説明

ハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子及びその動作方法

【課題】ハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子を提供する。
【解決手段】第1方式でデータを保存できる第1ストレージノードを備えている第1メモリ部と、第1メモリ部とは異なる第2方式でデータを保存できる第2ストレージノードを備えている第2メモリ部とを備える不揮発性メモリ素子である。第1メモリ部及び第2メモリ部は、ソース及びドレインを共有して2ビット以上のマルチビット動作が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体メモリ素子に係り、特に、マルチビットで動作する不揮発性メモリ素子(Non−Volatile Memory;NVM)及びその動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体メモリ素子は、揮発性メモリと不揮発性メモリとに大別されうる。コンピュータのような装置は、電源が入っている間のみにデータを保存し、速く処理できる揮発性メモリ、例としては、DRAM(Dynamic Random Access Memory)を使用してきた。しかし、最近、携帯電話またはデジタルカメラ市場の拡大により、従来のコンピュータで使用されるDRAMとは違って、速い処理速度を有しつつも、電源が遮断されてもそれらの内にデータを維持できる不揮発性メモリの需要が増えている。
【0003】
このようなNVMには、トランジスタの臨界電圧遷移を利用するものと、電荷移動を利用するものと、抵抗変化を利用するもの等に大別される。臨界電圧遷移を利用するものとしては、浮遊ゲートをストレージノードとして利用するフラッシュメモリと、電荷トラップをストレージノードとして利用するSONOSメモリとがある。電荷移動を利用するものとしては、ナノ−クリスタルまたはポリマーの強誘電体メモリ(Ferroelectric Memory:FRAM)がある。また、抵抗変化を利用するものとしては、磁気メモリ(Magenetic RandomAccess Memory:MRAM)、相転移メモリ(Phase−change Random Access Memory:PRAM)及び複合金属酸化膜メモリ(Resistance Random Access Memory:RRAM)、ポリマーメモリなどがある。
【0004】
しかし、このようなNVMを利用する場合、工程上の限界によってメモリ容量の限界に直面している。このため、最近ではマルチビットで動作するメモリ素子に対する必要性が増大しつつある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が達成しようとする技術的課題は、マルチビットで動作するハイブリッドNVMを提供するところにある。
【0006】
本発明が達成しようとする他の技術的課題は、ハイブリッドNVMのマルチビット動作方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を達成するための本発明の第1態様によれば、第1導電型半導体基板に形成されたチャンネルと、前記チャンネルの両端に隣接して形成された第2導電型ソース及びドレインと、前記チャンネル上の第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜上の電荷記録媒体用のストレージノードと、前記ストレージノード上の第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜上の制御ゲートと、前記制御ゲート上の第3絶縁膜と、前記第3絶縁膜上を覆っている可変抵抗媒体用の抵抗ノードと、前記抵抗ノードと前記ソース、及び前記抵抗ノードと前記ドレインにそれぞれ連結されているスイッチと、を備えるハイブリッドマルチビットNVMが提供される。
【0008】
前記抵抗ノードは、印加される電圧によって抵抗が変わる抵抗状態変化保存物質としてNb、SrTiO(Crドーピング)、ZrO、GST(GeSbTe)、NiO、TiO及びHfOの群から選択された何れか一つで形成されたことが好ましい。また、前記スイッチは、臨界電圧以上が印加された場合のみに電気伝導性を表す遷移金属酸化膜で形成されることが好ましい。さらに、前記遷移金属酸化膜は、VまたはTiOであることがさらに好ましい。
【0009】
前記技術的課題を達成するための本発明の第2態様によれば、複数の前記本発明の第1態様によるメモリ素子がNANDセルアレイで連結されたものであって、前記セルの前記抵抗ノードが互いに連結され、一つの前記セルの前記ソースが隣接した前記セルの前記ドレインと互いに連結されているハイブリッドマルチビットNVMが提供される。
【0010】
前記技術的課題を達成するための本発明の第3態様によれば、第1絶縁膜上に垂直に形成され、一方向に拡張するチャンネルと、前記チャンネルの側面及び上面を取り囲んでいる電荷保存用の第1ストレージノードと、前記チャンネルの前記一方向の両端に連結されるソース及びドレインと、前記ソース及びドレインと連結される可変抵抗用の第2ストレージノードと、を備えるフィン−FET構造のハイブリッドマルチビットNVMが提供される。
【0011】
前記技術的課題を達成するための本発明の第4態様によれば、第1絶縁膜上に垂直に積層されて形成され、一方向に拡張し、第2絶縁膜により分離されている第1導電型不純物でドーピングされた第1チャンネル、及び第2導電型不純物でドーピングされた第2チャンネルと、前記チャンネルの側面及び上面を取り囲んでいる電荷保存用の第1ストレージノードと、前記第1ストレージノードを取り囲んでいる第3絶縁膜と、前記第3絶縁膜を取り囲んでいる制御ゲートと、前記チャンネルの前記一方向の両端に連結されるソース及びドレインと、前記ソース及びドレインと連結される可変抵抗用の第2ストレージノードと、を備えるCMOS フィン−FET構造のハイブリッドマルチビットNVMが提供される。
【0012】
前記技術的課題を達成するための本発明の第5態様によれば、第1方式でデータを保存できる第1ストレージノードを備えている第1メモリ部と、前記第1メモリ部と異なる第2方式でデータを保存できる第2ストレージノードを備えている第2メモリ部とを備えるが、前記第1メモリ部及び第2メモリ部は、ソース及びドレインを共有するハイブリッドマルチビットNVMが提供される。
【0013】
前記技術的課題を達成するための本発明の第6態様によれば、前記第5態様によるメモリ素子は、NANDセルアレイで連結されたたハイブリッドマルチビットNVMが提供される。
【0014】
前記他の技術的課題を達成するための本発明の一態様によれば、前記本発明の第1態様によるメモリ素子を利用した動作方法として、前記チャンネルと前記制御ゲートとの間に印加される電圧を調節して前記チャンネルをターンオンさせ、前記ストレージノードを第1記録媒体として利用し、前記ソースと前記ドレインとの間に印加される電圧を調節して前記スイッチをターンオンさせて、前記抵抗ノードを第2記録媒体として利用するハイブリッドマルチビットNVMの動作方法が提供される。
【0015】
前記他の技術的課題を達成するための本発明の他の態様によれば、前記本発明の第2態様によるNANDセルアレイ構造のメモリ素子を利用した動作方法として、前記NANDセルアレイで動作させようとするセルを選択し、前記選択されたセル以外の前記セルの前記制御ゲートには、前記チャンネルをターンオンさせるパス電圧を印加し、前記選択されたセルの前記制御ゲートには動作電圧を印加して、前記選択されたセルのストレージノードを第1記録媒体として利用し、前記選択されたセルの前記ソースと前記ドレインとの間に異なる動作電圧を印加して、前記選択されたセルの前記保存ノードを第2記録媒体として利用するハイブリッドマルチビットNVMの動作方法が提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、マルチビットで動作するハイブリッドNVM及びハイブリッドNVMのマルチビット動作方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付した図面を参照して、本発明に係る好ましい実施形態を説明することにより本発明を詳細に説明する。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、相異なる多様な形態で具現される。ただ本実施形態は、本発明の開示を完全にし、当業者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものである。図面において各構成要素は、説明を容易にするために、そのサイズが誇張されている。
【0018】
図1では、本発明の第1実施形態に係るハイブリッドマルチビットNVM100が説明される。NVM100は、記録媒体として、ストレージノード130及び抵抗ノード150の二つの相異なる形態を複合的に利用する。
【0019】
ストレージノード130は、臨界電圧遷移を利用するメモリ素子、例えば、フラッシュメモリまたはSONOSメモリの記録媒体として利用される。ここで、ストレージノード130は、半導体基板105のチャンネル120と制御ゲート140との間で浮遊している。すなわち、チャンネル120とストレージノード130との間には第1絶縁膜125があり、ストレージノード130と制御ゲート140との間には第2絶縁膜135がある。
【0020】
ここで、ストレージノード130は、ポリシリコン、シリコン窒化膜、シリコンドットまたは金属ドットから形成されることが好ましい。また、第1絶縁膜125は、電荷のトンネリングの容易なシリコン酸化膜から形成されることが好ましい。第2絶縁膜135は、シリコン酸化膜を備えて形成されることがさらに好ましい。制御ゲート140は、ポリシリコンを含んで形成されることが好ましく、より具体的には、ポリシリコン上に金属または金属シリサイドを含んで形成されうる。
【0021】
また、半導体基板105のチャンネル120の両側には、ソース110及びドレイン115が隣接している。半導体基板105がp型である場合、ソース110及びドレイン115は、n型でドーピングされていてもよい。
【0022】
それにより、ドレイン115からチャンネル120を介したソース110への一つの回路が形成される。この時、チャンネル120の電気的なターンオンまたはターンオフの如何は、制御ゲート140を介して調節する。より詳細には、制御ゲート140に臨界電圧以上を印加すれば、チャンネル120がターンオンされ、臨界電圧以下の電圧を印加すれば、チャンネル120がターンオフされる。すなわち、ストレージノード130を介して2−ビット以上で動作する一つのメモリ素子を得る。
【0023】
一方、抵抗ノード150は、制御ゲート140上の第3絶縁膜145を覆っている。第3絶縁膜145は、シリコン酸化膜を含むことが好ましい。また、抵抗ノード150は、ソース110及びドレイン115とスイッチ155とにより連結されている。
【0024】
スイッチ155は、臨界電圧以上が印加された場合のみに電気伝導性を表す遷移金属酸化膜(Transition Metal Oxide:TMO)で形成されることが好ましい。より具体的には、遷移金属酸化膜は、VまたはTiOであることが好ましい。この時、スイッチ155は、第4絶縁膜160によりストレージノード130及び制御ゲート140と絶縁される。
【0025】
スイッチ155は、両端に臨界電圧、例えば、VOの場合、1.5Vが印加されるまでほとんど不導体に近い。したがって、大部分の電圧がスイッチ155の両端にかかる。スイッチ155にかかる電圧が臨界電圧を超えれば、スイッチ155は、瞬間導電体に変換されて、それを通った電流が増加し始める。したがって、スイッチ155は、ダイオードの役割を行う。
【0026】
抵抗ノード150は、印加される電圧によって抵抗が変わる抵抗状態変化保存物質であることが好ましい。より具体的には、抵抗ノード150は、Nb、SrTiO(Crドーピング)、ZrO、GST(GeSbTe)、NiO、TiO及びHfOの群から選択された何れか一つから形成されたことが好ましい。
【0027】
一方、抵抗ノード150、例えば、NiOは、記録電圧以上の電圧が印加されれば、抵抗が低くなり、リセット電圧が印加されれば、再び抵抗が高くなる。但し、一度記録電圧が印加されて抵抗が低くなれば、リセット電圧に至るまでは、低抵抗が維持される。すなわち、抵抗変化が印加電圧がなくなった後にも維持される。したがって、抵抗ノード150は、NVMの記録媒体として利用されうる。
【0028】
ただし、印加電圧がスイッチ155と抵抗ノード150との間で抵抗によって分配されるため、それらを通った電流は、抵抗変化によって波を形成する。それに基づいて、適切に記録電圧及び消去電圧を選択できる。
【0029】
それにより、ドレイン115から始まって、スイッチ155、抵抗ノード150、スイッチ155を介してソース110に向う他の回路が形成される。抵抗ノード150への電流の流れは、スイッチ155をターンオンまたはターンオフさせることにより調節できる。すなわち、抵抗ノード150を介して2−ビット以上で動作する他のメモリ素子を得る。
【0030】
したがって、ドレイン115からソース110への二つの並列回路が形成される。この時、二つの回路のうち、何れか一つの選択は、チャンネル120のターンオンまたはターンオフと、スイッチ155のターンオンまたはターンオフとにより行える。すなわち、ストレージノード130を介した回路により2−ビット以上のメモリ動作を得て、抵抗ノード150を介した回路により2−ビット以上のメモリ動作を選択的に得られるハイブリッドマルチビットNVM100が得られる。
【0031】
図2及び図3を参照して、第1実施形態に係るメモリ素子100の動作方法が説明される。まず、図2に示すように、制御ゲート140とチャンネル120との間に印加される電圧を0Vとしてチャンネル120をターンオフさせる。そして、ソース110とドレイン115との間の電圧は、スイッチ155に臨界電圧以上を印加させることにより、ドレイン115から抵抗ノード150を介したソース110への回路(a)方向に電流が流れる。この時、チャンネル120は、ターンオフされているため、ドレイン115からチャンネル120を介したソース110への回路(b)方向に電流は流れない。この場合、抵抗ノード150を記録媒体として利用できる。
【0032】
この時、抵抗ノード150についての記録動作は、ソース110とドレイン115との間に記録電圧を印加することにより行える。それにより、スイッチ155がターンオンされ、抵抗ノード150の間に記録電圧が印加されて、抵抗ノード150の抵抗が低くなる。
【0033】
また、抵抗ノード150についての読み取り動作は、ソース110とドレイン115との間に読み取り電圧を印加することにより行える。この時、読み取り電圧は、スイッチ155の臨界電圧よりは大きい。それにより、スイッチ155がターンオンされ、抵抗ノード150を通った電流を測定できる。例えば、抵抗が低い場合を記録状態、抵抗が高い場合を消去状態と読み取り得る。
【0034】
また、抵抗ノード150に対する消去動作は、ソース110とドレイン115との間に消去電圧を印加して行える。この時、消去電圧は、スイッチ155の臨界電圧よりは大きく、抵抗ノード150の記録電圧よりは小さい。それにより、スイッチ155がターンオンされ、抵抗ノード150の抵抗が高くなる。
【0035】
図3に示すように、制御ゲート140とチャンネル120との間に臨界電圧以上の電圧を印加してチャンネル120をターンオンさせる。そして、ソース110とドレイン115との間の電圧は、スイッチ155に臨界電圧以下の電圧を印加させることによりスイッチ155をターンオフさせる。それにより、抵抗ノード150を通った電流の流れはなくなる。この場合、ストレージノード130を記録媒体として利用できる。
【0036】
ストレージノード130についての記録動作は、チャンネル120と制御ゲート140との間に異なる記録電圧を印加することにより行える。それにより、電荷がチャンネル120から第1絶縁膜125を介したチャンネリングまたはホットキャリア注入によりストレージノード130に保存される。ストレージノード130に電荷、特に、電子が蓄積されれば、p型チャンネル120の臨界電圧が高くなる。
【0037】
したがって、ストレージノード130についての読み取り動作は、チャンネル120の臨界電圧の変化を読み取ることにより行える。より詳細には、チャンネル120と制御ゲート140との間に読み取り電圧、すなわち、記録電圧と高くなった臨界電圧との間の電圧を印加する。ストレージノード130に電荷が保存された場合には、チャンネル120がターンオンされず、電荷がない場合には、チャンネル120がターンオンされる。
【0038】
また、ストレージノード130についての消去動作は、チャンネル120と制御ゲート140との間に消去電圧を印加して行える。例えば、制御ゲート140に負電圧を印加することによりストレージノード130の電子を消去できる。
【0039】
本発明に係るNVM100は、ストレージノード130を介した電荷保存の如何による臨界電圧変化を利用する2ビットメモリと、抵抗ノード150の抵抗変化を介した2ビットメモリとのハイブリッド結合であってマルチビット動作を行える。したがって、本発明に係るハイブリッドマルチビットNVM100を利用すれば、従来の集積技術の限界によるメモリ容量の増大の難しさを克服できる。
【0040】
図4では、本発明の第2実施形態に係るハイブリッドNVM300が説明される。図4に示すように、半導体基板上に複数の単位セル100a、100b、100c、100d、100e、100f、100g、100hが一軸にNANDセルアレイ構造に連結されている。
【0041】
単位セル100a、100b、100c、100d、100e、100f、100g、100hは、第1実施形態に係る単位セル(図1の100)と同じ構造である。したがって、単位セルの構造は、図1及びその説明を参照できる。また、ここでは、8個の単位セル100a、100b、100c、100d、100e、100f、100g、100hが図示されているが、該当技術分野の当業者によってNANDセルアレイ300構造によって、その数は容易に変更されうる。
【0042】
単位セル100a、100b、100c、100d、100e、100f、100g、100hの抵抗ノードが互いに連結されており、一つの単位セル(例えば、100c)のソースが隣接した単位セル(例えば、100b)のドレインと互いに連結されている。したがって、単位セル100a、100b、100c、100d、100e、100f、100g、100hのチャンネルを何れもターンオンさせれば、最右側の単位セル100hのドレインから最左側の単位セル100aのソースへの導電回路が形成される。
【0043】
特定単位セル、例えば、第5単位セル100eのストレージノードについて記録または読み取り動作をしようとする時には、その他の単位セル100a、100b、100c、100d、100f、100g、100hのチャンネルを何れもターンオンさせるように、制御ゲートに臨界電圧以上のパス電圧を印加する。そして、選択された単位セル100eの制御ゲートには、動作電圧、すなわち、記録電圧または読み取り電圧を印加する。それにより、選択された単位セル100eのストレージノードについて記録または読み取り動作を行う。
【0044】
一方、選択された単位セル100eの抵抗ノードについて記録または読み取り動作をしようとする時にも、その他の単位セル100a、100b、100c、100d、100f、100g、100hのチャンネルを何れもターンオンさせるように、制御ゲートに臨界電圧以上のパス電圧を印加する。そして、選択された単位セル100eの制御ゲートには、0Vを印加してチャンネルをターンオフさせる。また、選択された単位セル100eのソースとドレインとの間には、スイッチをターンオンさせ、抵抗ノードを動作させうる電圧を印加する。それにより、選択された単位セル100eの抵抗ノードについても記録または読み取り動作を行う。
【0045】
NANDセルアレイ300についての消去動作は、通常的なフラッシュメモリ素子と同様に一時に行える。特に、NANDセルアレイ300の抵抗ノードについては、両端c、dに全体消去電圧を印加することにより一度に消去動作を行える。この時、印加される消去電圧は、各単位セルに分配される電圧降下を考慮して選択する。
【0046】
したがって、本発明に係るNVMのNANDセルアレイ300を利用すれば、ハイブリッドマルチビット動作により従来の集積度の限界を逸脱して、メモリの容量を増やす。
【0047】
図5は、本発明の第3実施形態に係るフィン−FET構造のハイブリッドNVM500を示す斜視図である。
【0048】
図5に示すように、フィン−FET構造を形成するように半導体基板502上の第1絶縁膜505上にチャンネル(制御ゲートの内部に形成される)が垂直に形成されており、前記チャンネルの側面及び上面を取り囲む形態に制御ゲート540が形成されている。前記チャンネルと制御ゲートとの間には、電荷保存用の第1ストレージノード530が備えられており、第1ストレージノードは、トンネリング膜である第2絶縁膜525により前記チャンネルと絶縁されており、第3絶縁膜535により制御ゲート540と絶縁されている。前記チャンネルは、ソース510及びドレイン515と連結されており、ソース510及びドレイン515は、それぞれスイッチ555を介して可変抵抗用の第2ストレージノード550と連結されている。
【0049】
第1ストレージノード530は、ポリシリコン、シリコン窒化膜、シリコンドットまたは金属ドットから形成されることが好ましい。また、第2ストレージノード550は、印加される電圧によって抵抗が変わる抵抗状態変化保存物質として、Nb、SrTiO(Crドーピング)、ZrO、GST(GeSbTe)、NiO、TiO及びHfOの群から選択された何れか一つで形成されることが好ましい。
【0050】
フィン−FETセル500は、フィン−FET構造以外には第1実施形態に係る単位セル(図1の100)と類似している。したがって、フィン−FETセル500の動作方法は、第1実施形態に係る単位セル(図1の100)の動作方法についての説明部分を参照して当業者が容易に理解できる。
【0051】
図6は、本発明の第4実施形態に係るハイブリッドNVMのフィン−FETセル600を示す斜視図である。
【0052】
図6に示すように、CMOSフィン−FETセル600は、CMOS構造のチャンネル(制御ゲートの内部に形成される)と、ソース及びドレインのドーピング部分を除いては、フィン−FETセル(図5の500)と類似している。チャンネルは、CMOS構造を形成するように、n型不純物でドーピングされた第1チャンネルとp型不純物でドーピングされた第2チャンネルとに分離されている。例えば、下部にn型不純物でドーピングされた第1チャンネル、そして、上部にp型不純物でドーピングされた第2チャンネルが形成される。それにより、第1チャンネルと連結されるソース610b及びドレイン(図示せず)は、p型不純物でドーピングされ、第2チャンネルと連結されるソース610a及びドレイン615aは、n型不純物でドーピングされることが好ましい。
【0053】
半導体基板602上の第1絶縁膜605上のチャンネルと制御ゲート640との間に、電荷保存用の第1ストレージノード630が備えられる。第1ストレージノード630は、第2絶縁膜625を介してチャンネルと絶縁され、第3絶縁膜635を介して制御ゲート640と絶縁される。この時、第2チャンネルと連結されるソース610a及びドレイン615aは、それぞれスイッチ655を介して可変抵抗用の第2ストレージノード650と連結されている。また、別途の金属コンタクト(図示せず)を介して前記第1チャンネルと連結されるソース610b及びドレインも前記スイッチ655に連結されることがさらに好ましい。すなわち、前記一つのスイッチ655は、前記ソース610a、610bに並列で連結することが好ましい。同様に、他のスイッチ655は、前記ドレインに並列で連結されることが好ましい。
【0054】
CMOS フィン−FETセル600は、フィン−FET構造以外には第1実施形態に係る単位セル(図1の100)と類似している。したがって、CMOSフィン−FETセル600の動作方法は、第1実施形態に係る単位セル(図1の100)の動作方法についての説明部分を参照して、当業者が容易に理解できる。
【0055】
図7は、本発明の実施形態に係るハイブリッドNVMのNANDセル回路を示す回路図である。図7に示すように、本発明に係るハイブリッドNVMは、単純に特定2種類素子、例えば、フラッシュメモリと抵抗メモリとの組み合わせのみに限定されない。
【0056】
ハイブリッドNVMの単位セルは、第1メモリ部A及び第2メモリ部Bを同時に備える。第1メモリ部Aは、電荷保存用の第1ストレージノードを備えており、第1ストレージノードの電荷保存の如何によるチャンネルの臨界電圧変化を利用してデータを保存することが好ましい。このような第1ストレージノードは、ポリシリコン、またはシリコン窒化膜で形成されることが好ましい。すなわち、第1メモリ部Aは、フラッシュメモリまたはSONOSメモリのような動作を行う。
【0057】
第2メモリ部Bは、第1ストレージノードとは異なる方式でデータを保存する第2ストレージノードを備えている。第2メモリ部Bは、第2ストレージノードの抵抗変化を利用してデータを保存することが好ましい。例えば、第2ストレージノードは、誘電膜、強誘電体膜、強磁性体膜、相転移膜、遷移金属酸化膜またはポリマーで形成されることが好ましい。
【0058】
NANDセルアレイの動作方法は、単位セル構造のメモリ素子(図1の100)及びNANDセルアレイ構造のメモリ素子(図4の300)の動作方法についての説明を参照して、当業者が容易に理解できるであろう。
【0059】
発明の特定実施形態についての以上の説明は、例示及び説明を目的として提供された。本発明は、前記実施形態に限定されず、本発明の技術的思想内で当業者によって前記実施形態を組み合わせて実施する等、多様な多くの修正及び変更が可能であるということは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、半導体メモリに関連した技術分野に好適に適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第1実施形態に係るハイブリッドNVMを示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るハイブリッドNVMの動作方法を説明する断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るハイブリッドNVMの動作方法を説明する断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るハイブリッドNVMを示す断面図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係るフィン−FET構造のハイブリッドNVMを示す斜視図である。
【図6】本発明の第4実施形態に係るCMOSフィン−FET構造のハイブリッドNVMを示す斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係るハイブリッドNVMのNANDセル回路を示す回路図である。
【符号の説明】
【0062】
100 NVM、
105 半導体基板、
110 ソース、
115 ドレイン、
120 チャンネル、
125 第1絶縁膜、
130 ストレージノード、
135 第2絶縁膜、
140 制御ゲート、
145 第3絶縁膜、
150 抵抗ノード、
155 スイッチ、
160 第4絶縁膜。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電型半導体基板に形成されたチャンネルと、
前記チャンネルの両端に隣接して形成された第2導電型ソース及びドレインと、
前記チャンネル上の第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜上の電荷記録媒体用のストレージノードと、
前記ストレージノード上の第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜上の制御ゲートと、
前記制御ゲート上の第3絶縁膜と、
前記第3絶縁膜上を覆っている可変抵抗媒体用の抵抗ノードと、
前記抵抗ノードと前記ソース、及び前記抵抗ノードと前記ドレインにそれぞれ連結されているスイッチと、を備えることを特徴とするハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子。
【請求項2】
前記抵抗ノードは、印加される電圧によって抵抗が変わる抵抗状態変化保存物質として、Nb、SrTiO(Crドーピング)、ZrO、GST(GeSbTe)、NiO、TiO及びHfOの群から選択された何れか一つで形成されることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子。
【請求項3】
前記スイッチは、臨界電圧以上が印加された場合のみに電気伝導性を表す遷移金属酸化膜で形成されたことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子。
【請求項4】
前記遷移金属酸化膜は、VまたはTiOであることを特徴とする請求項3に記載のハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子。
【請求項5】
前記ストレージノードは、ポリシリコン、シリコン窒化膜またはシリコンドットまたは金属ドットで形成されたことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子。
【請求項6】
前記第1絶縁膜、前記第2絶縁膜及び前記第3絶縁膜は、シリコン酸化膜を備えることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子。
【請求項7】
前記第1導電型は、p型であり、前記第2導電型は、n型であることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子。
【請求項8】
前記ストレージノード及び前記制御ゲートを絶縁させる第4絶縁膜をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子。
【請求項9】
複数の請求項1に記載のメモリ素子がNANDセルアレイで連結されたものであって、前記各セルの前記抵抗ノードが互いに連結され、一つの該セルの該ソースが隣接した前記セルの該ドレインと互いに連結されていることを特徴とするハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子。
【請求項10】
一つの前記セルの前記スイッチが隣接した前記セルの前記スイッチと互いに連結されていることを特徴とする請求項9に記載のハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子。
【請求項11】
前記抵抗ノードは、印加される電圧によって抵抗が変わる抵抗状態変化保存物質として、Nb、SrTiO(Crドーピング)、ZrO、GST(GeSbTe)、NiO、TiO及びHfOの群から選択された何れか一つで形成されたことを特徴とする請求項9に記載のハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子。
【請求項12】
前記スイッチは、臨界電圧以上が印加された場合のみに電気伝導性を表す遷移金属酸化膜で形成されたことを特徴とする請求項9に記載のハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子。
【請求項13】
前記遷移金属酸化膜は、VまたはTiOであることを特徴とする請求項12に記載のハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子。
【請求項14】
前記ストレージノードは、ポリシリコン、シリコン窒化膜、シリコンドットまたは金属ドットで形成されたことを特徴とする請求項9に記載のハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子。
【請求項15】
請求項1に記載のメモリ素子を利用した動作方法であって、該チャンネルと該制御ゲートとの間に印加される電圧を調節して、前記チャンネルをターンオンさせて該ストレージノードを第1記録媒体として利用し、前記ソースと前記ドレインとの間に印加される電圧を調節して、該スイッチをターンオンさせて前記抵抗ノードを第2記録媒体として利用することを特徴とするハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子の動作方法。
【請求項16】
前記第1記録媒体についての記録動作は、前記ソースと前記ドレインとの間に前記スイッチをターンオフさせるように臨界電圧以下の電圧を印加し、前記チャンネルと前記制御ゲートとの間に記録電圧を印加することにより、前記ストレージノードに電荷を蓄積させて行うことを特徴とする請求項15に記載のハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子の動作方法。
【請求項17】
前記第2記録媒体についての記録動作は、前記チャンネルと前記制御ゲートとの間に0Vを印加して前記チャンネルをターンオフさせ、前記ソースと前記ドレインとの間に異なる記録電圧を印加して前記スイッチをターンオンさせ、また前記抵抗ノードの抵抗を低くすることにより行うことを特徴とする請求項16に記載のハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子の動作方法。
【請求項18】
前記第1記録媒体についての読み取り動作は、前記ソースと前記ドレインとの間に前記スイッチをターンオフさせるように臨界電圧以下の電圧を印加し、前記チャンネルと前記制御ゲートとの間に読み取り電圧を印加して、前記チャンネルの臨界電圧の変化を読み取ることにより行うことを特徴とする請求項15に記載のハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子の動作方法。
【請求項19】
前記第2記録媒体についての読み取り動作は、前記チャンネルと前記制御ゲートとの間に0Vを印加して前記チャンネルをターンオフさせ、前記ソースと前記ドレインとの間に異なる読み取り電圧を印加して前記スイッチをターンオンさせ、前記抵抗ノードを通った電流の変化を測定することにより行うことを特徴とする請求項18に記載のハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子の動作方法。
【請求項20】
前記第1記録媒体についての消去動作は、前記ソースと前記ドレインとの間に前記スイッチをターンオフさせるように臨界電圧以下の電圧を印加し、前記チャンネルと前記制御ゲートとの間に消去電圧を印加して、前記ストレージノードに保存された電荷を消去することを特徴とする請求項15に記載のハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子の動作方法。
【請求項21】
前記第2記録媒体についての消去動作は、前記チャンネルと前記制御ゲートとの間に0Vを印加して前記チャンネルをターンオフさせ、前記ソースと前記ドレインとの間に異なる消去電圧を印加して前記スイッチをターンオンさせ、また前記抵抗ノードの抵抗を高くすることを特徴とする請求項20に記載のハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子の動作方法。
【請求項22】
請求項9に記載のメモリ素子を利用した動作方法であって、該NANDセルアレイで動作させようとするセルを選択し、前記選択されたセル以外の該セルの該制御ゲートには前記チャンネルをターンオンさせるパス電圧を印加し、前記選択されたセルの該制御ゲートには動作電圧を印加して、前記選択されたセルのストレージノードを第1記録媒体として利用し、前記選択されたセルの前記ソースと該ドレインとの間に異なる動作電圧を印加して、前記選択されたセルの該抵抗ノードを第2記録媒体として利用することを特徴とするハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子の動作方法。
【請求項23】
前記抵抗ノードからなる前記第2記録媒体についての消去動作は、互いに連結された前記抵抗ノードの両端に消去電圧を印加することにより、前記NANDセルアレイの全体セルに対して一度に行うことを特徴とする請求項22に記載のハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子の動作方法。
【請求項24】
第1絶縁膜上に垂直に形成され、一方向に拡張するチャンネルと、
前記チャンネルの側面及び上面を取り囲んでいる電荷保存用の第1ストレージノードと、
前記チャンネルの前記一方向の両端に連結されるソース及びドレインと、
前記ソース及びドレインと連結される可変抵抗用の第2ストレージノードと、を備えることを特徴とするフィン−FET構造のハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子。
【請求項25】
前記ソース及び前記第2ストレージノードと、前記ドレイン及び前記第2ストレージノードは、臨界電圧以上が印加された場合のみに電気伝導性を表すスイッチを介して連結されたことを特徴とする請求項24に記載のフィン−FET構造のハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子。
【請求項26】
前記第1ストレージノードは、ポリシリコン、シリコン窒化膜、シリコンドットまたは金属ドットで形成されたことを特徴とする請求項24に記載のフィン−FET構造のハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子。
【請求項27】
前記第2ストレージノードは、印加される電圧によって抵抗が変わる抵抗状態変化保存物質として、Nb、SrTiO(Crドーピング)、ZrO、GST(GeSbTe)、NiO、TiO及びHfOの群から選択された何れか一つで形成されたことを特徴とする請求項24に記載のフィン−FET構造のハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子。
【請求項28】
第1絶縁膜上に垂直に積層されて形成され、一方向に拡張し、第2絶縁膜により分離されている第1導電型不純物でドーピングされた第1チャンネル、及び第2導電型不純物でドーピングされた第2チャンネルと、
前記チャンネルの側面及び上面を取り囲んでいる電荷保存用の第1ストレージノードと、
前記第1ストレージノードを取り囲んでいる第3絶縁膜と、
前記第3絶縁膜を取り囲んでいる制御ゲートと、
前記チャンネルの前記一方向の両端に連結されるソース及びドレインと、
前記ソース及びドレインと連結される可変抵抗用の第2ストレージノードと、を備えることを特徴とするCMOS フィン−FET構造のハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子。
【請求項29】
第1方式でデータを保存できる第1ストレージノードを備えている第1メモリ部と、
前記第1メモリ部と異なる第2方式でデータを保存できる第2ストレージノードを備えている第2メモリ部とを備えるが、前記第1メモリ部及び第2メモリ部は、ソース及びドレインを共有することを特徴とするハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子。
【請求項30】
前記第1メモリ部は、前記第1ストレージノードの電荷保存如何によるチャンネルの臨界電圧の変化を利用してデータを保存し、前記第2メモリ部は、前記第2ストーリーノードの抵抗変化を利用してデータを保存することを特徴とする請求項29に記載のハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子。
【請求項31】
前記第1ストレージノードは、ポリシリコンまたはシリコン窒化膜で形成されることを特徴とする請求項29に記載のハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子。
【請求項32】
前記第2ストレージノードは、誘電膜、強誘電体膜、強磁性体膜、相転移膜、遷移金属酸化膜またはポリマーで形成されることを特徴とする請求項29に記載のハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子。
【請求項33】
請求項31に記載のメモリ素子は、NANDセルアレイで連結されていることを特徴とするハイブリッドマルチビット不揮発性メモリ素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−191033(P2006−191033A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−367063(P2005−367063)
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FRAM
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】