説明

デュアルフューエルエンジンを備えた車両の制御装置

【課題】使用燃料として、水素と水素に比べて使用時のエンジントルクが大きいガソリンとを切換え可能なデュアルフューエルエンジンを備えたハイブリッド車両において、車両の冷機始動時等において、燃費の悪化を極力抑えつつバッテリの早期昇温を図る。
【解決手段】バッテリ温度センサを備えるとともに、該バッテリ温度センサにより検出された温度が所定の設定温度未満のとき(ステップSB13でYESのとき)には、バッテリコントローラによるバッテリの充電又は放電を実行させるようにエンジンの運転制御を行うとともに、バッテリの充電を実行させる場合(ステップSB15でNOの場合)にはエンジンの使用燃料をガソリンとする一方、バッテリの放電を実行させる場合(ステップSB15でYESの場合)にはエンジンの使用燃料を水素とするようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デュアルフューエルエンジンを備えた車両の制御装置に関する技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来より、エンジンと、少なくともバッテリからの電力が供給されて駆動されるモータとを備えたハイブリッド車両において、冷機始動時等におけるバッテリの早期昇温化技術は知られている。例えば、特許文献1に示すハイブリッド車両では、エンジン及びモータの双方を動力源として必要に応じてそれぞれの動力の配分を変更して走行するようになっていて、バッテリ温度センサにより検出されたバッテリの温度が所定温度未満のときには、エンジンの動力を所定量減少させるとともに、モータの動力が該減少分だけ増加するようにバッテリを放電させて該放電電力をモータに供給する一方、バッテリの温度が所定温度以上のときには、エンジンの動力を所定量増加させるとともに、該増加分の動力を利用して発電機を駆動するとともにその発電電力をバッテリに供給して該バッテリの充電を促進(実行)させ、これによってバッテリの昇温を図っている。
【0003】
一方、自動車の排気エミッションを向上させるために、同じエンジン運転条件下での使用時のエンジントルクが互いに異なる2つの燃料を切り換えて使用可能なデュアルフューエルエンジンが知られている。例えば、特許文献2に示すものでは、CNG(第一燃料)とCNGに比べて同じエンジン運転条件下でのエンジントルクが大きいガソリン燃料(第二燃料)とを切換えて使用可能になっている。
【特許文献1】特開2003−293807号公報
【特許文献2】特開2001−268714号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1に示すハイブリッド車両では、バッテリの充放電を促進させるためにエンジンの動力(出力)を増減させるようになっているため、エネルギー効率の悪い領域でのエンジン運転を余儀なくされ、この結果、車両の燃費が悪化するという問題がある。
【0005】
また、上述の特許文献1に示すハイブリッド車両において、排気エミッションの向上を図るために上述の特許文献2に示すデュアルフューエルエンジンを搭載することが考えられるが、この場合においても、上述のように単にエンジン動力の増減によりバッテリの充放電を促進させようとすると車両の燃費が悪化するという問題があり、改良の余地がある。
【0006】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、デュアルフューエルエンジンを備えたハイブリッド車両に対して、その構成及び制御方法に工夫を凝らすことで、車両の冷機始動時等において、燃費の悪化を極力抑えつつバッテリの早期昇温を図ろうとすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、この発明では、バッテリの温度を検出するためのバッテリ温度検出手段と、該バッテリ温度検出手段により検出されたバッテリの温度が所定の閾温度よりも低いバッテリ温度低下時において、車両の駆動輪を駆動させるための動力が一定になるようにバッテリの充放電を制御するバッテリ充放電制御手段と、該バッテリ温度低下時に、バッテリ充放電制御手段によるバッテリの充放電を実行させるようにエンジンの運転制御を行うエンジン運転制御手段とを備えるとともに、該バッテリ充放電制御手段によるバッテリの放電を実行させる際には第一燃料を使用燃料とする一方、バッテリの充電を実行させる際には該第一燃料に比べて使用時のエンジントルクが大きい第二燃料を使用燃料として上記エンジン運転制御手段によるエンジンの運転制御を行うようにした。
【0008】
具体的には、請求項1の発明では、使用燃料として、第一燃料と該第一燃料に比べて同じエンジン運転条件下での使用時のエンジントルクが大きい第二燃料とを切換えて使用可能なデュアルフューエルエンジンを備えた車両の制御装置を対象とする。
【0009】
そして、上記エンジンにより駆動可能な発電機と、少なくとも上記発電機からの発電電力が供給されて充電されるバッテリと、上記車両の駆動輪に連結され、上記発電機及び上記バッテリの少なくとも一方から電力が供給されて該駆動輪を駆動させるモータと、上記バッテリの温度を検出するためのバッテリ温度検出手段と、上記バッテリ温度検出手段により検出された上記バッテリの温度が所定の閾温度よりも低いバッテリ温度低下時において、上記駆動輪の駆動に必要な要求動力を得るために上記モータに要求される要求電力に対して上記発電機の発電電力が下回っているときに、該下回っている分の電力を上記バッテリから放電させて上記モータに供給する一方、上記要求電力に対して上記発電機の発電電力が上回っているときには、該上回っている分の電力を該発電機から上記バッテリに供給して該バッテリの充電を行うバッテリ充放電制御手段と、上記バッテリ温度低下時において、上記バッテリ充放電制御手段による上記バッテリの充電又は放電を実行させるように上記エンジンの運転制御を行うエンジン運転制御手段とを備え、上記エンジン運転制御手段は、上記バッテリ充放電制御手段による上記バッテリの充電を実行させる際には上記第二燃料を使用燃料とする一方、該バッテリ充放電制御手段による上記バッテリの放電を実行させる際には上記第一燃料を使用燃料として上記エンジンの運転制御を行うように構成されているものとする。
【0010】
上記の構成により、エンジンは専ら発電用に使用してモータのみを駆動源として走行するシリーズ方式のハイブリッド車両において、上記バッテリ温度検出手段により検出された上記バッテリの温度が所定の閾温度よりも低い場合には(バッテリ温度低下時においては)、バッテリ充放電制御手段によるバッテリの充電又は放電を実行させるように、エンジン運転制御手段によるエンジンの運転制御が行われる。
【0011】
具体的には、上記バッテリ温度低下時において、エンジン運転制御手段がバッテリ充放電制御手段によるバッテリの充電を実行させる際(以下、バッテリ充電時と呼ぶ)には、該エンジン運転制御手段により、発電機の発電電力がモータの要求電力を上回るように上記第二燃料を使用燃料としてエンジンの運転制御が実行され、この結果、上記バッテリ充放電制御手段により該上回っている分の電力が発電機からバッテリに供給されて該バッテリの充電が実行される。
【0012】
また、エンジン運転制御手段がバッテリ充放電制御手段によるバッテリの放電を実行させる際(以下、バッテリ放電時と呼ぶ)には、該エンジン運転制御手段により、発電機の発電電力がモータの要求電力を下回るように上記第一燃料を使用燃料としてエンジンの運転制御が実行され、この結果、上記バッテリ充放電制御手段により該下回っている分の電力がバッテリから放電されて該放電電力がモータに供給されることによってバッテリの放電が実行される。
【0013】
従って、冷機始動時等において上記バッテリ温度検出手段により検出された温度が所定の閾温度よりも低くなっているときには、バッテリの充放電を実行させて該バッテリを頻繁に作動させることで該バッテリの早期昇温を図ることが可能となる。
【0014】
また、上述のように、上記バッテリ充電時における上記エンジンの使用燃料は上記第二燃料とされ、上記バッテリ放電時におけるエンジンの使用燃料は上記第一燃料とされており、こうすることによって、エンジンの使用燃料を第一燃料及び第二燃料の一方に固定した状態で、発電機の発電電力を増減して上記バッテリ充放電制御手段によるバッテリの充電又は放電を実行させるようにした場合に比べて車両の燃費向上を図ることができる。
【0015】
すなわち、第一燃料を使用燃料とした場合と第二燃料を使用燃料とした場合とで上記発電機における発電電力を比較すると、それぞれの場合において上記エンジン及び発電機の組合せ効率が最高効率になるようにエンジンを運転させた場合には、通常、第一燃料を使用燃料とした場合の方がそのエンジントルクの低さ故に発電電力は低くなる。言い換えると、発電機の発電電力が比較的低い場合には、第一燃料を使用燃料としてエンジンの運転制御を行う場合の方が、第二燃料を使用燃料とした場合に比べて上記組合せ効率を向上させることができる。このため、本発明においては、発電機の発電電力を比較的低くする必要があるバッテリの放電実行時には、エンジン運転制御手段により、エンジンの使用燃料を第一燃料とする一方、発電機の発電電力を比較的高くする必要がある上記バッテリの充電実行時には、エンジンの使用燃料を第二燃料としてエンジンの運転制御を行うようにしたことで、使用燃料を第一燃料及び第二燃料の一方に固定した状態でバッテリの充放電を実行させるようにした場合に比べて上記組合せ効率の低下を抑制することができる。
【0016】
従って、冷機始動時等バッテリ温度が低くなっているときに、上記組合せ効率の低下を抑制して車両の燃費悪化を防止しながら、バッテリ充放電制御手段によるバッテリの充放電を実行させてバッテリの早期昇温を図ることができる。よって、バッテリの温度を、早期にその作動温度範囲(作動温度範囲の下限温度以上)まで上昇させて該バッテリの充放電効率を高めることができ、延いては更なる燃費の向上を図ることが可能となる。
【0017】
尚、エンジン及び発電機の組合せ効率とは、エンジンの熱効率と発電機の発電効率との積により算出される値である。
【0018】
請求項2の発明では、使用燃料として、第一燃料と該第一燃料に比べて同じエンジン運転条件下での使用時のエンジントルクが大きい第二燃料とを切換えて使用可能なデュアルフューエルエンジンを備えた車両の制御装置を対象とする。
【0019】
そして、上記エンジンにより駆動可能な発電機と、少なくとも上記発電機からの発電電力が供給されて充電されるバッテリと、上記車両の駆動輪に連結され、上記バッテリから電力が供給されて上記エンジンとともに該駆動輪に動力を伝達可能なモータと、上記バッテリの温度を検出するためのバッテリ温度検出手段と、上記バッテリ温度検出手段により検出された上記バッテリの温度が所定の閾温度よりも低いバッテリ温度低下時において、上記駆動輪の駆動に必要な要求動力に対して上記エンジンの動力が下回っているときに、該下回っている分の動力を上記モータの動力で賄えるように上記バッテリを放電させて該放電電力を該モータに供給する一方、上記要求動力に対して上記エンジンの動力が上回っているときには、該上回っている分の動力により上記発電機を駆動するとともに該発電機の発電電力を上記バッテリに供給することで該バッテリの充電を行うバッテリ充放電制御手段と、上記バッテリ温度低下時において、上記バッテリ充放電制御手段による上記バッテリの充電又は放電を実行させるように上記エンジンの運転制御を行うエンジン運転制御手段とを備え、上記エンジン運転制御手段は、上記バッテリ充放電制御手段による上記バッテリの充電を実行させる際には上記第二燃料を使用燃料とする一方、該バッテリ充放電制御手段による上記バッテリの放電を実行させる際には上記第一燃料を使用燃料として上記エンジンの運転制御を行うように構成されているものとする。
【0020】
上記の構成により、エンジン及びモータの双方を駆動源として走行可能な所謂パラレル方式のハイブリッド車両において、上記バッテリ温度検出手段により検出された温度が所定の閾温度よりも低い場合には(バッテリ温度低下時においては)、バッテリ充放電制御手段によるバッテリの充電又は放電を実行させるように、エンジン運転制御手段によるエンジンの運転制御が行われる。
【0021】
具体的には、上記バッテリ温度低下時において、エンジン運転制御手段がバッテリ充放電制御手段によるバッテリの充電を実行させる際には、該エンジン運転制御手段により、上記エンジンの動力が上記駆動輪の駆動に必要な要求動力(以下、車両の要求動力と呼ぶ)を上回るように上記第二燃料を使用燃料としてエンジンの運転制御が実行され、この結果、該バッテリ充放電制御手段により、該上回っている分の動力が発電機に分配されて該発電機の発電電力がバッテリに供給されることによって該バッテリの充電が実行される。
【0022】
また、エンジン運転制御手段がバッテリ充放電制御手段によるバッテリの放電を実行させる際には、該エンジン運転制御手段により、エンジンの動力が上記車両の要求電力を下回るように上記第一燃料を使用燃料としてエンジンの運転制御が実行され、この結果、該バッテリ充放電制御手段により、該下回っている分の動力をモータ動力で賄えるように該バッテリからモータへの放電が実行される。
【0023】
従って、請求項1の発明と同様に、冷機始動時等バッテリ温度が低くなっているときに、エンジンの熱効率(請求項1の発明においてはエンジン及び発電機の組合せ効率)の低下を抑制することで、車両の燃費悪化を防止しながらバッテリの早期昇温を図ることが可能となる。
【0024】
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、上記バッテリの蓄電量を検出するためのバッテリ蓄電量検出手段を備え、上記エンジン運転制御手段は、上記バッテリ温度低下時において、上記バッテリ蓄電量検出手段により検出された蓄電量が第一所定蓄電量以下のときには、上記バッテリ充放電制御手段による上記バッテリの充電を実行させる一方、上記バッテリ蓄電量検出手段により検出された蓄電量が該第一所定蓄電量よりも高く設定された第二所定蓄電量以上のときには、上記バッテリ充放電制御手段による上記バッテリの放電を実行させるように上記エンジンの運転制御を行うよう構成されているものとする。
【0025】
このことにより、上記バッテリ温度低下時において、上記バッテリ蓄電量検出手段により検出された蓄電量が上記第一所定蓄電量以下のときには、上記バッテリ充放電制御手段によるバッテリの充電が実行されるように、また上記バッテリ蓄電量検出手段により検出された蓄電量が上記第二所定蓄電量以上のときには、上記バッテリ充放電制御手段によるバッテリの放電が実行されるように、上記エンジン運転制御手段によるエンジンの運転制御が実行される。
【0026】
従って、バッテリの蓄電量が、第一所定蓄電量以下にあるときにバッテリ充放電制御手段による充電が実行されて該第一所定蓄電量に達した後は、該バッテリの蓄電量が第一所定蓄電量を下回ろうとするとバッテリの充電が実行される一方、第二所定蓄電量を上回ろうとするとバッテリの放電が実行され、この結果、該バッテリの蓄電量は第一所定蓄電量以上で第二所定蓄電量以下に保たれる。
【0027】
同様に、バッテリの蓄電量が、第二所定蓄電量以上にあるときにバッテリ充放電制御手段による放電が実行されて該第二所定蓄電量に達した後は、該バッテリの蓄電量は第一所定蓄電量以上で第二所定蓄電量以下に保たれる。
【0028】
このため、上記バッテリ温度低下時において、バッテリの蓄電量が、放電不能になるまで減少したり充電不能になるまで増加したりするのを防止することができ、従ってバッテリ充放電制御手段によるバッテリの充電又は放電を確実に実行させて該バッテリの早期昇温を図ることが可能となる。
【0029】
請求項4の発明では、請求項3の発明において、上記エンジンの排気通路には、排気ガス浄化用の触媒が設けられており、上記触媒の温度を検出するための触媒温度検出手段と、上記触媒温度検出手段により検出された上記触媒の温度が所定の設定温度未満のときには、該触媒の温度が該設定温度以上のときに比べて上記第一所定蓄電量及び上記第二所定蓄電量を低下させる所定蓄電量補正手段とを備えているものとする。
【0030】
このことにより、上記触媒温度検出手段により検出された触媒の温度が所定の設定温度未満のときには、上記所定蓄電量補正手段により、該触媒温度が該設定温度以上のときに比べて上記第一所定蓄電量及び第二所定蓄電量を低下させることができる。
【0031】
従って、例えば上記設定温度を触媒の活性化温度に設定した場合において、触媒温度が活性化温度未満のときには、触媒温度が活性化温度以上のときに比べて上記第一所定蓄電量及び第二所定蓄電量は低下する。
【0032】
よって、触媒温度が活性化温度未満のときにおいては、上記第一所定蓄電量が低下することによってバッテリ充放電制御手段によるバッテリの充電が実行される蓄電量領域(蓄電量が第一所定蓄電量以下の領域)が触媒温度が活性化温度以上のときに比べて狭まる一方、上記第二所定蓄電量が低下することによってバッテリ充放電制御手段によるバッテリの放電が実行される蓄電量領域(蓄電量が第二所定蓄電量以上の領域)が広がる。言い換えると、触媒温度が活性化温度未満のときにおいては、第二燃料を使用燃料としてエンジンの運転制御が行われる領域が減少する一方、第一燃料を使用燃料としてエンジンの運転制御が行われる領域が増加する。
【0033】
このため、第一燃料として第二燃料に比べて排気エミッションの少ない燃料を採用することで、触媒温度が活性化温度未満のときにおいて排気エミッションの発生を抑制しつつバッテリの早期昇温を図ることが可能となる。
【0034】
請求項5の発明では、請求項1乃至4のいずれか一項の発明において、上記第一燃料は水素であり、上記第二燃料はガソリンであるものとする。
【0035】
これによれば、ガソリンを第二燃料として使用燃料とすることで、水素を第一燃料として使用燃料とした場合に比べて同じエンジン運転条件下での使用時のエンジントルクを高めることができる。また、水素を第一燃料として使用燃料とすることで、ガソリンを第二燃料として使用燃料とした場合に比べて同じエンジン運転条件下における排気エミッションの発生を抑制することができる。
【発明の効果】
【0036】
以上説明したように、本発明のデュアルフューエルエンジンを備えた車両の制御装置によれば、エンジンは専ら発電用に使用してモータのみを駆動源として走行するシリーズ方式のハイブリッド車両において、冷機始動時等のバッテリ温度が低い時に、車両の燃費悪化を極力抑えつつバッテリの早期昇温を図り、これによってバッテリの作動効率を向上させ、延いては車両の燃費向上を図ることが可能となる。
【0037】
また、本発明の他のデュアルフューエルエンジンを備えた車両の制御装置によれば、エンジン及びモータの双方を駆動源として走行可能なパラレル方式のハイブリッド車両において、同様の作用効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0039】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態に係る制御装置が搭載されたデュアルフューエルエンジン(以下、エンジンと呼ぶ)11を備えた車両1の概略構成図である。この車両1は、エンジン11及びモータ17を動力源として備え、このエンジン11は発電にのみ使用して、車両1が動くための動力は全て交流モータ17(以下、モータ17と呼ぶ)に頼る所謂シリーズハイブリッド車両である。車両1は、上記エンジン11及びモータ17の他に、高電圧バッテリ12(以下、バッテリ12と呼ぶ)と、上記エンジン11により駆動される発電機(交流発電機)としてのジェネレータ13と、ジェネレータ13にて発電された交流電力を直流電力に変換するAC−DCコンバータ20aと、AC−DCコンバータ20a及びバッテリ12の少なくとも一方から供給される交流電力を直流電力に変換するDC−ACコンバータ20bとを備えている。該AC−DCコンバータ20a及びDC−ACコンバータ20bは、該AC−DCコンバータ20aがジェネレータ13に接続され且つ該DC−ACコンバータ20bがモータ17に接続された状態で互いに直列に接続されており、AC−DCコンバータ20aとDC−ACコンバータ20bとの間の接続ラインには、上記バッテリ12からの電力を供給するための電力パス40が接続されている。
【0040】
また、上記バッテリ12には、該バッテリ12の温度を検出するためのバッテリ温度検出手段としてのバッテリ温度センサ35が付設されている。
【0041】
上記エンジン11は、使用燃料として、水素(第一燃料に相当)と、水素に比べて同じ運転条件下での使用時のエンジントルクが大きいガソリン(第二燃料に相当)とを切換え可能に構成されている。
【0042】
すなわち、図3に示すように、同じエンジン運転条件下、つまり同じエンジン回転数及びスロットル開度でのエンジントルクは、ガソリンを使用燃料としたときの方が水素を使用燃料としたときよりも大きい。このため、後述する高トルク運転時や中トルク運転時等、エンジン11により駆動されるジェネレータ13からの電力によってモータ17を駆動する際には、ガソリンを使用燃料とすることで、水素を使用燃料とした場合に比べてジェネレータ13のロータ(図示略)を高トルクで高速回転させることができ、この結果、より多くの電力をモータ17に供給することが可能となる。従って、モータ17の出力トルクも、同じエンジン回転数及びスロットル開度においては、ガソリンを使用燃料としたときの方が水素を使用燃料としたときに比べて大きくなる。このことは、後述するエンジン11の運転マップ(図8参照)からも読み取ることができる。
【0043】
上記エンジン11は、図2に示すように、トロコイド内周面を有する繭状のロータハウジングとサイドハウジングとにより囲まれてなるロータ収容室(以下、気筒という)23に概略三角形状のロータ24が収容されて構成されており、そのロータ24の外周側に3つの作動室が区画されている。このエンジン11は、図示は省略するが、2つのロータハウジングを3つのサイドハウジングの間に挟み込むようにして一体化し、その間に形成される2つの気筒23,23にそれぞれロータ24,24を収容した2ロータタイプのものであり、図2では、その2つの気筒23,23を展開した状態で図示している。
【0044】
上記各ロータ24は、該ロータ24外周の3つの頂部にそれぞれ配設されたシール部が各々ロータハウジングのトロコイド内周面に当接した状態でエキセントリックシャフト25の周りを自転しながら、該エキセントリックシャフト25の軸心の周りに公転するようになっている。そして、ロータ24が1回転する間に、該ロータ24の各頂部間にそれぞれ形成された作動室が周方向に移動しながら、吸気、圧縮、膨張(燃焼)及び排気の各行程を行い、これにより発生する回転力がロータ24を介してエキセントリックシャフト25から出力される。
【0045】
上記エンジン11の各気筒23には、それぞれ2つの点火プラグ14,14が設けられており、この2つの点火プラグ14,14はそれぞれ、ロータハウジングの短軸近傍に配設されている一方、各気筒23には、水素燃料タンク16(図1参照)から供給された水素を筒内に直接噴射する2つの水素噴射用のインジェクタ4がそれぞれ設けられており(図2では各気筒23に1つのみ示す)、各気筒23に設けられた2つのインジェクタ4はそれぞれ、ロータハウジングの長軸近傍に、エキセントリックシャフト25の軸方向に並んで配置されている。
【0046】
また、上記各気筒23には、吸気行程にある作動室に連通するように吸気通路2が連通していると共に、排気行程にある作動室に連通するように排気通路29が連通している。吸気通路2は、上流側では1つであるが、下流側では、2つに分岐してそれぞれ上記各気筒23の作動室に連通している。また、上記排気通路29の途中には、排気ガス中のHC、CO、NOx等の有害成分を浄化するために三元触媒(触媒)を用いた排気浄化装置30が配設されている。すなわち、エンジン11の排気通路29には、排気ガス浄化用の触媒が設けられている。
【0047】
また、上記排気浄化装置30には、上記触媒の温度を検出するための触媒温度検出手段としての触媒温度センサ36が付設されている。
【0048】
上記吸気通路2の分岐部よりも上流側には、ステッピングモータ等のアクチュエータ21により駆動されて通路2の断面積(弁開度)を調節するスロットル弁22が配設され、吸気通路2の分岐部よりも下流側には、ガソリン燃料タンク15(図1参照)から供給されるガソリンを吸気通路2(分岐した部分)内に噴射するためのガソリン噴射用のインジェクタ5,5が配設されている。
【0049】
そして、上記各点火プラグ14、スロットル弁22のアクチュエータ21並びに水素及びガソリン噴射用の各インジェクタ4,5は、エンジン運転制御手段としてのパワートレインコントロールモジュール6(以下、PCM6と呼ぶ)によって作動制御されるようになっている。
【0050】
すなわち、各点火プラグ14は、ロータ24の回転位置に応じて所定のタイミングで点火される。また、スロットル弁22のアクチュエータ21は、車両1の乗員のアクセルペダルの踏込み量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ33(図2参照)の出力信号に応じてPCM6により制御されてスロットル弁22の開度を調整する。つまり、スロットル弁22の開度を、該開度を検出するスロットル弁開度センサ(本実施形態では、アクチュエータ21が兼ねている)の出力値が、上記アクセル開度センサ33の出力値に対応して予め決められた値になるように調整する。更に、水素噴射用のインジェクタ4は、使用燃料が水素である場合に、ロータ24の回転位置に応じて所定のタイミングで水素を気筒23内(作動室内)に噴射し、ガソリン噴射用のインジェクタ5は、使用燃料がガソリンである場合に、ロータ24の回転位置に応じて所定のタイミングでガソリンを吸気通路2内に噴射する。
【0051】
上記モータ17は、上記PCM6からの制御信号を受けて作動する後述のモータコントローラ27(図2参照)により作動制御されるようになっていて、両駆動輪18にディファレンシャルギア19を介して連結されている。
【0052】
そして、該モータ17は、バッテリ12の温度が所定の高効率温度(閾温度)以上にあるとき(PCM6にて、バッテリ温度センサ35により検出されたバッテリ温度が高効率温度以上と判定されたとき)において、車両1の定速運転時等のように駆動輪18の駆動に必要な要求動力(以下、車両要求動力と呼ぶ)が低いときつまり該モータ17に要求される出力トルク(以下、モータ要求トルクと呼ぶ)が低い低トルク運転時や車両始動時には、バッテリ12から供給される電力により駆動され(EV走行)、中トルク運転時にはエンジン11により駆動されるジェネレータ13から供給される電力によって駆動され(図4及び図5参照)、急加速時等の上記車両要求動力が高いときつまりモータ要求トルクが高い高トルク運転時には、エンジン11の使用燃料が水素である場合に限ってバッテリ12及びジェネレータ13の双方から供給される電力により駆動される(図5参照)。以下の説明では、この高トルク運転時においてバッテリ12からモータ17に電力供給が行われている状態のことをバッテリアシスト状態と呼ぶ。尚、上記車両要求動力は、後述の車速センサ32により検出される車速とアクセル開度センサ33により検出されるアクセル開度とに基づいてPCM6にて算出される。
【0053】
また、上記モータ17は、バッテリ12の温度が上記高効率温度よりも低いバッテリ温度低下時(PCM6にて、バッテリ温度センサ35により検出された温度が高効率温度未満と判定されたとき)においては、後述するように、上記低、中、高トルク運転といった運転パターンの分類とは無関係に、上記バッテリ12の充放電が実行(促進)されるようにバッテリ12やジェネレータ13から適時、電力供給を受けて作動する。
【0054】
尚、上記高効率温度は、例えばバッテリ12の作動温度範囲(バッテリ12が破損等することなく所定の充放電効率以上になるように、予め定められた該バッテリ12の温度範囲)の下限値とすることができる。具体的には、本実施形態においては、バッテリ12の作動温度範囲は10℃以上35℃以下とされており、上記高効率温度は該作動温度範囲の下限値である10℃に設定されている。
【0055】
上記バッテリ12は、上記PCM6からの制御信号を受けて作動する後述のバッテリコントローラ28(図2参照)により作動制御されるようになっている。すなわち、バッテリ12の充放電動作及び充放電電力はバッテリコントローラ28により制御されており、該バッテリ12は、その温度が上記高効率温度以上にあるとき(PCM6にてバッテリ温度センサ35により検出された温度が高効率温度以上にあると判定されたとき)には、上記低トルク運転時及び高トルク運転時において、該バッテリコントローラ28から必要な信号を受けて放電を行うことによりモータ17に対して所定の電力を供給する一方、その蓄電量が不足したとき(PCM6にて蓄電量が所定量以下であると判定されたとき)には、バッテリコントローラ28からの信号を基にジェネレータ13から電力供給を受けて充電される。尚、バッテリ12は、後述するように、バッテリ温度低下時においては、上記低、中、高トルク運転といった運転パターンの分類とは無関係にその充放電を行う。
【0056】
上記ジェネレータ13は、上記PCM6からの制御信号を受けて作動する後述のジェネレータコントローラ26によりその発電量が制御されている。
【0057】
また、上記AC−DCコンバータ20a及びDC−ACコンバータ20bは、モータコントローラ27やバッテリコントローラ28により作動制御されて、バッテリ12、ジェネレータ13、及びモータ17の相互間の電力変換を行う。
【0058】
上記PCM6には、バッテリ電流/電圧センサ31、車速センサ32、アクセル開度センサ33、燃料切換えスイッチ34、バッテリ温度センサ35、及び触媒温度センサ36から各信号が入力されるようになっている。
【0059】
PCM6は、入力された信号に基づいてジェネレータコントローラ26、モータコントローラ27、及びバッテリコントローラ28、並びにインジェクタ4,5等のエンジン11の機器類を、必要な信号の出力により制御する。
【0060】
上記バッテリ電流/電圧センサ31は、バッテリ12の電流の強さ及び電圧を検出するものであって、バッテリ12の電流の強さ及び電圧を検出すると、その検出信号をPCM6へ出力する。そして、PCM6は、バッテリ電流/電圧センサ31からの検出信号を受けると、バッテリ12の蓄電量とバッテリ12の充放電量とを算出する。
【0061】
上記アクセル開度センサ33は、車両1のアクセル(図示せず)の開度を検出するものであって、アクセル開度を検出すると、その検出信号をPCM6へ出力する。
【0062】
上記車速センサ32は、車両1の車速を検出するものであって、車速を検出すると、その検出信号をPCM6へ出力する。
【0063】
上記燃料切換えスイッチ34は、ガソリン及び水素のうち、使用燃料として乗員が要求する燃料(以下、乗員要求燃料と呼ぶ)を選択するためのものであって、図示しないインストルメントパネルに設けられたナビゲーション装置のタッチパネル式のディスプレイ74(図9(a)参照)に乗員が指示可能に表示されている。この燃料切換えスイッチ34は、図9(a)に示すように、水素を選択するための水素選択用ボタン34aと、ガソリンを選択するためのガソリン選択用ボタン34bとを備えていて、該両ボタン34a,34bのうちの一方を乗員が指で触れて選択することで、該選択されたボタン34a,34bに対応する選択信号を上記PCM6へと出力し続けるようになっている。具体的には、燃料切換えスイッチ34は、例えば水素選択用ボタン34aが選択されると該ボタン34aに対応する選択信号をPCM6に対して持続的に出力し、該選択後、ガソリン選択用ボタン34bが新たに選択されたときには、選択信号をガソリン選択用ボタン34bに対応する信号に切換えてPCM6に対して持続的に出力する。そして、PCM6は、該燃料切換えスイッチ34からの選択信号を受けて、上記乗員要求燃料を識別する。具体的には、PCM6は、水素選択用ボタン34aに対応する選択信号を受けたときには乗員要求燃料は水素であるものと識別し、ガソリン選択用ボタン34bに対応する選択信号を受けたときには上記乗員要求燃料はガソリンであるものと識別する。
【0064】
上記モータコントローラ27は、PCM6からの制御信号に基づいて、上記AC−DCコンバータ20a及びDC−ACコンバータ20bの電力変換を制御することで、バッテリ12及びジェネレータ13からの供給電力を所定周波数の交流電力に変換し、これによってモータ17の回転数及びトルクを制御する。
【0065】
具体的には、上記モータコントローラ27は、上記中トルク運転時や高トルク運転時には、上記AC−DCコンバータ20a及びDC−ACコンバータ20bに対して必要な制御信号を出力することで、該ジェネレータ13にて発生した交流電力を一旦、AC−DCコンバータ20aにより直流電力に変換した後、再度、DC−ACコンバータ20bにより直流電力から所定周波数の交流電力に変換してモータ17へと供給する。
【0066】
また、上記モータコントローラ27は、上記低トルク運転時や高トルク運転時には、DC−ACコンバータ20bに対して必要な制御信号を出力することで、バッテリ12から放電された直流電力を該DC−ACコンバータ20bにて所定周波数の交流電力に変換してモータ17へと供給する。
【0067】
上記バッテリコントローラ28は、PCM6からの制御信号に基づいて、バッテリ12の充放電動作及びその充放電電力を制御する。
【0068】
具体的には、バッテリコントローラ28は、バッテリ12の充電を行う際には、AC−DCコンバータ20aに対して必要な制御信号を出力することで、ジェネレータ13にて発電された交流電力を、該AC−DCコンバータ20aにより所定電圧の直流電力に変換するとともに上記電力パス40を介してバッテリ12へと供給する。
【0069】
上記ジェネレータコントローラ26は、PCM6からの制御信号に基づいて、ジェネレータ13に負荷する目標負荷トルクを制御することにより該ジェネレータ13の発電電力を制御する。この目標負荷トルクは、PCM6にて算出される。具体的には、該目標負荷トルクは、ジェネレータ13に対して要求される発電量に基づいて、後述するエンジン11の運転マップ(図8参照)から算出される。尚、目標負荷トルクは通常、エンジントルクと一致する。
【0070】
上記運転マップに関する情報は、PCM6に予め記憶されており、図8にこの運転マップを示す。ラインg及びラインhはそれぞれ、水素及びガソリンを使用燃料としたときのエンジン11の運転ラインであって、ジェネレータ13において所定の電力量を発電させる上でエンジン11及びジェネレータ13の組合せ効率が最良となるように予め設定されている。ここで、エンジン回転数が略4000rpmよりも低い領域では、ラインgはラインhよりも上側に位置している。すなわち、上記バッテリアシスト状態を除いては、ガソリンを使用燃料としてエンジン11を運転させたときの方が、水素を使用燃料としたときに比べて、同じエンジン回転数におけるエンジントルクは大きい。
【0071】
また、ラインR及びラインQはそれぞれ、水素及びガソリンをエンジン11の使用燃料としたときの最大エンジントルクを示すラインであって、ガソリンを使用燃料としたときの最大エンジントルクラインQの方が、水素を使用燃料としたときの最大エンジントルクラインRよりも上側に位置している。すなわち、ガソリンを使用燃料としてエンジン11を運転したときの方が、水素を使用燃料としたときに比べて、同じエンジン回転数における最大エンジントルクは大きくなる。
【0072】
ここで水素を使用燃料としたときのエンジン11の運転ラインgは、最大トルクラインRとの交点を境にエンジン回転数一定(本実施形態においては4000rpm)のラインとなっているが、この回転数一定のラインが、ジェネレータ13による発電量が限界に達したことによりバッテリ12からモータ17に対して電力が供給されるバッテリアシスト状態(上記高トルク運転時の状態)に対応している。尚、ガソリンを使用燃料としたときのエンジン11の運転ラインgは、上述のような回転数一定のラインを有していない。すなわち、ガソリンを使用燃料としてエンジン11を運転した場合には、エンジントルクが水素を使用燃料とした場合に比べて高く、従ってバッテリアシストは行われず、エンジン11により駆動されるジェネレータ13からの発電電力のみでモータ17への供給電力が賄われる。
【0073】
また、上下方向に並ぶ複数のラインPは、モータ17の等出力ラインであって、モータ17の出力が一定のラインつまりモータ17への供給電力が一定のラインを示している。従って、バッテリアシスト状態を除けば、上記複数のラインPはそれぞれ、ジェネレータ13の発電電力(発電量)が一定となる等発電量ラインであるということができる。ここで、各ラインPはそれぞれ、ジェネレータ13の発電電力Pn(kw)のラインに相当し、上側に位置するライン程つまり添字nが大きくなる程発電電力も大きくなる。すなわち、P<P<P・・・・<Pの関係にある。また、P−Pn−1=Pk(一定)の関係にある。尚、以下の説明ではラインPのことをジェネレータ13の等発電量ラインと呼ぶ。
【0074】
また、同心円状に描かれた複数のラインη及びηはそれぞれ、水素及びガソリンをエンジン11の使用燃料としたときの上記組合せ効率一定のラインを示しており、同心円の外側のライン程つまり添字n(図4では、n=1乃至6までのみ示す)が大きくなるほど効率は低くなる。すなわち、η<η<η・・・・、ηの関係にある。
【0075】
ここで、運転ラインg上のD点が、ガソリンを使用燃料としたときに上記組合せ効率が最高効率ηとなるエンジン運転状態に相当し、その状態でのジェネレータ13の発電電力はP(kw)となっている。また、運転ラインh上のB点が、水素を使用燃料としたときに上記組合せ効率が最高効率ηとなるエンジン運転状態に相当し、その状態でのジェネレータ13の発電電力はP(kw)となっている。そして、ガソリンをエンジン11の使用燃料とした場合には、運転ラインgに示されるように、発電電力がP(kw)以下の領域においてエンジントルクの低下とともに上記組合せ効率も低下する。また、水素をエンジン11の使用燃料とした場合には、運転ラインhに示されるように、発電電力がP(kw)以下の領域においてエンジントルクの低下とともに上記組合せ効率も低下する。
【0076】
そして上記PCM6は、アクセル開度センサ33(図2参照)及び車速センサ32からの検出信号を基に、駆動輪18の駆動に必要な上記車両要求動力を算出するとともに該車両要求動力を得るためにモータ17に要求される要求動力(以下、モータ要求動力と呼ぶ)を算出する。そして更に、PCM6は、該モータ要求動力を得るためにモータ17に供給するべき目標供給電力(モータ17に要求される要求電力)を算出する。
【0077】
そして、PCM6は、上記バッテリ温度低下時において、上記算出された目標供給電力に対してジェネレータ13の発電電力が下回っているときには、バッテリコントローラ28に必要な制御信号を出力することにより、該下回っている分の電力をバッテリ12から放電させてモータ17に供給する一方、上記目標供給電力に対してジェネレータ13の発電電力が上回っているときには、該上回っている分の電力を該ジェネレータ13からバッテリ12に供給して該バッテリ12の充電を行う。こうして、バッテリコントローラ28は、バッテリ充放電制御手段を構成することとなる。
【0078】
また、PCM6は、上記バッテリ温度低下時において、水素(第一燃料)及びガソリン(第二燃料)の一方を使用燃料としてエンジン11の運転制御を行うことで、バッテリコントローラ28によるバッテリ12の充電又は放電を実行可能になっている。
【0079】
更に、PCM6は、バッテリ温度低下時において、バッテリコントローラ28によるバッテリ12の充電を実行させる際にはガソリンを使用燃料とする一方、バッテリ12の放電を実行させる際には水素を使用燃料として上記エンジン11の運転制御を行う。尚、本実施形態においては、PCM6は、後述するように、上記バッテリ温度低下時においてバッテリ12の放電を実行させるようになっているが、これに限ったものではなく、バッテリ12の充電を実行させるようにしてもよい。
【0080】
次に、上記PCM6におけるエンジン11及びモータ17の運転制御処理についての具体的な処理動作を図6及び図7を参照しながら説明する。
【0081】
先ず、最初のステップS1では、車速センサ32、アクセル開度センサ33、及びバッテリ電流/電圧センサ31のそれぞれから出力される検出信号、並びに、燃料切換えスイッチ34から出力される選択信号を読み込む。
【0082】
ステップS2では、ステップ1にて読み込んだ検出信号を基に、車両要求動力を算出する。
【0083】
ステップS3では、ステップS2で算出した車両要求動力を基にモータ要求動力を算出するとともに、該モータ要求動力を得るために必要なモータ17への目標供給電力を決定する。
【0084】
ステップS4では、バッテリ電流/電圧センサ31から読み込んだ検出信号を基に、バッテリ12の蓄電量を算出する。
【0085】
ステップS5では、ステップ3及びステップ4にて算出された、モータ17への目標供給電力、及びバッテリ12の蓄電量に基づいて、ジェネレータ13の目標発電電力を決定するとともに、バッテリ12からモータ17に供給する持ち出し電力を決定する。尚、上述したように、上記低トルク運転時には、ジェネレータ13における目標発電電力は0kwとなり、上記中トルク運転時には、バッテリ12からの持ち出し電力は0kwとなる。
【0086】
ステップS6では、ジェネレータ13に対する発電要求の有無を判定する。すなわち、ステップS5にて決定されたジェネレータ13の目標発電電力が0kwよりも大きいか否かを判定し、この判定がYESの場合にはステップS6に進み、NOの場合にはステップS10に進む。
【0087】
ステップS7では、ステップ1にて読み込んだ燃料切換えスイッチ34からの選択信号を基に乗員要求燃料を識別する。
【0088】
ステップS8では、ステップS7にて識別された乗員要求燃料と、ステップS5にて決定されたジェネレータ13の目標発電電力とから目標エンジントルク及び目標エンジン回転数を決定する。
【0089】
具体的には、例えば乗員要求燃料がガソリンと識別され、決定されたジェネレータ13の目標発電電力(モータ17への目標供給電力)がPkwであった場合には、図8に示す運転マップから、ガソリンを使用燃料としたときのエンジン11の運転ラインgと、ジェネレータ13の発電電力がPとなる等発電量ラインPとの交点であるA点がエンジン11に求められる運転状態として決定され、該A点の運転状態に対応するエンジントルクN及びエンジン回転数R(本実施形態においては略3000rpm)がそれぞれ目標エンジントルク及び目標エンジン回転数として決定される。
【0090】
ステップS9では、ステップS7にて決定された目標エンジントルク及び目標エンジン回転数から、燃料噴射量及び必要吸入空気量を決定する。そして、乗員要求燃料に対応するインジェクタ4,5に対して上記燃料噴射量に対応する制御信号を出力するとともに、上記必要吸入空気量に対応するスロットル弁開度になるようにアクチュエータ21に対して必要な制御信号を出力する。尚、ジェネレータコントローラ26に対しては、ジェネレータ13の負荷トルクが目標エンジントルクに等しくなるように制御信号を出力する。
【0091】
ステップS10では、バッテリ12に対してモータ17へ電力供給が要求されているか否かを判定する。すなわち、ステップS5にて決定された持ち出し電力が0よりも大きいか否かを判定し、この判定がYESの場合にはステップS11に進み、NOの場合にはステップSA12(図7参照)に進む。
【0092】
ステップS11では、決定された持ち出し電力をバッテリ12からモータ17に対して供給する。
【0093】
ステップSA12では、バッテリ温度センサ35から出力される検出信号、及び燃料切換えスイッチ34から出力される選択信号を読み込む。
【0094】
ステップSA13では、ステップSA12にて読み込んだ検出信号を基にバッテリ12の温度を算出するとともに、該算出されたバッテリ12の温度が高効率温度未満か否かを判定し、この判定がYESの場合にはステップSA14に進み、NOの場合にはステップSA22に進む。
【0095】
ステップSA14では、エンジン11がガソリンを使用燃料として運転しているか否かの判定を行い、この判定がYESの場合にはステップSA15に進み、NOの場合にはステップSA16に進む。尚、この使用燃料の判定は、例えばPCM6にて記憶されている使用燃料情報を基に行うようにしてもよいし、水素噴射用のインジェクタ4及びガソリン噴射用のインジェクタ5のうちいずれのインジェクタ4,5が作動しているかを判定することにより行うようにしてもよい。
【0096】
ステップSA15では、エンジン11の使用燃料をガソリンから水素に切換える。
【0097】
ステップSA16では、バッテリ12の目標放電電力を決定する。ここで、この目標放電電力は、バッテリ12の昇温を図る上で十分な電力とされる。尚、上記目標放電電力は、ステップS10にてバッテリ12からの持ち出し電力有りと判定された場合(ステップS10にてYESの場合)には、該持ち出し電力に比べて高くなるように設定される。
【0098】
ステップSA17では、ジェネレータ13の目標発電電力を決定する。具体的には、該目標発電電力は、ステップSA3にて決定されたモータ17への目標供給電力から上記目標放電電力を引き算することにより決定される。すなわち、ジェネレータ13の目標発電電力=(モータ17への目標供給電力)−(バッテリ12からの目標放電電力)と表される。つまりジェネレータ13の目標発電電力は、モータ17への目標供給電力に対して上記目標放電電力分だけ下回るように決定される。
【0099】
ステップSA18では、ジェネレータ13の目標発電電力から目標エンジントルク及び目標エンジン回転数を算出する。
【0100】
具体的には、例えば、ステップSA14において、上述のようにエンジン11の運転状態が上記運転マップ(図8参照)に示された運転ラインg上のA点(モータ17への目標供給電力がPであるものとして決定された運転ポイント)にあった場合に、上記目標放電電力Ph=2×Pk(kw)であったとすると、ジェネレータ13の目標発電電力はP(=P−Ph)kwとなる。
【0101】
従って、水素を使用燃料としたときのエンジン11の運転ラインhと、ジェネレータ13の発電電力がP(kw)となる等発電量ラインPとの交点であるB点がエンジン11に求められる運転状態として決定され、該B点に対応するエンジントルクN及びエンジン回転数R(本実施形態においては略2500rpm)がそれぞれ目標エンジントルク及び目標エンジン回転数として決定される。
【0102】
ステップSA19では、ステップSA18にて決定された目標エンジントルク及び目標エンジン回転数から、燃料噴射量及び必要吸入空気量を決定し、使用燃料に対応するインジェクタ4,5に対して該燃料噴射量に対応する制御信号を出力するとともに、スロットル弁22のアクチュエータ21に対して上記必要吸入空気量に対応するスロットル弁開度になるように制御信号を出力する。
【0103】
ステップSA20では、燃料切換えスイッチ34による燃料の切換えを禁止する。具体的には、エンジン11の運転状態の決定に際して燃料切換えスイッチ34からの選択信号を無視するようにする。また、該燃料切換えの禁止と同時に、ディスプレイ74上のガソリン選択用ボタン34bを非表示にすることによって、車両1の乗員に対してガソリンの選択が不可能であることを認識させる(図9(b)参照)。
【0104】
ステップSA21では、ステップSA16にて決定された目標放電電力に等しい電力を、バッテリ12からモータ17に供給する。具体的には、バッテリコントローラ28に対して必要な制御信号を出力することにより、バッテリ12から目標放電電力に等しい電力を放電させるとともに、モータコントローラ27に対しても、必要な制御信号を出力することで、該バッテリ12から放電された電力をDC−ACコンバータ20bにより所定周波数の交流電力に変換してモータ17に供給する。
【0105】
一方、ステップSA13でNOの場合に進むステップSA22では、燃料切換えスイッチ34から出力される選択信号を読み込む。
【0106】
ステップSA23では、ステップSA22にて読み込んだ選択信号を基に乗員要求燃料を識別するとともに、該識別された乗員要求燃料を使用燃料としてリターンする。
【0107】
以上の如く上記実施形態1では、PCM6は、上記バッテリ温度低下時(ステップSA13でYESのとき)において、バッテリ12の放電を実行させるように、水素を使用燃料としてエンジン11の運転制御を行うよう構成されている。これにより、エンジン11及びジェネレータ13の組合せ効率の低下を極力抑えつつ、バッテリ12の充電を実行させて該バッテリ12の早期昇温を図ることが可能となる。具体的には、例えば、上記運転マップ(図8参照)に示された運転ラインg上のA点に相当する状態で、ガソリンを使用燃料としてエンジン11の運転制御を行っている場合に、バッテリコントローラ28によるバッテリ温度低下時におけるバッテリ12の放電を実行させるために、エンジン11の使用燃料をガソリンに固定したままジェネレータ13の発電電力を上記目標放電電力Ph(=2×Pk)kwだけ低下させようとすると、エンジン11の運転状態は、運転ラインgと発電電力がP(kw)の等発電量ラインPとの交点であるE点とされそのときの上記組合せ効率は略ηとなる。一方、エンジン11の使用燃料をガソリンから水素に切換えた上でジェネレータ13の発電電力をPh(kw)だけ低下させようとするとエンジン11の運転状態は、運転ラインhと発電電力がP(kw)の等発電量ラインPとの交点であるB点とされそのときの上記組合せ効率はηとなって効率ηよりも大きくなる。
【0108】
(実施形態2)
図10は、本発明の実施形態2を示し、PCM6におけるエンジン11及びモータ17の運転制御処理を上記実施形態1とは異ならせたものである。尚、本実施形態ではエンジン11等のハードウェアの構成は上記実施形態1と同様である。すなわち、PCM6は、上記バッテリ温度低下時においてバッテリ12の蓄電量に応じて、バッテリコントローラ28によるバッテリ12の充放電を切換えて実行させるようになっている。すなわち、PCM6は、バッテリ12の蓄電量が第一所定蓄電量以下のときには、バッテリ12の充電を実行させるようにガソリンを使用燃料としてエンジン11の運転制御を行う一方、バッテリ12の蓄電量が、上記第一所定蓄電量よりも高く設定された第二所定蓄電量以上のときには、バッテリ12の放電を実行させるように、水素を使用燃料としてエンジン11の運転制御を行うように構成されている。尚、本実施形態においては、上記第一所定蓄電量及び第二所定蓄電量はそれぞれ、バッテリ12の容量(最大蓄電量)に対して40%及び50%に設定されている。
【0109】
次に、本実施形態2に係るPCM6におけるエンジン11及びモータ17の運転制御処理についての具体的な処理動作を図を参照しながら説明する。
【0110】
ステップS1乃至ステップS11については上記実施形態1と同様の処理を行うため説明を省略する。
【0111】
ステップS11の後に進むステップSB12では、バッテリ温度センサ35から出力される検出信号を読み込むとともに、使用燃料情報(例えば、インジェクタ4,5の作動信号)を読み込む。
【0112】
ステップSB13では、ステップSB12にて読み込んだ検出信号を基にバッテリ12の温度を算出するとともに、該算出されたバッテリ12の温度が高効率温度未満か否かを判定し、この判定がYESの場合にはステップSB14に進み、NOの場合にはステップSB25に進んでそれ以降のステップを実行する。
【0113】
ステップSB14では、バッテリ電流/電圧センサ31から読み込んだ検出信号を基に、バッテリ12の蓄電量を算出する。
【0114】
ステップSB15では、バッテリ12の蓄電量が、第一所定蓄電量よりも大きいか否かを判定し、この判定がYESの場合にはステップSB16に進み、NOの場合にはステップSB27に進む。
【0115】
ステップSB16では、バッテリ12の蓄電量が、第二所定蓄電量以上か否かを判定し、この判定がYESの場合にはステップSB17に進み、NOの場合にはステップSB35(図12参照)に進む。
【0116】
またステップSB17乃至ステップSB26についてはそれぞれ、上記実施形態1におけるステップSA14乃至ステップSA23と同様の処理を行うため説明を省略する。
【0117】
ステップSB15でNOの場合に進むステップSB27では、エンジン11が水素を使用燃料として運転しているか否かの判定を行い、この判定がYESの場合にはステップSB28に進み、NOの場合にはステップSB29に進む。
【0118】
ステップSB28では、エンジン11の使用燃料を水素からガソリンに切換える。
【0119】
ステップSB29では、バッテリ12の目標充電電力を決定する。この目標充電電力は、バッテリ12の昇温を図る上で十分な電力とされる。
【0120】
ステップSB30では、ジェネレータ13の目標発電電力を決定(算出)する。具体的には、該目標発電電力は、ステップSA3にて決定されたモータ17への目標供給電力とバッテリ12の目標充電電力との和により算出される。すなわち、ジェネレータ13の目標発電電力=モータ17への目標供給電力+バッテリ12の目標放電電力と表される。
【0121】
ステップSB31では、ジェネレータ13の目標発電電力から目標エンジントルク及び目標エンジン回転数を決定する。
【0122】
具体的には、例えば、ステップSB27において、エンジン11の運転状態が上記運転マップ(図8参照)に示された水素を使用燃料とする運転ラインh上のC点(モータ17への目標供給電力がPであるものとして決定された運転ポイント)にあった場合に、上記目標充電電力Pj=2×Pk(等発電量ラインの間隔)kwであったとすると、ジェネレータ13の目標発電電力はP(=P+Ph)kwとなる。
【0123】
従って、ガソリンを使用燃料としたときのエンジン11の運転ラインgと、ジェネレータ13の発電電力がP(kw)となる等発電量ラインPとの交点であるD点がエンジン11に求められる運転状態として決定され、該D点に対応するエンジントルクN及びエンジン回転数R(本実施形態においては略3300rpm)がそれぞれ目標エンジントルク及び目標エンジン回転数として決定される。
【0124】
ステップSB32では、ステップSB31にて決定された目標エンジントルク及び目標エンジン回転数から、燃料噴射量及び必要吸入空気量を決定し、乗員要求燃料に対応するインジェクタ4,5に対して該燃料噴射量に対応する制御信号を出力するとともに、スロットル弁22のアクチュエータ21に対して上記必要吸入空気量に対応するスロットル弁開度になるように制御信号を出力する。
【0125】
ステップSB33では、燃料切換えスイッチ34による燃料の切換えを禁止する。
【0126】
ステップSB34では、上記目標充電電力に等しい電力をジェネレータ13からバッテリ12に供給して該バッテリ12の充電を行う。具体的には、バッテリコントローラ28に対して必要な制御信号を出力することにより、ジェネレータ13の発電電力のうち必要な電力(目標充電電力に等しい電力)をバッテリ12に供給する。
【0127】
ステップSB16でNOの場合に進むステップSB35(図12参照)では、エンジン11の使用燃料が水素か否かの判定を行い、この判定YESの場合にはステップSB18に進み、NOの場合にはステップSB29に進む。
【0128】
以上の如く上記実施形態2では、PCM6は、上記バッテリ温度低下時(ステップSB13でYESのとき)において、バッテリコントローラ28によるバッテリ12の充電を実行させる際にはガソリンを使用燃料とする一方、該バッテリ12の放電を実行させる際には水素を使用燃料としてエンジン11の運転制御を行うように構成されている。これにより、エンジン11及びジェネレータ13の組合せ効率の低下をより一層確実に抑えつつ、バッテリ12の充電を実行させて該バッテリ12の早期昇温を図ることが可能となる。具体的には、例えば、上記運転マップ(図8参照)に示された運転ラインg上のA点に相当する状態で、ガソリンを使用燃料としてエンジン11の運転制御を行っている場合に、バッテリコントローラ28によるバッテリ温度低下時におけるバッテリ12の放電を実行させる際に、エンジン11の使用燃料を水素に切換えた上で該エンジン11の運転状態をB点に遷移させることで、上記実施形態1と同様に上記組合せ効率の低下を極力抑制することができる。
【0129】
また、例えば、上記運転マップに示された運転ラインh上のC点に相当する状態で、水素を使用燃料としてエンジン11の運転制御を行っている場合に、バッテリコントローラ28によるバッテリ温度低下時におけるバッテリ12の充電を実行させるために、エンジン11の使用燃料を水素に固定したままジェネレータ13の発電電力を上記目標充電電力Pj(=2×Pk)kwだけ増加させようとすると、エンジン11の運転状態は、運転ラインhと発電電力がP7(kw)の等発電量ラインPとの交点であるF点とされそのときの上記組合せ効率は略ηとなる。しかしながら上記実施形態2では、エンジン11の使用燃料を水素からガソリンに切換えた上でジェネレータ13の発電電力をPh(kw)だけ増加させるようになっており、従ってエンジン11の運転状態は、運転ラインgと発電電力がP(kw)の等発電量ラインPとの交点であるD点とされそのときの上記組合せ効率はηとなって効率ηよりも大きくなる。従って、上記組合せ効率の低下を抑制して車両1の燃費低下を抑えながら、バッテリ12の早期昇温を図り、これによってバッテリ12の充放電効率を向上させ、延いては車両1の更なる燃費向上を図ることが可能となる。
【0130】
また、上記実施形態2では、上記PCM6は、上記バッテリ温度低下時(ステップSB13でYESのとき)において、バッテリ12の蓄電量が第一所定蓄電量以下であると判定したとき(ステップSB15でNOのとき)にはバッテリコントローラ28によるバッテリ12の充電を実行させる一方、該バッテリ12の蓄電量が第二所定蓄電量以上であると判定したとき(ステップSB16でYESのとき)にはバッテリ12の放電を実行させることでバッテリ12の昇温を図るようになっている。そして、PCM6は、上記バッテリ温度低下時において、バッテリ12の蓄電量が第一所定蓄電量よりも多く且つ第二所定蓄電量よりも少ないと判定したとき(ステップSB16でNOのとき)には、該判定時におけるエンジン11の使用燃料がガソリンとされているとき(ステップSB35でNOのとき)には該ガソリンを使用燃料としてエンジン11の運転制御を行うことで、バッテリコントローラ28によるバッテリ12の充電を実行させる一方、該判定時におけるエンジン11の使用燃料が水素とされているとき(ステップSB35でYESのとき)には該水素を使用燃料としてエンジン11の運転制御を行うことでバッテリ12の放電を実行させるように構成されている。
【0131】
これにより、上記バッテリ温度低下時において、バッテリ12の蓄電量を適正な量に保ちながら、バッテリ12の充放電を実行させて該バッテリ12の早期昇温を図ることができる。すなわち、PCM6は、例えば上記バッテリ温度低下時(ステップSB13でYESのとき)において、バッテリ12の蓄電量が第二所定蓄電量よりも多いと判定した場合には、バッテリ12の放電を実行させるように(図11(ii)参照)、使用燃料を水素としてエンジン11の運転制御を実行し、この結果、バッテリ12の蓄電量は次第に減少し始めていずれ第二所定蓄電量に到達する(図11(i)参照)。そして、PCM6は、該到達後においても、バッテリ12の蓄電量が第一所定蓄電量よりも大きく第二所定蓄電量未満である限りは使用燃料を切換えることなく水素のまま維持して、バッテリ12の放電を実行させるようにエンジン11の運転制御を行う。この結果、バッテリ12の蓄電量は減少していずれ第一所定蓄電量に到達する。そして、PCM6は、該到達時において、バッテリ12の蓄電量が第一所定蓄電量以下と判定して(SB15でNOと判定して)使用燃料を水素からガソリンに切換えるとともに(ステップSB25)、バッテリ12の充電を実行させるようにエンジン11の運転制御を行う。こうして、バッテリ12の蓄電量は増加に転じ、いずれ第二所定蓄電量に到達する。PCM6は、該到達時において、バッテリ12の蓄電量が第二所定蓄電量以上と判定して(ステップSB16でYESと判定して)使用燃料をガソリンから水素に再度切換えるとともに(ステップSB18)、バッテリ12の放電を実行させるようにエンジン11の運転制御を実行する。
【0132】
このようにして、バッテリ12の蓄電量は、一旦、放電により第一所定蓄電量に達した後は該第一所定蓄電量と第二所定蓄電量との間で増減を繰り返すこととなる。尚、図11(iii)に示すように、上記バッテリ12の充放電により、バッテリ12の温度は次第に上昇していずれ上記高効率温度に到達する。そして、該到達後は、上述したように、低、中、高トルク運転といった運転パターンにしたがってバッテリ12の充放電が実行される。
【0133】
同様にして、PCM6は、上記触媒温度低下時(ステップSBでYESのとき)において、バッテリ12の蓄電量が第一所定蓄電量以下であると判定した場合(ステップSB15でNOの場合)には、バッテリ12の充電を実行させるように使用燃料をガソリンとしてエンジン11の運転制御を実行し、その結果、該バッテリ12の蓄電量は次第に増加して第二所定蓄電量に到達する。そして、バッテリ12の蓄電量は、一旦、充電により第二所定蓄電量に達した後は該第一所定蓄電量と第二所定蓄電量との間で増減を繰り返すこととなる。
【0134】
よって、上記バッテリ温度低下時において、バッテリ12の蓄電量が、放電不能になるまで減少したり充電不能になるまで増加したりするのを防止しながら、バッテリコントローラ28によるバッテリ12の充電又は放電を確実に実行させて該バッテリ12の早期昇温を図ることが可能となる。
【0135】
(実施形態3)
図12は、本発明の実施形態3を示し、上記バッテリ12の第一所定蓄電量及び第二所定蓄電量の決定方法を上記実施形態2とは異ならせたものである。尚、本実施形態ではエンジン11等のハードウェアの構成は上記実施形態2と同様である。すなわち、PCM6は、エンジン11の排気通路中に設けられた触媒温度センサ36(図1参照)により検出された温度(触媒温度)に基づいて、上記第一所定蓄電量及び第二所定蓄電量を決定するようになっている(ステップSC13)。具体的には、PCM6は、触媒温度センサ36により検出された温度が所定の設定温度(本実施形態においては触媒の活性化温度)未満のときには、該検出された温度が設定温度以上のときに比べて上記第一所定蓄電量及び上記第二所定蓄電量を低下させるように構成されている。そして、該PCM6が所定蓄電量補正手段を構成することとなる。
【0136】
以下、本実施形態3に係るPCM6におけるエンジン11及びモータ17の運転制御処理についての具体的な処理動作について図を参照しながら説明する。
【0137】
ステップSC12よりも前のステップについては、上記実施形態1及び実施形態2におけるステップS1乃至ステップS11と同様の処理であるため説明を省略する。
【0138】
ステップSC12では、バッテリ温度センサ35及び触媒温度センサ36から出力される検出信号を読み込む。
【0139】
ステップSC13では、触媒温度センサ36からの検出信号を基に触媒温度を検出(推定)し、該検出された触媒温度からバッテリ12の第一所定蓄電量及び第二所定蓄電量を決定する。具体的には、例えば、上記触媒温度が活性化温度(本実施形態においては350℃)以上のときには、バッテリ12の最大蓄電量に対して、上記第一所定蓄電量を40%とし、第二所定蓄電量を50%とする一方、該触媒温度が活性化温度未満のときには該第一所定蓄電量を30%とし、該第二所定蓄電量を40%とする。
【0140】
ステップSC14以降については、実施形態2におけるステップSB13以降のステップと同様の処理を行うため説明を省略する。
【0141】
以上の如く上記実施形態3では、PCM6は、触媒温度が活性化温度未満と判定したときには、上記第一所定蓄電量及び上記第二所定蓄電量を低下させるように構成されている(ステップSC13)。これにより、バッテリ温度低下時におけるバッテリ12の充電が実行される蓄電量領域(図11のe1に相当する領域)が触媒温度が活性化温度以上のときに比べて狭まる一方、バッテリ12の放電が実行される蓄電量領域(図11のe2に相当する領域)が広がる。言い換えると、触媒温度が活性化温度未満のときにおいては、ガソリンを使用燃料としてエンジン11の運転制御が行われる領域が減少する一方、該ガソリンに比べて排気エミッションの少ない水素を使用燃料としてエンジン11の運転制御が行われる領域が増加する。
【0142】
このため、上記バッテリ温度低下時において、触媒温度が活性化温度未満のときには、排気エミッションの発生を抑制しながら、車両1の燃費低下を極力抑えつつバッテリ12の早期昇温を図ることが可能となる。
【0143】
(実施形態4)
図13は、本発明の実施形態4を示し、車両1の構成を上記実施形態1乃至3とは異ならせたものである。尚、図1と実質的に同じ構成要素については同じ符号を付してその詳細な説明を適宜省略する。すなわち、この車両1は、エンジン11及びモータ17の双方で駆動輪18を駆動可能な所謂シリーズ・パラレルハイブリッド車両とされている。
【0144】
具体的には、車両1は、駆動輪18に連結されたエンジン11と、上記エンジン11により駆動可能な発電機としてのジェネレータ13と、少なくともジェネレータ13からの発電電力が供給されて充電されるバッテリ12と、上記駆動輪18に連結され、バッテリ12から電力が供給されてエンジン11とともに該駆動輪18に動力を伝達可能なモータ17と、バッテリ12の充放電電力の変換制御を行うインバータ/コンバータ20(上記AC−DCコンバータ20a及びDC−ACコンバータ20bに相当)とを備えている。
【0145】
ここで、上記エンジン11は、動力分配機構50を介して上記駆動輪18に連結されており、該動力分配機構50は、PCM6により作動制御されてエンジン11からの動力を分割してジェネレータ13及び駆動輪18に伝達する。
【0146】
そして、上記PCM6は、上記バッテリ温度低下時において、上記駆動輪18の駆動に必要な車両要求動力に対して、エンジン11の動力つまりエンジン11のエキセントリックシャフト25から動力分配機構50及びディファレンシャルギヤ19を介して駆動輪18に伝達される動力が下回っているときに、該下回っている分の動力を上記モータ17の動力(モータの出力軸からディファレンシャルギヤ19を介して駆動輪18に伝達される動力)で賄えるように、上記バッテリコントローラ28に必要な制御信号を出力することでバッテリ12を放電させて該放電電力を該モータ17に供給する一方、上記車両要求動力に対してエンジン11の動力が上回っているときには、該上回っている分の動力によりジェネレータ13を駆動するとともに該ジェネレータ13の発電電力をバッテリ12に供給することで該バッテリ12の充電を行う。
【0147】
また、PCM6は、上記バッテリ温度低下時において、バッテリコントローラ28によるバッテリ12の充電又は放電を実行させるように、水素及びガソリンの一方を使用燃料としてエンジンの運転制御を行う。
【0148】
そして、PCM6は、バッテリコントローラ28による上記バッテリ温度低下時におけるバッテリ12の充電を実行させる際にはガソリンを使用燃料とする一方、バッテリ12の放電を実行させる際には水素を使用燃料としてエンジン11の運転制御を行うように構成されている。
【0149】
尚、PCM6におけるエンジン11及びモータ17の運転制御処理の具体的な制御処理は、上記実施形態1乃至上記実施形態3と本質的に変わる点はない。すなわち、上記実施形態1乃至実施形態3のそれぞれにおけるPCM6の制御処理を示すフローチャートにおいて、ジェネレータ13の目標発電電力を、エンジン11の目標動力と読替えるようにすればよく、ここでは、該エンジン11の目標動力の決定方法について説明しておく。すなわち、該目標動力は、PCM6がバッテリコントローラ28によるバッテリ12の放電を実行させる際には、バッテリ12の目標放電電力からモータアシスト動力(目標放電電力とモータ17の機械効率との積により算出される)を決定するとともに、上記ステップS2にて算出した車両要求動力から該モータアシスト動力を引き算することにより算出される。
【0150】
また、上記目標動力は、PCM6がバッテリコントローラ28によるバッテリ12の充電を実行させる際には、バッテリ12の目標充電電力を得るためにジェネレータ13に供給するべきジェネレータ駆動動力(目標充電電力をジェネレータ13の発電効率で割った値として算出される)を決定するとともに、上記ステップS2にて算出した車両要求動力に上記ジェネレータ駆動動力を加えることにより算出される。
【0151】
尚、図8に示す運転マップについては、組合せ効率一定ラインη,ηをエンジン11の熱効率一定のラインη,ηとし、ジェネレータ13の等発電量ラインPをエンジン11の動力(出力)が一定のラインとして参照するようにすればよい。
【0152】
以上のように構成された本発明の実施形態4に係るデュアルフューエルエンジン11を備えた車両1(シリーズ・パラレルハイブリッド車両)の制御装置において、上記実施形態1乃至3と同様の作用効果を得ることができる。
【0153】
(他の実施形態)
本発明の構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。すなわち、上記実施形態1乃至実施形態3では、ジェネレータ13にて発電された交流電力を、AC−DCコンバータ20aにて一旦直流電力に変換するようになっているが、必ずしもこれに限ったものではなく、例えば該AC−DCコンバータ20aを廃止するとともにジェネレータ13にて発電された交流電力をモータ17に直接供給するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0154】
本発明は、デュアルフューエルエンジンを備えたハイブリッド車両の制御装置に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1】本発明の実施形態に係る制御装置が搭載されたデュアルフューエルエンジンを備えたハイブリッド車両の全体構成を示す図である。
【図2】デュアルフューエルエンジンを備えたハイブリッド車両の制御装置を示す概略構成図である。
【図3】スロットル開度とエンジンの最大出力トルクとの関係を示す図である。
【図4】バッテリの温度が設定温度以上のときにおいて、エンジンの使用燃料をガソリンとしたときの車両の運転マップである。
【図5】バッテリの温度が設定温度以上のときにおいて、エンジンの使用燃料を水素としたときの車両の運転マップである。
【図6】パワートレインコントロールモジュールにおける、エンジン及びモータの運転制御処理の前半部を示すフローチャートである。
【図7】パワートレインコントロールモジュールにおける、エンジン及びモータの運転制御処理の後半部を示すフローチャートである。
【図8】デュアルフューエルエンジンの運転ラインの一例を示すマップである。
【図9】ナビゲーション装置のディスプレイに表示される燃料切換えスイッチの変化の一例を示す図である。
【図10】実施形態2を示す図7相当図である。
【図11】バッテリ温度低下時におけるバッテリの充放電動作についての説明を行うためのグラフであって、(i)はバッテリの充放電に伴うバッテリの蓄電量の変化を示すグラフ(ii)はモータの要求電力を一定とした場合において、バッテリの充放電に伴う、ジェネレータ13の発電電力の変化及びバッテリからモータへの供給電力の変化を示すグラフ(iii)はバッテリの充放電に伴うバッテリ温度の変化を示すグラフである。
【図12】実施形態3を示す図7相当図である。
【図13】実施形態4を示す図1相当図である。
【符号の説明】
【0156】
1 車両
6 パワートレインコントロールモジュール(エンジン運転制御手段)
(所定蓄電量補正手段)
11 デュアルフューエルエンジン
12 バッテリ
13 ジェネレータ(発電機)
17 モータ
18 駆動輪
28 バッテリコントローラ(バッテリ充放電制御手段)
29 エンジンの排気通路
31 バッテリ電流/電圧センサ(バッテリ蓄電量検出手段)
35 バッテリ温度センサ
36 触媒温度センサ(触媒温度検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用燃料として、第一燃料と該第一燃料に比べて同じエンジン運転条件下での使用時のエンジントルクが大きい第二燃料とを切換えて使用可能なデュアルフューエルエンジンを備えた車両の制御装置であって、
上記エンジンにより駆動可能な発電機と、
少なくとも上記発電機からの発電電力が供給されて充電されるバッテリと、
上記車両の駆動輪に連結され、上記発電機及び上記バッテリの少なくとも一方から電力が供給されて該駆動輪を駆動させるモータと、
上記バッテリの温度を検出するためのバッテリ温度検出手段と、
上記バッテリ温度検出手段により検出された上記バッテリの温度が所定の閾温度よりも低いバッテリ温度低下時において、上記駆動輪の駆動に必要な要求動力を得るために上記モータに要求される要求電力に対して上記発電機の発電電力が下回っているときに、該下回っている分の電力を上記バッテリから放電させて上記モータに供給する一方、上記要求電力に対して上記発電機の発電電力が上回っているときには、該上回っている分の電力を該発電機から上記バッテリに供給して該バッテリの充電を行うバッテリ充放電制御手段と、
上記バッテリ温度低下時において、上記バッテリ充放電制御手段による上記バッテリの充電又は放電を実行させるように上記エンジンの運転制御を行うエンジン運転制御手段とを備え、
上記エンジン運転制御手段は、上記バッテリ充放電制御手段による上記バッテリの充電を実行させる際には上記第二燃料を使用燃料とする一方、該バッテリ充放電制御手段による上記バッテリの放電を実行させる際には上記第一燃料を使用燃料として上記エンジンの運転制御を行うように構成されていることを特徴とするデュアルフューエルエンジンを備えた車両の制御装置。
【請求項2】
使用燃料として、第一燃料と該第一燃料に比べて同じエンジン運転条件下での使用時のエンジントルクが大きい第二燃料とを切換えて使用可能なデュアルフューエルエンジンを備えた車両の制御装置であって、
上記エンジンにより駆動可能な発電機と、
少なくとも上記発電機からの発電電力が供給されて充電されるバッテリと、
上記車両の駆動輪に連結され、上記バッテリから電力が供給されて上記エンジンとともに該駆動輪に動力を伝達可能なモータと、
上記バッテリの温度を検出するためのバッテリ温度検出手段と、
上記バッテリ温度検出手段により検出された上記バッテリの温度が所定の閾温度よりも低いバッテリ温度低下時において、上記駆動輪の駆動に必要な要求動力に対して上記エンジンの動力が下回っているときに、該下回っている分の動力を上記モータの動力で賄えるように上記バッテリを放電させて該放電電力を該モータに供給する一方、上記要求動力に対して上記エンジンの動力が上回っているときには、該上回っている分の動力により上記発電機を駆動するとともに該発電機の発電電力を上記バッテリに供給することで該バッテリの充電を行うバッテリ充放電制御手段と、
上記バッテリ温度低下時において、上記バッテリ充放電制御手段による上記バッテリの充電又は放電を実行させるように上記エンジンの運転制御を行うエンジン運転制御手段とを備え、
上記エンジン運転制御手段は、上記バッテリ充放電制御手段による上記バッテリの充電を実行させる際には上記第二燃料を使用燃料とする一方、該バッテリ充放電制御手段による上記バッテリの放電を実行させる際には上記第一燃料を使用燃料として上記エンジンの運転制御を行うように構成されていることを特徴とするデュアルフューエルエンジンを備えた車両の制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のデュアルフューエルエンジンを備えた車両の制御装置において、
上記バッテリの蓄電量を検出するためのバッテリ蓄電量検出手段を備え、
上記エンジン運転制御手段は、上記バッテリ温度低下時において、上記バッテリ蓄電量検出手段により検出された蓄電量が第一所定蓄電量以下のときには、上記バッテリ充放電制御手段による上記バッテリの充電を実行させる一方、上記バッテリ蓄電量検出手段により検出された蓄電量が該第一所定蓄電量よりも高く設定された第二所定蓄電量以上のときには、上記バッテリ充放電制御手段による上記バッテリの放電を実行させるように上記エンジンの運転制御を行うよう構成されていることを特徴とするデュアルフューエルエンジンを備えた車両の制御装置。
【請求項4】
請求項3記載のデュアルフューエルエンジンを備えた車両の制御装置において、
上記エンジンの排気通路には、排気ガス浄化用の触媒が設けられており、
上記触媒の温度を検出するための触媒温度検出手段と、
上記触媒温度検出手段により検出された上記触媒の温度が所定の設定温度未満のときには、該触媒の温度が該設定温度以上のときに比べて上記第一所定蓄電量及び上記第二所定蓄電量を低下させる所定蓄電量補正手段とを備えていることを特徴とするデュアルフューエルエンジンを備えた車両の制御装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のデュアルフューエルエンジンを備えた車両の制御装置において、
上記第一燃料は水素であり、上記第二燃料はガソリンであることを特徴とするデュアルフューエルエンジンを備えた車両の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−183975(P2008−183975A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−17760(P2007−17760)
【出願日】平成19年1月29日(2007.1.29)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】