説明

プラズマ処理システム

処理システム(100)は、基板ホルダ(130)と電極(125)とを有する処理チャンバ(120)を含む。処理システムは、圧力制御システムとガス供給系とモニタ装置(160)とを含む。電極(125)には、単一可変素子を有する整合回路(115)を介して、マルチ周波数RF電源(110)が接続される。マルチ周波数RF電源は、プラズマを点火するように第1の周波数に設定され、プラズマを維持するように第2の周波数に設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体処理システムに関し、特に、可変周波数RF源を使用する半導体処理システムに関する。ここで、半導体処理とは、半導体ウエハやLCD(Liquid crystal display)やFPD(Flat Panel Display)用のガラス基板などの被処理基板上に半導体層、絶縁層、導電層などを所定のパターンで形成することにより、該被処理基板上に半導体デバイスや、半導体デバイスに接続される配線、電極などを含む構造物を製造するために実施される種々の処理を意味する。
【背景技術】
【0002】
半導体業界において、集積回路(IC)を製造する際にプラズマが利用される。プラズマは、基板から材料を除去する或いは基板上に材料を堆積するのに必要なプラズマ反応炉内において、表面化学反応を生み出すため或いは援助するために通常使用される。一般的に、プラズマは真空条件下においてプラズマ反応炉内で形成され、ここで、供給された処理ガスとのイオン化用の衝突を維持するのに十分なエネルギーまで電子が加熱される。更に、加熱された電子は、解離用の衝突を継続するのに十分なエネルギーを有する。従って、所定の条件(例えば、チャンバ圧力、ガス流量など)下において、ガスの特定の組み合わせによって、チャンバ内で実行される特定のプロセスに適した荷電種及び化学的反応種の集団が生成される。例えば、エッチングプロセスにおいて、プラズマ中の励起された電子は、基板から材料を除去するための反応種を作成するため、処理ガスとの反応を開始する。別の例として、堆積プロセスにおいて、プラズマ中の励起された電子は、基板上への材料の堆積をもたらす活性種を作成するため、処理ガスとの反応を開始する。
【0003】
一般的に、プラズマ処理の間、プラズマを点火すると共に維持するのに必要なエネルギーを提供するため、RF(高周波)電源及び整合回路が使用される。多くの用途において、少なくとも2つのチューニング可能な素子を有するπまたはT−タイプ構成が使用される。このため、これらのタイプの整合回路は高価で大型となる可能性がある。従って、これらの欠点を克服することができる新たな整合回路が求められている。
【発明の開示】
【0004】
従って、本発明の1つの目的は、整合回路(或いは素子数が少ない整合回路)を有する処理システムと、最適点火技術を利用した、整合回路(或いは素子数が少ない整合回路)を有する処理システムを操作する方法とを提供することである。
【0005】
本発明の第1の視点は、プラズマ処理システムを操作する方法であって、
基板を処理チャンバ内の基板ホルダ上に配置する工程と、
前記プラズマ処理システムを初期化する工程と、
前記処理チャンバ内の電極に連結された第1のRF電源からの第1の周波数を有する第1の信号を使用してプラズマを点火する工程と、
第2の周波数を有する第2の信号を使用して前記プラズマを維持する工程と、
を具備する。
【0006】
本発明の第2の視点は、第1の視点の方法において、前記第1の信号のための第1のパワーレベルを決定する工程を更に具備し、前記第1の信号は第1のパワー出力レベルに設定される。
【0007】
本発明の第3の視点は、第2の視点の方法において、前記第1のパワーレベルは、少なくとも50ワットである。
【0008】
本発明の第4の視点は、第1の視点の方法において、前記処理チャンバ中に処理ガスを導入する工程と、前記処理ガスは炭素含有ガス、酸素含有ガス、フッ素含有ガス、及び不活性ガスの少なくとも1つを具備することと、チャンバ圧力を約0.5Torr未満に決定する工程と、を更に具備する。
【0009】
本発明の第5の視点は、第1の視点の方法において、第1の整合回路を使用して、前記第1のRF電源を前記プラズマ処理システムの前記電極に連結する工程と、前記第1の整合回路をプラズマ点火のための初期条件にチューニングする工程と、を更に具備する。
【0010】
本発明の第6の視点は、第1の視点の方法において、前記第1の周波数は、前記第2の周波数よりも、周波数において少なくとも2パーセント高い。
【0011】
本発明の第7の視点は、第1の視点の方法において、前記第1の周波数は、前記第2の周波数よりも、周波数において少なくとも10パーセント高い。
【0012】
本発明の第8の視点は、第1の視点の方法において、前記第1の周波数は、約40.0MHzより大きい。
【0013】
本発明の第9の視点は、第1の視点の方法において、前記第1の周波数は、前記第2の周波数よりも、周波数において少なくとも2パーセント低い。
【0014】
本発明の第10の視点は、第1の視点の方法において、前記第1の周波数は、前記第2の周波数よりも、周波数において少なくとも10パーセント低い。
【0015】
本発明の第11の視点は、第1の視点の方法において、前記第1の信号は第1の期間に亘って提供され、前記第2の信号は第2の期間に亘って提供される。
【0016】
本発明の第12の視点は、第11の視点の方法において、前記第1の期間は、約10ミリ秒から約1秒の範囲の持続期間を有する。
【0017】
本発明の第13の視点は、第1の視点の方法において、前記第1のRF電源によって提供されている前記第1の信号のための順方向パワーを割り出す工程と、前記第1のRF電源に戻されている前記第1の信号のための反射パワーを割り出す工程と、前記順方向パワー及び前記反射パワーのうちの少なくとも1つを使用し、前記プラズマがいつ点火されたかを割り出す工程と、を更に具備する。
【0018】
本発明の第14の視点は、第5の視点の方法において、前記第1のRF電源によって提供されている前記第1の信号のための順方向パワーを割り出す工程と、前記第1のRF電源に戻されている前記第1の信号のための反射パワーを割り出す工程と、前記順方向パワー及び前記反射パワーのうちの少なくとも1つを使用し、前記プラズマがいつ点火されたかを割り出す工程と、を更に具備する。
【0019】
本発明の第15の視点は、第1の視点の方法において、前記処理チャンバ内の光周波数をモニタするため、前記処理チャンバに連結されたモニタ装置によって前記処理チャンバをモニタする工程と、少なくとも1つの光周波数を使用し、前記プラズマがいつ点火されたかを割り出す工程と、を更に具備する。
【0020】
本発明の第16の視点は、第1の視点の方法において、前記処理チャンバ内の光周波数をモニタするため、前記処理チャンバに連結されたモニタ装置によって前記処理チャンバをモニタする工程と、少なくとも1つの光周波数を使用し、前記プラズマが維持されているかを割り出す工程と、を更に具備する。
【0021】
本発明の第17の視点は、第5の視点の方法において、前記第1の整合回路を前記初期条件から動作条件にチューニングする工程と、前記プラズマが消えていないことを確認する工程と、を更に具備する。
【0022】
本発明の第18の視点は、第17の視点の方法において、前記第1の整合回路は、前記初期条件から前記動作条件に4秒未満でチューニングされる。
【0023】
本発明の第19の視点は、第1の視点の方法において、前記処理チャンバ内の第2の電極に第2のRF電源を連結する工程と、前記プラズマに付加のパワーを提供する工程と、を更に具備する。
【0024】
本発明の第20の視点は、処理システムであって、
基板ホルダと前記基板ホルダの上方に配設された電極とを有する処理チャンバと、
前記処理チャンバに連結された圧力制御システムと、
前記処理チャンバに連結されたガス供給系と、
前記処理チャンバ及び前記電極に連結された整合回路と、
前記整合回路に連結されたRF電源と、
前記圧力制御システム、前記ガス供給系、前記整合回路、及び前記RF電源に連結された制御システムと、
を具備する。
【0025】
本発明の第21の視点は、第20の視点の処理システムにおいて、前記整合回路は、入力端子、出力端子、前記入力端子に連結されたチューニング可能な素子、及び前記入力端子及び前記出力端子間に連結された固定素子を具備する。
【0026】
本発明の第22の視点は、第21の視点の処理システムにおいて、前記整合回路は、前記チューニング可能な素子に連結されたチューニング調整装置を更に具備し、前記チューニング調整装置は前記制御システムに連結され、前記制御システムは、前記チューニング調整装置に信号を提供すると共に、前記チューニング調整装置から信号を受信する。
【0027】
本発明の第23の視点は、第21の視点の処理システムにおいて、前記チューニング可能な素子は可変コンデンサを具備する。
【0028】
本発明の第24の視点は、第23の視点の処理システムにおいて、前記可変コンデンサは約5pf〜約250pfのチューニング範囲を有する。
【0029】
本発明の第25の視点は、第21の視点の処理システムにおいて、前記固定反応素子は固定コンデンサを具備する。
【0030】
本発明の第26の視点は、第25の視点の処理システムにおいて、前記固定コンデンサは、約20pf〜約75pfの範囲の静電容量値を有する。
【0031】
本発明の第27の視点は、第20の視点の処理システムにおいて、前記整合回路は、入力端子及び出力端子を具備し、前記RF電源は前記入力端子に連結され、前記処理チャンバは前記出力端子に連結される。
【0032】
本発明の第28の視点は、第20の視点の処理システムにおいて、前記RF電源は、第1の期間中は第1の周波数で動作し、第2の期間中は第2の周波数で動作するように構成される。
【0033】
本発明の第29の視点は、第28の視点の処理システムにおいて、前記第1の周波数は、前記第2の周波数よりも、周波数において少なくとも2パーセント高い。
【0034】
本発明の第30の視点は、第28の視点の処理システムにおいて、前記第1の周波数は、前記第2の周波数よりも、周波数において少なくとも10パーセント高い。
【0035】
本発明の第31の視点は、第28の視点の処理システムにおいて、前記第2の周波数は、約40.0MHzより大きい。
【0036】
本発明の第32の視点は、第28の視点の処理システムにおいて、前記第1の期間は、約10ミリ秒から約1秒の範囲の持続期間を有する。
【0037】
本発明の第33の視点は、第28の視点の処理システムにおいて、前記RF電源は、前記第1の期間中は第1の出力パワーを提供し、前記第2の期間中は第2の出力パワーを提供するように構成される。
【0038】
本発明の第34の視点は、第33の視点の処理システムにおいて、前記第1の出力パワーは、前記第2の出力パワーの少なくとも50パーセントである。
【0039】
本発明の第35の視点は、第20の視点の処理システムにおいて、モニタ装置を更に具備し、前記モニタ装置は、前記RF電源に連結されたセンサを具備し、前記センサは、順方向パワーデータ及び反射パワーデータを前記制御システムに提供し、前記制御システムは、前記順方向パワーデータ及び前記反射パワーデータを使用して処理条件を割り出すように構成される。
【0040】
本発明の第36の視点は、第35の視点の処理システムにおいて、前記制御システムは、プラズマがいつ点火されたかを割り出すために、前記順方向パワーデータ及び前記反射パワーデータを使用するように構成される。
【0041】
本発明の第37の視点は、第35の視点の処理システムにおいて、前記制御システムは、プラズマがいつ安定したかを割り出すために、前記順方向パワーデータ及び前記反射パワーデータを使用するように構成される。
【0042】
本発明の第38の視点は、第20の視点の処理システムにおいて、モニタ装置を更に具備し、前記モニタ装置は、前記処理チャンバに連結された光センサセンサを具備し、前記光センサは、前記制御システムに光データを提供し、前記制御システムは、前記光データを使用して処理条件を割り出すように構成される。
【0043】
本発明の第39の視点は、第38の視点の処理システムにおいて、前記制御システムは、プラズマがいつ点火されたかを割り出すために、前記光データを使用するように構成される。
【0044】
本発明の第40の視点は、第38の視点の処理システムにおいて、前記制御システムは、プラズマがいつ安定したかを割り出すために、前記光データを使用するように構成される。
【0045】
本発明の第41の視点は、第20の視点の処理システムにおいて、前記基板ホルダに連結された第2の電極と、前記第2の電極に連結された第2の整合回路と、前記第2の整合回路に連結された第2のRF電源と、を更に具備する。
【0046】
本発明の第42の視点は、第41の視点の処理システムにおいて、前記第2のRF電源は、前記第2の電極に第1のBRF信号を提供するように構成される。
【0047】
本発明の第43の視点は、第20の視点の処理システムにおいて、前記整合回路は前記電極より上方に配設され、前記整合回路は前記電極に第1の伝送線路を介して連結される。
【0048】
本発明の第44の視点は、第43の視点の処理システムにおいて、前記第1の伝送線路は10cm未満である。
【0049】
本発明の第45の視点は、第43の視点の処理システムにおいて、前記RF電源は整合回路より上方に配設され、前記RF電源は前記整合回路に第2の伝送線路を介して連結される。
【0050】
本発明の第46の視点は、第45の視点の処理システムにおいて、前記第2の伝送線路は31cm未満である。
【0051】
本発明の第47の視点は、第20の視点の処理システムにおいて、前記処理チャンバに連結されたモニタ装置を更に具備する。
【0052】
本発明の第48の視点は、プロセッサ上で実行するためのプログラム指令を含むコンピュータで読み取り可能な媒体であって、
前記プログラム指令は、プロセッサによって実行される時、プラズマ処理システムに、
前記プラズマ処理システムを初期化する工程と、
プラズマを点火するように、処理チャンバ内の電極に連結された第1のRF電源から、第1の周波数を有する第1の信号を供給する工程と、
前記プラズマを維持するように、第2の周波数を有する第2の信号を供給する工程と、
を実行させる。
【0053】
本発明の第49の視点は、プラズマ処理システムであって、
前記プラズマ処理システムを初期化する手段と、
プラズマを点火するように、第1の周波数を有する第1の信号を処理チャンバ内の電極に供給する手段と、
前記プラズマを維持するように、第2の周波数を有する第2の信号を前記処理チャンバ内の前記電極に供給する手段と、
を具備する。
【0054】
更に、本発明に係る実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されることで発明が抽出された場合、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態に係る処理システムの典型的なブロックダイヤグラムである。
【図2A】本発明の一実施形態に係る整合回路を例示する典型的な線図である。
【図2B】本発明の他の実施形態に係る整合回路を例示する典型的な線図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る処理システムを操作する方法を例示するフロー図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る典型的な処理条件及びプラズマ状態を示す表図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る典型的な処理条件及び整合回路のためのチューニング時間を示す表図である。
【図6】本発明のさまざまな実施形態を実行するためのコンピュータシステムを例示する図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0057】
図1は、本発明の一実施形態に係る処理システムの典型的なブロックダイヤグラムである。図1に示される処理システム100は、プラズマエッチャなどのエッチングシステムを含むことができる。代わりに、図1に示される処理システム100は、化学気相成長(CVD)システム、物理気相成長(PVD)システム、原子層堆積(ALD)システム、及び/またはそれらの組合せのような堆積システムを含むことができる。
【0058】
本発明の一実施形態において、処理システム100は、第1のRF電源110、第1の整合回路115、処理チャンバ120、及びモニタ装置160を含む。また、処理システム100は、第2のRF電源140、第2の整合回路145、及びコントローラ150を含む。処理チャンバ120は、第1の電極125、基板ホルダ130、及び第2の電極135を含む。更に、処理システム100は、処理チャンバ120に処理ガスを提供するためのガスシステム(図示せず)、及びチャンバ圧力を制御するための圧力制御システム(図示せず)を含むことができる。例示の実施形態において、単一の処理チャンバ120が示されるが、本発明はこれに限定されない。
【0059】
図1に示すように、処理チャンバ120内で基板105が処理される。基板105は、例えば、ロボット型の基板搬送装置(図示せず)により、スロット弁(図示せず)及びチャンバ搬送路(図示せず)を通して、処理チャンバ120に対して搬送される。処理チャンバ120において、基板105は、基板ホルダ130内に配設された基板リフトピン(図示せず)によって受け取られ、基板ホルダ130内に配設されたデバイス(基板リフトピン)によって機械的に取り扱われる。基板105は、基板搬送装置から受け取られ、基板ホルダ130の上側表面上に降ろされる。
【0060】
基板ホルダ130は、基板105を固定するための静電クランプ装置(図示せず)を含むことができる。また、基板ホルダ130は、温度制御手段(図示せず)を更に含むことができる。また、基板105及び基板ホルダ130間の伝熱性を向上させるように、例えば、バックサイドガス装置によって基板105の裏側にガスを供給することができる。この装置は、昇温或いは降温のように基板の温度制御が必要な時に利用可能となる。他の実施形態において、処理システムは、電気抵抗発熱体のような加熱素子や熱電ヒータ/クーラを含むことができる。
【0061】
本発明の一実施形態において、第1のRF電源110は、第1の整合回路115に連結される。例えば、第1のRF電源110は、直接、第1の整合回路115に連結することができる。別の実施形態において、短い伝送線(例えば、長さが10cm未満の伝送線)が使用され、第1のRF電源が、第1の整合回路に連結される。第1のRF電源は、アドバンスト・エナジー・インダストリ(Advanced Energy Industries)社の「RF Generator(VHF−5060)」のようなハイパワーVHF電源とすることができる。
【0062】
第1の整合回路115は、処理チャンバ120及び第1の電極125に連結される。例えば、例示の実施形態に示すように、第1の整合回路115は、処理チャンバ120上に載置することができる。別の実施形態において、短い伝送線(例えば、長さが31cm未満の伝送線)が使用され、第1の整合回路が処理チャンバに連結される。第1の整合回路115は、例えばアドバンスト・エナジー・インダストリ社から市販されているものと同様のハイパワー整合回路とすることができる。
【0063】
本発明の一実施形態において、第2のRF電源140は、第2の整合回路145に連結される。例えば、第2のRF電源140は、伝送線を使用して第2の整合回路145に連結することができる。これにより、第2のRF電源をクリーンルーム外に配置することが可能となる。第2のRF電源は、アドバンスト・エナジー・インダストリ社の「RF Generator(VHF−8000)」のようなハイパワー電源とすることができる。
【0064】
第2の整合回路145は、処理チャンバ120及び第2の電極135に連結される。
【0065】
例示の実施形態において、第2の整合回路145は、少なくとも1つのケーブルを使用して処理チャンバ120及び第2の電極135に連結される、しかし、これは本発明において必須ではない。代わりに、第2の整合回路は、当業者にとって公知の他の構成態様で、連結することができる。
【0066】
図2A及び図2Bは、本発明の異なる実施形態に係る整合回路を例示する典型的な線図である。
【0067】
図2Aに例示の実施形態において、整合回路200Aは、可変コンデンサC1、固定コンデンサC2、及びインダクタL1を含む。入力インピーダンスZ1が入力端子1及び2の間に存在し、出力インピーダンスZ2が出力端子3及び4の間に存在する。端子2は端子4に連結される。例えば、端子2及び端子4は接地することができる。更に、可変コンデンサC1は、入力端子1及び入力端子2の間に連結される。固定コンデンサC2は、端子1及びC1の一方の端子に連結された第1端部と、L1の第1端部に連結された第2端部と、を有する。L1の第2端部は端子3に連結される。例示の整合回路は、単一の誘導素子及び単一の可変コンデンサを含むため、有利である。本実施形態は、単一の可変コンデンサのみを必要とするので、生産コストが低く且つ信頼性が高い。
【0068】
この構成は整合回路として使用可能で、ここで、Z1は第1のRF電源のためのソースインピーダンスであり、Z2はプラズマがある場合またはプラズマがない場合の上側電極のインピーダンスである。一実施形態において、C1は約20pf〜約200pfの範囲の静電容量値を有することができる。C2は約30pfの(即ち、約20pf〜約75pfの範囲の)静電容量値を有することがでる。L1は約120ナノヘンリーのインダクタンス値を有することがでる。ここでは、約60MHzの動作周波数を想定している。別の実施形態において、異なる静電容量値、異なるインダクタンス値、及び動作周波数が、入出力インピーダンス間のマッチングを提供するために使用することができる。
【0069】
図2Bに例示の実施形態において、整合回路200Bは、可変インダクタL1、固定コンデンサC1、固定コンデンサC2、及びインダクタL2を含む。ここでも、入力インピーダンスZ1が入力端子1及び2の間に存在し、出力インピーダンスZ2が出力端子3及び4の間に存在する。例えば、端子2は端子4に連結され、端子2及び端子4は接地することができる。可変インダクタL1の第1端部は端子1に連結され、可変インダクタL1の第2端部はC1の第1端部に連結される。更に、コンデンサC1の第2端部は、コンデンサC2の第1端部及び出力端子3に連結される。コンデンサC2の第2端部は、L2の第1端部に連結される。更に、L2の第2端部は、端子2及び端子4に連結される。例示の整合回路は、単一の可変素子を含むため、有利である。本実施形態は、単一の可変インダクタのみを必要とするので、生産コストが低く且つ信頼性が高い。
【0070】
図3は、本発明の一実施形態に係る処理システムを操作する方法を例示するフロー図である。手順はステップ310から始まる。
【0071】
ステップ320において、基板が処理チャンバ内に置かれる。例えば、搬送装置が処理チャンバに対して基板を搬送するために使用される。搬送装置が、基板ホルダの上に基板を配置する。基板ホルダのリフトピンが、基板ホルダの上側表面まで基板を降ろすために使用される。静電クランプが、基板ホルダ上で基板を所定位置に保持するために使用される。
【0072】
ステップ330において、処理システムが初期化される。例えば、処理ガスが処理チャンバ内に導入され、チャンバ圧力が設定される。本発明は特定の処理ガスに限定されるものではないが、処理ガスは、炭素含有ガス、酸素含有ガス、フッ素含有ガス、及び不活性ガスの少なくとも1つを含むことができる。本発明は特定の処理圧力に限定されるものではないが、チャンバ圧力は0.5Torr未満とすることができる。
【0073】
更に、第1の整合回路は初期値にチューニングされると共に、第1のRF源は、第1の上側RF(TRF)信号を処理チャンバ内の第1の電極に提供する。第1のTRF信号は、第1のRF周波数(TRF1)及び第1のRFパワーレベル(第1のTRFパワーレベル)によって特徴づけることができる。
【0074】
更に、第2の整合回路もまた初期値にチューニングされると共に、第2のRF源は、第1の下側RF(BRF)信号を処理チャンバ内の第2の電極に提供する。第1のBRF信号は、第1のRF周波数(BRF1)及び第1のRFパワーレベル(第1のBRFパワーレベル)によって特徴づけることができる。
【0075】
このステップ330により、プラズマが点火される。ここでの第1のRF周波数(TRF1)は、プラズマを点火しやすい周波数に設定される。
【0076】
図1に例示の実施形態において、モニタ装置が示され、このモニタ装置はプラズマが点火されたかどうかを割り出すために使用することができる。
【0077】
プラズマが点火されない時、故障条件を決めることができる。ここで、例えば、プロセスを停止し、メッセージを送ることができる。
【0078】
本発明の別の実施形態において、プラズマが点火されない時、プラズマ点火プロセスを再び実行することができる。ここで、例えば、故障条件が決められる前に、点火プロセスを何度も実行することができる。
【0079】
プラズマを点火した後、ステップ340において、第1のRF電源は、第2の上側RF(TRF)信号を処理チャンバ内の第1の電極に出力する。第2のTRF信号は、第2のRF周波数(TRF2)及び第2のRFパワーレベル(第2のTRFパワーレベル)によって特徴づけることができる。
【0080】
例えば、第1のRF電源は、TRF1からTRF2まで周波数ステップ(即ち周波数の変更)を実行することができる。本発明の一実施形態において、周波数ステップは、第1の周波数の少なくとも10パーセントとすることができる。換言すれば、TRF2は、1.1×(TRF1)より大きく且つ0.9×(TRF1)より小さくすることができる。別の実施形態において、周波数ステップは、第1の周波数の少なくとも2パーセントとすることができる。換言すれば、TRF2は、1.02×(TRF1)より大きく且つ0.98×(TRF1)より小さくすることができる。
【0081】
好ましくは、第2のTRFパワーレベルは、第1のTRFパワーレベルの50パーセントより大きくすることができる。第2のTRFパワーレベルのパワー出力必要条件が低いほど、RFRF電源が安価なものとなる。
【0082】
このステップ340を行って、プラズマを安定的に維持する。ここでのTRF2は、基板のプラズマ処理時における周波数値が望ましい。即ち、ステップ330において、プラズマが点火しやすい周波数(TRF1)でプラズマを点火し、プラズマ点火後にプラズマ処理に用いる周波数(TRF2)に周波数を変更して、プラズマ処理を行う。
【0083】
このように、プラズマ処理に用いる周波数以外のプラズマ点火がしやすい周波数を用いてプラズマを点火させ、その後、プラズマ処理に用いる周波数に周波数を変更することで、プラズマ点火を安定的に行うことができる。
【0084】
また、別の側面として、プラズマ点火後に周波数を変更することが、インピーダンスのマッチングに寄与するという効果もある。これにより、例えば、図2Aのような可変コンデンサがC1のみのような整合回路(通常は、可変コンデンサがC1、C2と2つある)であっても、プラズマ点火後の周波数変更とあわせて、インピーダンスマッチングを実現することができる。
【0085】
本発明の一実施形態において、周波数ステップは、約10ミリ秒から約1秒の範囲の持続期間を有することができる。ステップの持続期間が長いほど、RFRF電源の製造が安価なものとなる。
【0086】
本発明の別の実施形態において、RF電源はTRF1からTRF2まで線形に周波数ステップを行うことができる。
【0087】
更に、例えば図1に示されるようなモニタ装置は、プラズマが維持されているかどうかを割り出すために使用することができる。プラズマが維持される時、手順はステップ350で終わる。
【0088】
プラズマが維持されない時、故障条件を決めることができる。ここで、例えば、プロセスを停止し、メッセージを送ることができる。
【0089】
別の実施形態において、プラズマが維持されない時、プラズマ点火プロセスを再び実行することができる。ここで、例えば、故障条件が決められる前に、点火プロセスを何度も実行することができる。
【0090】
図4は、本発明の一実施形態に係る典型的な処理条件及びプラズマ状態を示す表図である。例えば、このデータは、ほぼ全てのテストにおいて、68MHzから60MHzへの周波数ステップにより、プラズマが点火されて維持されたことを示す。ここで使用されるRF周波数は、好ましくは約40.0MHzより大きい。テストは、低圧(10mTorr)、中圧(30mTorr)、及び高圧(200mTorr)において行い、ここで、TRF信号パワーは500ワット〜4200ワット、BRF信号パワーは0ワット〜4500ワットとした。この表図は、チューニング後の整合回路のための負荷パワーの精度を示す。「Top PL%」は、負荷パワーの精度であって、(1−((Top Pf−Top Pr)/(TRFパワーRF設定))×100)と等しい。ここで、「Top Pf」は上側電極における順方向パワーであり、「Top Pr」は上側電極における反射パワーであり、TRFパワー設定はRF電源パワー設定による。このデータは、本実施形態のシステムが、少なくとも450ワットのTRFパワー及び0.5Torr未満のチャンバ圧力のために動作することを示す。
【0091】
図5は、本発明の一実施形態に係る典型的な処理条件及び整合回路のためのチューニング時間を示す表図である。この表図は、上側電極チューニング時間「Top t」及びシステムチューニング時間「Sys t」の結果を示す。このデータは、ほぼ全てのテストにおいて、整合回路がその初期値から動作値まで3秒未満でチューニング可能であることを示す。テストは、低圧(10mTorr)、中圧(30mTorr)、及び高圧(200mTorr)において行い、ここで、TRF信号パワーは500ワット〜4200ワット、BRF信号パワーは0ワット〜4500ワットとした。
【0092】
本発明の一実施形態において、モニタ装置160が処理チャンバ120に連結される。例えば、処理チャンバ120は、処理チャンバ120内のプラズマによって発される波長の光に対して実質的に透明な少なくとも1つの窓(図示せず)を含むことができる。モニタ装置は、この窓を使用してプラズマの診断を行うことができる。
【0093】
本発明の一実施形態において、コントローラ150は、処理システム100との間でデータを送信及び/または受信するように構成することができる。例えば、コントローラ150は、マイクロプロセッサ、メモリ(例えば、揮発性及び/または不揮発性メモリ)、及びアナログI/Oポートを含む。アナログI/Oポートにより、処理システム100への入力を通信及び起動させる共に、処理システム100からの出力をモニタするのに十分な制御電圧を生成することが可能となる。また、コントローラ150は、第1のRF電源110、第1の整合回路115、処理チャンバ120、基板ホルダ130、第2のRF電源140、第2の整合回路145、及びモニタ装置160と情報を交換することができる。
【0094】
メモリに格納されたプログラムは、プロセスレシピに従って、処理システム100の上述の構成部分を制御するために利用することができる。コントローラ150は、データ(プロセスデータ及びシステムデータ)を集めるように構成することができ、これにより、データを分析し、データを目標データと比較すると共に、この比較を、プロセスの変更及び/または処理システムの1つまたは複数の構成部分の制御に使用することができる。また、コントローラは、データを分析し、データを履歴データと比較し、この比較を、障害の予測、予防、及び/または宣言に使用するように構成することができる。
【0095】
図6は、本発明のさまざまな実施形態を実行するためのコンピュータシステム1201を例示する図である。コンピュータシステム1201は、上述の機能のいずれかまたは全てを実行するためのコントローラ150またはモニタ装置160として使用される可能性がある。コンピュータシステム1201は、情報を伝達するためのバス1202または他の通信機構と、バス1202に連結された情報を処理するためのプロセッサ1203とを含む。コンピュータシステム1201はまた、情報及びプロセッサ1203によって実行される指令を記憶するため、バス1202に連結された主メモリ1204、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、他のダイナミックな記憶装置(例えば、ダイナミックRAM(DRAM)、スタティックRAM(SRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM))を含む。
【0096】
主メモリ1204は、プロセッサ1203による指令の実行中に、一時的な変数または他の中間情報を記憶するために使用される可能性がある。コンピュータシステム1201は更に、プロセッサ1203のための静的情報及び指令を記憶するため、バス1202に連結された読取り専用メモリ(ROM)1205または他のスタティクなメモリ(例えば、書き換え可能なROM(PROM)、消去可能なPROM(EPROM)、及び電気的に消去可能なPROM(EEPROM))を含む。
【0097】
コンピュータシステムはまた、1つまたは複数のデジタル信号プロセッサ(DSP)を含む可能性がある。これらの例は、テキサス・インスツルメンツから出されているTMS320シリーズのチップ、モトローラからから出されているDSP56000、DSP56100、DSP56300、DSP56600、及びDSP96000シリーズのチップ、ルーセント・テクノロジから出されているDSP1600及びDSP3200シリーズのチップ、及びアナログ・デバイセズから出されているADSP2100及びADSP21000シリーズのチップである。他のプロセッサであって、デジタル領域に変換されたアナログ信号を処理するように特別に設計されたものも、使用される可能性がある。
【0098】
コンピュータシステム1201はまた、情報及び指令を記憶する1つまたは複数の記憶装置を制御するため、バス1202に連結されたディスクコントローラ1206、例えば、磁気ハードディスク1207と、取り外し可能な媒体のドライブ1208(例えば、フロッピーディスクドライブ、読取り専用コンパクトディスクドライブ、リード/ライト・コンパクトディスクドライブ、コンパクトディスク・ジュークボックス、テープドライブ、及び取り外し可能な光磁気媒体のドライブ)とを含む。適当な装置インタフェース(例えば、小型コンピュータ用周辺機器インタフェース(SCSD、集積装置エレクトロニクス(IDE)、強化IDE(E−IDE)、直接メモリアクセス(DMA)または超DMA)を使用して、複数の記憶装置をコンピュータシステム1201に追加することができる。
【0099】
コンピュータシステム1201はまた、特定目的の論理回路(例えば、特定用途向けIC(ASIC))、または構造化可能な論理回路(例えば、単純なプログラマブル・ロジックデバイス(SPLD)、複合プログラマブル・ロジックデバイス(CPLD)、及びフィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA))を含む可能性がある。
【0100】
コンピュータシステム1201はまた、情報をコンピュータの使用者に表示するためのディスプレイ1210、例えば、陰極線管(CRT)を制御するため、バス1202に連結されたディスプレイコントローラ1209を含む可能性がある。コンピュータシステムは、コンピュータの使用者と対話し、プロセッサ1203に情報を提供するため、入力装置、例えば、キーボード1211及びポインティングデバイス1212を含む。例えば、ポインティングデバイス1212は、マウス、トラックボール、またはポインティングスティックからなり、プロセッサ1203に方向情報及びコマンドの選択を伝達すると共に、ディスプレイ1210上のカーソル動作を制御するために使用される。また、コンピュータシステム1201によって記憶及び/または生成されたデータの印刷リストを提供するため、プリンタが配設される可能性がある。
【0101】
コンピュータシステム1201は、メモリ、例えば、主メモリ1204に含まれる1つまたは複数の指令の1つまたは複数のシーケンスを実行しているプロセッサ1203に応答して、本発明の処理ステップ(図3に関して記載されているもの)の一部または全てを実行する。この種の指令は、コンピュータで読み取り可能な他の媒体、例えばハードディスク1207や取り外し可能な媒体ドライブ1208から、主メモリ1204に読み込まれる可能性がある。主メモリ1204に含まれる指令のシーケンスを実行するため、マルチ処理構成の1つまたは複数のプロセッサも使用される可能性がある。別の実施形態において、配線回路が、ソフトウェア指令に代えてまたはこれらと組み合わせて使用される可能性がある。このように、実施形態は、ハードウェア回路及びソフトウェアのいかなる特定の組合せにも限定されるものではない。
【0102】
上述のように、コンピュータシステム1201は、本発明の教示に従ってプログラムされた指令を保持すると共に、データ構造、テーブル、記録、ここに記載の他のデータを含むための少なくとも1つのコンピュータで読み取り可能な媒体またはメモリを含む。コンピュータで読み取り可能な媒体の例は、コンパクトディスク、ハードディスク、フロッピーディスク、テープ、光磁気ディスク、PROM(EPROM、EEPROM、フラッシュEPROM)、DRAM、SRAM、SDRAM、その他などの磁気媒体;コンパクトディスク(例えば、CD−ROM))、その他などの光学的媒体;パンチカード、紙テープ、その他などの孔パターンを有する他の物理的な媒体;搬送波(後述する)、その他などのコンピュータが読むことができる他の媒体である。
【0103】
コンピュータシステム1201を制御するため、本発明を実施するための1つまたは複数の装置を駆動するため、及びコンピュータシステム1201が人間の使用者(例えば、印刷担当者)と対話するため、本発明は、コンピュータで読み取り可能な媒体の1つまたは組合せに記憶された状態のソフトウェアを含む。この種のソフトウェアは、これに限定されるものではないが、デバイスドライブ、操作システム、開発ツール、及びアプリケーションのためのソフトウェアを含む。この種のコンピュータで読み取り可能な媒体は、更に、本発明を実施する際に実行される処理の全てまたは一部を実施するため、本発明に係るコンピュータプログラム製品を含む。
【0104】
本発明のコンピュータコード装置は、いかなる解釈可能なまたは実行可能なコードメカニズムでもあってもよく、これに限定されるものではないが、スクリプト、解釈可能なプログラム、ダイナミックなリンクライブラリ(DLL)、ジャバ(Java)クラス、及び完全実行可能プログラムを含む。本発明の処理の一部は、より良いパフォーマンス、信頼性、及び/またはコストのために配布される可能性がある。
【0105】
ここで使用される用語「コンピュータで読み取り可能な媒体」は、実行のためのプロセッサ1203に指令を提供することに参加するいかなる媒体をも意味する。コンピュータで読み取り可能な媒体は、多くの形態をとることができ、これに限定されるものではないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、及び伝達媒体を含む。例えば、不揮発性媒体は、光学ディスク、磁気ディスク、及び光磁気ディスク、例えばハードディスク1207、取り外し可能な媒体ドライブ1208を含む。揮発性媒体は、ダイナミックメモリ、例えば、主メモリ1204を含む。伝達媒体は、同軸ケーブル、銅線、及び光ファイバ、例えば、バス1202を形成す配線を含む。伝達媒体はまた、例えば、電波及び赤外線データ通信で生成されるような、音波または光波の形態をとることができる。
【0106】
コンピュータで読み取り可能な媒体のさまざまな形態が、実行のためにプロセッサ1203に対して1つまたは複数の指令のシーケンスを行うことに関係する可能性がある。例えば、指令は、まず、遠隔コンピュータの磁気ディスク上で処理される。遠隔コンピュータは、本発明の全てまたは一部を実行するための指令を、ダイナミックメモリに遠隔でロードし、モデムを使用して電話線上でこの指令を送ることができる。コンピュータシステム1201用のモデムは、電話線上でデータを受信し、赤外線送信器を使用してデータを赤外線信号に変換することができる。バス1202に連結された赤外線探知器が、赤外線信号で運ばれるデータを受信し、これをバス1202に入れることができる。バス1202は、データを主メモリ1204へ送り、そこからプロセッサ1203が指令を読み出して実行する。主メモリ1204によって受け取られる指令は、プロセッサ1203による実行の前または後に、メモリ1207または1208に任意に記憶される可能性がある。
【0107】
コンピュータシステム1201はまた、バス1202に連結された通信インタフェース1213を含む。通信インタフェース1213は、ネットワークリンク1214に2方向データ通信結合を提供し、ネットワークリンク1214は、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)1215、或いはインターネットのような他の通信網1216に接続される。例えば、通信インタフェース1213は、いかなるパケット切替えLANにも取り付けられるネットワークインタフェースカードとすることができる。別の例として、通信インタフェース1213は、非対称デジタル加入者回線(ADSL)カード、統合サービスデジタルネットワーク(ISDN)カード、または通信ラインの対応するタイプとのデータ通信接続を提供するモデムとすることができる。また、無線リンクも利用される可能性がある。いずれの種類の実施においても、通信インタフェース1213は、様々な形の情報を表すデジタルデータストリームを担持する電気、電磁気、または光学信号を送信及び受信する。
【0108】
ネットワークリンク1214は、一般的に、1つまたは複数のネットワークを通して、他のデータ装置に対してデータ通信を提供する。例えば、ネットワークリンク1214は、ローカルネットワーク1215(例えば、LAN)を通して接続を提供する、或いは、通信網1216を通して通信サービスを提供するサービスプロバイダによって操作される他の装置を通して接続を提供することができる。例えば、ローカルネットワーク1214及び通信網1216は、デジタルデータストリーム及び関連する物理層を担持する電気、電磁気、または光学信号を使用する(例えば、CAT5ケーブル、同軸ケーブル、光ファイバなど)。
【0109】
コンピュータシステム1201への及びコンピュータシステム1201からのデジタルデータを担持する、さまざまなネットワークを通した信号、及びネットワークリンク1214及び通信インタフェース1213を通した信号は、ベースバンド信号または搬送波に基づく信号として実行可能である。ベースバンド信号は、デジタルデータビットのストリームを表現する非変調電気パルスとしてデジタルデータを伝達する。ここで、用語「ビットは、広義に符号を意味するものと解釈され、各符号は、少なくとも1つまたは複数の情報ビットを伝達する。デジタルデータはまた、例えば、振幅、位相、及び/または周波数シフトによって搬送波を変調するために使用される可能性がある。調整された信号は、伝導媒体上を伝播されるか、または伝搬媒体を通して電磁波として送信される。このように、デジタルデータは、「配線された」通信チャネルを通して、非変調ベースバンドデータとして伝達される可能性、及び/または、搬送波を変調することにより、ベースバンドとは異なる、所定の周波数帯内で伝達される可能性がある。
【0110】
コンピュータシステム1201は、ネットワーク1215及び1216、ネットワークリンク1214、及び通信インタフェース1213を通して、プログラムコードを含むデータを送信及び受信することができる。ネットワークリンク1214は、モバイル装置1217、例えば、個人デジタル補助(PDA)ラップトップコンピュータや携帯電話に、LAN1215を通して接続を提供する可能性がある。
【0111】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明によれば、整合回路(或いは素子数が少ない整合回路)を有する処理システムと、最適点火技術を利用した、整合回路を有する処理システムを操作する方法とを提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理システムを操作する方法であって、
基板を処理チャンバ内の基板ホルダ上に配置する工程と、
前記プラズマ処理システムを初期化する工程と、
前記処理チャンバ内の電極に連結された第1のRF電源からの第1の周波数を有する第1の信号を使用してプラズマを点火する工程と、
第2の周波数を有する第2の信号を使用して前記プラズマを維持する工程と、
を具備する。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記第1の信号のための第1のパワーレベルを決定する工程を更に具備し、前記第1の信号は第1のパワー出力レベルに設定される。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、
前記処理チャンバ中に処理ガスを導入する工程と、前記処理ガスは炭素含有ガス、酸素含有ガス、フッ素含有ガス、及び不活性ガスの少なくとも1つを具備することと、
チャンバ圧力を約0.5Torr未満に決定する工程と、
を更に具備する。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
第1の整合回路を使用して、前記第1のRF電源を前記プラズマ処理システムの前記電極に連結する工程と、
前記第1の整合回路をプラズマ点火のための初期条件にチューニングする工程と、
を更に具備する。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
前記第1の周波数は、前記第2の周波数よりも、周波数において少なくとも2パーセント高い。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、
前記第1の周波数は、前記第2の周波数よりも、周波数において少なくとも10パーセント高い。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、
前記第1の周波数は、前記第2の周波数よりも、周波数において少なくとも2パーセント低い。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、
前記第1の周波数は、前記第2の周波数よりも、周波数において少なくとも10パーセント低い。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、
前記第1の信号は第1の期間に亘って提供され、前記第2の信号は第2の期間に亘って提供される。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、
前記第1の期間は、約10ミリ秒から約1秒の範囲の持続期間を有する。
【請求項11】
請求項1または4に記載の方法において、
前記第1のRF電源によって提供されている前記第1の信号のための順方向パワーを割り出す工程と、
前記第1のRF電源に戻されている前記第1の信号のための反射パワーを割り出す工程と、
前記順方向パワー及び前記反射パワーのうちの少なくとも1つを使用し、前記プラズマがいつ点火されたかを割り出す工程と、
を更に具備する。
【請求項12】
請求項4に記載の方法において、
前記第1の整合回路を前記初期条件から動作条件にチューニングする工程と、
前記プラズマが消えていないことを確認する工程と、
を更に具備する。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、
前記第1の整合回路は、前記初期条件から前記動作条件に4秒未満でチューニングされる。
【請求項14】
処理システムであって、
基板ホルダと前記基板ホルダの上方に配設された電極とを有する処理チャンバと、
前記処理チャンバに連結された圧力制御システムと、
前記処理チャンバに連結されたガス供給系と、
前記処理チャンバ及び前記電極に連結された整合回路と、
前記整合回路に連結されたRF電源と、
前記圧力制御システム、前記ガス供給系、前記整合回路、及び前記RF電源に連結された制御システムと、
を具備する。
【請求項15】
請求項14に記載の処理システムにおいて、
前記整合回路は、入力端子、出力端子、前記入力端子に連結されたチューニング可能な素子、及び前記入力端子及び前記出力端子間に連結された固定素子を具備する。
【請求項16】
請求項15に記載の処理システムにおいて、
前記整合回路は、前記チューニング可能な素子に連結されたチューニング調整装置を更に具備し、前記チューニング調整装置は前記制御システムに連結され、前記制御システムは、前記チューニング調整装置に信号を提供すると共に、前記チューニング調整装置から信号を受信する。
【請求項17】
請求項15に記載の処理システムにおいて、
前記チューニング可能な素子は可変コンデンサを具備する。
【請求項18】
請求項15に記載の処理システムにおいて、
前記固定反応素子は固定コンデンサを具備する。
【請求項19】
請求項14に記載の処理システムにおいて、
前記整合回路は、入力端子及び出力端子を具備し、前記RF電源は前記入力端子に連結され、前記処理チャンバは前記出力端子に連結される。
【請求項20】
請求項14に記載の処理システムにおいて、
前記RF電源は、第1の期間中は第1の周波数で動作し、第2の期間中は第2の周波数で動作するように構成される。
【請求項21】
請求項20に記載の処理システムにおいて、
前記第1の周波数は、前記第2の周波数よりも、周波数において少なくとも2パーセント高い。
【請求項22】
請求項20に記載の処理システムにおいて、
前記第1の周波数は、前記第2の周波数よりも、周波数において少なくとも10パーセント高い。
【請求項23】
請求項20に記載の処理システムにおいて、
前記第1の期間は、約10ミリ秒から約1秒の範囲の持続期間を有する。
【請求項24】
請求項20に記載の処理システムにおいて、
前記RF電源は、前記第1の期間中は第1の出力パワーを提供し、前記第2の期間中は第2の出力パワーを提供するように構成される。
【請求項25】
請求項14に記載の処理システムにおいて、
モニタ装置を更に具備し、前記モニタ装置は、前記RF電源に連結されたセンサを具備し、前記センサは、順方向パワーデータ及び反射パワーデータを前記制御システムに提供し、前記制御システムは、前記順方向パワーデータ及び前記反射パワーデータを使用して処理条件を割り出すように構成される。
【請求項26】
請求項25に記載の処理システムにおいて、
前記制御システムは、プラズマがいつ点火されたかを割り出すために、前記順方向パワーデータ及び前記反射パワーデータを使用するように構成される。
【請求項27】
請求項25に記載の処理システムにおいて、
前記制御システムは、プラズマがいつ安定したかを割り出すために、前記順方向パワーデータ及び前記反射パワーデータを使用するように構成される。
【請求項28】
請求項14に記載の処理システムにおいて、
前記整合回路は前記電極より上方に配設され、前記整合回路は前記電極に第1の伝送線路を介して連結される。
【請求項29】
請求項28に記載の処理システムにおいて、
前記RF電源は整合回路より上方に配設され、前記RF電源は前記整合回路に第2の伝送線路を介して連結される。
【請求項30】
プロセッサ上で実行するためのプログラム指令を含むコンピュータで読み取り可能な媒体であって、
前記プログラム指令は、プロセッサによって実行される時、プラズマ処理システムに、
前記プラズマ処理システムを初期化する工程と、
プラズマを点火するように、処理チャンバ内の電極に連結された第1のRF電源から、第1の周波数を有する第1の信号を供給する工程と、
前記プラズマを維持するように、第2の周波数を有する第2の信号を供給する工程と、
を実行させる。
【請求項31】
プラズマ処理システムであって、
前記プラズマ処理システムを初期化する手段と、
プラズマを点火するように、第1の周波数を有する第1の信号を処理チャンバ内の電極に供給する手段と、
前記プラズマを維持するように、第2の周波数を有する第2の信号を前記処理チャンバ内の前記電極に供給する手段と、
を具備する。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【国際公開番号】WO2005/031839
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【発行日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−514285(P2005−514285)
【国際出願番号】PCT/JP2004/014407
【国際出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
2.JAVA
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【出願人】(597088476)アドバンスド エナジー インダストリーズ, インコーポレイテッド (18)
【住所又は居所原語表記】1625 Sharp Point Drive, Fort Collins, Colorado 80525 U.S.A.
【Fターム(参考)】