説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】nウエル及びpウエルに形成されたpMOS及びnMOSトランジスタのしきい値を精密に制御し、かつ製造容易にする。
【解決手段】nウエル2及びpウエル3上にゲート絶縁膜5を形成し、nウエル2上のゲート絶縁膜5上にpMOSトランジスタ11のしきい値制御用の第1金属膜6を、pウエル3上のゲート絶縁膜5上に第1金属膜6と異なる材料からなるnMOSトランジスタ12のしきい値制御用の第2金属膜7を形成する。そして、第1金属膜6上に高融点金属シリサイドからなる第1ゲート電極8pを、第2金属膜7上に高融点金属シリサイドからなる第2ゲート電極8nを形成する。しきい値は金属膜6、7で定まるから安定する。この金属膜6は薄く、容易にパターニングできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフルシリサイドゲート電極を有するpおよびnMOSトランジスタを含む半導体装置およびその製造方法に関し、とくにpおよびnMOSトランジスタのそれぞれに異なる金属からなるしきい値調整用の金属膜を設けた半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲート絶縁膜として広く使用されている酸化膜(SiO2 )、酸窒化膜(SiON)及び窒化膜(Si3 4 )は、薄膜化と共にリーク電流が多くなり、トランジスタの縮小則に従う薄膜化が難しくなっている。このため、ゲート絶縁膜として実効膜厚が薄い高誘電体膜(High−K)を、MOSトランジスタのゲート絶縁膜として用いる試みがなされている。
【0003】
かかる高誘電体膜として、金属酸化物、例えば窒素ドープハフニウムシリケート(HfSiON)がよく知られている。しかし、金属酸化物のゲート絶縁膜は、シリコンゲート電極との界面でフェルミレベルピニングを生じ、MOSトランジスタのしきい値の制御を制限してしまう。このようなしきい値の制御範囲の制限は、とくにpMOSトランジスタとnMOSトランジスタとの両方を含むCMOS回路において、両トランジスタのしきい値の最適化を困難にし、回路の動作速度及び消費電力の最適化を難しくする。
【0004】
金属ゲート電極は、金属酸化物との界面のフェルミレベルピニングを起こさない。さらに、シリコンゲート電極と比べて比抵抗が小さく、かつシリコンゲート電極のようにゲート絶縁膜近傍のゲート電極に空乏層を形成することもない。金属ゲート電極は、このように高誘電体膜をゲート絶縁膜とする半導体装置のゲート電極材料として優れた特性を有している。
【0005】
しかし、金属ゲート電極は、金属膜のパターニングが難しく、微小素子に要求されるアスペクト比の大きな矩形断面を有する微細なゲート電極を精密に加工して製造することは困難である。とくに、CMOS回路ではpMOSトランジスタとnMOSトランジスタの金属ゲート電極をしきい値調整のために異なる金属材料を用いて形成しなければならず、構造が複雑でかつ製造工程も多くなり、十分に厚い(アスペクト比の大きな)ゲート電極を形成することは容易ではない。(例えば特許文献1参照。)。
【0006】
ゲート電極全体がシリサイドからなるいわゆるフルシリサイドゲート電極は、高誘電体膜からなるゲート絶縁膜に対してフェルミレベルピニングを起こさず、また空乏層も生ぜず、比抵抗もシリコンゲート電極より小さい。加えて、サリサイド工程を用いることで、微細かつ高アスペクト比を有するゲート電極を容易に形成することができる。
【0007】
しかし、フルシリサイドゲート電極を用いたMOSトランジスタのしきい値は、ゲート電極を構成するシリサイドの組成比、例えば金属原子とシリコン原子の組成比に依存する。このため、pMOSトランジスタとnMOSトランジスタとのゲート電極を、それぞれ異なる組成比のシリサイドで形成しなければならず、製造が難しくかつ複雑になる。
【0008】
さらに、フルシリサイドゲート電極をサリサイド工程を用いて形成すると、ゲート電極のパターンが変わるとシリサイド組成比が変わり、その結果しきい値も変動してしまう。これば、シリコンゲート電極の上面を高融点金属膜で被覆して加熱し、シリコンゲート電極をシリサイドに変換するサリサイド工程の際、シリコンゲート電極中に拡散してシリサイドを形成する高融点金属原子が、シリコンゲート電極の上面の領域(即ち、電極パターン直上の領域)に形成された高融点金属膜のみならず、その領域に接する周辺領域の高融点金属膜からも拡散し供給されるためである。この周辺領域の幅はほぼ拡散長で定まり、パターンに依存せずほぼ一定幅である。このため、パターン面積とパターン周辺長との比が異なるとサリサイド工程で形成されるシリサイドの組成比も異なる。例えば、同一ゲート幅でもゲート長が短いゲート電極では、ゲート長が長いゲート電極に比較して、パターン面積が小さいため高融点金属組成が大きくなる。
【0009】
かかるゲート電極パターンに依存するしきい値の変動は、CMOS回路の設計を困難にしてしまう。
【0010】
フルシリサイドゲート電極の組成比をpMOSトランジスタとnMOSトランジスタとで同一とする半導体装置が開示されている。(例えば、特許文献2参照)。
【0011】
図6は従来の半導体装置断面図であり、pMOSトランジスタとnMOSトランジスタとに同一組成のフルシリサイドゲート電極を用いた半導体装置を表している。図7は従来の半導体装置製造工程断面図であり、図6に示す半導体装置の製造工程を表している。
【0012】
図6を参照して、この従来の半導体装置は、半導体基板1上面に設けられたnウエル2及びpウエル3に、それぞれpMOSトランジスタ11及びnMOSトランジスタ12が形成されている。
【0013】
pMOSトランジスタ11は、高誘電体膜をゲート絶縁膜5とし、ゲート絶縁膜5上に金属膜33を介してフルシリサイド第1ゲート電極8pが設けられている。第1ゲート電極8pの両側面に側壁が形成され、その外側に表面にシリサイド層9aを有するソースドレイン領域9が形成されている。このpMOSトランジスタ11のしきい値は、金属膜33の材料により決定され、ゲート電極8pのシリサイド組成には依存しない。
【0014】
一方、nMOSトランジスタ12は、金属膜33が無く、ゲート絶縁膜5上に接してフルシリサイド第2ゲート電極8nが設けられる以外は、ほぼpMOSトランジスタ11と同様の構造を有する。このnMOSトランジスタ12のしきい値は、第2ゲート電極8nのシリサイド組成比により定まる。
【0015】
以下この従来の半導体装置の製造方法を説明する。
【0016】
図7(a)を参照して、まず、半導体基板1の上面に、例えば絶縁物が充填されたトレンチからなる素子分離帯4を形成する。次いで、半導体基板1の上面に、nウエル2及びpウエル3を形成する。次いで、半導体基板1上全面に、例えばハフニウムシリケートからなる高誘電体ゲート絶縁膜5、金属膜33及び窒化膜31をこの順に積層する。
【0017】
次いで、窒化膜31上にnウエル2上を被覆するレジストマスク32を形成し、pウエル3上に積層された窒化膜31をエッチングして除去する。次いで、レジストマスク32を除去した後、nウエル2上に残る窒化膜31をマスクとしてpウエル3上の金属膜33をエッチングして除去し、pウエル上のゲート絶縁膜5を表出する。次いで、窒化膜31をエッチングにより除去する。その結果、nウエル2上にゲート絶縁膜5及び金属膜33が残り、pウエル3上にゲート絶縁膜5が残留する。
【0018】
次いで、図7(b)を参照して、半導体基板1上にポリシリコン層を堆積後、ポリシリコン層をパターニングしてnウエル2上及びpウエル3上にそれぞれポリシリコンゲート電極33p、33nを形成する。次いで、nウエル2上のポリシリコンゲート電極33pをマスクとして金属膜33及びゲート絶縁膜5をパターニングする。同時に、pウエル3上のポリシリコンゲート電極33nをマスクとしてゲート絶縁膜5をパターニングする。
【0019】
この結果、nウエル2上に、高誘電体ゲート絶縁膜5/金属膜6/ポリシリコンゲート電極33pからなるゲート電極構造物が形成され、pウエル上に、高誘電体ゲート絶縁膜5/ポリシリコンゲート電極33nからなるゲート電極構造物が形成される。
【0020】
次いで、図7(c)を参照して、半導体基板1上全面に絶縁膜を堆積後、その絶縁膜をエッチバックして、ポリシリコンゲート電極33p、33nを含むゲート電極構造物の側面に絶縁性の側壁17を形成する。
【0021】
次いで、ポリシリコンゲート電極33p、33n及び側壁17をマスクとするイオン注入により、nウエル2にp型のソースドレイン領域9を、pウエル3にn型のソースドレイン領域9を形成する。
【0022】
次いで、半導体基板1上全面に高融点金属膜を堆積後、熱処理して、ソースドレイン領域9上に高融点金属シリサイド層9aを形成する。これと同時にポリシリコンゲート電極33p、33nを高融点金属膜と反応させ、高融点金属シリサイドからなる第1ゲート電極8p及び第2ゲート電極8nへ変換する。
【0023】
次いで、半導体基板1上全面に、絶縁膜16を形成し、第1及び第2ゲート電極上面に接続するビアと、ソースドレイン領域9上面のシリサイド層9aに接続するビア13を形成し、さらに絶縁膜16上に配線5を形成してCMOS回路を有する半導体装置を製造する。
【0024】
上述した製造方法により製造された半導体装置では、pMOSトランジスタ11のしきい値は金属膜33で決まり第1ゲート電極8pのシリサイド組成に依存しない。従って、この半導体装置では、第2ゲート電極88nのシリサイド組成をnMOSトランジスタ12のしきい値に適合させれば足りるので、第1ゲート電極88pは第2ゲート電極88nのシリサイド組成と同一としてよい。
【0025】
このため、上述した半導体装置の製造方法では、pMOSトランジスタ11の第1ゲート電極8pとnMOSトランジスタ12の第2ゲート電極8nとを、一回のサリサイド工程により形成することができる。
【0026】
また、金属膜33は薄いので、容易に精密なパターニングをすることができる。さらに、容易に精密な加工ができるポリシリコンゲート電極33p、33nを形成し、そのポリシリコンゲート電極33p、33nをシリサイドに変換して第1及び第2ゲート電極8p、8nを形成するので精密なゲート電極を容易に形成することができる。
【0027】
しかし、nMOSトランジスタ12のしきい値は、第2ゲート電極8nのシリサイド組成に依存している。サリサイド工程により形成されたこの第2ゲート電極8nのシリサイド組成は、既述のように第2ゲート電極8nのパターン変化に基づき変化する。このため、この半導体装置では、所定の特性を有するCMOS回路を安定して製造することは難しい。
【特許文献1】特開2002−359295号公報
【特許文献2】特開2007−019395号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
上述したように、従来のポリシリコンゲート電極では、金属酸化物を含む高誘電率絶縁物をゲート絶縁膜として用いたときにフェルミレベルピニングが起こり、pMOSトランジスタ及びnMOSトランジスタのしきい値の制御が困難になるという問題がある。また、ゲート電極の抵抗が大きい、及び、ゲート電極のゲート絶縁膜近傍に空乏層が発生して動作特性が劣化するという問題がある。
【0029】
金属ゲート電極は、フェルミレベルピニングがなくしきい値の制御に優れる他、抵抗も小さく、また空乏層も生じない。しかし、加工が難しく、精密かつ微細なゲート電極の製造が難しいという問題がある。
【0030】
フルシリサイドゲート電極は、加工性に優れる他、抵抗も小さくかつ空乏層も生じない。しかし、しきい値がゲート電極のシリサイド組成に依存するため、シリサイド組成を精密に制御しなければならないという問題がある。また、pMOSトランジスタ及びnMOSトランジスタを有する半導体装置では、2種類のシリサイド組成を有するゲート電極を製造しなければならず、製造工程が複雑になるという問題がある。
【0031】
また、シリサイドゲート電極をサリサイド工程により製造すると、ゲート電極パターンが変わるとゲート電極のシリサイド組成が変動するため、しきい値を精密に制御することが難しいという問題がある。
【0032】
pMOSトランジスタ又はnMOSトランジスタの一方のゲート絶縁膜上にしきい値制御用の金属膜を設けてその上にフルシリサイドゲート電極を形成し、他方のトランジスタはフルシリサイドゲート電極とする従来の半導体装置では、他方のトランジスタのしきい値がシリサイド組成に依存するため精密なシリサイド組成の制御が必要で、かつ、しきい値がゲート電極パターンが変わると変動するという問題が残る。
【0033】
本発明は、フェルミレベルピニングを生ぜず、pMOSトランジスタ及びnMOSトランジスタのしきい値を精密に制御でき、かつ精密加工が容易なゲート電極を有する半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0034】
上記課題を解決するための本発明の第1の構成に係る半導体装置は、半導体基板表面に設けられたnウエル及びpウエル上にそれぞれ形成されたゲート絶縁膜と、nウエル上のゲート絶縁膜上に形成された、pMOSトランジスタのしきい値制御用の第1金属膜と、pウエル上のゲート絶縁膜上に形成された、第1金属膜と異なる材料からなるnMOSトランジスタのしきい値制御用の第2金属膜と、第1金属膜及び第2金属膜上にそれぞれ形成された金属シリサイドからなる第1ゲート電極及び第2ゲート電極とを有する。
【0035】
本第1の構成では、pMOSトランジスタ及びnMOSトランジスタは共に、ゲート絶縁膜とゲート電極との間にそれぞれ第1又は第2金属膜が挿入されている。従って、pMOSトランジスタ及びnMOSトランジスタのしきい値は、それぞれ第1金属膜及び第2金属膜により決定され、ゲート電極のシリサイド組成に依存しない。このため、しきい値を容易に精密に制御することができる。
【0036】
また、しきい値はゲート電極のシリサイド組成に依存しないので、pMOSトランジスタ及びnMOSトランジスタのゲート電極を同一サリサイド工程により同時に形成することができる。サリサイド工程では、シリサイドゲート電極の形状は、精密な加工が容易なポリシリコン電極の形状に従うので、高アスペクト比の微細なシリサイドゲート電極を容易に形成することができる。なお、第1及び第2金属膜は薄いので、容易に精密なパターニングが可能である。また、しきい値制御のための精密な組成制御を必要としない。このため、精密に加工された高アスペクト比の微細なシリサイドゲート電極を備え、精密に制御されたしきい値を有する半導体装置が製造される。
【0037】
上述の本第1の構成において、ゲート絶縁膜材料を、金属酸化物を含む10以上の比誘電率を有する高誘電率絶縁物とすることができる。かかる金属酸化物として、窒素をドープしたハフニウムシリケートを用いることができる。また、酸化ハフニウム又はランタン系の高誘電率酸化物を用いてもよい。さらに、窒素ドープハフニウムアルミネートを用いることができる。
【0038】
しきい値制御用の第1金属及び第2金属は、周知のようにp又はn型のMOSトランジスタに対して適切なしきい値を与える仕事関数を有する金属である。とくに、しきい値を制御するという観点から、組成又はドープ量により仕事関数を調整し得るように、合金又はドープされた金属、例えばシリサイド又は窒素ドープ金属、とすることが好ましい。
【0039】
pMOSトランジスタのしきい値制御用の第1金属膜として、例えば、窒化ハフニウム、窒化チタン、レニウム、イリジウム、白金、酸化イリジウム又は酸化ルテニウムを用いることができる。
【0040】
nMOSトランジスタのしきい値制御用の第2金属膜として、例えば、ハフニウム窒化シリコン、タンタル窒化シリコン、ハフニウムシリサイド、タンタルシリサイド、チタン、ジルコニア、バナジウム、タンタル、アルミニウム又はニオブを用いることができる。
【0041】
さらに、第1ゲート電極及び第2ゲート電極を、金属シリサイドを含む同一組成のゲート電極材料から構成することができる。このように第1及び第2ゲート電極を同一組成、たとえば金属シリサイドを含む同一組成とすることが、これらのゲート電極を同一工程により同時に形成できるので好ましい。なお、この金属シリサイドとして、ニッケル、白金、Ti又はコバルトのシリサイドを用いることができる。
【0042】
このようなシリサイドゲート電極は、シリコン又はシリコンを主成分とする材料からなるシリコンゲート電極、例えば、ポリシリコン、非晶質シリコン、シリコンゲルマニウム、炭素がドープされたシリコンゲルマニウム又は炭素がドープされたシリコンを、サリサイド工程により金属シリサイドに変換することで形成されたものとすることが、加工性の観点から好ましい。この観点から、とくにポリシリコン又は非晶質シリコンが優れている。
【0043】
本発明の第2の構成は、第1の構成の半導体装置の製造方法に関し、半導体基板表面にnウエル及びpウエルを形成し、それらnウエル及びpウエル上に、ゲート絶縁膜、第1金属膜及び保護膜を順次積層して形成する。
【0044】
次いで、pウエル上に積層された保護膜及び第1金属膜を順次エッチングして除去し、pウエル上に形成されたゲート絶縁膜を表出する。
【0045】
次いで、保護膜及び表出するゲート絶縁膜を被覆し、第1金属膜と異なる金属からなる第2金属膜を堆積した後、保護膜をエッチングストッパとするエッチングにより、nウエル上に形成された第2金属膜を除去する。その後、nウエル上に表出する保護膜をエッチングして除去する。
【0046】
次いで、第1金属膜及び第2金属膜上に、それぞれシリコン電極を形成する。次いで、シリコン電極を金属シリサイドに変換して,それぞれ前記金属シリサイドを含む第1ゲート電極及び第2ゲート電極を形成する。
【0047】
上記本第2の構成では、半導体基板全面にゲート絶縁膜/第1金属膜/保護膜を積層した後、pウエル上の第1金属膜/保護膜を除去し、ゲート絶縁膜を表出する。次いで、全面に第2金属膜を積層した後、nウエル上の第2金属膜/保護膜を除去する。これにより、nウエル上にゲート絶縁膜/第1金属膜からなる積層構造を、及びpウエル上にゲート絶縁膜/第2金属膜からなる積層構造が形成される。
【0048】
本第2の構成によれば、かかる第1又は第2金属膜を含む二種類の積層構造を、通常のフルシリサイドゲート電極を有する従来の半導体装置の製造工程に、2回の金属膜の堆積工程と2回のエッチング工程とを追加するだけの簡易な工程で形成することができる。また、金属膜は薄いので、精密なパターニングが容易になされる。
【0049】
これにより、シリコン電極を金属シリサイドに変換する一回の工程により、フルシリサイドゲート電極(第1及び第2ゲート電極)が形成される。なお、この第1ゲート電極及び第2ゲート電極の組成比はしきい値に影響を与えないので、サリサイド工程における精密な組成制御は必要ない。
【0050】
本第2の構成において、nウエル上に表出する保護膜を除去する工程は、第1金属膜をエッチングストッパとするエッチングにより行なうことが、第1金属膜へのダメージ導入を防ぐために望ましい。
【0051】
また、本第2の構成において、シリコン電極を金属シリサイドに変換する工程は、シリコン電極の側面を埋め込みシリコン電極の上面を表出する埋め込み絶縁膜を形成したのち、埋め込み絶縁膜上及びシリコン電極の上面に金属膜を堆積し、加熱してシリコン電極を金属シリサイドに変換することでなすことができる。
【0052】
さらに、上記シリサイド工程に先立ち、予めソースドレイン領域上にシリサイド層を形成してもよい。このように、ソースドレイン領域上のシリサイド層の形成工程を、ゲート電極のサリサイド工程と別にすることで、十分薄いシリサイド層と大きなアスペクト比のフルシリサイドゲート電極とを同一半導体基板上に形成することができる。
【発明の効果】
【0053】
本発明によれば、僅かな製造工程の追加のみで、加工精度が高いフルシリサイドゲート電極を有し、フェルミレベルピニングを生ぜず、かつ、pMOSトランジスタ及びnMOSトランジスタのしきい値を精密に制御できる半導体装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
以下、本発明をCMOS回路を有する半導体装置を例に詳細に説明する。
【0055】
図1は本発明の第1実施形態の半導体装置断面図であり、同一半導体基板にpMOSトランジスタ及びnMOSトランジスタが形成されている半導体装置を表している。
【0056】
図1を参照して、本第1実施形態の半導体装置は、半導体基板1上にpMOSトランジスタ11及びnMOSトランジスタ12が形成されている。
【0057】
半導体基板1上面には、nウエル2及びpウエルが形成され、さらに各トランジスタ11、12の形成領域を画定する素子分離帯4が形成されている。この素子分離帯4は、例えば、内部に絶縁物が埋め込まれたシャロートレンチである。そして、nウエル2にpMOSトランジスタ11が形成され、pウエル3にnMOSトランジスタ12が形成されている。
【0058】
nウエル2上に、ゲート絶縁膜5/第1金属膜6の積層体を介して、フルシリサイドゲート電極である第1ゲート電極8pが形成され、その第1ゲート電極8pの側面に絶縁物からなる側壁17が設けられている。
【0059】
一方、pウエル3上に、ゲート絶縁膜5/第2金属膜7の積層体を介して、フルシリサイドゲート電極である第2ゲート電極8nが形成され、第2ゲート電極8nの側面に絶縁物からなる側壁17が設けられている。即ち、nウエル2及びpウエル3上の第1及び第2ゲート電極8p、8nの相違は、nウエル2上で第1金属膜6が介在し、pウエル3上では第2金属膜7が介在する点である。
【0060】
第1金属膜6及び第2金属膜7は、それぞれpMOSトランジスタ11及びnMOSトランジスタ12のしきい値を適正に制御する仕事関数を有する金属であればよい。かかる金属として、例えば、第1金属膜6には窒化ハフニウム、窒化チタン、レニウム、イリジウム、白金、酸化イリジウム又は酸化ルテニウムを用いることができ、また、第2金属膜7にはハフニウム窒化シリコン、タンタル窒化シリコン、ハフニウムシリサイド、タンタルシリサイド、チタン、ジルコニア、バナジウム、タンタル、アルミニウム又はニオブを用いることができる。
【0061】
これらの金属のなかでも、窒素ドープ量又は合金組成比を変えることで仕事関数を変化させ、しきい値を精密に調整することができるという観点から、しきい値制御用の第1及び第2金属膜6、7として、窒化物又はシリサイドを用いることが好ましい。
【0062】
本第1実施形態では、第1金属膜6として、厚さ20nmの窒化チタン(窒素ドープチタン:TiN)を用いた。窒化チタンに代えて、窒化ハフニウム(窒素ドープハフニウム:HfN)としてもよい。第2金属膜7として、厚さ20nmのハフニウム窒化シリコン(窒素ドープハフニウムシリサイド:HfSiN)を用いた。他に、タンタル窒化シリコン(窒素ドープタンタルシリサイド:TaSiN)を用いてもよい。
【0063】
これら第1及び第2金属膜6、7は、加工性の観点からは薄い程よく、例えば60nm以下、より好ましくは40nm以下である。他方、薄すぎるとしきい値がゲート電極材料の影響を受けて変動するので、安定してしきい値を制御するという観点からは十分な厚さ、例えば10nm以上あることが好ましく、より好ましくは20nm以上である。
【0064】
ゲート絶縁膜5として、窒素ドープハフニウムシリケートを用いた。他に、ハフニウム酸化物を用いてもよい。さらに、高誘電率絶縁物、例えば、窒素ドープハフニウムアルミネート、又はランタン若しくはイットリウムを含む金属酸化物を用いることもできる。
【0065】
第1ゲート電極8pの両側、側壁17の外側に、p型不純物領域からなるpMOSトランジスタ11のソースドレイン領域9が形成され、同様に、第2ゲート電極8nの両側、側壁17の外側に、n型不純物領域からなるnMOSトランジスタ12のソースドレイン領域9が形成されている。これらのソースドレイン領域9の上面に、高融点金属シリサイド層9a、例えばニッケルシリサイド層が形成される。
【0066】
さらに、半導体基板1上に、第1ゲート電極8p及び第2ゲート電極8nの上面を表出し、側面を平坦に埋め込む埋め込み絶縁膜10が設けられ、その上に層間絶縁膜16が形成されている。層間絶縁膜16上にはCMOS回路を構成する配線15が配置される。これらの配線15は、層間絶縁膜16を貫通するビア14により第1ゲート電極8p及び第2ゲート電極8nの上面に接続され、また、層間絶縁膜16及び埋め込み絶縁膜10を貫通してソースドレイン領域上のシリサイド層9に接続するビア13により、ソースドレイン領域に接続される。
【0067】
上述した本第1実施形態の半導体装置では、pMOSトランジスタ11及びnMOSトランジスタ12のしきい値がそれぞれ第1金属膜6及び第2金属膜7により決定されるため、安定した特性を有するCMOS回路が実現される。
【0068】
次に、本第1実施形態にかかる半導体装置の製造方法を説明する。
【0069】
図2〜図5は本発明の第1実施形態の半導体装置製造工程断面図(その1)〜(その4)であり、CMOS回路を構成するトランジスタの製造過程を表している。
【0070】
図2(a)を参照して、まず、シリコンからなる半導体基板1上面に、nウエル2及びpウエル3を形成する。次いで、半導体基板1上面に、トレンチを形成し、そのトレンチを絶縁物で埋め込み素子分離帯4を形成した。
【0071】
次いで、図2(b)を参照して、半導体基板1上全面に、有機金属CVD(MOCVD)法を用いて窒素ドープハフニウムシリサイド(HfSiON)からなるゲート絶縁膜5を堆積した。次いで、ゲート絶縁膜5上に、スパッタ法を用いて、窒化チタン(TiN)からなる厚さ20nmの第1金属膜6を堆積した。次いで、低温でのCVD法により、厚さ30nmの低密度酸化シリコン(SiO2 )からなる保護膜21を堆積する。
【0072】
次いで、図2(c)を参照して、nウエル2上を被覆するレジストマスク22をホトリソグラフィを用いて形成し、このレジストマスク22をエッチングマスクとしてpウエル3上に堆積された保護膜21をエッチングして除去した。次いで、レジストマスク22を除去した後、nウエル上に残る保護膜21をエッチングマスクとして、pウエル3上に堆積された第1金属膜6をエッチングして除去した。その結果、pウエル3上に、ゲート絶縁膜5が表出され、nウエル上に、ゲート絶縁膜5/第1金属膜6/保護膜21からなる積層が形成される。なお、保護膜21は、フッ酸溶液をエッチャントとして、下層の第1金属膜6に対して選択的にエッチングして除去した。第1金属膜6は、過酸化水素水をエッチャントとして、下層のゲート絶縁膜5に対して選択的にエッチングした。
【0073】
次いで、図3(d)を参照して、半導体基板1上全面に、スパッタ法を用いて、窒素ドープハフニウムシリサイド(HfSiN)からなる厚さ20nmの第2金属膜7を堆積する。この結果、nウエル2上に、ゲート絶縁膜5/第1金属膜6/保護膜21/第2金属膜7の積層が形成され、pウエル2上に、ゲート絶縁膜5/第2金属膜7の積層が形成される。
【0074】
次いで、図3(e)を参照して、pウエル3上を被覆するレジストマスク25をフォトリソグラフィを用いて形成し、このレジストマスク25をマスクとしてnウエル2上に堆積された第2金属膜7及び保護膜21を順次エッチングして除去する。
【0075】
この第2金属膜7のエッチングは、反応性イオンエッチング(RIE)でなすこともできるが、下層の第1金属膜6へのダメージ導入が少ないウエットエッチングを用いることが好ましい。また、同じ観点から、保護膜21のエッチングは、ウエットエッチング、例えばフッ酸をエッチャントとするウエットエッチンングを用いることが好ましい。なおこれらのウエットエッチングは、それぞれの下層(保護膜21及び第1金属膜6)に対する選択性が高く、これら保護膜21及び第1金属膜6へのダメージ導入が制限される。もちろん、必要ならば保護膜21をドライエッチング、例えば塩素系ガスを用いた反応性イオンエッチングによりエッチングすることもできる。
【0076】
上記工程により、図3(f)を参照して、nウエル2上にゲート絶縁膜5/第1金属膜6の積層が、pウエル3上にゲート絶縁膜5/第2金属膜7の積層が形成される。次いで、レジストマスク25を除去する。
【0077】
次いで、図4(g)を参照して、半導体基板1上全面に、厚さ100nmのポリシリコン層(後にシリコンゲート電極23となる。)及び、窒化シリコン層(後にキャップ層24となる。)を堆積する。
【0078】
次いで、窒化シリコン層及びポリシリコン層をパターニングして、窒化シリコン層からなるキャップ層24で上面が被覆されたポリシリコンからなるシリコンゲート電極23を、nウエル2及びpウエル上に形成する。このポリシリコン層のパターニングは、例えば臭素系のガスを用いた反応性イオンエッチングによりなされる。
【0079】
次いで、塩素系又は臭素系のガスを用いた反応性イオンエッチングにより、シリコンゲート電極23の外側に表出する第1金属膜6及び第2金属膜7を除去する。なお、この第1金属膜6及び第2金属膜7を、フッ酸又は過酸化水素水を用いたウエットエッチングにより除去することが下層のダメージ防止の観点から好ましい。その後、フッ酸をエッチャントするエッチングにより、シリコンゲート電極23の外側に表出するゲート絶縁膜5を除去する。
【0080】
なお、必要ならば、次いで、シリコンゲート電極23をマスクとして不純物をイオン注入し、LDD構造を構成する低濃度ソース・ドレイン領域を形成する。
【0081】
次いで、図4(h)を参照して、半導体基板1上全面に絶縁膜(例えば酸化膜)を堆積し、その酸化膜をエッチバックしてシリコンゲート電極23の側面に絶縁物(例えば酸化膜)からなる側壁17を形成する。次いで、シリコンゲート電極23及び側壁17をマスクとして不純物をイオン注入し、シリコンゲート電極の両側、側壁17の外側に表出する半導体基板1表面にソースドレイン領域9を形成する。
【0082】
次いで、スパッタにより半導体基板1上全面に厚さ20nmのニッケル(Ni)膜を形成した後、ランプアニールしてソースドレイン領域9の表面にシリサイド層9aを形成する。その後、未反応のニッケル膜を除去する。
【0083】
次いで、図4(i)を参照して、半導体基板1上全面にシリコンゲート電極23及びキャップ層24を埋め込み被覆する酸化膜を堆積し、この酸化膜を化学機械的研摩(CMP)して、シリコンゲート電極23上面を表出しシリコンゲート電極23の側面を埋め込む酸化膜からなる埋め込み絶縁膜10を形成する。キャップ層24は化学機械的研摩により除去してもよく,またキャップ層24上面まで研摩した後、エッチングによりキャップ層24を除去することもできる。
【0084】
次いで、半導体基板1上全面に、スパッタにより高融点金属膜26、例えば厚さ60nmのニッケル(Ni)膜を形成する。この高融点金属膜26の厚さは、シリコンゲート電極23の厚さ(高さ)に応じて、シリコンゲート電極23の全体が所定の組成比でシリサイド化されるよに選定される。さらに、高融点金属膜26上に、高融点金属膜26の酸化を防止するための厚さ20nmの窒化チタン(TiN)膜26aを形成した。
【0085】
次いで、ランプアニールにより350℃〜500℃に加熱し、高融点金属膜26から高融点金属(例えはニッケル)をシリコンゲート電極23に拡散、反応させて、シリコンゲート電極23をシリサイドからなる第1ゲート電極8p及び第2ゲート電極8nに変換した。
【0086】
次いで、図5(j)を参照して、窒化チタン膜26a及び未反応の高融点金属膜26をエッチングして除去した。その結果、図5(j)を参照して、nウエル2上にゲート絶縁膜5及び第1金属膜6を介して設けられたフルシリサイド第1ゲート電極8pを有するpMOSトランジスタ11が形成され、pウエル3上にゲート絶縁膜5及び第2金属膜7を介して設けられたフルシリサイド第2ゲート電極8nを有するnMOSトランジスタ12が形成される。
【0087】
次いで、図1を参照して、半導体基板1上全面に、平坦な層間絶縁膜16を形成する。その後、層間絶縁膜16を貫通して第1及び第2ゲート電極8p、8nの上面に接続するビア14、及び、層間絶縁膜16及び埋め込み絶縁膜10を貫通してソースドレイン領域9上のシリサイド層9aに接続するビア13を形成する。その後、層間絶縁膜16上に、これらのビア13、14に接続するCMOS回路の配線15を形成する工程を経て、半導体装置が製造された。
【0088】
上述した半導体装置の製造方法では、ゲート絶縁膜5/第1金属膜6/保護膜21の形成工程、一部領域の第1金属膜6/保護膜21のエッチング工程、第2金属膜7の形成工程、及び、残りの領域の保護膜21/第2金属膜7のエッチング工程と、エッチング工程を2回経るのみで2つの領域上にそれぞれ第1金属膜6及び第2金属膜7を形成することができる。また、これらのエッチング工程では、一方の領域を被覆するレジストマスクのパターンには高精度は要求されない。このため、少ない工程数で容易に第1金属膜6及び第2金属膜7を形成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明をCMOS回路を有する半導体装置に適用することで、安定した特性を有するCMOS回路が製造されるので、本発明は半導体装置の信頼性に資する所が大きい。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の第1実施形態の半導体装置断面図
【図2】本発明の第1実施形態の半導体装置製造工程断面図(その1)
【図3】本発明の第1実施形態の半導体装置製造工程断面図(その2)
【図4】本発明の第1実施形態の半導体装置製造工程断面図(その3)
【図5】本発明の第1実施形態の半導体装置製造工程断面図(その4)
【図6】従来の半導体装置断面図
【図7】従来の半導体装置製造工程断面図
【符号の説明】
【0091】
1 半導体基板
2 nウエル
3 pウエル
4 素子分離帯
5 ゲート絶縁膜
6 第1金属膜
7 第2金属膜
8p 第1ゲート電極
8n 第2ゲート電極
9 ソースドレイン領域
9a シリサイド層
10 埋め込み絶縁膜
11 pMOSトランジスタ
11a pMOSトランジスタ形成領域
12 nMOSトランジスタ
12a nMOSトランジスタ形成領域
13、14 ビア
15 配線
16 絶縁膜
17 側壁
21 保護膜
22、25 レジストマスク
23 シリコンゲート電極
24 キャップ層
26 高融点金属膜
26a 窒化チタン膜
31 窒化膜
32 レジストマスク
33 金属膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板表面に形成されたnウエル及びpウエルに、それぞれ形成されたpMOSトランジスタ及びnMOSトランジスタを有する半導体装置において、
前記nウエル及び前記pウエル上にそれぞれ形成されたゲート絶縁膜と、
前記nウエル上の前記ゲート絶縁膜上に形成された、前記pMOSトランジスタのしきい値制御用の第1金属膜と、
前記pウエル上の前記ゲート絶縁膜上に形成された、前記第1金属膜と異なる材料からなる前記nMOSトランジスタのしきい値制御用の第2金属膜と、
前記第1金属膜上に形成された金属シリサイドを含む第1ゲート電極と、
前記第2金属膜上に形成された金属シリサイドを含む第2ゲート電極とを有する半導体装置。
【請求項2】
前記ゲート絶縁膜は、金属酸化物を含む高誘電率絶縁物からなることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1金属膜は、窒化ハフニウム、窒化チタン、レニウム、イリジウム、白金、酸化イリジウム又は酸化ルテニウムからなり、
前記第2金属膜は、ハフニウム窒化シリコン、タンタル窒化シリコン、ハフニウムシリサイド、タンタルシリサイド、チタン、ジルコニア、バナジウム、タンタル、アルミニウム又はニオブからなることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1ゲート電極及び前記第2ゲート電極は、ニッケル、白金、Ti又はコバルトのシリサイドを含む同一組成のゲート電極材料からなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の半導体装置。
【請求項5】
半導体基板表面にnウエル及びpウエルを形成する工程と、
前記nウエル及び前記pウエル上に、ゲート絶縁膜、第1金属膜及び保護膜を順次形成する工程と、
前記pウエル上に形成された前記保護膜及び前記第1金属膜を順次エッチングして除去し、前記pウエル上に形成された前記第1ゲート絶縁膜を表出する工程と、
次いで、前記保護膜及び表出する前記第1ゲート絶縁膜を被覆し、前期第1金属膜と異なる金属からなる前記第2金属膜を堆積する工程と、
次いで、前記保護膜をエッチングストッパとするエッチングにより、前記nウエル上に形成された前記第2金属膜を除去する工程と、
次いで、前記nウエル上に表出する前記保護膜をエッチングして除去する工程と、
次いで、前記第1金属膜及び前記第2金属膜上に、それぞれシリコン電極を形成する工程と、
次いで、前記シリコン電極を金属シリサイドに変換して,前記第1金属膜及び前記第2金属膜上に、それぞれ前記金属シリサイドを含む第1ゲート電極及び第2ゲート電極を形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記シリコン電極を金属シリサイドに変換する工程は、
前記半導体基板上に、前記シリコン電極の側面を埋め込み前記シリコン電極の上面を表出する埋め込み絶縁膜を形成する工程と、
前記埋め込み絶縁膜上及び前記シリコン電極の上面に、金属膜を堆積する工程と、
次いで、加熱して前記シリコン電極を前記金属膜と反応させ、前記シリコン電極を前記金属シリサイドに変換する工程とを有することを特徴とする請求項5記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−130214(P2009−130214A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−304982(P2007−304982)
【出願日】平成19年11月26日(2007.11.26)
【出願人】(308014341)富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】