半導体装置の製造装置及び半導体装置の作製方法
【課題】低コストの半導体装置の作製方法及び低コストで半導体装置を作製可能な製造装置を提供する。
【解決手段】列置された持着部104を有する治具103と、列置された持着部104の間隔を制御する制御手段100と、複数の半導体集積回路102が設けられる支持手段101と、複数の素子112を有する基板111が設けられる支持手段114とを有し、列置された持着部104を有する治具101により半導体集積回路102を素子112に実装して半導体装置を作製する半導体装置の製造装置である。一回の工程において、複数の半導体集積回路102をピックアップし、複数の素子112に複数の半導体集積回路102を貼りあわせ、複数の半導体装置を作製することができる。このため、タクトタイムを短くし、量産性を向上させて、低コストの半導体装置の作製方法を提供することができる。
【解決手段】列置された持着部104を有する治具103と、列置された持着部104の間隔を制御する制御手段100と、複数の半導体集積回路102が設けられる支持手段101と、複数の素子112を有する基板111が設けられる支持手段114とを有し、列置された持着部104を有する治具101により半導体集積回路102を素子112に実装して半導体装置を作製する半導体装置の製造装置である。一回の工程において、複数の半導体集積回路102をピックアップし、複数の素子112に複数の半導体集積回路102を貼りあわせ、複数の半導体装置を作製することができる。このため、タクトタイムを短くし、量産性を向上させて、低コストの半導体装置の作製方法を提供することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造装置に関する。また、基板(または可撓性基板)上に設けられた回路(または素子)に半導体集積回路を電気的に接続する半導体装置の作製方法に関する。特に、アンテナを介した無線通信によりデータの入出力を行う半導体装置の作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アンテナと当該アンテナと電気的に接続された半導体集積回路とを有する半導体装置は、RFIDタグとして注目されている。RFIDタグは、ICタグ、IDタグ、トランスポンダ、ICチップ、IDチップとも呼ばれる。可撓性基板上に複数のアンテナを設け、当該複数のアンテナに対して1つずつ半導体集積回路を電気的に接続するRFIDタグの作製方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
また、1枚の基板(以下、素子基板ともいう。)に複数の半導体集積回路を形成し、複数の半導体集積回路を1つずつ取り出し、取り出した半導体集積回路を素子基板とは別の基板上に実装する方法が提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−115646号公報
【特許文献2】特開2000−299598号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コストを低減するため、複数の半導体集積回路は素子基板上に高集積化して形成することが好ましい。一方、アンテナは所定の周波数の電磁波を受信するために所定の形状及び大きさとする必要がある。そのため、素子基板上に形成される複数の半導体集積回路の間隔は、可撓性基板上の複数のアンテナの間隔よりも狭くなる傾向にある。この場合、可撓性基板上の複数のアンテナに、素子基板上に形成された複数の半導体集積回路を同時に電気的に接続することはできなかった。そのため、例えば特許文献2に記載されたような方法を用いて、素子基板上に形成された複数の半導体集積回路のうちの1つを取り出し可撓性基板上の複数のアンテナのうち1つのアンテナと接続する動作を、素子基板上に形成された全ての半導体集積回路に対して繰り返さなければならなかった。それ故、タクトタイムが長く、半導体装置の製造コストを高くしていた。
【0005】
上記の実情を鑑み、低コストの半導体装置の作製方法及び低コストで半導体装置を作製可能な製造装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、列置された複数の持着部を有する治具と、列置された複数の持着部の間隔を制御する制御手段と、複数の半導体集積回路が設けられる支持手段と、複数の素子を有する基板が設けられる支持手段とを有し、列置された複数の持着部を有する治具により半導体集積回路を素子に実装して半導体装置を作製する半導体装置の製造装置を要旨とする。
【0007】
本発明は、複数の半導体集積回路が設けられる支持手段と、半導体集積回路に対向するような間隔x(0≦x)で列置された複数の持着部を有する治具と、列置された複数の持着部の間隔を制御する制御手段と、隣接する素子の接続端子の間隔がaである素子を複数有する基板と、基板を支持する支持手段とを有し、制御手段は持着部でピックアップした半導体集積回路、及び素子が対向するように、持着部の間隔xを間隔a(a>x)にして、治具により半導体集積回路を素子に実装して半導体装置を作製することを特徴とする半導体装置の製造装置を要旨とする。
【0008】
また、本発明は、列置された複数の持着部を有する治具により、複数の半導体集積回路をピックアップし、列置された複数の持着部の間隔を制御する制御手段により、素子の接続端子と半導体集積回路の接続端子とが対向するように、列置された複数の持着部の間隔を制御し、対向した素子の接続端子及び半導体集積回路の接続端子を接続させる半導体装置の作製方法を要旨とする。
【0009】
また、本発明は、間隔xで列置された複数の持着部を有する治具により、複数の半導体集積回路をピックアップし、列置された複数の持着部の間隔を制御する制御手段により、列置された複数の持着部の間隔を間隔xからaへ制御し、隣接する素子の接続端子の間隔がaである素子の接続端子と、半導体集積回路の接続端子とを接続する半導体装置の作製方法を要旨とする。
【0010】
なお、半導体集積回路は、複数の半導体素子により回路が構成されるものであり、代表的には、複数の半導体素子が形成されるシリコンチップや、薄膜半導体素子を有するチップ等がある。また、素子の代表例としては、アンテナ、半導体集積回路、センサー、電池、配線基板、または表示装置である。
【0011】
また、本発明は以下を含む。
【0012】
本発明の一は、複数の半導体集積回路が設けられる第1の支持手段と、複数の半導体集積回路を持着する複数の持着部と、複数の持着部が列置された治具と、複数の持着部の間隔を制御する制御手段と、複数の素子を有する基板が設けられる第2の支持手段と、を有し、治具は、第1の支持手段に設けられる複数の半導体集積回路を複数の持着部によりピックアップした後、第2の支持手段に設けられる基板上の複数の素子に複数の半導体集積回路を実装することを特徴とする半導体装置の製造装置である。
【0013】
なお、制御手段は、複数の素子の接続端子と、複数の半導体集積回路の接続端子とが対向するように、列置される複数の持着部を移動させることを特徴とする。
【0014】
また、第1の支持手段及び第2の支持手段は、ステージ、ベルトコンベヤー、またはロボットアームであってもよい。
【0015】
また、第1の支持手段はステージ、ベルトコンベヤー、またはロボットアームであり、第2の支持手段は、複数の素子を有する可撓性基板を供給するローラー及び複数の素子を有する可撓性基板を巻き取るローラーであってもよい。
【0016】
また、複数の持着部は直線状に列置されていてもよい。
【0017】
本発明の一は、複数の半導体集積回路が設けられる支持手段と、複数の半導体集積回路を持着する複数の持着部と、複数の持着部が列置される第1のローラーと、複数の持着部の間隔を制御する制御手段と、複数の素子を有する可撓性基板を供給する第2のローラーと、複数の素子を有する可撓性基板の移動を制御する第3のローラーと、複数の素子を有する可撓性基板を巻き取る第4のローラーと、を有し、第1のローラーは、支持手段に設けられる複数の半導体集積回路を複数の持着部によりピックアップした後、第2のローラーを用いて複数の素子に複数の半導体集積回路を実装することを特徴とする半導体装置の製造装置である。
【0018】
また、本発明の一は、複数の半導体集積回路が設けられる支持手段と、複数の半導体集積回路を持着する複数の持着部と、複数の持着部が列置される第1のローラーと、複数の持着部の間隔を制御する制御手段と、複数の素子を有する可撓性基板を供給する第2のローラーと、複数の素子を有する可撓性基板の移動を制御する第3のローラーと、複数の素子を有する可撓性基板を切断する手段と、を有し、第1のローラーは、支持手段に設けられる複数の半導体集積回路を複数の持着部によりピックアップした後、第2のローラーを用いて複数の素子に複数の半導体集積回路を実装し、切断する手段は、複数の半導体集積回路が実装された複数の素子を有する可撓性基板を切断することを特徴とする半導体装置の製造装置である。
【0019】
また、本発明の一は、複数の半導体集積回路が設けられる支持手段と、複数の半導体集積回路を持着する複数の持着部と、複数の持着部が列置される第1のローラーと、複数の持着部の間隔を制御する制御手段と、複数の素子を有する第1の可撓性基板を供給する第2のローラーと、複数の素子を有する第1の可撓性基板の移動を制御する第3のローラーと、第2の可撓性基板を供給する第4のローラーと、複数の素子を有する第1の可撓性基板、複数の半導体集積回路、及び第2の可撓性基板を貼り合わせる一対の第5及び第6のローラーと、を有し、第1のローラーは、支持手段に設けられる複数の半導体集積回路を複数の持着部によりピックアップした後、第2のローラーを用いて複数の素子に複数の半導体集積回路を実装し、一対の第5及び第6のローラーは、複数の半導体集積回路が実装された複数の素子を有する第1の可撓性基板に第2の可撓性基板を貼りあわせることを特徴とする半導体装置の製造装置である。
【0020】
なお、複数の持着部が列置される第1のローラーには、2n組の持着部、または(2n+1)組の持着部を有する。
【0021】
また、本発明の一は、複数の半導体集積回路が設けられる支持手段と、複数の半導体集積回路を持着する複数の第1の持着部と、複数の第1の持着部が列置される第1のローラーと、複数の第1の持着部の間隔を制御する制御手段と、複数の第1の持着部から複数の半導体集積回路を持着する複数の第2の持着部と、複数の第2の持着部が列置される第2のローラーと、複数の素子を有する可撓性基板を供給する第3のローラーと、複数の素子を有する可撓性基板の移動を制御する第4のローラーと、複数の素子を有する可撓性基板を巻き取る第5のローラーと、を有し、第2のローラーは、複数の第1の持着部で持着した複数の半導体集積回路を複数の第2の持着部により持着した後、第4のローラーを用いて複数の素子に複数の半導体集積回路を実装することを特徴とする半導体装置の製造装置である。
【0022】
なお、第1のローラー及び第2のローラーは、それぞれ2n組の第1の持着部及び2n組の第2の持着部を有してもよい。また、第1のローラー、及び第2のローラーは、それぞれ(2n+1)組の第1の持着部、及び(2n+1)組の第2の持着部を有してもよい。
【0023】
また、複数の第1の持着部及び第2の持着部はそれぞれ直線状に列置されていてもよい。
【0024】
また、本発明の一は、第1の支持手段上に複数の半導体集積回路を設置し、治具に列置された複数の持着部を用いて複数の半導体集積回路をピックアップし、列置された複数の持着部の間隔を制御する制御手段により、第2の支持手段上に設けられた基板上の複数の素子の接続端子に複数の半導体集積回路の接続端子が対向するように複数の持着部の間隔を制御し、複数の半導体集積回路の接続端子及び複数の素子の接続端子を接続させることを特徴とする半導体装置の作製方法である。
【0025】
本発明の一は、支持手段上に複数の半導体集積回路を設置し、ローラーに列置された複数の持着部を用いて複数の半導体集積回路をピックアップし、複数の素子を有する可撓性基板を供給するローラー、複数の素子を有する可撓性基板の移動を制御するローラー、及び複数の素子を有する可撓性基板を回収するローラーを回転させて、複数の素子を有する可撓性基板を移動させ、複数の持着部が列置されたローラーを回転させて、複数の半導体集積回路及び素子を有する可撓性基板を対向させ、複数の持着部の間隔を制御する制御手段により、可撓性基板の複数の素子の接続端子に、複数の半導体集積回路の接続端子が対向するように複数の持着部の間隔を制御し、複数の素子を有する可撓性基板の移動を制御するローラー及び複数の持着部が列置されたローラーを用いて、複数の半導体集積回路の接続端子及び複数の素子の接続端子を接続させることを特徴とする半導体装置の作製方法である。
【0026】
なお、複数の素子を有する可撓性基板の移動を制御するローラー及び複数の持着部が列置されたローラーを用いて、複数の半導体集積回路の接続端子及び複数の素子の接続端子を接続させた後、切断手段により可撓性基板を切断してもよい。
【0027】
また、複数の素子を有する可撓性基板の移動を制御するローラー及び持着部が列置されたローラーを用いて、複数の半導体集積回路の接続端子及び複数の素子の接続端子を接続させた後、一対のローラーを用いて複数の半導体集積回路及び複数の素子の表面に可撓性基板を貼り合わせてもよい。
【0028】
さらには、複数の素子を有する可撓性基板の移動を制御するローラー及び複数の持着部が列置されたローラーを用いて、複数の半導体集積回路の接続端子及び複数の素子の接続端子を接続させた後、一対のローラーを用いて複数の半導体集積回路及び複数の素子の表面に可撓性基板を貼り合せ、切断手段により複数の素子を有する可撓性基板及び可撓性基板を切断してもよい。
【発明の効果】
【0029】
本発明の半導体装置の作製方法は、複数の半導体集積回路を複数の持着部によりピックアップした後、半導体集積回路の接続端子及び素子の接続端子が対向するように、複数の持着部の間隔を制御し、素子及び半導体集積回路を接続して、半導体装置を作製することができる。このため、隣接する半導体集積回路の接続端子の間隔と、隣接する素子の接続端子の間隔とが異なっていても、素子基板から半導体集積回路をピックアップして素子に対向させる間に、複数の持着部の間隔を制御するのみで、素子に半導体集積回路を貼りあわせることができる。また、一回の工程において、複数の半導体集積回路をピックアップし、複数の素子に複数の半導体集積回路を貼りあわせ、複数の半導体装置を作製することができる。このため、タクトタイムを短くし、量産性を向上させて、低コストの半導体装置の作製方法を提供することができる。
【0030】
本発明の半導体装置の製造装置は、列置された複数の持着部を有する治具と、列置された複数の持着部の間隔を制御する制御手段と、複数の半導体集積回路が設けられる支持手段と、複数の素子を有する可撓性基板が設けられる支持手段とを有する。治具は、列置された複数の持着部と、持着部の間隔を制御する制御手段とを有する。このため、隣接する半導体集積回路の接続端子の間隔と、隣接する素子の接続端子の間隔とが異なっていても、素子基板から半導体集積回路をピックアップして素子に対向させる間に、複数の持着部の間隔を制御するのみで、素子に半導体集積回路を貼りあわせることができる。また、一回の工程において、複数の半導体集積回路をピックアップし、複数の素子に複数の半導体集積回路を貼りあわせ、複数の半導体装置を作製することができる。このため、タクトタイムを短くし、量産性を向上させて、低コストで半導体装置を作製可能な製造装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更しうることは当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同じ物を指し示す符号は異なる図面間において共通とする。
【0032】
(実施の形態1)
本実施の形態の半導体装置の製造装置及び作製方法について説明する。説明には図1、図16乃至18を用いる。
【0033】
本実施の形態の半導体装置の製造装置は、図18に一形態を示すように、支持手段101から半導体集積回路102をピックアップする列置された複数の持着部104と、持着部104を複数有する治具103と、複数の持着部104を制御する制御手段100と、複数の素子を有する基板111を搭載する支持手段114と有し、列置された持着部104によりピックアップされた半導体集積回路102を、基板111上に形成される素子に実装する。なお、以下の実施の形態においては、素子としてアンテナ112を示し、半導体装置としては、アンテナに半導体集積回路が実装されたものを示す。しかしながら、素子はアンテナに限定されるものではない。また、半導体装置は素子に半導体集積回路が実装されたものである。
【0034】
列置された持着部104は、吸着ノズル、コレット、ピンセット、またはツメに代表される把治具を用いることができる。ここでは、持着治具として吸着ノズルを用いる。また、持着部104にヒーターを設けてもよい。持着部104にヒーターを設けることにより、支持手段101上に設けられた半導体集積回路102を持着部104でピックアップして、アンテナ112を有する基板111上に移動した後、持着部のヒーターを加熱して、アンテナ112上に半導体集積回路102を熱圧着して実装することができる。なお、ヒーターとしては、室温から500℃の加熱が可能なヒーターが好ましい。また、持着部104を圧着して半導体集積回路及びアンテナを接続する場合、各持着部は10g〜100kg、好ましくは50g〜50kgの荷重が可能であることが好ましい。更には、持着部104にモーター等の駆動部を設けることで、半導体集積回路の向き(θ方向)をも回転させることが可能であり、アンテナを有する基板に半導体集積回路を実装する場合の位置合わせが容易となる。
【0035】
治具103は、ロボットアーム、ヘッド、ローラー等の移動装置であり、昇降及び水平移動(xyz方向)を自由に行うことが可能である。また、治具103は、レールやモーター等の駆動部108と接続されていても良い。治具103または駆動部108により、支持手段101上の半導体集積回路102を持着部104でピックアップした後、支持手段114上のアンテナ112付近まで移動させて、アンテナ112に半導体集積回路102を実装することができる。
【0036】
列置された持着部104を制御する制御手段100は、半導体集積回路102を支持手段101からピックアップした後、半導体集積回路102の接続端子が基板111上に形成された各アンテナ112の接続端子に対向するように、列置された持着部104を移動させるものである。制御手段100としては、半導体集積回路102を列置された持着部104でピックアップしたことを検知する検出素子と、列置された持着部104がアンテナに対向する位置に移動されたことを検知する検知手段と、列置された持着部104の間隔を変更する駆動部とを有する。また、隣接されるアンテナの接続端子の間隔を検出する検出素子を有してもよい。半導体集積回路102を列置された持着部104でピックアップしたことを検知する検出素子や、隣接されるアンテナの接続端子の間隔を検出する検出素子としては、CCDカメラ等を用いることが可能であり、検出素子で検出した画像情報を画像処理して、半導体集積回路、アンテナの接続端子やアライメントの位置を検出する。
【0037】
列置された持着部104を制御する制御手段100に含まれる駆動部の代表例を図16及び17を用いて説明する。図16(A)に示すように、列置された持着部104には、レール105と、レール105内を移動する支持部106aと、持着部104に固定された支持部106bと、隣接する支持部106a及び106bに設けられた軸107、108を有する。また、治具103内には、持着部104が移動可能なようにレール109が設けられている。
【0038】
支持手段上の半導体集積回路をピックアップする場合は、図16(A)に示すように、レール105内を移動する支持部106aが固定された支持部106bから離れた位置に位置する。このときの持着部104の間隔をxとする。
【0039】
アンテナに半導体集積回路を対向させる場合は、図16(B)に示すように、レール105内を支持部106aが移動し、固定された支持部106bとの距離が縮まる。このとき、軸107、108も移動し、持着部104の間隔がxからaへ広げることができる。
【0040】
また、他の例としては、図17(A)に示すように、治具103内にレール109が設けられ、持着部104にはレール109内を移動するモーター等の動力手段110が設けられている。
【0041】
支持手段上の半導体集積回路をピックアップする場合は、図17(A)に示すように、持着部104の間隔がxである。
【0042】
アンテナに半導体集積回路を対向させる場合は、図17(B)に示すように、持着部104に設けられた動力手段がレール109内を移動して、持着部104の間隔がxからaへ広げることができる。
【0043】
支持手段101は複数の半導体集積回路を支持する手段であり、支持手段114は、複数のアンテナを有する可撓性基板を支持する手段であり、代表的にはステージ、ベルトコンベヤー、ロボットアーム等を用いることができる。また、ステージは、昇降(z方向)及び水平移動(xy方向)が可能な移動装置に設けられてもよい。ステージやベルトコンベヤーを支持手段として用いる場合、複数の半導体集積回路はシートや基板上に設置されている。また、ロボットアームを支持手段として用いる場合、複数の半導体集積回路は枠体に固定される粘着性フィルム上に設置されていてもよい。この場合、ロボットアームは枠体を挟持する。粘着性フィルムとしては、紫外線硬化型粘着フィルム(UVフィルム、UVテープ、UVシートともいう。)や、圧力が加わることにより粘着力が変化する感圧フィルム(感圧テープ、感圧シートともいう。)、熱硬化型粘着フィルム(熱硬化型粘着テープ、熱硬化型粘着シートともいう。)等がある。さらには、粘着性フィルムはエキスパンドタイプの伸縮可能なものであってもよい。
【0044】
半導体集積回路102は、複数の半導体素子により回路が構成されるものであり、代表的には、複数の半導体素子が形成されるシリコンチップや、薄膜半導体素子を有するチップ等がある。
【0045】
複数の半導体素子が形成されるシリコンチップの作製方法の代表例としては、シリコンウエハの表面にMOSトランジスタや、容量、抵抗、ダイオード等を形成する。次に、シリコンウエハの裏面をバックグラインドと呼ばれる研磨処理行い、シリコンウエハの厚さを30〜250μm、好ましくは50〜100μmにする。この後、ダイサーで矩形状にシリコンウエハを分割したチップである。
【0046】
薄膜半導体素子を有するチップの代表例としては、薄膜トランジスタ、容量、抵抗、薄膜ダイオード等を有する層である。薄膜半導体素子を有するチップの作製方法の代表例としては、基板上に、薄膜トランジスタ、容量、抵抗、薄膜ダイオード等を有する層を形成し、当該層を基板から剥離し、矩形状に分断することにより形成される。
【0047】
アンテナ112は、印刷法、導電性薄膜をエッチングする方法、メッキ法等の手法により可撓性基板上に形成された導電層を用いることができる。アンテナ112は、Ag、Au、Cu、Ni、Pt、Pd、Ir、Rh、W、Al、Ta、Mo、Cd、Zn、Fe、Ti、Zr、及びBaのいずれか一つ以上の元素を有する導電層で形成することができる。
【0048】
図13に本発明に適応可能なアンテナの上面図を示す。アンテナとして機能する導電層の形状は、半導体装置における信号の伝送方式が電磁結合方式または電磁誘導方式(例えば13.56MHz帯)を適用する場合には、磁界密度の変化による電磁誘導を利用するため、図13(A)に示すように、方形コイル状281や、円形コイル状(例えば、スパイラルアンテナ)とすることができる。また、図13(B)に示すように方形ループ状282や円形ループ状とすることができる。
【0049】
また、マイクロ波方式(例えば、UHF帯(860〜960MHz帯)、2.45GHz帯等)を適用する場合には、信号の伝送に用いる電磁波の波長を考慮してアンテナとして機能する導電層の長さ等の形状を適宜設定すればよく、図13(C)に示すように直線型ダイポール状283や曲線型ダイポール状、面状(例えば、パッチアンテナ)とすることができる。
【0050】
なお、本実施の形態では素子の代表例として、アンテナ112を用いて示しているが、これに限定されるものではない。例えば、半導体集積回路、センサー、電池、配線基板、表示装置等を適宜用いることができる。
【0051】
基板111としては、代表的には、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルスルホン)、ポリプロピレン、ポリプロピレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリサルフォン、ポリフタールアミド等からなる基板や繊維質な材料からなる紙と、熱可塑性材料で形成される層として接着性有機樹脂(アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等)とが、積層された基板を用いることができる。また、上記の基板において、可撓性を有する可撓性基板を用いてもよい。さらには、ガラス基板、石英基板、金属基板等を用いてもよい。
【0052】
次に、本実施の形態で示す半導体装置の作製方法について、以下に示す。
【0053】
図1(A)に示すように、支持手段101上に設けられた複数の半導体集積回路102を、列置された複数の持着部104で持着する。このときの持着部104の間隔をx(0≦x)とする。
【0054】
次に、図1(B)に示すように、支持手段101から半導体集積回路102をピックアップする。このとき、治具103を支持手段101から離れる方向へ移動させる。または、支持手段101を治具103から離れる方向へ移動させる。または、持着部104及び支持手段101が離れる方向へそれぞれを移動させる。また、持着部104の伸縮を制御する手段を有する場合、持着部104を縮ませる。これらにより、支持手段101から半導体集積回路102をピックアップすることができる。
【0055】
次に、図1(C)に示すように、支持手段114にアンテナ112を有する基板111を搭載する。次にアンテナ112の接続端子(図示せず。)に導電性ペースト113を塗布する。なお、導電性ペースト113の代わりに、異方性導電接着剤や異方性導電フィルムをアンテナ112の接続端子上に設けてもよい。また、アンテナ112の接続端子として、アンテナの一部を用いてもよい。
【0056】
次に、アンテナ112を有する基板111上に治具103を移動させる。このとき、半導体集積回路102の接続端子、及びアンテナ112の接続端子が対向するように、制御手段により持着部104の間隔を広げる。代表的には、隣接するアンテナ112の接続端子の間隔がaの場合、制御手段により列置する持着部104の間隔をaとする。なお、アンテナ112を有する基板111上に治具103を移動させる代わりに、アンテナ112を有する基板111を支持する支持手段114を治具103の下へ移動してもよい。
【0057】
次に、図1(D)に示すように、導電性ペースト113上に半導体集積回路102を搭載する。この後、リフロー工程等を経て、導電性ペースト113を介して半導体集積回路102及びアンテナ112を実装する。
【0058】
また、ボンディング手段を設けてもよい。この場合、持着部104を有する治具103によりピックアップした半導体集積回路102をアンテナ112上に搭載(仮接着)させた後、半導体集積回路102及び導電性ペースト113を圧着し、半導体集積回路102とアンテナ112とを実装(本圧着)させることができる。このようなボンディング手段としては、熱圧着法や超音波接合法を用いたものあり、代表的にはヒーターや超音波ホーンを有する治具を用いることができる。
【0059】
以上の工程により、半導体集積回路及びアンテナで構成される複数の半導体装置を有する基板を作製することができる。この後、半導体集積回路及びアンテナを覆うように、保護層を形成してもよい。また、半導体集積回路及びアンテナを覆うように、基板111に別途基板を貼り付けてもよい。このような基板としては、基板111で示された可撓性基板と同様のものを適宜用いることができる。
【0060】
さらには、可撓性基板を切断することにより、半導体集積回路及びアンテナで構成される半導体装置を作製することができる。
【0061】
本実施の形態の半導体装置の作製方法は、半導体集積回路を持着部によりピックアップした後、隣接する半導体集積回路の接続端子及び隣接するアンテナの接続端子が対向するように、持着部の間隔を制御し、アンテナに半導体集積回路を接続して、半導体装置を作製することができる。このため、隣接する半導体集積回路の接続端子の間隔と、隣接するアンテナの接続端子の間隔とが異なっていても、半導体集積回路をピックアップしてアンテナに対向させる間に、持着部の間隔を制御するのみで、アンテナに半導体集積回路を貼りあわせることができる。また、一回の工程において、複数の半導体集積回路をピックアップし、複数のアンテナに複数の半導体集積回路を貼りあわせ、複数の半導体装置を作製することができる。このため、タクトタイムを短くし、量産性を向上させて、低コストの半導体装置の作製方法を提供することができる。
【0062】
本実施の形態の半導体装置の製造装置は、列置された複数の持着部を有する治具と、列置された持着部の間隔を制御する制御手段と、複数の半導体集積回路が設けられる支持手段と、複数のアンテナを有する可撓性基板が設けられる支持手段とを有する。治具は、列置された複数の持着部と、持着部の間隔を制御する制御手段とを有する。このため、隣接する半導体集積回路の接続端子の間隔と、隣接するアンテナの接続端子の間隔とが異なっていても、半導体集積回路をピックアップしてアンテナに対向させる間に、持着部の間隔を制御するのみで、アンテナに半導体集積回路を貼りあわせることができる。また、一回の工程において、複数の半導体集積回路をピックアップし、複数のアンテナに複数の半導体集積回路を貼りあわせ、複数の半導体装置を作製することができる。このため、タクトタイムを短くし、量産性を向上させて、低コストで半導体装置を作製可能な製造装置を提供することができる。
【0063】
(実施の形態2)
本実施の形態では、ロール to ロール方式を用いた半導体装置の製造装置及び作製方法について説明する。説明には図2乃至4、及び図19を用いる。
【0064】
図19に示すように、本実施の形態の半導体装置の製造装置は、アンテナ209を有する可撓性基板208が巻かれている供給用のローラー205と、可撓性基板208の移動を制御すると共に、アンテナ209上に半導体集積回路202を実装するローラー206と、アンテナ209に半導体集積回路202が実装された可撓性基板208を巻き取る回収用のローラー207とを有する。また、半導体集積回路202を支持する支持手段201と、半導体集積回路202を持着する持着部204を有するローラー203を有する。なお、持着部204はローラー203の側面において列置されている。また、アンテナ209を有する可撓性基板208の表面に、異方性導電フィルムが設けられていてもよい。また、ローラー203、205〜207には、それぞれの回転軸203a、205a〜207aを移動させる移動手段を有してもよい。回転軸203a、205a〜207aを移動させる移動手段により、ローラー203、205〜207を上昇または下降させて、ローラー203、205〜207の位置を制御することができる。また、持着部204には、持着部204の伸縮を制御する手段を有してもよい。
【0065】
本実施の形態の半導体集積回路202、持着部204、アンテナ209、アンテナ209を有する可撓性基板208は、それぞれ実施の形態1で上記した半導体集積回路102、持着部104、アンテナ112、アンテナ112を有する基板111を適宜選択して用いることができる。
【0066】
可撓性基板208の移動を制御すると共に、アンテナ209上に半導体集積回路202を実装するローラー206は、供給用のローラー205及び回収用のローラー207の間に設けられている。また、可撓性基板208の移動を制御すると共に、アンテナ209上に半導体集積回路202を実装するローラー206は、アンテナ209を有する可撓性基板208を間に介して持着部204を有するローラー203と対向して設けられる。
【0067】
ローラー203、205〜207は、円筒状の回転体であり、代表的には、表面の磨かれた円筒状の鋳造品等に相当する。ローラー203、205〜207の各々は、所定の速度で回転する。また、ローラー205〜207は同じ方向に回転し、ローラー203は、ローラー206と反対方向または同じ方向に回転する。
【0068】
ここで、ローラー203に列置された持着部204の構成について説明する。図2(A)は半導体装置の製造装置のx軸方向の断面を示し、図2(B)は図2(A)における半導体装置の製造装置のy軸方向の断面を示す。また、図2(C)は半導体装置の製造装置のx軸方向の断面を示し、図2(D)は図2(C)における半導体装置の製造装置のy軸方向の断面を示す。図2(A)及び(B)より、持着部204は、ローラー203のy軸方向に複数列置されている。このときの列置された持着部204の間隔はxである。なお、図2において、持着部204はy軸方向に複数列置された構成を示したが、これに限定されるものではない。即ち、x軸方向に複数の持着部が整列されていてもよい。
【0069】
次に、半導体装置の作製方法について説明する。
【0070】
図2(A)、及び(B)に示すように、ローラー205が回転することにより、アンテナ209を有する可撓性基板208が送り出される。可撓性基板208はローラー206を経て、ローラー207へ流れる。また、ローラー205〜207が回転することにより、ローラー207自体に可撓性基板208が巻き付けてられていく。つまり、ローラー207により、可撓性基板208が回収される。
【0071】
支持手段201の移動方向と反対方向または同じ方向にローラー203が回転する。ローラー203の圧力、持着部204と半導体集積回路202との間隔、ローラー203の回転速度、支持手段201の移動速度を適宜調節することにより、支持手段201上に設けられた半導体集積回路202をローラー203の持着部204で持着することができる。
【0072】
次に、ローラー203がローラー206と反対方向または同じ方向に回転することにより、支持手段201から半導体集積回路202を剥離する。
【0073】
また、上記の手法の代わりに以下の手法を用いて、支持手段201から半導体集積回路202をピックアップしてもよい。ローラー203が回転しない状態において、ローラー203の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー203を半導体集積回路202側に移動させる。次に、持着部204により支持手段201から半導体集積回路202を持着した後、ローラー203の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー203をローラー206側に移動させて支持手段201から半導体集積回路202を持着部204で持着する。この後、ローラー203を回転させる。このようなローラー203の移動により、確実に支持手段201から半導体集積回路202を剥離することができる。
【0074】
また、上記の手法の代わりに以下の手法を用いて、支持手段201から半導体集積回路202をピックアップしてもよい。ローラー203が回転しない状態において、持着部204の伸縮を制御する手段により、持着部204を半導体集積回路202側に伸ばす。次に、持着部204により支持手段201から半導体集積回路202を持着した後、持着部204の伸縮を制御する手段により、持着部204を縮ませ、支持手段201から半導体集積回路202を持着部204でピックアップする。この後、ローラー203を回転させる。このような持着部204の伸縮により、確実に支持手段201から半導体集積回路202を剥離することができる。
【0075】
次に、図2(C)、及び(D)に示すように、ローラー203が回転しながら、半導体集積回路202の接続端子及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により持着部204の間隔が広げられる。このときの列置された持着部204の間隔はaとなる。
【0076】
次に、ローラー206及び持着部204によって、可撓性基板208、アンテナ209、異方性導電フィルム210、及び半導体集積回路202を挟持しながら、加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202を実装する。ローラー206及び持着部204の間隔、及び一対のローラー203、206の回転速度を適宜調節することで、可撓性基板208のアンテナ209に半導体集積回路202を実装することができる。
【0077】
また、上記の手法の代わりに以下の手法を用いて、可撓性基板208のアンテナ209に半導体集積回路202を実装することができる。ローラー203を回転させて、半導体集積回路202がアンテナ209に対向する位置まで移動してきたら、ローラー203、205〜207の回転を止める。次に、半導体集積回路202の接続端子及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により持着部204の間隔が広げられる。このときの列置された持着部204の間隔はaとなる。次に、ローラー203の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー203をローラー206側に移動させる。次に、ローラー206及び持着部204によって、可撓性基板208、アンテナ209、異方性導電フィルム210、及び半導体集積回路202を挟持しながら、加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202を実装する。
【0078】
次に、ローラー203の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー203を支持手段201側に移動させて、可撓性基板208のアンテナ209に半導体集積回路202を実装することができる。この後、ローラー203、205〜207を回転させる。
【0079】
また、上記の手法の代わりに以下の手法を用いて、可撓性基板208のアンテナ209に半導体集積回路202を実装することができる。ローラー203を回転させて、半導体集積回路202がアンテナ209に対向する位置まで移動してきたら、ローラー203、205〜207の回転を止める。次に、半導体集積回路202の接続端子及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により持着部204の間隔が広げる。このときの列置された持着部204の間隔はaとなる。次に、ローラー203、205〜207が回転しない状態において、ローラー205〜207の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー205〜207を持着部204側に移動させる。次に、持着部204及びローラー206により可撓性基板208、アンテナ209、異方性導電フィルム210、及び半導体集積回路202を挟持しながら、加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202を実装する。
【0080】
次に、ローラー205〜207の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー206を支持手段201から離れさせた後、ローラー203、205〜207を回転させる。
【0081】
また、上記の手法の代わりに以下の手法を用いて、可撓性基板208のアンテナ209に半導体集積回路202を実装することができる。ローラー203を回転させて、半導体集積回路202がアンテナ209に対向する位置まで移動してきたら、ローラー203、205〜207の回転を止める。次に、半導体集積回路202の接続端子及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により持着部204の間隔が広げる。このときの列置された持着部204の間隔はaとなる。次に、ローラー203、205〜207が回転しない状態において、持着部204の伸縮を制御する手段により、持着部204をローラー206側に伸ばす。次に、持着部204及びローラー206により可撓性基板208、アンテナ209、異方性導電フィルム210、及び半導体集積回路202を挟持しながら、加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202を実装する。次に、持着部204の伸縮を制御する手段により、持着部204を縮ませた後、ローラー203、205〜207を回転させる。
【0082】
なお、本実施の形態の半導体装置の製造装置に、持着部204を有するローラー203とは別に、ヒーター等の加熱手段を有する一対のローラーを有していてもよい。この場合、持着部204を有するローラー203によりピックアップした半導体集積回路202をアンテナ209に搭載(仮接着)させた後、ヒーター等の加熱手段を有する一対のローラーにより半導体集積回路202及び異方性導電フィルム210を熱圧着し、半導体集積回路202とアンテナ209とを実装(本圧着)させても良い。
【0083】
なお、図2においては、ローラー206の回転方向と平行な方向(即ち、x軸方向)に、各アンテナの接続部を並べて配置してある。しかしながら、これに限らず、ローラー206の回転方向と垂直な方向(即ち、y軸方向)に各アンテナの接続部を並べて配置しても良い。この場合、図2に示す構成と同様にローラー206及び持着部204がアンテナ及び半導体集積回路を一度挟持するだけで、半導体集積回路をアンテナに実装することができるため、歩留まりを向上させることが可能である。
【0084】
この後、アンテナ209を有する可撓性基板208、およびアンテナ209に接続された半導体集積回路202をローラー207で回収する。以上の工程により、アンテナに半導体集積回路が実装された複数の半導体装置を有するシートを形成することができる。
【0085】
また、貼りあわせられたアンテナ209を有する可撓性基板208および、アンテナ209に実装された半導体集積回路202を巻き取る回収用のローラー207の代わりに、図3(C)に示すように、切断手段221を有してもよい。この結果、アンテナ209を有する可撓性基板208および、アンテナ209に接続された半導体集積回路202で構成される半導体装置を、個々に分断することができる。切断手段221は、ダイシング装置、スクライビング装置、レーザ照射装置等を適宜用いることができる。
【0086】
また、図2及び3に示す半導体装置を有するシートを可撓性基板を用いて封止することができる。ここでは、図3の変形例について図4を用いて説明する。図4(A)及び(C)は半導体装置の製造装置のx軸方向の断面を示し、図4(B)及び(D)はそれぞれ図4(A)及び(C)における半導体装置の製造装置のy軸方向の断面を示す。
【0087】
図4(A)及び(C)に示すように、図3に示す半導体装置の製造装置に加え、可撓性基板232が巻かれている供給用のローラー231と、可撓性基板232の移動を制御すると共に、半導体集積回路202及びアンテナ209を有する可撓性基板208上に可撓性基板232を貼り合わせる一対のローラー233、234とを有してもよい。
【0088】
図2及び3と同様に、図4(A)、及び(B)に示すように、ローラー203の圧力、持着部204と半導体集積回路202との間隔、ローラー203の回転速度、支持手段201の移動速度を適宜調節することにより、支持手段201上に設けられた半導体集積回路202をローラー203に列置された持着部204で持着することができる。このときの列置された持着部204の間隔をxとする。
【0089】
次に、ローラー203がローラー206と反対方向または同じ方向に回転することにより、支持手段201から半導体集積回路202を剥離する。次に、図4(C)、及び(D)に示すように、半導体集積回路202及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により持着部204の間隔が広げられる。ここでは列置される持着部204の間隔をxからaに広げる。
【0090】
次に、ローラー206及び持着部204により、可撓性基板208、アンテナ209、異方性導電フィルム210、及び半導体集積回路202を挟持しながら加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202を実装する。ローラー206及び持着部204の間隔、及びローラー206及びローラー203の回転速度を適宜調節することで、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202を実装することができる。
【0091】
ローラー231が回転することにより、可撓性基板232が送り出される。可撓性基板232はローラー233へ流れる。一対のローラー233、234が互いに反対方向または同じ方向に回転することにより、可撓性基板232によって、半導体集積回路202及びアンテナ209を有する可撓性基板208を封止する。ローラー233、234の間隔、及び一対のローラー233、234の回転速度を適宜調節することで、可撓性基板208及び可撓性基板232によって、半導体集積回路202及びアンテナ209を封止することができる。
【0092】
以上により半導体装置が設けられたシートを作製することができる。
【0093】
この後、アンテナの間で露出された可撓性基板を切断手段235により切断し、半導体集積回路及びアンテナで構成される半導体装置を作製することができる。
【0094】
本実施の形態の半導体装置の製造装置を用いることにより、複数の工程を連続的に行うことが可能である。また、複数の半導体集積回路をピックアップし、複数のアンテナに複数の半導体集積回路を貼りあわせ、複数の半導体装置を作製することができる。このため、タクトタイムを短くし、量産性を向上させて、低コストで半導体装置を作製可能な製造装置を提供することができる。
【0095】
(実施の形態3)
本実施の形態では、支持手段201に設けられた半導体集積回路において接続端子が形成される面によって、半導体装置の作製方法が異なる形態について図5及び6を用いて説明する。なお、本実施の形態では、図2に示す半導体装置の製造装置を用いて説明するが、図3及び4の半導体装置の製造装置を適宜用いることができる。
【0096】
図5(A)及び(B)は、図2(A)及び(C)と同様に半導体装置の製造装置のx軸方向の断面を示す。図示しないが、図5(A)及び(B)においても図2(B)及び(D)と同様に複数の持着部がローラーのy軸方向に列置されている。図6(A)乃至(C)も同様に、半導体装置の製造装置のx軸方向の断面を示す。図示しないが、図6(A)乃至(C)においても同様に複数の持着部がローラーのy軸方向に列置されている。
【0097】
図5(A)の拡大図260で示されるように、半導体集積回路202の接続端子261a、261bは支持手段201に面しており、持着部204側に露出していない形態について説明する。なお、このように、半導体集積回路202の接続端子261a、261bが支持手段201に面する構成としては、半導体集積回路202内部に、半導体素子と接続するスルーホールを形成し、該スルーホールを充填するプラグを接続端子261a、261bとしてもよい。また、半導体集積回路の表面に接続端子を形成した後、接続端子が支持手段201側に面するように、半導体集積回路を反転させて支持手段201に設けてもよい。
【0098】
図2(A)及び(B)と同様に、支持手段201上に設けられた半導体集積回路202をローラー203に列置された持着部204で持着する。持着部204が半導体集積回路202を持着する領域の拡大図260で示すように、支持手段201に対して、半導体集積回路202の接続端子261a、261bが形成される面が面しており、当該面と反対側の面において、持着部204が半導体集積回路202を持着する。
【0099】
次に、ローラー203がローラー206と反対方向または同じ方向に回転することにより、支持手段201から半導体集積回路202をピックアップする。次に、図示しないが半導体集積回路202の接続端子及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により列置された持着部204の間隔がy軸方向に広げられる。
【0100】
次に、図5(B)に示すように、ローラー203及び列置された持着部204が可撓性基板208及びアンテナ209と対向したとき、ローラー206及び持着部204による加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202を実装する。ローラー206及び持着部204の間隔、及び一対のローラー203、206の回転速度を適宜調節することで、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202を実装することができる。半導体集積回路202及びアンテナ209の接続端子の拡大図263で示すように、異方性導電フィルム210を介してアンテナ209と半導体集積回路202が接続される。
【0101】
この後、アンテナ209を有する可撓性基板208および、アンテナ209に実装された半導体集積回路202をローラー207で回収することができる。
【0102】
次に、図6(A)の拡大図270で示されるように、半導体集積回路202の接続端子271a、271bが持着部204側に面しており、支持手段201側に露出していない形態について説明する。
【0103】
接続端子271a、271bが持着部204に面している半導体集積回路は、ローラー203の持着部204でピックアップし、治具を回転させても、接続端子271a、271bはアンテナ209に面しない。このため、半導体装置の製造装置は、治具の他に、半導体集積回路202をひっくり返すフリップチップ手段を必要とする。ここでは、ローラー272及びローラー272に設けられた持着部273により、フリップチップ手段を構成する。
【0104】
フリップチップ手段を構成するローラー272は、ローラー203、205〜207と同様のものを用いることができる。持着部273は持着部204と同様の数の持着部が同様の間隔で列置されたものを用いることが好ましい。この結果、持着部204でピックアップした半導体集積回路202すべてを持着部273に受け渡しすることが可能である。
【0105】
ローラー272は、ローラー203と反対方向または同じ方向に回転する。また、フリップチップ手段のローラー272及びローラー206は、それぞれの回転軸がアンテナ209及び可撓性基板208を介して平行に設けられる。この結果、治具であるローラー203及びそれに設けられた持着部204を用いて、支持手段201からピックアップした半導体集積回路202を、フリップチップ手段であるローラー272及びそれに設けられた持着部273に受け渡しする。
【0106】
次に、フリップチップ手段であるローラー272を回転させて、持着部273及びローラー206によりアンテナ209を有する可撓性基板208及び半導体集積回路202を貼りあわせることができる。
【0107】
図6を用いて半導体装置の作製方法を説明する。
【0108】
図2(A)及び(B)と同様に、図6(A)に示すように、支持手段201上に設けられた半導体集積回路202をローラー203の持着部204でピックアップする。持着部204が半導体集積回路202を持着する領域の拡大図270で示すように、持着部204に半導体集積回路202の接続端子271a、271bが面している。持着部204は、接続端子271a、271bが形成されない領域において、半導体集積回路202を持着する。
【0109】
次に、図6(B)に示すように、ローラー203がローラー272と反対方向に回転することにより、治具の持着部204からフリップチップ手段の持着部273へ半導体集積回路202を受け渡しする。持着部204、273が半導体集積回路202を持着する領域の拡大図274で示すように、半導体集積回路202の接続端子271a、271bが形成される面の反対側の面において、半導体集積回路202は持着部273に持着される。
【0110】
なお、上記方法の代わりに、ローラー203、272の一方または両方にそれぞれの回転軸を移動させる移動手段を設けてもよい。この場合、ローラー203の持着部204及び、ローラー272の持着部273が半導体集積回路202を介して面したとき、ローラー203、272の回転を停止させる。次に、ローラー203、272の一方または両方の回転軸を移動させる移動手段を用い、ローラー203、272の回転軸が近づくようにローラー203、272の一方または両方を移動させて、持着部204から持着部273に半導体集積回路202を受け渡してもよい。
【0111】
次に、図示しないが半導体集積回路202及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により持着部273の間隔がy軸方向に広げられる。
【0112】
次に、図6(C)に示すように、ローラー206がローラー272と反対方向または同じ方向に回転することにより、ローラー206及び持着部273によって、可撓性基板208、アンテナ209、異方性導電フィルム210、及び半導体集積回路202を挟持しながら、加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202を実装する。半導体集積回路202及びアンテナ209の接続端子の拡大図275で示すように、異方性導電フィルム210を介してアンテナ209及び半導体集積回路202が接続される。
【0113】
また、上記の手法の代わりに以下の手法により、可撓性基板208上のアンテナ209に半導体集積回路202を実装することができる。ローラー272を回転させて、半導体集積回路202がアンテナ209に対向する位置まで移動してきたら、ローラー203、205〜207、272の回転を止める。次に、図示しないが半導体集積回路202の接続端子及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により持着部273の間隔がy軸方向に広げられる。次に、ローラー272の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー272をローラー206側に移動させる。次に、持着部273及びローラー206によって、可撓性基板208、アンテナ209、異方性導電フィルム210、及び半導体集積回路202を挟持しながら、加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202を実装する。次に、ローラー272の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー272を支持手段201側に移動させる。この後、ローラー203、205〜207、272を回転させる。
【0114】
また、上記の手法の代わりに、以下の手法により、可撓性基板208のアンテナ209に半導体集積回路202を実装することができる。ローラー272を回転させて、半導体集積回路202がアンテナ209に対向する位置まで移動してきたら、ローラー203、205〜207、272の回転を止める。次に、図示しないが半導体集積回路202及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により持着部273の間隔がy軸方向に広げられる。次に、ローラー203、205〜207、272が回転しない状態において、ローラー205〜207の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー205〜207を持着部273側に移動させる。次に、ローラー206及び持着部273により可撓性基板208、アンテナ209、異方性導電フィルム210、及び半導体集積回路202を挟持しながら、加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202を実装する。次に、ローラー205〜207の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー205〜207を支持手段201の反対側に移動させた後、ローラー203、205〜207、272を回転させる。
【0115】
また、上記の手法の代わりに、以下の手法により、可撓性基板208のアンテナ209に半導体集積回路202を実装することができる。ローラー272を回転させて、半導体集積回路202がアンテナ209に対向する位置まで移動してきたら、ローラー203、205〜207、272の回転を止める。次に、図示しないが半導体集積回路202及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により持着部273の間隔がy軸方向に広げられる。次に、ローラー203、205〜207、272が回転しない状態において、持着部273の伸縮を制御する手段により、持着部273をローラー206側に伸ばさせる。次に、持着部273及びローラー206により可撓性基板208、アンテナ209、異方性導電フィルム210、及び半導体集積回路202を挟持しながら、加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202を実装する。次に、持着部273の伸縮を制御する手段により、持着部273を縮ませた後、ローラー203、205〜207、272を回転させる。
【0116】
この後、半導体集積回路202が貼り付けられたアンテナ209を有する可撓性基板208をローラー207で回収する。
【0117】
以上の半導体装置の作製方法により、半導体集積回路の接続端子が形成される位置に関わらず、複数の半導体集積回路をピックアップし、複数のアンテナに複数の半導体集積回路を貼りあわせ、複数の半導体装置を作製することができる。このため、タクトタイムを短くし、量産性を向上させて、低コストで半導体装置を作製可能な製造装置を提供することができる。
【0118】
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態2または3に適用可能な、治具について図7及び8を用いて説明する。
【0119】
図7に示す半導体装置の製造装置は、ローラー241に2n(nは自然数)組の持着部を有する治具を有する形態である。図7においては、2組の持着部242a、242bがローラー241に設けられた治具を示す。対となる持着部242a、242bは、ローラー241の回転軸に対して対称的に設けられることが好ましい。この結果、1/2n回転で支持手段201上の半導体集積回路を持着すると共に、アンテナを有する可撓性基板208に半導体集積回路を貼りあわせることができる。このため、スループットを向上させることが可能である。
【0120】
ここでは、ローラー206、241が反対方向または同じ方向に回転することで、持着部242aにより支持手段201上の半導体集積回路202aをピックアップすると共に、持着部242bにより半導体集積回路202bをアンテナ209に実装することができる。
【0121】
次に、図7(B)に示すように、ローラー205〜207を回転させてアンテナ209を有する可撓性基板208を移動させる。また、ローラー241を回転させて、支持手段201から持着部242aでピックアップした半導体集積回路202aをアンテナ209に近づけると共に、持着部242bを支持手段201へ近づけさせる。この後、半導体集積回路202aをアンテナ209に実装すると共に、支持手段201上の半導体集積回路202cを持着部242bでピックアップすることができる。
【0122】
なお、図示しないが、半導体集積回路202aをアンテナ209に近づける前に、アンテナ209の接続端子に対向するように、持着部242aの間隔をy軸方向に広げる。一方、持着部242bで、半導体集積回路202cをピックアップする前に、持着部242bが半導体集積回路202cの接続端子に対向するように、持着部242bの間隔をy軸方向に縮める。
【0123】
また、上記の手法の代わりに以下の手法を用いて、支持手段201から半導体集積回路をピックアップすると共に、可撓性基板208のアンテナ209に半導体集積回路を実装することができる。ローラー241を回転させて、半導体集積回路202bがアンテナ209に対向し、且つ持着部242aが支持手段201上の半導体集積回路202aに対向する位置まで移動してきたら、支持手段201の移動、及びローラー205〜207、241の回転を止める。次に、図示しないが半導体集積回路202b及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により持着部242bの間隔がy軸方向に広げられる。次に、持着部242b及びローラー206によって、可撓性基板208、アンテナ209、異方性導電フィルム210、及び半導体集積回路202bを挟持しながら、加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202bを実装する。
【0124】
次に、ローラー241の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー241を支持手段201側に移動させて、持着部242aにより支持手段201上の半導体集積回路202aを持着した後、ローラー241の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー241をローラー206側に移動させて、半導体集積回路202aをピックアップするとともに、持着部242a、242bが可撓性基板208、アンテナ209、及び異方性導電フィルム210に接しない位置に、ローラー241を移動させる。この後、支持手段201の移動、及びローラー205〜207、241の回転を再開する。
【0125】
また、以下の手法を用いて、支持手段201から半導体集積回路をピックアップすると共に、可撓性基板208のアンテナ209に半導体集積回路を実装することができる。ローラー241を回転させて、半導体集積回路202bがアンテナ209に対向する位置まで移動してきたら、支持手段201の移動、及びローラー205〜207、241の回転を止める。次に、図示しないが半導体集積回路202b及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により持着部242bの間隔がy軸方向に広げられる。次に、ローラー205〜207、241が回転しない状態において、ローラー205〜207の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー205〜207を持着部242b側に移動させる。次に、ローラー206及び持着部242bにより可撓性基板208、アンテナ209、異方性導電フィルム210、及び半導体集積回路202bを挟持しながら、加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202bを実装する。
【0126】
次に、ローラー205〜207の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー205〜207をローラー241から離れさせる。次に、ローラー241の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー241を半導体集積回路202a側に移動させて、持着部242aにより支持手段201上の半導体集積回路202aを持着する。次に、ローラー241の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー241をローラー206側に移動させて、半導体集積回路202aをピックアップする。その後、持着部242a、242bが可撓性基板208、アンテナ209、及び異方性導電フィルム210に接しない位置に、ローラー241を移動させる。この後、支持手段201の移動、及びローラー205〜207、241の回転を再開する。
【0127】
また、以下の手法を用いて、支持手段201から半導体集積回路をピックアップすると共に、可撓性基板208のアンテナ209に半導体集積回路を実装することができる。ローラー241を回転させて、半導体集積回路202bがアンテナ209に対向する位置まで移動してきたら、支持手段201の移動、及びローラー205〜207、241の回転を止める。次に、図示しないが半導体集積回路202b及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により持着部242bの間隔がy軸方向に広げられる。次に、ローラー205〜207、241が回転しない状態において、持着部242bの伸縮を制御する手段により、持着部242bをローラー206側に伸ばす。次に、持着部242b及びローラー206により可撓性基板208、アンテナ209、異方性導電フィルム210、及び半導体集積回路202bを挟持しながら、加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202bを実装する。次に、持着部242bの伸縮を制御する手段により、持着部242bを縮ませる。
【0128】
次に、持着部242aの伸縮を制御する手段により、持着部242aを支持手段201側に伸ばして、持着部242aにより支持手段201上の半導体集積回路202aを持着して、半導体集積回路202aをピックアップする。次に、持着部242aの伸縮を制御する手段により、持着部242aを縮ませた後、持着部242a、242bが、可撓性基板208、アンテナ209、及び異方性導電フィルム210に接しない状態とする。この後、支持手段201の移動、及びローラー205〜207、241の回転を再開する。
【0129】
以上の工程により、ローラー241が一回転する間に、半導体集積回路をアンテナに貼りあわせると共に、支持手段上の半導体集積回路を持着部でピックアップすることができる。
【0130】
次に、ローラー251に2n+1(nは自然数)組の持着部を有する治具を有する半導体装置の製造装置の形態を、図8を用いて示す。図8においては、3組の持着部252a〜252cがローラー251に設けられた治具を示す。ここでは各組の持着部は、ローラー251の回転軸に対して等間隔(360/(2n+1)度)で設けられることが好ましい。この結果、支持手段201の半導体集積回路を持着部によりピックアップする工程と、アンテナ209を有する可撓性基板208に持着部を用いて半導体集積回路を貼り合わせる工程とが、それぞれ別のタイミングで行うことが可能であり、互いの工程の干渉を避けることが可能である。この結果、それぞれの工程を確実に行うことが可能である。ここでは、各持着部は回転軸において120°の間隔で配置されている。
【0131】
ここでは、ローラー206、251が反対方向または同じ方向に回転することで、持着部252cにより支持手段201上の半導体集積回路202cをピックアップする。
【0132】
次に、図8(B)に示すように、ローラー205〜207を回転させてアンテナ209を有する可撓性基板208を移動させる。また、ローラー251を回転させて、支持手段201から持着部252aでピックアップした半導体集積回路202aをアンテナ209に貼り合わせることができる。
【0133】
なお、図示しないが、半導体集積回路202aをアンテナ209に近づける前に、アンテナ209の接続端子に対向するように、持着部252aの間隔をy軸方向に広げる。一方、持着部252cで、半導体集積回路202cをピックアップする前に、持着部252cが半導体集積回路202cの接続端子に対向するように、持着部252cの間隔をy軸方向に縮める。
【0134】
また、以下の手法を用いて、支持手段201から半導体集積回路をピックアップすると共に、可撓性基板208のアンテナ209に半導体集積回路を実装することができる。ローラー251を回転させて、持着部252cが半導体集積回路202cに対向する位置まで移動してきたら、支持手段201の移動、及びローラー205〜207、251の回転を止める。次に、ローラー251の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー251を支持手段201側に移動させて、持着部252cにより支持手段201上の半導体集積回路202cを持着する。次に、ローラー251の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー251をローラー206側に移動させて、半導体集積回路202cをピックアップする。その後、持着部252a〜252cが、可撓性基板208、アンテナ209、及び異方性導電フィルム210に接しない位置にローラー251を移動させる。次に、支持手段201の移動、及びローラー205〜207、251の回転を再開する。
【0135】
次に、図8(B)に示すように、半導体集積回路202aがアンテナ209に対向する位置まで移動してきたら、支持手段201の移動、及びローラー205〜207、251の回転を止める。次に、図示しないが半導体集積回路202aの接続端子及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により持着部252aの間隔がy軸方向に広げられる。次に、ローラー251の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー251をローラー206側に移動させて、ローラー206及び持着部252aにより、可撓性基板208、アンテナ209、異方性導電フィルム210、及び半導体集積回路202aを挟持しながら、加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202aを実装することができる。
【0136】
図示しないが、半導体集積回路202aをアンテナ209に実装した後、持着部252aは間隔をy軸方向に縮める。
【0137】
また、以下の手法を用いて、支持手段201から半導体集積回路をピックアップすると共に、可撓性基板208のアンテナ209に半導体集積回路を実装することができる。ローラー251を回転させて、持着部252cが半導体集積回路202cに対向する位置まで移動してきたら、支持手段201の移動、及びローラー205〜207、251の回転を止める。次に、ローラー251の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー251を支持手段201側に移動させて、持着部252cにより支持手段201上の半導体集積回路202cをピックアップする。次に、ローラー251の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー251をローラー206側に移動させて、持着部252a〜252cが可撓性基板208、アンテナ209、及び異方性導電フィルム210に接しない位置に、ローラー251を移動させる。この後、支持手段201の移動、及びローラー205〜207、251の回転を再開する。
【0138】
次に、図8(B)に示すように、半導体集積回路202aがアンテナ209に対向する位置まで移動してきたら、支持手段201の移動、及びローラー205〜207、251の回転を止める。次に、図示しないが半導体集積回路202a及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により持着部252aの間隔がy軸方向に広げられる。次に、ローラー205〜207、251が回転しない状態において、ローラー205〜207の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー205〜207を持着部252a側に移動させる。次に、ローラー206及び持着部252aにより可撓性基板208、アンテナ209、異方性導電フィルム210、及び半導体集積回路202aを挟持しながら、加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202aを実装する。
【0139】
次に、ローラー205〜207の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー206をローラー251から離れさせる。
【0140】
図示しないが、半導体集積回路202aをアンテナ209に実装した後、持着部252aは間隔をy軸方向に縮める。
【0141】
また、以下の手法を用いて、支持手段201から半導体集積回路をピックアップすると共に、可撓性基板208のアンテナ209に半導体集積回路を実装することができる。ローラー251を回転させて、持着部252cが半導体集積回路202cに対向する位置まで移動してきたら、支持手段201の移動、及びローラー205〜207、251の回転を止める。持着部252cの伸縮を制御する手段により、持着部252cを支持手段201側に伸ばさせて、持着部252cにより支持手段201上の半導体集積回路202cを持着する。次に、持着部252cの伸縮を制御する手段により、持着部252cを縮ませて、半導体集積回路202cをピックアップした後、持着部252a〜252cが、可撓性基板208、アンテナ209、及び異方性導電フィルム210に接しない状態とする。この後、支持手段201の移動、及びローラー205〜207、251それぞれの回転を再開する。
【0142】
次に、図8(B)に示すように、半導体集積回路202aがアンテナ209に対向する位置まで移動してきたら、支持手段201の移動、及びローラー205〜207、251の回転を止める。次に、図示しないが半導体集積回路202aの接続端子及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により持着部252aの間隔がy軸方向に広げられる。次に、ローラー205〜207、251が回転しない状態において、持着部252aの伸縮を制御する手段により、持着部252aをローラー206側に伸ばさせる。次に、持着部252a及びローラー206により可撓性基板208、アンテナ209、異方性導電フィルム210、半導体集積回路202aを挟持しながら、加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202aを実装する。次に、持着部252aの伸縮を制御する手段により、持着部252aを縮ませる。
【0143】
以上の工程により、ローラー251が一回転する間に、半導体集積回路をアンテナに貼りあわせると共に、支持手段上の半導体集積回路を持着部でピックアップすることができる。このため、複数の工程を同時に行うことが可能である。また、複数の半導体集積回路をピックアップし、複数のアンテナに複数の半導体集積回路を貼りあわせ、複数の半導体装置を作製することができる。このため、タクトタイムを短くし、量産性を向上させて、低コストで半導体装置を作製可能な製造装置を提供することができる。
【実施例1】
【0144】
本実施例では、非接触でデータの伝送が可能な半導体装置の作製工程を、図6、図9〜12を用いて説明する。また、図9〜12においては、図6に示す半導体装置のy軸方向の断面図を示す。
【0145】
図9(A)に示すように、基板1201上に剥離層1202を形成し、剥離層1202上に絶縁層1203を形成し、絶縁層1203上に薄膜トランジスタ1204及び薄膜トランジスタを構成する導電層を絶縁する層間絶縁層1205を形成し、薄膜トランジスタの半導体層に接続するソース電極及びドレイン電極1206を形成する。次に、薄膜トランジスタ1204、層間絶縁層1205、ソース電極及びドレイン電極1206を覆う絶縁層1207を形成し、絶縁層1207を介してソース電極またはドレイン電極1206に接続する導電層1208を形成する。
【0146】
基板1201としては、ガラス基板、石英基板、金属基板やステンレス基板の一表面に絶縁層を形成したもの、本工程の処理温度に耐えうる耐熱性があるプラスチック基板等を用いる。上記に挙げた基板1201には、大きさや形状に制約がないため、例えば、基板1201として、1辺が1メートル以上であって、矩形状のものを用いれば、生産性を格段に向上させることができる。この利点は、円形のシリコン基板を用いる場合と比較すると、大きな優位点である。
【0147】
剥離層1202は、スパッタリング法やプラズマCVD法、塗布法、印刷法等により、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、珪素(Si)から選択された元素、又は元素を主成分とする合金材料、又は元素を主成分とする化合物材料からなる層を、単層又は積層して形成する。剥離層1202が珪素を含む層の場合の結晶構造は、非晶質、微結晶、多結晶のいずれの場合でもよい。
【0148】
剥離層1202が単層構造の場合、好ましくは、タングステン層、モリブデン層、又はタングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成する。又は、タングステンの酸化物若しくは酸化窒化物を含む層、モリブデンの酸化物若しくは酸化窒化物を含む層、又はタングステンとモリブデンの混合物の酸化物若しくは酸化窒化物を含む層を形成する。なお、タングステンとモリブデンの混合物とは、例えば、タングステンとモリブデンの合金に相当する。
【0149】
剥離層1202が積層構造の場合、好ましくは、1層目としてタングステン層、モリブデン層、又はタングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成し、2層目として、タングステン、モリブデン又はタングステンとモリブデンの混合物の酸化物、窒化物、酸化窒化物又は窒化酸化物を形成する。
【0150】
剥離層1202として、タングステンを含む層とタングステンの酸化物を含む層の積層構造を形成する場合、タングステンを含む層を形成し、その上層に酸化物で形成される絶縁層を形成することで、タングステン層と絶縁層との界面に、タングステンの酸化物を含む層が形成されることを活用してもよい。さらには、タングステンを含む層の表面を、熱酸化処理、酸素プラズマ処理、N2Oプラズマ処理、オゾン水、水素を含む水等の酸化力の強い溶液での処理等を行ってタングステンの酸化物を含む層を形成してもよい。これは、タングステンの窒化物、酸化窒化物及び窒化酸化物を含む層を形成する場合も同様であり、タングステンを含む層を形成後、その上層に窒化珪素層、酸化窒化珪素層、窒化酸化珪素層を形成するとよい。
【0151】
タングステンの酸化物は、WOxで表される。Xは、2≦x≦3の範囲内にあり、xが2の場合(WO2)、xが2.5の場合(W2O5)、xが2.75の場合(W4O11)、xが3の場合(WO3)などがある。
【0152】
また、上記の工程によると、基板1201に接するように剥離層1202を形成しているが、本発明はこの工程に制約されない。基板1201に接するように下地となる絶縁層を形成し、その絶縁層に接するように剥離層1202を設けてもよい。
【0153】
絶縁層1203は、スパッタリング法やプラズマCVD法、塗布法、印刷法等により、無機化合物を用いて単層又は積層で形成する。無機化合物の代表例としては、珪素酸化物又は珪素窒化物が挙げられる。
【0154】
さらには、絶縁層1203を積層構造としても良い。例えば、無機化合物を用いて積層してもよく、代表的には、酸化珪素、窒化酸化珪素、及び酸化窒化珪素を積層して形成しても良い。
【0155】
薄膜トランジスタ1204は、ソース領域、ドレイン領域、及びチャネル形成領域を有する半導体層、ゲート絶縁層、並びにゲート電極で構成される。
【0156】
半導体層は、結晶構造を有する半導体で形成される層であり、非単結晶半導体若しくは単結晶半導体を用いることができる。特に、加熱処理により結晶化させた結晶性半導体、加熱処理とレーザ光の照射を組み合わせて結晶化させた結晶性半導体を適用することが好ましい。加熱処理においては、シリコン半導体の結晶化を助長する作用のあるニッケルなどの金属元素を用いた結晶化法を適用することができる。また、シリコン半導体の結晶化工程における加熱により、剥離層1202及び絶縁層1203の界面において、剥離層の表面を酸化して金属酸化物層を形成することが可能である。
【0157】
加熱処理に加えてレーザ光を照射して結晶化する場合には、連続発振レーザ光の照射若しくは繰り返し周波数が10MHz以上であって、パルス幅が1ナノ秒以下、好ましくは1乃至100ピコ秒である超短パルス光を照射することによって、結晶性半導体が溶融した溶融帯を、当該レーザ光の照射方向に連続的に移動させながら結晶化を行うことができる。このような結晶化法により、大粒径であって、結晶粒界が一方向に延びる結晶性半導体を得ることができる。キャリアのドリフト方向を、この結晶粒界が延びる方向に合わせることで、トランジスタにおける電界効果移動度を高めることができる。例えば、400cm2/V・sec以上を実現することができる。
【0158】
上記結晶化工程を、ガラス基板の耐熱温度(約600℃)以下の結晶化プロセスを用いる場合、大面積ガラス基板を用いることが可能である。このため、基板あたり大量の半導体装置を作製することが可能であり、低コスト化が可能である。
【0159】
また、ガラス基板の耐熱温度以上の加熱により、結晶化工程を行い、半導体層を形成してもよい。代表的には、絶縁表面を有する基板1201に石英基板を用い、非晶質若しくは微結晶質の半導体を700度以上で加熱して半導体層を形成する。この結果、結晶性の高い半導体を形成することが可能である。このため、応答速度や移動度などの特性が良好で、高速な動作が可能な薄膜トランジスタを提供することができる。
【0160】
ゲート絶縁層は、酸化シリコン及び酸化窒化シリコンなどの無機絶縁物で形成する。
【0161】
ゲート電極は金属又は一導電型の不純物を添加した多結晶半導体で形成することができる。金属を用いる場合は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)などを用いることができる。また、金属を窒化させた金属窒化物を用いることができる。或いは、当該金属窒化物からなる第1層と当該金属から成る第2層とを積層させた構造としても良い。積層構造とする場合には、第1層の端部が第2層の端部より外側に突き出した形状としても良い。このとき第1層を金属窒化物とすることで、バリアメタルとすることができる。すなわち、第2層の金属が、ゲート絶縁層やその下層の半導体層に拡散することを防ぐことができる。
【0162】
半導体層、ゲート絶縁層、ゲート電極などを組み合わせて構成される薄膜トランジスタは、シングルドレイン構造、LDD(低濃度ドレイン)構造、ゲートオーバーラップドレイン構造など各種構造を適用することができる。ここでは、シングルドレイン構造の薄膜トランジスタを示す。さらには、同電位のゲート電圧が印加されるトランジスタが直列に接続された形となるマルチゲート構造、半導体層の上下をゲート電極で挟むデュアルゲート構造、絶縁層1203上にゲート電極が形成され、ゲート電極上にゲート絶縁層、半導体層が形成される逆スタガ型薄膜トランジスタ等を適用することができる。
【0163】
ソース電極及びドレイン電極1206は、チタン(Ti)とアルミニウム(Al)の積層構造、モリブデン(Mo)とアルミニウム(Al)との積層構造など、アルミニウム(Al)のような低抵抗材料と、チタン(Ti)やモリブデン(Mo)などの高融点金属材料を用いたバリアメタルとの組み合わせで形成することが好ましい。
【0164】
層間絶縁層1205及び絶縁層1207は、ポリイミド、アクリル、またはシロキサンポリマーを用いて形成する。
【0165】
さらには、薄膜トランジスタ1204の代わりにスイッチング素子として機能し得る半導体素子であれば、どのような構成で設けてもよい。スイッチング素子の代表例としては、MIM(Metal−Insulator−Metal)、ダイオード等が挙げられる。
【0166】
次に、図9(B)に示すように、導電層1208上に導電層1211を形成する。ここでは、印刷法により金属粒子を有する組成物を印刷し、200℃で30分加熱して組成物を焼成して導電層1211を形成する。
【0167】
次に、図9(C)に示すように、絶縁層1207及び導電層1211の端部を覆う絶縁層1212を形成する。ここでは、エポキシ樹脂をスピンコート法により塗布し、160℃で30分加熱した後、導電層1211を覆う部分の絶縁層を除去して、導電層1211を露出する。ここでは、絶縁層1203から絶縁層1212までの積層体を素子形成層1210とする。
【0168】
次に、図9(D)に示すように、後の剥離工程を容易に行うために、レーザ光1213を絶縁層1203、1205、1207、1212に照射して、図9(E)に示すような開口部1214を形成する。開口部1214を形成するために照射するレーザ光としては、絶縁層1203、1205、1207、1212が吸収する波長を有するレーザ光が好ましい。代表的には、紫外領域、可視領域、又は赤外領域のレーザ光を適宜選択して照射する。
【0169】
このようなレーザ光を発振することが可能なレーザ発振器としては、ArF、KrF、XeCl等のエキシマレーザ発振器、He、He−Cd、Ar、He−Ne、HF、CO2等の気体レーザ発振器、YAG、GdVO4、YVO4、YLF、YAlO3などの結晶にCr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti又はTmをドープした結晶、ガラス、ルビー等の固体レーザ発振器、GaN、GaAs、GaAlAs、InGaAsP等の半導体レーザ発振器を用いることができる。なお、固体レーザ発振器においては、基本波〜第5高調波を適宜適用するのが好ましい。この結果、絶縁層1203、1205、1207、1212がレーザ光を吸収し溶融して開口部が形成される。
【0170】
なお、レーザ光を絶縁層1203、1205、1207、1212に照射する工程を省くことで、スループットを向上させることが可能である。
【0171】
次に、絶縁層1212に粘着剤1215を用いて支持体1216を貼りあわせる。
【0172】
粘着剤1215としては、剥離可能な粘着剤であり、代表的には紫外線により剥離する紫外線剥離型粘着剤、熱により剥離する熱剥離型粘着剤、水溶性粘着剤や両面粘着テープなどを用いることができる。ここでは、粘着剤1215として熱剥離型粘着剤を用いる。支持体1216は、ガラス基板、石英基板、金属基板、プラスチック基板、可撓性基板(PET、PES,ポリカーボネート、繊維質な材料からなる紙等)を適宜用いることができる。ここでは、支持体1216として、合成紙を用いる。
【0173】
なお、粘着剤1215、支持体1216、及び素子形成層1210との接着強度は、剥離層1202及び絶縁層1203との密着強度より高くなるように設定する。
【0174】
次に、図10(A)に示すように、剥離層1202及び絶縁層1203の界面に形成される金属酸化物層において、剥離層1202を有する基板1201及び素子形成層の一部1221を物理的手段により剥離する。物理的手段とは、力学的手段または機械的手段を指し、何らかの力学的エネルギー(機械的エネルギー)を変化させる手段を指している。物理的手段は、代表的には機械的な力を加えること(例えば人間の手や把治具で引き剥がす処理や、ローラーを支点としてローラーを回転させながら分離する処理)である。
【0175】
以上の剥離工程は、熱処理で収縮しない層と、熱処理で収縮する層と、その中間の層とを形成し、剥離工程の完了時または剥離工程中に熱処理を行うことにより、過ストレス状態を中間層又はその近傍領域で有せしめ、その後刺激を与えることにより中間層またはその近傍領域で剥離せしめることを特徴とする。
【0176】
本実施例において、熱処理で収縮しない層は剥離層1202であり、熱処理で収縮する層は絶縁層1203または絶縁層1212であり、熱処理で収縮しない層と熱処理で収縮する層との中間の層としては、剥離層1202及び絶縁層1203の界面に形成される金属酸化物層である。代表例として、剥離層1202としてタングステン層を用い、絶縁層1203として珪素酸化物又は珪素窒化物を用い、絶縁層1212としてエポキシ樹脂を用いると、非晶質珪素膜の結晶化や、不純物の活性化、水素出し等の加熱処理において、剥離層1202は収縮しないが、絶縁層1203または絶縁層1212は収縮し、さらに剥離層1202及び絶縁層1203の界面に酸化タングステン層(WOx、2≦x≦3)が形成される。酸化タングステン層は脆いため、上記物理的手段により分離されやすい。この結果、上記物理的手段により素子形成層の一部1221を基板1201から剥離することができる。
【0177】
なお、支持体1216が可撓性基板の場合、進行方向の前後に配置された一対のローラーを支持体1216の支点とし、素子形成層1210上に粘着剤1215を介して支持体1216を設け、支持体1216上を圧着ヘッドで押し付けることで、素子形成層1210に粘着剤1215を介して支持体1216を貼りつけることができる。次に、圧着ヘッドをはずしたのち、前側のローラーを徐々に引き上げ、一対のローラーに高低差を設ける。この結果、支持体1216がローラーを支点としているため、支持体1216及び素子形成層1210を、剥離層から徐々剥離することができる。
【0178】
本実施例においては、剥離層と絶縁層の間に金属酸化膜を形成し、当該金属酸化膜において物理的手段により、素子形成層1210を剥離する方法を用いたがこれに限られない。基板に透光性を有する基板を用い、剥離層に水素を含む非晶質珪素膜を用い、図9(E)の工程の後、基板側からのレーザ光を照射して非晶質珪素膜に含まれる水素を気化させて、基板と剥離層との間で剥離する方法を用いることができる。
【0179】
また、図9(E)の工程の後、基板を機械的に研磨し除去する方法や、HF等の基板を溶解する溶液を用いて基板を除去する方法を用いることができる。この場合、剥離層を形成しなくともよい。
【0180】
また、図9(E)において、粘着剤1215を用いて支持体1216を絶縁層1212に貼りあわせる前に、開口部1214にNF3、BrF3、ClF3等のフッ化ハロゲンガスを導入し、剥離層をフッ化ハロゲンガスでエッチングし除去した後、絶縁層1212に粘着剤1215を用いて支持体1216を貼りあわせて、基板から素子形成層1210を剥離する方法を用いることができる。
【0181】
また、図9(E)において、粘着剤1215を用いて支持体1216を絶縁層1212に貼りあわせる前に、開口部1214にNF3、BrF3、ClF3等のフッ化ハロゲンガスを導入し、剥離層の一部をフッ化ハロゲンガスでエッチングし除去した後、絶縁層1212に粘着剤1215を用いて支持体1216を貼りあわせて、基板から素子形成層1210を物理的手段により剥離する方法を用いることができる。
【0182】
次に、図10(B)に示すように、素子形成層の一部1221の絶縁層1203に、可撓性基板1222を貼り付ける。可撓性基板1222としては、実施の形態1で列挙した基板111を適宜用いることができる。
【0183】
絶縁層1203に、可撓性基板1222を貼り付ける方法としては、接着剤を用いて可撓性基板1222を絶縁層1203に貼り合わせる方法や、可撓性基板1222を加熱して、可撓性基板1222の一部を溶融させた後、冷却させて、可撓性基板1222を絶縁層1203に貼り合わせる方法がある。なお、絶縁層1203と可撓性基板1222との接着強度は、粘着剤1215、支持体1216と素子形成層1210との接着強度より高くなるように設定する。接着剤を用いて可撓性基板1222を絶縁層1203に貼り合わせる場合は、接着剤の接着力は、粘着剤1215より高い材料を適宜選択する。ここでは、接着剤1223を用いて、絶縁層1203に可撓性基板1222を貼り付ける。次に、粘着剤1215を用いて支持体1216を素子形成層の一部1221から剥す。ここでは、熱を加えて粘着剤1215を素子形成層の一部1221から剥す。
【0184】
次に、図10(C)に示すように、可撓性基板1222をダイシングフレーム1232のUVテープ1231に貼り合わせる。UVテープ1231は粘着性を有するため、UVテープ1231上に可撓性基板1222が固定される。この後、導電層1211にレーザ光を照射して、導電層1211と導電層1208の間の密着性を高めてもよい。
【0185】
次に、導電層1211上に接続端子1233を形成する。接続端子1233を形成することで、後にアンテナとして機能する導電層との位置合わせ及び接着を容易に行うことが可能である。
【0186】
次に、図10(D)に示すように、素子形成層の一部1221、可撓性基板1222、第2の接着剤1223を分断する。ここでは、素子形成層の一部1221及び可撓性基板1222にレーザ光1234を照射して、図10(D)に示すような溝1241を形成して、素子形成層の一部1221を複数に分断する。レーザ光1234は、レーザ光1213に記載のレーザ光を適宜選択して適用することができる。ここでは、絶縁層1203、1205、1207、1212及び可撓性基板1222が吸収可能なレーザ光を選択することが好ましい。なお、ここでは、レーザカット法を用いて素子形成層の一部を複数に分断したが、この方法の代わりにダイシング法、スクライビング法等を適宜用いることができる。なお、可撓性基板1222に繊維質の紙を用いる場合、ダイシング法で素子形成層を分断するときに水を用いず、ガスを切断部に吹きかけて、切断屑を吹き飛ばすことが好ましい。この結果、素子形成層と紙とが剥れることを防止することができる。さらに、湿度の高いガスを切断部に吹きかけながらダイシングを行うことで、素子形成層に静電気が帯電するのを防止することができる。この結果分断された素子形成層を半導体集積回路1242a、1242bと示す。
【0187】
次に、UVテープ1231にエキスパンダ枠1244を貼り付けた後、ダイシングフレーム1232をUVテープ1231からはずす。このとき、エキスパンダ枠1244をUVテープ1231を伸ばしながら貼り付けることで、半導体集積回路1242a、1242bの間に形成された溝1241の幅を拡大することができる。
【0188】
次に、エキスパンダ枠1244のUVテープ1231にUV光を照射して、UVシートの粘着力を低下させる。次に、図6に示す半導体装置の製造装置を用いて、半導体集積回路1242a、1242bが搭載されたエキスパンダ枠1244を、支持手段であるロボットアームで固定する。次に、UVテープ1231から治具の持着部204で半導体集積回路1242a、1242bをピックアップする(図11(A)参照。)。
【0189】
次に、図6に示す半導体装置の製造装置のフリップチップ手段を用いて、持着部204から半導体集積回路1242a、1242bをフリップチップ手段の持着部273に持着させる(図11(B)参照。)
【0190】
次に、図11(C)に示すように、半導体集積回路1242a、1242bがアンテナ209a、209bごとに対向するように、制御手段を用いてフィリップチップ手段の持着部273を移動させる。
【0191】
次に、図6に示す半導体装置の製造装置の持着部273を有するフリップチップ手段及びローラー206を反対方向に回転させて、図12(A)に示すように、アンテナ209a、209bを有する可撓性基板208と、半導体集積回路1242a、1242bとを異方性導電フィルム210を用いて貼り合わせる。このとき、アンテナ209a、209bと半導体集積回路1242a、1242bの接続端子1233とが、異方性導電フィルム210に含まれる導電性粒子と接続されるように、貼りあわせる。
【0192】
次に、図12(B)に示すように、アンテナ209a、209bと、半導体集積回路1242a、1242bとが形成されない領域において、可撓性基板208を分断する。分断方法としては、レーザカット法、ダイシング法、スクライビング法等を適宜用いることができる。ここでは、異方性導電フィルム210及び可撓性基板208にレーザ光1251を照射するレーザカット法により分断を行う。
【0193】
以上の工程により、非接触でデータの伝送が可能な半導体装置1252a、1252bを作製することができる。
【0194】
以上の工程により、薄型化で軽量な半導体装置を歩留まり高く作製することが可能である。
【実施例2】
【0195】
実施例では、非接触でデータの伝送が可能な半導体装置の構成について、図14を参照して説明する。
【0196】
本実施例の半導体装置は、大別して、アンテナ部2001、電源部2002、ロジック部2003から構成される。
【0197】
アンテナ部2001は、外部信号の受信とデータの送信を行うためのアンテナ2011からなる。また、半導体装置における信号の伝送方式は、電磁結合方式、電磁誘導方式またはマイクロ波方式等を用いることができる。
【0198】
電源部2002は、アンテナ2011を介して外部から受信した信号により電源を作る整流回路2021と、作りだした電源を保持するための保持容量2022と、各回路に供給する一定電圧を作り出す定電圧回路2023からなる。
【0199】
ロジック部2003は、受信した信号を復調する復調回路2031と、クロック信号を生成するクロック生成・補正回路2032と、コード認識及び判定回路2033と、メモリからデータを読み出すための信号を受信信号により作り出すメモリコントローラ2034と、符号化した信号を受信信号にのせるための変調回路2035と、読み出したデータを符号化する符号化回路2037と、データを保持するメモリ2038からなる。なお、変調回路2035は変調用抵抗2036を有する。
【0200】
メモリ2038は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、FERAM(Ferroelectric Random Access Memory)、マスクROM(Mask Read Only Memory)、EPROM(Electrically Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、有機メモリなどを適宜選択する。ここでは、メモリ2038として、マスクROM2039、及び有機メモリで構成される追記メモリ2040を示す。
【0201】
コード認識及び判定回路2033が認識・判定するコードは、フレーム終了信号(EOF、end of Frame)、フレーム開始信号(SOF、start of Frame)、フラグ、コマンドコード、マスク長(mask length)、マスク値(mask value)等である。また、各コード認識及び判定回路2033は、送信エラーを識別する巡回冗長検査(CRC、cyclic redundancy check)機能も含む。
【実施例3】
【0202】
上記実施例に示される非接触でデータの伝送が可能な半導体装置の用途は広範にわたるが、例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類(運転免許証や住民票等、図15(A)参照)、包装用容器類(包装紙やボトル等、図15(C)参照)、記録媒体(DVDソフトやビデオテープ等、図15(B)参照)、乗物類(自転車等、図15(D)参照)、身の回り品(鞄や眼鏡等)、食品類、衣類、生活用品類、電子機器等の商品や荷物の荷札(図15(E)、図15(F)参照)等の物品に設けて使用することができる。電子機器とは、液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置(単にテレビ、テレビ受像機、テレビジョン受像機とも呼ぶ)及び携帯電話等を指す。また、植物類、動物類、人体等に用いることが出来る。
【0203】
本実施例の半導体装置9210は、プリント基板への実装、表面に貼付け、埋め込み等により、物品に固定される。例えば、本なら紙に埋め込んだり、有機樹脂からなるパッケージなら当該有機樹脂に埋め込んだりして、各物品に固定される。本実施例の半導体装置9210は、小型、薄型、軽量を実現するため、物品に固定した後も、その物品自体のデザイン性を損なうことがない。また、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類等に本実施例の半導体装置9210を設けることにより、認証機能を設けることができ、この認証機能を活用すれば、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、電子機器等に本実施例の半導体装置9210を設けることにより、検品システム等のシステムの効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0204】
【図1】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図2】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図3】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図4】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図5】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図6】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図7】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図8】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図9】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図10】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図11】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図12】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図13】本発明に適用可能なアンテナの形状を説明する上面図である。
【図14】本発明の半導体装置を説明する図である。
【図15】本発明の半導体装置の応用例を説明する図である。
【図16】本発明の半導体装置の製造装置の制御部の一部を説明する断面図である。
【図17】本発明の半導体装置の製造装置の制御部の一部を説明する断面図である。
【図18】本発明の半導体装置の製造装置を説明する斜視図である。
【図19】本発明の半導体装置の製造装置を説明する斜視図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造装置に関する。また、基板(または可撓性基板)上に設けられた回路(または素子)に半導体集積回路を電気的に接続する半導体装置の作製方法に関する。特に、アンテナを介した無線通信によりデータの入出力を行う半導体装置の作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アンテナと当該アンテナと電気的に接続された半導体集積回路とを有する半導体装置は、RFIDタグとして注目されている。RFIDタグは、ICタグ、IDタグ、トランスポンダ、ICチップ、IDチップとも呼ばれる。可撓性基板上に複数のアンテナを設け、当該複数のアンテナに対して1つずつ半導体集積回路を電気的に接続するRFIDタグの作製方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
また、1枚の基板(以下、素子基板ともいう。)に複数の半導体集積回路を形成し、複数の半導体集積回路を1つずつ取り出し、取り出した半導体集積回路を素子基板とは別の基板上に実装する方法が提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−115646号公報
【特許文献2】特開2000−299598号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コストを低減するため、複数の半導体集積回路は素子基板上に高集積化して形成することが好ましい。一方、アンテナは所定の周波数の電磁波を受信するために所定の形状及び大きさとする必要がある。そのため、素子基板上に形成される複数の半導体集積回路の間隔は、可撓性基板上の複数のアンテナの間隔よりも狭くなる傾向にある。この場合、可撓性基板上の複数のアンテナに、素子基板上に形成された複数の半導体集積回路を同時に電気的に接続することはできなかった。そのため、例えば特許文献2に記載されたような方法を用いて、素子基板上に形成された複数の半導体集積回路のうちの1つを取り出し可撓性基板上の複数のアンテナのうち1つのアンテナと接続する動作を、素子基板上に形成された全ての半導体集積回路に対して繰り返さなければならなかった。それ故、タクトタイムが長く、半導体装置の製造コストを高くしていた。
【0005】
上記の実情を鑑み、低コストの半導体装置の作製方法及び低コストで半導体装置を作製可能な製造装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、列置された複数の持着部を有する治具と、列置された複数の持着部の間隔を制御する制御手段と、複数の半導体集積回路が設けられる支持手段と、複数の素子を有する基板が設けられる支持手段とを有し、列置された複数の持着部を有する治具により半導体集積回路を素子に実装して半導体装置を作製する半導体装置の製造装置を要旨とする。
【0007】
本発明は、複数の半導体集積回路が設けられる支持手段と、半導体集積回路に対向するような間隔x(0≦x)で列置された複数の持着部を有する治具と、列置された複数の持着部の間隔を制御する制御手段と、隣接する素子の接続端子の間隔がaである素子を複数有する基板と、基板を支持する支持手段とを有し、制御手段は持着部でピックアップした半導体集積回路、及び素子が対向するように、持着部の間隔xを間隔a(a>x)にして、治具により半導体集積回路を素子に実装して半導体装置を作製することを特徴とする半導体装置の製造装置を要旨とする。
【0008】
また、本発明は、列置された複数の持着部を有する治具により、複数の半導体集積回路をピックアップし、列置された複数の持着部の間隔を制御する制御手段により、素子の接続端子と半導体集積回路の接続端子とが対向するように、列置された複数の持着部の間隔を制御し、対向した素子の接続端子及び半導体集積回路の接続端子を接続させる半導体装置の作製方法を要旨とする。
【0009】
また、本発明は、間隔xで列置された複数の持着部を有する治具により、複数の半導体集積回路をピックアップし、列置された複数の持着部の間隔を制御する制御手段により、列置された複数の持着部の間隔を間隔xからaへ制御し、隣接する素子の接続端子の間隔がaである素子の接続端子と、半導体集積回路の接続端子とを接続する半導体装置の作製方法を要旨とする。
【0010】
なお、半導体集積回路は、複数の半導体素子により回路が構成されるものであり、代表的には、複数の半導体素子が形成されるシリコンチップや、薄膜半導体素子を有するチップ等がある。また、素子の代表例としては、アンテナ、半導体集積回路、センサー、電池、配線基板、または表示装置である。
【0011】
また、本発明は以下を含む。
【0012】
本発明の一は、複数の半導体集積回路が設けられる第1の支持手段と、複数の半導体集積回路を持着する複数の持着部と、複数の持着部が列置された治具と、複数の持着部の間隔を制御する制御手段と、複数の素子を有する基板が設けられる第2の支持手段と、を有し、治具は、第1の支持手段に設けられる複数の半導体集積回路を複数の持着部によりピックアップした後、第2の支持手段に設けられる基板上の複数の素子に複数の半導体集積回路を実装することを特徴とする半導体装置の製造装置である。
【0013】
なお、制御手段は、複数の素子の接続端子と、複数の半導体集積回路の接続端子とが対向するように、列置される複数の持着部を移動させることを特徴とする。
【0014】
また、第1の支持手段及び第2の支持手段は、ステージ、ベルトコンベヤー、またはロボットアームであってもよい。
【0015】
また、第1の支持手段はステージ、ベルトコンベヤー、またはロボットアームであり、第2の支持手段は、複数の素子を有する可撓性基板を供給するローラー及び複数の素子を有する可撓性基板を巻き取るローラーであってもよい。
【0016】
また、複数の持着部は直線状に列置されていてもよい。
【0017】
本発明の一は、複数の半導体集積回路が設けられる支持手段と、複数の半導体集積回路を持着する複数の持着部と、複数の持着部が列置される第1のローラーと、複数の持着部の間隔を制御する制御手段と、複数の素子を有する可撓性基板を供給する第2のローラーと、複数の素子を有する可撓性基板の移動を制御する第3のローラーと、複数の素子を有する可撓性基板を巻き取る第4のローラーと、を有し、第1のローラーは、支持手段に設けられる複数の半導体集積回路を複数の持着部によりピックアップした後、第2のローラーを用いて複数の素子に複数の半導体集積回路を実装することを特徴とする半導体装置の製造装置である。
【0018】
また、本発明の一は、複数の半導体集積回路が設けられる支持手段と、複数の半導体集積回路を持着する複数の持着部と、複数の持着部が列置される第1のローラーと、複数の持着部の間隔を制御する制御手段と、複数の素子を有する可撓性基板を供給する第2のローラーと、複数の素子を有する可撓性基板の移動を制御する第3のローラーと、複数の素子を有する可撓性基板を切断する手段と、を有し、第1のローラーは、支持手段に設けられる複数の半導体集積回路を複数の持着部によりピックアップした後、第2のローラーを用いて複数の素子に複数の半導体集積回路を実装し、切断する手段は、複数の半導体集積回路が実装された複数の素子を有する可撓性基板を切断することを特徴とする半導体装置の製造装置である。
【0019】
また、本発明の一は、複数の半導体集積回路が設けられる支持手段と、複数の半導体集積回路を持着する複数の持着部と、複数の持着部が列置される第1のローラーと、複数の持着部の間隔を制御する制御手段と、複数の素子を有する第1の可撓性基板を供給する第2のローラーと、複数の素子を有する第1の可撓性基板の移動を制御する第3のローラーと、第2の可撓性基板を供給する第4のローラーと、複数の素子を有する第1の可撓性基板、複数の半導体集積回路、及び第2の可撓性基板を貼り合わせる一対の第5及び第6のローラーと、を有し、第1のローラーは、支持手段に設けられる複数の半導体集積回路を複数の持着部によりピックアップした後、第2のローラーを用いて複数の素子に複数の半導体集積回路を実装し、一対の第5及び第6のローラーは、複数の半導体集積回路が実装された複数の素子を有する第1の可撓性基板に第2の可撓性基板を貼りあわせることを特徴とする半導体装置の製造装置である。
【0020】
なお、複数の持着部が列置される第1のローラーには、2n組の持着部、または(2n+1)組の持着部を有する。
【0021】
また、本発明の一は、複数の半導体集積回路が設けられる支持手段と、複数の半導体集積回路を持着する複数の第1の持着部と、複数の第1の持着部が列置される第1のローラーと、複数の第1の持着部の間隔を制御する制御手段と、複数の第1の持着部から複数の半導体集積回路を持着する複数の第2の持着部と、複数の第2の持着部が列置される第2のローラーと、複数の素子を有する可撓性基板を供給する第3のローラーと、複数の素子を有する可撓性基板の移動を制御する第4のローラーと、複数の素子を有する可撓性基板を巻き取る第5のローラーと、を有し、第2のローラーは、複数の第1の持着部で持着した複数の半導体集積回路を複数の第2の持着部により持着した後、第4のローラーを用いて複数の素子に複数の半導体集積回路を実装することを特徴とする半導体装置の製造装置である。
【0022】
なお、第1のローラー及び第2のローラーは、それぞれ2n組の第1の持着部及び2n組の第2の持着部を有してもよい。また、第1のローラー、及び第2のローラーは、それぞれ(2n+1)組の第1の持着部、及び(2n+1)組の第2の持着部を有してもよい。
【0023】
また、複数の第1の持着部及び第2の持着部はそれぞれ直線状に列置されていてもよい。
【0024】
また、本発明の一は、第1の支持手段上に複数の半導体集積回路を設置し、治具に列置された複数の持着部を用いて複数の半導体集積回路をピックアップし、列置された複数の持着部の間隔を制御する制御手段により、第2の支持手段上に設けられた基板上の複数の素子の接続端子に複数の半導体集積回路の接続端子が対向するように複数の持着部の間隔を制御し、複数の半導体集積回路の接続端子及び複数の素子の接続端子を接続させることを特徴とする半導体装置の作製方法である。
【0025】
本発明の一は、支持手段上に複数の半導体集積回路を設置し、ローラーに列置された複数の持着部を用いて複数の半導体集積回路をピックアップし、複数の素子を有する可撓性基板を供給するローラー、複数の素子を有する可撓性基板の移動を制御するローラー、及び複数の素子を有する可撓性基板を回収するローラーを回転させて、複数の素子を有する可撓性基板を移動させ、複数の持着部が列置されたローラーを回転させて、複数の半導体集積回路及び素子を有する可撓性基板を対向させ、複数の持着部の間隔を制御する制御手段により、可撓性基板の複数の素子の接続端子に、複数の半導体集積回路の接続端子が対向するように複数の持着部の間隔を制御し、複数の素子を有する可撓性基板の移動を制御するローラー及び複数の持着部が列置されたローラーを用いて、複数の半導体集積回路の接続端子及び複数の素子の接続端子を接続させることを特徴とする半導体装置の作製方法である。
【0026】
なお、複数の素子を有する可撓性基板の移動を制御するローラー及び複数の持着部が列置されたローラーを用いて、複数の半導体集積回路の接続端子及び複数の素子の接続端子を接続させた後、切断手段により可撓性基板を切断してもよい。
【0027】
また、複数の素子を有する可撓性基板の移動を制御するローラー及び持着部が列置されたローラーを用いて、複数の半導体集積回路の接続端子及び複数の素子の接続端子を接続させた後、一対のローラーを用いて複数の半導体集積回路及び複数の素子の表面に可撓性基板を貼り合わせてもよい。
【0028】
さらには、複数の素子を有する可撓性基板の移動を制御するローラー及び複数の持着部が列置されたローラーを用いて、複数の半導体集積回路の接続端子及び複数の素子の接続端子を接続させた後、一対のローラーを用いて複数の半導体集積回路及び複数の素子の表面に可撓性基板を貼り合せ、切断手段により複数の素子を有する可撓性基板及び可撓性基板を切断してもよい。
【発明の効果】
【0029】
本発明の半導体装置の作製方法は、複数の半導体集積回路を複数の持着部によりピックアップした後、半導体集積回路の接続端子及び素子の接続端子が対向するように、複数の持着部の間隔を制御し、素子及び半導体集積回路を接続して、半導体装置を作製することができる。このため、隣接する半導体集積回路の接続端子の間隔と、隣接する素子の接続端子の間隔とが異なっていても、素子基板から半導体集積回路をピックアップして素子に対向させる間に、複数の持着部の間隔を制御するのみで、素子に半導体集積回路を貼りあわせることができる。また、一回の工程において、複数の半導体集積回路をピックアップし、複数の素子に複数の半導体集積回路を貼りあわせ、複数の半導体装置を作製することができる。このため、タクトタイムを短くし、量産性を向上させて、低コストの半導体装置の作製方法を提供することができる。
【0030】
本発明の半導体装置の製造装置は、列置された複数の持着部を有する治具と、列置された複数の持着部の間隔を制御する制御手段と、複数の半導体集積回路が設けられる支持手段と、複数の素子を有する可撓性基板が設けられる支持手段とを有する。治具は、列置された複数の持着部と、持着部の間隔を制御する制御手段とを有する。このため、隣接する半導体集積回路の接続端子の間隔と、隣接する素子の接続端子の間隔とが異なっていても、素子基板から半導体集積回路をピックアップして素子に対向させる間に、複数の持着部の間隔を制御するのみで、素子に半導体集積回路を貼りあわせることができる。また、一回の工程において、複数の半導体集積回路をピックアップし、複数の素子に複数の半導体集積回路を貼りあわせ、複数の半導体装置を作製することができる。このため、タクトタイムを短くし、量産性を向上させて、低コストで半導体装置を作製可能な製造装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更しうることは当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同じ物を指し示す符号は異なる図面間において共通とする。
【0032】
(実施の形態1)
本実施の形態の半導体装置の製造装置及び作製方法について説明する。説明には図1、図16乃至18を用いる。
【0033】
本実施の形態の半導体装置の製造装置は、図18に一形態を示すように、支持手段101から半導体集積回路102をピックアップする列置された複数の持着部104と、持着部104を複数有する治具103と、複数の持着部104を制御する制御手段100と、複数の素子を有する基板111を搭載する支持手段114と有し、列置された持着部104によりピックアップされた半導体集積回路102を、基板111上に形成される素子に実装する。なお、以下の実施の形態においては、素子としてアンテナ112を示し、半導体装置としては、アンテナに半導体集積回路が実装されたものを示す。しかしながら、素子はアンテナに限定されるものではない。また、半導体装置は素子に半導体集積回路が実装されたものである。
【0034】
列置された持着部104は、吸着ノズル、コレット、ピンセット、またはツメに代表される把治具を用いることができる。ここでは、持着治具として吸着ノズルを用いる。また、持着部104にヒーターを設けてもよい。持着部104にヒーターを設けることにより、支持手段101上に設けられた半導体集積回路102を持着部104でピックアップして、アンテナ112を有する基板111上に移動した後、持着部のヒーターを加熱して、アンテナ112上に半導体集積回路102を熱圧着して実装することができる。なお、ヒーターとしては、室温から500℃の加熱が可能なヒーターが好ましい。また、持着部104を圧着して半導体集積回路及びアンテナを接続する場合、各持着部は10g〜100kg、好ましくは50g〜50kgの荷重が可能であることが好ましい。更には、持着部104にモーター等の駆動部を設けることで、半導体集積回路の向き(θ方向)をも回転させることが可能であり、アンテナを有する基板に半導体集積回路を実装する場合の位置合わせが容易となる。
【0035】
治具103は、ロボットアーム、ヘッド、ローラー等の移動装置であり、昇降及び水平移動(xyz方向)を自由に行うことが可能である。また、治具103は、レールやモーター等の駆動部108と接続されていても良い。治具103または駆動部108により、支持手段101上の半導体集積回路102を持着部104でピックアップした後、支持手段114上のアンテナ112付近まで移動させて、アンテナ112に半導体集積回路102を実装することができる。
【0036】
列置された持着部104を制御する制御手段100は、半導体集積回路102を支持手段101からピックアップした後、半導体集積回路102の接続端子が基板111上に形成された各アンテナ112の接続端子に対向するように、列置された持着部104を移動させるものである。制御手段100としては、半導体集積回路102を列置された持着部104でピックアップしたことを検知する検出素子と、列置された持着部104がアンテナに対向する位置に移動されたことを検知する検知手段と、列置された持着部104の間隔を変更する駆動部とを有する。また、隣接されるアンテナの接続端子の間隔を検出する検出素子を有してもよい。半導体集積回路102を列置された持着部104でピックアップしたことを検知する検出素子や、隣接されるアンテナの接続端子の間隔を検出する検出素子としては、CCDカメラ等を用いることが可能であり、検出素子で検出した画像情報を画像処理して、半導体集積回路、アンテナの接続端子やアライメントの位置を検出する。
【0037】
列置された持着部104を制御する制御手段100に含まれる駆動部の代表例を図16及び17を用いて説明する。図16(A)に示すように、列置された持着部104には、レール105と、レール105内を移動する支持部106aと、持着部104に固定された支持部106bと、隣接する支持部106a及び106bに設けられた軸107、108を有する。また、治具103内には、持着部104が移動可能なようにレール109が設けられている。
【0038】
支持手段上の半導体集積回路をピックアップする場合は、図16(A)に示すように、レール105内を移動する支持部106aが固定された支持部106bから離れた位置に位置する。このときの持着部104の間隔をxとする。
【0039】
アンテナに半導体集積回路を対向させる場合は、図16(B)に示すように、レール105内を支持部106aが移動し、固定された支持部106bとの距離が縮まる。このとき、軸107、108も移動し、持着部104の間隔がxからaへ広げることができる。
【0040】
また、他の例としては、図17(A)に示すように、治具103内にレール109が設けられ、持着部104にはレール109内を移動するモーター等の動力手段110が設けられている。
【0041】
支持手段上の半導体集積回路をピックアップする場合は、図17(A)に示すように、持着部104の間隔がxである。
【0042】
アンテナに半導体集積回路を対向させる場合は、図17(B)に示すように、持着部104に設けられた動力手段がレール109内を移動して、持着部104の間隔がxからaへ広げることができる。
【0043】
支持手段101は複数の半導体集積回路を支持する手段であり、支持手段114は、複数のアンテナを有する可撓性基板を支持する手段であり、代表的にはステージ、ベルトコンベヤー、ロボットアーム等を用いることができる。また、ステージは、昇降(z方向)及び水平移動(xy方向)が可能な移動装置に設けられてもよい。ステージやベルトコンベヤーを支持手段として用いる場合、複数の半導体集積回路はシートや基板上に設置されている。また、ロボットアームを支持手段として用いる場合、複数の半導体集積回路は枠体に固定される粘着性フィルム上に設置されていてもよい。この場合、ロボットアームは枠体を挟持する。粘着性フィルムとしては、紫外線硬化型粘着フィルム(UVフィルム、UVテープ、UVシートともいう。)や、圧力が加わることにより粘着力が変化する感圧フィルム(感圧テープ、感圧シートともいう。)、熱硬化型粘着フィルム(熱硬化型粘着テープ、熱硬化型粘着シートともいう。)等がある。さらには、粘着性フィルムはエキスパンドタイプの伸縮可能なものであってもよい。
【0044】
半導体集積回路102は、複数の半導体素子により回路が構成されるものであり、代表的には、複数の半導体素子が形成されるシリコンチップや、薄膜半導体素子を有するチップ等がある。
【0045】
複数の半導体素子が形成されるシリコンチップの作製方法の代表例としては、シリコンウエハの表面にMOSトランジスタや、容量、抵抗、ダイオード等を形成する。次に、シリコンウエハの裏面をバックグラインドと呼ばれる研磨処理行い、シリコンウエハの厚さを30〜250μm、好ましくは50〜100μmにする。この後、ダイサーで矩形状にシリコンウエハを分割したチップである。
【0046】
薄膜半導体素子を有するチップの代表例としては、薄膜トランジスタ、容量、抵抗、薄膜ダイオード等を有する層である。薄膜半導体素子を有するチップの作製方法の代表例としては、基板上に、薄膜トランジスタ、容量、抵抗、薄膜ダイオード等を有する層を形成し、当該層を基板から剥離し、矩形状に分断することにより形成される。
【0047】
アンテナ112は、印刷法、導電性薄膜をエッチングする方法、メッキ法等の手法により可撓性基板上に形成された導電層を用いることができる。アンテナ112は、Ag、Au、Cu、Ni、Pt、Pd、Ir、Rh、W、Al、Ta、Mo、Cd、Zn、Fe、Ti、Zr、及びBaのいずれか一つ以上の元素を有する導電層で形成することができる。
【0048】
図13に本発明に適応可能なアンテナの上面図を示す。アンテナとして機能する導電層の形状は、半導体装置における信号の伝送方式が電磁結合方式または電磁誘導方式(例えば13.56MHz帯)を適用する場合には、磁界密度の変化による電磁誘導を利用するため、図13(A)に示すように、方形コイル状281や、円形コイル状(例えば、スパイラルアンテナ)とすることができる。また、図13(B)に示すように方形ループ状282や円形ループ状とすることができる。
【0049】
また、マイクロ波方式(例えば、UHF帯(860〜960MHz帯)、2.45GHz帯等)を適用する場合には、信号の伝送に用いる電磁波の波長を考慮してアンテナとして機能する導電層の長さ等の形状を適宜設定すればよく、図13(C)に示すように直線型ダイポール状283や曲線型ダイポール状、面状(例えば、パッチアンテナ)とすることができる。
【0050】
なお、本実施の形態では素子の代表例として、アンテナ112を用いて示しているが、これに限定されるものではない。例えば、半導体集積回路、センサー、電池、配線基板、表示装置等を適宜用いることができる。
【0051】
基板111としては、代表的には、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルスルホン)、ポリプロピレン、ポリプロピレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリサルフォン、ポリフタールアミド等からなる基板や繊維質な材料からなる紙と、熱可塑性材料で形成される層として接着性有機樹脂(アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等)とが、積層された基板を用いることができる。また、上記の基板において、可撓性を有する可撓性基板を用いてもよい。さらには、ガラス基板、石英基板、金属基板等を用いてもよい。
【0052】
次に、本実施の形態で示す半導体装置の作製方法について、以下に示す。
【0053】
図1(A)に示すように、支持手段101上に設けられた複数の半導体集積回路102を、列置された複数の持着部104で持着する。このときの持着部104の間隔をx(0≦x)とする。
【0054】
次に、図1(B)に示すように、支持手段101から半導体集積回路102をピックアップする。このとき、治具103を支持手段101から離れる方向へ移動させる。または、支持手段101を治具103から離れる方向へ移動させる。または、持着部104及び支持手段101が離れる方向へそれぞれを移動させる。また、持着部104の伸縮を制御する手段を有する場合、持着部104を縮ませる。これらにより、支持手段101から半導体集積回路102をピックアップすることができる。
【0055】
次に、図1(C)に示すように、支持手段114にアンテナ112を有する基板111を搭載する。次にアンテナ112の接続端子(図示せず。)に導電性ペースト113を塗布する。なお、導電性ペースト113の代わりに、異方性導電接着剤や異方性導電フィルムをアンテナ112の接続端子上に設けてもよい。また、アンテナ112の接続端子として、アンテナの一部を用いてもよい。
【0056】
次に、アンテナ112を有する基板111上に治具103を移動させる。このとき、半導体集積回路102の接続端子、及びアンテナ112の接続端子が対向するように、制御手段により持着部104の間隔を広げる。代表的には、隣接するアンテナ112の接続端子の間隔がaの場合、制御手段により列置する持着部104の間隔をaとする。なお、アンテナ112を有する基板111上に治具103を移動させる代わりに、アンテナ112を有する基板111を支持する支持手段114を治具103の下へ移動してもよい。
【0057】
次に、図1(D)に示すように、導電性ペースト113上に半導体集積回路102を搭載する。この後、リフロー工程等を経て、導電性ペースト113を介して半導体集積回路102及びアンテナ112を実装する。
【0058】
また、ボンディング手段を設けてもよい。この場合、持着部104を有する治具103によりピックアップした半導体集積回路102をアンテナ112上に搭載(仮接着)させた後、半導体集積回路102及び導電性ペースト113を圧着し、半導体集積回路102とアンテナ112とを実装(本圧着)させることができる。このようなボンディング手段としては、熱圧着法や超音波接合法を用いたものあり、代表的にはヒーターや超音波ホーンを有する治具を用いることができる。
【0059】
以上の工程により、半導体集積回路及びアンテナで構成される複数の半導体装置を有する基板を作製することができる。この後、半導体集積回路及びアンテナを覆うように、保護層を形成してもよい。また、半導体集積回路及びアンテナを覆うように、基板111に別途基板を貼り付けてもよい。このような基板としては、基板111で示された可撓性基板と同様のものを適宜用いることができる。
【0060】
さらには、可撓性基板を切断することにより、半導体集積回路及びアンテナで構成される半導体装置を作製することができる。
【0061】
本実施の形態の半導体装置の作製方法は、半導体集積回路を持着部によりピックアップした後、隣接する半導体集積回路の接続端子及び隣接するアンテナの接続端子が対向するように、持着部の間隔を制御し、アンテナに半導体集積回路を接続して、半導体装置を作製することができる。このため、隣接する半導体集積回路の接続端子の間隔と、隣接するアンテナの接続端子の間隔とが異なっていても、半導体集積回路をピックアップしてアンテナに対向させる間に、持着部の間隔を制御するのみで、アンテナに半導体集積回路を貼りあわせることができる。また、一回の工程において、複数の半導体集積回路をピックアップし、複数のアンテナに複数の半導体集積回路を貼りあわせ、複数の半導体装置を作製することができる。このため、タクトタイムを短くし、量産性を向上させて、低コストの半導体装置の作製方法を提供することができる。
【0062】
本実施の形態の半導体装置の製造装置は、列置された複数の持着部を有する治具と、列置された持着部の間隔を制御する制御手段と、複数の半導体集積回路が設けられる支持手段と、複数のアンテナを有する可撓性基板が設けられる支持手段とを有する。治具は、列置された複数の持着部と、持着部の間隔を制御する制御手段とを有する。このため、隣接する半導体集積回路の接続端子の間隔と、隣接するアンテナの接続端子の間隔とが異なっていても、半導体集積回路をピックアップしてアンテナに対向させる間に、持着部の間隔を制御するのみで、アンテナに半導体集積回路を貼りあわせることができる。また、一回の工程において、複数の半導体集積回路をピックアップし、複数のアンテナに複数の半導体集積回路を貼りあわせ、複数の半導体装置を作製することができる。このため、タクトタイムを短くし、量産性を向上させて、低コストで半導体装置を作製可能な製造装置を提供することができる。
【0063】
(実施の形態2)
本実施の形態では、ロール to ロール方式を用いた半導体装置の製造装置及び作製方法について説明する。説明には図2乃至4、及び図19を用いる。
【0064】
図19に示すように、本実施の形態の半導体装置の製造装置は、アンテナ209を有する可撓性基板208が巻かれている供給用のローラー205と、可撓性基板208の移動を制御すると共に、アンテナ209上に半導体集積回路202を実装するローラー206と、アンテナ209に半導体集積回路202が実装された可撓性基板208を巻き取る回収用のローラー207とを有する。また、半導体集積回路202を支持する支持手段201と、半導体集積回路202を持着する持着部204を有するローラー203を有する。なお、持着部204はローラー203の側面において列置されている。また、アンテナ209を有する可撓性基板208の表面に、異方性導電フィルムが設けられていてもよい。また、ローラー203、205〜207には、それぞれの回転軸203a、205a〜207aを移動させる移動手段を有してもよい。回転軸203a、205a〜207aを移動させる移動手段により、ローラー203、205〜207を上昇または下降させて、ローラー203、205〜207の位置を制御することができる。また、持着部204には、持着部204の伸縮を制御する手段を有してもよい。
【0065】
本実施の形態の半導体集積回路202、持着部204、アンテナ209、アンテナ209を有する可撓性基板208は、それぞれ実施の形態1で上記した半導体集積回路102、持着部104、アンテナ112、アンテナ112を有する基板111を適宜選択して用いることができる。
【0066】
可撓性基板208の移動を制御すると共に、アンテナ209上に半導体集積回路202を実装するローラー206は、供給用のローラー205及び回収用のローラー207の間に設けられている。また、可撓性基板208の移動を制御すると共に、アンテナ209上に半導体集積回路202を実装するローラー206は、アンテナ209を有する可撓性基板208を間に介して持着部204を有するローラー203と対向して設けられる。
【0067】
ローラー203、205〜207は、円筒状の回転体であり、代表的には、表面の磨かれた円筒状の鋳造品等に相当する。ローラー203、205〜207の各々は、所定の速度で回転する。また、ローラー205〜207は同じ方向に回転し、ローラー203は、ローラー206と反対方向または同じ方向に回転する。
【0068】
ここで、ローラー203に列置された持着部204の構成について説明する。図2(A)は半導体装置の製造装置のx軸方向の断面を示し、図2(B)は図2(A)における半導体装置の製造装置のy軸方向の断面を示す。また、図2(C)は半導体装置の製造装置のx軸方向の断面を示し、図2(D)は図2(C)における半導体装置の製造装置のy軸方向の断面を示す。図2(A)及び(B)より、持着部204は、ローラー203のy軸方向に複数列置されている。このときの列置された持着部204の間隔はxである。なお、図2において、持着部204はy軸方向に複数列置された構成を示したが、これに限定されるものではない。即ち、x軸方向に複数の持着部が整列されていてもよい。
【0069】
次に、半導体装置の作製方法について説明する。
【0070】
図2(A)、及び(B)に示すように、ローラー205が回転することにより、アンテナ209を有する可撓性基板208が送り出される。可撓性基板208はローラー206を経て、ローラー207へ流れる。また、ローラー205〜207が回転することにより、ローラー207自体に可撓性基板208が巻き付けてられていく。つまり、ローラー207により、可撓性基板208が回収される。
【0071】
支持手段201の移動方向と反対方向または同じ方向にローラー203が回転する。ローラー203の圧力、持着部204と半導体集積回路202との間隔、ローラー203の回転速度、支持手段201の移動速度を適宜調節することにより、支持手段201上に設けられた半導体集積回路202をローラー203の持着部204で持着することができる。
【0072】
次に、ローラー203がローラー206と反対方向または同じ方向に回転することにより、支持手段201から半導体集積回路202を剥離する。
【0073】
また、上記の手法の代わりに以下の手法を用いて、支持手段201から半導体集積回路202をピックアップしてもよい。ローラー203が回転しない状態において、ローラー203の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー203を半導体集積回路202側に移動させる。次に、持着部204により支持手段201から半導体集積回路202を持着した後、ローラー203の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー203をローラー206側に移動させて支持手段201から半導体集積回路202を持着部204で持着する。この後、ローラー203を回転させる。このようなローラー203の移動により、確実に支持手段201から半導体集積回路202を剥離することができる。
【0074】
また、上記の手法の代わりに以下の手法を用いて、支持手段201から半導体集積回路202をピックアップしてもよい。ローラー203が回転しない状態において、持着部204の伸縮を制御する手段により、持着部204を半導体集積回路202側に伸ばす。次に、持着部204により支持手段201から半導体集積回路202を持着した後、持着部204の伸縮を制御する手段により、持着部204を縮ませ、支持手段201から半導体集積回路202を持着部204でピックアップする。この後、ローラー203を回転させる。このような持着部204の伸縮により、確実に支持手段201から半導体集積回路202を剥離することができる。
【0075】
次に、図2(C)、及び(D)に示すように、ローラー203が回転しながら、半導体集積回路202の接続端子及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により持着部204の間隔が広げられる。このときの列置された持着部204の間隔はaとなる。
【0076】
次に、ローラー206及び持着部204によって、可撓性基板208、アンテナ209、異方性導電フィルム210、及び半導体集積回路202を挟持しながら、加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202を実装する。ローラー206及び持着部204の間隔、及び一対のローラー203、206の回転速度を適宜調節することで、可撓性基板208のアンテナ209に半導体集積回路202を実装することができる。
【0077】
また、上記の手法の代わりに以下の手法を用いて、可撓性基板208のアンテナ209に半導体集積回路202を実装することができる。ローラー203を回転させて、半導体集積回路202がアンテナ209に対向する位置まで移動してきたら、ローラー203、205〜207の回転を止める。次に、半導体集積回路202の接続端子及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により持着部204の間隔が広げられる。このときの列置された持着部204の間隔はaとなる。次に、ローラー203の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー203をローラー206側に移動させる。次に、ローラー206及び持着部204によって、可撓性基板208、アンテナ209、異方性導電フィルム210、及び半導体集積回路202を挟持しながら、加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202を実装する。
【0078】
次に、ローラー203の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー203を支持手段201側に移動させて、可撓性基板208のアンテナ209に半導体集積回路202を実装することができる。この後、ローラー203、205〜207を回転させる。
【0079】
また、上記の手法の代わりに以下の手法を用いて、可撓性基板208のアンテナ209に半導体集積回路202を実装することができる。ローラー203を回転させて、半導体集積回路202がアンテナ209に対向する位置まで移動してきたら、ローラー203、205〜207の回転を止める。次に、半導体集積回路202の接続端子及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により持着部204の間隔が広げる。このときの列置された持着部204の間隔はaとなる。次に、ローラー203、205〜207が回転しない状態において、ローラー205〜207の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー205〜207を持着部204側に移動させる。次に、持着部204及びローラー206により可撓性基板208、アンテナ209、異方性導電フィルム210、及び半導体集積回路202を挟持しながら、加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202を実装する。
【0080】
次に、ローラー205〜207の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー206を支持手段201から離れさせた後、ローラー203、205〜207を回転させる。
【0081】
また、上記の手法の代わりに以下の手法を用いて、可撓性基板208のアンテナ209に半導体集積回路202を実装することができる。ローラー203を回転させて、半導体集積回路202がアンテナ209に対向する位置まで移動してきたら、ローラー203、205〜207の回転を止める。次に、半導体集積回路202の接続端子及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により持着部204の間隔が広げる。このときの列置された持着部204の間隔はaとなる。次に、ローラー203、205〜207が回転しない状態において、持着部204の伸縮を制御する手段により、持着部204をローラー206側に伸ばす。次に、持着部204及びローラー206により可撓性基板208、アンテナ209、異方性導電フィルム210、及び半導体集積回路202を挟持しながら、加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202を実装する。次に、持着部204の伸縮を制御する手段により、持着部204を縮ませた後、ローラー203、205〜207を回転させる。
【0082】
なお、本実施の形態の半導体装置の製造装置に、持着部204を有するローラー203とは別に、ヒーター等の加熱手段を有する一対のローラーを有していてもよい。この場合、持着部204を有するローラー203によりピックアップした半導体集積回路202をアンテナ209に搭載(仮接着)させた後、ヒーター等の加熱手段を有する一対のローラーにより半導体集積回路202及び異方性導電フィルム210を熱圧着し、半導体集積回路202とアンテナ209とを実装(本圧着)させても良い。
【0083】
なお、図2においては、ローラー206の回転方向と平行な方向(即ち、x軸方向)に、各アンテナの接続部を並べて配置してある。しかしながら、これに限らず、ローラー206の回転方向と垂直な方向(即ち、y軸方向)に各アンテナの接続部を並べて配置しても良い。この場合、図2に示す構成と同様にローラー206及び持着部204がアンテナ及び半導体集積回路を一度挟持するだけで、半導体集積回路をアンテナに実装することができるため、歩留まりを向上させることが可能である。
【0084】
この後、アンテナ209を有する可撓性基板208、およびアンテナ209に接続された半導体集積回路202をローラー207で回収する。以上の工程により、アンテナに半導体集積回路が実装された複数の半導体装置を有するシートを形成することができる。
【0085】
また、貼りあわせられたアンテナ209を有する可撓性基板208および、アンテナ209に実装された半導体集積回路202を巻き取る回収用のローラー207の代わりに、図3(C)に示すように、切断手段221を有してもよい。この結果、アンテナ209を有する可撓性基板208および、アンテナ209に接続された半導体集積回路202で構成される半導体装置を、個々に分断することができる。切断手段221は、ダイシング装置、スクライビング装置、レーザ照射装置等を適宜用いることができる。
【0086】
また、図2及び3に示す半導体装置を有するシートを可撓性基板を用いて封止することができる。ここでは、図3の変形例について図4を用いて説明する。図4(A)及び(C)は半導体装置の製造装置のx軸方向の断面を示し、図4(B)及び(D)はそれぞれ図4(A)及び(C)における半導体装置の製造装置のy軸方向の断面を示す。
【0087】
図4(A)及び(C)に示すように、図3に示す半導体装置の製造装置に加え、可撓性基板232が巻かれている供給用のローラー231と、可撓性基板232の移動を制御すると共に、半導体集積回路202及びアンテナ209を有する可撓性基板208上に可撓性基板232を貼り合わせる一対のローラー233、234とを有してもよい。
【0088】
図2及び3と同様に、図4(A)、及び(B)に示すように、ローラー203の圧力、持着部204と半導体集積回路202との間隔、ローラー203の回転速度、支持手段201の移動速度を適宜調節することにより、支持手段201上に設けられた半導体集積回路202をローラー203に列置された持着部204で持着することができる。このときの列置された持着部204の間隔をxとする。
【0089】
次に、ローラー203がローラー206と反対方向または同じ方向に回転することにより、支持手段201から半導体集積回路202を剥離する。次に、図4(C)、及び(D)に示すように、半導体集積回路202及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により持着部204の間隔が広げられる。ここでは列置される持着部204の間隔をxからaに広げる。
【0090】
次に、ローラー206及び持着部204により、可撓性基板208、アンテナ209、異方性導電フィルム210、及び半導体集積回路202を挟持しながら加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202を実装する。ローラー206及び持着部204の間隔、及びローラー206及びローラー203の回転速度を適宜調節することで、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202を実装することができる。
【0091】
ローラー231が回転することにより、可撓性基板232が送り出される。可撓性基板232はローラー233へ流れる。一対のローラー233、234が互いに反対方向または同じ方向に回転することにより、可撓性基板232によって、半導体集積回路202及びアンテナ209を有する可撓性基板208を封止する。ローラー233、234の間隔、及び一対のローラー233、234の回転速度を適宜調節することで、可撓性基板208及び可撓性基板232によって、半導体集積回路202及びアンテナ209を封止することができる。
【0092】
以上により半導体装置が設けられたシートを作製することができる。
【0093】
この後、アンテナの間で露出された可撓性基板を切断手段235により切断し、半導体集積回路及びアンテナで構成される半導体装置を作製することができる。
【0094】
本実施の形態の半導体装置の製造装置を用いることにより、複数の工程を連続的に行うことが可能である。また、複数の半導体集積回路をピックアップし、複数のアンテナに複数の半導体集積回路を貼りあわせ、複数の半導体装置を作製することができる。このため、タクトタイムを短くし、量産性を向上させて、低コストで半導体装置を作製可能な製造装置を提供することができる。
【0095】
(実施の形態3)
本実施の形態では、支持手段201に設けられた半導体集積回路において接続端子が形成される面によって、半導体装置の作製方法が異なる形態について図5及び6を用いて説明する。なお、本実施の形態では、図2に示す半導体装置の製造装置を用いて説明するが、図3及び4の半導体装置の製造装置を適宜用いることができる。
【0096】
図5(A)及び(B)は、図2(A)及び(C)と同様に半導体装置の製造装置のx軸方向の断面を示す。図示しないが、図5(A)及び(B)においても図2(B)及び(D)と同様に複数の持着部がローラーのy軸方向に列置されている。図6(A)乃至(C)も同様に、半導体装置の製造装置のx軸方向の断面を示す。図示しないが、図6(A)乃至(C)においても同様に複数の持着部がローラーのy軸方向に列置されている。
【0097】
図5(A)の拡大図260で示されるように、半導体集積回路202の接続端子261a、261bは支持手段201に面しており、持着部204側に露出していない形態について説明する。なお、このように、半導体集積回路202の接続端子261a、261bが支持手段201に面する構成としては、半導体集積回路202内部に、半導体素子と接続するスルーホールを形成し、該スルーホールを充填するプラグを接続端子261a、261bとしてもよい。また、半導体集積回路の表面に接続端子を形成した後、接続端子が支持手段201側に面するように、半導体集積回路を反転させて支持手段201に設けてもよい。
【0098】
図2(A)及び(B)と同様に、支持手段201上に設けられた半導体集積回路202をローラー203に列置された持着部204で持着する。持着部204が半導体集積回路202を持着する領域の拡大図260で示すように、支持手段201に対して、半導体集積回路202の接続端子261a、261bが形成される面が面しており、当該面と反対側の面において、持着部204が半導体集積回路202を持着する。
【0099】
次に、ローラー203がローラー206と反対方向または同じ方向に回転することにより、支持手段201から半導体集積回路202をピックアップする。次に、図示しないが半導体集積回路202の接続端子及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により列置された持着部204の間隔がy軸方向に広げられる。
【0100】
次に、図5(B)に示すように、ローラー203及び列置された持着部204が可撓性基板208及びアンテナ209と対向したとき、ローラー206及び持着部204による加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202を実装する。ローラー206及び持着部204の間隔、及び一対のローラー203、206の回転速度を適宜調節することで、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202を実装することができる。半導体集積回路202及びアンテナ209の接続端子の拡大図263で示すように、異方性導電フィルム210を介してアンテナ209と半導体集積回路202が接続される。
【0101】
この後、アンテナ209を有する可撓性基板208および、アンテナ209に実装された半導体集積回路202をローラー207で回収することができる。
【0102】
次に、図6(A)の拡大図270で示されるように、半導体集積回路202の接続端子271a、271bが持着部204側に面しており、支持手段201側に露出していない形態について説明する。
【0103】
接続端子271a、271bが持着部204に面している半導体集積回路は、ローラー203の持着部204でピックアップし、治具を回転させても、接続端子271a、271bはアンテナ209に面しない。このため、半導体装置の製造装置は、治具の他に、半導体集積回路202をひっくり返すフリップチップ手段を必要とする。ここでは、ローラー272及びローラー272に設けられた持着部273により、フリップチップ手段を構成する。
【0104】
フリップチップ手段を構成するローラー272は、ローラー203、205〜207と同様のものを用いることができる。持着部273は持着部204と同様の数の持着部が同様の間隔で列置されたものを用いることが好ましい。この結果、持着部204でピックアップした半導体集積回路202すべてを持着部273に受け渡しすることが可能である。
【0105】
ローラー272は、ローラー203と反対方向または同じ方向に回転する。また、フリップチップ手段のローラー272及びローラー206は、それぞれの回転軸がアンテナ209及び可撓性基板208を介して平行に設けられる。この結果、治具であるローラー203及びそれに設けられた持着部204を用いて、支持手段201からピックアップした半導体集積回路202を、フリップチップ手段であるローラー272及びそれに設けられた持着部273に受け渡しする。
【0106】
次に、フリップチップ手段であるローラー272を回転させて、持着部273及びローラー206によりアンテナ209を有する可撓性基板208及び半導体集積回路202を貼りあわせることができる。
【0107】
図6を用いて半導体装置の作製方法を説明する。
【0108】
図2(A)及び(B)と同様に、図6(A)に示すように、支持手段201上に設けられた半導体集積回路202をローラー203の持着部204でピックアップする。持着部204が半導体集積回路202を持着する領域の拡大図270で示すように、持着部204に半導体集積回路202の接続端子271a、271bが面している。持着部204は、接続端子271a、271bが形成されない領域において、半導体集積回路202を持着する。
【0109】
次に、図6(B)に示すように、ローラー203がローラー272と反対方向に回転することにより、治具の持着部204からフリップチップ手段の持着部273へ半導体集積回路202を受け渡しする。持着部204、273が半導体集積回路202を持着する領域の拡大図274で示すように、半導体集積回路202の接続端子271a、271bが形成される面の反対側の面において、半導体集積回路202は持着部273に持着される。
【0110】
なお、上記方法の代わりに、ローラー203、272の一方または両方にそれぞれの回転軸を移動させる移動手段を設けてもよい。この場合、ローラー203の持着部204及び、ローラー272の持着部273が半導体集積回路202を介して面したとき、ローラー203、272の回転を停止させる。次に、ローラー203、272の一方または両方の回転軸を移動させる移動手段を用い、ローラー203、272の回転軸が近づくようにローラー203、272の一方または両方を移動させて、持着部204から持着部273に半導体集積回路202を受け渡してもよい。
【0111】
次に、図示しないが半導体集積回路202及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により持着部273の間隔がy軸方向に広げられる。
【0112】
次に、図6(C)に示すように、ローラー206がローラー272と反対方向または同じ方向に回転することにより、ローラー206及び持着部273によって、可撓性基板208、アンテナ209、異方性導電フィルム210、及び半導体集積回路202を挟持しながら、加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202を実装する。半導体集積回路202及びアンテナ209の接続端子の拡大図275で示すように、異方性導電フィルム210を介してアンテナ209及び半導体集積回路202が接続される。
【0113】
また、上記の手法の代わりに以下の手法により、可撓性基板208上のアンテナ209に半導体集積回路202を実装することができる。ローラー272を回転させて、半導体集積回路202がアンテナ209に対向する位置まで移動してきたら、ローラー203、205〜207、272の回転を止める。次に、図示しないが半導体集積回路202の接続端子及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により持着部273の間隔がy軸方向に広げられる。次に、ローラー272の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー272をローラー206側に移動させる。次に、持着部273及びローラー206によって、可撓性基板208、アンテナ209、異方性導電フィルム210、及び半導体集積回路202を挟持しながら、加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202を実装する。次に、ローラー272の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー272を支持手段201側に移動させる。この後、ローラー203、205〜207、272を回転させる。
【0114】
また、上記の手法の代わりに、以下の手法により、可撓性基板208のアンテナ209に半導体集積回路202を実装することができる。ローラー272を回転させて、半導体集積回路202がアンテナ209に対向する位置まで移動してきたら、ローラー203、205〜207、272の回転を止める。次に、図示しないが半導体集積回路202及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により持着部273の間隔がy軸方向に広げられる。次に、ローラー203、205〜207、272が回転しない状態において、ローラー205〜207の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー205〜207を持着部273側に移動させる。次に、ローラー206及び持着部273により可撓性基板208、アンテナ209、異方性導電フィルム210、及び半導体集積回路202を挟持しながら、加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202を実装する。次に、ローラー205〜207の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー205〜207を支持手段201の反対側に移動させた後、ローラー203、205〜207、272を回転させる。
【0115】
また、上記の手法の代わりに、以下の手法により、可撓性基板208のアンテナ209に半導体集積回路202を実装することができる。ローラー272を回転させて、半導体集積回路202がアンテナ209に対向する位置まで移動してきたら、ローラー203、205〜207、272の回転を止める。次に、図示しないが半導体集積回路202及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により持着部273の間隔がy軸方向に広げられる。次に、ローラー203、205〜207、272が回転しない状態において、持着部273の伸縮を制御する手段により、持着部273をローラー206側に伸ばさせる。次に、持着部273及びローラー206により可撓性基板208、アンテナ209、異方性導電フィルム210、及び半導体集積回路202を挟持しながら、加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202を実装する。次に、持着部273の伸縮を制御する手段により、持着部273を縮ませた後、ローラー203、205〜207、272を回転させる。
【0116】
この後、半導体集積回路202が貼り付けられたアンテナ209を有する可撓性基板208をローラー207で回収する。
【0117】
以上の半導体装置の作製方法により、半導体集積回路の接続端子が形成される位置に関わらず、複数の半導体集積回路をピックアップし、複数のアンテナに複数の半導体集積回路を貼りあわせ、複数の半導体装置を作製することができる。このため、タクトタイムを短くし、量産性を向上させて、低コストで半導体装置を作製可能な製造装置を提供することができる。
【0118】
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態2または3に適用可能な、治具について図7及び8を用いて説明する。
【0119】
図7に示す半導体装置の製造装置は、ローラー241に2n(nは自然数)組の持着部を有する治具を有する形態である。図7においては、2組の持着部242a、242bがローラー241に設けられた治具を示す。対となる持着部242a、242bは、ローラー241の回転軸に対して対称的に設けられることが好ましい。この結果、1/2n回転で支持手段201上の半導体集積回路を持着すると共に、アンテナを有する可撓性基板208に半導体集積回路を貼りあわせることができる。このため、スループットを向上させることが可能である。
【0120】
ここでは、ローラー206、241が反対方向または同じ方向に回転することで、持着部242aにより支持手段201上の半導体集積回路202aをピックアップすると共に、持着部242bにより半導体集積回路202bをアンテナ209に実装することができる。
【0121】
次に、図7(B)に示すように、ローラー205〜207を回転させてアンテナ209を有する可撓性基板208を移動させる。また、ローラー241を回転させて、支持手段201から持着部242aでピックアップした半導体集積回路202aをアンテナ209に近づけると共に、持着部242bを支持手段201へ近づけさせる。この後、半導体集積回路202aをアンテナ209に実装すると共に、支持手段201上の半導体集積回路202cを持着部242bでピックアップすることができる。
【0122】
なお、図示しないが、半導体集積回路202aをアンテナ209に近づける前に、アンテナ209の接続端子に対向するように、持着部242aの間隔をy軸方向に広げる。一方、持着部242bで、半導体集積回路202cをピックアップする前に、持着部242bが半導体集積回路202cの接続端子に対向するように、持着部242bの間隔をy軸方向に縮める。
【0123】
また、上記の手法の代わりに以下の手法を用いて、支持手段201から半導体集積回路をピックアップすると共に、可撓性基板208のアンテナ209に半導体集積回路を実装することができる。ローラー241を回転させて、半導体集積回路202bがアンテナ209に対向し、且つ持着部242aが支持手段201上の半導体集積回路202aに対向する位置まで移動してきたら、支持手段201の移動、及びローラー205〜207、241の回転を止める。次に、図示しないが半導体集積回路202b及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により持着部242bの間隔がy軸方向に広げられる。次に、持着部242b及びローラー206によって、可撓性基板208、アンテナ209、異方性導電フィルム210、及び半導体集積回路202bを挟持しながら、加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202bを実装する。
【0124】
次に、ローラー241の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー241を支持手段201側に移動させて、持着部242aにより支持手段201上の半導体集積回路202aを持着した後、ローラー241の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー241をローラー206側に移動させて、半導体集積回路202aをピックアップするとともに、持着部242a、242bが可撓性基板208、アンテナ209、及び異方性導電フィルム210に接しない位置に、ローラー241を移動させる。この後、支持手段201の移動、及びローラー205〜207、241の回転を再開する。
【0125】
また、以下の手法を用いて、支持手段201から半導体集積回路をピックアップすると共に、可撓性基板208のアンテナ209に半導体集積回路を実装することができる。ローラー241を回転させて、半導体集積回路202bがアンテナ209に対向する位置まで移動してきたら、支持手段201の移動、及びローラー205〜207、241の回転を止める。次に、図示しないが半導体集積回路202b及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により持着部242bの間隔がy軸方向に広げられる。次に、ローラー205〜207、241が回転しない状態において、ローラー205〜207の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー205〜207を持着部242b側に移動させる。次に、ローラー206及び持着部242bにより可撓性基板208、アンテナ209、異方性導電フィルム210、及び半導体集積回路202bを挟持しながら、加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202bを実装する。
【0126】
次に、ローラー205〜207の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー205〜207をローラー241から離れさせる。次に、ローラー241の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー241を半導体集積回路202a側に移動させて、持着部242aにより支持手段201上の半導体集積回路202aを持着する。次に、ローラー241の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー241をローラー206側に移動させて、半導体集積回路202aをピックアップする。その後、持着部242a、242bが可撓性基板208、アンテナ209、及び異方性導電フィルム210に接しない位置に、ローラー241を移動させる。この後、支持手段201の移動、及びローラー205〜207、241の回転を再開する。
【0127】
また、以下の手法を用いて、支持手段201から半導体集積回路をピックアップすると共に、可撓性基板208のアンテナ209に半導体集積回路を実装することができる。ローラー241を回転させて、半導体集積回路202bがアンテナ209に対向する位置まで移動してきたら、支持手段201の移動、及びローラー205〜207、241の回転を止める。次に、図示しないが半導体集積回路202b及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により持着部242bの間隔がy軸方向に広げられる。次に、ローラー205〜207、241が回転しない状態において、持着部242bの伸縮を制御する手段により、持着部242bをローラー206側に伸ばす。次に、持着部242b及びローラー206により可撓性基板208、アンテナ209、異方性導電フィルム210、及び半導体集積回路202bを挟持しながら、加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202bを実装する。次に、持着部242bの伸縮を制御する手段により、持着部242bを縮ませる。
【0128】
次に、持着部242aの伸縮を制御する手段により、持着部242aを支持手段201側に伸ばして、持着部242aにより支持手段201上の半導体集積回路202aを持着して、半導体集積回路202aをピックアップする。次に、持着部242aの伸縮を制御する手段により、持着部242aを縮ませた後、持着部242a、242bが、可撓性基板208、アンテナ209、及び異方性導電フィルム210に接しない状態とする。この後、支持手段201の移動、及びローラー205〜207、241の回転を再開する。
【0129】
以上の工程により、ローラー241が一回転する間に、半導体集積回路をアンテナに貼りあわせると共に、支持手段上の半導体集積回路を持着部でピックアップすることができる。
【0130】
次に、ローラー251に2n+1(nは自然数)組の持着部を有する治具を有する半導体装置の製造装置の形態を、図8を用いて示す。図8においては、3組の持着部252a〜252cがローラー251に設けられた治具を示す。ここでは各組の持着部は、ローラー251の回転軸に対して等間隔(360/(2n+1)度)で設けられることが好ましい。この結果、支持手段201の半導体集積回路を持着部によりピックアップする工程と、アンテナ209を有する可撓性基板208に持着部を用いて半導体集積回路を貼り合わせる工程とが、それぞれ別のタイミングで行うことが可能であり、互いの工程の干渉を避けることが可能である。この結果、それぞれの工程を確実に行うことが可能である。ここでは、各持着部は回転軸において120°の間隔で配置されている。
【0131】
ここでは、ローラー206、251が反対方向または同じ方向に回転することで、持着部252cにより支持手段201上の半導体集積回路202cをピックアップする。
【0132】
次に、図8(B)に示すように、ローラー205〜207を回転させてアンテナ209を有する可撓性基板208を移動させる。また、ローラー251を回転させて、支持手段201から持着部252aでピックアップした半導体集積回路202aをアンテナ209に貼り合わせることができる。
【0133】
なお、図示しないが、半導体集積回路202aをアンテナ209に近づける前に、アンテナ209の接続端子に対向するように、持着部252aの間隔をy軸方向に広げる。一方、持着部252cで、半導体集積回路202cをピックアップする前に、持着部252cが半導体集積回路202cの接続端子に対向するように、持着部252cの間隔をy軸方向に縮める。
【0134】
また、以下の手法を用いて、支持手段201から半導体集積回路をピックアップすると共に、可撓性基板208のアンテナ209に半導体集積回路を実装することができる。ローラー251を回転させて、持着部252cが半導体集積回路202cに対向する位置まで移動してきたら、支持手段201の移動、及びローラー205〜207、251の回転を止める。次に、ローラー251の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー251を支持手段201側に移動させて、持着部252cにより支持手段201上の半導体集積回路202cを持着する。次に、ローラー251の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー251をローラー206側に移動させて、半導体集積回路202cをピックアップする。その後、持着部252a〜252cが、可撓性基板208、アンテナ209、及び異方性導電フィルム210に接しない位置にローラー251を移動させる。次に、支持手段201の移動、及びローラー205〜207、251の回転を再開する。
【0135】
次に、図8(B)に示すように、半導体集積回路202aがアンテナ209に対向する位置まで移動してきたら、支持手段201の移動、及びローラー205〜207、251の回転を止める。次に、図示しないが半導体集積回路202aの接続端子及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により持着部252aの間隔がy軸方向に広げられる。次に、ローラー251の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー251をローラー206側に移動させて、ローラー206及び持着部252aにより、可撓性基板208、アンテナ209、異方性導電フィルム210、及び半導体集積回路202aを挟持しながら、加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202aを実装することができる。
【0136】
図示しないが、半導体集積回路202aをアンテナ209に実装した後、持着部252aは間隔をy軸方向に縮める。
【0137】
また、以下の手法を用いて、支持手段201から半導体集積回路をピックアップすると共に、可撓性基板208のアンテナ209に半導体集積回路を実装することができる。ローラー251を回転させて、持着部252cが半導体集積回路202cに対向する位置まで移動してきたら、支持手段201の移動、及びローラー205〜207、251の回転を止める。次に、ローラー251の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー251を支持手段201側に移動させて、持着部252cにより支持手段201上の半導体集積回路202cをピックアップする。次に、ローラー251の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー251をローラー206側に移動させて、持着部252a〜252cが可撓性基板208、アンテナ209、及び異方性導電フィルム210に接しない位置に、ローラー251を移動させる。この後、支持手段201の移動、及びローラー205〜207、251の回転を再開する。
【0138】
次に、図8(B)に示すように、半導体集積回路202aがアンテナ209に対向する位置まで移動してきたら、支持手段201の移動、及びローラー205〜207、251の回転を止める。次に、図示しないが半導体集積回路202a及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により持着部252aの間隔がy軸方向に広げられる。次に、ローラー205〜207、251が回転しない状態において、ローラー205〜207の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー205〜207を持着部252a側に移動させる。次に、ローラー206及び持着部252aにより可撓性基板208、アンテナ209、異方性導電フィルム210、及び半導体集積回路202aを挟持しながら、加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202aを実装する。
【0139】
次に、ローラー205〜207の回転軸を移動させる移動手段により、ローラー206をローラー251から離れさせる。
【0140】
図示しないが、半導体集積回路202aをアンテナ209に実装した後、持着部252aは間隔をy軸方向に縮める。
【0141】
また、以下の手法を用いて、支持手段201から半導体集積回路をピックアップすると共に、可撓性基板208のアンテナ209に半導体集積回路を実装することができる。ローラー251を回転させて、持着部252cが半導体集積回路202cに対向する位置まで移動してきたら、支持手段201の移動、及びローラー205〜207、251の回転を止める。持着部252cの伸縮を制御する手段により、持着部252cを支持手段201側に伸ばさせて、持着部252cにより支持手段201上の半導体集積回路202cを持着する。次に、持着部252cの伸縮を制御する手段により、持着部252cを縮ませて、半導体集積回路202cをピックアップした後、持着部252a〜252cが、可撓性基板208、アンテナ209、及び異方性導電フィルム210に接しない状態とする。この後、支持手段201の移動、及びローラー205〜207、251それぞれの回転を再開する。
【0142】
次に、図8(B)に示すように、半導体集積回路202aがアンテナ209に対向する位置まで移動してきたら、支持手段201の移動、及びローラー205〜207、251の回転を止める。次に、図示しないが半導体集積回路202aの接続端子及びアンテナ209の接続端子が対向するように、制御手段により持着部252aの間隔がy軸方向に広げられる。次に、ローラー205〜207、251が回転しない状態において、持着部252aの伸縮を制御する手段により、持着部252aをローラー206側に伸ばさせる。次に、持着部252a及びローラー206により可撓性基板208、アンテナ209、異方性導電フィルム210、半導体集積回路202aを挟持しながら、加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、可撓性基板208に形成されたアンテナ209に半導体集積回路202aを実装する。次に、持着部252aの伸縮を制御する手段により、持着部252aを縮ませる。
【0143】
以上の工程により、ローラー251が一回転する間に、半導体集積回路をアンテナに貼りあわせると共に、支持手段上の半導体集積回路を持着部でピックアップすることができる。このため、複数の工程を同時に行うことが可能である。また、複数の半導体集積回路をピックアップし、複数のアンテナに複数の半導体集積回路を貼りあわせ、複数の半導体装置を作製することができる。このため、タクトタイムを短くし、量産性を向上させて、低コストで半導体装置を作製可能な製造装置を提供することができる。
【実施例1】
【0144】
本実施例では、非接触でデータの伝送が可能な半導体装置の作製工程を、図6、図9〜12を用いて説明する。また、図9〜12においては、図6に示す半導体装置のy軸方向の断面図を示す。
【0145】
図9(A)に示すように、基板1201上に剥離層1202を形成し、剥離層1202上に絶縁層1203を形成し、絶縁層1203上に薄膜トランジスタ1204及び薄膜トランジスタを構成する導電層を絶縁する層間絶縁層1205を形成し、薄膜トランジスタの半導体層に接続するソース電極及びドレイン電極1206を形成する。次に、薄膜トランジスタ1204、層間絶縁層1205、ソース電極及びドレイン電極1206を覆う絶縁層1207を形成し、絶縁層1207を介してソース電極またはドレイン電極1206に接続する導電層1208を形成する。
【0146】
基板1201としては、ガラス基板、石英基板、金属基板やステンレス基板の一表面に絶縁層を形成したもの、本工程の処理温度に耐えうる耐熱性があるプラスチック基板等を用いる。上記に挙げた基板1201には、大きさや形状に制約がないため、例えば、基板1201として、1辺が1メートル以上であって、矩形状のものを用いれば、生産性を格段に向上させることができる。この利点は、円形のシリコン基板を用いる場合と比較すると、大きな優位点である。
【0147】
剥離層1202は、スパッタリング法やプラズマCVD法、塗布法、印刷法等により、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、珪素(Si)から選択された元素、又は元素を主成分とする合金材料、又は元素を主成分とする化合物材料からなる層を、単層又は積層して形成する。剥離層1202が珪素を含む層の場合の結晶構造は、非晶質、微結晶、多結晶のいずれの場合でもよい。
【0148】
剥離層1202が単層構造の場合、好ましくは、タングステン層、モリブデン層、又はタングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成する。又は、タングステンの酸化物若しくは酸化窒化物を含む層、モリブデンの酸化物若しくは酸化窒化物を含む層、又はタングステンとモリブデンの混合物の酸化物若しくは酸化窒化物を含む層を形成する。なお、タングステンとモリブデンの混合物とは、例えば、タングステンとモリブデンの合金に相当する。
【0149】
剥離層1202が積層構造の場合、好ましくは、1層目としてタングステン層、モリブデン層、又はタングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成し、2層目として、タングステン、モリブデン又はタングステンとモリブデンの混合物の酸化物、窒化物、酸化窒化物又は窒化酸化物を形成する。
【0150】
剥離層1202として、タングステンを含む層とタングステンの酸化物を含む層の積層構造を形成する場合、タングステンを含む層を形成し、その上層に酸化物で形成される絶縁層を形成することで、タングステン層と絶縁層との界面に、タングステンの酸化物を含む層が形成されることを活用してもよい。さらには、タングステンを含む層の表面を、熱酸化処理、酸素プラズマ処理、N2Oプラズマ処理、オゾン水、水素を含む水等の酸化力の強い溶液での処理等を行ってタングステンの酸化物を含む層を形成してもよい。これは、タングステンの窒化物、酸化窒化物及び窒化酸化物を含む層を形成する場合も同様であり、タングステンを含む層を形成後、その上層に窒化珪素層、酸化窒化珪素層、窒化酸化珪素層を形成するとよい。
【0151】
タングステンの酸化物は、WOxで表される。Xは、2≦x≦3の範囲内にあり、xが2の場合(WO2)、xが2.5の場合(W2O5)、xが2.75の場合(W4O11)、xが3の場合(WO3)などがある。
【0152】
また、上記の工程によると、基板1201に接するように剥離層1202を形成しているが、本発明はこの工程に制約されない。基板1201に接するように下地となる絶縁層を形成し、その絶縁層に接するように剥離層1202を設けてもよい。
【0153】
絶縁層1203は、スパッタリング法やプラズマCVD法、塗布法、印刷法等により、無機化合物を用いて単層又は積層で形成する。無機化合物の代表例としては、珪素酸化物又は珪素窒化物が挙げられる。
【0154】
さらには、絶縁層1203を積層構造としても良い。例えば、無機化合物を用いて積層してもよく、代表的には、酸化珪素、窒化酸化珪素、及び酸化窒化珪素を積層して形成しても良い。
【0155】
薄膜トランジスタ1204は、ソース領域、ドレイン領域、及びチャネル形成領域を有する半導体層、ゲート絶縁層、並びにゲート電極で構成される。
【0156】
半導体層は、結晶構造を有する半導体で形成される層であり、非単結晶半導体若しくは単結晶半導体を用いることができる。特に、加熱処理により結晶化させた結晶性半導体、加熱処理とレーザ光の照射を組み合わせて結晶化させた結晶性半導体を適用することが好ましい。加熱処理においては、シリコン半導体の結晶化を助長する作用のあるニッケルなどの金属元素を用いた結晶化法を適用することができる。また、シリコン半導体の結晶化工程における加熱により、剥離層1202及び絶縁層1203の界面において、剥離層の表面を酸化して金属酸化物層を形成することが可能である。
【0157】
加熱処理に加えてレーザ光を照射して結晶化する場合には、連続発振レーザ光の照射若しくは繰り返し周波数が10MHz以上であって、パルス幅が1ナノ秒以下、好ましくは1乃至100ピコ秒である超短パルス光を照射することによって、結晶性半導体が溶融した溶融帯を、当該レーザ光の照射方向に連続的に移動させながら結晶化を行うことができる。このような結晶化法により、大粒径であって、結晶粒界が一方向に延びる結晶性半導体を得ることができる。キャリアのドリフト方向を、この結晶粒界が延びる方向に合わせることで、トランジスタにおける電界効果移動度を高めることができる。例えば、400cm2/V・sec以上を実現することができる。
【0158】
上記結晶化工程を、ガラス基板の耐熱温度(約600℃)以下の結晶化プロセスを用いる場合、大面積ガラス基板を用いることが可能である。このため、基板あたり大量の半導体装置を作製することが可能であり、低コスト化が可能である。
【0159】
また、ガラス基板の耐熱温度以上の加熱により、結晶化工程を行い、半導体層を形成してもよい。代表的には、絶縁表面を有する基板1201に石英基板を用い、非晶質若しくは微結晶質の半導体を700度以上で加熱して半導体層を形成する。この結果、結晶性の高い半導体を形成することが可能である。このため、応答速度や移動度などの特性が良好で、高速な動作が可能な薄膜トランジスタを提供することができる。
【0160】
ゲート絶縁層は、酸化シリコン及び酸化窒化シリコンなどの無機絶縁物で形成する。
【0161】
ゲート電極は金属又は一導電型の不純物を添加した多結晶半導体で形成することができる。金属を用いる場合は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)などを用いることができる。また、金属を窒化させた金属窒化物を用いることができる。或いは、当該金属窒化物からなる第1層と当該金属から成る第2層とを積層させた構造としても良い。積層構造とする場合には、第1層の端部が第2層の端部より外側に突き出した形状としても良い。このとき第1層を金属窒化物とすることで、バリアメタルとすることができる。すなわち、第2層の金属が、ゲート絶縁層やその下層の半導体層に拡散することを防ぐことができる。
【0162】
半導体層、ゲート絶縁層、ゲート電極などを組み合わせて構成される薄膜トランジスタは、シングルドレイン構造、LDD(低濃度ドレイン)構造、ゲートオーバーラップドレイン構造など各種構造を適用することができる。ここでは、シングルドレイン構造の薄膜トランジスタを示す。さらには、同電位のゲート電圧が印加されるトランジスタが直列に接続された形となるマルチゲート構造、半導体層の上下をゲート電極で挟むデュアルゲート構造、絶縁層1203上にゲート電極が形成され、ゲート電極上にゲート絶縁層、半導体層が形成される逆スタガ型薄膜トランジスタ等を適用することができる。
【0163】
ソース電極及びドレイン電極1206は、チタン(Ti)とアルミニウム(Al)の積層構造、モリブデン(Mo)とアルミニウム(Al)との積層構造など、アルミニウム(Al)のような低抵抗材料と、チタン(Ti)やモリブデン(Mo)などの高融点金属材料を用いたバリアメタルとの組み合わせで形成することが好ましい。
【0164】
層間絶縁層1205及び絶縁層1207は、ポリイミド、アクリル、またはシロキサンポリマーを用いて形成する。
【0165】
さらには、薄膜トランジスタ1204の代わりにスイッチング素子として機能し得る半導体素子であれば、どのような構成で設けてもよい。スイッチング素子の代表例としては、MIM(Metal−Insulator−Metal)、ダイオード等が挙げられる。
【0166】
次に、図9(B)に示すように、導電層1208上に導電層1211を形成する。ここでは、印刷法により金属粒子を有する組成物を印刷し、200℃で30分加熱して組成物を焼成して導電層1211を形成する。
【0167】
次に、図9(C)に示すように、絶縁層1207及び導電層1211の端部を覆う絶縁層1212を形成する。ここでは、エポキシ樹脂をスピンコート法により塗布し、160℃で30分加熱した後、導電層1211を覆う部分の絶縁層を除去して、導電層1211を露出する。ここでは、絶縁層1203から絶縁層1212までの積層体を素子形成層1210とする。
【0168】
次に、図9(D)に示すように、後の剥離工程を容易に行うために、レーザ光1213を絶縁層1203、1205、1207、1212に照射して、図9(E)に示すような開口部1214を形成する。開口部1214を形成するために照射するレーザ光としては、絶縁層1203、1205、1207、1212が吸収する波長を有するレーザ光が好ましい。代表的には、紫外領域、可視領域、又は赤外領域のレーザ光を適宜選択して照射する。
【0169】
このようなレーザ光を発振することが可能なレーザ発振器としては、ArF、KrF、XeCl等のエキシマレーザ発振器、He、He−Cd、Ar、He−Ne、HF、CO2等の気体レーザ発振器、YAG、GdVO4、YVO4、YLF、YAlO3などの結晶にCr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti又はTmをドープした結晶、ガラス、ルビー等の固体レーザ発振器、GaN、GaAs、GaAlAs、InGaAsP等の半導体レーザ発振器を用いることができる。なお、固体レーザ発振器においては、基本波〜第5高調波を適宜適用するのが好ましい。この結果、絶縁層1203、1205、1207、1212がレーザ光を吸収し溶融して開口部が形成される。
【0170】
なお、レーザ光を絶縁層1203、1205、1207、1212に照射する工程を省くことで、スループットを向上させることが可能である。
【0171】
次に、絶縁層1212に粘着剤1215を用いて支持体1216を貼りあわせる。
【0172】
粘着剤1215としては、剥離可能な粘着剤であり、代表的には紫外線により剥離する紫外線剥離型粘着剤、熱により剥離する熱剥離型粘着剤、水溶性粘着剤や両面粘着テープなどを用いることができる。ここでは、粘着剤1215として熱剥離型粘着剤を用いる。支持体1216は、ガラス基板、石英基板、金属基板、プラスチック基板、可撓性基板(PET、PES,ポリカーボネート、繊維質な材料からなる紙等)を適宜用いることができる。ここでは、支持体1216として、合成紙を用いる。
【0173】
なお、粘着剤1215、支持体1216、及び素子形成層1210との接着強度は、剥離層1202及び絶縁層1203との密着強度より高くなるように設定する。
【0174】
次に、図10(A)に示すように、剥離層1202及び絶縁層1203の界面に形成される金属酸化物層において、剥離層1202を有する基板1201及び素子形成層の一部1221を物理的手段により剥離する。物理的手段とは、力学的手段または機械的手段を指し、何らかの力学的エネルギー(機械的エネルギー)を変化させる手段を指している。物理的手段は、代表的には機械的な力を加えること(例えば人間の手や把治具で引き剥がす処理や、ローラーを支点としてローラーを回転させながら分離する処理)である。
【0175】
以上の剥離工程は、熱処理で収縮しない層と、熱処理で収縮する層と、その中間の層とを形成し、剥離工程の完了時または剥離工程中に熱処理を行うことにより、過ストレス状態を中間層又はその近傍領域で有せしめ、その後刺激を与えることにより中間層またはその近傍領域で剥離せしめることを特徴とする。
【0176】
本実施例において、熱処理で収縮しない層は剥離層1202であり、熱処理で収縮する層は絶縁層1203または絶縁層1212であり、熱処理で収縮しない層と熱処理で収縮する層との中間の層としては、剥離層1202及び絶縁層1203の界面に形成される金属酸化物層である。代表例として、剥離層1202としてタングステン層を用い、絶縁層1203として珪素酸化物又は珪素窒化物を用い、絶縁層1212としてエポキシ樹脂を用いると、非晶質珪素膜の結晶化や、不純物の活性化、水素出し等の加熱処理において、剥離層1202は収縮しないが、絶縁層1203または絶縁層1212は収縮し、さらに剥離層1202及び絶縁層1203の界面に酸化タングステン層(WOx、2≦x≦3)が形成される。酸化タングステン層は脆いため、上記物理的手段により分離されやすい。この結果、上記物理的手段により素子形成層の一部1221を基板1201から剥離することができる。
【0177】
なお、支持体1216が可撓性基板の場合、進行方向の前後に配置された一対のローラーを支持体1216の支点とし、素子形成層1210上に粘着剤1215を介して支持体1216を設け、支持体1216上を圧着ヘッドで押し付けることで、素子形成層1210に粘着剤1215を介して支持体1216を貼りつけることができる。次に、圧着ヘッドをはずしたのち、前側のローラーを徐々に引き上げ、一対のローラーに高低差を設ける。この結果、支持体1216がローラーを支点としているため、支持体1216及び素子形成層1210を、剥離層から徐々剥離することができる。
【0178】
本実施例においては、剥離層と絶縁層の間に金属酸化膜を形成し、当該金属酸化膜において物理的手段により、素子形成層1210を剥離する方法を用いたがこれに限られない。基板に透光性を有する基板を用い、剥離層に水素を含む非晶質珪素膜を用い、図9(E)の工程の後、基板側からのレーザ光を照射して非晶質珪素膜に含まれる水素を気化させて、基板と剥離層との間で剥離する方法を用いることができる。
【0179】
また、図9(E)の工程の後、基板を機械的に研磨し除去する方法や、HF等の基板を溶解する溶液を用いて基板を除去する方法を用いることができる。この場合、剥離層を形成しなくともよい。
【0180】
また、図9(E)において、粘着剤1215を用いて支持体1216を絶縁層1212に貼りあわせる前に、開口部1214にNF3、BrF3、ClF3等のフッ化ハロゲンガスを導入し、剥離層をフッ化ハロゲンガスでエッチングし除去した後、絶縁層1212に粘着剤1215を用いて支持体1216を貼りあわせて、基板から素子形成層1210を剥離する方法を用いることができる。
【0181】
また、図9(E)において、粘着剤1215を用いて支持体1216を絶縁層1212に貼りあわせる前に、開口部1214にNF3、BrF3、ClF3等のフッ化ハロゲンガスを導入し、剥離層の一部をフッ化ハロゲンガスでエッチングし除去した後、絶縁層1212に粘着剤1215を用いて支持体1216を貼りあわせて、基板から素子形成層1210を物理的手段により剥離する方法を用いることができる。
【0182】
次に、図10(B)に示すように、素子形成層の一部1221の絶縁層1203に、可撓性基板1222を貼り付ける。可撓性基板1222としては、実施の形態1で列挙した基板111を適宜用いることができる。
【0183】
絶縁層1203に、可撓性基板1222を貼り付ける方法としては、接着剤を用いて可撓性基板1222を絶縁層1203に貼り合わせる方法や、可撓性基板1222を加熱して、可撓性基板1222の一部を溶融させた後、冷却させて、可撓性基板1222を絶縁層1203に貼り合わせる方法がある。なお、絶縁層1203と可撓性基板1222との接着強度は、粘着剤1215、支持体1216と素子形成層1210との接着強度より高くなるように設定する。接着剤を用いて可撓性基板1222を絶縁層1203に貼り合わせる場合は、接着剤の接着力は、粘着剤1215より高い材料を適宜選択する。ここでは、接着剤1223を用いて、絶縁層1203に可撓性基板1222を貼り付ける。次に、粘着剤1215を用いて支持体1216を素子形成層の一部1221から剥す。ここでは、熱を加えて粘着剤1215を素子形成層の一部1221から剥す。
【0184】
次に、図10(C)に示すように、可撓性基板1222をダイシングフレーム1232のUVテープ1231に貼り合わせる。UVテープ1231は粘着性を有するため、UVテープ1231上に可撓性基板1222が固定される。この後、導電層1211にレーザ光を照射して、導電層1211と導電層1208の間の密着性を高めてもよい。
【0185】
次に、導電層1211上に接続端子1233を形成する。接続端子1233を形成することで、後にアンテナとして機能する導電層との位置合わせ及び接着を容易に行うことが可能である。
【0186】
次に、図10(D)に示すように、素子形成層の一部1221、可撓性基板1222、第2の接着剤1223を分断する。ここでは、素子形成層の一部1221及び可撓性基板1222にレーザ光1234を照射して、図10(D)に示すような溝1241を形成して、素子形成層の一部1221を複数に分断する。レーザ光1234は、レーザ光1213に記載のレーザ光を適宜選択して適用することができる。ここでは、絶縁層1203、1205、1207、1212及び可撓性基板1222が吸収可能なレーザ光を選択することが好ましい。なお、ここでは、レーザカット法を用いて素子形成層の一部を複数に分断したが、この方法の代わりにダイシング法、スクライビング法等を適宜用いることができる。なお、可撓性基板1222に繊維質の紙を用いる場合、ダイシング法で素子形成層を分断するときに水を用いず、ガスを切断部に吹きかけて、切断屑を吹き飛ばすことが好ましい。この結果、素子形成層と紙とが剥れることを防止することができる。さらに、湿度の高いガスを切断部に吹きかけながらダイシングを行うことで、素子形成層に静電気が帯電するのを防止することができる。この結果分断された素子形成層を半導体集積回路1242a、1242bと示す。
【0187】
次に、UVテープ1231にエキスパンダ枠1244を貼り付けた後、ダイシングフレーム1232をUVテープ1231からはずす。このとき、エキスパンダ枠1244をUVテープ1231を伸ばしながら貼り付けることで、半導体集積回路1242a、1242bの間に形成された溝1241の幅を拡大することができる。
【0188】
次に、エキスパンダ枠1244のUVテープ1231にUV光を照射して、UVシートの粘着力を低下させる。次に、図6に示す半導体装置の製造装置を用いて、半導体集積回路1242a、1242bが搭載されたエキスパンダ枠1244を、支持手段であるロボットアームで固定する。次に、UVテープ1231から治具の持着部204で半導体集積回路1242a、1242bをピックアップする(図11(A)参照。)。
【0189】
次に、図6に示す半導体装置の製造装置のフリップチップ手段を用いて、持着部204から半導体集積回路1242a、1242bをフリップチップ手段の持着部273に持着させる(図11(B)参照。)
【0190】
次に、図11(C)に示すように、半導体集積回路1242a、1242bがアンテナ209a、209bごとに対向するように、制御手段を用いてフィリップチップ手段の持着部273を移動させる。
【0191】
次に、図6に示す半導体装置の製造装置の持着部273を有するフリップチップ手段及びローラー206を反対方向に回転させて、図12(A)に示すように、アンテナ209a、209bを有する可撓性基板208と、半導体集積回路1242a、1242bとを異方性導電フィルム210を用いて貼り合わせる。このとき、アンテナ209a、209bと半導体集積回路1242a、1242bの接続端子1233とが、異方性導電フィルム210に含まれる導電性粒子と接続されるように、貼りあわせる。
【0192】
次に、図12(B)に示すように、アンテナ209a、209bと、半導体集積回路1242a、1242bとが形成されない領域において、可撓性基板208を分断する。分断方法としては、レーザカット法、ダイシング法、スクライビング法等を適宜用いることができる。ここでは、異方性導電フィルム210及び可撓性基板208にレーザ光1251を照射するレーザカット法により分断を行う。
【0193】
以上の工程により、非接触でデータの伝送が可能な半導体装置1252a、1252bを作製することができる。
【0194】
以上の工程により、薄型化で軽量な半導体装置を歩留まり高く作製することが可能である。
【実施例2】
【0195】
実施例では、非接触でデータの伝送が可能な半導体装置の構成について、図14を参照して説明する。
【0196】
本実施例の半導体装置は、大別して、アンテナ部2001、電源部2002、ロジック部2003から構成される。
【0197】
アンテナ部2001は、外部信号の受信とデータの送信を行うためのアンテナ2011からなる。また、半導体装置における信号の伝送方式は、電磁結合方式、電磁誘導方式またはマイクロ波方式等を用いることができる。
【0198】
電源部2002は、アンテナ2011を介して外部から受信した信号により電源を作る整流回路2021と、作りだした電源を保持するための保持容量2022と、各回路に供給する一定電圧を作り出す定電圧回路2023からなる。
【0199】
ロジック部2003は、受信した信号を復調する復調回路2031と、クロック信号を生成するクロック生成・補正回路2032と、コード認識及び判定回路2033と、メモリからデータを読み出すための信号を受信信号により作り出すメモリコントローラ2034と、符号化した信号を受信信号にのせるための変調回路2035と、読み出したデータを符号化する符号化回路2037と、データを保持するメモリ2038からなる。なお、変調回路2035は変調用抵抗2036を有する。
【0200】
メモリ2038は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、FERAM(Ferroelectric Random Access Memory)、マスクROM(Mask Read Only Memory)、EPROM(Electrically Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、有機メモリなどを適宜選択する。ここでは、メモリ2038として、マスクROM2039、及び有機メモリで構成される追記メモリ2040を示す。
【0201】
コード認識及び判定回路2033が認識・判定するコードは、フレーム終了信号(EOF、end of Frame)、フレーム開始信号(SOF、start of Frame)、フラグ、コマンドコード、マスク長(mask length)、マスク値(mask value)等である。また、各コード認識及び判定回路2033は、送信エラーを識別する巡回冗長検査(CRC、cyclic redundancy check)機能も含む。
【実施例3】
【0202】
上記実施例に示される非接触でデータの伝送が可能な半導体装置の用途は広範にわたるが、例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類(運転免許証や住民票等、図15(A)参照)、包装用容器類(包装紙やボトル等、図15(C)参照)、記録媒体(DVDソフトやビデオテープ等、図15(B)参照)、乗物類(自転車等、図15(D)参照)、身の回り品(鞄や眼鏡等)、食品類、衣類、生活用品類、電子機器等の商品や荷物の荷札(図15(E)、図15(F)参照)等の物品に設けて使用することができる。電子機器とは、液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置(単にテレビ、テレビ受像機、テレビジョン受像機とも呼ぶ)及び携帯電話等を指す。また、植物類、動物類、人体等に用いることが出来る。
【0203】
本実施例の半導体装置9210は、プリント基板への実装、表面に貼付け、埋め込み等により、物品に固定される。例えば、本なら紙に埋め込んだり、有機樹脂からなるパッケージなら当該有機樹脂に埋め込んだりして、各物品に固定される。本実施例の半導体装置9210は、小型、薄型、軽量を実現するため、物品に固定した後も、その物品自体のデザイン性を損なうことがない。また、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類等に本実施例の半導体装置9210を設けることにより、認証機能を設けることができ、この認証機能を活用すれば、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、電子機器等に本実施例の半導体装置9210を設けることにより、検品システム等のシステムの効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0204】
【図1】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図2】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図3】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図4】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図5】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図6】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図7】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図8】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図9】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図10】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図11】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図12】本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
【図13】本発明に適用可能なアンテナの形状を説明する上面図である。
【図14】本発明の半導体装置を説明する図である。
【図15】本発明の半導体装置の応用例を説明する図である。
【図16】本発明の半導体装置の製造装置の制御部の一部を説明する断面図である。
【図17】本発明の半導体装置の製造装置の制御部の一部を説明する断面図である。
【図18】本発明の半導体装置の製造装置を説明する斜視図である。
【図19】本発明の半導体装置の製造装置を説明する斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の半導体集積回路が設けられる第1の支持手段と、
前記複数の半導体集積回路を持着する複数の持着部と、
前記複数の持着部が列置された治具と、
前記複数の持着部の間隔を制御する制御手段と、
複数の素子を有する基板が設けられる第2の支持手段と、を有し、
前記治具は、前記第1の支持手段に設けられる前記複数の半導体集積回路を前記複数の持着部によりピックアップした後、前記第2の支持手段に設けられる基板上の複数の素子に前記複数の半導体集積回路を実装することを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項2】
請求項1において、前記制御手段は、前記複数の素子の接続端子と、前記複数の半導体集積回路の接続端子とが対向するように、前記列置される複数の持着部を移動させることを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項3】
請求項1または2において、前記第1の支持手段及び前記第2の支持手段は、ステージ、ベルトコンベヤー、またはロボットアームであることを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項において、前記第1の支持手段はステージ、ベルトコンベヤー、またはロボットアームであり、前記第2の支持手段は、前記複数の素子を有する可撓性基板を供給するロール及び前記複数の素子を有する前記可撓性基板を巻き取るロールであることを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項において、前記複数の持着部は直線状に列置されていることを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項6】
複数の半導体集積回路が設けられる支持手段と、
前記複数の半導体集積回路を持着する複数の持着部と、
前記複数の持着部が列置される第1のローラーと、
前記複数の持着部の間隔を制御する制御手段と、
複数の素子を有する可撓性基板を供給する第2のローラーと、前記複数の素子を有する前記可撓性基板の移動を制御する第3のローラーと、前記複数の素子を有する前記可撓性基板を巻き取る第4のローラーと、を有し、
前記第1のローラーは、前記支持手段に設けられる前記複数の半導体集積回路を前記複数の持着部によりピックアップした後、前記第2のローラーを用いて前記複数の素子に前記複数の半導体集積回路を実装することを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項7】
複数の半導体集積回路が設けられる支持手段と、
前記複数の半導体集積回路を持着する複数の持着部と、
前記複数の持着部が列置される第1のローラーと、
前記複数の持着部の間隔を制御する制御手段と、
複数の素子を有する可撓性基板を供給する第2のローラーと、
前記複数の素子を有する前記可撓性基板の移動を制御する第3のローラーと、
前記複数の素子を有する前記可撓性基板を切断する手段と、を有し、
前記第1のローラーは、前記支持手段に設けられる前記複数の半導体集積回路を前記複数の持着部によりピックアップした後、前記第2のローラーを用いて複数の前記素子に前記複数の半導体集積回路を実装し、
前記切断する手段は、前記複数の半導体集積回路が実装された前記複数の素子を有する前記可撓性基板を切断することを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項8】
複数の半導体集積回路が設けられる支持手段と、
前記複数の半導体集積回路を持着する複数の持着部と、
前記複数の持着部が列置される第1のローラーと、
前記複数の持着部の間隔を制御する制御手段と、
複数の素子を有する第1の可撓性基板を供給する第2のローラーと、
前記複数の素子を有する前記第1の可撓性基板の移動を制御する第3のローラーと、
第2の可撓性基板を供給する第4のローラーと、
前記複数の素子を有する前記第1の可撓性基板、前記複数の半導体集積回路、及び前記第2の可撓性基板を貼り合わせる一対の第5及び第6のローラーと、を有し、
前記第1のローラーは、前記支持手段に設けられる前記複数の半導体集積回路を前記複数の持着部によりピックアップした後、前記第2のローラーを用いて前記複数の素子に前記複数の半導体集積回路を実装し、
前記一対の第5及び第6のローラーは、前記複数の半導体集積回路が実装された前記複数の素子を有する前記第1の可撓性基板に前記第2の可撓性基板を貼りあわせることを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれか一項において、前記第1のローラーには、2n組の持着部を有することを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項10】
請求項6乃至8のいずれか一項において、前記第1のローラーには、(2n+1)組の持着部を有することを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項11】
請求項6乃至10のいずれか一項において、前記複数の持着部は直線状に列置されていることを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項12】
複数の半導体集積回路が設けられる支持手段と、
前記複数の半導体集積回路を持着する複数の第1の持着部と、
前記複数の第1の持着部が列置される第1のローラーと、
前記複数の第1の持着部の間隔を制御する制御手段と、
前記複数の第1の持着部から前記複数の半導体集積回路を持着する複数の第2の持着部と、
前記複数の第2の持着部が列置される第2のローラーと、
複数の素子を有する可撓性基板を供給する第3のローラーと、前記複数の素子を有する前記可撓性基板の移動を制御する第4のローラーと、前記複数の素子を有する前記可撓性基板を巻き取る第5のローラーと、を有し、
前記第2のローラーは、前記複数の第1の持着部で持着した前記複数の半導体集積回路を前記複数の第2の持着部により持着した後、前記第4のローラーを用いて前記複数の前記複数の素子に前記複数の半導体集積回路を実装することを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項13】
請求項12において、前記第1のローラー及び前記第2のローラーは、それぞれ2n組の第1の持着部及び2n組の第2の持着部を有することを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項14】
請求項12において、前記第1のローラー及び前記第2のローラーは、それぞれ(2n+1)組の第1の持着部、及び(2n+1)組の第2の持着部を有することを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項15】
請求項12乃至14のいずれか一項において、前記複数の第1の持着部及び前記第2の持着部はそれぞれ直線状に列置されていることを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれか一項において、前記素子は、アンテナ、半導体集積回路、及びセンサの一つ以上を含むことを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項17】
第1の支持手段上に複数の半導体集積回路を設置し、
前記第1の支持手段から治具に列置された複数の持着部を用いて前記複数の半導体集積回路をピックアップし、
前記列置された複数の持着部の間隔を制御する制御手段により、第2の支持手段上に設けられた基板上の複数の素子の接続端子に前記複数の半導体集積回路の接続端子が対向するように前記複数の持着部の間隔を制御し、
前記複数の半導体集積回路の接続端子及び前記複数の素子の接続端子を接続させることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項18】
支持手段上に複数の半導体集積回路を設置し、
ローラーに列置された複数の持着部を用いて前記複数半導体集積回路をピックアップし、
複数の素子を有する可撓性基板を供給するローラー、前記複数の素子を有する前記可撓性基板の移動を制御するローラー、及び前記複数の素子を有する可撓性基板を回収するローラーを回転させて、前記複数の素子を有する前記可撓性基板を移動させ、
前記複数の持着部が列置されたローラーを回転させて、前記複数の半導体集積回路及び前記複数の素子を有する前記可撓性基板を対向させ、
前記複数の持着部の間隔を制御する制御手段により、前記可撓性基板の前記複数の素子の接続端子に、前記複数の半導体集積回路の接続端子が対向するように前記持着部の間隔を制御し、
前記複数の素子を有する前記可撓性基板の移動を制御する前記ローラー及び前記複数の持着部が列置されたローラーを用いて、前記複数の半導体集積回路の接続端子及び前記複数の素子の接続端子を接続させることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項19】
請求項18において、前記複数の素子を有する前記可撓性基板の移動を制御するローラー及び前記複数の持着部が列置されたローラーを用いて、前記複数の半導体集積回路の接続端子及び前記複数の素子の接続端子を接続させた後、切断手段により前記可撓性基板を切断することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項20】
請求項18において、前記複数の素子を有する前記可撓性基板の移動を制御するローラー及び前記複数の持着部が列置されたローラーを用いて、前記複数の半導体集積回路の接続端子及び前記複数の素子の接続端子を接続させた後、一対のローラーを用いて前記複数の半導体集積回路及び複数の素子の表面に可撓性基板を貼り合わせることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項21】
請求項18において、前記複数の素子を有する前記可撓性基板の移動を制御するローラー及び前記複数の持着部が列置されたローラーを用いて、前記複数の半導体集積回路の接続端子及び前記複数の素子の接続端子を接続させた後、一対のローラーを用いて前記複数の半導体集積回路及び複数の素子の表面に可撓性基板を貼り合せ、切断手段により前記素子を有する可撓性基板及び前記可撓性基板を切断することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項22】
請求項17乃至21のいずれか一項において、前記素子は、アンテナ、半導体集積回路、またはセンサから選ばれる一つ以上を含むことを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項1】
複数の半導体集積回路が設けられる第1の支持手段と、
前記複数の半導体集積回路を持着する複数の持着部と、
前記複数の持着部が列置された治具と、
前記複数の持着部の間隔を制御する制御手段と、
複数の素子を有する基板が設けられる第2の支持手段と、を有し、
前記治具は、前記第1の支持手段に設けられる前記複数の半導体集積回路を前記複数の持着部によりピックアップした後、前記第2の支持手段に設けられる基板上の複数の素子に前記複数の半導体集積回路を実装することを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項2】
請求項1において、前記制御手段は、前記複数の素子の接続端子と、前記複数の半導体集積回路の接続端子とが対向するように、前記列置される複数の持着部を移動させることを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項3】
請求項1または2において、前記第1の支持手段及び前記第2の支持手段は、ステージ、ベルトコンベヤー、またはロボットアームであることを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項において、前記第1の支持手段はステージ、ベルトコンベヤー、またはロボットアームであり、前記第2の支持手段は、前記複数の素子を有する可撓性基板を供給するロール及び前記複数の素子を有する前記可撓性基板を巻き取るロールであることを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項において、前記複数の持着部は直線状に列置されていることを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項6】
複数の半導体集積回路が設けられる支持手段と、
前記複数の半導体集積回路を持着する複数の持着部と、
前記複数の持着部が列置される第1のローラーと、
前記複数の持着部の間隔を制御する制御手段と、
複数の素子を有する可撓性基板を供給する第2のローラーと、前記複数の素子を有する前記可撓性基板の移動を制御する第3のローラーと、前記複数の素子を有する前記可撓性基板を巻き取る第4のローラーと、を有し、
前記第1のローラーは、前記支持手段に設けられる前記複数の半導体集積回路を前記複数の持着部によりピックアップした後、前記第2のローラーを用いて前記複数の素子に前記複数の半導体集積回路を実装することを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項7】
複数の半導体集積回路が設けられる支持手段と、
前記複数の半導体集積回路を持着する複数の持着部と、
前記複数の持着部が列置される第1のローラーと、
前記複数の持着部の間隔を制御する制御手段と、
複数の素子を有する可撓性基板を供給する第2のローラーと、
前記複数の素子を有する前記可撓性基板の移動を制御する第3のローラーと、
前記複数の素子を有する前記可撓性基板を切断する手段と、を有し、
前記第1のローラーは、前記支持手段に設けられる前記複数の半導体集積回路を前記複数の持着部によりピックアップした後、前記第2のローラーを用いて複数の前記素子に前記複数の半導体集積回路を実装し、
前記切断する手段は、前記複数の半導体集積回路が実装された前記複数の素子を有する前記可撓性基板を切断することを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項8】
複数の半導体集積回路が設けられる支持手段と、
前記複数の半導体集積回路を持着する複数の持着部と、
前記複数の持着部が列置される第1のローラーと、
前記複数の持着部の間隔を制御する制御手段と、
複数の素子を有する第1の可撓性基板を供給する第2のローラーと、
前記複数の素子を有する前記第1の可撓性基板の移動を制御する第3のローラーと、
第2の可撓性基板を供給する第4のローラーと、
前記複数の素子を有する前記第1の可撓性基板、前記複数の半導体集積回路、及び前記第2の可撓性基板を貼り合わせる一対の第5及び第6のローラーと、を有し、
前記第1のローラーは、前記支持手段に設けられる前記複数の半導体集積回路を前記複数の持着部によりピックアップした後、前記第2のローラーを用いて前記複数の素子に前記複数の半導体集積回路を実装し、
前記一対の第5及び第6のローラーは、前記複数の半導体集積回路が実装された前記複数の素子を有する前記第1の可撓性基板に前記第2の可撓性基板を貼りあわせることを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれか一項において、前記第1のローラーには、2n組の持着部を有することを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項10】
請求項6乃至8のいずれか一項において、前記第1のローラーには、(2n+1)組の持着部を有することを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項11】
請求項6乃至10のいずれか一項において、前記複数の持着部は直線状に列置されていることを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項12】
複数の半導体集積回路が設けられる支持手段と、
前記複数の半導体集積回路を持着する複数の第1の持着部と、
前記複数の第1の持着部が列置される第1のローラーと、
前記複数の第1の持着部の間隔を制御する制御手段と、
前記複数の第1の持着部から前記複数の半導体集積回路を持着する複数の第2の持着部と、
前記複数の第2の持着部が列置される第2のローラーと、
複数の素子を有する可撓性基板を供給する第3のローラーと、前記複数の素子を有する前記可撓性基板の移動を制御する第4のローラーと、前記複数の素子を有する前記可撓性基板を巻き取る第5のローラーと、を有し、
前記第2のローラーは、前記複数の第1の持着部で持着した前記複数の半導体集積回路を前記複数の第2の持着部により持着した後、前記第4のローラーを用いて前記複数の前記複数の素子に前記複数の半導体集積回路を実装することを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項13】
請求項12において、前記第1のローラー及び前記第2のローラーは、それぞれ2n組の第1の持着部及び2n組の第2の持着部を有することを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項14】
請求項12において、前記第1のローラー及び前記第2のローラーは、それぞれ(2n+1)組の第1の持着部、及び(2n+1)組の第2の持着部を有することを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項15】
請求項12乃至14のいずれか一項において、前記複数の第1の持着部及び前記第2の持着部はそれぞれ直線状に列置されていることを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれか一項において、前記素子は、アンテナ、半導体集積回路、及びセンサの一つ以上を含むことを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項17】
第1の支持手段上に複数の半導体集積回路を設置し、
前記第1の支持手段から治具に列置された複数の持着部を用いて前記複数の半導体集積回路をピックアップし、
前記列置された複数の持着部の間隔を制御する制御手段により、第2の支持手段上に設けられた基板上の複数の素子の接続端子に前記複数の半導体集積回路の接続端子が対向するように前記複数の持着部の間隔を制御し、
前記複数の半導体集積回路の接続端子及び前記複数の素子の接続端子を接続させることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項18】
支持手段上に複数の半導体集積回路を設置し、
ローラーに列置された複数の持着部を用いて前記複数半導体集積回路をピックアップし、
複数の素子を有する可撓性基板を供給するローラー、前記複数の素子を有する前記可撓性基板の移動を制御するローラー、及び前記複数の素子を有する可撓性基板を回収するローラーを回転させて、前記複数の素子を有する前記可撓性基板を移動させ、
前記複数の持着部が列置されたローラーを回転させて、前記複数の半導体集積回路及び前記複数の素子を有する前記可撓性基板を対向させ、
前記複数の持着部の間隔を制御する制御手段により、前記可撓性基板の前記複数の素子の接続端子に、前記複数の半導体集積回路の接続端子が対向するように前記持着部の間隔を制御し、
前記複数の素子を有する前記可撓性基板の移動を制御する前記ローラー及び前記複数の持着部が列置されたローラーを用いて、前記複数の半導体集積回路の接続端子及び前記複数の素子の接続端子を接続させることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項19】
請求項18において、前記複数の素子を有する前記可撓性基板の移動を制御するローラー及び前記複数の持着部が列置されたローラーを用いて、前記複数の半導体集積回路の接続端子及び前記複数の素子の接続端子を接続させた後、切断手段により前記可撓性基板を切断することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項20】
請求項18において、前記複数の素子を有する前記可撓性基板の移動を制御するローラー及び前記複数の持着部が列置されたローラーを用いて、前記複数の半導体集積回路の接続端子及び前記複数の素子の接続端子を接続させた後、一対のローラーを用いて前記複数の半導体集積回路及び複数の素子の表面に可撓性基板を貼り合わせることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項21】
請求項18において、前記複数の素子を有する前記可撓性基板の移動を制御するローラー及び前記複数の持着部が列置されたローラーを用いて、前記複数の半導体集積回路の接続端子及び前記複数の素子の接続端子を接続させた後、一対のローラーを用いて前記複数の半導体集積回路及び複数の素子の表面に可撓性基板を貼り合せ、切断手段により前記素子を有する可撓性基板及び前記可撓性基板を切断することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項22】
請求項17乃至21のいずれか一項において、前記素子は、アンテナ、半導体集積回路、またはセンサから選ばれる一つ以上を含むことを特徴とする半導体装置の作製方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2007−235114(P2007−235114A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−19166(P2007−19166)
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】
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