説明

光トランシーバ

【課題】簡単な構造で容易に使用できると共に、基準となる位置に確実に固定できる光モジュール用位置決め部材を備えた光トランシーバを提供する。
【解決手段】光トランシーバ1を、ケース本体10と、このケース本体の内部に配設される光モジュール20と、この光モジュールと接続される基板30と、光モジュールおよび基板を覆ってケース本体に被せられるメインカバー60と、を備えた構成とし、光モジュールを、当該光モジュールをケース本体に係止する係止用鍔部と、当該係止用鍔部と間隔をあけて他端側に設けられ光モジュールをケース本体に位置決めする位置決め用鍔部とを有する形状とする。ケース本体の内部に、係止用鍔部が挿入可能な鍔部挿入用溝部と位置決め用鍔部が収容可能な鍔部収容用溝部を形成し、ケース本体に光モジュールを位置決めする光モジュール用位置決め部材を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光コネクタレセプタクルタイプの光トランシーバ(SFF/SFPXFP)に係り、さらに詳しくは、例えば1心双方向用光モジュールを金属製のケース本体に固定する構造を有する光トランシーバに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信装置をはじめ殆どの装置は小型化及び高密度化されている。そのため、内蔵される光デバイス機器も同じように小型化、高密度化され、内部の光モジュールの収納構造にも工夫が必要となる。
【0003】
例えば、光トランシーバでは内部に光モジュールが用いられ、この光モジュールは、電気信号を光信号に変換し光ファイバを伝送路として通信機器やネットワーク機器、コンピュータ、記憶装置間でデータの送受信を行うものであるが、このような光トランシーバでも、上記のように小型化、高密度化されるようになっている。
このような状況に対応するため、低コストで、且つ確実な位置で部品を固定し、特性にも優れた構造が求められているが、従来の1心双方向用光モジュールを固定する構造としては、モールド部品によって1心双方向用光モジュールをケースに固定する方法が多く使用されている。
【0004】
また、光送受信モジュールは、伝送システムにおいてひとつの部品として取り扱われているが、他の装置や回路、あるいは部品から大きなノイズが放射されていると、そのノイズの影響を受け、光送受信モジュールが誤作動を起こすことがある。
そのため、EMI(erectoro-magunetic interference)対策も必要となる。
ここで、EMIとは、電波雑音のことで、一般的には、電子機器が放射する電磁はノイズを指す。EMIの強度が大きいと、周囲の機器に誤動作等の悪影響を及ぼすことがある。このため、回路設計の工夫、電磁シールド板の採用、EMIフィルターの挿入、電磁吸収シートの張り付けを行う等して、EMIの防止対策が採られている。
【0005】
このようなノイズを防止しようと色々と工夫されている。一例として、金属ケースを用いた光送受信モジュールが知られている(例えば特許文献1参照)。
この光送受信モジュールでは、2つのSCレセプタクル部が金属ケースに設けられ、これにより、内部のノイズの漏れを防止する構造となっている。
【0006】
さらに、光トランシーバの組立て固定する構造として、当該光トランシーバを構成する、ベースカバーと、光モジュール組立体と、レセプタクル部を有するベースと、メインカバーとを組立て固定する構造が開示された光トランシーバが知られている(例えば特許文献2参照)。
この光トランシーバでは、光モジュール組立体とベースとを組立てた後、ベースとベースカバーとを組立て、最後にメインカバーをベースカバーに被せて全体を一体化するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−121702号公報
【特許文献2】特開2008−026375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記従来のモールド部品による光モジュールの固定では、固定強度が弱いので、正確な位置決めが困難となり、その結果、電気特性に悪影響を及ぼすという問題があった。
固定強度を上げるために圧入工法を使用する場合は、専用治具が必要となり、また、その専用治具の使用等が熟練を必要とする等、作業性が悪いという問題があった。
さらに、ノイズが漏れ易くEMI問題が懸念されていたため、金属ケースも1心用専用のケースを使用する必要があり、高価となってしまうという問題があった。
【0009】
また、前記特許文献1の光送受信モジュールでは、2個の光トランシーバを用いることを前提とし、且つそれらの各光トランシーバを、それぞれプラスチック・ツメ付スリーブに取り付けようとするものであり構造が複雑であるという問題がある。
【0010】
さらに、前記特許文献2の光トランシーバでは、モジュール組立体とベースとの組立てには、モジュール組立体のフェルールをベースの圧入部に圧入しなくてはならないので、フェルールが折れたりしないように慎重な作業が必要となり、作業性が悪いという問題がある。
【0011】
このような状況に対応するため、小型化、高密度化された光トランシーバにおいては、低コストで、且つ確実な位置で部品を固定して電気的な基準面を正確に維持でき、電気的特性にも優れた構造が望まれている。
【0012】
そこで、本発明の目的は、上述した各課題を解決するために、簡単な構造で容易に使用できると共に、基準となる位置に確実に固定できる光モジュール用位置決め部材を備えた光トランシーバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するために、本願発明の光トランシーバは、上方が開放された枠状のケース本体と、このケース本体の内部に配設される光モジュールと、この光モジュールと接続される基板と、前記光モジュールおよび基板を覆って前記ケース本体に被せられるメインカバーと、を備え、
前記光モジュールを、その一端部に係止手段を設けると共に他端部に信号入出力用の接線を設けて構成し、
前記係止手段を、前記光モジュールを前記ケース本体に係止する係止用鍔部と、当該係止用鍔部と間隔をあけて他端側に設けられ前記光モジュールを前記ケース本体に位置決めする位置決め用鍔部とを有する形状とし、
前記ケース本体の内部に、前記係止用鍔部が挿入可能な鍔部挿入用溝部と前記位置決め用鍔部が収容可能な鍔部収容用溝部を形成し、
前記ケース本体に前記光モジュールを位置決めする光モジュール用位置決め部材を設け、この光モジュール用位置決め部材を、前記位置決め用鍔部と前記鍔部収容用溝部との隙間に挿入すると共に前記位置決め用鍔部の一端面を押圧して当該位置決め用鍔部を軸線方向に移動させ、且つ前記係止用鍔部の光学的基準面を前記鍔部挿入用溝部の固定基準面に当接させて前記光モジュールの光学的位置決めを行う位置決め用押圧部を有する構成としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本願発明の光トランシーバは以上のように構成されているので、光モジュール用位置決め部材の位置決め用押圧部を位置決め用鍔部と鍔部収容用溝部との隙間に挿入し、位置決め用押圧部が位置決め用鍔部の一端面を押圧すれば、位置決め用鍔部が軸線方向に移動して係止用鍔部の光学的基準面を鍔部挿入用溝部の固定基準面に当接させることができる。その結果、光モジュールの光学的位置決めを確実に行なうことができる。
位置決め部材は、位置決め用鍔部と鍔部収容用溝部との隙間に挿入できる形状であればよいので、簡単な構造とすることができ、また、位置決め作業は位置決め部材を挿入するだけでよいので容易に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る光トランシーバの一実施形態を示す全体分解斜視図である。
【図2】前記実施形態の光トランシーバの前方側端部の詳細を示す平面図である。
【図3】図2の部分拡大詳細図を表し光モジュールの第1、第2フランジとケース本体のスリット等との寸法関係を示す斜視図である。
【図4】前記実施形態の光トランシーバのケース本体に収容された光モジュールをホルダで押える直前の状態を示す斜視図である。
【図5】前記実施形態の光トランシーバのケース本体に収容された光モジュールをホルダで押えた状態を図4とは別の方向から見た斜視図である。
【図6】前記実施形態の光トランシーバのケース本体に収容された光モジュールをホルダで押えた状態をさらに別の方向から見た斜視図である。
【図7】図2におけるVII−VII線に沿った縦断面図である。
【図8】前記実施形態の光トランシーバの光モジュールを押えたホルダにシールドカバーを被せた状態を示す斜視図である。
【図9】本発明に係る光トランシーバの変形形態を示す全体分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に図1〜図8を参照して本発明に係る光トランシーバの一実施形態を説明する。
本実施形態の光トランシーバ1は、光コネクタレセプタクルタイプの1心双方向方用光トランシーバ(SFF/SFPXFP)である。
【0017】
図1には、上記実施形態の光トランシーバ1の全体分解斜視図が示されている。
図1に示すように、光トランシーバ1は、上方が開放された枠状の金属製のケース本体10と、このケース本体10の内部に配設される1心双方向用光モジュール20と、上記ケース本体10の内部に配設されると共に光モジュール20と接続される基板30と、光モジュール20をケース本体10に対して光学的に位置決めする位置決め部材としてのホルダ40と、このホルダ40に被せられるシールドカバー50と、このシールドカバー50の上面一部および基板30を覆って上記ケース本体10に取付け固定されるメインカバー60と、を備えて構成されている。
【0018】
ケース本体10は、前後方向(図1中左下がりの斜め方向に沿った左右方向)に細長形状に形成されており、例えば亜鉛合金製のダイカスト成型品で形成されている。なお、実施形態では、図1の左側を前方、右側を後方とする。
ケース本体10は、長手方向の略全面にわたる底面部10Aと、この底面部10Aの長手方向に沿った両側に立設された側壁部10Bと、上記底面部10Aの前方に設けられた光コネクタ開口部10Cと、底面部10Aの後方に設けられた後方開口部10Dとを有し、全体的に見て、上方が開放された形状の略枠状に形成されている。
【0019】
ケース本体10の内部には、2本の前記光モジュール20が収容可能になっている。
すなわち、図1に示すように、ケース本体10の内部において上記光コネクタ開口部10Cの一部には、ケース本体10の幅を二分する仕切り壁11が底面部10A上に立設されており、この仕切り壁11により、仮想線で示すように、ケース本体10の内部は、光モジュール20を収容する第1室15と、図示しない第2光モジュールを収容する第2室16とに分けられている。
【0020】
前記光コネクタ開口部10C(ケース本体10の前方部)には、図1に示すように、上記第1室15に連通する第1開口部15Aと、第2室16に連通する第2開口部16Aとが設けられている。これらの第1開口部15Aおよび第2開口部16Aは、上記第1壁部12により仕切られている。
【0021】
仕切り壁11は、上記光コネクタ開口部10Cの一部に設けられ、当該光コネクタ開口部10Cの端面から後方開口部10D側に所定寸法延びている。また、仕切り壁11は、図2〜図5等にも示すように、上記端面側の第1壁部12と、この第1壁部12に連続する第2壁部13とで形成されている。
【0022】
第2壁部13は、平面視で略十字状に形成されており、この第2壁部13の凸部13B間の幅寸法W1は、第1壁部12の幅寸法Wより狭く設定されている。また、互いに対向する第1壁部12の端面12Aと、第2壁部13の端面13Aとで、幅寸法W2の鍔部挿入用溝部であるスリット14が上記底面部10Aにわたって形成されている。
スリット14は、図2、図5に示すように、第1壁部12および第2壁部13と対向するケース本体10における一方側の側壁部10Bの内面にも形成されている。
【0023】
すなわち、一方側の側壁部10Bの内面には、その内面から第2壁部13側に突出すると共に第2壁部13の凸部13Bに対応する溝形成用凸部19(図5参照)が形成されており、この溝形成用凸部19の一端面19Aと対向する側壁部10Bの一端面とでスリット14が形成されている。そして、このスリット14を形成する溝形成用凸部19の一端面19Aと第2壁部13の端面13Aとが、光モジュール20における第1フランジ21Aの光学的位置決めとなる固定基準面となっている。
【0024】
本実施形態では、第1室15に光モジュール20が収容されるようになっているが、第2室16に第2光モジュールは収容されていないため、第2室16に連通する前記第2開口部16Aには、図5に示すように、第1壁部12の先端近傍まで延びて着脱可能なスペーサ18が装脱可能に埋め込まれている。
このスペーサ18は、例えばPC(ポリカーボネイト)等の樹脂成型品とされている。
【0025】
前記光モジュール20は、1心双方向用光モジュール20であり、図2、図3等に詳細を示すように、一端部である光コネクタ嵌合部(光コネクタ開口部10C側)には係止手段21が設けられ、他端部には信号入出力用の接線を構成する送信部20G(図1参照)が設けられている。
【0026】
係止手段21は、係止用鍔部である第1フランジ21Aと、位置決め用鍔部である第2フランジ21Bとで構成されている。
すなわち、光モジュール20の本体部20Cの前方側一端部には、大径軸部20Dと当該大径軸部20Dの先端に形成された小径軸部20Eとが形成され、大径軸部20Dの小径軸部20E側端部に大径軸部20Dの外径寸法より大きな外径寸法の上記第1フランジ21Aが形成されている。
また、大径軸部20Dにおいて第1フランジ21Aの本体部20C側には第1フランジ21Aと所定間隔をあけて上記第2フランジ21Bが形成されている。本実施形態では、第2フランジ21Bの外径寸法が第1フランジ21Aと略同じ外径寸法に形成されているが、両フランジ21A,21Bの外径寸法は異なっていてもよい。ただし、両フランジ21A,21Bとも、大径軸部20Dの外径寸法よりも大きく形成されていることが必要である。
【0027】
光モジュール20の前記第2室16側の側面には受信部20F(図1、図4参照)が設けられ、光モジュール20の後端部には、前記基板30に情報を送信する送信部20Gが設けられている。
なお、光モジュール20の本体部20Cは、ケース本体10の前記底面部10Aからわずかに浮いた状態で配置されている。
【0028】
前記基板30は、図1、図4等に示すように、第1室15において上記光モジュール20の後方に配置され、上記光モジュール20の前記送信部20Gに接続されるようになっている。この基板30は1心双方向用光モジュール20専用のものであり、第2室16側の側面にフレキシブル配線30A(図1参照)が設けられている。そして、このフレキシブル配線30Aから繋がる基板30と、光モジュール20の受信部20Fの接線とが接続されるようになっている(図8参照)。
基板30は、その後部が前記ケース本体10の後方開口部10D内に位置するように配置され、基板30の後部には、図示しない各種装置が接続されるようになっている。
なお、本実施形態では、2個の光モジュール20を配置することができるケース本体10に1個の光モジュール20が取付け固定されるようになっているが、この場合の光モジュール20は、上述のように、1心双方向用光モジュール20専用のものであり、ケース本体10に2個の光モジュールを配置する場合、ケース本体10に対応するように、2個の各光モジュールの受信部、送信部および基板の設計がなされているものである。
【0029】
前記ホルダ40は、ケース本体10に対して光モジュール20を光学的な基準位置に確実に位置決めするためのものであり、例えばSUSの板状部材を全体が略コ字形状となるように折り曲げ形成されている。
【0030】
すなわち、ホルダ40は、図4に詳細を示すように、上面部40Aと、この上面部40Aの一端部から下方に向けて延びて形成され第1室15の光モジュール20に対応し当該光モジュール20の前記大径軸部20Dを押える位置決め用押圧部40Bと、この位置決め用押圧部40Bに隣接し、かつ第2室16に対応するシャッター部40Cとを有している。
また、上面部40Aには、その他端部から下方に向けて延びると共に、位置決め用押圧部40Bおよびシャッター部40Cと対向して形成された背面板40Dが連続している。
【0031】
位置決め用押圧部40Bとシャッター部40Cとの間にはスライド溝40Eが形成されており、このスライド溝40Eは、前記第2壁部13の先端部13Cの幅方向両側面を挟み込んでスライドできるようになっている。
位置決め用押圧部40Bは、図7に詳細を示すように、大径軸部20Dの外周に当接するように形成された円弧状部40Fを有し、位置決め用押圧部40Bの下端が大径軸部20Dの水平方向の中心線に沿った直線形状に形成されている。
また、位置決め用押圧部40Bの厚さ寸法はTに形成されている(図4参照)。
【0032】
以上、前記ケース本体10のスリット14、第1フランジ21Aおよび第2フランジ21B、ホルダ40等についてそれぞれ説明したが、これらの位置関係、相互の寸法関係を図3に基づいて説明する。
第1フランジ21Aの厚さ寸法tは、前記ケース本体10のスリット14の幅寸法W2より小さな寸法に設定されており、このスリット14内に第1フランジ21Aが挿入されるようになっている。そして、スリット14の厚さ寸法幅寸法W2と第1フランジ21Aの厚さ寸法tとの差はt1となっている。
【0033】
これに対して、第2フランジ21Bは、前記第2壁部13の先端13Cと前記側壁部10Bの内側面に形成されている前記溝形成用凸部19の固定用基準面19Cとの間で形成された溝17内に収容されるようになっている。
また、第2フランジ21Bの前方側の端面と、対向する第2壁部13の凸部13Bにおいて上記端面13Aの反対側の端面との間隔は寸法L1となっている。
なお、光モジュール20の小径軸部20Eは、図2に示すように、ケース本体10の光コネクタ開口部10C側の内部に形成された収容溝10E内に収容されるようになっている。
【0034】
位置決め用押圧部40Bの厚さ寸法Tは、その円弧状部40Fが大径軸部20Dを押えたとき、位置決め用押圧部40Bの裏面が前記第2フランジ21Bの前方側の端面と接触すると共に、光モジュール20をケース本体10の長手方向に沿って後方側に移動させることができるような厚さ寸法T(図4参照)に形成されている。
【0035】
ホルダ40は、上述したスリット14の幅寸法W2と第1フランジ21Aの厚さ寸法tとの差(隙間S)t1をゼロにし、第1フランジ21Aの第2フランジ21B側の端面21nをスリット14の後方側の前記端面13Aに当接させようとするものである。そして、このスリット14の後方側の端面13Aと、前記溝形成用凸部19の端面19Aとが、ケース本体10に対して光モジュール20の光学的位置決めのための固定基準面となっている。また、第1フランジ21Aの端面21nが光モジュール20の光学的基準面となっている。
【0036】
したがって、位置決め用押圧部40Bの厚さ寸法Tは、t1以上の寸法に設定する必要がある。例えば、上記t1の寸法が2mmであった場合、位置決め用押圧部40Bの厚さ寸法Tを3mmに設定すれば、位置決め用押圧部40BをL1の隙間Sに挿入すれば、位置決め用押圧部40Bが第2フランジ21Bを後方側に移動させることになり、その結果、上記寸法t1の2mmの隙間がなくなり、第1フランジ21Aの基準面21nがスリット14の基準面13Aに当接するので、光モジュール20が正確に基準位置に位置決めされることになる。
【0037】
以上のことから、光モジュール20の係止手段21を構成する第1フランジ21Aと第2フランジ21Bとの間隔は、スリット14の幅寸法W2と、第2壁部13の突起部13Bの厚さ寸法t2と、第2フランジ21Bの前方側の端面と第2壁部13の凸部13Bの端面との間隔L1とを合計した寸法に設定されていることになる。
【0038】
前記ホルダ40の外周には、図8に示すように、シールドカバー50が嵌合されている。このシールドカバー50は、バネ性を有する例えばステンレスの薄板で形成されている。シールドカバー50は、断面矩形形状の本体部50Aを有し、この本体部50Aの側面および上面に短冊状の複数枚の放熱板部50Bが設けられている。なお、これらの短冊状の複数枚の放熱板部50Bは放熱用途だけでなく、EMIシールド用途の役割をも果たすものである。
シールドカバー50の取り付けは放熱板部50Bがケース本体10の前記光コネクタ開口部10C側に向くようにして行われる。
なお、シールドカバー50は、上述のように、光コネクタ開口部10C側に向くように、つまりケース本体10の前方に向いて取り付けられるが、図1等では左側が前方であるのに対して、図8では、右側が前方となっている。これは、シールドカバー50とホルダ40との係合状態がよりわかりやすいように表示しようとした結果である。
【0039】
シールドカバー50の本体部50Aは、その上面が分割部50Cで、ケース本体10の幅方向に開閉できるようになっている。そのため、ホルダ40に嵌合取り付けする際は、まず、本体部50Aの上面を開いておいて、上面の一方部を光モジュール20およびホルダ40の下面に潜り込ませながら、ホルダ40の上面がホルダ40の上面部40Aに到達するまで廻らせるようにして取り付ける。
そして、シールドカバー50は、ケース本体10の両側壁部10B,10Bと底面部10A間に嵌め込んで設置されるようになっている。
【0040】
また、本体部50Aの上面の分割部50Cには、当該分割部50Cで分割された本体部50Aの上面の対向位置に円弧形状の切欠部50Dがそれぞれ設けられている。
これに対して、ケース本体10の前記仕切り壁11の上面には突起部13D(図2,3参照)が設けられており、この突起部13Dは、上記対向する2つの切欠部50Dのそれぞれに嵌るような断面長円形状に形成されている。そして、この突起部は、前記ホルダ40のスライド溝40Eの上端部の開口部を挿通してシールドカバー50の切欠部50Dに嵌り込むようになっている。そのため、切欠部50Dと突起部とで、光モジュール20の挿抜の際の、シールドカバー50の位置ズレを防止することができるようになっている。
【0041】
前記メインカバー60は、光モジュール20、ホルダ40、およびシールドカバー50がケース本体10に取り付けられた後、それらを覆って、上記ケース本体10に固定されるようになっている。
すなわち、メインカバー60は、図1に示すように、上面部60Aとその上面部60Aの両端部に設けられた両側面部60B,60Bとを備えて構成され、全体が断面略コ字形状に形成されている。
このメインカバー60は、前記シールドカバー50の上面50Aからケース本体10の後方開口部10Dまでを覆うようになっている。
【0042】
メインカバー60の両側面部60B,60Bの前部には角孔60Cがあけられている。これらの角孔60Cは、ケース本体10の側壁部10Bに設けられた固定用突起10Fと係合するようになっている。
この固定用突起10Fは断面略三角形状に形成され、三角形の2つの斜辺が上下方向に向くように設けられている。そのため、メインカバー60を上方から押し込んで被せたとき、そのメインカバー60の両側壁部60B,60Bが固定用突起10Fの位置に到達したとき、三角形の上側の傾斜面に沿って開き、さらにメインカバー60を上方から押し込んだとき、メインカバー60の角孔60Cが固定用突起10Fの上側の傾斜面を乗り越え、両者60C,10Fが係合するようになっている。つまり、メインカバー60とケース本体10とが連結固定されることになる。
【0043】
また、メインカバー60の両側壁部10Bの後部にも角孔60Dがあけられている。これらの角孔60Dの内側には、その角孔60Dを形成した際の板部を折り曲げて形成された引掛け部(図略)が設けられており、この引掛け部と前記基板30の係合部(図略)とが係合し合い、これにより、基板30とメインカバー60とが固定されるようになっている。
【0044】
次に、以上のような構成の光モジュール20を金属製のケース本体10に固定する手順について説明する。
【0045】
まず、ケース本体10に光モジュール20を収容する。この際、ケース本体10の第1室15側に形成されているスリット14に光モジュール20の第1フランジ21Aを挿入すると共に、小径軸部20Eおよび第2フランジ21Bを所定の収容溝10E、ガイド溝17にそれぞれ嵌め込んで光モジュール20を第1室15に収容する。
このとき、スリット14と第1フランジ21A間には寸法t1のクリアランスがあり、光モジュール20はケース本体10に対してまだ固定されていない状態にある。
【0046】
次に、ホルダ40を上方からケース本体10に向けて降ろすと共に、ホルダ40の位置決め用押圧部40Bを、ケース本体10における第2壁部13の凸部13Bの第1フランジ21A側の端面と光モジュール20の第2フランジ21Bの端面との間の隙間Sに挿入し、ホルダ40の位置決め用押圧部40Bのバネ性を用い、ケース本体10の固定用基準面13Aに当接させる。
このとき、ホルダ40の位置決め用押圧部40Bはバネ性を持っているので、光モジュール20の第2フランジ21Bを押圧し、当該第2フランジ21Bを後方側に移動させる。すると、それに連れて第1フランジ21Aが後方側に移動し、第1フランジ21Aの基準面21nと、ケース本体10の基準面13Aとが突き当たり、これにより、光モジュール20の光学的基準位置が確実且つ正確に決まる。
【0047】
また、ホルダ40にはシャッター部40Cが形成されており、ホルダ40を前記隙間Sに挿入したとき、ケース本体10において第2室16側の光コネクタ開口部10Cが塞がれる。
その結果、第2室16に外部からのノイズの侵入が防止されるのでEMI対策が充分となる。
【0048】
次に、ホルダ40にシールドカバー50を装着する。この際、まず、シールドカバー50の本体部50Aの上面を開いておいて、上面の一方部を光モジュール20およびホルダ40の下面に潜り込ませながら、ホルダ40の上面がホルダ40の上面部40Aに到達するまで廻らせるようにして取り付ける。
【0049】
シールドカバー50をホルダ40に装着したら、メインカバー60をケース本体10に取り付け、全体の組み立てを完了する。
この際、メインカバー60を上方から押し込んで、ケース本体10の側壁部10Bに設けられた固定用突起10Fと係合させる。その手順として、メインカバー60を上方から押し込み、そのメインカバー60の両側壁部10Bが固定用突起Bの位置に到達したとき、三角形の上側の傾斜面に沿って開き、さらにメインカバー60を押し込むと、メインカバー60の角孔60Cが固定用突起10Fの上側の傾斜面を乗り越え、両者60C,10Fが係合する。つまり、メインカバー60とケース本体10とが固定される。
【0050】
以上のような構成の光トランシーバ1によれば、次のような効果が得られる。
(1)ホルダ40の位置決め用押圧部40Bを、ケース本体10における第2壁部13の凸部13Bの端面と第2フランジ21Bの端面との間の隙間Sに挿入すると、位置決め用押圧部40Bが第2フランジ21Bの端面を押圧するので、その第2フランジ21Bが軸線方向に移動するとそれに連れて第1フランジ21Aも軸線方向に移動し、第1フランジ21Aの光学的基準面21nがスリット14の固定基準面13Aに当接する。これにより、光モジュール20の光学的位置決めを確実に且つ容易に行うことができ、その結果、光モジュール20の設定された電気的特性を最大限導き出すことができる。
【0051】
(2)ホルダ40は、上面部40Aと、位置決め用押圧部40Bと、シャッター部40Cと、背面部40Dとを有する形状となっており、これらは板状部材を折り曲げ形成して作成することができるので、簡単な構造とすることができる。
【0052】
(3)ホルダ40の位置決め用押圧部40Bを、第2フランジ21Bと連続すると共に当該第2フランジ21Bの外径より小径の軸部20Eの外周面に対応する円弧状部40Fを有する形状としたので、位置決め用押圧部40Bで第2フランジ21Bを安定して、且つ確実に押圧することができる。
【0053】
(4)ケース本体10は、実施形態では1個の光モジュール20を収容しているが、第1室15、および第2室16にそれぞれ光モジュールを収容できるようになっており、仕様に応じて光モジュールを1個、あるいは2個使用することができる。その結果、1個用と2個用の共通化が可能となり、それぞれ専用のケース本体10を準備しなくてよいので、低コスト化を実現できる。
【0054】
(5)ホルダ40にはシャッター部40Cが形成されており、ホルダ40をケース本体10の第2壁部13の端面と、光モジュール20の第2フランジ21Bの端面との間に挿入したとき、ケース本体10において第2室16側の光コネクタ開口部10Cが塞がれるので、第1室15に配置された第1光モジュール20の受信部20Fや、基板30等が第2室16側に伸びていても、外部からの電磁波の侵入を防止でき、これにより、EMI対策を確実に行うことができる。
【0055】
(6)ケース本体10の第2室16に第2光モジュールは収容されていない場合、第2室16に連通する第2開口部16Aには、第1壁部12の先端近傍まで延びて着脱可能なスペーサ18が埋め込まれているので、第1光モジュール20の第2開口部16Aへの誤挿入を防止できる。
【0056】
(7)ホルダ40の外周にはシールドカバー50が嵌合されており、このシールドカバー50はステンレスの薄板で形成されているので、このシールドカバー50でも、ノイズ漏れを防止できる。その結果、第1室15に配置されている光モジュールへの悪影響を防止することができる。
【0057】
(8)位置決め用押圧部40Bの厚さ寸法Tが、スリット14の幅寸法と第1フランジ21Aの厚さ寸法tとの差のt1以上の寸法に形成されているので、第2フランジ21Bの前方側の端面と、対向する第2壁部13の凸部13Bの端面との寸法L1の隙間Sに挿入すれば、位置決め用押圧部40Bが第2フランジ21Bを後方側に移動させ、第1フランジ21Aの基準面21nがスリット14の基準面13Aに当接するので、光モジュール20が正確に基準位置に位置決めされることになる。その結果、光モジュール20の光学的位置決めを確実に且つ容易に行うことができ、その結果、光モジュール20の設定された電気的特性を最大限導き出すことができる。
【0058】
以上、上記実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることができる。また、本発明には、上記実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
【0059】
例えば、前記実施例では、ホルダ40とシールドカバー50は別部品としてケース本体10に組み込む構成としているが、これに限らず、図9に示すように、上記2部品を一体成型にて1部品とした光トランシーバ1Aとしてもよい。
【0060】
すなわち、本変形形態の光トランシーバ1Aでは、前記実施形態のシールドカバー50に相当するシールドカバー90の内部で当該シールドカバー90の長手方向の一方側端部に、前記実施形態の位置決め用押圧部40Bに相当する位置決め部材としての位置決め用押圧部90Bが設けられている。この位置決め用押圧部90Bは、シールドカバー90と同一のステンレス等で形成され、シールドカバー90に溶接等で取り付けられ両者90,90Bが一体的に形成されている。
また、シールドカバー90の内部で他方側端部には、前記実施形態のシャッター部40Cに相当するシャッター部90Cが設けられている。
【0061】
これに対して、シールドカバー90は下面中央部が切欠かれている。そのため、光モジュール20をケース本体10の所定位置に配置した後、位置決め用押圧部90Bを光モジュール20の第2フランジ21Bに続く太軸部20Dに対向させてシールドカバー90を下降させるだけで取り付けることができ、作業性の向上を図ることができる。
なお、図9において、前記図1で示されている基板30については省略してある。
また、図9に示す変形形態において、前記実施形態と同一部品および同一構造には、同一符号を付してある。
【0062】
以上のような変形形態によれば、前記(1)〜(8)と略同様の効果が得られる他、次のような効果が得られる。
(9)シールドカバー90に位置決め用押圧部90Bとシャッター部90Cとが一体的に形成され、位置決め用押圧部90Bとシャッター部90Cとがそれぞれ1枚の板部材で形成されているので簡単な構成とでき、また前記実施形態のホルダ40のように折り曲げ形成するための作業等が不要となるので、作業効率の向上も図れる。
【0063】
(10)シールドカバー90は下面中央部が切欠かれている。そのため、光モジュール20をケース本体10の所定位置に配置した後、位置決め用押圧部90Bを光モジュール20の第2フランジ21Bに続く太軸部20Dに対向させてシールドカバー90を下降させるだけで取り付けることができるので、作業性の向上を図ることができる。
【0064】
(付記1)
上方が開放された枠状のケース本体と、このケース本体の内部に配設される光モジュールと、この光モジュールと接続される基板と、前記光モジュールおよび基板を覆って前記ケース本体に被せられるメインカバーと、を備え、
前記光モジュールを、その一端部に係止手段を設けると共に他端部に信号入出力用の接線を設けて構成し、
前記係止手段を、前記光モジュールを前記ケース本体に係止する係止用鍔部と、当該係止用鍔部と間隔をあけて他端側に設けられ前記光モジュールを前記ケース本体に位置決めする位置決め用鍔部とを有する形状とし、
前記ケース本体の内部に、前記係止用鍔部が挿入可能な鍔部挿入用溝部と前記位置決め用鍔部が収容可能な鍔部収容用溝部を形成し、
前記ケース本体に前記光モジュールを位置決めする光モジュール用位置決め部材を設け、この光モジュール用位置決め部材を、前記位置決め用鍔部と前記鍔部収容用溝部との隙間に挿入すると共に前記位置決め用鍔部の一端面を押圧して当該位置決め用鍔部を軸線方向に移動させ、且つ前記係止用鍔部の光学的基準面を前記鍔部挿入用溝部の固定基準面に当接させて前記光モジュールの光学的位置決めを行う位置決め用押圧部を有する構成としたことを特徴とする光トランシーバ。
【0065】
(付記2)
請求項1に記載の光トランシーバにおいて、
前記位置決め用押圧部を、前記位置決め用鍔部と連続すると共に当該位置決め用鍔部の外径より小径の軸部の外周面に対応する円弧状部を有する形状としたことを特徴とする光トランシーバ。
【0066】
(付記3)
請求項1または請求項2に記載の光トランシーバにおいて、
前記位置決め用押圧部の厚さ寸法を、前記鍔部挿入用溝部の幅寸法と前記係止用鍔部の厚さ寸法との差以上の寸法に形成したことを特徴とする光トランシーバ。
【0067】
(付記4)
請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載の光トランシーバにおいて、
前記ケース本体を、前記光モジュールを2個並列状態で配置可能なように第1室および第2室を備えた2個用ケース本体で構成し、
前記光モジュールが前記第1室に1個配置される場合には、前記光モジュール用位置決め部材を、前記位置決め用鍔部に加えて、当該位置決め用鍔部の隣接位置に設けられ前記第2室側の受信用開口部を遮蔽する遮蔽部材を備えた構成としたことを特徴とする光トランシーバ。
【0068】
(付記5)
請求項4に記載の光トランシーバにおいて、
前記第2室側の前記受信用開口部に当該受信用開口部を密閉する密閉部材を装脱可能に設けたことを特徴とする光トランシーバ。
【0069】
(付記6)
請求項1ないし請求項5のいずれか一つに記載の光トランシーバにおいて、
前記光モジュール用位置決め部材の周囲に電磁波をシールドする金属製のシールドカバーを装着したことを特徴とする光トランシーバ。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本願発明は、光トランシーバにおいて、例えば1心双方向用光モジュールを2個並列配置できる金属製のケース本体に固定する際に利用できる。
【符号の説明】
【0071】
1 光トランシーバ
10 ケース本体
11 仕切り壁
13 第2壁部
13A 端面(固定用基準面)
13B 凸部
14 鍔部挿入溝であるスリット
19 溝形成用凸部
19A 端面(固定用基準面)
20 1心双方向用光モジュール
21 係止手段
21A 係止用鍔部である第1フランジ
21B 位置決め用鍔部である第2フランジ
21n 光学的基準面
30 基板
40 位置決め部材
40B 位置決め用押圧部
40C シャッター部
40F 円弧状部
50 シールドカバー
60 メインカバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方が開放された枠状のケース本体と、このケース本体の内部に配設される光モジュールと、この光モジュールと接続される基板と、前記光モジュールおよび基板を覆って前記ケース本体に被せられるメインカバーと、を備え、
前記光モジュールを、その一端部に係止手段を設けると共に他端部に信号入出力用の接線を設けて構成し、
前記係止手段を、前記光モジュールを前記ケース本体に係止する係止用鍔部と、当該係止用鍔部と間隔をあけて他端側に設けられ前記光モジュールを前記ケース本体に位置決めする位置決め用鍔部とを有する形状とし、
前記ケース本体の内部に、前記係止用鍔部が挿入可能な鍔部挿入用溝部と前記位置決め用鍔部が収容可能な鍔部収容用溝部を形成し、
前記ケース本体に前記光モジュールを位置決めする光モジュール用位置決め部材を設け、
この光モジュール用位置決め部材を、前記位置決め用鍔部と前記鍔部収容用溝部との隙間に挿入すると共に前記位置決め用鍔部の一端面を押圧して当該位置決め用鍔部を軸線方向に移動させ、且つ前記係止用鍔部の光学的基準面を前記鍔部挿入用溝部の固定基準面に当接させて前記光モジュールの光学的位置決めを行う位置決め用押圧部を有する構成としたことを特徴とする光トランシーバ。
【請求項2】
請求項1に記載の光トランシーバにおいて、
前記位置決め用押圧部を、前記位置決め用鍔部と連続すると共に当該位置決め用鍔部の外径より小径の軸部の外周面に対応する円弧状部を有する形状としたことを特徴とする光トランシーバ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の光トランシーバにおいて、
前記位置決め用押圧部の厚さ寸法を、前記鍔部挿入用溝部の幅寸法と前記係止用鍔部の厚さ寸法との差以上の寸法に形成したことを特徴とする光トランシーバ。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載の光トランシーバにおいて、
前記ケース本体を、前記光モジュールを2個並列状態で配置可能なように第1室および第2室を備えた2個用ケース本体で構成し、
前記光モジュールが前記第1室に1個配置される場合には、前記光モジュール用位置決め部材を、前記位置決め用鍔部に加えて、当該位置決め用鍔部の隣接位置に設けられ前記第2室側の受信用開口部を遮蔽する遮蔽部材を備えた構成としたことを特徴とする光トランシーバ。
【請求項5】
請求項4に記載の光トランシーバにおいて、
前記第2室側の前記受信用開口部に当該受信用開口部を密閉する密閉部材を装脱可能に設けたことを特徴とする光トランシーバ。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか一つに記載の光トランシーバにおいて、
前記光モジュール用位置決め部材の周囲に電磁波をシールドする金属製のシールドカバーを装着したことを特徴とする光トランシーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−42719(P2012−42719A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−183873(P2010−183873)
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】