説明

二段階のウェーハ塗布アンダフィル

【課題】超小型電子チップ・アセンブリ、特に集積回路にアンダフィルを塗布する方法及び材料の提供。
【解決手段】大きなウェーハ又は集積回路チップの活性面の塗布される100%非揮発性、一液型液体アンダフィル封入剤が開示される。塗布時に、その封入剤は放射線、特にUV、可視及び赤外線に暴露することによって液化可能、不粘着性固体に転化される。アンダフィルを被覆したウェ−ハは硬化の進行なしに顕著な保存寿命を示す。大きなウェーハは小さいウェーハ切片に単数化されて数ヶ月貯蔵され、その後、半田リフロー中にウェーハ連結アセンブリは固定され、アンダフィルは液化し、すみ肉に流出し、そして熱活性化架橋時に熱硬化へ転化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は超小型電子チップ・アセンブリに関し、特にアンダフィルを集積回路のウェーハに塗布する方法及び材料に関する。
【背景技術】
【0002】
電子構成要素の表面取付けは、自動化パッケージアセンブリ装置においてよく発展している。集積回路は、トランジスタ及びダイオードのようなデバイス及び1つ以上の機能回路を形成するために導電性結線よって一緒に結合された抵抗器及びキャパシタのような素子から作られている。それらのデバイスはシリコンのウェ−ハ又はシート上に形成される、そのデバイスの表面は一連の製造工程を経て、ダイス、チップ又はダイ間の境界として作用するウェーハの表面にけがき線又はソーストリートの矩形パターンを反復されることによって相互に分離された同一集積回路のパターンを形成する。製造工程の最終段階においてウェーハから単数化されたダイスは基板に接着されてICパッケージを形成する。
【0003】
従来のフリップチップ技術は一般に、集積回路の活性(活動)面がパッケージ基板又はプリント回路板(集約的にPCBと呼ぶ)に取付けられるアセンブリを意味する。フリップチップ・アセンブリはアンダフィルの実装あり又はなしで設計できる。フリップチップの使用に関して、チップは回路基板の表面の凹部に対応するように設計された活性面上の場所に配置される半田の小バンプ又はボールを備える。そのチップは、はんだバンプが基板上のパッドとチップ上の対応するパッドとの間に挟まれるようにバンプを基板と合わせるように取付けられる。融剤の塗布後にそのアセンブリの半田がリフローする点に熱を加える。冷却の際に、はんだが硬化して、それによってフリップチップを基板の表面に取り付ける。従来のアンダフィルは、2,3の異なる方法で使用され、取り付けたチップに塗布して化学的攻撃、湿気、空気中の汚染物質、等に対して、並びに輸送並びに使用において遭遇する機械的衝撃、振動および温度サイクルに対してチップを保護する。従来の毛管フリップチプアンダフィル法は、チップ及び回路板の整列、融剤の分配、はんだリフロー、融剤の清浄、アンダフィルの塗布、アンダフィルのフロー及び硬化を要する。
【0004】
チップパッケージに使用されるアンダフィルは、チップ及びパッケージ又は基板を相互結合させて湿気及び汚染物質のような環境要素からはんだの継目を保護し、機械的応力を再分配してデバイスの寿命を延ばす機能を果たす。湿気のような汚染物質による金属の相互結合部の腐食に対してチップを保護する。しかしながら、接着剤の不適当な選択は、収縮、離層、加水分解の不安定性、腐食及びアンダフィルによる汚染のようないくつかのモードでフリップチップ・パッケージの破損をもたらす。
【0005】
チップアンダフィルは、チップ、相互結合部、アンダフィル及び基板間の熱膨張係数の差の結果として被着体間にストレスを与えるのを回避するように設計される。ストレスによる破損モードは、基板が有機質であってデバイスのサイズが増すとますます広がる。チップアンダフィルは、はんだマスクで被覆又は無被覆のセラミック又は有機PCB(例えば、FR4エポキシ);金属合金又は有機相互結合部;及び集積回路ダイ(チップ)(典型的にシリコン又は他の無機物質から成り、不動態化薄層を被覆又は被覆しない)のような基板に接着する機能を提供しなければならない。
【0006】
パッケージ電子構成要素に対する2つの主方法の一つは、取り付けられる際に基板の同一面(側)にはんだ付けされる。これらのデバイスは「表面取付け」と言われる。2種類の従来のアンダフィルが表面取付けデバイスに実際に使用される:毛管フロー及び「無フロー」タイプである。これらの技術の詳細な説明は文献に見ることができる。例えば、John H.Lau’s book Low Cost Flip Chip Technologies for DCA,WLCSP and PBGA Assemblies,McGraw−Hill,2000.これらの技術の両方とも熱が典型的に使用されて、液体熱硬化配合物を硬化又は固体膜をアセンブリに積層する。システムから空孔を除去するために真空を使用する。アンダフィルは典型的にチップインパッケージ又はチップオンボード用の表面取付け(SMT)アセンブラインリ上に塗布される。伝統的なフロー及びノーフロー・アンダフィルの使用はSTMライン上で数工程を要する、そしてこの方法は一般にこれらの超小型電子アセンブリラインの障害である。
【0007】
代表的な従来のノーフロー・アンダフィルは米国特許第6,180,696号に開示されている。そのアンダフィル材料は最初に基板又は半導体チップ上に分配され、はんだバンプリフロー及びアンダフィル封入剤硬化が同時に続く。米国特許第6,180,696号に教示されているアンダフィルは、エポキシ樹脂及び/又はエポキシ樹脂の混合体、有機カルボン酸無水物硬化剤、硬化促進剤、自溶剤、粘度調節剤、カップリング剤、及び界面活性剤から成る。そのアンダフィル配合物は180〜240℃の範囲内に硬化ピーク温度を示す。これらのアンダフィルは零下の温度(℃)で貯蔵して硬化の進行を防止しなければならない。
【0008】
アンダフィルはPC基板上に塗布される特許構成として想像できるフォロレジスト材料と異なるが、若干の類似性が偏在するエポキシ樹脂の使用にある。フォトレジスト塗布用塗料は、活性線のマスクを通して暴露される領域において硬化するための光開始剤、及び非照射又は影領域において重合をさせる二次的熱活性化遊離基硬化成分を使用することが知られている。一般に利用される一つの二次的硬化機構は配合物に熱活性化過酸化物の添加にたよる;しかしながら過酸化物誘導重合を開始させるには100℃以上の温度が必要であり、従って、例えば、感熱性電子構成要素が含まれる使用を排除する。
【0009】
米国特許第5,077,376号は潜熱硬化成分を含有するエポキシ接着剤を開示している。米国特許第5,077,376号は、ジシャンアミン、二塩基酸ジヒドロジド、ホウ素トリフロライド−アミン付加物、グアナミン、メラミン、等のような潜硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物の広範囲の使用をもたらす液体エポキシの既知貯蔵安定性を教示している、そしてグアナミンは硬化するために150℃以上の高温を必要とすることにおいて欠陥がある。
【0010】
米国特許第5,523,443号は、紫外線硬化性重合性システム及び水分硬化機構を含む二重硬化適応塗料を開示している。その重合性塗料系は一成分系であって、少なくとも一つのアルコキシ−ウレタン−アクリレート又はメタクリレート、アクリレート又はメタクリレート又はビニルエーテル希釈剤、カチオン又は遊離基開始剤タイプの重合開始剤、及び金属触媒から成る。
【0011】
米国特許第5,249,101号(IBM,1993)は、約69MPa以上の弾性率を有するチップキャリヤーの回路化表面上の回路素子用の保護エポキシ被膜の脆性は割れ及び離層をもたらすことを開示している。この特許は、アクリレートウレタンオリゴマー、アクリレート単量体及び光開始剤から成り、約10,000psi以下の弾性率を有し、10ppm以下の塩化物イオン濃度を有する被膜を提供することを提案した。アンダフィルを塗布したアクリレートウレタンウェーハは十分な耐熱性に欠けるので、半田リフローに耐えられない。
【0012】
米国特許第5,494,981号は、環状脂肪族エポキシ樹脂、シャネートエステル樹脂、任意にポリオール、及び開始剤としてBronsted酸の硬化性組成物を開示している。硬化時に、その組成物は浸透する重合体網(IPN)を提供する。そのIPNは高温安定振動減衰材料、接着剤及び保護塗料用結合剤として有用である。
米国特許第5,672,393号は、紫外及び可視範囲の波長を含む放射線に暴露したとき最初は比較的厚い表皮を与え、最終的には良好な物理的及び表面性質を有する比較的低ストレス付着層に硬化する高速度で反応するアクリレート封入組成物を開示している。その方法は、光重合及び熱重合を開始させるために目的物上の組成物を放射線に当てる必要がある、そしてその装置は近接して並置された化学線および熱エネルギー源を含む。
【0013】
米国特許第5,706,579号は、金属のふたに予め塗布し、熱伝導性充てん剤材料を含有するβ−ステージ可能樹脂を使用してダイ、プリント配線板及び金属のふたから製造した集積回路パッケージを組立てる方法を開示している。ダイ及び基板上の適所のふたで、そのパッケージは加熱して樹脂を流しダイとの接触をさせる。さらに加熱して樹脂の硬化及びダイとふた間の永久熱ブリッジをさせる。
【0014】
米国特許第6,194,788号は、フリップチップ用の集積熱可塑性、自溶二液型アンダフィルを開示している。そのアンダフィルは溶融タイプの酸性エポキシ硬化剤と共にエポキシ樹脂及びアセテート希釈剤から成る。
【0015】
米国特許第6,323,062号は、溶媒をベースにしたアンダフィルをフリップチップに塗布する方法を開示している。その方法は、バンプトウェーハを拡張可能キャリヤー基板に接着し、最初にウェーハをカットして個々のチップを形成し、そのキャリヤー基板を二方向に延伸してそれぞれのチップ間にチャンネルを形成し、チップの表面及びチップの縁の周りにアンダフィル材料を塗布する工程を含む。そのアンダフィル材料は開示されていないが、アンダフィルは塗布後に乾燥され、続いてチップ間のチャンネルにおけるアンダフィル材料を切断して、個々のアンダフィル被覆チップをキャリヤーから除去することが教示されている。
【0016】
米国特許第6,383,659号は、5,000〜200,000のMWを有する熱可塑性重合体を含有する低Tgエポキシを主成分としたアンダフィルのb−段階膜を開示している。米国特許第6,383,659号は、塊状重合型のエポキシ樹脂組成物であって、典型的にイミダゾール又はフェノール硬化型を含有し、硬化組成物の限定された貯蔵安定性、水分耐性及び高温性能を示し、B段階反応の進行を制御することが困難であることを教示している。
【特許文献1】米国特許第5,077,376号公報
【特許文献2】米国特許第5,523,443号公報
【特許文献3】米国特許第5,249,101号公報
【特許文献4】米国特許第5,494,981号公報
【特許文献5】米国特許第5,672,393号公報
【特許文献6】米国特許第5,672,393号公報
【特許文献7】米国特許第5,706,579号公報
【特許文献8】米国特許第6,194,788号公報
【特許文献9】米国特許第6,323,062号公報
【特許文献10】米国特許第6,383,659号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
上記の従来技術は被膜を形成する二重硬化法を例示しているが、シリコンウェーハのような脆い基板についての第2の硬化化学を含むb−段階被膜の貯蔵に関するものではない。ウェーハのゆがみ、破断及び約50℃に容易に達する温度での長期の周囲貯蔵は、制御された環境を除いて輸送又は貯蔵において起こりうる。
【0018】
アンダフィルが塗布されて二重工程硬化アンダフィルのはんだリフロー工程が必要となるまで数ヶ月の遅延を伴って硬化されるときにウェーハに塗布されたアンダフィルに起こる問題点は:液体塗料の最初の湿潤及び付着性;周囲温度においてウェーハからの離層なしに被膜の固化;硬化又はゲルの進行からリフロー能力の損失なしに被覆ウェーハの長期の周囲温度貯蔵;単数化又はダイシング中にウェーハからの離層の回避;ウェーハのカッターストリート内にスクリーン印刷される能力;はんだリフローから最初の加熱中の増粘の緩慢な開始;周囲カラーが使用されない場合、アンダフィルのチップの周囲への流出をして、すみ肉を形成する能力;はんだリフロー工程後にアンダフィルにおける空孔の存在しないこと;及びデバイスの有用な貯蔵寿命中のデバイスにおける長期の信頼性(無欠陥)である。
【0019】
組立て前に長期貯蔵に対してウェーハに塗布したアンダフィルで確認されているこれらの技術的問題点の全てが従来技術の材料によって取り扱われていない。従って、目的は、アンダフィルの付加及びフリップチップ・アセンブリをデカップリングする材料及び方法を提供することであって、それによって液体アンダフィルは従来の被覆法によって大きなウェーハ、例えば、100−500mmの表面積を有するウェーハの活性面に直接塗布され、塗布されたウェーハ又はダイスト切片の固化及び長期、例えば、数ヶ月の貯蔵が続く。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、ウェーハ−アンダフィル・アセンブリおよび一液型、無溶媒、非自溶アンダフィルをウェーハの活性面に典型的に約0.076−1.77mm被覆厚さに塗布する方法に関する。そのアンダフィルは、最初はウェーハのはんだバンプを部分的又は完全に被覆する液体塗料である。そのアンダフィルは、充てん、100%固体(非揮発性)液体塗料である。そのアンダフィルはウェーハ上で約50〜2400mJ/cmの化学線の露光によって固体、熱液化可能性状態に固化する。アンダフィルは、ウェーハのカッターストリート外で格子模様に塗布される、又はウェーハのダイシングを受けて単一化切片又はダイにされる連続被膜が形成される。被覆ウェーハ又は被覆単一化切片はアセンブリと半田の相互接続前に数ヶ月の桁で不確実な遅延期間の間環境貯蔵ができる。ウェーハ−塗布アンダフィルの周囲に塗布された周囲封入剤の塗布を用いる組み立てチップにおいて、固体、熱液化可能アンダフィルの熱硬化開始は150℃以上にできる。加熱液化及びウェーハの縁への流出、及び若干量の上方へのフローによるすみ肉の形成をするアンダフィルの実施態様において、アンダフィルの熱硬化活性化温度は170℃以上でなければならない。はんだをリフローさせるために付加する熱は熱硬化系を活性化する前にアンダフィルのメルトフロー活性化をするために十分であって、それはアンダフィルのゲル化をもたらして固体熱硬化状態にする。
【0021】
一液型の液体アンダフィルは、光硬化性成分として一つ以上のエチレン不飽和単量体、一つ以上のエポキシ硬化性材料、一つ以上の光開始剤、潜熱硬化剤、熱伝導性、及び電気絶縁性充てん剤の混合体から成る、そしてアンダフィル全重量の5%〜30%の光硬化性成分、及びアンダフィル全重量の10%〜45%のエポキシ樹脂成分を特徴とする。好適な光硬化性成分は100%の一官能性エチレン不飽和アクリレート又はメタクリレート単量体から成る。好適な光重合性成分は一官能性環状エーテル及び/又はアクリル酸の環状アセタールである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
方法の観点において、本発明によるアンダフィルはウェーハの活性面に流延、ステンシル印刷、プリント、等のような従来の被覆技術に適応する。液体アンダフィル材料のレオロジーは、選択される被覆法に容易に適応できる。液体アンダフィルは、基板上に支持された大きなウェーハの活性面又はバンプに塗布されて、光誘導ラジカル重合を受け、そして迅速にウェーハに付着して残る固体、自立層を形成する。光硬化固化は、ウェーハの変形なしに不粘着固体アンダフィルを与える。周囲温度固体状態のアンダフィル被膜は、長期間の環境貯蔵期間の間50℃で数ヶ月の暴露に耐え、またウェーハに応力を与えることなく熱液化可能状態のままである。
【0023】
光硬化、熱液化可能固体アンダフィル−被覆ウェーハ又は特異化部分が、はんだによる相互接続前に貯蔵される遅延期間は不確かであって、数週間、数ヶ月、1年までの桁である。その遅延中の貯蔵条件は冷蔵なしに周囲温度にアンダフィルの暴露を含む。アンダフィルを付加したウェーハは、熱、及び/又は真空を使用して処理された溶媒又はメルトから流延された従来の熱可塑性、又は熱硬化材料とは異なる。一方、本発明によるアンダフィルは、ウェーハ活性面上の付加重合を介して光誘導固化を受けて、第2の熱開始硬化が生じるまで著しい遅延時間に渡って周囲温度で硬化の進行がない熱可塑性状態にとどまる100%固体材料であり、その熱可塑性アンダフィルは離層がなく、空孔の形成がなく、はんだリフロー条件下で十分なリフロー、並びにデバイスの破損又は破断がなく熱硬化状態における反復熱サイクリング条件下で長期の接着性を含むいくつかの臨界性質を有する。その熱硬化アンダフィルは25℃で1000〜5000MPの曲げ弾性率、及び15〜60ppm/℃の範囲内、さらに典型的には約25(+/−10)ppm/℃のガラス転移温度以下の熱膨張係数を示す。
【0024】
ウェ−ハレベルのアンダフィルは100%固体混合体から成る。長期の周囲貯蔵中に重量損失に寄与する溶媒のような揮発性成分は存在しない。揮発性成分の不在は溶媒除去工程を回避し、ウェーハの活性側の表面から光誘導固化被膜の収縮制御及び離層を改善する。揮発性有機成分の排除は、有害な収縮及び応力、半田リフロー工程中の排ガスを防止し、ウェーハ又は切片とPCBの間に形成される空孔を防止する。アンダフィルは非自溶性である。換言すると、使用される成分は溶融機能を与えなくて、非酸性である。
【0025】
一般的な方法の観点において、本発明は液体アンダフィル接着剤を集積回路のウェーハに塗布、光エネルギー(紫外線、可視、赤外線、等)制御された線量の投与、アンダフィルの熱−液化可能又はメルト流動性状態に固化、任意にダイシング又はのこ引きによるウェーハのウェーハ単数化、及び被覆ウェーハ又はダイスの遅延期間中の貯蔵を含む。遅延期間後、電気接続をし、光硬化固体アンダフィルを加熱液化して半田リフロー中にデバイスの縁に流し、加熱液体から熱硬化固体状態に硬化転化させる。貯蔵の介在遅延時間中に、本発明の被膜は液化可能固体状態のままであって、ゲルに進行しない。従って、一面において、重量ベースで
光硬化性アクリル成分、
多官能性エポキシ樹脂、
少なくとも一つの光開始剤、
非導電性充てん剤、及び
非溶融性熱活性化エポキシ樹脂から成り、
熱硬化状態のアンダフィル組成物は25℃において1000〜5000MPaの曲げ弾性率、及び前記アンダフィル組成物のガラス転移温度以下の15〜50ppm/℃の熱膨張係数を示す光硬化、一液型組成物から成るアンダフィル組成物に接着された活性面を有する周囲温度安定集積回路ウェーハが提供される。
【0026】
別の観点において、本発明はウェ−ハに塗布したアンダフィル組成物を硬化する2段式方法に関するものである。その方法は、アンダフィル組成物を液状で半導体ウェーハの活性面に塗布することから成る。塗布方法は液体のスピン流延、プリント又はスクリーン印刷、チップの活性面上へ直接非揮発性(100%固体分)塗布を含む。その塗布されたウェーハは固体の被膜を形成するために選択された線量でUV照射を介して固化される。固体を塗布したウェ−ハは任意に切片にダイシングすることができる。そのウェーハ又は切片は周囲温度貯蔵ができる、続いてはんだリフロー工程においてPCBにはんだバンプの電気接続をするセカンドステージ、続いて熱効果状態への固体アンダフィルの熱硬化が続く。
【0027】
100%固体のアンダフィル組成物は、一官能性エチレン不飽和単量体及び/又はオリゴマーからなる光硬化性アクリレート、多官能性エポキシ樹脂、光開始剤、潜エポキシ熱開始剤、及び無機CTE−還元剤を含む。そのアンダフィルは固体状態でアルカリ溶解性でなく、液体光硬化性不飽和単量体、オリゴマー及び/又は重合体に遊離カルボン酸、リン酸塩、又はスルホネート基のような酸根を含まない。そのウェーハ組成物に利用される成分の重量%は混合して合計100重量%であって、次のとおりである:
【0028】
成 分 重量%
光硬化性アクリレート成分 5〜30%
液体多官能性エポキシ樹脂 10〜45%
光開始剤 0.3〜3%
低CTE充てん剤 40〜70%
潜硬化促進剤 1〜3%
【0029】
固体、熱液化可能状態におけるアンダフィル組成物は、熱硬化状態に転化する前は自立性で、貯蔵安定性であって、周囲温度において長い遅延期間に渡ってウェーハ又は切片の活性面への接着を維持して、アンダフィル塗布及び半田リフローチップ設置工程減結合を可能にする。本発明はPCB上への後での取付けのために周囲温度でウェーハの貯蔵を可能にする。
【0030】
アンダフィル組成物の光硬化性成分は、構造に少なくとも6炭素原子を有するエチレン不飽和単量体または単量体の混合体から成る。6個以下の炭素原子の単量体の取り込みは、許容されない揮発性から固体状態への光硬化において問題をもたらし、光硬化熱液化可能固体状態への転化において収縮をもたらし、それはそれに接着されるチップに応力を加える傾向にある。10重量%以上の液体多官能性エチレン不飽和コモノマーを含有するアンダフィルは、チップ取り付け中の半田リフロー工程中に熱液化可能アンダフィルの不十分なメルト−フローをもたらす。従って、多不飽和単量体はアンダフィルに存在しない、又はアンダフィル光硬化性成分の10重量%以下に限定することが望ましい。
【0031】
用語「光硬化性成分」」は、集約的にエチレン不飽和単量体及び/又はオリゴマーを意味する。エチレン不飽和材料はビニルエステル、ビニルエーテル、及び/又はα,β−不飽和アクリレートエステルを含むことがさらに望ましい。好適な光硬化性成分は、単量体としてエチレン不飽和アクリレート、不飽和オリゴマー、又はペンダント不飽和オリゴマー、及びそれらの組合せである。用語オリゴマーは、25℃で液体状態、又は光硬化性液体キャリヤーに溶解できる不飽和化合物を意味する。もし希釈剤の軟化温度が半田リフロー温度において熱液化可能アンダフィルのメルトフローを著しく抑制しないならば、非官能性又は不飽和熱可塑性重合体希釈剤、例えば、ポリアクリレート、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、及び官能化誘導体を使用できる。かかる希釈剤は種々の特徴、例えば、精密な制御、又はメルトフローの性質及び/又は凝集強さを高めるために使用できる。
【0032】
光硬化性アクリレートを含有するアンダフィルがUV照射の影響下で重合するとき、アンダフィルは周囲温度で液体から固体状態に転化される。その固体は熱硬化されるまで熱液化可能状態にとどまることを意味する熱可塑性としてとどまる。特定量の光硬化性成分は全アンダフィル重量の5〜30重量%である。多官能性エポキシ材料の量は、光硬化時に適当な固化を提供して、はんだリフロー工程中にメルトの流動性を保持するために光硬化性成分の重量に対して重要である。10〜45重量%の範囲以上の多官能性エポキシ材料は、光硬化後にウェーハを損なうアンダフィルの増加傾向もある。活性面上のアンダフィル被膜の断面厚さは半田バンプの一部が露出する寸法が最適である。
【0033】
この露出の意味は、金属が空気にさらされる、又は半田バンプの最外突出部の上に約0.01μm以下のアンダフィルの薄い残留部があることである。好適実施態様における光硬化後のアンダフィル被膜の厚さは半田バンプの断面形状の50〜90%である。その断面はウェーハ活性側の表面を越えて延在する半田バンプ部分の深さである。
【0034】
ここで任意に使用する光硬化性オリゴマーは、周囲温度で液体である、又は液体エチレン不飽和アクリレート単量体に溶解できる。オリゴマーはペンダント基又は末端エチレン不飽和基を含む。典型的なオリゴマーは2つの末端不飽和基を含む。500〜3000のMWを有するオリゴマー光硬化性アクリレート成分における不飽和基の平均数は1〜2にできる。光硬化性アクリレート成分は、ジ−、又はトリ−、又はテトラ−及びより高いエチレン不飽和単量、二量体または三量体だけを排除する。
【0035】
本発明のアンダフィル実施態様はチップ縁方向外側に流れて、チップ下側とPCB間の間隙を完全に満たすのに十分な半田リフロー条件下のメルトフローを示す。ある場合に、フローアウトはダイ縁に沿ってフローアップしてすみ肉を形成することを含むことができる。光硬化固体アンダフィルはウェーハによく付着し、長期の貯蔵遅延期間及び/又はウェーハをそる(ゆがむ)又は破壊しないダイシングに必要な十分な凝集強さを有する。その貯蔵遅延期間後、熱液化可能はんだは、光硬化性アクリレート成分:エポキシ官能性成分の重量比が1:10〜1:2の範囲にあるとき半田リフロー工程において遭遇する熱下で十分に流動する、そして光硬化成分は特定の割合の一官能性と多官能性単量体及び/又はオリゴマーを含有する。光硬化性成分:エポキシ官能性成分の比が1:10以下において、アンダフィルは典型的に十分な凝集強さを欠き、許容できない表面付着性を示す。1:2以上の比において、ウェーハはゆがみ、破壊を示し、及び/又はアンダフィルは離層傾向にあり、又はすみ肉を形成する不十分な流れを受ける。
【0036】
ここで有用なモノエチレン不飽和単量体の例は、少なくとも6つの炭素原子を有するものであり、アクリル又はC−Cアルキル置換アクリル酸のアルキルC−C12アルキルエステル、集約的に(アルキル)アクリレートを含む。適当な一官能性単量体の特定例は、ブチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、トリメチルシクロヘキシルメタクリレート、環状エーテルアクリレート、及び単環アセタールアクリレートを含む。
【0037】
単環アセタールアクリレートは既知であって米国特許第4,076,727号に開示されている。アセタールアクリレートは、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタエリトリトール、及び1,2,6−ヘキサントリオールのようなポリオールからアルデヒドとの反応、及びアクリル酸、又はエステルのようなα,β−不飽和カルボキシレートとのエステル交換反応において誘導される。光硬化性成分の例は、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)のような環状エーテル含有アクリレート、及び環状アクリロールホルマルアクリレートの組合せである。好適な一官能性アクリレートはテトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタアクリレート、ペンタエリトリトールモノメタクリレート、ペンタエリトリトールモノアクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、及び環状アルキロールホルマルアクリレート、及びケタールアクリレートである。アセタール及びケタールアクリレートは異性体の混合体を含む。環状アルキロールホルマル及びケタールアクリレートは、アクリレート又はメタクリレートをトリメチロールプロパン及びトリエチロールプロパンのような、トリオールから誘導されるモノヒドロキシアセタールとのエステル化によって容易に調製される。アルデヒド又はケトンと反応し、メタクリレートのアクリレートを使用してアシル化できる適当なトリオール出発材料の構造は次のものを含む。
【0038】
調製される環状アクリロールホルマルアクリレートは次の構造(A−C)を有する:
【0039】
【化1】

式中のRはC−Cアルキレン基、例えば、−CH−,−CHCH−、等、及びR,R,及びRアルキル基、例えば、−CH,−CHCH等である。最適の環状アルキロールホルマルアクリレートはトリメチロールプロパンホルマルアクリレート(構造B’)である。
【0040】
単独又は前記単量体のいずれかとの組合せで使用される他の光硬化性単量体は、アセトアセトキシエチルメタクリレート、2−アセトアセトキシエチルアクリレート、2−アセトアセトキシプロピルメタクリレート、2−アセトアセトキシプロピルアクリレート、2−シアノアセトキシエチルメタクリレート、2−シアノアセトキシエチルアクリレート、N−(2−シアノアセトキシエチル)アクリルアミド、2−プロピオニルアセトキシエチルアクリレート、N−(2−プロピオニルアセトキシエチル)メタクリルアミド、N−4−(アセトアセトキシベンジル)フェニルアクリルアミド、エチルアクリロールアセテート、アクリロールメチルアセテート、N−エタクリロイルメチルアセトアセトアミド、エチルメタクリロイルアセトアセテート、N−アリルシャノアセトアミド、メチルアクリロイルアセトアセテート、N−(2−メタクリロイルオキシメチル)シアノアセトアミド、エチル−α−アセトアセトキシメタクリレート、N−ブチル−N−アクリロイルオキシエチルアセトアセトアミド、モノアクリレートポリオール、及びモノメタクリロイルオキシエチルフタレートのようなヒドロキシル基含有アクリレートと無水物との反応性生物を含む。(アルク)アクリレート単量体と共重合性の共重合性単量体、但し重合速度ガアクリレート単量体と比較して余り遅くないもの。
【0041】
アクリル単量体の迅速光硬化は望ましい特徴である。アクリレート及びアルクアクリレート以外の光硬化性エチレン不飽和単量体は、約6個以上に限定される、その例は、限定ではないが、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルp−(2−アセトアセチル)エチルスチレン、及び4−アセトアセチル−1−メタクリロイルピペラジンを含む。エポキシ−反応性基、例えば、活性水素含有基を含有するエチレン不飽和単量体は光硬化性成分に使用されない。
【0042】
代表的な既知多官能性エチレン不飽和化合物は、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、及びトリエチレングリコールジアクリレートのようなエチレンジ−不飽和単量体である。代表的なトリ−不飽和単量体は、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA),トリメチロールプロパントリメタクリレート、グリセロールトリアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、及びペンタエリトリトールトリメタクリレートを含む。代表的なアクリル不飽和光硬化性材料はSartomer社のSR205,SR306,CD401,SR508,SR603,SR9036である。
【0043】
他の適当な光重合性オリゴマー材料は、光硬化性成分に含まれる、例えば、ビス−フェノールをベースにしたポリエーテルアクリレート、ビニルエーテルキャップドオリゴマー、ヒドロキシ官能性アクリレートとメタクリレートの反応性生物、及びエポキシド、アクリルかポリエーテル、エチレン不飽和ポリアルキルエーテル、前記環状エーテルアクリレート及び環状エーテルアセテートアクリレートである。
【0044】
光重合性成分は、数平均分子量が500〜5,000、好適には1,000〜4,000のモノ不飽和アクリレート単量体及びエチレン不飽和オリゴマーの混合体である。光硬化性液体オリゴマーは、活性イソシアネート基を有さないウレタンアクリレートオリゴオマーから成る。ウレタンアクリレートオリゴオマーはエチレン不飽和アクリレート単量体と混合できる。アクリレートウレタンは脂肪族又は芳香族にできる。市販のアクリレートウレタンは、ヘンケル社の商表示PHOTOMER(例えば、PHOTOMER6010);UCBR Radcure社のEBECRYL220(分子量が1000の6官能性芳香族ウレタンアクリレート)、EBECRYL284(1,6−ヘキサンジオールジアクリレートで希釈した分子量が1200の脂肪族ウレタンジアクリレート)、EBECRYL4827(分子量が1600の芳香族ウレタンジアクリレート)、EBECRYL4827(テトラエチレングリコールジアクリレートで希釈した分子量が1200の脂肪族ウレタンジアクリレート)、EBECRYL6602(トリメチロールプロパンエトキリトリアクリレートで希釈した分子量が1300の3官能性芳香族ウレタンアクリレート)及びEBECRYL840(分子量が1000の脂肪族ウレタンジアクリレート);SARTMER社のSARTOMER(例えば、SARTOMER9635,9645,9655,963−B80,966−A80,等):及びMorton International社のUVITHANE(例えば、UVITHANE782)として既知のものを含む。
【0045】
光硬化性アクリレート成分にビスフェノールAのジアクリレートエステルのような1つ以上の光硬化性不飽和アクリレート基を有するアクリレート改質エポキシ材料を含ませることができるが、かかる混合体は望ましくない。代表的なアクリレート改質エポキシはオキシラン基とアクリレート上のヒドロキシ基との反応によって得られる。未反応エポキシ硬化性機能は残らない。市販ノアクリレートエポキシはRadicure Specialtie社の商標CMDのものを含む。他の適当なアクリル不飽和エポキシオリゴマー又はウレタンアクリレートオリゴマーはSartomer社の市販のCN929,CN136,CN970,CN104,CN120C60、等である。所有権のアクリレート改質エポキシ液体は追加の一官能性又は多官能性アクリレートと配合される。追加の一官能性又は多官能性アクリレートの量は光硬化成分における全組成範囲に含まれる。
【0046】
代表的なジアクリレート官能性光硬化性材料は、SR205,SR306,CD401,SR508,SR9036を含む。代表的な三官能性材料はSR350,SR444,CD501,SR9021を含む。四官能性アクリレートはSR295,SR355,SR399、SR9041を含む。
【0047】
アンダフィルの熱硬化性多官能性エポキシ樹脂は、少なくとも2つのエポキシ基、25℃で約1000ポアズ以下の粘度、約100〜1000の範囲内のエポキシド当りの平均重量(WPE)、及び約500〜3500の範囲内の平均分子量を有する少なくとも一つの液体樹脂を含有する。容易に使用できるエポキシは既知であって、ビスフェノールAのジグリシダルエーテル、2,2−ビス−4−(2,3−エポキシプロポキシ)−フェニルプロパンを含む。市販の適当なエポキシド化合物は、Shell Chemical社の商品名EPON828,EPON1004およびEPON1001F、およびDow Chemical社のDER−331,DER−332およびDER−334である。他の適当なエポキシ樹脂は環状脂肪族エポキシド、フェノールホルムアルデヒドノボラックのグリシジルエーテル(例えば、Dow Chemical社のDEN−431およびDNE−428)を含む。遊離基硬化性樹脂とエポキシ樹脂とのブレンドは、さらに米国特許第4,751,138号(Tumeyら)および米国特許第5,256,170号(Harmerら)に記載されている。好適な実施態様において、3つのエポキシ樹脂の組合せが採用される、それは、約192g/当量のWPEを有するビフェニルエポキシ樹脂、約172g/当量のWPEを有するビスフェノールFのジグリシジルエーテル、および約101g/当量のWPEを有するp−アミノフェニルのトリグリシジルエーテルの混合体である。これら3つのエポキシ樹脂はRSS,EPICLONおよびARALDITEなる商品名で入手できる。
【0048】
液体ウェーハ塗料は、通常レベルの化学線への暴露に際して液体アンダフィルを固化して不粘着性表面にするのに有効な少なくとも1つの光開始剤を約1〜3重量%含有する。選択される光開始剤のタイプは、必要な硬化の深さ、使用するコントラスト剤のタイプ、および使用する化学線の波長に依存する。ここで使用するのに適する市販の遊離基発生光開始剤は、限定ではないが、Ciba Specialty Chemicals社からの商品名IRGACUREおよびDAROCURで販売されているようなベンゾフェノン、ベンゾインエーテルおよびアシルホスフィンオキシド−タイプの光開始剤である
【0049】
好適な光開始剤は、25〜50%のケトン官能性光開始剤と50〜75%のモノアシルホスフィン、ビスアシルホスフィンオキシド、又はホスフィネート含有光開始剤の混合体である。ケトン光開始剤の例は、1−ヒドロオキシシクロヘキシルフェニルケトン、ヒドロオキシメチルフェニルプロパノン、ジメチルオキシフェニルアセトフェノン、2−メチル−rゥ−[4−(メチルチオ)−フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシル−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロバン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(2−ヒドロキシ−プロピル)−ケトン、ジエトキシフェニルアセトフェノン、2,4,6トリメチルベンゾイルジフェニルホスホン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、および2−ヒドロキシチオキサンテン−9−オンを含む。代表的なアシルホスフィンオキシド光開始剤は、エチル2,4,6−トリエチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、および2,4,6−トリフェニルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドを含む。ウェーハに塗布される液体アンダフィルの深硬化用の特定例の光開始剤成分は、アンダフィルの全重量を基準にして0.2〜0.5重量%の1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、およびフェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシドを含有する混合体である。
【0050】
120℃以上の被覆温度を上昇させない化学線源は、アンダフィルの固体液化可能ゲル状態への光硬化の実施に使用できる。紫外線、並びに他の形態、例えば、RS型太陽灯、炭素アークランプ、キセノンアークランプ、水銀蒸気ランプ、ハロゲン化タングステンランプ、等は最も容易に使用される。放射線エネルギーは点源から又は平行線の形態で放射される。しかしながら、発散ビームも化学線として操作可能である。100〜2400mJ/cmの範囲内のUV線量が約1.2−1.8mmのアンダフィル硬化に深さを提供し、そして100℃以下のアンダフィル温度でラジカル重合を完了するのに有効である。アンダフィル組成物不粘着性表面に光硬化する。硬化時間を調節して紫外線源、アンダフィル光硬化成分濃度、およびコントラスト剤の適当な選択をする。
【0051】
製品のパッケージアセンブル、自動目視検査において、ボード、アンダフィルおよびチップ間のコントラストを提供するために顔料の使用が必要である。カーボンブラック、およびClariannt AG社の商品名Sandorinで入手できるような顔料のようなコントラスト剤が適当である。一実施態様において、エポキシ樹脂にカーボンブラック15重量%分散液系を使用してアンダフィルに0.1−0.2重量%のカーボンブラックを配合して自動化目視検査に有効なコントラストを提供する。
【0052】
熱硬化系
本発明に利用されるエポキシ樹脂系は、150℃以上、好適には160℃±5℃以上、最適には170℃±5℃以上およびそれ以上の硬化開始温度を有する潜熱促進剤から成る非溶融型である。固化、経時アンダフィルは、半田リフローが発生した直後に遭遇する温度でエポキシ樹脂に潜熱硬化剤を使用して硬化を開始させて硬化段階にするのに適応する。熱硬化剤としてジシアンジアミドは単独で使用できないが、潜熱促進剤と共に少量で使用できる(しかし無い方が望ましい)。好適な潜熱硬化剤は、アミン、およびアミン−付加物を含む;これらはイミダゾールおよび尿素誘導体、例えば、2,4,6−トリメチル−1,3−ビス(3,3−ジメチルウレイド)ベンゼンおよび1,5−ビス(3,3−ジメチルウレイド)ナフタレンを含む。その熱硬化剤は非ハロゲン化でなければならない。硬化剤の例は、米国特許第5,543,486号に教示されているように、エポキシ化合物又はイソシアネート化合物およびアミン化合物を混合する、又はエポキシ化合物又はイソシアネート化合物、アミン化合物および活性水素化合物を混合する既知の方法で得られる。種々のブロックトアミンが適当である。好適な熱硬化剤は第三級アミンおよび尿素部分でブロックされたアミンである。熱硬化成分に適当なイミダゾールの例は、2−メチルイミダゾール;2−エチルイミダゾール;2−エチル−4−メチルイミダゾール;2−フェニルイミダゾール;2−フェニル−4−メチルイミダゾール;2−ウンデセニルイミダゾール;1−ビニル−2−メチルイミダゾール;2−n−ヘプタデシルイミダゾール;2−エチル−4−メチルイミダゾール;1−ベンジル−2−メチルイミダゾール;1−プロピル−2−メチルイミダゾール;1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール;1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール;1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール;1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール;1−グアナミノエチル−2−メチルイミダゾール;2−(p−ジメチウラミノフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール;2−(2−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール;2−フェニル−4−ヒドロキシメチルイミダゾール;2−フェニル4,5−ジ(ヒドロキシメチル)−イミダゾール;ジ(4,5−ジフェニルー2−イミダゾール)−ベンゼン−1,4,2−ナフチルー4,5−ジフェニルイミダゾール;イミダゾールおよびトリメリット酸の付加生成物;イミダゾールおよび2−n−ヘプタデシル−4−メチルイミダゾールの付加生成物;フェニルイミダゾール;ベンジルイミダゾール;1−(ドデシルベンジル)−2−メチルイミダゾール;2−(2−ヒドロキシ−4−t−ブチルフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール;2−(2−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール;2−メチル−4,5−ジフェニルイミダゾール;2,3,5−トリフェニルイミダゾール;2−スチルイミダゾール;2−(3−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール;1−ベンジル−2−メチルイミダゾール;および2−p−メトキシスチルイミダゾールを含む。好適な熱硬化剤はAir Products and Chemicals社から商品名Curezol 2−PHZ−Sで入手できる。
【0053】
別の熱硬化剤はブロックトルイス酸から成り、例えば、アルミニウムキレート化合物のような潜金属アセトアセテート−官能性硬化剤は、エチルアセトアセテート金属ジイソプロピレート、金属トリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテート金属ジイソプロピレート、アルミニウムモノセシルアセトネートビス(エチルアセトアセトネート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)を含む;そして環状アルミニウムオリゴマーの例は環状アルミニウムオキシドイソプロピレートを含む。
【0054】
光硬化液化可能固体の適当なリフローを提供するために、ウェーハ又はダイス上の光硬化固体被膜における熱硬化系の進行は貯蔵遅延期間中には生じない。熱硬化開始最低温度は、使用する熱硬化剤の選択によって予め決まる、そして150℃以上の温度で半田リフローの開始後に生じる。好適には、最低のアンダフィル熱硬化の開始は150℃〜225℃の範囲内である。熱硬化開始温度およびピークの硬化速度は、示差走査測熱法によって容易に決定される。熱硬化開始温度は促進剤の選択およびピーク硬化速度に依存し、約280℃以上にすべきでない。熱硬化の開始は、典型的に共融半田の250℃および無鉛半田の300℃において又はその近傍であるピーク温度の余り近くにすべきでない。典型的な半田のリフロー時間は3〜4分であって、アンダフィルは典型的にそのピーク温度に30秒以下にさらされる。150℃以下の温度で開始される熱硬化は不適当なアンダフィルの液化およびフローをもたらす。
【0055】
非伝導性充てん剤を使用してアンダフィルのCTEを限定する。これらの充てん剤は既知であって種々のタイプが適する。ミクロ電子グレードの溶融シリカ、結晶シリカ、ホウ素、アルミニウム及びケイ素の窒化物、マグネシウム、ケイ酸マグネシウム及びシリカ被覆アルミニウムを入手できる。液体アンダフィルに形成される粘度は選択の基準である。溶媒または非活性希釈剤が存在しないために、本発明によるアンダフィルの実施態様は、既知のスピンコーティングのような比較的低い粘度の塗料を利用する方法に容易に適用できる。本発明によるスピン−キャスタブルアンダフィルの実施態様は、スクリーン印刷又はプリントによって塗布されるアンダフィルに用いられる粘度より比較的低い通常の粘度を示す。
【0056】
好適な実施態様において、アンダフィルはソー・ストリート間の各ウェーハ領域の少なくとも70%をカバーする模様にスクリーン印刷によって塗布される。熱硬化状態におけるアンダフィルのCTEは、15〜50ppm/℃の範囲内であり、40〜70重量%、好適には45〜60重量%の範囲量内で使用される非伝導性充てん剤レベル、好適には球状溶融シリカ粒子を必要とする。さらに望ましくは、無機低CTE充てん剤が45〜55重量%の量で使用される。好適な低CTE無機充てん剤は少なくとも10μmの平均粒度及び約75μm以下の平均粒度を有する。用いる充てん剤直径の上限は上記アンダフィル被膜の厚さ以下にすべきである。
【0057】
任意に、アンダフィルは接着向上剤を含有できる。接着向上剤は既知であって、オルガノシラン、オルガノポリシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、予水素化オルガノシラン、シロキサン及びシルセスキオキサンを含む。オルガノシロキサンの例は、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、及びβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランのようなモノ(エポキシヒドロカルビル)トリアルコキシシランのようなエポキシ官能基を含む;又はエチレン不飽和基が望ましい。エチレン不飽和有機ケイ素化合物は、モノ−又は多−アルケニル官能性オルガノシラン、例えば3−(メト)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン並びに多−アルケニル官能性シロキサン、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン及び1,2,4−トリビニルシクロヘキサン及び/又は1,3,5−トリビニルシクロヘキサンを含む。
【0058】
ウェーハにアンダフィルを塗布する一つの方法は既知のスクリーン印刷技術を必要とする。本発明によるウェーハアンダフィルは、ソー・ストリートの外側のウェーハ表面の部分を一緒にカバーするために位置合わせした模様にウェーハ上に印刷できることが有利である。印刷方法によって塗布されるアンダフィルは任意のレオロジー調節剤を含有することが望ましい。適当な既知タイプは、例えば、Cabot社から入手でできる無定形のヒュームドシリカ又はシリル化無定形ヒュームドシリカである。
【0059】
既知である流れ調節剤は任意に使用できる。熱可塑性流れ調節剤は、熱液化可能アンダフィルの半田リフロー中に流出する傾向を増す。代表的な流れ向上剤は、商品名がElvaciteで入手できるようなI.V.が約0.2〜0.6のポリメタクリレート共重合体を含む。例はICI Acrylics社からの商品名がElvacite−2013であって、0.2のI.V.を有する64%ブチルメタクリレート/36%メチルメタクリレート共重合体であると考えられる。他の既知の流れ調節剤は米国Lubrizol社からの商品名Lanco Flow P10,およびSolutia社から入手できるMODAFLOW Powderを含む。流れ向上剤はSAN又はα−オレフィン重合体、等に基くことができる。好適な流れ向上剤は熱可塑性PMMA共重合体であって、INEOS Acrylics社からの商品名Elvaciteのような分子量が60,000を有する。光硬化性成分の重量%として示唆される任意の熱可塑性樹脂の流れ向上剤は1.0〜10.0重量%である。光硬化、熱液化可能状態におけるアンダフィルの流動性の改良として、カルボキシエステルのような可塑剤、又はエチレンビス−ステアアミドのような潤滑剤の10重量%以下の少量の使用が意図される。
【0060】
試験方法
1.ガラス転移温度(Tg)
b−段階又は熱硬化材料の試料を使用して、ガラス転移温度は5℃/分の加熱速度で熱機械分析装置、5℃/分の加熱速度で動的機械分析装置、又は5℃/分の加熱速度で示差走査熱量計によって測定した。
2.熱膨張係数
Tg以上又は以下の熱膨張係数の測定において、通常の熱機械分析装置を使用して測定した。
3.粘度
ブルックフィ−ルド VDIIIコーン及びプレートが適当であるが、Haake RheoStress I(商品名)を使用した。
4.ダイ保持力はASTM D1002に従って試験した。
5.熱及び酸化安定性は熱重量分析法によって測定する。アンダフィルは空気中300℃で5重量%以下を示す。
【0061】
光重合条件
AETEK UV 加工装置を使用する次の条件は、液体アンダフィルを被膜の深さ全体を適切に固化させる。
ランプ1(W) ランプ2(W) ベルト速度 硬化エネルギー
(fpm) (mJ/cm
400 400 34 1170
200 200 30 761
200 200 45 515
200 200 60 384
200 200 65 349
200 200 70 327
125 125 30 712
125 125 70 297
200 0 45 274
200 0 60 205
200 0 70 176
125 0 70 149
125 0 90 116
【0062】
加工実施態様
アンダフィルの実施例1−4は、成分をHauschild(商品名)カップに添加して、3000rpmで30秒間混合することによって調製した。配合物は、10.1cm直径x400±厚さの半導体ウェーハ(商品名Umicore)上にスピンコーティングした。その被覆ウェ−ハ、Aetec UV炉で30fpm、N雰囲気下、200W/200Wの設定、そしてワンパスで光硬化させた。光硬化したアンダフィルの8ヶ月貯蔵はDSCによる確認でさらなる硬化活性をもたらさなかった。その熱硬化開始温度は150℃±2℃(166℃でピーク発熱量)であった。
【実施例1】
【0063】
成 分 重量部
1.ビスフェノールA−エピクロヒドリン− 19.03
エポキシ樹脂(残留エピクロヒドリン<1ppm)
Shell Resins社からのRSL−1462)
2.ポリ(アクリル)不飽和ウレタンアクリレートオリゴマー
(Sartomer社からのCN120C60)
3.エポキシアクリレートオリゴマー 18.5
(Sartomer社からのCN136)
4.エポキシ硬化剤1 1.14
(Air Products &Chemから
のAncamine2441)
5.エポキシ硬化剤2 1.33
(SKWCem社からのDyhard 100s)
6.三官能性アクリレート 7.00
(Sartomer社からのSR351)
7.光開始剤
Irgacure 184 2.00
Irgacure 819 1.00
8.溶融シリカ 50.00
(Dennka社からのF5BLDX)
合計 100.00
【実施例2】
【0064】
成 分 重量部

1.ビスフェノールA−エピクロヒドリン− 36.28
エポキシ樹脂(残留エピクロヒドリン<1ppm)
Shell Resins社からのRSL−1462)
2.エポキシ硬化剤1 2.18
(Air Products &Chemから
のAncamine2441)
3.エポキシ硬化剤2 2.54
(SKWCem社からのDyhard 100s)
4.三官能性アクリレート 6.00
(Sartomer社からのSR351)
5.光開始剤
Irgacure 184 1.50
Irgacure 819 1.50
6.溶融シリカ 50.00
(Dennka社からのF5BLDX)
合計 100.00
【実施例3】
【0065】
成 分 重量部

1.ビスフェノールA−エピクロヒドリン− 36.29
エポキシ樹脂(残留エピクロヒドリン<1ppm)
Shell Resins社からのRSL−1462)
2.潜アミン促進剤 2.18
(Air Products &Chemから
のAncamine2441)
3.ジシアンジアミド 2.54
(SKWCem社からのDyhard 100s)
4.三官能性アクリレート 6.00
(Sartomer社からのSR351)
5.光開始剤
Irgacure 184 2.00
Irgacure 819 1.00
6.溶融シリカ 50.00
(Dennka社からのF5BLDX)
合計 100.00
【実施例4】
【0066】
1.ビスフェノールA−エピクロヒドリン− 18.15
エポキシ樹脂(残留エピクロヒドリン<1ppm)
Shell Resins社からのRSL−1462)
2.アクリレート改質エポキシオリゴマー 19.50
(Sartomer社からのCN136)
3.潜アミン促進剤 2.18
(Air Products &Chemから
のAncamine2441)
4.ジシアンジアミド 2.54
(SKWCem社からのDyhard 100s)
5.三官能性アクリレート 6.00
(Sartomer社からのSR351)
6.光開始剤
Irgacure 184 1.50
Irgacure 819 1.50
7.溶融シリカ 50.00
(Dennka社からのF5BLDX)
合計 101.37
【0067】
実施例5−7は調製して、10.1cm直径x400±厚さの半導体ウェーハ(商品名Umicore)上にスピンコーティングした。その被覆ウェ−ハ、Aetec UV炉で30fpm、N雰囲気下、200W/200Wの設定、そしてワンパスで光硬化させた。固体熱液化可能状態における実施例5−7の光硬化膜は不粘着性であった。
【実施例5】
【0068】
実施例5の調製において、成分1−4は40グラムのHauschild(商品名)カップ中で一緒に混合し、光開始剤が完全に溶解するまで60℃に加熱した。試料は次にHauschildミキサで300rpmx30秒間混合した。残りの成分はそれぞれの添加の間混合しながらそれぞれ添加した。
【0069】
成 分 説 明 重量部
1.CN136 アミン改質、アクリレートエポキシ 6.70
2.SR203 THFMA 12.40
3.Irgacure184 光開始剤 0.30
4.Irgacure819 光開始剤 0.50
5.RSL−1462 ビスAエポキシのジグリシジルエーテル 14.35
6.RSS−1407 ビスフェノールエポキシ樹脂 14.35
7.Curezol 2PHHZ−S 1.43
イミダゾール潜硬化剤
8.充てん剤 溶融シリカ 49.99
合計 100.0
【0070】
実施例5の熱硬化開始温度は167℃であった。
実施例 5
Tg−UV−Bステージ 23.56℃
Tg−熱硬化 106.25℃
CTE−Tg以下 40.37ppm/℃
CTE−Tg以上 107.7ppm/℃
貯蔵モジュラス(@25℃) 2,761Mp
貯蔵モジュラス(@175℃) 0.025Gpa
【実施例6】
【0071】
実施例6は、50%の溶融シリカを除いて配合成分を40グラムのHauschild(商品名)カップに添加して、300rpmx30秒間混合することによって調製した。その混合体を炉内で45℃において30分間加熱して光開始剤を溶解させた。その溶液混合体を再び300rpmで30秒間混合した。
【0072】
原 料 説 明 重量部
SR203 THFMA 19.10
Irgacure184 光開始剤 0.30
Irgacure819 光開始剤 0.50
RSS−1407 ビスフェノールエポキシ樹脂 14.35
Curezol 2PHHZ−S 1.43
イミダゾール潜硬化剤
充てん剤 溶融シリカ 50.01
合計 100.00
【0073】
図1を参照すると、図1は実施例6のDSC走査曲線を示す。示差走査測熱法の条件は:Perkin−Elmer社からのDSC DSC7型を使用し、加熱ランプの条件は5℃/分の加熱速度で20℃−300℃の範囲であった。全ての試料は光硬化状態で試験した。走査は、95.23℃での固体エポキシ樹脂の融点、191.65℃の硬化開始温度、及び193.71℃の熱硬化のピーク反応温度を示す。
【実施例7】
【0074】
実施例7は50%の溶融シリカを除いて配合成分を40グラムのHauschild(商品名)カップ添加して、300rpmx30秒間混合することによって調製した。その溶融シリカの残りの部分は次に300rpmで30秒間混合しながら添加した。その混合体は炉内で45℃において30分間加熱して光開始剤を溶解させた。その溶液混合体を再び300rpmで30秒間混合した。
【0075】
原 料 説 明 重量部
SR285 THFM 19.05
Irgacure184 光開始剤 0.30
Irgacure819 光開始剤 0.50
RSS−1407 ビスフェノールエポキシ樹脂 28.71
Curezol 2PHHZ−S 1.44
イミダゾール潜硬化剤
充てん剤 溶融シリカ 50.01
合計 100.00
【0076】
図2は実施例7のDSC走査曲線を示す。示差走査測熱法の条件は:Perkin−Elmer社からのDSC、DSC7型を使用した。加熱ランプの条件は5℃/分の加熱速度で20℃−300℃の範囲であった。全ての試料は光硬化状態で試験した。その走査は、99.5℃での固体エポキシ樹脂の融点、189.62℃の硬化開始温度、及び192.6℃の熱硬化のピーク反応温度を示す。
【実施例8】
【0077】
実施例8は50%の溶融シリカを除いて配合成分を40グラムのHauschild(商品名)カップに添加して、300rpmx30秒間混合することによって調製した。その溶融シリカの残りの部分は次に300rpmで30秒間混合しながら添加した。その混合体は炉内で45℃において30分間加熱して光開始剤を溶解させた。その溶液混合体を再び300rpmで30秒間混合した。
【0078】
成 分 説 明 重量部
CN136 アミン改質、アクリレートエポキシ 6.70
SR203 THFMA 12.40
Irgacure184 光開始剤 0.30
Irgacure819 光開始剤 0.50
RSL−1462 ビスAエポキシのジグリシジルエーテル 14.35
RSS−1407 ビスフェノールエポキシ樹脂 20.09
Curezol イミダゾール 1.43
充てん剤 FB5LDX(溶融シリカ) 49.99
合計 100.02
【0079】
実施例 8
Tg−光BステージWAU 41.47℃
Tg−熱硬化 116.44℃
CTE−Tg以下 40.56ppm/℃
CTE−Tg以上 120.5ppm/℃
貯蔵モジュラス(25℃) 3,313Mpa
貯蔵モジュラス(175℃) 0.0268Gpa
【0080】
比較実施例A(77−5)
成 分 重量部
1.トリ(アクリル)官能性単量体と
アクリレート改質エポキシオリゴマーとの混合体 43.00
(Sartomer社のCN120C60)
2.トリ(アクリル)官能性単量体 4.00
(Sartomer社のSR351)
3.ジシアンジアミド 1.33
(SKWCem社のDyhard 100s)
4.光開始剤
Irgacure 184 2.00
Irgacure 819 1.00
5.溶融シリカ 50.00
(Dennka社のF5BLDX)
合計 100.00
比較実施例Aは、光硬化後、24時間の周囲貯蔵後ウェーハから剥離した、そしてこれは光硬化によって誘導された過剰な収縮のためのと考えられた。
【0081】
比較実施例B
成 分 重量部
1.ビスフェノールA−エピクロヒドリン− 18.15
エポキシ樹脂(残留エピクロヒドリン<1ppm)
Shell Resins社のRSL−1462)
2.アクリレート改質エポキシオリゴマー 20.5
(Sartomer社からのCN136)
3.潜アミン促進剤 1.09
(Air Products &Chem
のAncamine2441)
4.ジシアンジアミド 1.27
(SKWCem社のDyhard 100s)
5.光開始剤
Irgacure 184 1.50
Irgacure 819 1.00
7.溶融シリカ 50.00
(Dennka社からのF5BLDX)
合計 100.00
比較実施例Bも24時間の周囲貯蔵後に剥離した。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、ウェーハに塗布したアンダフィル及びそれらの調製法として特別な産業上の利用可能性を有する、本発明の組成物は、グローブトップ、チップ直接取付け、及び熱硬化組成物用の他の用途のようなアンダフィルを超えた超小型電子適用にも使用される。以上、好適ないくつかの実施態様を説明してきたが、上記の教示を考慮して多くの改良及び変化が可能である。従って、本発明は請求項の範囲を逸脱することなく特に記載したもの以外で実施できることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】実施例6のDSC曲線であって、融点、熱硬化開始、及び反応のピーク温度を示す。
【図2】実施例7のDSC曲線であって、融点、熱硬化開始、及び反応のピーク温度を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンダフィル組成物に接着された活性面を有する周囲温度安定な集積回路用ウェーハであって、該アンダフィル組成物が下記の一液型混合体から成ることを特徴とする周囲温度安定な集積回路用ウェーハ:
液体光硬化性アクリル成分、
多官能性エポキシ樹脂、
少なくとも一つの光開始剤、
非導電性充てん剤、及び
非溶融性熱活性化エポキシ硬化剤、
固体状態の前記アンダフィル組成物は25℃において1000〜5000MPaの曲げ弾性率、及び前記アンダフィル組成物のガラス転移温度以下の15〜50ppm/℃の熱膨張係数を示す。
【請求項2】
5%〜30%の一官能性不飽和光硬化性成分、
10%〜45%の多官能性エポキシ樹脂、
0.3%〜3%の少なくとも一つの光開始剤、及び
40%〜70%の非導電性充てん剤、
から成り、硬化状態のアンダフィルが25℃において1000〜5000MPaの曲げ弾性率、及びガラス転移温度以下の15〜50ppm/℃の熱膨張係数を示すことを特徴とする液体、100%固体、非自溶、一液型アンダフィル組成物。
【請求項3】
前記光硬化性成分が、C−C12アクリル酸のアルキルエステル及びアクリル酸のアルキル置換C−C12エステルから成る群からの少なくとも一つの化合物を含むことを特徴とする請求項2記載のアンダフィル組成物。
【請求項4】
前記光硬化性成分は、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ペンタエリトリトールモノメタクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、アクリルアルキロールホルマルアクリレート、及びケタールアクリレートから成る群の少なくとも一つから選択されることを特徴とする請求項2記載のアンダフィル組成物。
【請求項5】
前記光硬化性成分は、ビス−フェノールポリエーテルアクリレート、ビニルエーテル面冠オリゴマー、アクリル化エポキシ樹脂、エチレン性不飽和ポリアルキルエーテル、ポリ(環状)エーテルアクリレート、及びポリ環状(エーテル)アセテートアクリレートから成る群から選択される不飽和オリゴマーである請求項2記載のアンダフィル組成物。
【請求項6】
さらに、モノ不飽和アクリレート単量体から成り、前記オリゴマーが500〜5,000の数平均分子量を有する請求項4記載のアンダフィル組成物。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−515785(P2007−515785A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541112(P2006−541112)
【出願日】平成16年6月2日(2004.6.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/017749
【国際公開番号】WO2005/056675
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(501337605)ロード・コーポレーション (12)
【Fターム(参考)】