説明

ナビゲーション装置およびその機能活性化方法

【課題】 利用者が利用設定を行っていない機能の効果を実感でき、さらには機能を利用するにあたって必要な設定操作を知らずとも機能を利用できるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】
本発明のナビゲーション装置は、車両等の走行状況を示す情報を取得し、それに応じて適切な機能を一時的に活性化する手段を備える。
また、活性化した機能を継続利用するかどうかの判断を利用者に求め、継続利用する場合には該機能を使用することを確定させ、機能の詳細な設定を適切に設定する手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等に搭載されるナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常の車載用ナビゲーション装置は、経路探索などの通常のナビゲーション機能のほかにも、機能や設定を変更することで利用できるようになる機能を備えている。
【0003】
これらの機能は、補助的な、あるいは利用者にとって望ましいものを活用する選択的な機能であるため、通常はその機能のうちのいくつかを利用者により選択されて、利用される。
【0004】
しかし、これらの機能は、ナビゲーション装置が普及し、利用者のリテラシーが向上するにつれて、より高機能化・細分化してきているため、ナビゲーション装置の使用に不慣れな利用者にとってみると機能を理解するだけでも負担となることがある。
【0005】
通常、これらの機能の理解と利用を促すための説明は取扱説明書等に記載されているが、実機を用いて利用者に機能の紹介や操作を説明する機能を備えた装置が、特許文献1に記載されている。
【0006】
【特許文献1】特開2004−108893号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記の技術では、利用者が利用したことのない機能についてナビゲーション装置上で説明するにとどまる。実際に機能を活用するためには、利用者が適切に使用した際の効果を実感することができ、また利用者が該機能を適切に利用できねばならない。
【0008】
本発明は、上記の課題に着目してなされたものであり、その目的は、利用者が利用設定を行っていない機能の効果を実感することができるようにし、さらには機能を利用するにあたって必要な設定操作を簡単に行うことができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく、本発明のナビゲーション装置は、車両等の走行状況を示す情報を取得し、それに応じて適切な機能を一時的に活性化する手段を備える。
【0010】
また、活性化した機能を継続利用するかどうかの判断を利用者に求め、継続利用する場合には該機能を活性化することを確定し、機能の詳細な設定を適切に設定する手段を備える。
【0011】
なお、本願では、利用する設定になっていない機能について、利用する設定に変えることを「活性化」と呼び、利用する設定になっている機能について、利用する設定でなくすることを「非活性化」と呼ぶ。また、利用する設定になっている状態を「活性」、利用する設定になっていない状態を「非活性」と呼ぶ。
【0012】
例えば、本発明のナビゲーション装置は、車両に搭載されるナビゲーション装置であって、
前記車両の走行状態を示す情報を検出する走行状態情報検出装置と、
前記走行状態情報検出装置により検出した車両の走行状態を示す情報を基にして非活性機能を活性化するか否かを判定する活性化判定手段と、
前記活性化判定手段にて判定した結果に基づいて非活性機能を活性化させる非活性機能活性化手段と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
また例えば、本発明のナビゲーション装置は、車両に搭載されるナビゲーション装置であって、
前記車両の走行状態を示す情報を検出する走行状態情報検出装置と、
前記走行状態情報検出装置により検出した車両の走行状態を示す情報を基にして非活性機能を活性化するか否かを判定する活性化判定手段と、
前記活性化判定手段にて判定した結果に基づいて非活性機能を活性化させる非活性機能活性化手段と、
前記非活性機能活性化手段により活性化された機能を継続して利用する指示を利用者から受け付ける継続利用指示受付手段と、
前記継続利用指示受付手段により受け付けた指示により示される機能について継続して利用できるように前記ナビゲーション装置の設定を変更する利用設定変更手段と、
を備えることを特徴とする。
【0014】
また例えば、
車両に搭載されるナビゲーション装置の機能活性化方法であって、
前記ナビゲーション装置は、
前記車両の走行状態を示す情報を検出する走行状態情報検出装置を備え、
前記走行状態情報検出装置により検出した車両の走行状態を示す情報を基にして非活性機能を活性化するか否かを判定する活性化判定ステップと、
前記活性化判定ステップにて判定した結果に基づいて非活性機能を活性化させる非活性機能活性化ステップと、
前記非活性機能活性化ステップにより活性化された機能を継続して利用する指示を利用者から受け付ける継続利用指示受付ステップと、
前記継続利用指示受付ステップにより受け付けた指示により示される機能について継続して利用できるように前記ナビゲーション装置の設定を変更する利用設定変更ステップと、
を実施することを特徴とする機能活性化方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の実施形態について、図1〜9を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態が適用された車載用ナビゲーション装置100の概略構成図である。図示するように、車載用ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ部2と、記憶装置3と、音声入出力装置4と、入力装置5と、車輪速センサ6と、ジャイロセンサ7と、GPS(Global Positioning System)受信装置8と、ビーコン受信装置9と、を備えている。
【0017】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ6,7やGPS受信装置8から出力される情報を基にして現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3から読み出す。また、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示する。また、記憶装置3に記憶されている地図データを用いて、利用者から指示された出発地(現在地)と目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、音声入出力装置4やディスプレイ2を用いて利用者を誘導する。
【0018】
ディスプレイ部2は、演算処理部1で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットであり、ディスプレイ11と、タッチ入力検出装置12とを備える。ディスプレイ11は、CRTや液晶ディスプレイなどで構成される。
【0019】
タッチ入力検出装置12は、ディスプレイ11の表示側面に搭載され、表示画面を透過するいわゆるタッチパネルである。タッチ入力検出装置12は、ディスプレイ11に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチ入力検出装置12は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。
【0020】
記憶装置3は、HDDやICカードといった書き換え可能な記憶媒体を有して構成される。
もしくは、CD-ROMやDVD-ROMなどの読み取り専用の記憶媒体と、書き換え可能なRAMなどの記憶媒体を組み合わせたものでもよい。この記憶媒体には、地図データ(図示せず)や、図2に示す活性化条件表330があらかじめ記憶されており、また、後述するように機能活性化部104により実施されるステップS113、ステップS117、ステップS118の処理結果である図3に示す機能管理表440の内容を記憶するための記憶領域が割り当てられている。
【0021】
図2は、活性化条件表330の構成を示す図である。活性化条件表330は、ナビゲーション装置の機能ごとにレコードを有する。各レコードは、機能を識別する機能名331と、機能を活性化状態にするための車両状態の条件を表す活性化条件332と、その機能を活性化させるために活性化している必要がある他の機能を表す必要機能333と、機能を活性化させるために必要な設定値を含む活性化の設定334と、一時的に活性化した後に、継続してその機能を活性化するかどうかの判断を確認する画面を表示するトリガとなる条件を表す継続確認条件335と、を含む。
【0022】
図3は、機能管理表400の構成を示す図である。機能管理表400は、ナビゲーション装置の機能ごとにレコードを有する。各レコードは、機能を識別する機能名401と、機能が活性状態にあるかないかを表す活性状況402と、その機能を今後も継続して利用するか否かの判断を利用者が入力したかどうかをあらわす確定状況403と、該機能を説明する際に用いるマニュアルデータ404と、を含む。
【0023】
図1に戻り、説明を続ける。
【0024】
音声入出力装置4は、演算処理部1で生成した利用者へのメッセージを音声信号に変換し出力する。また、利用者が発した声を認識し演算処理部1にその内容を転送する処理を行う。
【0025】
入力装置5は、利用者からの指示を受け付けるユニットである。入力装置5は、スクロールキー、縮尺変更キーなどのハードスイッチ、ジョイスティックなどで構成される。
【0026】
車輪速センサ6,ジャイロセンサ7,およびGPS受信装置8は、車載用ナビゲーション装置100で自車位置などの車両の状況を示す情報を検出するために使用されるものである。車輪速センサ6は、車輪の周径と計測される車輪の回転数の積から走行距離を測定し、さらに対となる車輪の回転数の差から移動体が曲がった角度を計測する。ジャイロセンサ7は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体が回転した角度を検出するものである。GPS受信装置8は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率を3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在位置、進行速度および進行方位を測定する。
【0027】
ビーコン受信装置9は、ビーコンから送られてくる現況交通情報、規制情報、SA/PA情報、駐車場情報などを受信する。
【0028】
図4は、演算処理部1の本願発明に関連する機能についての機能ブロック図である。
【0029】
図示するように、演算処理部1は、主制御部101と、車両状況検知部102と、活性化機能判定部103と、機能活性化部104と、入力受付部105と、表示処理部106と、を有する。
【0030】
主制御部101は、例えば現在地を算出し、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ部2へ表示する。また、主処理部101は、利用者から指示された出発地(現在地)と目的地とを結ぶ最適な経路を探索し、音声入出力装置4やディスプレイ11を用いて利用者を経路誘導する。
【0031】
さらに、主制御部101は、車両状況検知部102を介して、車両が備える駐車ブレーキ装置(図示せず)がひかれた状態にあるか否かを示す情報を取得する。加えて、主制御部101は、車両状況検知部102を介して、車両が備えるエンジン装置(図示せず)が稼働している状態にあるか停止している状態にあるかを取得する。
【0032】
車両状況検知部102は、車輪速センサ6、ジャイロセンサ7、GPS受信装置8、ビーコン受信装置9などの各種センサからの情報を収集して、各種の車両の状況を検知する機能部である。例えば、車輪速センサ6から得たパルス情報を基に車速を算出し、ビーコン受信装置9から渋滞地点の情報を取得し、これらを比較し、自車が渋滞を示す状態にあるかどうかを検知する。
【0033】
活性化機能判定部103は、車両状況検知部102から得た情報を収集して、収集した情報が活性化条件表330の活性化条件332や継続確認条件335を満足したか否かを判定する処理を実施する。
【0034】
機能活性化部104は、活性化機能判定部103の判定に従って各機能を活性化し、もしくは非活性化し、その状態を機能管理表400に記憶させ、継続利用を利用者に確認する、などの処理を行う機能部である。
【0035】
入力受付部105は、音声入出力装置4や入力装置5や、タッチ入力検出装置12、を介した、利用者からの指示入力を受け付け、これを各処理部に受け渡す処理部である。
【0036】
表示処理部106は、画面出力をディスプレイ11に表示させる機能部である。ディスプレイ11への表示が要求される領域にある画面データと表示候補を受け取り、指定された描画方式で、道路、その他の地図構成物や、現在地、目的地、推奨経路、メッセージ情報のためのダイアログなどを描画するように画面描画コマンドを生成する。そして、生成したコマンドを、ディスプレイ11に送信する。
【0037】
図5は、演算処理部1のハードウェア構成例を示す図である。
【0038】
図示するように、演算処理部1は、各デバイス間をバス32で接続した構成とする。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、メモリ間およびメモリと各デバイスとの間のデータ転送を実行するDMA(Direct Memory Access)24と、グラフィックス描画を実行し且つ表示制御を行う描画コントローラ25と、グラフィックスイメージデータを蓄えるVRAM(Video Random Access Memory)26と、イメージデータをRGB信号に変換するカラーパレット27と、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器28と、シリアル信号をバスに同期したパラレル信号に変換するSCI(Serial Communication Interface)29と、パラレル信号をバスに同期させてバス上にのせるPIO(Parallel Input/Output)30と、パルス信号を積分するカウンタ31と、を有する。
【0039】
なお、上記の各構成要素および機能は、CPU21がRAM22やROM23にロードしたプログラムを実行することにより達成される。
【0040】
[動作の説明]次に、上記構成の車載用ナビゲーション装置100の動作について説明する。
【0041】
図6は、機能活性化処理の流れを示すフロー図である。
【0042】
機能活性化処理は、車載用ナビゲーション装置100が起動した直後に開始される処理である。
【0043】
主制御部101は、次のステップ以降の処理を実施する対象機能を選択する(ステップS111)。
【0044】
具体的には、非活性化状態にすることが確定している機能以外の機能を記憶装置3に記憶された機能管理表400から選択してRAM22にロードする。つまり、機能管理表400の表から、活性状況402が「非活性」であり、かつ、確定状況403が「確定」であるようなレコードを除くレコードをRAM22にロードする。
【0045】
次に、活性化機能判定部103は、ステップS111でRAM22にロードしたレコードの中から活性化する条件を満たす機能を選出し、活性化対象機能リストに追加する(ステップS112)。
【0046】
具体的には、活性化機能判定部103は、活性化条件表330を読み込み、ステップS111でRAM22にロードしたレコードの各々の活性化条件332を取得し、活性化条件332に記載された条件が満たされているか否かを判定し、該活性化条件332に記載された条件を満たすと判定できたレコードを対象として選出し、選出したレコードにより示される機能の機能名401を、RAM22上のリスト領域に追加する。なお、活性化機能判定部103は、活性化条件332に記載された条件の判定を、車両状況検知部102から取得した情報を基に実施する。
【0047】
ステップS112では、例えば、車両状況検知部102は車輪速センサ6から取得したパルスと自車の車輪の周径とを積算して走行距離を算出し、主制御部101から経過時間を取得し、走行距離と経過時間を活性化機能判定部103に受け渡す。活性化機能判定部103は、受け取った自車の走行距離と経過時間を用いて、例えば当該リンクにおける自車の平均移動速度が時速10km/hを下回る場合には渋滞を示す状態であると判定し、該状態が5分以上継続している場合には渋滞5分超であるとの活性化条件332を満足したと判定して、該活性化条件を活性化条件表330にて指定している迂回路探索機能の機能名401を、活性化対象機能リスト(図示せず)に追加する。
【0048】
次に、機能活性化部104は、活性化対象機能リストに含まれている機能名で識別される機能と、その機能を活性化するにあたり必要となる機能と、を活性化させる(ステップS113)。
【0049】
具体的には、機能活性化部104は、前記した活性化対象機能リストに追加された機能名で識別される機能を活性化する設定を行う。その際には、活性化条件表330の活性化の設定334を参照し、必要となる設定情報を取得し、車載ナビゲーション装置100に設定する。また、機能活性化部104は、この設定を行う直前に、必要機能333に設定されている機能名で識別される機能を活性化する。
【0050】
図2を例にとると、迂回路探索機能を活性化させる場合には、まず必要機能333に記憶されている自動リルート機能を活性化し、然る後に迂回路探索機能を活性化する。活性化を行った後には、機能活性化部104は、表示処理部106に依頼して、活性化した機能の機能名をディスプレイ11上のメッセージ表示領域に表示させる。
【0051】
図7は、上記ステップS113の結果、ディスプレイ11が表示する画面の一例である。画面50は、経路誘導の画面など、本ステップS113の実施とは関係なく表示されている画面である。ディスプレイ11は、その画面に一部重畳して、メッセージ表示領域501を表示する。
【0052】
具体的には、ステップS113において、機能活性化部104は、表示処理部106に対して、該メッセージ領域501を重畳表示させること、およびそのメッセージの内容、例えば「<!>迂回路探索機能を有効にしました」などを表示させること、を指示する。指示を受けた表示処理部106は、該指示を基に図7の画面を構成し、ディスプレイ11に表示させる。
【0053】
以上のステップS111からステップS113までを実施することで、各機能の活性化を実施できるようになる。
【0054】
なお、上記ステップS113のうち、図7の画面を表示させる処理については、別途処理開始条件を設けて、サイドブレーキ等を引いた状態で次に車両が停車された場合や車両のエンジンを停止された場合、または次に車載用ナビゲーション装置100が起動する場合などの別のタイミングで処理を開始させることとしてもよい。
【0055】
具体的には、上記ステップS113において、図7に示す画面を表示させる処理の直前に、処理開始条件判定処理を行い、該判定処理の結果、処理を開始する判定を得た場合にのみ図7に示す画面を表示させる処理を開始する。該処理開始条件判定処理では、機能活性化部104は、主制御部101に対してサイドブレーキがひかれた状態であるか否かを問い合わせてサイドブレーキがひかれた状態にある旨の応答を得た場合、または、主制御部101に対してエンジンが停止した状態にあるか否かを問い合わせてエンジンが停止した状態にある旨の応答を得た場合に、処理を開始することを決定する。
【0056】
続けて、活性化された機能を対象として、以降もその機能を活性化し続ける設定とすることの可否を利用者に確認する処理について説明する。
【0057】
主制御部101は、次のステップ以降の処理を実施する対象を選択する(ステップS114)。
【0058】
具体的には、活性化状態の機能のうち、今後も活性化させることが確定していない機能を記憶装置3に記憶された機能管理表400から選択しRAM22にロードする。つまり、機能管理表400の表から、活性状況402が「活性」であり、かつ、確定状況403が「未確定」であるレコードをRAM22にロードする。
【0059】
次に、活性化機能判定部103は、ステップS114でRAM22にロードしたレコードの中から継続確認を行う条件を満たすレコードを選出し、継続確認対象機能リスト(図示せず)に追加する(ステップS115)。
【0060】
具体的には、活性化機能判定部103は、活性化条件表330を読み込み、ステップS114でRAM22にロードしたレコードの中から各々の継続確認条件335を取得し、該継続確認条件335に記載された条件を満たすレコードを選出し、継続確認対象機能リストに追加する。なお、活性化機能判定部103は、継続確認条件335に記載された条件の判定を、車両状況検知部102から取得した情報を基に実施する。
【0061】
例えば、車両状況検知部102は車輪速センサ6から取得したパルスと自車の車輪の周径とを積算して走行距離を算出し、主制御部101から経過時間を取得し、走行距離と経過時間を活性化機能判定部103に受け渡す。活性化機能判定部103は、受け取った自車の走行距離と経過時間を用いて、例えば当該リンクにおいて渋滞を示す状態であった自車の平均移動速度が時速8km/hを超え、かつ別途ビーコン受信装置9から取得した道路状況から、車両の現在位置が属するリンクが渋滞を示す状態にない、と判定できる場合には、渋滞を示す状態を抜けたと判定し、渋滞リンクを通過したという継続確認条件335を満足したと判定し、該条件を活性化条件表330にて指定している迂回路探索機能の機能名331を、継続確認対象機能リストに追加する。
【0062】
次に、機能活性化部104は、継続確認対象機能リストに含まれている機能名により識別される機能を継続して活性化させるか否かの判断を利用者に求める表示を行って利用者の継続意志を確認し、指示を取得する(ステップS116)。
【0063】
具体的には、機能活性化部104は、前記した継続確認対象機能リストの各々について、表示処理部106を介して、該機能を継続して使用するか否かを問うダイアログをディスプレイ11に表示させる。そして、音声入出力装置4、入力装置5、又はタッチ入力検出装置12などにより入力された利用者の選択入力を、入力受付部105を介して受け付ける。
【0064】
図8は、上記ステップS116において、ディスプレイ11が表示する画面の一例である。
【0065】
画面50は、経路誘導の画面など、本ステップS116の実施とは関係なく表示されている画面である。ディスプレイ11は、その画面に一部重畳して、ダイアログ表示領域511を表示する。
【0066】
具体的には、ステップS116において、機能活性化部104は、表示処理部106に対して、該ダイアログ表示領域511を重畳表示させること、およびそのダイアログの内容、例えば「<!>今回は迂回路探索機能を有効にしていましたが、今後も有効にしますか?」などを表示させること、およびこのダイアログに対して利用者が肯定応答を入力するためのボタン領域512と否定応答を入力するためのボタン領域513と、該機能の説明を表示させるためのボタン領域514と、を表示させることを指示する。
【0067】
指示を受けた表示処理部106は、該指示を基に図8の画面を構成し、ディスプレイ11に表示させる。
【0068】
なお、主制御部101は、図8に示す画面上で機能の説明を表示させるためのボタン領域514を選択する旨の入力を検知すると、記憶装置3から、該機能の説明を行うための電子マニュアルデータ404を取得し、これをディスプレイ11に表示させる。
【0069】
図9は、このようにしてディスプレイ11に表示されたマニュアルデータ404の表示例である。
【0070】
画面50は、経路誘導の画面など、マニュアルデータ404の表示とは関係なく表示されている画面である。その画面に一部重畳して、マニュアルデータ表示領域521が表示されている。
【0071】
主制御部101は、表示処理部106に対して、該マニュアルデータ表示領域521を重畳表示させること、およびそのマニュアルデータ404の内容、例えば「迂回路探索機能とは?迂回探索機能とは、渋滞しているときに、VICS情報などをもとにして渋滞路を迂回する経路を検索し、ご案内する機能です。この機能を手動で有効にするには、メインメニュー→ナビ設定メニュー→経路探索メニュー→迂回路探索を選択してください。なお、自動リルート機能を有効にしておく必要があります。」などの詳細な説明を表示させること、およびこのマニュアルデータ404の表示に対して利用者が閲覧を終了し、元の表示ダイアログに戻る旨を入力するためのボタン領域522を表示させること、を指示する。
【0072】
指示を受けた表示処理部106は、該指示を基に図9の画面を構成し、ディスプレイ11に表示させる。
【0073】
また、図10は、上記ステップS116において、ディスプレイ11が表示する画面の別の例である。
【0074】
ダイアログ表示領域515は図8に示すダイアログ表示領域511と同様の役割を持つが、ダイアログ表示領域511とは表示内容が異なる。
【0075】
ステップS116において、機能活性化部104は、表示処理部106に対して、該ダイアログ表示領域515を画面に重畳表示させること、およびそのダイアログの内容、例えば「<!>今回は迂回路探索機能を有効にしていましたが、今後も有効にしますか?」を表示させること、およびこのダイアログに対して利用者が肯定応答を入力するためのボタン領域512と否定応答を入力するためのボタン領域513と、該機能の説明を表示するための領域516と、を表示させることを指示する。
【0076】
なお、該機能の説明内容は、機能活性化部104が記憶装置3から電子マニュアルデータ404を取得したものを使用する。
【0077】
次に、ステップS116にて受け付けた利用者の選択入力が継続を肯定するもの(例えば「はい」)である場合には、機能活性化部104は機能管理表400の当該機能レコードについて、確定状況403欄に確定である旨を記憶させる(ステップS117)。
【0078】
ステップS116にて受け付けた利用者の選択入力が、継続利用を否定するもの(例えば「いいえ」)である場合には、機能活性化部104は機能管理表400の当該機能レコードについて、確定状況403欄に確定である旨を記憶させるとともに、活性化している該機能を非活性化する(ステップS118)。
【0079】
以上のステップS114からステップS118までを実施することで、各機能の活性化の継続意思を確認できるようになる。
【0080】
最後に、主制御部101は、上記S111からS118のステップを実施した後、機能管理表400にアクセスし、全機能について確定状況403に確定と記憶されていることが確認できれば、機能活性化処理を終了させる。確認できなければ、ステップS111に処理を戻し、再度ステップS111から処理を再度実施する(ステップS119)。
【0081】
以上、本発明の実施形態の構成と動作を説明した。
【0082】
上記の本願発明の実施形態により、利用者が利用設定を行っていない機能を利用するにあたって必要な設定操作を知らなくても機能を利用できるように簡便に設定を変更し、車両の状況に応じて活性化することができ、また該機能を継続的に使用するように設定を変更することができる。
【0083】
ところで、上記実施形態では、ステップS116では、機能活性化部104は、前記した継続確認対象機能リストの各々について、表示処理部106を介して、該機能を継続して使用するか否かを問うダイアログ表示領域511をディスプレイ11に表示させていた。
【0084】
しかし、利用者は通常は運転者であることが想定されるため、機能活性化部104は、利用者が運転を継続している間は上記ダイアログ表示領域511の表示を控え、次に信号などで停車するまで処理を休止させておき、車両状況検知部102を通じて停車を確認した後に上記ダイアログ表示領域511をディスプレイ11に表示させて処理を継続することとしてもよい。
【0085】
具体的には、ステップS116の直前、つまりステップS115の処理の最後において、活性化機能判定部103は、車両状況検知部102から走行速度を取得し、走行速度が0km/hになるまで処理を休眠させる。そしてステップS116において、車両状況検知部102から得た走行速度が0km/hになったことを確認した後、以降の処理を開始する。
【0086】
または、機能活性化部104は、次回のナビゲーション装置の起動時まで処理を休止させておき、次回のナビゲーション装置の起動直後に上記ダイアログ表示領域511をディスプレイ11に表示させて処理を継続することとしてもよい。
【0087】
具体的には、ステップS116の直前、つまりステップS115の処理の最後において、活性化機能判定部103は、車載ナビゲーション装置100の起動処理につづけて前記ステップS116から処理を再開するように登録する処理を実施しておき、機能活性化処理を終了させる。
【0088】
次に車載ナビゲーション装置100が起動する際に、機能活性化処理のステップS116から処理を再開し、ステップS116の最後において、車載ナビゲーション装置100の起動処理の最後に再開するとした登録を解除する、という実現方法をとる。
【0089】
これらの変形により、利用者は車両が安定した状態で継続を検討することができるようになる。
【0090】
また、本発明を車載用ナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明は車載用以外のナビゲーション装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】図1は、本発明の実施形態にかかる車載用ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態にかかる記憶装置3に記憶されている活性化条件表の構成例を示す図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態にかかる記憶装置3に記憶されている機能管理表構成例を示す図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態にかかる演算処理部1の機能構成を示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態にかかる演算処理部1のハードウェア構成を示す図である。
【図6】図6は、本発明の実施形態にかかる機能活性化処理のフロー図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態にかかるメッセージ表示の画面例を示す図である。
【図8】図8は、本発明の実施形態にかかるダイアログ表示の画面例を示す図である。
【図9】図9は、本発明の実施形態にかかる機能説明表示の画面例を示す図である。
【図10】図10は、本発明の実施形態にかかるダイアログ表示の画面例を示す図である。
【符号の説明】
【0092】
100・・・車載用ナビゲーション装置、1・・・演算処理部、2・・・ディスプレイ部、3・・・記憶装置、4・・・音声出入力装置、5・・・入力装置、6・・・車輪速センサ、7・・・ジャイロセンサ、8・・・GPS受信機、9・・・ビーコン受信装置、11・・・ディスプレイ、12・・・タッチ入力検出装置、21・・・CPU、22・・・RAM、23・・・ROM、24・・・DMA、25・・・描画コントローラ、26・・・VRAM、27・・・カラーパレット、28・・・A/D変換器、29・・・SCI、30・・・PIO、31・・・カウンタ、101・・・主制御部、102・・・車両状況検知部、103・・・活性化機能判定部、104・・・機能活性化部、105・・・入力受付部、106・・・表示処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されるナビゲーション装置であって、
前記車両の走行状態を示す情報を検出する走行状態情報検出装置と、
前記走行状態情報検出装置により検出した車両の走行状態を示す情報を基にして非活性機能を活性化するか否かを判定する活性化判定手段と、
前記活性化判定手段にて判定した結果に基づいて非活性機能を活性化させる非活性機能活性化手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたナビゲーション装置であって、
前記走行状態情報検出装置は、
車輪速センサと、
GPS受信装置と、
ビーコン受信装置と、
を有して構成されること、
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1に記載されたナビゲーション装置であって、
前記活性化判定手段は、
前記走行状態情報検出装置により検出した車両の走行状態を示す情報が渋滞を示す状態である場合に、迂回路探索を行う機能を活性化することを決定する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1に記載されたナビゲーション装置であって、
前記非活性機能活性化手段は、
前記非活性機能が必要とする他の関連機能を活性化させた後に前記非活性機能を活性化させる、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1に記載されたナビゲーション装置であって、
さらに、前記非活性機能活性化手段により機能を活性化させたことを利用者に通知する活性化通知手段、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項5に記載されたナビゲーション装置であって、
前記活性化通知手段は、前記車両が停車した直後に通知する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項5に記載されたナビゲーション装置であって、
前記活性化通知手段は、前記車両のエンジンが停止した直後に通知する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
車両に搭載されるナビゲーション装置であって、
前記車両の走行状態を示す情報を検出する走行状態情報検出装置と、
前記走行状態情報検出装置により検出した車両の走行状態を示す情報を基にして非活性機能を活性化するか否かを判定する活性化判定手段と、
前記活性化判定手段にて判定した結果に基づいて非活性機能を活性化させる非活性機能活性化手段と、
前記非活性機能活性化手段により活性化された機能を継続して利用する指示を利用者から受け付ける継続利用指示受付手段と、
前記継続利用指示受付手段により受け付けた指示により示される機能について継続して利用できるように前記ナビゲーション装置の設定を変更する利用設定変更手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
請求項8に記載されたナビゲーション装置であって、
前記継続利用指示受付手段は、前記走行状態情報検出装置により検出した車両の走行状態を示す情報が所定の条件を満たす場合に受け付けを行う、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項10】
請求項9に記載されたナビゲーション装置であって、
前記ナビゲーション装置は、さらに、前記車両内に取り付けられ前記ナビゲーション装置からの画面出力を表示するディスプレイ装置を備え、
前記継続利用指示受付手段は、前記ナビゲーション装置の起動の際に、前記ディスプレイ装置にダイアログを表示して受け付けを行う、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項11】
請求項9に記載されたナビゲーション装置であって、
前記ナビゲーション装置は、さらに、前記車両内に取り付けられ前記ナビゲーション装置からの画面出力を表示するディスプレイ装置を備え、
前記継続利用指示受付手段は、前記車両が停車した直後に、前記ディスプレイ装置にダイアログを表示して受け付けを行う、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項12】
請求項9に記載されたナビゲーション装置であって、
前記ナビゲーション装置は、さらに、前記車両内に取り付けられ前記ナビゲーション装置からの画面出力を表示するディスプレイ装置を備え、
前記継続利用指示受付手段は、前記車両のエンジンが停止した際に、前記ディスプレイ装置にダイアログを表示して受け付けを行う、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項13】
車両に搭載されるナビゲーション装置の機能活性化方法であって、
前記ナビゲーション装置は、
前記車両の走行状態を示す情報を検出する走行状態情報検出装置を備え、
前記走行状態情報検出装置により検出した車両の走行状態を示す情報を基にして非活性機能を活性化するか否かを判定する活性化判定ステップと、
前記活性化判定ステップにて判定した結果に基づいて非活性機能を活性化させる非活性機能活性化ステップと、
前記非活性機能活性化ステップにより活性化された機能を継続して利用する指示を利用者から受け付ける継続利用指示受付ステップと、
前記継続利用指示受付ステップにより受け付けた指示により示される機能について継続して利用できるように前記ナビゲーション装置の設定を変更する利用設定変更ステップと、
を実施することを特徴とする機能活性化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−215939(P2008−215939A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−51562(P2007−51562)
【出願日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】