ナノインプリンティングによってリソグラフィのためのモールドを製造する方法
【課題】ポジタイプのインプリントを作るために使われるリソグラフィ技術を提供する。
【解決手段】
本発明は三次元のインプリントモールドを形成する装置であって、少なくとも、・基板であって、該基板の平面に垂直な少なくとも1つの部分を持つ少なくとも1つの交互層を有する、互いに対して選択的にエッチングされうる第1のタイプの材料と第2のタイプの材料の、基板と、・表面形態であって、少なくとも、a)前記形態のいずれかの側に配置された基板の表面に対する第1のレベルにその最上部が存在するような第1のパターンであって、これらの第1のパターンが第1のタイプの材料にあるもの、b)および、基板の前記表面に対して少なくとも第2のレベルを持ち、第1のレベルとは異なり、かつそれより低い第2のパターンであって、これらの第2のパターンが第2のタイプの材料にあるもの、を有する表面形態と、を有する装置に関する。
【解決手段】
本発明は三次元のインプリントモールドを形成する装置であって、少なくとも、・基板であって、該基板の平面に垂直な少なくとも1つの部分を持つ少なくとも1つの交互層を有する、互いに対して選択的にエッチングされうる第1のタイプの材料と第2のタイプの材料の、基板と、・表面形態であって、少なくとも、a)前記形態のいずれかの側に配置された基板の表面に対する第1のレベルにその最上部が存在するような第1のパターンであって、これらの第1のパターンが第1のタイプの材料にあるもの、b)および、基板の前記表面に対して少なくとも第2のレベルを持ち、第1のレベルとは異なり、かつそれより低い第2のパターンであって、これらの第2のパターンが第2のタイプの材料にあるもの、を有する表面形態と、を有する装置に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆるナノインプリント、すなわち、構築されるべき基板上に堆積された樹脂層の中に、場合によってマイクロメートル級および/またはナノメートル級の寸法を持ったネガタイプのパターンを有するモールドをプレスすることによって、ポジタイプのインプリントを作るために使われるリソグラフィ技術の領域に関する。
【0002】
従って、樹脂またはポリマーの、数ナノメートルから数ミクロンの幅を持ったパターンを得て、そして次にそれらを基板に転送することことが可能である。
【背景技術】
【0003】
この技術によって、多数の構造を、一つのモールドから経済的かつ確実に、速やかに形成することが可能である。つまり、一つのモールドの使用は、時間および/または金に関して高くつくような一つの手法の実行のみを必要とするだけであって、要求されるナノメートル級の解像度を持った構造を得るために、それが単独で使われうる。
【0004】
ナノインプリントによるリソグラフィを実行するのには、現在、2つのアプローチが可能である。
・ポリマーを、そのガラス転移温度を超えて加熱すること、および一般にシリコンまたはニッケルのモールドによってそれを形成することから成る熱間インプリント、
・UV支援インプリント。この場合、例えば石英(水晶)の透明なモールドが、モールドが用いられる間に、モノマーまたはUV露光によって架橋結合されたプレポリマーにプレスされる。この技術は、現在、主要な開発を経験している。なぜなら、異なるインプリントされたレベルを透明なモールドにそろえることが可能であるからである。
【0005】
モールドの製造は決定的な(重大な)ステップである。というのは、解像度、モールドの寿命、ナノインプリントおよびナノモールディングの製造速度、および収益性は、使われるモールドの品質とコストに大いに依存するからである。
【0006】
モールドの表面上のレリーフ(浮き彫り)におけるプリントされるべきパターンは、以下のいずれかによって得られる。
−電子的リソグラフィと反応イオンエッチング、
−または他の予め作られたモールド(マスター)の複製
【0007】
電子的リソグラフィを用いて、電子に感応性の樹脂の層上に合焦点された電子ビームでモールドを得ることができる。次に樹脂の物理化学的特性が選択的に修正されうる。このビームは限定された絶縁物の領域への電磁場によって案内される。そのために、何らかのタイプの形状が作られうる。高い精度でサンプルを1つの領域から他の領域まで機械的に動かすことによって、大きな表面またはウェーハ全体をカバーするパターンが描ける。
【0008】
電子−樹脂/基板の相互作用および使われる樹脂の特性に対する電子リソグラフィシステムの性能レベルを考慮して、得られる最小寸法は密集するパターン(ラインまたはパッドまたはスペースの配列)に対して通常20から50nmであり、いわゆる隔離されたパターン、例えばライン、に対して6から10nmに達しうる。さらに小さい寸法の構造を規定するために、非特許文献1に記載されるように、より大きなエネルギーの電子ビームが使われうる。
【0009】
例えば、いわゆる「e−ビーム」タイプの電子的リソグラフィ法は、一般に、非常に高い解像度を持ったモールドを作るために使われる。光学リソグラフィ法(193nm浸透リソグラフィ)は、30nm以下の解像度を持ったパターンを得ることを可能にしない。
【0010】
電子的リソグラフィが非常に高い解像度の達成を可能にする一方で、それはいくつかの主要な制限を持つ。つまり、
・電子ビームによる樹脂の書き込みスピード(従ってナノインプリントマスクの製作のスピードとコスト)は、通常、最も高い解像度(10nm以下)に達することができる装備で書き込むことに対して数10−4cm2/sに、またマルチビーム、成形ビーム、または投影技術に対して数cm2/sのオーダーに制限される(しかし解像度はその時30nmに制限される)。
・どんな種類の形状に対しても達成できる解像度は伝統的に20nm以上である。10nm以下の解像度は、一般に孤立したラインまたはパッドのような、あるいは小さな密集度を持つような、すなわち最も近い隣接したものから、パターン自体の大きさよりほぼ3から4倍大きい(さらにもっと大きい)離隔距離をもった、非常に単純な究極のリソグラフィによって達成されるのみである。
・前記電子的リソグラフィ法の高いコスト。この究極のリソグラフィを行なうために必要な装備は非常に複雑であり、そして非常に高価である。また、書込み速度が光学リソグラフィのものよりも2から3倍遅いため、このことは、大きな活性表面(数cm2より大きい)を持った高解像度モールドを製造するためのコストが、過度に高いことを意味する。それでも、ナノインプリントモールドがなお有利になるほど、その表面はますます大きくなる。
・ゆえに、形成された究極のタイプのパターン(<10nm)は2D(二次元)タイプの幾何学的形状を持つ。電子的リソグラフィが、2Dタイプ(二次元タイプ)パターン、つまりそれぞれのパターンがいわゆるスレシュホールド樹脂を使って同じ深さを持つもの、および、いわゆるグレースケール樹脂を使った3Dタイプ(三次元タイプ)パターン(パターンに応じて可変の深さを持つもの)の両方を規定することを可能にする。それにもかかわらず、現在では、電子的リソグラフィの究極の解像度能力を3Dタイプのパターンを形成するその能力と組み合わせることはできない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】F.Carcenac et al. in Microelectron. Eng. 53, p. 163 (2000)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って本発明の目的は、これらすべての制限に対する技術的な解決策を提案することである。
【0013】
本発明の一つの特定の目的は、いくらかの高さ(但しこの用語は、高さおよび/または深さの意味で使われる)を持ったモールドを作るための従来の方法に必要とされるような、一連のリソグラフィ−エッチングのステップをいくらも使うことなしに、三次元モールドを作ることである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、第一に、三次元のインプリントモールドを製造する方法であって、少なくとも、
a)基板における幅Wと深さhの、少なくとも1つのトレンチを、例えば光学リソグラフィによって形成するステップと、
b)これらのトレンチにおいて交互層、例えば、基板に少なくとも部分的に垂直な、トレンチのプロファイル(側面)に沿って堆積されたコンフォーマルな層であって、第1の材料、および該第1の材料に対して選択的にエッチングされうる第2の材料にあるような、を形成するステップと、
c)前記層を選択的にエッチングし、少なくとも、以下を有する形態(トポロジー)を形成するステップ、つまり、
−前記形態のいずれかの側の配置された、その最上部が基板の表面に対する第1のレベルに存在する第1のパターンであって、これらの第1のパターンが第1の材料にあるもの、
−および、基板の前記表面に対して少なくとも第2のレベルを持ち、第1のレベルとは異なり、かつそれより低い第2のパターン、例えば第1のパターンと交互するナノトレンチであって、これらの第2のパターンが第2の材料にあるもの、
を有する形態を形成するステップと、
を有することを特徴とする方法に関する。
【0015】
この方法はナノインプリントモールドを得ることを可能にする。このモールドにより、例えば、樹脂のような材料にインプリントされる、ラインの密集する配列を作ることができ、これらのラインはトレンチによって規定された輪郭に沿ったものとなる。
【0016】
交互層は、トレンチの中央を通過し、基板の平面およびトレンチの底に垂直な平面に対し、すべての堆積された層が少なくとも2つの対称な部分を有するようにトレンチに堆積されうる。
【0017】
本発明による1つの方法において、交互層はエピタキシーによって形成されうる。
【0018】
選択的エッチングが、形態のいずれかの側で基板の少なくとも一部をエッチングすることをも可能にするならば、第1のパターンは基板の表面に対して突出する。例えば第2の材料は、好ましくは基板と同じ速度でエッチングされる。この第2の材料はまた、基板の材料と同一でありうる。
【0019】
変形として、エッチングが第2の材料を好ましくエッチングするならば、選択的エッチングの後の第1のパターンの最上部は、基板の表面のレベルに等しいレベルを実質的に持つ。
【0020】
他の変形において、この方法は、
−ステップc)の前の、第1および第2の材料の2つのレベルを基板の最上部のレベルより低いレベルにすることを可能にする、第1の材料および第2のタイプの異方性エッチング、
−次に第2の材料の選択的エッチングであって、選択的エッチングの後の第1のパターンの最上部が基板の表面のレベルより低いレベルにあるようにすること
を有する。
【0021】
ステップb)は、基板およびトレンチの底にもっぱら垂直な交互層のトレンチにおける形成を有しうる。
【0022】
トレンチの底に平行なコンフォーマルな交互層の堆積を制限または抑制する材料がトレンチの底に存在しうる。これは例えば酸化物である。任意選択的な表面研磨の後にトレンチに作られた交互層は、トレンチの底の表面にもっぱら垂直である。
【0023】
本発明による1つの方法において、基板はSOIタイプのものとすることができる。そして次に、トレンチの底に存在する交互層の堆積を制限または抑制する材料の任意選択的な層が、埋設された絶縁層の範囲までSOI半導体材料の表面層をエッチングすることによって得られうる。
【0024】
あるいは、コンフォーマルな交互層の堆積を制限または抑制する材料の層も堆積によって形成されうる。
【0025】
1つの変形によれば、コンフォーマルな交互層の堆積を制限または抑制する材料は、交互層の堆積の前に基板の最上部の上にも存在し得る(それはその時例えば堆積または成長によって得られる)。そして交互層の堆積の後に除去される。次に交互層のみがトレンチ内に形成され、トレンチの底の表面にもっぱら垂直に堆積される。
【0026】
トレンチの底および基板の最上部の上への交互層の堆積を制限または抑制する材料を形成することは、いわゆる「スペーサー」材料の層を堆積することを有ししうる。
【0027】
例えばこの「スペーサー」材料は、基板の最上部、トレンチの側壁および底から成る組の上に堆積され、次にトレンチの側壁にもっぱらならうか、または沿ったスペーサー材料を残すために、光等方的にエッチングされる。
【0028】
最終的に、堆積を制限または抑制する層は、トレンチの底および基板の最上部の上への堆積または反応によって形成されうる。
【0029】
ステップb)は、基板およびトレンチの底に部分的に垂直で、そしてトレンチの底の表面に部分的に平行な交互層のトレンチにおける形成を有しうる。
【0030】
トレンチの底の表面に平行な交互層の部分は、トレンチに配置され、またトレンチの底の表面に垂直な交互層の2つの部分をつなぐ。
【0031】
交互層の一部は基板の最上部の上に形成されうる。これらは次に、基板の最上部の上に、少なくともトレンチの側壁に沿って、そしてそれぞれのトレンチの周りに堆積され、続いて基板の最上部を露出するように、化学的または機械的技術(研磨)によって、あるいは化学機械的研磨によって基板の最上部の上で薄肉化が行なわれる。
【0032】
本発明の1つの方法において、いくつかのトレンチが交互層で完全に満たされないならば、自由表面の任意選択的な研磨の前に、充填材料の層の堆積を実行することもできる。この充填材料は、好都合には、交互層のために使われた少なくとも1つのタイプの材料と同じタイプのものであり、それは好ましくは、堆積された最後の層の材料と異なる。次に、充填材料は、部分的な平面性を復元する層によって充填されないトレンチの部分を充填する。
【0033】
充填材料はまた、基板の最上部の上、または基板の最上部の上に存在する交互層の上にも堆積されうる。そして基板の領域の露出が、例えば化学的または機械的技術(研磨)、あるいは化学機械的研磨を使った薄肉化によってなされる。
【0034】
好都合には、充填材料は最後に堆積された交互層に対して選択的にエッチングされうる。
【0035】
交互に堆積される層の数は、
−堆積された最後の層が基板に対して選択的にエッチングされうる、
−充填材料が基板と同じ材料である、
ようなものでありうる。
【0036】
本発明の枠組みで使われる選択的エッチングは、第2の材料の部分的なエッチングでありうる。そして第2の材料から成る第2のパターンの底は第1の材料に対して好ましくエッチングされる。
【0037】
本発明はさらに、三次元のインプリントモールドを形成する装置であって、少なくとも、
−少なくとも1つの交互層を有する基板であって、該層が、第1の材料と、該第1の材料に対して選択的にエッチングされうる第2の材料の、基板の平面に垂直な少なくとも1つの部分を持つような基板と、
−表面形態であって、少なくとも、
a)第1のパターンであって、その最上部が、前記形態のいずれかの側に配置された基板の表面に対する第1のレベルにあり、これら第1のパターンが第1の材料であるようなもの、
b)および、例えばトレンチまたはナノトレンチである第2のパターンであって、その最上部が基板の前記平面に対して、第1のレベルとは異なってそれより低い第2のレベルにあり、これらのパターンが第2の材料であるようなもの、
を有する表面形態と、
を有することを特徴とする装置に関する。
【0038】
第1のパターンは基板の前記表面に対して突出し、基板材料とは異なった材料でありうる。
【0039】
第1のレベルは、実質的に基板の前記表面に近接する。
【0040】
第1のレベルは基板の前記表面より低くありうる。
【0041】
1つの特定の実施の態様による、本発明の1つの方法または装置において、第2のパターンは、1つの第2のパターンから他の第2のパターンへとエッチング速度が変化するような材料にある。エッチングの後に、これは、少なくとも2つの異なったレベルを持った第2のパターンの形成、または、深さまたはレベルが作られるトレンチ内で変化する第2のパターン、例えばナノトレンチをもたらす。
【0042】
例えば交互層を形成する第2の材料は、特定の化学量論(stoichiometry)の組成におけるバリエーションを持つことができる。例えば、少なくとも2つの奇数番目の層は同じ組成から得られるが、お互いに組成は異なる。そして、異なった組成のこれらの層は、異なるエッチング速度を持ち、その異なる速度は、エッチングの後に、交互層で使われる異なった組成が存在するような数のレベルを持ったパターンを形成することにつながる。
【0043】
2つの異なった交互層間のエッチング速度の相違は、好ましくは、2つの第1のパターンを分離する第2のパターンのレベル(またはナノトレンチの深さ)のバリエーションが、本発明によるナノインプリントの使用時にリソグラフィされるべき基板とこのナノインプリントモールドとの間に存在する、インプリント材料の残りの厚さの不均一性を減らすために最適化される、そのようなものである。
【0044】
例えば、第1の材料はSiであり、第2の材料はSiGex(x>15%)であり、そして第2の材料の2つの層は組成SiGex1とSiGex2を持ち、ここにx1≠x2で、好ましくはx1>15%およびx2>15%である。
【0045】
バリエーションとして、交互層を形成する材料はSi、SiO2、HfO2、Si3N4、ZrOの中から選択される。また例えば、第1の材料および第2の材料として選ばれる材料の対は、Si/SiO2、またはHfO2/SiO2の対、またはSiO2/Si3N4の対、またはZrO2/SiO2の対とすることができ、あるいは金属材料の対でさえありうる。
【0046】
本発明の方法または装置の1つの特定の実施の態様によれば、基板は交互層を形成する材料の対の材料の1つでありうる。
【0047】
本発明による1つの方法または装置において、交互層を形成する2つの材料の1つのものおよび/または他のものは、アモルファスまたは単結晶または多結晶でありうる。
【0048】
本発明による1つの方法または装置において、交互層は10nm以下、あるいは1nmから10nmまたは20nmの間の厚さを持ちうる。
【0049】
本発明の、および/または、本発明の方法によって製造された装置は、「製品」基板をコーティングするポリマー層においてナノインプリントによるパターンを製造するモールドとして、あるいはナノインプリントモールドを形成するネガとして、使われうる。
【0050】
本発明の方法の後に、複雑なモールドを得るために電子的リソグラフィによってパターンを付加することもできる。そして、本発明による方法の使用は、マスクを使う電子的リソグラフィの必要性を減らすことを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1A】本発明よって得られる種々の装置示す。
【図1B】本発明よって得られる種々の装置示す。
【図1C】本発明よって得られる種々の装置示す。
【図1D】本発明よって得られる種々の装置示す。
【図1E】本発明よって得られる種々の装置示す。
【図2A】本発明によるナノインプリントモールドを形成するための種々の方法を示す。
【図2B】本発明によるナノインプリントモールドを形成するための種々の方法を示す。
【図2C】本発明によるナノインプリントモールドを形成するための種々の方法を示す。
【図2D】本発明によるナノインプリントモールドを形成するための種々の方法を示す。
【図2E】本発明によるナノインプリントモールドを形成するための種々の方法を示す。
【図3A】本発明による第1の方法のステップを示す。
【図3B】本発明による第1の方法のステップを示す。
【図3C】本発明による第1の方法のステップを示す。
【図3D】本発明による第1の方法のステップを示す。
【図3E】本発明による第1の方法のステップを示す。
【図3F】本発明による第1の方法のステップを示す。
【図3G】本発明による第1の方法のステップを示す。
【図4A】本発明による第2の方法のステップを示し、コンフォーマルな層の堆積を抑制する材料の層が1つの表面の上に存在していることを示す。
【図4B】本発明による第2の方法のステップを示し、コンフォーマルな層の堆積を抑制する材料の層が1つの表面の上に存在していることを示す。
【図4C】本発明による第2の方法のステップを示し、コンフォーマルな層の堆積を抑制する材料の層が1つの表面の上に存在していることを示す。
【図4D】本発明による第2の方法のステップを示し、コンフォーマルな層の堆積を抑制する材料の層が1つの表面の上に存在していることを示す。
【図4E】本発明による第2の方法のステップを示し、コンフォーマルな層の堆積を抑制する材料の層が1つの表面の上に存在していることを示す。
【図5A】本発明による第3の方法のステップを示し、コンフォーマルな層の堆積を抑制する材料の層がウェーハの領域の上およびラインの端部に存在していることを示す。
【図5B】本発明による第3の方法のステップを示し、コンフォーマルな層の堆積を抑制する材料の層がウェーハの領域の上およびラインの端部に存在していることを示す。
【図5C】本発明による第3の方法のステップを示し、コンフォーマルな層の堆積を抑制する材料の層がウェーハの領域の上およびラインの端部に存在していることを示す。
【図5D】本発明による第3の方法のステップを示し、コンフォーマルな層の堆積を抑制する材料の層がウェーハの領域の上およびラインの端部に存在していることを示す。
【図5E】本発明による第3の方法のステップを示し、コンフォーマルな層の堆積を抑制する材料の層がウェーハの領域の上およびラインの端部に存在していることを示す。
【図5F】本発明による第3の方法のステップを示し、コンフォーマルな層の堆積を抑制する材料の層がウェーハの領域の上およびラインの端部に存在していることを示す。
【図6A】ナノインプリントモールドを使うための方法と、いわゆる残りの層の厚さの現象を示す。
【図6B】ナノインプリントモールドを使うための方法と、いわゆる残りの層の厚さの現象を示す。
【図6C】ナノインプリントモールドを使うための方法と、いわゆる残りの層の厚さの現象を示す。
【図6D】ナノインプリントモールドを使うための方法と、いわゆる残りの層の厚さの現象を示す。
【図7A】複合層の1つのタイプの交互材料が、その材料を含む1つの層から他の層までの組成のバリエーションを有するような実施形態を示す。
【図7B】複合層の1つのタイプの交互材料が、その材料を含む1つの層から他の層までの組成のバリエーションを有するような実施形態を示す。
【図7C】複合層の1つのタイプの交互材料が、その材料を含む1つの層から他の層までの組成のバリエーションを有するような実施形態を示す。
【図8A】使われるモールドと関係する、樹脂で作られたインプリント形状の比較例である。
【図8B】使われるモールドと関係する、樹脂で作られたインプリント形状の比較例である。
【図8C】使われるモールドと関係する、樹脂で作られたインプリント形状の比較例である。
【図8D】使われるモールドと関係する、樹脂で作られたインプリント形状の比較例である。
【図8E】使われるモールドと関係する、樹脂で作られたインプリント形状の比較例である。
【図8F】使われるモールドと関係する、樹脂で作られたインプリント形状の比較例である。
【図9】選択的エッチングステップの後に、本発明による方法の1つに従って得られた装置の断面を示す。
【図10】本発明による方法の異なった結果を示し、らせん形状のトレンチにおけるものを示す。そして、ナノトレンチによって分離された交互のパターンはトレンチの最初の形状に沿って広範囲な模様を持つ。
【図11】本発明による方法の異なった結果を示し、ラインの配列から形成されたトレンチにおけるものを示す。そして、ナノトレンチによって分離された交互のパターンはトレンチの最初の形状に沿って広範囲な模様を持つ。
【図12】本発明に従って得られたナノインプリントモールドの使用の後に、変形可能な層上に得られた、円形のトレンチを有する結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本発明の実施形態を、様々な要素の参照番号が様々な図面に共通である図1から3を参照しながら、以下で詳述する。
【0053】
本発明による装置の実施形態を図1Aから1Dで詳述する。
【0054】
これらの装置のそれぞれ、または以下で説明された方法を使って製造されたそれぞれのものは、好ましくは半導体材料である第1の材料の基板2を有し、そして好都合にシリコン、例えば単結晶シリコンでありうる。他のタイプの材料は、例えばSiO2、またはSiGe、またはGe、またはサファイア、またはAsGa、またはガラス、または石英が選択されうる。
【0055】
この基板の表面上にはパターン5(または第1のパターン)の少なくとも1つの配列、または、前記パターン5の、幅Wのグループまたは集合体7がある。異なったパターンの最上部は、基板2の平面に平行な平面において実質的にすべて整列される。同様に、異なったパターンの最下部は、すべてそれらが含まれる基板の表面に対して実質的に同じレベルに存在する。
【0056】
パターンのグループ7は、基板2の、また図1A〜7Dのそれぞれの平面に垂直な平面P,P’に沿って少なくとも局所的な対称を持っている。
【0057】
それぞれのパターンは基板に実質的に垂直に配列され、そして実質的に壁の形態にある。一次元(図1A〜7Dのそれぞれの平面に垂直)では、それはその幅W(これは、図1A〜7Dの平面に沿って測られたものである)に対して大きく延長され、そして実質的に1nmから20nmの間である。好ましくは、それぞれのパターンは10より小さい形状比率を持ち、この形状比率は、基板の平面に実質的に垂直な方向に測られたパターンの高さと、その幅Wと、の間の比率と定義される。異なったパターン5の幅は、好都合に、お互いに同一である。図1Aから7Dの平面において、それぞれのパターンは実質的に矩形のものである。パターンの1つの同じ配列において、これらは互いに平行に配列される。図1A〜7Dの平面に沿った結果は、くし形である。
【0058】
トレンチまたはナノトレンチ6(または第2のタイプのパターンのパターン)は、実質的に1nmから100nmの間の距離だけ、どれかの2つの隣接したパターン5(または第1のタイプのパターンのパターン)を分離する。異なったナノトレンチ6の幅は、好都合に、お互いと同一である。それぞれのトレンチ6の底はパターン5の材料と異なった材料である。これらの2つの材料の1つを他のものに対して選択的エッチングすることができる。
【0059】
図1A〜7Dのそれぞれは、交互のパターン/ナノトレンチが交互の薄層4(i)から成ることを示す。
【0060】
本発明による1つの装置において、パターン/ナノトレンチの交互の2つのタイプの材料によって形成される対は、好都合に、Si/SiGeyであり、ここにy>20%である。あるいは、この材料の対は以下の材料の対の中から選択されうる。つまり、Si/SiO2、HfO2/SiO2、SiO2/Si3N4、ZrO2/SiO2、Si/Au、Si/Pt、Si/Rh、Si/NO、SiO2/Auであり、これは半導体/金属の対、またはAu/Cuのような金属/金属、または貴金属の対であってもよい。
【0061】
本発明の第1の装置を図1Aに示す。
【0062】
この場合、それぞれのパターン5は、基板2の、隣接する自由表面2’に対する高さZを持つ。それぞれのパターンの最上部はこの高さZでこの表面に対し突出する。
【0063】
この例のナノトレンチは、パターンの最上部に対して測られた、ここでは実質的にZに等しい深さZ’を持つ。好都合に、ナノトレンチの底の材料は基板2と同じ材料から成る。
【0064】
パターン5は基板とは異なった材料から成り、Siの基板2に対して、好都合にSiGeyGe(yGe>17%)である。
【0065】
示された実施形態において、パターンのグループ7は、基板2の平面に垂直な平面Pに沿って対称を有する。これは図1A〜1Eのそれぞれにも当てはまり、また図2A〜7Dの方法によって得られる装置のそれぞれにも当てはまる。この平面の1つの側に、交互の2つの材料が層4(1),4(i),....4(n)(nは2から104の間、または例えば2から100の間に存在しうる)の形態で見いだされる。この同じ平面の他の側において、対称である前述の平面に対して対称な、層4’(1),4’(2),...,4’(n)の形態の、これらの2つの材料の交互が存在する。層4’(1)は、平面Pに対して層4(i)と対称である。つまり、これらの2つの層は、同じ組成、同じ幅、および同じ高さを持つ。このタイプの対称は、さらに一般的に他の実施形態に見いだされうる。しかしながら、例えば層の一部がエッチングステップの間にマスクされる場合、この対称が存在しない本発明の実施形態がありうる。
【0066】
本発明の他の装置を図1Bに示す。
【0067】
図1Aとは対照的に、パターン5の最上部は、実質的に基板の自由表面2’と同じレベルに存在する。
【0068】
ナノトレンチ6の底はこの同じ表面に対して深さZ’を持つ。そしてナノトレンチの底の材料は基板2の材料と異なる。
【0069】
好都合に、パターン5の材料は基板2と同じ材料から成る。
【0070】
前の実施形態のように、組成および厚さの対称性が、基板に垂直な対称平面Pのどちらかの側の層4(i)および4’(i)に対して、平面P,P’についてそれぞれのトレンチでも見いだされる。
【0071】
本発明の他の実施形態を図1Cに示す。この装置では、図1Aの装置のように、パターンの最上部は基板の自由表面2’の上の高さZにある。
【0072】
しかしながら、前の実施形態と異なり、深さが異なった少なくとも2つのナノトレンチが存在する。
【0073】
前の実施形態のように、基板および図の平面に垂直な対称面P,P’のいずれかの側の層4(i)と4’(i)に対する組成と厚さの対称が存在する。好ましくは、それぞれのトレンチにおいて、対称性が、トレンチの深さに関して同じ平面のいずれかの側にも見いだされ、Z’(2i)は、層4(2i)、4’(2i)をエッチングすることによって得られたナノトレンチの深さを表すために使われている。
【0074】
好都合に、深さZ’(2i)はパターンのグループ7のエッジから始まって、そしてそのパターンのグループ7の中央の方に拡張しつつ増加する。同じ分布が、対称的に、平面P,P’の他の側上に見いだされる。
【0075】
さらに、少なくともナノトレンチの底を形成する少なくとも2つの材料は、異なった組成、すなわちエッチングの速度に影響を与える組成の違いを持つ。
【0076】
1つの同じ深さを持つナノトレンチ6の底を形成する2つの層は同一の組成を持つ。
【0077】
異なった組成を持つナノトレンチ6の底を形成する2つの層は異なった深さを持つ。
【0078】
以下で説明したように、ナノインプリントの時のトレンチ深さの等しくない分布は、インプリントが作られる材料の残りの厚さの不均一性を埋め合わせることができる。
【0079】
本発明の他の実施形態を図1Dに示した装置において表す。
【0080】
この装置で、図1Bのように、パターン5の最上部は基板2の自由表面2’と同じレベルに存在する。
【0081】
図1Cで説明した装置のように、少なくとも2つのナノトレンチ6の間のトレンチ深さに格差がある。
【0082】
Z’(2i+1)を、層4(2i+1),4’(2i+1)、(i=0、...,n)をエッチングすることによって得られるナノトレンチの深さとする。
【0083】
好都合に、深さZ’(2i+1)はパターンのグループ7のエッジから始まって増加し、そしてパターンのそのグループ7の中央の方に拡大する。同じ分布が、対称的に、平面P,P’の他の側上に見いだされる。
【0084】
組成と厚さの対称が図1Cのように見いだされるが、トレンチ深さの対称もそうである。
【0085】
図1Cの実施形態に関してなされる組成についての観測は依然有効である。
【0086】
本発明による他の装置を図1Eに示す。
【0087】
図1Bと対照的に、パターン5の最上部は基板の自由表面2’のレベルの下に、その表面に対し深さZ1’において存在する。
【0088】
ナノトレンチ6の底は、その同じ表面に対して深さZ2’において存在する。そしてナノトレンチの底の材料は基板2の材料と異なっている。パターン5の材料は基板2と同じ材料から成りうる。しかしこの場合、基板2は、該基板2の表面を攻撃することなく攻撃領域7にマスクされる。あるいは、トレンチが作られ、その側壁上に層が成長させられる基板2(SOIの場合のように)の上に他の材料が形成されうる。この材料はパターン5および6の材料と異なり、またこれらの要素5および6に対して選択的にエッチングされる。
【0089】
前の実施形態のように、組成および厚さの対称性が、基板に垂直な対称平面Pのどちらかの側の層4(i)および4’(i)に対して、平面P,P’についてそれぞれのトレンチでも見いだされる。
【0090】
本発明による装置の他の構造を、以下に与えられた方法の例で説明する。
【0091】
本発明による方法を図2Aから2Eに示す。
【0092】
スタートの材料は、少なくとも1つの多層17を有する基板2である。これは、基板および図の平面に垂直な平面Pに対してお互いに対称な、またそれぞれ層4(i)、4’(i)を含む2つの複合領域4と4’を有する。層4(i)(それぞれ4’(i))は、互いに対して選択的にエッチングされうる2つの材料の交互の構造から成る。2つの複合領域は幅Wと深さh4のグループ7を形成する。層4(i)、4’(i)は、基板2の主要な平面に垂直な、少なくとも1つの部分を持ち、その部分は基板の表面と同一平面に存在する。好ましくは、交互材料の1つは、基板と同じ速度でエッチングされ、好都合には、それは基板と同じ材料である。基板がシリコンならば、2つの材料は好都合にはSiとSiGeである。
【0093】
図2Bおよび2Cにおいて、1つの材料が他の材料に対して選択的にエッチングされる。
【0094】
エッチングは、好ましくは、基板と、該基板に近いエッチング速度を持つ交互層の材料とをエッチングすることができ、それによって装置の表面上にパターン5を形成する(図2B)。
【0095】
これは図1Aに示されたタイプの構造を与える。図1Cを参照してすでに上述したように、層4(2i)および4’(2i)の適切な組成が選択されれば、図1Cに示したタイプの構造を得ることもできる。
【0096】
このようにして得られた構造は、例えばナノインプリント材料のトレンチを形成するためのナノインプリントモールドとして、あるいはナノインプリントモールドを形成するための「マスター」ネガとして使われうる。
【0097】
あるいは、エッチングされた材料が基板に対して、および基板に近いか、または等しいエッチング速度を持つ材料に対して、好ましくは選択的にエッチングされるようにエッチングを選択することができる(図2C)。
【0098】
これは図1Bに示されたタイプの構造を与える。図1Dを参照してすでに上述したように、層4(2i+1)および4’(2i+1)の適切な組成が選択されれば、図1Dに示されたタイプの構造を得ることもできる。
【0099】
図2Dおよび2Eに示した場合では、第1の(図2D)2つの材料は異方的にエッチングされ、そのことはそれぞれのトレンチの2つの材料のレベルを減らすことにつながり、これらの2つの材料に対し実質的に同一であるレベルにつながる。
【0100】
次に、(図2E)1つの材料が他の材料に対して選択的にエッチングされる。これは図1Eに示されたタイプの構造を与える。
【0101】
このようにして得られた構造は、例えば、インプリント材料の突出するパターンを形成するためのナノインプリントモールドとして、あるいはナノインプリントモールドを形成するための「マスター」ネガとして使われうる。。
【0102】
図3Aから5Fは、図2Aで説明したタイプを得るための最初の構造をとりわけ可能にする、本発明の実施形態を示す。これらの方法のいくつかは他の構造を得るために使われうる。これらの方法もまた次のエッチングステップを有する。
【0103】
本発明による前記方法を図3Aから3Gに示す。
【0104】
基板2では、好都合に半導体材料、例えばシリコン(図3A)中に、トレンチ73と73’が深さhと幅Wにエッチングされる(図3B)。ゆえに、基板の上または中における3つのタイプの表面の間に区別がなされうる。つまり、トレンチの底70、トレンチの側壁71、および基板の最上部72(トレンチのエッチングによる影響を受けない基板2の上部分)である。選ばれたコンフォーマルな交互層の堆積と適合性のある材料から形成されるこれらの表面は、表面形態8(0)、すなわち基板の最上部と軸yに沿って異なるレベルに位置するトレンチの表面とを有する3D(三次元)表面を規定する。
【0105】
低い粗度および第1の材料の、厚さe(1)の、第1のコンフォーマルな層4(1)が、表面8(0)全体の上に堆積される(図3C)。一般に、この出願の全体において、上に堆積される表面8(0)の形態に層が従うならば、その層のことをコンフォーマルであるという。この第1の材料は、基板2に対して選択的にエッチングされうるように選択される。それは例えばSiGeである。この層は自由表面8(1)を持つ。
【0106】
次に、第1の材料のこの表面8(1)の上に、第2の材料の、低い粗度および厚さe(2)の、コンフォーマルな層4(2)が堆積される(図3C)。層4(2)の材料は、層4(1)の材料に対して選択的にエッチングされうるように選択される。一般に、この出願の全体において、エッチングステップの間に、1つの材料が他の材料に対して好ましくエッチングされる場合、すなわち1つの材料のエッチングの速度が他の材料のエッチング速度よりも大きい場合に、エッチングは2つの材料の間で選択的であるという。好ましくは、層4(2)の材料は、基板2と同じ速度でエッチングされ、好都合にはこの材料は基板、例えばシリコンと同じである。
【0107】
これらのステップは、形態全体にわたって厚さh2の複合薄層40を形成する、厚さe(1)からe(n)のn個のコンフォーマルな層4(1)から4(n)を得るように繰り返される(図3D)。層4(i+1)は層iの表面8(i)上に堆積され、そして層4(i+1)は、下にある層4(i)を形成する材料に対して選択的にエッチングされうるように選択された材料である。
【0108】
これは、お互いに対して選択的にエッチングされうる2つの上記で取り上げた材料の交互を生じさせる。つまり、
−第1の材料から成る奇数番目の層4(1)から4(2x+1)、
−および、奇数番目の層と交互に堆積され、また第2の材料で形成された偶数番目の層。これらの偶数番目の層は、基板上に堆積された層の合計数が偶数か奇数かに応じて、4(2)から4(2x)として参照される。
【0109】
それぞれの厚さe(1)からe(n)は数ナノメートルから数十ナノメートルの間、例えば1nmから100nmの間、好ましくは1nmから20nmの間にある。
【0110】
好ましくは、偶数番目の交互層はすべて同じ厚さを持つ。また同様に奇数番目の層も、好ましくはすべて同じ厚さを持つ。好都合に、それぞれの層は、例えば約10nm+/−2nmの厚さを持つ。交互層はすべて同じ厚さのものでありうる。例えば厚さe(1)からe(n)は10nmに等しくありうる。
【0111】
これらの層は低い粗度の多結晶でありうる。好ましくは、堆積された材料の少なくとも1つはアモルファスまたは単結晶構造を持ち、好都合に2つの堆積された材料はアモルファスまたは単結晶構造を持つ。それぞれの層の堆積は、例えばCVDまたはPECVD
を使ってなされ、あるいはエピタキシーによってさえなされうる。
【0112】
交互層から成る薄層40の全体厚さh2は、最も細いトレンチがこの薄層40で満たされるようなものでありうる。
【0113】
好ましくは、厚さh2は、トレンチの深さhより厳密には小さい。それは、それぞれのトレンチ73,73’における、軸yに沿ったスタック(層4(n))の最も外側の層の表面8(n)の一部が、基板2の最上部72より低いレベルに存在するようなものである。これは、基板のレベル72の下の、または基板のレベル72とトレンチの底のレベルとの間に存在する、層4(n)の材料の少なくとも高さh3を与える。
【0114】
トレンチがコンフォーマルな交互層によって完全に満たされないならば、スタック40の上に、満たされないトレンチの中央の幅w’の残りのトレンチ9,9’が存在することになる。この場合、充填材料3が、スタック40の最後のコンフォーマルな層4(n)を形成する材料に対して選択的にエッチングされうるように選択され、堆積される。そして好都合に、この最後のコンフォーマルな層は、充填材料3が基板材料に対する速度に近い速度でエッチングされうるようなものである(図3E)。例えば、充填材料3は基板材料と同一である。
【0115】
充填材料3はすべての表面8(n)の上に堆積され、それによって、幅w’で、そして表面8(n)の残りの形態を形成するトレンチ9,9’を満たす。充填材料3によって満たされたこれらのトレンチ9,9’は、厚さh2の複合薄層40によって、トレンチ73,73’の底70および側壁71から、また基板の最上部72から分離される。
【0116】
次に、この装置は、例えば化学機械的研磨によって、基板の最上部72の上に存在する複合薄層(図3F)の少なくともすべての厚さ、および基板の最上部72の上に存在する充填材料3の任意選択的な層、を除去するように、少なくともh2に等しい厚さだけ薄肉化される。
【0117】
薄肉化は、トレンチ73,73’における充填材料3の最小厚さh’3を残すように好都合に行なわれる(図3F)。研磨の後のこの最小高さは、軸yに沿った、最後に堆積された層4(n)の材料の、最小高さh’3+e(n)を維持すること、を可能にする。
【0118】
これは、そこから図2Bまたは2Cのステップが行なわれうるような構造を与える。
【0119】
次に、この構造は(図3G)、化学的または物理的エッチング、あるいは化学的促進エッチング(RIEタイプエッチング)を受けさせられる。このエッチングの特殊性は、他の層に対するコンフォーマルな交互層4(i)を形成する2つの材料の1つを選択的にエッチングするというものである。2つの材料の1つは他の材料よりも遅くエッチングされ、それによって装置の表面上にパターン5を形成する。
【0120】
図3Gに示された例において、エッチング深さの相違が、幅e(2i+1)かつ深さZのナノトレンチ6によってお互いに分離された幅e(2i)のパターン5を形成する。これらのパターンは、コンフォーマルな交互層4(i)で満たされたトレンチ73,73’に位置する。充填材料3が使われた1つの同じトレンチ73において、パターンのグループは、充填材料における幅w’のパターン50によって2つの部分に分けられる。本発明のこの実施形態のパターン5は第2の材料、例えば基板の材料と同一の材料から成る。そして、ナノトレンチ6の底は第1の材料から成る。
【0121】
それによって、充填材料内の部分、すなわちパターン50を通る平面P,P’に対して対称を持った構造が得られる。従ってこの平面は、1つの同じトレンチ73において作られたパターンのグループを2つの対称な部分に分ける。
【0122】
図3Gでのこの実施形態の1つの詳細部分は、スタック40の1つの層4(i)が、連続的な方法で、トレンチのそれぞれの側で、またその低い部分でトレンチ73内に配列されたものである、ということを見ることができる。平面Pに対する厚さの対称性、組成、およびエッチング速度の条件は、それゆえ確実にされる。
【0123】
あるいは、選択的エッチングが、基板に対して突出する、本発明の次の実施形態において説明されるような第1の材料から成るパターンを作るように選択されるべきである、ということが想定される。
【0124】
図1Gにおける装置は、ナノインプリントモールドを形成するためのモールドまたはインプリントスタンプとして、または直接ナノインプリントモールドとして使われうる。
【0125】
本発明による方法の他の実施形態を図4Aから4Eで説明する。
【0126】
この実施形態では、装置はSOIタイプの基板、すなわち組立体の硬さを確実にする厚い基板2から、半導体材料における高さhの薄い表面層20を分離する、埋設された絶縁層9を有する基板から作られる(図4A)。埋設された絶縁層9は、コンフォーマルな交互層を形成する材料の堆積を制限および/または回避するよう選択される。
【0127】
この絶縁層は、好都合に、酸化ケイ素であり、表面薄層はシリコンでありうる。
【0128】
第1の実施形態のように、トレンチ73,73’は、例えばフォトリソグラフィによって表面層20においてエッチングされる。埋設された絶縁層9は、このエッチングのための停止層を形成する。従って、トレンチの底は、絶縁材料における層9から成る(図4B)。ゆえに、トレンチの深さは表面薄層20の厚さhに等しい。
【0129】
このようにトレンチの底を形成する埋設された絶縁層9を形成している材料が、コンフォーマルな交互層4(i)のための材料の堆積を可能にしないので、活性な堆積表面8(0)は、基板の最上部72とトレンチ73の側壁71から成る。従って、この活性な表面は、ほぼもっぱら表面層20の表面から成る。
【0130】
図3Cから3Eを参照して前に説明した実施形態のように、厚さh2の複合層40が堆積される。それは、第1の材料と第2の材料との間に交互が得られるようにコンフォーマルな層4(i)を有する(図4C)。層4(i+1)は、層4(i)の表面8(i)の上にコンフォーマルな方法で堆積され、層4(i+1)は、コンフォーマルな層4(i)を形成する材料に対してエッチングが選択的であるような材料から成る。
【0131】
従って、それぞれの層は、それぞれのトレンチ73の2つの側壁71の少なくとも上に対称的に、堆積される。
【0132】
これらの層は、本発明の第1の実施形態と同じ基準に沿って選択される。しかしながら、トレンチの底を形成する絶縁材料9は、コンフォーマルな交互層を堆積することを可能にしない。ゆえに、トレンチの底に沿った層4(i)の堆積はない。そして、トレンチ73,73’に存在する交互層の部分は、基板2の平均平面にもっぱら垂直に方向づけられる。
【0133】
トレンチの底70と基板の最上部72との間のそれぞれのコンフォーマルな交互層の高さは、この実施形態では、常にトレンチの深さhに等しい。従って第1の実施形態と対照的に、トレンチの深さhに対する複合層40の厚さh2には制限がない。
【0134】
いくつかのトレンチが完全に層40で満たされないならば、これらのトレンチの満たされない部分は、好都合に、上記の実施形態で説明したような充填材料で満たされる。
【0135】
次に、基板の最上部72の上の複合層40の少なくとも一部を除去するために、そしてそれによって、お互いに対して選択的にエッチングされうる2つの交互の材料がトレンチ73,73’に対応する領域のみに存在するような装置を得るために、装置は、例えば化学機械的研磨の間に薄肉化される(図4D)。前の実施形態とは対照的に、基板の平面に平行な交互層4(i)のトレンチ73、73’における部分がない(図3Fと3Gと比較される)。このように、薄肉化の範囲にわたる、または薄肉化が実行される厚さにわたる制御は、本発明の第1の実施形態ほどに重大でない。
【0136】
図2Bまたは2Cのステップが行なわれうる構造がこのようにして得られる。
【0137】
次に、この構造は化学的または物理的エッチング(図4E)を受けさせられる。このエッチングの特殊性は、他の層に対するコンフォーマルな交互層4(i)を形成する2つの材料の1つを選択的にエッチングするというものである。2つの材料の1つは他の材料よりも遅くエッチングされ、それによって装置の表面上にパターン5を形成する。
【0138】
図4Eに示された例では、エッチング深さにおける相違は、幅e(2i)と深さZのナノトレンチ6によって互いに分離された、幅e(2i+1)のパターン5を形成する。基板2もまた、層4(2i)を形成する材料に近いエッチング速度でエッチングされる。従ってこれらのパターンは、基板2の残りの表面に対して突出する。充填材料3が使われた1つの同じトレンチ73において、パターンのグループは充填材料のパターンによって2つの部分に分けられる。本発明のこの実施形態のパターン5は第1の材料から成り、そしてナノトレンチ6の底は第2の材料、例えば基板材料と同一の材料から成る。
【0139】
これは、任意選択的に充填材料内の部分を通る平面P,P’に対して対称性を持つ構造を与える。従って、この平面は、1つの同じトレンチ73に作られたパターンのグループを、2つの対称な部分に分ける。
【0140】
あるいは、選択的エッチングが、基板に対して突出しない、前の実施形態で説明されたように第2の材料から成るパターンを作るように選択されるべきである、と考えられる。
【0141】
図4Eの装置は、ナノインプリントモールドを形成するためのモールドまたはスタンプとして、または直接ナノインプリントモールドとして使われうる。
【0142】
本発明の他の実施形態を図5Aから5Fで説明する。
【0143】
本発明のこの実施形態の説明は、前の実施形態と比較して詳細な変化部分のみとなる。
【0144】
本発明の第3の実施形態による1つの方法において、幅Wのトレンチ73,73’は、好都合に半導体材料、例えばシリコン、の基板2においてエッチングされる(図5A)。
【0145】
次に、厚さe(s)のスペーサータイプの材料10がトレンチ73の側壁71の上に堆積される。この材料は、好都合に、
−基板2の材料に対して、またコンフォーマルな交互層の堆積を制限する材料の将来的な層に対してそれが選択的に除去されうるように、
−それがその最後の材料の形成を可能にしないように、
選択される。
【0146】
この材料は、例えばSi、またはSiO2またはSi3N4またはHfO2またはSiGe...などでありうる。それは基板のすべての表面の上に例えばCVDによって堆積され、次にその材料のみがキャビティ73の側壁71の上に留まるように異方的にエッチングされる。
【0147】
次に、スペーサー10で覆われないすべての表面の上に、コンフォーマルな交互層を堆積することを制限または抑制する堆積または成長によって材料90が形成される(図5B)。側壁上へのスペーサー材料の存在は、酸化物タイプ、例えば酸化ケイ素の交互層を制限するその材料が、この実施形態では2つの形状に沿ってのみ、すなわちトレンチの底70において、および基板の最上部72の上に堆積される、ということを意味する。
【0148】
続いて、スペーサー材料は、好都合に、例えば選択的エッチングまたは溶解によって除去されうる(図5C)。例えば結合層として働くならば、それは維持されうることもある。
【0149】
前の実施形態のように、コンフォーマルな交互層が表面8(0)の上に堆積される。材料90で覆われない表面に対応するこの表面は、コンフォーマルな層の成長を制限または抑制する。従って前記表面8(0)は、スペーサー材料の表面、またはスペーサー材料を除去する時に解放される表面のいずれかに対応する。この表面8(0)は、スペーサーを備えた、または備えない、トレンチ73のすべての側壁71から成る不連続な表面である。
【0150】
コンフォーマルな交互層は前の実施形態と同じ技術を使って堆積される。
【0151】
表面8(0)の上に、厚さe(1)の、自由表面8(1)を持った第1の材料のコンフォーマルな層4(1)が堆積される。この表面8(1)の上に、第2の材料から成り、自由表面8(2)を持った、厚さe(2)のコンフォーマルな層4(2)が堆積される。このプロセスは、2つの材料の交互(交代)によって、n個の交互層が得られるまで続けられる。それぞれの層の厚さe(i)は要求される最終的形状の必要性に合うよう調整され、好都合には10nmより小さい。
【0152】
トレンチの底70および基板2の最上部72の上のコンフォーマルな層の成長を制限する材料90の層の存在に起因して、コンフォーマルな交互層はトレンチの側壁71に平行なトレンチ内にのみ、すなわち基板2の平面に垂直に堆積される。
【0153】
次に、基板の最上部72上の過剰な厚みが除去される(図5E)。この過剰な厚みは、
コンフォーマルな交互層4(i)の堆積を制限または抑制する材料の少なくとも層90から成る。この層90は研磨によって除去されうる。
【0154】
層90は好都合に、例えば化学的攻撃によるその構成材料の選択的な除去によって除去されうる。従って、トレンチ73,73’に存在するコンフォーマルな交互層4(i)は、化学機械的研磨によって劣化させられない。いかに研磨がこの交互層の露出を可能にするとしても、コンフォーマルな層は、厚さe(i)の前の層の部位の上に水平に堆積される。
【0155】
トレンチ73が複合層40によって完全に満たされないならば、残りの自由な(空いた)部分を満たすための充填材料を堆積することが好ましい。次にこの充填材料は、好ましくは、例えば過剰な厚みを除去するために研磨によって薄肉化される。
【0156】
これは、そこから図2Bまたは2Cのステップが行なわれうるような構造を得ることにつながる。
【0157】
次にこの構造は化学的または物理的なエッチングを受けさせられる(図5F)。このエッチングの特殊性は、他の層に対するコンフォーマルな交互層4(i)を形成する2つの材料の1つを選択的にエッチングするというものである。2つの材料の1つは他の材料よりも遅くエッチングされ、それによって装置の表面上にパターン5を形成する。
【0158】
図5Fの例では、エッチング深さにおける相違は、幅e(2i+1)と深さZ’のナノトレンチ6によって互いに分離された、幅e(2i)のパターン5を形成する。これらのパターンは、コンフォーマルな交互層4(i)で満たされたトレンチ73,73’内に位置する。充填材料がそのために使われる1つの同じトレンチ73において、パターンのグループは充填材料のパターンによって2つの部分に分けられる。本発明のこの実施形態におけるパターン5は、第2の材料、例えば基板材料と同一の材料から成り、ナノトレンチ6の底は第1の材料から成る。
【0159】
これは、任意選択的に充填材料内の部分を通る平面P,P’に対して対称性を持つ構造を与える。従って、この平面は、1つの同じトレンチ73におけるパターンのグループを、2つの対称な部分に分ける。
【0160】
あるいは、選択的エッチングが、本発明の前の実施形態で説明されたように第1の材料から成る基板に対して突出するように選択されうる、ということが考えられる。
【0161】
図5Fの装置は、ナノインプリントモールドを形成するためのモールドまたはスタンプとして、または直接ナノインプリントモールドとして使われうる。
【0162】
図3F、4D、および5Eの装置から図1Eおよび1E’で示したような構造を、基板の表面の下の同じレベルにそれら両方を位置させる(図2Dのように)ためにトレンチに堆積された2つのタイプの材料の異方性エッチングによって、次にトレンチの底に対して突出するがパターンの最上部はトレンチ内にあるようにしてパターンを得るために2つの材料の1つをエッチングすることによって、作ることもできる。
【0163】
ナノインプリントモールド300を使う時に、パターン5(j)の少なくとも1つの配列7を有するモールドは、基板200上に存在する可撓性の材料層110、例えば樹脂へプレスされる。そしてこの可撓性の層110は、ここでの残りの部分において樹脂と呼ぶことにする。プレスの時、パターン5(j)とリソグラフィされるべき基板200との間に厚さtiの樹脂110が残る(1つのパターン5のみを示した図6A,6A’を参照)。モールドパターンの密集度に変化があるならば、あるいはパターンの配列が均一かつ密集しているならば(図6B)、プレス後に、異なったパターン5(i)と基板200との間に残りの厚さtiの樹脂の局部的な不均一性が存在しうる(図6B’)。
【0164】
プレスの間に、樹脂110はパターンの周りに位置する自由空間6の中に効果的に流れ、パターン5またはパターン5(j)に置き換えられる。幅Wのパターンの通常の配列、一定の2つの隣接したパターンを分離する自由空間v(j)〜(j+1)において、パターンから所定の距離Dに位置する全体の自由空間は、エッジ効果に起因した配列におけるパターンの位置に関係して変化する。パターン5から距離Dにおける全体の自由空間は、そのパターンがパターン群の配列の中央にあるか(図6Bのパターン5(2)と5(3))、あるいは配列のエッジに近いか(図6Bのパターン5(1)と5(4))に応じて異なる。図6A〜6Dにおいては数パターンのみが示されているが、上記で説明した結果はパターンの数が多くなっても存在する。
【0165】
本発明により作られた装置によって、パターンの配列はトレンチ73中に得られたパターン5から成る。図1A、4E、または6Bのいずれかによる装置について、モールドが高さZだけ基板2(または図6Bの300)のレベルを上回るパターン5を持つので、配列7の中央よりもパターンの配列7のエッジに近くにより多くの自由空間がある。一方で、図1Bによる装置については、パターン5のレベルが基板2のレベルと同じであるので、パターンの配列7のエッジに近い利用可能な自由空間は、配列の中央よりも小さい。
【0166】
樹脂中にプレスされたパターン6の周りにある自由空間の利用可能性が少なければ、樹脂110はパターンに流れて置き換わることが少なくなり、残りの厚さをより厚く残す。ゆえに、パターンの配列において、配列のほぼ中央に位置するパターンの周りの利用可能な自由空間と、配列のほぼエッジ上に位置するパターンの周りの利用可能な自由空間との間の差は、残りの厚さtiの不均一性につながる。
【0167】
図6A、6A’、6B、6B’におけるもののようなプレスのステップの後に、モールドパターンが抜けた領域で基板200が露出することを可能にするエッチングステップが続きうる。このエッチングの間において、残りの厚さが最も薄い位置がより速くエッチングされ、下にある基板200の表面に最初に到達する。しかしながら、基板200のこの表面がすべてのパターンに到達するまでエッチングは続けられる。そのため、最初に露出されたパターンの過度のエッチングまたは追加のエッチングが存在する。この追加エッチングの間に、最初に開けられ露出されたパターンは、エッチング方法、例えばプラズマエッチング、に固有の横方向エッチングに起因して拡張される。従って、残りの厚さtjの不均一性は、エッチング後の横方向寸法にわたる制御の無駄につながる。これは、非常に良好な寸法の制御を要求されるナノ構造の製作に対する問題を引き起こす。
【0168】
この問題を克服する1つの方法は、パターンの周りの利用可能な自由空間を最適化することである。本発明による方法または装置に関して、自由空間(j)〜(j+1)は、ナノトレンチ6の深さZ(j)を調整することによって2つのパターン5(j)の間で変化させられる。これは図1Cと1Dの構造に対する場合である。
【0169】
このタイプの構造を作るのに使われうる1つの方法を図7Aから7Cに示す。また、この方法は、図5Aから5Fに示されたタイプの、本発明の実施形態で示される。そして図7Aから7Cは図5Dから5Fを置き換える。あるいは、図3A〜3Gおよび/または図4A〜4Eで説明された方法に従う本発明の実施形態において、図7A〜図7Cで以下に説明される原理を使うことができる。
【0170】
コンフォーマルな交互層でトレンチ73,73’を満たす時、1つの材料のエッチング速度が修正される。この修正は、1つの交互材料の組成を、その材料から成る1つの層から他の層まで調整することによって作られる(図7A)。この目的のため、化学組成が1つの層から他の層へと調整されうるような材料が使われうる。例えば、少なくとも2元系の合金であって、その組成が1つの層から他の層へと進展させられるものである。このような材料の例がこの先で与えられる。
【0171】
従ってこの実施形態による1つの有利な方法において、少なくとも2つの、第1の材料から成る奇数番目の層(2i+1)は異なった組成を持つ。例えば第1の材料がSiGex(x>15%またはさらにx>20%)であるならば、1つの奇数番目の層は組成SiGexを有し、他の奇数番目の層は組成SiGex’を有し、好ましくは0<x’<xであって、x’もまた15%または20%より大きい。さらに、2以上の奇数番目の層が異なった組成を持つならば、xは1つの奇数番目の層から他の層まで変動しうる。ここにxは、好ましくは15%または20%より大きく、x’より小さい。組成におけるこれらの相違は、奇数番目のコンフォーマルな層のエッチング速度における相違を誘発するよう選択される。得られたエッチング速度は、例えば基板および/または第2の材料の速度と第1の材料、ここではSiGex、の速度との間に存在しうる。あるいは、エッチング速度が基板の速度に近いか、または等しいような材料から成る偶数番目の層は、少なくとも2つの層間の組成において相違を有する。
【0172】
次に、本発明の方法によれば、基板の最上部72の上に存在する少なくともすべての材料を除去するために、薄肉化ステップが行なわれる(図7B)。
【0173】
エッチングステップの間、奇数番目の(あるいは偶数番目の)層のいくつかの間での組成の変化が、これらの層の間に異なるエッチング反応を提供する。従って、基板のレベルに対して可変である、深さZ(2i+1)のナノトレンチ6によって分離された薄いパターンを有するナノインプリント構造を得ることが可能である(図7C)。そして、最終的な装置は、幅e(2i+1)の、可変の深さZ(2i+1)の、第2の材料のパターン5によって分離されたトレンチ6を有する基板2から形成される。
【0174】
パターンを分離するナノトレンチ6の底のレベルZ(j)における前記変化は、それぞれのパターン5(j)のいずれかの側の自由空間v(j)〜(j+1)を修正することを可能にする(図6C)。従って、パターン5と基板200との間に存在する樹脂100の流れを、1つのパターン5(j)から他のパターンまで均一とすることができるのに十分な自由空間が存在する。従って、プレスの後に、tに等しくなるように残りの厚さtjの均一性に影響を与えることが可能である(図6c’)。それにより、モールドを除去した後に、モールド300を樹脂110にプレスすることによって形成されるナノトレンチ50の底の厚さtjの不均一性は最小にされる(図6D)。
【0175】
この実施形態による1つの有利な方法において、1つの同じタイプの材料から成る異なった層4(i)の間の化学量論(stoichiometry)の相違は、エッチングの後に、2つのパターン5の間の自由空間6が、ナノインプリントモールドを使う時に残りの厚さtiの不均一性を最小にするよう最適化されるようなものである。
【0176】
パターンが基板とレベルZの相違を持つならば(図1Cの場合)、層4(i)の組成は、ナノトレンチの深さZ(2i)が、トレンチ73(またはパターンの配列7)の中央においてこれらのトレンチまたは配列のエッジよりも大きいようなものである。さらに好都合に、層4(i)の組成は、エッチングの後に、トレンチ73の中央の方に、または側壁の1つの上のパターンの配列の中央の方に拡張するのに従って、深さZ(2i)がエッジから増加するようなものである。(例えば図3Fでは、幅Aの領域が考慮され、トレンチ全体73を満たす材料の全体幅A’ではない。)
【0177】
あるいは(図1Dの場合)、パターンが基板のレベルにあるならば、層4(i)の組成は、エッチングの後に、ナノトレンチの深さZ(2i+1)が、トレンチ73(またはパターン7の配列)のエッジ上で、それらのトレンチまたは配列の中央よりも大きいようなものである。さらに好都合には、層4(i)の組成は、エッチングの後に、深さZ(2i+1)が、トレンチ73または配列7の中央の方に拡張するのに従って、エッジから減少するようなものである。
【0178】
パターンの局所的な深さ、特に配列の中央に位置するパターンとエッジ上に位置するそれらとの間の深さの相違を最適化するために、図8A〜8Fを参照して説明した内容に従って進めることができる。図8A、8C、8Eは、それぞれ、それ自体が基板200上に配列された樹脂110の層の上のモールド300を示し、図8B、8D、8Fは、モールドが内部にプレスされた後の樹脂の全般的形状を示す(樹脂中に形成されたパターンは示されず、その全般形状のみが示される)。図8Aのモールドは図1Bを参照して上記で説明されたタイプのものであり、図8Cのモールドは図1Aを参照して上記で説明されたタイプのものであり、図8Eのモールドは図1Cを参照して上記で説明されたタイプのものである。樹脂110がその厚さe3をプレス後でさえ均一に維持することは、この最後のモールドによる(図8F)。
【0179】
最初の局面の際に、樹脂110における第1のプレスが、すべての歯の深さが同一であるモールド、すなわち図1Aまたは図1Cに示すタイプのモールドによってなされる。これは、例えばSEM、または散乱法、またはAFMのような技術を使って測定可能な、残りの厚さe1,e2の分布(図8B、図8D)を持ったあるインプリントプロファイルを与える。
【0180】
これらの測定は、インプリンティングを均一化し、さらに均一な残りの厚さを得るためにモールドの異なった領域間で得られなければならない高さの相違を決定するために使われる。
【0181】
例えば図8Dの場合に対し、残りの厚さe2は配列の中央でより大きく、それによって、エッジと中央との間で測られた相違に等しいさらなる深さを持ったその位置においてさらに深いモールドが必要とされる(配列のエッジの上に基準があることを考慮する場合)。
【0182】
樹脂のために利用可能な空間を局所的に調整することによって、これは、熱間インプリンティングで時間を取る長い距離にわたって樹脂の流れを克服する。
【0183】
本発明の1つの方法において、図3G、4E、および5Fで説明されたステップの間に、交互層4(2i)(第2の材料)は、好ましくは基板と同じオーダーのエッチング速度を持つ。これらの層を形成するこの第2の材料は、好都合に基板の材料と同じでありうる。
【0184】
選択的にエッチングされうる、またコンフォーマルな交互層4(i)を形成する2つの材料によって形成される対は好都合にSi/SiGeの対であって、SiGeは15%以上のGeを含み、酸化ケイ素はSiおよびSiGeにおけるコンフォーマルな層4(i)の堆積を制限することが可能である。
【0185】
化学組成が1つの層から他の層へと調整されうる1つの材料は、例えばSixGe1−xまたはSixC1−xまたはSixN1−xまたはSiCxN1−xまたはAlxGa1−xAsのような、少なくとも二元系の合金である。前記材料の堆積物は必ずしも単結晶ではなく、それは堆積ステップの間に多数の合金を可能にするアモルファスでありうる。
【0186】
この出願に対して、合金は、それぞれの要素の相対的な組成が変化させられる時に、その能力に関連して異なった速度でエッチングされるよう選ばれる。
【0187】
この目的のため、可変的な組成、すなわち異なったxSによってウェーハ全体の堆積物を最初に作ることができる。次に、1つの同じエッチング化学反応によって、異なった組成のエッチング速度が決定される。所定の組成の合金と同じ合金であるが異なる組成のものとの間のエッチング速度比が1とは異なる場合、これらの組成のこの合金が使われうる。
【0188】
逆に、トレンチ73が形成される基板は、好都合に、コンフォーマルな交互層を形成するように選ばれた対の材料の1つ、例えばSi、SiGe、またはSiO2から選択されうる。
【0189】
本発明の実施形態および装置の使用の例を図9から12に与える。
【0190】
SiおよびSiGeでナノトレンチの底がSiGeである、本発明の1つの方法を適用することによって得られた図1Aのような装置の断面が、走査型電子顕微鏡で得られる図9で与えられる。ナノトレンチ(SiGe)によって分離されたパターン(Si)を見ることができ、該パターンの最上部のレベルが基板のレベルに実質的に等しい。
【0191】
図10と11は上方からの走査型電子顕微鏡で得られたイメージであり、これらの2つの図面の面は図1Aの基板(2)の平面である。これら2つの図は本発明に従った方法を使って得られた異なった装置(やはり第1のパターンにはSi、そして第2のパターンにはSiGe)を示す。
−図10は(8μmx8μmのイメージ)、らせん状トレンチの、該トレンチの中央に充填材料がない装置であり、それによって全体的な構造が、ナノトレンチによって分離されたトレンチの最初の形状に従うようなパターンの配列に従う。
−図11は(750nmx750nmのイメージ)、トレンチがトレンチの配列の形態であるような本発明の第2の装置である。トレンチが交互層で完全に満たされないので、充填材料の厚さによって分離されたそれぞれのトレンチにパターンの2つの配列がある。得られたパターンは10nmの幅を持ち、幅10nmのナノトレンチによって分離される。
【0192】
図12(1μmx1μmのイメージ)は、ナノインプリントモールドを樹脂中にプレスし、次にモールドを解放した後に可撓性の層の上で得られる形態であって、該モールドが本発明に従って作られ、かつ本発明のパターンが作られたトレンチが円形である場合を示す。
【0193】
これらのパターンは、それぞれが真っ直ぐなファセットを形成することによって得ることができ、これは、曲線を形成することがあまり適切でないような結晶質材料が使われる場合である。アモルファス材料が使われるならば、曲線を含む形状が得られる(それは例えば図12の場合である)。
【0194】
一般に、他の材料に対する1つの材料の選択性は、化学的または物理的エッチング、あるいは化学的に支援されたエッチングに関係する。例えば、以下の文献から、異なったタイプのエッチングの下での材料の挙動に関する情報を得ることができる。
・Handbook of Plasma Processing Technology: Fundamentals, Etching, Deposition, and Surface Interactions (Materials Science and Process Technology), Stephen M. Rossnagel et al. Noyes Publications (January 1, 1990) ISBN-10: 0815512201; ISBN-13: 978-0815512202
・Physics of Semiconductor Devices by Simon M. Sze, Wiley-Interscience; 2nd Edition (September 1981), ISBN-10: 0471056618, ISBN-13: 978-0471056614;
・Plasma etching and reactive ion etching (American Vacuum Society monograph series) by J. W Coburn, American Institute of Physics (1982) ISBN-10: 0883184060; ISBN-13: 978-0883184066.
【符号の説明】
【0195】
2 基板
2’ 自由表面
3 充填材料
4(i) 交互層
4(1) 第1の材料層
4(2) 第2の材料層
4,4’ 複合領域
5 パターン
6 ナノトレンチ
6 自由空間
7 グループ
8(0) 表面
8(1) 自由表面
8(n) 表面
9,9’ トレンチ
10 スペーサー
17 多層
20 表面層
40 複合層
50 ナノトレンチ
70 底
71 側壁
72 最上部
73,73’ トレンチ
90 材料
100 樹脂
110 樹脂
200 基板
300 ナノインプリントモールド
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆるナノインプリント、すなわち、構築されるべき基板上に堆積された樹脂層の中に、場合によってマイクロメートル級および/またはナノメートル級の寸法を持ったネガタイプのパターンを有するモールドをプレスすることによって、ポジタイプのインプリントを作るために使われるリソグラフィ技術の領域に関する。
【0002】
従って、樹脂またはポリマーの、数ナノメートルから数ミクロンの幅を持ったパターンを得て、そして次にそれらを基板に転送することことが可能である。
【背景技術】
【0003】
この技術によって、多数の構造を、一つのモールドから経済的かつ確実に、速やかに形成することが可能である。つまり、一つのモールドの使用は、時間および/または金に関して高くつくような一つの手法の実行のみを必要とするだけであって、要求されるナノメートル級の解像度を持った構造を得るために、それが単独で使われうる。
【0004】
ナノインプリントによるリソグラフィを実行するのには、現在、2つのアプローチが可能である。
・ポリマーを、そのガラス転移温度を超えて加熱すること、および一般にシリコンまたはニッケルのモールドによってそれを形成することから成る熱間インプリント、
・UV支援インプリント。この場合、例えば石英(水晶)の透明なモールドが、モールドが用いられる間に、モノマーまたはUV露光によって架橋結合されたプレポリマーにプレスされる。この技術は、現在、主要な開発を経験している。なぜなら、異なるインプリントされたレベルを透明なモールドにそろえることが可能であるからである。
【0005】
モールドの製造は決定的な(重大な)ステップである。というのは、解像度、モールドの寿命、ナノインプリントおよびナノモールディングの製造速度、および収益性は、使われるモールドの品質とコストに大いに依存するからである。
【0006】
モールドの表面上のレリーフ(浮き彫り)におけるプリントされるべきパターンは、以下のいずれかによって得られる。
−電子的リソグラフィと反応イオンエッチング、
−または他の予め作られたモールド(マスター)の複製
【0007】
電子的リソグラフィを用いて、電子に感応性の樹脂の層上に合焦点された電子ビームでモールドを得ることができる。次に樹脂の物理化学的特性が選択的に修正されうる。このビームは限定された絶縁物の領域への電磁場によって案内される。そのために、何らかのタイプの形状が作られうる。高い精度でサンプルを1つの領域から他の領域まで機械的に動かすことによって、大きな表面またはウェーハ全体をカバーするパターンが描ける。
【0008】
電子−樹脂/基板の相互作用および使われる樹脂の特性に対する電子リソグラフィシステムの性能レベルを考慮して、得られる最小寸法は密集するパターン(ラインまたはパッドまたはスペースの配列)に対して通常20から50nmであり、いわゆる隔離されたパターン、例えばライン、に対して6から10nmに達しうる。さらに小さい寸法の構造を規定するために、非特許文献1に記載されるように、より大きなエネルギーの電子ビームが使われうる。
【0009】
例えば、いわゆる「e−ビーム」タイプの電子的リソグラフィ法は、一般に、非常に高い解像度を持ったモールドを作るために使われる。光学リソグラフィ法(193nm浸透リソグラフィ)は、30nm以下の解像度を持ったパターンを得ることを可能にしない。
【0010】
電子的リソグラフィが非常に高い解像度の達成を可能にする一方で、それはいくつかの主要な制限を持つ。つまり、
・電子ビームによる樹脂の書き込みスピード(従ってナノインプリントマスクの製作のスピードとコスト)は、通常、最も高い解像度(10nm以下)に達することができる装備で書き込むことに対して数10−4cm2/sに、またマルチビーム、成形ビーム、または投影技術に対して数cm2/sのオーダーに制限される(しかし解像度はその時30nmに制限される)。
・どんな種類の形状に対しても達成できる解像度は伝統的に20nm以上である。10nm以下の解像度は、一般に孤立したラインまたはパッドのような、あるいは小さな密集度を持つような、すなわち最も近い隣接したものから、パターン自体の大きさよりほぼ3から4倍大きい(さらにもっと大きい)離隔距離をもった、非常に単純な究極のリソグラフィによって達成されるのみである。
・前記電子的リソグラフィ法の高いコスト。この究極のリソグラフィを行なうために必要な装備は非常に複雑であり、そして非常に高価である。また、書込み速度が光学リソグラフィのものよりも2から3倍遅いため、このことは、大きな活性表面(数cm2より大きい)を持った高解像度モールドを製造するためのコストが、過度に高いことを意味する。それでも、ナノインプリントモールドがなお有利になるほど、その表面はますます大きくなる。
・ゆえに、形成された究極のタイプのパターン(<10nm)は2D(二次元)タイプの幾何学的形状を持つ。電子的リソグラフィが、2Dタイプ(二次元タイプ)パターン、つまりそれぞれのパターンがいわゆるスレシュホールド樹脂を使って同じ深さを持つもの、および、いわゆるグレースケール樹脂を使った3Dタイプ(三次元タイプ)パターン(パターンに応じて可変の深さを持つもの)の両方を規定することを可能にする。それにもかかわらず、現在では、電子的リソグラフィの究極の解像度能力を3Dタイプのパターンを形成するその能力と組み合わせることはできない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】F.Carcenac et al. in Microelectron. Eng. 53, p. 163 (2000)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って本発明の目的は、これらすべての制限に対する技術的な解決策を提案することである。
【0013】
本発明の一つの特定の目的は、いくらかの高さ(但しこの用語は、高さおよび/または深さの意味で使われる)を持ったモールドを作るための従来の方法に必要とされるような、一連のリソグラフィ−エッチングのステップをいくらも使うことなしに、三次元モールドを作ることである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、第一に、三次元のインプリントモールドを製造する方法であって、少なくとも、
a)基板における幅Wと深さhの、少なくとも1つのトレンチを、例えば光学リソグラフィによって形成するステップと、
b)これらのトレンチにおいて交互層、例えば、基板に少なくとも部分的に垂直な、トレンチのプロファイル(側面)に沿って堆積されたコンフォーマルな層であって、第1の材料、および該第1の材料に対して選択的にエッチングされうる第2の材料にあるような、を形成するステップと、
c)前記層を選択的にエッチングし、少なくとも、以下を有する形態(トポロジー)を形成するステップ、つまり、
−前記形態のいずれかの側の配置された、その最上部が基板の表面に対する第1のレベルに存在する第1のパターンであって、これらの第1のパターンが第1の材料にあるもの、
−および、基板の前記表面に対して少なくとも第2のレベルを持ち、第1のレベルとは異なり、かつそれより低い第2のパターン、例えば第1のパターンと交互するナノトレンチであって、これらの第2のパターンが第2の材料にあるもの、
を有する形態を形成するステップと、
を有することを特徴とする方法に関する。
【0015】
この方法はナノインプリントモールドを得ることを可能にする。このモールドにより、例えば、樹脂のような材料にインプリントされる、ラインの密集する配列を作ることができ、これらのラインはトレンチによって規定された輪郭に沿ったものとなる。
【0016】
交互層は、トレンチの中央を通過し、基板の平面およびトレンチの底に垂直な平面に対し、すべての堆積された層が少なくとも2つの対称な部分を有するようにトレンチに堆積されうる。
【0017】
本発明による1つの方法において、交互層はエピタキシーによって形成されうる。
【0018】
選択的エッチングが、形態のいずれかの側で基板の少なくとも一部をエッチングすることをも可能にするならば、第1のパターンは基板の表面に対して突出する。例えば第2の材料は、好ましくは基板と同じ速度でエッチングされる。この第2の材料はまた、基板の材料と同一でありうる。
【0019】
変形として、エッチングが第2の材料を好ましくエッチングするならば、選択的エッチングの後の第1のパターンの最上部は、基板の表面のレベルに等しいレベルを実質的に持つ。
【0020】
他の変形において、この方法は、
−ステップc)の前の、第1および第2の材料の2つのレベルを基板の最上部のレベルより低いレベルにすることを可能にする、第1の材料および第2のタイプの異方性エッチング、
−次に第2の材料の選択的エッチングであって、選択的エッチングの後の第1のパターンの最上部が基板の表面のレベルより低いレベルにあるようにすること
を有する。
【0021】
ステップb)は、基板およびトレンチの底にもっぱら垂直な交互層のトレンチにおける形成を有しうる。
【0022】
トレンチの底に平行なコンフォーマルな交互層の堆積を制限または抑制する材料がトレンチの底に存在しうる。これは例えば酸化物である。任意選択的な表面研磨の後にトレンチに作られた交互層は、トレンチの底の表面にもっぱら垂直である。
【0023】
本発明による1つの方法において、基板はSOIタイプのものとすることができる。そして次に、トレンチの底に存在する交互層の堆積を制限または抑制する材料の任意選択的な層が、埋設された絶縁層の範囲までSOI半導体材料の表面層をエッチングすることによって得られうる。
【0024】
あるいは、コンフォーマルな交互層の堆積を制限または抑制する材料の層も堆積によって形成されうる。
【0025】
1つの変形によれば、コンフォーマルな交互層の堆積を制限または抑制する材料は、交互層の堆積の前に基板の最上部の上にも存在し得る(それはその時例えば堆積または成長によって得られる)。そして交互層の堆積の後に除去される。次に交互層のみがトレンチ内に形成され、トレンチの底の表面にもっぱら垂直に堆積される。
【0026】
トレンチの底および基板の最上部の上への交互層の堆積を制限または抑制する材料を形成することは、いわゆる「スペーサー」材料の層を堆積することを有ししうる。
【0027】
例えばこの「スペーサー」材料は、基板の最上部、トレンチの側壁および底から成る組の上に堆積され、次にトレンチの側壁にもっぱらならうか、または沿ったスペーサー材料を残すために、光等方的にエッチングされる。
【0028】
最終的に、堆積を制限または抑制する層は、トレンチの底および基板の最上部の上への堆積または反応によって形成されうる。
【0029】
ステップb)は、基板およびトレンチの底に部分的に垂直で、そしてトレンチの底の表面に部分的に平行な交互層のトレンチにおける形成を有しうる。
【0030】
トレンチの底の表面に平行な交互層の部分は、トレンチに配置され、またトレンチの底の表面に垂直な交互層の2つの部分をつなぐ。
【0031】
交互層の一部は基板の最上部の上に形成されうる。これらは次に、基板の最上部の上に、少なくともトレンチの側壁に沿って、そしてそれぞれのトレンチの周りに堆積され、続いて基板の最上部を露出するように、化学的または機械的技術(研磨)によって、あるいは化学機械的研磨によって基板の最上部の上で薄肉化が行なわれる。
【0032】
本発明の1つの方法において、いくつかのトレンチが交互層で完全に満たされないならば、自由表面の任意選択的な研磨の前に、充填材料の層の堆積を実行することもできる。この充填材料は、好都合には、交互層のために使われた少なくとも1つのタイプの材料と同じタイプのものであり、それは好ましくは、堆積された最後の層の材料と異なる。次に、充填材料は、部分的な平面性を復元する層によって充填されないトレンチの部分を充填する。
【0033】
充填材料はまた、基板の最上部の上、または基板の最上部の上に存在する交互層の上にも堆積されうる。そして基板の領域の露出が、例えば化学的または機械的技術(研磨)、あるいは化学機械的研磨を使った薄肉化によってなされる。
【0034】
好都合には、充填材料は最後に堆積された交互層に対して選択的にエッチングされうる。
【0035】
交互に堆積される層の数は、
−堆積された最後の層が基板に対して選択的にエッチングされうる、
−充填材料が基板と同じ材料である、
ようなものでありうる。
【0036】
本発明の枠組みで使われる選択的エッチングは、第2の材料の部分的なエッチングでありうる。そして第2の材料から成る第2のパターンの底は第1の材料に対して好ましくエッチングされる。
【0037】
本発明はさらに、三次元のインプリントモールドを形成する装置であって、少なくとも、
−少なくとも1つの交互層を有する基板であって、該層が、第1の材料と、該第1の材料に対して選択的にエッチングされうる第2の材料の、基板の平面に垂直な少なくとも1つの部分を持つような基板と、
−表面形態であって、少なくとも、
a)第1のパターンであって、その最上部が、前記形態のいずれかの側に配置された基板の表面に対する第1のレベルにあり、これら第1のパターンが第1の材料であるようなもの、
b)および、例えばトレンチまたはナノトレンチである第2のパターンであって、その最上部が基板の前記平面に対して、第1のレベルとは異なってそれより低い第2のレベルにあり、これらのパターンが第2の材料であるようなもの、
を有する表面形態と、
を有することを特徴とする装置に関する。
【0038】
第1のパターンは基板の前記表面に対して突出し、基板材料とは異なった材料でありうる。
【0039】
第1のレベルは、実質的に基板の前記表面に近接する。
【0040】
第1のレベルは基板の前記表面より低くありうる。
【0041】
1つの特定の実施の態様による、本発明の1つの方法または装置において、第2のパターンは、1つの第2のパターンから他の第2のパターンへとエッチング速度が変化するような材料にある。エッチングの後に、これは、少なくとも2つの異なったレベルを持った第2のパターンの形成、または、深さまたはレベルが作られるトレンチ内で変化する第2のパターン、例えばナノトレンチをもたらす。
【0042】
例えば交互層を形成する第2の材料は、特定の化学量論(stoichiometry)の組成におけるバリエーションを持つことができる。例えば、少なくとも2つの奇数番目の層は同じ組成から得られるが、お互いに組成は異なる。そして、異なった組成のこれらの層は、異なるエッチング速度を持ち、その異なる速度は、エッチングの後に、交互層で使われる異なった組成が存在するような数のレベルを持ったパターンを形成することにつながる。
【0043】
2つの異なった交互層間のエッチング速度の相違は、好ましくは、2つの第1のパターンを分離する第2のパターンのレベル(またはナノトレンチの深さ)のバリエーションが、本発明によるナノインプリントの使用時にリソグラフィされるべき基板とこのナノインプリントモールドとの間に存在する、インプリント材料の残りの厚さの不均一性を減らすために最適化される、そのようなものである。
【0044】
例えば、第1の材料はSiであり、第2の材料はSiGex(x>15%)であり、そして第2の材料の2つの層は組成SiGex1とSiGex2を持ち、ここにx1≠x2で、好ましくはx1>15%およびx2>15%である。
【0045】
バリエーションとして、交互層を形成する材料はSi、SiO2、HfO2、Si3N4、ZrOの中から選択される。また例えば、第1の材料および第2の材料として選ばれる材料の対は、Si/SiO2、またはHfO2/SiO2の対、またはSiO2/Si3N4の対、またはZrO2/SiO2の対とすることができ、あるいは金属材料の対でさえありうる。
【0046】
本発明の方法または装置の1つの特定の実施の態様によれば、基板は交互層を形成する材料の対の材料の1つでありうる。
【0047】
本発明による1つの方法または装置において、交互層を形成する2つの材料の1つのものおよび/または他のものは、アモルファスまたは単結晶または多結晶でありうる。
【0048】
本発明による1つの方法または装置において、交互層は10nm以下、あるいは1nmから10nmまたは20nmの間の厚さを持ちうる。
【0049】
本発明の、および/または、本発明の方法によって製造された装置は、「製品」基板をコーティングするポリマー層においてナノインプリントによるパターンを製造するモールドとして、あるいはナノインプリントモールドを形成するネガとして、使われうる。
【0050】
本発明の方法の後に、複雑なモールドを得るために電子的リソグラフィによってパターンを付加することもできる。そして、本発明による方法の使用は、マスクを使う電子的リソグラフィの必要性を減らすことを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1A】本発明よって得られる種々の装置示す。
【図1B】本発明よって得られる種々の装置示す。
【図1C】本発明よって得られる種々の装置示す。
【図1D】本発明よって得られる種々の装置示す。
【図1E】本発明よって得られる種々の装置示す。
【図2A】本発明によるナノインプリントモールドを形成するための種々の方法を示す。
【図2B】本発明によるナノインプリントモールドを形成するための種々の方法を示す。
【図2C】本発明によるナノインプリントモールドを形成するための種々の方法を示す。
【図2D】本発明によるナノインプリントモールドを形成するための種々の方法を示す。
【図2E】本発明によるナノインプリントモールドを形成するための種々の方法を示す。
【図3A】本発明による第1の方法のステップを示す。
【図3B】本発明による第1の方法のステップを示す。
【図3C】本発明による第1の方法のステップを示す。
【図3D】本発明による第1の方法のステップを示す。
【図3E】本発明による第1の方法のステップを示す。
【図3F】本発明による第1の方法のステップを示す。
【図3G】本発明による第1の方法のステップを示す。
【図4A】本発明による第2の方法のステップを示し、コンフォーマルな層の堆積を抑制する材料の層が1つの表面の上に存在していることを示す。
【図4B】本発明による第2の方法のステップを示し、コンフォーマルな層の堆積を抑制する材料の層が1つの表面の上に存在していることを示す。
【図4C】本発明による第2の方法のステップを示し、コンフォーマルな層の堆積を抑制する材料の層が1つの表面の上に存在していることを示す。
【図4D】本発明による第2の方法のステップを示し、コンフォーマルな層の堆積を抑制する材料の層が1つの表面の上に存在していることを示す。
【図4E】本発明による第2の方法のステップを示し、コンフォーマルな層の堆積を抑制する材料の層が1つの表面の上に存在していることを示す。
【図5A】本発明による第3の方法のステップを示し、コンフォーマルな層の堆積を抑制する材料の層がウェーハの領域の上およびラインの端部に存在していることを示す。
【図5B】本発明による第3の方法のステップを示し、コンフォーマルな層の堆積を抑制する材料の層がウェーハの領域の上およびラインの端部に存在していることを示す。
【図5C】本発明による第3の方法のステップを示し、コンフォーマルな層の堆積を抑制する材料の層がウェーハの領域の上およびラインの端部に存在していることを示す。
【図5D】本発明による第3の方法のステップを示し、コンフォーマルな層の堆積を抑制する材料の層がウェーハの領域の上およびラインの端部に存在していることを示す。
【図5E】本発明による第3の方法のステップを示し、コンフォーマルな層の堆積を抑制する材料の層がウェーハの領域の上およびラインの端部に存在していることを示す。
【図5F】本発明による第3の方法のステップを示し、コンフォーマルな層の堆積を抑制する材料の層がウェーハの領域の上およびラインの端部に存在していることを示す。
【図6A】ナノインプリントモールドを使うための方法と、いわゆる残りの層の厚さの現象を示す。
【図6B】ナノインプリントモールドを使うための方法と、いわゆる残りの層の厚さの現象を示す。
【図6C】ナノインプリントモールドを使うための方法と、いわゆる残りの層の厚さの現象を示す。
【図6D】ナノインプリントモールドを使うための方法と、いわゆる残りの層の厚さの現象を示す。
【図7A】複合層の1つのタイプの交互材料が、その材料を含む1つの層から他の層までの組成のバリエーションを有するような実施形態を示す。
【図7B】複合層の1つのタイプの交互材料が、その材料を含む1つの層から他の層までの組成のバリエーションを有するような実施形態を示す。
【図7C】複合層の1つのタイプの交互材料が、その材料を含む1つの層から他の層までの組成のバリエーションを有するような実施形態を示す。
【図8A】使われるモールドと関係する、樹脂で作られたインプリント形状の比較例である。
【図8B】使われるモールドと関係する、樹脂で作られたインプリント形状の比較例である。
【図8C】使われるモールドと関係する、樹脂で作られたインプリント形状の比較例である。
【図8D】使われるモールドと関係する、樹脂で作られたインプリント形状の比較例である。
【図8E】使われるモールドと関係する、樹脂で作られたインプリント形状の比較例である。
【図8F】使われるモールドと関係する、樹脂で作られたインプリント形状の比較例である。
【図9】選択的エッチングステップの後に、本発明による方法の1つに従って得られた装置の断面を示す。
【図10】本発明による方法の異なった結果を示し、らせん形状のトレンチにおけるものを示す。そして、ナノトレンチによって分離された交互のパターンはトレンチの最初の形状に沿って広範囲な模様を持つ。
【図11】本発明による方法の異なった結果を示し、ラインの配列から形成されたトレンチにおけるものを示す。そして、ナノトレンチによって分離された交互のパターンはトレンチの最初の形状に沿って広範囲な模様を持つ。
【図12】本発明に従って得られたナノインプリントモールドの使用の後に、変形可能な層上に得られた、円形のトレンチを有する結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本発明の実施形態を、様々な要素の参照番号が様々な図面に共通である図1から3を参照しながら、以下で詳述する。
【0053】
本発明による装置の実施形態を図1Aから1Dで詳述する。
【0054】
これらの装置のそれぞれ、または以下で説明された方法を使って製造されたそれぞれのものは、好ましくは半導体材料である第1の材料の基板2を有し、そして好都合にシリコン、例えば単結晶シリコンでありうる。他のタイプの材料は、例えばSiO2、またはSiGe、またはGe、またはサファイア、またはAsGa、またはガラス、または石英が選択されうる。
【0055】
この基板の表面上にはパターン5(または第1のパターン)の少なくとも1つの配列、または、前記パターン5の、幅Wのグループまたは集合体7がある。異なったパターンの最上部は、基板2の平面に平行な平面において実質的にすべて整列される。同様に、異なったパターンの最下部は、すべてそれらが含まれる基板の表面に対して実質的に同じレベルに存在する。
【0056】
パターンのグループ7は、基板2の、また図1A〜7Dのそれぞれの平面に垂直な平面P,P’に沿って少なくとも局所的な対称を持っている。
【0057】
それぞれのパターンは基板に実質的に垂直に配列され、そして実質的に壁の形態にある。一次元(図1A〜7Dのそれぞれの平面に垂直)では、それはその幅W(これは、図1A〜7Dの平面に沿って測られたものである)に対して大きく延長され、そして実質的に1nmから20nmの間である。好ましくは、それぞれのパターンは10より小さい形状比率を持ち、この形状比率は、基板の平面に実質的に垂直な方向に測られたパターンの高さと、その幅Wと、の間の比率と定義される。異なったパターン5の幅は、好都合に、お互いに同一である。図1Aから7Dの平面において、それぞれのパターンは実質的に矩形のものである。パターンの1つの同じ配列において、これらは互いに平行に配列される。図1A〜7Dの平面に沿った結果は、くし形である。
【0058】
トレンチまたはナノトレンチ6(または第2のタイプのパターンのパターン)は、実質的に1nmから100nmの間の距離だけ、どれかの2つの隣接したパターン5(または第1のタイプのパターンのパターン)を分離する。異なったナノトレンチ6の幅は、好都合に、お互いと同一である。それぞれのトレンチ6の底はパターン5の材料と異なった材料である。これらの2つの材料の1つを他のものに対して選択的エッチングすることができる。
【0059】
図1A〜7Dのそれぞれは、交互のパターン/ナノトレンチが交互の薄層4(i)から成ることを示す。
【0060】
本発明による1つの装置において、パターン/ナノトレンチの交互の2つのタイプの材料によって形成される対は、好都合に、Si/SiGeyであり、ここにy>20%である。あるいは、この材料の対は以下の材料の対の中から選択されうる。つまり、Si/SiO2、HfO2/SiO2、SiO2/Si3N4、ZrO2/SiO2、Si/Au、Si/Pt、Si/Rh、Si/NO、SiO2/Auであり、これは半導体/金属の対、またはAu/Cuのような金属/金属、または貴金属の対であってもよい。
【0061】
本発明の第1の装置を図1Aに示す。
【0062】
この場合、それぞれのパターン5は、基板2の、隣接する自由表面2’に対する高さZを持つ。それぞれのパターンの最上部はこの高さZでこの表面に対し突出する。
【0063】
この例のナノトレンチは、パターンの最上部に対して測られた、ここでは実質的にZに等しい深さZ’を持つ。好都合に、ナノトレンチの底の材料は基板2と同じ材料から成る。
【0064】
パターン5は基板とは異なった材料から成り、Siの基板2に対して、好都合にSiGeyGe(yGe>17%)である。
【0065】
示された実施形態において、パターンのグループ7は、基板2の平面に垂直な平面Pに沿って対称を有する。これは図1A〜1Eのそれぞれにも当てはまり、また図2A〜7Dの方法によって得られる装置のそれぞれにも当てはまる。この平面の1つの側に、交互の2つの材料が層4(1),4(i),....4(n)(nは2から104の間、または例えば2から100の間に存在しうる)の形態で見いだされる。この同じ平面の他の側において、対称である前述の平面に対して対称な、層4’(1),4’(2),...,4’(n)の形態の、これらの2つの材料の交互が存在する。層4’(1)は、平面Pに対して層4(i)と対称である。つまり、これらの2つの層は、同じ組成、同じ幅、および同じ高さを持つ。このタイプの対称は、さらに一般的に他の実施形態に見いだされうる。しかしながら、例えば層の一部がエッチングステップの間にマスクされる場合、この対称が存在しない本発明の実施形態がありうる。
【0066】
本発明の他の装置を図1Bに示す。
【0067】
図1Aとは対照的に、パターン5の最上部は、実質的に基板の自由表面2’と同じレベルに存在する。
【0068】
ナノトレンチ6の底はこの同じ表面に対して深さZ’を持つ。そしてナノトレンチの底の材料は基板2の材料と異なる。
【0069】
好都合に、パターン5の材料は基板2と同じ材料から成る。
【0070】
前の実施形態のように、組成および厚さの対称性が、基板に垂直な対称平面Pのどちらかの側の層4(i)および4’(i)に対して、平面P,P’についてそれぞれのトレンチでも見いだされる。
【0071】
本発明の他の実施形態を図1Cに示す。この装置では、図1Aの装置のように、パターンの最上部は基板の自由表面2’の上の高さZにある。
【0072】
しかしながら、前の実施形態と異なり、深さが異なった少なくとも2つのナノトレンチが存在する。
【0073】
前の実施形態のように、基板および図の平面に垂直な対称面P,P’のいずれかの側の層4(i)と4’(i)に対する組成と厚さの対称が存在する。好ましくは、それぞれのトレンチにおいて、対称性が、トレンチの深さに関して同じ平面のいずれかの側にも見いだされ、Z’(2i)は、層4(2i)、4’(2i)をエッチングすることによって得られたナノトレンチの深さを表すために使われている。
【0074】
好都合に、深さZ’(2i)はパターンのグループ7のエッジから始まって、そしてそのパターンのグループ7の中央の方に拡張しつつ増加する。同じ分布が、対称的に、平面P,P’の他の側上に見いだされる。
【0075】
さらに、少なくともナノトレンチの底を形成する少なくとも2つの材料は、異なった組成、すなわちエッチングの速度に影響を与える組成の違いを持つ。
【0076】
1つの同じ深さを持つナノトレンチ6の底を形成する2つの層は同一の組成を持つ。
【0077】
異なった組成を持つナノトレンチ6の底を形成する2つの層は異なった深さを持つ。
【0078】
以下で説明したように、ナノインプリントの時のトレンチ深さの等しくない分布は、インプリントが作られる材料の残りの厚さの不均一性を埋め合わせることができる。
【0079】
本発明の他の実施形態を図1Dに示した装置において表す。
【0080】
この装置で、図1Bのように、パターン5の最上部は基板2の自由表面2’と同じレベルに存在する。
【0081】
図1Cで説明した装置のように、少なくとも2つのナノトレンチ6の間のトレンチ深さに格差がある。
【0082】
Z’(2i+1)を、層4(2i+1),4’(2i+1)、(i=0、...,n)をエッチングすることによって得られるナノトレンチの深さとする。
【0083】
好都合に、深さZ’(2i+1)はパターンのグループ7のエッジから始まって増加し、そしてパターンのそのグループ7の中央の方に拡大する。同じ分布が、対称的に、平面P,P’の他の側上に見いだされる。
【0084】
組成と厚さの対称が図1Cのように見いだされるが、トレンチ深さの対称もそうである。
【0085】
図1Cの実施形態に関してなされる組成についての観測は依然有効である。
【0086】
本発明による他の装置を図1Eに示す。
【0087】
図1Bと対照的に、パターン5の最上部は基板の自由表面2’のレベルの下に、その表面に対し深さZ1’において存在する。
【0088】
ナノトレンチ6の底は、その同じ表面に対して深さZ2’において存在する。そしてナノトレンチの底の材料は基板2の材料と異なっている。パターン5の材料は基板2と同じ材料から成りうる。しかしこの場合、基板2は、該基板2の表面を攻撃することなく攻撃領域7にマスクされる。あるいは、トレンチが作られ、その側壁上に層が成長させられる基板2(SOIの場合のように)の上に他の材料が形成されうる。この材料はパターン5および6の材料と異なり、またこれらの要素5および6に対して選択的にエッチングされる。
【0089】
前の実施形態のように、組成および厚さの対称性が、基板に垂直な対称平面Pのどちらかの側の層4(i)および4’(i)に対して、平面P,P’についてそれぞれのトレンチでも見いだされる。
【0090】
本発明による装置の他の構造を、以下に与えられた方法の例で説明する。
【0091】
本発明による方法を図2Aから2Eに示す。
【0092】
スタートの材料は、少なくとも1つの多層17を有する基板2である。これは、基板および図の平面に垂直な平面Pに対してお互いに対称な、またそれぞれ層4(i)、4’(i)を含む2つの複合領域4と4’を有する。層4(i)(それぞれ4’(i))は、互いに対して選択的にエッチングされうる2つの材料の交互の構造から成る。2つの複合領域は幅Wと深さh4のグループ7を形成する。層4(i)、4’(i)は、基板2の主要な平面に垂直な、少なくとも1つの部分を持ち、その部分は基板の表面と同一平面に存在する。好ましくは、交互材料の1つは、基板と同じ速度でエッチングされ、好都合には、それは基板と同じ材料である。基板がシリコンならば、2つの材料は好都合にはSiとSiGeである。
【0093】
図2Bおよび2Cにおいて、1つの材料が他の材料に対して選択的にエッチングされる。
【0094】
エッチングは、好ましくは、基板と、該基板に近いエッチング速度を持つ交互層の材料とをエッチングすることができ、それによって装置の表面上にパターン5を形成する(図2B)。
【0095】
これは図1Aに示されたタイプの構造を与える。図1Cを参照してすでに上述したように、層4(2i)および4’(2i)の適切な組成が選択されれば、図1Cに示したタイプの構造を得ることもできる。
【0096】
このようにして得られた構造は、例えばナノインプリント材料のトレンチを形成するためのナノインプリントモールドとして、あるいはナノインプリントモールドを形成するための「マスター」ネガとして使われうる。
【0097】
あるいは、エッチングされた材料が基板に対して、および基板に近いか、または等しいエッチング速度を持つ材料に対して、好ましくは選択的にエッチングされるようにエッチングを選択することができる(図2C)。
【0098】
これは図1Bに示されたタイプの構造を与える。図1Dを参照してすでに上述したように、層4(2i+1)および4’(2i+1)の適切な組成が選択されれば、図1Dに示されたタイプの構造を得ることもできる。
【0099】
図2Dおよび2Eに示した場合では、第1の(図2D)2つの材料は異方的にエッチングされ、そのことはそれぞれのトレンチの2つの材料のレベルを減らすことにつながり、これらの2つの材料に対し実質的に同一であるレベルにつながる。
【0100】
次に、(図2E)1つの材料が他の材料に対して選択的にエッチングされる。これは図1Eに示されたタイプの構造を与える。
【0101】
このようにして得られた構造は、例えば、インプリント材料の突出するパターンを形成するためのナノインプリントモールドとして、あるいはナノインプリントモールドを形成するための「マスター」ネガとして使われうる。。
【0102】
図3Aから5Fは、図2Aで説明したタイプを得るための最初の構造をとりわけ可能にする、本発明の実施形態を示す。これらの方法のいくつかは他の構造を得るために使われうる。これらの方法もまた次のエッチングステップを有する。
【0103】
本発明による前記方法を図3Aから3Gに示す。
【0104】
基板2では、好都合に半導体材料、例えばシリコン(図3A)中に、トレンチ73と73’が深さhと幅Wにエッチングされる(図3B)。ゆえに、基板の上または中における3つのタイプの表面の間に区別がなされうる。つまり、トレンチの底70、トレンチの側壁71、および基板の最上部72(トレンチのエッチングによる影響を受けない基板2の上部分)である。選ばれたコンフォーマルな交互層の堆積と適合性のある材料から形成されるこれらの表面は、表面形態8(0)、すなわち基板の最上部と軸yに沿って異なるレベルに位置するトレンチの表面とを有する3D(三次元)表面を規定する。
【0105】
低い粗度および第1の材料の、厚さe(1)の、第1のコンフォーマルな層4(1)が、表面8(0)全体の上に堆積される(図3C)。一般に、この出願の全体において、上に堆積される表面8(0)の形態に層が従うならば、その層のことをコンフォーマルであるという。この第1の材料は、基板2に対して選択的にエッチングされうるように選択される。それは例えばSiGeである。この層は自由表面8(1)を持つ。
【0106】
次に、第1の材料のこの表面8(1)の上に、第2の材料の、低い粗度および厚さe(2)の、コンフォーマルな層4(2)が堆積される(図3C)。層4(2)の材料は、層4(1)の材料に対して選択的にエッチングされうるように選択される。一般に、この出願の全体において、エッチングステップの間に、1つの材料が他の材料に対して好ましくエッチングされる場合、すなわち1つの材料のエッチングの速度が他の材料のエッチング速度よりも大きい場合に、エッチングは2つの材料の間で選択的であるという。好ましくは、層4(2)の材料は、基板2と同じ速度でエッチングされ、好都合にはこの材料は基板、例えばシリコンと同じである。
【0107】
これらのステップは、形態全体にわたって厚さh2の複合薄層40を形成する、厚さe(1)からe(n)のn個のコンフォーマルな層4(1)から4(n)を得るように繰り返される(図3D)。層4(i+1)は層iの表面8(i)上に堆積され、そして層4(i+1)は、下にある層4(i)を形成する材料に対して選択的にエッチングされうるように選択された材料である。
【0108】
これは、お互いに対して選択的にエッチングされうる2つの上記で取り上げた材料の交互を生じさせる。つまり、
−第1の材料から成る奇数番目の層4(1)から4(2x+1)、
−および、奇数番目の層と交互に堆積され、また第2の材料で形成された偶数番目の層。これらの偶数番目の層は、基板上に堆積された層の合計数が偶数か奇数かに応じて、4(2)から4(2x)として参照される。
【0109】
それぞれの厚さe(1)からe(n)は数ナノメートルから数十ナノメートルの間、例えば1nmから100nmの間、好ましくは1nmから20nmの間にある。
【0110】
好ましくは、偶数番目の交互層はすべて同じ厚さを持つ。また同様に奇数番目の層も、好ましくはすべて同じ厚さを持つ。好都合に、それぞれの層は、例えば約10nm+/−2nmの厚さを持つ。交互層はすべて同じ厚さのものでありうる。例えば厚さe(1)からe(n)は10nmに等しくありうる。
【0111】
これらの層は低い粗度の多結晶でありうる。好ましくは、堆積された材料の少なくとも1つはアモルファスまたは単結晶構造を持ち、好都合に2つの堆積された材料はアモルファスまたは単結晶構造を持つ。それぞれの層の堆積は、例えばCVDまたはPECVD
を使ってなされ、あるいはエピタキシーによってさえなされうる。
【0112】
交互層から成る薄層40の全体厚さh2は、最も細いトレンチがこの薄層40で満たされるようなものでありうる。
【0113】
好ましくは、厚さh2は、トレンチの深さhより厳密には小さい。それは、それぞれのトレンチ73,73’における、軸yに沿ったスタック(層4(n))の最も外側の層の表面8(n)の一部が、基板2の最上部72より低いレベルに存在するようなものである。これは、基板のレベル72の下の、または基板のレベル72とトレンチの底のレベルとの間に存在する、層4(n)の材料の少なくとも高さh3を与える。
【0114】
トレンチがコンフォーマルな交互層によって完全に満たされないならば、スタック40の上に、満たされないトレンチの中央の幅w’の残りのトレンチ9,9’が存在することになる。この場合、充填材料3が、スタック40の最後のコンフォーマルな層4(n)を形成する材料に対して選択的にエッチングされうるように選択され、堆積される。そして好都合に、この最後のコンフォーマルな層は、充填材料3が基板材料に対する速度に近い速度でエッチングされうるようなものである(図3E)。例えば、充填材料3は基板材料と同一である。
【0115】
充填材料3はすべての表面8(n)の上に堆積され、それによって、幅w’で、そして表面8(n)の残りの形態を形成するトレンチ9,9’を満たす。充填材料3によって満たされたこれらのトレンチ9,9’は、厚さh2の複合薄層40によって、トレンチ73,73’の底70および側壁71から、また基板の最上部72から分離される。
【0116】
次に、この装置は、例えば化学機械的研磨によって、基板の最上部72の上に存在する複合薄層(図3F)の少なくともすべての厚さ、および基板の最上部72の上に存在する充填材料3の任意選択的な層、を除去するように、少なくともh2に等しい厚さだけ薄肉化される。
【0117】
薄肉化は、トレンチ73,73’における充填材料3の最小厚さh’3を残すように好都合に行なわれる(図3F)。研磨の後のこの最小高さは、軸yに沿った、最後に堆積された層4(n)の材料の、最小高さh’3+e(n)を維持すること、を可能にする。
【0118】
これは、そこから図2Bまたは2Cのステップが行なわれうるような構造を与える。
【0119】
次に、この構造は(図3G)、化学的または物理的エッチング、あるいは化学的促進エッチング(RIEタイプエッチング)を受けさせられる。このエッチングの特殊性は、他の層に対するコンフォーマルな交互層4(i)を形成する2つの材料の1つを選択的にエッチングするというものである。2つの材料の1つは他の材料よりも遅くエッチングされ、それによって装置の表面上にパターン5を形成する。
【0120】
図3Gに示された例において、エッチング深さの相違が、幅e(2i+1)かつ深さZのナノトレンチ6によってお互いに分離された幅e(2i)のパターン5を形成する。これらのパターンは、コンフォーマルな交互層4(i)で満たされたトレンチ73,73’に位置する。充填材料3が使われた1つの同じトレンチ73において、パターンのグループは、充填材料における幅w’のパターン50によって2つの部分に分けられる。本発明のこの実施形態のパターン5は第2の材料、例えば基板の材料と同一の材料から成る。そして、ナノトレンチ6の底は第1の材料から成る。
【0121】
それによって、充填材料内の部分、すなわちパターン50を通る平面P,P’に対して対称を持った構造が得られる。従ってこの平面は、1つの同じトレンチ73において作られたパターンのグループを2つの対称な部分に分ける。
【0122】
図3Gでのこの実施形態の1つの詳細部分は、スタック40の1つの層4(i)が、連続的な方法で、トレンチのそれぞれの側で、またその低い部分でトレンチ73内に配列されたものである、ということを見ることができる。平面Pに対する厚さの対称性、組成、およびエッチング速度の条件は、それゆえ確実にされる。
【0123】
あるいは、選択的エッチングが、基板に対して突出する、本発明の次の実施形態において説明されるような第1の材料から成るパターンを作るように選択されるべきである、ということが想定される。
【0124】
図1Gにおける装置は、ナノインプリントモールドを形成するためのモールドまたはインプリントスタンプとして、または直接ナノインプリントモールドとして使われうる。
【0125】
本発明による方法の他の実施形態を図4Aから4Eで説明する。
【0126】
この実施形態では、装置はSOIタイプの基板、すなわち組立体の硬さを確実にする厚い基板2から、半導体材料における高さhの薄い表面層20を分離する、埋設された絶縁層9を有する基板から作られる(図4A)。埋設された絶縁層9は、コンフォーマルな交互層を形成する材料の堆積を制限および/または回避するよう選択される。
【0127】
この絶縁層は、好都合に、酸化ケイ素であり、表面薄層はシリコンでありうる。
【0128】
第1の実施形態のように、トレンチ73,73’は、例えばフォトリソグラフィによって表面層20においてエッチングされる。埋設された絶縁層9は、このエッチングのための停止層を形成する。従って、トレンチの底は、絶縁材料における層9から成る(図4B)。ゆえに、トレンチの深さは表面薄層20の厚さhに等しい。
【0129】
このようにトレンチの底を形成する埋設された絶縁層9を形成している材料が、コンフォーマルな交互層4(i)のための材料の堆積を可能にしないので、活性な堆積表面8(0)は、基板の最上部72とトレンチ73の側壁71から成る。従って、この活性な表面は、ほぼもっぱら表面層20の表面から成る。
【0130】
図3Cから3Eを参照して前に説明した実施形態のように、厚さh2の複合層40が堆積される。それは、第1の材料と第2の材料との間に交互が得られるようにコンフォーマルな層4(i)を有する(図4C)。層4(i+1)は、層4(i)の表面8(i)の上にコンフォーマルな方法で堆積され、層4(i+1)は、コンフォーマルな層4(i)を形成する材料に対してエッチングが選択的であるような材料から成る。
【0131】
従って、それぞれの層は、それぞれのトレンチ73の2つの側壁71の少なくとも上に対称的に、堆積される。
【0132】
これらの層は、本発明の第1の実施形態と同じ基準に沿って選択される。しかしながら、トレンチの底を形成する絶縁材料9は、コンフォーマルな交互層を堆積することを可能にしない。ゆえに、トレンチの底に沿った層4(i)の堆積はない。そして、トレンチ73,73’に存在する交互層の部分は、基板2の平均平面にもっぱら垂直に方向づけられる。
【0133】
トレンチの底70と基板の最上部72との間のそれぞれのコンフォーマルな交互層の高さは、この実施形態では、常にトレンチの深さhに等しい。従って第1の実施形態と対照的に、トレンチの深さhに対する複合層40の厚さh2には制限がない。
【0134】
いくつかのトレンチが完全に層40で満たされないならば、これらのトレンチの満たされない部分は、好都合に、上記の実施形態で説明したような充填材料で満たされる。
【0135】
次に、基板の最上部72の上の複合層40の少なくとも一部を除去するために、そしてそれによって、お互いに対して選択的にエッチングされうる2つの交互の材料がトレンチ73,73’に対応する領域のみに存在するような装置を得るために、装置は、例えば化学機械的研磨の間に薄肉化される(図4D)。前の実施形態とは対照的に、基板の平面に平行な交互層4(i)のトレンチ73、73’における部分がない(図3Fと3Gと比較される)。このように、薄肉化の範囲にわたる、または薄肉化が実行される厚さにわたる制御は、本発明の第1の実施形態ほどに重大でない。
【0136】
図2Bまたは2Cのステップが行なわれうる構造がこのようにして得られる。
【0137】
次に、この構造は化学的または物理的エッチング(図4E)を受けさせられる。このエッチングの特殊性は、他の層に対するコンフォーマルな交互層4(i)を形成する2つの材料の1つを選択的にエッチングするというものである。2つの材料の1つは他の材料よりも遅くエッチングされ、それによって装置の表面上にパターン5を形成する。
【0138】
図4Eに示された例では、エッチング深さにおける相違は、幅e(2i)と深さZのナノトレンチ6によって互いに分離された、幅e(2i+1)のパターン5を形成する。基板2もまた、層4(2i)を形成する材料に近いエッチング速度でエッチングされる。従ってこれらのパターンは、基板2の残りの表面に対して突出する。充填材料3が使われた1つの同じトレンチ73において、パターンのグループは充填材料のパターンによって2つの部分に分けられる。本発明のこの実施形態のパターン5は第1の材料から成り、そしてナノトレンチ6の底は第2の材料、例えば基板材料と同一の材料から成る。
【0139】
これは、任意選択的に充填材料内の部分を通る平面P,P’に対して対称性を持つ構造を与える。従って、この平面は、1つの同じトレンチ73に作られたパターンのグループを、2つの対称な部分に分ける。
【0140】
あるいは、選択的エッチングが、基板に対して突出しない、前の実施形態で説明されたように第2の材料から成るパターンを作るように選択されるべきである、と考えられる。
【0141】
図4Eの装置は、ナノインプリントモールドを形成するためのモールドまたはスタンプとして、または直接ナノインプリントモールドとして使われうる。
【0142】
本発明の他の実施形態を図5Aから5Fで説明する。
【0143】
本発明のこの実施形態の説明は、前の実施形態と比較して詳細な変化部分のみとなる。
【0144】
本発明の第3の実施形態による1つの方法において、幅Wのトレンチ73,73’は、好都合に半導体材料、例えばシリコン、の基板2においてエッチングされる(図5A)。
【0145】
次に、厚さe(s)のスペーサータイプの材料10がトレンチ73の側壁71の上に堆積される。この材料は、好都合に、
−基板2の材料に対して、またコンフォーマルな交互層の堆積を制限する材料の将来的な層に対してそれが選択的に除去されうるように、
−それがその最後の材料の形成を可能にしないように、
選択される。
【0146】
この材料は、例えばSi、またはSiO2またはSi3N4またはHfO2またはSiGe...などでありうる。それは基板のすべての表面の上に例えばCVDによって堆積され、次にその材料のみがキャビティ73の側壁71の上に留まるように異方的にエッチングされる。
【0147】
次に、スペーサー10で覆われないすべての表面の上に、コンフォーマルな交互層を堆積することを制限または抑制する堆積または成長によって材料90が形成される(図5B)。側壁上へのスペーサー材料の存在は、酸化物タイプ、例えば酸化ケイ素の交互層を制限するその材料が、この実施形態では2つの形状に沿ってのみ、すなわちトレンチの底70において、および基板の最上部72の上に堆積される、ということを意味する。
【0148】
続いて、スペーサー材料は、好都合に、例えば選択的エッチングまたは溶解によって除去されうる(図5C)。例えば結合層として働くならば、それは維持されうることもある。
【0149】
前の実施形態のように、コンフォーマルな交互層が表面8(0)の上に堆積される。材料90で覆われない表面に対応するこの表面は、コンフォーマルな層の成長を制限または抑制する。従って前記表面8(0)は、スペーサー材料の表面、またはスペーサー材料を除去する時に解放される表面のいずれかに対応する。この表面8(0)は、スペーサーを備えた、または備えない、トレンチ73のすべての側壁71から成る不連続な表面である。
【0150】
コンフォーマルな交互層は前の実施形態と同じ技術を使って堆積される。
【0151】
表面8(0)の上に、厚さe(1)の、自由表面8(1)を持った第1の材料のコンフォーマルな層4(1)が堆積される。この表面8(1)の上に、第2の材料から成り、自由表面8(2)を持った、厚さe(2)のコンフォーマルな層4(2)が堆積される。このプロセスは、2つの材料の交互(交代)によって、n個の交互層が得られるまで続けられる。それぞれの層の厚さe(i)は要求される最終的形状の必要性に合うよう調整され、好都合には10nmより小さい。
【0152】
トレンチの底70および基板2の最上部72の上のコンフォーマルな層の成長を制限する材料90の層の存在に起因して、コンフォーマルな交互層はトレンチの側壁71に平行なトレンチ内にのみ、すなわち基板2の平面に垂直に堆積される。
【0153】
次に、基板の最上部72上の過剰な厚みが除去される(図5E)。この過剰な厚みは、
コンフォーマルな交互層4(i)の堆積を制限または抑制する材料の少なくとも層90から成る。この層90は研磨によって除去されうる。
【0154】
層90は好都合に、例えば化学的攻撃によるその構成材料の選択的な除去によって除去されうる。従って、トレンチ73,73’に存在するコンフォーマルな交互層4(i)は、化学機械的研磨によって劣化させられない。いかに研磨がこの交互層の露出を可能にするとしても、コンフォーマルな層は、厚さe(i)の前の層の部位の上に水平に堆積される。
【0155】
トレンチ73が複合層40によって完全に満たされないならば、残りの自由な(空いた)部分を満たすための充填材料を堆積することが好ましい。次にこの充填材料は、好ましくは、例えば過剰な厚みを除去するために研磨によって薄肉化される。
【0156】
これは、そこから図2Bまたは2Cのステップが行なわれうるような構造を得ることにつながる。
【0157】
次にこの構造は化学的または物理的なエッチングを受けさせられる(図5F)。このエッチングの特殊性は、他の層に対するコンフォーマルな交互層4(i)を形成する2つの材料の1つを選択的にエッチングするというものである。2つの材料の1つは他の材料よりも遅くエッチングされ、それによって装置の表面上にパターン5を形成する。
【0158】
図5Fの例では、エッチング深さにおける相違は、幅e(2i+1)と深さZ’のナノトレンチ6によって互いに分離された、幅e(2i)のパターン5を形成する。これらのパターンは、コンフォーマルな交互層4(i)で満たされたトレンチ73,73’内に位置する。充填材料がそのために使われる1つの同じトレンチ73において、パターンのグループは充填材料のパターンによって2つの部分に分けられる。本発明のこの実施形態におけるパターン5は、第2の材料、例えば基板材料と同一の材料から成り、ナノトレンチ6の底は第1の材料から成る。
【0159】
これは、任意選択的に充填材料内の部分を通る平面P,P’に対して対称性を持つ構造を与える。従って、この平面は、1つの同じトレンチ73におけるパターンのグループを、2つの対称な部分に分ける。
【0160】
あるいは、選択的エッチングが、本発明の前の実施形態で説明されたように第1の材料から成る基板に対して突出するように選択されうる、ということが考えられる。
【0161】
図5Fの装置は、ナノインプリントモールドを形成するためのモールドまたはスタンプとして、または直接ナノインプリントモールドとして使われうる。
【0162】
図3F、4D、および5Eの装置から図1Eおよび1E’で示したような構造を、基板の表面の下の同じレベルにそれら両方を位置させる(図2Dのように)ためにトレンチに堆積された2つのタイプの材料の異方性エッチングによって、次にトレンチの底に対して突出するがパターンの最上部はトレンチ内にあるようにしてパターンを得るために2つの材料の1つをエッチングすることによって、作ることもできる。
【0163】
ナノインプリントモールド300を使う時に、パターン5(j)の少なくとも1つの配列7を有するモールドは、基板200上に存在する可撓性の材料層110、例えば樹脂へプレスされる。そしてこの可撓性の層110は、ここでの残りの部分において樹脂と呼ぶことにする。プレスの時、パターン5(j)とリソグラフィされるべき基板200との間に厚さtiの樹脂110が残る(1つのパターン5のみを示した図6A,6A’を参照)。モールドパターンの密集度に変化があるならば、あるいはパターンの配列が均一かつ密集しているならば(図6B)、プレス後に、異なったパターン5(i)と基板200との間に残りの厚さtiの樹脂の局部的な不均一性が存在しうる(図6B’)。
【0164】
プレスの間に、樹脂110はパターンの周りに位置する自由空間6の中に効果的に流れ、パターン5またはパターン5(j)に置き換えられる。幅Wのパターンの通常の配列、一定の2つの隣接したパターンを分離する自由空間v(j)〜(j+1)において、パターンから所定の距離Dに位置する全体の自由空間は、エッジ効果に起因した配列におけるパターンの位置に関係して変化する。パターン5から距離Dにおける全体の自由空間は、そのパターンがパターン群の配列の中央にあるか(図6Bのパターン5(2)と5(3))、あるいは配列のエッジに近いか(図6Bのパターン5(1)と5(4))に応じて異なる。図6A〜6Dにおいては数パターンのみが示されているが、上記で説明した結果はパターンの数が多くなっても存在する。
【0165】
本発明により作られた装置によって、パターンの配列はトレンチ73中に得られたパターン5から成る。図1A、4E、または6Bのいずれかによる装置について、モールドが高さZだけ基板2(または図6Bの300)のレベルを上回るパターン5を持つので、配列7の中央よりもパターンの配列7のエッジに近くにより多くの自由空間がある。一方で、図1Bによる装置については、パターン5のレベルが基板2のレベルと同じであるので、パターンの配列7のエッジに近い利用可能な自由空間は、配列の中央よりも小さい。
【0166】
樹脂中にプレスされたパターン6の周りにある自由空間の利用可能性が少なければ、樹脂110はパターンに流れて置き換わることが少なくなり、残りの厚さをより厚く残す。ゆえに、パターンの配列において、配列のほぼ中央に位置するパターンの周りの利用可能な自由空間と、配列のほぼエッジ上に位置するパターンの周りの利用可能な自由空間との間の差は、残りの厚さtiの不均一性につながる。
【0167】
図6A、6A’、6B、6B’におけるもののようなプレスのステップの後に、モールドパターンが抜けた領域で基板200が露出することを可能にするエッチングステップが続きうる。このエッチングの間において、残りの厚さが最も薄い位置がより速くエッチングされ、下にある基板200の表面に最初に到達する。しかしながら、基板200のこの表面がすべてのパターンに到達するまでエッチングは続けられる。そのため、最初に露出されたパターンの過度のエッチングまたは追加のエッチングが存在する。この追加エッチングの間に、最初に開けられ露出されたパターンは、エッチング方法、例えばプラズマエッチング、に固有の横方向エッチングに起因して拡張される。従って、残りの厚さtjの不均一性は、エッチング後の横方向寸法にわたる制御の無駄につながる。これは、非常に良好な寸法の制御を要求されるナノ構造の製作に対する問題を引き起こす。
【0168】
この問題を克服する1つの方法は、パターンの周りの利用可能な自由空間を最適化することである。本発明による方法または装置に関して、自由空間(j)〜(j+1)は、ナノトレンチ6の深さZ(j)を調整することによって2つのパターン5(j)の間で変化させられる。これは図1Cと1Dの構造に対する場合である。
【0169】
このタイプの構造を作るのに使われうる1つの方法を図7Aから7Cに示す。また、この方法は、図5Aから5Fに示されたタイプの、本発明の実施形態で示される。そして図7Aから7Cは図5Dから5Fを置き換える。あるいは、図3A〜3Gおよび/または図4A〜4Eで説明された方法に従う本発明の実施形態において、図7A〜図7Cで以下に説明される原理を使うことができる。
【0170】
コンフォーマルな交互層でトレンチ73,73’を満たす時、1つの材料のエッチング速度が修正される。この修正は、1つの交互材料の組成を、その材料から成る1つの層から他の層まで調整することによって作られる(図7A)。この目的のため、化学組成が1つの層から他の層へと調整されうるような材料が使われうる。例えば、少なくとも2元系の合金であって、その組成が1つの層から他の層へと進展させられるものである。このような材料の例がこの先で与えられる。
【0171】
従ってこの実施形態による1つの有利な方法において、少なくとも2つの、第1の材料から成る奇数番目の層(2i+1)は異なった組成を持つ。例えば第1の材料がSiGex(x>15%またはさらにx>20%)であるならば、1つの奇数番目の層は組成SiGexを有し、他の奇数番目の層は組成SiGex’を有し、好ましくは0<x’<xであって、x’もまた15%または20%より大きい。さらに、2以上の奇数番目の層が異なった組成を持つならば、xは1つの奇数番目の層から他の層まで変動しうる。ここにxは、好ましくは15%または20%より大きく、x’より小さい。組成におけるこれらの相違は、奇数番目のコンフォーマルな層のエッチング速度における相違を誘発するよう選択される。得られたエッチング速度は、例えば基板および/または第2の材料の速度と第1の材料、ここではSiGex、の速度との間に存在しうる。あるいは、エッチング速度が基板の速度に近いか、または等しいような材料から成る偶数番目の層は、少なくとも2つの層間の組成において相違を有する。
【0172】
次に、本発明の方法によれば、基板の最上部72の上に存在する少なくともすべての材料を除去するために、薄肉化ステップが行なわれる(図7B)。
【0173】
エッチングステップの間、奇数番目の(あるいは偶数番目の)層のいくつかの間での組成の変化が、これらの層の間に異なるエッチング反応を提供する。従って、基板のレベルに対して可変である、深さZ(2i+1)のナノトレンチ6によって分離された薄いパターンを有するナノインプリント構造を得ることが可能である(図7C)。そして、最終的な装置は、幅e(2i+1)の、可変の深さZ(2i+1)の、第2の材料のパターン5によって分離されたトレンチ6を有する基板2から形成される。
【0174】
パターンを分離するナノトレンチ6の底のレベルZ(j)における前記変化は、それぞれのパターン5(j)のいずれかの側の自由空間v(j)〜(j+1)を修正することを可能にする(図6C)。従って、パターン5と基板200との間に存在する樹脂100の流れを、1つのパターン5(j)から他のパターンまで均一とすることができるのに十分な自由空間が存在する。従って、プレスの後に、tに等しくなるように残りの厚さtjの均一性に影響を与えることが可能である(図6c’)。それにより、モールドを除去した後に、モールド300を樹脂110にプレスすることによって形成されるナノトレンチ50の底の厚さtjの不均一性は最小にされる(図6D)。
【0175】
この実施形態による1つの有利な方法において、1つの同じタイプの材料から成る異なった層4(i)の間の化学量論(stoichiometry)の相違は、エッチングの後に、2つのパターン5の間の自由空間6が、ナノインプリントモールドを使う時に残りの厚さtiの不均一性を最小にするよう最適化されるようなものである。
【0176】
パターンが基板とレベルZの相違を持つならば(図1Cの場合)、層4(i)の組成は、ナノトレンチの深さZ(2i)が、トレンチ73(またはパターンの配列7)の中央においてこれらのトレンチまたは配列のエッジよりも大きいようなものである。さらに好都合に、層4(i)の組成は、エッチングの後に、トレンチ73の中央の方に、または側壁の1つの上のパターンの配列の中央の方に拡張するのに従って、深さZ(2i)がエッジから増加するようなものである。(例えば図3Fでは、幅Aの領域が考慮され、トレンチ全体73を満たす材料の全体幅A’ではない。)
【0177】
あるいは(図1Dの場合)、パターンが基板のレベルにあるならば、層4(i)の組成は、エッチングの後に、ナノトレンチの深さZ(2i+1)が、トレンチ73(またはパターン7の配列)のエッジ上で、それらのトレンチまたは配列の中央よりも大きいようなものである。さらに好都合には、層4(i)の組成は、エッチングの後に、深さZ(2i+1)が、トレンチ73または配列7の中央の方に拡張するのに従って、エッジから減少するようなものである。
【0178】
パターンの局所的な深さ、特に配列の中央に位置するパターンとエッジ上に位置するそれらとの間の深さの相違を最適化するために、図8A〜8Fを参照して説明した内容に従って進めることができる。図8A、8C、8Eは、それぞれ、それ自体が基板200上に配列された樹脂110の層の上のモールド300を示し、図8B、8D、8Fは、モールドが内部にプレスされた後の樹脂の全般的形状を示す(樹脂中に形成されたパターンは示されず、その全般形状のみが示される)。図8Aのモールドは図1Bを参照して上記で説明されたタイプのものであり、図8Cのモールドは図1Aを参照して上記で説明されたタイプのものであり、図8Eのモールドは図1Cを参照して上記で説明されたタイプのものである。樹脂110がその厚さe3をプレス後でさえ均一に維持することは、この最後のモールドによる(図8F)。
【0179】
最初の局面の際に、樹脂110における第1のプレスが、すべての歯の深さが同一であるモールド、すなわち図1Aまたは図1Cに示すタイプのモールドによってなされる。これは、例えばSEM、または散乱法、またはAFMのような技術を使って測定可能な、残りの厚さe1,e2の分布(図8B、図8D)を持ったあるインプリントプロファイルを与える。
【0180】
これらの測定は、インプリンティングを均一化し、さらに均一な残りの厚さを得るためにモールドの異なった領域間で得られなければならない高さの相違を決定するために使われる。
【0181】
例えば図8Dの場合に対し、残りの厚さe2は配列の中央でより大きく、それによって、エッジと中央との間で測られた相違に等しいさらなる深さを持ったその位置においてさらに深いモールドが必要とされる(配列のエッジの上に基準があることを考慮する場合)。
【0182】
樹脂のために利用可能な空間を局所的に調整することによって、これは、熱間インプリンティングで時間を取る長い距離にわたって樹脂の流れを克服する。
【0183】
本発明の1つの方法において、図3G、4E、および5Fで説明されたステップの間に、交互層4(2i)(第2の材料)は、好ましくは基板と同じオーダーのエッチング速度を持つ。これらの層を形成するこの第2の材料は、好都合に基板の材料と同じでありうる。
【0184】
選択的にエッチングされうる、またコンフォーマルな交互層4(i)を形成する2つの材料によって形成される対は好都合にSi/SiGeの対であって、SiGeは15%以上のGeを含み、酸化ケイ素はSiおよびSiGeにおけるコンフォーマルな層4(i)の堆積を制限することが可能である。
【0185】
化学組成が1つの層から他の層へと調整されうる1つの材料は、例えばSixGe1−xまたはSixC1−xまたはSixN1−xまたはSiCxN1−xまたはAlxGa1−xAsのような、少なくとも二元系の合金である。前記材料の堆積物は必ずしも単結晶ではなく、それは堆積ステップの間に多数の合金を可能にするアモルファスでありうる。
【0186】
この出願に対して、合金は、それぞれの要素の相対的な組成が変化させられる時に、その能力に関連して異なった速度でエッチングされるよう選ばれる。
【0187】
この目的のため、可変的な組成、すなわち異なったxSによってウェーハ全体の堆積物を最初に作ることができる。次に、1つの同じエッチング化学反応によって、異なった組成のエッチング速度が決定される。所定の組成の合金と同じ合金であるが異なる組成のものとの間のエッチング速度比が1とは異なる場合、これらの組成のこの合金が使われうる。
【0188】
逆に、トレンチ73が形成される基板は、好都合に、コンフォーマルな交互層を形成するように選ばれた対の材料の1つ、例えばSi、SiGe、またはSiO2から選択されうる。
【0189】
本発明の実施形態および装置の使用の例を図9から12に与える。
【0190】
SiおよびSiGeでナノトレンチの底がSiGeである、本発明の1つの方法を適用することによって得られた図1Aのような装置の断面が、走査型電子顕微鏡で得られる図9で与えられる。ナノトレンチ(SiGe)によって分離されたパターン(Si)を見ることができ、該パターンの最上部のレベルが基板のレベルに実質的に等しい。
【0191】
図10と11は上方からの走査型電子顕微鏡で得られたイメージであり、これらの2つの図面の面は図1Aの基板(2)の平面である。これら2つの図は本発明に従った方法を使って得られた異なった装置(やはり第1のパターンにはSi、そして第2のパターンにはSiGe)を示す。
−図10は(8μmx8μmのイメージ)、らせん状トレンチの、該トレンチの中央に充填材料がない装置であり、それによって全体的な構造が、ナノトレンチによって分離されたトレンチの最初の形状に従うようなパターンの配列に従う。
−図11は(750nmx750nmのイメージ)、トレンチがトレンチの配列の形態であるような本発明の第2の装置である。トレンチが交互層で完全に満たされないので、充填材料の厚さによって分離されたそれぞれのトレンチにパターンの2つの配列がある。得られたパターンは10nmの幅を持ち、幅10nmのナノトレンチによって分離される。
【0192】
図12(1μmx1μmのイメージ)は、ナノインプリントモールドを樹脂中にプレスし、次にモールドを解放した後に可撓性の層の上で得られる形態であって、該モールドが本発明に従って作られ、かつ本発明のパターンが作られたトレンチが円形である場合を示す。
【0193】
これらのパターンは、それぞれが真っ直ぐなファセットを形成することによって得ることができ、これは、曲線を形成することがあまり適切でないような結晶質材料が使われる場合である。アモルファス材料が使われるならば、曲線を含む形状が得られる(それは例えば図12の場合である)。
【0194】
一般に、他の材料に対する1つの材料の選択性は、化学的または物理的エッチング、あるいは化学的に支援されたエッチングに関係する。例えば、以下の文献から、異なったタイプのエッチングの下での材料の挙動に関する情報を得ることができる。
・Handbook of Plasma Processing Technology: Fundamentals, Etching, Deposition, and Surface Interactions (Materials Science and Process Technology), Stephen M. Rossnagel et al. Noyes Publications (January 1, 1990) ISBN-10: 0815512201; ISBN-13: 978-0815512202
・Physics of Semiconductor Devices by Simon M. Sze, Wiley-Interscience; 2nd Edition (September 1981), ISBN-10: 0471056618, ISBN-13: 978-0471056614;
・Plasma etching and reactive ion etching (American Vacuum Society monograph series) by J. W Coburn, American Institute of Physics (1982) ISBN-10: 0883184060; ISBN-13: 978-0883184066.
【符号の説明】
【0195】
2 基板
2’ 自由表面
3 充填材料
4(i) 交互層
4(1) 第1の材料層
4(2) 第2の材料層
4,4’ 複合領域
5 パターン
6 ナノトレンチ
6 自由空間
7 グループ
8(0) 表面
8(1) 自由表面
8(n) 表面
9,9’ トレンチ
10 スペーサー
17 多層
20 表面層
40 複合層
50 ナノトレンチ
70 底
71 側壁
72 最上部
73,73’ トレンチ
90 材料
100 樹脂
110 樹脂
200 基板
300 ナノインプリントモールド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元のインプリントモールドを製造する方法であって、少なくとも、
a)基板(2)における幅Wと深さhの、少なくとも1つのトレンチ(73,73’)を形成し、それによって3つのタイプの表面
−トレンチの底(70)、
−トレンチの側壁(71)、
−基板の最上部(72)と呼ばれる基板の残りの表面、
を形成するステップと、
b)これらのトレンチにおいて交互層(4(i),i=1...n))を形成するステップであって、それぞれが基板に垂直な少なくとも部分を持ち、第1の材料、および該第1の材料に対して選択的にエッチングされうる第2の材料にあるような、ステップと、
c)基板に垂直な層の前記部分を選択的にエッチングし、それによって少なくとも、以下を有する形態を形成するステップ、つまり、
−前記形態のいずれかの側に配置された、その最上部が基板(2)の表面に対する第1のレベルに存在する第1のパターン(5)であって、これらの第1のパターン(5)が第1の材料にあるもの、
−および、基板の前記表面に対して少なくとも第2のレベルを持ち、第1のレベルとは異なり、かつそれより低い第2のパターン(6)であって、これらの第2のパターン(6)が第2の材料にあるもの、
を有する形態を形成するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
選択的エッチングは、形態のいずれかの側で、基板(2)の少なくとも一部をもエッチングし、第1のパターンが次に基板の表面に対して突出することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
エッチングは、好ましくは、基板の表面のレベルに実質的に等しいレベルに存在する、選択的エッチングの後の第1のパターンの最上部の、第2の材料をエッチングすることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ステップc)の前に、第1の材料および第2のタイプの異方性エッチング、次に第2の材料の選択的エッチングを有し、選択的エッチングの後の第1のパターンの最上部は基板の表面のレベルより低いレベルにあることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ステップb)は、基板およびトレンチの底(70)にもっぱら垂直な交互層のトレンチにおける形成を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
基板の底の上への交互層の形成を制限または抑制する材料(9,90)が、トレンチ(73)の底(70)において形成されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
基板は半導体材料(20)の表面層、埋設された絶縁層(9)、およびキャリア基板(2)を有するSOIタイプであり、前記埋設された絶縁層の一部が、トレンチの底(70)での基板の底の上への交互層の形成を制限または抑制する材料の層(9)を形成し、そして埋設された絶縁層(9)の範囲まで前記表面層(20)をエッチングすることによって得られることを特徴とする請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
交互層(4(i))の堆積を制限または抑制する前記材料(90)は基板の最上部(72)上にも形成され、次に交互層がもっぱらトレンチに堆積され、続いて基板の領域を露出するように薄肉化が行なわれることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
ステップb)は、基板およびトレンチの底(70)に部分的に垂直で、そしてトレンチの底(70)の表面に部分的に平行な交互層のトレンチにおける形成を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
さらに基板(2)の最上部(72)上の前記交互層を形成することを有し、次にこれらの層は、基板の領域上の少なくともトレンチの側壁(71)に沿って、およびそれぞれのトレンチの周りに堆積され、次に続いて基板の領域を露出するために薄肉化が行なわれることを特徴とする請求項1から7、および9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
薄肉化は化学機械的研磨および/または研磨によって行なわれることを特徴とする請求項8または10に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つのトレンチ(73)は交互層(4(i))で完全には満たされず、それによって残りのトレンチ部分が存在したままにしておき、少なくともこの残りのトレンチ部分(9)に充填材料(3)が堆積されることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
選択的エッチングは第2の材料の部分的なエッチングであり、第2のパターンの底(70)は、第1のタイプの材料に対して好ましくエッチングされる第2のタイプの材料から成ることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
第2のパターンは、1つの第2のパターンから他のものへのエッチング速度の相異を持ったタイプの材料にあり、そのエッチング速度が、エッチングの後に、少なくとも2つの異なったレベルを持った第2のパターンの形成をもたらすことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
第2のパターンの少なくとも2つの層間のエッチング速度の相違は、少なくともこれら2つの層間の材料の組成における相違によって得られることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
第1のタイプの材料はSiであり、第2のタイプの材料はSiGexであって、ここでx>15%であることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
三次元のインプリントモールドを製造する装置であって、少なくとも、
−少なくとも1つのトレンチおよびこのトレンチ内の交互層(4(i),i=1...n))を有する基板であって、それぞれの層が、第1の材料と、該第1のタイプの材料に対して選択的にエッチングされうる第2の材料の、該基板(2)の平面に垂直な少なくとも1つの部分を持つような基板と、
−表面形態であって、少なくとも、
a)その最上部が基板の平面に垂直な第1の材料の層の部分のものであり、また前記形態のいずれかの側に配置された、基板(2)の表面に対する第1のレベルに存在するような、第1のタイプの材料の第1のパターン(5)、
b)および、その最上部が基板の平面に垂直な第2の材料の層の部分のものであり、第1のレベルとは異なり、かつそれより低い、基板の前記表面に対する少なくとも第2のレベルに存在するような、第2のパターン(6)、
を有する表面形態と、
を有することを特徴とする装置。
【請求項18】
第1のパターンは基板(2)の前記表面に対して突出し、基板材料とは異なった材料であることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
第1のレベルは、実質的に基板の前記表面に隣接することを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項20】
第1のパターンは基板(2)の前記表面より低いレベルにあることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項1】
三次元のインプリントモールドを製造する方法であって、少なくとも、
a)基板(2)における幅Wと深さhの、少なくとも1つのトレンチ(73,73’)を形成し、それによって3つのタイプの表面
−トレンチの底(70)、
−トレンチの側壁(71)、
−基板の最上部(72)と呼ばれる基板の残りの表面、
を形成するステップと、
b)これらのトレンチにおいて交互層(4(i),i=1...n))を形成するステップであって、それぞれが基板に垂直な少なくとも部分を持ち、第1の材料、および該第1の材料に対して選択的にエッチングされうる第2の材料にあるような、ステップと、
c)基板に垂直な層の前記部分を選択的にエッチングし、それによって少なくとも、以下を有する形態を形成するステップ、つまり、
−前記形態のいずれかの側に配置された、その最上部が基板(2)の表面に対する第1のレベルに存在する第1のパターン(5)であって、これらの第1のパターン(5)が第1の材料にあるもの、
−および、基板の前記表面に対して少なくとも第2のレベルを持ち、第1のレベルとは異なり、かつそれより低い第2のパターン(6)であって、これらの第2のパターン(6)が第2の材料にあるもの、
を有する形態を形成するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
選択的エッチングは、形態のいずれかの側で、基板(2)の少なくとも一部をもエッチングし、第1のパターンが次に基板の表面に対して突出することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
エッチングは、好ましくは、基板の表面のレベルに実質的に等しいレベルに存在する、選択的エッチングの後の第1のパターンの最上部の、第2の材料をエッチングすることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ステップc)の前に、第1の材料および第2のタイプの異方性エッチング、次に第2の材料の選択的エッチングを有し、選択的エッチングの後の第1のパターンの最上部は基板の表面のレベルより低いレベルにあることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ステップb)は、基板およびトレンチの底(70)にもっぱら垂直な交互層のトレンチにおける形成を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
基板の底の上への交互層の形成を制限または抑制する材料(9,90)が、トレンチ(73)の底(70)において形成されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
基板は半導体材料(20)の表面層、埋設された絶縁層(9)、およびキャリア基板(2)を有するSOIタイプであり、前記埋設された絶縁層の一部が、トレンチの底(70)での基板の底の上への交互層の形成を制限または抑制する材料の層(9)を形成し、そして埋設された絶縁層(9)の範囲まで前記表面層(20)をエッチングすることによって得られることを特徴とする請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
交互層(4(i))の堆積を制限または抑制する前記材料(90)は基板の最上部(72)上にも形成され、次に交互層がもっぱらトレンチに堆積され、続いて基板の領域を露出するように薄肉化が行なわれることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
ステップb)は、基板およびトレンチの底(70)に部分的に垂直で、そしてトレンチの底(70)の表面に部分的に平行な交互層のトレンチにおける形成を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
さらに基板(2)の最上部(72)上の前記交互層を形成することを有し、次にこれらの層は、基板の領域上の少なくともトレンチの側壁(71)に沿って、およびそれぞれのトレンチの周りに堆積され、次に続いて基板の領域を露出するために薄肉化が行なわれることを特徴とする請求項1から7、および9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
薄肉化は化学機械的研磨および/または研磨によって行なわれることを特徴とする請求項8または10に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つのトレンチ(73)は交互層(4(i))で完全には満たされず、それによって残りのトレンチ部分が存在したままにしておき、少なくともこの残りのトレンチ部分(9)に充填材料(3)が堆積されることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
選択的エッチングは第2の材料の部分的なエッチングであり、第2のパターンの底(70)は、第1のタイプの材料に対して好ましくエッチングされる第2のタイプの材料から成ることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
第2のパターンは、1つの第2のパターンから他のものへのエッチング速度の相異を持ったタイプの材料にあり、そのエッチング速度が、エッチングの後に、少なくとも2つの異なったレベルを持った第2のパターンの形成をもたらすことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
第2のパターンの少なくとも2つの層間のエッチング速度の相違は、少なくともこれら2つの層間の材料の組成における相違によって得られることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
第1のタイプの材料はSiであり、第2のタイプの材料はSiGexであって、ここでx>15%であることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
三次元のインプリントモールドを製造する装置であって、少なくとも、
−少なくとも1つのトレンチおよびこのトレンチ内の交互層(4(i),i=1...n))を有する基板であって、それぞれの層が、第1の材料と、該第1のタイプの材料に対して選択的にエッチングされうる第2の材料の、該基板(2)の平面に垂直な少なくとも1つの部分を持つような基板と、
−表面形態であって、少なくとも、
a)その最上部が基板の平面に垂直な第1の材料の層の部分のものであり、また前記形態のいずれかの側に配置された、基板(2)の表面に対する第1のレベルに存在するような、第1のタイプの材料の第1のパターン(5)、
b)および、その最上部が基板の平面に垂直な第2の材料の層の部分のものであり、第1のレベルとは異なり、かつそれより低い、基板の前記表面に対する少なくとも第2のレベルに存在するような、第2のパターン(6)、
を有する表面形態と、
を有することを特徴とする装置。
【請求項18】
第1のパターンは基板(2)の前記表面に対して突出し、基板材料とは異なった材料であることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
第1のレベルは、実質的に基板の前記表面に隣接することを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項20】
第1のパターンは基板(2)の前記表面より低いレベルにあることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図8F】
【図6D】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図8F】
【図6D】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−219523(P2010−219523A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−46387(P2010−46387)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【出願人】(502124444)コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ (383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−46387(P2010−46387)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【出願人】(502124444)コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ (383)
【Fターム(参考)】
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