説明

内燃機関の制御装置

【課題】内燃機関の制御装置において、新たに検出手段(センサ)を追加することなく、また、内燃機関や検出手段のばらつきに影響されずに、マスターバックの作動を精度良く判定することにある。
【解決手段】制御手段(59)は、吸気管圧力を推定する吸気管圧力推定手段(59A)と、吸気管圧力検出手段(54)により検出された吸気管圧力と吸気管圧力推定手段(59A)により推定された吸気管圧力との差の微分値を算出してこの算出された微分値が予め設定された閾値以上の時にはマスターバック(64)が作動中と判定するマスターバック作動判定手段(59B)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、内燃機関の制御装置に係り、特にマスターバックを備えた車両に搭載された内燃機関の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、内燃機関の吸気管圧力(吸気管負圧)を利用してブレーキペダルの踏力を増幅するマスターバックを設けているものがある。これにより、ブレーキペダルの軽い踏力でも、車両の制動力が十分に得られるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−174665号公報
【特許文献2】特開平7−19086号公報
【0004】
特許文献1に係る内燃機関の制御装置は、ブレーキスイッチがオンからオフになった場合に、ブレーキ負圧の絶対値と吸気管負圧(吸気管圧力)の絶対値とを比較し、ブレーキ負圧の絶対値が吸気管負圧の絶対値よりも大きい場合に、空燃比の補正を禁止するものである。
特許文献2に係る車両用内燃機関の燃料噴射制御装置は、ブレーキブースタ(マスターバック)を備えた車両において、ブレーキペダルが戻された時に、ブレーキブースタから内燃機関に吸引される過剰な空気を考慮して、燃料噴射を制御するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、吸入空気量検出手段としてのエアフローセンサを用いて吸入空気量を検出している内燃機関では、吸気管負圧(吸気管圧力)を利用してブレーキペダルの踏力を増幅するマスターバックから流入してくる空気量は、エアフローセンサを経由していない。このため、ブレーキペダルの操作時に、何らかの補正を行わないと、検出した空気量と実際の空気量とにずれが生じてしまう場合があった。
従来では、ブレーキスイッチのオン又はオフの状態等でブレーキペダルの操作を検出して空気量の補正を行っていたため、その補正が不要な場合でも、補正が行われることがあった。
また、内燃機関のアイドル運転時には、吸入空気量の検出方法にかかわらず、ブレーキペダルの操作等でマスターバックが作動すると、エンジン回転数が上昇する。この時、アイドル空気量を調整する吸入空気量調整手段としてのアイドル空気量制御(ISC)装置のISC弁がエンジン回転数を下げるように作動し、このため、マスターバック内の負圧が回復した後に、エンジン回転数が低下するおそれがある。
このため、ブレーキスイッチ等でブレーキペダルの操作を検出し、ISC弁による制御を制限していたが、必要以上に空気量の制限を行うために、アイドル回転数の制御性が悪くなるおそれがあり、改善が望まれていた。
【0006】
そこで、この発明の目的は、新たに検出手段(センサ)を追加することなく、また、内燃機関や検出手段のばらつきに影響されずに、マスターバックの作動を精度良く判定する内燃機関の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、内燃機関の吸気管圧力を利用してブレーキペダルの踏力を増幅するマスターバックを備えた車両の内燃機関の制御装置において、吸気管圧力を検出する吸気管圧力検出手段を設け、吸気管圧力を推定する吸気管圧力推定手段と、前記吸気管圧力検出手段により検出された吸気管圧力と前記吸気管圧力推定手段により推定された吸気管圧力との差の微分値を算出してこの算出された微分値が予め設定された閾値以上の時には前記マスターバックが作動中と判定するマスターバック作動判定手段とを備える制御手段を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明の内燃機関の制御装置は、新たに検出手段(センサ)を追加することなく、また、内燃機関や検出手段のばらつきに影響されずに、マスターバックの作動を精度良く判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は検出された吸気管圧力と推定された吸気管圧力との差の微分値を算出してマスターバックが作動中か否かを判定するフローチャートである。(実施例)
【図2】図2は微分値等の各信号波形とマスターバックの作動状態を示すタイムチャートである。(実施例)
【図3】図3(A)は、ブレーキペダルを軽く踏んだ後に戻した時の微分値の波形図である。図3(B)は、ブレーキペダルを強く踏んだ後に戻した時の微分値の波形図である。(実施例)
【図4】図4は内燃機関の制御装置のシステム構成図である。(実施例)
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明は、新たに検出手段(センサ)を追加することなく、また、内燃機関や検出手段のばらつきに影響されずに、マスターバックの作動を精度良く判定する目的を、検出された吸気管圧力と推定された吸気管圧力との差の微分値を算出して実現するものである。
【実施例】
【0011】
図1〜図4は、この発明の実施例を示すものである。
図4において、1は車両に搭載される内燃機関である。この内燃機関1は、シリンダブロック2とシリンダヘッド3とシリンダヘッドカバー4とが一体的になって構成されている。
シリンダヘッド3には、吸気側において、吸気ポート5が形成され、また、吸気カム軸6が設置され、さらに、この吸気カム軸6で駆動されて吸気ポート5を開閉する吸気弁7が設けられている。
また、シリンダヘッド3には、排気側において、排気ポート8が形成され、また、排気カム軸9が設置され、さらに、この排気カム軸9で駆動されて排気ポート8を開閉する排気弁10が設けられている。
【0012】
内燃機関1は、吸気装置11を備えている。この吸気装置11においては、エアクリーナ12と、このエアクリーナ12から内燃機関1側に吸入空気を導く吸気通路13を形成するように、吸気管14と、スロットル弁15を備えたスロットルボディ16と、サージタンク17が一体でシリンダヘッド3に取り付けられる吸気マニホルド18とが、順次に接続している。
【0013】
内燃機関1は、排気装置19を備えている。この排気装置19においては、内燃機関1からの排気を導く排気通路20を形成するように、シリンダヘッド3に取り付けられた排気マニホルド21と、この排気マニホルド21に接続された排気管22とが、順次に設けられている。この排気管22の途中には、触媒コンバータ23が設けられている。
【0014】
内燃機関1は、燃料供給装置24を備えている。この燃料供給装置24においては、燃料タンク25内で電磁式の燃料ポンプ26が設けられ、また、この燃料ポンプ26に燃料フィルタ27と燃料圧力レギュレータ28とを順次に介して燃料供給管29の一端が接続している。この燃料供給管29の他端は、燃料デリバリパイプ30を介して燃料噴射弁31に接続している。この燃料噴射弁31は、シリンダヘッド3に取り付けられて燃料を吸気ポート5へ噴射する。
【0015】
内燃機関1は、蒸発燃料制御装置32を備えている。この蒸発燃料制御装置32においては、燃料タンク25の上部に二ウェイチェック弁33が設けられ、この二ウェイチェック弁33にはエバポ管34の一端が接続し、このエバポ管34の他端にキャニスタ35が設けられている。
このキャニスタ35には、パージ管36の一端が接続している。このパージ管36の他端は、スロットル弁15の下流側でスロットルボディ16の内部に開口している。パージ管36の途中には、パージ弁(VSV)37が設けられている。
【0016】
また、内燃機関1は、アイドル空気量制御装置(ISC装置)38を備えている。このアイドル空気量制御装置38においては、スロットル弁15を迂回するように、一端がスロットル弁15の上流側でスロットルボディ16の内部に連通するとともに他端がスロットル弁15の下流側でスロットルボディ16の内部に連通するアイドルエア管39が設けられている。また、このアイドルエア管39の途中には、吸入空気量調整手段として、内燃機関1のアイドル運転時の吸入空気量を調整するISC弁40が設けられている。
【0017】
また、内燃機関1は、可変バルブタイミング(VVT)装置41を備えている。この可変バルブタイミング装置41においては、吸気カム軸6の前端に取り付けられた吸気油圧アクチュエータ42と、排気カム軸9の前端に取り付けられた排気油圧アクチュエータ43と、吸気油圧アクチュエータ42へのオイルを制御する吸気オイル制御弁44と、排気油圧アクチュエータ43へのオイルを制御する排気オイル制御弁45とが設けられている。
【0018】
シリンダヘッドカバー4には、イグニションコイル46とPCV弁47とが取り付けられている。このPCV弁47には、サージタンク17内に連通するタンク側ブローバイガス管48が接続している。
また、シリンダヘッドカバー4には、吸気管14内に連通する吸気管側ブローバイガス管49が接続している。
【0019】
シリンダブロック2には、吸気マニホルド18の一部に形成した冷却水通路50内の冷却水温度を検出する水温センサ51と、ノッキングを検出するノッキングセンサ52とが取り付けられている。
スロットルボディ16には、スロットル弁15のスロットル開度を検出するスロットル開度センサ53が設けられる。
サージタンク17には、吸気管圧力を検出する吸気管圧力検出手段としての吸気管圧力センサ54が設けられている。
吸気管14には、吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段としてのエアフローセンサ55と、空気の温度を検出する吸気温センサ56とが取り付けられている。
触媒コンバータ23の上流側の排気管22には、排気中の空燃比を検出するヒータ付きの空燃比センサ57が取り付けられている。
触媒コンバータ23の下流側の排気管22には、排気中の酸素濃度を検出するヒータ付きの酸素センサ(O2センサ)58が取り付けられている。
【0020】
燃料ポンプ26と、燃料噴射弁31と、パージ弁37と、ISC弁40と、吸気オイル制御弁44と、排気オイル制御弁45と、イグニションコイル46と、水温センサ51と、ノッキングセンサ52と、スロットル開度センサ53と、吸気管圧力センサ54と、エアフローセンサ55と、吸気温センサ56と、空燃比センサ57と、酸素センサ58とは、内燃機関1の制御装置を構成する制御手段(ECM:エンジンコントローラモジュール)59に連絡している。
また、この制御手段59には、アクセルペダル60に取り付けたアクセル開度センサ61と、ブレーキペダル62に取り付けたブレーキスイッチ63とが連絡している。このブレーキスイッチ63は、ブレーキペダル62が踏み込まれた時にオンする一方、ブレーキペダル62が戻された時にはオフとなるものである。ブレーキペダル62には、マスターバック64が設けられる。このマスターバック64は、吸気管圧力を利用してブレーキペダル62の踏力を増幅するものでり、サージタンク17内の吸気管圧力を導くように一端がサージタンク17に接続した圧力導入管65の他端が連結している。
更に、この制御手段59には、吸気カム軸6のカム角を検出する吸気カム角センサ66と、排気カム軸9のカム角を検出する排気カム角センサ67と、クランク角を検出するクランク角センサ68と、メインスイッチ69及びフューズ70を介したバッテリ71とが連絡している。クランク角センサ68は、クランク角を検出してこの検出信号を制御手段59に出力するとともに、エンジン回転数を検出する機能を有している。
【0021】
また、制御手段59は、吸気管圧力を推定する吸気管圧力推定手段59Aと、吸気管圧力センサ54により検出された吸気管圧力と吸気管圧力推定手段59Aにより推定された吸気管圧力との差の微分値(図3(A)、図3(B)参照)を算出してこの算出された微分値が予め設定された閾値(図2のLで示す)以上の時にはマスターバック64が作動中と判定するマスターバック作動判定手段59Bと、タイマ59Cとを備える。
上記の推定された吸気管圧力は、スロットル弁15の開度、ISC弁40の開度、エンジン回転数等の各種因子によって求められるものであり、必要に応じて、大気圧による補正や、フィルタリングが行われる。
上記の微分値は、その高さがブレーキペダル62の操作量と相関関係にあり、図3(A)に示すように、ブレーキペダル62を軽く踏んだ後に戻した時と、図3(B)に示すように、ブレーキペダル62を強く踏んだ後に戻した時とでは異なり、ブレーキペダル62を強く踏んだ後に戻した時の方が大きく変化するものである。
上記の微分値によってマスターバック64が作動中か否かを判定する理由としては、単純に、検出された吸気管圧力と推定された吸気管圧力との差によってマスターバック64が作動中か否かを判定した場合には、マスターバック64が作動中か否かを判定できないことがあるという不具合を解消するためである。つまり、内燃機関1やセンサのばらつきによりオフセットが生じ、本来検出された吸気管圧力と推定された吸気管圧力とが一致するような状態でも、検出された吸気管圧力の方が推定された吸気管圧力よりも高くなったり、逆に検出された吸気管圧力の方が推定された吸気管圧力よりも低くなったりするためである。
【0022】
具体的に説明すると、スロットル系(ISC用の別通路含む)以外から空気が流入した場合に、スロットル弁15とISC弁40との合計開度、エンジン回転数、大気圧等から推定された吸気管圧力と、吸気管圧力センサ54で検出された吸気管圧力との相対値が変化する。この関係を利用してマスターバック64の作動を検出し、後述のように、空気量の補正、ISC制御の補正を行う。但し、単に、検出された吸気管圧力と推定された吸気管圧力との差を取ると、内燃機関1や検出手段(センサ)のばらつきを吸収できないため、検出された吸気管圧力と推定された吸気管圧力と差を微分する。
このため、先ず、スロットル系開度(ISC開度含む)、エンジン回転数等から、吸気管圧力を推定し、検出された吸気管圧力から推定された吸気管圧力を引き、この差の値の微分値を求める。
そして、スロットル系以外から空気が流入した場合、検出された吸気管圧力は上昇するが、推定された吸気管圧力値は上昇しない。このため、その差の微分値は、図3(A)、図3(B)に示すように、プラス方向に変化する。そして、一定の閾値L以上でプラス方向になった場合に、ブレーキ操作がされたとし、そこから決められた時間、若しくは微分値が一定の幅に収まって安定するまで、マスターバック64が作動中とする。
これにより、この実施例では、新たにセンサを追加することなく、マスターバック64の作動を精度良く判定することができる。
また、検出された吸気管圧力と推定された吸気管圧力との差を微分するため、内燃機関1やセンサのばらつきに影響されずに、マスターバック64の作動を判定することができる。
【0023】
また、制御手段59は、マスターバック作動判定手段59Bによりマスターバック64が作動中と判定された時にはエアフローセンサ55により検出される空気量を補正する。この場合、別の手段により、計測される空気量に切り替えることも可能である。
これにより、マスターバック64から流入してくる空気量の分を補正して、吸入空気量の検出精度を上げることができる。また、精度の低い補正や別の手段の計測結果の使用頻度を下げ、制御精度を向上できる。
【0024】
更に、制御手段59は、マスターバック作動判定手段59Bによりマスターバック64が作動中と判定された時にはISC弁40により調整される空気量を補正する。
これにより、マスターバック64の作動時のエンジン回転数の上昇を防ぐことができる。また、マスターバック64の非作動時を作動時と誤判定しないため、アイドル運転時におけるエンジン回転数を目標値へ早く収束させることができる。
【0025】
次に、この実施例に係る判定制御を、図1のフローチャートに基づいて説明する。
図1に示すように、制御手段59のプログラムがスタートすると(ステップA01)、検出された吸気管圧力から推定された吸気管圧力を引いて、今回の圧力(ΔP)を求める(ステップA02)。
そして、今回の圧力(ΔP)から前回の圧力(ΔP)を引いた値が設定値(A)以上か否かを判断する(今回の圧力(ΔP)−前回の圧力(ΔP)≧A)(ステップA03)。
このステップA03がNOの場合には、タイマ59Cをデクリメント(減少)させる(ステップA04)。
一方、このステップA03がYESの場合には、タイマ59Cをセットさせる(ステップA05)。
前記ステップA04の処理後、又は前記ステップA05の処理後は、タイマ59Cが零(0)か否かを判断する(ステップA06)。
このステップA06がNOの場合には、マスターバック64が作動中とする(ステップA07)。
一方、このステップA06がYESの場合には、マスターバック64が非作動中とする(ステップA08)。
前記ステップA07の処理後、又は前記ステップA08の処理後は、プログラムをエンドとする(ステップA09)。
【0026】
次いで、この実施例に係る判定制御を、図2のタイムチャートに基づいて説明する。
吸気管圧力の検出と推定は、常時行なわれている。
ブレーキペダル62を踏むと、検出された吸気管圧力は変動するが、推定された吸気管圧力は変動しない。このため、検出された吸気管圧力と推定された吸気管圧力との差も変動する。さらに、この差の微分値も変動する。ブレーキスイッチ63がオン(時間t1)になってから少し遅れて、検出された吸気管圧力から推定された吸気管圧力を引いた差(今回の圧力)は、予め設定された閾値L以上になる。この時に、マスターバック64が作動開始と判定する(時間t2)。そして、一定時間が経過し、微分値が閾値L以下となり一定の範囲内に収まって安定したら、マスターバック64が非作動中(作動終了)と判定する(時間t3)。
その後、ブレーキペダル62を戻すと、検出された吸気管圧力は変動するが、推定された吸気管圧力は変動しない。このため、検出された吸気管圧力と推定された吸気管圧力との差も変動する。さらに、この差の微分値も変動する。ブレーキスイッチ63がオフになると、検出された吸気管圧力から推定された吸気管圧力を引いた差(今回の圧力)は、予め設定された閾値L以上になる。この時に、マスターバック64が作動開始と判定する(時間t4)。そして、一定時間が経過し、微分値が閾値L以下となり一定の範囲内に収まって安定したら、マスターバック64が非作動中(作動終了)と判定する(時間t5)。
【産業上の利用可能性】
【0027】
この発明に係る内燃機関の制御装置を、各種車両に適用可能である。
また、上記の実施例では、ISC弁を用いて、アイドル運転時の空気量制御を行っている。しかし、この発明は、電子スロットルを採用し、電子スロットル開度を調整することにより、アイドル運転時の空気量制御を行う場合でも適用可能である。
【符号の説明】
【0028】
1 内燃機関
15 スロットル弁
38 アイドル空気量制御装置
40 ISC弁(吸入空気量調整手段)
54 吸気管圧力センサ(吸気管圧力検出手段)
55 エアフローセンサ(吸入吸気量検出手段)
59 制御手段
59A 吸気管圧力推定手段
59B マスターバック作動判定手段
59C タイマ
62 ブレーキペダル
63 ブレーキスイッチ
64 マスターバック
68 クランク角センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の吸気管圧力を利用してブレーキペダルの踏力を増幅するマスターバックを備えた車両の内燃機関の制御装置において、吸気管圧力を検出する吸気管圧力検出手段を設け、吸気管圧力を推定する吸気管圧力推定手段と、前記吸気管圧力検出手段により検出された吸気管圧力と前記吸気管圧力推定手段により推定された吸気管圧力との差の微分値を算出してこの算出された微分値が予め設定された閾値以上の時には前記マスターバックが作動中と判定するマスターバック作動判定手段とを備える制御手段を設けたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記内燃機関に吸入される空気量を検出する吸入空気量検出手段に連絡し、前記マスターバック作動判定手段により前記マスターバックが作動中と判定された時には前記吸入空気量検出手段により検出される空気量を補正することを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記内燃機関のアイドル運転時の吸入空気量を調整する吸入空気量調整手段に連絡し、前記マスターバック作動判定手段により前記マスターバックが作動中と判定された時には前記吸入空気量調整手段により調整される空気量を補正することを特徴とする内燃機関の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−127230(P2012−127230A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278056(P2010−278056)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】