリヤサイドメンバ3と共に後側ガスタンク10及び後側タンクフレーム12を車両前方上方へ押し上げる。このメンバー折曲げ促進手段に関しては、次の車体後部潰れ動作説明の中で詳述する。
【0035】
例えば、図3に示すように、車両後方から車両前方に向けて後面衝突車両20に衝突された場合、左右のリヤサイドメンバ後端部3b及び後側タンクフレーム12の後端部に車両前方向への入力荷重Fが入力される。車体後部構造は、本入力荷重Fによりリヤサイドメンバ3の後方部、後側タンクフレーム12の後側取り付け点よりも後方が車両前方側へ軸圧潰変形する。
【0036】
また、後側タンクフレーム12は、リヤサイドメンバ3のキックアップ部3aの後部よりも低い位置に延設されるとともに、後側タンクフレーム12の後端部がリヤサイドメンバ3の後部に固定され且つ後側ガスタンク10へ後面衝突車両20から車両前方向へ入力荷重Fが入力されるので、図3に示すように側面視でキックアップ部3aを中心に時計回りのモーメントM1が発生する。これにより、左右のリヤサイドメンバ3の後部は、図4に示すように略への字状に折れ曲がり、車両上方向へ変形する。
【0037】
このとき、前側クロスメンバ7及び後側クロスメンバ8間に配置されている後側ガスタンク10及び後側タンクフレーム12は、剛性が高いことから入力荷重Fによって潰れずにリヤサイドメンバ3が略への字形状に屈曲する形で車両前方側へ変位する。
【0038】
更に変形が進むと、後側ガスタンク10及び後側タンクフレーム12は、図5に示すように、車両前方側へ変位してトーションビーム17の車両後方に向けた傾斜面31と衝突する。このとき、トレーリングアーム16とトレーリングアームブラケット15は強度が他の車体部品よりも強く、車両後方側へ反力を発生させるため、前述のトーションビーム17の面の角度と後側タンクフレーム12の角度の関係により、後側ガスタンク10及び後側タンクフレーム12の前部は、車両上方へ変位しようとする。
【0039】
前記トーションビーム17の後側に形成される傾斜面31に作用した力のうち、その傾斜面31に沿った方向の分力相当は車両上側への力となる。その車両上側への力は、後側タンクフレーム12の前側取り付け点からリヤサイドメンバ3のキックアップ部3a付近への上方荷重となる。よって、後側タンクフレーム12を伝わって前側クロスメンバ7に車両上方へ荷重が入力されるので、該前側クロスメンバ7と結合されているリヤサイドメンバ3のキックアップ部3aが車両上方向へ変位する共に、後側タンクフレーム12の後端部に引っ張られたリヤサイドメンバ3の後端部が車両下方向へ変位するので、該リヤサイドメンバ3が略への字状に折れ曲がる。
【0040】
そして、この状態から更に変形が進み、後側ガスタンク10及び後側タンクフレーム12は、図6に示すように、車両前方へ変位して前側ガスタンク9と前側タンクフレーム11の車両後方側と干渉する。すると、前側ガスタンク9及び前側タンクフレーム11は、車両前方側に変位し始め、シートクロスメンバ5の車両後方側と干渉し、当該シートクロスメンバ5を経由して図示しない車両フロア下に設けられたサイドメンバに対して入力荷重を伝達する。
【0041】
このように、第1実施形態のタンク搭載車体後部構造では、後面衝突車両20に衝突された際に、リヤサイドメンバ3を略への字状に折り曲げるための荷重として後側タンクフレーム12の前側取り付け点から車両上方への荷重を伝達させるのを促進するために、後側タンクフレーム12の前側取り付け点を車両上方へ押し上げるトーションビーム17を設けることで、リヤサイドメンバ3を略への字状に曲げる量を増やし、衝突エネルギー吸収量を増やすことができる。これにより、今まで衝突エネルギー吸収部材として追加していたレインフォース等の補強部材を使用する必要が無くなるため、重量及びコストを低下することが可能となる。
【0042】
第1実施形態によれば、リヤサイドメンバ3の屈曲部であるキックアップ部3aを他の部位よりも剛性を低くした脆弱部とし、リヤサイドメンバ後端部に車両前方へ向かう入力荷重が生じた時にリヤサイドメンバ3がキックアップ部3aから車両前方上方へくの字状に折曲げられると共にそのリヤサイドメンバ3と共に車両前方上方へ押し上げるメンバー折曲げ促進手段を設けているので、車両後部全体でエネルギー吸収することが可能となり、衝突性能を向上させることができる。
【0043】
また、第1実施形態によれば、リヤサスペンション14を構成するトーションビーム17をメンバー折曲げ促進手段としたので、これまでのトーションビーム17を使用でき、専用部品を使用しないためコストアップにならない。
【0044】
また、第1実施形態によれば、リヤサイドメンバ3の脆弱部よりもガスタンク及びタンクフレームの剛性を高くしたので、脆弱部よりリヤサイドメンバ3をくの字状に折り曲げ易くなり、エネルギー吸収量を増加させることができる。
【0045】
また、第1実施形態によれば、入力荷重Fによって前側ガスタンク9及び前側タンクフレーム11に、後側ガスタンク10及び後側タンクフレーム12を衝突させるので、リアサイドメンバ3の前端部の折れを促進し、衝突エネルギー吸収量を増やすことができる。
【0046】
「第2実施形態」
図7から図10は第2実施形態のタンク搭載車体後部構造における車体後部潰れ動作を示す一連の動作図である。
【0047】
第2実施形態のタンク搭載車体後部構造は、第1実施形態とほぼ同一構造であるが、これに加えてリヤサイドメンバ3の折り曲げを更に促進させるメンバー折曲げ促進補助手段を設けている。
【0048】
メンバー折曲げ促進補助手段は、後側タンクフレーム12の車両後側取り付け点に一端32aを固定し、各リヤサイドメンバ後端部3bに他端32bを固定した車幅方向に延在する連結部材32とし、その連結部材32を車両前方下方に傾斜させ、且つ、後側タンクフレーム12の車両後側取り付け点に固定される該連結部材32の一端32aを前記ガスタンクの重心位置Gよりも車両下方位置とした構成としている。なお、連結部材32の傾斜角度は、車両上方軸に対して略45度をなす角度とするのが好ましい。
【0049】
第2実施形態のタンク搭載車体後部構造では、図7の潰れ初期段階において、前記連結部材32に対し、前記入力荷重Fからの力がその傾斜に沿った方向、即ち車両上方軸に対して略45度方向の力として作用する。この連結部材32に作用する力は、後側タンクフレーム12の後側取り付け点(連結部材32の一端32a)を回転中心としたモーメントとしてリヤサイドメンバ3に入力される。そのため、リヤサイドメンバ3は、図8に示すように、キックアップ部3aから折れ曲がれると共に、前記モーメントにより後側ガスタンク10及び後側タンクフレーム12をリヤサイドメンバ3と共に車両上方側に変位せしめられる。
【0050】
その後、後側ガスタンク10及び後側タンクフレーム12は、図9に示すように、トーションビーム17に衝突してリヤサイドメンバ3と共に車両上方へ更に折り曲がって車両上方へ持ち上がる。そして最終的には、図10に示すように、後側ガスタンク10及び後側タンクフレーム12は、前側ガスタンク9及び前側タンクフレーム11と接触する。
【0051】
第2実施形態によれば、メンバー折曲げ促進補助手段である連結部材32により、後側ガスタンク10及び後側タンクフレーム12を車両前方上方へ押し上げることができる。また、第2実施形態では、最もスペースが空いている部分に連結部材32を設けているので、空きスペースを有効活用できると共にリヤサイドメンバ3の折れを促進して衝突エネルギー吸収量を増やすことができる。
【0052】
「第3実施形態」
図11から図14は第3実施形態のタンク搭載車体後部構造における車体後部潰れ動作を示す一連の動作図である。
【0053】
第3実施形態のタンク搭載車体後部構造は、第1実施形態とほぼ同一構造であるが、これに加えてリヤサイドメンバ3の折り曲げを更に促進させるメンバー折曲げ促進補助手段を設けている。
【0054】
メンバー折曲げ促進補助手段は、入力荷重Fにより後側ガスタンク10及び後側タンクフレーム12が衝突する、車両前方上方へ向かう傾斜面21aを車両後側に持つ駆動機構部21とし、その駆動機構部21をトーションビーム17と後側ガスタンク10との間に設け、且つ、後側ガスタンク10の重心位置Gより車両下方位置とした構成としている。
【0055】
駆動ユニット21は、図示しない後輪を駆動させる役割を持つものであり、さまざまな形態で実施することが可能であるが、一例としては車両前方部に搭載されるトランスミッションとプロペラシャフトで前後方向に連結されているディファレンシャルギアボックスや、駆動モーターユニットのケース等が挙げられる。本実施形態では、駆動モーターユニットのケースとする。
【0056】
駆動ユニット21は、通常サスペンション部品の一部として形成され、サスペンションメンバ等にマウントされる。また、駆動ユニット21の上端部21bと後側ガスタンク10の上下方向の重心位置Gは、該後側ガスタンク10の方が相対的に高い位置となるようにする。また、駆動ユニット21の上端部21bとトーションビーム17の上端部17aは、該トーションビーム17の上端部17aの方が相対的に高い位置となるようにする。
【0057】
第3実施形態のタンク搭載車体後部構造では、図11の潰れ初期段階において、駆動ユニット21の傾斜面21aに後側ガスタンク10若しくは後側タンクフレーム12が衝突し、キックアップ部3aから折れ曲がるリヤサイドメンバ3と共に後側ガスタンク10及び後側タンクフレーム12が図12に示すように車両前方上方へ押し上げられる。この駆動ユニット21に後側ガスタンク10及び後側タンクフレーム12を衝突させることで、前記リヤサイドメンバ3を略への字状に折り曲げるための荷重荷重を発生させることが可能となり、より一層、リヤサイドメンバ3の折り曲げを促進させることができる。
【0058】
後側ガスタンク10及び後側タンクフレーム12は、その後、図13に示すようにトーションビーム17に衝突して更に車両上方へ押し上げられ、最終的には図14に示すように、前側ガスタンク9及び前側タンクフレーム11に接触する。
【0059】
第3実施形態によれば、メンバー折曲げ促進補助手段である駆動ユニット21に後側ガスタンク10及び後側タンクフレーム12を衝突させてこれらを車両前方上方へ押し上げることができる。また、第3実施形態では、元の位置にあるトーションビーム17の位置を移動させることなく、該トーションビーム17と後側ガスタンク10との間に既存の駆動ユニット21を設けているので、専用部品を使用することなく駆動ユニット21を利用してリヤサイドメンバ3の折れを促進させることができ、衝突エネルギー吸収量をより一層増やすことができる。
【0060】
また、第3実施形態によれば、駆動ユニット21よりもトーションビーム17を車両上方位置に配置させたので、後側ガスタンク10及び後側タンクフレーム12が駆動ユニット21によって車両前方上方へ押し上げられた後、トーションビーム17に再度乗り上げてさらに車両前方上方へと押し上げられる。
【0061】
「第4実施形態」
図15から図18は第4実施形態のタンク搭載車体後部構造における車体後部潰れ動作を示す一連の動作図である。
【0062】
第4実施形態のタンク搭載車体後部構造は、第1実施形態とほぼ同一構造であるが、前側ガスタンク9の前側タンクフレーム11の車体への車両後側取付け点と、後側ガスタンク10の後側タンクフレーム12の車体への車両前側取付け点を共通取付け点とし、その共通取付け点を屈曲部であるキックアップ部3aに設けている。
【0063】
具体的には、図15に示すように、前側タンクフレーム11の車両後方支持部と後側タンクフレーム12の車両前側支持部をサイドメンバ3が折れ曲がるキックアップ部3a付近の前側クロスメンバ7に、車両前後方向で同一位置に取り付けている。さらに、前側クロスメンバ7には、後面衝突時に前記同一取付け部を回転軸として前側クロスメンバ7が捩れるように図示を省略するノッチ等による低剛性部を設けている。
【0064】
第4実施形態のタンク搭載車体後部構造では、車両後方からの入力荷重Fによって後側タンクフレーム12に作用した荷重が、図15及び図16に示すように前記共通取付け点である前側クロスメンバ7に作用して該前側クロスメンバ7を捩り、脆弱部であるキックアップ部3aを中心としてリヤサイドメンバ3を略への字状に折り曲げる。その後、後側ガスタンク10及び後側タンクフレーム12は、図17に示すように、トーションビーム17に衝突してリヤサイドメンバ3と共に車両上方へ更に折り曲がって車両上方へ持ち上がる。そして最終的には、図18に示すように、後側ガスタンク10及び後側タンクフレーム12は、前側ガスタンク9及び前側タンクフレーム11と接触する。
【0065】
第4実施形態によれば、前側タンクフレーム11と後側タンクフレーム12の共通取付け点を回転軸としてリヤサイドメンバ3が折れ曲がるので、反モーメントが発生せず、より少ない力でキックアップ部3aよりリヤサイドメンバ3を折り曲げることが可能となる。
【0066】
また、第4実施形態によれば、前側タンクフレーム11の後側支持部と後側タンクフレーム12の前側支持部を共通取付け点としているので、タンク搭載に必要な車両前後方向のスペースを最小化しつつ、リヤサイドメンバ3の折れを促進し、衝突エネルギー吸収量を増やすことができる。
【0067】
「第5実施形態」
図19は第5実施形態のタンク搭載車体後部構造におけるスライド機構部の一例を示す要部拡大斜視図、図20から図23は第5実施形態のタンク搭載車体後部構造における車体後部潰れ動作を示す一連の動作図である。
【0068】
第5実施形態のタンク搭載車体後部構造は、第4実施形態とほぼ同一構造であるが、前側タンクフレーム11の車両後方支持部と後側タンクフレーム12の車両前方支持部を共通取付け点とした部位を、前記入力荷重Fによって車両上方へ移動させるスライド機構部33を設けている。
【0069】
スライド機構部33は、図19に示すように、例えば前側クロスメンバ7にスライド孔34を形成し、そのスライド孔34に支持シャフト35を挿入して該支持シャフト35を車両上下方向のみにスライドするようにする。前記前側タンクフレーム11の後側支持部11Aと後側タンクフレーム12の前側支持部12Aを、前記支持シャフト35に支持させる。
【0070】
なお、第4実施形態で設けた前側クロスメンバ7に形成したノッチ等による低剛性部は、第5実施形態では形成してない。
【0071】
第5実施形態のタンク搭載車体後部構造では、図20に示すように車両後方から車両前方に向けて入力荷重Fが入ると、後側タンクフレーム12に作用する力で前側支持部12Aと連結された支持シャフト35が、前記スライド孔34に沿って車両上方へスライドする。これにより、リヤサイドメンバ3は、図21に示すように前記支持シャフト35に押されてキックアップ部3aを中心として略への字形状に折れ曲がる。
【0072】
その後、後側ガスタンク10及び後側タンクフレーム12は、図22に示すように、トーションビーム17に衝突してリヤサイドメンバ3と共に車両上方へ更に折り曲がって車両上方へ持ち上がる。そして最終的には、図23に示すように、後側ガスタンク10及び後側タンクフレーム12は、前側ガスタンク9及び前側タンクフレーム11と接触する。
【0073】
第5実施形態によれば、前側タンクフレーム11の後側支持部11Aと後側タンクフレーム12の前側支持部12Aの共通取付け点の部位をスライド機構33によって車両上方へ移動させるので、リヤサイドメンバ3をキックアップ部3aから容易に折り曲げることができる。また、第5実施形態によれば、反モーメントが発生せず、より少ない力でキックアップ部3aよりリヤサイドメンバ3を折り曲げることが可能となる。
【0074】
また、第5実施形態によれば、前側タンクフレーム11の後側支持部11Aと後側タンクフレーム12の前側支持部12Aを共通取付け点としているので、タンク搭載に必要な車両前後方向のスペースを最小化しつつ、リヤサイドメンバ3の折れを促進し、衝突エネルギー吸収量を増やすことができる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、リヤサイドメンバに燃料タンクを搭載するタンク搭載車体後部構造に利用することができる。
【符号の説明】
【0076】
3…リヤサイドメンバ
3a…キックアップ部(屈曲部)
7…前側クロスメンバ
8…後側クロスメンバ
9…前側ガスタンク(ガスタンク)
10…後側ガスタンク(ガスタンク)
11…前側タンクフレーム(タンクフレーム)
12…後側タンクフレーム(タンクフレーム)
14…リヤサスペンション
16…トレーリングアーム
17…トーションビーム(メンバー折曲げ促進手段)
18…サスペンションスプリング
19…ショックアブソーバー
20…後面衝突車両
21…駆動ユニット(駆動機構部)
21a…駆動ユニットの傾斜面
31…トーションビームの傾斜面
32…連結部材(メンバー折曲げ促進補助手段)
33…スライド機構部(メンバー折曲げ促進補助手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前後方向に延在し車幅方向左右に配置された一対のリヤサイドメンバと、前記リヤサイドメンバの下方で、タンクを支持するタンクフレームとを有するタンク搭載車体後部構造において、
前記タンクフレームの前部を前記リヤサイドメンバに固定すると共に、前記タンクフレームの後部を直接、又は、間接的に前記リヤサイドメンバに固定し、
前記リヤサイドメンバ及びタンクフレームの少なくとも一方の後端部に、車両前方へ向かう入力荷重が生じ、その入力荷重により、車両上方が凸となる方向へ前記リヤサイドメンバが折り曲げられる場合に、前記タンクフレームの前部を、前記リヤサイドメンバと共に車両上方へ押し上げるメンバー折曲げ促進手段を有している
ことを特徴とするタンク搭載車体後部構造。
【請求項2】
請求項1に記載のタンク搭載車体後部構造であって、
前記リヤサイドメンバは、屈曲部を有し、その屈曲部は、他の部位よりも剛性が低い脆弱部とし、
前記タンクフレームの前部は、前記屈曲部の近傍に固定する
ことを特徴とするタンク搭載車体後部構造。
【請求項3】
請求項1に記載のタンク搭載車体後部構造であって、
前記メンバー折曲げ促進手段は、前記タンクの車両前方に設けられたトーションビーム式のリヤサスペンションを構成するトーションビームからなり、このトーションビームを前記タンクフレームより車両前方の位置に配置し、前記入力荷重により前記タンクフレームを前記トーションビームに衝突させて、前記タンクフレームをリヤサイドメンバと共に車両上方へ押し上げる
ことを特徴とするタンク搭載車体後部構造。
【請求項4】
請求項2に記載のタンク搭載車体後部構造であって、
前記入力荷重を受けて前記リヤサイドメンバの折り曲げを更に促進させるメンバー折曲げ促進補助手段を備えた
ことを特徴とするタンク搭載車体後部構造。
【請求項5】
請求項4に記載のタンク搭載車体後部構造であって、
前記メンバー折曲げ促進補助手段は、前記タンクフレームの後部に一端を固定し、前記各リヤサイドメンバ後端部に他端を固定した車幅方向に延在する連結部材からなり、その連結部材を車両前方下方に傾斜させ、且つ、前記タンクフレームの後部に固定される該連結部材の一端を前記タンクの重心位置よりも車両下方位置とした
ことを特徴とするタンク搭載車体後部構造。
【請求項6】
請求項4に記載のタンク搭載車体後部構造であって、
前記メンバー折曲げ促進補助手段は、前記入力荷重により前記タンク又は前記タンクフレームが衝突する、車両前方上方へ向かう傾斜面を車両後側に持つ駆動機構部からなり、この駆動機構部を前記トーションビームと前記タンクフレームとの間に設け、且つ、前記タンクの重心位置より車両下方位置とした
ことを特徴とするタンク搭載車体後部構造。
【請求項7】
請求項6に記載のタンク搭載車体後部構造であって、
前記駆動機構部よりも前記トーションビームを車両上方位置に配置させた
ことを特徴とするタンク搭載車体後部構造。
【請求項8】
請求項3に記載のタンク搭載車体後部構造であって、
前記リヤサスペンションの車両前方に別の前側タンクフレームを設け、その前側タンクフレームによって別の前側タンクを車体下部に固定し、前記入力荷重によって、前側タンクフレームに前記リヤサスペンションの後側のタンクフレームを衝突させる
ことを特徴とするタンク搭載車体後部構造。
【請求項9】
請求項8に記載のタンク搭載車体後部構造であって、
前記前側タンクフレームの車体への車両後側取り付け点と、前記リヤサスペンションの後側のタンクフレームの車体への車両前側取り付け点を共通取り付け点とし、その共通取り付け点を前記屈曲部に設けた
ことを特徴とするタンク搭載車体後部構造。
【請求項10】
請求項9に記載のタンク搭載車体後部構造であって、
前記共通取り付け点を前記入力荷重によって車両上方へ移動させるスライド機構部を有した
ことを特徴とするタンク搭載車体後部構造。
【請求項11】
請求項1から請求項9の何れか1項に記載のタンク搭載車体後部構造であって、
前記脆弱部よりも前記タンク及びタンクフレームの剛性を高くした
ことを特徴とするタンク搭載車体後部構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate


【公開番号】特開2010−18266(P2010−18266A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−7338(P2009−7338)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】