説明

半導体装置の製造装置および半導体装置の製造方法

【課題】効率的な製造工程を提供し、製造コストを低減することができる半導体装置の製造装置および半導体装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】半導体装置の製造装置100は、ウェハカセット2,3,4と、ウェハの洗浄および表面改質を行う装置5と、ウェハの位置合わせを行う装置6と、ウェハ表面にパッシベーション膜となる材料を射出する装置7と、パッシベーション膜の外観検査を行う装置8と、パッシベーション膜に熱処理を行う装置9と、処理順にウェハを各装置に搬送する装置10を備えている。製造装置100では、インクジェット技術を用いて、洗浄後のウェハ表面に、選択的にパッシベーション膜のパターンを形成する。次いで、パッシベーション膜のパターンが、所望のパターン条件を有しているか否かを検査する。パッシベーション膜が所望のパターンで形成されている場合に、パッシベーション膜を硬化および焼成する熱処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体装置の製造装置および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パワー半導体装置では、表面に汚れや傷が発生したり、異物が付着したりすることを防止するために、表面保護膜が設けられている。この表面保護膜は、パッシベーション(Passivation)膜と呼ばれ、表面を物理的および化学的、機械的に保護している。
【0003】
製造プロセスにおいて、パッシベーション膜をウェハ表面に形成する場合、一般的に、塗布機(コーター)と呼ばれる装置が用いられる。パッシベーション膜となる材料をウェハ表面に滴下した後、ウェハを固定した回転支持台を回転させることでウェハ表面に薄い被膜が形成される。
【0004】
パッシベーション膜の材料には、例えばポリイミドが用いられる。ポリイミドは、感光剤が添加されているか否かにより、感光性(以下、感光性ポリイミドとする)と非感光性(以下、非感光性ポリイミドとする)に大別される。
【0005】
図17は、従来の半導体装置の製造方法について示すフローチャートである。パッシベーション膜の材料として非感光性ポリイミドを用いた場合について示す。図17に示すように、まず、ウェハ表面へのポリイミドの密着性を高めるために、ウェハ表面を洗浄した後に乾燥させる(ステップS31)。次いで、コーターを用いてウェハ表面に、パッシベーション膜の材料としてポリイミドを塗布し、ウェハに軽い熱処理(以下、プリベークとする)を行う(ステップS32)。次いで、パッシベーション膜のパターニングを行う。パッシベーション膜の表面にフォトレジストを塗布し、プリベークを行う(ステップS33)。次いで、フォトレジストの表面にパッシベーション膜パターンを露光し、現像により、例えば未露光部のレジストパターンを残す(ステップS34)。次いで、残っているフォトレジストをマスクとしてエッチングを行い、パッシベーション膜に所望のパターンを形成し、プリベークを行う(ステップS35)。次いで、パッシベーション膜を乾燥させる熱処理(インキュベークとする)を行う(ステップS36)。次いで、薬品処理によりフォトレジストを除去する(ステップS37)。次いで、パッシベーション膜を焼成(以下、ポストベークとする)する(ステップS38)。これにより、ウェハ表面に、所望のパターンを有するパッシベーション膜が形成される。
【0006】
一方、パッシベーション膜の材料として感光性ポリイミドを用いる場合、パッシベーション膜を直接的に露光することでパターニングを行うことができるため、フォトリソグラフィ工程が必要なくなる。つまり、図17に示す形成工程のうち、ステップS31(ウェハ表面の洗浄および乾燥)、ステップS32(パッシベーション膜の塗布およびプリベーク)、ステップS35(パッシベーション膜のエッチングおよびプリベーク)およびステップS38(ポストベーク)の工程を順に行えば良い。そのため、非感光性ポリイミドを用いる場合に比べて少ない工程数で、ウェハ表面にパッシベーション膜を形成することができる。
【0007】
また、上述した方法の他に、インクジェット技術を用いてウェハ表面に被膜を形成する方法が提案されている。例えば、ウェハ表面に絶縁膜を形成する方法として、次のような方法が提案されている。絶縁膜材料含有ゾルをインクジェットにより基板上に吐出する工程、およびこのゾル付着基板を焼成する工程を行う(例えば、下記特許文献1参照。)。
【0008】
また、ウェハ表面に被膜パターンを形成する方法として、次のような方法が提案されている。スクリーン版の、最も外側に位置するチップパターンの外側に、50〜2000μmの間隔をあけて、50〜5000μmの幅または5000μm以上の幅を有するダミーパターンを設け、スクリーン印刷により、半導体ウェハの表面に、本来必要とされる複数のチップの保護膜パターンと、この保護膜パターン群を囲む囲繞パターンが形成されるようにする(例えば、下記特許文献2参照。)。
【0009】
また、インクジェット技術で用いられる材料として、熱架橋剤と、前記熱架橋剤と反応可能な基を有する、ポリイミド化合物またはポリベンゾイミダゾール化合物とからなる組成物が提案されている(例えば、下記特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2000−133649号公報
【特許文献2】特開2004−253575号公報
【特許文献3】特開2007−314647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述したような、コーターを用いたパッシベーション膜の形成では、次に示すような問題が生じる。コーターによってウェハを回転させることにより、ウェハ上に滴下したポリイミドの1/2〜2/3程度は、ウェハの外へ飛び散ってしまう。パッシベーション膜を所望の膜厚とするためには、ウェハ上に滴下するポリイミドの量を、パッシベーション膜として残るポリイミドの量よりも多く投入しなければならない。
【0012】
また、パッシベーション膜の材料として非感光性ポリイミドを用いた場合のフォトリソグラフィ処理、またはパッシベーション膜の材料として感光性ポリイミドを用いた場合の露光処理により、ウェハ表面に塗布されたポリイミドの20〜30%程度は除去されてしまう。
【0013】
このように、パッシベーション膜の形成において最初に投入されたポリイミドは、パッシベーション膜の形成過程において飛散および除去されることで、その大部分がなくなってしまう。そして、パッシベーション膜として残るポリイミドは、投入されたポリイミドの6〜15%程度となってしまう。そのため、製造コストが増大してしまう。
【0014】
また、パッシベーション膜の材料として非感光性ポリイミドを用いた場合は、非感光性ポリイミドの他に、フォトリソグラフィ処理に用いる薬液代等が必要となってしまう。それに対して、感光性ポリイミドを用いた場合は、フォトリソグラフィ処理に掛かる製造コストを抑えることができる。しかしながら、パッシベーション膜を露光するときに、パッシベーション膜の開口部のばらつきを抑えるために、現像液を多量に必要とする。さらに、感光性ポリイミドは、非感光性ポリイミドに比べて高価である。そのため、製造コストの低減は難しい。
【0015】
また、パッシベーション膜の形成後にパターン不良などによりパッシベーション膜を除去しようとしても、パッシベーション膜の形成途中で実施される熱処理や乾燥処理により、パッシベーション膜はウェハ表面から除去しづらくなっている。そのため、ウェハ表面からパッシベーション膜を除去するには、薬液が多量に必要となる。多量の薬液を用いてパッシベーション膜を除去した場合には、ウェハ表面の半導体素子構造に損傷を与えてしまう恐れがある。そのため、パッシベーション膜形成後のウェハを再利用することは難しく、製造コストが増大してしまう。
【0016】
一方、上述した特許文献1および特許文献2に示す方法を、パッシベーション膜の形成に適用した場合、次に示すような問題が生じる。インクジェット装置のステージ上に搬送されたウェハの、例えば中心軸回りの回転方向の位置が大きくずれている場合、ステージの可動範囲を超えてしまうため、ウェハを所望の位置まで回転させることができない場合がある。インクジェット装置内でのウェハの位置合わせを正確にできない場合、パッシベーション膜に所望のパターンを形成することができない。つまり、インクジェット装置を用いる場合には、インクジェット装置内でのウェハの位置合わせ方法に課題が残ることになる。
【0017】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、製造工程の効率化を図ることができる半導体装置の製造装置および半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。また、この発明は、製造コストを低減することができる半導体装置の製造装置および半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる半導体装置の製造装置は、ウェハを収納するウェハ収納部と、前記ウェハの表面に対して処理を行う表面処理装置と、前記ウェハの表面に流動性を有する材料を射出して、前記ウェハの一部の表面に膜のパターンを形成する膜パターン形成装置と、前記膜のパターンを検査する検査装置と、前記膜を加熱する熱処理装置と、前記ウェハを処理の順番で、前記ウェハ収納部、前記表面処理装置、前記膜パターン形成装置、前記検査装置および前記熱処理装置に搬送する搬送装置と、を備えることを特徴とする。
【0019】
また、請求項2の発明にかかる半導体装置の製造装置は、請求項1に記載の発明において、前記検査装置は、さらに、前記ウェハの前記膜の寸法を測定することを特徴とする。
【0020】
また、請求項3の発明にかかる半導体装置の製造装置は、請求項1または2に記載の発明において、前記ウェハの中心軸回りの回転方向の位置、および前記ウェハの水平方向の位置を合わせる位置合わせ装置と、をさらに備え、前記搬送装置は、前記ウェハを前記位置合わせ装置および前記膜パターン形成装置の順に搬送することを特徴とする。
【0021】
また、請求項4の発明にかかる半導体装置の製造装置は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記膜パターン形成装置は、前記ウェハの一部の表面に、前記膜の、同様のパターンを2回以上形成することを特徴とする。
【0022】
また、請求項5の発明にかかる半導体装置の製造装置は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記膜パターン形成装置は、前記ウェハの一部の表面に、前記膜の、異なるパターンを2回以上形成することを特徴とする。
【0023】
また、請求項6の発明にかかる半導体装置の製造装置は、請求項1〜5のいずれか一つに記載の発明において、前記膜パターン形成装置は、前記材料の射出量が異なる複数の射出部を備えることを特徴とする。
【0024】
また、請求項7の発明にかかる半導体装置の製造装置は、請求項1〜6のいずれか一つに記載の発明において、前記膜パターン形成装置は、前記材料を射出している間、前記ウェハを加熱するヒーターを備えていることを特徴とする。
【0025】
また、請求項8の発明にかかる半導体装置の製造装置は、請求項1〜7のいずれか一つに記載の発明において、前記膜パターン形成装置の、前記ウェハを載せるステージは、全面または一部が透明であり、前記膜パターン形成装置は、前記ステージの、前記ウェハが置かれた側と反対の方向から、前記ウェハの表面の位置合わせ用マークを読み取るカメラを備えていることを特徴とする。
【0026】
また、請求項9の発明にかかる半導体装置の製造装置は、請求項8に記載の発明において、前記ウェハの裏面に位置合わせ用マークを形成するマーキング装置をさらに備え、前記搬送装置は、前記ウェハを前記マーキング装置および前記膜パターン形成装置の順に搬送することを特徴とする。
【0027】
また、請求項10の発明にかかる半導体装置の製造装置は、請求項1〜9のいずれか一つに記載の発明において、前記表面処理装置は、前記ウェハの表面の一部を覆うマスク治具を備えることを特徴とする。
【0028】
また、請求項11の発明にかかる半導体装置の製造装置は、請求項1〜10のいずれか一つに記載の発明において、前記表面処理装置は、水素ガス、酸素ガス、真空紫外光源およびエキシマ光源が用いることを特徴とする。
【0029】
また、請求項12の発明にかかる半導体装置の製造装置は、請求項1〜11のいずれか一つに記載の発明において、前記熱処理装置は、前記ウェハを真空雰囲気中で加熱することを行う、または前記ウェハをガス雰囲気中で加熱および真空雰囲気中で加熱を繰り返し行うことを特徴とする。
【0030】
また、請求項13の発明にかかる半導体装置の製造装置は、請求項1〜12のいずれか一つに記載の発明において、前記搬送装置は、前記ウェハを前記膜パターン形成装置、前記検査装置および前記熱処理装置の順に搬送すること特徴とする。
【0031】
また、請求項14の発明にかかる半導体装置の製造装置は、請求項1〜12のいずれか一つに記載の発明において、前記搬送装置は、前記ウェハを前記膜パターン形成装置、前記検査装置および前記熱処理装置の順に搬送することを、2回以上繰り返し行うことを特徴とする。
【0032】
また、請求項15の発明にかかる半導体装置の製造方法は、ウェハ収納部からウェハを取り出すウェハ取り出し工程と、前記ウェハの表面に対して処理を行う表面処理工程と、表面の処理が済んだ前記ウェハの一部の表面に流動性を有する材料を射出して、前記ウェハの表面に膜のパターンを形成する膜パターン形成工程と、前記膜のパターンを検査する検査工程と、検査が済んだ前記ウェハを加熱して、前記膜を硬化させる熱処理工程と、を含むことを特徴とする。
【0033】
また、請求項16の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項15に記載の発明において、前記検査工程では、さらに、前記ウェハの前記膜の寸法を測定することを特徴とする。
【0034】
また、請求項17の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項15または16に記載の発明において、前記膜パターン形成工程の前に、前記ウェハの中心軸回りの回転方向の位置、および前記ウェハの水平方向の位置を合わせる位置合わせ工程と、をさらに含み、前記位置合わせ工程では、前記ウェハを前記膜パターン形成工程における前記ウェハの処理位置に合わせることを特徴とする。
【0035】
また、請求項18の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項15〜17のいずれか一つに記載の発明において、前記膜パターン形成工程では、前記ウェハの一部の表面に、前記膜の、同様のパターンを2回以上形成することを特徴とする。
【0036】
また、請求項19の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項15〜17のいずれか一つに記載の発明において、前記膜パターン形成工程では、前記ウェハの一部の表面に、前記膜の、異なるパターンを2回以上形成することを特徴とする。
【0037】
また、請求項20の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項15〜19のいずれか一つに記載の発明において、前記膜パターン形成工程では、前記ウェハを加熱し、射出した前記材料を硬化させながら前記膜のパターンを形成することを特徴とする。
【0038】
また、請求項21の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項15〜20のいずれか一つに記載の発明において、前記膜パターン形成工程では、前記ウェハを載せるステージの、前記ウェハが置かれた側と反対の方向から、前記ウェハの表面の位置合わせ用マークを読み取り、前記位置合わせ用マークと、前記膜パターン形成工程における前記ウェハの処理位置とを合わせることを特徴とする。
【0039】
また、請求項22の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項21に記載の発明において、前記膜パターン形成工程の前に、前記ウェハの裏面に位置合わせ用マークを形成するマーキング工程をさらに含むことを特徴とする。
【0040】
また、請求項23の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項15〜22のいずれか一つに記載の発明において、前記表面処理工程では、前記ウェハの一部の表面を覆って、前記ウェハの表面の一部に選択的に処理を行うことを特徴とする。
【0041】
また、請求項24の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項15〜23のいずれか一つに記載の発明において、前記表面処理工程では、水素ガス、酸素ガス、真空紫外光源およびエキシマ光源を用いて処理を行うことを特徴とする。
【0042】
また、請求項25の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項15〜24のいずれか一つに記載の発明において、前記熱処理工程では、前記ウェハに形成された前記膜の硬化および焼成を一連で行うことを特徴とする。
【0043】
また、請求項26の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項15〜25のいずれか一つに記載の発明において、前記膜パターン形成工程から、前記検査工程を経た前記熱処理工程までの工程を、2回以上繰り返し行うことを特徴とする。
【0044】
上述した発明によれば、被膜となる材料をウェハ表面に射出して(インクジェット技術を用いて)、ウェハ表面に被膜パターンを形成した後、熱処理の前に外観検査を行い、被膜のパターン不良を確認している。そのため、被膜のパターン不良が確認されたとしても、熱処理前の被膜は、ウェハから容易に除去することができる。これにより、被膜の除去によってウェハに傷がつくことを低減することができ、ウェハの再利用が容易になる。また、ウェハの再利用が容易になることにより、従来において、ウェハから被膜を除去するために費やされていた作業時間や薬液代を低減することができる。また、被膜パターンの形成にインクジェット技術を用いることで、ウェハ表面の所望の部分にのみ被膜の材料を塗布することができる。そのため、従来のようにコーターを用いて被膜を形成する場合のように、ウェハ上に投入された被膜の材料が、処理途中で捨てられたり除去されたりすることを回避することができる。これにより、被膜の材料の使用量を、従来のようにコーターを用いて被膜を形成する場合よりも低減することができる。また、ウェハ表面に被膜を形成する工程を、人手を介入させずに自動化して行うことにより、人件費などを低減することができる。また、被膜パターン形成を行うステージにウェハを搬送する前に、ウェハの位置合わせを行うことにより、ステージ上のウェハの位置が、所望の位置から大きくずれていて、ステージの可動範囲を超えてしまっているなど、被膜を所望の位置およびパターンで形成することができなくなる原因が生じることを防止することができる。
【発明の効果】
【0045】
本発明にかかる半導体装置の製造装置および半導体装置の製造方法によれば、製造工程の効率化を図ることができるという効果を奏する。また、製造コストを低減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】実施の形態1にかかる半導体装置の製造装置を示す模式図である。
【図2】実施の形態1にかかる半導体装置の製造装置を構成する前処理装置を示す模式図である。
【図3】実施の形態1にかかる半導体装置の製造装置を構成する前処理装置の別の一例を示す模式図である。
【図4】実施の形態1にかかる半導体装置の製造装置を構成する前処理装置の別の一例を示す模式図である。
【図5】実施の形態1にかかる半導体装置の製造装置を構成する前処理装置の別の一例を示す模式図である。
【図6】実施の形態1にかかる半導体装置の製造装置を構成する液射出装置を示す模式図である。
【図7】実施の形態1にかかる半導体装置の製造装置を構成する液射出装置の別の一例を示す模式図である。
【図8】実施の形態1にかかる半導体装置の製造装置を構成する検査装置を示す模式図である。
【図9】実施の形態1にかかる半導体装置の製造装置を構成する後処理装置を示す模式図である。
【図10】実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法の工程を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態1にかかる液射出工程を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態1にかかる半導体装置の一例を示す断面図である。
【図13】図12の切断線A−A'の断面構造について示す断面図である。
【図14】実施の形態2にかかる半導体装置の製造装置を構成する液射出装置を示す模式図である。
【図15】実施の形態3にかかる半導体装置の製造装置を示す模式図である。
【図16】実施の形態2および実施の形態3にかかる半導体装置の一例を示す断面図である。
【図17】従来の半導体装置の製造方法について示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる半導体装置の製造装置および半導体装置の製造方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0048】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1にかかる半導体装置の製造装置について説明する。図1は、実施の形態1にかかる半導体装置の製造装置を示す模式図である。図1に示すように、半導体装置の製造装置100は、複数のウェハカセットが置かれるウェハカセット載置部1と、ウェハ表面の洗浄および改質(以下、前処理とする)を行う装置(以下、前処理装置とする)5と、ウェハの位置合わせを行う装置(以下、アライナーとする)6と、ウェハ表面にパッシベーション膜となる材料を射出する装置(以下、液射出装置とする)7と、パッシベーション膜のパターン形状の検査(以下、外観検査とする)およびパッシベーション膜の寸法測定(以下、寸法測定とする)を行う装置(以下、検査装置とする)8と、ウェハ表面に形成されたパッシベーション膜に硬化および焼成(以下、後処理とする)を行う装置(以下、後処理装置とする)9と、製造装置100を構成する各装置にウェハを搬送する装置(以下、ウェハ搬送アームとする)10を備えている。
【0049】
ウェハカセット載置部1には、パッシベーション膜形成前のウェハを収納するカセット(以下、INカセットとする)2と、パッシベーション膜形成途中で処理が中止されたウェハを回収するカセット(以下、EJECTカセットとする)3と、パッシベーション膜形成後のウェハを収納するカセット(以下、OUTカセットとする)4が置かれる。INカセット2、EJECTカセット3およびOUTカセット4は、ウェハ収納部に相当し、それぞれに複数枚のウェハを収納することができる。
【0050】
EJECTカセット3に回収されるウェハは、パッシベーション膜のパターン不良が確認されたウェハである。このウェハは、図示省略する別の装置または別の工程により、パッシベーション膜を容易に除去することができ、ウェハの再利用を可能にしている。その理由は、ウェハに後処理を行う前に、処理が中止され、パッシベーション膜に最終的な加熱処理(ポストベーク)が行われていないからである。半導体装置の製造方法については、後述する。
【0051】
また、ウェハカセット載置部1には、INカセット2、EJECTカセット3およびOUTカセット4を、それぞれ複数置いても良い。つまり、各カセットは、1種類のカセットにつき1つに限るものではなく、それぞれを少なくとも1つずつ置けば良い。例えば、INカセット2については複数のカセットを用い、各カセットを上下に重ねて設置しても良いし、横に並べて設置しても良い。ウェハカセット載置部1にカセットを多数載置することにより、製造装置100に複数のウェハを同時に投入することができる。
【0052】
製造装置100へ複数のウェハを同時に投入することで、装置へのウェハカセットの出し入れの回数が減り、塵埃の影響を抑制することができる。また、ウェハカセットごとに描画条件を設定すれば、製造装置100へのウェハカセットの入れ替えを行わずに、描画条件の異なる複数種類のパターンを連続して形成することができ、製造装置100の稼働率を高めることができる。
【0053】
次に、ウェハ搬送アーム10について説明する。ウェハ搬送アーム10は、搬送装置に相当する。図1に示すように、ウェハ搬送アーム10は、ウェハを、例えば、INカセット2から前処理装置5へ(第1ウェハ搬送経路101)、前処理装置5からアライナー6へ(第2ウェハ搬送経路102)、アライナー6から液射出装置7へ(第3ウェハ搬送経路103)、液射出装置7から検査装置8へ(第4ウェハ搬送経路104)、検査装置8から後処理装置9へ(第5ウェハ搬送経路105)もしくはEJECTカセット3へ(第6ウェハ搬送経路106)、および後処理装置9からOUTカセット4へ(第7ウェハ搬送経路107)と搬送する。
【0054】
次に、前処理装置5について説明する。前処理装置5は、表面処理装置に相当する。図2は、実施の形態1にかかる半導体装置の製造装置を構成する前処理装置を示す模式図である。図2に示すように、前処理装置5は、チャンバ20内に、ウェハ21を固定する第1ステージ26と、プラズマガスを発生させる上部電極22aおよび下部電極22bと、ウェハ21を加熱する第1ヒーター23と、ウェハ21を上下方向に移動する第1ウェハ昇降部24と、を備えている。第1ステージ26には、ウェハ21を第1ステージ26に固定するための図示省略する真空吸着部が設けられている。
【0055】
チャンバ20内は、真空雰囲気に保たれており、原料ガスとして、例えば窒素(N2)ガス、酸素(O2)ガスまたは水素(H2)ガスが導入されている。上部電極22aおよび下部電極22bは、例えば平板形状をしており、互いに向き合って設けられている。また、電源25により、互いに相反する極性の電荷が付加されている。下部電極22bは例えば第1ステージ26に設けられ、前処理装置5内において、ウェハ21は、上部電極22aと下部電極22bの間に配置された状態となる。
【0056】
第1ウェハ昇降部24は、ウェハ21を第1ステージ26に固定したり、ウェハ21を第1ステージ26から解放したりする。例えばウェハ21を第1ステージ26に固定する場合、第1ウェハ昇降部24は次に示すように動作する。第1ウェハ昇降部24には、ウェハ21を支持する例えばピン形状のウェハ支持部27が設けられている。前処理装置5が待機している状態では、第1ウェハ昇降部24は上昇した状態となっており、ウェハ支持部27が第1ステージ26の表面よりも上に位置する。このウェハ支持部27の上端部にウェハ21をセットし(図2に示すウェハ21の状態)、第1ウェハ昇降部24を下降させることによって、ウェハ21も下降する。そして、ウェハ21が第1ステージ26の真空吸着部に近づいて第1ステージ26に固定される。
【0057】
第1ヒーター23は、例えば平板形状をして、例えば第1ステージ26の下に接触して設けられる。そして、第1ステージ26を介してウェハ21を加熱する。この加熱により、ウェハ21の前処理における洗浄や表面改質の反応が促進される。また、第1ヒーター23は、液射出装置7での処理においてウェハ21を加熱する必要がある場合に、ウェハ21に予備加熱を行う。
【0058】
このような前処理装置5では、真空雰囲気中において、原料ガスに、電極間に発生する高周波電界を印加して放電させることによりプラズマガスが発生する。プラズマガスにより発生したイオンが、上部電極22aと下部電極22bの間で加速する。そして、加速したイオンが、ウェハ21表面の付着物などに衝突することにより、物理的にウェハ表面の洗浄および表面改質が行われる。なお、プラズマガスにより発生させたラジカルを、ウェハ表面の付着物などと反応させ蒸発性物質に変えることにより、化学的にウェハ表面の前処理を行っても良い。
【0059】
前処理装置の別の一例について説明する。図3〜図5は、実施の形態1にかかる半導体装置の製造装置を構成する前処理装置の別の一例を示す模式図である。前処理装置は、大気圧下で発生させたプラズマをウェハ表面に照射することで、ウェハの前処理を行う構成としても良い。図3に示す前処理装置11は、図2に示す前処理装置の上部電極および下部電極に代えて、第1ステージ26の上方にプラズマ照射部29を備えている。プラズマ照射部29内部では、高圧放電により、原料ガスからプラズマが発生する。
【0060】
また、プラズマ照射部29は、制御部28によって制御されている。制御部28は、例えば、第1ステージ26をウェハ21の中心軸周りに回転させる構造としたときに、プラズマ照射部29を、ウェハ21の中心と外周端部の間を往復させるように制御する。チャンバ20内は、大気圧とほぼ同様の雰囲気としても良い。それ以外の構成は、前処理装置5と同様である。前処理装置11では、ウェハ21の表面の所望の部分に、プラズマ照射部29のヘッドから照射されるプラズマを当てることで、ウェハ表面の前処理を行う。
【0061】
また、前処理装置を、真空紫外(VUV:Vacuum Ultraviolet)光源やエキシマ(Excimere)光源により励起したラジカルを用いて、ウェハ21の前処理を行う構成としても良い。図4に示す前処理装置12は、図2に示す前処理装置の上部電極および下部電極に代えて、第1ステージ26の上方に第1ランプ30を備えている。電源25は、第1ランプ30に接続されている。第1ランプ30には、VUVランプやエキシマランプが用いられている。前処理装置12では、原料ガス中の原子または分子を、第1ランプ30で励起することによりプラズマガスが発生する。それ以外の構成は、前処理装置5と同様である。
【0062】
また、図2に示すような、プラズマガスにより発生したイオンによって物理的に前処理を行う前処理装置の場合、ウェハ21に衝突するイオンを部分的に遮断して、ウェハ21一部の表面に前処理を行わない構成としても良い。図5に示す前処理装置13は、上部電極22aとウェハ21の間に、ウェハ21の表面の一部を覆うマスク治具31を設けている。それ以外の構成は、図2に示す前処理装置と同様である。なお、図4に示す前処理装置に、マスク治具を設けた構成としても良い。
【0063】
前処理装置13は、マスク治具31を設けることにより、上部電極22aからウェハ21に降り注ぐイオンを、部分的に遮断することができる。これにより、パッシベーション膜の形成後、例えばウェハ21をチップ状に切断する際に、パッシベーション膜が損傷することを低減することができる。その理由は後述する。
【0064】
次に、アライナー6について説明する。アライナー6は、位置合わせ装置に相当する。アライナー6は、ウェハの中心軸回りの回転方向の位置、およびウェハの水平方向の位置を、予め設定された位置に合わせる。例えば、ウェハの中心位置やノッチを、液射出装置7においてパッシベーション膜の材料を射出するための適切な位置に合わせる。アライナー6によって位置合わせが行われたウェハを、液射出装置7のステージにセットすることで、液射出装置7内では、ウェハの位置合わせを行わなくて良い、または微調整程度の位置合わせを行えば良い。そのため、液射出装置7のステージの可動範囲を超えて、液射出装置7のステージにウェハがセットされることを防止することができる。また、ウェハが、液射出装置7を構成する、例えば後述するウェハの観察用カメラなどの可動範囲を超えて、液射出装置7のステージに置かれることを防止することができる。
【0065】
次に、液射出装置7について説明する。液射出装置7は、膜パターン形成装置に相当する。図6は、実施の形態1にかかる半導体装置の製造装置を構成する液射出装置を示す模式図である。図6に示すように、液射出装置7は、ウェハ21を固定する第2ステージ41と、ウェハ21を上下方向に移動する第2ウェハ昇降部43と、ウェハ21を加熱する第2ヒーター42と、ウェハ21の表面にパッシベーション膜の材料を射出する第1液射出ヘッド44と、第1液射出ヘッド44にパッシベーション膜の材料を供給する材料供給部45と、ウェハ21を観察する第1カメラ46と、第1液射出ヘッド44を観察する第2カメラ47および第3カメラ48と、第1液射出ヘッド44の液が射出される穴(以下、射出ノズルとする)を洗浄するヘッドクリーニング部51と、第1液射出ヘッド44を制御する制御装置52と、を備えている。第1液射出ヘッド44は、射出部に相当する。
【0066】
第2ステージ41は、垂直方向、水平方向、およびウェハの中心軸回りの回転方向に可動する。第2ステージ41では、ウェハ21の位置を調整し、第1液射出ヘッド44とウェハ21の相対的な位置合わせを行う。それ以外の構成は、図2に示す前処理装置の第1ステージと同様である。第2ヒーター42は、例えば平板形状をして、例えば第2ステージ41に接触して設けられる。そして、第2ステージ41を介してウェハ21を加熱する。この加熱により、ウェハ21に射出液が射出されると同時に射出液を乾燥させることができ、ウェハ21表面の射出液が流動することを防止する。第2ウェハ昇降部43の構成は、図2に示す前処理装置の第1ウェハ昇降部と同様である。
【0067】
第1液射出ヘッド44は、第1液射出ヘッド44内の材料を加熱する加熱部を備えている。加熱部は、材料供給部45から第1液射出ヘッド44に供給された材料の粘度が高い場合、加熱することによって材料の粘度を下げる。そのため、第1液射出ヘッド44では、材料の粘度を射出しやすい粘度に下げてから、ウェハ21に射出を行うことができる。また、加熱部を、ウェハ21表面に射出されたパッシベーション膜の材料を上方から加熱して、パッシベーション膜を乾燥させる構成としても良い。第1液射出ヘッド44に供給される材料は、例えば液体状またはゾル状の材料など、射出ノズルから射出しやすい粘度を有する材料、または射出しやすい粘度に調整可能な材料であれば良い。
【0068】
第1カメラ46は、ウェハ21の表面にパッシベーション膜を形成するための基準となるマーク(以下、アライメントマークとする)を読み取る。アライメントマークは、被膜形成位置用マークに相当する。また、第1カメラ46は、パッシベーション膜が形成された後のウェハ21の表面を観察する。
【0069】
第2カメラ47は、第1液射出ヘッド44の射出ノズルを観察する。第2カメラ47では、射出ノズルの詰まりや汚れの有無を確認することができる。第3カメラ48は、第1液射出ヘッド44において吐き出す液を観察する。第3カメラ48では、第1液射出ヘッド44の射出状態を確認することができる。射出液受け49は、第1液射出ヘッド44から吐き出された液を受ける。射出液受け49に溜まった液は、例えば液射出装置7の外部に設けられた廃液タンク50に集められる。
【0070】
ヘッドクリーニング部51は、第2カメラ47および第3カメラ48により、第1液射出ヘッド44において所望の射出が行われていないことが確認されたとき、または定期的に、第1液射出ヘッド44を洗浄する。制御装置52は、パッシベーション膜の描画データ(ビットマップ像などのデジタルデータ)を保有する。制御装置52は、第1液射出ヘッド44に描画データを入力し、その描画データに従って第1液射出ヘッド44を水平方向に移動する制御を行う。
【0071】
液射出装置の別の一例について説明する。図7は、実施の形態1にかかる半導体装置の製造装置を構成する液射出装置の別の一例を示す模式図である。複数の液射出ヘッドを備える構成としても良い。図7に示す液射出装置14は、図6に示す第1液射出ヘッドに代えて、複数の液射出ヘッドから構成される液射出ヘッド部53を備えている。液射出ヘッド部53の各液射出ヘッドは、それぞれ射出量が異なる。また、それぞれが異なる動作でパターンを形成する。それ以外の構成は、図6に示す液射出装置と同様である。
【0072】
液射出装置14では、射出量が異なるそれぞれの液射出ヘッドにおいて、異なる線幅および異なるパターンでパッシベーション膜を形成する。そのため、ウェハ表面に、例えば異なるパターンを有する層が積層されてなるパッシベーション膜を形成することができる。また、各液射出ヘッドを同時に使用することで、ウェハ21表面の異なる部分に同時に、異なる線幅のパターンでパッシベーション膜を形成することができる。なお、液射出ヘッド部53の各液射出ヘッドは、全て同じ射出量としても良い。この場合は、各液射出ヘッドを同時に使用することで、パッシベーション膜の形成時間を短縮することができる。
【0073】
次に、検査装置8について説明する。図8は、実施の形態1にかかる半導体装置の製造装置を構成する検査装置を示す模式図である。図8に示すように、検査装置8は、ウェハ21を固定する第3ステージ61と、ウェハ21を加熱する第3ヒーター62と、ウェハ21を上下方向に移動する第3ウェハ昇降部63と、ウェハ21の外観および寸法を観察する第4カメラ64とを備えている。第3ステージ61、第3ヒーター62および第3ウェハ昇降部63の構成は、図2に示す前処理装置の第1ステージ、第1ヒーターおよび第1ウェハ昇降部と同様である。また、第3ステージ61は、垂直方向、水平方向、およびウェハの中心軸回りの回転方向に可動する。第4カメラ64は、ウェハ21表面のパッシベーション膜のパターンを観察する。
【0074】
検査装置8は、ウェハ21の表面に形成されたパッシベーション膜のパターンを、例えば、撮像装置のような光学系の装置を用いて撮影する。その後、撮影した描画パターン像と、検査装置8の記憶部に予め設定もしくは登録した描画パターン像(以下、比較パターン像とする)とを比較する。そして、撮影した描画パターン像と比較パターン像との差が所定の範囲内にあるか否かを判断することで、パッシベーション膜のパターン不良を検査する。比較パターン像は、すでにパッシベーション膜が形成され完成したウェハ上の描画パターン(以下、過去の描画像とする)を検査装置8の記憶部に予め取り込み、その取り込みデータを用いても良い。または、比較パターン像は、液射出装置14で液射出ヘッドの移動に用いる描画データを用いても良い。比較パターン像として描画データを用いる事で、検査装置8の記憶部に過去の描画像を取り込む作業を省くことができる。また、ウェハ上に形成する描画パターンが多種類ある場合においても、撮影した各画像パターン像の比較パターン像として用いるそれぞれの取り込みデータを検査装置8の記憶部に予め設定する作業を省くことができる。そのため、比較パターン像として液射出装置14の描画データを用いる場合、撮影した各画像パターン像との比較を簡単に行うことができる。
【0075】
また、検査装置8は、上述と同様に光学系の装置を用い、撮影した画像パターン像の画素サイズによって任意の箇所のパッシベーション膜の寸法を測定する。この測定した寸法と、上記の比較パターン像から算出される寸法とを比較し、両者の差が所定の範囲内にあるか否かでパッシベーション膜のパターン不良を検査しても良い。このとき、測定のための光学系の装置に用いる照射光の波長を、パッシベーション膜であるポリイミド膜の色と異ならせることにより、ポリイミド膜のパターンを明確に浮かび上がらせる構成としても良い。例えば、照射光に青色系の光源を採用し、黄色系のポリイミド膜を測定する構成としても良い。
【0076】
なお、第4カメラ64は、ウェハ21表面のゴミなどを観察しても良い。また、検査装置8は、ウェハ端面を観察するカメラをさらに設けて、パッシベーション膜の端面形状を観察する構成としても良い。また、ウェハ21の電流値や電圧値を測定する装置をさらに設けて、ウェハ21の電気的特性を測定する構成としても良い。また、検査装置8において収集されるデータを利用し例えば統計的な解析を行う装置をさらに設けて、パッシベーション膜にパターン不良が生じる頻度や、ウェハの電気的特性値の変動などの管理を行う構成としても良い。
【0077】
次に、後処理装置9について説明する。後処理装置9は、熱処理装置に相当する。図9は、実施の形態1にかかる半導体装置の製造装置を構成する後処理装置を示す模式図である。図9に示すように、後処理装置9は、チャンバ70内に、ウェハ21を固定する第4ステージ71と、ウェハ21を加熱する第4ヒーター72および第2ランプ74と、ウェハ21を上下方向に移動する第4ウェハ昇降部73と、電源75とを備えている。第4ステージ71、第4ヒーター72および第4ウェハ昇降部73の構成は、図2に示す前処理装置の第1ステージ、第1ヒーターおよび第1ウェハ昇降部と同様である。
【0078】
チャンバ70内は、真空雰囲気に保たれている。また、チャンバ70内に、例えば原料ガスとして窒素ガスを導入しても良い。また、チャンバ70内は、真空雰囲気およびガス雰囲気を繰り返しても良い。第2ランプ74には、例えば赤外線ランプや、ハロゲンランプなどを用いる。第4ヒーター72および第2ランプ74を同時に可動することで、後処理装置9では、ウェハ21の加熱時間を短縮することができる。また、初めは第4ヒーター72のみを可動し、その後第4ヒーター72および第2ランプ74を同時に可動するなど、別々に可動する場合には、ウェハ21の加熱温度を例えば80℃から200℃へ、さらに200℃から350℃へと段階的に上昇させることができる。
【0079】
このような後処理装置9では、パッシベーション膜中の、パッシベーション膜として不要な、例えばパッシベーション膜の材料に粘度を持たせるために用いた溶剤などを取り除く。そして、パッシベーション膜の硬化および焼成を一連で行う。
【0080】
次いで、製造装置100の動作について、図1を参照して説明する。製造装置100では、ウェハ搬送アーム10が、INカセット2から被膜形成処理前のウェハを取り出し、前処理装置5のステージにセットする(第1ウェハ搬送経路101)。次いで、前処理装置5において処理されたウェハを、アライナー6のステージにセットする(第2ウェハ搬送経路102)。次いで、アライナー6において位置合わせが行われたウェハを、液射出装置7のステージにセットする(第3ウェハ搬送経路103)。次いで、液射出装置7において、ウェハ表面にパッシベーション膜が形成されたウェハを、検査装置8にセットする(第4ウェハ搬送経路104)。
【0081】
次いで、検査装置8において、パッシベーション膜が所望のパターンで形成されていることを確認されたウェハを、後処理装置9のステージにセットする(第5ウェハ搬送経路105)。一方、検査装置8において、パッシベーション膜のパターン不良が確認されたウェハは、EJECTカセット3に収納される(第6ウェハ搬送経路106)。次いで、後処理装置9での処理が終了し、パッシベーション膜が形成されたウェハを、OUTカセット4に収納する(第1ウェハ搬送経路107)。また、図示省略するが、後処理装置9での処理が終了したウェハを、液射出装置7のステージにセットし、再度、パッシベーション膜のパターンを形成しても良い。
【0082】
次に、実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法について説明する。図10は、実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法の工程を示すフローチャートである。図10に示す工程は、ウェハの表面に、例えばパッシベーション膜などの被膜を形成する工程である。例えば上述した製造装置(図1参照)を用いて、人手を介さずに自動で処理を行う。まず、パッシベーション膜の膜厚やパターンなどの形成条件、および製造装置の動作条件などを設定する(ステップS1)。次いで、製造装置のウェハカセット載置部に、複数のウェハが収納されたINカセットを置き、製造装置を始動する(ステップS2)。ステップS2において、INカセットには、パッシベーション膜形成前、つまりウェハ表面の半導体素子構造が露出している状態のウェハが収納されている。ウェハは、通常の平坦なウェハでも良いし、裏面側の外周端部にリブの形成されたリブウェハでも良い。
【0083】
次いで、INカセットから、パッシベーション膜形成前のウェハを取り出す(ステップS3)。次いで、ウェハ表面の洗浄および改質(前処理)を行う(ステップS4)。ステップS4において、例えば、ウェハ表面に付着する付着物の洗浄、ウェハの表面の濡れ性の改善や、パッシベーション膜となる材料とウェハとの密着性の向上など、ウェハ表面の流動性を改善する処理を行う。次いで、ウェハの中心位置やノッチなどを所望の位置に合わせる(ステップS5)。次いで、パッシベーション膜の材料を射出し、ウェハ表面にパッシベーション膜のパターンを形成する(ステップS6)。ステップS6では、インクジェット技術を用いて、ウェハ表面に被膜パターンを描画している。ウェハ表面に、パッシベーション膜の材料を選択的に射出することにより、パッシベーション膜の塗布とパターニングを同時に行っている。パッシベーション膜の材料としては、例えばポリイミドを用いている。
【0084】
次いで、パッシベーション膜のパターン形状の検査(外観検査)を行う。また、パッシベーション膜の寸法測定を行う(ステップS7)。外観検査は、例えば予め設定されたパターン条件と、パッシベーション膜のパターンを比べることで、パッシベーション膜のパターン不良を検出する。ステップS7において、パッシベーション膜が所望のパターンで形成されていることが確認された場合(ステップS7:Yes)、パッシベーション膜に熱処理を行い、パッシベーション膜を硬化および焼成する処理(後処理)を行う(ステップS8)。また、ステップS7において、パッシベーション膜にパターン不良が確認された場合(ステップS7:No)、ウェハへの処理を中止して、EJECTカセットにウェハを回収する(ステップS12)。
【0085】
後処理の終了後、ウェハ表面に、更にパッシベーション膜のパターンを重ねて形成する場合(ステップS9:Yes)には、ステップS6に戻り、ステップS6〜ステップS9を繰り返し、パッシベーション膜のパターンを再描画する。一方、後処理の終了後に、パッシベーション膜をこれ以上重ねて形成しない場合(ステップS9:No)は、ウェハをOUTカセットに収納する(ステップS10)。以上のステップを、INカセット内にパッシベーション膜形成前のウェハがなくなるまで行う。その後、INカセット、EJECTカセットおよびOUTカセットを製造装置から取り外す(ステップS11)。
【0086】
ステップS9において、後処理後のウェハを、再度、ステップS6の処理に戻すことにより、パッシベーション膜のパターンを重ねて形成することができる。つまり、ウェハ21表面に、2層以上の積層膜からなるパッシベーション膜を形成することができる。これにより、パッシベーション膜の膜厚を厚くすることができる。また、この積層膜の各層を異なるパターンで形成することにより、複雑なパターンを有するパッシベーション膜を形成することができる。
【0087】
次に、液射出装置における処理工程について説明する。上述したステップS6の工程に該当する。図11は、実施の形態1にかかる液射出工程を示すフローチャートである。図6に示す液射出装置を参照して説明する。まず、ウェハ21を第2ステージ41に固定する(ステップS21)。ステップS21において、ウェハ21の固定方法は、図2に示す前処理装置と同様である。第1液射出ヘッド44とウェハ21との相対的な位置合わせを行う(ステップS22)。パッシベーション膜の描画データを、第1液射出ヘッド44に入力する(ステップS23)。描画データに従って第1液射出ヘッド44を水平方向に移動させ、ウェハ21の表面にパッシベーション膜の材料を射出して被膜パターンを描画する(ステップS24)。次いで、ウェハ21を第2ステージ41から解放する(ステップS25)。ステップS25において、ウェハ21の解放方法は、図2に示す前処理装置と同様である。なお、ステップS24を行う前に、第1液射出ヘッド44の射出ノズルの点検を適宜行うことが望ましい。
【0088】
ステップS24において、ウェハ21表面にパッシベーション膜の材料を繰り返し射出して、パッシベーション膜のパターンを重ねて形成しても良い。これにより、上述したステップS9(図10参照)の工程と同様に、ウェハ21の表面にパッシベーション膜を形成することができる。
【0089】
次に、上述した製造装置を用いて作製される半導体装置について説明する。例えば、図5に示す前処理装置を用いて、ウェハ21のスクラブラインに前処理を行わない場合を例に説明する。図12は、実施の形態1にかかる半導体装置の一例を示す断面図である。また、図13は、図12の切断線A−A'の断面構造について示す断面図である。切断線A−A'は、ウェハ上に形成されたスクラブラインと半導体素子構造の境界における断面図である。図12および図13に示すウェハは、基板32の表面層に、図示省略する半導体素子構造が作製されている。基板32の表面には、金属電極膜35およびスクラブライン34が設けられている。パッシベーション膜33は、金属電極膜35の表面からスクラブライン34の一部の表面にかけて形成されている。
【0090】
スクラブライン34の表面は、マスク治具31を用いたことにより前処理が行われていない状態、すなわちパッシベーション膜33の材料との濡れ性が改善されていない状態となっている。そのため、金属電極膜35の表面に射出されたパッシベーション膜33がスクラブライン34に向かって流れ出したとしても、スクラブライン34の表面では、パッシベーション膜33は広がらない。つまり、パッシベーション膜33の形成を、例えば、金属電極膜35とスクラブライン34の境界からスクラブライン34側に幅Wだけ張り出した部分までに抑えることができる。スクラブライン34がパッシベーション膜33で覆われないため、ウェハを切断する際に、パッシベーション膜が切断されることが原因でパッシベーション膜33に亀裂が入ってしまうことを回避することができる。
【0091】
以上、説明したように、実施の形態1によれば、インクジェット技術を用いて、ウェハ表面にパッシベーション膜のパターンを形成した後、熱処理の前に外観検査を行い、パッシベーション膜のパターン不良を確認している。そのため、パッシベーション膜のパターン不良が確認された場合、熱処理前のパッシベーション膜をウェハから容易に除去することができる。これにより、パッシベーション膜の除去によってウェハに傷がつくことを低減することができ、ウェハの再利用が容易になる。また、ウェハの再利用が容易になることにより、従来において、ウェハからパッシベーション膜を除去するために費やされていた作業時間や薬液代を低減することができる。また、インクジェット技術を用いることで、ウェハ表面の所望の部分にのみパッシベーション膜の材料を塗布することができる。そのため、従来のようにコーターを用いてパッシベーション膜を形成する場合のように、ウェハ上に投入されたパッシベーション膜の材料が、処理途中で捨てられたり除去されたりすることを回避することができる。これにより、パッシベーション膜の材料の使用量を、従来のようにコーターを用いてパッシベーション膜を形成する場合よりも低減することができる。また、ウェハ表面にパッシベーション膜を形成する工程を、人手を介入させずに自動化して行うことにより、人件費などを低減することができる。さらに、パッシベーション膜パターン形成途中において、ウェハにゴミなどが付着することを防止することができる。また、液射出装置のステージにウェハを搬送する前に、ウェハの位置合わせを行うことにより、ステージ上のウェハの位置が、所望の位置から大きくずれていて、ステージの可動範囲を超えてしまっているなど、パッシベーション膜を、所望の位置およびパターンで形成することができなくなる原因が生じることを防止することができる。
【0092】
(実施の形態2)
図14は、実施の形態2にかかる半導体装置の製造装置を構成する液射出装置を示す模式図である。ウェハのおもて面のアライメントマークを基準にして、ウェハの裏面に被膜を形成する場合に、実施の形態1の液射出装置(例えば、図6参照)のステージの全面または一部を透明にすることで、ウェハのおもて面のアライメントマークをステージの下方から確認する構成としても良い。
【0093】
図14に示すように、液射出装置15では、実施の形態1の液射出装置の第2ステージに代えて、ウェハ90を固定する第5ステージ81を備えている。第5ステージ81には、ウェハ90が、そのおもて面を下にして固定されている。また、実施の形態1の液射出装置の第2ヒーターに代えて、ウェハ90を加熱する第5ヒーター82を備えている。また、第5ステージ81を介してウェハ90の表面を観察する第5カメラ83を備えている。
【0094】
第5ステージ81は、全面または一部が透明となっている。第5カメラ83は、ウェハ90の下方から透明な第5ステージ81を介して、ウェハ90のおもて面に形成されているアライメントマークを観察する。このアライメントマークを基準にして、ウェハ90の裏面に被膜を形成する位置と第1液射出ヘッド44の位置とを合わせる。
【0095】
第5ヒーター82は、例えば線状をして、例えば第5ステージ81の下に接触し、第5カメラ83の視界を遮らないように設けられている。その他の構成は、実施の形態1と同様である。液射出装置15における処理工程は、実施の形態1と同様である(図11参照)。このような液射出装置15が搭載される、半導体装置の製造装置の構成は、実施の形態1と同様である(図1参照)。
【0096】
液射出装置15を用いることで、実施の形態1と同様に、ウェハ90の裏面に被膜を形成することができる。その理由は、次に示すとおりである。従来、ウェハ裏面にパターニングする場合、まず、処理ステージに、ウェハのおもて面のアライメントマークのみをレジストマスクで形成する(以下、アライメント用マスクとする)。次いで、アライメント用マスクの位置に合わせて、ウェハ裏面のパターンが開口したレジストマスクを形成する。次いで、アライメント用マスクの位置に合わせて、ウェハ裏面のパターンが開口したレジストマスクの上に、裏面に被膜が形成されたウェハを、裏面を下にして重ね合わせる。このようにしてパターニングされたウェハは、ウェハの被膜を形成した面が下向きになっており、次の工程の処理ステージにウェハを載せる前に、ウェハを回転させるなど、製造装置の構造が複雑になってしまう。液射出装置15は、おもて面を下向きにして第5ステージ81に置かれたウェハの、おもて面に形成されたアライメントマークを確認することができる。そのため、ウェハ裏面を上向きにした状態で、ウェハ裏面に被膜のパターンを形成することができるからである。
【0097】
以上、説明したように、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、液射出装置15を用いることにより、実施の形態1の液射出装置と同様に、ウェハ90の裏面と第1液射出ヘッド44との位置合わせを行うことができる。これにより、実施の形態1と同様の工程で、ウェハ90の裏面に、おもて面のアライメントマークに対応した被膜のパターンを形成することができる。
【0098】
(実施の形態3)
図15は、実施の形態3にかかる半導体装置の製造装置を示す模式図である。実施の形態1の半導体装置の製造装置に、ウェハ裏面にアライメントマークを形成する装置(以下、裏面マーキング装置とする)を設ける構成としても良い。図15に示すように、製造装置110は、実施の形態1の製造装置(図1参照)を構成する各装置に加えて、裏面マーキング装置16を備えている。裏面マーキング装置16は、マーキング装置に相当する。裏面マーキング装置16では、例えば、ウェハのおもて面の半導体素子構造に対応したアライメントマークを、ウェハの裏面に形成する。それ以外の構成は、実施の形態1に示す半導体装置の製造装置と同様である。
【0099】
また、図15に示すように、ウェハ搬送アーム10は、ウェハを、実施の形態1のウェハ搬送アームの運搬経路に加えて、例えば、アライナー6から裏面マーキング装置16へ(第8ウェハ搬送経路108)、裏面マーキング装置16から液射出装置7へ(第9ウェハ搬送経路109)と搬送する。
【0100】
以上、説明したように、実施の形態3によれば、実施の形態1および実施の形態2と同様の効果を得ることができる。また、裏面マーキング装置により、ウェハの裏面にアライメントマークを形成することで、ウェハの裏面の形成されたアライメントマークを基準にして、ウェハ裏面と第1液射出ヘッドとの位置合わせを行うことができる。これより、実施の形態1と同様に、ウェハの裏面に被膜のパターンを形成することができる。
【0101】
実施の形態2および実施の形態3にかかる半導体装置の製造装置では、例えば次に示すような半導体装置を作製することができる。図16は、実施の形態2および実施の形態3にかかる半導体装置の一例を示す断面図である。図16に示すように、ウェハ90は、例えば支持基板91のおもて面の表面層に、活性領域95および耐圧構造領域96が設けられている。活性領域95には、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)やFWD(Free Wheeling Diode:フリーホイールダイオード)が交互に形成されている。
【0102】
支持基板91の裏面の表面層には、フィールドストップ層92が設けられている。フィールドストップ層92の一部の表面には、例えばボロン(B)がドープされた半導体領域93が設けられている。半導体領域93の一部の表面には、例えばリン(P)がドープされたコンタクト領域94が設けられている。コンタクト領域94は、例えば、活性領域95に形成されたIGBTおよびFWDのパターンに合わせて形成される。このように、実施の形態2および実施の形態3にかかる半導体装置の製造装置では、図16に示すような半導体装置を形成することに適している。
【0103】
以上において本発明では、ウェハの表面にパッシベーション膜などの被膜を形成する処理を例に説明しているが、パッシベーション膜の形成に限らず、ウェハ表面の所望の部分にのみ材料を射出する、例えばエッチングなどの処理にも適用することが可能である。また、ウェハの洗浄および表面改質(前処理)の方法として、プラズマや光を用いたドライ洗浄を例に説明したが、ウエット洗浄を用いても良い。また、半導体装置の製造装置内におけるウェハ搬送アームによる運搬経路は、上述した実施の形態に限らず、処理工程の順序により種々変更可能である。また、液射出装置において射出する材料は、液射出ヘッドから射出可能であれば良く、上述した実施の形態に限らず種々選択することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0104】
以上のように、本発明にかかる半導体装置の製造装置および半導体装置の製造方法は、ウェハ表面に所望のパッシベーション膜パターンを形成する、またはウェハ表面に形成されたパッシベーション膜を、所望のパターンで除去するなどの処理を行う半導体装置に有用である。
【符号の説明】
【0105】
1 ウェハカセット載置部
2 INカセット
3 EJECTカセット
4 OUTカセット
5 前処理装置
6 アライナー
7 液射出装置
8 検査装置
9 後処理装置
10 ウェハ搬送アーム
100 半導体装置の製造装置
101 ウェハ搬送経路(第1)
102 ウェハ搬送経路(第2)
103 ウェハ搬送経路(第3)
104 ウェハ搬送経路(第4)
105 ウェハ搬送経路(第5)
106 ウェハ搬送経路(第6)
107 ウェハ搬送経路(第7)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハを収納するウェハ収納部と、
前記ウェハの表面に対して処理を行う表面処理装置と、
前記ウェハの表面に流動性を有する材料を射出して、前記ウェハの一部の表面に膜のパターンを形成する膜パターン形成装置と、
前記膜のパターンを検査する検査装置と、
前記膜を加熱する熱処理装置と、
前記ウェハを処理の順番で、前記ウェハ収納部、前記表面処理装置、前記膜パターン形成装置、前記検査装置および前記熱処理装置に搬送する搬送装置と、
を備えることを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項2】
前記検査装置は、さらに、前記ウェハの前記膜の寸法を測定することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造装置。
【請求項3】
前記ウェハの中心軸回りの回転方向の位置、および前記ウェハの水平方向の位置を合わせる位置合わせ装置と、をさらに備え、
前記搬送装置は、前記ウェハを前記位置合わせ装置および前記膜パターン形成装置の順に搬送することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置の製造装置。
【請求項4】
前記膜パターン形成装置は、前記ウェハの一部の表面に、前記膜の、同様のパターンを2回以上形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の半導体装置の製造装置。
【請求項5】
前記膜パターン形成装置は、前記ウェハの一部の表面に、前記膜の、異なるパターンを2回以上形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の半導体装置の製造装置。
【請求項6】
前記膜パターン形成装置は、前記材料の射出量が異なる複数の射出部を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の半導体装置の製造装置。
【請求項7】
前記膜パターン形成装置は、前記材料を射出している間、前記ウェハを加熱するヒーターを備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の半導体装置の製造装置。
【請求項8】
前記膜パターン形成装置の、前記ウェハを載せるステージは、全面または一部が透明であり、
前記膜パターン形成装置は、前記ステージの、前記ウェハが置かれた側と反対の方向から、前記ウェハの表面の位置合わせ用マークを読み取るカメラを備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の半導体装置の製造装置。
【請求項9】
前記ウェハの裏面に位置合わせ用マークを形成するマーキング装置をさらに備え、
前記搬送装置は、前記ウェハを前記マーキング装置および前記膜パターン形成装置の順に搬送することを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造装置。
【請求項10】
前記表面処理装置は、前記ウェハの表面の一部を覆うマスク治具を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の半導体装置の製造装置。
【請求項11】
前記表面処理装置は、水素ガス、酸素ガス、真空紫外光源およびエキシマ光源が用いることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の半導体装置の製造装置。
【請求項12】
前記熱処理装置は、前記ウェハを真空雰囲気中で加熱することを行う、または前記ウェハをガス雰囲気中で加熱および真空雰囲気中で加熱を繰り返し行うことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載の半導体装置の製造装置。
【請求項13】
前記搬送装置は、前記ウェハを前記膜パターン形成装置、前記検査装置および前記熱処理装置の順に搬送すること特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の半導体装置の製造装置。
【請求項14】
前記搬送装置は、前記ウェハを前記膜パターン形成装置、前記検査装置および前記熱処理装置の順に搬送することを、2回以上繰り返し行うことを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の半導体装置の製造装置。
【請求項15】
ウェハ収納部からウェハを取り出すウェハ取り出し工程と、
前記ウェハの表面に対して処理を行う表面処理工程と、
表面の処理が済んだ前記ウェハの一部の表面に流動性を有する材料を射出して、前記ウェハの表面に膜のパターンを形成する膜パターン形成工程と、
前記膜のパターンを検査する検査工程と、
検査が済んだ前記ウェハを加熱して、前記膜を硬化させる熱処理工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記検査工程では、さらに、前記ウェハの前記膜の寸法を測定することを特徴とする請求項15に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記膜パターン形成工程の前に、
前記ウェハの中心軸回りの回転方向の位置、および前記ウェハの水平方向の位置を合わせる位置合わせ工程と、をさらに含み、
前記位置合わせ工程では、前記ウェハを前記膜パターン形成工程における前記ウェハの処理位置に合わせることを特徴とする請求項15または16に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記膜パターン形成工程では、前記ウェハの一部の表面に、前記膜の、同様のパターンを2回以上形成することを特徴とする請求項15〜17のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記膜パターン形成工程では、前記ウェハの一部の表面に、前記膜の、異なるパターンを2回以上形成することを特徴とする請求項15〜17のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項20】
前記膜パターン形成工程では、前記ウェハを加熱し、射出した前記材料を硬化させながら前記膜のパターンを形成することを特徴とする請求項15〜19のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項21】
前記膜パターン形成工程では、前記ウェハを載せるステージの、前記ウェハが置かれた側と反対の方向から、前記ウェハの表面の位置合わせ用マークを読み取り、前記位置合わせ用マークと、前記膜パターン形成工程における前記ウェハの処理位置とを合わせることを特徴とする請求項15〜20のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項22】
前記膜パターン形成工程の前に、
前記ウェハの裏面に位置合わせ用マークを形成するマーキング工程をさらに含むことを特徴とする請求項21に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項23】
前記表面処理工程では、前記ウェハの一部の表面を覆って、前記ウェハの表面の一部に選択的に処理を行うことを特徴とする請求項15〜22のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項24】
前記表面処理工程では、水素ガス、酸素ガス、真空紫外光源およびエキシマ光源を用いて処理を行うことを特徴とする請求項15〜23のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項25】
前記熱処理工程では、前記ウェハに形成された前記膜の硬化および焼成を一連で行うことを特徴とする請求項15〜24のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項26】
前記膜パターン形成工程から、前記検査工程を経た前記熱処理工程までの工程を、2回以上繰り返し行うことを特徴とする請求項15〜25のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−219133(P2010−219133A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−61449(P2009−61449)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(591083244)富士電機システムズ株式会社 (1,717)
【Fターム(参考)】