説明

個人認証装置及び個人認証システム、及び個人認証方法

【課題】認証コードの事前登録や、頻繁な変更の必要がなく、セキュリティーレベルの高い個人認証装置及び個人認証システム、及び個人認証方法を提供する。
【解決手段】個人認証装置6は、家庭内LAN5を介してHDD/DVDレコーダ11等の家電機器4に接続し、番組予約情報と、この番組予約時に利用した電子番組ガイド(EPG)情報を取得して記憶部32に記憶する。個人認証開始時に、認証に用いる家電機器と番組予約日を選択し、この選択に該当する番組予約情報が認証コードとして設定される。タッチスクリーン33で番組予約情報を入力すると、前述の認証コードと照合され、一致したときにドアロック装置7に認証信号が出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証コードを入力して個人の特定を行なう個人認証装置及び個人認証システム、及び個人認証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
利用者が正当な権限を有する利用者本人であるか否かを認証する個人認証の方法として、暗証番号やパスワード等の認証コードを用いる方法が広く利用されている。この方法では、利用者は、事前に認証コードを認証装置に設定しておく必要がある。利用者が認証を受けたい場合、認証装置に認証コードを入力すると事前に設定した認証コードと照合され、両者が一致するかどうかが判断される。両認証コードが一致した場合、利用者が正当な利用者本人であると認証される。
【0003】
認証コードを用いた個人認証では、覗き見、盗聴、傍受等によって認証コードが不正に取得されやすく、個人情報から推測される場合もある。この認証コードを用いる個人認証のセキュリティーレベルを向上させるには、認証コードの文字数を多くする、認証コードの変更頻度を高くする等の方法があるが、利用者が認証コードを記憶する負担が大きくなるという問題がある。
【0004】
上記問題を解決するため、例えば、特許文献1記載の発明では、インターネット上のサーバに蓄積された個人宛メール等の内容から認証用の質問を自動生成している。また、特許文献2記載の発明では、利用者に抽象的な情報を提示し、利用者が連想した情報を入力してその組み合わせで本人を確認している。また、特許文献3記載の発明では、パズル問題を提示し、制限時間内に解答できたときに本人と認証している。
【特許文献1】特開2002−342281号公報
【特許文献2】特開2004−013865号公報
【特許文献3】特開2006−178779号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1記載の発明では、利用者がメール内容を全て覚えているとは限らないため、正当な権限を有する利用者であっても認証されないことが考えられる。また、特許文献2記載の発明では、抽象的な情報と、この情報から連想される情報とを予め認証装置に登録しておく必要があるため煩わしく、連想内容が一般的である場合、不正な利用者によって容易に連想結果が推測される可能性がある。更に、特許文献3記載の発明では、不正な使用者によってパズル問題が解答される可能性がある。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するため、認証コードの事前登録や、頻繁な変更の必要がなく、セキュリティーレベルの高い個人認証装置及び個人認証システム、及び個人認証方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の個人認証装置は、電子番組ガイド情報に基づいて番組表を表示し、番組表より選択された放送番組の番組予約を受け付ける家電機器から、番組予約の内容を表す番組予約情報を取得する予約情報取得手段と、この番組予約情報を記憶する記憶手段と、所定期間内に行なわれた番組予約に対応する番組予約情報を認証コードとして設定するコード設定手段と、個人認証時に番組予約情報の入力を受け付ける入力手段と、入力された番組予約情報と、認証コードとされた番組予約情報とを照合し、一致したときに認証する認証手段とから構成したものである。これによれば、番組予約によって認証コードが自動的に生成されるので、認証コードの事前登録の手間を省くことができる。また、認証コードの変更頻度が高くなるので、高いセキュリティー性能を得ることができる。
【0008】
また、予約情報取得手段は、番組予約情報とともに、家電機器で番組予約を行なう際に使用された電子番組ガイド情報を取得し、記憶手段は、対応する番組予約情報と関連付けて電子番組ガイド情報を記憶し、入力手段による番組予約情報の入力時に、認証コードとされた番組予約情報に対応する電子番組ガイド情報を記憶手段から読み出し、電子番組ガイドに基づく番組表を表示する表示手段を有するものである。これによれば、番組表によって予約内容を容易に思い出すことができる。
【0009】
また、所定期間内に行なわれた番組予約が複数存在するときに、複数の番組予約情報から予約の順序を特定する予約順特定手段を設け、個人認証時に入力手段から入力された番組予約情報の入力順と予約順とを照合して、一致したときに認証することが好ましい。これにより、より高いセキュリティー性能を得ることができる。
【0010】
また、記憶手段によって、過去の番組予約情報を履歴として記憶し、入力手段によって、認証コードの対象となる所定期間の選択を受け付け、コード設定手段では、選択された所定期間内に行なわれた番組予約に対応する番組予約情報を認証コードとして設定するようにしたものである。これによれば、番組予約がしばらく行なわれていない場合でも、過去の番組予約情報を用いて個人認証を行なうことができる。
【0011】
また、家電機器が複数存在するときには、家電機器ごとに番組予約情報を記憶し、入力手段によって、認証コードの対象とする家電機器の選択を受け付け、コード設定手段では、選択された家電機器の番組予約情報を認証コードとして設定するようにしたものである。これによれば、家電機器が複数存在しても個人認証に利用することができる。
【0012】
また、認証手段の認証結果を外部機器に出力する外部インターフェイスを設けたものである。これによれば、認証結果に応じて外部機器の動作を制御することができ、様々な機器の個人認証に適用することができる。
【0013】
また、本発明の個人認証システムは、電子番組ガイド情報を提供するガイド情報提供手段と、ガイド情報提供手段から提供された電子番組ガイド情報に基づいて番組表を表示し、この番組表から選択された放送番組の番組予約を受け付ける少なくとも1つの家電機器と、請求項1〜5いずれか記載の個人認証装置と、個人認証装置の外部インターフェイスから認証結果を受信して認証動作、または非認証動作を行なう外部機器から構成したものである。これによれば、番組予約を行なう家電機器を利用して、高いセキュリティー性能を有する個人認証システムを提供することができる。
【0014】
また、外部機器としては、ドア等をロックするロック装置を用いることができ、認証動作によってロック-を解除することができる。これにより、高いセキュリティー性能を有するホームセキュリティーを実現することができる。
【0015】
また、家電機器と、個人認証装置の取得手段とを接続して番組予約情報等を送受信するネットワーク手段を設けたものである。これによれば、個人認証装置に複数の家電機器を容易に接続することができる。また、ネットワーク手段を広域ネットワークに接続すれば、個人認証システムが設置された場所以外から各種設定や制御を行なうことができる。
【0016】
また、本発明の個人認証方法は、電子番組ガイド情報に基づいて番組表を表示し、この番組表より選択された放送番組の番組予約を受け付ける家電機器から、番組予約の内容を表す番組予約情報を取得するステップと、記番組予約情報を記憶するステップと、所定期間内に行なわれた番組予約に対応する番組予約情報を認証コードとして設定するステップと、個人認証時に番組予約情報の入力を受け付けるステップと、入力された番組予約情報と、認証コードとされた番組予約情報とを照合し、一致したときに認証するステップから構成したものである。これによれば、番組予約によって認証コードが自動的に生成されるので、認証コードの事前登録の手間を省くことができ、高いセキュリティー性能を得ることができる。
【0017】
また、番組予約情報とともに、家電機器で番組予約を行なう際に使用された電子番組ガイド情報を受信するステップを含み、番組予約情報の入力を受け付けるステップは、電子番組ガイド情報に基づいて番組表を表示するステップと、この番組表を用いて番組予約情報の入力を受け付けるステップを含むものである。これによれば、番組予約時に使用した番組表を使用して番組予約情報を入力することができるので、予約内容を容易に思い出すことができる。
【0018】
また、所定期間内に行なわれた番組予約が複数存在するときに、複数の番組予約情報から予約の順序を特定するステップと、個人認証時に入力手段から入力された番組予約情報の入力順と予約順とを照合し、一致したときに認証するステップを含むものである。これによれば、より高いセキュリティー性能を得ることができる。
【0019】
また、所定期間の選択を受け付けるステップと、選択された所定期間内に行なわれた番組予約に対応する番組予約情報を認証コードとして設定するステップを含むものである。これによれば、番組予約がしばらく行なわれていない場合でも、過去の番組予約情報を用いて個人認証を行なうことができる。また、家電機器が複数存在するときには、認証コードの対象となる家電機器を選択できるようにすることが好ましい。
【0020】
また、認証コードを照合するステップの後に、認証結果を外部機器に出力するステップを含むものである。これによれば、認証結果に応じて外部機器の動作を制御することができ、様々な機器の個人認証に適用することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の個人認証装置及び個人認証システム、及び個人認証方法によれば、番組予約により認証コードが自動的に設定されるので、従来のように認証コードを事前に登録する手間を省くことができ、高いセキュリティー性能を得ることができる。
【0022】
また、番組予約情報の入力は、番組予約時の番組表を用いて入力するので、容易に予約内容を思い出すことができる。更に、予約順も認証に用いるので、より高いセキュリティー性能を得ることができる。また、過去の番組予約情報を記憶しておき、個人認証に使用する所定期間を選択できるようにしたので、番組予約がしばらく行なわれていない場合でも、過去の番組予約情報を用いて個人認証を行なうことができる。また、認証手段の認証結果を外部機器に出力するようにしたので、様々な機器の個人認証に適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1に示すように、本発明を実施した個人認証システム2は、テレビアンテナ3、家電機器4、家庭内LAN5、個人認証装置6、ドアロック装置7等から構成されている。この個人認証システム2は、家電機器4によって行なわれた番組予約の内容を個人認証装置6による認証コードとして用い、認証時にドアロック装置7のロックを解除する。
【0024】
テレビアンテナ3は、周知のように放送信号を受信して出力する装置である。放送信号には、所定期間内の放送番組名、放送チャンネル、放送日時、放送内容等の情報からなる電子番組ガイド情報(以下、EPG情報と呼ぶ)が付加されており、放送信号とともにテレビアンテナ3で受信される。このテレビアンテナ3は、本発明のガイド情報提供手段を構成する。なお、テレビアンテナ3に代えて、ケーブルテレビ局から放送信号及びEPG情報を得てもよい。
【0025】
本実施形態における家電機器4は、テレビアンテナ3から出力された放送信号とEPG情報とを受信する装置の総称であり、例えば、テレビ10、HDD/DVDレコーダ11、TVチューナ及びキャプチャ付きパーソナルコンピュータ12等が該当する。
【0026】
テレビ10は、受信した放送信号に基づいて、ブラウン管や液晶パネル等からなる表示部に放送番組を表示する。また、EPG情報に基づいて番組表を作成し、これを表示部に表示する。
【0027】
図2に示すように、表示部16に表示される番組表15は、日付を表す日付表示17と、時間を表す時間表示18と、放送局名及びチャンネル番号を表すチャンネル表示19と、放送番組名を表す番組名表示20、番組名表示20上で移動して放送番組を選択するポインタ枠21、ポインタ枠21で選択された放送番組の内容等の詳細情報を表示する情報表示部22等を有し、この番組表15から放送番組を選択して視聴予約を行なうことができる。視聴予約の内容は、例えば、テレビ10内に設けられたメモリ内に番組予約情報として記憶される。そして、視聴予約された所定日時になったときに、表示が予約されているチャンネルに自動的に切り替えられる。
【0028】
HDD/DVDレコーダ11は、受信した放送信号に基づいて動画データを作成し、ハードディスクドライブ(HDD)やDVDディスクに録画を行ない、HDDやDVDディスク内の動画を再生してその映像信号をテレビ10に出力する。更に、テレビ10と同様に、EPG情報に基づいて番組表15を作成し、これをテレビ10の表示部16に表示する。そして、番組表15から放送番組を選択することで録画予約を行なう。録画予約の内容は、番組予約情報としてHDD/DVDレコーダ11内のメモリに記憶される。そして、録画予約された所定日時になったときに、予約されている放送番組が自動的に録画される。
【0029】
HDD/DVDレコーダ11に対する録画予約は、筐体に設けられた操作部や、添付のリモコン装置で行なう、また、特定の機種では、所定の書式で記載された電子メールや、ネットワークを介して接続されたパーソナルコンピュータ等でも録画予約を行なうことができる。
【0030】
TVチューナ及びキャプチャ付きパーソナルコンピュータ12は、パーソナルコンピュータ(PC)に放送信号を受信するTVチューナと、受信した放送信号を動画データに変換するキャプチャー回路とを組みこんだもので、テレビ放送の視聴及び録画を行なうことができる。このTVチューナ及びキャプチャ付きPC12でも、テレビ10及びHDD/DVDレコーダ11と同様に、EPG情報に基づいて番組表15を作成し、モニタに表示して視聴予約、録画予約を行なうことができる。また、同様に、録画予約の内容に基づいて作成された番組予約情報が記憶される。
【0031】
テレビ10、HDD/DVDレコーダ11、TVチューナ及びキャプチャ付きPC12は、それぞれネットワーク接続回路を内蔵しており、ハブ24、モデム25から構成されるネットワーク手段である家庭内LAN5に接続されている。家庭内LAN5は、モデム25によって広域ネットワークであるインターネット通信網26に接続されている。上述したEPG情報は、インターネット通信網26でも提供されており、テレビ10、HDD/DVDレコーダ11、TVチューナ及びキャプチャ付きPC12は、家庭内LAN5を介して所定のサーバにアクセスし、EPG情報を取得する。
【0032】
個人認証装置6は、制御部30、ネットワーク接続部31、記憶部32、タッチスクリーン33、外部機器インターフェイス34等から構成されている。制御部30は、例えば、CPUと、動作プログラムが記憶されたROM等を備えるマイクロコンピュータであり、装置全体を制御する。
【0033】
ネットワーク接続部31は、一定時間ごとに家庭内LAN5を介して家電機器4に接続し、番組予約情報と、この番組予約に用いたEPG情報とを取得する。なお、ネットワーク接続部31は、個人認証装置6に登録されている機器にのみ接続するので、個人認証に使用する家電機器を自由に選択することができる。このネットワーク接続部31は、本発明の予約情報取得手段を構成する。
【0034】
記憶部32は、例えば不揮発性メモリ等からなり、ネットワーク接続部31によって取得された番組予約情報及びEPG情報が各家電機器ごとに記憶される。
【0035】
タッチスクリーン33は、例えば液晶等のモニタと、このモニタに表示を行なう表示制御回路と、モニタ上に設置されて接触位置を検出するタッチセンサを備えており、本発明の表示手段及び入力手段を構成する。表示制御回路は、個人認証装置6を操作する操作メニュー、設定メニュー等をモニタに表示し、各メニューへの接触をタッチセンサによって検出する。
【0036】
個人認証開始時には、上記モニタに個人認証に使用できる家電機器と、認証に用いることができる番組予約日のリストが表示され、モニタへの接触で選択される。更に、個人認証時には、記憶部32から読み出したEPG情報に基づいて、図2に示すものと同様の番組表15がモニタに表示される。モニタに表示された番組表15に接触すると、その接触位置がタッチセンサによって検出され、接触位置に該当する放送番組が認証コードとして入力される。
【0037】
制御部30は、本発明のコード設定手段としても動作する。制御部30は、個人認証開始時に選択された家電機器及び番組予約日に基づいて、記憶部32内から該当する番組予約情報を選択し、認証コードとして設定する。
【0038】
また、制御部30は、本発明の予約順特定手段としても動作し、認証コードとして設定した番組予約情報の予約順を特定する。この予約順の特定は、例えば番組予約情報に記述された予約日時のタイムスタンプを参照して行なわれる。なお、番組予約情報にタイムスタンプがない場合は、家電機器4にアクセスして番組予約情報を取得する間隔を短くし、取得済みの番組予約情報と比較して予約順を特定してもよい。
【0039】
本実施形態の個人認証システム2は、例えば、玄関ドアをロックするドアロック装置7の解除に個人認証装置6を利用するため、タッチスクリーン33は玄関ドアの外側に設置される。
【0040】
上記制御部30は、本発明の認証手段としても動作する。制御部30は、タッチスクリーン33によって入力された番組予約情報を認証コードとして設定された番組予約情報と照合し、これらが一致したときに利用者が正当な権利者であると認証する。また、非認証時には、例えばタッチスクリーン33に、入力された放送番組が誤っていることを警告する表示を行なう。
【0041】
外部機器I/F34は、ドアロック装置7等の外部機器が接続されるインターフェイスであり、制御部30によって利用者が認証されたときに認証信号を出力し、認証されなかったときには非認証信号を出力する。
【0042】
ドアロック装置7は、例えば、ドアをロックするロック部と、このロック部を動かしてロック及びロック解除するアクチュエータとを備えている。このアクチュエータは、外部機器I/F34から認証信号が入力されたときにロック部のロックを解除し、非認証信号が入力されたときには、ロック解除を行なわない。
【0043】
次に、上記実施形態の作用について説明する。テレビ10、HDD/DVDレコーダ11、TVチューナ及びキャプチャ付きPC12等の家電装置4は、テレビアンテナ3または、または家庭内LAN5を介して接続するインターネット通信網26からEPG情報を取得する。
【0044】
図3に示すように、例えばHDD/DVDレコーダ11で録画予約を行なう際には、接続されたテレビ10にEPG情報に基づく番組表15が表示される。この番組表15上でポインタ枠21を動かして番組を選択して予約操作を行なうと、その予約内容を表す番組予約情報が生成される。この番組予約情報は、HDD/DVDレコーダ11内のメモリやHDD等に記憶される。なお、詳しくは図示しないが、電子メール、PCからのネットワーク接続によって録画予約を行なっても同様に番組予約情報が生成、記憶されるので、個人認証に利用することができる。
【0045】
図4に示すように、個人認証装置6は、ネットワーク接続部31により家庭内LAN5を介して、登録されている家電装置に接続する。例えば、登録番号が最も若いHDD/DVDレコーダ11に最初に接続し、番組予約情報及びEPG情報を取得する。制御部30は、取得した番組予約情報と、記憶部32内に記憶されている番組予約情報とを比較し、新規の番組予約情報であると判定したときには、これを記憶部32に記憶する。
【0046】
HDD/DVDレコーダ11への接続完了後、次の家電機器、例えばテレビ10、TVチューナ及びキャプチャ付きPC12に接続し、同様に番組予約情報及びEPG情報を取得する。
【0047】
図5に示すように、個人認証装置6は、タッチスクリーン33のモニタに、例えば、「ロック」、「ロック解除」、「設定」等の各種メニューを表示している。タッチセンサを用いて「ロック解除」が選択されると、モニタには「パスワード」、「番組予約情報」というメニューが表示される。この個人認証装置6は、一般的なパスワードの入力による個人認証と、テレビ番組の予約を認証コードに利用する個人認証のいずれか一方を任意に選択することができる。
【0048】
メニュー「パスワード」が選択されると、パスワード入力画面の表示、パスワードの入力受け付け、照合という手順を経てロックが解除される。なお、パスワードの不一致が発生した場合にはモニタに警告が表示される。更に、パスワードの不一致が例えば3回続けて発生した場合には、パスワード入力が中止される。
【0049】
また、上記のメニュー「ロック解除」で「番組予約情報」が選択されると、モニタには個人認証に使用できる家電機器と、番組予約日とがリスト表示され、これらの選択が受け付けられる。このように、家電機器と番組予約日とを選択することができるので、より高いセキュリティー性能を得ることができる。また、過去の番組予約日も認証に利用できるので、番組予約が行なわれていない場合でも問題はない。
【0050】
例えば、家電機器としてHDD/DVDレコーダ11、番組予約日として「10月23日」が選択されると、制御部30は記憶部32を参照してこれらの選択に該当する番組予約情報を選択し、認証コードとして設定する。また、制御部30は、認証コードとして設定した複数の番組予約情報のタイムスタンプを参照して予約順を特定する。このように、放送番組の予約内容を認証コードに利用することができるので、認証コードを予め登録する手間がいらなくなる。また、認証コードの変更頻度が多くなるので、高いセキュリティー性能を得ることができる。
【0051】
タッチスクリーン33は、認証コードとして設定された番組予約情報に対応するEPG情報を記憶部32から読み出し、これに基づいて番組表をモニタに表示して、番組予約情報の入力を受け付ける。このように、番組予約情報の入力時に番組表を使用することができるので、予約内容を容易に思い出すことができる。
【0052】
制御部30は、入力された番組予約情報と、認証コードとして設定された番組予約情報を照合する。これらが一致している場合には、番組予約情報の入力順と予約順を照合し、一致している場合には外部機器I/F34から認証信号を出力する。これにより、ドアロック装置7によりドアロックが解除される。
【0053】
番組予約情報または入力順が一致しなかった場合にはモニタに警告が表示される。更に、番組予約情報の不一致が例えば3回続けて発生した場合には、入力が中止される。このように、番組の予約内容だけでなく、予約順も照合されるので、より高いセキュリティー性能を得ることができる。
【0054】
なお、上記実施形態は、パスワードによる認証と番組予約情報による認証を選択できるようにしたが、番組予約情報だけで認証を行なうように構成してもよい。また、番組予約情報と、入力順とを照合するようにしたが、入力順による照合は省いてもよい。更に、
個人認証装置をホームセキュリティーの利用する例について説明したが、その他の個人認証にも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の個人認証システムの構成を示すブロック図である。
【図2】番組表の一例を示す説明図である。
【図3】家電機器による番組予約手順を示すフローチャートである。
【図4】個人認証装置による番組予約情報の取得手順を示すフローチャートである。
【図5】個人認証装置の認証手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
2 個人認証システム
3 アンテナ
4 家電機器
5 家庭内LAN
6 個人認証装置
7 ドアロック装置
15 番組表
26 インターネット通信網
30 制御部
31 ネットワーク接続部
32 記憶部
33 タッチスクリーン
34 外部機器I/F

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子番組ガイド情報に基づいて番組表を表示し、前記番組表より選択された放送番組の番組予約を受け付ける家電機器から、番組予約の内容を表す番組予約情報を取得する予約情報取得手段と、
前記番組予約情報を記憶する記憶手段と、
所定期間内に行なわれた番組予約に対応する前記番組予約情報を認証コードとして設定するコード設定手段と、
個人認証時に、前記番組予約情報の入力を受け付ける入力手段と、
入力された前記番組予約情報と、認証コードとされた前記番組予約情報とを照合し、一致したときに認証する認証手段を備える個人認証装置。
【請求項2】
前記予約情報取得手段は、前記番組予約情報とともに、前記家電機器で番組予約を行なう際に使用された電子番組ガイド情報を取得し、
前記入力手段による前記番組予約情報の入力時に、前記電子番組ガイドに基づいて番組表を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項1記載の個人認証装置。
【請求項3】
所定期間内に行なわれた番組予約が複数存在するときに、複数の前記番組予約情報から予約の順序を特定する予約順特定手段を設け、
前記認証手段は、個人認証時に前記入力手段から入力された前記番組予約情報の入力順と前記予約順とを照合し、一致したときに認証することを特徴とする請求項1または2記載の個人認証装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、過去の前記番組予約情報を履歴として記憶し、
前記入力手段は、認証コードの対象となる前記所定期間の選択を受け付け、
前記コード設定手段は、選択された前記所定期間内に行なわれた番組予約に対応する前記番組予約情報を認証コードとして設定することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の個人認証装置。
【請求項5】
前記家電機器が複数存在するときに、前記記憶手段は前記家電機器ごとに前記番組予約情報を記憶し、
前記入力手段は、認証コードの対象となる前記家電機器の選択を受け付け、
前記コード設定手段は、選択された前記家電機器の前記番組予約情報を認証コードとして設定することを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の個人認証装置。
【請求項6】
前記認証手段の認証結果を外部機器に出力する外部インターフェイスを有することを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の個人認証装置。
【請求項7】
電子番組ガイド情報を提供するガイド情報提供手段と、
前記電子番組ガイド情報に基づいて番組表を表示し、この番組表から選択された放送番組の番組予約を受け付ける家電機器と、
前記請求項6記載の個人認証装置と、
前記個人認証装置の外部インターフェイスから認証結果を受信して認証動作、または非認証動作を行なう外部機器を備えることを特徴とする個人認証システム。
【請求項8】
前記外部機器は、ドア等をロックするロック装置であり、前記認証動作によってロック-を解除することを特徴とする請求項7記載の個人認証システム。
【請求項9】
前記家電機器と、前記個人認証装置の取得手段とを接続して番組予約情報等を送受信するネットワーク手段を有することを特徴とする請求項7または8記載の個人認証システム。
【請求項10】
電子番組ガイド情報に基づいて番組表を表示し、この番組表より選択された放送番組の番組予約を受け付ける家電機器から、番組予約の内容を表す番組予約情報を取得するステップと、
前記番組予約情報を記憶するステップと、
所定期間内に行なわれた番組予約に対応する前記番組予約情報を認証コードとして設定するステップと、
個人認証時に、前記番組予約情報の入力を受け付けるステップと、
入力された前記番組予約情報と、認証コードとされた前記番組予約情報とを照合し、一致したときに認証するステップを備えることを特徴とする個人認証方法。
【請求項11】
前記番組予約情報とともに、前記家電機器で番組予約を行なう際に使用された電子番組ガイド情報を受信するステップを含み、
前記番組予約情報の入力を受け付けるステップは、前記電子番組ガイド情報に基づいて番組表を表示するステップと、この番組表を用いて前記番組予約情報の入力を受け付けるステップを含むことを特徴とする請求項10記載の個人認証方法。
【請求項12】
所定期間内に行なわれた番組予約が複数存在するときに、複数の前記番組予約情報から予約の順序を特定するステップと、
個人認証時に前記入力手段から入力された前記番組予約情報の入力順と、前記予約順とを照合し、一致したときに認証するステップを含むことを特徴とする請求項10または11記載の個人認証方法。
【請求項13】
前記所定期間の選択を受け付けるステップと、
選択された前記所定期間内に行なわれた番組予約に対応する前記番組予約情報を認証コードとして設定するステップを含むことを特徴とする請求項10〜12いずれか記載の個人認証方法。
【請求項14】
前記家電機器が複数存在するときに、認証コードの対象となる家電機器の選択を受け付けるステップと、
選択された前記家電機器で行なわれた番組予約に対応する前記番組予約情報を認証コードとして設定するステップを含むことを特徴とする請求項10〜13いずれか記載の個人認証方法。
【請求項15】
認証結果を外部機器に出力するステップを含むことを特徴とする請求項10〜14いずれか記載の個人認証方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−210210(P2008−210210A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−47028(P2007−47028)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】