説明

半導体装置の製造方法及び基板処理方法及び基板処理装置

【課題】
汚染物やパーティクルがシリコン膜等を有する基板に混入することにより基板の品質や半導体装置の性能が劣化することを抑制し、表面粗さの小さいシリコン膜を形成する。
【解決する手段】
基板にシリコン膜を形成する膜形成工程と、前記シリコン膜に酸化種を供給し、前記シリコン膜を熱処理し前記シリコン膜の表層を酸化シリコン膜に改質する改質工程と、前記酸化シリコン膜を除去する除去工程と、を有する半導体装置の製造方法を提供することで上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を処理する工程を有する半導体装置の製造方法及び基板処理方法及び基板処理装置に関して、特に、シリコン膜(Si膜)を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法及び基板処理方法及び基板処理装置に関する。
【0002】
半導体装置の製造工程の一工程において、2xnm(ナノメートル)以降のNANDフラシュメモリを、隣接セル間干渉の回避およびビットコスト低減のため、シリコン膜を有するFG(Floating
Gate、フローティング ゲート)構造或いはシリコン膜を縦トランジスタチャネルとするTCAT(Terabit Cell Array Transistor、テラビット セル アレイ トランジスター)およびBICS(Bit-Cost Scalable、ビット コスト スケーラブル)へ応用することが提案されている。
【0003】
しかし、上述の応用例に対しシリコン膜を適用する際にシリコン膜の表面粗さ(表面ラフネス、Rms)の問題があり、高いキャリアー移動度を維持することが困難になっており、半導体装置の一部として適用された場合、適用された半導体装置の性能を十分に発揮できず、スループットを低下させる原因であった。
【0004】
一方、特許文献1では、シリコン膜を形成した後、研磨剤を用いてシリコン膜の表面を研磨することにより、平坦な表面を有するシリコン膜を形成していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−249600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、シリコン膜の表面を研磨する時に汚染物やパーティクルが発生し、その汚染物やパーティクルがシリコン膜等を有する基板に混入することにより基板の品質や半導体装置の性能が劣化してしまう等の課題を生じてしまう。
【0007】
本発明は上述の課題を解決し、基板の品質や半導体装置の性能の劣化を抑制する半導体装置の製造方法及び基板処理方法及び基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、基板にシリコン膜を形成する膜形成工程と、前記シリコン膜に酸化種を供給し前記シリコン膜を熱処理し前記シリコン膜の表層を酸化シリコン膜に改質する改質工程と、酸化シリコン膜を除去する除去工程と、を有する半導体装置の製造方法を提供する。
【0009】
本発明の他の態様によれば、基板を処理する処理室と、前記処理室内に少なくともシリコン含有ガスを供給するシリコン含有ガス供給系と、前記処理室内に少なくとも酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給系と、前記処理室内に少なくともハロゲン含有ガスを供給するハロゲン含有ガス供給系と、前記シリコン含有ガス供給系が前記処理室内に少なくとも前記シリコン含有ガスを供給し前記基板にシリコン膜を形成し、前記酸素含有ガス供給系が前記処理室内に前記酸素含有ガスを供給し前記シリコン膜を熱処理しシリコン膜の表層を酸化シリコン膜に改質し、前記ハロゲン含有ガス供給系が前記処理室内に前記ハロゲン含有ガスを供給し酸化シリコン膜を除去するように制御するコントローラと、を有する基板処理装置を提供する。
【0010】
更に本発明の他の態様によれば、基板にシリコン膜を形成する膜形成工程と、前記シリコン膜に酸化種を供給し前記シリコン膜を熱処理し前記シリコン膜の表層を酸化シリコン膜に改質する改質工程と、前記酸化シリコン膜を除去する除去工程と、を有する基板処理方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、基板の品質や半導体装置の性能の劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態が適用される半導体製造装置10の斜視図を示す。
【図2】本発明の第1実施形態が適用される半導体製造装置10の処理炉202側面断面図および各部の制御構成を示す。
【図3】本発明の第1実施形態が適用される半導体製造装置10の処理炉202及びその周辺構造の概略図を示す。
【図4】本発明の第1実施形態における各工程の基板の状態を示す模式図である。
【図5】比較サンプル法における各工程の基板の状態を示す模式図である。
【図6】形成されるシリコン膜の表面粗さの測定結果の本発明の第1実施形態と比較サンプルとの比較を示す。
【図7】アモルファスシリコン膜における、膜厚値と膜厚面内均一性との関係を示す。
【図8】従来法における各工程にて基板に形成される膜の模式図を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[第1実施形態]
【0014】
以下に本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る基板処理装置としての半導体製造装置10の一例であり、斜視図にて示す。この半導体製造装置10は、バッチ式縦型熱処理装置であり、主要部が配置される筐体12を有する。半導体製造装置10には、例えば、Si(シリコン、珪素)又はSiC(シリコンカーバイド、炭化珪素)等で構成された基板としてのウエハ200を収納する基板収納器としてフープ(以下、ポッドという)16が、ウエハキャリアとして使用される。この筐体12の正面側には、ポッドステージ18が配置されており、このポッドステージ18にポッド16が搬送される。ポッド16には、例えば25枚のウエハ200が収納され、蓋が閉じられた状態でポッドステージ18に載置される。
【0015】
筐体12内の正面側であって、ポッドステージ18に対向する位置にはポッド搬送装置20が配置されている。また、このポッド搬送装置20の近傍にはポッド棚22、ポッドオープナ24及び基板枚数検知器26が配置されている。ポッド棚22はポッドオープナ24の上方に配置されポッド16を複数個載置した状態で保持するように構成されている。基板枚数検知器26はポッドオープナ24に隣接して配置される。ポッド搬送装置20はポッドステージ18とポッド棚22とポッドオープナ24との間でポッド16を搬送する。ポッドオープナ24はポッド16の蓋を開けるものであり、基板枚数検知器26は蓋を開けられたポッド16内のウエハ200の枚数を検知する。
【0016】
筐体12内には基板移載機28、基板支持具としてのボート217が配置されている。基板移載機28は、アーム(ツィーザ)32を有し、図示しない駆動手段により、上下回転動作が可能な構造になっている。アーム32は例えば5枚のウエハ200を取り出すことができ、このアーム32を動かすことにより、ポッドオープナ24の位置に置かれたポッド16及びボート217間にてウエハ200を搬送する。
【0017】
図2は本発明の実施の形態で好適に用いられる基板処理装置の処理炉202の概略構成図であり、縦断面図として示されている。
【0018】
図2に示されているように、処理炉202は加熱機構としてのヒータ206を有する。ヒータ206は筒形状であり、例えば円筒形状であり、図示しない保持板としてのヒータベースに支持されることにより垂直に据え付けられている。
【0019】
ヒータ206の内側には、ヒータ206と同心円状に反応管としてのプロセスチューブ203が配設されている。プロセスチューブ203は内部反応管としてのインナーチューブ204と、その外側に設けられた外部反応管としてのアウターチューブ205とから構成されている。インナーチューブ204は、例えば石英(SiO)または炭化珪素(SiC)等の耐熱性材料で構成されており、上端および下端が開口した円筒形状に形成されている。インナーチューブ204の筒中空部には処理室201が形成されており、基板としてのウエハ200を後述するボート217によって水平姿勢で垂直方向に多段に整列した状態で収容可能に構成されている。アウターチューブ205は、例えば石英または炭化珪素等の耐熱性材料で構成されており、内径がインナーチューブ204の外径よりも大きく上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されており、インナーチューブ204と同心円状に設けられている。
【0020】
アウターチューブ205の下方には、アウターチューブ205と同心円状にマニホールド209が配設されている。マニホールド209は、例えばステンレス等で構成されており、上端および下端が開口した円筒形状に形成されている。マニホールド209は、インナーチューブ204とアウターチューブ205に係合しており、これらを支持するように設けられている。なお、マニホールド209とアウターチューブ205との間にはシール部材としてのOリング220aが設けられている。マニホールド209が図示しないヒータベースに支持されることにより、プロセスチューブ203は垂直に据え付けられた状態となっている。プロセスチューブ203とマニホールド209により反応容器が形成される。
【0021】
マニホールド209にはガス導入部としてのノズル230a、230b、230c、230dが処理室201内に連通するように接続されており、ノズル230a、230b、230c、230dにはそれぞれガス供給管232a、232b、232c、232dが接続されている。ガス供給管232a、232b、232c、232dのノズル230a、230b、230c、230dとの接続側と反対側である上流側には、ガス流量制御器としてのMFC(マスフローコントローラ、Mass Flow Controller)241a、241b、241c、241d及び開閉装置としてのバルブ310a、310b、310c、310dを介してシリコン含有ガス源300a、酸素含有ガス源300b、ハロゲン含有ガス源300c、不活性ガス源300dが接続されている。MFC241a、241b、241c、241dには、ガス流量制御部235が電気的に接続されており、供給するガスの流量が所望の量となるよう所望のタイミングにて制御するように構成されている。
【0022】
シリコン含有ガスとして例えばシラン(SiH)ガスを供給するノズル230aは、例えば石英製であり、マニホールド209を貫通するようにマニホールド209に設けられている。ノズル230aは、少なくとも1本設けられており、ヒータ206と対向する領域より下方であってマニホールド209と対向する領域に設けられ、シリコン含有ガスを処理室201内へ供給している。ノズル230aは、ガス供給管232aに接続されている。このガス供給管232aは、流量制御器(流量制御手段)としてのマスフローコントローラ241a及びバルブ310aを介してシリコン含有ガスとして、例えばシラン(SiH)ガスを供給するシリコン含有ガス源300aに接続されている。この構成により、処理室201内へ供給するシリコン含有ガス、例えばシランガスの供給流量、濃度、分圧を制御することができる。主に、シリコン含有ガス源300a、バルブ310a、マスフローコントローラ241a、ガス供給管232a、ノズル230aにより、ガス供給系としてのシリコン含有ガス供給系が構成される。
【0023】
酸素含有ガスとして例えば酸素(O)ガスを供給するノズル230bは、例えば石英製であり、マニホールド209を貫通するようにマニホールド209に設けられている。ノズル230bは、少なくとも1本設けられており、ヒータ206と対向する領域より下方であってマニホールド209と対向する領域に設けられ、酸素含有ガスを処理室201内へ供給している。ノズル230bは、ガス供給管232bに接続されている。このガス供給管232bは、流量制御器(流量制御手段)としてのマスフローコントローラ241b及びバルブ310bを介して酸素含有ガスとして、例えば酸素ガスを供給する酸素含有ガス源300bに接続されている。この構成により、処理室201内へ供給する酸素含有ガス、例えば酸素ガスの供給流量、濃度、分圧を制御することができる。主に、酸素含有ガス源300b、バルブ310b、マスフローコントローラ241b、ガス供給管232b、ノズル230bにより、ガス供給系としての酸素含有ガス供給系が構成される。
【0024】
ハロゲン含有ガスとして例えば三フッ化窒素(NF)ガスを供給するノズル230cは、例えば石英製であり、マニホールド209を貫通するようにマニホールド209に設けられている。ノズル230cは、少なくとも1本設けられており、ヒータ206と対向する領域より下方であってマニホールド209と対向する領域に設けられ、ハロゲン含有ガスを処理室201内に供給している。ノズル230cは、ガス供給管232cに接続されている。このガス供給管232cは、流量制御器(流量制御手段)としてのマスフローコントローラ241c及びバルブ310cを介してハロゲン含有ガスとして、例えば三フッ化窒素ガスを供給するハロゲン含有ガス源300cに接続されている。この構成により、処理室201へ供給する三フッ化窒素ガスの供給流量、濃度、分圧を制御することができる。主に、ハロゲン含有ガス源として、例えばハロゲン含有ガス源300c、バルブ310c、マスフローコントローラ241c、ガス供給管232c、ノズル230cにより、ガス供給系としてのハロゲン含有ガス供給系が構成される。
【0025】
不活性ガスとして例えば窒素(N)ガスを供給するノズル230dは、例えば石英製であり、マニホールド209を貫通するようにマニホールド209に設けられている。ノズル230dは、少なくとも1本設けられており、ヒータ206と対向する領域より下方であってマニホールド209と対向する領域に設けられ、不活性ガスを処理室201内に供給している。ノズル230dは、ガス供給管232dに接続されている。このガス供給管232dは、流量制御器(流量制御手段)としてのマスフローコントローラ241d及びバルブ310dを介して不活性ガスとして、例えば、窒素ガスを供給する不活性ガス源300dに接続されている。この構成により、処理室201内へ供給する不活性ガス、例えば窒素ガスの供給流量、濃度、分圧を制御することができる。主に、不活性ガス源300d、バルブ310d、マスフローコントローラ241d、ガス供給管232d、ノズル230dにより、ガス供給系としての不活性ガス供給系が構成される。
【0026】
バルブ310a、310b、310c、310d、およびマスフローコントローラ241a、241b、241c、241dには、ガス供給量制御部235が電気的に接続され、所望のガス供給量、ガス供給開始、ガス供給停止等を所望のタイミングにて制御するように構成されている。
【0027】
尚、本実施例では、ノズル230a、230b、230c、230dをマニホールド209と対向する領域に設けたが、これに限らず、例えば、少なくとも一部がヒータ206と対向する領域に設けて、シリコン含有ガスまたは酸素含有ガスまたはハロゲン含有ガスまたは不活性ガスをウエハの処理領域にて供給できるようにしても良い。例えばL字型のノズルを1以上用いて、ガスを供給する位置をウエハの処理領域まで延在させることで、1以上の位置からガスをウエハ近傍で供給することができるようにしても良い。また、マニホールド209と対向する領域、又はヒータ206と対向する対向する領域のいずれにおいても、ノズルを設けても良い。
【0028】
また本実施例ではシリコン含有ガスとしてシランガスを例示したが、これに限らず、例えば、ジシラン(Si)ガスやトリシラン(Si)ガス等の高次シランガスやジクロロシラン(SiHCl)ガスやトリクロロシラン(SiHCl)ガスやテトラクロロシラン(SiCl)ガスを用いても良く、またこれらの組み合わせて用いてもよい。
【0029】
また本実施例では酸素含有ガスとして酸素(O)ガスを例示したが、これに限らず、例えば、オゾン(O)ガス等を用いても良い。
【0030】
また本実施例では、三フッ化窒素(NF)ガスを例示したが、これに限らず、例えば、三フッ化塩素(ClF)ガス、フッ素(F2)ガス等のフッ素(F)や塩素(Cl)等のハロゲンを含むハロゲン含有ガスを用いても良く、またこれらを組み合わせて用いても良い。
【0031】
また本実施例では不活性ガスとして窒素(N)ガスを例示したが、これに限らず、例えば、ヘリウム(He)ガス、ネオン(Ne)ガス、アルゴン(Ar)ガス等の希ガス等を用いても良く、また窒素ガスとこれらの希ガスとを組み合わせて用いても良い。
【0032】
マニホールド209には、処理室201内の雰囲気を排気する排気管231が設けられている。排気管231は、インナーチューブ204とアウターチューブ205との隙間によって形成される筒状空間250の下端部に配置されており、筒状空間250に連通している。排気管231のマニホールド209との接続側と反対側である下流側には圧力検出器としての圧力センサ245および圧力調整装置242を介して真空ポンプ等の真空排気装置246が接続されており、処理室201内の圧力が所定の圧力(真空度)となるよう真空排気し得るように構成されている。圧力調整装置242および圧力センサ245には、圧力制御部236が電気的に接続されており、圧力制御部236は圧力センサ245により検出された圧力に基づいて圧力調整装置242により処理室201内の圧力が所望の圧力となるよう所望のタイミングにて制御するように構成されている。
【0033】
マニホールド209の下方には、マニホールド209の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219はマニホールド209の下端に垂直方向下側から当接されるようになっている。シールキャップ219は例えばステンレス等の金属で構成されており、円盤状に形成されている。シールキャップ219の上面にはマニホールド209の下端と当接するシール部材としてのOリング220bが設けられる。シールキャップ219の処理室201と反対側には、ボートを回転させる回転機構254が設置されている。回転機構254の回転軸255はシールキャップ219を貫通して、後述するボート217に接続されており、ボート217を回転させることでウエハ200を回転させるように構成されている。シールキャップ219はプロセスチューブ203の外部に垂直に設備された昇降機構としてのボートエレベータ115によって垂直方向に昇降されるように構成されており、これによりボート217を処理室201に対し搬入搬出することが可能となっている。回転機構254及びボートエレベータ115には、駆動制御部237が電気的に接続されており、所望の動作をするよう所望のタイミングにて制御するように構成されている。
【0034】
基板保持具としてのボート217は、例えば石英や炭化珪素等の耐熱性材料で構成されており、複数枚のウエハ200を水平姿勢でかつ互いに中心を揃えた状態で整列させて多段に保持するように構成されている。なおボート217の下部には、例えば石英や炭化珪素等の耐熱性材料で構成されており円板形状をした断熱部材としての断熱板216が水平姿勢で多段に複数枚配置されており、ヒータ206からの熱がマニホールド209側に伝わりにくくなるよう構成されている。
【0035】
プロセスチューブ203内には、温度検出器としての温度センサ263が設置されている。ヒータ206と温度センサ263には、電気的に温度制御部238が接続されており、温度センサ263により検出された温度情報に基づきヒータ206への通電具合を調整することにより処理室201内の温度が所望の温度分布となるよう所望のタイミングにて制御するように構成されている。
【0036】
ガス流量制御部235、圧力制御部236、駆動制御部237、温度制御部238は、操作部、入出力部をも構成し、基板処理装置全体を制御する主制御部239に電気的に接続されている。これら、ガス流量制御部235、圧力制御部236、駆動制御部237、温度制御部238、主制御部239はコントローラ240として構成されている。
【0037】
次に、上記構成に係る処理炉202を用いて、半導体装置の製造工程の一工程として、CVD(Chemical Vapor Deposition、化学気相成長)法によりウエハ200に薄膜を形成する方法について説明する。尚、以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作はコントローラ240により制御される。
【0038】
複数枚のウエハ200がボート217に装填(ウエハチャージ)されると、図2に示されているように、複数枚のウエハ200を保持したボート217は、ボートエレベータ115によって持ち上げられて処理室201に搬入(ボートローディング)される。この状態で、シールキャップ219はOリング220bを介してマニホールド209の下端をシールした状態となる。
【0039】
処理室201内が所望の圧力(真空度)となるように真空排気装置246によって真空排気される。この際、処理室201内の圧力は、圧力センサ245で測定され、この測定された圧力に基づき圧力調節器242により、フィードバック制御される。また、処理室201内が所望の温度となるようにヒータ206によって加熱される。この際、処理室201内が所望の温度分布となるように温度センサ263が検出した温度情報に基づきヒータ206への通電具合がフィードバック制御される。続いて、回転機構254により、ボート217が回転されることで、ウエハ200が回転される。
【0040】
次いで、図2に示すように処理ガスとして、たとえばシリコン含有ガス供給源300aからシリコン含有ガスが供給され、MFC241aにて所望の流量となるように制御されたシリコン含有ガスは、ガス供給管232aを流通してノズル230aから処理室201内に導入される。導入されたシリコン含有ガスは処理室201内を上昇し、インナーチューブ204の上端開口から筒状空間250に流出して排気管231から排気される。シリコン含有ガスは処理室201内を通過する際にウエハ200の表面と接触し、この際に熱CVD反応によってウエハ200に膜、たとえばシリコン膜が堆積(デポジション)される。
【0041】
予め設定された処理時間が経過すると、不活性ガス供給源300dから不活性ガスがMFC241dにて所望の流量となるように制御されて供給され、処理室201内が不活性ガスに置換されるとともに、処理室201内の圧力が常圧に復帰される。
【0042】
その後、ボートエレベータ115によりシールキャップ219が下降されて、マニホールド209の下端が開口されるとともに、処理済ウエハ200がボート217に保持された状態でマニホールド209の下端からプロセスチューブ203の外部に搬出(ボートアンローディング)される。その後、処理済ウエハ200はボート217より取出される(ウエハディスチャージ)。
【0043】
次に本発明の第1実施形態における膜形成する方法について、さらに詳細に説明する。上述の半導体製造装置10を用いて、半導体装置の製造工程の一工程として基板に以下のような手順で目的の膜を形成する。
【0044】
図4は第1実施形態における各工程の基板の状態を示す模式図である。図4に示すように第1実施形態では、基板となるウエハ200にシリコン膜を形成する膜形成工程をし、シリコン膜に酸化種を供給して、シリコン膜を熱処理しシリコン膜の表層を酸化シリコン膜に改質される改質工程をし、酸化シリコン膜を除去する除去工程が行う。これによりシリコン膜が熱処理され、シリコン膜の表層が酸化シリコン膜に改質される。この際にシリコン膜の表層が酸化シリコン膜に改質されるので、シリコン膜の膜厚を薄くすることができ、改質された酸化シリコン膜はキャップ膜(Cap膜)として構成することができ、熱処理に伴い、発生してしまうシリコン膜の表面のシリコンの移動を抑制することが出来る。これにより表面粗さ(表面ラフネス)の小さいシリコン膜、例えばポリシリコン膜(多結晶膜)を形成することが出来る。詳細について以下に説明する。
【0045】
各工程について以下に詳細に説明する。
【0046】
<膜形成工程>
シリコン等で構成される基板としてのウエハ200に例えば、アモルファスシリコン(非晶質シリコン、amorphous silicon)膜710を形成する膜形成工程について説明する。処理室201内に少なくともシリコン含有ガスを供給し、一例としてCVD法を用いてウエハ200上にアモルファスシリコン膜710を15nm以上80nm以下程度の膜厚で形成されることが好ましい。
【0047】
また、好ましくはウエハ200に、酸化シリコン膜が形成されていることが良く、ウエハ200に形成されている酸化シリコン膜に上述の方法で、アモルファスシリコン膜710が形成されることが望ましい。これにより、例えば、形成されるアモルファスシリコン膜710と酸化シリコン膜との密着性が高くなるので、形成する半導体装置の性能が劣化することを低減し、スループットが低下することを抑制することができる。
【0048】
なお、シリコン含有ガスとして、シランガス(SiHガス)又は、ジシランガス(Siガス)又はジクロロシランガス(SiH2Cl2ガス)等が挙げられる。
【0049】
また、好ましくはアモルファスシリコン膜710が形成されるとき、まずジシランガスを供給しシリコンで構成されるシード(Seed)層710aを形成した後、シランガスを供給して形成されたシード層710a上にシリコン層710bを形成してアモルファスシリコン膜710を形成することが良い。
これによりジシランガスを供給してシード層710aを形成することにより基板であるウエハ200にシリコン結晶核を均一に形成することができ、その後のシランガスを供給することで、均一に形成されたシリコン結晶核が成長する為、形成されるシリコン層710bは、均一に形成することができる。つまり、ウエハ200に形成されるシリコン膜、例えば、アモルファスシリコン膜710は、上述のシード層710aとシリコン層710bとで構成されることで、膜厚の面内均一性が良好に形成することができる。
【0050】
なお、一例まで、本実施形態の処理室201内にてウエハ200を処理する際の処理条件、すなわち、ウエハ200にジシランガスによるシード層710aを形成する際の処理条件としては、
処理温度:390℃以上480℃以下、
処理圧力:40Pa以上120Pa以下、
ジシランガス供給流量:50sccm以上500sccm以下、
が例示され、それぞれの処理条件を、それぞれの範囲内のある値で一定に維持することでウエハ200にシリコンで構成されるシード層710aが形成される。
【0051】
また、一例まで、本実施形態の処理室201内にてウエハ200を処理する際の処理条件、すなわちシード層710aにシリコン層710bを形成する際の処理条件としては、
処理温度:490℃以上540℃以下、
処理圧力:40Pa以上200Pa以下、
シランガス供給流量:500sccm以上2000sccm以下、
が例示され、それぞれの処理条件を、それぞれの範囲内のある値で一定に維持することでシード層710aにシリコン層710bが形成される。
【0052】
上述のような膜形成工程によって、ウエハ200上に表面粗さ(ラフネス)の小さいアモルファスシリコン膜710が形成される。
【0053】
なお、シリコンで構成されるシード層710aは1nm(ナノメートル)以上の膜厚が好ましい。ジシランガスを供給することによって形成されるシード層710aの膜厚が1nmとシランガスを供給するによって形成されたシリコン層710bの膜厚が13nmとのアモルファスシリコン膜710が15nmとしたとき、ステップカバレージが95%程度の高いステップカバレージを確保できることが得られている。これにより次世代3次元メモリ(3Dメモリ)への応用が可能となる。
【0054】
なお、上述では、ジシランガスとシランガスとを用いてアモルファスシリコン膜710を形成する成膜条件を示したが、これに限らず、シリコン含有ガスのいずれか1種のガス又は上述に例示したその他のシリコン含有ガスの1種類又はその組み合わせを用いてアモルファスシリコン膜710を形成しても良い。
【0055】
尚、上述では、CVD法による膜形成について説明したが、これに限らず、例えばALD(Atomic Layer Deposition、原子層成長)法を用いても良い。
【0056】
<改質工程>
続いて、シリコン膜、例えばアモルファスシリコン膜710に酸化種を供給して酸化シリコン膜を熱処理し、シリコン膜の表層を酸化シリコン膜に改質する改質工程を行う。
【0057】
処理室201内に例えば、少なくとも酸化種として、酸素(O)ガスを供給し、シリコン膜、例えば、アモルファスシリコン膜710を熱処理し、シリコン膜の表層を酸化シリコン膜720に改質する。改質工程により形成された酸化シリコン膜720は2〜50nm程度の膜厚で形成されていることが好ましい。
【0058】
これにより、シリコン膜、例えばアモルファスシリコン膜710は、熱処理によりポリシリコン膜(多結晶シリコン膜)730になりつつ、供給された酸化種によりアモルファスシリコン膜710の表層が改質されて酸化シリコン膜720になる。更に、このとき、形成されるポリシリコン膜730の膜厚は、アモルファスシリコン膜710の膜厚よりも薄く形成することが出来る。
【0059】
また、改質工程により形成された酸化シリコン膜720はキャップ膜(Cap膜)として働き、熱処理によりアモルファスシリコン膜710からポリシリコン膜730へと改質される際に、構成しているシリコン、特にポリシリコン膜730と酸化シリコン膜720との界面に存在するシリコンの移動を抑制することができる。つまり、後述の除去工程により酸化シリコン膜720を除去することで、露出されるポリシリコン膜730の表層のシリコンが移動することを抑制されているので、露出されるポリシリコン膜730の表層は表面粗さ(表面ラフネス、Rms)の小さいポリシリコン膜730を形成することが出来る。
【0060】
一例まで、本実施形態の処理室201内にてウエハ200を処理する際の処理条件としては、
処理温度:700℃以上950℃以下、
処理圧力:100Pa以上100000Pa以下、
酸素ガス供給流量:4sccm以上10sccm以下、
が例示され、それぞれの処理条件を、それぞれの範囲内のある値で一定に維持することでシリコン膜、例えばアモルファスシリコン膜710が熱処理されポリシリコン膜730になり、供給された酸化種によりアモルファスシリコン膜710の表層が酸化シリコン膜720に改質される。
【0061】
アモルファスシリコン膜710に酸化種を供給することにより、アモルファスシリコン膜710は熱処理されてポリシリコン膜730になりつつ、供給された酸化種によりアモルファスシリコン膜710表層は、酸化シリコン膜720に改質処理される。
このとき、酸化種により改質された酸化シリコン膜720はキャップ膜(Cap膜)として働き、熱処理されてポリシリコン膜730を構成しているシリコン、特にポリシリコン膜730と酸化シリコン膜720との界面におけるシリコンの移動を抑制することができる。また、酸化シリコン膜720はアモルファスシリコン膜710の表層が改質処理ことで形成しているので、形成されるポリシリコン膜730は、薄い膜厚で形成することができる。換言すれば、改質工程にて供給される酸化種、例えば、酸素ガスの供給量や処理室内の圧力(処理圧力)や温度(処理温度)等の処理条件を制御することで、酸化シリコン膜720に改質される量、つまり改質される酸化シリコン膜720の膜厚を制御することができ、これにより、ポリシリコン膜730の膜厚を制御することができる。
【0062】
なお、本実施形態では、酸化種として酸素ガスを例示したが、好ましくは、酸素ガスと水素ガスとを独立して処理室内に供給して改質処理を行うことが良い。これにより、酸化反応初期の速度が速いため、シリコンで構成されるウエハ200に異なる2以上の面方位を有する場合であっても、シリコン面方位に依存した酸化速度の差が生じることを著しく小さくすることができ、改質処理を均一に行うことができる。しかし、これに限らず、例えば、HOガスを用いた方法等の酸素含有ガスを用いた方法で行っても良い。
【0063】
<除去工程>
次に、改質工程にて形成された酸化シリコン膜720を除去する除去工程を行う。これにより、酸化シリコン膜720が除去され、ポリシリコン膜730が露出する。
【0064】
処理室201内に例えば、少なくとも三フッ化窒素(NF)ガスを供給し、ドライエッチングすることにより形成されている酸化シリコン膜720を除去する。
このとき、酸化シリコン膜720は、三フッ化窒素ガスと反応し、酸化シリコン膜のシリコンは三フッ化窒素ガスのフッ素と結合しフッ化シリコン化合物(Si、但しx、yは整数)を形成し、酸化シリコン膜の酸素は三フッ化窒素ガスの窒素と結合し酸化窒素化合物(NO、但し、zは整数)を形成し、それぞれガスとして処理室201から排気されるため、酸化シリコン膜720は除去される。
【0065】
これにより、上述で説明したように改質工程でウエハ200に形成されていた表面粗さの小さいポリシリコン膜730を得ることができる。
【0066】
本実施形態では、三フッ化窒素(NF)ガスを例示したが、これに限らず、例えば三フッ化塩素(ClF)ガス、フッ素(F)ガス等のフッ素や塩素を含むハロゲン含有ガスを用いても良い。
また、上述のドライエッチングによる除去する方法に寄らず、半導体製造装置10からウエハ200を搬出した後に、他の装置を用いて、薬液によるウエットエッチング法により酸化シリコン膜720を除去しても良い。好ましくは例えば、1%に希釈された希フッ酸溶液を用いてウエットエッチングし、酸化シリコン膜720を除去することにより、表面粗さの小さいポリシリコン膜730が形成することができる。
薬液として希フッ酸溶液を用いたが、これに限らず、その他のハロゲンを含む溶液を用いても良いし、溶液の濃度について、更に高濃度であっても良い。
【0067】
一連の処理完了後、処理ガスの供給を停止し、不活性ガス供給源から不活性ガスが供給され、処理室201内が不活性ガスで置換されると共に、処理室201内の圧力が常圧に復帰される。
【0068】
その後、昇降モータ122によりシールキャップ219が下降されて、マニホールド209の下端が開口されると共に、処理済ウエハ200がボート217に保持された状態でマニホールド209の下端から処理室201の外部に搬出(ボートアンローディング)し、ボート217に支持された全てのウエハ200が冷えるまで、ボート217を所定位置で待機させる。次に、待機させたボート217のウエハ200が所定温度まで冷却されると、基板移載機28により、ボート217からウエハ200を取り出し、ポッドオープナ24にセットされている空のポッド16に搬送して収容する。その後、ポッド搬送装置20により、ウエハ200が収容されたポッド16をポッド棚22、またはポッドステージ18に搬送する。このようにして半導体製造装置10の一連の作用が完了する。
【0069】
<比較>
上述の方法で形成したポリシリコン膜730と、サンプル膜750としてウエハ200にポリシリコン膜を形成した場合を比較する。
【0070】
ここでサンプル膜の成膜方法について説明する。
図5は、サンプル膜を形成する各工程にて形成される膜の模式図を示している。まずウエハ200にアモルファスシリコン膜710を形成しアモルファスシリコン膜710に熱処理を施すことにより、アモルファスシリコン膜710をポリシリコン膜750に変形してサンプル膜が形成される。
【0071】
なお、サンプル膜を形成する際のアモルファスシリコン膜710の形成方法は上述の第1実施形態の際と同じであり、熱処理の工程に関する処理条件は以下のとおりとする。
【0072】
一例まで、本実施形態の処理室201内にてウエハ200にサンプル膜750を形成する際にアモルファスシリコン膜710を熱処理する処理条件としては、
処理温度:650℃以上950℃以下、
処理圧力:5000Pa以上1000000Pa以下、
窒素ガス供給流量:500sccm以上2000sccm以下、
が例示され、それぞれの処理条件を、それぞれの範囲内のある値で一定に維持することでアモルファスシリコン膜710が熱処理される。
【0073】
なお、熱処理する基板に適した条件に応じて熱処理温度および熱処理に必要な処理時間を適宜調整することが望ましい。
【0074】
図6にて第1実施形態の方法で形成された膜の表面粗さとサンプル膜750の表面粗さとを比較した結果を示している。いずれも、ウエハ200に15〜80nmのポリシリコン膜(多結晶シリコン膜)が形成されているが、それぞれの表面粗さ(表面ラフネス、Rms)は大きく違う。サンプル膜におけるポリシリコン膜750の表面ラフネスRms=0.62nmと高い値を示しているのに対し、第1実施形態の方法で形成したポリシリコン膜730の表面ラフネスRms=0.33nmと良好な値である。これは熱処理する際に、アモルファスシリコン膜の表面のシリコンが熱により移動してしまうためであり、第1実施形態においては、アモルファスシリコン膜710が熱処理されポリシリコン膜730になりつつ、供給される酸化種により表層が酸化シリコン膜720に改質されることで、形成される酸化シリコン膜720はキャップ膜(Cap膜)となるので、ポリシリコン膜を構成しているシリコン、特に、ポリシリコン膜730と酸化シリコン膜720との界面に存在するシリコンの熱処理による移動を抑制することができるためである。更に除去工程を経て露出されるポリシリコン膜(多結晶シリコン膜)730は表面粗さ(表面ラフネス)の小さい膜を形成することができる。
【0075】
また、図7では、アモルファスシリコン膜の膜厚値と各膜厚値における膜厚面内均一性の関係を示す。図7では、横軸に成膜時間(min)、縦軸は、左側に成膜されたアモルファスシリコン膜の膜厚値(nm)、右側にウエハ200に成膜されたアモルファスシリコン膜の膜厚面内均一性(%)をそれぞれ示す。図7に示すように、アモルファスシリコン膜は薄膜になるにつれて面内均一性が著しく悪化する傾向がある。したがって半導体スケールが小さくなるにつれて、アモルファスシリコン膜を形成する工程のみでは平坦な表面を形成することができず、適用することが困難となることが考えられる。
【0076】
本発明の第1実施形態を用いて、表面粗さ(表面ラフネス)の小さいポリシリコン膜730が形成されることは、半導体装置のスケールが小さくなりシリコン膜の膜厚が薄くする要求が大きくなる場合に有用である。半導体装置の製造工程の中で例えば、シリコン膜を均一に形成することができ、また、ポリシリコン膜730の上に形成される膜との結合力を強くすることができる。更に良好な性能を有する半導体装置を安定して製造することができる。
【0077】
本実施形態によれば、以下に示す効果のうち少なくとも1つ以上の効果を奏する
(1)表面粗さの小さいポリシリコン膜(多結晶膜)を形成することが出来る。
(2)供給される酸化種の供給条件を制御することで、形成されるポリシリコン膜の膜厚を制御することができる。
(3)(1)において、膜形成工程にて、ジシランガスを用いて形成するシリコンで構成されるシード層とシランガスを用いて形成されるシリコン層とでシリコン膜を形成することにより、表面粗さの小さく、面内均一性の良好なポリシリコン膜を形成することが出来る。
(4)(1)において、半導体製造工程において、シリコンで構成される絶縁膜を均一に形成することができる。
(5)(1)において特に高いアスペクト比(Aspect比)を有するトレンチ構造等に適用する際に良好なステップカバレージ(Step Coverage)を得ることが出来る。
(6)(1)において、ポリシリコン膜の上に形成される膜との結合力を強くすることができる。
(7)良好な性能を有する半導体装置を安定して製造することができ、スループットの向上が出来る。
【0078】
なお、上述の実施形態では、1つの半導体製造装置10にて、一連の膜形成を行ったが、これに限らず、それぞれの工程をそれぞれの専用の処理装置で行っても良い。
【0079】
尚、本発明はバッチ式装置に限らず枚葉式装置にも適用できる。
【0080】
なお、本発明はポリシリコン膜の形成に関して説明したが、その他のエピタキシャル膜及びCVD膜、たとえば窒化シリコン膜等に関しても適用することができる。
【0081】
[付記]
以下に、本実施形態に係る好ましい態様を付記する。
【0082】
[付記1]
基板にシリコン膜を形成する膜形成工程と、
前記シリコン膜に酸化種を供給し、前記シリコン膜を熱処理し前記シリコン膜の表層を酸化シリコン膜に改質する改質工程と、
前記酸化シリコン膜を除去する除去工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【0083】
[付記2]
基板を処理する処理室と、
前記処理室内に少なくともシリコン含有ガスを供給するシリコン含有ガス供給系と、
前記処理室内に少なくとも酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給系と、
前記処理室内に少なくともハロゲン含有ガスを供給するハロゲン含有ガス供給系と、
前記シリコン含有ガス供給系が前記処理室内に少なくとも前記シリコン含有ガスを供給し前記基板にシリコン膜を形成し、前記酸素含有ガス供給系が前記処理室内に前記酸素含有ガスを供給し前記シリコン膜を熱処理し前記シリコン膜の表層を酸化シリコン膜に改質し、前記ハロゲン含有ガス供給系が前記処理室内に前記ハロゲン含有ガスを供給し前記酸化シリコン膜を除去するように制御するコントローラと、
を有する基板処理装置。
【0084】
[付記3]
基板にシリコン膜を形成する膜形成工程と、
前記シリコン膜に酸化種を供給し、前記シリコン膜を熱処理し前記シリコン膜の表層を酸化シリコン膜に改質する改質工程と、
前記酸化シリコン膜を除去する除去工程と、
を有する基板処理方法。
【0085】
[付記4]
付記1において膜形成工程は、前記処理室内にジシランガスを供給し前記基板にシリコンで構成されたシード層を形成し、前記処理室内にシランガスを供給し前記シード層にシリコン膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0086】
[付記5]
付記1において膜形成工程は、前記処理室内にジシランガスを供給し前記基板にシリコンで構成されたシード層を形成し、ジシランガスの供給を停止した後に処理室内にシランガスを供給し前記シード層にシリコン膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0087】
[付記6]
付記4乃至5において、シード層の膜厚は1nm以上であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0088】
[付記7]
前記除去工程では、前記基板へハロゲン含有ガスを供給し、前記シリコン酸化膜を除去する半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0089】
半導体製造装置 10
筐体 12
ポッド 16
ポッドステージ 18
ポッド搬送装置 20
ポッド棚 22
ポッドオープナ 24
基板枚数検知器 26
基板移載機 28
アーム 32
ボートエレベータ 115
昇降モータ 122
ウエハ 200
処理室 201
処理炉 202
プロセスチューブ 203
インナーチューブ 204
アウターチューブ 205
ヒータ 206
マニホールド 209
断熱板 216
ボート 217
シールキャップ 219
Oリング 220a、220b
ノズル 230a、230b、230c、230d
排気管 231
ガス供給管 232
ガス流量制御部 235
圧力制御部 236
駆動制御部 237
温度制御部 238
主制御部 239
コントローラ 240
MFC(マスフローコントローラ) 241a、241b、241c、241d
圧力調整装置 242
圧力センサ 245
真空排気装置 246
筒状空間 250
回転機構 254
回転軸 255
温度センサ 263
シリコン含有ガス供給源 300a
酸素含有ガス供給源 300b
ハロゲン含有ガス供給源 300c
不活性ガス供給源 300d
バルブ(開閉装置) 310a、310b、310c、310d
酸化シリコン膜 700
アモルファスシリコン膜 710
シード層 710a
アモルファスシリコン層 710b
酸化シリコン膜(Cap膜) 720
ポリシリコン膜 730
比較サンプル膜 750


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板にシリコン膜を形成する膜形成工程と、
前記シリコン膜に酸化種を供給し、前記シリコン膜を熱処理し前記シリコン膜の表層を酸化シリコン膜に改質する改質工程と、
前記酸化シリコン膜を除去する除去工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項2】
基板を処理する処理室と、
前記処理室内に少なくともシリコン含有ガスを供給するシリコン含有ガス供給系と、
前記処理室内に少なくとも酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給系と、
前記処理室内に少なくともハロゲン含有ガスを供給するハロゲン含有ガス供給系と、
前記シリコン含有ガス供給系が前記処理室内に少なくとも前記シリコン含有ガスを供給し前記基板にシリコン膜を形成し、前記酸素含有ガス供給系が前記処理室内に前記酸素含有ガスを供給し前記シリコン膜を熱処理し前記シリコン膜の表層を酸化シリコン膜に改質し、前記ハロゲン含有ガス供給系が前記処理室内に前記ハロゲン含有ガスを供給し前記酸化シリコン膜を除去するように制御するコントローラと、
を有する基板処理装置。
【請求項3】
基板にシリコン膜を形成する膜形成工程と、
前記シリコン膜に酸化種を供給し、前記シリコン膜を熱処理し前記シリコン膜の表層を酸化シリコン膜に改質する改質工程と、
前記酸化シリコン膜を除去する除去工程と、
を有する基板処理方法。


【図7】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−176095(P2011−176095A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−38599(P2010−38599)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】