説明

ナビゲーションシステム及びナビゲーション装置

【課題】新しい施設情報を簡便に取得することができ、新しい施設情報であると識別して利用することができるナビゲーションシステム及びナビゲーション装置を提供することである。
【解決手段】放送装置200が情報の同一性を識別する識別情報と情報の日時を示す日時情報と施設の位置を特定する位置情報と施設の名称とを少なくとも含む施設情報を放送電波に乗せて所定の期間常時繰り返して放送し、カーナビゲーション装置100が施設情報を蓄積した施設情報記憶部から日時情報を指標として施設情報を読み出して、その施設の位置を印付きで地図画像上に表示するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステム及びナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置は、車に搭載するカーナビゲーション装置として現在広く普及しており、通常、GPS(Global Positioning System)を利用して取得した自車の現在位置を示すマーク、現在位置周辺の道路、更に目的地が設定された場合には目的地の位置を示したマーク等をディスプレイの地図上に表示し、現在位置から目的地までの経路を地図上に示すようになっている。
【0003】
また、さまざまな施設、即ちアミューズメントパーク、映画館等の娯楽施設、飲食店等の店舗、また、市役所、裁判所等の公的機関等の各種の施設等の位置も、カーナビゲーション装置に対するユーザの設定又は操作等に応じて、ディスプレイの地図画像上に表示することができるようになっている。
【0004】
このように、カーナビゲーション装置は、目的地として施設を設定することができ、また表示された地図の範囲にある施設の位置も表示するようになっているので、道路に関する情報の他、施設に関する情報を備えている。即ちカーナビゲーション装置のディスプレイに地図画像を表示するために用いられる地図情報には道路に関する情報だけでなく、施設に関する情報も含まれている。
【0005】
これらの各種施設の情報については、カーナビゲーション装置を製造・出荷する際に、道路等の情報と共に地図情報としてカーナビゲーション装置が備えているハードディスク等の記憶装置に予め記憶させておくということが、現在、通常行われているあり方である。
【0006】
しかし、製造の段階でカーナビゲーション装置の記憶装置に施設に関する情報を記憶しておくので、製造の段階で最新の情報であったとしても、時間の経過と共にその情報は古くなっていく。仮に、カーナビゲーション装置を購入したときには最新の情報であったとしても、購入後の時間の経過によりその情報は次第に古くなっていく。
【0007】
そこで、カーナビゲーション装置に施設に関する情報を提供する手法がいろいろ考えられる。例えば、カーナビゲーション装置のユーザに対して、新しい情報が記憶したCD−ROM等の記憶媒体を頒布し、ユーザがこの記憶媒体に記憶された情報をカーナビゲーション装置にインストールする手法が考えられる。
【0008】
また、ユーザのパソコンが施設に関する情報を格納したデータベースにインターネット等の通信回線を介してアクセスして情報を取得し、その取得した情報をカーナビゲーション装置に伝送するという手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
更に、カーナビゲーション装置が通信手段を備えるようにして、ユーザが必要に応じて、この通信手段を操作して情報を格納したホスト局と通信して、ホスト局が有する情報をカーナビゲーション装置が取得する手法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0010】
また、日替わり情報の提供という観点から、日替わりのイベント等の文字情報を、位置情報と共に放送電波に乗せて放送し、それをカーナビゲーション装置が受信するという手法も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2002−107151号公報
【特許文献2】特開平8−138193号公報
【特許文献3】特開平11−30524号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、施設に関する情報を記憶した記憶媒体を購入して、その記憶媒体の施設情報をカーナビゲーション装置の記憶装置に記憶させるのは、ユーザにとって費用、時間、手間もかかるし、購入することを忘れるということもある。また、新しい情報を記憶した記憶媒体を入手するとしても、その記憶媒体が年に1回とか、2回程度の割合で販売されるとすれば、その時間的な遅れが発生する。
【0012】
これに対して、ユーザのパソコンが情報の格納したデータベースを有するサーバから通信回線を介して情報を取得して、その情報をカーナビゲーション装置に伝送するという手法は、サーバに蓄積されている情報が新しければ、新しい情報を入手することが可能となる。
【0013】
しかし、この手法は、パソコンが通信回線を介してサーバから情報を取得し、そのカーナビゲーション装置に伝送することができる設備やカーナビゲーション装置がパソコンから情報の伝送を受けることができる設備が必要となる。また、ユーザが自らサーバにアクセスしてその情報を取得し、それをカーナビゲーション装置に伝送するという手間がかかる。更に、個々のユーザがサーバに接続してくるので、このデータベースのサーバを常時維持管理する設備負担が大きくなる。
【0014】
また、カーナビゲーション装置がホスト局のデータベースから通信手段を利用して情報を取得するという手法は、直接カーナビゲーション装置が情報を取得する点で簡単となっている。
【0015】
しかし、カーナビゲーション装置に対してこのような通信環境を構築する必要があり、そのための設備費、通信費等のコストがユーザに発生する。また、ユーザが自らホスト局に接続してその情報を取得するという手間がかかる。また、やはり個々のユーザがホスト局に通信手段を介して接続してくるので、このデータベースのサーバを常時維持管理する必要が発生し、情報を提供する側の設備負担が大きくなる。
【0016】
上述のこれらの手法は、カーナビゲーション装置の記憶装置に施設に関する情報を蓄積して、その情報を利用できるようにするという点で共通している。しかし、今度は、カーナビゲーション装置のディスプレイの地図上に示される施設が多すぎると、施設に関する情報を選択し利用するのに困難を感じるユーザも存在する。単純に新しい情報が増えればよいというものでもないと考えられる。
【0017】
なお、日替わり情報を提供する手法が提案されている。しかし、この手法は施設情報を蓄積しておいてユーザが後からその施設情報を利用するというものではない。単に、その日のイベント情報を把握できればよいというものである。
【0018】
そこで、カーナビゲーション装置が新しい情報を蓄積した場合に、その新しい情報を新しい情報として識別できるように利用することができるようにすれば、ユーザの施設の選択に資することになると考えることができる。
【0019】
そこで、本発明の目的は、上記問題点を鑑みて、ナビゲーション装置が新しい施設情報を簡便に取得することができ、新しい施設情報であると識別して利用することができるナビゲーションシステム、及び新しい施設情報を簡便に取得し、新しい施設情報であると識別して利用することができるナビゲーション装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
(1)本発明のナビゲーションシステムは、飲食店、娯楽施設、観光施設等の施設に関する情報であって前記情報の同一性を識別する識別情報と前記情報の日時を示す日時情報と前記施設の位置を特定する位置情報と前記施設の名称とを少なくとも含む施設情報を放送電波に乗せて所定の期間常時繰り返して放送する放送装置と、前記放送電波を受信するナビゲーション装置とを含むナビゲーションシステムであって、前記ナビゲーション装置は、自らの現在位置を取得する現在位置取得手段と、ディスプレイと、地図情報を記憶した地図情報記憶部と、前記地図情報を前記地図情報記憶部から読み出して前記ディスプレイに地図画像として表示する地図情報表示制御手段と、前記放送電波を受信する受信手段と、受信した前記放送電波から前記施設情報を抽出する抽出手段と、抽出された前記施設情報を蓄積する施設情報記憶部と、前記施設情報記憶部への前記施設情報の蓄積を制御する蓄積制御手段と、前記施設情報記憶部に蓄積された前記施設情報のうちから前記日時情報を指標として所定範囲の施設情報を読み出すように設定されている施設情報読み出し手段と、前記施設情報読み出し手段が読み出した前記施設情報に係る施設の位置を印付きで前記地図画像上に表示する施設位置表示制御手段とを備えることを特徴とする。
【0021】
また、本発明のナビゲーション装置は、飲食店、娯楽施設、観光施設等の施設に関する情報であって、前記情報の同一性を識別する識別情報と前記情報の日時を示す日時情報と前記施設の位置を特定する位置情報と前記施設の名称とを少なくとも含む施設情報を放送電波に乗せて所定の期間常時繰り返して放送される放送電波を受信するナビゲーション装置であって、自らの現在位置を取得する現在位置取得手段と、ディスプレイと、地図情報を記憶した地図情報記憶部と、前記地図情報を前記地図情報記憶部から読み出して前記ディスプレイに地図画像として表示する地図情報表示制御手段と、前記放送電波を受信する受信手段と、受信した前記放送電波から前記施設情報を抽出する抽出手段と、抽出された前記施設情報を蓄積する施設情報記憶部と、前記施設情報記憶部への前記施設情報の蓄積を制御する蓄積制御手段と、前記施設情報記憶部に蓄積された前記施設情報のうちから前記日時情報を指標として所定範囲の施設情報を読み出すように設定されている施設情報読み出し手段と、前記施設情報読み出し手段が読み出した前記施設情報に係る施設の位置を印付きで前記地図画像上に表示する施設位置表示制御手段とを備えることを特徴とする。
【0022】
本発明のナビゲーション装置は、本発明のナビゲーションシステムの構成要素であるナビゲーション装置を独立の発明として把握したものである。従って、本発明のナビゲーションシステムの説明において、併せて、本発明のナビゲーション装置の説明を行うこととする。
【0023】
(2)本発明のナビゲーションシステムにおいては、放送装置が放送電波に乗せて施設情報を放送し、ナビゲーション装置が放送電波を受信してそこから施設情報を抽出し、抽出した施設情報を蓄積する。
【0024】
新しい施設情報をナビゲーション装置に提供するのに放送電波を利用するので、その放送電波を受信し、施設情報を抽出することができるナビゲーション装置であれば、簡便に施設情報を得ることが可能となる。つまり、ナビゲーション装置が放送電波の受信することができる環境を備えていればよい。カーナビゲーション装置が通信手段を備える必要はないし、ユーザが通信手段を利用してサーバに接続するという手数も必要ない。
【0025】
放送装置は施設情報を所定の期間常時繰り返して放送する。このように、施設情報は常時繰り返して放送されるので、ナビゲーション装置は、その受信手段が作動して放送電波を受信するようになったときから容易に施設情報を取得することができるようになる。
【0026】
なお、「常時繰り返して」といっても、深夜等の時間帯で放送電波を放送しない時間帯があることを排除するものではない。つまり、完全に24時間切れ目なしということを意味するものではない。24時間切れ目なしに連続していてもよいが、途中で何らかの中断時間がある場合も含むものである。メンテナンスその他の理由のために、ある時間帯、例えば、午前2時から3時は中断しているということがあってもよいし、何らかの事故によって中断することもあり得る。
【0027】
また、放送装置は施設情報を所定の期間常時繰り返して放送するので、その所定の期間内に本発明のナビゲーション装置が作動して放送電波を受信すれば、その所定の期間内に放送された施設情報をナビゲーション装置は取得することができる。仮にある施設情報が一回しか放送されないとすると、その放送を逃した場合には、その施設情報をナビゲーション装置は受信することができない。このようにある所定の期間常時繰り返して放送されることで、放送電波を受信するナビゲーション装置がその施設情報を受信し易くなっている。つまりユーザはその所定の期間内にナビゲーション装置を作動させればよいことになる。
【0028】
更に、個々の施設情報に関していえば、施設情報を放送する期間は所定の期間である。例えば、1週間とか10日間というある幅のある期間である。この所定の期間経過後はその施設情報は放送されなくなるが、新しく追加される施設情報が放送される。従って、ある時点で放送される施設情報は、通常、複数の施設情報であって、放送される施設情報は徐々に更新されるということになる。なお、一つの施設情報だけが繰り返し放送されるということがあってもよい。新しく追加されて放送される施設情報がなければそうなる可能性はある。
【0029】
なお、放送装置は、施設情報を一時的に記憶する一時的記憶部と、施設情報を放送用フォーマット形式に変換する変換部と、施設情報を放送電波に乗せて放送する送出部とを備えていることが好適である。
【0030】
所定の期間放送する施設情報を一時的記憶部に所定の期間記憶しておいて、その記憶されている施設情報を変換部で放送用フォーマット形式に変換して送出部から放送電波に乗せて常時繰り返し放送するというように放送装置を動作させることで、放送装置が施設情報を所定の期間常時繰り返し放送することができる。
【0031】
なお、施設情報の作成の頻度、作成の間隔、放送する施設情報の量、ユーザの利便性例えば施設情報の受信可能性その他の要素を考慮して、その所定の期間を設定することになる。
【0032】
(3)本発明のナビゲーションシステムにおいては、施設情報を蓄積した放送用データベースを有し、放送用データベースは、蓄積した施設情報を放送装置に送出するように構成されていることが好ましい。
【0033】
上述したように放送装置は所定の期間施設情報を放送することから、放送装置が放送する施設情報に関して、タイミングよく新しい施設情報を追加し、所定の期間経過した施設情報を消去する必要がある。そのため、新たに放送する予定の施設情報を予め蓄積する放送用データベースを構築しておけば、タイミングよく必要な施設情報を放送装置に送出することが確実になる。
【0034】
(4)放送装置により放送される「施設情報」は、飲食店、娯楽施設、観光施設等の施設に関する情報であり、情報の同一性を識別する「識別情報」と情報の日時を示す「日時情報」と施設の位置を特定する「位置情報」と施設の「名称」とを少なくとも含む情報である。「少なくとも」ということの意味は、識別情報、日時情報、位置情報及び名称以外の情報を含んでいてもよいということである。
【0035】
識別情報は情報の同一性を識別する情報であって、当の施設情報を他の施設情報と識別することができる情報である。このように識別情報により同一の施設情報か異なる施設情報かを識別することができるので、放送装置が同一の施設情報を異なる施設情報として間違って重複して放送したり、また、ナビゲーション装置が施設情報を蓄積する際に同一の施設情報を異なる施設情報として間違って重複して記憶したりするということを防止することができる。
【0036】
日時情報は施設情報の新しさの基準となる。日時情報が施設情報の中に含ませておくことで施設情報の新しさを判断することができる。後述するように、ナビゲーション装置の施設情報読み出し手段は、施設情報記憶部に蓄積されている施設情報から日時情報を指標として所定範囲の施設情報を読み出すように設定されているので、この日時情報を指標として所定の範囲の新しい施設情報をナビゲーション装置のユーザは簡便に知ることができる。
【0037】
なお、ここで「日時情報」という語を使用しているが、単に年月日の日付だけとしてもよいし、時、分、秒等の時刻を含んでいてもよい。時分秒のどの単位まで含ませるかは、利便性、必要性、簡潔性等を考慮して設定することができる。
【0038】
この日時情報の日時としては、施設情報を作成した日時とすることができるし、施設情報が最初に放送電波に乗せて放送する予定日時等とすることもできる。また、施設情報が放送番組で紹介された施設の施設情報である場合には、施設を紹介する放送番組の放送日時、その施設が放送番組で実際に紹介された日時等とすることも可能である。なお、放送番組の放送日時といっても幅があるので開始時刻とか終了時刻とか適切に選択すればよい。要は、施設情報の新しさを判断するのに役立つように設定すればよい。
【0039】
なお、同一の施設の施設情報であっても、異なる識別情報、異なる日時情報を有する場合がある。この場合は異なる施設情報である。同一の施設であっても時間が経過してから施設情報を作成すると、その施設の営業時間その他の情報が変わるし、異なる放送番組で同一の施設が紹介されることもある。同一の施設を扱っていても、情報としては異なるし、また情報の新しさも異なる。
【0040】
施設情報は施設の位置を特定することができる位置情報を含んでいる。この位置情報により、ナビゲーション装置が備えるディスプレイに表示される地図画像上にその施設の位置を表示することが可能となる。
【0041】
この位置情報としては、ナビゲーション装置が用いる位置を設定する手法に対応した位置情報を用いることになる。カーナビゲーション装置等のナビゲーション装置は、通常、GPSによって緯度及び経度を認識することで現在位置を取得するので、位置情報は緯度及び経度と構成することができる。仮にGPS以外の手法によって現在位置を取得するのであれば、その手法に対応した位置情報を用いることができる。
【0042】
また、施設情報は施設の名称を含む。その名称によって施設を他の施設と区別することが容易になるし、記憶したり検索したりすることが便利となる。いずれにせよ、施設の名称が分からなければ不便なのは自明である。
【0043】
更に、この施設情報は、上記、識別情報、日時情報、位置情報、名称等の情報の他に施設についてのその他の情報(以下、適宜「付加情報」という。)を含むことができる。ユーザの便宜を考慮して付加情報を選択することができ、文字情報に限らず、画像情報であることも可能である。
【0044】
付加情報としては、例えば、施設の種類を挙げることができる。飲食店、娯楽施設等というように如何なる種類の施設かということに関する情報である。単に飲食店というだけではなく、さらに細分化して、フランス料理店、イタリア料理店、中華料理店、日本料理店と下位分類することも可能であるし、娯楽施設に関しても同様に、映画館、ボーリング場、ビリヤード場等のように下位分類することも可能である。細分化した種類だけで処理することもできる。ユーザの利便性等を考慮して、適切に種類を分けて、また下位の種類を設定することができる。
【0045】
また、施設の営業日、休日、営業時間、電話番号、住所、駐車場の有無等を付加情報とすることも可能である。ユーザにとっては、営業日、営業時間は知りたい情報の一つと考えられる。更に、施設が特色としている事項、例えば、飲食店であれば、その飲食店のおすすめ料理である。この場合、おすすめ料理の名称とともに、その画像を付加情報とすることができる。その他、施設の特徴、便利さ等の事項等を含むことができる。例えば、駐車スペースが広い、内部空間が広い、入場可能な人数、客席の数というような情報も付加情報とすることが可能である。
【0046】
なお、施設情報の対象となりうる施設は数多くある。ユーザの興味を引く施設もあるし、逆にユーザの興味を引かない施設もある。ユーザの興味を引かない施設の施設情報を放送してナビゲーション装置に蓄積させても、ナビゲーション装置に蓄積した施設情報が単に多くなるだけでユーザの選択が困難になる場合があり得る。
【0047】
この場合、最近の放送番組で紹介された施設の施設情報を知りたいと思うユーザは相当の割合存在すると考えられる。そこで、施設情報が対象とする施設として、放送局が放送した放送番組において紹介された施設を選択することが好ましい。
【0048】
このように、放送番組で紹介された施設を施設情報が対象とする施設とする場合には、付加情報にその施設に関する情報を放送した放送番組に関する情報を含むことも好ましい。例えば、放送局名、放送番組名、放送局、放送日、放送時間等を含むことができる。
【0049】
放送番組名、放送日時等からその放送番組で紹介された施設の施設情報を得ることができるようにしておけば、放送番組名、放送日時等を覚えているユーザにとっては、その放送番組名、放送日時等を手がかりにその放送番組で取り上げられた施設の施設情報を得ることができるというメリットもある。
【0050】
他方、自己の放送番組において取り上げた施設の施設情報を自己の放送装置から放送する放送局は、施設情報に放送番組に関する情報を含ませることで、自己の放送番組の宣伝にもなるというメリットにもなる。
【0051】
(5)本ナビゲーションシステムにおいては、ナビゲーション装置は、施設情報を乗せた放送電波を受信する受信手段と、受信した放送電波から施設情報を抽出する抽出手段とを備えている。受信手段により施設情報を乗せた放送電波を受信し、抽出手段により放送電波から施設情報を抽出することができる。放送装置は施設情報を所定の期間常時繰り返して放送するので、上述したように、ナビゲーション装置はそれらの新しい施設情報を簡便に取得することができる。
【0052】
また、本ナビゲーション装置は、抽出された施設情報を蓄積する施設情報記憶部と施設情報の施設情報記憶部への蓄積を制御する蓄積制御手段とを備えているので、抽出された施設情報を蓄積制御手段が制御して施設情報記憶部に蓄積することができる。この施設情報記憶部に蓄積された施設情報は、施設情報読み出し手段によって読み出され利用されることになる。
【0053】
なお、施設情報は所定の期間常時繰り返して放送されるので、同一の施設情報が何度か抽出されることがある。この場合、蓄積制御手段は、施設情報の識別情報を指標として同一の施設情報が既に施設情報記憶部に蓄積されているか否かを検索し、既に同一の施設情報を既に蓄積している場合には、自動的に抽出手段によって抽出された施設情報を施設情報記憶部に蓄積すべき情報から排除するように構成されていることが好ましい。
【0054】
本ナビゲーション装置は、自らの現在位置を取得する現在位置取得手段と、ディスプレイと、ディスプレイに地図画像として表示される地図情報を記憶した地図情報記憶部と、地図情報を地図情報記憶部から読み出してディスプレイに地図画像として表示する地図情報表示制御手段とを備えているので、上述したGPS等を利用して現在位置を取得して、地図情報記憶部から必要な地域の地図情報を読み出して、ディスプレイに現在位置周辺の地域を地図画像として表示することができる。この場合、現在位置周辺の道路を表示する他、設定により、娯楽施設、飲食店、公的施設等の施設の位置も表示される。即ち、地図情報記憶部に記憶されている地図情報には、上述したように、通常、道路に関する情報だけではなく、施設に関する情報も含まれているからである。
【0055】
更に、本ナビゲーション装置は、施設情報記憶部に蓄積された施設情報から日時情報を指標として所定範囲の施設情報を読み出すように設定されている施設情報読み出し手段と施設情報読み出し手段が読み出した施設情報に係る施設の位置を印付きで地図画像上に表示する施設位置表示制御手段とを備えている。
【0056】
この施設情報読み出し手段は、日時情報を指標として所定範囲の施設情報を読み出すように設定されているので、蓄積された施設情報のうちから新しい施設情報を選択的に読み出すことが可能となる。
【0057】
この場合、ユーザに新しい施設情報を提供するという観点からは、「所定範囲の施設情報」とは、現在時から遡って所定の時間的範囲内にある日時情報を有する施設情報であることが好ましい。例えば、日時情報が現在時から遡って1週間以内の施設情報と「所定範囲の施設情報」が設定してあれば、現在時から遡って1週間以内の日時情報を有する施設情報が読み出され、2週間以内の施設情報と設定してあれば現在時から遡って2週間以内の日時情報を有する施設情報が読み出されることになる。
【0058】
なお、この「所定範囲」については、予め固定しておくこともできるし、ユーザが任意に所定範囲を設定することができるように構成することもできる。ユーザの利便性という観点からは、所定範囲を変更できるように設定されていることが好ましい。所定範囲の変更とは、例えば当初「所定範囲の施設情報」について日時情報が現在時から遡って1週間以内の施設情報と設定してあるのを、2週間以内の施設情報というように変更することができるということである。
【0059】
なお、日時情報が特定の日付と合致する施設情報を読み出すように設定することができるようにしてもよい。このようにすることで、新しい施設情報を選択的に読み出すことができるだけではなく、特定の日付を有する施設情報も読み出すことができるようになり、ユーザの利便性が向上する。
【0060】
また、施設情報に含まれる付加情報に、施設の種類に関する情報が含まれている場合には、施設情報読み出し手段は地図画像の上に表示する施設の種類を選択することができるように構成されていることが好ましい。その施設の種類に関する情報を元にその種類に適合した施設の情報を選択して読み出すことで、施設位置表示制御手段は、該当する種類の施設の位置を地図画面上に表示することができる。
【0061】
ユーザは単に話題になっている施設情報を漠然と知りたいだけではなく、既に食事をしたいとか、娯楽施設に行って遊びたい等々の目的を持っている場合が多い。そこで施設情報を単に表示するのではなく、施設の種類を選択してその種類に該当する施設を表示することができれば、ユーザの利便性も向上する。
【0062】
読み出された施設情報には位置情報が含まれているので、施設位置表示制御手段は、その位置情報に基づいて、ディスプレイに表示されている地図画像上にその施設の位置を示すことができる。また、施設の位置は印を付けて表示されるので、ユーザは、施設情報読み出し手段が読み出した施設情報に係る施設であるか、地図情報記憶部に記憶されている施設であるかを区別して認識することができる。ユーザは、つまり、新しい施設情報をそれとして認識することができる。
【0063】
なお、印とは例えば、「お勧め」、「新しい」、「ニュー」等の文字を含んだものでも、星印等の何らかの図形でも、要はユーザがそれと認識できるものであればよい。
【0064】
この場合、単に施設の位置を示すだけではなく、施設情報に含まれている施設の名称を読み込んで、施設の名称も併せて表示するように設定することもできる。施設の名称が表示されればそれだけユーザの利便性も向上する。
【0065】
なお、本ナビゲーション装置は、施設情報に含まれる情報を、ディスプレイに表示することができるように構成されていることが好ましい。施設情報には、施設の名称、電話番号、営業時間、駐車場の有無等のその他の文字情報、また、画像情報等が含まれており、これらの情報のうちの適当なものをディスプレイに表示することができれば、ユーザの利便性が向上する。
【0066】
また、本ナビゲーション装置は、施設情報に含まれる情報を音声情報として出力する音声出力手段を備えることも好ましい。
【0067】
施設情報に含まれる情報、特に付加情報は、ある程度情報量が多くなる。そこで、カーナビゲーション装置が音声ガイダンス機能を発揮するような音声出力手段を備えていれば、ディスプレイ上にそれらの情報を表示するのではなく、車を運転中のユーザの安全性の観点からは施設情報に含まれる情報を音声で出力することが好ましい。
【0068】
本ナビゲーション装置においては、施設情報記憶部に蓄積された施設情報について、地図情報記憶部に記憶された地図情報に含まれる情報として扱うことができることが好ましい。
【0069】
施設情報読み出し手段は日時情報を指標として所定範囲の施設情報を読み出すように設定されているので、所定範囲外の施設情報は読み出されないことになる。そのような情報は、いわば新鮮さを欠いた施設情報と言うことができる。
【0070】
しかし、施設情報記憶部に蓄積された施設情報は削除されない限り蓄積された状態にあるので、設定によって、施設位置表示制御手段によって印付きで表示するのではなく、地図情報記憶部に記憶された地図情報に含まれる情報として扱うことができれば、それだけ施設の情報が増えて、ユーザの利便性が向上することになる。また、印付きが表示されることはないので、新しい施設情報と混同を来すことはない。
【0071】
(6)なお、本発明のナビゲーション装置としてはカーナビゲーション装置が好適であって、従って本発明のナビゲーションシステムとしてはカーナビゲーションステムが好適である。しかし、カーナビゲーション装置である必然性はない。本発明のナビゲーション装置としては、携帯電話機を用いて構成することもでき、この場合は携帯電話機を用いて本発明のナビゲーションシステムを構成することになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0072】
(1)ナビゲーションシステムの概略
本発明のナビゲーションシステムの実施形態として、カーナビゲーションシステムについて説明する。本実施形態のカーナビゲーションシステムは、図1に示すように、放送装置200と放送用データベース300とカーナビゲーション装置100とを含んで構成されている。
【0073】
放送用データベース300は施設情報を蓄積したデータベースである。本実施形態では、放送装置200に対して放送すべき施設情報を送出するように構成されている。
【0074】
放送装置200は、施設情報を放送電波に乗せて常時繰り返して放送する装置である。本実施形態では、放送電波に乗せて放送される施設情報を放送用データベース300から受け取るように構成されている。
【0075】
本実施形態では放送装置200は放送局(図示しない)に設置されており、放送用データベース300は、放送装置200が設置されている放送局の外に設置されている。
【0076】
カーナビゲーション装置100は、放送装置200が放送電波に乗せて放送した施設情報を受信し蓄積して利用する装置である。
【0077】
本実施形態のカーナビゲーションシステムにおいては、放送用データベース300に蓄積された施設情報が、予め設定した時間に合わせて放送装置200に送出される。放送装置200は受け取った施設情報を一時的に蓄積して放送電波に乗せて常時繰り返して放送する。カーナビゲーション装置100はその放送電波を受信して、放送電波から施設情報を抽出して、蓄積する。そして、カーナビゲーション装置100のユーザは、施設を選択する際に、蓄積された施設情報を利用することができる。
【0078】
なお、本実施形態では、施設情報が対象とする施設は、放送番組で紹介された施設、例えば、飲食店、娯楽施設、観光施設等の施設である。また、施設情報が有する日時情報は、その施設を紹介する放送番組が終了する日時の情報としている。
【0079】
本実施形態の施設情報は、この情報を他の情報と区別する識別情報、日時情報として放送日時(例えば、****年*月**日**時**分)、施設の位置情報(例えば、経度**度**分及び緯度**度**分)、施設の名称、放送番組の名称、施設の種類、即ち、飲食店、娯楽施設か、また飲食店であれば、フランス料理店、イタリア料理店、日本料理店、中華料理店という下位分類、住所、電話番号、URL、営業時間・休日、駐車場の有無、施設の建物、施設の画像や施設が提供する料理、サービスに関する画像、カーナビゲーション装置の音声出力手段が施設に関して音声情報として出力されるように構成されたコメント情報が含まれている
【0080】
(2)放送装置200及び放送用データベース300の構成について
放送装置200と放送用データベース300について、図2を参照しつつ、更に詳細に説明する。
【0081】
放送装置200は、一時的記憶部201と変換部202と送出部203とを有している。一時的記憶部201は、所定の期間常時繰り返して放送電波に乗せて放送する施設情報を一時的に記憶する記憶部である。この一時的記憶部201に記憶された施設情報を送出部203が常時繰り返して放送するように構成されている。
【0082】
従って、一時的記憶部201に記憶された施設情報を更新することで、送出部203が放送する施設情報を更新することができる。一時的記憶部201に記憶された個々の施設情報は、それぞれ所定の期間保持されると消去され、新しい施設情報は放送用データベース300から送出されるように構成されている。このようにして、一時的記憶部201に記憶された施設情報は更新されることになる。
【0083】
変換部202は、施設情報を放送電波に乗せて放送することができるように、施設情報を放送用フォーマット形式に変換する機能を有している。従って、カーナビゲーション装置100においては、この放送用フォーマット形式からカーナビで利用できるようなデータ形式に施設情報を変換するように設定されている。
【0084】
送出部203は、ラジオ又はテレビの放送電波の特定の帯域、デジタル放送電波のうちの特定の帯域を利用して、施設情報を放送電波に乗せて送出する。ここで用いる放送電波は施設情報を乗せることができる放送電波であればよい。例えば、FM多重放送に用いられる放送電波を用いることができる。また、地上波デジタル放送の放送電波を用いることができる。この場合、放送電波に乗せる施設情報は利用する放送電波に適合する放送用フォーマット形式を有することになる。
【0085】
本実施形態では、放送用データベース300は、放送番組で紹介された施設の施設情報を蓄積している。放送用データベース300に記憶された施設情報は、施設情報を紹介する放送番組が終了するのに合わせて施設情報を放送装置200の一時的記憶部201にネットワーク(図示しない)を介して送出するように構成されている。
【0086】
(3)放送装置200及び放送用データベース300の動作について
放送用データベース300から施設情報が送出され、放送装置200が施設情報を放送電波に乗せて所定の期間常時繰り返して放送する動作について、例を挙げて説明する。
【0087】
本実施形態においては、放送装置200が施設情報を放送電波に乗せて常時繰り返して放送する「所定の期間」は、その施設を紹介した放送番組の放送終了後から1週間と設定されているとする。
【0088】
例えば、月曜日から日曜日までの1週間で施設を紹介する放送番組が、月曜日にA放送番組、火曜日にB放送番組とC放送番組、水曜日にD放送番組、木曜日にE放送番組とF放送番組、金曜日にG放送番組とH放送番組、土曜日にI放送番組、日曜日にJ放送番組とK放送番組があるとする。
【0089】
放送装置200は、ある放送番組が終了した時点から1週間、その放送番組で紹介した施設の施設情報を放送するように構成されているので、月曜日から日曜日までを1週とすると、放送装置200は、例えば、第n週の最後のK放送番組が終了した時点から次の第n+1週のA放送番組が終了する時点までは、第n週に属するA放送番組からK放送番組までの施設情報を放送電波に乗せて常時繰り返して放送することになる。
【0090】
この場合の施設情報を図3(a)に示す。図3(a)中のA(n)、B(n)、C(n)、D(n)、E(n)、F(n)、G(n)、H(n)、I(n)、J(n)及びK(n)は、それぞれ第n週における同じアルファベットの放送番組で紹介した施設の施設情報である。例えば、B(n)は第n週のB放送番組で紹介した施設の施設情報である。一つの放送番組で紹介される施設は一つとは限らないので、このB(n)の施設情報も1つの施設の施設情報とは限らない。2あるいはそれ以上の施設の施設情報ということもある。このように、A(n)からK(n)の施設情報が常時繰り返して放送されることになる。
【0091】
そして、第n+1週の木曜日のE放送番組が終了した時点では、放送装置200が放送する施設情報は、図3(b)に示すような内容となる。即ち、F(n)、G(n)、H(n)、I(n)、J(n)、K(n)、A(n+1)、B(n+1)、C(n+1)、D(n+1)及びE(n+1)ということになる。ここで、n+1とは第n+1週を意味し、例えば、A(n+1)とは、第n+1週のA放送番組で紹介した施設の施設情報ということである。
【0092】
このように木曜日のE放送番組が終了してからF放送番組が終了するまでの間は、上記F(n)、G(n)、H(n)、I(n)、J(n)、K(n)、A(n+1)、B(n+1)、C(n+1)、D(n+1)及びE(n+1)の施設情報が常時繰り返して放送されることになる。
【0093】
更に第n+1週の最後のK放送番組の放送が終了してから第n+2週のA放送番組の放送が終了するまでは、図3(c)に示すA(n+1)、B(n+1)、C(n+1)、D(n+1)、E(n+1)、F(n+1)、G(n+1)、H(n+1)、I(n+1)、J(n+1)及びK(n+1)の施設情報が常時繰り返して放送されることになる。
【0094】
送出部203が放送電波に乗せて放送する施設情報を放送するには、それらの施設情報が一時記憶部201に記憶されていなければならない。そのためには、記憶されて1週間が経過した施設情報は一時的記憶部201から消去され、新しい施設情報が一時的記憶部201に新たに記憶されなければならない。
【0095】
例えば、図3(b)の場合を例に取ると、第n+1週の木曜日のE放送番組が終了すると、それまで一時的記憶部201に記憶されていた第n週のE放送番組の施設情報即ちE(n)が削除され、放送用データベース300から放送装置200の一時的記憶部201にE(n+1)が送出される。F(n)、G(n)、H(n)、I(n)、J(n)、K(n)、A(n+1)、B(n+1)、C(n+1)及びD(n+1)は既に一時的記憶部201に記憶されているので、F(n)、G(n)、H(n)、I(n)、J(n)、K(n)、A(n+1)、B(n+1)、C(n+1)、D(n+1)及びE(n+1)が一時的記憶部201に記憶されていることになる。
【0096】
一時的記憶部201に記憶されたF(n)、G(n)、H(n)、I(n)、J(n)、K(n)、A(n+1)、B(n+1)、C(n+1)、D(n+1)及びE(n+1)は、第n+1週の木曜日のF放送番組が終了するまで、変換部202によって放送用フォーマット形式に変換されて、送出部203から放送電波に乗せて常時繰り返して放送されることになる。
【0097】
そして、第n+1週の木曜日のF放送番組が終了すると、一時的記憶部201に記憶されているF(n)が消去され、放送用データベース300が一時的記憶部201にF(n+1)を送出する。
【0098】
一時的記憶部201にはG(n)、H(n)、I(n)、J(n)、K(n)、A(n+1)、B(n+1)、C(n+1)、D(n+1)、E(n+1)及びF(n+1)の施設情報が記憶され、第n+1週の金曜日のG放送番組が終了するまでは、これらの施設情報が変換部202で放送用フォーマット形式に変換されて、送出部203から常時繰り返して放送されることになる。
【0099】
このように、放送用データベース300から放送装置200の一時的記憶部201に送出される施設情報は、個々の施設情報について見れば、一時的記憶部201に記憶され、記憶してから1週間経過した施設情報は消去されることになる。一時的記憶部201に記憶されている施設情報全体を見ると、徐々に交替していくことになる。
【0100】
そして、一時的記憶部201に記憶されている施設情報は、変換部202を経て、送出部203により放送されるので、一時的記憶部201に記憶されている施設情報が交替するに従って、放送装置200が放送する施設情報も交替することになる。
【0101】
このように「所定の期間」を放送番組終了が1週間とすると、その放送番組が1週間に1回の放送番組であれば、このように施設を紹介する放送番組が終了する毎に少しずつ繰り返し放送する施設情報が交替して、次の週の放送番組が終了すると前の週の放送番組で紹介した施設情報はもはや放送されなくなる。このように繰り返して放送される施設情報を全体としてみると少しずつ施設情報は入れ替わっているが、個々の施設情報を見ると1週間放送電波に乗せて常時繰り返して放送されていることになる。
【0102】
なお、この実施形態において放送装置200が放送電波に乗せて放送する施設情報の対象となる施設は、必ずしも、その放送装置200が設置されている放送局が放送した放送番組で取り上げた施設である必然性はない。要は、放送装置200が放送するスケジュールに合うように放送番組で取り上げた施設の施設情報を入手できれば、系列他局の放送番組で取り上げた施設の施設情報でも、さらには、系列ではない他局の放送番組で取り上げた施設の施設情報でも可能である。放送番組の時間帯が重複しても、それぞれの施設情報はそれぞれ独自の識別情報を有しているので、混乱することはない。
【0103】
なお、本カーナビゲーションシステムのユーザにのみ施設情報を提供するという観点からは、放送装置200は、放送電波にスクランブルをかけて放送するようにしてもよい。この場合、放送装置200は、スクランブルをかける暗号化手段(図示しない)を備えることで、放送電波にスクランブルをかけて放送することが可能となる。この場合は、暗号化手段は、変換部202と送出部203との間に設ければよい。
【0104】
また、施設情報自体を予め暗号化しておく手法も有効である。この場合は、放送用データベースに蓄積する前に予め施設情報を暗号化しておけばよい。
【0105】
なお、本実施形態では、放送用データベース300は放送装置200が設置されている放送局の外に設置する形態である。しかし、放送用データベース300を放送装置200が設定されている放送局の内部に設置することも可能である。管理運営に関しても、同一の事業者が放送用データベース300と放送装置200を管理運営していてもよいし、異なる事業者が別々に設置して両者の協力の下に管理運営していてもよい。
【0106】
(4)カーナビゲーション装置の構成について
本実施形態のカーナビゲーション装置100は、図4に示すように、受信部101、抽出部102、データベース部103、現在位置取得部104、ディスプレイ106、音声認識部109、音声合成部108、制御部105と、操作パネル107とを含んで構成されている。
【0107】
制御部105は、以下において個別に説明する制御機能の他、カーナビゲーション装置100のその他の動作を制御する機能を有している。
【0108】
操作パネル107は、制御部105にユーザの指示を伝えるパネルである。本カーナビゲーション装置100においては、ディスプレイ106の画面は操作パネル107の一部を兼ねており、画面上に表示されたアイコンやその他のマーク、文字等にタッチすることで制御部105にユーザは指示を与えることができる。
【0109】
現在位置取得部104はGPSを利用して車の現在位置の緯度及び経度を取得する機能を有し、制御部105は現在位置取得部104が取得した現在位置の緯度及び経度を認識するように設定されている。
【0110】
ディスプレイ106は画像や文字情報を表示する装置である。このディスプレイ106への地図画像等の画像や文字情報等の表示は、制御部105によって制御されている。
【0111】
音声合成部108は制御部105から伝えられた情報を音声情報に合成し、合成した音声情報をスピーカ110に出力する機能を有する。
【0112】
音声認識部109はマイク111に入力された人間の音声を人間の音声情報として認識し、制御部105が認識できる情報に変換して制御部105に出力する機能を有する。
【0113】
データベース部103は記憶装置であって、ハードディスクを用いて構成することができる。本実施形態においては、データベース部103は、施設情報を蓄積する施設情報記憶部の役割と地図情報を記憶する地図情報記憶部の役割とを兼ねている。ハードディスクは一つでもよいし、複数でもよい。なお、本実施形態においては、本発明のナビゲーション装置における施設情報記憶部と地図情報記憶部を一つの記憶装置で実現しているが、施設情報記憶部と地図情報記憶部を別々の記憶装置で実現することも可能である。
【0114】
このデータベース部103は、地図情報と施設情報とをデータベースとして記憶している。地図情報は後述するようにディスプレイ106に地図画像として表示される情報である。この地図情報には、道路に関する情報だけではなく、施設に関する情報も含まれている。既に述べてように、カーナビゲーション装置が提供する地図情報には、目的地までの道路の情報だけではなく、道路周辺の施設に関する情報がある。また、目的地として施設を設定する場合に備えて、その施設に関する名称、電話番号、位置等の情報を有している。
【0115】
図1における放送装置200が放送電波に乗せて一定期間常時繰り返して放送した施設情報をデータベース部103に蓄積することになる。なお、本実施形態の以下の説明では、便宜上、地図情報の中に道路に関する情報と共に含まれている施設に関する情報を「地図施設情報」と呼び、本実施形態のカーナビゲーションシステムにおいて放送電波に乗せて放送される「施設情報」と区別することにする。
【0116】
また、カーナビゲーション装置100が同時にオーディオ機能も有する場合には、通常、このデータベース部103は、楽曲データを記憶するように構成されている。
【0117】
受信部101は、放送装置200が施設情報を乗せて放送した放送電波を受信する機能を有し、抽出部102は、受信部101が受信した放送電波から施設情報を抜き出して、施設情報をこの放送用フォーマット形式からカーナビゲーション装置100において利用できる形式に変換する機能を有している。
【0118】
放送装置200が放送電波にスクランブルをかけて放送した場合には、スクランブルを解除する解除手段(図示しない。)を、受信部101と抽出手段102との間に備えるようにして、受信部101が受信した放送電波のスクランブルを解除するようにすることができる。
【0119】
また、放送電波に乗せて放送された施設情報自体が暗号化されている場合には、暗号化された施設情報を復号化する復号化手段(図示しない)を抽出部102に備えるようにすればよい。これにより、抽出部102が抽出した施設情報を復号化することが可能となる。
【0120】
制御部105は、抽出部102において抽出された施設情報を認識して、同一の識別情報を有する施設情報が既にデータベース部103に蓄積されているか否かをデータベース部103に蓄積されている施設情報を検索して判断し、データベース部103に蓄積されていないと判断した施設情報をデータベース部103に蓄積し、既に蓄積されていると判断した施設情報はそのまま消去するよう制御している。
【0121】
このようにデータベース部103にまだ蓄積していない施設情報を制御部105が制御してデータベース部103に蓄積するように構成することで、ユーザが何らかの判断と操作をするという手間を負担することなく、簡便に施設情報を蓄積することができるし、同一の施設情報を何度もデータベース部103に記憶するという動作を避けることができる。
【0122】
なお、データベース部103のハードディスクに記憶された楽曲データを楽曲の再生のために利用している場合、その状態のままでデータベース部103のハードディスクに施設情報を書き込んで記憶することは現実的には行うことができない。
【0123】
この場合には、制御部105は、抽出部102において抽出された識別情報を蓄積するという動作をしないように制御している。
【0124】
施設情報は放送電波に乗せて常時繰り返して放送されるので、ユーザは楽曲再生のための利用が終わってから、施設情報を蓄積することができる。
【0125】
また、制御部105が制御して自動的に施設情報をデータベース部103に蓄積するのではなく、抽出部102で抽出された施設情報のそれぞれについて、ユーザに対してデータベース部103に蓄積するか否かの判断をさせて、施設情報のそれぞれについて一つずつ蓄積か蓄積しないかの指示をユーザがするように設定することも可能である。
【0126】
現在位置取得部104によって現在位置の緯度及び経度を取得した制御部105は、データベース部103から、現在位置周辺の地域の地図情報、又は目的地が与えられている場合には現在位置から目的地までの経路を含む地図情報を読み出してディスプレイ106に地図画像として表示するように制御する。現在の通常のカーナビゲーション装置と同様に、ユーザが縮尺を調整することでディスプレイ106に表示される地域の範囲を変更することができる。
【0127】
この場合、制御部105は、操作パネル107の操作に応じて、単に道路を標示するだけではなく、地図情報に含まれている地図施設情報を読み出してその地図施設情報に係る施設の位置を地図画像上に表示するように制御する。
【0128】
また、制御部105は、操作パネル107の操作又は設定によりデータベース部103に蓄積された施設情報のうちから、それが有している日時情報を指標として所定範囲の施設情報を読み出し、その施設情報に含まれる位置情報を利用して施設の位置がディスプレイ106に表示された地図画像の範囲内にある施設の位置を印付きで地図画像上に表示するように制御する。
【0129】
本実施の形態では、例えば、図5に示すように、施設情報に係る飲食店については、その位置表示113が「お勧め」の文字が入った吹き出しという印112付きで地図画像上に示される。
【0130】
本実施形態においては、上述したように日時情報は施設情報が放送された放送日時である。放送日時を指標とすることで、ユーザは放送番組で紹介された施設について、放送番組の新しさを基準として所定範囲の施設情報を認識することができる。例えば、放送日時を指標として現在時から1週間以内の施設情報とか1ヶ月以内の施設情報というように所定範囲の施設情報を読み出すことができることになる。なお、この所定範囲は特に固定される必要はなく、ユーザの希望に応じて操作パネル107によって変更することができるように設定することができる。
【0131】
いずれにせよ、データベース部103に蓄積された施設情報について、日時情報の新しさの観点から選択されて読み出されるので、ユーザは新しい施設情報を印付きで認識することが可能となる。
【0132】
なお、本実施形態では、操作パネル107の操作により、制御部105がデータベース部103から読み出す施設の種類を選択することができるように構成されている。施設情報の中に施設の種類に関する情報が含まれており、その種類情報を利用して、特定の種類の施設情報のみを読み出すことができる。例えば、飲食店を探しているのであれば、制御部105は施設の種類として飲食店を選択し、施設の種類情報として飲食店が含まれている施設情報をデータベース部103から読み出すことができる。
【0133】
また、操作パネル107の操作によって、制御部105が地図画像上に、施設の位置を印付きで表示するだけではなく、施設の名称も表示するように設定されている。
【0134】
更に特定の施設を選択すると、制御部105は施設情報を読み出して、その施設の詳しい施設情報、例えば、営業時間、駐車場の有無、休日、お勧めの料理、サービス等に関する情報、施設又はそこで提供される料理、サービスに関する画像等をディスプレイ106に表示するように設定されている。
【0135】
また施設情報は、画像等を除いて、音声ガイダンス機能を利用して、音声で指示し、音声で情報を受け取ることができるように設定されている。即ちマイク111に向かって飲食店を知りたい旨を発話すると、音声情報がマイク111から音声認識部109に伝えられて、音声認識部109がかかる指示を制御部105に伝えることになる。
【0136】
制御部105はかかる指示に基づいて、データベース部103から飲食店に関する施設情報を読み出して、その施設情報を音声合成部108に伝え、音声を合成して、スピーカ110から音声として出力することもできる。音声として出力される予定の情報は、音声出力用の情報、例えばコメント情報として施設情報に含ませておいて、それを出力するように構成されている。
【0137】
更に、制御部105はマイク111及び音声認識部107を用いた音声による指示またはユーザの操作パネル107の操作によって、施設情報の中に含まれている放送番組名、放送日時を検索することで、希望する放送日時の施設情報、希望する放送番組で紹介された施設情報をデータベース部103から読み出して、ディスプレイ106の地図画像上に印付きで位置を表示することができるように制御することができるように構成されている。
【0138】
なお、データベース部103に蓄積された施設情報のうちで古くなってしまい、所定範囲の施設情報として地図画像上に印付きでその施設の位置が表示される必要がない施設情報は、ユーザの選択によって、操作パネル107を操作することで、削除することもできるし、地図情報に含まれる施設に関する通常の情報として取り扱うこともできるように設定することができる。このように施設に関する通常の情報として扱われる場合にはもはや「お勧め」というような印付きで施設の位置が表示されることはない。
【0139】
(5)施設情報の蓄積に関する動作
放送装置200が放送した放送電波をカーナビゲーション装置100が蓄積する動作について、図4及び図6を用いて、説明する。
【0140】
放送装置が施設情報を放送電波に乗せて常時繰り返して放送している状況において、ステップS01で、ユーザがカーナビゲーション装置100の電源をオンとする。
【0141】
カーナビゲーション装置100の電源がオンとなると、ステップS02において、カーナビゲーション装置100の受信部101が作動して、受信部101は施設情報を乗せた放送電波を受信する。
【0142】
ステップS03において、抽出部102は、受信部101が受信した放送電波から施設情報を抽出する。放送電波に乗るように放送用フォーマット形式としているので、放送用フォーマット形式からカーナビゲーション装置100で利用する形式に変換する。
【0143】
ステップS04において、制御部105は、抽出部102が抽出した施設情報に含まれる識別情報を読み込んで、同一の識別情報を有する施設情報が既にデータベース部103に蓄積されているかどうかを検索する。
【0144】
検索の結果、抽出部102で抽出された施設情報が既に蓄積されている場合にはデータベース部103に蓄積されることはなく、その施設情報は消去されて、その施設情報に関する動作は終了する。
【0145】
検索の結果、データベース部103にその施設情報がまだ蓄積されていない場合にはステップS05に進み、ステップS05において、制御部105はその施設情報をデータベース部103に蓄積し、その施設情報については動作が終了する。
【0146】
放送電波に乗せて放送される施設情報は、既に説明したように一つの施設情報とは限らず、複数の施設情報である場合が多い。施設情報が複数の場合はそれぞれの施設情報について、上述のステップが繰り返されることになる。
【0147】
先に図3において示した月曜日から日曜日まで放送する放送番組の例をここでも用いて、具体的に説明する。図1及び図2で示した放送装置200が、第n+1週目のK放送番組終了後に、図3(c)に示すように、A(n+1)、B(n+1)、C(n+1)、D(n+1)、E(n+1)、F(n+1)、G(n+1)、H(n+1)、I(n+1)、J(n+1)及びK(n+1)の施設情報が繰り返して放送されているとする。ユーザがカーナビゲーション装置100の電源をオンとすると(ステップS01)、受信部101はこれらの施設情報を乗せた放送電波を受信し(ステップS02)、抽出部102は放送電波からこれらの施設情報を抽出する(ステップS03)。
【0148】
この場合、日曜日にはJ放送番組とK放送番組が放送されており、J放送番組終了後からK放送番組終了までは、K(n)、A(n+1)、B(n+1)、C(n+1)、D(n+1)、E(n+1)、F(n+1)、G(n+1)、H(n+1)、I(n+1)及びJ(n+1)の施設情報が繰り返して放送されていた。この放送の時に、カーナビゲーション装置100が作動していて、K(n)、A(n+1)、B(n+1)、C(n+1)、D(n+1)、E(n+1)、F(n+1)、G(n+1)、H(n+1)、I(n+1)及びJ(n+1)の施設情報をデータベース部103に既に蓄積していた場合には、K放送番組終了後においては、制御部105はK(n+1)の施設情報のみがデータベース部103にまだ蓄積されていないことを検出して(ステップS04)、K(n+1)のみをデータベース部103に蓄積し(ステップS05)、残りの施設情報は蓄積せずにそのまま消去する。
【0149】
なお、施設情報を乗せた放送電波は常時繰り返して放送されるので、受信部101が受信した放送電波に乗っている施設情報が既に全てデータベース部103に蓄積済みという場合がある。この場合には、ステップS04において、制御部105は、抽出部102が抽出した施設情報は全て順次データベース部103に既に蓄積されていると判断されて、施設情報の蓄積に関する動作は終了することになる。
【0150】
(6)蓄積された施設情報の読み出し・表示等に関する動作
次にカーナビゲーション装置100がデータベース部103に蓄積された施設情報を利用する動作について、図4及び図5を参照しつつ、説明する
【0151】
なお、施設情報の読み出し及び表示については、通常のカーナビゲーション機能による動作の中で実現されるので、通常のカーナビゲーション機能による動作も必要に応じて併せて説明する。
【0152】
カーナビゲーション装置100の電源がオンとなると、現在位置取得部104がGPSを利用して自車の現在位置に関する情報(緯度及び経度)、即ち現在位置情報を取得する。
【0153】
制御部105は、現在位置取得部104が取得した現在位置情報を認識して、カーナビゲーション装置100のディスプレイ106に表示される画面の初期設定が現在位置の周辺の道路を示す場合には、現在位置周辺の道路に関する地図情報をデータベース部106から読み出し、地図情報をディスプレイ106に周辺道路を示した地図画像として表示することになる。
【0154】
ここで、ユーザが現在位置周辺の飲食店に関する情報を知りたい場合には、操作パネル107を操作して、ディスプレイ106の画面に表示されている地図画像上に地図施設情報に含まれる飲食店と施設情報に含まれる飲食店の位置を表示させることができる。
【0155】
即ち、ユーザが操作パネル107を操作して飲食店を選択して、制御部105にユーザが飲食店を選択したことを認識させる。そして、制御部105は飲食店が選択されたことを認識すると、データベース部103に記憶されている飲食店に関する情報、即ち施設情報のうちの日時情報が所定範囲内の飲食店に関する情報と、地図施設情報のうちの飲食店に関する情報とを検索して、読み出す。
【0156】
そして、これらの飲食店のうち位置がディスプレイ106に表示されている地図画像の範囲内にある飲食店の位置をその地図画像上に表示する。この場合、日時情報が所定範囲内にある施設情報の飲食店については、図5に示したように、「お勧め」という文字が入った印112付きで飲食店の位置を示すことになる。
【0157】
なお、操作パネル107を操作して制御部105に飲食店を選択したことを認識させる代わりに、マイク111にユーザが飲食店と発声することで、制御部105に飲食店を認識させることができる。この場合には、マイク111から向かって発話された音声は音声認識部109において飲食店という音声として認識され、制御部105は飲食店が選択されたことを認識することになる。
【0158】
なお、データベース部103から地図施設情報と施設情報の双方の飲食店を検索して表示するようにすると、地図画像上に飲食店の位置表示113が密集して表示される場合がある。このような場合には、ユーザは、操作パネル107を操作して、「お勧め」という文字が入った印112付きの位置表示113のみを地図画像上に残すようにすることもできる。また、予め設定によって、データベース部103に蓄積された施設情報のみを検索して、施設情報に含まれる日時情報が所定範囲内の飲食店の位置表示113のみを印112付きで地図画像上に表示するようにすることもできる。
【0159】
なお、画面に現れた「お勧め」という表示のタッチによって、飲食店に関する施設情報に含まれるコメント情報を音声として出力するように設定されている場合、ユーザが「お勧め」という表示をタッチすると、制御部105は「お勧め」という表示がタッチされたことを関知して、「お勧め」という表示に係る施設を認識する。
【0160】
そして、制御部105は、データベース部103から検索して、その施設の施設情報中に含まれるコメント情報を読み出し、そのコメント情報を音声合成部108に出力して音声としてスピーカ110から出力する。ユーザはそのコメント情報を聞くことで、その飲食店についての情報を更に得ることができる。
【0161】
また、画面の「お勧め」という表示のタッチによって、飲食店に関する施設情報に含まれる営業時間、駐車場の有無、お勧め料理等の情報(画像情報を含む。)がディスプレイ106の画面に表示されるように設定されている場合、ユーザが「お勧め」という表示をタッチすると、制御部105は、「お勧め」という表示がタッチされたことを関知して、「お勧め」という表示に係る施設を認識する。
【0162】
そして、制御部105は、データベース部103から検索して、その施設の施設情報中に含まれる営業時間、駐車場の有無、お勧め料理等の情報を読み出して、ディスプレイ106の画面上に表示する。ユーザはその表示を読み、また画像を見ることで、その飲食店についての情報を更に得ることができる。
【0163】
(7)その他
上述の実施形態は、カーナビゲーションシステム及びカーナビゲーション装置に関する実施形態であるが、本発明はカーナビゲーションシステム及びカーナビゲーション装置に限定されるものではない。本発明はナビゲーション機能を有する携帯電話機を用いても実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0164】
【図1】実施形態のカーナビゲーションシステムの構成を示したブロック図である。
【図2】図1に示す送信装置及び放送用データベースの構成を示したブロック図である。
【図3】放送される施設情報の内容を示した図である。
【図4】カーナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図5】ディスプレイの画面に飲食店の位置が示された図である。
【図6】カーナビゲーション装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0165】
100:カーナビゲーション装置 101:受信部 102:抽出部 103:データベース部 104:現在位置取得部 105:制御部 106:ディスプレイ 107:操作パネル 108:音声合成部 109:音声認識部 110:スピーカ 111:マイク 112:印 113:飲食店の位置表示
200:放送装置 201:一時的記憶部 202:変換部 203:送出部
300:放送用データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食店、娯楽施設、観光施設等の施設に関する情報であって前記情報の同一性を識別する識別情報と前記情報の日時を示す日時情報と前記施設の位置を特定する位置情報と前記施設の名称とを少なくとも含む施設情報を放送電波に乗せて所定の期間常時繰り返して放送する放送装置と、前記放送電波を受信するナビゲーション装置とを含むナビゲーションシステムであって、
前記ナビゲーション装置は、
自らの現在位置を取得する現在位置取得手段と、
ディスプレイと、
地図情報を記憶した地図情報記憶部と、
前記地図情報を前記地図情報記憶部から読み出して前記ディスプレイに地図画像として表示する地図情報表示制御手段と、
前記放送電波を受信する受信手段と、
受信した前記放送電波から前記施設情報を抽出する抽出手段と、
抽出された前記施設情報を蓄積する施設情報記憶部と、
前記施設情報記憶部への前記施設情報の蓄積を制御する蓄積制御手段と、
前記施設情報記憶部に蓄積された前記施設情報のうちから前記日時情報を指標として所定範囲の施設情報を読み出すように設定されている施設情報読み出し手段と、
前記施設情報読み出し手段が読み出した前記施設情報に係る施設の位置を印付きで前記地図画像上に表示する施設位置表示制御手段とを備えることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記ナビゲーションシステムは、前記施設情報を蓄積した放送用データベースを更に有し、
前記放送用データベースは、蓄積した前記施設情報を前記放送装置に送出するように構成されている請求項1記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記放送装置は、前記施設情報を一時的に記憶する一時的記憶部と、前記施設情報を放送用フォーマット形式に変換する変換部と、前記施設情報を放送電波に乗せて放送する送出部とを備えている請求項1又は2記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記施設情報の対象となる施設は放送局が放送した放送番組において紹介された施設であって、前記日時情報は前記放送番組の放送日時である請求項1、2又は3記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記施設情報は、前記放送番組に関する情報を含む請求項1、2、3又は4記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記施設情報は前記施設の種類に関する情報を含み、前記ナビゲーション装置の前記施設情報読み出し手段は読み出す施設の種類を選択することができるように構成されている請求項1、2、3、4又は5記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記ナビゲーション装置は、カーナビゲーション装置である請求項1、2、3、4、5又は6記載のナビゲーションシステム。
【請求項8】
飲食店、娯楽施設、観光施設等の施設に関する情報であって前記情報の同一性を識別する識別情報と前記情報の日時を示す日時情報と前記施設の位置を特定する位置情報と前記施設の名称とを少なくとも含む施設情報を放送電波に乗せて所定の期間常時繰り返して放送される放送電波を受信するナビゲーション装置であって、
自らの現在位置を取得する現在位置取得手段と、
ディスプレイと、
地図情報を記憶した地図情報記憶部と、
前記地図情報を前記地図情報記憶部から読み出して前記ディスプレイに地図画像として表示する地図情報表示制御手段と、
前記放送電波を受信する受信手段と、
受信した前記放送電波から前記施設情報を抽出する抽出手段と、
抽出された前記施設情報を蓄積する施設情報記憶部と、
前記施設情報記憶部への前記施設情報の蓄積を制御する蓄積制御手段と、
前記施設情報記憶部に蓄積された前記施設情報のうちから前記日時情報を指標として所定範囲の施設情報を読み出すように設定されている施設情報読み出し手段と、
前記施設情報読み出し手段が読み出した前記施設情報に係る施設の位置を印付きで前記地図画像上に表示する施設位置表示制御手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
前記施設情報の対象となる施設は放送番組で紹介された施設であって、前記施設情報の前記日時情報は前記放送番組が放送された日時に関する情報である請求項8記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
前記施設情報は、前記放送番組に関する情報を含む請求項9記載のナビゲーション装置。
【請求項11】
前記蓄積制御手段は、前記抽出手段が抽出した施設情報と同一の施設情報が前記施設情報記憶部に蓄積されている場合には前記施設情報を蓄積すべき情報から排除するように構成されている請求項8、9又は10記載のナビゲーション装置
【請求項12】
前記施設情報読み出し手段で設定される前記所定範囲の施設情報は、現在時から遡って所定の期間の範囲内にある日時情報を有する施設情報である請求項8、9、10又は11記載のナビゲーション装置。
【請求項13】
前記施設情報読み出し手段は、前記所定範囲を変更することができるように設定されている請求項8、9、10、11又は12記載のナビゲーション装置。
【請求項14】
前記施設情報は前記施設の種類に関する情報を含み、前記施設情報読み出し手段は読み出す施設の種類を選択することができるように構成されている請求項8、9、10、11、12又は13記載のナビゲーション装置。
【請求項15】
施設位置表示制御手段は、施設の位置と共に少なくとも施設の名称を表示する請求項8、9、10、11、12、13又は14記載のナビゲーション装置。
【請求項16】
施設情報に含まれる情報を、ディスプレイに表示することができるように構成されている請求項8、9、10、11、12、13、14又は15記載のナビゲーション装置。
【請求項17】
前記施設情報に含まれる情報を音声情報として出力する音声出力手段とを備える請求項8、9、10、11、12、13、14、15又は16記載のナビゲーション装置。
【請求項18】
前記施設情報記憶部に蓄積された施設情報について、前記地図情報記憶部に記憶された地図情報として扱うことができる8、9、10、11、12、13、14、15、16又は17記載のナビゲーション装置。
【請求項19】
前記ナビゲーション装置は、カーナビゲーション装置である請求項8、9、10、11、12、13、14、15、16、17又は18記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−51605(P2008−51605A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−227188(P2006−227188)
【出願日】平成18年8月23日(2006.8.23)
【出願人】(503157320)株式会社メディアクリック (4)
【Fターム(参考)】