説明

ナビゲーション装置及びナビゲーション用プログラム

【課題】ジャンル、名称等の検索項目毎の画面遷移の操作をすることなく目的地検索の入力操作を効率的に行う。
【解決手段】入力された検索文字に対して、各検索項目毎に目的地データを絞り込む。各検索項目間で絞り込まれた目的地データは、各検索文字に対応させて保存する。各検索文字毎に保存した各目的地データの全てに含まれる目的地データを抽出し(論理積をとり)、目的地候補として表示する。これにより、検索文字を入力する際に、名称に限らず、ジャンル、地名(住所)を意識せずに、ユーザの知っている情報を思いついた順に(任意の順番に)順次入力することで検索することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置及びナビゲーション用プログラムに関し、例えば、文字列を入力して該当する物件を検索するものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ナビゲーション装置によって車両を誘導することが盛んに行われている。
ナビゲーション装置は、出発地から目的地までの経路を探索する機能、GPS(Global Positioning System)衛星やジャイロなどのセンサを用いて自車両の位置を検出する機能、及び目的地までの経路と自車両の現在位置を地図上に表示する機能などを備えている。
一般に、ナビゲーション装置では、特許文献1で提案されているように、目的地データに複数の項目(名称の読み、ジャンル、住所等)を保存しておき、目的地の地名・施設名などを検索する場合に、その名称の読みや、住所、電話番号等をタッチパネルから入力することで、候補地点を絞り込むようになっている。
そして、読みの入力やジャンルによる検索が完了すると、絞り込んだ候補地点を表示画面にリスト表示し、そのリストの中から希望する目的地を指定するようになっている。
【0003】
【特許文献1】特開平11−271084号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなナビゲーション装置では、名称の読み(50音)や、ジャンル、地名(住所)等から希望する地名や物件を検索することになる。
しかし、名称やジャンル、地名などのいずれで検索するのかを必ず選択する必要があった。例えば、「とうきょう」と入力した場合、名称の一部としての「とうきょう」なのか、それとも地名の一部なのか不明であるため、予め検索項目を指定する必要があった。
【0005】
また、従来のナビゲーション装置は、例えば、50音検索の途中において、更にジャンルの選択や住所の入力によって、検索対象を絞り込むことも可能である。
しかし、名称検索(50音検索)、ジャンル検索、住所検索でそれぞれ別の検索画面を持っており、別の方法での絞り込みを行うには、各検索用に用意された別画面に変更する必要があり、そのための操作を繰り返す必要があった。
【0006】
そこで本発明は、ジャンル、名称等の検索項目毎の画面遷移の操作をすることなく目的地検索の入力操作を効率的に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)前記目的を達成するために請求項1記載の発明では、複数の検索項目を含む目的地データを複数記憶する目的地データ記憶手段と、検索文字を入力する文字入力手段と、前記文字入力手段により入力された検索文字を前記複数の検索項目毎に検索し、検索文字に対応する目的地データを各検索項目に対応させて保存する第1絞り込み手段と、前記第1絞り込み手段により各検索項目に対応させて保存した目的地データを用いて、前記複数の検索項目間で目的地データを絞り込む第2絞り込み手段と、前記第2絞り込み手段で絞り込んだ目的地データを候補目的地として表示する表示手段と、前記表示された候補目的地を選択する目的地選択手段とを具備したことを特徴とするナビゲーション装置を提供する。
(2)請求項2記載の発明では、前記第1絞り込み手段は、前記検索文字を構成する各文字の入力毎に、各検索項目毎の絞り込みを行い、前記第1絞り込み手段により、検索文字に対する絞り込み対象の目的地データが無くなった検索項目を明示する明示手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置を提供する。
(3)請求項3記載の発明では、検索項目を選択する検索項目選択手段を備え、前記第1絞り込み手段は、検索文字に対応した検索項目が選択された場合に、該検索項目の範囲で目的地データを絞り込み、前記明示手段は、絞り込み対象の目的地データが無くなった検索項目を選択不能状態とすることで明示する、ことを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置を提供する。
(4)請求項4記載の発明では、検索項目を選択する検索項目選択手段を備え、前記第1絞り込み手段は、検索文字に対応した検索項目が選択された場合に、該検索項目の範囲で目的地データを絞り込む、ことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置を提供する。
(5)請求項5記載の発明では、前記各検索項目に対応して、複数のキーワードを記憶するキーワード記憶手段と、前記記憶されたキーワードのうち前記入力された検索文字を含むキーワードを前記各検索項目毎に絞り込んで表示するキーワード表示手段と、前記表示されたキーワードを選択するキーワード選択手段と、を備え、前記目的データ記憶手段は、1つ以上のキーワードが前記検索項目に対応付けられた目的地データを含む複数の目的地データを記憶し、前記第1絞り込み手段は、キーワードが選択された場合、該キーワードを含む目的地データを絞り込む、ことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置を提供する。
(6)請求項6記載の発明では、前記キーワード表示手段は、前記検索文字を構成する各文字の入力毎に、各検索項目毎のキーワードを絞り込んで表示し、前記検索文字に対する絞り込み対象のキーワードが無くなった検索項目を明示する第2明示手段を備える、ことを特徴とする請求項5に記載のナビゲーション装置を提供する。
(7)請求項7記載の発明では、検索項目を選択する検索項目選択手段を備え、前記キーワード表示手段は、前記選択された検索項目に対応するキーワードを表示する、ことを特徴とする請求項6に記載のナビゲーション装置を提供する。
(8)請求項8記載の発明では、前記第2明示手段は、前記検索項目選択手段の検索項目の表示状態を変更することにより、絞り込み対象のキーワードが無くなった検索項目を明示する、ことを特徴とする請求項7に記載のナビゲーション装置を提供する。
(9)請求項9記載の発明では、前記キーワード記憶手段に記憶された各キーワードは、前記複数の目的地データの表記に含まれている語である、ことを特徴とする請求項5に記載のナビゲーション装置を提供する。
(10)請求項10記載の発明では、前記キーワードは、前記目的地データの内容に対応して名称、住所、ジャンルの各項目のうちの少なくとも2つに対応して作成されている、ことを特徴とする請求項5から請求項9のうちのいずれか1の請求項に記載のナビゲーション装置を提供する。
(11)請求項11記載の発明では、複数の検索項目を含む目的地データを複数記憶する目的地データ記憶手段を備えたコンピュータを、検索文字を入力する文字入力手段と、前記文字入力手段により入力された検索文字を前記複数の検索項目毎に検索し、検索文字に対応する目的地データを各検索項目に対応させて保存する第1絞り込み手段と、前記第1絞り込み手段により各検索項目に対応させて保存した目的地データを用いて、前記複数の検索項目間で目的地データを絞り込む第2絞り込み手段と、前記第2絞り込み手段で絞り込んだ目的地データを候補目的地として表示する表示手段と、前記表示された候補目的地を選択する目的地選択手段と、して機能させるためのナビゲーション用プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、検索文字に対応する目的地データを各検索項目毎に絞り込み、各検索文字に対応させて保存し、検索文字に対応して保存した目的地データの全てに含まれる目的地データを絞り込むことで、検索項目毎に画面遷移したり検索項目を指定することなく各検索項目毎に目的地データが絞り込まれるので、入力操作を効率的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明のナビゲーション装置及びナビゲーション用プログラムにおける好適な実施の形態について、図1から図17を参照して詳細に説明する。
(1)実施形態の概要
本実施形態では、入力された検索文字に対して、各検索項目毎に目的地データを絞り込む。各検索項目間で絞り込まれた目的地データは、各検索文字に対応させて保存する。
そして、各検索文字毎に保存した各目的地データの全てに含まれる目的地データを抽出し(論理積をとり)、目的地候補として表示する。
これにより、検索文字を入力する際に、名称に限らず、ジャンル、地名(住所)を意識せずに、ユーザの知っている情報を思いついた順に(任意の順番に)順次入力することで検索することができる。
例えば、「東京にある、ファーストフードで、はな?というお店」といった曖昧な記憶に基づいて検索する場合に、名称…はな?、地名…東京、ジャンル…ファーストフード、というように検索項目を考慮しながら操作する必要がなく、東京、ファーストフード、はな、の各検索文字を思い浮かんだ順に順次入力するだけで、必要な検索を行うことができる。
【0010】
更に本実施形態では、検索文字の入力操作を補助することで入力を効率的に行うために、キーワードを使用する。
すなわち、ナビゲーション装置の検索対象が特定の語(地点の名称等)に限定されていることに鑑み、複数の目的地データの読みに共通する語を検索用のキーワードとして抽出し、キーワードデータファイルに保存する。
検索用のキーワードは、各目的地データの読みに共通する語をキーワードとして抽出することで作成し、キーワードデータとして保存する。例えば、複数の地点名称(目的地の読み)として使用されている文字、「すーぱー」「だいがく」「じょうほう」「せんたー」「らんど」「ぎんこう」「ゆうえんち」「ごるふ」等の各種共通文字がキーワードとして抽出される。
一方、検索対象となる個別の目的地データに対して、検索用のキーワードを付与する。
【0011】
なお、キーワードは、検索項目(目的地の名称、住所、ジャンル)の各々について作成され、キーワードデータファイルに区別可能に保存される。また、各目的地データについても、名称、住所、ジャンルについてのキーワードが付与される。
【0012】
そして、目的地の検索をする場合、入力された文字に対して部分一致するキーワードを検索し、該当するキーワードを表示する。この表示されたキーワードを選択可能なキーとして表示し、ユーザは該当するキーワードを選択することで、入力操作を省略することができる。例えば、最短1文字の入力と選択の合計2操作により、3文字以上のキーワードを選択することで、操作の短縮が可能になる。
なお、本実施形態では、部分一致を採用するが、前方一致による検索とすることも可能である。
【0013】
目的地データの絞り込みは、入力された検索文字から各検索項目毎に絞り込まれると共に、絞り込まれた各キーワードのいずれか1つが格納されている目的地データが絞り込まれ、両者により絞り込まれた絞り込みデータの論理和(又は論理積)が目的地候補として保存される。
なお、キーワードが選択された場合には、絞り込みの対象を選択されたキーワードに対応する検索項目に限定し、選択されたキーワードを検索文字として目的地データを絞り込むと共に、該キーワードを含む目的地データが絞り込まれる。
【0014】
キーワードデータファイルに保存される各キーワードには、当該キーワードに対して関連するキーワードが関連キーワードとして保存される。これにより、検索対象である目的地の読み(名称、住所、ジャンル)に含まれない語からも、候補として検索することが可能になる。
【0015】
このように、入力する単位を文字単位だけでなく、入力文字から推測される(絞り込まれる)キーワードや関連キーワード単位を含めることで、入力操作を軽減すると共に、より幅広い地点の検索が可能となり、簡単に入力できるシーンを増やすことが可能である。
またナビゲーション用の地点情報からキーワード辞書を作成することで、地点検索に対する過不足がなくなり、ナビゲーションに適した入力と検索が可能になる。
【0016】
(2)実施形態の詳細
[第1実施形態]
図1は本実施形態が適用されるナビゲーション装置のシステム構成図である。
このナビゲーション装置は、車両に搭載され、この図1に示すように、現在位置検出装置10、情報処理制御装置20、入出力装置40及び情報記憶装置50とを備えている。
まず、現在位置検出装置10は、以下のような構成を有している。絶対方位センサ11は、例えば、磁石に基づいてN方向の検出から、車両がいずれの方向に位置するかを検出する地磁気センサであり、絶対方位を検出する手段であればよい。
【0017】
相対方位センサ12は、例えば交差点を曲がったか否かを検出するものであり、ハンドルの回転部に取り付けた光学的な回転センサや回転型の抵抗ボリューム或いは車輪部に取り付ける角度センサでもよい。
また、角速度を利用して角度の変化を検出するジャイロセンサを用いてもよい。つまり、基準角度(絶対方位)に対して、相対的に変化した角度を検出することができる手段であればよい。
距離センサ13は、例えば、車輪の回転を検出して計数するものや、加速度を検出して2回積分するものでもよい。つまり、車両の移動距離を計測できる手段であればよい。
【0018】
GPS受信装置14は、人工衛星からの信号を受信する装置であり、信号の発信時刻、受信装置の位置情報、受信装置の移動速度、受信装置の進行方向など様々な情報を得ることができる。
ビーコン受信装置15は、特定の地点に設置された送信装置より発信された信号を受信する装置である。特に、VICS情報を入手することができ、渋滞情報、現在位置情報、駐車場情報等車両の走行に関する情報を入手することができる。
【0019】
データ送受信装置16は、電話回線や電波を利用して車両外部と通信をし、情報の交換を行うための装置である。
例えば、自動車電話、ATIS、VICS、GPS補正、車両間通信など様々な利用方法があり、走行に関する情報を入出力することが可能である。
次に、情報処理制御装置20は、現在位置検出装置10、入出力装置40から入力される情報及び情報記憶装置50に格納された情報に基づいて演算及び制御を行うとともに、演算結果をディスプレイ42、プリンタ43またはスピーカ44等の出力手段に出力するように制御する手段である。
【0020】
この情報処理制御装置20は、以下のような構成を有している。
中央処理装置(CPU)21は、ナビゲーション装置全体の総括的な演算及び制御を行う。
第1ROM22はナビゲーションに関するプログラム、特に、現在位置の検出、経路の探索、表示案内などに関するナビゲーションプログラムを格納している。
センサ入力インターフェイス23は、現在位置検出装置10からの情報を受け取る手段である。
【0021】
RAM24は、後述する入力装置41により入力された目的地の情報、通過地点の情報等の利用者が入力した情報を記憶すると共に、利用者の入力情報に基づいてCPU21により演算された結果や、経路探索された結果、または情報記憶装置50から読み込まれた地図情報を格納するための記憶手段である。
通信インタフェース25は、現在位置検出手段10からの情報、特に外部から得られる情報を入出力するための手段である。
【0022】
第2ROM26は、ナビゲーションに関するプログラム、特に、音声案内に関するナビゲーションプログラムを格納している。
画像プロセッサ27は、CPU21で処理されたベクトル情報を画像情報に処理するための処理手段である。
時計28は、時刻を刻む。
画像メモリ29は、画像プロセッサ27により処理された画像情報を格納する手段である。
音声プロセッサ30は、情報記憶装置50から読み込まれた音声情報を処理し、スピーカ44に出力する。
【0023】
入出力装置40は、利用者により目的地、通過地点、探索条件等のデータを入力する入力装置41、画像を表示するディスプレイ42、情報を印刷するプリンタ43、音声を出力するスピーカ44より構成される。入力装置41は、例えば、ディスプレイ42の表面に配置されたタッチパネル、タッチスイッチ、ジョイスティック、キースイッチ等で構成される。
ディスプレイ42には、現在地周辺の地図や、各種操作画面、目的地までの走行経路が表示される。
【0024】
情報記憶装置50は、伝送路45を介して情報処理制御装置20に接続される。
情報記憶装置50は、地図データファイル51、交差点データファイル52、ノードデータファイル53、道路データファイル54、写真データファイル55、目的地データファイル56、案内地点データファイル57、キーワードデータファイル58、その他のデータファイル59を格納している。
この情報記憶装置50は、一般的には、光学的記憶媒体であるDVD−ROM、CD−ROMや磁気的記憶媒体であるハードディスクなどで構成されるが、光磁気ディスク、半導体メモリなどの各種情報記憶媒体で構成してもよい。
【0025】
地図データファイル51には、全国道路地図、各地域の道路地図または住宅地図等の地図データが記憶されている。道路地図は、主要幹線道路、高速道路、細街路等の各道路と地上目標物(施設等)から構成される。住宅地図は、地上建造物等の外形を表す図形及び、道路名称等が表示される市街図である。細街路とは、例えば、国道、県道以下の道幅が所定値以下の比較的狭い道路で、「一方通行」等の交通規制情報が付加されていない道路である。
【0026】
交差点データファイル52には交差点の地理的位置座標や名称等の交差点に関するデータが、ノードデータファイル53には地図上において経路探索に利用される各ノードの地理座標データ等が、道路データファイル54には道路の位置と種類及び車線数及び各道路間の接続関係等の道路に関するデータが、写真データファイル55には各種施設や観光地、または主要な交差点等の視覚的表示が要求される場所を写した写真の画像データが、案内地点データファイル57には道路に設置されている案内表示板の内容や分岐点の案内等、案内が必要とされる地点の案内データが、それぞれ記憶されている。
【0027】
目的地データファイル56には、主要観光地や建物、電話帳に記載されている企業・事業所等の目的地として選択可能な場所や施設等、目的地検索の対象についてのデータが記憶されている。
【0028】
図2は、目的地データファイル56に記憶される目的地データ(地点情報)の内容について概念的に表したものである。
図2に示されるように、目的地データとしては、検索キー、名称、座標、電話番号、付加情報等、及び、本実施形態において使用されるキーワードが記憶される。
検索キーは目的地の「名称」の読みである。この検索キーは、入力装置41(本実施形態ではタッチパネルの50音キー)に対応している。
座標は目的地の緯度、経度から成るx、y座標情報である。付加情報は目的地に関する詳細なデータが記憶されている。
【0029】
キーワードは、各検索項目用(名称用、住所用、ジャンル用)のキーワードがそれぞれ区別可能に保存されている。
キーワードは、後述する各キーワードのうち、当該目的地に対応するキーワードが格納されている。例えば、名称用のキーワードとしては、目的地「筑波大学」に対してキーワード「つくば」「だいがく」が格納され、目的地「カクドナルド 東京駅前店」の場合には、キーワード「かくどなるど」「とうきょうえき」等が格納される。
住所用、ジャンル用のキーワードも同様に、当該目的地に対応するキーワードが格納される。ここで、ジャンルとは、各目的地の階層化された分類であり、「食べる・飲む」「買う・借りる」「泊まる」「見る・遊ぶ」「車関連施設」等に分類化され、「買う・借りる」の下位層には「コンビニエンスストア」「スーパーマーケット」「ディスカウント」「デパート」等が決められており、各目的地にはどのジャンルに属しているかが予め規定、及び記憶されている。
【0030】
各目的地データは、その表記の読みに含まれない語であっても、短縮形や愛称等がキーワードとして格納される場合がある。例えば、目的地名称「ゲームセンターコガミ ○○本社」のキーワードとして「げーむせんたー」「こがみ」「ほんしゃ」の他、短縮形の「げーせん」がキーワードとして格納される場合がある。
【0031】
図1において、キーワードデータファイル58は、入力文字に対応して検索されるキーワードが格納されている。
図3はキーワードデータファイル58に格納されているキーワードの内容を概念的に表したものである。
図3に示されるように、キーワードデータファイル58には、目的地データファイル56に格納されているキーワードと同様に、各検索項目毎のキーワード、すなわち名称用のキーワード、住所用のキーワード、ジャンル用のキーワードが格納されている。
各キーワードデータは、各目的地データに対応する「語」(表記)とその読みを備えている。
キーワードは、例えば、目的地の名称、住所等に所定数以上含まれている「語」がキーワードとして抽出されるが、これ以外に、「コンビニエンスストア」を意味する「こんびに」、「ゲームセンター」を意味する「げーせん」等の短縮形、省略形の語もキーワードとして作成されている。
【0032】
本実施形態では、後述するように入力文字に対応して読みから絞り込まれたキーワードの表記(表示)を、入力キーとして表示するようになっている。
そして、各キーワードには、入力文字に対応して絞り込まれたキーワードをキー表示する際の順番を決定するための優先度が規定されている。また、この優先度を、現在の状況(時間、場所等)に従って変更するための変更条件として、対応季節、対応天気、対応時間、種別、地域が存在し、各キーワードには、各項目に対応する条件の内容が規定されている。
例えば、キーワード「なべ」を含む地点候補の優先度は「75」と規定されており、対応季節が「10月〜3月」と規定されているので、この期間内であれば優先度が75から所定のn点(例えば、3点)だけ加算され、優先度78に変更されるようになっている。
【0033】
また、キーワードには、更に関連キーワードが設定されているものが存在する。この関連キーワードは、当該キーワードと一緒に検索語として入力される頻度が高い「語」、例えば、キーワード「つくば」に対して「がくえん」や「せんたー」等のように、当該キーワードと共に目的地の表記の一部又は全部を構成する「語」が設定される。
【0034】
本実施形態における関連キーワードは、文字入力に対応して絞り込まれたキーワードがユーザによって選択された場合に、選択されたキーワードに対する関連キーワードが次の選択候補(入力候補)のキーとして表示される。また、関連キーワードは、文字入力に対応して絞り込まれた全キーワード数が所定数(例えば、画面表示可能な最大数)未満である場合に、絞り込まれたキーワードに対応する関連キーワードが表示される。
図3に示されるように、関連キーワードは、キーワードと同様に、優先度、優先度を変更するための対応季節、対応天気、対応時間、種別、地域が必要に応じて規定されている。そして、関連キーワードは、各目的地データに対してキーワードとして格納されており、キーワードと同等に取り扱われる。
【0035】
本実施形態において、キーワードと関連キーワードは目的地を絞り込む場合のアンド条件として検索される。すなわち、キーワードAと関連キーワードaが選択されている場合、Aとaの双方をキーワードとして備えている目的地データが絞り込まれる。
名称用、住所用、ジャンル用の各キーワード、関連キーワード間においても、アンド条件として目的地データが絞り込まれる。
【0036】
このように構成されたナビゲーション装置では、次のようにして経路案内が行われる。
ナビゲーション装置は、現在位置検出装置10で現在位置を検出し、情報記憶装置50の地図データファイル51から現在位置周辺の地図情報を読み込みディスプレイ42に表示する。
そして、後述する目的地設定処理により目的地が設定されると、情報処理制御装置20は、現在位置から目的地に至る走行経路の候補を複数探索(演算)し、ディスプレイ42に表示した地図上に表示し、運転者がいずれかの走行経路を選択すると、選択した走行経路をRAM24に格納することで、走行経路を取得する(走行経路取得手段)。
【0037】
なお、情報処理制御装置20は、情報処理センタに車両現在位置(又は入力された出発地)と目的地を送信し、情報処理センタで探索された目的地までの走行経路を受信することにより走行経路を取得するようにしてもよい。この場合、目的地や走行経路の通信は通信インターフェイス25を介して、無線通信により行う。
【0038】
車両が走行すると、現在位置検出装置10によって検出された現在位置を追跡することにより、経路案内を行う。
経路案内は、探索した走行経路に対応する道路データと現在位置検出装置10で検出される現在位置とのマップマッチングにより、地図上の車両位置を特定し、車両現在位置周辺の地図をディスプレイ42に表示すると共に、探索した走行経路と現在位置とを地図上に表示する。
また、探索した走行経路と現在位置との関係から、案内の必要性、すなわち直進が所定距離以上続く場合、所定の進路変更地点等の走行経路の案内、及び方面案内が必要か否か等について判断し、必要である場合にはディスプレイ42の表示及び音声による案内を実行する。
【0039】
次に、本実施形態による目的地設定処理について説明する。
図4は、入力装置41及びディスプレイ42について表したものである。
図4に示されるように、ディスプレイ42には、目的地の設定画面や現在地周辺の地図画面など各種メニュー画面を表示すると共に、表示画面(ディスプレイ)に、指で直接触れることでポインティングすることができるタッチパネルが設けられている。
ディスプレイ42の外周縁には、入力装置41の固定枠が配置され、固定枠の上部領域には、物理的に存在する押しボタン(ハードキー)によって構成された目的地設定キー411と、現在地周辺の地図画面を表示させるための地図キー412が設けられている。
【0040】
目的地設定キー411は、目的地や経由地点など(以下、目的地とする)を設定する目的地設定画面を表示させるためのキーである。
この目的地設定キー411が選択されると、本実施形態による目的地設定処理が行われる。なお、本実施形態による目的地設定処理により設定される目的地は、経路探索に使用されるほか、決定した目的地や、現在地周辺の候補目的地を地図画面上に表示する場合に使用される。
【0041】
図4のディスプレイ42は、目的地設定画面が表示された状態の画面について表示されている。
この目的地設定画面では、キーワード欄421、入力キーボード422、入力文字欄423、候補件数欄424、修正キー425、戻るキー426、完了キー427、次ワードキー428が表示される。
キーワード欄421には、入力文字に従って絞り込まれたキーワード(関連キーワードを含む)が表示される。キーワード欄421に表示されるキーワードは、入力キーとして表示され、表示されたキーワードをタッチすることで当該キーワードを選択することができるようになっている。なお、キーワードと関連キーワードとは区別して表示される。
キーワード欄421は、名称用、住所用、ジャンル用の各キーワード欄421が存在し、それぞれ、名称タブ421a、住所タブ421b、ジャンルタブ421cを選択することで、選択タブに対応するキーワード欄421と絞り込まれているキーワードとが最上位に表示される。
本実施形態では、検索文字とキーワードにより絞り込まれた目的地データが1つも存在しない検索項目に対応するタブ421a〜421cは選択不能状態となる。選択不能状態となったタブは、非表示(薄く表示)されることで、その旨の明示がされる(第1、第2の明示手段)。
【0042】
入力キーボード422は、50音を入力するための各キーから構成されている。なお、テンキーや機能キーを表示するようにしてもよい。
入力文字欄423は、入力キーボード422による入力文字や、キーワード欄421から選択されたキーワードが表示される。入力文字とキーワードとは区別可能に表示される。
候補件数欄424には、入力文字欄423に表示される入力文字やキーワードにより絞り込まれた候補地点(目的地データ)の件数が表示される。
修正キー425は、入力文字や選択したキーワードを修正する場合のキーである。
戻るキー426は、最後の操作の前の状態に戻すためのキーである。
完了キー427は、文字の入力やキーワードの選択により絞り込まれた目的地の候補地点をリスト表示するためのキーである。
【0043】
次ワードキー428は、入力文字欄423に表示された入力済みの文字で検索文字の入力を終わらせ(検索文字として指定し)、及び次に別の検索文字を入力する場合のキーである。
次ワードキー428は、キーワード欄421に表示されたキーワードを選択することなく、検索文字だけから目的地データの絞り込みを行う場合に使用される。次ワードキー428が選択された場合、選択時に入力文字欄423に表示されている文字(選択済みのキーワード、検索文字を除く)を検索文字として、各選択項目(名称、住所、ジャンル)毎に目的地データを絞り込み、各々の論理和(又は論理積)を取ることで該検索文字に対する絞り込みデータとして保存する。
【0044】
なお、図4に示すように目的地設定画面では、左上に「フリーワード」と表示されており、この表示は、目的地の表記を先頭から入力するだけでなく、キーワード、関連キーワードに対応して自由に入力可能であることを意味している。
【0045】
図5は、目的地設定処理の内容を表したフローチャートである。
図5のフローチャートでは、目的地を設定する場合の操作として修正キー425や戻るキー426が押下された場合は含まれていない。両キー425、426の押下は、完了キー427が押下されるまでのどの時点においても押下可能であり、修正キー425が押下されると修正処理が、戻るキー426が押下されると1つ前の操作に戻る処理が実行される。この処理は別ルーチンとしてもよい。
【0046】
情報処理制御装置20は、目的地設定キー411がユーザにより押下(選択)されたか否かを監視している(ステップ11)。目的地設定キー411の押下を検出すると(ステップ11;Y)、情報処理制御装置20は、図4に示す目的地設定画面を表示し(ステップ12)、入力キーボード422から文字が入力されたか否かを監視する(ステップ13)。
文字が入力された場合(ステップ13;Y)、情報処理制御装置20は、入力された文字を入力文字欄423に表示し(ステップ14)、キーワードデータファイル58の全キーワードの中から、入力文字欄423に表示している文字(文字列)と部分一致するキーワードの絞り込みを行う(ステップ15)。このキーワードの絞込は、名称用、住所用、ジャンル用の各キーワード毎に行い、RAM24の所定領域に保存する。
【0047】
次いで情報処理制御装置20は、入力文字欄423に表示されている入力文字と絞り込んだキーワードにより目的地候補(候補地点)を絞り込んでRAM24に保存すると共に、絞り込んだ目的地候補の数を候補件数欄424に表示する(ステップ16)。
入力文字による目的地候補の絞込は、入力文字欄423に表示されている入力文字(1文字以上)と部分一致する、目的地データの検索キー(名称の読み、図2参照)が絞り込まれる。一方、キーワードによる絞り込みでは、ステップ15で絞り込まれた全キーワードのいずれか1つが格納されている目的地データが絞り込まれる。
入力文字により絞り込まれた目的地データと、キーワードにより絞り込まれた目的地データとは、論理和により合成され、いずれか一方に含まれる目的地データを、入力文字とキーワードによる(現時点までの入力に対する)絞り込み結果(目的地候補)としてRAM24の所定エリアに保存される。
なお、ここまで論理和で絞り込みを行う場合を例に説明したが、ユーザの指示により論理積で絞り込みを行うようにしてもよい。この場合、選択された全てのキーワードを含む目的地データが現時点までの入力に対する絞り込み結果としてRAM24の所定エリアに保存されることになる。
【0048】
なお、目的地候補の絞り込みの対象は、検索文字の最初の1文字目を入力した際には、目的地データファイル56を対象とし、それ以降はRAM24に格納されている目的地候補を対象として、絞込が行われる。RAM24を対象とする絞り込みの場合、絞り込まれた目的地候補以外は削除されることになる。
なお、絞り込んだ目的地候補については、目的地データの全てをRAM24に格納するのではなく、目的地データのIDを絞り込んだ目的地候補としてRAM24に格納するようにしてもよい。この場合、更なる絞込を行うには、RAM24のIDに対応する目的地データは、目的地データファイル56を参照しながら絞り込みが行われる。
【0049】
次いで情報処理制御装置20は、絞り込んだキーワードを、選択可能なキーとしてキーワード欄421に表示する、キーワードのキー表示処理を行う(ステップ17)。
図6は、キーワードのキー表示処理の詳細を表したフローチャートである。
情報処理制御装置20は、ステップ16で絞り込んだ各検索項目ごとのキーワードを取得する(ステップ171)。
【0050】
そして、情報処理制御装置20は、キーワードの絞り込みの結果、対象キーワードがない(入力文字に対応するキーワードが存在しない)検索項目が存在するか否かを調べ、存在する場合には、その検索項目に対応するタブ421a〜421cを非表示にする(ステップ172)。
すなわち、入力文字に対応するキーワードが存在しない検索項目のタブを非表示にすることで、その旨の明示を行うとともに、当該タブの選択を不能にする。
ここで、非表示とは、キーワードが存在しない検索項目であることを明示することであり、該当するタブ自体を完全に表示しない場合だけでなく、薄く表示したり、反転表示したり、キーワードが存在するタブと異なる色での表示を含むものである。
なお、本実施形態では、非表示とともに、当該タブの選択ができないようにしたが、非表示だけ行いタブの選択は可能にしてもよい。この場合、非表示のタブを選択すると、該当するキーワードが存在しないので、キーワード欄421は空欄となる。
【0051】
ついで、情報処理制御装置20は、最上位に表示するタブを決定する(ステップ173)。
本実施形態において、各検索項目に対して最初にキーワードを表示する場合、すなわち、最初の1文字が入力された場合には、名称タブ421aが最上位に決められている。以後は選択されたタブが最上位のタブとなり、さらに他のタブが選択されるまで、又は、他の新たな検索文字が入力されるまで(キーワードの選択後、又は次ワードの選択後まで)の間最上位を引き継ぐ。
【0052】
次いで情報処理制御装置20は、決定した最上位タブに対応する検索項目のキーワードを、該タブのキーワード欄421に、キーワードの表記(図3参照)を選択可能なキーとしてキー表示する(ステップ174)。
また、キーワード欄421には、入力文字又は選択されたキーワードと部分一致するキーワードが絞り込まれて表示されるが、絞り込まれたキーワードが所定の表示対象件数以下である場合には、当該キーワードの関連キーワードも表示対象となる。
【0053】
なお、ステップ174において、情報処理制御装置20は、絞り込まれたキーワードをキーワード欄421に表示する場合、各キーワードの優先度を、現在の状況(対応季節、天気、時間、種別、地域等)とから変更する。そして、変更後の優先度が高い順に、キーワードがキーワード欄421にキー表示される。
ここでキーワードのキー表示とは、キーワードを選択可能に表示することを意味する。具体的には、本実施形態の場合情報処理制御装置20は、表示したキーワード位置のタッチパネルの押下(タッチ)を、該キーワードの選択として検出する。
【0054】
次に情報処理制御装置20は、タブ421a〜421cのいずれかが選択されたか否か(タッチされたか否か)を判断し(ステップ175)、選択されていない場合(ステップ175;N)には図5の目的地設定処理にリターンする。
一方、タブ421a〜421cのいずれかが選択された場合(ステップ421;Y)、情報処理制御装置20は、選択されたタブを最上位に表示するとともに、対応する検索項目に対して絞り込まれているキーワードをキー表示し(ステップ176)、図5の目的地設定処理にリターンする。
【0055】
図5に戻り、キーワードのキー表示(ステップ17)の後、情報処理制御装置20は、次の入力(選択)を監視する(ステップ18、20、21)。
キーワード欄421のキーワードが選択された場合(ステップ18;Y)、情報処理制御装置20は、入力文字欄423に表示されている入力文字を、選択されたキーワードに変更する(ステップ19)。この場合、それ以前の操作によって入力文字欄423に他のキーワードが既に表示されていれば、そのキーワードの後に新たに選択されたキーワードを表示する。なお、入力文字欄423に表示されるキーワードは、入力文字と区別するために枠内に表示する。
【0056】
選択されたキーワードを入力文字欄423に表示した後、情報処理制御装置20はステップ15に戻り、選択されたキーワードの絞込(ステップ15)と、目的地候補の絞込(ステップ16)を行う。
ステップ19後のステップ15では、RAM24に格納されている絞込済み(ステップ14後のステップ15)のキーワードの中から選択されたキーワードを含むキーワードを絞り込む。絞込の対象外のキーワードは削除される。
【0057】
例えば、キーワードとして「筑波」、「土浦」「鶴岡」、「ツーリスト」…が名称タブ421aのキーワード欄421に表示されている状態で、キーワード「筑波」が選択された場合、当該「筑波」を含むキーワード「筑波(つくば)」と「筑波大学(つくばだいがく)」が絞り込まれ、他のキーワード「鶴岡(つるおか)」、「ツーリスト(つーりすと)」、…はRAM24から削除される。
【0058】
次に情報処理制御装置20は、RAM24に格納されている目的地候補を、さらに選択されたキーワードに基づいて絞り込みを行う(ステップ16)。
すなわち、情報処理制御装置20は、選択されたキーワードの読みを検索文字として、目的地候補を絞り込む。この絞り込みは、選択キーワードが表示されているタブに対応する検索項目を対象とし、他の検索項目は絞り込み対象外として削除される。上記例の場合、選択キーワード「筑波」の読み「つくば」を検索文字とし、検索項目「名称」に対応してRAM24に格納されている目的地候補を対象として絞り込みを行い、他の検索項目「住所」「ジャンル」に対応する目的地候補は削除される。
また、情報処理制御装置20は、絞り込んだキーワード(上記例では「筑波」と「筑波大学」)による、目的地候補の絞り込みを行う。この場合の絞り込みも、検索文字の場と合同様に、選択キーワードが表示されているタブに対応する検索項目を対象とする。
以上の目的地候補の絞り込みを行った後(ステップ16)、ステップ15で絞り込んだキーワードのキー表示処理を行う(ステップ17)。
【0059】
キーワードが選択されずに(ステップ18;N)、次ワードキー428が選択された場合(ステップ20;Y)、情報処理制御装置20は、入力文字欄423に表示されている文字(選択済みのキーワード、確定済みの他の検索文字を除く)を検索文字として確定し、ステップ13に戻って次の検索文字のための入力文字の入力を監視する。
なお、検索文字の確定により、該検索文字の入力に伴ってステップ16で順次絞り込まれ、RAM24に格納されている目的地候補(目的地データ)が、該検索文字に対応する目的地候補として確定する。
【0060】
キーワード及び次ワードキー428のいずれも選択されず(ステップ18;N、ステップ20;N)、文字が入力された場合(ステップ21;N)、情報処理制御装置20は、ステップ14に戻り、入力文字の表示(ステップ14)以降の処理を行う。この状態では、入力文字欄423に表示されている入力文字はまだ検索文字として確定しない。
【0061】
完了キー427が選択された場合(ステップ21;Y)、情報処理制御装置20は、ステップ16において絞り込まれ、各キーワードや検索文字毎にRAM24に格納されている目的地候補(目的地データ)から、最終的な目的地候補を決定する。
すなわち、RAM24には、キーワードが選択され(ステップ18;Y)、及び検索文字が確定する(ステップ20;Y)毎に、その直前にステップ16で絞り込まれた目的地候補が各キーワードや検索文字毎に格納されている。
情報処理制御装置20は、各キーワードや検索文字に対応する各目的地候補のいずれにも含まれている目的地データ、すなわち、各目的地候補間の目的地データについての論理積により、最終的な目的地候補を決定する(ステップ22)。
【0062】
次いで、決定した目的地候補として各目的地データをディスプレイ42にリスト表示する(ステップ23)。
目的地候補として目的地データを表示する場合、キーワードが存在する目的地データが優先的に表示され、キーワードが存在する目的地データ間ではキーワードの優先順位が高い順に表示される。なお、優先順位については、あいうえお順、現在位置に近い順、ユーザが選択した所定のパラメータ順など、他の方法によることも可能である。
【0063】
次に情報処理制御装置20は、ディスプレイ42に表示した目的地候補のうちユーザが選択した目的地データを最終的な目的地として設定し(ステップ24)、RAM24の所定領域に格納して処理を終了する。
【0064】
以上説明した本実施形態による目的地設定処理による各画面の遷移について図7から図10を参照して説明する。
図4に示す目的地設定画面において、入力キーボード422から、文字「つ」が入力されると(ステップ13;Y)、図7(a)に示されるように、入力文字欄423に「つ」が表示される(ステップ14)。
また入力文字「つ」に対応して部分一致するキーワードが名称、住所、ジャンルの各検索項目毎に絞り込まれる(ステップ15)。例えば、名称の検索項目の場合、入力文字「つ」に対応して部分一致するキーワード(名称)「つくば」「つちうら」「つるおか」「つーりすと」…が絞り込まれる。
【0065】
そして、入力された「つ」を検索文字として名称、住所、ジャンルの各検索項目毎に目的地データの絞り込みを行うとともに、各キーワードにより各検索項目毎に目的地データの絞り込みを行う(ステップ16)。
【0066】
さらに、絞り込んだキーワードのキー表示を行う(ステップ17)。
この場合、最初の文字入力なのでデフォルトとして決定されている名称タブ421aが最上位に決定され(ステップ173)、名称タブ421aのキーワード欄421に、絞り込んだキーワード(名称)「つくば」「つちうら」「つるおか」「つーりすと」…に対応するキーワードの表記「筑波」「土浦」「鶴岡」「ツーリスト」…が表示される(ステップ174)。
なお、ここでは入力文字「つ」を一部に含むキーワードは名称、住所、ジャンルの全検索項目に対して存在しているものとする。
【0067】
図7〜図10において、手の絵文字hは、その画面においてユーザによる選択(タッチ)箇所を表したものである。
図7(a)に示すように、名称タブ421aのキーワード欄421に表示されたキーワード「筑波」が選択されると(ステップ18;Y)、図7(b)に示されるように、選択されたキーワードの表記「筑波」が入力文字欄423に表示され(ステップ19)、選択されたキーワードによるキーワードの絞り込み(ステップ15)、目的地候補の絞り込み(ステップ16)が行われる。
なお、入力文字欄423に表示されるキーワードや確定した検索文字は、入力中の文字と区別するために、長円(キーワード、検索文字)や長方形(関連キーワード)の枠内に表示される。
【0068】
ここで、「筑波」の選択により、キーワード欄421には、図7(b)に示されるように、「筑波」を含むキーワード「筑波大学」と、「筑波」の関連キーワード「センター」と「学園」が表示される。
なお、キーワード欄421に表示されるキーワードは長円の枠内に、関連キーワードは長方形の枠内に表示することで両者は区別可能に表示される。
【0069】
図7(b)に示す状態で、さらに文字「い」が選択されると(ステップ18;N、ステップ20;N、ステップ21;N)、図8(c)に示すように、入力された文字「い」が入力文字欄423に表示される(ステップ14)。この場合、すでにキーワード「筑波」が選択されているので、入力文字欄423には選択済みとして表示されているキーワード「筑波」の次に入力文字「い」が表示される。
そして、入力文字「い」に対して部分一致するキーワードが各検索項目毎に新たに絞り込まれ、現在最上位のタブが名称タブ421aなので、名称のキーワードの表記「一利」「イミテーション」…がキーワード欄421に表示される(図8(c))。
【0070】
この図8(c)の設定画面において、さらに入力文字「み」が入力されると、入力文字「い」で絞り込まれたキーワードから、さらに「いみ」による絞り込みを行う(ステップ15)。
この場合、図8(d)に示されるように、名称の検索項目にはキーワード「イミテーション」「以美野」…が絞り込まれ、名称タブ421aが最上位タブなのでキーワード欄421に表示される。
一方、住所とジャンルの検索項目に対応するキーワードには、「いみ」を含むキーワードが存在しないので、住所タブ421bとジャンルタブ421cは非表示にされる。
【0071】
図8(d)の設定画面において、キーワード欄421に表示したキーワードではなく次ワードキー428が選択されると(ステップ20;Y)、入力文字欄423に表示されている入力文字「いみ」を検索文字として確定する。
検索文字の確定の際、入力文字欄423に枠なしで表示されていた「いみ」の文字は、長円の枠内に表示することで、入力中の文字と区別される。なお、選択されたキーワードと区別可能とするために別の枠の形、又は色とするようにしてもよい。
【0072】
一方、図8(c)の設定画面において、住所タブ421bが選択(タッチ)されると(ステップ175;Y)、図9(e)に示されるように、選択された住所タブ421bを最上位タブに変更し、入力文字「い」に対応して絞り込まれた住所用のキーワードがキーワード欄421に表示される(ステップ176)。
【0073】
以降、図9(e)の設定画面において、検索項目住所のキーワード「茨城県」を選択し、次の文字「か」を入力すると、入力文字欄423には、図9(f)に示されるように、すでに選択済みのキーワード「筑波」の隣に選択したキーワード「茨城県」が表示され、さらにその隣に入力した文字「か」が表示される。
また図9(f)に示されるように、キーワード欄421には、現時点での最上位の名称タブ421aに対応し、名称で絞り込んだキーワードの表記「怪人」「川崎」「学園前」「カフェ」…が表示される。
【0074】
そして図9(f)の設定画面において、ジャンルタブ421cを選択すると、図10(g)に示すように、選択されたジャンルタブ421cを最上位タブとし、検索項目ジャンルで絞り込み済みのキーワード「学校」「買う」「借りる」「カラオケ」…がキーワード欄421に表示される。
ここでキーワード「学校」が選択されると、図10(h)に示すように、選択されたキーワード「学校」が入力文字欄423に表示される。
なお、キーワードが選択された後、選択されたキーワード「学校」からさらに絞り込まれるキーワード及び関連キーワードが存在しない場合、図10(h)に示されるように、キーワード欄421は空欄のままとなる。
【0075】
図10(h)に示すように、複数のキーワードが選択された状態で完了キー427が選択されると(ステップ21;Y)、各キーワードの選択により絞り込まれた各目的地候補の論理積をとり、全ての目的地候補に含まれている目的地データを最終的な目的地候補に決定する(ステップ22)。
なお、図8(d)の設定画面、すなわち、キーワード「筑波」が選択され、入力文字「い」と「み」が入力された状態で完了キー427が選択された場合には、次ワード428が選択された場合と同様に入力文字「いみ」を検索文字として確定させる。
そして、キーワード「筑波」に対応して絞り込まれた目的地候補と、確定した検索文字「いみ」に対応して絞り込まれた目的地候補(この目的地候補は全ての選択項目を対象として絞り込まれた目的地データで構成される)とに含まれている目的地データを最終的な目的地候補に決定する。
【0076】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明ではこれに限定されるものではなく、請求項に記載した範囲で他の実施形態や変形例を採用することが可能である。
例えば、説明した実施形態では、入力文字を含むキーワード表示することで検索する文字を効率的に入力する場合について説明したが、キーワードを使用しないことも可能である。
この場合、目的地設定処理(図5)において、ステップ15、ステップ17〜ステップ19の処理が不要となり、ステップ16では、入力済みの各文字(未確定)により各検索項目(名称、住所、ジャンル)毎に目的地データの絞り込みが行われる。
そして、実施形態で説明したように、次ワードキー428の選択、又は完了キー427の選択により各検索文字を確定させ、該検索文字の入力に伴ってステップ16で順次絞り込まれ、RAM24に格納されている各検索項目毎の目的地候補のいずれかに含まれる目的地データが、該確定した検索文字に対応する目的地候補となる。
そして、完了キー427の選択により、各検索項目に対応する各目的地候補の全てに含まれている目的地データ(論理積)が最終的な目的地候補に決定される。
【0077】
また説明した実施形態では、各検索項目に対応したタブ421a、421b、421cに対応してキーワードを表示し、キーワードを選択することで検索項目も合わせて選択する場合について説明した。
また、絞り込み対象が無くなったタブを非表示とすることで、その旨の明示を行う場合について説明した。
これに対し、キーワードを使用しない場合には、検索項目を選択する検索項目選択キー(名称キー、住所キー、ジャンルキー)を目的地設定画面に配設するようにしてもよい。そして、入力文字の入力に従って各検索項目毎に順次絞り込みを行い、絞り込み対象の目的地データが無くなった検索項目については、検索項目選択キーを非表示とすることで、その旨を明示する。
【0078】
説明した実施形態では、検索項目として、名称、住所、ジャンルの3つを例に説明したが、いずれか2つでも良く、また4つ以上の検索項目を採用してもよい。
【0079】
また、説明した実施形態では、目的地データにキーワードを保存する場合について説明したが、キーワードデータファイル58の各キーワードにID(識別番号)を付け、目的地データにはIDを保存するようにしてよい。
【0080】
[第2実施形態]
上述した第1実施形態では、日本国内で使用されることを想定したナビゲーション装置について説明した。詳しくは、第1実施形態では、入力キーボード422を日本語の入力単位である50音キーで構成し、目的地データファイル56に日本国内の目的地検索に関するデータを記憶した日本仕様のナビゲーション装置について説明した。
しかしながら、ナビゲーション装置が用いられる環境は、日本国内に限定されるものではない。入力装置41や各データの仕様を地域に対応させることにより、上述した検索項目タブを利用した入力機能を諸外国において使用することができる。
【0081】
そこで、第2実施形態では、日本国外向けのナビゲーション装置の一例として、米国仕様のナビゲーション装置について説明する。
第2実施形態が適用されるナビゲーション装置のシステム構成、データ構成、及び、目的地設定処理のフローは、基本的に第1実施形態と同じである。
第2実施形態の説明では、上述した第1実施形態と重複する構成について同一の符号を用いて詳細な説明は省略し、異なる部分について説明する。
【0082】
図11は、目的地データファイル56に記憶される目的地データ(地点情報)の内容について概念的に表したものである。
図11に示されるように、米国仕様のナビゲーション装置では、目的地データの名称がそのまま検索キーとして登録されている。また、米国仕様の検索キーは、日本仕様と異なり、単語毎にスペース等で区切られている。
検索キーは目的地の「名称」であり、この検索キーは、入力装置(第2実施形態ではタッチパネルのアルファベットキー)に対応している。検索キーには、大文字と小文字が混在しているが、検索は、大文字、小文字の違いを認識せずに実行する。
第2実施形態では、目的地データファイル56に、米国国内の目的地データの名称が記憶される。
【0083】
図12は、キーワードデータファイル58に格納されているキーワードの内容を概念的に表したものである。各キーワードは、各目的地データの名称を構成する単語からなる。
図12に示されるように、米国仕様のナビゲーション装置においても、第1実施形態と同様に、アルファベットの文字列で示される各キーワードには、優先度が規定されている。
例えば、キーワード「Montana」を含む地点候補の優先度は「83」と規定されており、地域が「北西部」と規定されているので、現在地がこの北西部の範囲内であれば優先度が83から所定のn点(例えば、3点)だけ加算され、優先度86に変更されるようになっている。
また、キーワードには、更に関連キーワードが設定されているものが存在する。この関連キーワードは、当該キーワードと一緒に検索語として入力される頻度が高い単語、例えば、キーワード「Montana」に対して「golf」や「university」等のように、当該キーワードと共に目的地の表記の一部又は全部を構成する単語が設定される。
【0084】
なお、キーワードデータファイル58に規定されている対応季節の期間は、ナビゲーション装置の使用対象となる国や地域に対応するように設定されている。例えば、使用対象が日本である場合には、12月〜2月の期間が冬として設定されており、使用対象が南半球に位置するオーストラリアである場合には、6月〜8月の期間が冬として設定されている。
また、キーワードデータファイル58に規定されている対応時間も、ナビゲーション装置の使用対象となる国や地域に対応するように設定されている。例えば、サマータイム制度を導入している国や地域では、サマータイム期間中の場合、対応時間を1時間早めた設定とする。
【0085】
図13は、米国仕様のナビゲーション装置における、入力装置41´及びディスプレイ42について表したものである。
図13では、米国仕様のナビゲーション装置について説明するため、英字表記としているが、第1実施形態(図4)と同じ機能を有するキーや表示領域には、同一の符号を付している。
図13に示されるように、入力キーボード422´は、A〜Zのアルファベットを入力するための各キーから構成されている。
【0086】
このように入力装置41´や各データの仕様を使用対象となる米国向けに対応させたナビゲーション装置において、上述した第1実施形態(図5、図6)と同様の目的地設定処理及びキーワードのキー表示処理を実行する。
但し、第2実施形態においては、入力キーボード422´を用いてアルファベットの文字(文字列)を入力し、上述した米国仕様の目的地データファイル56及びキーワードデータファイル58を参照する。
【0087】
米国仕様のナビゲーション装置における、第1実施形態(図5)で説明した目的地設定処理による各画面の遷移について図14から図17を参照して説明する。
図13に示す目的地設定画面において、入力キーボード422′から、アルファベト「C」が入力されると、図14(a)に示されるように、入力文字欄423に「C」が表示される。
そして、入力された「C」を検索文字として名称、住所、ジャンルの各検索項目毎に目的地データの絞り込みを行うとともに、各キーワードにより各検索項目毎に目的地データの絞り込みを行う。さらに、絞り込んだキーワードのキー表示を行う。
この場合、最初の文字入力なのでデフォルトとして決定されている名称タブ421aが最上位に決定され、名称タブ421aのキーワード欄421に、絞り込んだキーワード(名称)「Center」「California」「Cartier」…が表示される。
なお、ここでは入力文字「C」を一部に含むキーワードは名称、住所、ジャンルの全検索項目に対して存在しているものとする。
【0088】
図14〜図17において、手の絵文字hは、その画面においてユーザによる選択(タッチ)箇所を表したものである。
図14(a)に示すように、名称タブ421aのキーワード欄421に表示されたキーワード「Center」が選択されると、図14(b)に示されるように、選択されたキーワードの表記「Center」が入力文字欄423に表示され、選択されたキーワードによるキーワードの絞り込み、目的地候補の絞り込みが行われる。
ここで、「Center」の選択により、キーワード欄421には、図14(b)に示されるように、「Center」を含むキーワード「Center Station」、及び「Center」の関連キーワード「golf」と「university」が表示される。
【0089】
図14(b)に示す状態で、さらに文字「M」が入力されると、図15(c)に示すように、入力された文字「M」が入力文字欄423に表示される。この場合、すでにキーワード「Center」が選択されているので、入力文字欄423には選択済みとして表示されているキーワード「Center」の次に入力文字「M」が表示される。
そして、入力文字「M」に対して部分一致するキーワードが各検索項目毎に新たに絞り込まれ、現在最上位のタブが名称タブ421aなので、名称のキーワード「Moon Club」「Mercy Hotel」「Mabel Cape」…がキーワード欄421に表示される。
【0090】
この図15(c)の設定画面において、さらに入力文字「B」が入力されると、入力文字「M」で絞り込まれたキーワードから、さらに「MB」による絞り込みを行う。
この場合、図15(d)に示されるように、名称の検索項目にはキーワード「Mbaiki Club」「Mbabane Hotel」…が絞り込まれ、キーワード欄421に表示される。
一方、住所とジャンルの検索項目に対応するキーワードには、「MB」を含むキーワードが存在しないので、住所タブ421bとジャンルタブ(category)421cは非表示になる。
【0091】
図15(d)の設定画面において、キーワード欄421に表示したキーワードではなく次ワードキー428が選択されると、入力文字欄423に表示されている入力文字「MB」を検索文字として確定する。
検索文字の確定の際、入力文字欄423に枠なしで表示されていた「MB」の文字は、長円の枠内に表示することで、入力中の文字と区別される。なお、選択されたキーワードと区別可能とするために別の枠の形、又は色とするようにしてもよい。
【0092】
一方、図15(c)の設定画面において、住所タブ421bが選択(タッチ)されると、図16(e)に示されるように、選択された住所タブ421bを最上位タブに変更し、入力文字「M」に対応して絞り込まれた住所用のキーワードがキーワード欄421に表示される。
以降、図16(e)の設定画面において、検索項目住所のキーワード「Montana」を選択し、次の文字「S」を入力すると、入力文字欄423には、図16(f)に示されるように、すでに選択済みのキーワード「Center」の隣に選択したキーワード「Montana」が表示され、さらにその隣に入力した文字「S」が表示される。次に、名称タブ421aが選択されると、図16(f)に示されるように、キーワード欄421には、現時点での最上位の名称タブ421aに対応し、名称で絞り込んだキーワードの表記「South Beach」「Saturday Night Club」…が表示される。
【0093】
そして図16(f)の設定画面において、ジャンルタブ(category)421cを選択すると、図17(g)に示すように、選択されたジャンルタブ(category)421cを最上位タブとし、検索項目ジャンルで絞り込み済みのキーワード「School」「Station」「Store」「Snack bar」…がキーワード欄421に表示される。
ここでキーワード「School」が選択されると、図17(h)に示すように、選択されたキーワード「School」が入力文字欄423に表示される。
なお、キーワードが選択された後、選択されたキーワード「School」からさらに絞り込まれるキーワード及び関連キーワードが存在しない場合、図17(h)に示されるように、キーワード欄421は空欄のままとなる。
【0094】
図17(h)に示すように、複数のキーワードが選択された状態で完了キー(Enter)427が選択されると、各キーワードの選択により絞り込まれた各目的地候補の論理積をとり、全ての目的地候補に含まれている目的地データを最終的な目的地候補に決定する。
なお、図15(d)の設定画面、すなわち、キーワード「Center」が選択され、入力文字「M」と「B」が入力された状態で完了キー(Enter)427が選択された場合には、次ワードキー(Next word)428が選択された場合と同様に入力文字「MB」を検索文字として確定させる。
そして、キーワード「Center」に対応して絞り込まれた目的地候補と、確定した検索文字「MB」に対応して絞り込まれた目的地候補(この目的地候補は全ての選択項目を対象として絞り込まれた目的地データで構成される)とに含まれている目的地データを最終的な目的地候補に決定する。
【0095】
また、入力文字欄423に表示される選択済みのキーワードの表示方法を、選択時に参照されたタブ(検索項目)に応じて変化させるようにしてもよい。例えば、名称タブ421aから選択された場合は赤色表示、住所タブ421bから選択された場合は黄色表示、ジャンルタブ421cから選択された場合は青色表示のように、タブ(検索項目)に応じてキーワードの表示色を変化させるようにしてもよい。なお、表示色は任意に設定することが可能である。また、このようなキーワードの表示色を変化させる技術は、第1実施形態の日本仕様のナビゲーション装置に適用することもできる。
このように、タブ(検索項目)に応じてキーワードの表示方法を変えることにより、ユーザは、キーワードを選択した後であっても、視覚的にキーワードの選択元のタブの種類を容易に認識することができる。
【0096】
このように、入力文字欄423にアルファベットを入力する米国仕様のナビゲーション装置においても、第1実施形態と同様に検索文字を入力する際に、名称に限らず、ジャンル、地名(住所)を意識せずに、ユーザの知っている情報を思いついた順に(任意の順番に)順次入力することで検索することができる。
【0097】
第2実施形態では、日本国外向けのナビゲーション装置の一例として、英語(英字)入力に対応したアルファベットキーを備えたナビゲーション装置について説明したが、入力可能な言語はこれに限定されるものではない。
ドイツ語、スペイン語、フランス語、アラビア語、中国語、韓国語、ロシア語など任意の言語入力に対応したナビゲーション装置とするようにしてもよい。例えば、中国語入力に対応したナビゲーション装置の場合、入力装置41は、中国語のピンイン入力に対応した入力キーボード422を備える。
【0098】
入力対象となる言語は、必ずしもナビゲーション装置の使用対象となる国(地域)に対応させる必要はない。例えば、ドイツ語入力対応のナビゲーション装置をフランス国内で使用できるようにしてもよい。この場合、目的地データファイル56やキーワードデータファイル58などにおける、目的地検索を行う際に検索対象となるデータ、即ち、入力文字と比較されるデータ(例えば、目的地の名称、キーワード、住所など)には、入力言語に対応したデータを記憶する。
なお、検索対象となるデータには、入力言語の他に、使用対象となる国(地域)の言語に対応したデータを記憶するようにしてもよい。
また、目的地検索を行う際に検索対象とならないデータ、例えば、付加情報のデータは、入力言語に対応したデータを記憶する必要はない。検索対象とならないデータには、例えば、入力言語に対応したデータを記憶しても、使用対象となる国(地域)の言語に対応したデータを記憶しても、また、入力言語と使用対象となる国(地域)の言語の両方の言語に対応したデータを記憶してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本実施形態が適用されるナビゲーション装置のシステム構成図である。
【図2】目的地データファイルに記憶される目的地データ(地点情報)の内容について概念的に表した説明図である。
【図3】キーワードデータファイルに格納されているキーワードの内容を概念的に表した説明図である。
【図4】入力装置及びディスプレイについて表した説明図である。
【図5】目的地設定処理の内容を表したフローチャートである。
【図6】キーワードのキー表示処理の内容を表したフローチャートである。
【図7】目的地設定画面の表示状態を例示した説明図である。
【図8】目的地設定画面の他の表示状態を例示した説明図である。
【図9】目的地設定画面の更に他の表示状態を例示した説明図である。
【図10】目的地設定画面の更に他の表示状態を例示した説明図である。
【図11】米国仕様のナビゲーション装置における、目的地データファイルに記憶される目的地データ(地点情報)の内容について概念的に表した説明図である。
【図12】米国仕様のナビゲーション装置における、キーワードデータファイルに格納されているキーワードの内容を概念的に表した説明図である。
【図13】米国仕様のナビゲーション装置における、入力装置及びディスプレイについて表した説明図である。
【図14】米国仕様のナビゲーション装置における、目的地設定画面の表示状態を例示した説明図である。
【図15】米国仕様のナビゲーション装置における、目的地設定画面の他の表示状態を例示した説明図である。
【図16】米国仕様のナビゲーション装置における、目的地設定画面の更に他の表示状態を例示した説明図である。
【図17】米国仕様のナビゲーション装置における、目的地設定画面の更に他の表示状態を例示した説明図である。
【符号の説明】
【0100】
10 現在位置検出装置
20 情報処理制御装置
40 入出力装置
41 入力装置
42 ディスプレイ
421 キーワード欄
421a 名称タブ
421b 住所タブ
421c ジャンルタブ
422 入力キーボード
423 入力文字欄
424 候補件数欄
425 修正キー
426 戻るキー
427 完了キー
428 次ワードキー
50 情報記憶装置
71 タッチパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の検索項目を含む目的地データを複数記憶する目的地データ記憶手段と、
検索文字を入力する文字入力手段と、
前記文字入力手段により入力された検索文字を前記複数の検索項目毎に検索し、検索文字に対応する目的地データを各検索項目に対応させて保存する第1絞り込み手段と、
前記第1絞り込み手段により各検索項目に対応させて保存した目的地データを用いて、前記複数の検索項目間で目的地データを絞り込む第2絞り込み手段と、
前記第2絞り込み手段で絞り込んだ目的地データを候補目的地として表示する表示手段と、
前記表示された候補目的地を選択する目的地選択手段と、を具備したことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記第1絞り込み手段は、前記検索文字を構成する各文字の入力毎に、各検索項目毎の絞り込みを行い、
前記第1絞り込み手段により、検索文字に対する絞り込み対象の目的地データが無くなった検索項目を明示する明示手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
検索項目を選択する検索項目選択手段を備え、
前記第1絞り込み手段は、検索文字に対応した検索項目が選択された場合に、該検索項目の範囲で目的地データを絞り込み、
前記明示手段は、絞り込み対象の目的地データが無くなった検索項目を選択不能状態とすることで明示する、ことを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
検索項目を選択する検索項目選択手段を備え、
前記第1絞り込み手段は、検索文字に対応した検索項目が選択された場合に、該検索項目の範囲で目的地データを絞り込む、ことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記各検索項目に対応して、複数のキーワードを記憶するキーワード記憶手段と、
前記記憶されたキーワードのうち前記入力された検索文字を含むキーワードを前記各検索項目毎に絞り込んで表示するキーワード表示手段と、
前記表示されたキーワードを選択するキーワード選択手段と、を備え、
前記目的地データ記憶手段は、1つ以上のキーワードが前記検索項目に対応付けられた目的地データを含む複数の目的地データを記憶し、
前記第1絞り込み手段は、キーワードが選択された場合、該キーワードを含む目的地データを絞り込む、ことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記キーワード表示手段は、前記検索文字を構成する各文字の入力毎に、各検索項目毎のキーワードを絞り込んで表示し、
前記検索文字に対する絞り込み対象のキーワードが無くなった検索項目を明示する第2明示手段を備える、ことを特徴とする請求項5に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
検索項目を選択する検索項目選択手段を備え、
前記キーワード表示手段は、前記選択された検索項目に対応するキーワードを表示する、ことを特徴とする請求項6に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記第2明示手段は、前記検索項目選択手段の検索項目の表示状態を変更することにより、絞り込み対象のキーワードが無くなった検索項目を明示する、ことを特徴とする請求項7に記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
前記キーワード記憶手段に記憶された各キーワードは、前記複数の目的地データの表記に含まれている語である、ことを特徴とする請求項5に記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
前記キーワードは、前記目的地データの内容に対応して名称、住所、ジャンルの各項目のうちの少なくとも2つに対応して作成されている、ことを特徴とする請求項5から請求項9のうちのいずれか1の請求項に記載のナビゲーション装置。
【請求項11】
複数の検索項目を含む目的地データを複数記憶する目的地データ記憶手段を備えたコンピュータを、
検索文字を入力する文字入力手段と、
前記文字入力手段により入力された検索文字を前記複数の検索項目毎に検索し、検索文字に対応する目的地データを各検索項目に対応させて保存する第1絞り込み手段と、
前記第1絞り込み手段により各検索項目に対応させて保存した目的地データを用いて、前記複数の検索項目間で目的地データを絞り込む第2絞り込み手段と、
前記第2絞り込み手段で絞り込んだ目的地データを候補目的地として表示する表示手段と、
前記表示された候補目的地を選択する目的地選択手段と、して機能させるためのナビゲーション用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−54133(P2009−54133A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−86458(P2008−86458)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】