再構成ウエハ製造の間のチップの位置決め方法
本発明は、前面側(12)と呼称されるチップの1つの面に接続パッド(11)を有するチップ(10)を含む再構成ウエハ(1)の製造方法に関する。この方法は、次のステップ、すなわち、
−チップ(10)を、接着支持体(20)の上の所定位置に、前面側を下にして載せるステップと、
−チップを封止するために支持体(20)上に樹脂(50)を堆積させるステップと、
−その樹脂(50)を硬化させるステップと、
を含む。さらに、この方法は、樹脂堆積ステップの前に、チップの上に、チップを位置決めするための支持ウエハ(40)であって、チップの1つの面上(12、13)に載せられる部分を有する支持ウエハ(40)を接合するステップを含む。
−チップ(10)を、接着支持体(20)の上の所定位置に、前面側を下にして載せるステップと、
−チップを封止するために支持体(20)上に樹脂(50)を堆積させるステップと、
−その樹脂(50)を硬化させるステップと、
を含む。さらに、この方法は、樹脂堆積ステップの前に、チップの上に、チップを位置決めするための支持ウエハ(40)であって、チップの1つの面上(12、13)に載せられる部分を有する支持ウエハ(40)を接合するステップを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象分野は、樹脂内に封止されたチップを含む再構成ウエハの製造である。この場合、このチップは、一般的に前もって試験済みのものである。
【背景技術】
【0002】
再構成ウエハの製造に最も一般的に用いられる技法は、一般的に試験後に選択されかつ通常「既知の良好なダイ(known good dies)」と呼称される種々のタイプのチップまたはダイを取り出すことにその要点がある。「チップ」という用語は、むき出しのチップのような能動電子素子、または受動素子、またはMEMS(マイクロ電子機械システム:MicroElectroMechanical System)を意味する。図1に示すように、これらのチップ10は、活性側または前面側12と呼称される面に接続パッド11を有しており、接着支持体20の上に、例えばピックアンドプレース機械によって、前面側を下にして載せられる。この接着支持体20は、通常、剛性支持体22に接合された接着表皮21そのものである。次に、チップを、確実に固定するためにエポキシタイプのポリマー樹脂内に封止する。続いて、剛性支持体22および接着表皮21を除去した後、再配線層(redistribution layer)すなわちRDLを、前面側に、おそらく数段階において形成する。例えばTiW/CuまたはTiPd/Au製のトラックを含むこのRDL層は、接着支持体の代わりに堆積された誘電体層の上に、浸漬コーティングまたはスピンコーティングによって形成される。次に、このように再構成される欠陥チップを含まないウエハをダイスカットして、プラスチックのマイクロパッケージにすることができる。また、このウエハを、他の再構成ウエハの上に積層して、種々の既知の方法によってその再構成ウエハに電気接続することが可能である。この積層体をダイスカットして3D(3次元)の電子モジュールが得られる。
【0003】
チップの封止は、次のステップ、すなわち、
−チップ間の空間を充填するように、樹脂を、接着支持体に接合されたチップの回りおよび場合によってはその上にも(キャスティングまたは圧縮成形法によって)堆積させるステップと、
−樹脂を硬化させて、チップが固定された取り扱い可能な堅固な基板を形成するステップであり、続いて接着基板を取り除くことが可能なステップと、
を含む。
【0004】
明白な欠点の1つは、樹脂を堆積している間および/または樹脂が硬化している間にチップが動くことである。これは、硬化後の樹脂の非可逆的な収縮および可逆的な膨張によって、チップの比較的等方性でかつ予測可能な微小移動(micromovement)が作り出されるからである。この微小移動は、通常、数μmおよび数10μmの範囲内であり、このため、場合によっては、通常10μm程度である成形後の所要位置決め公差を超える可能性がある。
【0005】
提案された1つの解決策は、矩形網目の銅の格子を接着支持体の上に載せて、次にチップを、交差する格子のバーの間の空洞部内の支持体の上に移載するという点にその要点がある。従って、この格子は、チップを載せるためのテンプレートとして用いられる。続いて、バーの間に樹脂を堆積させて硬化させる。この方法は、膨張を低減し、従ってチップの動きを抑えるのに役立つが、格子を除去することは不可能である。さらに、この方法は次のような欠点を有する。
−格子が一旦樹脂内に埋め込まれるとその除去は不可能であるので、必然的に格子が最終パッケージの中に残留する。
−格子が空間を一部占有するために、ウエハ上のチップの個数が制限される。
−格子のバーを消失させるために二重のダイスカット操作が必要になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、チップを樹脂内に埋め込み成形する間にチップが動くという欠点を軽減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
具体的には、本発明の主題は、前面側と呼称される1つの面に接続パッドを有するチップを含む再構成ウエハの製造方法であって、次のステップ、すなわち、
−チップを、接着支持体の上の所定位置に、前面側を下にして載せるステップと、
−チップを封止するために支持体上に樹脂を堆積させるステップと、
−樹脂を硬化させるステップと、
を含む方法である。
【0008】
この方法は、樹脂堆積ステップの前に、チップの上に、チップを位置決めするための支持ウエハであって、チップの1つの面上に載せられる部分を有する支持ウエハを接合するステップを含む、ことを主たる特徴とする。
【0009】
この方法によって、チップが樹脂内に埋め込み成形される間およびその後に、チップが載せられた場所にチップを保持することが可能になる。
【0010】
チップの材料は、約3ppm/℃の膨張係数を有するので、支持ウエハの材料は、チップの膨張係数に近い膨張係数、すなわち10ppm/℃未満の膨張係数を有することが有利である。
【0011】
支持ウエハは、一般的に、完全に金属または部分的に金属である。
【0012】
支持ウエハは、中実のウエハ、あるいは開口を有する格子とすることができる。
【0013】
本発明の1つの特徴によれば、この方法は、硬化ステップの後に、支持ウエハを完全にまたは部分的に取り除くステップを含む。
【0014】
この支持ウエハは運転中のチップが発生する熱の問題の解決にも役立つ。この問題は、チップが積層される3D電子モジュールにおいて特に敏感である。
【0015】
このために、本発明の別の特徴によれば、チップに接合される支持ウエハの一部がさらに熱シンク要素である。この熱シンク要素は、チップが発生する熱を消散させ、また、チップの信頼性を損ねる可能性があるホットスポットを避けるように、チップからの熱を一様に拡散させるものである。
【0016】
第1実施形態によれば、支持ウエハが、チップの裏面側に接合される格子である。
【0017】
この場合、格子のチップへの接合は、例えば、チップの裏面側にポリマー接着剤を堆積させるステップと、その接着剤の上に格子の要素を位置決めするように格子を所定位置に載せるステップと、続いて接着剤を硬化させるステップとを含む。
【0018】
格子は2つの部分を有することができる。すなわち、格子を形成する第1部分、および第2部分を形成するピラーであり、ピラーは第1部分を貫通している。
【0019】
格子の第1部分は、例えばガラス、アルミナまたは窒化アルミニウムのようなセラミック製とすることができる。
【0020】
第2実施形態によれば、支持ウエハがチップの前面側に接合される。
【0021】
この場合、支持ウエハのチップへの接合は、例えば、支持ウエハの上に接着剤フィルムを載せるステップと、チップの前面側を支持ウエハに接合するようにチップをそのフィルムの上の所定位置に載せるステップと、接着剤フィルムを硬化させるステップとを含み、さらに場合によっては、樹脂硬化後に、支持ウエハを完全にまたは部分的に取り除くステップを含む。
【0022】
接着剤は、100℃未満の温度で、および/または、紫外線および/またはマイクロ波の放射によって硬化させることが望ましい。
【0023】
本発明の他の特徴および利点は、非限定的な例に基づきかつ添付の図面を参照してなされる以下の詳細説明を読めば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】前記で説明した製造中の再構成ウエハの概略図である。ウエハは断面で示されている。
【図2a】本発明による製造方法の第1実施形態の1つの態様の1つのステップにおけるウエハを概略的に示す。この場合、格子はチップの裏面側に接合される。ウエハは断面で示されている。
【図2b】図2aの実施態様の別の1つのステップにおけるウエハを概略的に示す。
【図2c】図2bのステップにおけるウエハを上面図として概略的に示す。
【図2d】図2aの実施態様のさらに別のステップにおけるウエハを概略的に示す。堆積された樹脂はチップの表面レベルを超えて広がってはいない。
【図2e】図2aの実施態様のさらに別のステップにおけるウエハを概略的に示す。
【図2f】図2aの実施態様のさらに別のステップにおけるウエハを概略的に示す。
【図3a】本発明の第1実施形態の別の態様の1つのステップにおけるウエハを概略的に示す。この場合、格子はチップの裏面側に接合され、樹脂はチップの表面レベルを超えて広がっているが、格子を埋め込んではいない。ウエハは断面で示されている。
【図3b】図3aの実施態様の別の1つのステップにおけるウエハを概略的に示す。
【図3c】図3aの実施態様のさらに別のステップにおけるウエハを概略的に示す。
【図4a】本発明の第1実施形態のさらに別の態様の1つのステップにおけるウエハを概略的に示す。この場合、格子は、チップの裏面側に接合されたピラーを有し、樹脂は、チップの表面レベルを図3a〜図3cの場合よりも遥かに超えて広がることが可能である。ウエハは断面で示されている。
【図4b】図4aの実施態様の別の1つのステップにおけるウエハを概略的に示す。
【図4c】図4aの実施態様のさらに別のステップにおけるウエハを概略的に示す。
【図4d】図4aの実施態様と一部異なる態様の図4aに相当する断面図である。
【図4e】図4aの実施態様の場合と異なるピラー形状を断面において示す。
【図5a】本発明の第1実施形態のさらに別の態様の1つのステップにおけるウエハを概略的に示す。この場合、格子はチップの裏面側に接合され、格子の一部はチップ用の熱シンク要素として作用する。ウエハは断面で示されている。
【図5b】図5aのステップにおけるウエハを上面図として概略的に示す。
【図5c】図5aの実施態様のさらに別のステップにおけるウエハを概略的に示す。
【図5d】図5cのステップにおけるウエハを上面図として概略的に示す。
【図5e】図5aの実施態様のさらに別のステップにおけるウエハを概略的に示す。
【図6】2つのチップの積層体を含む3D電子モジュールの例を概略的に示す。
【図7a】本発明による製造方法の第2実施形態の1つの態様の1つのステップにおけるウエハを概略的に示す。この場合、格子はチップの前面側に接合される。ウエハは断面で示されている。
【図7b】図7aのステップにおけるウエハを上面図として概略的に示す。
【図7c】図7aの実施態様のさらに別のステップにおけるウエハを概略的に示す。
【図7d】図7aの実施態様のさらに別のステップにおけるウエハを概略的に示す。
【図7e】図7dのステップにおけるウエハを上面図として概略的に示す。
【0025】
各図において、同じ要素は同じ参照符号によって特定される。参照符号1は、製造の種々のステップにおける再構成ウエハを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明による方法は、支持ウエハの利用に基づいている。先行技術の格子と違って、支持ウエハは、チップの裏面側に接合されるか、変形形態によれば前面側に接合される。
【0027】
支持ウエハは銅またはアルミニウム製とすることができるが、これらの材料は15〜25ppm/℃の間の膨張係数を有する。
【0028】
支持ウエハの材料は、樹脂が硬化する間ほぼ同じ態様において膨張するように、すなわち硬化前の位置を維持するように、チップの膨張係数(実際にはチップの主たる材料の膨張係数)に近い膨張係数を有することが望ましい。通常チップの材料であるシリコンは、約3〜4ppm/℃の膨張係数を有する。10ppm/℃未満の膨張係数を有する材料から作製される支持ウエハ、例えばフェロニッケル製の支持ウエハが好適に使用可能であろう。シリコン製の支持ウエハも考えることができる。
【0029】
一般的な金属支持ウエハは、中実ウエハ、または開口44を有する格子とすることができる。
【0030】
この格子は図2cに見られるように、例えば矩形網目の開口44を有する。他の網目構成も考慮の対象となり、これについては以下に述べる。
【0031】
格子のバー、あるいはさらに一般的には格子の種々の要素は、各断面図に示されるように、矩形断面、あるいは少なくともチップの方に向けられる側の面が平面であるような断面を有することが望ましい。
【0032】
金属格子は、例えば、フォトエッチングまたは打ち抜きによって、かつ、チップに接合する前に作製される。
【0033】
図2a〜2eに関連して説明する第1の実施形態によれば、チップ位置決め用の支持格子40がチップの裏面側13に接合され、その裏面側は当然前面側の反対側である。このステップは、チップ10を接着支持体20の上に載せた後に、そして当然ながら樹脂を堆積させる前に行われる。
【0034】
このステップは、例えばエポキシ接着剤であるポリマー接着剤30を、図2aに示すようにチップの裏面側13の上に堆積させる第1サブステップを含む。この接着剤は、注射器またはインクジェット印刷またはスクリーン印刷またはステンシル噴霧によって、あるいは当業者に知られる任意の他の手段によって堆積させることができる。格子40は、図2bおよび2cに示す第2サブステップの間にチップ上に載せ、最後に、この接着剤を硬化させるための第3サブステップを、低温、すなわち100℃未満または室温に近い温度で、例えばUVまたはマイクロ波硬化によって実施する。この硬化接着剤の接合力は、大まかに「スコッチ(Scotch)」接着テープになぞらえることができる接着表皮よりも遥かに高い。従って、各チップ10は、図2cの断面に示されるように、かつ図2dの上部から分かるように、格子の少なくとも1つのバー41に接合される。場合によって、ある特定のバー41'が、図2dの例の場合のように、部分的にまたは完全にチップ10の外側に位置することがある。これが生じるか否かは、格子の網目のピッチとチップ配置のピッチとによる。
【0035】
続いて、樹脂50を、チップ10の間に(図2d)、格子40の高さに届かないように、例えば自動注射器のような従来型の注入法によって堆積させる。それによって、格子には構造上開口が設けられているので、樹脂が格子を通って流れることが可能になる。続いて、既知の方法で樹脂を硬化させる。
【0036】
次に、金属格子40を除去するが、これは、例えば塩化第二鉄タイプの従来型溶液中でそれを溶解することによって行われる。図2eに見られるように、チップ上には接着剤のスポットが残留する。この接着剤のスポットそのものは、例えば、化学エッチングまたは研磨によってチップを薄くする操作の間に除去される。その結果を図2fに示す。
【0037】
一変形態様によれば、図3aに示すように、樹脂50を格子40(または格子のバー41)に届くように堆積させるが、格子を埋め込んでしまうことはない。格子を埋め込むと溶解が困難になる。格子が除去された時点で、チップ10の裏面側には、図3bに見られるように、接着剤30のスポットだけでなく残留樹脂50が存在する。接着剤30および樹脂50は、例えば、ウエハ1を、チップの裏面側で、研磨および続いて化学エッチングすることによって除去される。その結果を図3cに示す。
【0038】
図4a〜4eに関連して説明するさらに別の変形態様によれば、格子が、格子を形成する第1部分42と、第2部分を形成するピラー43とを含む。ピラー43は、第1部分を貫通しており、チップ10の厚さよりも厚い樹脂50の層を堆積させ得るように、第1部分42をチップの平面から僅かに(距離bだけ)離すように意図されている。但しこの場合、格子の第1部分42がこの樹脂層の中に埋め込まれることがないようにする。厚さはウエハの平面に対して垂直の方向に測定する。このピラー43の例が図4aに表現されているが、ピラー43はそのベース部を介してチップ10に接合される。従って、樹脂50の層は、チップ間の空間に充満し、かつピラーから離れたチップの裏面側13をカバーする。このピラーは、通常100μm〜1000μmの間の厚さbを有する。このため、チップの裏面側は、例えば50μm〜300μmの厚さの樹脂層でカバーすることができる。ピラー43は、例えば、そのベース部において、約4000μm×4000μmの寸法のチップの裏面側に対して2000μmの直径を有する。
【0039】
種々のピラー形状を考えることができる。図4eにおいては、格子の第1部分42に固定されるピラーの「頂部」部分43aの直径が、チップの裏面側に接合されるピラーのベース部43bの直径よりも小さい。この方式は、格子の第1部分42を強化する利点を有するが、より多くの材料を含む。
【0040】
ピラー43は、図4aに示す例の場合のように、格子の第1部分42と同じ材料から作製してもよく、例えば選択フォトエッチングによって同時に製造することができる。樹脂の硬化後には、格子の第1部分およびピラーを例えば化学エッチングによって除去する。
【0041】
格子は、図4eおよび4dに示すように、2つの異なる材料、すなわちピラー43用の1つの材料と、第1部分42用のもう1つの材料とから作製することもできる。ピラーの材料は、このピラーが消失するように意図されたものである場合は、化学エッチング溶液に急速に溶解する銅またはアルミニウムのような溶解材料とすることが望ましい。ウエハ1の最終的な厚さを増大したくない場合がこれに該当する。実際には、硬化接着剤30によって保持されるピラーのベース部は、図4bに示すように、ピラー溶解時に完全には消失しない。図4b見られるような種々の余剰層の不規則な表面を平坦化するために、あるいは場合によっては、図4cに見られるようにその厚さを低減するために、研磨操作が用いられる。
【0042】
さらに、膨張を制御するのは格子の第1部分であるので、ピラーの材料は必ずしも低膨張係数を有するものではない。ピラーは、格子の第1部分にリベット打ちされた、銅またはアルミニウムまたは他の金属製のリベットとすることができる。また、ピラーは、格子の第1部分の上における銅、アルミニウムまたは他の金属の局所的な電気化学的成長によって作製することもできる。
【0043】
格子の第1部分42の材料は、シリコンの膨張係数に近い低膨張係数の材料であり、ピラーをエッチングする溶液中で化学エッチング可能でないものが有利である。列挙し得る材料の例として、フェロニッケル、Kovar、Invar、またはセラミック(例えば、ガラス、アルミナまたは硝酸アルミニウム)がある。従って、格子のこの部分(あるいは格子の残留部分)は再利用可能であり、エポキシ樹脂材料への接着を防止するためにTeflonタイプの非粘着性被膜で防護することができる。
【0044】
上記に述べた2つの場合においてはピラー43が除去されるが、特定の場合には、ピラーが運転中のチップ加熱の熱問題の解決の助けになるので、それを除去しないことが有利である。このチップの熱問題は、例えばチップを積層する場合には必ず考慮の対象になる可能性がある。この熱問題は、ホットスポットを回避しなければならない移動電話の分野にも、たとえその構成要素が低電力の素子であっても存在する。その場合、チップ10の上に残されたピラー43は伝熱体として作用する。この伝熱体は、熱をチップ上に一様に拡散させるように、従ってチップの信頼性を大きく損なう可能性があるホットスポットを避けるようにも作用する。
【0045】
従って、ピラーの材料が化学エッチング溶液中に可溶であることは必要ではなく、それは良好な伝熱体でなければならないだけである。アルミニウムは第1の機能はよく充足するが、第2の機能の充足が十分でないのに対して、銅はこれらの両機能を充足する。これは、エポキシの熱抵抗が0.6W/mKであるのに比べて、銅の熱抵抗は360W/mKであり、銅が非常に強力な伝熱体であるからである。
【0046】
ピラー43がこれらの熱シンク要素45の1つの例であり、熱シンク要素45のもう1つの例が図5a〜5eに示されるが、この熱シンク要素45の形状は、これらの熱の伝導および均等化の役割が最適に遂行されるように適合させることができる。格子のパターンは、一般的に矩形であるチップ10の面の形状と、一般的に矩形のグリッドパターンであるチップの支持体上の配置とによって決定される。格子は、矩形の面を有するチップの矩形のグリッドパターンに適合するために、例えばバー46によって画定される矩形の網目セルを有し、このバー46は、格子がチップに接合された後にチップ間の空間と垂直方向において同心に合致するように配置される。熱シンク要素となるように意図される格子の要素45も矩形であるが、図5bから分かるように、その寸法はチップの面の寸法よりも若干小さい。この要素45は、格子接合後にチップの裏面側に位置するように、網目セル内に配置される。また、この要素45は、好ましくは4個のタブ47または脚部によって網目に(この場合バー46に)固定される。このタブ47は、例えばチップを積層する際の引き続くチップのルーティングを妨げないように、チップのコーナ部と垂直方向において同心に合致して通っている。以下に見るように、このタブ47も伝熱機能を有する。他のチップ形状および支持体上へのチップの他の配置に適合させるために、他の格子形状も考えることができる。
【0047】
熱シンク要素の厚さは、通常50〜200μmの間にあり、格子全体も同じ厚さを有する。一変形態様によれば、タブ47の厚さおよびバー46の厚さは、格子の強度を機械的に強化するために熱シンク要素45の厚さより大きい。二重厚さの格子が、例えば二重エッチングによって得られる。
【0048】
チップ間に樹脂を堆積させる間(図5cおよび5d)、前記樹脂が表面上の熱伝達要素45を超えて飛び出て部分的にそれをカバーする場合は、この樹脂の余剰分を取り除くためにウエハ1の全体的な研磨を実施する。
【0049】
図5eは、ウエハスケールののこ切断ステップ後の再構成ウエハ1を示す。のこ切断ステップの機能は、
−チップ10を相互に分離すること、および、
−格子のバー46を除去すること、である。この場合、のこ切断溝8の幅「l」はバーの幅より大きく、通常100〜200μmの間にある。
【0050】
チップの積層体を含む3D電子モジュールのウエハスケールの製造法は、いくつかの再構成ウエハを積層するステップを含み、これに、全積層ウエハをのこ切断するステップが続く。図6は、2段のチップ10の積層体を含む3Dモジュール2の例を示す。2段のチップ10の垂直方向の電気的な相互接続は、予め作成された回路図であって種々のRDL層15を一緒に接続することを可能にする回路図に合致する積層体側面の金属化部分60によって提供される。このRDL層15は、剛性の接着支持体20'の上にある。熱シンク要素45は積層体の中に統合される。各段においてモジュールの4つのコーナ部に突き出るタブ(この図には表示されていない)は、3Dモジュールの側面の金属化部分(これは、電気的な相互接続用の側面の金属化部分とは異なる)によって、上方および/または下方のタブと熱的に連結され、それによって、熱シンク要素の外部への熱接触が改善される。より多くの熱を外部に消散しなければならない場合は、3Dモジュールの1つの側面をこの目的のために専用に用いることが可能である。これは、熱シンク要素45の寸法を、その側面の1つが各段のこの側面と同一平面になるように調整し、続いて、これらの要素の側面を一緒に熱的に連結するように全面を金属化することによって行われる。3Dモジュールのこの側面は、従って、垂直方向の電気的な相互接続機能を設けるためのものとしては用いられない。
【0051】
図7a〜7eに関連して説明する本発明の第2の実施形態によれば、格子40が、図7aに示すように、チップの前面側12に接合される。この格子は金属格子である。この実施形態は、例えば次のステップに従って実行される。すなわち、
−格子の網目セルの間から落下しない程度に十分に固いポリマー接着剤70のフィルムを、前もって製造された金属格子40の上に載せる。このフィルムは、通常、エポキシ接着剤のフィルム、または硬化可能なポリマー製の接着性フィルムである。
−チップ10をその接着剤フィルム70の上に移載し、樹脂注入前に各チップを格子上の所定位置に堅固に維持するように、接着剤を硬化させることによって(好ましくは高温よりも室温で、UVまたはマイクロ波硬化によって)、チップ10を接着剤フィルム70に接合する。ポリマー接着剤70の転移温度は、注入樹脂が硬化している間、各チップを所定位置に維持するその特性を失わないようにするため、注入樹脂50の硬化温度を超えるものでなければならない。この実施形態においては、格子40は、前記の例における支持体22と同様にチップ用の支持体としても作用する。例えば、格子40は図2b、2cおよび2dに関連して述べた格子の形状を有する。接着剤フィルム70は、2つの機能、すなわち、接着支持体21の機能と、前記の例のチップおよび格子間のポリマー接着剤30の機能とを有する。
−続いて、チップを埋め込み成形して取り扱い可能な堅固な基板を形成するために、樹脂50を堆積させかつ硬化させる。
−次に、金属格子40を、前記の例の場合にすでに見たように、例えばそれを溶解することによって除去する。
−さらに、接続パッド11を露出させるためだけに、接着剤フィルム70を、全体としてあるいは部分的に、化学溶解またはレーザアブレーションまたはフォトエッチングまたはプラズマエッチングによって除去する。そして、
−その次に、チップの接続パッドをチップの周囲に接続するように、いくつかの接続層を含むことができるRDL層を当業者に知られた方法で形成する。
【0052】
図7aおよび7bに示す態様によれば、格子の形状は、これらのパッドと垂直方向において同心に合致する部分が全くないような形状である。この場合は、格子は完全には除去されない。前記のように、格子の部分45および47は、熱を消散させるための熱シンク要素として用いるのが有利である。バー46は、すでに見たように、後刻にウエハがのこ切断される際に除去されるであろう。切り込み線が図7eに示されている。格子は、例えばタブ47を有する形状のような、熱シンク要素を有する変形態様に関連して述べたような形状を有するが、補足的な制約も伴っている。すなわち、熱シンク要素45の寸法は、前面側13の寸法より小さくなければならないだけでなく、図7bに見ることができるように、チップの接続パッド11によって画定される活性面12の面積の寸法よりも小さいものでなければならない。このように、格子の形状は、これらの接続パッドと垂直方向において同心に合致する部分が全くないような形状である。
【0053】
従来、格子は、前もって、すなわちチップに接合する前に製造された。
【0054】
第2の実施形態の一変形態様によれば、例えば次のステップを含むことができる。すなわち、
−ポリマー接着剤のフィルムを中実の金属支持ウエハの上に載せる。
−チップをその接着剤フィルムの上に移載し、樹脂注入前にこれらの各チップを支持ウエハ上の所定位置に堅固に位置決めするように、接着剤を硬化させて(好ましくは高温よりも室温で、UVまたはマイクロ波硬化によって)接合する。
−続いて、チップを埋め込み成形して取り扱い可能な堅固な基板を形成するために、樹脂を堆積させかつ硬化させる。
−次に、支持ウエハを、前記の例の場合にすでに見たように、例えばそれを吸収することによって除去する。
−さらに、接続パッドを露出させるためだけに、接着剤フィルムを、全体としてあるいは部分的に、化学溶解またはレーザアブレーションまたはフォトエッチングまたはプラズマエッチングによって除去する。そして、
−その次に、チップの接続パッドをチップの周囲に接続するために、いくつかの接続層を含むことができるRDL層を当業者に知られた方法で形成する。
【0055】
これによって再構成ウエハが製造される。
【0056】
しかし、熱シンク要素をチップの前面側に維持したい場合は、(熱シンク要素に相当する)支持ウエハのこの部分は保存される。但し、少なくとも、パッドと垂直方向において同心に合致する支持ウエハの部分は除去することが必要である。この部分はフォトエッチングによって除去される。これは、格子の所定位置における(in situ)製造と同じことである。
【0057】
この場合、接着剤フィルム70の除去は、上記のように、チップの接続パッド11をRDL層に接続する目的でチップの接続パッド11を露出させるための部分的除去である。
【0058】
次に、誘電体層15aを例えばフォトエッチングによって堆積させ、続いて、図7dおよび7eに示すように、TiPd/AuまたはTiW/Cuのトラック15bを堆積させることによって、RDL層を構成するステップを実施する。これは、非平面状の表面に構成する必要があるので、前記の場合よりも難しい。
【技術分野】
【0001】
本発明の対象分野は、樹脂内に封止されたチップを含む再構成ウエハの製造である。この場合、このチップは、一般的に前もって試験済みのものである。
【背景技術】
【0002】
再構成ウエハの製造に最も一般的に用いられる技法は、一般的に試験後に選択されかつ通常「既知の良好なダイ(known good dies)」と呼称される種々のタイプのチップまたはダイを取り出すことにその要点がある。「チップ」という用語は、むき出しのチップのような能動電子素子、または受動素子、またはMEMS(マイクロ電子機械システム:MicroElectroMechanical System)を意味する。図1に示すように、これらのチップ10は、活性側または前面側12と呼称される面に接続パッド11を有しており、接着支持体20の上に、例えばピックアンドプレース機械によって、前面側を下にして載せられる。この接着支持体20は、通常、剛性支持体22に接合された接着表皮21そのものである。次に、チップを、確実に固定するためにエポキシタイプのポリマー樹脂内に封止する。続いて、剛性支持体22および接着表皮21を除去した後、再配線層(redistribution layer)すなわちRDLを、前面側に、おそらく数段階において形成する。例えばTiW/CuまたはTiPd/Au製のトラックを含むこのRDL層は、接着支持体の代わりに堆積された誘電体層の上に、浸漬コーティングまたはスピンコーティングによって形成される。次に、このように再構成される欠陥チップを含まないウエハをダイスカットして、プラスチックのマイクロパッケージにすることができる。また、このウエハを、他の再構成ウエハの上に積層して、種々の既知の方法によってその再構成ウエハに電気接続することが可能である。この積層体をダイスカットして3D(3次元)の電子モジュールが得られる。
【0003】
チップの封止は、次のステップ、すなわち、
−チップ間の空間を充填するように、樹脂を、接着支持体に接合されたチップの回りおよび場合によってはその上にも(キャスティングまたは圧縮成形法によって)堆積させるステップと、
−樹脂を硬化させて、チップが固定された取り扱い可能な堅固な基板を形成するステップであり、続いて接着基板を取り除くことが可能なステップと、
を含む。
【0004】
明白な欠点の1つは、樹脂を堆積している間および/または樹脂が硬化している間にチップが動くことである。これは、硬化後の樹脂の非可逆的な収縮および可逆的な膨張によって、チップの比較的等方性でかつ予測可能な微小移動(micromovement)が作り出されるからである。この微小移動は、通常、数μmおよび数10μmの範囲内であり、このため、場合によっては、通常10μm程度である成形後の所要位置決め公差を超える可能性がある。
【0005】
提案された1つの解決策は、矩形網目の銅の格子を接着支持体の上に載せて、次にチップを、交差する格子のバーの間の空洞部内の支持体の上に移載するという点にその要点がある。従って、この格子は、チップを載せるためのテンプレートとして用いられる。続いて、バーの間に樹脂を堆積させて硬化させる。この方法は、膨張を低減し、従ってチップの動きを抑えるのに役立つが、格子を除去することは不可能である。さらに、この方法は次のような欠点を有する。
−格子が一旦樹脂内に埋め込まれるとその除去は不可能であるので、必然的に格子が最終パッケージの中に残留する。
−格子が空間を一部占有するために、ウエハ上のチップの個数が制限される。
−格子のバーを消失させるために二重のダイスカット操作が必要になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、チップを樹脂内に埋め込み成形する間にチップが動くという欠点を軽減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
具体的には、本発明の主題は、前面側と呼称される1つの面に接続パッドを有するチップを含む再構成ウエハの製造方法であって、次のステップ、すなわち、
−チップを、接着支持体の上の所定位置に、前面側を下にして載せるステップと、
−チップを封止するために支持体上に樹脂を堆積させるステップと、
−樹脂を硬化させるステップと、
を含む方法である。
【0008】
この方法は、樹脂堆積ステップの前に、チップの上に、チップを位置決めするための支持ウエハであって、チップの1つの面上に載せられる部分を有する支持ウエハを接合するステップを含む、ことを主たる特徴とする。
【0009】
この方法によって、チップが樹脂内に埋め込み成形される間およびその後に、チップが載せられた場所にチップを保持することが可能になる。
【0010】
チップの材料は、約3ppm/℃の膨張係数を有するので、支持ウエハの材料は、チップの膨張係数に近い膨張係数、すなわち10ppm/℃未満の膨張係数を有することが有利である。
【0011】
支持ウエハは、一般的に、完全に金属または部分的に金属である。
【0012】
支持ウエハは、中実のウエハ、あるいは開口を有する格子とすることができる。
【0013】
本発明の1つの特徴によれば、この方法は、硬化ステップの後に、支持ウエハを完全にまたは部分的に取り除くステップを含む。
【0014】
この支持ウエハは運転中のチップが発生する熱の問題の解決にも役立つ。この問題は、チップが積層される3D電子モジュールにおいて特に敏感である。
【0015】
このために、本発明の別の特徴によれば、チップに接合される支持ウエハの一部がさらに熱シンク要素である。この熱シンク要素は、チップが発生する熱を消散させ、また、チップの信頼性を損ねる可能性があるホットスポットを避けるように、チップからの熱を一様に拡散させるものである。
【0016】
第1実施形態によれば、支持ウエハが、チップの裏面側に接合される格子である。
【0017】
この場合、格子のチップへの接合は、例えば、チップの裏面側にポリマー接着剤を堆積させるステップと、その接着剤の上に格子の要素を位置決めするように格子を所定位置に載せるステップと、続いて接着剤を硬化させるステップとを含む。
【0018】
格子は2つの部分を有することができる。すなわち、格子を形成する第1部分、および第2部分を形成するピラーであり、ピラーは第1部分を貫通している。
【0019】
格子の第1部分は、例えばガラス、アルミナまたは窒化アルミニウムのようなセラミック製とすることができる。
【0020】
第2実施形態によれば、支持ウエハがチップの前面側に接合される。
【0021】
この場合、支持ウエハのチップへの接合は、例えば、支持ウエハの上に接着剤フィルムを載せるステップと、チップの前面側を支持ウエハに接合するようにチップをそのフィルムの上の所定位置に載せるステップと、接着剤フィルムを硬化させるステップとを含み、さらに場合によっては、樹脂硬化後に、支持ウエハを完全にまたは部分的に取り除くステップを含む。
【0022】
接着剤は、100℃未満の温度で、および/または、紫外線および/またはマイクロ波の放射によって硬化させることが望ましい。
【0023】
本発明の他の特徴および利点は、非限定的な例に基づきかつ添付の図面を参照してなされる以下の詳細説明を読めば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】前記で説明した製造中の再構成ウエハの概略図である。ウエハは断面で示されている。
【図2a】本発明による製造方法の第1実施形態の1つの態様の1つのステップにおけるウエハを概略的に示す。この場合、格子はチップの裏面側に接合される。ウエハは断面で示されている。
【図2b】図2aの実施態様の別の1つのステップにおけるウエハを概略的に示す。
【図2c】図2bのステップにおけるウエハを上面図として概略的に示す。
【図2d】図2aの実施態様のさらに別のステップにおけるウエハを概略的に示す。堆積された樹脂はチップの表面レベルを超えて広がってはいない。
【図2e】図2aの実施態様のさらに別のステップにおけるウエハを概略的に示す。
【図2f】図2aの実施態様のさらに別のステップにおけるウエハを概略的に示す。
【図3a】本発明の第1実施形態の別の態様の1つのステップにおけるウエハを概略的に示す。この場合、格子はチップの裏面側に接合され、樹脂はチップの表面レベルを超えて広がっているが、格子を埋め込んではいない。ウエハは断面で示されている。
【図3b】図3aの実施態様の別の1つのステップにおけるウエハを概略的に示す。
【図3c】図3aの実施態様のさらに別のステップにおけるウエハを概略的に示す。
【図4a】本発明の第1実施形態のさらに別の態様の1つのステップにおけるウエハを概略的に示す。この場合、格子は、チップの裏面側に接合されたピラーを有し、樹脂は、チップの表面レベルを図3a〜図3cの場合よりも遥かに超えて広がることが可能である。ウエハは断面で示されている。
【図4b】図4aの実施態様の別の1つのステップにおけるウエハを概略的に示す。
【図4c】図4aの実施態様のさらに別のステップにおけるウエハを概略的に示す。
【図4d】図4aの実施態様と一部異なる態様の図4aに相当する断面図である。
【図4e】図4aの実施態様の場合と異なるピラー形状を断面において示す。
【図5a】本発明の第1実施形態のさらに別の態様の1つのステップにおけるウエハを概略的に示す。この場合、格子はチップの裏面側に接合され、格子の一部はチップ用の熱シンク要素として作用する。ウエハは断面で示されている。
【図5b】図5aのステップにおけるウエハを上面図として概略的に示す。
【図5c】図5aの実施態様のさらに別のステップにおけるウエハを概略的に示す。
【図5d】図5cのステップにおけるウエハを上面図として概略的に示す。
【図5e】図5aの実施態様のさらに別のステップにおけるウエハを概略的に示す。
【図6】2つのチップの積層体を含む3D電子モジュールの例を概略的に示す。
【図7a】本発明による製造方法の第2実施形態の1つの態様の1つのステップにおけるウエハを概略的に示す。この場合、格子はチップの前面側に接合される。ウエハは断面で示されている。
【図7b】図7aのステップにおけるウエハを上面図として概略的に示す。
【図7c】図7aの実施態様のさらに別のステップにおけるウエハを概略的に示す。
【図7d】図7aの実施態様のさらに別のステップにおけるウエハを概略的に示す。
【図7e】図7dのステップにおけるウエハを上面図として概略的に示す。
【0025】
各図において、同じ要素は同じ参照符号によって特定される。参照符号1は、製造の種々のステップにおける再構成ウエハを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明による方法は、支持ウエハの利用に基づいている。先行技術の格子と違って、支持ウエハは、チップの裏面側に接合されるか、変形形態によれば前面側に接合される。
【0027】
支持ウエハは銅またはアルミニウム製とすることができるが、これらの材料は15〜25ppm/℃の間の膨張係数を有する。
【0028】
支持ウエハの材料は、樹脂が硬化する間ほぼ同じ態様において膨張するように、すなわち硬化前の位置を維持するように、チップの膨張係数(実際にはチップの主たる材料の膨張係数)に近い膨張係数を有することが望ましい。通常チップの材料であるシリコンは、約3〜4ppm/℃の膨張係数を有する。10ppm/℃未満の膨張係数を有する材料から作製される支持ウエハ、例えばフェロニッケル製の支持ウエハが好適に使用可能であろう。シリコン製の支持ウエハも考えることができる。
【0029】
一般的な金属支持ウエハは、中実ウエハ、または開口44を有する格子とすることができる。
【0030】
この格子は図2cに見られるように、例えば矩形網目の開口44を有する。他の網目構成も考慮の対象となり、これについては以下に述べる。
【0031】
格子のバー、あるいはさらに一般的には格子の種々の要素は、各断面図に示されるように、矩形断面、あるいは少なくともチップの方に向けられる側の面が平面であるような断面を有することが望ましい。
【0032】
金属格子は、例えば、フォトエッチングまたは打ち抜きによって、かつ、チップに接合する前に作製される。
【0033】
図2a〜2eに関連して説明する第1の実施形態によれば、チップ位置決め用の支持格子40がチップの裏面側13に接合され、その裏面側は当然前面側の反対側である。このステップは、チップ10を接着支持体20の上に載せた後に、そして当然ながら樹脂を堆積させる前に行われる。
【0034】
このステップは、例えばエポキシ接着剤であるポリマー接着剤30を、図2aに示すようにチップの裏面側13の上に堆積させる第1サブステップを含む。この接着剤は、注射器またはインクジェット印刷またはスクリーン印刷またはステンシル噴霧によって、あるいは当業者に知られる任意の他の手段によって堆積させることができる。格子40は、図2bおよび2cに示す第2サブステップの間にチップ上に載せ、最後に、この接着剤を硬化させるための第3サブステップを、低温、すなわち100℃未満または室温に近い温度で、例えばUVまたはマイクロ波硬化によって実施する。この硬化接着剤の接合力は、大まかに「スコッチ(Scotch)」接着テープになぞらえることができる接着表皮よりも遥かに高い。従って、各チップ10は、図2cの断面に示されるように、かつ図2dの上部から分かるように、格子の少なくとも1つのバー41に接合される。場合によって、ある特定のバー41'が、図2dの例の場合のように、部分的にまたは完全にチップ10の外側に位置することがある。これが生じるか否かは、格子の網目のピッチとチップ配置のピッチとによる。
【0035】
続いて、樹脂50を、チップ10の間に(図2d)、格子40の高さに届かないように、例えば自動注射器のような従来型の注入法によって堆積させる。それによって、格子には構造上開口が設けられているので、樹脂が格子を通って流れることが可能になる。続いて、既知の方法で樹脂を硬化させる。
【0036】
次に、金属格子40を除去するが、これは、例えば塩化第二鉄タイプの従来型溶液中でそれを溶解することによって行われる。図2eに見られるように、チップ上には接着剤のスポットが残留する。この接着剤のスポットそのものは、例えば、化学エッチングまたは研磨によってチップを薄くする操作の間に除去される。その結果を図2fに示す。
【0037】
一変形態様によれば、図3aに示すように、樹脂50を格子40(または格子のバー41)に届くように堆積させるが、格子を埋め込んでしまうことはない。格子を埋め込むと溶解が困難になる。格子が除去された時点で、チップ10の裏面側には、図3bに見られるように、接着剤30のスポットだけでなく残留樹脂50が存在する。接着剤30および樹脂50は、例えば、ウエハ1を、チップの裏面側で、研磨および続いて化学エッチングすることによって除去される。その結果を図3cに示す。
【0038】
図4a〜4eに関連して説明するさらに別の変形態様によれば、格子が、格子を形成する第1部分42と、第2部分を形成するピラー43とを含む。ピラー43は、第1部分を貫通しており、チップ10の厚さよりも厚い樹脂50の層を堆積させ得るように、第1部分42をチップの平面から僅かに(距離bだけ)離すように意図されている。但しこの場合、格子の第1部分42がこの樹脂層の中に埋め込まれることがないようにする。厚さはウエハの平面に対して垂直の方向に測定する。このピラー43の例が図4aに表現されているが、ピラー43はそのベース部を介してチップ10に接合される。従って、樹脂50の層は、チップ間の空間に充満し、かつピラーから離れたチップの裏面側13をカバーする。このピラーは、通常100μm〜1000μmの間の厚さbを有する。このため、チップの裏面側は、例えば50μm〜300μmの厚さの樹脂層でカバーすることができる。ピラー43は、例えば、そのベース部において、約4000μm×4000μmの寸法のチップの裏面側に対して2000μmの直径を有する。
【0039】
種々のピラー形状を考えることができる。図4eにおいては、格子の第1部分42に固定されるピラーの「頂部」部分43aの直径が、チップの裏面側に接合されるピラーのベース部43bの直径よりも小さい。この方式は、格子の第1部分42を強化する利点を有するが、より多くの材料を含む。
【0040】
ピラー43は、図4aに示す例の場合のように、格子の第1部分42と同じ材料から作製してもよく、例えば選択フォトエッチングによって同時に製造することができる。樹脂の硬化後には、格子の第1部分およびピラーを例えば化学エッチングによって除去する。
【0041】
格子は、図4eおよび4dに示すように、2つの異なる材料、すなわちピラー43用の1つの材料と、第1部分42用のもう1つの材料とから作製することもできる。ピラーの材料は、このピラーが消失するように意図されたものである場合は、化学エッチング溶液に急速に溶解する銅またはアルミニウムのような溶解材料とすることが望ましい。ウエハ1の最終的な厚さを増大したくない場合がこれに該当する。実際には、硬化接着剤30によって保持されるピラーのベース部は、図4bに示すように、ピラー溶解時に完全には消失しない。図4b見られるような種々の余剰層の不規則な表面を平坦化するために、あるいは場合によっては、図4cに見られるようにその厚さを低減するために、研磨操作が用いられる。
【0042】
さらに、膨張を制御するのは格子の第1部分であるので、ピラーの材料は必ずしも低膨張係数を有するものではない。ピラーは、格子の第1部分にリベット打ちされた、銅またはアルミニウムまたは他の金属製のリベットとすることができる。また、ピラーは、格子の第1部分の上における銅、アルミニウムまたは他の金属の局所的な電気化学的成長によって作製することもできる。
【0043】
格子の第1部分42の材料は、シリコンの膨張係数に近い低膨張係数の材料であり、ピラーをエッチングする溶液中で化学エッチング可能でないものが有利である。列挙し得る材料の例として、フェロニッケル、Kovar、Invar、またはセラミック(例えば、ガラス、アルミナまたは硝酸アルミニウム)がある。従って、格子のこの部分(あるいは格子の残留部分)は再利用可能であり、エポキシ樹脂材料への接着を防止するためにTeflonタイプの非粘着性被膜で防護することができる。
【0044】
上記に述べた2つの場合においてはピラー43が除去されるが、特定の場合には、ピラーが運転中のチップ加熱の熱問題の解決の助けになるので、それを除去しないことが有利である。このチップの熱問題は、例えばチップを積層する場合には必ず考慮の対象になる可能性がある。この熱問題は、ホットスポットを回避しなければならない移動電話の分野にも、たとえその構成要素が低電力の素子であっても存在する。その場合、チップ10の上に残されたピラー43は伝熱体として作用する。この伝熱体は、熱をチップ上に一様に拡散させるように、従ってチップの信頼性を大きく損なう可能性があるホットスポットを避けるようにも作用する。
【0045】
従って、ピラーの材料が化学エッチング溶液中に可溶であることは必要ではなく、それは良好な伝熱体でなければならないだけである。アルミニウムは第1の機能はよく充足するが、第2の機能の充足が十分でないのに対して、銅はこれらの両機能を充足する。これは、エポキシの熱抵抗が0.6W/mKであるのに比べて、銅の熱抵抗は360W/mKであり、銅が非常に強力な伝熱体であるからである。
【0046】
ピラー43がこれらの熱シンク要素45の1つの例であり、熱シンク要素45のもう1つの例が図5a〜5eに示されるが、この熱シンク要素45の形状は、これらの熱の伝導および均等化の役割が最適に遂行されるように適合させることができる。格子のパターンは、一般的に矩形であるチップ10の面の形状と、一般的に矩形のグリッドパターンであるチップの支持体上の配置とによって決定される。格子は、矩形の面を有するチップの矩形のグリッドパターンに適合するために、例えばバー46によって画定される矩形の網目セルを有し、このバー46は、格子がチップに接合された後にチップ間の空間と垂直方向において同心に合致するように配置される。熱シンク要素となるように意図される格子の要素45も矩形であるが、図5bから分かるように、その寸法はチップの面の寸法よりも若干小さい。この要素45は、格子接合後にチップの裏面側に位置するように、網目セル内に配置される。また、この要素45は、好ましくは4個のタブ47または脚部によって網目に(この場合バー46に)固定される。このタブ47は、例えばチップを積層する際の引き続くチップのルーティングを妨げないように、チップのコーナ部と垂直方向において同心に合致して通っている。以下に見るように、このタブ47も伝熱機能を有する。他のチップ形状および支持体上へのチップの他の配置に適合させるために、他の格子形状も考えることができる。
【0047】
熱シンク要素の厚さは、通常50〜200μmの間にあり、格子全体も同じ厚さを有する。一変形態様によれば、タブ47の厚さおよびバー46の厚さは、格子の強度を機械的に強化するために熱シンク要素45の厚さより大きい。二重厚さの格子が、例えば二重エッチングによって得られる。
【0048】
チップ間に樹脂を堆積させる間(図5cおよび5d)、前記樹脂が表面上の熱伝達要素45を超えて飛び出て部分的にそれをカバーする場合は、この樹脂の余剰分を取り除くためにウエハ1の全体的な研磨を実施する。
【0049】
図5eは、ウエハスケールののこ切断ステップ後の再構成ウエハ1を示す。のこ切断ステップの機能は、
−チップ10を相互に分離すること、および、
−格子のバー46を除去すること、である。この場合、のこ切断溝8の幅「l」はバーの幅より大きく、通常100〜200μmの間にある。
【0050】
チップの積層体を含む3D電子モジュールのウエハスケールの製造法は、いくつかの再構成ウエハを積層するステップを含み、これに、全積層ウエハをのこ切断するステップが続く。図6は、2段のチップ10の積層体を含む3Dモジュール2の例を示す。2段のチップ10の垂直方向の電気的な相互接続は、予め作成された回路図であって種々のRDL層15を一緒に接続することを可能にする回路図に合致する積層体側面の金属化部分60によって提供される。このRDL層15は、剛性の接着支持体20'の上にある。熱シンク要素45は積層体の中に統合される。各段においてモジュールの4つのコーナ部に突き出るタブ(この図には表示されていない)は、3Dモジュールの側面の金属化部分(これは、電気的な相互接続用の側面の金属化部分とは異なる)によって、上方および/または下方のタブと熱的に連結され、それによって、熱シンク要素の外部への熱接触が改善される。より多くの熱を外部に消散しなければならない場合は、3Dモジュールの1つの側面をこの目的のために専用に用いることが可能である。これは、熱シンク要素45の寸法を、その側面の1つが各段のこの側面と同一平面になるように調整し、続いて、これらの要素の側面を一緒に熱的に連結するように全面を金属化することによって行われる。3Dモジュールのこの側面は、従って、垂直方向の電気的な相互接続機能を設けるためのものとしては用いられない。
【0051】
図7a〜7eに関連して説明する本発明の第2の実施形態によれば、格子40が、図7aに示すように、チップの前面側12に接合される。この格子は金属格子である。この実施形態は、例えば次のステップに従って実行される。すなわち、
−格子の網目セルの間から落下しない程度に十分に固いポリマー接着剤70のフィルムを、前もって製造された金属格子40の上に載せる。このフィルムは、通常、エポキシ接着剤のフィルム、または硬化可能なポリマー製の接着性フィルムである。
−チップ10をその接着剤フィルム70の上に移載し、樹脂注入前に各チップを格子上の所定位置に堅固に維持するように、接着剤を硬化させることによって(好ましくは高温よりも室温で、UVまたはマイクロ波硬化によって)、チップ10を接着剤フィルム70に接合する。ポリマー接着剤70の転移温度は、注入樹脂が硬化している間、各チップを所定位置に維持するその特性を失わないようにするため、注入樹脂50の硬化温度を超えるものでなければならない。この実施形態においては、格子40は、前記の例における支持体22と同様にチップ用の支持体としても作用する。例えば、格子40は図2b、2cおよび2dに関連して述べた格子の形状を有する。接着剤フィルム70は、2つの機能、すなわち、接着支持体21の機能と、前記の例のチップおよび格子間のポリマー接着剤30の機能とを有する。
−続いて、チップを埋め込み成形して取り扱い可能な堅固な基板を形成するために、樹脂50を堆積させかつ硬化させる。
−次に、金属格子40を、前記の例の場合にすでに見たように、例えばそれを溶解することによって除去する。
−さらに、接続パッド11を露出させるためだけに、接着剤フィルム70を、全体としてあるいは部分的に、化学溶解またはレーザアブレーションまたはフォトエッチングまたはプラズマエッチングによって除去する。そして、
−その次に、チップの接続パッドをチップの周囲に接続するように、いくつかの接続層を含むことができるRDL層を当業者に知られた方法で形成する。
【0052】
図7aおよび7bに示す態様によれば、格子の形状は、これらのパッドと垂直方向において同心に合致する部分が全くないような形状である。この場合は、格子は完全には除去されない。前記のように、格子の部分45および47は、熱を消散させるための熱シンク要素として用いるのが有利である。バー46は、すでに見たように、後刻にウエハがのこ切断される際に除去されるであろう。切り込み線が図7eに示されている。格子は、例えばタブ47を有する形状のような、熱シンク要素を有する変形態様に関連して述べたような形状を有するが、補足的な制約も伴っている。すなわち、熱シンク要素45の寸法は、前面側13の寸法より小さくなければならないだけでなく、図7bに見ることができるように、チップの接続パッド11によって画定される活性面12の面積の寸法よりも小さいものでなければならない。このように、格子の形状は、これらの接続パッドと垂直方向において同心に合致する部分が全くないような形状である。
【0053】
従来、格子は、前もって、すなわちチップに接合する前に製造された。
【0054】
第2の実施形態の一変形態様によれば、例えば次のステップを含むことができる。すなわち、
−ポリマー接着剤のフィルムを中実の金属支持ウエハの上に載せる。
−チップをその接着剤フィルムの上に移載し、樹脂注入前にこれらの各チップを支持ウエハ上の所定位置に堅固に位置決めするように、接着剤を硬化させて(好ましくは高温よりも室温で、UVまたはマイクロ波硬化によって)接合する。
−続いて、チップを埋め込み成形して取り扱い可能な堅固な基板を形成するために、樹脂を堆積させかつ硬化させる。
−次に、支持ウエハを、前記の例の場合にすでに見たように、例えばそれを吸収することによって除去する。
−さらに、接続パッドを露出させるためだけに、接着剤フィルムを、全体としてあるいは部分的に、化学溶解またはレーザアブレーションまたはフォトエッチングまたはプラズマエッチングによって除去する。そして、
−その次に、チップの接続パッドをチップの周囲に接続するために、いくつかの接続層を含むことができるRDL層を当業者に知られた方法で形成する。
【0055】
これによって再構成ウエハが製造される。
【0056】
しかし、熱シンク要素をチップの前面側に維持したい場合は、(熱シンク要素に相当する)支持ウエハのこの部分は保存される。但し、少なくとも、パッドと垂直方向において同心に合致する支持ウエハの部分は除去することが必要である。この部分はフォトエッチングによって除去される。これは、格子の所定位置における(in situ)製造と同じことである。
【0057】
この場合、接着剤フィルム70の除去は、上記のように、チップの接続パッド11をRDL層に接続する目的でチップの接続パッド11を露出させるための部分的除去である。
【0058】
次に、誘電体層15aを例えばフォトエッチングによって堆積させ、続いて、図7dおよび7eに示すように、TiPd/AuまたはTiW/Cuのトラック15bを堆積させることによって、RDL層を構成するステップを実施する。これは、非平面状の表面に構成する必要があるので、前記の場合よりも難しい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面側(12)と呼称されるチップの1つの面に接続パッド(11)を有するチップ(10)を含む再構成ウエハ(1)の製造方法であって、次のステップ、すなわち、
−チップ(10)を、接着支持体(20)の上の所定位置に、前面側を下にして載せるステップと、
−チップを封止するために前記支持体(20)上に樹脂(50)を堆積させるステップと、
−前記樹脂(50)を硬化させるステップと、
を含む方法において、
−前記樹脂堆積ステップの前に、チップの上に、チップを位置決めするための支持ウエハ(40)であって、チップの1つの面上(12、13)に載せられる部分を有する支持ウエハ(40)を接合するステップを含む、
ことを特徴とする、再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項2】
チップ(10)の主材料が約3ppm/℃の膨張係数を有するので、前記支持ウエハ(40)の材料は10ppm/℃未満の膨張係数を有することを特徴とする、請求項1に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項3】
前記支持ウエハ(40)が、完全に金属または部分的に金属であることを特徴とする、請求項1または2に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項4】
前記支持ウエハ(40)の金属部分が、銅、ニッケルまたはアルミニウム製、あるいは、フェロニッケル合金またはKovar合金またはInvar合金製であることを特徴とする、請求項3に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項5】
前記支持ウエハ(40)が100〜500μmの間の厚さを有し、この厚さは、再構成ウエハ(1)の平面に対して垂直の方向に取られることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項6】
前記支持ウエハ(40)が、中実ウエハ、または開口(44)を有する格子であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項7】
前記支持ウエハが、打ち抜きされたまたはフォトエッチングされた金属格子(40)であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項8】
前記硬化のステップの後に、前記支持ウエハ(40)を完全にまたは部分的に取り除くステップを含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項9】
前記支持ウエハ(40)の一部が、さらに、チップ(10)が発生する熱を消散させるように意図された熱シンク要素(45)であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項10】
前記支持ウエハが、チップ(10)の裏面側(13)に接合される格子(40)であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項11】
前記格子のチップへの接合が、前記チップの裏面側(13)にポリマー接着剤(30)を堆積させるステップと、その接着剤の上に前記格子(40)の要素を位置決めするように前記格子を所定位置に載せるステップと、続いて前記接着剤を硬化させるステップとを含むことを特徴とする、請求項10に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項12】
前記格子(40)が、2つの部分、すなわち、格子を形成する第1部分(42)と、第2部分を形成するピラー(43)とを含み、このピラーは前記第1部分を貫通していることを特徴とする、請求項10または11に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項13】
前記ピラー(43)の一部分が、前記格子の除去ステップ後にもチップ(10)に接合されたまま残ることを特徴とする、請求項12に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項14】
前記格子の第1部分(42)がセラミック製であることを特徴とする、請求項12または13に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項15】
前記格子の第1部分(42)が、ガラスまたはアルミナまたは窒化アルミニウム製であることを特徴とする、請求項14に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項16】
前記支持ウエハ(40)をチップの前面側(12)に接合することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項17】
前記支持ウエハのチップへの接合が、その支持ウエハ(40)の上に接着剤フィルム(70)を載せるステップと、チップの前面側(12)をその支持ウエハに接合するようにチップ(10)を前記フィルムの上の所定位置に載せるステップと、前記接着剤フィルム(70)を硬化させるステップとを含むことを特徴とする、請求項16に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項18】
樹脂硬化後に、前記支持ウエハ(40)を完全にまたは部分的に取り除くステップを含むことを特徴とする、請求項16または17に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項19】
前記接着剤(30、70)を、100℃未満の温度で、および/または、紫外線および/またはマイクロ波放射によって硬化させることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一項に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項1】
前面側(12)と呼称されるチップの1つの面に接続パッド(11)を有するチップ(10)を含む再構成ウエハ(1)の製造方法であって、次のステップ、すなわち、
−チップ(10)を、接着支持体(20)の上の所定位置に、前面側を下にして載せるステップと、
−チップを封止するために前記支持体(20)上に樹脂(50)を堆積させるステップと、
−前記樹脂(50)を硬化させるステップと、
を含む方法において、
−前記樹脂堆積ステップの前に、チップの上に、チップを位置決めするための支持ウエハ(40)であって、チップの1つの面上(12、13)に載せられる部分を有する支持ウエハ(40)を接合するステップを含む、
ことを特徴とする、再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項2】
チップ(10)の主材料が約3ppm/℃の膨張係数を有するので、前記支持ウエハ(40)の材料は10ppm/℃未満の膨張係数を有することを特徴とする、請求項1に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項3】
前記支持ウエハ(40)が、完全に金属または部分的に金属であることを特徴とする、請求項1または2に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項4】
前記支持ウエハ(40)の金属部分が、銅、ニッケルまたはアルミニウム製、あるいは、フェロニッケル合金またはKovar合金またはInvar合金製であることを特徴とする、請求項3に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項5】
前記支持ウエハ(40)が100〜500μmの間の厚さを有し、この厚さは、再構成ウエハ(1)の平面に対して垂直の方向に取られることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項6】
前記支持ウエハ(40)が、中実ウエハ、または開口(44)を有する格子であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項7】
前記支持ウエハが、打ち抜きされたまたはフォトエッチングされた金属格子(40)であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項8】
前記硬化のステップの後に、前記支持ウエハ(40)を完全にまたは部分的に取り除くステップを含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項9】
前記支持ウエハ(40)の一部が、さらに、チップ(10)が発生する熱を消散させるように意図された熱シンク要素(45)であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項10】
前記支持ウエハが、チップ(10)の裏面側(13)に接合される格子(40)であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項11】
前記格子のチップへの接合が、前記チップの裏面側(13)にポリマー接着剤(30)を堆積させるステップと、その接着剤の上に前記格子(40)の要素を位置決めするように前記格子を所定位置に載せるステップと、続いて前記接着剤を硬化させるステップとを含むことを特徴とする、請求項10に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項12】
前記格子(40)が、2つの部分、すなわち、格子を形成する第1部分(42)と、第2部分を形成するピラー(43)とを含み、このピラーは前記第1部分を貫通していることを特徴とする、請求項10または11に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項13】
前記ピラー(43)の一部分が、前記格子の除去ステップ後にもチップ(10)に接合されたまま残ることを特徴とする、請求項12に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項14】
前記格子の第1部分(42)がセラミック製であることを特徴とする、請求項12または13に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項15】
前記格子の第1部分(42)が、ガラスまたはアルミナまたは窒化アルミニウム製であることを特徴とする、請求項14に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項16】
前記支持ウエハ(40)をチップの前面側(12)に接合することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項17】
前記支持ウエハのチップへの接合が、その支持ウエハ(40)の上に接着剤フィルム(70)を載せるステップと、チップの前面側(12)をその支持ウエハに接合するようにチップ(10)を前記フィルムの上の所定位置に載せるステップと、前記接着剤フィルム(70)を硬化させるステップとを含むことを特徴とする、請求項16に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項18】
樹脂硬化後に、前記支持ウエハ(40)を完全にまたは部分的に取り除くステップを含むことを特徴とする、請求項16または17に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【請求項19】
前記接着剤(30、70)を、100℃未満の温度で、および/または、紫外線および/またはマイクロ波放射によって硬化させることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一項に記載の再構成ウエハ(1)の製造方法。
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図5a】
【図5c】
【図5e】
【図6】
【図7a】
【図7c】
【図7d】
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図2e】
【図2f】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図4e】
【図5b】
【図5d】
【図7b】
【図7e】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図5a】
【図5c】
【図5e】
【図6】
【図7a】
【図7c】
【図7d】
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図2e】
【図2f】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図4e】
【図5b】
【図5d】
【図7b】
【図7e】
【公表番号】特表2012−520558(P2012−520558A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−553423(P2011−553423)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【国際出願番号】PCT/EP2010/052964
【国際公開番号】WO2010/102996
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(507091026)
【氏名又は名称原語表記】3D PLUS
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【国際出願番号】PCT/EP2010/052964
【国際公開番号】WO2010/102996
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(507091026)
【氏名又は名称原語表記】3D PLUS
【Fターム(参考)】
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