説明

ポータブルナビゲーションシステム

【課題】健康増進に寄与できるポータブルナビゲーションシステムを提供する。
【解決手段】心拍数を計数する心拍計15と、心拍計で計数された心拍数に基づきカロリー消費量を計算するカロリー消費量計算部33と、地図データを記憶する地図データ記憶部18aと、現在位置を検出する現在位置検出部31と、現在位置検出部で検出された現在位置と地図データ記憶部から読み出した地図データとのマッチングをとることにより通過した道路を検出する道路検出部32と、道路検出部で検出された道路の各区間に、カロリー消費量計算部で計算された該区間におけるカロリー消費量を対応付けて記憶するカロリー消費量記憶部18bと、地図データ記憶部から読み出した地図データによって示される道路の各区間に、カロリー消費量記憶部から読み出した該道路の各区間におけるカロリー消費量を対応させて表示する表示部17とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、持ち運び可能なポータブルナビゲーションシステムに関し、特に、健康増進に寄与できる情報を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、健康増進の目的で、自動車で郊外まで出かけ、その郊外においてサイクリングやランニング、トレッキングなどの屋外アクティビティを愉しむ人が増えている。このような場合は、自動車から離れてもナビゲーション機能を使用できるポータブルナビゲーションシステムを有効に活用することができる。このようなポータブルナビゲーションシステムとしては、自動車から取り外してユーザが携行できるカーナビゲーション装置やナビゲーション機能を有する携帯電話などが知られている。このような従来のポータブルナビゲーションシステムは、時間効率性を重視した経路案内を行うことに主眼を置いて作製されている。
【0003】
一方、時間効率性以外を考慮したナビゲーションシステムとして、特許文献1は、ドライバの特性に応じた最適経路を選択することができる経路誘導装置を開示している。この経路誘導装置は、ドライバの生体計測データと道路情報を基に「個人別運転レベル」を算出し、この算出した個人別運転レベルを目的地までの経路案内に利用し、一定の難易度を超えた経路を案内しないように構成されている。
【0004】
また、特許文献2は、安全走行を最優先に考え、ドライバの運転余裕度を把握し、ストレスの無い運転状況を実現できるナビゲーション装置を開示している。このナビゲーション装置は、視線移動や心拍数の変化などの情報から「運転者の受けたストレス」を記録し、次回以降の経路案内で運転ストレスの低減を図るように構成されている。
【0005】
また、ナビゲーションシステム以外で「健康増進」を目的とした機器として、特許文献3は、万歩計(登録商標)や血圧計などの健康維持器具や補聴器などを気軽に利用できるようにし、使い勝手を向上させた多機能携帯電話機を開示している。この多機能携帯電話機は、携帯用の電話機本体に万歩計(登録商標)や、その他の必要な測定器具の機能を組み込み、表示部にそれらの機能の測定結果を表示する。
【0006】
【特許文献1】特開平10−253379号公報
【特許文献2】特開平10−82653号公報
【特許文献3】特開2001−103134号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1および特許文献2に開示された技術は、ユーザの運転レベルに適合する経路案内やユーザの負荷軽減を目的としたものであり、健康増進、例えば、よりカロリーを消費したいというユーザ性向を満たすことができるものではない。また、特許文献3に開示された技術は、携帯電話機の万歩計(登録商標)や移動距離のデータを元に算出したカロリー消費量を基にユーザの健康増進を図るものであるが、ナビゲーション機能を有しない。このような現況にあって、ナビゲーション機能を有し、しかも健康増進に寄与できる機器の開発が望まれている。
【0008】
この発明は、上述した要請に応えるためになされたものであり、その課題は、健康増進に寄与できるポータブルナビゲーションシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係るポータブルナビゲーションシステムは、上記課題を解決するために、心拍数を計数する心拍計と、心拍計で計数された心拍数に基づきカロリー消費量を計算するカロリー消費量計算部と、地図データを記憶する地図データ記憶部と、現在位置を検出する現在位置検出部と、現在位置検出部で検出された現在位置と地図データ記憶部から読み出した地図データとのマッチングをとることにより通過した道路を検出する道路検出部と、道路検出部で検出された道路の各区間に、カロリー消費量計算部で計算された該区間におけるカロリー消費量を対応付けて記憶するカロリー消費量記憶部と、地図データ記憶部から読み出した地図データによって示される道路の各区間に、カロリー消費量記憶部から読み出した該道路の各区間におけるカロリー消費量を対応させて表示する表示部とを備えている。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係るポータブルナビゲーションシステムによれば、心拍計からの心拍数から求められるカロリー消費量を地図データに対応付けて記憶し、この記憶されたカロリー消費量を道路の区間毎に表示できるように構成したので、単に「消費したカロリーの総量」を示すだけではなく、「地図上のどの辺りがカロリー消費に貢献したか、大変だったか」などを表示できる。その結果、より楽しく、且つ効果的に屋外でのフィットネス活動をサポートできるので、健康増進に寄与できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るポータブルナビゲーションシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。このポータブルナビゲーションシステムは、本体1、クレードル2および心拍センサ3から構成されている。
【0012】
本体1は、クレードル2に着脱可能に構成されている。クレードル2は、自動車、自転車、家庭内などに設置され、主に、本体1の電源(図示しない)を充電するために使用される。本体1は、クレードル2から取り外して持ち運び可能に構成されており、単体でナビゲーション機能を提供することができる。クレードル2は、移動手段識別器22を備えている。移動手段識別器22は、本体1が装着されたクレードル2が自動車用であるか、自転車用であるか、または家庭用であるかを表す移動手段識別信号を発生して本体1に送る。
【0013】
ポータブルナビゲーションシステムは、本体1が、例えば自動車用のクレードル2に装着されることにより自動車用のナビゲーション装置、つまりカーナビゲーション装置として機能し、自転車用のクレードル2に装着されることにより自転車用のナビゲーション装置として機能し、クレードル2に装着されない場合は、歩行またはランニング用のナビゲーション装置として機能する。
【0014】
心拍センサ3は、ユーザの心拍を検出し、心拍パルスとして無線で本体1に送信する。この心拍センサ3としては、ユーザが例えば腕に巻き付けて使用する腕時計型の心拍センサを使用することができる。
【0015】
本体1は、GPS(Global Positioning System)受信器11、車速センサ12、ジャイロセンサ13、操作入力器14、心拍計15、ワイヤレス受信部16、ディスプレイ17、データストレージ18、ROM19、RAM20およびCPU21から構成されている。
【0016】
GPS受信器11は、複数のGPS衛星からの電波を受信することにより自車位置を計測することができるGPS信号を生成し、CPU21に送る。車速センサ12は、本体1が自動車用のクレードル2に装着されることにより有効になり、自車の移動速度を計測する。この車速センサ12で計測された自車の移動速度は、速度信号としてCPU21に送られる。車速センサ12は、一般的に、車輪の回転数を計測するセンサから構成されており、このセンサで計測された回転数に基づき移動速度を算出する。
【0017】
ジャイロセンサ13は、進行方向を計測し、方位信号としてCPU21に送る。操作入力器14は、例えば、リモートコントローラ(リモコン)、ディスプレイ17の画面上に載置されたタッチパネル、押釦スイッチ、音声認識装置などから構成することができる。この操作入力器14は、ユーザが、操作によって、目的地や、ユーザが消費を所望するカロリー量(以下、「カロリー消費量」という)の目標値を入力するために使用される。この操作入力器14から入力された目的地や目標値はCPU21に送られる。
【0018】
心拍計15は、ワイヤレス受信部16からの心拍パルス信号を受け取り、心拍数を算出する。この心拍計15で算出された心拍数は、CPU21に送られる。ワイヤレス受信部16は、心拍センサ3から無線で送られてくる心拍パルスを受信して電気信号に変換し、心拍パルス信号として心拍計15に送る。ディスプレイ17は、例えば液晶ディスプレイ装置から構成されており、CPU21から送られてくる表示データにしたがって地図や経路を表示するとともに、この地図上にカロリー消費量などの情報を表示する。この発明の表示部は、このディスプレイ17とCPU21の制御部34(詳細は後述する)とによって構成されている。
【0019】
データストレージ18は、例えばHDD(Hard Disk Drive)から構成されており、地図データ記憶部18aおよびカロリー消費量記憶部18bを備えている。地図データ記憶部18aは、地図データを記憶している。カロリー消費量記憶部18bは、CPU21で計算されたカロリー消費量を記憶する。このデータストレージ18は、CPU21によってアクセスされる。
【0020】
ROM19は、このポータブルナビゲーションシステムの動作を制御する制御プログラムを記憶している。RAM20は、データを一時的に記憶するワーク領域として使用される。CPU21は、ROM19に記憶されている制御プログラムにしたがって動作し、RAM20をワーク領域として使用して各種処理を実行する。このCPU21の詳細を以下に説明する。
【0021】
図2は、CPU21の機能的な構成を示すブロック図である。CPU21は、現在位置検出部31、道路検出部32、カロリー消費量計算部33および制御部34を備えている。これらの各部は、CPU21のソフトウェア処理によって実現されている。
【0022】
現在位置検出部31は、GPS受信器11から送られてくるGPS信号、車速センサ12から送られてくる速度信号およびジャイロセンサ13から送られてくる方位信号に基づき自己の現在位置を検出する。この現在位置検出部31で検出された自己の現在位置を示す現在位置データは、道路検出部32に送られる。なお、車速センサ12から送られてくる速度信号は、クレードル2の移動手段識別器22が自動車用であることを表す移動手段識別信号を出力している場合にのみ使用される。
【0023】
道路検出部32は、現在位置検出部31からリアルタイムに送られてくる現在位置データと地図データ記憶部18aから読み出した地図データとのマッチングをとることにより、自己が通過した道路を検出する。この道路検出部32で検出された道路を表す道路データは、制御部34に送られる。カロリー消費量計算部33は、心拍計15から送られてくる心拍数に基づきカロリー消費量を計算する。このカロリー消費量計算部33で計算されたカロリー消費量は、制御部34に送られる。
【0024】
制御部34は、道路検出部32から送られてくる道路データが所定の区間の終わり、例えば1つの道路リンクの終わりを示す毎に、カロリー消費量計算部33から受け取ったカロリー消費量に基づき、その区間におけるカロリー消費量を算出する。そして、算出したカロリー消費量を、その区間に対応付けてカロリー消費量記憶部18bに記憶する。
【0025】
また、制御部34は、地図データ記憶部18aから地図データを読み出してディスプレイ17に送ることによって通過した道路を含む地図を表示し、さらに、カロリー消費量記憶部18bから通過した道路の各区間のカロリー消費量を読み出して全区間のカロリー消費量を計算し、各区間のカロリー消費量および全区間のカロリー消費量をディスプレイ17に送る。これにより、図3に示すように、ディスプレイ17には、スタート地点Sからゴール地点Gまでの道路の全区間のカロリー消費量の他に、各区間T1、T2およびT3のカロリー消費量が表示される。したがって、ユーザは、地図上のどの区間でカロリー消費が多かったかなどを視覚的に把握することができる。
【0026】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るポータブルナビゲーションシステムによれば、心拍計15からの心拍数から求められるカロリー消費量(個人差のある情報)を地図データに対応付けて記録できるようにしたので、単に「消費したカロリーの総量」を示すだけではなく、「地図上のどの辺りがカロリー消費に貢献したか、大変だったか」などを表示できるので、より楽しく、且つ効果的に屋外でのフィットネス活動をサポートできる。
【0027】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係るポータブルナビゲーションシステムは、実施の形態1に係るポータブルナビゲーションシステムにおいて、カロリー消費量記憶部18bに記憶されたカロリー消費量を考慮して経路探索を行うようにしたものである。このポータブルナビゲーションシステムでは、操作入力器14から目的地が入力される他に、ユーザが所望するカロリー消費量の目標値が入力される。
【0028】
実施の形態2に係るポータブルナビゲーションシステムのハードウェア構成は、CPU21の機能的な構成を除き、実施の形態1に係るポータブルナビゲーションシステムの構成と同じである。図4は、実施の形態2に係るポータブルナビゲーションシステムで使用されるCPU21の機能的な構成を示すブロック図である。CPU21は、図2に示した実施の形態1に係るCPUの構成に、ソフトウェア処理によって実現された経路探索部35が追加されて構成されている。
【0029】
経路探索部35は、現在位置検出部31で検出された現在位置から、操作入力器14から入力された目的地までの経路を、地図データ記憶部18aに記憶されている地図データに基づき探索する。そして、探索された経路の各区間で消費されるカロリーを、カロリー消費量記憶部18bから読み出したカロリー消費量に基づき計算し、各区間におけるカロリー消費量の総和が、操作入力器14から入力されたカロリー消費量の目標値より小さければ、再度、他の経路を探索する。そして、各区間におけるカロリー消費量の総和が、操作入力器14から入力されたカロリー消費量より大きい経路が探索された場合に、その経路を推奨経路として制御部34に送る。
【0030】
制御部34は、経路探索部35から送られてきた推奨経路を含む地図データを、地図データ記憶部18aから読み出してディスプレイ17に送ることにより推奨経路を含む地図を表示させ、さらに、カロリー消費量記憶部18bから読み出した推奨経路の各区間のカロリー消費量から全区間のカロリー消費量を計算し、推奨経路の各区間のカロリー消費量および全区間のカロリー消費量をディスプレイ17に送る。これにより、ディスプレイ17には、推奨経路の全区間のカロリー消費量の他に、各区間のカロリー消費量が、例えば図3に示すような形態で表示される。
【0031】
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係るポータブルナビゲーションシステムによれば、カロリー消費量記憶部18bに経路の各区間のカロリー消費量が記憶されていれば、ユーザが所望するカロリー消費を達成できる推奨経路を表示させることができるので、ユーザの健康増進に寄与できる。
【0032】
実施の形態3.
上述した実施の形態2に係るポータブルナビゲーションシステムでは、カロリー消費量記憶部18bには、ユーザが実際に通った経路の各区間のカロリー消費量が記憶されるだけであるので、ユーザが未だ通っていない経路を含む推奨経路をユーザに提示できない。この実施の形態3に係るポータブルナビゲーションシステムは、ユーザが未だ通っていない経路を含む推奨経路をユーザに提示できるようにしたものである。
【0033】
実施の形態3に係るポータブルナビゲーションシステムのハードウェア構成は、CPU21の機能的な構成を除き、実施の形態2に係るポータブルナビゲーションシステムと同じである。図5は、実施の形態3に係るポータブルナビゲーションシステムで使用されるCPU21の機能的な構成を示すブロック図である。CPU21は、図4に示した実施の形態2に係るCPUの構成に、ソフトウェア処理によって実現された勾配計算部36が追加されて構成されている。
【0034】
勾配計算部36は、道路検出部32から送られてくる道路データが所定区間(例えば、100m)の終わりを示す毎に、その所定区間の道路の勾配を、地図データ記憶部18aから読み出した地図データに含まれる高度データに基づき計算し、制御部34に送る。制御部34は、勾配計算部36から送られてくる勾配を、カロリー消費量計算部33から送られてくる、その所定区間におけるカロリー消費量に対応付けてカロリー消費量記憶部18bにテーブル形式で記憶する。図6は、カロリー消費量記憶部18bに記憶されるテーブルの例を示す図であり、勾配値毎に100mあたりのカロリー消費量が記憶されている。
【0035】
経路探索部35は、現在位置検出部31で検出された現在位置から、操作入力器14から入力された目的地までの複数の経路を、地図データ記憶部18aに記憶されている地図データに基づき探索する。そして、探索された複数の経路の各々で消費されるカロリーを、カロリー消費量記憶部18bから読み出したカロリー消費量に基づき計算し、経路と一緒に制御部34に送る。
【0036】
制御部34は、経路探索部35から送られてきた複数の経路を含む地図データを地図データ記憶部18aから読み出してディスプレイ17に送ることにより複数の経路を含む地図を表示し、さらに、カロリー消費量記憶部18bから読み出した複数の経路の各々のカロリー消費量を計算し、これにより、ディスプレイ17には、図7に示すように、現在位置から目的地までの複数の経路と、各経路のカロリー消費量とが表示される。
【0037】
以上説明したように、この実施の形態3に係るポータブルナビゲーションシステムによれば、ある道路をユーザが実際に通ったときに、勾配値毎のカロリー消費量を計算して記憶しておき、経路探索時に、探索された複数の経路の各々につて、勾配値に基づきカロリー消費量を計算して表示するように構成したので、ユーザが未だ通ったことのない経路に対して、カロリー消費量を予想することができる。
【0038】
なお、この実施の形態3に係るポータブルナビゲーションシステムにおいて、実施の形態2に係るポータブルナビゲーションシステムのように、ユーザが目的地に到達するまでに消費を所望するカロリー消費量の目標値を設定しておき、これを達成できるような経路を表示するように構成すれば、ユーザが目標とするカロリー消費を達成できる「遠回り」の経路検索も可能になる。
【0039】
実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係るポータブルナビゲーションシステムは、携帯電話を使用してナビゲーション機能および健康増進のための情報を提示できるようにしたものである。以下では、自転車用のポータブルナビゲーションシステムについて説明する。
【0040】
図8は、この発明の実施の形態4に係るポータブルナビゲーションシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。このポータブルナビゲーションシステムは、GPS機能内蔵の携帯電話4、自転車用のクレードル5および心拍センサ3から構成されている。携帯電話4はクレードル5に装着されて使用される。心拍センサ3は、実施の形態1に係るポータブルナビゲーションシステムのそれと同じである。
【0041】
クレードル5は、コネクタ51、車輪回転センサ52、心拍計53およびワイヤレス受信部54から構成されている。コネクタ51は、クレードル5に携帯電話4を接続するために使用される。車輪回転センサ52は、自車の移動速度を計測する。この車輪回転センサ52で計測された自車の移動速度は、速度信号としてコネクタ51を経由して携帯電話4に送られる。車輪回転センサ52は、車輪の回転数を計測するセンサから構成されており、このセンサで計測された回転数に基づき移動速度を算出する。
【0042】
心拍計53およびワイヤレス受信部54は、実施の形態1に係るポータブルナビゲーションシステムの心拍計15およびワイヤレス受信部16とそれぞれ同じである。心拍計53で算出された心拍数は、コネクタ51を経由して携帯電話4に送られる。
【0043】
携帯電話4は、GPS受信器41およびナビゲーションソフトウェア42を搭載している。GPS受信器41は、実施の形態1〜3におけるGPS受信器11と同じである。また、ナビゲーションソフトウェア42は、実施の形態1〜3における現在位置検出部31、道路検出部32、カロリー消費量計算部33、制御部34、経路探索部35および勾配計算部36と同様の機能を含む。なお、ディスプレイ17およびデータストレージ18は、図示は省略するが、携帯電話4に備えられているディスプレイおよびメモリがそれぞれ使用される。
【0044】
上記のように構成される、この発明の実施の形態4に係るポータブルナビゲーションシステムの動作は、心拍数をクレードル5に搭載された心拍計53から取得し、移動速度をクレードル5に搭載された車輪回転センサ52から取得することを除けば、上述した実施の形態1〜3の動作と同じである。
【0045】
以上説明したように、この発明の実施の形態4に係るポータブルナビゲーションシステムによれば、上述した実施の形態1〜3に係るポータブルナビゲーションシステムと同様の効果を奏する。
【0046】
なお、この実施の形態4に係るポータブルナビゲーションシステムは、クレードル5から取り出した携帯電話4だけの場合は、徒歩用またはランニング用のナビゲーションシステムとして使用できる。また、クレードル5から車輪回転センサ52を取り外して、徒歩用やランニング用のナビゲーションシステムとして使用するように構成することもできる。さらに、クレードル5が有する機能を携帯電話4に内蔵するように構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】この発明の実施の形態1に係るポータブルナビゲーションシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るポータブルナビゲーションシステムで使用されるCPUの機能的な構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係るポータブルナビゲーションシステムで表示される道路とカロリー消費量の例を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態2に係るポータブルナビゲーションシステムで使用されるCPUの機能的な構成を示すブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態3に係るポータブルナビゲーションシステムで使用されるCPUの機能的な構成を示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態3に係るポータブルナビゲーションシステムにおいてカロリー消費量記憶部に記憶されるテーブルの例を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態3に係るポータブルナビゲーションシステムで表示される経路とカロリー消費量の例を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態4に係るポータブルナビゲーションシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0048】
1 本体、2 クレードル、3 心拍センサ、4 携帯電話、5 クレードル、11 GPS受信器、12 車速センサ、13 ジャイロセンサ、14 操作入力器、15 心拍計、16 ワイヤレス受信部、17 ディスプレイ、18 データストレージ、18a 地図データ記憶部、18b カロリー消費量記憶部、19 ROM、20 RAM、21 CPU、22 移動手段識別器、31 現在位置検出部、32 道路検出部、33 カロリー消費量計算部、34 制御部、35 経路探索部、36 勾配計算部、41 GPS受信器、42 ナビゲーションソフトウェア、51 コネクタ、52 車輪回転センサ、53 心拍計、54 ワイヤレス受信部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
心拍数を計数する心拍計と、
前記心拍計で計数された心拍数に基づきカロリー消費量を計算するカロリー消費量計算部と、
地図データを記憶する地図データ記憶部と、
現在位置を検出する現在位置検出部と、
前記現在位置検出部で検出された現在位置と前記地図データ記憶部から読み出した地図データとのマッチングをとることにより通過した道路を検出する道路検出部と、
前記道路検出部で検出された道路の各区間に、前記カロリー消費量計算部で計算された該区間におけるカロリー消費量を対応付けて記憶するカロリー消費量記憶部と、
前記地図データ記憶部から読み出した地図データによって示される道路の各区間に、前記カロリー消費量記憶部から読み出した該道路の各区間におけるカロリー消費量を対応させて表示する表示部
とを備えたポータブルナビゲーションシステム。
【請求項2】
目的地およびカロリー消費の目標値を入力する操作入力器と、
現在位置検出部で検出された現在位置から前記操作入力器によって入力された目的地までの複数の経路の中から、前記操作入力器によって入力されたカロリー消費の目標値を越えることができる推奨経路を、地図データ記憶部から読み出した地図データとカロリー消費量記憶部から読み出したカロリー消費量とに基づき探索する経路探索部とを備え、
表示部は、前記経路探索部で探索された推奨経路を地図データ記憶部から読み出した地図データに基づき表示するとともに、前記カロリー消費量記憶部から読み出した該推奨経路の各区間におけるカロリー消費量を表示する
ことを特徴とする請求項1記載のポータブルナビゲーションシステム。
【請求項3】
道路検出部によって検出された道路の区間の勾配を地図データ記憶部から読み出した地図データに含まれる高度データに基づき計算し、該計算した勾配とカロリー消費量計算部で計算された該区間におけるカロリー消費量を対応付けてカロリー消費量記憶部に記憶させる勾配計算部と、
目的地を入力する操作入力器と、
現在位置検出部で検出された現在位置から前記操作入力器によって入力された目的地までの複数の経路を地図データ記憶部から読み出した地図データに基づき探索し、該探索した複数の経路の各々に対応するカロリー消費量を前記カロリー消費量記憶部に記憶されているカロリー消費量に基づき計算する経路探索部とを備え、
表示部は、前記経路探索部で探索された複数の経路を地図データ記憶部から読み出した地図データに基づき表示するとともに、前記カロリー消費量記憶部から読み出した各経路のカロリー消費量を表示する
ことを特徴とする請求項1記載のポータブルナビゲーションシステム。
【請求項4】
心拍数を計数する心拍計を備えたクレードルと、
前記クレードルに装着される携帯電話
とを備えたポータブルナビゲーションシステムであって、
前記携帯電話は、
前記クレードルに備えられた心拍計で計数された心拍数に基づきカロリー消費量を計算するカロリー消費量計算部と、
地図データを記憶する地図データ記憶部と、
現在位置を検出する現在位置検出部と、
前記現在位置検出部で検出された現在位置と前記地図データ記憶部から読み出した地図データとのマッチングをとることにより通過した道路の区間を検出する道路検出部と、
前記道路検出部で検出された道路の区間に、前記カロリー消費量計算部で計算された該区間におけるカロリー消費量を対応付けて記憶するカロリー消費量記憶部と、
前記地図データ記憶部から読み出した地図データによって示される道路の各区間に、前記カロリー消費量記憶部から読み出した該道路の各区間におけるカロリー消費量を対応させて表示する表示部
とを備えたポータブルナビゲーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−292505(P2007−292505A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−118253(P2006−118253)
【出願日】平成18年4月21日(2006.4.21)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】