説明

フォトレジスト除去プロセッサ及び方法

処理チャンバ(20)が、任意に過酸化水素などの酸化剤とともに硫酸などの酸の存在下で基板上に直接赤外線放射を行うことを通じて硬化フォトレジストをうまく除去する。この処理チャンバは、ウェハを保持して任意に回転させるためのウェハホルダ(26)を含む。赤外線照射アセンブリ(126)が、処理チャンバ内に赤外光を放射するように配置された、処理チャンバの外側の赤外線ランプ(140)を有する。これらの赤外線ランプは、ホルダ上のウェハ表面の実質的に全体を照射するように配列することができる。この赤外線放射アセンブリに冷却アセンブリ(150)を組み合わせて、迅速な冷却を行うとともに過剰処理を回避することができる。少量の薬品溶液を使用してフォトレジストが除去される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
通常、半導体ウェハパターンは、ウェハ表面にフォトレジストを適用することにより形成される。ウェハ上にパターンを露光するとフォトレジストの化学結合が変化し、これにより現像液を使用して一部の領域を除去できるようになる一方で、他の領域は現像液に対して比較的不活性となる。フォトレジストは、ポジ型又はネガ型のいずれかであることができ、これは現像液内で露光領域又は非露光領域のいずれが除去されるかを示す。いずれの場合にも、ウェハ上にパターンが形成され、これを使用して被覆領域をマスクする。このマスキング効果が、下位層を様々なエッチング液の影響及びイオン注入から保護する。このような処理の後には、フォトレジストを除去しなければならない。
【0002】
従来、フォトレジストの除去は、酸素、オゾン、又は亜酸化窒素含有環境におけるプラズマアッシングによって、硫酸又は硫酸と過酸化水素の混合物中における酸化によって、或いはオゾン/水溶液中における除去によって行われてきた。有機溶媒中におけるフォトレジスト溶解も使用されるが、通常、この方法は、強い酸化環境に侵される可能性のある金属フィルム又はパターンを有する半導体ウェハのためのものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
フォトレジストの除去には、様々な湿式プロセス薬品が使用されてきた。しかしながら、多くの場合、これまでのウェハ処理では、液状薬品がもはやフォトレジストの除去に有効でなくなる程度までフォトレジストが硬化又は架橋することがあった。フォトレジストの硬化は、エッチングプロセス中の過度のプラズマ照射によって起きることがある。フォトレジストの硬化は、例えば1E15原子/cm2を超える注入量でイオン注入を行ったときにもよく起きる。硬化したフォトレジストを除去する際には、プラズマアッシング及び乾式オゾンアッシングが非常に有効である。しかしながら、これらのプロセスでは、プラズマの損傷、ホットエレクトロン注入の可能性、可動イオンの移動、及び表面攻撃に起因して、デバイス性能が劣化する可能性がある。従って、製造中の半導体デバイスに有害な影響を与えずに硬化フォトレジストを除去するための新たな技術が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
新規の処理チャンバが、硬化フォトレジストをうまく除去する。硫酸などの酸の存在下で、任意に過酸化水素などの酸化剤とともにウェハ上への直接IR放射を使用することにより、フォトレジストが迅速かつ効果的に除去される。1つの態様では、新規の処理チャンバが、ウェハを保持して回転させるためのロータを含むことができる。処理チャンバの外側に赤外線ランプを有する赤外線照射アセンブリを配置して、処理チャンバ内に赤外光を照射することができる。これらの赤外線ランプは、ロータ上のウェハ面のほぼ全体を照射するように配置することができる。この赤外線放射アセンブリに冷却アセンブリを付随させ、急速冷却を行って過剰処理を避けることができる。
【0005】
新規のプロセスでは、非常に少量の硫酸などの酸を、任意に過酸化水素などの酸化剤とともにウェハ上のフォトレジスト上に加える。放射加熱を通じてウェハ温度を急速に高める。その後、ウェハを冷却する。放射エネルギー及び/又は加熱を伴う化学反応によってフォトレジストが除去される一方で、化学薬品の消費量は最小限に抑えられる。本発明は、説明するプロセッサの副結合又は下位システムにも関する。
【0006】
図面では、各図において同じ数字が同じ要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】フォトレジストを除去するためのプロセッサの正面斜視図である。
【図2】図1に示すプロセッサの断面図である。
【図3】図1に示すプロセッサの平面図である。
【図4】図1に示すプロセッサの背面斜視図である。
【図5】代替設計の断面図である。
【図6】図1に示すヒータハウジングを見上げた底面図である。
【図7】図1に示すランプハウジングを見上げた底面図である。
【図8】図6に示す赤外線放射ハウジングのカバーを取り外した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ここで図面を詳細に参照すると、図1に示すように、プロセッサ20が、第1の、すなわち下側チャンバアセンブリ22と、第2の、すなわち上側チャンバアセンブリ24とを含む。図1に示す設計では、下側チャンバアセンブリ22が、ベースプレート30上に支持されたボウル32を含む。下側チャンバアセンブリ22内には、シリコンウェハなどのウェハ70を保持して回転させるロータアセンブリ26が収容される。或いは、固定式又は非回転式ウェハホルダを使用してもよい。
【0009】
図2に示すように、ボウル32は、流体を収集して除去するための、排液管取付部36を有する流体収集トラフ34を含むことができる。ボウル32の上面38上には、Oリングなどのシール要素40が設けられる。ロータアセンブリ26は、ウェハ70を保持するプレートアセンブリ80を回転させるモータ50を含む。トッププレート81とロータプレート82の間にシールドプレート64が挟まれて、ロータハブ56に取り付けられる。プレートアセンブリ80の構成部品は、プレートクリップ86によってともに保持される。プレートアセンブリ80からは、フィンガ84が直角に延びてロータプレート82の周囲に位置する。ウェハ70は、ロータプレート82から間隔を空けて、これと実質的に平行にフィンガ84上に載置される。図2に示す特定の設計では、ロータアセンブリ26が、上部軸54及び下部軸60にそれぞれ接続されたロータハブ56も含む。駆動軸は自由に回転するが、モータ50は適所に固定され続ける。モータ50は、下側チャンバアセンブリ22内のロータアセンブリ26を回転可能に支持するために、ベースプレート30に取り付けられたモータ取付板52上に支持することができる。
【0010】
プレートアセンブリ80には、ロータアセンブリ上のフィンガ84又は同様の装置を取り付け、その端部にウェハ70を支持して保持する。ロータアセンブリ26には、上部駆動軸54、下部駆動軸60及びモータ50に液体が達するのを防ぐシールド66が取り付けられる。ロータアセンブリ26は、使用できる様々な設計の1つを表すものである。
【0011】
さらに図2を参照すると、上側チャンバアセンブリ24は、下側リップ104及び上側リップ106を有する環状上側チャンバ本体102を含むことができる。この本体102を、下側保持リング98を介して持ち上げリング90に取り付けることができる。ここで図1、図2及び図3を参照すると、持ち上げリング90上のリングタブ95に持ち上げ用アクチュエータ92を取り付けることができる。この結果、アクチュエータの持ち上げ動作により、上側チャンバアセンブリ24全体が持ち上がって下側チャンバアセンブリ22から離れる。持ち上げリング90は、耐食鋼又は同様の材料で作成することができる。この持ち上げリング90を、プロセッサ20内で使用される腐食性プロセス流体から保護するために、持ち上げリング90上にボウルリング96を設けることができる。図2に示すように、プロセッサ20が閉位置、すなわちプロセス位置にある場合、ボウルリング96の底面がシール要素40に係合して、上側チャンバアセンブリ24を下側チャンバアセンブリ22に対して密封する。
【0012】
図示の設計では、使用する持ち上げ用アクチュエータが、上向きに延びてリングタブ95に取り付けられるシャフトを有する、ベースプレート30上に支持された持ち上げアクチュエータ92を含む。図1には、3つの持ち上げアクチュエータの使用を示しているが、これよりも多くの又は少ない持ち上げアクチュエータを使用してもよい。
【0013】
図5に、図2に示す設計と同じ要素を有するが、異なる特定の構成部品を選択した代替のプロセッサを示す。例えば、図5に示すように、異なるモータ50、ボウル32、ロータアセンブリ26、及びその他の構成部品が使用される。
【0014】
図2及び図5に示すように、プロセッサ20が閉位置、すなわちプロセス位置にある場合、上側チャンバアセンブリ22と下側チャンバアセンブリ24の間に全体的に28で示す処理チャンバが形成される。チャンバ28内には、流体出口又はノズルによってプロセス流体が供給される。様々なノズルの数、種類、及び位置を使用することができる。図2及び図5には、上側チャンバ本体102の円筒側壁108に取り付けられたノズルを示している。ノズルには、供給ライン(図示せず)によってプロセス流体が送達される。噴霧ノズル又は噴射ノズルを含む様々な種類のノズルを使用することができる。後述するプロセスを実行するために、プロセッサ20は、少なくとも硫酸噴霧ノズル112及び過酸化水素噴霧ノズル114を備える。一般に、プロセッサ20は、上部及び下部脱イオン水ノズル116も含む。上部と下部の対になった水ノズル116を使用することができる。通常は、2又はそれ以上のこれらのノズルを使用する。図4に、ノズル及び流体取付部の後端部を示す。図2に戻ると、チャンバ28内には、熱電対センサ又は近接センサなどの1又はそれ以上のチャンバ温度センサ122を設けて、処理中のウェハのおおよその温度を求めることができる。
【0015】
図2に示すように、上側チャンバ本体102上には、上側リテーナプレート134を介してヘッドプレート130が固定される。ヘッドプレート130には排気プレート132がしっかりと保持され、これらの間には赤外線透過ウィンドウ148が保持される。ヘッドプレート130及び排気プレート132はそれぞれ、プレートアセンブリ80上に概ね適合して中心を置く中心貫通開口部を有する。この開口部にわたって赤外線透過ウィンドウ148が広がり、ヘッドプレート130と排気プレート132の両方を密封することができる。赤外線透過ウィンドウ148は、光及び/又は赤外線放射線がウィンドウを通過して、プレートアセンブリ80上に位置するウェハ70によって吸収されるように位置付けられる。排気プレート132は、少なくとも1つの排気ポート133を有する。排気ポート133は、液体、気体及び蒸気が処理チャンバ28から除去されるようにする。
【0016】
図2、図5、図6及び図8には、やはり上側チャンバアセンブリ24のヘッドプレート130上に支持できる放射又は赤外線(IR)アセンブリ126を示している。図2に示すように、赤外線透過ウィンドウ148上には、IRランプ140がアレイ状に設けられる。ランプ140は、ランプハウジング138内のホルダ又はブラケット142上に懸架することができる。図8に示すように、ランプハウジングには、熱電対などの1又はそれ以上のハウジング温度センサ144を取り付けることができる。ランプ140は、電力ケーブル156によって電力を供給される。
【0017】
図6を参照すると、ランプ140は、ウィンドウ148の表面積全体にわたって概ね均等に広がるように、互いにアレイ状に概ね均等に間隔を空けている。300mm直径のウェハを処理するには、8つの単素子ランプ140を使用することができる。これらのランプは、ウィンドウ148を通じてウェハ70の表面全体上に実質的に均等な直接(見通し)IR放射線を供給する。ウェハ表面に衝突するIR放射エネルギーは、ウェハ表面にわたって30%未満、20%未満、10%未満、又は5%未満だけ変化することが好ましい。図6及び図7に示すように、ランプ140は、隣接するランプを通じてランプの端部取付部が加熱されるのを抑えるために、ランプハウジング138内のスロット170に挿入することができる。
【0018】
図2、図6、図7及び図8に示すように、IRアセンブリ126上には冷却システム150が設けられる。この冷却システムは、ランプハウジング138上又はランプハウジング138内に管体152を含むことができる。IRアセンブリ126を冷却するために、適当なときに管体152を通じて液体冷却材が給送される。液体冷却材は、IRアセンブリ126のハウジングカバー128上に存在できる取付部154に接続する供給ラインを通じて管体152に供給される。管体152は、ランプハウジング138内のヒートシンクプレート160内を延びることができる。冷却システム150は、空気マニフォルド146、及びランプハウジング138内を通る及び/又はこれを取り巻く流路を含むこともできる。冷却空気は、供給パイプ(図示せず)に通じる空気入口145を通じて導入され、空気マニフォルド146を通過して分散し、IRアセンブリ126内を進み、空気排出ライン158を通じて流出することができる。
【0019】
使用時には、プロセッサ20は、最初に図1に示すようなロード/アンロード位置に置かれる。上側チャンバアセンブリ24を下側チャンバアセンブリ22から持ち上げて、プレートアセンブリ80に横からアクセスできるようにする。ウェハ70を、手動で、又はより一般的にはロボットによってトッププレート81上に置く。このウェハをフィンガ84に載置する。次に、持ち上げアクチュエータ92によって上側チャンバアセンブリ24を下側チャンバアセンブリ22上に下げ、これらの間に処理チャンバ28を形成する。このとき、プロセッサ20は、図2及び図5に示すプロセス位置にある。ボウルリング96をシール40に対して密封して、チャンバ28を実質的に密閉することができる。チャンバ28は、(真空ラインを通じて)排気することもできるが、必ずしも気密である必要はない。或いは、プロセッサ20を、プロセス薬品の蒸気が周囲環境に容易に逃げ出さないように設計することもできる。
【0020】
プロセッサがプロセス位置にある場合、ランプ140が点灯し、ウィンドウ148を通じてウェハ70を照射する。ウィンドウ148は、IR放射線に対して実質的に透過的であるとともに化学的に不活性かつ高耐熱性でもあるという理由で石英とすることができる。ウィンドウ148の全長にわたってランプ140を概ね均等に分布させることにより、ウェハ70の表面全体にわたって熱が実質的に均等になる。IR放射線への暴露によって生じる高い処理温度により良く抵抗するために、上側チャンバ本体102及びトッププレート81も石英とすることができる。プレートアセンブリ80内のシールドプレート64は、IR放射線が下側チャンバアセンブリ22内に到達するのを阻止する役に立つ。シールドプレート64も、反射皮膜を施した石英プレートとすることができる。一般に、シールドプレート64よりも下の構成部品は極端な温度に曝されないので、通常の金属又はプラスチック材料とすることができる。
【0021】
チャンバ28内には、硫酸が任意に過酸化水素とともに同時に、又は順次に、或いは交互パルスで供給される。一般に、これらのプロセス薬品は液体としてノズルに供給され、その後チャンバ28内に導入される。一方又は両方のプロセス薬品を、プロセスチャンバ28内の独立したノズル又はポートから霧状の小飛沫流の形でチャンバ28内に同時に送出することができる。ウェハの局所的な一時的冷却を避けるには、(より大きな飛沫を形成する)噴射よりも(エアロゾル又はミストを形成する)噴霧の方が役立つ。これにより、ウェハ全体にわたる処理均一性が向上する。モータ50が作動して、ロータアセンブリ26及びウェハ70を回転させる。ウェハ70にプロセス薬品を加える場合には、10〜300rpmの回転速度を使用することができる。回転により、ウェハ70の表面上にIR放射線の均一性、従って加熱の均一性がさらに加わる。
【0022】
過酸化水素と硫酸を組み合わせることにより、酸化電位の高い準安定中間化合物が形成される。より一般的なものの2つに、H2SO5(カロ酸又はペルオキソ一硫酸)とH228(ペルオキソ二硫酸又はPDSA)がある。これらの化合物は、分解してから再び硫酸を形成するまでの寿命が限られている。過酸化水素と硫酸は、チャンバ28内に別個に供給されると、チャンバ内のウェハ70の周囲領域の蒸気雲内で、従ってウェハ表面上でも直接反応する。これにより、これらの相互作用によって形成された高度に酸化した準安定薬品が、ウェハ表面上のフォトレジストの酸化を直ちに後押しできるようになり、これらが分解を開始する前にフォトレジスト除去プロセスに寄与することができる。このプロセスは、制御された量の過酸化水素と硫酸をウェハ表面に加えて、ウェハ表面上に酸化電位の高い準安定化合物を供給することができる。
【0023】
ウェハ70の温度、又はウェハ上のプロセス薬品液膜の温度は、温度センサ122によってモニタすることができる。温度センサ122及びランプ140への電力の調整を通じて、水温を閉フィードバックループの形で制御することができる。この制御は、プロセッサ20に関連する、又は施設内に遠隔的に配置された電子コントローラ又はコンピュータによって行うことができる。このコントローラは、プロセッサの他の動作を制御することもできる。
【0024】
プロセスパラメータは、除去するフォトレジストの種類に応じて異なることがある。一例として、霧状の硫酸及び過酸化水素をそれぞれ噴霧化ノズル112及び114を通じてチャンバ28内に送出している間に、ウェハ70の温度は、室温(20℃)から200℃、250℃、300℃、又は350℃を超えるまで急速に上昇する。上昇間隔は、約5秒から30〜45秒とすることができる。温度が上昇した後、この温度を約20〜180秒、又はこれよりも長い間、ドエル期間温度に安定させて保持する。任意に、同時にウェハ70を回転させて、加熱及びプロセス薬品の分布をより均一にすることができる。ドエル期間後、処理時間を短縮するためにウェハ70を急速に冷却することができる。急速冷却は、主にIRランプ140及びランプハウジング138を冷却する冷却アセンブリ150を通じて行うことができる。ウェハ70上に流体を噴射することにより、主にウェハ70を冷却する。この流体噴射は、ノズル116からのDI水で構成することができる。フォトレジストによっては、上昇間隔中に完全に除去できて、ドエル期間が不要なものもある。
【0025】
フォトレジストの除去後、及び急速冷却の一部として、ウェハ70を高温のDI水で、その後室温のDI水ですすぐことができる。この後、同じチャンバ28内で又は異なる処理チャンバ内で、任意に硫酸残基又はその他の物質を除去するための洗浄ステップを行うことができる。
【0026】
ランプハウジング温度センサ144が、ランプハウジング138が設定温度を超えたことを検知した場合、冷却アセンブリ150内の管体152を通じて冷却水が給送される。一般に、冷却水は、ランプ140が点灯しているときには常に、及びこれらのランプが消された後のある期間にわたって管体又はコイル152内を移動する。さらなる冷却を行うために、清浄化した乾燥空気がIRアセンブリ126を通じて同様に給送され又は引き込まれる。冷却アセンブリ150は、IRアセンブリ126からの迷走IR放射線を阻止し、隣接する装置が加熱するのを抑制又は回避する。
【0027】
処理が完了すると、持ち上げアクチュエータ92が、上側チャンバアセンブリ24を下側アセンブリ22から離して持ち上げる。その後、処理済みのウェハ70を除去し、プロセッサ20内に次のウェハをロードすることができる。
【0028】
過酸化水素及び硫酸を使用する従来の噴射又はウェットベンチ処理と対照的に、プロセッサ20は、超高温での処理を可能とする。これらのプロセス薬品溶液はバルク液体の形で供給されないので、これらの溶液が沸騰しても処理温度が制限されることはない。薬品溶液の予熱に伴う厄介な問題を回避することもできる。同様に、高温の薬品溶液の給送及び取り扱いの必要がなく、これにより設備の設計が単純化され、信頼性が高まる。
【0029】
実験結果では、フォトレジストを除去する上で、直接IR放射が他の形の加熱よりも有効であることが示された。IR放射自体が、フォトレジストの化学結合及び架橋に作用すると思われる。直接IRを使用するフォトレジスト除去速度は、IR放射から隠れたウェハ部分であっても、ホットプレート試験での除去速度よりも高い。
【0030】
過酸化水素及び硫酸を噴霧してオンウェハで混合して加熱することで、プロセス薬品の消費が最小限に抑えられる。以下の実施例に記載する試験では、フォトレジストによっては、300mmウェハ上にわずか10mlの薬品溶液を使用して完全に除去できるものもあることが示されている。少量の薬品溶液しか必要としないので、薬品溶液を一度使用すればよく、これらを再利用する必要性及びこれに伴う問題が排除される。必要な薬品溶液の量は、除去するフォトレジストの種類によって異なることがある。以下の実施例1及び実施例8〜実施例11では、使用する薬品溶液の総量は45mlである。対照的に、公知のフォトレジスト除去方法では、通常、300mmウェハ当たり約1500mlの薬品溶液を使用する。同様に、以下の実施例1及び実施例8〜実施例11では、20ml/分の流量のH2SO4と10ml/分の流量のH22を使用するのに対し、公知のフォトレジスト除去方法では、通常、両方ともに500ml/分の流量のH2SO4とH22を使用し、合計流量は約1000ml/分となる。
【0031】
実施例2及び実施例6では、それぞれ合計で10ml及び9mlという非常に少ない薬品溶液の消費量が示されている。従って、この方法は、非常に少量の薬品溶液を使用して行うことができる。例えば、300mm直径のウェハ上のフォトレジストを除去するプロセスでは、総薬品溶液消費量(通常はH2SO4及びH22)を、500ml以下、250ml以下、100ml以下、50ml以下、30ml以下、15ml以下又は10ml以下とすることができる。これに応じて、本プロセスでは、H2SO4の流量を、100ml/分以下、50ml/分以下、20ml/分以下、10ml/分以下、又は5ml/分以下とすることができ、一般にH22の流量はH2SO4の流量の約半分と同等である。この結果、本プロセスでは、合計流量が150ml/分以下、75ml/分以下、30ml/分以下、20ml/分以下、又は10ml/分以下となる。比例的に大きな又は小さな表面積を有する他のサイズのウェハ上では、同様に比例的に多くの又は少ない最大薬品溶液量(及び流量)を使用することができる。
【0032】
プロセッサ20は、ウェハ以外の基板からフォトレジストを除去するために使用することもできる。従って、ここで使用する「ウェハ」という用語は、他の基板及びワークピースも含む。
【0033】
異なるパラメータでの実施例
以下のパラメータ:1)温度傾斜、2)基板の温度を記録することによって計測した一定温度(℃)、3)秒単位の曝露時間、4)H22に対するH2SO4の比率、5)使用する液体薬品のミリリットル単位の全容積、及び6)毎分回転数(「RPM」)で計測したウェハの回転、を変化させて試験を行った。
【0034】
フォトレジストの除去は、フォトレジストの種類、注入量、注入エネルギー、注入イオン種、及びフォトレジストの厚みに応じて異なることがある。以下の実施例に記載する条件は、別途示さない限り、BF2を30KeV及び4E15原子/cm2で注入した1μm厚の248nmDUVレジストの組にパラメータを最適化することによって設定したものである。
【実施例1】
【0035】
一般的プロセス:レジストで被覆したウェハを、薬品比率2(1部のH22に対して2部のH2SO4)に従って90秒間曝露した。この基板を、IRランプの下で100RPMで回転させた。ウェハ温度を室温から250℃に20秒で高めるようにランプ出力を設定した。この温度を70秒間維持し、この時点でランプ出力を切り、DIリンスによって温度を室温近くに戻した。フォトレジストは全て除去された。H22の流量は10ml/分であり、H2SO4の流量は20ml/分であった。薬品の総使用量は45mlであった。この試験では、この方法が、高度に注入したレジスト試料の95%を除去する上で有効なはずであることが示唆される。
【実施例2】
【0036】
低薬品使用量プロセス:非注入、1μmの248DUVレジストウェハを、薬品比率2に従って20秒間曝露した。この基板を、IRランプの下で100RPMで回転させた。ウェハ温度を室温から250℃に20秒で高めるようにランプ出力を設定した。このプロセス全体を通じて、ウェハ温度は25℃から250℃に変化した。温度が250℃に達するとすぐに、DIリンスによってウェハを室温近くに戻した。全てのフォトレジストが除去された。H22の流量は10ml/分であり、H2SO4の流量は20ml/分であった。薬品の総使用量は10mlであった。この実施例は、ある種のレジストを少量の薬品で完全に除去できることを示している。
【実施例3】
【0037】
過酸化水素不使用:レジストウェハを、薬品比率無限大に従って90秒間曝露した。この基板を、IRランプの下で100RPMで回転させた。ウェハ温度を室温から250℃に20秒で高めるようにランプ出力を設定した。この温度を70秒間維持し、この時点でランプ出力を切り、DIリンスによって温度を室温近くに戻した。フォトレジストは実質的に除去された。H22の流量は0.0ml/分であり、H2SO4の流量は20ml/分であった。薬品の総使用量は30mlであった。この実施例は、H22を添加するとプロセス性能は高まるが、これが全てのレジストタイプに必要なわけではないことを示している。
【実施例4】
【0038】
過剰な過酸化物比:レジストウェハを、薬品比率0.1に従って90秒間曝露した。この基板を、IRランプの下で100RPMで回転させた。ウェハ温度を室温から250℃に20秒で高めるようにランプ出力を設定した。この温度を70秒間維持し、この時点でランプ出力を切り、DIリンスによって温度を室温近くに戻した。フォトレジストは部分的に除去された。H22の流量は20ml/分であり、H2SO4の流量は2ml/分であった。薬品の総使用量は33mlであった。この実施例は、硫酸よりも過酸化水素の方がかなり多い薬品混合物は、依然としてフォトレジストを除去することはできるが、硫酸の比率の方が高いものほど効率的ではないことを示している。その後の観察では、H2SO4の低い混合物は250℃未満の温度で沸騰することが示された。薬品の液体から気体への変換が、このプロセスの有効性を制限している可能性がある。
【実施例5】
【0039】
高い総薬品量:ウェハを、薬品比率2に従って100秒間曝露した。この基板を、IRランプの下で100RPMで回転させた。ここでは、ウェハ温度を室温から250℃に30秒で高めるようにランプ出力を設定した。この温度を70秒間維持し、この時点でランプ出力を切り、DIリンスによって温度を室温近くに戻した。全てのフォトレジストが除去された。H22の流量は100ml/分であり、H2SO4の流量は200ml/分であった。薬品の総使用量は500mlであった。この実施例は、より高い分注速度及び使用量の薬品は、レジスト除去に関しては実現可能であるが、薬品を加熱するため、及び温度を所定の設定点に維持するためにより多くのエネルギーが必要になることを示している。
【実施例6】
【0040】
低薬品分注速度:非注入、1μmの248DUVレジストを、薬品比率2に従って20秒間曝露した。この基板を、IRランプの下で100RPMで回転させた。ウェハ温度を室温から250℃に20秒で高めるようにランプ出力を設定した。このプロセス全体を通じて、ウェハ温度は25℃から250℃に変化した。温度が250℃に達するとすぐに、DIリンスによってウェハを室温近くに戻した。全てのフォトレジストが実質的に除去された。H22の流量は2ml/分であり、H2SO4の流量は4ml/分であった。90秒にわたって分注した薬品の総使用量は9mlであった。このことは、低い分注量でも、ある種のフォトレジストを除去することはできるが、より高い速度を使用した場合よりも効率が悪いことを示している。
【実施例7】
【0041】
延長時間:BF2を40KeV及び5E16原子/cm2で注入した4μm厚のレジストウェハを、薬品比率2に従って600秒間曝露した。この基板を、IRランプの下で100RPMで回転させた。ウェハ温度を室温から250℃に20秒で高めるようにランプ出力を設定した。この温度を580秒間維持し、この時点でランプ出力を切り、脱イオン水(DI)リンスによって温度を室温近くに戻した。全てのフォトレジストが除去された。H22の流量は10ml/分であり、H2SO4の流量は20ml/分であった。薬品の総使用量は300mlであった。この実施例は、半導体産業内における極端なレジスト条件であっても、曝露時間を延ばした標準条件で除去できることを示している。
【実施例8】
【0042】
高曝露温度:レジストウェハを、薬品比率2に従って90秒間曝露した。この基板を、IRランプの下で100RPMで回転させた。ウェハ温度を室温から350℃に60秒で高めるようにランプ出力を設定した。この温度を30秒間維持し、この時点でランプ出力を切り、DIリンスによって温度を室温近くに戻した。全てのフォトレジストが除去された。H22の流量は10ml/分であり、H2SO4の流量は20ml/分であった。薬品の総使用量は45mlであった。この実施例は、より高い温度を使用してレジストを完全に除去できることを示している。
【実施例9】
【0043】
より低い最高温度:非注入レジストウェハを、薬品比率2に従って90秒間曝露した。この基板を、IRランプの下で100RPMで回転させた。ウェハ温度を室温から100℃に20秒で高めるようにランプ出力を設定した。この温度を70秒間維持し、この時点でランプ出力を切り、DIリンスによって温度を室温近くに戻した。全てのフォトレジストが基板から除去された。H22の流量は10ml/分であり、H2SO4の流量は20ml/分であった。薬品の総使用量は45mlであった。この実施例は、より低温の処理であっても、レジストタイプによってはフォトレジストを完全に除去できることを示している。
【実施例10】
【0044】
より遅い温度上昇速度:レジストで被覆したウェハを、薬品比率2に従って90秒間曝露した。このウェハを、IRランプの下で100RPMで回転させた。ウェハ温度を室温から250℃に40秒で高めるようにランプ出力を設定した。この温度を50秒間維持し、この時点でランプ出力を切り、DIリンスによって温度を室温近くに戻した。フォトレジストは実質的にウェハから除去された。H22の流量は10ml/分であり、H2SO4の流量は20ml/分であった。薬品の総使用量は45mlであった。この実施例は、温度上昇速度がフォトレジスト剥離の一因であり得ることを示している。
【実施例11】
【0045】
ゼロRPM:レジストで被覆したウェハを、薬品比率2に従って90秒間曝露した。ウェハを固定し、IRランプの下で回転させなかった。ウェハ温度を室温から250℃に20秒で高めるようにランプ出力を設定した。この温度を70秒間維持し、この時点でランプ出力を切り、DIリンスによって温度を室温近くに戻した。全てのフォトレジストが除去された。H22の流量は10ml/分であり、H2SO4の流量は20ml/分であった。薬品の総使用量は45mlであった。ゼロRPMであってもウェハは完全に剥離され、RPMがレジスト除去における重要な因子ではない可能性が示唆される。
【実施例12】
【0046】
500RPM:レジストで被覆したウェハを、薬品比率2に従って90秒間曝露した。このウェハを、IRランプの下で500RPMで回転させた。ウェハ温度を室温から250℃に20秒で高めるようにランプ出力を設定した。この温度を70秒間維持した。その後、ランプ出力を切り、DIリンスによって温度を室温近くに戻した。全てのフォトレジストが除去された。H22の流量は10ml/分であり、H2SO4の流量は20ml/分であった。薬品の総使用量は45mlであった。500RPMではウェハが完全に剥離され、RPMがレジスト除去における重要な因子ではない可能性が示される。
【0047】
上記の実施例は、本発明を実施するために、上述した各ステップ又はパラメータの使用が必ずしも不可欠ではなく、基板から除去するフォトレジスト又はその他の有機皮膜の種類に依存することを示している。従って、これらのステップの各々は、必ずしも単独では本発明に不可欠なものではないので、これらの実施例は、上述したステップの各々を必ずしも含まずに本発明の特許を請求する意図を示している。
【符号の説明】
【0048】
20 プロセッサ
22 下側チャンバアセンブリ
24 上側チャンバアセンブリ
26 ロータアセンブリ
28 処理チャンバ
30 ベースプレート
32 ボウル
50 モータ
70 ウェハ
80 プレートアセンブリ
82 ロータプレート
84 フィンガ
90 持ち上げリング
92 持ち上げ用アクチュエータ
102 環状上側チャンバ本体
104 下側リップ
106 上側リップ
112 硫酸噴霧ノズル
118 ノズル
126 赤外線アセンブリ
130 ヘッドプレート
132 排気プレート
134 上側リテーナプレート
138 ランプハウジング
140 赤外線ランプ
148 赤外線透過ウィンドウ
150 冷却システム
152 冷水管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハからフォトレジストを除去する方法であって、
前記ウェハを閉じたチャンバ内に入れるステップと、
前記チャンバの外側に位置する赤外線ランプにより、前記チャンバのウィンドウを通じて前記ウェハの表面上に直接放射する赤外線エネルギーで前記ウェハの前記表面を照射して加熱するステップと、
前記ウェハを硫酸及び過酸化水素に接触させ、該硫酸及び過酸化水素と赤外線放射線を反応させて前記ウェハの前記表面からフォトレジストを除去するステップと、
前記赤外線ランプ周囲の表面を冷却するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記チャンバ内に過酸化水素の噴霧ミストと硫酸の噴霧ミストの混合物を同時に供給するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記過酸化水素及び前記硫酸が、前記チャンバ内に別個の噴霧ノズルから噴射され、前記過酸化水素の噴霧ミストが、前記チャンバ内で及び前記赤外線放射線の存在下で前記硫酸の噴霧ミストと混合されて前記混合物を形成する、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ウェハが300mm直径のウェハであり、供給される過酸化水素と硫酸の総量が100ml以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ウェハが300mm直径のウェハであり、供給される過酸化水素と硫酸の総量が50ml以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ウェハが300mm直径のウェハであり、前記過酸化水素と前記硫酸の総流量が30ml/分以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
300mm直径のウェハからフォトレジストを除去する方法であって、
前記ウェハを閉じたチャンバ内に入れるステップと、
前記ウェハの表面を赤外線放射を通じて照射するステップと、
前記ウェハの表面上に総量100ml以下の過酸化水素と硫酸を加え、前記過酸化水素、硫酸、及び赤外線放射線を反応させて前記ウェハの前記表面からフォトレジストを除去するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
前記ウェハの表面上に総量50ml以下の過酸化水素と硫酸を加えるステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記チャンバのウィンドウを通じて前記ウェハの前記表面上に赤外線放射線を直接発射するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記フォトレジストが非注入型であり、総量20ml以下の過酸化水素と硫酸が使用される、
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項11】
基板から有機皮膜を除去する方法であって、
前記基板をプロセスチャンバ内に入れ、前記チャンバ内に硫酸エアロゾルと過酸化水素エアロゾルの別個の流れを導入するステップと、
前記基板を赤外線放射線で照射して、前記基板の表面温度を上昇時間間隔内で室温から上昇温度に高めるステップと、
前記表面温度をドエル期間にわたって前記上昇温度に維持するステップと、
前記ドエル期間の終わりに前記赤外線放射線を停止するステップと、
前記基板に脱イオン水を噴射するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記上昇温度が少なくとも200℃であり、前記上昇時間間隔が30秒未満である、
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記基板が、120秒未満の合計時間にわたって前記エアロゾル混合物に曝露される、
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
使用する硫酸と過酸化水素の総量が60ml未満である、
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記基板を回転させる、
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項16】
基板から有機皮膜を除去する方法であって、
前記基板を硫酸と過酸化水素のエアロゾル混合物に曝露するステップと、
前記基板を赤外線放射線で照射し、前記基板の表面温度を上昇時間間隔内に室温から上昇温度に高めるステップと、
前記基板の表面温度が前記上昇温度に達したときに前記赤外線放射線を停止するステップと、
前記基板に脱イオン水を噴射するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
硫酸と過酸化水素の総量が15ml未満である、
ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記上昇温度が少なくとも200℃である、
ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
基板から有機皮膜を除去する方法であって、
前記基板上に硫酸を加えるステップと、
前記基板を赤外線放射線で照射し、前記基板の表面温度を上昇時間間隔内に室温から上昇温度に高めるステップと、
前記表面温度をドエル期間にわたって前記上昇温度に維持するステップと、
前記ドエル期間の終わりに前記赤外線放射線を停止するステップと、
前記基板に脱イオン水を噴射するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
前記ドエル期間が少なくとも60秒であり、前記基板が、前記硫酸のエアロゾルに合計110秒未満にわたって曝露される、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記上昇時間間隔が40秒未満である、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項22】
基板から有機皮膜を除去する方法であって、
前記基板上に硫酸及び過酸化水素を加えるステップと、
前記基板を赤外線放射線で照射し、前記基板の表面温度を上昇時間間隔内に室温から上昇温度に高めるステップと、
前記表面温度をドエル期間にわたって前記上昇温度に維持するステップと、
前記ドエル期間の終わりに前記赤外線放射線を停止するステップと、
前記基板に脱イオン水を噴射するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項23】
前記上昇温度が少なくとも350℃である、
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記上昇温度が少なくとも100℃である、
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記硫酸と前記過酸化水素が、エアロゾル混合物として供給される、
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項26】
基板から有機皮膜を除去する方法であって、
前記基板をプロセスチャンバ内に入れるステップと、
前記チャンバ内に、1又はそれ以上の硫酸エアロゾルノズルを介してフロー硫酸エアロゾルを供給するステップと、
前記チャンバ内に、1又はそれ以上の過酸化水素エアロゾルノズルを介してフロー過酸化水素エアロゾルを導入し、該過酸化水素エアロゾルを前記プロセスチャンバ内で前記硫酸エアロゾルと混合させるステップと、
前記基板を前記プロセスチャンバ内のウィンドウを通じて赤外線放射線で照射し、前記基板の表面温度を上昇時間間隔内に室温から上昇温度に高めるステップと、
前記上昇時間間隔の終わりに前記赤外線放射線を停止するステップと、
を含み、前記基板が、前記硫酸及び前記過酸化水素に120秒未満にわたって曝露され、使用する硫酸及び過酸化水素の総量が20ml未満である、
ことを特徴とする方法。
【請求項27】
前記基板を回転させて、前記上昇時間間隔の終わりに前記基板にDI水を噴射する、
ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
基板から有機皮膜を除去する方法であって、
15〜25ml/分の流量の硫酸と、5〜15ml/分の流量の過酸化水素の存在下で、前記基板を回転させるステップと、
前記基板を赤外線放射線で照射し、前記基板の表面温度を室温から少なくとも250℃の温度に高めるステップと、
前記表面温度を、少なくとも360秒のドエル期間にわたって前記上昇温度に維持するステップと、
前記ドエル期間の終わりに前記赤外線放射線を停止するステップと、
前記基板に脱イオン水を噴射するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項29】
処理チャンバ(28)と、
前記処理チャンバ内の、ウェハ(70)を保持するためのホルダ(26)と、
前記処理チャンバ内の複数のノズル(112、114、116、118)と、
前記処理チャンバの外側に存在し、前記処理チャンバ内に、及び前記処理チャンバ内のウェハ表面の実質的に全体上に赤外光を直接放射するように配置された複数の赤外線ランプ(140)を含む赤外線放射アセンブリ(126)と、
前記赤外線放射アセンブリに付随する冷却アセンブリ(150)と、
を備えることを特徴とするプロセッサ(20)。
【請求項30】
前記赤外線ランプが、互いに間隔を空けるとともに互いに概ね平行である、
ことを特徴とする請求項29に記載のプロセッサ。
【請求項31】
前記ホルダが、ロータ(26)を備える、
ことを特徴とする請求項29に記載のプロセッサ。
【請求項32】
前記赤外線ランプが、不均一に間隔を空ける、
ことを特徴とする請求項29に記載のプロセッサ。
【請求項33】
前記ホルダが、前記赤外線ランプの1又はそれ以上の長さよりも小さな直径を有するウェハを保持するようになっている、
ことを特徴とする請求項29に記載のプロセッサ。
【請求項34】
前記赤外線ランプが、前記ホルダと前記冷却アセンブリの間に存在する、
ことを特徴とする請求項29に記載のプロセッサ。
【請求項35】
前記赤外線ランプと前記ホルダの間に石英ウィンドウ(148)が存在する、
ことを特徴とする請求項29に記載のプロセッサ。
【請求項36】
前記赤外線ランプが、ヘッドプレート(130)上のヒータハウジング(138)内に存在し、前記冷却アセンブリが、前記ヒータハウジングの外面上に存在する、
ことを特徴とする請求項29に記載のプロセッサ。
【請求項37】
前記冷却アセンブリが、前記ヒータハウジング上に冷水管(152)を含む、
ことを特徴とする請求項29に記載のプロセッサ。
【請求項38】
前記ヒータハウジングが、冷却空気流マニフォルド(146)を含む、
ことを特徴とする請求項29に記載のプロセッサ。
【請求項39】
前記ホルダ上に赤外線遮断層(64)を有する、
ことを特徴とする請求項29に記載のプロセッサ。
【請求項40】
前記ノズルが噴霧ノズルを備え、少なくとも第1のノズルに硫酸源が接続し、少なくとも第2のノズルに過酸化水素源が接続する、
ことを特徴とする請求項29に記載のプロセッサ。
【請求項41】
ウェハプロセッサ(20)であって、
ウェハロータ(26)とプロセス液収集ボウル(32)とを含む第1のチャンバアセンブリ(22)と、
第2のチャンバアセンブリ(24)と、
を備え、前記第2のチャンバアセンブリが、
中心開口部を有するヘッドプレート(130)に取り付けられたチャンバ本体(102)と、
前記チャンバ本体上のノズル(112、114、116、118)と、
前記開口部を覆うウィンドウ(148)と、
前記ウィンドウを通じて放射するように位置付けられた複数の赤外線ランプ(140)と、
前記赤外線ランプ周囲の冷却システム(150)と、
を含み、前記第2のチャンバが、前記第1及び第2のチャンバアセンブリが間隔を空けるロード/アンロード位置から、前記第2のチャンバが、前記第1のチャンバアセンブリと、前記ロータを取り囲む前記チャンバ本体とに対して密封されるプロセス位置に移動可能である、
ことを特徴とするプロセッサ。
【請求項42】
前記本体及び前記ウィンドウが石英を含む、
ことを特徴とする請求項41に記載のプロセッサ。
【請求項43】
前記ランプがアレイ状に整列し、他の少なくとも1つのランプと重なる各ランプから前記ロータに放射線が向けられる、
ことを特徴とする請求項41に記載のプロセッサ。
【請求項44】
前記第2のチャンバアセンブリに取り付けられた、前記第2のチャンバアセンブリを前記プロセス位置から前記ロード/アンロード位置に移動させるための1又はそれ以上のリフタ(92)をさらに備える、
ことを特徴とする請求項41に記載のプロセッサ。
【請求項45】
前記冷却システムが、前記ランプに隣接する冷却水ライン(152)を含む、
ことを特徴とする請求項41に記載のプロセッサ。
【請求項46】
前記冷却システムが、前記ランプを横切る強制空気流を含む、
ことを特徴とする請求項41に記載のプロセッサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−521658(P2013−521658A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556215(P2012−556215)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【国際出願番号】PCT/US2011/026895
【国際公開番号】WO2011/109540
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】