説明

ナビゲーション装置、車両用安全支援システム、車両位置誤差推定システム

【課題】車両の走行状況に応じて変化する自車位置の誤差量を正確に推定する。
【解決手段】マップマッチ処理部106は、慣性航法処理部102およびGPS処理部103による自車位置の算出結果と、地図データ読出処理部105によりHDD13から読み出された地図データとに基づいて、マップマッチング処理により自車位置を特定する。誤差推定部108は、自車両の走行に応じて所定の割合で誤差量の推定値を増加させ、自車両が特定の地点を通過したときに誤差量の推定値を減少させることにより、自車位置の誤差量を推定する。誤差情報出力部109は、誤差推定部108により推定された自車位置の誤差量に基づいて、自車位置の誤差情報を安全支援装置2へ出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置により自車位置を検出し、検出された車両位置に基づいて車両の安全を支援するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、GPS(Global Positioning System)信号と各種センサ類の測定結果を用いたハイブリッド航法により自車位置を検出し、その自車位置の検出結果に対してマップマッチング処理を行うことで、道路上の自車位置を正確に求めるナビゲーション装置が広く実用化されている。さらに、このようなナビゲーション装置によって求められた自車位置を利用して自車両の制御を行うシステムが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−132291号公報
【0004】
特許文献1に開示される車両制御システムでは、GPS信号の受信状態、センサの検出誤差、および検出した自車位置に含まれる誤差などにより、ハイブリッド航法で求められた自車位置の確からしさが判定される。また、自車両の方位と道路方位との差、候補道路の本数、および前回と今回の自車位置の変位の大きさなどにより、マップマッチング処理で求められた自車位置の確からしさが判定される。これら各条件の判定結果に基づいて、最終的な自車位置の確からしさを示す指標が算出され、その指標に応じて、車両制御の内容が変更される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ハイブリッド航法とマップマッチング処理を用いて自車位置を検出するナビゲーション装置の場合、検出された自車位置に含まれる誤差量は、自車両の走行状況に応じて時々刻々と変化する。すなわち、マップマッチング処理を用いて自車位置を正確に特定するのが困難な状況では、ハイブリッド航法によるセンサの検出誤差が蓄積されるため、自車両の走行に応じて、自車位置の誤差量が所定の範囲内で徐々に増加する。一方、予めその場所が正確に分かっている地点を自車両が通過したときは、マップマッチング処理によって自車位置がその地点に合わせて正確に特定されるため、自車位置の誤差量が減少する。しかし、特許文献1に開示される車両制御システムでは、このように自車両の走行状況に応じて変化する自車位置の誤差量を正確に推定することができない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明によるナビゲーション装置は、自車位置を検出する自車位置検出手段と、自車両の走行状況に応じて、自車位置検出手段により検出された自車位置に含まれる誤差量の推定値を増減させることにより、その誤差量の推定値を求める誤差量推定手段と、誤差量推定手段により求められた誤差量の推定値に基づいて、自車位置の誤差情報を出力する誤差情報出力手段とを備えるものである。
請求項2の発明は、請求項1のナビゲーション装置において、自車位置を検出するための位置信号を受信する位置信号受信手段と、自車両の運動状態を検出する車両運動検出手段と、地図データを記録媒体から読み出す読出手段とをさらに備える。そして、自車位置検出手段は、位置信号受信手段により受信された位置信号と、車両運動検出手段により検出された自車両の運動状態と、読出手段により読み出された地図データとに基づいて、マップマッチング処理を用いて、自車位置を検出するものである。
請求項3の発明は、請求項2のナビゲーション装置において、自車両が予め定められた特定の地点を通過したか否かを判定する通過判定手段をさらに備える。そして、誤差量推定手段は、通過判定手段により自車両が特定の地点を通過したと判定されたときに、誤差量の推定値を減少させるものである。
請求項4の発明は、請求項3のナビゲーション装置において、通過判定手段は、読出手段により読み出された地図データに基づいて、自車両が交差点を曲がって通過したか否かを判定し、誤差量推定手段は、通過判定手段により自車両が交差点を曲がって通過したと判定されたときに、誤差量の推定値を減少させるものである。
請求項5の発明は、請求項4のナビゲーション装置において、誤差量推定手段は、通過判定手段により自車両が曲がって通過したと判定された交差点の道路幅に基づいて、誤差量の推定値の減少量を決定するものである。
請求項6の発明は、請求項3〜5いずれか一項のナビゲーション装置において、地図データにおいて予めその設置場所が記録されている無線設備の付近を車両が通過したときに、その無線設備から送信される無線信号を受信する無線信号受信手段をさらに備える。そして、通過判定手段は、無線信号受信手段による無線信号の受信結果に基づいて、自車両が無線設備の付近を通過したか否かを判定し、誤差量推定手段は、通過判定手段により自車両が無線設備の付近を通過したと判定されたときに、誤差量の推定値を減少させるものである。
請求項7の発明は、請求項6のナビゲーション装置において、無線設備は、ビーコンまたはETC路側無線装置であることとするものである。
請求項8の発明は、請求項2〜7いずれか一項のナビゲーション装置において、誤差量推定手段は、位置信号受信手段により位置信号が受信されているときは、誤差量の推定値を増加させる範囲を所定値以内に制限し、位置信号受信手段により位置信号が受信されていないときは、誤差量の推定値を所定値を超えて増加させることとするものである。
請求項9の発明は、請求項2〜8いずれか一項のナビゲーション装置において、誤差量推定手段は、自車両の走行距離に応じて、所定の割合で誤差量の推定値を増加させるものである。
請求項10の発明は、請求項9のナビゲーション装置において、読出手段により読み出された地図データに基づいて、自車両が走行している道路の形状を判断する道路形状判断手段をさらに備える。そして、誤差量推定手段は、道路形状判断手段により判断された道路の形状に基づいて、誤差量の推定値を増加させるときの割合を決定するものである。
請求項11の発明は、請求項1〜10いずれか一項のナビゲーション装置において、自車位置検出手段により検出された自車位置に基づいて、自車両の進路に関する進路情報を出力する進路情報出力手段をさらに備えるものである。
請求項12の発明による車両用安全支援システムは、請求項11のナビゲーション装置と、進路情報出力手段により出力された進路情報に基づいて、自車両の安全を支援するための各種機能を実行する安全支援装置とを有する。そして、安全支援装置は、誤差情報出力手段により出力された自車位置の誤差情報に基づいて、実行すべき機能を決定するものである。
請求項13の発明による車両用安全支援システムは、ナビゲーション装置により検出された自車位置に基づいて、自車両に対する様々な安全支援を行う車両用安全支援システムであって、ナビゲーション装置により検出された自車位置の信頼性を判断し、その判断結果に応じて安全支援の内容を変更するものである。
請求項14の発明による車両位置誤差推定システムは、ナビゲーション装置と、ナビゲーション装置により検出される車両位置の誤差量を推定する誤差量推定装置とを有する。そして、誤差量推定装置は、自車両の走行状況に応じて、前記ナビゲーション装置により検出された自車位置に含まれる誤差量の推定値を増減させることにより、その誤差量の推定値を求める誤差量推定手段と、誤差量推定手段により求められた誤差量の推定値に基づいて、自車位置の誤差情報を出力する誤差情報出力手段とを備えるものである。
請求項15の発明による車両用安全支援システムは、請求項14の車両位置誤差推定システムと、自車両の安全を支援するための各種機能を実行する安全支援装置とを有する。そして、ナビゲーション装置は、自車位置に基づいて自車両の進路に関する進路情報を出力する進路情報出力手段をさらに備え、安全支援装置は、誤差推定装置から出力された自車位置の誤差情報に基づいて実行すべき機能を決定し、その決定された機能を、進路情報出力手段により出力された進路情報に基づいて実行するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、自車両の走行状況に応じて変化する自車位置の誤差量を正確に推定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
−第1の実施の形態−
本発明の第1の実施の形態による車両用安全支援システムの構成を図1に示す。この安全支援システムは、車両に搭載されて使用されるものであり、ナビゲーション装置1と安全支援装置2によって構成される。ナビゲーション装置1は、通常のナビゲーション処理として、たとえば地図を画面表示し、その地図上に自車位置と目的地までの推奨経路を示すことなどにより、自車両を目的地まで誘導するための処理を実行する。また、このような通常のナビゲーション処理に加えて、自車両の進路に関する進路情報と、自車位置の誤差に関する誤差情報とを安全支援装置2に対して出力する。これらの情報を出力するときのナビゲーション装置1の具体的な処理内容については後で説明する。
【0009】
安全支援装置2は、進路情報と誤差情報がナビゲーション装置1から入力されると、これらの各情報に基づいて、自車両の安全を支援するための各種の機能を実行する。たとえば自車両の進路にカーブが存在する場合、自車両がそのカーブを安全に曲がれるようにするため、運転者に対して警告を出力したり、COP(Corner Overshoot Prevention)と呼ばれるコーナリング時の車両速度制御を実行したりする。あるいは、自車両の進行方向の道路状況に応じてISA(Intelligent Speed Adaptation)と呼ばれる高度な速度制御を実行することもできる。なお、ここで挙げた機能は一例であり、他にも自車両の安全を支援するための様々な機能を安全支援装置2において実行することができる。
【0010】
ナビゲーション装置1は、制御部10、振動ジャイロ11、車速センサ12、ハードディスク(HDD)13、表示モニタ14、入力装置15、GPS受信部16、ビーコン受信部17およびETC(Electronic Toll Collection System)送受信部18を備えている。制御部10は、マイクロプロセッサや各種周辺回路、RAM、ROM等によって構成されており、HDD13に記録されている地図データ等に基づいて様々な処理や制御を実行する。これにより、通常のナビゲーション処理や、進路情報および誤差情報を出力するための後述するような処理が、ナビゲーション装置1において行われる。
【0011】
振動ジャイロ11は、自車両の角速度を検出するためのセンサである。車速センサ12は、車速を検出するためのセンサである。これらのセンサを用いて自車両の運動状態を所定の時間間隔ごとに検出することにより、自車両の移動量が求められ、それによって現在の自車位置が検出される。このような車両位置の検出方法は、慣性航法やデッドレコニングと呼ばれている。
【0012】
HDD13は不揮発性の記録媒体であり、地図データを含む各種のデータが記録されている。HDD13に記録されている地図データは、必要に応じて制御部10の制御により読み出され、地図表示などの制御部10が実行する様々な処理や制御に利用される。この地図データには、経路計算データと、経路誘導データと、道路データと、背景データとが含まれている。経路計算データは、目的地までのルート探索に用いられる。経路誘導データは、設定された経路に従って自車両を目的地まで誘導するために用いられ、交差点名称や道路名称などを表す。道路データは、道路の形状を表す。背景データは、河川や鉄道、地図上の各種施設等(ランドマーク)など、道路以外の地図形状を表す。
【0013】
HDD13に記録された道路データにおいて、道路区間を表す最小単位はリンクと呼ばれており、各道路は複数のリンクによって構成されている。リンク同士を接続している点はノードと呼ばれ、このノードはそれぞれに位置情報(座標情報)を有している。このノードの位置情報によって、リンク形状、すなわち道路の形状が決定される。
【0014】
なお上記の例では、HDD13に記録された地図データをナビゲーション装置1において用いることとしているが、HDD以外の記録媒体に地図データを記録してもよい。たとえば、CD−ROMやDVD−ROM、メモリーカードなどに地図データを記録することができる。あるいは、外部より携帯電話回線などを介して送信される地図データを受信し、その地図データを用いることとしてもよい。すなわち、地図データの取得にはどのような方法を用いてもよい。
【0015】
表示モニタ14は、ナビゲーション装置1において様々な画面表示を行うための装置であり、液晶ディスプレイ等を用いて構成される。この表示モニタ14には、たとえば地図画面などが表示される。表示モニタ14に表示される画面の内容は、制御部10が行う画面表示制御によって決定される。表示モニタ14は、たとえばダッシュボード上やインストルメントパネル内など、運転者から見やすいような位置に設置されている。
【0016】
入力装置15は、ナビゲーション装置1を動作させるための様々な入力操作を運転者が行うための装置であり、各種の入力スイッチ類を有している。運転者は入力装置15を操作することにより、たとえば、目的地に設定したい施設や地点の名称等を入力したり、予め登録された登録地の中から目的地を選択したり、地図を任意の方向にスクロールしたりすることができる。この入力装置15は、操作パネルやリモコンなどによって実現することができる。あるいは、表示モニタ14と一体化されたタッチパネルにより入力装置15を実現してもよい。
【0017】
GPS受信部16は、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して制御部10へ出力する。GPS信号には、自車位置を求めるために必要な情報として、そのGPS信号を送信したGPS衛星の位置と送信時刻が含まれている。したがって、所定数以上のGPS衛星からGPS信号を受信することにより、これらの情報に基づいて自車両の現在位置を算出することができる。
【0018】
ビーコン受信部17は、道路上に設置されたビーコンから車両に対して無線送信されるVICS(Vehicle Information and Communication System)情報を受信し、制御部10へ出力する。このVICS情報により、渋滞情報や通行規制情報、駐車場情報などの様々な道路交通情報がナビゲーション装置1に対して送信される。ナビゲーション装置1は、受信したVICS情報の内容を文字や画像などによって表示モニタ14に表示する。なおビーコンとは、その設置場所の付近を通過する車両に対してVICS情報を送信するための無線設備である。このビーコンには、主に高速道路上に設置されており、電波によりVICS情報を送信する電波ビーコンと、主に一般道路上に設置されており、光(赤外線)によりVICS情報を送信する光ビーコンとがある。さらにVICS情報の送信は、これらのビーコン以外にFM多重放送によっても行われる。FM多重放送では、ビーコンよりも広い地域に対してVICS情報を送信することができる。
【0019】
ETC送受信部18は、料金所のETCレーンなどに設置されたETC路側無線装置から送信されるETC信号を受信すると共に、ETC路側無線装置からの要求に応じて必要な情報を送信する。こうしてETC送受信部18とETC路側無線装置との間で無線通信が行われることにより、有料道路の自動料金精算が実現される。なお、このときETC送受信部18は、制御部10に対して、ETC路側無線装置からETC信号を受信したことを通知する。
【0020】
ETCによる有料道路の自動料金精算は次のようにして実現される。初めに車両が入口料金所を通過する際に、ETC路側無線装置からETC送受信部18に対して、その入口料金所を識別するための入口情報がETC信号によって送信される。ETC送受信部18がこのETC信号を受信すると、入口情報の内容がETC送受信部18に記憶される。その後、車両が有料道路を走行して出口料金所を通過すると、その際にETC路側無線装置から行われる送信要求に応じて、ETC送受信部18に記憶された入口情報がETC路側無線装置に向けて送信される。これにより、入口から出口までの料金が算出され、クレジットカードによる決済処理が行われる。
【0021】
ユーザが入力装置15を操作して目的地を設定すると、ナビゲーション装置1は、前述の経路計算データに基づいて所定のアルゴリズムの演算を行うことにより、目的地までの推奨経路を探索する。そして、自車位置を検出し、その自車位置周辺の地図を表示モニタ14に表示しながら、探索された推奨経路に従って自車両を目的地まで誘導する。さらにナビゲーション装置1は、自車両の進行方向の道路状況を判断し、その判断結果に応じた進路情報を出力すると共に、検出された自車位置に含まれる誤差量を推定し、その誤差量の推定値に応じた誤差情報を出力する。こうしてナビゲーション装置1から出力される進路情報および誤差情報に基づいて、安全支援装置2により自車両の安全支援機能が実行される。
【0022】
図2は、ナビゲーション装置1から安全支援装置2へ進路情報と誤差情報を出力するときの機能ブロック図である。このときナビゲーション装置1の制御部10は、センサ処理部101、慣性航法処理部102、GPS処理部103、通過判定部104、地図データ読出処理部105、マップマッチ処理部106、進路情報出力部107、誤差推定部108および誤差情報出力部109の各部分を機能的に有している。
【0023】
センサ処理部101には、車両の運動状態の検出信号として、振動ジャイロ11から出力される角速度信号と、車速センサ12から出力される車速信号とが入力される。センサ処理部101は、これらの検出信号に対して、アナログ/デジタル変換処理などの所定の信号変換処理を実行し、変換後の検出信号を慣性航法処理部102へ出力する。
【0024】
慣性航法処理部102は、センサ処理部101から出力される変換後の検出信号に基づいて自車位置を算出する。ここでは、振動ジャイロ11からの角速度信号と、車速センサ12からの車速信号とに基づいて、自車両の位置変化量が所定の時間間隔ごとに求められる。この位置変化量の算出結果を前回の自車位置に加えることにより、現在の自車位置が求められる。慣性航法処理部102による自車位置の算出結果は、マップマッチ処理部106へ出力される。
【0025】
GPS処理部103は、GPS受信部16からのGPS信号に基づいて自車位置を算出する。ここでは、GPS信号に含まれる各GPS衛星の位置と送信時刻により、自車両の絶対的な位置が求められる。すなわちGPS信号は、自車位置を検出するための位置信号として用いられる。GPS処理部103による自車位置の算出結果は、慣性航法処理部102による自車位置の算出結果と同様に、マップマッチ処理部106へ出力される。
【0026】
通過判定部104は、ビーコン受信部17およびETC送受信部18における無線信号の受信結果に基づいて、それぞれの無線設備についての通過判定を行う。すなわち、ビーコン受信部17においてVICS情報が受信された場合は、ビーコンの付近を車両が通過したと判定する。同様に、ETC送受信部18においてETC信号が受信された場合は、料金所に設置されたETC路側無線装置の付近を車両が通過したと判定する。これらの通過判定の結果は、マップマッチ処理部106へ出力される。
【0027】
地図データ読出処理部105は、HDD13から必要な地図データを読み出して、マップマッチ処理部106および進路情報出力部107へ出力する。この地図データに基づいて、マップマッチ処理部106におけるマップマッチング処理と、進路情報出力部107における進路情報出力処理が、それぞれ下記のようにして実行される。
【0028】
マップマッチ処理部106は、慣性航法処理部102およびGPS処理部103による自車位置の算出結果と、地図データ読出処理部105によってHDD13から読み出された地図データとに基づいて、マップマッチング処理を用いた自車位置の検出処理を実行する。この自車位置の検出処理により、最も確からしいと思われる自車位置が地図データのリンク上に特定される。こうしてリンク上に特定された自車位置がナビゲーション装置1において地図上に表示される。したがって、道路から外れないように自車位置を地図上に表示することができる。
【0029】
上記の自車位置の検出処理において、車両が交差点を曲がって通過したと判断される場合は、その交差点に合わせて自車位置が特定される。このとき、振動ジャイロ11からの角速度信号や車速センサ12からの車速信号に基づいて、自車両が交差点を曲がって通過したか否かを判断することができる。たとえば、自車両の速度が予め交差点を曲がるときの速度として設定された値(たとえば時速20kmなど)以下であるときに、右方向または左方向へと自車両の進行方向が大きく変化した場合は、自車両が交差点を曲がったものと判断できる。なお、このような判断を行うときには、さらに自車両の操舵角や推奨経路の方向などを考慮してもよい。
【0030】
さらに上記の自車位置の検出処理では、通過判定部104による通過判定の結果も考慮に入れて自車位置が特定される。すなわち、通過判定部104によりビーコンやETC路側無線装置の付近を車両が通過したと判定された場合は、これらの無線設備の設置場所と一致するように自車位置が特定される。なお、このような処理を実現できるようにするため、地図データにおいて、全国各地のビーコンとETC路側無線装置の設置場所が予め記録されている。
【0031】
以上説明したような自車位置の検出処理によって検出された自車位置の情報は、マップマッチ処理部106から進路情報出力部107へと出力される。
【0032】
マップマッチ処理部106はまた、上記のようにして検出した自車位置に基づいて、自車両の走行状況に関する情報(走行状況情報)を誤差推定部108へ出力する。この走行状況情報には、自車両が現在走行している道路の形状や、自車両が通過した特定の地点についての情報が含まれる。すなわち、自車両が直線道路やカーブしている道路を走行している場合は、これらの道路形状に関する情報が、走行状況情報によりマップマッチ処理部106から誤差推定部108へ出力される。
【0033】
同様に、自車両が交差点を曲がって通過したときに、前述のようにその交差点に合わせて自車位置が特定された場合は、その交差点の道路幅などの情報が、走行状況情報によりマップマッチ処理部106から誤差推定部108へ出力される。また、前述のように通過判定部104によってビーコンまたはETC路側無線装置の付近を自車両が通過したと判定され、これらの無線設備の設置場所に合わせて車両位置が特定された場合は、その無線設備の種類などの情報が、マップマッチ処理部106から誤差推定部108へ走行状況情報により出力される。さらに、GPS信号の受信状態に関する情報も、マップマッチ処理部106から誤差推定部108へ出力される走行状況情報の中に含まれている。
【0034】
進路情報出力部107は、マップマッチ処理部106から出力された自車位置情報と、地図データ読出処理部105によりHDD13から読み出された地図データに基づいて、車両の進路に関する情報を安全支援装置2に対して出力する。このとき、前述のような様々な安全支援機能を安全支援装置2が実行するために必要な進路情報を出力する。たとえば、車両の進行方向にカーブが存在する場合は、そのカーブに応じて安全支援装置2が車両を適切に制御できるようにするため、そのカーブまでの距離やカーブ形状などを進路情報により出力する。この他にも、安全支援装置2が安全支援機能を実行するために必要とする様々な情報を、進路情報として出力することができる。たとえば、前方の走行車両までの車間距離や、進行方向にある道路の車線数、各車線の進行方向などを、進路情報として出力することができる。
【0035】
誤差推定部108は、マップマッチ処理部106から出力された走行状況情報に基づいて、マップマッチ処理部106により検出された自車位置に含まれる誤差量を推定する。ここでは、走行状況情報に示された自車両の走行状況に応じて、誤差量の推定値を増加または減少させることにより、自車位置に含まれる誤差量の推定を行う。たとえば、前述のように自車両が直線道路やカーブしている道路を走行しており、その道路形状の情報が走行状況情報としてマップマッチ処理部106から送信された場合は、その道路形状に応じた割合で、自車両の走行距離に応じて誤差量の推定値を徐々に増加させる。
【0036】
一方、前述のように自車両が交差点を曲がって通過し、その交差点の道路幅などの情報が走行状況情報としてマップマッチ処理部106から送信された場合や、ビーコンまたはETC路側無線装置の付近を自車両が通過し、その無線設備の種類などの情報が走行状況情報としてマップマッチ処理部106から送信された場合は、それに応じて誤差量の推定値を減少させる。このとき、自車両が通過した交差点の道路幅や、自車両がビーコンまたはETC路側無線装置からの送信信号を受信するときの受信可能範囲の大きさに応じて、誤差量の推定値の減少量が決定される。この点については、後で図3により詳しく説明する。
【0037】
また、マップマッチ処理部106から送信された走行状況情報において、GPS信号が受信不能状態であると示されていた場合には、前述のように自車両の走行距離に応じて誤差量の推定値を徐々に増加させるときに、その推定値をGPS信号の精度を超えて増加させる。ここでいうGPS信号の精度とは、GPS信号により表される位置の精度であり、GPSのシステム仕様によって予め決められている。なお、この点についても、後で図3により詳しく説明する。
【0038】
以上説明したようにして、誤差推定部108により自車位置に含まれる誤差量が推定されると、その推定値が自車位置の検出結果に対する推定誤差量として、誤差推定部108から誤差情報出力部109へ出力される。
【0039】
誤差情報出力部109は、誤差推定部108から出力された推定誤差量に基づいて、自車位置の誤差情報を安全支援装置2へ出力する。この誤差情報は、誤差推定部108から出力された推定誤差量の大きさに応じたレベルにより表される。すなわち、推定誤差量がごく小さいときには誤差情報のレベルを1とし、推定誤差量が大きくなるにつれて、誤差情報のレベルを2,3,4と順次増加させる。誤差情報が所定のレベル、たとえばレベル5となったら、それ以上はレベルを増加させない。このような誤差情報が、誤差情報出力部109から安全支援装置2へ出力される。
【0040】
安全支援装置2は、ナビゲーション装置1の進路情報出力部107から出力された進路情報に基づいて、前述のような様々な安全支援機能を実行する。このとき、ナビゲーション装置1の誤差情報出力部109から出力された誤差情報に基づいて、実行する機能の内容を変化または制限する。
【0041】
たとえば、進路情報出力部107から出力された進路情報において、自車両の進路に存在するカーブの情報が示されていた場合に、誤差情報出力部109から出力された誤差情報のレベルが1であったとする。この場合、ナビゲーション装置1において検出された自車位置は信頼性が高いと考えられるため、そのカーブに合わせて自車両の速度や操舵角を制御する。一方、誤差情報のレベルが2または3であった場合は、自車位置の信頼性があまり高くないと判断されるため、自車両の速度制御のみを行う。さらに、誤差情報のレベルが4または5であった場合は、自車位置の信頼性が低いと考えられるため、運転者に対する警告のみを行う。たとえばこのようにして、誤差情報出力部109から出力された誤差情報に基づいて、実行すべき安全支援の機能を決定することができる。
【0042】
安全支援装置2は以上説明したようにして、ナビゲーション装置1により検出された自車位置の信頼性を判断し、その判断結果に応じて安全支援の内容を変更することができる。なお、ここで述べた内容は一例であるため、他にも誤差情報のレベルに基づいて様々な安全支援機能を実行することができる。
【0043】
次に、誤差推定部108において自車位置に含まれる誤差量を推定するときの具体的な方法について説明する。図3のグラフは、自車両の走行状況が様々に変化するときに、自車両の移動距離と誤差推定部108から出力される推定誤差量との関係を示している。このグラフでは、自車両の走行状況の変化にしたがって、グラフ横軸に示す移動距離の大きさをL1〜L6の各区間に分けて表している。
【0044】
L1は、自車両が走行を開始してから小さな交差点を曲がって通過するまでの区間を表している。L2は、区間L1の通過後、自車両が次の大きな交差点を曲がるまでの区間を表している。L3は、区間L2の通過後、ビーコンより送信されたVICS信号を自車両において受信するまでの区間を表している。L4は、区間L3の通過後、自車両がETC路側無線装置を通過するまでの区間を表している。L5は、区間L4の通過後、自車両がトンネルに入るまでの区間を表している。L6は、区間L5を通過した後に自車両がトンネル内を走行する区間を表している。なお、区間L1〜L6のうちL4では道路がカーブしており、それ以外の区間では直線道路であるとする。
【0045】
上記のL1〜L6の各区間では、自車両の移動距離が増すごとに、その移動距離に応じて推定誤差量が徐々に増加されている。このときの推定誤差量の増加係数は、自車両が走行している道路形状に応じて決定される。すなわち、マップマッチング処理において自車両の位置を特定しやすい形状の道路、たとえばカーブしている道路などでは、比較的小さな増加係数が設定される。反対に、マップマッチング処理において自車両の位置を特定しづらい形状の道路、たとえば直線道路などでは、比較的大きな増加係数が設定される。このようにして、自車両が走行している道路の形状に応じて推定誤差量の増加係数を変化させることにより、道路形状の違いによるマップマッチング性能の違いを反映して、自車位置に含まれる誤差量を正確に推定することができる。
【0046】
L1〜L6の各区間において出力される推定誤差量について以下に説明する。最初の区間L1では、自車位置を特定しづらい直線道路を自車両が走行しているため、直線道路に対応する比較的大きな増加係数αを設定する。そして、この増加係数αに自車両の移動距離を乗算することにより、自車位置に含まれる誤差量の推定値を求め、推定誤差量として出力する。このようにして、自車両の移動距離の増加に応じて自車位置に含まれる誤差量が徐々に蓄積されていくのに合わせて、誤差推定部108から出力される推定誤差量を大きくする。
【0047】
区間L1の終点において、自車両が交差点を曲がって通過すると、それに応じて推定誤差量を減少させる。このときの減少後の推定誤差量をAと表す。この推定誤差量Aは、前述したように、自車両が通過した交差点の道路幅に応じて決定される。たとえば、その交差点において交差する各道路の道路幅の平均値を、減少後の推定誤差量Aとする。これにより、マップマッチング処理において自車位置を特定するときに生じる誤差を反映して、減少後の推定誤差量Aを決定することができる。
【0048】
地図データにおいて交差点は、ノードとそのノードにおいて交差する複数のリンクとにより表されている。そのため、自車両が交差点を曲がって通過したときの実際の走行距離と、地図データにおけるリンク上の走行距離との間には、交差点の道路幅に応じた誤差が生じる。マップマッチング処理において特定される自車位置には、この誤差が含まれている。したがって、自車両が交差点を曲がって通過したときの減少後の推定誤差量Aは、上記のようにその交差点の道路幅に応じて決定することができる。
【0049】
次の区間L2でも、上記の区間L1と同様に、自車両の移動距離に応じて、誤差推定部108から出力される推定誤差量を徐々に大きくする。なお、区間L2では区間L1と同じく、自車両が直線道路を走行している。そのため、区間L1と同様に、区間L2における自車両の移動距離に増加係数αを乗算することで、自車位置に含まれる誤差量の推定値が求められる。
【0050】
区間L2の終点において、自車両が交差点を曲がって通過すると、それに応じて推定誤差量を減少させる。このとき自車両が通過した交差点の道路幅は、区間L1の終点における交差点の道路幅よりも大きいとする。この場合、区間L2における減少後の推定誤差量Bを、前述の区間L1における減少後の推定誤差量Aよりも大きな値で設定する。
【0051】
区間L3でも、上記の区間L1およびL2と同じ増加係数αにより、自車両の移動距離が増すごとに、推定誤差量を徐々に増加させる。その後、区間L3の終点においてビーコンからのVICS情報が受信されると、それに応じて推定誤差量を減少させる。このときの減少後の推定誤差量Cは、ビーコンから送信されるVICS情報を自車両において受信するときの受信可能範囲の大きさに応じて決定される。
【0052】
区間L4では道路がカーブしているため、上記の区間L1〜L3とは異なる増加係数βにより、自車両の移動距離が増すごとに、推定誤差量を徐々に増加させる。この増加係数βは、区間L1〜L3における増加係数αよりも小さい。自車両がカーブを走行しているときには、そのカーブの方向と自車両の向きを比較することができるため、直線道路よりも自車位置の特定が容易となる。したがって、直線走行時の増加係数αよりも、カーブ走行時の増加係数βを小さく設定することができる。なお、カーブがきつくなるほど、カーブ走行中の自車両の向きの変化が大きくなるため、カーブ走行時の増加係数βを小さな値とすることができる。
【0053】
区間L4の終点において自車両がETC路側無線装置の付近を通過すると、それに応じて推定誤差量を減少させる。このときの減少後の推定誤差量Cは、ETC路側無線装置からのETC信号を受信するときの受信可能範囲の大きさに応じて設定される。なお、この推定誤差量Cは、前述の区間L3の終点における推定誤差量Cと同じであるが、必ずしも同じ値としなくてもよい。
【0054】
区間L5では、自車両が直線道路を走行しているため、上記の区間L1〜L3と同様の増加係数αにより、自車両の移動距離が増すごとに推定誤差量を徐々に増加させる。そして、推定誤差量が所定の値Dまで達したら、それ以上には増加させない。この所定値Dの大きさは、GPS信号の精度に応じて予め設定されている。すなわち、ナビゲーション装置1においてGPS信号を受信可能な状態であるときは、ナビゲーション装置1のデッドレコニング性能に関わらず、受信したGPS信号により絶対的な自車位置が求められる。そのため、ナビゲーション装置1において最終的に求められる自車位置の精度は、GPS信号の精度よりも悪化することはない。したがって、GPS信号の精度に応じて、推定誤差量を増加させる範囲を所定値D以内に制限することができる。
【0055】
しかし、区間L6では、車両がトンネル内に入っているため、GPS信号を受信することができない。このような場合は、GPS信号によって絶対的な自車位置が求められないため、ナビゲーション装置1において最終的に求められる自車位置の精度は、GPS信号の精度よりも悪化することがある。したがって、区間L6では、GPS信号の精度に応じた範囲内に推定誤差量を制限することなく、上記の所定値Dを超えて推定誤差量を増加させる。なお、トンネルを出てGPS信号が受信可能状態になった場合は、推定誤差量を所定値Dまで減少させ、再びその所定値D以内に誤差量の推定値を制限する。
【0056】
以上説明したようにして、自車位置に含まれる誤差量が誤差推定部108において推定され、その推定値に応じた推定誤差量が誤差情報出力部109へ出力される。この推定誤差量に基づいて、誤差情報出力部109により、図3の符号31に示すようなレベル定義にしたがって、ナビゲーション装置1において検出された自車位置の誤差情報が安全支援装置2へ出力される。
【0057】
なお、上記のようにして推定誤差量を増加させるときの増加係数を、自車両が走行している道路の形状だけでなく、ナビゲーション装置1のデッドレコニング性能を考慮に入れて決定することとしてもよい。すなわち、同じ道路形状であっても、ナビゲーション装置1のデッドレコニング性能に応じて、その性能が高いほど小さな値の増加係数を設定する。なお、ナビゲーション装置1のデッドレコニング性能は、振動ジャイロ11と車速センサ12の検出精度や分解能などに応じて定まる。
【0058】
図4は、以上説明したようにしてナビゲーション装置1から安全支援装置2へ進路情報および誤差情報を出力するときに、ナビゲーション装置1において実行される処理のフローチャートである。このフローチャートについての説明を以下に記載する。図4のステップS10では、自車位置の算出処理を行う。ここでは、図2の慣性航法処理部102により、振動ジャイロ11および車速センサ12からの検出信号に基づいて、デッドレコニングにより自車位置を算出する。また、GPS処理部103により、GPS受信部16において検出されたGPS信号に基づいて自車位置を算出する。
【0059】
ステップS20では、HDD13から必要な地図データの読み出しを行う。この地図データの読出処理は、地図データ読出処理部105によって行われる。ステップS30では、ビーコン受信部17におけるVICS情報の受信結果と、ETC送受信部18におけるETC信号の受信結果とに基づいて、ビーコンおよびETCの通過判定を行う。この通過判定処理により、ビーコンまたはETC路側無線装置の付近を車両が通過したか否か判定される。この通過判定処理は、通過判定部104によって行われる。
【0060】
ステップS40では、ステップS10における自車位置の算出結果と、ステップS20においてHDD13から読み出された地図データとに基づいて、マップマッチング処理を実行する。このマップマッチング処理は、マップマッチ処理部106によって行われる。このマップマッチング処理によって道路上に自車位置が特定されることで、自車位置の検出が行われる。なお、このときステップS30の通過判定においてビーコンやETC路側無線装置の付近を自車両が通過したと判定された場合は、これらの無線設備の設置場所と一致するような自車位置が特定される。
【0061】
ステップS50では、ステップS40のマップマッチング処理による自車位置の検出結果に基づいて、自車位置情報および走行状況情報をマップマッチ処理部106から出力する。このとき、検出された自車位置と、地図データ読出処理部105によりHDD13から読み出された地図データとに基づいて、自車両が走行している道路の形状が判断され、その道路形状に関する情報が走行状況情報として出力される。また、前述のように自車両が交差点を曲がって通過した場合や、自車両がビーコンまたはETC路側無線装置の付近を通過した場合は、その交差点の道路幅や無線設備の種類などの情報が走行状況情報として出力される。さらに、GPS信号の受信状態に関する情報も走行状況情報として出力される。なお、自車位置情報は進路情報出力部107へ出力され、走行状況情報は誤差推定部108へ出力される。
【0062】
ステップS60では、ステップS20においてHDD13から読み出された地図データと、ステップS50においてマップマッチ処理部106から出力された自車位置情報とに基づいて、自車両の進路に関する進路情報を安全支援装置2へ出力する。この進路情報の出力処理は、進路情報出力部107によって行われる。
【0063】
ステップS70では、ステップS50においてマップマッチ処理部106から出力された走行状況情報に基づいて、推定誤差量の算出処理を行う。この推定誤差量の算出処理は、誤差推定部108によって行われる。このステップS70で実行される推定誤差量の算出処理の具体的な内容については、後で図5のフローチャートにより説明する。
【0064】
ステップS80では、ステップS70において算出された推定誤差量に基づいて、誤差情報を安全支援装置2へ出力する。この誤差情報の出力処理は、誤差情報出力部109によって行われる。ステップS80を実行したら図4のフローチャートを終了する。このような処理の流れにしたがって、ナビゲーション装置1から安全支援装置2に対して進路情報と誤差情報が出力される。
【0065】
次に、図4のステップS70において実行される推定誤差量の算出処理のフローチャートを図5に示す。このフローチャートについて以下に説明する。図5のステップS710では、自車両の走行に応じて推定誤差量を徐々に増加させるときの増加係数を決定する。このとき前述のように、マップマッチ処理部106から誤差推定部108へ出力される走行状況情報に含まれる自車両の走行道路形状の情報に基づいて、増加係数が決定される。これにより、図3の増加係数αおよびβの値が決定される。
【0066】
ステップS720では、自車両が交差点を曲がって通過したか否かを判定する。この判定は、マップマッチ処理部106から出力される走行状況情報に含まれる自車両の通過地点の情報に基づいて行われる。すなわち、自車両が交差点を曲がって通過し、マップマッチング処理においてその交差点に合わせて自車位置が特定された場合は、前述のように、その交差点の道路幅などの情報が走行状況情報によって送信される。この場合には、自車両が交差点を曲がったと判定してステップS740へ進む。そうでない場合は、自車両が交差点を曲がっていないと判定してステップS730へ進む。
【0067】
ステップS730では、自車両がビーコンまたはETC路側無線装置の付近を通過したか否かを判定する。この判定もまた、マップマッチ処理部106から出力される走行状況情報に含まれる自車両の通過地点の情報に基づいて行われる。すなわち、自車両がビーコンまたはETC路側無線装置の付近を通過し、マップマッチング処理においてその無線設備の設置場所に合わせて自車位置が特定された場合は、前述のように、その無線設備の種類などの情報が走行状況情報によって送信される。この場合には、自車両がビーコンまたはETC路側無線装置の付近を通過したと判定してステップS740へ進む。そうでない場合は、自車両がビーコンまたはETC路側無線装置の付近を通過していないと判定してステップS760へ進む。
【0068】
ステップS720またはS730が肯定判定されることでステップS740へ進んだ場合、ステップS740では、減少後の推定誤差量を設定する。このとき前述のように、自車両が曲がって通過した交差点の道路幅や、ビーコンからのVICS情報またはETC路側無線装置からのETC信号の受信範囲の大きさに応じて、減少後の推定誤差量が設定される。これにより、図3の推定誤差量A、BおよびCの値が決定される。こうして減少後の推定誤差量を設定したら、次のステップS750では、推定誤差量をその減少後の値とする。ステップS750を実行したら図5のフローチャートを終了し、次の図4のステップS80へと進む。
【0069】
一方、ステップS730が否定判定されることでステップS760へ進んだ場合、ステップS760では、GPS信号が受信状態であるか否かを判定する。GPS信号が受信状態である場合はステップS770へ進む。一方、車両がトンネル内や高架下、高層ビルの谷間などの場所を走行しており、GPS受信部16においてGPS信号が受信できないような場合は、ステップS780へ進む。なお、GPS信号が受信状態であるか否かの判断は、マップマッチ処理部106から出力される走行状況情報に含まれるGPS信号の受信状態の情報に基づいて行われる。
【0070】
ステップS770では、推定誤差量が既に所定値まで蓄積済みであるか否かを判定する。この所定値の大きさはGPS信号の精度に応じて予め設定されており、図3の所定値Dがこれに該当する。所定値まで蓄積済みである場合は図5のフローチャートを終了することにより、その所定値以内に推定誤差量を制限する。その後、次の図4のステップS80へと進む。一方、まだ所定値まで推定誤差量が蓄積されていない場合は、ステップS780へと進む。
【0071】
ステップS780では、推定誤差量の蓄積を行う。ここでは、ステップS710において決定された増加係数と、前回からの車両の移動距離とを乗算した値が、今回の推定誤差量として蓄積される。このステップS780が実行されることにより、ステップS760においてGPS信号が受信不能状態であると判定された場合や、あるいはステップS770においてまだ所定値まで推定誤差量が蓄積されていないと判定された場合には、推定誤差量が増加される。ステップS780を実行したら図5のフローチャートを終了し、図4のステップS80へ進む。以上説明したようにして、推定誤差量が算出される。
【0072】
以上説明した第1の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)マップマッチ処理部106において自車位置を検出し(ステップS40)、誤差推定部108において、自車両の走行状況に応じて、検出された自車位置に含まれる誤差量の推定値を増減させることにより、その誤差量の推定値を求める(ステップS70)。こうして求められた誤差量の推定値に基づいて、誤差情報出力部109において、自車位置の誤差情報を安全支援装置2へ出力することとした(ステップS80)。このようにしたので、自車両の走行状況に応じて変化する自車位置の誤差量を正確に推定することができる。
【0073】
(2)マップマッチ処理部106において自車位置を検出するときに、GPS受信部16により受信されたGPS信号と、振動ジャイロ11および車速センサ12により検出された自車両の運動状態と、地図データ読出処理部105によりHDD13から読み出された地図データとに基づいて、マップマッチング処理を用いて、自車位置を検出することとした。このようにしたので、自車位置をできるだけ正確に検出することができる。
【0074】
(3)自車両が、交差点、ビーコンまたはETCなどの予め定められた特定の地点を通過したか否かを判定する(ステップS720、S730)。この判定により、自車両がその特定の地点を通過したと判定されたときに、誤差推定部108において、誤差量の推定値を減少させることとした(ステップS750)。このようにしたので、自車両の走行状況に応じて、自車位置の誤差量を正確に推定することができる。
【0075】
(4)地図データ読出処理部105によりHDD13から読み出された地図データに基づいて、自車両が交差点を曲がって通過したか否かを判定する(ステップS720)。この判定により、自車両が交差点を曲がって通過したと判定されたときに、誤差量の推定値を減少させることとした(ステップS750)。このようにしたので、自車両が交差点を曲がって通過し、その交差点に合わせてマップマッチング処理が行われることにより、自車位置が正確に検出されたら、それに応じて自車位置の誤差量を正確に推定することができる。
【0076】
(5)自車両が交差点を曲がって通過したときに、ステップS750において誤差量の推定値を低減させる際には、その交差点の道路幅に基づいて、誤差量の推定値の減少量を決定することとした(ステップS740)。このようにしたので、マップマッチング処理において特定される自車位置に含まれる交差点の道路幅に応じた誤差を反映して、より一層正確に自車位置の誤差量を推定することができる。
【0077】
(6)ビーコン受信部17およびETC送受信部18による無線信号の受信結果に基づいて、自車両がビーコンやETC路側無線装置の付近を通過したか否かを判定する(ステップS730)。この判定により、自車両がビーコンやETC路側無線装置の付近を通過したと判定されたときに、誤差量の推定値を減少させることとした(ステップS750)。このようにしたので、自車両がビーコンまたはETC路側無線装置の付近を通過し、その無線設備の設置場所に合わせてマップマッチング処理が行われることにより、自車位置が正確に検出されたら、それに応じて自車位置の誤差量を正確に推定することができる。
【0078】
(7)GPS受信部16によりGPS信号が受信されているか否かを判定し(ステップS760)、GPS信号が受信されているときは、誤差量の推定値が既に所定値まで蓄積されているか否かを判定する(ステップS770)。この判定により、誤差量の推定値が所定値まで蓄積されていると判定されたときは、ステップS780を実行せずに誤差量の推定値を所定値以内に制限する。一方、GPS信号が受信されていないときは、ステップS770の判定を実行せずにステップS780を実行することにより、誤差量の推定値を所定値を超えて増加させることとした。このようにしたので、GPS信号の受信状態に応じて自車位置の誤差量を正確に推定することができる。
【0079】
(8)自車両の走行距離に応じて、所定の割合で誤差量の推定値を増加させる(ステップS780)こととしたので、自車両の移動に応じて徐々に蓄積される自車位置の誤差量を正確に推定することができる。
【0080】
(9)地図データ読出処理部105によりHDD13から読み出された地図データに基づいて、自車両が走行している道路の形状を判断し、その判断結果による道路形状の情報を、走行状況情報によりマップマッチ処理部106から誤差推定部108へ出力する(ステップS50)。誤差推定部108では、この走行状況情報に含まれる道路形状の情報に基づいて、誤差量の推定値を増加させるときの割合を示す増加係数を決定する(ステップS710)こととした。このようにしたので、道路形状の違いによるマップマッチング性能の違いを反映し、より一層正確に自車位置の誤差量を推定することができる。
【0081】
(10)ステップS40のマップマッチング処理により検出された自車位置に基づいて、自車両の進路に関する進路情報を出力する(ステップS60)こととした。このようにしたので、安全支援装置2において、その進路情報に基づいて様々な安全支援機能を実行することができる。
【0082】
(11)安全支援装置2は、進路情報出力部107により出力された進路情報に基づいて各種の安全支援機能を実行すると共に、誤差情報出力部109により出力された自車位置の誤差情報に基づいて、実行すべき機能を決定することとした。このようにしたので、自車位置の誤差の大きさに応じた適切な機能を選択し、実行することができる。
【0083】
−第2の実施の形態−
本発明の第2の実施の形態による車両安全支援システムの構成を図6に示す。この車両安全支援システムは、ナビゲーション装置1と、車両位置の誤差量を推定する誤差推定装置3とを別の構成としたものである。この車両安全支援システムにおけるナビゲーション装置1は、安全支援装置2に対しては進路情報を出力し、誤差推定装置3に対しては前述の走行状況情報を出力する。この進路情報と走行状況情報は、第1の実施の形態において説明したものと同じである。誤差推定装置3は、ナビゲーション装置1から出力された走行状況情報に基づいて自車位置の誤差情報を求め、安全支援装置2へと出力する。
【0084】
図7は、ナビゲーション装置1から安全支援装置2へ進路情報を出力すると共に、ナビゲーション装置1から誤差推定装置3へ走行状況情報を出力し、それに基づいて誤差推定装置3から安全支援装置2へ誤差情報を出力するときの機能ブロック図である。このときにナビゲーション装置1の制御部10は、センサ処理部101、慣性航法処理部102、GPS処理部103、通過判定部104、地図データ読出処理部105、マップマッチ処理部106および進路情報出力部107の各部分を機能的に有している。これらの各部分において、図2に示す第1の実施の形態と同様の機能がそれぞれ実行される。
【0085】
誤差推定装置3は、誤差推定部310および誤差情報出力部311の各部分を機能的に有している。誤差推定部310では、図2の誤差推定部108と同様に、マップマッチ処理部107から出力された走行状況情報に基づいて、自車位置の誤差量が推定される。また誤差情報出力部311では、図2の誤差情報出力部109と同様に、誤差推定部310から出力された推定誤差量に基づいて、自車位置の誤差情報が安全支援装置2に対して出力される。
【0086】
以上説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態において説明したのと同様の作用効果が得られる。
【0087】
なお、上記の各実施の形態では、自車両が交差点を曲がったときや、ビーコンやETC路側無線装置の付近を自車両が通過したときに、推定誤差量を低減させることとした。しかしこれ以外にも、マップマッチング処理によって自車両の位置が正確に特定できる状況であれば、様々な状況において推定誤差量を低減させることができる。たとえば、予めその位置情報が地図データに記録された地上物(たとえば信号機、標識など)をカメラにより撮影することで、その地上物の設置場所に合わせてマップマッチング処理を行う場合などにおいて、本発明を適用することができる。
【0088】
また、上記の各実施の形態では、自車位置の誤差情報を推定誤差量に応じたレベルにより出力することとしたが、推定誤差量の値をそのまま誤差情報として出力することとしてもよい。
【0089】
上記の各実施の形態において自車位置に含まれる誤差量の推定値を求める際には、道路の形状や交差点の大きさ、ビーコンやETC路側無線装置からの受信範囲の大きさだけでなく、自車位置の検出精度に影響を与える他の様々な条件を考慮してもよい。たとえば、気温、連続運転時間、タイヤ空気圧の経時変化などの条件や、降雨量、積雪量、路面凍結などによるタイヤのスリップ率の変化などを考慮することができる。
【0090】
以上説明した各実施の形態や変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されない。
【0091】
上記の各実施の形態では、位置信号受信手段をGPS受信部16、車両運動検出手段を振動ジャイロ11および車速センサ12、無線信号受信手段をビーコン受信部17およびETC送受信部18によりそれぞれ実現した。また、特許請求の範囲に記載されたそれ以外の各手段を、制御部10または誤差推定装置3が行う処理によってそれぞれ実現することとした。しかし、これらはあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施の形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係には何ら限定も拘束もされない。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の第1の実施の形態による車両安全支援システムの構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による車両安全支援システムにおいて、ナビゲーション装置から安全支援装置へ進路情報と誤差情報を出力するときの機能ブロック図である。
【図3】走行状況が様々に変化したときの車両の移動距離に対する推定誤差量の変化の様子を示したグラフである。
【図4】進路情報と誤差情報を安全支援装置へ出力するときにナビゲーション装置において実行される処理のフローチャートである。
【図5】推定誤差量の算出処理のフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施の形態による車両安全支援システムの構成図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態による車両安全支援システムにおいて、ナビゲーション装置から安全支援装置へ進路情報を出力すると共に、ナビゲーション装置から誤差推定装置へ走行状況情報を出力し、それに基づいて誤差推定装置から安全支援装置へ誤差情報を出力するときの機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0093】
1:ナビゲーション装置 2:安全支援装置
3:誤差推定装置 10:制御部
11:振動ジャイロ 12:車速センサ
13:HDD 14:表示モニタ
15:入力装置 16:GPS受信部
17:ビーコン受信部 18:ETC送受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車位置を検出する自車位置検出手段と、
自車両の走行状況に応じて、前記自車位置検出手段により検出された自車位置に含まれる誤差量の推定値を増減させることにより、その誤差量の推定値を求める誤差量推定手段と、
前記誤差量推定手段により求められた誤差量の推定値に基づいて、前記自車位置の誤差情報を出力する誤差情報出力手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1のナビゲーション装置において、
自車位置を検出するための位置信号を受信する位置信号受信手段と、
自車両の運動状態を検出する車両運動検出手段と、
地図データを記録媒体から読み出す読出手段とをさらに備え、
前記自車位置検出手段は、前記位置信号受信手段により受信された位置信号と、前記車両運動検出手段により検出された自車両の運動状態と、前記読出手段により読み出された地図データとに基づいて、マップマッチング処理を用いて、前記自車位置を検出することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2のナビゲーション装置において、
前記自車両が予め定められた特定の地点を通過したか否かを判定する通過判定手段をさらに備え、
前記誤差量推定手段は、前記通過判定手段により自車両が前記特定の地点を通過したと判定されたときに、前記誤差量の推定値を減少させることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項3のナビゲーション装置において、
前記通過判定手段は、前記読出手段により読み出された地図データに基づいて、前記自車両が交差点を曲がって通過したか否かを判定し、
前記誤差量推定手段は、前記通過判定手段により自車両が交差点を曲がって通過したと判定されたときに、前記誤差量の推定値を減少させることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項4のナビゲーション装置において、
前記誤差量推定手段は、前記通過判定手段により自車両が曲がって通過したと判定された交差点の道路幅に基づいて、前記誤差量の推定値の減少量を決定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項3〜5いずれか一項のナビゲーション装置において、
前記地図データにおいて予めその設置場所が記録されている無線設備の付近を車両が通過したときに、その無線設備から送信される無線信号を受信する無線信号受信手段をさらに備え、
前記通過判定手段は、前記無線信号受信手段による無線信号の受信結果に基づいて、前記自車両が前記無線設備の付近を通過したか否かを判定し、
前記誤差量推定手段は、前記通過判定手段により自車両が前記無線設備の付近を通過したと判定されたときに、前記誤差量の推定値を減少させることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項6のナビゲーション装置において、
前記無線設備は、ビーコンまたはETC路側無線装置であることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項2〜7いずれか一項のナビゲーション装置において、
前記誤差量推定手段は、前記位置信号受信手段により前記位置信号が受信されているときは、前記誤差量の推定値を増加させる範囲を所定値以内に制限し、前記位置信号受信手段により前記位置信号が受信されていないときは、前記誤差量の推定値を前記所定値を超えて増加させることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
請求項2〜8いずれか一項のナビゲーション装置において、
前記誤差量推定手段は、前記自車両の走行距離に応じて、所定の割合で前記誤差量の推定値を増加させることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項10】
請求項9のナビゲーション装置において、
前記読出手段により読み出された地図データに基づいて、前記自車両が走行している道路の形状を判断する道路形状判断手段をさらに備え、
前記誤差量推定手段は、前記道路形状判断手段により判断された道路の形状に基づいて、前記誤差量の推定値を増加させるときの割合を決定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項11】
請求項1〜10いずれか一項のナビゲーション装置において、
前記自車位置検出手段により検出された自車位置に基づいて、前記自車両の進路に関する進路情報を出力する進路情報出力手段をさらに備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項12】
請求項11のナビゲーション装置と、
前記進路情報出力手段により出力された進路情報に基づいて、前記自車両の安全を支援するための各種機能を実行する安全支援装置とを有し、
前記安全支援装置は、前記誤差情報出力手段により出力された自車位置の誤差情報に基づいて、実行すべき機能を決定することを特徴とする車両用安全支援システム。
【請求項13】
ナビゲーション装置により検出された自車位置に基づいて、自車両に対する様々な安全支援を行う車両用安全支援システムであって、
前記ナビゲーション装置により検出された自車位置の信頼性を判断し、その判断結果に応じて安全支援の内容を変更することを特徴とする車両用安全支援システム。
【請求項14】
ナビゲーション装置と、前記ナビゲーション装置により検出される自車位置の誤差量を推定する誤差量推定装置とを有する車両位置誤差推定システムであって、
前記誤差量推定装置は、
自車両の走行状況に応じて、前記ナビゲーション装置により検出された自車位置に含まれる誤差量の推定値を増減させることにより、その誤差量の推定値を求める誤差量推定手段と、
前記誤差量推定手段により求められた誤差量の推定値に基づいて、前記自車位置の誤差情報を出力する誤差情報出力手段とを備えることを特徴とする車両位置誤差推定システム。
【請求項15】
請求項14の車両位置誤差推定システムと、
前記自車両の安全を支援するための各種機能を実行する安全支援装置とを有し、
前記ナビゲーション装置は、前記自車位置に基づいて前記自車両の進路に関する進路情報を出力する進路情報出力手段をさらに備え、
前記安全支援装置は、前記誤差推定装置から出力された自車位置の誤差情報に基づいて実行すべき機能を決定し、その決定された機能を、前記進路情報出力手段により出力された進路情報に基づいて実行することを特徴とする車両用安全支援システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−122230(P2008−122230A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−306433(P2006−306433)
【出願日】平成18年11月13日(2006.11.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】