説明

制限速度報知装置および制限速度報知装置用のプログラム

【課題】車線によって制限速度が異なるような道路に対応した制限速度表示の技術を提供する。
【解決手段】車両用ナビゲーション装置は、路面カメラによって撮影された画像に基づいて、複数車線道路中の自車線の制限速度を特定し、特定した自車線制限速度の表示36を地図表示画像30に重畳する。また、自車線の制限速度と隣接車線の制限速度とが異なっている場合、その旨の注意表示37および隣接車線の制限速度の表示37、38を地図表示画像30に重畳する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制限速度報知装置および制限速度報知装置用のプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両が走行している道路の制限速度を特定し、特定した制限速度を当該車両のドライバに報知する車載装置の技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−256165号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の技術は、1つの道路中では制限速度が同じであることを前提とした技術である。しかし、同じ道路中でも、車線によって制限速度が異なるような場合も考えられる。
【0004】
本発明は上記点に鑑み、車線によって制限速度が異なるような道路に対応した制限速度表示の技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、車両に搭載される制限速度報知装置が、複数車線道路中のうち、当該車両が走行している車線(以下、自車線という)についての制限速度(以下、自車線制限速度という)を特定し、特定した自車線制限速度をドライバに報知することである。このようになっていることで、ドライバは自車線の走行速度を知ることができる。
【0006】
また、請求項2に記載のように、制限速度報知装置は、当該車両に搭載されたカメラ(10a)によって撮影された自車線上の制限速度標識に基づいて、自車線制限速度を特定するようになっていてもよい。
【0007】
これ以外の方法としては、例えば、自車線を特定し、あらかじめ各車線について記録された制限速度情報のうち自車線に該当する情報を読み出すことで、自車線制限速度を特定する方法がある。
【0008】
後者の方法でも、本発明の目的を達成することは可能である。しかし、後者の方法では、現実の制限速度が記録された制限速度情報から変わってしまった場合、正確でない制限速度情報を表示してしまう可能性がある。また、自車線を特定するという高精度の自車位置特定を行う必要がある。
【0009】
一方、前者では、現在自車両が走行している時点におけるカメラ画像を用いることで、現状と一致する制限速度の表示を行うことができる。また、自車線を特定することが必須ではなくなるので、自車線制限速度の特定が容易である。
【0010】
また、請求項3に記載のように、複数車線道路中で自車線に隣接する隣接車線についての制限速度(以下、隣接車線制限速度という)を特定するようになっていてもよい。この場合、制限速度報知装置は、特定された隣接車線制限速度が自車線制限速度と異なっていることに基づいて、自車線と隣接車線とで制限速度が異なる旨をドライバに報知するようになっていてもよい。
【0011】
このような報知を行うことで、ドライバは、隣接車線も自車線と同じ制限速度だと勘違いしてしまう可能性が低下する。その結果、自車両を車線変更した後も、ドライバは新たな自車線の制限速度に注意を払うようになり、その結果、交通安全に寄与することになる。
【0012】
あるいは、請求項4に記載のように、制限速度報知装置は、特定された隣接車線制限速度が自車線制限速度と異なっていることに基づいて、特定した自車線制限速度と共に特定した隣接車線制限速度をドライバに報知するようになっていてもよい。
【0013】
このような直接的な報知を行うことで、ドライバは、この報知に基づいて、例えば、「隣の車線の方が制限速度が高いのでそちらに車線変更する」等の判断を行うことができるので、運転の利便性が高まる。
【0014】
また、請求項5に記載のように、制限速度報知装置は、自車両に搭載されたカメラ(10a)によって撮影された隣接車線上の制限速度標識に基づいて、隣接車線制限速度を特定するようになっていてもよい。
【0015】
この場合も、現在自車両が走行している時点におけるカメラ画像を用いることで、現状と一致する制限速度の表示を行うことができる。また、自車線を特定することが必須ではなくなるので、自車線制限速度の特定が容易である。
【0016】
また、請求項6に記載のように、制限速度報知装置は、上記の複数車線道路中の各車線についての制限速度の情報をあらかじめ記憶している記憶媒体から、当該情報を読み取る読み取り装置(16)を備えていてもよい。
【0017】
この場合、制限速度報知装置は、特定した自車線制限速度が、当該記憶媒体中に記録された自車線の制限速度と異なっていることに基づいて、その異なっている旨の報知をドライバに行うようになっていてもよい。
【0018】
このような報知を受けることで、ドライバは、記録された制限速度情報が古いものであり、更新の必要があることを知ることができる。
【0019】
また、請求項7に記載のように、請求項1の発明の特徴は、プログラムとしても捉えることができる。
【0020】
なお、上記および特許請求の範囲における括弧内の符号は、特許請求の範囲に記載された用語と後述の実施形態に記載される当該用語を例示する具体物等との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係る車両用ナビゲーション装置(制限速度報知装置の一例に相当する)1のハードウェア構成を示す。この車両用ナビゲーション装置1は、路面カメラ10a、前方カメラ10b、位置検出器11、画像表示装置12、操作部13、スピーカ14、地図データ取得部16、および制御回路17を有している。
【0022】
路面カメラ10aは、車両用ナビゲーション装置1が搭載される車両の前方に取り付けられ、当該車両の前方の路面を繰り返し(例えば1秒に30回)撮影し、撮影したカメラ画像を逐次制御回路17に出力する。なお、路面カメラ10aの撮影範囲は、自車両の走行車線(以下、自車線という)、および、その走行車線に隣接する(すなわち両隣の)車線(以下、それぞれ隣接車線という)の路面をカバーすることができる程度の広さとなっている。
【0023】
前方カメラ10bは、自車両の前方に取り付けられ、自車両の前方やや上側を繰り返し(例えば1秒に30回)撮影し、撮影したカメラ画像を逐次制御回路17に出力する。なお、前方カメラ10bの撮影範囲は、道路脇にある看板型の道路標識をカバーできる程度の広さを有している。
【0024】
位置検出器11は、いずれも周知の図示しない地磁気センサ、ジャイロスコープ、車速センサ、およびGPS受信機等のセンサを有しており、これらセンサの各々の性質に基づいた、車両の現在位置、向き、および速度を特定するための情報を制御回路17に出力する。
【0025】
画像表示装置12は、制御回路17から出力された映像信号に基づいた映像をユーザに表示する。表示映像としては、例えば現在地を中心とする地図等がある。
【0026】
操作部13は、車両用ナビゲーション装置1に設けられた複数のメカニカルスイッチ、画像表示装置12の表示面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置から成り、ユーザによるメカニカルスイッチの押下、タッチパネルのタッチに基づいた信号を制御回路17に出力する。
【0027】
地図データ取得部16は、DVD、CD、HDD等の不揮発性の記憶媒体およびそれら記憶媒体に対してデータの読み出し(および可能ならば書き込み)を行う装置から成る。当該記憶媒体は、制御回路17が実行するプログラム、経路案内用の地図データ等を記憶している。
【0028】
地図データは、道路データおよび施設データを有している。施設データは、施設の名称情報、所在位置情報、施設種類情報等を示すデータを有している。道路データは、リンクの位置情報、リンクの種別情報、ノードの位置情報、ノード種別情報、および、ノードとリンクとの接続関係の情報等を含んでいる。
【0029】
また、道路データは、リンク毎に、当該リンク内の各車線の制限速度の情報を有している。同じリンク内の同じ向きの各車線においては、制限速度がすべて同じである場合もあれば、互いに異なっている場合もある。
【0030】
制御回路(コンピュータに相当する)17は、CPU、RAM、ROM、I/O等を有するマイコンである。CPUは、ROMまたは地図データ取得部16から読み出した車両用ナビゲーション装置1の動作のためのプログラムを実行し、その実行の際にはRAM、ROM、および地図データ取得部16から情報を読み出し、RAMおよび(可能であれば)地図データ取得部16の記憶媒体に対して情報の書き込みを行い、位置検出器11、画像表示装置12、操作部13、、地図データ取得部16スピーカ14と信号の授受を行う。
【0031】
制御回路17がプログラムを実行することによって行う具体的な処理としては、現在位置特定処理、地図表示処理、誘導経路算出処理、経路案内処理等がある。
【0032】
現在位置特定処理は、位置検出器11からの信号に基づいて、周知のマップマッチング等の技術を用いて車両の現在位置や向きを特定する処理である。
【0033】
地図表示処理は、車両の現在位置の周辺等の特定の領域の地図を、画像表示装置12に表示させる処理である。この際、地図表示のために用いる情報は、地図データから取得する。
【0034】
誘導経路算出処理は、操作部13からユーザによる目的地の入力を受け付け、現在位置から当該目的地までの最適な誘導経路を算出する処理である。
【0035】
経路案内処理は、右左折交差点等の案内ポイントの手前に自車両が到達したときに、右折、左折等を指示する案内音声をスピーカ14に出力させ、当該案内ポイントの拡大図を画像表示装置12に表示させる処理である。
【0036】
以下、地図表示処理について詳述する。制御回路17は、地図表示処理において、車両の走行中、現在位置周辺の地図を画像表示装置12に表示させると共に、自車線の制限速度に関する各種情報を地図に重畳して表示させる。この制限速度に関する情報の重畳表示のために、制御回路17は、図2に示すプログラム100を繰り返し実行するようになっている。
【0037】
このプログラム100の実行において、制御回路17は、まずステップ110で、路面カメラ10aからのカメラ画像を取得し、そのカメラ画像に基づいて、自車線の制限速度(以下、自車線制限速度という)を特定する。
【0038】
具体的には、道路の白線を周知の画像認識技術で認識することで自車線と隣接車線を区別し、続いて、特定した自車線の領域中で、制限速度の標識(具体的には、数字を描いた路上ペイント)の検出を、画像認識技術により試みる。そして、この検出の試みに成功すると、当該標識の示す制限速度(すなわち、自車線制限速度)を、文字認識技術により特定する。
【0039】
続いてステップ120では、特定した自車線制限速度を画像表示装置12に表示させる。表示の形式は、例えば、図3に示すように、地図表示画像30への重畳という形式を採用する。図3の例においては、複数車線道路31、複数車線道路31上の自車位置32が重畳された地図表示画像30の右上部分に、自車線制限速度の文字表示33が重畳されている。
【0040】
続いてステップ130では、地図データ取得部16を用いて、地図データから、自車線の制限速度の情報を読み出し、読み出した制限速度と、ステップ110で特定した自車線制限速度とが異なっているか否かを判定し、異なっている場合続いてステップ140を実行し、異なっていない場合(すなわち同じ場合)プログラム100の1回分の実行を終了する。
【0041】
ステップ140では、地図データ中の自車線の制限速度の情報が、路面の標識を撮影することで特定した情報と食い違っている旨を、画像表示装置12に表示させる。表示の形式は、例えば、図4に示すように、地図表示画像30への重畳という形式を採用する。図4の例においては、複数車線道路31、複数車線道路31上の自車位置32、自車線制限速度表示34が重畳された地図表示画像30の下部分に、地図データ中の自車線の制限速度の情報が現実と異なっている旨の注意表示35が重畳されている。また、この注意表示35は、地図データの更新(より具体的には、新たな地図ディスクへの交換)を促す表示を含んでいる。
【0042】
また、このような注意表示35を表示する際には、ステップ110で特定した自車線制限速度の表示を、注意表示35を表示しない場合に比べて異なる形式で(例えば色を変えて)、行うようになっていてもよい。ステップ140の後、プログラム100の1回分の実行を終了する。
【0043】
以上のようなプログラム100を繰り返し実行することで、車両用ナビゲーション装置1は、路面カメラ10aによって撮影された画像に基づいて、複数車線道路中の自車線の制限速度を特定し(ステップ110参照)、特定した自車線制限速度を画像表示装置12に表示させる(ステップ120参照)。このようになっていることで、ドライバは自車線の走行速度を知ることができる。
【0044】
そして制御回路17は、特定した自車線制限速度が地図データ中の自車線の制限速度の情報と異なっている場合(ステップ130参照)、異なっている旨の表示および地図データを更新するよう促す表示を、画像表示装置12に同時に行わせる(ステップ140参照)。このような表示による報知を受けることで、ドライバは、地図データ中の制限速度情報が古いものであり、更新(書き換え、新しいい地図ディスクへの交換等)の必要があることを、制限速度情報を利用して、知ることができる。
【0045】
また、制御回路17は、車両に搭載された路面カメラ10aによって撮影された自車線上の制限速度標識に基づいて、自車線制限速度を特定する。これ以外の方法としては、例えば、自車線を特定し、あらかじめ各車線について記録された制限速度情報のうち自車線に該当する情報を読み出すことで、自車線制限速度を特定する方法がある。
【0046】
後者の方法でも、本発明の目的を達成することは可能である。しかし、後者の方法では、現実の制限速度が記録された制限速度情報から変わってしまった場合、正確でない制限速度情報を表示してしまう可能性がある。また、自車線を特定するという高精度の自車位置特定を行う必要がある。
【0047】
一方、前者では、現在自車両が走行している時点におけるカメラ画像を用いることで、現状と一致する制限速度の表示を行うことができる。また、自車線を特定することが必須ではなくなるので、自車線制限速度の特定が容易である。
【0048】
さらに制御回路17は、地図表示処理において、隣接車線の制限速度に関する各種情報を地図に重畳して表示させるため、プログラム100の実行と並列的に、図5に示すプログラム200を繰り返し実行するようになっている。
【0049】
このプログラム200の実行において、制御回路17は、まずステップ210で、前方カメラ10bから取得したカメラ画像に基づいて、車線別速度規制区間の開始を示す所定の標識の検出の試みを、成功するまで繰り返し、成功すると、続いてステップ220を実行する。なお、制御回路17は、画像認識技術を用いて、あらかじめ地図データ取得部16の記憶媒体に記録された上記標識の画像と前方カメラ10bカメラ画像とを比較することで、上記検出の試みを実行する。
【0050】
ステップ220では、路面カメラ10aからのカメラ画像を取得し、そのカメラ画像に基づいて、隣接車線の制限速度(以下、隣接車線制限速度という)を特定する。具体的には、道路の白線を周知の画像認識技術で認識することで自車線と隣接車線を区別し、続いて、特定した隣接車線の領域中で、制限速度の標識(具体的には、数字を描いた路上ペイント)の検出を、画像認識技術により試みる。そして、この検出の試みに成功すると、当該標識の示す制限速度(すなわち、隣接車線制限速度)を、文字認識技術により特定する。
【0051】
続いてステップ230では、ステップ220で特定した隣接車線制限速度のうち、プログラム100の繰り返し実行において最後にステップ110で特定された自車線制限速度と異なるものがあるか否かを判定し、あれば、車線ごとに制限速度が異なる旨(または、自車線と隣接斜線で制限速度が異なる旨)およびすべての隣接車線制限速度を、画像表示装置12に表示させる。
【0052】
表示の形式は、例えば、図6に示すように、地図表示画像30への重畳という形式を採用する。図6の例においては、複数車線道路31、複数車線道路31上の自車位置32、および自車線制限速度表示36が重畳された地図表示画像30の右端部に、車線ごとに制限速度が異なる旨を示す注意表示37が重畳されている。さらに、地図表示画像30の自車位置32の左側には、自車線の左側の隣接車線の制限速度を示す文字表示38が、自車位置32の右側には、自車線の右側の隣接車線の制限速度を示す文字表示39が、それぞれ重畳されている。
【0053】
続いてステップ240では、自車両が走行車線を変更したか否かを判定し、変更した場合は再度ステップ220を実行し、変更していない場合は続いてステップ250を実行する。車線変更があった否かの判定は、例えば、図示しないウィンカの作動信号を用いることで実現してもよいし、位置検出器11からの各種情報に基づいて実現してもよい。
【0054】
ステップ250では、前方カメラ10bから取得したカメラ画像に基づいて、車線別速度規制区間の終了を示す所定の標識の検出を、ステップ210と同様の方法で試み、成功するとプログラム200の1回分の実行を終了し、失敗すると再度ステップ240を実行する。
【0055】
以上のようなプログラム200を実行することで、制御回路17は、車線別速度規制区間の開始を示す標識を検出してから(ステップ210参照)、車線別速度規制区間の終了を示す標識を検出するまでの期間(ステップ250参照)、複数車線道路中で隣接車線制限速度を特定し(ステップ220参照)、特定した隣接車線制限速度が自車線制限速度と異なっている場合に、その旨および隣接車線の制限速度を表示させる(ステップ230参照)。
【0056】
このように、隣接車線制限速度が自車線制限速度と異なっている旨の報知を行うことで、ドライバは、隣接車線も自車線と同じ制限速度だと勘違いしてしまう可能性が低下する。その結果、自車両を車線変更した後も、ドライバは新たな自車線の制限速度に注意を払うようになり、その結果、交通安全に寄与することになる。
【0057】
また、直接的に隣接車線制限速度の報知を行うことで、ドライバは、この報知に基づいて、例えば、「隣の車線の方が制限速度が高いのでそちらに車線変更する」等の判断を行うことができるので、運転の利便性が高まる。
【0058】
また、制御回路17は、車線別速度規制区間の走行中に、自車両の車線変更があって初めて(ステップ240参照)、隣接車線制限速度の特定および表示を再度行う。このようにすることで、適切な表示を維持しつつも、制御回路17の処理負荷を低減することができる。
【0059】
また、制御回路17は、車線別速度規制区間に入ったというだけでは、車線ごとに制限速度が異なるという表示は行わない。すなわち、車線別速度規制区間に入り、かつ、自車線制限速度と隣接車線制限速度とが異なった場合にのみ、車線ごとに制限速度が異なる旨の表示を行う。例えば、片側5車線の複数車線道路において、右側3車線の制限速度が時速80キロであり、左側2車線の制限速度が時速60キロであり、左端の車線が自車線である場合、車線ごとに制限速度が異なるという表示は行わない。このようにすることで、遠く離れた車線の制限速度の情報をドライバに報知することがないので、ドライバに提供する情報が過多となってしまう可能性を低減することができる。
【0060】
また、制御回路17は、隣接道路のみで、自車線、隣接車線以外の車線があっても、それの制限速度は表示しない。このようにすることで、遠く離れた車線の制限速度の情報をドライバに報知することがないので、ドライバに提供する情報が過多となってしまう可能性を低減することができる。
【0061】
また、制限速度報知装置は、自車両に搭載された路面カメラ10aによって撮影された隣接車線上の制限速度標識に基づいて、隣接車線制限速度を特定するようになっている。このように、現在自車両が走行している時点におけるカメラ画像を用いることで、現状と一致する制限速度の表示を行うことができる。また、自車線を特定することが必須ではなくなるので、自車線制限速度の特定が容易である。
【0062】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の各発明特定事項の機能を実現し得る種々の形態を包含するものである。
【0063】
例えば、上記実施形態においては、自車線制限速度、隣接車線制限速度、地図データ中の制限速度情報が間違っている旨、自車線制限速度と隣接車線制限速度が異なっている旨を、地図表示画像30に重畳させて画像表示装置12に表示させていたが、これらの情報は、スピーカ14を用いて音声で報知してもよい。
【0064】
また、制御回路17は、特定した隣接車線制限速度が地図データ中の当該隣接車線の制限速度の情報と異なっているか否かを判定し、異なっている場合、異なっている旨の表示および地図データを更新するよう促す表示を、画像表示装置12に行わせるようになっていてもよい。
【0065】
制御回路17は、ステップ230では、車線ごとに制限速度が異なる旨の表示、および隣接車線制限速度のうち、いずれか一方のみの表示を画像表示装置12に行わせるようになっていてもよい。
【0066】
また、上記の実施形態において、制御回路17がプログラムを実行することで実現している各機能は、それらの機能を有するハードウェア(例えば回路構成をプログラムすることが可能なFPGA)を用いて実現するようになっていてもよい。
【0067】
また、本発明の制限速度報知装置は、必ずしも誘導経路算出処理、経路案内処理等を実行しなくともよい。すなわち、自車線についての制限速度を特定し、特定した制限速度をドライバに報知する機能さえ有していれば、本発明の制限速度報知装置たり得る。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用ナビゲーション装置1の構成図である。
【図2】制御回路17が実行するプログラム100のフローチャートである。
【図3】自車線制限速度表示の一例33を示す図である。
【図4】自車線制限速度表示および注意表示の一例34、35を示す図である。
【図5】制御回路17が実行するプログラム200のフローチャートである。
【図6】自車線制限速度表示、注意表示、および隣接車線制限速度表示の一例36〜39を示す図である。
【符号の説明】
【0069】
1 車両用ナビゲーション装置
10a 路面カメラ
10b 前方カメラ
16 地図データ取得部
17 制御回路
30 地図表示画像
31 複数車線道路
32 自車位置
33、34、36 自車線制限速度表示
35、37 注意表示
38、39 隣接車線制限速度表示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される制限速度報知装置であって、
複数車線道路中のうち、前記車両が走行している車線(以下、自車線という)についての制限速度(以下、自車線制限速度という)を特定する特定手段(110、220)と、
特定された前記自車線制限速度をドライバに報知する報知手段(120、140、230)と、を備えた制限速度報知装置。
【請求項2】
前記特定手段(110、220)は、前記車両に搭載されたカメラ(10a)によって撮影された前記自車線上の制限速度標識に基づいて、前記自車線制限速度を特定することを特徴とする請求項1に記載の制限速度報知装置。
【請求項3】
前記特定手段(110、220)は、前記複数車線道路中で前記自車線に隣接する隣接車線についての制限速度(以下、隣接車線制限速度という)を特定し、
前記報知手段(120、140、230)は、特定された前記隣接車線制限速度が前記自車線制限速度と異なっていることに基づいて、自車線と隣接車線とで制限速度が異なる旨を前記ドライバに報知することを特徴とする請求項1または2に記載の制限速度報知装置。
【請求項4】
前記特定手段(110、220)は、前記複数車線道路中で前記自車線に隣接する隣接車線についての制限速度(以下、隣接車線制限速度という)を特定し、
前記報知手段(120、140、230)は、特定された前記隣接車線制限速度が前記自車線制限速度と異なっていることに基づいて、前記自車線制限速度と共に前記隣接車線制限速度を前記ドライバに報知することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の制限速度報知装置。
【請求項5】
前記特定手段(110、220)は、前記車両に搭載されたカメラ(10a)によって撮影された前記隣接車線上の制限速度標識に基づいて、前記隣接車線制限速度を特定することを特徴とする請求項3または4に記載の制限速度報知装置。
【請求項6】
前記複数車線道路中の各車線についての制限速度の情報をあらかじめ記憶している記憶媒体から、当該情報を読み取る読み取り装置(16)を備え、
前記報知手段(120、140、230)は、前記特定手段が特定した前記自車線制限速度が、前記記憶媒体中に記録された前記自車線の制限速度と異なっていることに基づいて、その異なっている旨の報知を前記ドライバに行うことを特徴とする請求項2に記載の制限速度報知装置。
【請求項7】
車両に搭載される制限速度報知装置に用いるプログラムであって、
複数車線道路中のうち、前記車両が走行している車線(以下、自車線という)についての制限速度(以下、自車線制限速度という)を特定する特定手段(110、220)、および
特定された前記自車線制限速度をドライバに報知する報知手段(120、140、230)として、コンピュータを機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−187166(P2009−187166A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−24812(P2008−24812)
【出願日】平成20年2月5日(2008.2.5)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】