説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】携帯電話機などに使用されるRFモジュールの小型化を図ることのできる技術を提供する。
【解決手段】RFモジュール25を構成する配線基板26上に、増幅回路が形成された半導体チップ28と、増幅回路を制御する制御回路が形成された半導体チップ27とを搭載する。そして、半導体チップ27上のボンディングパッド30と半導体チップ28上のボンディングパッド31とを中継パッドを介さずにワイヤ32で直接接続する。このとき、半導体チップ28上に形成されているボンディングパッド31の形状を正方形ではなく矩形形状(長方形)にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造技術に関し、特に、携帯電話機などに使用されるRF(Radio Frequency)モジュールの製造に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開2005−33350号公報(特許文献1)には、デュアルバンドに対応した電力増幅器を構成する半導体チップの1辺に出力端子(出力パッド)が形成され、この出力端子が形成された辺に交差する辺に入力端子(入力パッド)が形成されている技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005−33350号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば、ガリウム砒素(GaAs)などのIII−V族化合物半導体を使用した半導体素子がある。化合物半導体はシリコン(Si)に比べて移動度が大きく、半絶縁性結晶が得られる特徴を有する。また、化合物半導体は、混晶を作ることが可能であり、ヘテロ接合を形成することができる。
【0004】
ヘテロ接合を使用した半導体素子として、ヘテロ接合型バイポーラトランジスタ(以下、HBT(Heterojunction Bipolar Transistor)という)がある。このHBTは、ガリウム砒素をベース層に用い、インジウムガリウムリン(InGaP)またはアルミニウムガリウム砒素(AlGaAs)などをエミッタ層に用いたバイポーラトランジスタである。すなわち、HBTは、ベース層とエミッタ層で異なる半導体材料を使用してヘテロ接合を形成したバイポーラトランジスタである。
【0005】
このヘテロ接合により、ベースエミッタ接合におけるエミッタの禁制帯幅をベースの禁制帯幅より大きくすることができる。したがって、エミッタからベースへのキャリアの注入をベースからエミッタへの逆電荷のキャリアの注入に比べて極めて大きくすることができるので、HBTの電流増幅率は極めて大きくなる特徴がある。
【0006】
HBTは、上記したように電流増幅率が極めて大きくなることから、例えば、携帯電話機に搭載される高周波増幅装置(RFモジュール)に使用されている。RFモジュールでは、HBTを形成した半導体チップが配線基板に実装されている。
【0007】
近年、携帯電話機などの通信端末機器には多くの電子部品が組み込まれており、そのうち、携帯電話機の送信部に組み込まれるRFモジュールにおいては、急速な小型・高機能化が進んで来ている。
【0008】
ここで、HBTは、例えば、上記したように携帯電話機に搭載されるRFモジュールに使用されるが、このRFモジュールは、例えば3段階の増幅回路とこれらの増幅回路を制御する制御回路を含んでいる。そして、3段階の増幅回路にHBTが使用されている。図6は、本発明者らが検討したRFモジュール36を示す断面図である。図6において、RFモジュール36に含まれる3段階の増幅回路と制御回路とは、1つの半導体チップに形成されてはおらず、2つの半導体チップに分かれて形成されている。すなわち、3段階の増幅回路が化合物半導体よりなる半導体チップ28に形成され、制御回路がシリコンよりなる半導体チップ27に形成されている。そして、これら半導体チップ28と半導体チップ27は、配線基板26に2次元状に(平面状に)実装され、ワイヤボンディングによって配線基板26と電気接続されている。このとき、半導体チップ28と半導体チップ27との間もワイヤによって接続されているが、半導体チップ28と半導体チップ27の接続は、中継パッド37を介して行なわれている。つまり、半導体チップ28に形成されているボンディングパッド38と中継パッド37がワイヤ39bにより接続され、この中継パッド37と半導体チップ27に形成されているボンディングパッド30が異なるワイヤ39aで接続されている。
【0009】
しかし、半導体チップ28と半導体チップ27とを中継パッド37を介して接続する場合、配線基板26上に中継パッド37を形成するスペースを確保しなければならず、RFモジュール36の小型化を図ることができない問題点がある。
【0010】
本発明の目的は、携帯電話機などに使用されるRFモジュールの小型化を図ることのできる技術を提供することにある。
【0011】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0013】
本発明による半導体装置は、(a)入力信号を増幅して出力信号を生成する増幅回路が形成された第1半導体チップと、(b)前記増幅回路を制御する制御回路が形成された第2半導体チップと、(c)前記第1半導体チップと前記第2半導体チップとを隣接して配置する配線基板とを備える。そして、前記第1半導体チップと前記第2半導体チップとはワイヤを用いて電気的に接続されており、前記ワイヤは、中継パッドを介さずに前記第1半導体チップと前記第2半導体チップとを直接接続していることを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明による半導体装置は、(a)複数の第1パッドを有する第1半導体チップと、(b)複数の第2パッドを有する第2半導体チップと、(c)前記第1半導体チップと前記第2半導体チップを搭載する配線基板と、(d)前記第1パッドと前記第2パッドとを直接接続する複数のワイヤとを備える。そして、前記複数の第1パッドまたは前記複数の第2パッドのいずれか一方は、矩形形状をしていることを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明による半導体装置の製造方法は、(a)入力信号を増幅して出力信号を生成する増幅回路が形成された第1半導体チップと、前記増幅回路を制御する制御回路が形成された第2半導体チップとを隣接して配置する工程を備える。また、(b)前記第1半導体チップに形成されている複数の第1パッドと前記第2半導体チップに形成されている複数の第2パッドとを、ワイヤを用いて直接接続する工程とを備える。そして、前記(b)工程は、前記複数の第2パッドから前記複数の第1パッドへ前記ワイヤを接続することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0017】
RFモジュールを構成する第1半導体チップと第2半導体チップにおいて、増幅回路が形成されている第1半導体チップと増幅回路を制御する制御回路が形成されている第2半導体チップとを、中継パッドを介さずにワイヤで直接接続している。このため、第1半導体チップと第2半導体チップを配置する配線基板上に、中継パッドを形成する必要がなくなるので、RFモジュールの小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0019】
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0020】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0021】
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0022】
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】
本実施の形態は、例えば、携帯電話機などに搭載されるRFモジュール(半導体装置)に本発明を適用したものである。
【0025】
(実施の形態1)
図1は、例えばデジタル携帯電話機における信号送受信部のブロック図を示したものである。図1において、携帯電話機における信号送受信部は、デジタル信号処理部1、IF(Intermediate Frequency)部2、変調信号源3、ミキサ4、RFモジュール5、アンテナスイッチ6、アンテナ7、低雑音増幅器8を有している。
【0026】
デジタル信号処理部1は、音声信号などのアナログ信号をデジタル処理してベースバンド信号を生成できるようになっており、IF部2は、デジタル信号処理部1で生成されたベースバンド信号を中間周波数の信号に変換することができるようになっている。
【0027】
変調信号源3は、周波数が安定な水晶発振器などの基準発振器を使用して変調信号を得るようにした回路であり、ミキサ4は、周波数を変換する周波数変換器である。
【0028】
RFモジュール5は、微弱な入力信号と相似な大電力の信号を電源から供給される電力で新たに生成して出力する回路である。
【0029】
アンテナスイッチ6は、デジタル携帯電話機に入力される入力信号とデジタル携帯電話機から出力される出力信号とを分離するためのものである。
【0030】
アンテナ7は、電波を送受信するためのものであり、低雑音増幅器8は、アンテナ7で受信した信号を増幅するためのものである。
【0031】
デジタル携帯電話機は、上記のように構成されており、以下に、その動作について簡単に説明する。まず、信号を送信する場合について説明する。デジタル信号処理部1で音声信号などのアナログ信号をデジタル処理することにより生成されたベースバンド信号は、IF部2において、中間周波数の信号に変換される。続いて、この中間周波数の信号は、変調信号源3およびミキサ4によって、無線周波数(RF(Radio Frequency)周波数)の信号に変換される。無線周波数に変換された信号は、RFモジュール5に入力される。RFモジュール5に入力した無線周波数の信号は、RFモジュール5で増幅された後、アンテナスイッチ6を介してアンテナ7より送信される。
【0032】
次に、信号を受信する場合について説明する。アンテナ7により受信された無線周波数の信号は、低雑音増幅器8で増幅される。続いて、低雑音増幅器8で増幅された信号は、変調信号源3およびミキサ4によって、中間周波数の信号に変換された後、IF部2に入力される。IF部2では、中間周波数の信号の検波が行なわれ、ベースバンド信号が抽出される。その後、このベースバンド信号は、デジタル信号処理部1で処理され、音声信号が出力される。
【0033】
上述したように、デジタル携帯電話機から信号を送信する際、RFモジュール5によって信号は増幅される。次に、このRFモジュール5の構成について説明する。
【0034】
図2は、本実施の形態1のRFモジュールにおける高周波増幅回路の回路ブロックを示したものである。図2を参照しながら、高周波増幅回路の回路ブロックについて説明する。図2において、高周波増幅回路は、制御回路10、増幅部11a〜11cおよび増幅部12a〜12cを有している。この高周波増幅回路は、2種類の周波数帯域の信号を増幅できるようになっている。すなわち、一方は、第1の周波数を利用したGSM(Global System for Mobile Communication)方式であり、周波数帯域として880MHz〜915MHzを使用している信号を増幅できるようになっている。また、他方は、第2の周波数を利用したDCS(Digital Communication System 1800)方式であり、周波数帯域として1710MHz〜1785MHzを使用している信号を増幅できるようになっている。
【0035】
上記した高周波増幅回路の中にある制御回路10は、制御信号を入力し、入力した制御信号に基づいて、増幅部11a〜11cおよび増幅部12a〜12cの各増幅部を制御するように構成されている。この制御回路10は、増幅部11a〜11cを制御する制御信号(Vcontrol(GSM))と増幅部12a〜12cを制御する制御信号(Vcontrol(DCS))とをそれぞれ別に入力することができるようになっており、増幅部11a〜11cを使用する場合は、Vcontrol(GSM)に基づいて制御し、増幅部12a〜12cを使用する場合は、Vcontrol(DCS)に基づいて制御するようになっている。このようにして、本実施の形態1の高周波増幅回路は、2種類の周波数帯域における信号の増幅を制御している。制御回路10は、例えばMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などから構成されている。
【0036】
増幅部11a〜11c(第1回路)は、GSM方式の入力電力(入力信号)Pin(GSM)を入力し、この入力電力Pin(GSM)を3段階にわたって増幅するように構成されている。すなわち、入力電力Pin(GSM)をまず増幅部11aで増幅した後、増幅部11aで増幅した電力を増幅部11bで増幅する。そして、増幅部11bで増幅した電力は、終段の増幅部11cで増幅された後、高周波増幅回路から出力信号として出力される。このように、増幅部11a〜11cでは、GSM方式による電力を増幅することができるようになっている。
【0037】
同様に、増幅部12a〜12c(第2回路)は、DCS方式の入力電力(入力信号)Pin(DCS)を入力して、3段階にわたって増幅するように構成されている。すなわち、入力電力Pin(DCS)を増幅部12aで増幅した後、さらに増幅部12bで増幅する。続いて、増幅部12bで増幅された電力は、増幅部12cでさらに増幅された後、高周波増幅回路から出力信号として出力される。このように増幅部12a〜12cでは、DCS方式による電力を増幅することができるようになっている。
【0038】
ここで、上述した増幅部11a〜11cと同様に増幅部12a〜12cも、例えば電流増幅率の大きなHBTから構成される。
【0039】
このように構成された高周波増幅回路は1つの半導体チップに形成されているのではなく、2つの半導体チップに分けて形成されている。すなわち、相対的に発熱量の多い増幅部11a〜11cおよび増幅部12a〜12cは化合物半導体を主成分とする第1半導体チップに形成され、相対的に発熱量の少ない制御回路10はシリコンを主成分とする第2半導体チップに形成されている。
【0040】
次に、制御回路による増幅部の制御を3段増幅部の最終段である増幅部を制御する例で説明する。
【0041】
図3は、増幅部と制御回路との回路構成を示す回路図である。図3において、最終段の増幅部は、中段の増幅部からの信号を入力する入力端子13を有し、この入力端子13は、整合回路14を介して信号を増幅する機能を有するHBT15のベース電極に接続されている。HBT15のエミッタ電極は接地されており、HBT15のコレクタ電極は、整合回路16を介して出力端子17に接続されている。このように構成された最終段の増幅部では、入力信号に対応してHBT15のベース電極とエミッタ電極間にベース電流が流れ、このベース電流に対応して、コレクタ電極からエミッタ電極に増幅された電流が流れる。これにより、出力端子から増幅された出力信号が出力される。ここで、入力信号は、高周波信号であるため、入力信号の波形と相似な出力信号を得るためには、HBT15の動作点を所定の位置にする必要がある。すなわち、入力信号がない状態でもHBT15をアイドリング動作させて、一定のコレクタ電流を流しておく必要がある。HBT15の動作点はアイドリング電流すなわち無信号時のコレクタ電流によって決まる。このため、HBT15の動作点を設定するには、アイドリング電流と一義的な関係にあるベース電流を所定の値に設定すればよい。このことから、増幅部を制御する制御回路が必要となり、制御回路によってHBT15に無信号時であっても所定のベース電流(バイアス電流)を流すようにしている。
【0042】
例えば、制御回路は、図3に示すように、HBT15のベース電流を電流源18から供給する構成となっている。つまり、制御回路においては、HBT15のベース電極にバイアス抵抗19および高周波閉塞用インダクタ20を介して電流源18が接続されている。この電流源18には、出力制御端子21、電源電圧検出回路22および電源電圧端子23が接続されており、電源電圧検出回路22には、電源電圧端子23が接続されている。
【0043】
制御回路はこのように構成されており、電流源18によってHBT15のベース電極にバイアス電流を供給することでHBT15の動作点を所定の位置に設定している。このバイアス電流の大きさは、電流源18に印加される出力制御電圧によって制御されている。そして、出力制御端子21に印加される出力制御電圧が所定値を超えると、電源電圧検出回路22が作動し、電流源18に印加される出力制御電圧を制限してバイアス電流を一定に保つようになっている。このバイアス電流の値は電源電圧に応じて設定されており、電源電圧が高いほど小さくなる。
【0044】
次に、本実施の形態1におけるRFモジュールの実装構成について説明する。図4は、本実施の形態1におけるRFモジュールの実装基板を示した平面図である。図4に示すように、本実施の形態1におけるRFモジュール25は、配線基板26上に半導体チップ(第2半導体チップ)27、半導体チップ(第1半導体チップ)28および受動部品29が搭載されている。配線基板26は、例えばプリント配線基板から構成されており、複数の誘電体層(絶縁層)を貼り合せた構造をしている。この配線基板26には、表面(主面)や裏面および内部に所定の配線が形成されているとともに、配線基板26の表面に形成された一部の配線と配線基板26の裏面に形成された一部の配線とは、配線基板26の厚さ方向に形成されたビアを介して電気的に接続されている。
【0045】
半導体チップ27は、シリコンを主成分とするものであり、増幅回路を制御する制御回路が形成されている。制御回路は主にMOSFETから形成されている。この半導体チップ27は四角形状をしており、外周部に沿って複数のボンディングパッド30が形成されている。複数のボンディングパッド30のうち一部は、半導体チップ28と接続するものである。半導体チップ28と接続するためのボンディングパッド30は、半導体チップ28に近い辺に形成されている。
【0046】
半導体チップ28は、ガリウム砒素(GaAs)などの化合物半導体を主成分とするものであり、増幅回路を構成するHBTが形成されている。この半導体チップ28も四角形状をしており、外周部に沿って複数のボンディングパッド31が形成されている。複数のボンディングパッド31は、半導体チップ27と接続するものであり、このボンディングパッド31は、半導体チップ27に近い辺に形成されている。ボンディングパッド31は、半導体チップ27に形成されているボンディングパッド30と電気的に接続するための制御用パッドである。
【0047】
制御回路が形成されている半導体チップ27とHBTが形成されている半導体チップ28とは、互いに隣接するように配置されている。これは、図3に示したように制御回路と増幅回路は電気的に接続しているため、制御回路が形成されている半導体チップ27とHBTが形成されている半導体チップ28とを電気的に接続する必要があるためである。
【0048】
半導体チップ27に形成されているボンディングパッド30と半導体チップ28に形成されているボンディングパッド31とは、例えば金線よりなるワイヤ32によって直接接続されている。このように、半導体チップ27に形成されているボンディングパッド30と半導体チップ28に形成されているボンディングパッド31とをワイヤ32で直接接続する点が本発明の特徴の1つである。ボンディングパッド30とボンディングパッド31とをワイヤ32で直接接続することにより、半導体チップ27と半導体チップ28の間のスペースに中継パッドを設ける必要がなくなるので、RFモジュール25の小型化を図ることができる。
【0049】
従来、半導体チップ27と半導体チップ28を接続するため、中継パッドを使用している。つまり、半導体チップ27に形成されているボンディングパッド30と中継パッドとをワイヤで接続し、この中継パッドと半導体チップ28に形成されているボンディングパッド31とを別の異なるワイヤで接続している。しかし、半導体チップ27と半導体チップ28との間に中継パッドを設ける場合、中継パッドを配置するスペースを設ける必要があり、RFモジュールの小型化を推進する上で問題となる。そこで、本実施の形態1では、半導体チップ27に形成されているボンディングパッド30と半導体チップ28に形成されているボンディングパッド31とをワイヤ32で直接接続している。これにより、半導体チップ27と半導体チップ28との間に中継パッドを設けるスペースを確保する必要がなくなるので、半導体チップ27と半導体チップ28とを密に隣接させることができる。したがって、RFモジュールの小型化を推進することができる。
【0050】
ここで、本実施の形態1において、半導体チップ28に形成されているボンディングパッド31は、半導体チップ27に近い1辺に配列されている。すなわち、半導体チップ28に形成されている複数のパッドのうち半導体チップ27と接続する制御用パッド(ボンディングパッド31)は、半導体チップ28の1辺に沿って配列されている。これは、ボンディングパッド30とボンディングパッド31とをワイヤ32で直接接続しやすいようにしたものである。すなわち、ボンディングパッド31を半導体チップ28の1辺に配置しないと、ボンディングパッド30とボンディングパッド31との距離がばらつき、ワイヤボンディングしにくくなるからである。このように半導体チップ28の1辺に制御用パッドであるボンディングパッド31を配列したことも本発明の1つの特徴であり、ボンディングパッド30とボンディングパッド31とを直接接続しやすくしている。
【0051】
次に、配線基板26上に形成されている受動部品29は、例えばチップ部品から構成され、抵抗、インダクタンス素子、コンデンサなどが含まれる。これらの受動部品29は、配線基板の表面に形成された配線と電気的に接続されている。受動部品29は、例えば図3に示す整合回路14、16などを構成している。
【0052】
図5は、図4のA−A線で切断した断面を示す断面図である。図5において、配線基板26は、例えば5層の誘電体層からなる多層配線基板である。図5では、5つの誘電体層が積層されて配線基板26が形成されているが、積層される誘電体層はこれに限定されるものではなく種々変更可能である。誘電体層を構成する材料としては、例えばアルミナ(酸化アルミニウム)などのようなセラミック材料を用いることができる。誘電体層を構成する材料は、セラミック材料に限定されるものではなく種々変更可能であり、例えばガラスエポキシ樹脂などを用いてもよい。
【0053】
このように構成された配線基板26の表面には、導電性接着材料33aを介して半導体チップ27が搭載され、同様に、導電性接着材料33bを介して半導体チップ28が搭載されている。さらに、受動部品29も搭載されている。半導体チップ27の底部には、配線基板26を貫通するビア34aが形成され、このビア34aは配線基板26の裏面に形成されている配線35aに接続している。このように半導体チップ27と配線35aをビア34aで接続することにより、半導体チップ27と配線35aを電気的に接続することができるとともに、半導体チップ27で発生した熱がビア34aおよび配線35aを介して放散される。このため、半導体チップ27の放熱効率を向上させることができる。同様に、半導体チップ28もビア34bを介して配線35bに接続されている。なお、図5においては、ビア34a、34bを1つ形成した例を示しているが、これに限定されず、複数のビアを形成してもよい。
【0054】
そして、半導体チップ27上に形成されたボンディングパッド30と半導体チップ28上に形成されたボンディングパッド31とは、中継パッドを介さずにワイヤ32によって直接接続されている。したがって、中継パッドを設ける空間を確保する必要がないので、RFモジュール25の小型化を実現することができる。
【0055】
図6は、図5に示すRFモジュール25と比較するためのRFモジュール36を示す断面図である。図6に示すRFモジュール36が図5に示すRFモジュール25と相違する点は、半導体チップ27と半導体チップ28とを中継パッド37を用いて電気的に接続している点である。すなわち、図6では、半導体チップ27に形成されているボンディングパッド30と中継パッド37がワイヤ39aで接続され、半導体チップ28に形成されているボンディングパッド38と中継パッド37がワイヤ39bを用いて接続されている。この場合、配線基板26上に中継パッドを形成する空間を確保しなければならないので、図6に示すRFモジュール36は、図5に示すRFモジュール25に比べて小型化を推進することが困難である。言い換えれば、図5に示す本実施の形態1におけるRFモジュール25によれば、図6に示すRFモジュール36に比べて小型化を実現することができる。
【0056】
次に、半導体チップ28の構成について図7を参照しながら説明する。図7は半導体チップ28の構成を示す平面図である。図7において、半導体チップ28には、GSM方式用の信号を増幅する3段増幅部(増幅回路)とDCS方式用の信号を増幅する3段増幅部(増幅回路)がそれぞれ半導体チップ28の左右に分かれてほぼ対称に形成されている。半導体チップ28の1組の長辺のうち1辺には、制御用パッドであるボンディングパッド31が配列されている。このボンディングパッド31は、増幅回路が形成されている半導体チップ28と制御回路が形成されている半導体チップ27とをワイヤで電気的に接続するための端子である。ボンディングパッド31は、矩形形状をしており、ステッチボンディングの際、キャピラリの先端部がボンディングパッド31の周囲を囲んでいる表面保護膜に接触しないようになっている。このため、ステッチボンディングの際、キャピラリの先端部が表面保護膜に接触することによる表面保護膜の損傷を防止することができる。
【0057】
ボンディングパッド31が形成されている半導体チップ28の1辺と交差(直交)する辺には、増幅回路の入出力パッドが形成されている。具体的に、GSM方式用の増幅回路が形成されている半導体チップ28の右側の領域において、ボンディングパッド31が形成されている辺と直交する辺には、まず、入力信号を入力するための入力パッド40aが形成されている。そして、この入力パッド40aは、第1増幅部46aに接続され、第1増幅部46aの出力は、初段出力パッド41aに接続されている。そして、初段出力パッド41aに隣接するように中段入力パッド42aが形成され、この中段入力パッド42aは、第2増幅部47aに電気的に接続されている。第2増幅部47aの出力は、中段出力パッド43aに接続されている。そして、中段出力パッド43aに隣接するように終段入力パッド44aが形成され、この終段入力パッド44aが第3増幅部48aに接続されている。第3増幅部48aの出力は、出力パッド45aに接続されており、この出力パッド45aから出力信号が出力されるようになっている。
【0058】
ここで、図7に示すように、入力パッド40a、初段出力パッド41a、中段入力パッド42a、中段出力パッド43aおよび終段入力パッド44aは、ボンディングパッド31が形成されている辺と直交する辺に、この順番で配列されている。このように入力パッド40a、初段出力パッド41a、中段入力パッド42a、中段出力パッド43aおよび終段入力パッド44aを1辺に沿って1列に配列することが本発明の特徴の1つである。これにより、信号経路が交差しないようにすることができる。すなわち、信号経路に沿ってこれらのパッドを配置することにより、信号間の干渉を防止することができ、増幅回路の信頼性を向上させることができる。つまり、入力パッド40aから入力された信号は、第1増幅部46a、第2増幅部47a、第3増幅部48aで段階的に増幅された後、出力パッド45aから出力信号として出力される。このため、第1増幅部46a、第2増幅部47a、第3増幅部48aの入出力を信号経路に沿って配置しないと、信号経路が交差することになる。信号経路が交差すると、信号間の干渉が起こり増幅回路の性能が劣化する。そこで、本実施の形態1では、第1増幅部46a、第2増幅部47a、第3増幅部48aの入出力を信号経路に沿って配置していることにより、信号間の干渉を抑制することができる。
【0059】
また、第3増幅部48aの出力に接続されている出力パッド45aは、ボンディングパッド31が形成されている辺と対向する辺に形成されている。出力パッド45aは大きさが他のパッドに比べて大きくなるので、配置スペースを確保するため、ボンディングパッド31が形成されている辺と対向する辺に配置したものである。
【0060】
さらに、第3増幅部48aは、第1増幅部46aおよび第2増幅部47aよりも半導体チップ28の中央側に配置され、第1増幅部46aおよび第2増幅部47aは、第3増幅部48aよりも入力パッド40aに近い位置へ配置されている。これにより、入力パッド40aから第1増幅部46a、第2増幅部47aまでの距離を短くすることができる。すなわち、入力パッド40aは、第1増幅部46aに接続され、第1増幅部46aは第2増幅部47aに接続されるが、第1増幅部46aや第2増幅部47aを入力パッド40aに近い位置に配置することにより、入力パッド40aと第1増幅部46aとの引き回し配線あるいは第1増幅部46aと第2増幅部47aを接続する引き回し配線の長さを短くすることができる。このため、半導体チップ28に形成する引き回し配線の長さを短くできるので、半導体チップ28の小型化を図ることができる。
【0061】
上記では、GSM方式用の増幅回路の構成について説明したが、DCS方式用の増幅回路の構成も同様である。図7に示す半導体チップ28の左側の領域には、DCS方式用の増幅回路が形成されている。この増幅回路においても、ボンディングパッド31が形成されている半導体チップ28の1辺と交差(直交)する辺には、増幅回路の入出力パッドが形成されている。具体的に、DCS方式用の増幅回路が形成されている半導体チップ28の左側の領域において、ボンディングパッド31が形成されている辺と直交する辺には、まず、入力信号を入力するための入力パッド40bが形成されている。そして、この入力パッド40bは、第1増幅部46bに接続され、第1増幅部46bの出力は、初段出力パッド41bに接続されている。そして、初段出力パッド41bに隣接するように中段入力パッド42bが形成され、この中段入力パッド42bは、第2増幅部47bに電気的に接続されている。第2増幅部47bの出力は、中段出力パッド43bに接続されている。そして、中段出力パッド43bに隣接するように終段入力パッド44bが形成され、この終段入力パッド44bが第3増幅部48bに接続されている。第3増幅部48bの出力は、出力パッド45bに接続されており、この出力パッド45bから出力信号が出力されるようになっている。
【0062】
そして、図7に示すように、入力パッド40b、初段出力パッド41b、中段入力パッド42b、中段出力パッド43bおよび終段入力パッド44bは、ボンディングパッド31が形成されている辺と直交する辺に、この順番で配列されている。したがって、DCS方式用の増幅回路においても、GSM方式用の増幅回路と同様に、信号経路に沿ってこれらのパッドを配置しているので、信号間の干渉を防止することができ、増幅回路の信頼性を向上させることができる。
【0063】
また、第3増幅部48bの出力に接続されている出力パッド45bは、ボンディングパッド31が形成されている辺と対向する辺に形成されている。
【0064】
さらに、第3増幅部48bは、第1増幅部46bおよび第2増幅部47bよりも半導体チップ28の中央側に配置され、第1増幅部46bおよび第2増幅部47bは、第3増幅部48bよりも入力パッド40bに近い位置へ配置されている。これにより、入力パッド40bから第1増幅部46b、第2増幅部47bまでの距離を短くすることができるので、半導体チップ28の小型化を図ることができる。
【0065】
次に、第1増幅部46a、46b、第2増幅部47a、47bおよび第3増幅部48a、48bの内部構造について説明する。第1増幅部46a、46b、第2増幅部47a、47bおよび第3増幅部48a、48bの内部には増幅を行なうための素子が形成されており、本実施の形態1ではHBTが形成されている。
【0066】
図8はHBTの構成を示す平面図である。図8に示すように、HBT50は、例えば、メサアイソレーションで他の素子から分離されたn型GaAs層よりなるサブコレクタ層51上に所定間隔を置いて形成されている。HBT50は、サブコレクタ層51上に形成されたコレクタ電極52aとこのコレクタ電極52aとは所定間隔だけ離間して形成されたコレクタメサ52を有している。コレクタ電極52aは、例えば、金(Au)等から構成される。
【0067】
コレクタメサ52は、例えば、n型GaAs層より形成され、このコレクタメサ52とコレクタ電極52aは、サブコレクタ層51を介して電気的に接続されている。そして、コレクタメサ52上には、例えば、p型GaAs層よりなるベースメサ53が形成されている。
【0068】
ベースメサ53上の周辺領域には金等よりなるベース電極56が形成されている。すなわち、ベースメサ53上にコの字形状を反時計回りに90度回転させた形状のベース電極56が形成されている。そして、ベースメサ53の略中央部上にエミッタ層54が形成され、このエミッタ層54上にエミッタ電極55が形成されている。例えば、エミッタ層54は、n型InGaP層、GaAs層およびInGaAs層を積層した層より形成され、エミッタ電極55は、例えば、タングステンシリサイド(WSi)から形成されている。
【0069】
このように、ベースメサ(p型GaAs層)53とエミッタ層(n型InGaP層)54との間には、異種半導体接合(ヘテロ接合)が形成されている。また、本実施の形態1におけるHBT50は、コレクタ電極52aが一番下層に形成され、一番上層にエミッタ電極55が形成された構造をしており、中間層にベース電極56が形成された構造となっている。
【0070】
エミッタ電極55上には、接続孔57を介してエミッタ配線58が形成されており、ベース電極56上にはベース配線59が形成されている。同様に、コレクタ電極52a上には、コレクタ配線60が形成されている。
【0071】
図9は図8のA−A線で切断した断面を示す断面図である。図9に示すように、半絶縁性のGaAs基板61の裏面には、金膜などよりなる裏面電極62が形成されており、GaAs基板61の表面(主面)にHBTが形成されている。GaAs基板61の表面には、サブコレクタ層51が形成されており、このサブコレクタ層51上にコレクタ電極52aおよびコレクタメサ52が形成されている。コレクタメサ52上には、ベースメサ53が形成されており、ベースメサ53の周辺部にベース電極56が形成されている。また、ベースメサ53の中央部には、エミッタ層54が形成され、このエミッタ層54上にエミッタ電極55が形成されている。このように構成されたHBT上には、例えば、酸化シリコン膜よりなる絶縁膜63が形成されている。そして、この絶縁膜63を貫通してエミッタ電極55に達する接続孔57が形成されている。接続孔57内を含む絶縁膜63上にはエミッタ配線を構成する金配線58aおよび金配線58bが形成されている。そして、金配線58b上には、例えば、窒化シリコン膜よりなる表面保護膜64が形成され、この表面保護膜64上にポリイミド樹脂膜65が形成されている。
【0072】
このように構成されたHBT50によれば、ヘテロ接合により、ベースエミッタ接合におけるエミッタの禁制帯幅をベースの禁制帯幅より大きくすることができる。したがって、エミッタからベースへのキャリアの注入をベースからエミッタへの逆電荷のキャリアの注入に比べて極めて大きくすることができるので、HBT50の電流増幅率は極めて大きくなる特徴がある。このため、RFモジュールにHBT50が使用されている。なお、図9に示すHBTが複数個並列に接続されて、例えば図2に示す増幅部11a〜11c、12a〜12cが形成される。
【0073】
次に、本実施の形態1における半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0074】
まず、入力信号を増幅して出力信号を生成する増幅回路が形成された半導体チップ(第1半導体チップ)28とこの増幅回路を制御する制御回路が形成された半導体チップ(第2半導体チップ)27を形成する。半導体チップ27は、シリコンを主成分とし、シリコン基板上にMOSFETおよび配線が形成されている。一方、半導体チップ28は、例えばGaAsなどの化合物半導体を主成分とし、GaAs基板上にHBTおよび配線が形成されている。半導体チップ27および半導体チップ28は、通常用いられる半導体製造技術を用いて製造される。ここで、シリコンを主成分とする半導体チップ27の厚さに比べて、GaAsを主成分とする半導体チップ28の厚さは薄くなっていることが多い。これは、以下に示す理由による。半導体チップ27および半導体チップ28は、チップに個片化する前の工程では、半導体ウェハの状態で加工が施される。このとき、シリコン基板よりなる半導体ウェハはGaAs基板よりなる半導体ウェハよりも大口径のものが使用されることが多い。したがって、大口径の半導体ウェハを薄くすると反りの問題や搬送などの取り扱いにおいて問題が生じる。このため、大口径であるシリコン基板よりなる半導体ウェハは極端に薄くすることができない。これに対し、GaAs基板よりなる半導体ウェハは、シリコン基板よりなる半導体ウェハほど大口径ではないことが多い。このことから、GaAs基板よりなる半導体ウェハは、シリコン基板よりなる半導体ウェハよりも薄くすることが可能となる。以上より、シリコンを主成分とする半導体チップ27の厚さに比べて、GaAsを主成分とする半導体チップ28の厚さは薄くなっていることが多い。例えば、半導体チップ27の厚さは280μmであり、半導体チップ28の厚さは90μmとなっている。
【0075】
次に、図10に示すように、配線基板26上に半導体チップ27、半導体チップ28および受動部品29を搭載する(ダイボンディング)。このとき、半導体チップ27と半導体チップ28とは隣接して配置される。半導体チップ27と配線基板26とは導電性接着材料33aを用いて接続されており、半導体チップ28と配線基板26とは導電性接着材料33bを用いて接続される。このとき、半導体チップ27は、配線基板26に形成されたビア34a上に搭載され、半導体チップ27を裏面に形成されている配線35aと電気的に接続するとともに、半導体チップ27で発生する熱を、ビア34aを介して配線35aから放散させるようになっている。同様に、半導体チップ28も配線基板26に形成されたビア34bを介して配線基板26の裏面の配線35bに接続されている。
【0076】
半導体チップ27および半導体チップ28の表面には、それぞれボンディングパッド30、31が形成されている。半導体チップ27に形成されているボンディングパッド30は正方形の形状をしているのに対し、半導体チップ28に形成されているボンディングパッド31の形状は矩形形状(長方形)をしている。本明細書で矩形形状とは、直角四辺形のうち短辺と長辺がある長方形を意味し、辺の長さがすべて同じである正方形は除かれる。
【0077】
続いて、図11に示すように、半導体チップ27と半導体チップ28とをワイヤで直接接続する。具体的には、厚さが厚く高さが高くなっている半導体チップ27から、厚さが薄く高さが低くなっている半導体チップ28へワイヤボンディングする。図11に示すように、半導体チップ27に形成されているボンディングパッド30上にキャピラリ66を用いてボール32aを形成する(ボールボンディング、一次ボンディング)。そして、ボール32aにワイヤ32bを接続しながら、キャピラリ66を半導体チップ28上に形成されたボンディングパッド31へ移動させる。
【0078】
次に、図12に示すように、キャピラリ66を半導体チップ28上のボンディングパッド31に押し当てることにより、ワイヤ32bをボンディングパッド31に接続する(ステッチボンディング、二次ボンディング)。このようにして、半導体チップ27と半導体チップ28とを直接接続することができる。半導体チップ27と半導体チップ28とを接続することにより、半導体チップ27に形成された制御回路により、半導体チップ28に形成された増幅回路を制御することが可能となる。
【0079】
従来、半導体チップ27と半導体チップ28は中継パッドを介して電気的に接続されていた。つまり、半導体チップ27に形成されたボンディングパッド30と中継パッドとをワイヤで接続し、半導体チップ28に形成されたボンディングパッド31と中継パッドとを異なる別のワイヤで接続していた。この場合、半導体チップ27と半導体チップ28の間に中継パッドを配置する空間を確保する必要がある。このため、RFモジュールの小型化を図る上で障害となっていた。そこで、本実施の形態1では、中継パッドを用いずに、半導体チップ27と半導体チップ28とを直接接続している。したがって、配線基板26上に中継パッドを配置する空間を確保する必要がなくなるので、本実施の形態1によれば、半導体チップ27と半導体チップ28との間隔を詰めることが可能となり、RFモジュールの小型化を推進することができる。
【0080】
半導体チップ27と半導体チップ28とを直接接続する場合、上述したようにRFモジュールの小型化を達成できる利点がある一方、新たな問題が生じる。すなわち、ワイヤボンディングは、最初に一次側でボールボンディングを行ない、その後二次側でステッチボンディングを行なう。半導体チップ上のボンディングパッドと配線基板上の接続端子とをワイヤボンディングする際、通常、半導体基板上のボンディングパッドで一次ボンディングを行ない、配線基板上で二次ボンディングを行なう。この場合、一次ボンディングでは、ボールボンディングが行なわれるため、キャピラリの先端部とボンディングパッドが接触することはなくダメージを受けない。一方、二次ボンディングでは、配線基板の接続端子にキャピラリの先端部を押し当ててステッチボンディングがなされる。しかし、配線基板の接続端子上にキャピラリを押し当てても問題はない。つまり、半導体チップ上のボンディングパッドと配線基板上の接続端子とワイヤボンディングする際、何ら問題はない。
【0081】
しかし、本実施の形態1のように半導体チップ上のボンディングパッド間でワイヤボンディングする際、いずれか一方のボンディングパッドではキャピラリを押し当ててステッチボンディングがなされる。このとき、キャピラリの先端部がボンディングパッドの周辺部に形成されている表面保護膜に接触し、表面保護膜にクラックが生じるおそれがある。表面保護膜にクラックが生じると、クラックが発生した箇所から水分が半導体チップの内部に浸入し、不良の原因となる。
【0082】
そこで、本実施の形態1では、図13に示すように、ステッチボンディングを行なう側のボンディングパッド31の形状を矩形形状(長方形)にしている。図13は、ワイヤボンディングを行なったボンディングパッド31を上部から見た図である。図13において、ボンディングパッド31には、ワイヤ32bが接続されていることがわかる。そして、破線67の丸印で示した線がステッチボンディングの際、キャピラリの先端部が接触する領域を示している。図13に示すように、ボンディングパッド31が矩形形状をしているため、キャピラリの先端部がボンディングパッド31内で接触していることがわかる。すなわち、キャピラリの先端部がボンディングパッド31からはみ出さず、ボンディングパッド31の周囲に形成されている表面保護膜68に接触しないことがわかる。このため、ステッチボンディングを行なっても、ボンディングパッド31の周囲に形成されている表面保護膜68にダメージを与えることはなく、表面保護膜68にクラックが発生することを防止できる。このため、本実施の形態1によれば、クラックからの水分の浸入を防止でき、ワイヤボンディングの信頼性向上を図ることができる。ボンディングパッド31を矩形形状とする場合の大きさは、使用するキャピラリによって変わるが、例えば、短辺の長さを1とした場合、長辺の長さを1.5倍程度にすれば充分効果が得られる。例えば、ボンディングパッド31の寸法は、短辺方向の長さが90μmであり、長辺方向の長さが140μmである。
【0083】
図14は、ボンディングパッド31の形状を通常のように正方形にした場合の比較例を示す図である。図14においても、ボンディングパッド31上にワイヤ32bが接続されているが、このとき、キャピラリの先端部が接触する領域を破線67で示す。破線67を見てわかるように、キャピラリの先端部がボンディングパッド31の領域を越えて、ボンディングパッドの周辺部に形成されている表面保護膜68に接触していることがわかる。このことから、ボンディングパッド31の形状を正方形にする場合、表面保護膜68にキャピラリの先端部が接触してダメージを受け、クラックが生じる可能性があることがわかる。
【0084】
図15は、半導体チップ28に形成されているボンディングパッド31の構成を示す断面図である。図15に示すように、ボンディングパッド31の周辺部には、表面保護膜68が形成されており、ボンディングパッド31の外部にまでキャピラリの接触範囲が広がると、キャピラリの先端部が表面保護膜68に接触することがわかる。
【0085】
なお、半導体チップに形成されたボンディングパッド間をワイヤボンディングする技術として、ステッチボンディングする側のボンディングパッド上に予めスタッドバンプと呼ばれるバンプ電極を形成し、このスタッドバンプ上にワイヤをステッチボンディングする技術がある。この技術によれば、ステッチボンディングの際に発生するボンディングパッドへのダメージを低減することができる。一方、スタッドバンプを形成する分、工程が増加するデメリットがある。
【0086】
これに対し、本実施の形態1では、ボンディングパッドの形状を矩形形状にしているだけで、ボンディングパッド間を直接接続するワイヤボンディング工程において、表面保護膜にダメージを与えることを防止できている。すなわち、本実施の形態1によれば、RFモジュールの小型化を図ることができるとともに、半導体チップ間のワイヤボンディングにおける信頼性向上を図ることができる顕著な効果を奏する。
【0087】
次に、ワイヤボンディングを行なった後、配線基板26の部品実装面を樹脂で封止する。そして、配線基板26を分離して個々のRFモジュールが完成する。このようにして、本実施の形態1における半導体装置を製造することができる。
【0088】
(実施の形態2)
次に、本実施の形態2について説明する。前記実施の形態1では、増幅回路を形成している半導体チップ28としてGaAs基板に形成されているHBTを例にして説明した。本実施の形態2では、増幅回路が形成されている半導体チップも制御回路が形成されている半導体チップ27と同様にシリコンを主成分とし、HBTの代わりにLDMOSFET(Laterally Diffused Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)が形成されている例について説明する。
【0089】
本実施の形態2のように増幅回路が形成されている半導体チップとして、LDMOSFETが形成されているものを使用しても、制御回路が形成されている半導体チップと直接接続することにより、RFモジュールの小型化を図ることができる。本実施の形態2では、2つの半導体チップのいずれもがシリコンを主成分とするものであるので、それぞれの半導体チップの厚さはほぼ同じである。したがって、制御回路が形成されている半導体チップから増幅回路が形成されている半導体チップへワイヤボンディングしてもよいし、増幅回路が形成されている半導体チップから制御回路が形成されている半導体チップへワイヤボンディングするようにしてもよい。つまり、制御回路が形成されている半導体チップと増幅回路が形成されている半導体チップのいずれか一方の半導体チップ上に形成されているボンディングパッドを矩形形状にすればよい。ただし、矩形形状のボンディングパッドは、ステッチボンディングに使用される。これにより、半導体チップ間を直接接続することができ、RFモジュールの小型化を図ることができるとともに、ワイヤボンディング工程による不良を低減することができる。
【0090】
次に、増幅回路が形成された半導体チップにおいて、増幅回路を構成するLDMOSFETについて図面を参照しながら説明する。図16はLDMOSFETの断面構造を示す断面図である。図16において、p型のシリコン単結晶からなる半導体基板71上には、p型の半導体層からなるエピタキシャル層72が形成されている、そして、半導体基板71には、溝73が形成されており、この溝73には、例えばp型ポリシリコン膜が埋め込まれてp型打ち抜き層74が形成されている。さらに、半導体基板71の表面には、p型ウェル75が形成されている。
【0091】
次に、半導体基板71の表面には、ゲート絶縁膜76が形成されており、このゲート絶縁膜76上にゲート電極77およびキャップ絶縁膜78が形成されている。ゲート絶縁膜76は、例えば薄い酸化シリコン膜などからなり、ゲート電極77はポリシリコン膜から形成されている。そして、ゲート電極77に整合して、n型オフセットドレイン領域79が形成されるとともに、n型ソース領域80が形成されている。n型ソース領域80近傍にはp型ハロー領域81が形成されている。
【0092】
ゲート電極77の両側の側壁には、サイドウォール82が形成されており、このサイドウォール82に整合して、n型オフセットドレイン領域83およびn型ドレイン領域84が形成されている。同様に、n型ソース領域80の外側には、サイドウォール82に整合して、n型ソース領域85が形成されている。そして、n型ソース領域85の外側にp型半導体領域86が形成されている。
【0093】
このように構成されたLDMOSFET上には、窒化シリコン膜87および酸化シリコン膜88の積層膜からなる層間絶縁膜が形成されており、この層間絶縁膜を貫通するコンタクトホール89が形成されている。コンタクトホール89には、例えばバリア膜とタングステン膜からなるプラグ90が埋め込まれている。
【0094】
プラグ90を形成した酸化シリコン膜88上には、例えばアルミニウム膜からなる第1層配線91が形成され、この第1層配線91を覆うように酸化シリコン膜92からなる層間絶縁膜が形成されている。酸化シリコン膜92には、第1層配線91へ貫通する接続孔93が形成されており、この接続孔93にプラグ94が埋め込まれている。そして、プラグ94を形成した酸化シリコン膜92上には、第2層配線95が形成されている。この第2層配線95より上層には、必要に応じて他の配線層や層間絶縁膜が形成されるが、本明細書では省略する。なお、図16に示すLDMOSFETが複数個並列に接続されて、例えば図2に示す増幅部11a〜11c、12a〜12cが形成される。
【0095】
本実施の形態2では、増幅回路が形成されている半導体チップにおいて、増幅回路を構成する3段増幅部のすべての増幅部がLDMOSFETから構成されている例について説明した。しかし、例えば、制御回路が形成されているシリコンを主成分とする半導体チップにLDMOSFETからなる初段増幅部も形成し、中段増幅部と終段増幅部をGaA
sを主成分とする半導体チップに形成されたHBTから構成する場合にも適用できる。
【0096】
(実施の形態3)
前記実施の形態1では、配線基板26にキャビティと呼ばれる溝を形成せずに半導体チップ27を搭載する例について説明したが、本実施の形態3では、配線基板26にキャビティ96を形成し、このキャビティ96内に半導体チップ27を配置する例について説明する。
【0097】
図17は、本実施の形態3におけるRFモジュールを示す断面図である。図17において、前記実施の形態1におけるRFモジュール(図5参照)と異なる点は、配線基板26にキャビティ96を設け、このキャビティ96内に半導体チップ27を配置している点である。半導体チップ27には、増幅回路を制御する制御回路が形成されている半導体チップであり、シリコンを主成分としている。一方、半導体チップ28は増幅回路が形成されている半導体チップであり、GaAsを主成分としている。ここで、シリコンを主成分とする半導体チップ27の厚さの方がGaAsを主成分とする半導体チップ28の厚さに比べて厚くなっていることが多い。そこで、半導体チップ27を配線基板26に搭載する際、配線基板26にキャビティ96を設け、このキャビティ96内に半導体チップ27を配置することで、配線基板26に搭載された半導体チップ27の高さを低くすることができる。このため、RFモジュールの厚さを薄くすることができ、RFモジュールの小型化を図ることができる。
【0098】
このように構成されたRFモジュールにおいても、キャビティ96内に配置された半導体チップ27とキャビティを設けない配線基板26上に配置された半導体チップ28とをワイヤ32で直接接続することができる。したがって、前記実施の形態1と同様に中継パッドを設ける必要がないので、RFモジュールの小型化を推進することができる。
【0099】
図17では、半導体チップ27をキャビティ96内に配置しても、半導体チップ28の高さよりも半導体チップ27の高さの方が高くなっている。このことから、ワイヤボンディングは、半導体チップ27から半導体チップ28へ行なわれる。すなわち、半導体チップ27でボールボンディング(一次ボンディング)を行ない、半導体チップ28でステッチボンディング(二次ボンディング)が行なわれる。以上より、半導体チップ28に形成されているボンディングパッド31を矩形形状にすることにより、ステッチボンディングの際、キャピラリの先端部がボンディングパッド31の周辺部に形成されている表面保護膜に接触することはなく、表面保護膜にクラックが発生することを防止できる。
【0100】
なお、キャビティ96の深さを図17よりも深くして半導体チップ27の高さを半導体チップ28の高さよりも低くしてもよい。この場合、ワイヤボンディングは、半導体チップ28から半導体チップ27へ行なわれる。したがって、ステッチボンディングは半導体チップ27上のボンディングパッド30で行なわれるため、ボンディングパッド30の形状を矩形形状にすればよい。
【0101】
(実施の形態4)
前記実施の形態1では、増幅回路が形成されている半導体チップ28で異なる周波数の信号を増幅できるように構成されていた。つまり、GSM方式の信号とDCS方式の信号を1つの半導体チップ28内に形成されたそれぞれの増幅回路で増幅できるように構成されていた(デュアルバンド方式)。本実施の形態4では、GSM方式の信号を増幅する増幅回路とDCS方式の信号を増幅する増幅回路が異なる半導体チップに形成されている例について説明する。
【0102】
図18は、本実施の形態4におけるRFモジュールを示す平面図である。図18において、配線基板26上には半導体チップ27、半導体チップ97および半導体チップ98が搭載されている。半導体チップ27には、増幅回路を制御する制御回路、GSM用第1増幅部100およびDCS用第1増幅部101が形成されている。GSM用第1増幅部100は、GSM方式の信号を増幅するものであり、例えばLDMOSFETから形成される。同様に、DCS用第1増幅部101は、DCS方式用の信号を増幅するものであり、例えばLDMOSFETから形成される。
【0103】
半導体チップ97には、GSM方式用の信号を増幅する増幅回路が形成されており、GSM用第2増幅部とGSM用第3増幅部を有している。このGSM用第2増幅部とGSM用第3増幅部は、HBTから構成されている。
【0104】
半導体チップ98には、DCS方式用の信号を増幅する増幅回路が形成されており、DCS用第2増幅部とDCS用第3増幅部を有している。このDCS用第2増幅部とDCS用第3増幅部もHBTから構成されている。
【0105】
このように構成された本実施の形態4におけるRFモジュールでも、半導体チップ27と半導体チップ97、あるいは半導体チップ27と半導体チップ98がワイヤで直接接続されている。したがって、本実施の形態4におけるRFモジュールでは、前記実施の形態1と同様に、半導体チップ間の接続に中継パッドを使用しないので、RFモジュールの小型化を図ることができる。
【0106】
また、半導体チップ27はシリコンを主成分とし、半導体チップ97、98はGaAsを主成分としている。このため、半導体チップ27の厚さは、半導体チップ97、98の厚さに比べて厚くなっていることが多いので、半導体チップ間を直接接続するワイヤボンディングにおいて、半導体チップ27でボールボンディングが行なわれ、半導体チップ97、98でステッチボンディングが行なわれる。このことから、半導体チップ97、98上に形成されているボンディングパッド99a、99bの形状を矩形形状にすることにより、ステッチボンディングの際、キャピラリの先端部がボンディングパッド99a、99bの周辺部に形成されている表面保護膜に接触することはなく、表面保護膜にクラックが発生することを防止できる。
【0107】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明は、半導体装置を製造する製造業に幅広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】デジタル携帯電話機における信号送受信部のブロック図を示す図である。
【図2】RFモジュールにおける高周波増幅回路の回路ブロックを示す図である。
【図3】増幅回路の一部を示す回路図である。
【図4】本発明の実施の形態1におけるRFモジュールの実装構成を示す平面図である。
【図5】図4のA−A線で切断した断面を示す断面図である。
【図6】本発明者らが検討したRFモジュールの断面を示す断面図である。
【図7】実施の形態1において、増幅回路が形成された半導体チップの構成を示す平面図である。
【図8】増幅回路に使用されるHBTを示す平面図である。
【図9】図8のA−A線で切断した断面を示す断面図である。
【図10】実施の形態1における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図11】図10に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図12】図11に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図13】実施の形態1において、ワイヤボンディングを行なったボンディングパッドを上部から見た図である。
【図14】本発明者らが検討した技術において、ワイヤボンディングを行なったボンディングパッドを上部から見た図である。
【図15】ボンディングパッドの断面を示す断面図である。
【図16】実施の形態2において、LDMOSFETの構造を示す断面図である。
【図17】実施の形態3におけるRFモジュールを示す断面図である。
【図18】実施の形態4におけるRFモジュールを示す平面図である。
【符号の説明】
【0110】
1 デジタル信号処理部
2 IF部
3 変調信号源
4 ミキサ
5 RFモジュール
6 アンテナスイッチ
7 アンテナ
8 低雑音増幅器
10 制御回路
11a〜11c 増幅部
12a〜12c 増幅部
13 入力端子
14 整合回路
15 HBT
16 整合回路
17 出力端子
18 電流源
19 バイアス抵抗
20 高周波閉塞用インダクタ
21 出力制御端子
22 電源電圧検出回路
23 電源電圧端子
25 RFモジュール
26 配線基板
27 半導体チップ(第2半導体チップ)
28 半導体チップ(第1半導体チップ)
29 受動部品
30 ボンディングパッド
31 ボンディングパッド
32 ワイヤ
32a ボール
32b ワイヤ
33a、33b 導電性接着材料
34a、34b ビア
35a、35b 配線
36 RFモジュール
37 中継パッド
38 ボンディングパッド
39a ワイヤ
39b ワイヤ
40a、40b 入力パッド
41a、41b 初段出力パッド
42a、42b 中段入力パッド
43a、43b 中段出力パッド
44a、44b 終段入力パッド
45a、45b 出力パッド
46a、46b 第1増幅部
47a、47b 第2増幅部
48a、48b 第3増幅部
50 HBT
51 サブコレクタ層
52 コレクタメサ
52a コレクタ電極
53 ベースメサ
54 エミッタ層
55 エミッタ電極
56 ベース電極
57 接続孔
58 エミッタ配線
58a 金配線
58b 金配線
59 ベース配線
60 コレクタ配線
61 GaAs基板
62 裏面電極
63 絶縁膜
64 表面保護膜
65 ポリイミド樹脂膜
66 キャピラリ
67 破線
68 表面保護膜
71 半導体基板
72 エピタキシャル層
73 溝
74 p型打ち抜き層
75 p型ウェル
76 ゲート絶縁膜
77 ゲート電極
78 キャップ絶縁膜
79 n型オフセットドレイン領域
80 n型ソース領域
81 p型ハロー領域
82 サイドウォール
83 n型オフセットドレイン領域
84 n型ドレイン領域
85 n型ソース領域
86 p型半導体領域
87 窒化シリコン膜
88 酸化シリコン膜
89 コンタクトホール
90 プラグ
91 第1層配線
92 酸化シリコン膜
93 接続孔
94 プラグ
95 第2層配線
96 キャビティ
97 半導体チップ
98 半導体チップ
99a ボンディングパッド
99b ボンディングパッド
100 GSM用第1増幅部
101 DCS用第1増幅部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)入力信号を増幅して出力信号を生成する増幅回路が形成された第1半導体チップと、
(b)前記増幅回路を制御する制御回路が形成された第2半導体チップと、
(c)前記第1半導体チップと前記第2半導体チップとを隣接して配置する配線基板とを備え、
前記第1半導体チップと前記第2半導体チップとはワイヤを用いて電気的に接続されており、前記ワイヤは、中継パッドを介さずに前記第1半導体チップと前記第2半導体チップとを直接接続していることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第1半導体チップに形成されている複数のパッドのうち前記第2半導体チップと接続する制御用パッドは、前記第1半導体チップの1辺に沿って配列されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1半導体チップに形成されている複数のパッドのうち前記入力信号を入力する入力パッドは、前記制御用パッドが形成されている辺と交差する辺に形成されていることを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1半導体チップに形成されている複数のパッドのうち前記出力信号を出力する出力パッドは、前記制御用パッドが形成されている辺と対向する辺に形成されていることを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1半導体チップに形成されている前記増幅回路は、ヘテロ接合バイポーラトランジスタを含むことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項6】
前記増幅回路は、前記入力信号を増幅する第1増幅部と、前記第1増幅部で増幅された信号を増幅する第2増幅部と、前記第2増幅部で増幅された信号を増幅して前記出力信号を生成する第3増幅部とを有することを特徴とする請求項3記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第3増幅部は、前記第1増幅部および前記第2増幅部よりも前記第1半導体チップの中央側に配置され、前記第1増幅部および前記第2増幅部は、前記第3増幅部よりも前記入力パッドに近い位置へ配置されていることを特徴とする請求項6記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1半導体チップは、前記入力パッドと、前記入力パッドから入力した前記入力信号を前記第1増幅部で増幅して出力する初段出力パッドと、前記初段出力パッドから出力した信号を前記第2増幅部へ入力する中段入力パッドと、前記中段入力パッドから入力した信号を前記第2増幅部で増幅して出力する中段出力パッドと、前記中段出力パッドから出力した信号を前記第3増幅部へ入力する終段入力パッドと、前記終段入力パッドから入力した信号を前記第3増幅部で増幅して前記出力信号を出力する出力パッドとを有し、
前記入力パッド、前記初段出力パッド、前記中段入力パッド、前記中段出力パッドおよび前記終段入力パッドは、この順番で、前記制御用パッドが形成されている辺と交差する辺に配列されていることを特徴とする請求項6記載の半導体装置。
【請求項9】
前記出力パッドは、前記制御用パッドが形成されている辺と対向する辺に配列されていることを特徴とする請求項8記載の半導体装置。
【請求項10】
前記制御用パッドは、矩形形状をしていることを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
【請求項11】
前記増幅回路は、周波数帯の異なる複数の入力信号をそれぞれ増幅することを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項12】
(a)複数の第1パッドを有する第1半導体チップと、
(b)複数の第2パッドを有する第2半導体チップと、
(c)前記第1半導体チップと前記第2半導体チップを搭載する配線基板と、
(d)前記第1パッドと前記第2パッドとを直接接続する複数のワイヤとを備え、
前記複数の第1パッドまたは前記複数の第2パッドのいずれか一方は、矩形形状をしていることを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
前記第1半導体チップには、入力信号を増幅して出力信号を生成する増幅回路が形成されており、前記第2半導体チップには、前記増幅回路を制御する制御回路が形成されていることを特徴とする請求項12記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第1半導体チップは、化合物半導体を主成分とし、前記第2半導体チップは、シリコンを主成分とすることを特徴とする請求項12記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第1半導体チップは、矩形形状をしていることを特徴とする請求項13記載の半導体装置。
【請求項16】
前記第1半導体チップの厚さは、前記第2半導体チップの厚さよりも薄いことを特徴とする請求項15記載の半導体装置。
【請求項17】
(a)入力信号を増幅して出力信号を生成する増幅回路が形成された第1半導体チップと、前記増幅回路を制御する制御回路が形成された第2半導体チップとを隣接して配置する工程と、
(b)前記第1半導体チップに形成されている複数の第1パッドと前記第2半導体チップに形成されている複数の第2パッドとを、ワイヤを用いて直接接続する工程とを備え、
前記(b)工程は、前記複数の第2パッドから前記複数の第1パッドへ前記ワイヤを接続することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記複数の第1パッドは、矩形形状をしていることを特徴とする請求項17記載の半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記第1半導体チップは、化合物半導体を主成分とし、前記第2半導体チップは、シリコンを主成分としていることを特徴とする請求項17記載の半導体装置の製造方法。
【請求項20】
前記第1半導体チップの厚さは、前記第2半導体チップの厚さよりも薄いことを特徴とする請求項17記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−220790(P2007−220790A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−37931(P2006−37931)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】