説明

光配線構造物およびその製造方法

【課題】本発明は、シリコン基板を用い、シリコン基板上に形成された光学通路用ビアホール内部に球形のボールレンズを挿入固定し、大量生産が可能で、既存のPCB基板に比べて良い熱特性を持たせるようにした光配線構造物およびその製造方法を提供する。
【解決手段】上面に曲率半径を有するように少なくとも一つのレンズ形成用溝が備えられたシリコン基板;および前記レンズ形成用溝の形状が維持されるように前記レンズ形成用溝を含むシリコン基板上に形成されたシリカ層を含むことにより、大部分の工程が半導体工程装置を介して行われ、大量生産が可能で、既存のPCB基板に比べて良い熱特性を有する効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光配線構造物およびその製造方法に関し、より詳しくは、シリコンを基にするマイクロレンズが集積されるか、シリコン基板上に形成された光学通路用ビアホール内部に球形のボールレンズが挿入固定された光配線構造物およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、光配線技術は、既存の電気的配線が有するデータ伝送速度の制限、配線間における高い漏話などの短所を解消することができるため、最近研究が活発に行われている。
このような光配線技術としては光ファイバーリボンを用いた方式、自由空間を通した光連結方式、平面光導波路を用いた方式などがあり、応用分野に応じてそれぞれ異なる構造で開発されている。
【0003】
一方、このような光配線技術は、大部分既存の印刷回路基板(Printed Circuit Board:以下、PCBという)を変形して光配線構造物の製作がなされている。一例として、平面光導波路を用いた光連結は、光導波路が集積されたPCB基板上に垂直光結合のための45度反射鏡または格子結合器を利用して光信号を連結する。
【0004】
この場合、PCB基板として用いられる物質であるFr4の熱特性が良くなく、半導体工程が可能ではないために光配線構造物の大量生産が難しい。また、素子と光導波路間の距離が数百マイクロメーターから数ミリメートル程度になるために別途のレンズが必要となる短所がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前述した問題点を解決するために導き出されたものであり、本発明は、シリコン基板を用い、大量生産が可能で、既存のPCB基板に比べて良い熱特性を持たせるようにした光配線構造物およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、シリコン基板上に形成された光学通路用ビアホール内部に球形のボールレンズを挿入固定し、大量生産が可能で、既存のPCB基板に比べて良い熱特性を持たせるようにした光配線構造物およびその製造方法を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明の第1側面は、上面に曲率半径を有するように少なくとも一つのレンズ形成用溝が備えられたシリコン基板;および前記レンズ形成用溝の形状が維持されるように前記レンズ形成用溝を含むシリコン基板上に形成されたシリカ層を含む光配線構造物を提供する。
ここで、前記シリコン基板の下面に前記レンズ形成用溝に形成されたシリカ層の下面の一部分が露出するようにビアホールがさらに形成されることが好ましい。
【0008】
好ましくは、前記シリコン基板のレンズ形成用溝に埋められるように前記シリカ層の全体上部面に形成された下部クラッド層と、前記下部クラッド層の上面に形成されたコア層と、前記コア層の上面に形成された上部クラッド層とからなる光導波路がさらに備えられ得る。
好ましくは、前記レンズ形成用溝および前記ビアホールが各々一定間隔離隔した二つの第1および第2レンズ形成用溝と第1および第2ビアホールとして形成される場合、前記第1および第2ビアホールが閉鎖されるように前記シリコン基板の下面に各々付着されるレーザおよびフォトダイオードがさらに備えられ、前記シリコン基板下面の一側に前記レーザダイオードを駆動させるドライバーおよび受信した光信号を電気信号に切り換える受信モジュールが各々付着され得る。
【0009】
好ましくは、前記第1および第2レンズ形成用溝上に位置した光導波路の上面に互いに対向するように一定角度に傾斜した第1および第2ミラー溝がさらに形成され得る。
好ましくは、前記第1および第2ミラー溝は、地面から互いに対向するように45度角度に傾斜してV字形で形成されるか、前記第1および第2レンズ形成用溝間の方向に互いに対向するように45度角度に傾斜して直角三角形の形態で形成され得る。
【0010】
好ましくは、前記シリコン基板のレンズ形成用溝に埋められるように前記シリカ層上に形成されたマイクロレンズがさらに備えられ得る。
好ましくは、前記レンズ形成用溝、前記ビアホール、および前記マイクロレンズが各々一定間隔離隔した二つの第1および第2レンズ形成用溝、第1および第2ビアホール、および第1および第2マイクロレンズとして形成される場合、前記第1および第2ビアホールが閉鎖されるように前記シリコン基板の下面に各々付着されるレーザおよびフォトダイオードがさらに備えられ、前記シリコン基板下面の一側に前記レーザダイオードを駆動させるドライバーおよび受信した光信号を電気信号に切り換える受信モジュールが各々付着され、第1および第2光ファイバーが内蔵された光接続部材が前記シリカ層の上面に付着されており、前記光接続部材は前記第1および第2光ファイバーを介して前記第1および第2マイクロレンズに光が伝達されるように前記シリカ層の上面に付着され得る。
【0011】
好ましくは、前記光接続部材と前記シリカ層はスペーサーによって一定間隔離隔するように付着され得る。
好ましくは、前記レンズ形成用溝の曲率半径は50μm〜200μm範囲で形成され得る。
【0012】
本発明の第2側面は、少なくとも一つの光学通路用ビアホールが備えられたシリコン基板;および前記ビアホールの上側内部に挿入固定され、入射される光を屈折させるための球形のボールレンズを含む光配線構造物を提供する。
ここで、前記シリコン基板の全体上部面に形成された下部クラッド層と、前記下部クラッド層の上面に形成されたコア層と、前記コア層の上面に形成された上部クラッド層とからなる光導波路がさらに備えられることが好ましい。
【0013】
好ましくは、前記ビアホールが各々一定間隔離隔した二つの第1および第2ビアホールとして形成される場合、前記第1および第2ビアホールが閉鎖されるように前記シリコン基板の下面に各々付着されるレーザおよびフォトダイオードがさらに備えられ、前記シリコン基板下面の一側に前記レーザダイオードを駆動させるドライバーおよび受信した光信号を電気信号に切り換える受信モジュールが各々付着され得る。
好ましくは、前記第1および第2ビアホール上に位置した光導波路の上面に互いに対向するように一定角度に傾斜した第1および第2ミラー溝がさらに形成され得る。
【0014】
好ましくは、前記第1および第2ミラー溝は、地面から互いに対向するように45度角度に傾斜してV字形で形成されるか、前記第1および第2ビアホール間の方向に互いに対向するように45度角度に傾斜して直角三角形の形態で形成され得る。
好ましくは、前記シリコン基板の全面に酸化層を形成して、前記ボールレンズと接触するビアホールの内周面部位の体積膨張により、ビアホール内周面の接触部位が前記ボールレンズと接触して付着され得る。
【0015】
本発明の第3側面は、(a)シリコン基板の上面に曲率半径を有するように少なくとも一つのレンズ形成用溝を形成するステップ;および(b)前記レンズ形成用溝の形状が維持されるように前記レンズ形成用溝を含むシリコン基板の全体上部面にシリカ層を形成するステップを含む光配線構造物の製造方法を提供する。
ここで、前記ステップ(a)は、(a−1)前記シリコン基板の上面にマスクパターンを形成するステップ;および(a−2)湿式または乾式エッチング法によって前記シリコン基板の上面をエッチングして、曲率半径を有する少なくとも一つのレンズ形成用溝を形成するステップを含むことが好ましい。
【0016】
好ましくは、前記湿式エッチング法はフッ酸、硝酸、および酢酸溶液を一定比率で混合した溶液でエッチングし、各溶液の体積比により、エッチング率、表面粗度、および等方性の程度を調節することができる。
好ましくは、前記シリコン基板の全体上部面に下部クラッド層、コア層、および上部クラッド層を順次積層して光導波路を形成するステップをさらに含むことができる。
【0017】
好ましくは、前記シリコン基板の下面に前記レンズ形成用溝に形成されたシリカ層の下面の一部分が露出するようにビアホールを形成するステップをさらに含むことができる。
好ましくは、前記レンズ形成用溝および前記ビアホールが各々一定間隔離隔した二つの第1および第2レンズ形成用溝と第1および第2ビアホールとして形成される場合、前記第1および第2ビアホールが閉鎖されるように前記シリコン基板の下面に各々レーザおよびフォトダイオードがさらに付着され、前記シリコン基板下面の一側に前記レーザダイオードを駆動させるドライバーおよび受信した光信号を電気信号に切り換える受信モジュールがさらに付着され得る。
【0018】
好ましくは、前記第1および第2レンズ形成用溝上に位置した光導波路の上面に互いに対向するように一定角度に傾斜した第1および第2ミラー溝を形成するステップをさらに含むことができる。
好ましくは、前記第1および第2ミラー溝は、レーザまたはブレードを利用して、地面から互いに対向するように45度角度に傾斜してV字形で形成されるか、前記第1および第2レンズ形成用溝間の方向に互いに対向するように45度角度に傾斜して直角三角形の形態で形成され得る。
【0019】
好ましくは、前記シリコン基板のレンズ形成用溝に埋められるように前記シリカ層上にマイクロレンズを形成するステップをさらに含むことができる。
好ましくは、前記レンズ形成用溝、前記ビアホール、および前記マイクロレンズが各々一定間隔離隔した二つの第1および第2レンズ形成用溝、第1および第2ビアホール、および第1および第2マイクロレンズとして形成される場合、前記第1および第2ビアホールが閉鎖されるように前記シリコン基板の下面に各々レーザおよびフォトダイオードがさらに付着され、前記シリコン基板下面の一側に前記レーザダイオードを駆動させるドライバーおよび受信した光信号を電気信号に切り換える受信モジュールがさらに付着され、第1および第2光ファイバーが内蔵された光接続部材が前記シリカ層の上面に付着されており、前記光接続部材は前記第1および第2光ファイバーを介して前記第1および第2マイクロレンズに光が伝達されるように前記シリカ層の上面に付着され得る。
【0020】
好ましくは、前記光接続部材と前記シリカ層はスペーサーによって一定間隔離隔するように付着され得る。
好ましくは、前記レンズ形成用溝の曲率半径は50μm〜200μm範囲で形成され得る。
【0021】
本発明の第4側面は、(a’)シリコン基板に少なくとも一つの光学通路用ビアホールを形成するステップ;および(b’)前記ビアホールの上側内部に入射される光を屈折させるための球形のボールレンズを挿入固定させるステップを含む光配線構造物の製造方法を提供する。
ここで、前記シリコン基板の全体上部面に下部クラッド層、コア層、および上部クラッド層を順次積層して光導波路を形成するステップをさらに含むことが好ましい。
【0022】
好ましくは、前記ビアホールが各々一定間隔離隔した二つの第1および第2ビアホールとして形成される場合、前記第1および第2ビアホールが閉鎖されるように前記シリコン基板の下面に各々レーザおよびフォトダイオードがさらに付着され、前記シリコン基板下面の一側に前記レーザダイオードを駆動させるドライバーおよび受信した光信号を電気信号に切り換える受信モジュールがさらに付着され得る。
好ましくは、前記第1および第2ビアホール上に位置した光導波路の上面に互いに対向するように一定角度に傾斜した第1および第2ミラー溝を形成するステップをさらに含むことができる。
【0023】
好ましくは、前記第1および第2ミラー溝は、インプリントリソグラフィ工程によって地面から互いに対向するように45度角度に傾斜してV字形で形成されるか、前記第1および第2ビアホール間の方向に互いに対向するように45度角度に傾斜して直角三角形の形態で形成され得る。
好ましくは、前記インプリントリソグラフィ工程は、前記光導波路上にレジスト層を塗布する第1過程と;前記レジスト層の上面にミラー溝形成用パターンが形成されたスタンパーを接触させて一定圧力で加圧した後、紫外線で露光するか熱を加えてミラー溝形成のためのレジストパターンを形成する第2過程;および前記レジストパターンをエッチング阻止マスクとし、乾式エッチングによって残留レジストを除去して、前記光導波路上に第1および第2ミラー溝を形成する第3過程を含むことができる。
【0024】
好ましくは、前記第1および第2ミラー溝は、地面から互いに対向するように45度角度に傾斜してV字形で形成されるか、前記第1および第2ビアホール間の方向に互いに対向するように45度角度に傾斜して直角三角形の形態で形成され、前記光導波路上に一定厚さのシリコン層を形成する第1過程と;前記シリコン層上に補助ミラー溝形成のためのマスクパターンを形成する第2過程と;前記シリコン層をエッチングして、前記第1および第2ミラー溝と同一形状で第1および第2補助ミラー溝を形成した後、前記マスクパターンを除去してシリコンパターンを形成する第3過程;および前記シリコンパターンをエッチング阻止マスクとし、乾式エッチングによって残留シリコン層を除去して、前記光導波路上に第1および第2ミラー溝を形成する第4過程を含むことができる。
【発明の効果】
【0025】
以上で説明したような本発明の光配線構造物およびその製造方法によれば、シリコンを基にするマイクロレンズが集積された光配線構造物を製造することにより、大部分の工程が半導体工程装置を介して行われ、大量生産が可能で、既存のPCB基板に比べて良い熱特性を有する利点がある。
また、本発明によれば、マイクロレンズが集積された光配線構造を有するために、追加のレンズを別途に取り付ける必要がない利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1実施形態による光配線構造物の製造方法を説明するための断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による光配線構造物の製造方法を説明するための断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態による光配線構造物の製造方法を説明するための断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態による光配線構造物の製造方法を説明するための断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態による光配線構造物の製造方法を説明するための断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態による光配線構造物の製造方法を説明するための断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態による光配線構造物の製造方法を説明するための断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態による光配線構造物の製造方法を説明するための断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態による光配線構造物の製造方法を説明するための断面図である。
【図10】本発明の第2実施形態による光配線構造物の製造方法を説明するための断面図である。
【図11】本発明の第2実施形態による光配線構造物の製造方法を説明するための断面図である。
【図12】本発明の第3実施形態による光配線構造物の製造方法を説明するための平面図である。
【図13】本発明の第3実施形態による光配線構造物の製造方法を説明するための平面図および断面図である。
【図14】本発明の第3実施形態による光配線構造物の製造方法を説明するための平面図である。
【図15】本発明の第4実施形態による光配線構造物を説明するための断面図である。
【図16】本発明の第4実施形態による光配線構造物の製造方法を説明するための断面図である。
【図17】本発明の第4実施形態による光配線構造物の製造方法を説明するための断面図である。
【図18】本発明の第4実施形態による光配線構造物の製造方法を説明するための断面図である。
【図19】本発明の第4実施形態による光配線構造物の製造方法を説明するための断面図である。
【図20】本発明の第4実施形態による光配線構造物の製造方法を説明するための断面図である。
【図21】本発明の第4実施形態による光配線構造物の製造方法を説明するための断面図である。
【図22】本発明の第4実施形態に適用されたミラー溝を形成する方法の一例を説明するための断面図である。
【図23】本発明の第4実施形態に適用されたミラー溝を形成する方法の一例を説明するための断面図である。
【図24】本発明の第4実施形態に適用されたミラー溝を形成する方法の一例を説明するための断面図である。
【図25】本発明の第4実施形態に適用されたミラー溝を形成する方法の一例を説明するための断面図である。
【図26】本発明の第4実施形態に適用されたミラー溝を形成する方法の他の例を説明するための断面図である。
【図27】本発明の第4実施形態に適用されたミラー溝を形成する方法の他の例を説明するための断面図である。
【図28】本発明の第4実施形態に適用されたミラー溝を形成する方法の他の例を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態についてより詳細に説明する。但し、以下にて例示する本発明の実施形態は色々な他の形態に変形することができ、本発明の範囲は下記にて詳述する実施形態に限定されない。本発明の実施形態は当業界で通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
【0028】
(第1実施形態)
図1〜図7は本発明の第1実施形態による光配線構造物の製造方法を説明するための断面図である。
先ず、本発明の第1実施形態による光配線構造物の基本的な構成を見てみれば、大きく、シリコン基板10およびシリカ層30を含んで構成されている。
【0029】
ここで、シリコン基板10の上面には所定の曲率半径を有するように少なくとも一つのレンズ形成用溝10aが備えられている(図2参照)。このようなレンズ形成用溝10aは、例えば、半球形で形成されており、その曲率半径は約50μm〜200μm範囲であり得る。
また、シリカ層30は、レンズ形成用溝10aの形状がそのまま維持されるように、レンズ形成用溝10aを含むシリコン基板10の上面に数マイクロメーターの厚さで形成されている(図3参照)。
【0030】
さらに、シリコン基板10の下面に、レンズ形成用溝10aに形成されたシリカ層30の下面一部分(好ましくは、中央部分)が露出するように、ビアホール70がさらに形成され得る(図5参照)。
また、シリコン基板10のレンズ形成用溝10aに埋められるようにシリカ層30の全体上部面に形成された下部クラッド層40と、下部クラッド層40の上面に形成されたコア層50と、コア層50の上面に形成された上部クラッド層60とからなる光導波路がさらに備えられ得る。
【0031】
さらに、図2〜図7に示すように、レンズ形成用溝10aおよびビアホール70が各々一定間隔離隔して二つ形成される場合、各ビアホール70が閉鎖されるようにはんだバンプ140などを利用してシリコン基板10の下面に各々付着されるレーザダイオード(LD:90)およびフォトダイオード(PD:100)がさらに備えられ得る。
【0032】
この時、フォトダイオード100は、例えば、RC(Resonant Cavity)フォトダイオード、o−i−nフォトダイオード、金属−半導体−金属(Metal−Semiconductor−Metal:MSM)構造のフォトダイオード、またはアバランシェ(Avalanche)フォトダイオードなどを利用することが好ましい。
また、シリコン基板10の下面の一側に、レーザダイオード90を駆動させるドライバー110、受信した光信号を電気信号に切り換える受信モジュール(Receiver)120、VLSI(Very Large Scale Integrated Circuit)130などが各々付着されることができる。
【0033】
また、各レンズ形成用溝10aの上に位置した光導波路の上面に、例えば、レーザまたはブレードを利用して、互いに対向するように一定角度に傾斜した1対のミラー(Mirror)溝80がさらに形成されることもできる。
このような1対のミラー溝80は地面から互いに対向するように一定角度(好ましく、約45度程度)に傾斜してV字形で形成することが好ましいが、それに限定されず、各レンズ形成用溝10a間の方向に互いに対向するように45度角度に傾斜して直角三角形の形態で形成することもできる。また、反射率を一層上げるために、ミラー溝80の傾斜面に金属を蒸着することもできる。
【0034】
以下では本発明の第1実施形態による光配線構造物の製造方法についてより詳細に説明する。
図1を参照すれば、先ず、シリコン基板10に通常のフォトリソグラフィ(photolithography)工程によって円形のマスクパターン20を形成する。この時、マスクパターン20は、例えば、フォトレジスト(photoresist)、SiO、またはSiNxなどが利用され得る。
【0035】
図2を参照すれば、シリコン基板10を、例えば、湿式または乾式エッチング法でエッチングし、半径が約50μm〜200μmであるレンズ曲面、すなわち、レンズ形成用溝10aを形成した後、マスクパターン20を除去する。
この時、シリコン基板10の湿式エッチング法は、例えば、フッ酸、硝酸、および酢酸溶液を混合した溶液(例えば、HNAなど)を用いることができ、各溶液の体積比により、エッチング率、表面粗度、等方性の程度などを調節することができる。
【0036】
一方、シリコン基板10は化学気相エッチング法(Chemical Vapor Etching、CVE)を利用してエッチングすることができ、この時、シリコン基板10の化学気相エッチングはシリコン基板10をフッ酸と硝酸が混合された蒸気状態の酸(acid vapours)に露出させることによって行うことができ、各溶液の体積比および蒸気化させる時の温度などにより、エッチング率、表面粗度、等方性の程度などを調節することができる。
【0037】
図3を参照すれば、レンズ形成用溝10aを有するシリコン基板10に、例えば、酸化(Oxidation)法、化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition;CVD)法、スパッタリング(Sputtering)法、火炎加水分解(Flame Hydrolysis Deposition;FHD)法、ゾル・ゲル(Sol−Gel)法などを利用して数マイクロメーターのシリカ層30を形成する。
【0038】
この時、前記酸化させる方法としては、例えば、湿式酸化、乾式酸化、高圧酸化のような一般的な酸化法を利用することができる。
一方、シリカ層30は、レンズ形成用溝10aの形状がそのまま維持されるように、レンズ形成用溝10aを含むシリコン基板10の全体上部面に形成することが好ましい。
【0039】
図4を参照すれば、光導波路を形成するために、シリカ層30の全体上部面に下部クラッド層40、コア層50、および上部クラッド層60を順次積層する。
この時、下部および上部クラッド層(40および60)およびコア層50を形成する物質としては、例えば、ポリマーまたはシリカなどを用いることができ、形成方法としては、ポリマー物質である場合、半導体工程で利用する、例えば、フォトリソグラフィ、RIE、モールディンググ、熱エンボス加工、UVパターニング、Laser direct writingなどの方法を利用することができる。
【0040】
一方、シリカ物質である場合、例えば、化学気相蒸着(CVD)法、スパッタリング法、火炎加水分解(FHD)法、ゾル・ゲル法などを利用することができる。
特に、下部クラッド層40を形成する時、レンズ形成用溝10aまで同一物質で全て詰められるようにし、下部クラッド層40の上面が平坦になるように形成する。必要により、CMP(Chemical Mechnical Polishing)工程を経て下部クラッド層40の上面の平坦化を行うこともできる。
【0041】
図5を参照すれば、レンズ形成用溝10aを有するシリコン基板10の下面にビアホール70を形成する。ビアホール70の形成は、例えば、異方性エッチングによって行われ、レンズ形成用溝10aが現れる時まで、すなわち、シリカ層30の下面の一部分が露出するようにエッチングする。
また、レンズ形成用溝10aはシリカによって変形されたため、シリコンとシリカ間の選択的エッチングとなる物質を介してエッチングを行い、レンズ形成用溝10aの形状がそのまま維持されるようにする。
【0042】
図6を参照すれば、シリコン基板10の下面に、電気的信号によってレーザダイオード(90、図7参照)を駆動させるドライバー110、受信した光信号を電気信号に切り換えるフォトダイオードレシーバー(Receiver)、すなわち、受信モジュール120、VLSI130などを一般的なCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)工程によって形成する。
【0043】
図7を参照すれば、各レンズ形成用溝10aの上に位置した光導波路の上面に互いに対向するように一定角度(好ましくは、約45度程度)に傾斜した1対のミラー溝80を形成する。
【0044】
次に、シリコン基板10の下面に、各ビアホール70が閉鎖されるように、はんだバンプ140などを利用してレーザダイオード100およびフォトダイオード110を各々付着する。
この時、ミラー溝80の形成は、例えば、レーザまたはブレードなどを利用して形成することができ、ミラー溝80の反射率を一層上げるために傾斜面部分に金属蒸着を行うことができる。
【0045】
(第2実施形態)
図8〜図11は本発明の第2実施形態による光配線構造物の製造方法を説明するための断面図である。
図8を参照すれば、前述した図3までの工程を行った後、シリコン基板10の下面にビアホール70を形成する。ビアホール70の形成は、前述した本発明の第1実施形態と同様であるためにその詳細な説明は省略する。
【0046】
次に、例えば、ポリマーまたはシリカ系の物質をレンズ形成用溝(10a:図3参照)に埋められるようにシリカ層30の上に詰めてマイクロレンズ150を形成する。
この時、マイクロレンズ150に詰められる物質は上面が平坦になるようにし、必要により、例えば、全面エッチングまたはCMP工程を経て平坦化を行うこともできる。
【0047】
図9を参照すれば、前述した図6と同じように、シリコン基板10の下面に、ドライバー110、受信モジュール120、VLSI130などを形成する。
【0048】
図10を参照すれば、光ファイバー170が内蔵された光接続部材160(例えば、MTフェルールなど)をシリコン基板10の上部に付着し、前述した図7と同じように、シリコン基板10の下面に、各ビアホール70が閉鎖されるように、はんだバンプ140などを利用してレーザダイオード100およびフォトダイオード110を各々付着する。
【0049】
この時、光接続部材160とシリコン基板10は、例えば、ガイドピンを利用して直接付着するか、場合によってはスペーサー(spacer)180を利用して間隔を空けることもできる(図11参照)。
一方、光接続部材160は、光ファイバー170を介してマイクロレンズ150に光が伝達されるように、シリカ層30の上面に付着することが好ましい。
【0050】
他の一方で、光接続部材160に内蔵された光ファイバー170は、コア(Core)の大きさが約50μm〜100μmであるマルチモード光ファイバーを用いることが好ましく、場合によっては、スペーサーを利用してシングルモード光ファイバーを用いることもできる。
【0051】
(第3実施形態)
図12〜図14は本発明の第3実施形態による光配線構造物の製造方法を説明するための平面図および断面図であり、4×4チャネル並列光接続光配線構造物を示す平面図および断面図である。
図12を参照すれば、シリコン基板10に複数のレーザダイオードLDとフォトダイオードPDをアレイ(Array)するためのレンズ曲面、すなわち、レンズ形成用溝10aを形成する。
【0052】
図13を参照すれば、前述した図1〜図5の工程を行った後、前述した図6および図7と同じように、シリコン基板10の下面にアレイされた素子全体を駆動させるか、場合により、個別的に駆動させるドライバー110、受信モジュール120、VLSI130などを通常のCMOS工程によって形成した後、アレイされたレーザダイオード(90−1)とフォトダイオード(100−1)を付着する。
【0053】
この時、レーザダイオードアレイは、通常のレーザダイオード間の間隔である約250μmを維持しつつ、集積度を高めるために、図14のように配列4×4チャネル並列光接続を特徴とする。
【0054】
(第4実施形態)
図15は本発明の第4実施形態による光配線構造物を説明するための断面図である。
図15を参照すれば、本発明の第4実施形態による光配線構造物は、大きく、少なくとも一つのビアホール70を備えるシリコン基板10と、ビアホール70の内部に挿入固定され、入射される光を屈折させるためのレンズLと、シリコン基板10の全体上面に形成され、光信号を伝達するために下部クラッド層40、コア層50、および上部クラッド層60が順次積層してなっている光導波路と、シリコン基板10の下面に各々付着されるレーザダイオード(LD:90)およびフォトダイオード(PD:100)とを含んでなる。
【0055】
ここで、シリコン基板10の上には、例えば、異方性エッチング(Anisotropic Etching)により、光学通路の役割を果たすための少なくとも一つのビアホール(Via Hole)70が形成されている。
また、シリコン基板10の厚さに制限はないが、活用用途により、通常、約0.1mm〜5mm範囲の基板厚さを用いることができ、基板面は[100]、[110]、[111]または[211]などの面を用いることができるが、通常、シリコン基板として最も多く用いられる[100]面のシリコン基板を適用することが好ましい。
【0056】
レンズLは、例えば、シリカ(Silica)またはガラス(Glass)などからなり、例えば、球形のボールレンズ(Ball Lens)で具現されることが好ましく、ビアホール70の内部に挿入する時、基板面の上部に突出した部位は平坦に練磨してなり、レンズLと接触するビアホール70の内周面部位には、例えば、エポキシ(Epoxy)などを用いて堅固に接着させることもできる。
【0057】
また、前記光導波路は、シリコン基板10の全体上部面に形成された下部クラッド層40と、下部クラッド層40の上面に形成されたコア層50と、コア層50の上面に形成された上部クラッド層60とからなっている。
また、各ビアホール70の上に位置した光導波路の上面に、例えば、レーザまたはブレード(blade)を利用して互いに対向するように一定角度に傾斜した1対のミラー(Mirror)溝80をさらに形成することもできる。
【0058】
このような1対のミラー溝80は、地面から互いに対向するように一定角度(好ましくは、約45度程度)に傾斜してV字形で形成することが好ましいが、それに限定されず、各ビアホール70間の方向に互いに対向するように45度角度に傾斜して直角三角形の形態で形成することもでき、反射率を一層上げるためにミラー溝80の傾斜面に金属を蒸着することもできる。
【0059】
さらに、ビアホール70が各々一定間隔離隔して二つ形成される場合、各ビアホール70が閉鎖されるように、はんだバンプ140などを利用してシリコン基板10の下面に各々レーザダイオード90およびフォトダイオード100を付着している。
【0060】
この時、フォトダイオード100は、例えば、RC(Resonant Cavity)フォトダイオード、o−i−nフォトダイオード、金属−半導体−金属(Metal−Semiconductor−Metal:MSM)構造のフォトダイオード、またはアバランシェ(Avalanche)フォトダイオードなどを利用することが好ましい。
【0061】
また、シリコン基板10の下面の一側に、レーザダイオード90を駆動させるドライバー110、受信した光信号を電気信号に切り換える受信モジュール(Receiver)120、VLSI(Very Large Scale Integrated Circuit)130などを各々付着することができる。
【0062】
以下では本発明の第4実施形態による光配線構造物の製造方法についてより詳細に説明する。
図16〜図21は本発明の第4実施形態による光配線構造物の製造方法を説明するための断面図である。
図16を参照すれば、先ず、光導波路を形成するために、シリコン基板10の全体上部面に下部クラッド層40、コア層50、および上部クラッド層60を順次積層する。
【0063】
この時、下部および上部クラッド層(40および60)およびコア層50を形成する物質としては、例えば、ポリマー(Polymer)またはシリカ(Silica)などを用いることができ、形成方法としては、ポリマー物質である場合、半導体工程で利用する、例えば、フォトリソグラフィ、RIE(Reactive Ion Etching)、モールディング(Molding)、熱エンボス加工(Hot Embossing)、UVパターニング、Laser direct writingなどの方法を利用することができる。
【0064】
一方、シリカ物質である場合、例えば、化学気相蒸着(CVD)法、スパッタリング法、火炎加水分解(FHD)法、ゾル・ゲル(sol−gel)法などを利用することができる。
【0065】
図17を参照すれば、シリコン基板10の下面にシリコン基板10と垂直した断面を有する光学通路であるビアホール70を形成する。ビアホール70の形成は、例えば、プラズマイオンエッチング法(Plasma Ion Etching、PIE)などで異方性エッチング(Anisotropic Etching)によって行うことができ、光導波路の下部クラッド層40が露出するようにエッチングする。
【0066】
図18および図19を参照すれば、各ビアホール70の内部に、例えば、球形のボール(Ball)レンズLを挿入した後、シリコン基板10の全面に酸化層Sを形成することにより、レンズLと接触するビアホール70の内周面部位の体積膨張により、ビアホール70の内周面の接触部位がレンズLと接触して付着されるようにする。
この時、酸化方式は通常のシリコン酸化方式を利用することができ、上記のようにシリコン基板10の全面に形成された酸化層Sは、必要により、一部領域を除いて酸化するか、酸化させた後に一部領域をエッチングなどによって除去することができる。
【0067】
一方、レンズLと接触するビアホール70の内周面部位に、例えば、エポキシ(Epoxy)などを用いて堅固に接着(Bonding)させることもでき、また、レンズLと接触するビアホール70の内周面部位に高温を加え、物質的な特性によって接触部位が付着されるようにすることもできる。
【0068】
図20を参照すれば、シリコン基板10の下面に、電気的信号によってレーザダイオード(90、図2f参照)を駆動させるドライバー110、受信した光信号を電気信号に切り換えるフォトダイオードレシーバー(Receiver)すなわち、受信モジュール120、VLSI130などを一般的なCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)工程によって形成する。
【0069】
図21を参照すれば、各ビアホール70の上に位置した光導波路の上面に互いに対向するように一定角度(好ましくは、約45度程度)に傾斜した1対のミラー溝80を形成する。
次に、シリコン基板10の下面に、各ビアホール70が閉鎖されるように、はんだバンプ140などを利用してレーザダイオード100およびフォトダイオード110を各々付着する。
【0070】
この時、ミラー溝80の形成は、例えば、レーザ(Laser)またはブレード(Blade)などを利用して形成することができ、下記にて説明するように、インプリント技術、シリコンウェハー、結晶成長されたシリコンを用いたエッチング方式を利用すれば、傾斜角を正確に調節できる長所がある。ミラー溝80の反射率を一層上げるために傾斜面部分に金属蒸着を行うことができる。
【0071】
図22〜図25は本発明の第4実施形態に適用されたミラー溝を形成する方法の一例を説明するための断面図であり、インプリント(imprint)技術を利用してミラー溝80を形成する方法を示したものである。
図22を参照すれば、先ず、インプリントで製作される光導波路の上部クラッド層60の上にレジスト層200を塗布する。この時、レジスト層200としては一般的にポリマー(Polymer)系の樹脂を用い、紫外線(UV)方式の場合は紫外線硬化性高分子系を用いることが好ましい。
【0072】
また、レジスト層200の塗布方法は、例えば、スピンコーティング(Spin Coating)、液滴塗布(Droplet Dispensing)、および噴射(Spray)などの色々な方法を利用することができるが、スピンコーティング法が好ましい。
【0073】
図23および図24を参照すれば、ミラー溝形成用パターン300aが形成されたスタンパー300をレジスト層200の上面に接触させ、所定圧力で加圧した後、例えば、紫外線で露光するか、熱を加える。
この時、紫外線はスタンパー300を透過してレジスト層200に照射される。これにより、紫外線に露出したり熱を受けたりしたレジスト層200は硬化した後、スタンパー300を分離させることにより、ミラー溝を形成するためのレジストパターン200aを形成する。
【0074】
一般的に、インプリントを用いたリソグラフィ工程は、レジスト層200が紫外線(UV)や熱エネルギーによって硬化することを必要とする。すなわち、熱インプリントにおいては、スタンパー300、光導波路、または両者の全てが加熱され、インプリント工程中にレジスト層200を軟化させた後に冷却すれば、インプリントされたレジストパターン200aが固体化して、スタンパー300の除去後にインプリントされた形状を維持する。
【0075】
一方、紫外線(UV)硬化インプリントにおいては、透明なスタンパー300が、例えば、フォトポリマー(photopolymer)レジスト層200でコーティングされた上部クラッド層60に対して圧力を加える。紫外線での露出後、レジスト内の光開始剤によってレジスト層200を固体に重合させ、硬化したレジスト層200に固体化したレジストパターン200aを残す。レジストパターン200aの完全な形成を確保するために、硬化工程中にスタンパー300および/または光導波路が形成されたシリコン基板10に圧力を印加することができる。
【0076】
図25を参照すれば、レジストパターン200aをエッチング阻止マスクとし、例えば、反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching、RIE)のような乾式エッチング法によって残留レジストが除去されることにより、前述したミラー溝80が形成された光導波路を形成する。形成されるミラー溝80は、前述したように、互いに対向するように一定角度(好ましくは、45度)に傾斜するように形成することが好ましい。
【0077】
本構造においては、ミラー溝80の傾斜角を正確に形成することが大変重要である。すなわち、45度傾斜角を形成する場合に正確に45度になるようにする技術が必要である。このために、本実施形態においては、インプリント技術を活用することによって正確な傾斜度を実現することができる。
【0078】
一方、レジストパターン200aの乾式エッチング時、光導波路とレジスト間の選択比(selectivity)を利用すれば、インプリントされた傾斜角と異なる傾斜角を転移するように具現することもできる。例えば、光導波路がレジストよりエッチング速度が低い場合、インプリントされた傾斜角より傾斜角が小さくなる。したがって、2つの物質間の選択比とインプリント傾斜角を調節すれば、ミラー溝80の傾斜角を容易に調節することができる。つまり、インプリント方式を用いる場合に傾斜角の調節が容易になる。
【0079】
図26〜図28は本発明の第4実施形態に適用されたミラー溝を形成する方法の他の例を説明するための断面図であり、シリコン基板10と同じ物質のミラー溝形成用シリコン層400の規則的な結晶方向を利用してミラー溝80を形成する方法を示したものである。
図26を参照すれば、先ず、光導波路の上部クラッド層60の上に所定厚さのシリコン層400を形成するか、シリコン基板を付着して用いることができる。このシリコン層400は、結晶方向にエッチングされ、一定傾斜角を有し得るものであれば、シリコンウェハーや成長したシリコンの全てを用いることができるという意味である。
【0080】
シリコン層400の上に通常のフォトリソグラフィ工程によって補助ミラー溝を形成するためのマスクパターン500を形成する。この時、マスクパターン500は、例えば、フォトレジスト(photoresist)、SiO、またはSiNxなどが利用され得る。
【0081】
図27を参照すれば、シリコン層400を、例えば、湿式または乾式エッチング法によって(好ましくは湿式エッチング)エッチングし、前述したミラー溝80と同一形状で補助ミラー溝80aを形成した後、マスクパターン500を除去してシリコンパターン400aを形成する。
【0082】
この時、シリコン層400の湿式エッチング法は、例えば、フッ酸、硝酸、および酢酸溶液を混合した溶液(例えば、HNAなど)を用いることができ、各溶液の体積比により、エッチング率、表面粗度、等方性の程度などを調節することができる。
一方、シリコン層400のエッチング時、シリコンの規則的な結晶方向により、補助ミラー溝80aをより正確な角度(好ましく、45度)に傾斜するように形成することができる。
【0083】
図28を参照すれば、シリコンパターン400aをエッチング阻止マスクとし、例えば、反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching、RIE)のような乾式エッチング法によって残留シリコン層が除去されることにより、前述したミラー溝80が形成された光導波路を形成する。この時、形成されるミラー溝80は、前述したように、互いに対向するように一定角度(好ましくは、45度)に傾斜するように形成することが好ましい。
【0084】
前述したように、本発明に係る光配線構造物およびその製造方法に対する好ましい実施形態を説明したが、本発明は、それに限定されず、特許請求の範囲と発明の詳細な説明および添付図面の範囲内で様々に変形して実施することができ、それもまた本発明に属する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に曲率半径を有するように、少なくとも一つのレンズ形成用溝が設けられたシリコン基板と、;
前記レンズ形成用溝が設けられた前記シリコン基板上に、前記レンズ形成用溝の形状が維持されるように形成されたシリカ層とを含む光配線構造物。
【請求項2】
前記シリコン基板の下面に前記レンズ形成用溝に形成されたシリカ層の下面の一部分が露出するようにビアホールがさらに形成されることを特徴とする、請求項1に記載の光配線構造物。
【請求項3】
前記シリコン基板のレンズ形成用溝に埋められるように前記シリカ層の全体上部面に形成された下部クラッド層と、前記下部クラッド層の上面に形成されたコア層と、前記コア層の上面に形成された上部クラッド層とからなる光導波路がさらに備えられることを特徴とする、請求項2に記載の光配線構造物。
【請求項4】
前記レンズ形成用溝および前記ビアホールが各々一定間隔離隔した二つの第1および第2レンズ形成用溝と第1および第2ビアホールとして形成される場合、
前記第1および第2ビアホールが閉鎖されるように前記シリコン基板の下面に各々付着されるレーザおよびフォトダイオードがさらに備えられ、前記シリコン基板下面の一側に前記レーザダイオードを駆動させるドライバーおよび受信した光信号を電気信号に切り換える受信モジュールが各々付着されることを特徴とする、請求項3に記載の光配線構造物。
【請求項5】
前記第1および第2レンズ形成用溝上に位置した光導波路の上面に互いに対向するように一定 角度に傾斜した第1および第2ミラー溝がさらに形成されることを特徴とする、請求項4に記載の光配線構造物。
【請求項6】
前記シリコン基板のレンズ形成用溝に埋められるように前記シリカ層上に形成されたマイクロレンズがさらに備えられることを特徴とする、請求項2に記載の光配線構造物。
【請求項7】
前記レンズ形成用溝、前記ビアホール、および前記マイクロレンズが各々一定間隔離隔した二つの第1および第2レンズ形成用溝、第1および第2ビアホール、および第1および第2マイクロレンズとして形成される場合、
前記第1および第2ビアホールが閉鎖されるように前記シリコン基板の下面に各々付着されるレーザおよびフォトダイオードがさらに備えられ、前記シリコン基板下面の一側に前記レーザダイオードを駆動させるドライバーおよび受信した光信号を電気信号に切り換える受信モジュールが各々付着され、第1および第2光ファイバーが内蔵された光接続部材が前記シリカ層の上面に付着されており、
前記光接続部材は前記第1および第2光ファイバーを介して前記第1および第2マイクロレンズに光が伝達されるように前記シリカ層の上面に付着されることを特徴とする、請求項6に記載の光配線構造物。
【請求項8】
少なくとも一つの光学通路用ビアホールが備えられたシリコン基板;および
前記ビアホールの一側内部に挿入固定され、入射される光を屈折させるための球形のボールレンズを含む光配線構造物。
【請求項9】
前記シリコン基板の全体上部面に形成された下部クラッド層と、前記下部クラッド層の上面に形成されたコア層と、前記コア層の上面に形成された上部クラッド層とからなる光導波路がさらに備えられることを特徴とする、請求項8に記載の光配線構造物。
【請求項10】
前記ビアホールが各々一定間隔離隔した二つの第1および第2ビアホールとして形成される場合、
前記第1および第2ビアホールが閉鎖されるように前記シリコン基板の下面に各々付着されるレーザおよびフォトダイオードがさらに備えられ、前記シリコン基板下面の一側に前記レーザダイオードを駆動させるドライバーおよび受信した光信号を電気信号に切り換える受信モジュールが各々付着されることを特徴とする、請求項9に記載の光配線構造物。
【請求項11】
前記第1および第2ビアホール上に位置した光導波路の上面に互いに対向するように一定角度に傾斜した第1および第2ミラー溝がさらに形成されることを特徴とする、請求項10に記載の光配線構造物。
【請求項12】
(a)シリコン基板の上面に曲率半径を有するように少なくとも一つのレンズ形成用溝を形成するステップ;および
(b)前記レンズ形成用溝の形状が維持されるように前記レンズ形成用溝を含むシリコン基板の全体上部面にシリカ層を形成するステップを含む光配線構造物の製造方法。
【請求項13】
前記シリコン基板の全体上部面に下部クラッド層、コア層、および上部クラッド層を順次積層して光導波路を形成するステップ、および
前記シリコン基板の下面に前記レンズ形成用溝に形成されたシリカ層の下面の一部分が露出するようにビアホールを形成するステップ
をさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の光配線構造物の製造方法。
【請求項14】
前記レンズ形成用溝および前記ビアホールが各々一定間隔離隔した二つの第1および第2レンズ形成用溝と第1および第2ビアホールとして形成される場合、
前記第1および第2ビアホールが閉鎖されるように前記シリコン基板の下面に各々レーザおよびフォトダイオードがさらに付着され、前記シリコン基板下面の一側に前記レーザダイオードを駆動させるドライバーおよび受信した光信号を電気信号に切り換える受信モジュールがさらに付着されることを特徴とする、請求項13に記載の光配線構造物の製造方法。
【請求項15】
前記第1および第2レンズ形成用溝上に位置した光導波路の上面に互いに対向するように一定角度に傾斜した第1および第2ミラー溝を形成するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項14に記載の光配線構造物の製造方法。
【請求項16】
前記シリコン基板のレンズ形成用溝に埋められるように前記シリカ層上にマイクロレンズを形成するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の光配線構造物の製造方法。
【請求項17】
前記レンズ形成用溝、前記ビアホール、および前記マイクロレンズが各々一定間隔離隔した二つの第1および第2レンズ形成用溝、第1および第2ビアホール、および第1および第2マイクロレンズとして形成される場合、
前記第1および第2ビアホールが閉鎖されるように前記シリコン基板の下面に各々レーザおよびフォトダイオードがさらに付着され、前記シリコン基板下面の一側に前記レーザダイオードを駆動させるドライバーおよび受信した光信号を電気信号に切り換える受信モジュールがさらに付着され、第1および第2光ファイバーが内蔵された光接続部材が前記シリカ層の上面に付着されており、
前記光接続部材は前記第1および第2光ファイバーを介して前記第1および第2マイクロレンズに光が伝達されるように前記シリカ層の上面に付着されることを特徴とする、請求項16に記載の光配線構造物の製造方法。
【請求項18】
(a’)シリコン基板に少なくとも一つの光学通路用ビアホールを形成するステップ;および
(b’)前記ビアホールの上側内部に入射される光を屈折させるための球形のボールレンズを挿入固定させるステップを含む光配線構造物の製造方法。
【請求項19】
前記シリコン基板の全体上部面に下部クラッド層、コア層、および上部クラッド層を順次積層して光導波路を形成するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項18に記載の光配線構造物の製造方法。
【請求項20】
前記ビアホールが各々一定間隔離隔した二つの第1および第2ビアホールとして形成される場合、
前記第1および第2ビアホールが閉鎖されるように前記シリコン基板の下面に各々レーザおよびフォトダイオードをさらに付着し、前記シリコン基板下面の一側に前記レーザダイオードを駆動させるドライバーおよび受信した光信号を電気信号に切り換える受信モジュールをさらに付着するステップと、
前記第1および第2ビアホール上に位置した光導波路の上面に互いに対向するように一定角度に傾斜した第1および第2ミラー溝を形成するステップとをさらに含むことを特徴とする、請求項19に記載の光配線構造物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2009−265676(P2009−265676A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−107915(P2009−107915)
【出願日】平成21年4月27日(2009.4.27)
【出願人】(507373508)クヮンジュ・インスティテュート・オブ・サイエンス・アンド・テクノロジー (28)
【Fターム(参考)】