説明

フレキシブル基板及びその製造方法

【課題】配線パターンのランドとビアとを確実に接続することができるフレキシブル基板を提供する。
【解決手段】可撓性を有する基材10と、基材10の上面16と下面18とを電気的に接続するビア20と、ビア20の上に形成されたランド30とを備え、各ランド30は、基材10の横方向(TD方向)の長さよりも当該基材10の縦方向(MD方向)の長さの方が長い形状を有している、フレキシブル基板100である。更に基材の上面及び下面には樹脂層が形成されており、各ランドは前記樹脂層に埋め込まれている。また各ランドと接続するビアは導電性ペーストが充填されて形成されたペーストビアである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブル基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子機器の小型化、軽量化、薄型化および電子回路の高速処理化に伴って、電子部品の小型化および高周波化が強く要求されている。これに対応すべく、各種の実装部品をより高密度に実装することで、配線長を短くして高周波化への対応や小型化への対応を行っている。また、携帯電話等の携帯用電子機器においては、小型化・軽量化・薄型化は最大の課題の一つである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような中、高密度実装を実現できる薄型の配線回路基板として、フレキシブル基板が注目を浴びている(例えば、特許文献2)。従来のフレキシブル基板の製造方法としては、まず、50〜100μm程度の厚さの絶縁シートを用意して、絶縁シートに層間接続用の孔をドリルまたはレーザ加工によって形成し、印刷法を用いて孔に導電性ペーストを充填する(所謂ビアの形成)。次に、絶縁シートの両面に金属箔(銅箔)を積層して、該金属箔を所定の配線パターンに選択的にエッチングすることにより、所定の配線パターンが形成されたフレキシブル基板が得られる。
【特許文献1】特開2003−163422号公報
【特許文献2】特開2001−111189号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、フレキシブル基板の配線パターンの形成方法としては、上述したエッチング処理を施す方法だけでなく、転写により配線パターンを形成する方法もある。図1(a)〜(c)を参照しながら、転写により配線パターンを形成する方法について説明する。
【0005】
まず、図1(a)に示すように、所定の位置にビア520が形成されたシート基材510を用意して、シート基材510の上方及び下方に、所定の配線パターン532が設けられたキャリアシート540を配置する。なお、シート基材510の上面及び下面には、樹脂層514が形成されている。次いで、図1(b)に示すように、キャリアシート540に配置された配線パターン532のランド530と、シート基材510のビア520とが対向して配置されるように位置合わせを行い、熱プレスを実行する。このとき、熱プレスによる圧力によって、配線パターン532(及びそのランド530)はシート基材510の両面に設けられた樹脂層514に埋め込まれる。その後、キャリアシート540を剥離すると、図1(c)に示すように、転写により配線パターン532が形成されたフレキシブル基板が完成する。
【0006】
このように転写による配線パターンの形成では、シート基材に直接ウェットエッチングを行わなくてもよいため、フレキシブル基板の表面にエッチング液等の残渣が存在する虞を排除することができる。
【0007】
本願発明者は、ロールツーロール方式を用いることにより、上述したフレキシブル基板を効率良く量産することができるのではないかと考え、ロールツーロール方式によるフレキシブル基板の製造を検討した。ロールツーロール方式では、フレキシブル基板の主要材料はロール状態(即ち長尺でロール状に巻かれた状態)で供給され、加工をロール状態のまま連続的に実行することができる。ロールツーロール方式による配線パターンの転写は、例えば図2(a)のようにして実行することができる。
【0008】
まず、両面に樹脂層が形成されたシート基材510をロール600から、矢印900の方向へと送り出し、次いで、平板620の熱プレスにより転写工程を実行する。配線パターン532が配置されたキャリアシート540は、ロール640の回転によってロール640から送り出されて、平板620の熱プレスにより配線パターン532を樹脂層514に転写し、その後、キャリアシート540はロール660で巻き取られる。配線パターン532が形成された転写工程後のシート基材510は、再びロール680でロール状に巻き取られ、次工程へと引き渡される。
【0009】
このようにロールツーロール方式では、各製造装置は互いに連結され、基板は各装置間を連続的に流れるので、搬送に伴う手間等を大幅に省くことができる。また、製造ラインの自動化が容易となり、フレキシブル基板を高い製造効率で生産することができる。
【0010】
しかしながら、本願発明者は、ロールツーロール方式により配線パターンを転写する場合には、配線パターンのランドとビアとの位置合わせがうまく実行できないおそれがあると考えた。ロールツーロール方式では、各シートをロール状態から送り出しながら位置合わせを行う必要があるため各シート間の位置合わせは思いのほか難しい作業となる。特に、各シートの進行方向(所謂MD方向:Machine Direction)に沿って位置合わせを行う際には、一旦ロールから送り出したシートを送り戻す制御(即ち元のロールに巻き戻す制御)を行わなければならず、高精度なアライメントを実行できない。従って、図2(b)に示すように、ランド530とビア520とがMD方向に沿って位置ズレするケースも起こり得る。なお、図2(b)は、図2(a)の領域96の部分を拡大して表示したものである。このようにビアとランドとの位置ズレがMD方向に沿って発生した場合には、両者の位置ズレを矯正するのは非常に困難であり、また時間も費やす。
【0011】
さらに、ランドとビアとのMD方向の位置ズレは、加熱工程時にシート基材が変形することによっても起こり得る。つまり、フレキシブル基板のシート基材は非常に薄いフィルムなので、寸法安定性はあまり期待できず、加えて、ロールツーロール方式では、シワや弛みが生じないようにシート基材の進行方向(所謂MD方向)にテンションを掛けた状態で製造されるので、加熱工程を経るとシート基材がMD方向に熱収縮してしまう。この基材の熱収縮により、各ビア間の距離もMD方向において設計よりも小さくなり、ランドとビアとの間で位置ズレが発生し得る。
【0012】
配線パターンのランドとビアとの位置合わせがうまくいかず、ランドとビアとの位置ズレが生じた場合には、フレキシブル基板の表裏の導通が確保できず、接続不良が多く発生するおそれがある。
【0013】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、配線パターンのランドとビアとを確実に接続することができるフレキシブル基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のフレキシブル基板は、可撓性を有する基材と、前記基材の上面と下面とを電気的に接続するビアと、前記ビアの上に形成されたランドとを備え、各ランドは、前記基材の横方向の長さよりも当該基材の縦方向の長さの方が長い形状を有している。
【0015】
ある好適な実施形態では、前記基材の上面及び下面には樹脂層が形成されており、前記各ランドは、前記樹脂層に埋め込まれていることを特徴とする。
【0016】
ある好適な実施形態において、前記各ランドと接続する前記ビアは、導電性ペーストが充填されて形成されたペーストビアである。
【0017】
ある好適な実施形態では、前記基材の縦方向は、ロールツーロール製法における前記基材の進行方向となるMD方向である。
【0018】
ある好適な実施形態において、前記基材の縦方向は、前記基材の横方向と比べて、前記基材の熱収縮量が大きい方向である。
【0019】
ある好適な実施形態では、前記ランドの形状は、その長手方向が前記基材の縦方向に沿った長方形、楕円形、または、長円である。
【0020】
本発明の多層フレキシブル基板は、可撓性を有する基材が複数積層されてなる多層フレキシブル基板であって、前記複数積層された基材のうちの少なくとも一つの基材の上面と下面とを電気的に接続するビアと、前記ビアの上に形成されたランドとを備え、各ランドは、前記基材の横方向の長さよりも当該基材の縦方向の長さの方が長い形状を有している。
【0021】
ある好適な実施形態において、前記各ランドと接続する前記ビアは、導電性ペーストが充填されて形成されている。
【0022】
ある好適な実施形態では、前記基材は、3層以上積層されており、前記3層以上積層された前記基材のうち、前記多層フレキシブル基板の上面及び下面に配置された基材には、メッキビアが形成されている。
【0023】
本発明のフレキシブル基板の製造方法は、ロールツーロール方式によりフレキシブル基板を製造する方法であって、キャリアシートの進行方向に沿って長手方向の形状を有するランドパターンが配置されたキャリアシートを用意する工程(a)と、前記長手方向の形状を有するランドパターンを、ビアが形成された基材シートに対向するように配置する工程(b)と、前記長手方向の形状を有するランドパターンのそれぞれを、前記基材シートのビアに位置合わせしてプレスする工程(c)とを含む。
【0024】
ある好適な実施形態では、前記工程(c)において、一対のローラーで挟み込んでプレスを実行することを特徴とする。
【0025】
本発明の多層フレキシブル基板の製造方法は、ロールツーロール方式により多層フレキシブル基板を製造する方法であって、第1の基材シートの進行方向に沿って長手方向の形状を有するランドパターンが形成された第1の基材シートを用意する工程と、前記第1の基板シートの前記長手方向の形状を有するランドパターンを、ビアが形成された第2の基材シートに対向するように配置する工程と、前記長手方向の形状を有するランドパターンのそれぞれを、前記第2の基材シートのビアに位置合わせしてプレスする工程とを含む。
【0026】
ある好適な実施形態において、前記第2の基材シートに形成された前記ビアは、導電性ペーストが充填されたペーストビアである。
【0027】
ある好適な実施形態では、前記第1の基材シートに形成されたランドパターンのうち、前記ペーストビアと接続する全てのランドパターンが、前記第1の基材シートの進行方向に沿って長手方向の形状を有している。
【発明の効果】
【0028】
本発明のフレキシブル基板は、可撓性を有する基材と、基材の上面と下面とを電気的に接続するビアと、ビアの上に形成されたランドとを備え、各ランドは、基材の横方向の長さよりも当該基材の縦方向の長さの方が長い形状を有しているので、ロールツーロール方式により製造する場合に、MD方向においてビアとランドパターンとの高精度なアライメントを行わなくても、ビアとランドパターンとの電気的な接続を十分に確保することができる。したがって、製造が容易なフレキシブル基板を提供することができ、製造時間も短縮できる。加えて、ランドパターンをMD方向に沿って長手方向の形状とすることで、エッチング工程や熱プレス工程時の熱収縮等に起因するMD方向の寸法変化に追従可能なランドパターンの形状に形成することができ、それゆえビアとランドパターンとの接続不良を確実に抑制することができる。その結果、ビアの接続信頼性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、図面を参照しながら、本発明による実施の形態を説明する。以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
【0030】
まず、図3(a)及び(b)を参照しながら、本発明の実施形態に係るフレキシブル基板100の構成について説明する。図3(a)は、フレキシブル基板100の上面構成を模式的に示す上面図であり、図3(b)は、図3(a)におけるA―A断面を模式的に示した断面図である。
【0031】
本実施形態のフレキシブル基板100は、基材10の上面16及び下面18にそれぞれ配線パターンが形成された両面フレキシブル基板である。フレキシブル基板100は、基材10と、ビア20と、ランド30とから構成されている。
【0032】
基材10は、可撓性を有する樹脂材料からなり、例えばアラミドフィルム、ポリイミドフィルムのような樹脂フィルムである。本実施形態では、基材10として、アラミドフィルムを用いている。また、本実施形態の基材10の上面16及び下面18には、それぞれ樹脂層14が積層されている。樹脂層14は接着性を有し、典型的には接着剤を塗布して形成されている。この樹脂層14は、基材10の両面(上面16及び下面18)に形成された配線パターン32を収容する機能を持つ。なお、本実施形態では、基材10の厚さは4μmで、樹脂層14の厚さは10μmである。
【0033】
ビア20は、基材10の上面16と下面18とを電気的に接続する層間接続部材である。本実施形態のビア20は、レーザ加工によって形成された円形状の孔に導電性ペーストを印刷法により充填して形成されている(所謂ペーストビア)。導電性ペーストは、電気伝導性を有する樹脂からなり、例えば、金属の紛体(例えば銀紛)やカーボン粉を導電性粒子として含む樹脂を用いることができる。
【0034】
ランド30は、ビア20の上に形成されている。図示した例では、一対のランド30a及びランド30bがそれぞれビア20の上及び下に形成されている。本実施形態のランド30は金属箔(例えば、銅箔)からなり、ここでは略楕円形状を有している。また、ランド30は、樹脂層14に転写法により埋め込まれて形成されている。本実施形態のランド30の厚さは、樹脂層よりも薄く、例えば9μmである。
【0035】
ビア20の上に形成された各ランド30は、基材10の横方向の長さ(L2)よりも当該基材10の縦方向の長さ(L1)の方が長い形状を有している(即ちL1>L2)。本実施形態では、ビア20と接続する全てのランド30は、縦方向に沿って一様に長い形状を有している。ここでは、ペーストビア20と接続する6つのランド30が一方向に長い楕円形状を有している。図示した例では、ランド30の縦方向の長さ(L1)は200μmであり、ランド30の横方向の長さ(L2)は150μmである。また、円形状のビア20の径寸法(R)は、ランド30との接続を確実なものとするために、ランド30の横方向の長さ(L2)よりもさらに小さく設定され、例えば、本実施形態のビア20の径寸法(R)は、50μmである。このように、本実施形態では、ビア20及びランド30の各寸法(R、L1,L2)は、L1>L2>Rとなるように構成されている。
【0036】
ここでいう基材の「縦方向」とは、図4に示すように、ロールツーロール方式を用いてフレキシブル基板100を製造した際の基材10の進行方向となるMD方向(Machine Direction)のことである。また、基材10の「横方向」とは、ロール状態における基材10の幅方向となるTD方向(Transverse Direction)のことである。つまり、本実施形態では、ビア20と接続するランド30は、基材10のTD方向の長さよりも当該基材10のMD方向の長さの方が長い形状を有している。
【0037】
基材10のMD方向とTD方向とでは、ロールツーロール方式による位置合わせ制御の困難性が大きく異なる。つまり、基材10のMD方向は、TD方向と比べて、位置合わせの微調整が難しい方向となる。これは、ロールツーロール方式では、MD方向の位置合わせをする際に、一旦ロールから送り出した各シートを送り戻す制御、即ち元のロールに巻き戻す制御を行わなければならないからである。
【0038】
本実施形態の構成によれば、ランド30の形状を、位置合わせが難しいMD方向に沿って長く形成しているので、ビア20とランド30とのMD方向の位置合わせは容易になり、それゆえロールツーロール方式を適用して連続的な大量生産が可能となる。これについて、図5を参照しながら以下に説明する。
【0039】
図5(a)〜(e)は、本実施形態に係るフレキシブル基板100の製造工程を模式的に示した断面工程図である。上述したようにフレキシブル基板100はロールツーロール方式で製造されており、ロール状態から供給された各材料シートを、図中の矢印93の方向(MD方向)に搬送しつつ、順次、図5(a)〜(e)の各工程を実行する。
【0040】
まず、図5(a)に示すように、ランドパターン30が配置されたキャリアシート40を用意する。キャリアシート40上のランドパターン30は、MD方向(ロール状に巻き取られた状態から供給されたキャリアシート40が進行する矢印93の方向)に沿って長手方向の形状を有している。つまり、ランドパターン30の形状は、TD方向の長さ(L2)よりもMD方向の長さ(L1)の方が長くなっている。なお、本実施形態では、ランドパターン30を転写しやすくするために、キャリアシート40上には剥離材41が塗布されている。また、両面フレキシブル基板100を製造するため、キャリアシート40は、基板の上面用と下面用との計2枚が用意される。
【0041】
次に、図5(b)に示すように、キャリアシート40上のランドパターン30を、ビア20が形成された基材シート10に対向するように配置する。本実施形態の基材シート10には、導電性ペーストが充填されたペーストビア20が形成されている。また、基材シートの両面には、ランドパターン30を埋め込むための樹脂層14が形成されている。なお、基材シート10及び樹脂層14の厚さ寸法を例示すると、基材シート10の厚さは4μmで、樹脂層14の厚さは10μmである。また、このとき、ランドパターン30の厚さは、例えば9μmである。
【0042】
続いて、MD方向に長い形状を有するランドパターン30のそれぞれを、基材シート10のビア20に対向するように位置合わせを実行する。この位置合わせは、基材シート10のXY方向、即ち基材10のMD方向及びTD方向においてそれぞれ実行される。このとき、ランド30はMD方向に沿って長い形状を有するので、矢印95で表すMD方向の位置合わせは容易となり、基材シート10をロールに巻き戻すような制御は実行しなくてもよい。
【0043】
この位置合わせが完了すると、図5(c)に示すように、矢印97で示す熱プレスによる圧力によって、ランドパターン30を基材シート10の樹脂層14に埋め込み、ランドパターン30とビア20との接続を行う。本実施形態では、熱プレスは平板を用いて実行される。
【0044】
その後、図5(d)に示すように、キャリアシート40を剥離すると、図5(e)に示すように、長手方向の形状を有するランドパターン30とビア20とが接続されたフレキシブル基板100が完成する。
【0045】
本実施形態のフレキシブル基板100の製造方法では、ビア20と接続するランドパターン30は、MD方向に沿って長手方向の形状を有しているので、MD方向においてビア20とランドパターン30との高精度なアライメントを行わなくても、ビア20とランドパターン30との電気的な接続を十分に確保することができる。したがって、製造が容易なフレキシブル基板100を提供することができ、製造時間も短縮できる。
【0046】
典型的なロールツーロール方式を用いた転写では、ランドパターン30とペーストビア20とのMD方向での位置合わせがネックとなり、ロールツーロール方式の長所である連続的な製造が実現できなかった。つまり、MD方向の位置合わせを行う際に、元のロールに巻き戻す制御を行わなければならず、位置合わせの微調整が難しかった。これに対し、本実施形態では、位置合わせの難しいMD方向に長いランドパターンとビアとを位置合わせすることにより、高精度なアライメントを行わなくてもランドとビアとを確実に接続することができ、それゆえにロールツーロール方式による連続的な生産が可能となる。また、これにより作業の自動化も容易となり、歩留まりも向上する。
【0047】
ロールツーロール方式でも位置合わせが容易なTD方向では、ランドの長さ寸法(L2)をMD方向の長さ(L1)よりも小さくすることにより、TD方向に狭ピッチなランド形成を実現することができる。つまり、本実施形態のフレキシブル基板100では、位置合わせが容易なTD方向では狭ピッチなランド形成を実現しつつ、位置合わせが困難なMD方向では、高精度なアライメントを実行しなくてもよく、それゆえ狭ピッチで、且つ、製造が容易なフレキシブル基板100を提供することができる。
【0048】
加えて、ランドパターン30を、基材シート10の熱収縮量が大きい方向(即ちMD方向)に沿って長手方向の形状に形成することができるので、加熱工程時の熱収縮に起因するMD方向の寸法変化に追従可能なランド30の形状に形成することができる。フレキシブル基板100の基材10は非常に薄い樹脂フィルムからなるので、加熱時に基材シート10が熱収縮するおそれがあるが、上記構成では、加熱工程時の寸法変化(MD方向の熱収縮)に応じた形状に形成することができるので、仮に熱収縮が発生した場合であっても、ビア20とランド30との位置ズレを十分に抑制することができる。その結果、ビア20の接続信頼性を向上させることができる。
【0049】
次に、図6(a)を参照しながら、上記構成を実現可能なスペックの一例を挙げると、本実施形態のペーストビア20の径(R)は50μmに設定され、このときランド30のTD方向の長さ(L2)は、ビア20の径(R)よりも大きく、例えば100μm以上であればよく、好適には150μmである。ランド30のMDの長さ(L1)は、ランド30の横寸法(L2)よりもさらに大きく、例えば150μm以上に設定され、さらに好適には200μmに設定することができる。なお、上述したランド30の各方向の長さは、ビア20の径や製造時の諸条件にあわせて適宜適切なサイズに設定することができる。
【0050】
また、本実施形態では、ランドパターン30は図6(a)に示したMD方向に長い楕円形状50aのものを一例として示したが、ランド形状は楕円形状50aに限らずその他の形状であってもよい。例えば、図6(b)〜(d)に示すように、ランドの長手方向が、基材の縦方向(MD方向)に沿った(b)菱形50b、(b)長円50c、または(c)長方形50dの形状等に形成することができる。ランド形状が菱形50bの場合には、MD方向におけるビアとの接続の確実性を確保しつつ、狭ピッチにランドパターンを形成することが可能となる。また、ランド形状が長円50cの場合には、TD方向に一定の寸法収縮が発生する材料を使用する場合においても、TD方向への位置ズレを含めた許容範囲を確保することができ、このような材料においてもロールツーロール方式を用いることができるという利点がある。
【0051】
さらに、本実施形態では、図3に示すように、全てのランド30が一方向(MD方向)に延びた形状を持った構成にしたが、これに限らず、所定領域内(例えば、狭ピッチな配線パターンが求められる領域内)においてそのようなランド30を配列させて、その所定領域の外には、ランドが全く形成されていない領域を設けたり、あるいはMD方向に延びていない形状(例えば円形状)のランドを配置させたりすることも可能である。加えて、MD方向に延びた各ランド30の形状は、すべて同一のものでなくてもよく、MD方向に延びているのであれば、図6(a)から(d)に示した形状のものを混在させることも可能である。
【0052】
以下に、さらに本実施形態のフレキシブル基板100の製造方法について詳細に説明する。上述したように、本実施形態のフレキシブル基板100は、ロールツーロール方式により連続的に実行することができる。つまり、キャリアシート40及び基材シート10を、それぞれロール状に巻き取られた状態から連続的に供給することができる。ロールツーロール方式による転写は、例えば、図7に示すようにして実行することができる。
【0053】
まず、ペーストビア20が形成された基材シート10を、ロール60の回転92によって矢印90の方向(MD方向)へと送り出し、平板62の下方の位置まで搬送する。一方、MD方向に沿って長手方向の形状を有するランドパターン30が配置されたキャリアシート40を、ロール64の回転94によってロール64から送り出し、平板62平板62の下方の位置まで搬送する。次いで、基材シート10のペーストビア20と長手方向の形状を有するランドパターン30とが対向するように位置合わせを行い、平板62の熱プレスにより転写を実行する。平板62の熱プレスによりランドパターン30を基材シート10の両面に積層された樹脂層14に移した後、キャリアシート40はロール66で巻き取られる。ランドパターン30が形成された転写後の基材シート10(フレキシブル基板100)は、再びロール68でロール状に巻き取られ、次工程(例えば切断工程)へと引き渡される。このように、MD方向の沿って長い形状のランドとペーストビアとを位置合わせするので、MD方向に対しては高い位置合わせ精度が要求されず、ロールツーロール方式を用いて連続的に生産することが可能となる。
【0054】
なお、図7に示した例では、ランドパターンの転写は、各シートを平板62の位置まで間歇搬送し、そこで平板62の熱プレスにより実行しているが、ランドパターンの転写は、平板62による熱プレスだけに限らず、例えば、図8に示すように、一対のロール63を用いて熱プレスを実行してもよい。この場合、基材シート10を一対のロール(ニップロール)63の間に通し、そこで、樹脂層にランドパターンを転写するように構成することもできる。この構成により、各シートを間歇で搬送しプレス工程などを個別に行う間歇搬送プロセスに比べ、さらに連続的な生産の実効を図ることができる。
【0055】
ビアに接続するランドをMD方向に長い形状とするメリットは、上述した両面フレキシブル基板のランドパターン転写時だけでなく、多層フレキシブル基板を構築する際にも得ることができる。多層フレキシブル基板は、複数のフレキシブル基板を積層することにより構築され得る。
【0056】
例えば、図9(a)および(b)は、3つの基材シート(210,212a、212b)が積層されてなる多層フレキシブル基板200の製造工程を示している。この多層フレキシブル基板200は、両面にランドが形成された基材シート(第1の基材シート)212と、ペーストビアが形成された基材シート(第2の基材シート)210とを積層することにより構築される。
【0057】
まず、図9(a)に示すように、MD方向(基材シート212の進行方向)に沿って長手方向の形状を有するランド230が設けられた基材シート212を用意する。本実施形態では、基材シート212は両面にランドが設けられたメッキ基板である。長手方向の形状を有するランド230は、基材シート212の片面に設けられており、その反対側の面には円形状のランド234が形成されている。ここでは、基材シート212は、多層フレキシブル基板の上面側と下面側との2枚が用意される。
【0058】
次に、図9(b)に示すように、長手方向の形状を有するランド230を、基材シート210に対向するように配置する。基材シート210には、ペーストビア220が形成されており、基材シート210の両面には樹脂層214が設けられている。次いで、長手方向の形状を有するランド230のそれぞれを、基材シート210のペーストビア220に対向するように位置合わせを実行する。このとき、ペーストビアに接続することになる各ランドは、MD方向に沿って一様に長い形状を有しているので、樹脂層に埋め込まれる際にも容易に位置合わせを行うことができる。
【0059】
その後、図9(c)に示すように、熱プレスによる圧力によって、長手方向の形状を有するランド230を基材シート210の樹脂層14に埋め込み、ランド230とペーストビア220とを接続する。そして、所定の寸法に切断して多層フレキシブル基板200は完成する。
【0060】
このように、複数の基材を積層して多層フレキシブル基板200を構築する場合でも、両面フレキシブル基板100のランド転写時と同じく、MD方向に沿って長い形状のランド230とペーストビア220とを位置合わせすることになるので、MD方向に対しては高い位置合わせ精度が要求されない。つまり、製造が容易な多層フレキシブル基板200を提供することができる。これにより、ロールツーロール方式を適用して連続生産も可能となる。加えて、ペーストビア220上のランド230を、加熱工程時の基材の熱収縮に応じた形状に形成することができるので、ペーストビア220とランド230との位置ズレを抑制することができる。
【0061】
従来の多層フレキシブル基板の製造では、MD方向の位置合わせがネックとなってロールツーロール方式により連続的に製造することができず、基材を1枚ずつ多層に積み重ねるのが大変煩わしかった。しかも枚葉の薄い基材を1枚ずつ慎重に取り扱う必要があるので、多層基板の薄型化にも自ずと限界があった。これに対し、上記製造方法では、ロールツーロール方式により連続的に製造することが可能となるので、製造ラインの自動化が容易となり、ハンドリング性の向上によって、さらに薄型の多層フレキシブル基板の作製が可能となる。
【0062】
なお、ペーストビアに接続することになる各ランドが、MD方向に沿って一様に長い形状を有しているのであれば、ペーストビアとランドとの位置合わせを容易に実行することができ、それゆえペーストビア以外のビアと接続するランドは、一様に長い形状を有していなくてもよい。例えば、メッキビアと接続するランドは、エッチング処理により直接メッキビア222上に形成されるので、一方向に長くない形状(例えば円形状)であってもよい。
【0063】
このようにして構築された多層フレキシブル基板200の一例を示すと、図10のとおりである。図10(a)は、多層フレキシブル基板200の上面構成を模式的に示す上面図であり、図10(b)は、図10(a)におけるB−B断面を模式的に示した断面図である。
【0064】
この例では、多層フレキシブル基板200は、3つの基材(210、212a、212b)が積層されてなり、基板200の最上面及び最下面(即ち表層)に設けられた2つの基材212(212a、212b)と、該表層の基材212の中央(即ち内層)に設けられた1つの基材210とから構成されている。
【0065】
内層に位置する基材210には、ペーストビア220が設けられ、該ペーストビア220と接続するランド230は、MD方向に長い楕円形状を有している。これにより、ペーストビア220とランド230とのアライメントを容易に実行することができる。
【0066】
一方、表層の基材212a及び212bにはメッキビアが設けられ、該メッキビア222に接続するランド234は、略円形状(即ちMD方向の長さとTD方向の長さが略等しい形状)を有している。このメッキビアは、次のようにして形成することができる。まず、レーザ加工等によって基材212の所定の位置に孔(スルーホール)を形成し、次いで、基材212上に金属箔を積層(例えば銅メッキ等)する。これにより、メッキビア222が形成される。その後、積層された金属箔を選択的にエッチング処理すると、円形状のランド234を形成することができる。
【0067】
このように、多層フレキシブル基板の場合には、基板内に形成された全てのビア上のランドが一様に長い形状である必要はなく、少なくともペーストビアが形成された1つの基材において、該ペーストビアと接続するランドが一様に長い形状を有していればよい。
【0068】
なお、ここで示したように、多層フレキシブル基板の表層の基材212をメッキ基板から構成することにより、多層フレキシブル基板の表層に狭ピッチな配線パターンを形成することが可能となる。
【0069】
なお、図9及び図10では、3つの基材が積層された多層フレキシブル基板200の一例を示したが、これに限らず、さらに多層化された多層フレキシブル基板を構築することも可能である。この場合、図9で得られた多層フレキシブル基板200に対して更なる多層化を実行してもよく、あるいは、多層フレキシブル基板を構成する全ての基材を同時に積層して多層化を実現することもできる。
【0070】
図11は、別の実施形態に係る多層フレキシブル基板300の構成が示してある。多層フレキシブル基板300では、表層側の基材310にペーストビア320が設けられ、内層側の基材312にメッキビア322が形成されている点において上述の多層フレキシブル基板200とは異なる。このような構成であっても、ペーストビア320に接続するランド330(330a及び330b)をMD方向に長い形状に形成することができ、これにより製造時にペーストビア320とランド330との位置合わせを容易にすることができる。これについては、図12を参照しながら説明する。
【0071】
まず、図12(a)に示すように、MD方向(基材シート312の進行方向)に沿って長手方向の形状を有するランド330bが設けられた基材シート(第1の基材シート)312を用意する。基材シート312はメッキ基板であり、長手方向の形状を持つランド330b以外にもメッキビア322と接続するランド334が形成されている。このランド334は、メッキビアと接続するため、一様に長い形状でなくてもよい。
【0072】
次に、図12(b)に示すように、長手方向の形状を有するランド330bを、基材シート(第2の基材シート)310のペーストビア320に対向するように配置する。本実施形態では、基材シート312の上方及び下方に、2つの基材シート310がそれぞれ配置される。基材シート310の両面には樹脂層314が設けられており、基材シート312と対向しない面側(即ち表層側)の樹脂層314aには、予めランド330aが転写により埋め込まれている。このランド330aは、ペーストビア320と接続するため、MD方向に長い形状にて形成されたものである。次いで、長手方向の形状を有するランド330bのそれぞれを、基材シート310のペーストビア320に位置合わせを行う。
【0073】
その後、図12(c)に示すように、熱プレスによる圧力によって、ランド330bを基材シート310の樹脂層314bに埋め込み、ランド330bとペーストビア320とを接続する。このようにして多層フレキシブル基板300は完成する。
【0074】
上記製造方法であっても、MD方向に沿って長い形状のランドとペーストビアとを位置合わせするので、MD方向に対しては高い位置合わせ精度が要求されず、それゆえ多層フレキシブル基板の製造が容易となるとともに、ロールツーロール方式を適用して連続生産も可能となる。
【0075】
上述したMD方向に長いランド形状は、ビアとの接続だけに限らず、例えば電子部品(例えば半導体チップ)の実装に用いることも可能である。図13に示した例では、半導体チップ450は、接続部材(例えばバンプ、はんだ)を介してフレキシブル基板400の上面に形成された配線パターン432のランド430に接続している。そして、半導体チップ450と接続するランド430はMD方向に沿って長い楕円形状となっている。これにより、加熱工程などを経てMD方向に基材(及び配線パターン)が変形(熱収縮)したとしても、半導体チップ450を確実に実装することができる。
【0076】
また、ここでは、半導体チップ450に接続する配線パターン432をMD方向に対して略平行となるように形成し、このMD方向に延びた配線パターン432の先端のランド430に半導体チップ450を実装している。この構成では、MD方向の基材(及び配線パターン)の変形(熱収縮)に容易に追従することができるので、半導体チップ450を確実に実装することができる。加えてランド430をTD方向に小さく形成することができるので、非常に狭ピッチな配線パターンを形成でき、高密度実装が実現可能となる。
【0077】
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明によれば、配線パターンのランドとビアとを確実に接続することができるフレキシブル基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】(a)〜(c)は、転写により配線パターンを形成する方法について説明する工程断面図
【図2】(a)はロールツーロール方式による配線パターンの転写について説明するための図、(b)は、ランドとビアとが位置ズレした場合の一例を示す図
【図3】(a)は、フレキシブル基板100の上面構成を模式的に示す上面図、(b)は、(a)におけるA―A断面を模式的に示した断面図
【図4】ロールツーロール方式におけるMD方向及びTD方向を説明するための図
【図5】本実施形態に係るフレキシブル基板100の製造工程を模式的に示した断面工程図
【図6】ランドパターン形状について説明するための図
【図7】本実施形態に係るロールツーロール方式による配線パターンの転写について説明するための図
【図8】本実施形態に係るロールツーロール方式による配線パターンの転写について説明するための図
【図9】(a)〜(c)は、多層フレキシブル基板200の製造工程を模式的に示した工程断面図
【図10】(a)は、多層フレキシブル基板200の上面構成を模式的に示す上面図、(b)は、(a)におけるB―B断面を模式的に示した断面図
【図11】別の実施形態に係る多層フレキシブル基板300の構成を模式的に示す断面図
【図12】(a)〜(c)は、多層フレキシブル基板300の製造工程を模式的に示した工程断面図
【図13】フレキシブル基板への電子部品の実装について説明するための図
【符号の説明】
【0080】
10 基材(基材シート)
14 樹脂層
16 上面
18 下面
20 ビア
30 ランド
32 配線パターン
40 キャリアシート
41 剥離材
60 ロール
62 平板
63 ロール
64 ロール
66 ロール
68 ロール
100 フレキシブル基板
200 多層フレキシブル基板
210 基材(第2の基材シート)
212 基材(第1の基材シート)
214 樹脂層
220 ペーストビア
222 メッキビア
230 ランド
234 ランド
300 多層フレキシブル基板
310 基材(第2の基材シート)
312 基材(第1の基材シート)
314 樹脂層
320 ペーストビア
322 メッキビア
330 ランド
334 ランド
400 フレキシブル基板
430 ランド
432 配線パターン
450 半導体チップ
510 シート基材
514 樹脂層
520 ビア
530 ランド
532 配線パターン
540 キャリアシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有する基材と、
前記基材の上面と下面とを電気的に接続するビアと、
前記ビアの上に形成されたランドと
を備え、
各ランドは、前記基材の横方向の長さよりも当該基材の縦方向の長さの方が長い形状を有している、フレキシブル基板。
【請求項2】
前記基材の上面及び下面には樹脂層が形成されており、
前記各ランドは、前記樹脂層に埋め込まれていることを特徴とする、請求項1に記載のフレキシブル基板。
【請求項3】
前記各ランドと接続する前記ビアは、導電性ペーストが充填されて形成されたペーストビアである、請求項1または2に記載のフレキシブル基板。
【請求項4】
前記基材の縦方向は、ロールツーロール製法における前記基材の進行方向となるMD方向である、請求項1から3の何れか一つに記載のフレキシブル基板。
【請求項5】
前記基材の縦方向は、前記基材の横方向と比べて、前記基材の熱収縮量が大きい方向である、請求項1から3の何れか一つに記載のフレキシブル基板。
【請求項6】
前記ランドの形状は、その長手方向が前記基材の縦方向に沿った長方形、楕円形、または、長円である、請求項1から5の何れか一つに記載のフレキシブル基板。
【請求項7】
可撓性を有する基材が複数積層されてなる多層フレキシブル基板であって、
前記複数積層された基材のうちの少なくとも一つの基材の上面と下面とを電気的に接続するビアと、
前記ビアの上に形成されたランドと
を備え、
各ランドは、前記基材の横方向の長さよりも当該基材の縦方向の長さの方が長い形状を有している、多層フレキシブル基板。
【請求項8】
前記各ランドと接続する前記ビアは、導電性ペーストが充填されて形成されている、請求項7に記載の多層フレキシブル基板。
【請求項9】
前記基材は、3層以上積層されており、
前記3層以上積層された前記基材のうち、前記多層フレキシブル基板の上面及び下面に配置された基材には、メッキビアが形成されている、請求項7または8に記載の多層フレキシブル基板。
【請求項10】
ロールツーロール方式によりフレキシブル基板を製造する方法であって、
キャリアシートの進行方向に沿って長手方向の形状を有するランドパターンが配置されたキャリアシートを用意する工程(a)と、
前記長手方向の形状を有するランドパターンを、ビアが形成された基材シートに対向するように配置する工程(b)と、
前記長手方向の形状を有するランドパターンのそれぞれを、前記基材シートのビアに位置合わせしてプレスする工程(c)と
を含む、フレキシブル基板の製造方法。
【請求項11】
前記工程(c)において、一対のローラーで挟み込んでプレスを実行することを特徴とする、請求項10に記載のフレキシブル基板の製造方法。
【請求項12】
ロールツーロール方式により多層フレキシブル基板を製造する方法であって、
第1の基材シートの進行方向に沿って長手方向の形状を有するランドパターンが形成された第1の基材シートを用意する工程と、
前記第1の基板シートの前記長手方向の形状を有するランドパターンを、ビアが形成された第2の基材シートに対向するように配置する工程と、
前記長手方向の形状を有するランドパターンのそれぞれを、前記第2の基材シートのビアに位置合わせしてプレスする工程と
を含む、多層フレキシブル基板の製造方法。
【請求項13】
前記第2の基材シートに形成された前記ビアは、導電性ペーストが充填されたペーストビアである、請求項12に記載の多層フレキシブル基板の製造方法。
【請求項14】
前記第1の基材シートに形成されたランドパターンのうち、前記ペーストビアと接続する全てのランドパターンが、前記第1の基材シートの進行方向に沿って長手方向の形状を有している、請求項13に記載の多層フレキシブル基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−147328(P2008−147328A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−331532(P2006−331532)
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】