説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】ゲート絶縁膜として高誘電体膜を使用すると、半導体装置の微細化を図ることができるが、半導体装置の性能低下を招来する場合があった。
【解決手段】半導体装置では、半導体基板101の上面上に、界面酸化層102、ゲート絶縁膜104及びゲート電極107が順に設けられている。ゲート絶縁膜104は、第1の高誘電体膜103と第2の高誘電体膜105とを有している。第1の高誘電体膜103は、界面酸化層102の上に設けられ、窒素を含有している。第2の高誘電体膜105は、第1の高誘電体膜103の上に設けられ、窒素を含有している。第1の高誘電体膜103における窒素濃度は、第2の高誘電体膜105における窒素濃度よりも低い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、詳細には高誘電体膜をゲート絶縁膜とする半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
MOSFET(metal oxide semiconductor field-effect transistor)の高速化に伴い、電界一定スケーリング則に従ってトランジスタの微細化が進行している。MOSFETの性能は、電流駆動能力Gmで表すことができ、キャリア移動度μ、ゲート幅W及びキャパシタ(ゲート電極、ゲート絶縁膜及びシリコン基板からなる)の静電容量Coxに比例し、ゲート長Lに反比例する。また、キャパシタの静電容量Coxは、Cox=ε・ε・(S/d)(ε:真空の誘電率、ε:ゲート絶縁膜の比誘電率、S:ゲート面積、d:ゲート絶縁膜の膜厚)で表される。よって、ゲート絶縁膜の膜厚dを薄くすれば、又は、ゲート長Lを短くすれば、MOSFETの性能を向上させることができる。従って、MOSFETの高性能化を実現させるために、シリコン酸化膜及びシリコン酸窒化膜等からなるゲート絶縁膜が薄膜化されており、ポリシリコン等からなるゲート電極のゲート長が短縮化されている。
【0003】
しかし、MOSFETの高性能化には、以下の様な課題がある。ゲート絶縁膜の膜厚を2nm以下まで薄くすると、直接トンネル電流が増加するので、ゲート電圧印加時におけるゲート絶縁膜の絶縁耐性が著しく劣化する。そのため、MOSFETの消費電力が増加する。このように、ゲート絶縁膜の膜厚を薄くすると、MOSFETの高性能化及び低消費電力化を図ることが難しい。
【0004】
ここで、上述のように、キャパシタの静電容量CoxはCox=ε・ε・(S/d)で表される。よって、ゲート絶縁膜として従来のシリコン酸化膜(ε:3.9)及びシリコン酸窒化膜(ε:3.9〜7)よりも比誘電率の大きな高誘電率ゲート絶縁膜(High−k膜)を用いれば、実効ゲート容量を維持しつつゲート絶縁膜の物理的膜厚を厚くすることができるので、直接トンネル電流を抑制することができる。
【0005】
High−k膜としては、ハフニウム酸化膜(HfO膜)、ジリコニウム酸化膜(ZrO膜)、アルミナ膜(Al3膜)及び希土類金属酸化物からなる膜等が注目されており、さらには、これらのシリケート膜及びアルミネート膜が注目されている。その中でも、HfO膜及びHfSiO膜は、比誘電率が比較的高く、バンドギャップが5eV以上であり、シリコン基板との電子障壁高さが高いことから、次世代の高誘電率ゲート絶縁膜として最も有力である。
【0006】
更に、MOSFETの微細化に伴い、ポリシリコンからなるゲート電極の空乏化を無視することができず、よって、ゲート容量の増加を図ることが難しい。そこで、ゲート電極として、ポリシリコン電極からメタル電極(空乏層による影響が無視できる)への置換が図られている。このように、次世代のゲート構造としては、High−k膜の上にメタル電極が形成された構造が有力である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−031760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一般に、High−k膜は、低温で成膜される。そのため、HfO膜及びHfSiO膜が成膜されると、酸素及び窒素雰囲気中において高温熱処理(PDA,PDAはpost-deposition annealの略語)が行われる。この高温熱処理により、High−k膜を緻密化させることができ、また、High−k膜における酸素欠損を補償することができる。
【0009】
しかし、この高温熱処理時に、High−k膜の結晶化又はHigh−k膜における相分離の発生などの問題が招来する。この問題は、ゲート電極に打ち込まれたボロン又はリンを活性化させるときに行う高速熱処理時においても、起こりうる。High−k膜の結晶化又はHigh−k膜における相分離が進行すると、High−k膜中に存在する結晶粒界を介してリーク電流が流れる虞があり、また、ゲート絶縁膜における比誘電率の不均一に起因してゲート絶縁膜の静電容量にばらつきが生じる。このような不具合を解消させる手段としてHigh−k膜に窒素を混入させるという手段が知られており、これにより、High−k膜の熱安定性を向上させることができる。
【0010】
ところが、High−k膜の窒化時に、その窒素原子は、High−k膜内から半導体基板との界面まで到達し、半導体基板を構成する半導体(多くの場合シリコン)と結合する。このことは、半導体基板に対して熱処理を行った場合にも起こり得る。そのため、半導体基板とHigh−k膜との界面における欠陥密度の増大、High−k膜中に存在する固定電荷による閾値電圧の変動及びキャリア移動度の劣化等が招来する。つまり、MOSFETの特性劣化を招来する。
【0011】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ゲート絶縁膜としてHigh−k膜を用いた半導体装置及びその製造方法において、半導体装置の性能劣化を伴うことなく装置の微細化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の半導体装置では、半導体基板の上面上に、界面酸化層、ゲート絶縁膜及びゲート電極が順に設けられている。ゲート絶縁膜は、界面酸化層の上に設けられた第1の高誘電体膜と、第1の高誘電体膜の上に設けられた第2の高誘電体膜とを有している。第1及び第2の高誘電体膜は窒素を含有しており、第1の高誘電体膜における窒素濃度は第2の高誘電体膜における窒素濃度よりも低い。
【0013】
このような半導体装置では、第1の高誘電体膜を備えていない半導体装置に比べて、窒素が半導体基板と界面酸化層との界面まで拡散することを防止できる。
【0014】
また、このような半導体装置では、第2の高誘電体膜を備えていない半導体装置に比べて、熱処理時における高誘電体膜の結晶化及び相分離を抑制することができる。
【0015】
本発明の半導体装置では、第1の高誘電体膜はハフニウムと酸素とを含有していることが好ましく、第2の高誘電体膜はハフニウムと酸素とを含有していることが好ましい。そして、第1の高誘電体膜におけるハフニウムに対する酸素の原子比をaとし第2の高誘電体膜におけるハフニウムに対する酸素の原子比をbとしたとき、b/a≦1であることが好ましい。これにより、比較的簡便な手法を用いて、第1の高誘電体膜における窒素濃度を第2の高誘電体膜における窒素濃度よりも低くすることができる。
【0016】
後述の好ましい実施形態では、第1の高誘電体膜は、ハフニウムとは異なる第1の金属を含有している。第2の高誘電体膜は、ハフニウムとは異なる第2の金属を含有している。第1及び第2の金属は、Al、La、Zr、Ti、Ta、Mg、Ge及びYの少なくとも1つである。
【0017】
本発明の半導体装置の製造方法では、半導体基板の上面上に、界面酸化層、ゲート絶縁膜及びゲート電極を順に設ける。このとき、ゲート絶縁膜を設ける工程では、界面酸化層の上に第1及び第2の高誘電体材料膜を順に設けた後、第1の高誘電体材料膜に窒素を混入して第1の高誘電体膜を形成し、第2の高誘電体材料膜に窒素を混入して第1の高誘電体膜よりも窒素濃度が高い第2の高誘電体膜を形成する。
【0018】
本発明の半導体装置の製造方法では、ハフニウムを含む第1のガスと酸素を含む第1の酸化剤とを用いて第1の高誘電体材料膜を形成することが好ましく、ハフニウムを含む第2のガスと酸素を含む第2の酸化剤とを用いて第2の高誘電体材料膜を形成することが好ましい。このとき、第1の高誘電体材料膜におけるハフニウムに対する酸素の原子比をaとし第2の高誘電体材料膜におけるハフニウムに対する酸素の原子比をbとしたときにb/a≦1となるように、第1の高誘電体材料膜及び第2の高誘電体材料膜を形成することが好ましい。これにより、第1の高誘電体材料膜における酸素濃度を第2の高誘電体材料膜における酸素濃度よりも高くすることができる。よって、第1の高誘電体材料膜に混入される窒素量を第2の高誘電体材料膜に混入される窒素量よりも少なくすることができる。
【0019】
本発明の半導体装置の製造方法では、第1の高誘電体材料膜を形成する工程では、界面酸化層の上面上に第1のガスを第1の時間供給する工程と、界面酸化層の上面上に第1の酸化剤を第2の時間供給する工程とを繰り返し行えば良く、第2の高誘電体材料膜を形成する工程では、第1の高誘電体材料膜の上面上に第2のガスを第3の時間供給する工程と、第1の高誘電体材料膜の上面上に第2の酸化剤を第4の時間供給する工程とを繰り返し行えば良い。このとき、b/a≦1とするためには次に示す2つの方法のうちの何れか1つを選択すれば良い。1つ目の方法では、第1のガスを第2のガスと同一のガスとし、第1の酸化剤を第2の酸化剤と同一の酸化剤とし、第2の時間を第4の時間よりも長くする。2つ目の方法では、第1のガスとしてテトラキスジメチルアミノハフニウムを用い、第1の酸化剤としてオゾンを用い、第2のガスとしてテトラクロロハフニウムを用い、第2の酸化剤として水を用いる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、半導体装置の性能劣化を伴うことなく半導体装置の微細化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】(a)、(c)及び(e)は、それぞれ、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の断面図であり、(b)、(d)及び(f)は、それぞれ、(a)、(c)及び(e)に示す半導体装置における窒素濃度プロファイルを示すグラフ図である。
【図2】(a)〜(e)は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図3】HfSiO膜の膜厚とHfSiO膜中におけるO/Hf原子比との関係を示すグラフ図である。
【図4】HfSiO膜の膜厚とHfSiO膜中における窒素濃度との関係を示すグラフ図である。
【図5】シリコン酸化膜換算膜厚とリーク電流Jgとの関係を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されない。
【0023】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る半導体製造装置及びその製造方法について、図面を参照しながら説明する。
【0024】
図1(a)、(c)及び(e)は、それぞれ、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の断面図であり、図1(b)、(d)及び(f)は、それぞれ、図1(a)、(c)及び(e)に示す半導体装置における窒素濃度プロファイルを示すグラフ図である。
【0025】
図1(a)、(c)及び(e)に示すように、本実施形態に係る半導体装置では、シリコン等からなる半導体基板101の上面上に、界面酸化層102、ゲート絶縁膜104及びゲート電極107がこの順に設けられている。
【0026】
界面酸化層102は、シリコン酸化膜又はシリコン酸窒化膜であり、1.5nm以下の膜厚を有している。ゲート電極107は、メタルゲート電極106とポリシリコン電極108とで構成されている。メタルゲート電極106は、ゲート絶縁膜104の上面上に設けられており、例えばTiN、TiAlN、TaC又はTaCNからなる。ポリシリコン電極108は、メタルゲート電極106の上面上に設けられており、ヒ素又はボロンなどの不純物を含んでいる。ゲート絶縁膜104について以下に詳述する。
【0027】
ゲート絶縁膜104は、第1の高誘電体膜103と第2の高誘電体膜105とで構成されている。第1の高誘電体膜103は、界面酸化層102の上面上に設けられており、HfO膜又はHfSiO膜に窒素が含有されたものである。第2の高誘電体膜105は、第1の高誘電体膜103の上面上に設けられており、HfO膜又はHfSiO膜に窒素が含有されたものである。
【0028】
第1の高誘電体膜103における窒素濃度は第2の高誘電体膜105における窒素濃度よりも低く、その差は1原子%以上であることが好ましい。これにより、窒素がゲート絶縁膜104から半導体基板101へ拡散することを防止できる。
【0029】
詳細には、ゲート絶縁膜が第2の高誘電体膜のみからなる場合、界面酸化層には第2の高誘電体膜(窒素濃度が高い高誘電体膜)が接することになる。そのため、このような半導体装置では、窒素がゲート絶縁膜から界面酸化層と半導体基板との界面まで拡散するので、半導体基板を構成する半導体と窒素とが結合する虞がある。よって、MOSFETの特性劣化を招来する。
【0030】
また、ゲート絶縁膜が第1の高誘電体膜のみからなる場合、窒素が半導体基板へ拡散することを防止できる。しかし、この場合、ゲート絶縁膜を形成した後に熱処理を行うと、HfSiO膜の結晶化、HfSiO膜における相分離及び不純物の突き抜け等を招来する虞がある。また、この場合、HfSiO膜中の酸素欠損等を補償することが難しい。
【0031】
一方、本実施形態では、第1の高誘電体膜103が界面酸化層102と第2の高誘電体膜105との間に設けられている。つまり、界面酸化層102には第1の高誘電体膜103が接することになる。よって、本実施形態に係る半導体装置では、窒素がゲート絶縁膜104から界面酸化層102と半導体基板101との界面まで拡散することを抑制できるので、その窒素が半導体基板101を構成する半導体(本実施形態ではシリコン)と結合することを抑制できる。従って、半導体基板101とゲート絶縁膜104との界面における欠陥密度の増大を防止することができ、第1の高誘電体膜103及び第2の高誘電体膜105中に存在する固定電荷による閾値電圧の変動を防止することができ、キャリア移動度の劣化等を防止することができる。つまり、MOSFETの特性劣化を防止することができる。
【0032】
また、本実施形態では、第2の高誘電体膜105が第1の高誘電体膜103の上面上に設けられている。よって、本実施形態に係る半導体装置では、ゲート絶縁膜104を形成した後に熱処理を行っても、ゲート絶縁膜104においてHfSiO膜が結晶化することを防止でき、ゲート絶縁膜104においてHfSiO膜が相分離を起こすことを防止でき、不純物が半導体基板101へ突き抜けることを防止できる。また、ゲート絶縁膜104では、特に第2の高誘電体膜105では、HfSiO膜中の酸素欠損等を補償することができる。
【0033】
窒素は、第1の高誘電体膜103内において均一に分布しており、第2の高誘電体膜105内において均一に分布している。そのため、窒素濃度は、第1の高誘電体膜103と第2の高誘電体膜105との界面において急激に変化する。第1の高誘電体膜103の膜厚と第2の高誘電体膜105の膜厚との比を変更すれば、ゲート絶縁膜104における窒素濃度プロファイルを変更することができる。
【0034】
例えば、図1(a)に示すように第2の高誘電体膜105の膜厚Tに対する第1の高誘電体膜103の膜厚Tの比率が1であれば(T≒T)、窒素濃度は、図1(b)に示すように、ゲート絶縁膜104の膜厚方向における中央において急激に変化する。
【0035】
また、図1(c)に示すように第2の高誘電体膜105の膜厚Tに対する第1の高誘電体膜103の膜厚Tの比率が1よりも大きければ(T>T)、窒素濃度は、図1(d)に示すように、ゲート絶縁膜104の膜厚方向における中央よりもゲート電極107に近い位置において急激に変化する。この場合、ゲート絶縁膜104における第1の高誘電体膜103の占有率は、図1(a)に示す場合よりも高い。よって、図1(a)に示す場合に比べて、窒素がゲート絶縁膜104から界面酸化層102と半導体基板101との界面まで拡散することを抑制することができる。
【0036】
また、図1(e)に示すように第2の高誘電体膜105の膜厚Tに対する第1の高誘電体膜103の膜厚Tの割合が1よりも小さければ(T<T)、窒素濃度は、図1(f)に示すように、ゲート絶縁膜104の膜厚方向における中央よりも界面酸化層102に近い位置において急激に変化する。
【0037】
なお、第1の高誘電体膜103は、ハフニウム以外の金属(第1の金属)を含有していても良く、例えば、Al、La、Zr、Ti、Ta、Mg、Ge及びYの少なくとも一つを含んでいても良い。また、第2の高誘電体膜105は、ハフニウム以外の金属(第2の金属)を含有していても良く、例えば、Al、La、Zr、Ti、Ta、Mg、Ge及びYの少なくとも一つを含んでいても良い。
【0038】
以下では、図2(a)〜(e)を参照しながら、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する。図2(a)〜(e)は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【0039】
まず、図2(a)に示す工程では、NHOH、H及びHOを用いて、シリコン等からなる半導体基板101の上面を洗浄する。その後、例えば熱酸化法を用いて、半導体基板101の上面上に、膜厚が1.5nm以下のシリコン酸化膜又はシリコン酸窒化膜を形成する。これにより、半導体基板101の上に界面酸化層102が形成される(工程(a))。このとき、O、NO又はNOガスを用い、且つ、処理温度を700℃〜1000℃として、シリコン酸化膜又はシリコン酸窒化膜を形成すれば良い。
【0040】
次に、図2(b)に示す工程では、界面酸化層102の上面上にHfO膜又はHfSiO膜からなる第1の高誘電体材料膜103Aを形成する(工程(b1))。
【0041】
続いて、図2(c)に示す工程では、第1の高誘電体材料膜103Aの上面上にHfO膜又はHfSiO膜からなる第2の高誘電体材料膜105Aを形成する(工程(b2))。このとき、第2の高誘電体材料膜105AにおけるHfに対するOの原子比は、第1の高誘電体材料膜103AにおけるHfに対するOの原子比以下である。好ましくは、第1の高誘電体材料膜103AにおけるHfに対するOの原子比をaとし、第2の高誘電体材料膜105AにおけるHfに対するOの原子比をbとしたとき、b/a≦1を満たしている。
【0042】
続いて、図2(d)に示す工程では、半導体基板101の温度が20〜150℃下において、窒素を含有するプラズマを第2の高誘電体材料膜105Aの表面に照射する。これにより、第1の高誘電体材料膜103Aに窒素が添加されて第1の高誘電体膜103が形成され、第2の高誘電体材料膜105Aに窒素が添加されて第2の高誘電体膜105が形成され、第1の高誘電体膜103及び第2の高誘電体膜105からなるゲート絶縁膜104が形成される(工程(b3))。このとき、第1の高誘電体材料膜103Aには第2の高誘電体材料膜105Aよりも少量の窒素が添加されるので、第1の高誘電体膜103における窒素濃度は第2の高誘電体膜105における窒素濃度よりも低くなる。このとき、第2の高誘電体膜105中の窒素濃度は、20原子%以下であることが好ましい。
【0043】
その後、酸素雰囲気中又は窒素雰囲気中において、熱処理温度を800〜1100℃とする高温熱処理を行っても良い。これにより、第1及び第2の高誘電体膜103,105の緻密化を図ることができ、第1及び第2の高誘電体膜103,105からの窒素抜けを防止することができる。
【0044】
それから、図2(e)に示す工程では、第2の高誘電体膜105の上面上にTiN膜、TiAlN膜、TaC膜又はTaCN膜を形成する。これにより、第2の高誘電体膜105の上面上にメタルゲート電極106が形成される。その後、メタルゲート電極106の上面上にリン、ヒ素又はボロン等の導電性を有する不純物を含んだシリコン膜を形成する。これにより、メタルゲート電極106の上面上にポリシリコン電極108が形成され、メタルゲート電極106及びポリシリコン電極108からなるゲート電極107が形成される。
【0045】
以下では、第1の高誘電体膜103及び第2の高誘電体膜105の成膜方法を詳細に説明する。まず、第1の高誘電体材料膜103A及び第2の高誘電体材料膜105Aの製造方法を説明する。
【0046】
第1の高誘電体材料膜103A及び第2の高誘電体材料膜105Aは、原子層蒸着(Atomic Layer Deposition)法を用いて作製されることが好ましい。具体的には、第1の高誘電体材料膜103AがHfO膜である場合には、界面酸化層102の上面上に第1のガス(ハフニウムを含むガス)を第1の時間供給する工程と界面酸化層102の上面上に第1の酸化剤(酸素を含む)を第2の時間供給する工程とを交互に繰り返せば良い。また、第1の高誘電体材料膜103AがHfSiO膜である場合には、第1のガスとシリコンガスとを同時に供給しても良く、第1のガスを供給する工程と第1の酸化剤を供給する工程との間にシリコンガスを第1の時間供給しても良い。
【0047】
同じく、第2の高誘電体材料膜105AがHfO膜である場合には、第1の高誘電体材料膜103Aの上面上に第2のガス(ハフニウムを含むガス)を第3の時間供給する工程と第1の高誘電体材料膜103Aの上面上に第2の酸化剤(酸素を含む)を第4の時間供給する工程とを交互に繰り返せば良い。また、第2の高誘電体材料膜105AがHfSiO膜である場合には、第2のガスとシリコンガスとを同時に供給しても良く、第2のガスを供給する工程と第2の酸化剤を供給する工程との間にシリコンガスを第3の時間供給しても良い。ここで、第1のガスと第2のガスとが同じであり、且つ、第1の酸化剤と第2の酸化剤とが同じである場合、第2の時間を第4の時間よりも長くすれば良い。第2の時間及び第4の時間は酸素を供給する時間であるので、第2の時間を第4の時間よりも長くすればb/a≦1とすることができる。なお、b/a≦1とする方法はこの方法に限定されない。後述のように、第1のガス及び第2のガスのそれぞれの材料を最適化するとともに第1の酸化剤及び第2の酸化剤のそれぞれの材料を最適化しても良い。
【0048】
第1のガス及び第2のガスとしては、例えば、TDMAハフニウム(TDMAHf(テトラキスジメチルアミノハフニウム,tetrakis(dimethylamino)hafnium))、HfCl(四塩化ハフニウム)、TEMAハフニウム(テトラキスエチルメチルアミノハフニウム,tetrakis(ethylmethylamino)hafnium)及びハフニウム(MMP)〔テトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロポキシ)ハフニウム,(Tetrakis 1-Methoxy-2-methyl-2-propoxy hafnium〕のうちの少なくとも一つを選択することが好ましい。
【0049】
第1の酸化剤及び第2の酸化剤としては、O(オゾン)及びHO(水)の少なくとも一つを選択することが好ましい。
【0050】
シリコンガスとしては、3DMAS(トリスジメチルアミノシラン,trisdimethyl amino silane)、SiCl(四塩化ケイ素)及びSi(MMP)〔テトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロポキシ)シリコン〕のうちの少なくとも一つを選択することが好ましい。
【0051】
本実施形態では、第1の高誘電体材料膜103Aと第2の高誘電体材料膜105Aとにおいて酸素濃度が互いに異なるので、第1の高誘電体材料膜103Aに添加される窒素の量と第2の高誘電体材料膜105Aに添加される窒素の量とが互いに異なる。具体的には、高誘電体材料膜中におけるハフニウムに対する酸素の原子比が小さいほど(つまり、高誘電体材料膜中における酸素欠損量が大きいほど)、窒素を含有するプラズマを照射したときには多くの窒素の量が添加される。よって、高誘電体材料膜中におけるハフニウムに対する酸素の原子比を制御すれば、窒素を含有するプラズマを照射したときに添加される窒素の量を制御することができる。従って、ハフニウムに対する酸素の原子比が大きい高誘電体材料膜(つまり第1の高誘電体材料膜103A)を下層に形成し、ハフニウムに対する酸素の原子比が小さい高誘電体材料膜(つまり第2の高誘電体材料膜105A)を上層に形成すれば、ゲート絶縁膜104のうち半導体基板101の近くに位置する部分の窒素濃度をゲート絶縁膜104のうちゲート電極107の近くに位置する部分の窒素濃度よりも低くすることができる。よって、窒素がゲート絶縁膜104から半導体基板101と界面酸化層102との界面まで拡散することを防止できる。また、第1及び第2の高誘電体膜103,105が窒素を含有しているので、後の工程において半導体基板101に熱処理を施しても第1及び第2の高誘電体膜103,105の結晶化を抑制できるとともに第1及び第2の高誘電体膜103,105における相分離の発生を抑制できる。
【0052】
従来、高誘電体材料膜中のハフニウムに対する酸素の原子比を変更すれば高誘電体材料膜中への窒素の添加量を変更することができるということは、知られていなかった。本願発明者らは、高誘電体材料膜中のハフニウムに対する酸素の原子比を制御するために高誘電体材料膜の成膜方法に着目して、本願発明を想到した。以下、その詳細について説明する。
【0053】
図3は、HfSiO膜の膜厚とHfSiO膜中におけるハフニウムに対する酸素の原子比との関係を示すグラフ図であり、EPMA(Electron Probe Micro Analyzer)を用いて測定された結果である。図3中の線(a)及び線(b)はどちらもALD法を用いてHfSiO膜を作製した場合の結果であり、線(a)と線(b)とでは材料ガスが互いに異なる。
【0054】
具体的には、図3中の線(a)は、ハフニウムを含むガスとしてTDMAハフニウムを用い、シリコンガスとして3DMASを用い、酸化剤としてオゾンを用いてHfSiO膜を作製した場合の結果である。図3中の線(b)は、ハフニウムを含むガスとしてHfClを用い、シリコンガスとしてSiClを用い、酸化剤としてHOを用いてHfSiO膜を作製した場合の結果である。
【0055】
なお、シリコンガスとして炭素を含むガス(3DMAS)を用いてHfSiO膜を形成すると、そのHfSiO膜中には3原子%以下程度の炭素が残留する場合がある。また、シリコンガスとして塩素を含むガス(SiCl)を用いてHfSiO膜を形成すると、そのHfSiO膜中には3原子%以下程度の塩素が残留する場合がある。シリコンガスとして塩素を含むガスを用いてHfSiO膜を形成するとき、そのHfSiO膜の堆積時に塩素の脱ガス化を行えば、HfSiO膜中には欠陥が形成される。ここで、塩素の原子半径は、窒素の原子半径よりも大きい。そのため、HfSiO膜中には窒素よりも大きな欠陥が形成されることになるので、このようなHfSiO膜には多くの窒素を添加することができる。
【0056】
図3に示す線(a)及び線(b)を比較すると、ハフニウムを含むガスとしてTDMAハフニウムを用い酸化剤としてオゾンを用いてHfSiO膜を作製した場合(線(a))、HfSiO膜中におけるハフニウムに対する酸素の原子比は5.5〜6程度である。一方、ハフニウムを含むガスとして4塩化ハフニウムを用い酸化剤として水を用いてHfSiO膜を作製した場合(線(b))、HfSiO膜中におけるハフニウムに対する酸素の原子比が4.5〜5程度である。これにより、線(a)に示すHfSiO膜の方が線(b)に示すHfSiO膜よりも多くの酸素を含有している、つまり、線(a)に示すHfSiO膜の方が線(b)に示すHfSiO膜よりも酸素欠損が少ない、ということが分かる。このようにHfSiO膜の材料ガスを変更すれば、HfSiO膜中におけるハフニウムに対する酸素の原子比を変更することができる。
【0057】
図4は、HfSiO膜の膜厚とHfSiO膜中における窒素濃度との関係を示すグラフ図であり、X線電子分光法(X-ray photoelectron spectroscopy)により測定された結果である。図4中の線(a)及び線(b)には何れも、窒素を含有するプラズマを高誘電体材料膜に照射した後に窒素雰囲気中において1000℃以上で熱処理を行うことにより得られたHfSiO膜中の窒素濃度とその膜厚との関係を示している。図4中の線(a)は高誘電体材料膜として図3中の線(a)に示す高誘電体材料膜を使用した場合の結果であり、図4中の線(b)は高誘電体材料膜として図3中の線(b)に示す高誘電体材料膜を使用した場合の結果である。
【0058】
図4に示す線(a)及び線(b)を比較すると、図4中の線(b)に示すHfSiO膜中には図4中の線(a)に示すHfSiO膜中よりも1〜2原子%程度多くの窒素が添加されている。この結果から、ハフニウムに対する酸素の原子比が低いHfSiO膜、つまり、膜中の酸素欠損量が多いHfSiO膜には多くの窒素原子が添加されるということが分かる。
【0059】
以上より、本願発明者らは、酸素欠損量が少ないHfSiO膜(図3の線(a)に示すHfSiO膜)を半導体基板101に近い位置に配置し、酸素欠損量が多いHfSiO膜(図3の線(b)に示すHfSiO膜)をゲート電極107に近い位置に配置すれば、半導体基板101に近い位置には窒素濃度が低いHfSiO膜を形成することができ、ゲート電極107に近い位置には窒素濃度が高いHfSiO膜を形成することができるということを見出した。
【0060】
図5は、シリコン酸化膜換算膜厚(EOT,equivalent oxide thickness)とリーク電流Jgとの関係を示すグラフ図である。シリコン酸化膜換算膜厚とは、ゲート絶縁膜の材料がシリコン酸化物であると仮定してゲート容量から逆算して得られる絶縁膜の膜厚のことである。
【0061】
図5中の点(A)には、本実施形態に係る半導体装置を用いた場合の結果を示している。具体的には、シリコンからなる半導体基板の上面上に、1.5nm以下の膜厚を有するシリコン酸化膜と、第1及び第2の高誘電体膜からなるゲート絶縁膜と、TiNからなるメタルゲート電極及びリン等の不純物を含有するポリシリコン電極からなるゲート電極とが順に設けられている。ここで、第1の高誘電体膜は、TDMAハフニウム及びオゾンを用いて形成された第1の高誘電体材料膜に窒素が添加されたものである。第2の高誘電体膜は、HfCl及びHOを用いて形成された第2の高誘電体材料膜に窒素が添加されたものである。第1の高誘電体膜の膜厚と第2の高誘電体膜の膜厚との膜厚比は、1:1である。
【0062】
また、図5中の線(B)には、ゲート絶縁膜としてHfCl及びHOを用いて形成されたHfSiO膜のみを用いた場合の結果を示している。
【0063】
図5においてEOT=1.25nm付近に着目すると、リーク電流Jgは、線(B)では0.7A/cmであるのに対して、点(A)では0.1A/cmである。このことから、窒素濃度が低いHfSiO膜の上面上に窒素濃度が高いHfSiO膜が形成されたものをゲート絶縁膜として使用すると、窒素濃度が高いHfSiO膜のみをゲート絶縁膜として使用した場合に比べて、リーク電流を約1/7倍に低減できるということが分かった。
【0064】
本実施形態において得られる効果を以下にまとめる。
【0065】
本実施形態では、ゲート絶縁膜104は第1の高誘電体膜103と第2の高誘電体膜105とで構成されており、第1の高誘電体膜103における窒素濃度は第2の高誘電体膜105における窒素濃度よりも低い。よって、ゲート絶縁膜が第2の高誘電体膜105のみからなる場合に比べて、窒素が半導体基板101へ拡散することを防止できる。従って、窒素が半導体基板101を構成する半導体と結合することを抑制できる。これにより、半導体装置の特性を向上させることができる。例えば図5に示すように、リーク電流の大幅な低減を図ることができる。
【0066】
また、ゲート絶縁膜が第1の高誘電体膜103のみからなる場合に比べて、ゲート絶縁膜104の熱安定性を向上させることができる。従って、第1の高誘電体膜103及び第2の高誘電体膜105のそれぞれにおいて結晶化を抑制できるとともに相分離の発生を抑制できる。
【0067】
本実施形態は、以下に示す構成を有していても良い。
【0068】
本実施形態に係る半導体装置は、サイドウォール、エクステンション領域、ソースドレイン領域及びシリサイド層等を備えていることが好ましい。具体的には、ゲート電極107の側面上にサイドウォールが形成されていることが好ましく、半導体基板101内のうちゲート電極107の側方下にエクステンション領域が形成されていることが好ましく、半導体基板101内のうちサイドウォールの側方下にはソースドレイン領域が形成されていることが好ましく、ゲート電極107の上面上及びソースドレイン領域の上面上にはシリサイド層が形成されていることが好ましい。
【0069】
本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、ゲート電極107の側面上にサイドウォールを形成する工程と、半導体基板101内のうちゲート電極107の側方下にエクステンション領域を形成する工程と、半導体基板101内のサイドウォールの側方下にソースドレイン領域を形成する工程と、ゲート電極107の上部及びソースドレイン領域の上部にシリサイド層を形成する工程とを更に備えていることが好ましい。
【0070】
本実施形態に係る半導体装置の製造方法では、有機金属気相成長法(metallorganic chemical vapor deposition 法)を用いて、第1及び第2の高誘電体材料膜を形成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0071】
以上説明したように、本発明に係る半導体装置及び半導体装置の製造方法は、半導体集積回路を用いる種々の電子機器に好ましく用いられる。
【符号の説明】
【0072】
101 半導体基板
102 界面酸化層
103 第1の高誘電体膜
103A 第1の高誘電体材料膜
104 ゲート絶縁膜
105 第2の高誘電体膜
105A 第2の高誘電体材料膜
106 メタルゲート電極
107 ゲート電極
108 ポリシリコン電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板の上面上に設けられた界面酸化層と、
前記界面酸化層の上面上に設けられたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜の上面上に設けられたゲート電極とを備え、
前記ゲート絶縁膜は、前記界面酸化層の上に設けられ、窒素を含有する第1の高誘電体膜と、前記第1の高誘電体膜の上に設けられ、窒素を含有する第2の高誘電体膜とを有し、
前記第1の高誘電体膜における窒素濃度は、前記第2の高誘電体膜における窒素濃度よりも低い半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置であって、
前記第1の高誘電体膜は、ハフニウムと酸素とを含有しており、
前記第2の高誘電体膜は、ハフニウムと酸素とを含有しており、
前記第1の高誘電体膜における前記ハフニウムに対する前記酸素の原子比をaとし、前記第2の高誘電体膜における前記ハフニウムに対する前記酸素の原子比をbとしたとき、b/a≦1である半導体装置。
【請求項3】
請求項2に記載の半導体装置であって、
前記第1の高誘電体膜は、前記ハフニウムとは異なる第1の金属を含有しており、
前記第2の高誘電体膜は、前記ハフニウムとは異なる第2の金属を含有しており、
前記第1及び前記第2の金属は、Al、La、Zr、Ti、Ta、Mg、Ge及びYの少なくとも1つである半導体装置。
【請求項4】
半導体基板の上面上に界面酸化層を設ける工程(a)と、
前記界面酸化層の上面上にゲート絶縁膜を設ける工程(b)と、
前記ゲート絶縁膜の上面上にゲート電極を設ける工程(c)とを備え、
前記工程(b)は、
前記界面酸化層の上に第1の高誘電体材料膜を設ける工程(b1)と、
前記第1の高誘電体材料膜の上に第2の高誘電体材料膜を設ける工程(b2)と、
前記第1の高誘電体材料膜に窒素を混入して第1の高誘電体膜を形成し、前記第2の高誘電体材料膜に窒素を混入して前記第1の高誘電体膜よりも窒素濃度が高い第2の高誘電体膜を形成する工程(b3)とを有する半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体装置の製造方法であって、
ハフニウムを含む第1のガスと酸素を含む第1の酸化剤とを用いて、前記第1の高誘電体材料膜を形成し、
ハフニウムを含む第2のガスと酸素を含む第2の酸化剤とを用いて、前記第2の高誘電体材料膜を形成し、
前記第1の高誘電体材料膜における前記ハフニウムに対する前記酸素の原子比をaとし前記第2の高誘電体材料膜における前記ハフニウムに対する前記酸素の原子比をbとしたときにb/a≦1となるように、前記第1の高誘電体材料膜及び前記第2の高誘電体材料膜を形成する半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記工程(b1)では、前記界面酸化層の上面上に前記第1のガスを第1の時間供給する工程と、前記界面酸化層の上面上に前記第1の酸化剤を第2の時間供給する工程とを繰り返し行い、
前記工程(b2)では、前記第1の高誘電体材料膜の上面上に前記第2のガスを第3の時間供給する工程と、前記第1の高誘電体材料膜の上面上に前記第2の酸化剤を第4の時間供給する工程とを繰り返し行い、
前記第1のガスと前記第2のガスとが同じであり、
前記第1の酸化剤と前記第2の酸化剤とが同じであり、
前記第2の時間は前記第4の時間よりも長い半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項5に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記工程(b1)では、前記第1のガスとしてテトラキスジメチルアミノハフニウムを用い、前記第1の酸化剤としてオゾンを用い、
前記工程(b2)では、前記第2のガスとしてテトラクロロハフニウムを用い、前記第2の酸化剤として水を用いる半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−283040(P2010−283040A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−133473(P2009−133473)
【出願日】平成21年6月2日(2009.6.2)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】