説明

ナビゲーション装置及びナビゲーション方法

【課題】 従来、ナビゲーション装置において、完全な第一のストリート名の入力を受け付け、それによって検索された第2のストリートを選択することで、交差点を特定する技術がある。しかし、使用者は検索する対象の地域の地理に必ずしも明るくはないため、ストリートの名称が完全な名称でなければならないのは、不便である。本発明の目的は、不完全なストリートの名称の指定で交差点等を特定する技術を提供することにある。
【解決手段】
本発明のナビゲーション装置は、第一のキーワードおよび第二のキーワードの入力を受け付け、第一のキーワードを少なくとも一部に含むストリート名称を有する第一のストリートと、第二のキーワードを少なくとも一部に含むストリート名称を有する第二のストリートとの接続点を特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置において、第一のストリート名の入力を受け付け、それによって検索された第2のストリートの一つを選択入力することで、検索用データ(分岐点や分岐領域)を特定する技術がある。
【0003】
特許文献1には、このようなナビゲーション装置についての技術が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2008−76359号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のようなナビゲーション装置では、入力するストリートの名称は完全な名称でなければならず、不完全な名称を用いるとストリートの特定ができない。
【0006】
通常、ナビの操作者は検索するべき地域の地理に詳しくないことが少なくないため、ストリートの名称を完全に指定できる場合はあまり無いと考えられる。すなわち、上記のようなナビゲーション装置には、不便があるといえる。
【0007】
本発明の目的は、ナビゲーション装置において、不完全なストリートの名称の指定で交差点等を特定する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく、本発明のナビゲーション装置は、ストリートごとに、ストリートの名称と、接続するストリートと、接続する地点と、を対応付けた情報を記憶した記憶手段と、ストリート名称の一部を構成する第一のキーワードの入力を受け付ける第一の入力受付手段と、ストリート名称の一部を構成する第二のキーワードの入力を受け付ける第二の入力受付手段と、前記第一のキーワードを含むストリート名称を有するストリートを第一のストリートとして特定する手段と、前記第二のキーワードを含むストリート名称を有するストリートを第二のストリートとして特定する手段と、前記第一のストリートと第二のストリートとが接続する地点を特定する接続点特定手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また例えば、ナビゲーション装置のナビゲーション方法であって、前記ナビゲーション装置は、ストリートごとに、ストリートの名称と、接続するストリートと、接続する地点と、を対応付けた情報を記憶した記憶手段を備え、ストリート名称の一部を構成する第一のキーワードの入力を受け付ける第一の入力受付ステップと、ストリート名称の一部を構成する第二のキーワードの入力を受け付ける第二の入力受付ステップと、前記第一のキーワードを含むストリート名称を有するストリートを第一のストリートとして特定するステップと、前記第二のキーワードを含むストリート名称を有するストリートを第二のストリートとして特定するステップと、前記第一のストリートと第二のストリートとが接続する地点を特定する接続点特定ステップと、を実行することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明の一実施形態が適用されたナビゲーション装置100について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明が適用された車載用ナビゲーション装置100の概略構成図である。図示するように、車載用ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4(音声入力装置としてマイクロフォン41、音声出力装置としてスピーカ42)と、入力装置5と、ROM装置6と、車速センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、FM多重放送受信装置10と、ビーコン受信装置11と、を備えている。
【0012】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ7,8やGPS受信装置9、FM多重放送受信装置10、またはビーコン受信装置11から出力される情報を基にして現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3あるいはROM装置6から読み出す。また、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示する。また、記憶装置3あるいはROM装置6に記憶されている地図データ等を用いて、ユーザから指示された出発地(現在地)と目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、スピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。
【0013】
演算装置1は、各デバイス間をバス25で接続した構成である。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、各種ハードウェアを演算装置1に接続するインターフェイスであるI/F24と、を有する。
【0014】
ディスプレイ2は、演算処理部1で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成される。
【0015】
記憶装置3は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体で構成される。
【0016】
この記憶媒体には、通常の経路探索装置に必要な地図データ(地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを含む)であるリンクテーブル200と、ストリート情報テーブル300と、が記憶されている。
【0017】
図2は、リンクテーブル200の構成を示す図である。リンクテーブル200は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)201ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ202を含んでいる。
【0018】
リンクデータ202は、リンクの識別子であるリンクID211ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報222、リンクを含む道路の種別を示す道路種別223、リンクの距離を示すリンク長224、リンク旅行時間225、リンクを構成する2つのノードにそれぞれ接続するリンクのリンクID(接続リンクID)である開始接続リンク、終了接続リンク226、リンクを含む道路の通称(例えば、「MAIN」等)を示す通称227、等を含んでいる。
【0019】
なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。なお、リンク旅行時間225は、日時、天気などの条件ごとに対応付けられたリンク旅行時間であってもよい。
【0020】
図3は、ストリート情報テーブル300の構成を示す図である。ストリート情報テーブル300は、道路を示すストリートごとに、接続するストリートと、接続するストリートと接続する地点(交差点またはラウンドアバウト等)と、が対応づけられて記憶されるテーブルである。
【0021】
ストリート情報テーブル300には、ストリートを識別するストリートID301と、そのストリート名称302と、が対応付けられて記憶され、ストリートID301ごとに、接続するストリートを識別する接続ストリートID311と、接続するストリートとの接続地点を識別する交差ノードID312と、を含んでいる。
【0022】
具体的には、ストリートID301は、「00001」、「00002」等の、ストリートを識別する情報である。
【0023】
ストリート名称302は、ストリートID301により特定されるストリートの名称に関する情報である。例えば、「MAIN」や「EASTMAIN」等の名称である。
【0024】
なお、ストリート名称302は、ストリートID301に対応付けられて記憶されるが、別名等がある場合にはストリートID301に複数のストリート名称が対応付けられるものであってもよい。
【0025】
接続ストリートID311は、ストリートID301により識別されるストリートと接続する(交差点による交差や、ラウンドアバウト等による接続を含む)ストリートを識別する情報である。
【0026】
なお、一つのストリートに接続するストリートが複数存在する場合、接続ストリートID311は接続するストリートの数だけ対応付けられる。
【0027】
交差ノードID312は、ストリートID301により識別されるストリートと、接続ストリートID312により識別されるストリートと、が接続する箇所(ノード)を識別する情報である。
【0028】
図1に戻って説明する。音声入出力装置4は、音声入力装置としてマイクロフォン41と、音声出力装置としてスピーカ42と、を備える。マイクロフォン41は、使用者やその他の搭乗者が発した声などの車載用ナビゲーション装置100の外部の音声を取得する。
【0029】
スピーカ42は、演算処理部1で生成された使用者へのメッセージを音声信号として出力する。マイクロフォン41とスピーカ42は、車両の所定の部位に、別個に配されている。ただし、一体の筐体に収納されていても良い。車載用ナビゲーション装置100は、マイクロフォン41及びスピーカ42を、それぞれ複数備えることができる。
【0030】
入力装置5は、使用者からの指示を使用者による操作を介して受け付ける装置である。入力装置5は、タッチパネル51と、ダイヤルスイッチ52と、その他のハードスイッチ(図示しない)であるスクロールキー、縮尺変更キーなどで構成される。
【0031】
タッチパネル51は、ディスプレイ2の表示面側に搭載され、表示画面を透視可能である。タッチパネル51は、ディスプレイ2に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチパネル51は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。
【0032】
ダイヤルスイッチ52は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部1に出力する。演算処理部1では、パルス信号の数から、回転角度を求める。
【0033】
ROM装置6は、CD-ROMやDVDなどのROM(Read Only Memory)やIC(Integrated Circuit)カードといった、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、例えば、動画データや、音声データなどが記憶されている。
【0034】
車速センサ7,ジャイロセンサ8およびGPS受信装置9は、車載用ナビゲーション装置100において現在地(自車位置)を検出するために使用されるものである。
【0035】
車速センサ7は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。ジャイロセンサ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率を3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在位置、進行速度および進行方位を測定し、演算処理部1に送信するものである。
【0036】
FM多重放送受信装置10は、FM多重放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などやFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0037】
ビーコン受信装置11は、光ビーコン、電波ビーコン等の信号を受信する。ビーコン等の信号には、VICS情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報などがある。
【0038】
図4は、演算処理部1の機能ブロック図である。
【0039】
図示するように、演算処理部1は、主制御部101と、入力受付部102と、出力処理部103と、音声入力受付部104と、接続点特定部105と、経路探索部106と、経路案内部107と、を有する。
【0040】
主制御部101は、様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて、他の処理部を制御する。また、主制御部101は、車載用ナビゲーション装置100の基本動作であるナビゲーション処理(例えば、交通情報の表示、現在位置の表示等)を実施する。
【0041】
入力受付部102は、タッチパネル51およびダイヤルスイッチ52を介して、使用者からの指示入力を受け付け、これを各処理部に受け渡す処理部である。
【0042】
出力処理部103は、画面出力をディスプレイ2に表示させる機能部である。ディスプレイ2への表示が要求される画面データと表示候補を受け取り、指定された描画方式で、道路、その他の地図構成物や、現在地、目的地、推奨経路、メッセージ情報のためのダイアログなどを描画するように画面描画コマンドを生成する。そして、生成したコマンドを、ディスプレイ2に送信する。
【0043】
音声入力受付部104は、マイクロフォン41を介して、使用者からの指示入力を受け付け、これを各処理部に受け渡す処理部である。
【0044】
接続点特定部105は、第一のストリートを指定する入力情報を受け付け、第二のストリートを指定する入力情報を受け付け、第一のストリートと第二のストリートとが接続する交差ノードを特定する。
【0045】
経路探索部106は、ダイクストラ法等を用いて、指定された2地点(現在位置、目的地または立ち寄り地点)間を結ぶ経路のコスト(例えば、距離や旅行時間)が最少となる経路を探索する。なお、経路とは、道路を示す位置に配置された点である複数のノードと、2つのノード間を結ぶリンクと、を連続的に順に結ぶことで特定される。また、経路探索部106は、その経路に含まれる各ノード、各リンクに予め与えられたコストを合算することで経路全体のコストを求める。そして、経路探索部106は、その経路を通って目的地または立ち寄り地点に到達するまでに必要となる時間を算出し、その経路を特定するための経路情報をRAM22または記憶装置3の所定の領域に記憶させる。
【0046】
経路案内部107は、経路探索部106により探索した結果得られた経路の経路情報に従って経路を特定し、使用者に対して走行経路を案内する。
【0047】
例えば、経路情報と、現在位置の情報とを比較し、交差点等を通過する前に直進すべきか否か、右左折すべきか否か、をスピーカ42を用いて音声で使用者に知らせる。
【0048】
また、経路案内部107は、ディスプレイ2に表示された地図上に進行すべき方向を表示して、使用者に推奨経路を通知する。
【0049】
なお、主制御部101、入力受付部102、出力処理部103、音声入力受付部104、接続点特定部105、経路探索部106、経路案内部107は、CPU21がRAM22やROM23にロードしたプログラムを実行することにより実現される。
【0050】
[動作の説明]次に、上記構成の車載用ナビゲーション装置100の動作について説明する。
【0051】
図5は、接続点案内処理の流れを示すフロー図である。
【0052】
主制御部101は、ナビゲーション装置100の使用者からの指示を受け付けると、本フローを開始する。
【0053】
入力受付部102は、第一のストリートを特定するためのキーワードの入力を受け付ける(ステップS001)。
【0054】
具体的には、入力受付部102は、ストリートの名称に含まれるキーワードの指定を受け付ける。その際、入力受付部102は、ストリートの名称の一部または全部にあたるキーワードを受け付ける。使用者は、正確なストリート名称を指定する必要はない。
【0055】
このキーワードの指定においては、入力受付部102は、アルファベットなどの表記文字単位で入力を受け付ける。
【0056】
なお、音声による入力を受け付ける場合には、音声入力受付部104が、ストリートの名称に含まれるキーワードの指定を受け付ける。その際、音声入力受付部104は、キーワードを特定する音声を、単語等を発声したものとして受け付ける。しかし、音声入力受付部104は、これに限らず、アルファベットなどの表記文字を逐一発音したものとして受け付けることにしてもよい。
【0057】
次に、接続点特定部105は、第一のストリートの候補となるストリートを特定し、そのストリートIDを特定する(ステップS002)。
【0058】
具体的には、接続点特定部105は、ステップS001にて受け付けたキーワードをストリート名称302に含むストリートをストリート情報テーブル300から特定し、そのストリートID301を読み出す。
【0059】
その際、接続点特定部105は、キーワードを含むストリートが複数存在する場合には、キーワードを含むストリートの全てをストリート情報テーブル300から特定し、特定したストリートのストリートID301を全て読み出す。
【0060】
次に、入力受付部102は、第二のストリートを特定するためのキーワードの入力を受け付ける(ステップS003)。
【0061】
具体的には、入力受付部102は、ストリートの名称に含まれるキーワードの指定を受け付ける。その際、入力受付部102は、ストリートの名称の一部または全部にあたるキーワードを受け付ける。使用者は、正確なストリート名称を指定する必要はない。
【0062】
このキーワードの指定においては、入力受付部102は、アルファベットなどの表記文字単位で入力を受け付ける。
【0063】
なお、音声による入力を受け付ける場合には、音声入力受付部104が、ストリートの名称に含まれるキーワードの指定を受け付ける。その際、音声入力受付部104は、キーワードを特定する音声を、単語等を発声したものとして受け付ける。しかし、音声入力受付部104は、これに限らず、アルファベットなどの表記文字を逐一発音したものとして受け付けることにしてもよい。
【0064】
次に、接続点特定部105は、第二のストリートの候補となるストリートを特定し、そのストリートIDを特定する(ステップS004)。
【0065】
具体的には、接続点特定部105は、ステップS003にて受け付けたキーワードをストリート名称302に含むストリートをストリート情報テーブル300から特定し、そのストリートID301を読み出す。
【0066】
その際、接続点特定部105は、キーワードを含むストリートが複数存在する場合には、キーワードを含むストリートの全てをストリート情報テーブル300から特定し、特定したストリートのストリートID301を全て読み出す。
【0067】
次に、接続点特定部105は、ナビゲーション装置100が搭載された車両の現在地を特定し、現在地が属する州に含まれるストリートを検索対象として設定する(S005)。
【0068】
具体的には、接続点特定部105は、主制御部101に対して、現在地を特定する座標を要求し、その座標により示される位置が含まれる行政区画(例えば州)を特定する。
【0069】
そして、接続点特定部105は、特定した行政区画内に一部が含まれるストリートを特定して、当該ストリートをストリート情報テーブル300から抽出して検索対象とする。
【0070】
なお、行政区画に含まれるストリートを検索対象に限るわけではなく、例えば現在地周辺のストリートを検索対象とするようにしてもよい。具体的には、現在地から所定の距離内に一部が含まれるストリートを検索対象とするようにしても良い。または、現在地が属するメッシュ内のノードに直接接続するリンクを一部に含むストリートを検索対象とするようにしても良い。
【0071】
次に、接続点特定部105は、ステップS002で特定した第一のストリートIDのいずれかに合致するストリートに属する交差ノードのうち、第二のストリートIDのいずれかと合致するストリートとの接続点を示す交差ノードのIDを特定する(ステップS006)。
【0072】
具体的には、接続点特定部105は、ステップS002にて特定した第一のストリートのIDと、ストリートID301とが合致するレコードを、ステップS005にて設定した検索対象から特定する。そして、接続点特定部105は、特定したレコードからさらに、ステップS004にて特定した第二のストリートのIDと接続ストリートID311とが合致するレコードを特定し、その交差ノードID312を特定する。
【0073】
次に、出力処理部103は、ステップS006にて特定した交差ノード312をディスプレイ2にリスト表示させる(ステップS007)。
【0074】
具体的には、出力処理部103は、ステップS006にて特定した交差ノード312を構成する第一のストリート名と、第二のストリート名と、を対応させて表示することで交差ノード312を特定する情報をリスト表示させる。
【0075】
次に、入力受付部102は、ステップS007にて表示させた交差ノード312のリストから一つの交差ノードの指定を受け付ける(ステップS008)。
【0076】
具体的には、入力受付部102は、ステップS007にて表示されたリストのうち、第一のストリート名と、第二のストリート名との組み合わせを特定する指定入力を受け付ける。
【0077】
次に、経路探索部106は、ナビゲーション装置100が搭載された車両の現在地から、ステップS008にて指定を受け付けた交差ノードへ到る経路の探索を行う(ステップS009)。
【0078】
次に、経路案内部107は、ステップS009にて探索した経路の案内を開始する(ステップS010)。
【0079】
以上が、接続点案内処理のフローである。
【0080】
次に、接続点案内処理にて表示される画面表示の例を、図6を用いて説明する。
【0081】
図6(a)は、接続点案内処理のステップS001にて表示される画面表示の例(音声入力の場合)を示す図である。
【0082】
図6(a)には、画面400と、画面400内に示されるメッセージ表示領域401と、が示されている。メッセージ表示領域401には、第一のストリート名を特定するためのキーワードの入力を促すメッセージ、例えば「第一のストリート名のキーワードを発話してください」等のメッセージが表示される。
【0083】
なお、当該画面400は、ステップS002の処理が終わると、次画面410へ遷移する。
【0084】
図6(b)は、接続点案内処理のステップS003にて表示される画面表示の例(音声入力の場合)を示す図である。
【0085】
図6(b)には、画面410と、画面410内に示されるメッセージ表示領域411と、が示されている。メッセージ表示領域411には、第二のストリート名を特定するためのキーワードの入力を促すメッセージ、例えば「第二のストリート名のキーワードを発話してください」等のメッセージが表示される。
【0086】
なお、当該画面400は、ステップS006の処理が終わると、次画面420へ遷移する。
【0087】
図6(c)は、接続点案内処理のステップS007にて表示される画面表示の例を示す図である。
【0088】
図6(c)には、画面420と、画面420内に示されるメッセージ表示領域421と、接続点リスト表示領域422と、が示されている。
【0089】
メッセージ表示領域421には、交差点ノードの選択入力を促すメッセージ、例えば「複数の接続点が候補にあがりました。どれか一つを選択してください。」等のメッセージが表示される。
【0090】
接続点リスト表示領域422には、接続点を特定する情報である、第一のストリート名と第二のストリート名との組み合わせを表示するリストが表示される。
【0091】
なお、当該画面422は、ステップS008の処理が終わると、経路を案内するための画面へ遷移する。
【0092】
次に、接続点案内処理の具体例を、図7を用いて説明する。
【0093】
図7(a)は、接続点案内処理の対象となる範囲に含まれる道路の例を模式的に示す図である。図7(a)では、「MAIN」ストリート501と、「WESTFIRST」ストリート502とが接続する接続点510と、「MAIN」ストリート501と「HARBOR」ストリート503とが接続する接続点511と、「MAIN」ストリート501と「EASTFIRST」ストリート504とが接続する西側の接続点512と、東側の接続点513と、「MAINTAIN」ストリート505と「WESTFIRST」ストリート502とが接続する接続点514と、「MAINTAIN」ストリート505と「HARBOR」ストリート503とが接続する接続点515と、の位置関係が表示されている。
【0094】
ここで、接続点案内処理のステップS001にてキーワードを「MAIN」と指定すると、ステップS002において、「MAIN」というキーワードを含む名称を有するストリート、すなわち「MAIN」ストリート501と、「MAINTAIN」ストリート505とが候補のストリートとして確定される。
【0095】
さらに、ステップS003にてキーワードを「FIRST」と指定すると、ステップS004において、「FIRST」というキーワードを含む名称を有するストリート、すなわち「WESTFIRST」ストリート502と、「EASTFIRST」ストリート504と、が候補のストリートとして確定される。
【0096】
この場合において、ステップS006では、接続点特定部105により、「MAIN」ストリート501と「WESTFIRST」ストリート502との接続点510と、「MAIN」ストリート501と「EASTFIRST」ストリート504との西側の接続点512、東側の接続点513と、「MAINTAIN」ストリート505と「WESTFIRST」ストリート502との接続点514とが、交差ノードとして特定される。
【0097】
そして、ステップS007では、出力処理部103は、「MAIN」ストリート501と「WESTFIRST」ストリート502との接続点510を一件目のレコードとして、「MAIN」ストリート501と「EASTFIRST」ストリート504との西側の接続点512を二件目のレコードとして、「MAIN」ストリート501と「EASTFIRST」ストリート504との東側の接続点513を三件目のレコードとして、「MAINTAIN」ストリート505と「WESTFIRST」ストリート502との接続点514を四件目のレコードとして、リスト表示する。
【0098】
以上、本発明の一実施形態を説明した。
【0099】
本発明の上記実施形態によれば、車載用ナビゲーション装置100は、ストリートの名称のキーワードからストリートを特定し、特定した2本のストリートが接続する交差点等を特定して経路案内を行うことができる。これは、例えば、ストリート名を主として住所を特定する地域等において、不慣れな地においても、キーワードのみから目的地を設定できる有効な目的地特定方法となる。
【0100】
本発明は、上記実施形態に制限されない。上記実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。
【0101】
例えば、上記実施形態では、接続点案内処理は、上述のようにステップS001〜ステップS010の順に処理が流れるが、これに限られない。
【0102】
すなわち、第一のストリートのキーワード入力を受け付け、第二のストリートのキーワード入力を受け付けた後、第一のストリートの候補のストリートIDを確定し、第二のストリートの候補のストリートIDを確定してもよい。
【0103】
または、ステップS005において検索対象を設定しているが、ステップS001よりも前に設定処理を実施してからステップS001を実施するようにしてもよい。
【0104】
また、上記実施形態では、接続点案内処理において、ステップS006において交差ノードを特定するとステップS007において特定した交差ノードを全てリスト表示しているが、これに限られない。
【0105】
すなわち、ステップS006において特定された交差ノードが所定の数(例えば50件)を越えて特定された場合には、検索するキーワードの追加、検索対象となる範囲(例えば市)の特定等による絞込み検索を行うようにしてもよい。
【0106】
具体的には、図8に示す処理を実施するようにしてもよい。
【0107】
図8は、接続点案内処理を変形させたフローを示す図である。
【0108】
図8に示すように、ステップS006とステップS007との間に、特定した交差ノードが所定数以下であるか否かを接続点特定部105が判定する(ステップS021)。交差ノードが所定数以下でない場合(ステップS021にて「No」の場合)には、上記したような絞込み検索により交差ノードを絞込み、ステップS021に制御を戻す(ステップS022)。交差ノードが所定数以下であれば(ステップS021にて「Yes」の場合)、ステップS007へ制御を移す。
【0109】
上記のように接続点案内処理を変形してもよい。上記のように変形することで、ナビゲーション装置100は、過度に交差ノードの件数が表示されてしまうことで使用者が指定不能になってしまうことを回避することができる。
【0110】
また、接続点案内処理のステップS007において、ステップS006にて特定した交差ノード312をディスプレイ2にリスト表示させる際に、あわせて交差ノードを示す交差点の名称を示すようにしてもよい。
【0111】
このようにすることで、使用者は、交差ノードを認識するための情報を多く受け取ることができ、交差ノードの指定を行いやすくなる。
【0112】
なお、上記の実施形態では、本発明を車載用ナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明は車載用以外のナビゲーション装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】図1は、本発明の一実施形態が適用されたナビゲーション装置の概略構成図である。
【図2】図2は、リンクテーブルの構成例を示す図である。
【図3】図3は、ストリート情報テーブルの構成例を示す図である。
【図4】図4は、演算処理部の機能構成を示す図である。
【図5】図5は、接続点案内処理のフロー図である。
【図6】図6は、接続点案内処理における画面例を示す図である。
【図7】図7は、接続点案内処理における処理の具体例を示す図である。
【図8】図8は、接続点案内処理の変形フローを示す図である。
【符号の説明】
【0114】
1:演算処理部、2:ディスプレイ、3:記憶装置、4:音声出入力装置、5:入力装置、6:ROM装置、7:車速センサ、8:ジャイロセンサ、9:GPS受信機、10:FM多重放送受信装置、11:ビーコン受信装置、21:CPU、22:RAM、23:ROM、24:I/F、25:バス、41:マイクロフォン、42:スピーカ、51:タッチパネル、52:ダイヤルスイッチ、100:ナビゲーション装置、101:主制御部、102:入力受付部、103:出力処理部、104:音声入力受付部、105:接続点特定部、106:経路探索部、107:経路案内部、200:リンクテーブル、300:ストリート情報テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストリート名称情報とストリート同士の接続情報とを記憶する記憶手段と、
第一のキーワードおよび第二のキーワードの入力を受け付けるとともに、前記ストリート名称情報を用いて、前記第一のキーワードを少なくとも一部に含むストリート名称を有する第一のストリートと、前記第二のキーワードを少なくとも一部に含むストリート名称を有する第二のストリートとを特定するストリート特定手段と、
前記接続情報を用いて、前記第一のストリートと第二のストリートとの接続点を特定する接続点特定手段と、
を備えることを特徴とする地点検索装置。
【請求項2】
請求項1に記載の地点検索装置であって、さらに、
前記接続点特定手段により特定された地点が複数存在する場合に、一つの地点の指定を受け付ける接続点指定受付手段、
を備えたことを特徴とする地点検索装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の地点検索装置であって、
前記接続点特定手段により特定された接続点が所定数以上存在する場合に、絞込みを行う条件を特定する情報を受け付ける絞込み条件受付手段と、
前記接続点を、前記絞込み条件受付手段により受け付けた条件に合致する範囲に属する接続点に絞り込む接続点絞込み手段と、
を備えることを特徴とする地点検索装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の地点検索装置であって、
前記ストリート特定手段は、前記第一のキーワードおよび第二のキーワードの入力を音声により受け付ける、
ことを特徴とする地点検索装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の地点検索装置であって、さらに、
現在地を特定する現在地特定手段を備え、
前記ストリート特定手段は、前記第一のストリートと第二のストリートとを特定する処理において、前記現在地特定手段によって現在地を特定し、特定した現在地が属する地域に含まれるストリートから前記第一のストリートと第二のストリートを特定する、
ことを特徴とする地点検索装置。
【請求項6】
ストリート名称情報とストリート同士の接続情報とを記憶する記憶手段と、
第一のキーワードおよび第二のキーワードの入力を受け付けるとともに、前記ストリート名称情報を用いて、前記第一のキーワードを少なくとも一部に含むストリート名称を有する第一のストリートと、前記第二のキーワードを少なくとも一部に含むストリート名称を有する第二のストリートとを特定するストリート特定手段と、
前記接続情報を用いて、前記第一のストリートと第二のストリートとの接続点を特定する接続点特定手段と、
現在地特定手段と、
前記現在地特定手段により特定した現在地から、前記第一のストリートと第二のストリートとの接続点に到る経路を探索する経路探索手段と、
前記探索した経路を案内する経路案内手段と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項6に記載のナビゲーション装置であって、さらに、
前記接続点特定手段により特定された地点が複数存在する場合に、一つの地点の指定を受け付ける接続点指定受付手段、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載のナビゲーション装置であって、
前記接続点特定手段により特定された接続点が所定数以上存在する場合に、絞込みを行う条件を特定する情報を受け付ける絞込み条件受付手段と、
前記接続点を、前記絞込み条件受付手段により受け付けた条件に合致する範囲に属する接続点に絞り込む接続点絞込み手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記ストリート特定手段は、前記第一のキーワードおよび第二のキーワードの入力を音声により受け付ける、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項10】
請求項6〜9のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記ストリート特定手段は、前記第一のストリートと第二のストリートとを特定する処理において、前記現在地特定手段によって現在地を特定し、特定した現在地が属する地域に含まれるストリートから前記第一のストリートと第二のストリートを特定する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項11】
地点検索装置の地点検索方法であって、
前記地点検索装置は、
ストリート名称情報とストリート同士の接続情報とを記憶する記憶手段を備え、
第一のキーワードおよび第二のキーワードの入力を受け付けるとともに、前記ストリート名称情報を用いて、前記第一のキーワードを少なくとも一部に含むストリート名称を有する第一のストリートと、前記第二のキーワードを少なくとも一部に含むストリート名称を有する第二のストリートとを特定するストリート特定ステップと、
前記接続情報を用いて、前記第一のストリートと第二のストリートとの接続点を特定する接続点特定ステップと、
を実行することを特徴とする地点検索方法。
【請求項12】
請求項11に記載の地点検索方法であって、さらに、
前記接続点特定ステップにより特定された地点が複数存在する場合に、一つの地点の指定を受け付ける接続点指定受付ステップ、
を実行することを特徴とする地点検索方法。
【請求項13】
請求項11または12に記載の地点検索方法であって、
前記接続点特定ステップにより特定された接続点が所定数以上存在する場合に、絞込みを行う条件を特定する情報を受け付ける絞込み条件受付ステップと、
前記接続点を、前記絞込み条件受付ステップにより受け付けた条件に合致する範囲に属する接続点に絞り込む接続点絞込みステップと、
を実行することを特徴とする地点検索方法。
【請求項14】
請求項11〜13のいずれか一項に記載の地点検索方法であって、
前記ストリート特定ステップにおいては、前記第一のキーワードおよび第二のキーワードの入力を音声により受け付ける、
ことを特徴とする地点検索方法。
【請求項15】
請求項11〜14のいずれか一項に記載の地点検索方法であって、さらに、
前記地点検索装置は、
現在地を特定する現在地特定手段を備え、
前記ストリート特定ステップにおいて、前記第一のストリートと第二のストリートを特定する際に、前記現在地特定手段によって現在地を特定し、特定した現在地が属する地域に含まれるストリートから前記第一のストリートと第二のストリートを特定する、
ことを特徴とする地点検索方法。
【請求項16】
ナビゲーション装置のナビゲーション方法であって、
前記ナビゲーション装置は、
ストリート名称情報とストリート同士の接続情報とを記憶する記憶手段と、現在地特定手段と、を備え、
第一のキーワードおよび第二のキーワードの入力を受け付けるとともに、前記ストリート名称情報を用いて、前記第一のキーワードを少なくとも一部に含むストリート名称を有する第一のストリートと、前記第二のキーワードを少なくとも一部に含むストリート名称を有する第二のストリートとを特定するストリート特定ステップと、
前記接続情報を用いて、前記第一のストリートと第二のストリートとの接続点を特定する接続点特定ステップと、
前記現在地特定手段を用いて現在値を特定する現在地特定ステップと、
前記現在地特定ステップにより特定した現在地から、前記第一のストリートと第二のストリートとの接続点に到る経路を探索する経路探索ステップと、
前記探索した経路を案内する経路案内ステップと、
を実行することを特徴とするナビゲーション方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−127770(P2010−127770A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−302854(P2008−302854)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】