説明

不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法

【課題】 ゲート電極の側壁部に電荷蓄積部を配置してなる不揮発性メモリセルにおいて、アライメントずれによる特性バラツキを抑制し、メモリセル面積の縮小化を図る。
【解決手段】 半導体基板2上に形成されたゲート絶縁膜5、ゲート絶縁膜5上に形成されたゲート電極6、ゲート電極6の行方向の両側壁部に形成された電荷蓄積部7、ゲート電極6と電荷蓄積部7の下方に位置するチャネル領域3、及び、チャネル領域3の行方向に両側の半導体基板2表面に埋め込み拡散層で形成された2つの拡散層領域4を備え、行方向に隣接する2つのメモリセルのゲート電極6が、2つの拡散層領域4と電荷蓄積部7の上方を通過して相互に接続して行方向に延伸するゲート電極配線6aを形成し、2つの拡散層領域4がゲート電極配線6aの下方に位置し、列方向に隣接する2つのメモリセルの各拡散層領域4が相互に接続して、列方向に延伸する埋め込み拡散配線4aを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不揮発性半導体記憶装置に関し、より具体的には、ゲート電極の側壁部に電荷を保持可能な電荷蓄積部を有するMOSFET構造の不揮発性メモリセルを備えた不揮発性半導体記憶装置、及び、その製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フラッシュメモリに代表されるトランジスタの閾値電圧制御による不揮発性メモリセルを備えた不揮発性半導体記憶装置において、更なる大容量化が要求されている。かかる要求を実現する手段として、主に次の2つの方法が挙げられる。一つは、浮遊ゲート等の電荷蓄積層に蓄積される電荷量を制御し、トランジスタの閾値電圧の制御領域を4以上設けることにより、1つのトランジスタ当たり4値データを記憶させる方法である。他の一つは、1つのトランジスタに物理的に複数の電荷蓄積層を設けることにより、実質的に1つのトランジスタ当たりの記憶容量を増加させる方法である。後者については、現在主に2種類の構造が考案されている。一つは、例えば、下記の特許文献1で示されるような、ゲート絶縁膜にONO(シリコン酸化膜−シリコン窒化膜−シリコン酸化膜)の3層構造を用い、このシリコン窒化膜中の両端に位置する第1及び第2の拡散領域付近に夫々局所的に電荷を蓄積させることにより、1トランジスタ当たり2ビットの記憶容量を実現するものである。他の一つは、下記の特許文献2及び特許文献3に示されるように、トランジスタのゲート電極の両側に位置する側壁部に夫々独立に電荷を蓄積することにより、1トランジスタ当たり2ビットの記憶容量を実現している。前者は、デバイス構造が単純である反面、2つの電荷蓄積領域が連続した同一膜内に存在するため、微細化の際に電荷蓄積領域の分離が困難となる問題がある。これに対し後者は、電荷蓄積領域がゲート電極の両側に予め分離されているので、微細化に有利である。
【0003】
【特許文献1】特表2001−552290号公報
【特許文献2】国際公開第03/044868号パンフレット
【特許文献3】特開2003−332474号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図30に、特許文献2及び特許文献3に開示されている側壁電荷蓄積型不揮発性メモリセルの概略断面図を、図31に、該不揮発性メモリセルをアレイ状に配置した際の平面図を、夫々模式的に示す。図30に示すような素子構造を有するメモリセルを出来得る限り高密度でアレイ状に配置するには、図31に例示するように、縦方向に複数列が延伸するとともに、横方向に各列間を接続する接続部103aを一列置きに縦方向に互い違いに配置したパターンの拡散領域103上を、縦方向にずれて配置された接続部103aの間を通過するように、ゲート電極101と電荷蓄積部102となる側壁部分が、横方向に延伸する構造が一般的である。その際、図32(a)、(b)に示すように素子分離領域106と拡散領域103の境界において角部が丸みを帯びることにより、その直上を横切る電荷蓄積部102と拡散領域103の重なる面積が、僅かなアライメントずれにより変化することになる。このようなアライメントずれがゲート電極両側の電荷蓄積部下のチャネルの幅に差異を生じさせ、両ビット間の特性差となって現れることになる。
【0005】
また、図31に示す平面構造では、1トランジスタ(即ち2ビット)当たりのメモリセル面積が、最小で10F(Fは不揮発性メモリセルの形成に使用する半導体製造プロセスの設計ルールで規定される最小加工寸法)であるが、大容量化には更なるメモリセル面積の縮小が要求される。
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ゲート電極の両側壁部の少なくとも何れか一方側に電荷蓄積部を配置してなるメモリセルを備えた不揮発性半導体記憶装置において、アライメントずれによる特性バラツキを抑制し、メモリセル面積の縮小化を図る点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、不揮発性メモリセルを互いに直交する2方向に夫々複数配列してなるメモリセルアレイを備えた不揮発性半導体記憶装置であって、前記不揮発性メモリセルが、半導体基板と、前記半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極の両側壁部の少なくとも何れか一方側に形成された電荷を蓄積可能な電荷蓄積部と、前記ゲート電極及び前記電荷蓄積部の下方に位置するチャネル領域と、前記チャネル領域の両側の前記半導体基板表面に埋め込み拡散層で形成された前記チャネル領域とは逆導電型の2つの拡散層領域を備え、前記両側壁部が、前記ゲート電極に対して、前記互いに直交する2方向の内の第1の方向に位置し、前記2つの拡散層領域の夫々が、前記チャネル領域に対して、前記第1の方向に形成され、前記第1の方向に隣接する2つの前記不揮発性メモリセルの前記ゲート電極が、前記第1の方向に延伸する共通のゲート電極配線に接続し、前記2つの拡散層領域の夫々が、前記ゲート電極配線の下方に形成され、前記不揮発性メモリセルの前記2つの拡散層領域が、前記第1の方向に直交する第2の方向に延伸する2つの埋め込み配線に各別に接続することを特徴とする。
【0008】
上記特徴の不揮発性半導体記憶装置によれば、従来構造とは異なり、ゲート電極の延伸方向と、チャネル領域とドレイン電極及びソース電極となる2つの拡散層領域の配列方向が、何れも同じ第1の方向であるため、チャネル領域の幅(つまり第2の方向の長さ)は、拡散層領域のパターン幅で規定されるのではなく、ゲート電極及び電荷蓄積部の夫々のパターン幅(つまり第2の方向の長さ)で規定されることになり、従来問題となっていたアライメントずれによる電荷蓄積部下方のチャネル幅のバラツキが解消される。
【0009】
また、拡散層領域を第2の方向に延伸する埋め込み配線に接続する構造であるため、拡散層領域をメモリセル毎に上層のメタル配線と接続する必要がなく、メモリセルの繰り返しピッチを第1及び第2の両方向に対して縮小でき、メモリセル面積の縮小化が図れる。
【0010】
更に、上記特徴の不揮発性半導体記憶装置は、前記埋め込み配線が、前記半導体基板に埋め込み拡散層で形成された拡散層配線であることが好ましい。これにより、メモリセルのドレインまたはソース電極となる拡散層領域と埋め込み配線が同じ埋め込み拡散層で形成されるため、メモリセル構造が簡単化され、メモリセル面積の縮小化が図れる。
【0011】
更に、上記特徴の不揮発性半導体記憶装置は、前記電荷蓄積部が、前記ゲート電極、前記ゲート電極配線、及び、前記半導体基板から、絶縁膜によって電気的に絶縁していることが好ましい。これにより、電荷蓄積部が絶縁体で形成されている場合には、絶縁体中に形成される電荷蓄積部に蓄積された電荷の保存状態がより良好となり、電荷蓄積部が導電体で形成されている場合には、電荷蓄積部に蓄積された電荷がゲート電極、ゲート電極配線、及び、半導体基板へリークするのを防止でき、良好な電荷保存状態が確保でき、不揮発性メモリセルとしてのデータ保持特性が向上される。
【0012】
更に、上記特徴の不揮発性半導体記憶装置は、前記電荷蓄積部が、前記半導体基板の表面と平行な平板状に形成されていることが好ましい。
【0013】
更に、上記特徴の不揮発性半導体記憶装置は、前記電荷蓄積部が、シリコン窒化膜で形成されていることが好ましい。
【0014】
更に、上記特徴の不揮発性半導体記憶装置は、前記ゲート電極配線が、前記不揮発性メモリセルの形成に使用する半導体製造プロセスの設計ルールで規定される最小加工寸法の2倍の寸法毎に、前記第2の方向に複数配置され、前記埋め込み配線が、前記最小加工寸法の3倍の寸法毎に、前記第1の方向に複数配置されることが好ましい。
【0015】
更に、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法は、上記特徴の不揮発性半導体記憶装置の製造方法であって、前記半導体基板上に、前記ゲート絶縁膜とダミーゲート電極層を順次形成し、前記ゲート絶縁膜と前記ダミーゲート電極層を、前記第2の方向に延伸するストライプ状に加工して、前記ゲート絶縁膜を備えたダミーゲート電極を形成する工程と、前記ダミーゲート電極の両側壁部に前記電荷蓄積部を形成する工程と、前記電荷蓄積部を備えた前記ダミーゲート電極間に挟まれた領域の前記半導体基板の表面に、不純物注入により、前記拡散層領域及び前記埋め込み配線となる拡散領域を形成する工程と、前記ダミーゲート電極間に挟まれた領域を絶縁物で埋め込んだ後に、前記絶縁物を平坦化して前記ダミーゲート電極の頂部を露出させる工程と、前記ダミーゲート電極を除去する工程と、前記ダミーゲート電極が除去された領域を含む全面に、ゲート電極材料を堆積する工程と、前記ゲート電極材料を、前記第1の方向に延伸するストライプ状に加工して、前記ゲート電極と前記ゲート電極配線を形成する工程と、を少なくとも有することを第1の特徴とする。
【0016】
更に、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法は、上記特徴の不揮発性半導体記憶装置の製造方法であって、前記半導体基板上に、第1絶縁膜と電荷蓄積部膜と第2絶縁膜とダミーゲート電極層を順次形成し、前記第1絶縁膜と前記電荷蓄積部膜と前記第2絶縁膜と前記ダミーゲート電極層を、前記第2の方向に延伸するストライプ状に加工して、前記第1絶縁膜と前記電荷蓄積部膜と前記第2絶縁膜を備えたダミーゲート電極を形成する工程と、前記ダミーゲート電極間に挟まれた領域の前記半導体基板の表面に、不純物注入により、前記拡散層領域及び前記埋め込み配線となる拡散領域を形成する工程と、前記ダミーゲート電極間に挟まれた領域を絶縁物で埋め込んだ後に、前記絶縁物を平坦化して前記ダミーゲート電極の頂部を露出させる工程と、前記ダミーゲート電極を除去する工程と、前記ダミーゲート電極を除去して形成された溝部の底部に存在する前記電荷蓄積部膜の中央部分を除去して、前記電荷蓄積部膜を前記第1の方向に分離した2つの前記電荷蓄積部に加工する工程と、前記分離した2つの前記電荷蓄積部の間の領域に前記ゲート絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上を含む全面に、ゲート電極材料を堆積する工程と、前記ゲート電極材料を、前記第1の方向に延伸するストライプ状に加工して、前記ゲート電極と前記ゲート電極配線を形成する工程と、を少なくとも有することを第2の特徴とする。
【0017】
上記何れかの特徴の不揮発性半導体記憶装置の製造方法によれば、不揮発性半導体記憶装置の不揮発性メモリセルにおいて、ゲート電極の延伸方向と、チャネル領域とドレイン電極及びソース電極となる2つの拡散層領域の配列方向が、何れも同じ第1の方向となり、2つの拡散層領域と埋め込み配線が共に第2の方向に延伸する埋め込み拡散で形成される。この結果、チャネル領域の幅(つまり第2の方向の長さ)は、拡散層領域のパターン幅で規定されるのではなく、ゲート電極及び電荷蓄積部の夫々のパターン幅(つまり第2の方向の長さ)で規定されることになり、従来問題となっていたアライメントずれによる電荷蓄積部下方のチャネル幅のバラツキが解消され、更に、拡散層領域をメモリセル毎に上層のメタル配線と接続する必要がなく、メモリセルの繰り返しピッチを第1及び第2の両方向に対して縮小でき、メモリセル面積の縮小化が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法(以下、適宜「本発明装置」及び「本発明方法」と略称する)の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1及び図2に、本発明装置の不揮発性メモリセル1の基本的な構成を示す。図1は、メモリセル1を行方向(図1中の横方向、互いに直交する2方向の内の第1の方向に相当)と列方向(図1中の縦方向、互いに直交する2方向の内の第1の方向に相当)に夫々複数配列してメモリセルアレイを構成した状態での1つのメモリセルとその周囲の行方向及び列方向に隣接するメモリセルとの関係を模式的に示す概略平面図である。図1中の破線で囲まれた部分が1つのメモリセルのセル領域を示す。図2は、図1のA−A’線で示す基板に垂直な断面におけるメモリセルアレイ要部の概略の断面構造を示す概略断面図である。図2中の破線で囲まれた部分が1つのメモリセル1のセル領域を示し、図2中の左右方向が行方向に相当する。
【0020】
図1及び図2に示すように、不揮発性メモリセル1は、半導体基板2上に形成されたゲート絶縁膜5と、ゲート絶縁膜5上に形成されたゲート電極6と、ゲート電極6の行方向の両側壁部に形成された電荷を蓄積可能な電荷蓄積部7と、ゲート電極6及び電荷蓄積部7の下方に位置するチャネル領域3と、チャネル領域3の行方向に両側の半導体基板2の表面に埋め込み拡散層で形成されたチャネル領域3とは逆導電型のドレイン電極及びソース電極として機能する2つの拡散層領域4を備え、MOSFET構造のメモリセルとして構成される。当該メモリセル構成は、図30及び図31に示す従来の側壁電荷蓄積型不揮発性メモリセルの概略構成と、拡散層領域4が埋め込み拡散層である点を除いて基本的に同じ構成である。
【0021】
また、本発明装置の不揮発性メモリセル1は、行方向に隣接する2つのメモリセルのゲート電極6が、2つの拡散層領域4及び電荷蓄積部7の上方を通過して相互に接続し、行方向に延伸する共通のゲート電極配線6aを形成する。2つの拡散層領域4の夫々は、ゲート電極配線6aの下方に位置するとともに、列方向に隣接する2つのメモリセルの各拡散層領域4が相互に接続して、列方向に延伸する共通の埋め込み拡散配線4aを形成する。ゲート電極配線6aはワード線、1つのメモリセルの2つの拡散層領域4に接続する各埋め込み拡散配線4aは埋め込みビット線と埋め込みソース線として機能する。ここで、ワード線6aは行方向に延伸し、埋め込みビット線4aと埋め込みソース線4aは、ワード線6aと直交して列方向に延伸する。
【0022】
半導体基板2としては、半導体装置に使用されるものであれば特に限定されるものではなく、シリコン基板や、GaAs、InGaAs等の化合物半導体基板、または、SOI(silicon on insulator)基板、多層SOI基板等の基板を用いることができる。また、半導体基板2は、P型及びN型の導電型を有していてもよく、少なくとも1つの第1導電型(P型またはN型)のウェル領域が形成されていることが好ましい。この場合、図2中の半導体基板2がウェル領域となる。半導体基板及びウェル領域の不純物濃度は、当該分野で公知の範囲のものが使用できる。尚、半導体基板2としてSOI基板を用いる場合には、表面半導体層には、ウェル領域が形成されていてもよいが、チャネル領域下にボディ領域を有していてもよい。
【0023】
ゲート絶縁膜5は、通常の半導体装置に使用されるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜等の絶縁膜、酸化アルミニウム膜、酸化チタニウム膜、酸化タンタル膜、酸化ハフニウム膜などの高誘電率酸化物薄膜、または、それら絶縁膜の積層膜を使用することができる。通常、半導体基板2としてシリコン基板を使用する場合はシリコン酸化膜を使用することが好ましい。
【0024】
ゲート電極6に関しても、通常の半導体装置に使用されるものであれば特に限定されるものではなく、導電膜、例えば、ポリシリコン、銅やアルミニウム等の金属、タングステン、チタン、タンタル等の高融点金属、高融点金属とのシリサイドが使用でき、これらの積層膜でもよい。
【0025】
電荷蓄積部7は、電荷を蓄積する膜が周囲の導電体部(ゲート電極6、ゲート電極配線6a、拡散層領域4、埋め込み拡散配線4a、半導体基板2)とは絶縁膜8で隔てられているのが好ましく、これにより電荷の漏れが抑制されて十分なデータ保持時間を得ることができる。従って、本発明装置の高速書換え、信頼性の向上、十分なデータ保持時間の確保が可能となる。また、電荷蓄積部7は、シリコン窒化膜とし、周囲の導電体との絶縁膜をシリコン酸化膜とするのが特に好ましい。シリコン窒化膜は、電荷をトラップする準位が多数存在するため大きなメモリウィンドウを得ることができる。
【0026】
図1及び図2に示すメモリセル構成によれば、ゲート電極6の延伸方向と、チャネル領域3とドレイン電極及びソース電極となる2つの拡散層領域4の配列方向が、何れも同じ行方向であるため、チャネル領域の幅(つまり列方向の長さ)は、拡散層領域4のパターン幅で規定されるのではなく、ゲート電極6及び電荷蓄積部7の夫々のパターン幅(つまり列方向の長さ)で規定されることになり、側壁電荷蓄積型のメモリセルにおいて、1つのメモリセルに配置された2つの電荷蓄積部下方のチャネル幅が、アライメントずれによってビット間でばらつくという従来問題となっていた不都合が解消される。
【0027】
また、図1及び図2に示すメモリセル構成によれば、半導体製造プロセスの設計ルールで規定される最小加工寸法をFとした場合に、メモリセルの行方向への繰り返し間隔、つまり、埋め込み拡散配線4aの配線ピッチを3F、メモリセルの列方向への繰り返し間隔、つまり、ゲート電極配線6aの配線ピッチを2Fにでき、メモリセルサイズが6Fと微細化でき、本発明装置のチップサイズの縮小化に寄与する。
【0028】
〈第1実施形態〉
次に、本発明方法の第1実施形態について説明する。以下、本発明方法では、通常のシリコン半導体プロセスを用いて、本発明装置のメモリセルアレイを実現する処理手順について、図3〜図13の工程断面図を参照して説明する。尚、図3〜図13の各工程断面図は、図2と同じ断面を示している。
【0029】
先ず、図3に示すように、P型シリコン基板11上に形成されたP型ウェル(半導体基板)12上に、熱酸化等による通常のゲート酸化膜形成技術を用いてゲート酸化膜(ゲート絶縁膜)13を形成し、その後CVD法等の公知技術によりシリコン窒化膜14を堆積する。その後、図4に示すように、シリコン窒化膜14とゲート酸化膜13を反応性イオンエッチング等により列方向にストライプ状に加工する。この時、シリコン窒化膜14は、後にゲート電極を形成する際に除去されるダミーゲートとなる。
【0030】
次に、図5に示すように、シリコン酸化膜15、電荷蓄積部となるシリコン窒化膜16をCVD法等により順次堆積する。シリコン酸化膜15は周囲のゲート電極、シリコン基板12と電荷蓄積部を絶縁するためのもので、通常3nm〜30nm程度の膜厚とする。
【0031】
次に、図6に示すように、不純物注入によりP型の電荷蓄積部下部チャネル領域17を形成する。このチャネル領域17の不純物注入は、当該領域の閾値電圧を制御するためのもので、初期状態であるP型ウェル12の不純物濃度に対する調整となるため、注入するイオン種は、N型とP型の何れの場合もあり得る。
【0032】
次に、図7に示すように、CVD法等によりシリコン酸化膜18を堆積する。その後、反応性イオンエッチング等により、図8に示すように、ダミーゲート(シリコン窒化膜)14の頂部が露出するまでエッチバックする。この結果、後にゲート電極となるダミーゲート14の両側壁部に、電荷蓄積部となるシリコン窒化膜16が、シリコン酸化膜15、18に挟まれた状態でサイドウォール状に形成される。尚、当該サイドウォール状部分15,16,18は、ダミーゲート14とともに、列方向に延伸している。
【0033】
次に、図9に示すように、N+不純物注入を行い、チャネル領域17と逆導電型のN型の拡散層領域19を形成する。尚、拡散層領域19は、サイドウォール状部分15,16,18の間に挟まれた溝部分に形成されるため、列方向に延伸する埋め込み拡散配線19として形成される。
【0034】
次に、図10に示すように、CVD等によりシリコン酸化膜20を堆積し、引き続き、図11に示すように、CMP(Chemical Mechanical Polish)、または、ドライエッチング技術等を用いた平坦化処理により、シリコン酸化膜20を平坦化して、ダミーゲート14の頂部を露出させる。
【0035】
次に、図12に示すように、リン酸ボイル等のウェットエッチング技術を用いて、選択的にシリコン窒化膜(ダミーゲート)14を除去して、ゲート電極を埋め込むための溝構造を形成する。当該溝は、列方向に延伸するストライプ状に形成されている。
【0036】
次に、図13に示すように、ゲート電極及びゲート電極配線となるポリシリコン21(ゲート電極材料)を堆積し、ワード線として機能するゲート電極配線が、埋め込みビット線または埋め込みソース線として機能する埋め込み拡散配線19と直交する行方向(図中の左右方向)に形成されるように、ポリシリコン21をストライプ状にドライエッチング等で加工する。
【0037】
本実施形態では、電荷蓄積部となるシリコン窒化膜16が絶縁体で形成されているために、列方向に隣接するメモリセル間で個別に分離する必要がないため、ポリシリコン21の加工時には、サイドウォール状部分15,16,18は加工されずに、列方向に延伸し、列方向に隣接するメモリセルの同じサイドウォール状部分15,16,18に連続する。尚、図示しないが、ポリシリコン21の加工後の、ゲート電極及びゲート電極配線の列方向の間隙部には、ゲート電極及びゲート電極配線上に堆積される層間絶縁膜が充填され、列方向に隣接するメモリセル間でゲート電極及びゲート電極配線が電気的に絶縁される。
【0038】
以上の各処理手順を経て、図1及び図2に模式的に示す本発明装置のメモリセルアレイが、具体的に形成される。
【0039】
〈第2実施形態〉
次に、本発明方法の第2実施形態について説明する。以下、本発明方法では、通常のシリコン半導体プロセスを用いて、本発明装置のメモリセルアレイを実現する処理手順について、図14〜図29の工程断面図を参照して説明する。尚、図14〜図29の各工程断面図は、図2と同じ断面を示している。
【0040】
先ず、図14に示すように、P型シリコン基板11上に形成されたP型ウェル(半導体基板)12上に、シリコン酸化膜25/シリコン窒化膜24/シリコン酸化膜23(ONO膜)の積層膜をCVD法等の公知の技術を用いて堆積する。この時の各膜厚は3nm〜30nm程度とする。シリコン窒化膜24は後に電荷蓄積部として加工される電荷蓄積部膜である。その後、該ONO膜上に公知の技術を用いてシリコン窒化膜26を膜厚100nm〜500nm程度堆積する。このシリコン窒化膜26は、後に電荷蓄積部とゲート電極を形成するための溝構造を形成する際に除去されるダミー構造体として寄与する。これにより、図14に示すように、シリコン窒化膜26/シリコン酸化膜25/シリコン窒化膜24/シリコン酸化膜23の4層の積層膜がP型ウェル12上に形成される。
【0041】
次に、図15に示すように、反応性イオンエッチング等を用いて上記4層の積層膜23〜26を列方向に沿ったストライプ状に除去し、列方向に延伸するストライプ状の4層積層膜23〜26を形成する。
【0042】
次に、図16に示すように、CVD法等の公知技術を用いて絶縁膜27を堆積する。絶縁膜27の膜厚は、後に形成される拡散層領域の端部と電荷蓄積部の端部との距離を決める要素となり、必要に応じて適宜調整すればよい。
【0043】
その後、図17に示すように、反応性イオンエッチング等により絶縁膜27を、ストライプ状の4層積層膜23〜26の両側壁部にのみ絶縁膜27が残るようにエッチバックを行い、サイドウォール状の絶縁膜27を形成する。尚、当該サイドウォール状の絶縁膜27は、ストライプ状の4層積層膜23〜26とともに、列方向に延伸している。
【0044】
次に、図18に示すように、N+不純物注入を行い、P型ウェル12と逆導電型のN型の拡散層領域28を形成する。尚、拡散層領域28は、サイドウォール状の絶縁膜27の間に挟まれた溝部分に形成されるため、列方向に延伸する埋め込み拡散配線28として形成される。
【0045】
ところで、サイドウォール状の絶縁膜27は、拡散層領域28の端部と電荷蓄積部となるシリコン窒化膜24の端部との距離を制御するためのものであり、必要に応じてサイドウォールの厚さ、即ち絶縁膜27の堆積膜厚を調整すれば良く、また、拡散層領域28の端部と電荷蓄積部の端部との距離を制御する必要がなければ、絶縁膜27の堆積工程は省略することも可能である。
【0046】
次に、更に公知の堆積技術により層間絶縁膜29を、サイドウォール状の絶縁膜27間の溝部分が充分に埋まる程度の膜厚まで堆積する。その後、図19に示すように、CMP(Chemical Mechanical Polish)による表面平坦化技術を用いて、層間絶縁膜29の当該溝部分への埋め込みを行う。
【0047】
次に、図20に示すように、リン酸ボイル等のウェットエッチング技術を用いて、選択的にシリコン窒化膜26を除去して、底面にONO膜23〜25の頂部が露出する溝構造を形成する。当該溝構造の溝30は、列方向に延伸するストライプ状に形成されている。
【0048】
次に、図21に示すように、不純物注入によるチャネル注入を行い、P型の電荷蓄積部下部チャネル領域31を形成する。このチャネル領域31の不純物注入は、当該領域の閾値電圧を制御するためのもので、初期状態であるP型ウェル12の不純物濃度に対する調整となるため、注入するイオン種は、N型とP型の何れの場合もあり得る。
【0049】
次に、図22に示すように、第2の層間絶縁膜32を公知技術により堆積する。本工程もCVD法等のステップカバレッジの良い堆積方法が望ましい。引き続き、図23に示すように、反応性イオンエッチング法等により、第2の層間絶縁膜32とシリコン酸化膜25のエッチバックを行い、溝30の側壁部に、層間絶縁膜32とシリコン酸化膜25による側壁を形成するとともに、溝30の底面にシリコン窒化膜24の表面を露出させる。
【0050】
次に、図24に示すように、絶縁膜33を公知技術により堆積する。引き続き、図25に示すように、絶縁膜33堆積後の溝部30への不純物注入によりP型のゲート電極下部チャネル領域34を形成する。ゲート電極下部チャネル領域34の不純物注入は、当該領域の閾値電圧を制御するためのもので、初期状態であるP型ウェル12の不純物濃度と先に形成された電荷蓄積部下部チャネル領域31の不純物濃度を合わせた不純物濃度に対する調整となるため、注入するイオン種は、N型とP型の何れの場合もあり得る。
【0051】
その後、図26に示すように、エッチバックにより絶縁膜33を除去する。更に、図27に示すように、反応性イオンエッチング等により、溝部30の底部に露出している部分のシリコン窒化膜24とシリコン酸化膜23を除去する。この結果、シリコン窒化膜24とシリコン酸化膜23は、溝部30の底部を挟んで左右(行方向)両側に2分される。溝30の側壁部に残されたシリコン窒化膜24は、夫々、1つのメモリセル当たりの2つの電荷蓄積部となる。当該電荷蓄積部の幅は、第2の層間絶縁膜32の側壁部の膜厚により決まるものであり、必要に応じて該膜厚を調整すれば良い。尚、電荷蓄積部となるシリコン窒化膜24は、上下をシリコン酸化膜23,25で挟まれた状態で、溝30の側壁部に沿って列方向に延伸している。
【0052】
次に、図28に示すように、絶縁膜35を堆積して、溝部30の底部を覆うようにゲート絶縁膜を形成する。
【0053】
引き続き、図29に示すように、ゲート電極及びゲート電極配線となるポリシリコン36(ゲート電極材料)を堆積し、ワード線として機能するゲート電極配線が、埋め込みビット線または埋め込みソース線として機能する埋め込み拡散配線28と直交する行方向(図中の左右方向)に形成されるように、ポリシリコン36をストライプ状に反応性イオンエッチング等で加工する。
【0054】
本実施形態では、電荷蓄積部となるシリコン窒化膜24が絶縁体で形成されているために、列方向に隣接するメモリセル間で個別に分離する必要がないため、ポリシリコン36の加工時には、溝30の側壁部のONO膜23,24,25は加工されずに、列方向に延伸し、列方向に隣接するメモリセルの同じ側壁部のONO膜23,24,25に連続する。尚、図示しないが、ポリシリコン36の加工後の、ゲート電極及びゲート電極配線の列方向の間隙部には、ゲート電極及びゲート電極配線上に堆積される層間絶縁膜が充填され、列方向に隣接するメモリセル間でゲート電極及びゲート電極配線が電気的に絶縁される。
【0055】
以上の各処理手順を経て、図1及び図2に模式的に示す本発明装置のメモリセルアレイが、具体的に形成される。特に、本実施形態では、第1実施形態と比較して、電荷蓄積部のサイズを小さく形成できるため、特性変動の少ない高性能な不揮発性メモリセルを実現できる。
【0056】
次に、本発明装置及び本発明方法の別実施形態について説明する。
【0057】
〈1〉上記第1及び第2実施形態において、電荷蓄積部16,24として、シリコン窒化膜を使用したが、これは量産工場に導入し易く、非常に好ましいためである。しかし、電荷蓄積部16,24の膜構成及び材料は、上記実施形態に限定されるものではない。更には、電荷蓄積部16,24を絶縁膜で形成するのではなく、導電膜で形成するようにしても構わない。この場合は、列方向に隣接するメモリセル間で連続する電荷蓄積部16,24をメモリセル毎に分離する必要があるため、ゲート電極及びゲート電極配線の加工と同時またはその後に、当該分離のための加工処理を行えばよい。
【0058】
〈2〉上記実施形態(図1及び図2参照)において、電荷蓄積部7がゲート電極6の両側壁部に夫々形成されている場合を説明したが、電荷蓄積部7がゲート電極6の両側壁部の何れか一方側にのみ存在するメモリセル構造に対しても、本発明は適用可能であり、本発明による電荷蓄積部7の下方のチャネル幅の単体でのバラツキを抑制する改善効果は期待できる。
【0059】
〈3〉上記第1及び第2実施形態において、チャネル領域17,31,34のための不純物注入を行う場合を説明したが、各不純物注入処理は、当該領域での閾値電圧調整を目的としており、当該調整が不要な場合は、その一部または全部を省略しても構わない。
【0060】
〈4〉上記各実施形態において、本発明装置の不揮発性メモリセルとしては、Nチャネル型MOSFETを基礎としたメモリセル構造のものを説明したが、メモリセルはPチャネル型であってもよく、その場合は、各部の導電型(P型またはN型)が、上記実施形態と反転する点、及び、不純物濃度等が変化する以外は、各工程の処理手順は同じである。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明に係る不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法は、不揮発性半導体記憶装置に利用可能であり、より詳細には、ゲート電極のサードウォール部に電荷を保持可能な電荷蓄積部を備えたMOSFET構造の不揮発性メモリセルを備えた不揮発性半導体記憶装置に利用することで、アライメントずれによる特性バラツキを抑制し、メモリセル面積の縮小化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの基本的な構成を模式的に示す概略平面図
【図2】本発明に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの基本的な構成を模式的に示す概略断面図
【図3】本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の第1実施形態における処理手順を示す工程断面図
【図4】本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の第1実施形態における処理手順を示す工程断面図
【図5】本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の第1実施形態における処理手順を示す工程断面図
【図6】本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の第1実施形態における処理手順を示す工程断面図
【図7】本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の第1実施形態における処理手順を示す工程断面図
【図8】本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の第1実施形態における処理手順を示す工程断面図
【図9】本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の第1実施形態における処理手順を示す工程断面図
【図10】本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の第1実施形態における処理手順を示す工程断面図
【図11】本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の第1実施形態における処理手順を示す工程断面図
【図12】本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の第1実施形態における処理手順を示す工程断面図
【図13】本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の第1実施形態における処理手順を示す工程断面図
【図14】本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の第2実施形態における処理手順を示す工程断面図
【図15】本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の第2実施形態における処理手順を示す工程断面図
【図16】本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の第2実施形態における処理手順を示す工程断面図
【図17】本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の第2実施形態における処理手順を示す工程断面図
【図18】本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の第2実施形態における処理手順を示す工程断面図
【図19】本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の第2実施形態における処理手順を示す工程断面図
【図20】本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の第2実施形態における処理手順を示す工程断面図
【図21】本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の第2実施形態における処理手順を示す工程断面図
【図22】本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の第2実施形態における処理手順を示す工程断面図
【図23】本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の第2実施形態における処理手順を示す工程断面図
【図24】本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の第2実施形態における処理手順を示す工程断面図
【図25】本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の第2実施形態における処理手順を示す工程断面図
【図26】本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の第2実施形態における処理手順を示す工程断面図
【図27】本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の第2実施形態における処理手順を示す工程断面図
【図28】本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の第2実施形態における処理手順を示す工程断面図
【図29】本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法の第2実施形態における処理手順を示す工程断面図
【図30】従来の側壁電荷蓄積型不揮発性メモリセルの概略構成を模式的に示す素子断面図
【図31】従来の側壁電荷蓄積型不揮発性メモリセルをアレイ状に配置した状態を模式的に示す平面図
【図32】従来の側壁電荷蓄積型不揮発性メモリセルにおけるアライメントずれによる電荷蓄積部下のチャネル幅のバラツキが発生する様子を説明する平面図
【符号の説明】
【0063】
1: 不揮発性メモリセル
2: 半導体基板
3: チャネル領域
4: 拡散層領域
4a: 埋め込み拡散配線(埋め込みビット線、埋め込みソース線)
5: ゲート絶縁膜
6: ゲート電極
6a: ゲート電極配線(ワード線)
7: 電荷蓄積部
8: 絶縁膜
11: P型シリコン基板
12: P型ウェル
13: ゲート酸化膜(ゲート絶縁膜)
14: シリコン窒化膜(ダミーゲート)
15: シリコン酸化膜
16: シリコン窒化膜(電荷蓄積部)
17: 電荷蓄積部下部チャネル領域
18: シリコン酸化膜
19: 拡散層領域(埋め込み拡散配線)
20: シリコン酸化膜
21: ポリシリコン(ゲート電極、ゲート電極配線)
23: シリコン酸化膜
24: シリコン窒化膜(電荷蓄積部)
25: シリコン酸化膜
26: シリコン窒化膜
27: 絶縁膜
28: 拡散層領域(埋め込み拡散配線)
29: 層間絶縁膜
30: 溝
31: 電荷蓄積部下部チャネル領域
32: 第2の層間絶縁膜
33: 絶縁膜
34: ゲート電極下部チャネル領域
35: 絶縁膜(ゲート絶縁膜)
36: ポリシリコン(ゲート電極、ゲート電極配線)
101: ゲート電極
102: 電荷蓄積部
103: 拡散領域
103a: 接続部
104: シリコン酸化膜
105: ゲート絶縁膜
106: 素子分離領域
107: コンタクト
w’,w2”: 電荷蓄積部下部のチャネル幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不揮発性メモリセルを互いに直交する2方向に夫々複数配列してなるメモリセルアレイを備えた不揮発性半導体記憶装置であって、
前記不揮発性メモリセルが、半導体基板と、前記半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極の両側壁部の少なくとも何れか一方側に形成された電荷を蓄積可能な電荷蓄積部と、前記ゲート電極及び前記電荷蓄積部の下方に位置するチャネル領域と、前記チャネル領域の両側の前記半導体基板表面に埋め込み拡散層で形成された前記チャネル領域とは逆導電型の2つの拡散層領域を備え、
前記両側壁部が、前記ゲート電極に対して、前記互いに直交する2方向の内の第1の方向に位置し、
前記2つの拡散層領域の夫々が、前記チャネル領域に対して、前記第1の方向に形成され、
前記第1の方向に隣接する2つの前記不揮発性メモリセルの前記ゲート電極が、前記第1の方向に延伸する共通のゲート電極配線に接続し、
前記2つの拡散層領域の夫々が、前記ゲート電極配線の下方に形成され、
前記不揮発性メモリセルの前記2つの拡散層領域が、前記第1の方向に直交する第2の方向に延伸する2つの埋め込み配線に各別に接続することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項2】
前記埋め込み配線が、前記半導体基板に埋め込み拡散層で形成された拡散層配線であることを特徴とする請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項3】
前記電荷蓄積部が、前記ゲート電極、前記ゲート電極配線、及び、前記半導体基板から、絶縁膜によって電気的に絶縁していることを特徴とする請求項1または2に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項4】
前記電荷蓄積部が、前記半導体基板の表面と平行な平板状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項5】
前記電荷蓄積部が、シリコン窒化膜で形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項6】
前記ゲート電極配線が、前記不揮発性メモリセルの形成に使用する半導体製造プロセスの設計ルールで規定される最小加工寸法の2倍の寸法毎に、前記第2の方向に複数配置され、
前記埋め込み配線が、前記最小加工寸法の3倍の寸法毎に、前記第1の方向に複数配置されることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法であって、
前記半導体基板上に、前記ゲート絶縁膜とダミーゲート電極層を順次形成し、前記ゲート絶縁膜と前記ダミーゲート電極層を、前記第2の方向に延伸するストライプ状に加工して、前記ゲート絶縁膜を備えたダミーゲート電極を形成する工程と、
前記ダミーゲート電極の両側壁部に前記電荷蓄積部を形成する工程と、
前記電荷蓄積部を備えた前記ダミーゲート電極間に挟まれた領域の前記半導体基板の表面に、不純物注入により、前記拡散層領域及び前記埋め込み配線となる拡散領域を形成する工程と、
前記ダミーゲート電極間に挟まれた領域を絶縁物で埋め込んだ後に、前記絶縁物を平坦化して前記ダミーゲート電極の頂部を露出させる工程と、
前記ダミーゲート電極を除去する工程と、
前記ダミーゲート電極が除去された領域を含む全面に、ゲート電極材料を堆積する工程と、
前記ゲート電極材料を、前記第1の方向に延伸するストライプ状に加工して、前記ゲート電極と前記ゲート電極配線を形成する工程と、
を少なくとも有することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
【請求項8】
請求項1〜6の何れか1項に記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法であって、
前記半導体基板上に、第1絶縁膜と電荷蓄積部膜と第2絶縁膜とダミーゲート電極層を順次形成し、前記第1絶縁膜と前記電荷蓄積部膜と前記第2絶縁膜と前記ダミーゲート電極層を、前記第2の方向に延伸するストライプ状に加工して、前記第1絶縁膜と前記電荷蓄積部膜と前記第2絶縁膜を備えたダミーゲート電極を形成する工程と、
前記ダミーゲート電極間に挟まれた領域の前記半導体基板の表面に、不純物注入により、前記拡散層領域及び前記埋め込み配線となる拡散領域を形成する工程と、
前記ダミーゲート電極間に挟まれた領域を絶縁物で埋め込んだ後に、前記絶縁物を平坦化して前記ダミーゲート電極の頂部を露出させる工程と、
前記ダミーゲート電極を除去する工程と、
前記ダミーゲート電極を除去して形成された溝部の底部に存在する前記電荷蓄積部膜の中央部分を除去して、前記電荷蓄積部膜を前記第1の方向に分離した2つの前記電荷蓄積部に加工する工程と、
前記分離した2つの前記電荷蓄積部の間の領域に前記ゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜上を含む全面に、ゲート電極材料を堆積する工程と、
前記ゲート電極材料を、前記第1の方向に延伸するストライプ状に加工して、前記ゲート電極と前記ゲート電極配線を形成する工程と、
を少なくとも有することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2007−81106(P2007−81106A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−266730(P2005−266730)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】