説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】耐圧性の維持と低オン抵抗化との両立が可能なLDMOSトランジスタを提供する。
【解決手段】半導体装置は、第1導電型のドリフト拡散領域10と、第2導電型のボディ拡散領域2と、第1導電型のソース拡散領域6と、ドリフト拡散領域10の上部に形成されたトレンチ内に埋め込まれ、ボディ拡散領域2とは離間した位置に形成された絶縁膜14と、ドリフト拡散領域10の上部に形成され、絶縁膜14から見てソース拡散領域6と逆の方向に隣接する第1導電型のドレイン拡散領域7と、ボディ拡散領域2上からドリフト拡散領域10上を越えて絶縁膜14上にまで形成されたゲート電極5とを備えている。また、ドリフト拡散領域10は、基板内部領域11と、基板内部領域11よりも高濃度の第1導電型不純物を含む表面領域12とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の技術は、半導体装置とその製造方法に関し、特に耐圧を維持しつつ、低オン抵抗を実現するLDMOS(Laterally Diffused Metal Oxide Semiconductor)型トランジスタ、及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の高機能化、多機能化及び低消費電力化が進むに伴い、電子機器に内蔵される半導体装置にも高耐圧化、大電力化、小型化、低消費電力化などが要求されている。その中で、ドライバICや電源ICなどの分野でも、低消費電力化を実現するために所定の耐圧を維持したままオン抵抗が低減されたMOS型電界効果トランジスタ(MOSFET)が必要とされている。
【0003】
そこで、チャネル領域をイオン注入と熱処理により形成することで、マスク精度によらず短チャネルデバイスを形成可能なLDMOSトランジスタが提案されている。このLDMOSトランジスタにおいては、チャネル抵抗成分を低減することにより、オン抵抗を低減することが可能である。ただし、一般的にオン抵抗と耐圧はトレードオフの関係にあり、LDMOSトランジスタにおいても例外ではない。そこで、耐圧を維持するために、ドレイン領域とゲート電極の端部との間にLOCOS法により厚い酸化膜を形成し、ドレイン領域からゲート端部をオフセットさせる(実効的なゲート端部の位置をずらす)ことで、ゲート電極端部で集中する電界を緩和しうるLOCOSオフセット型のLDMOSトランジスタが提案されている。
【0004】
図17は、一般的なLDMOSトランジスタの断面を示している。ここでは、LDMOSトランジスタ(半導体装置)がNチャネル型の例を示している。
【0005】
図17に示すように、一般的な半導体装置は、n型の半導体基板301の上部にそれぞれLOCOS酸化膜303、p型のボディ拡散領域302、n型のソース拡散領域306、及びn型のドレイン拡散領域307がそれぞれ形成されている。ソース拡散領域306はボディ拡散領域302の上部に形成されている。LOCOS酸化膜303はソース拡散領域306とドレイン拡散領域307との間に形成されており、ボディ拡散領域302とは離間して配置されている。
【0006】
ゲート絶縁膜304はボディ拡散領域302を含む半導体基板301上に形成されており、ゲート電極305はゲート絶縁膜304上からLOCOS酸化膜303上に亘って形成されている。ゲート電極305上、LOCOS酸化膜303上、及び半導体基板301上には、ソース拡散領域306の上方及びドレイン拡散領域307の上方に開口を有する層間絶縁膜323が形成されている。ソース拡散領域306のうち層間絶縁膜323の開口が設けられた部分上にはソース電極316が形成され、ドレイン拡散領域307のうち層間絶縁膜323の開口が設けられた部分上にはドレイン電極317が形成されている。
【0007】
図17に示す半導体装置(LDMOSトランジスタ)では、ボディ拡散領域302のうち、ゲート電極305の直下で、且つソース拡散領域306から見てゲート電極305下のLOCOS酸化膜303に近い方に位置する領域がチャネルとなる。
【0008】
図17に示すLDMOSトランジスタにおいて、耐圧はLOCOS酸化膜303のソース拡散領域306側の端部や、ボディ拡散領域302底部のコーナー領域と半導体基板301のn型部分との接合領域に集中する電界によって決まる。
【0009】
このLDMOSトランジスタでは、半導体基板301の表面部のうちボディ拡散領域302とLOCOS酸化膜303との間に位置する部分(すきま領域309)のn型不純物濃度を、半導体基板301のうちLOCOS酸化膜303の下に位置する部分のn型不純物濃度よりも薄く形成している。これにより、LOCOS酸化膜303のソース拡散領域306に近い方の端部のバーズピーク部において、電界集中を緩和し、すきま領域309の不純物濃度を薄くしない半導体装置に比べて耐圧を向上させることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平10−256534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1に記載のLDMOSトランジスタでは、上述のように、すきま領域309のn型不純物濃度を低くすることでソース拡散領域306に近い方のLOCOS酸化膜303端部のバーズピーク部に加わる電界を緩和し、耐圧向上を図っている。しかしながら、ON時にキャリアの経路となる半導体基板301の表面部の不純物濃度が低くなっているので、このLDMOSトランジスタでは、オン抵抗が上昇するという不具合があることに本願発明者らは気付いた。
【0012】
本発明は上記の課題に鑑み、耐圧性の維持と低オン抵抗化との両立が可能なLDMOSトランジスタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一例に係る半導体装置は、半導体基板の上部に形成された第1導電型のドリフト拡散領域と、前記半導体基板の上部に形成された第2導電型のボディ拡散領域と、前記ボディ拡散領域の上部に形成された第1導電型のソース拡散領域と、前記ドリフト拡散領域の上部に形成されたトレンチ内に埋め込まれ、前記ボディ拡散領域とは離間した位置に形成された絶縁膜と、前記ドリフト拡散領域の上部に形成され、前記絶縁膜から見て前記ソース拡散領域と逆の方向に隣接する第1導電型のドレイン拡散領域と、ゲート絶縁膜を間に挟んだ状態で、前記ボディ拡散領域上から前記ドリフト拡散領域上を越えて前記絶縁膜上にまで形成されたゲート電極とを備えている。さらに、前記ドリフト拡散領域は、基板内部領域と、前記基板内部領域上で且つ前記ゲート電極の下に形成され、前記基板内部領域よりも高濃度の第1導電型不純物を含む表面領域とを有している。
【0014】
この構成によれば、表面領域がソース拡散領域からドレイン拡散領域へと流れるキャリアの経路の一部となっており、且つ表面領域の不純物濃度が基板内部領域より高くなっているので、オン時の半導体装置内での抵抗を小さくすることができる。一方、不純物濃度が高くなっているのはドリフト拡散領域の一部であるので、耐圧は表面領域の不純物濃度を高くしない場合とあまり変わらない。さらに、ソース拡散領域とドレイン拡散領域の間に形成される絶縁膜がトレンチ内に埋め込まれているので、絶縁膜としてLOCOS酸化膜を用いる場合に比べて電界集中を緩和し、耐圧性の向上を図ることが可能である。
【0015】
なお、第1導電型はn型、第2導電型はp型であってもよいし、第1導電型がp型、第2導電型がn型であってもよい。
【0016】
本発明の一例に係る半導体装置の製造方法は、第1のイオン注入によって第1導電型の不純物イオンを半導体基板に注入し、第1導電型の基板内部領域を形成するとともに、前記第1のイオン注入よりも低い注入エネルギー、大きいドーズ量の第2のイオン注入によって第1導電型の不純物イオンを前記半導体基板に注入し、前記基板内部領域よりも浅い位置に第1導電型の表面領域を形成することで、前記基板内部領域及び前記表面領域を含むドリフト拡散領域を形成する工程(a)と、前記ドリフト拡散領域の所定の領域にトレンチを形成する工程(b)と、前記トレンチを埋める絶縁膜を形成する工程(c)と、前記半導体基板との間にゲート絶縁膜を挟んで、前記半導体基板上及び前記絶縁膜上にゲート電極を形成する工程(d)と、前記半導体基板の上部であって、前記ゲート電極のゲート長方向の端部下に位置する領域に、前記トレンチとは離間した第2導電型のボディ拡散領域を形成する工程(e)と、前記ボディ拡散領域の上部に第1導電型のソース拡散領域を形成するとともに、前記ドリフト拡散領域の上部であって、前記絶縁膜から見て前記ソース拡散領域と逆の方向に隣接する領域に第1導電型のドレイン拡散領域を形成する工程(f)とを備えている。
【0017】
この方法によれば、工程(a)で、キャリアの経路となる表面領域の不純物濃度を基板内部領域よりも高めることができるので、半導体装置のオン抵抗を低減することが可能となる。また、ドリフト拡散領域内にトレンチを設け、当該トレンチを埋める絶縁膜を形成することで、LOCOS法で絶縁膜を形成する場合に比べて絶縁膜のソース拡散領域側の端部での電界集中を緩和しうる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明の一例に係る半導体装置では、第1導電型のドリフト拡散領域の表面領域の不純物濃度を基板内部領域よりも高くし、且つ電界が集中するゲート電極端(絶縁膜のソース拡散領域側の端部)にトレンチ内に埋め込まれた絶縁膜を形成している。そのため、耐圧を維持しつつ低オン抵抗化が可能な半導体装置及びその製造方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係るLDMOSトランジスタの断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るLDMOSトランジスタのオフ時における空乏層の伸びを示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るLDMOSトランジスタのオン時のキャリアの経路を示す断面図である。
【図4】(a)、(c)、(d)は、本発明の実施形態に係るLDMOSトランジスタの製造方法を示す工程断面図であり、(b)は、図4(a)に示す工程における半導体基板内のn型不純物濃度分布を示す図である。
【図5】(a)〜(c)は、本発明の実施形態に係るLDMOSトランジスタの製造方法を示す工程断面図であり、(d)は、図5(c)に示す工程終了後のLDMOSトランジスタを示す平面図である。
【図6】本発明の実施形態に係るLDMOSトランジスタの第1の変形例を示す断面図である。
【図7】(a)、(c)、(d)は、第1の変形例に係るLDMOSトランジスタの製造方法を示す工程断面図であり、(b)は、(a)に示す工程における半導体基板内のn型不純物濃度分布を示す図である。
【図8】(b)〜(d)は、第1の変形例に係るLDMOSトランジスタの製造方法を示す工程断面図であり、(a)は、図7(d)に示す工程終了後のLDMOSトランジスタにおいて、トレンチの底部と同じ深さ位置での半導体基板のn型不純物濃度を示す図である。
【図9】(a)は、図8(d)に示す工程終了後のLDMOSトランジスタにおいて、トレンチの底部と同じ深さ位置での半導体基板の不純物濃度を示す図であり、(b)は、第1の変形例に係るLDMOSトランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【図10】本発明の実施形態に係るLDMOSトランジスタの第2の変形例を示す断面図である。
【図11】(a)、(c)、(d)は、第2の変形例に係るLDMOSトランジスタの製造方法を示す工程断面図であり、(b)は、(a)に示す工程における半導体基板内のn型不純物濃度分布を示す図である。
【図12】(a)〜(d)は、第2の変形例に係るLDMOSトランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【図13】(a)、(b)は、第2の変形例に係るLDMOSトランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【図14】本発明の実施形態に係るLDMOSトランジスタの第3の変形例を示す断面図である。
【図15】(a)、(c)、(d)は、第3の変形例に係るLDMOSトランジスタの製造方法を示す工程断面図であり、(b)は、(a)に示す工程における半導体基板内のn型不純物濃度分布を示す図である。
【図16】(a)〜(c)は、第3の変形例に係るLDMOSトランジスタの製造方法を示す工程断面図であり、(d)は、(c)に示す工程終了後のLDMOSトランジスタを示す平面図である。
【図17】一般的なLDMOSトランジスタを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態に係る半導体装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下では第1導電型がn型、第2導電型がp型であるものとして説明するが、これとは逆に第1導電型がp型、第2導電型がn型であってもLDMOSトランジスタとして導電型が逆の場合と同様の効果を発揮できる。なお、以下では、理解しやすいようにソース、ドレイン、ゲート電極、ゲート絶縁膜といった一つのトランジスタの構成について説明しているが、半導体装置においては、通常、半導体基板上に複数のLDMOSトランジスタが配置される。なお、それぞれの実施形態及びその変形例で示す構成材料、部材のサイズや厚さ、不純物濃度等は例示であって、本発明はこれらに限定されることはない。また、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲でそれぞれの実施形態及び変形例に係る半導体装置の構成をを適宜変更することは可能であり、さらに、実施形態や変形例に係る半導体装置の構成を適宜組み合わせてもよい。
【0021】
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係るLDMOSトランジスタ(半導体装置)の断面図である。同図に示すように、本実施形態に係るLDMOSトランジスタは、p型(第2導電型)の半導体基板1と、半導体基板1の上部に形成されたn型(第1導電型)のドリフト拡散領域10と、ドリフト拡散領域10の上部(すなわち半導体基板1の上部)に形成されたp型のボディ拡散領域2と、ボディ拡散領域2の上部に形成され、互いに接するp型のバックゲート拡散領域8及びn型のソース拡散領域6と、ドリフト拡散領域10の上部に形成されたn型のドレイン拡散領域7と、ソース拡散領域6とドレイン拡散領域7との間に形成され、ソース拡散領域6及びボディ拡散領域2と離間して配置された酸化膜(絶縁膜)14とを備えている。酸化膜14は、ドリフト拡散領域10の上部に形成されたトレンチ13内に埋め込まれている。
【0022】
また、LDMOSトランジスタは、ボディ拡散領域2の一部上からドリフト拡散領域10上及び酸化膜14の一部上に亘って形成されたゲート絶縁膜4と、ゲート絶縁膜4上に形成されたゲート電極5と、ゲート電極5上及び半導体基板1上に形成され、ソース拡散領域6及びバックゲート拡散領域8の上方及びドレイン拡散領域7の上方に開口を有する層間絶縁膜23と、ソース拡散領域6の一部上及びバックゲート拡散領域8の一部上に形成されたソース電極16と、ドレイン拡散領域7上に形成されたドレイン電極17とを備えている。ゲート電極5のゲート長方向の一方の端部はボディ拡散領域2上またはソース拡散領域6上にあり、他方の端部は酸化膜14上にある。
【0023】
層間絶縁膜23は例えばBPSG(Borophosphosilicate Glass)等で構成されている。ゲート電極5は、平面的に見てソース拡散領域6とドレイン拡散領域7との間に位置している。バックゲート拡散領域8は半導体基板1よりも高濃度のp型不純物を含んでいる。バックゲート拡散領域8はソース拡散領域6から見てドレイン拡散領域7とは逆の位置に設けられている。
【0024】
本実施形態の半導体装置において、ドリフト拡散領域10はゲート電極5(ゲート絶縁膜4)の直下であって、ボディ拡散領域2と酸化膜14との間に位置する領域に形成されたn型の表面領域12と、表面領域12の下に位置し、表面領域12よりもn型不純物濃度が低い基板内部領域11とを有している。基板内部領域11及び表面領域12のn型不純物濃度は、ソース拡散領域6及びドレイン拡散領域7中のn型不純物濃度よりも低い。表面領域12はボディ拡散領域2とpn接合を形成している。
【0025】
本実施形態のLDMOSトランジスタでは、オン時にキャリアの経路となるドリフト拡散領域10の表面領域12のn型不純物濃度をドリフト拡散領域10の他の部分よりも濃くしているので、表面領域12における抵抗が低減されており、結果としてオン抵抗を低減することが可能となっている。
【0026】
なお、図17に示すような、オフセット領域をLOCOS酸化膜で形成している一般的なLDMOSトランジスタでは、ドリフト拡散領域の表面領域の不純物濃度を高くした場合、ソース拡散領域306に近い方のLOCOS酸化膜303端部のバーズピーク部で電界が集中して耐圧が低下する。
【0027】
これに対し、図1に示す本実施形態のLDMOSトランジスタでは、半導体基板1のうち、ゲート電極5のドレイン拡散領域7側の端部下に位置する部分にトレンチ13を形成している。このように、半導体基板1のうち、電界集中が起こりやすい部分から不純物濃度の高い表面領域12が除去されることで、ドリフト拡散領域10のうち、ゲート電極5のドレイン拡散領域7側の端部付近に位置する領域での電界集中を緩和することが可能となり、耐圧の低下を抑制することが可能となる。
【0028】
ところで、一般的なLDMOSでは、耐圧性を得るために集積回路のコアトランジスタなどに比べてセル面積が大きくなっている。そのため、素子分離領域をSTI(Shallow Trrench Isolation)法により形成するよりも、作製が容易なLOCOSで形成するのが主流であった。本実施形態のLDMOSでは素子分離領域(図示せず)と酸化膜14とをSTI法により形成しているが、これは、本願発明者が電界集中を緩和するための構成について独自に検討を重ねた結果、採用された構造である。
【0029】
次に、本実施形態のLDMOSトランジスタにおいて、耐圧を維持しつつ低オン抵抗化が可能な要因を図2および図3を用いて説明する。
【0030】
図2は、本発明の実施形態に係るLDMOSトランジスタのオフ時における空乏層25の伸びを示す断面図である。同図に示すように、ドレイン拡散領域7側のゲート電極5端下にトレンチ13を形成することで、ゲート電極5の端でのポテンシャル勾配を緩やかにし、オン時の空乏層25をドレイン拡散領域7側に伸ばすことができる。従って、本実施形態のLDMOSトランジスタでは、ゲート電極5直下に位置する表面領域12の濃度を高くしても、耐圧の低下が生じにくくなっている。
【0031】
一方、図3は、本発明の実施形態に係るLDMOSトランジスタのオン時のキャリアの経路26を示す断面図である。同図に示すように、キャリアは、ソース拡散領域6から流入し、オン時にボディ拡散領域2表面部に生じる反転層を経由してドリフト拡散領域10に流入する。さらに、ドリフト拡散領域10に流入したキャリアは、ドリフト拡散領域10の表面領域12を経由してドレイン拡散領域7へと流入する。本実施形態のLDMOSトランジスタでは、表面領域12の不純物濃度をドリフト拡散領域10の他の部分(基板内部領域11)よりも高くしているため、ドリフト拡散領域10の抵抗成分を低下させ、低オン抵抗化を可能にしている。なお、ドリフト拡散領域10の基板内部領域11のn型不純物濃度は例えば1×1016cm−3〜5×1016cm−3程度が好ましく、表面領域12の不純物濃度は例えば2×1016cm−3〜8×1016cm−3程度であれば好ましい。
【0032】
図4(a)、(c)、(d)、図5(a)〜(c)は、本実施形態に係るLDMOSトランジスタの製造方法を示す工程断面図であり、図4(b)は図4(a)に示す工程における半導体基板内のn型不純物濃度分布を示す図であり、図5(d)は、図5(c)に示す工程終了後のLDMOSトランジスタを示す平面図である。図5(d)では、理解を容易にするためソース電極16及びドレイン電極17は図示せず、層間絶縁膜23は電極形成用の開口部のみ図示している。
【0033】
まず、図4(a)に示すように、p型の半導体基板1の上部にn型のドリフト拡散領域10を形成する。具体的には、半導体基板1の上部に異なる注入エネルギーで2回以上のn型不純物イオンの注入を実施し、且つ浅い位置に注入する際のドーズ量を深い位置に注入する際のドーズ量よりも大きくする。これにより、ドリフト拡散領域10の表面領域12のn型不純物濃度を基板内部領域のn型不純物濃度よりも大きくすることができる。
【0034】
ここで、注入するn型不純物として例えばリンを使用し、基板内部領域11を形成するためのn型不純物注入は少なくとも1回以上行い、注入ドーズ量は1×1012cm−2〜6×1012cm−2程度、加速エネルギーは100keV以上とする。また、表面領域12を形成するためのn型不純物注入は少なくとも1回以上行い、注入ドーズ量は2×1012cm−2〜1×1013cm−2程度、加速エネルギーは80keV以下とする。このようにして形成されたドリフト拡散領域10の注入直後の濃度プロファイルは図4(b)のようになっている。
【0035】
次に、図4(c)に示すように、半導体基板1上に酸化膜19、窒化膜20を順次形成した後、窒化膜20上にレジスト21を塗布、現像し、レジスト21のうち後にボディ拡散領域2を形成する領域から離れた所定領域に開口を形成する。次いで、レジスト21をマスクとして窒化膜20、酸化膜19の一部を順にエッチングにより除去する。続いて、半導体基板1(ドリフト拡散領域10)の上部にトレンチ13をエッチングにより形成する。ここで、トレンチ13の深さは、例えば0.4μm〜2.0μm程度とし、少なくとも表面領域12に達するようにする。
【0036】
次に、図4(d)に示すように、レジスト21を除去後、半導体基板1の上方に例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により、絶縁膜として例えば(シリコン)酸化膜14を形成してトレンチ13を埋め込む。次いで、酸化膜14にCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理を施して窒化膜20上から酸化膜14を取り除く。この平坦化処理では、窒化膜20がCMP処理のストッパーとして機能する。このようにして酸化膜14で埋め込まれたトレンチ13は、素子間を分離するためのSTI構造と同時に形成することが可能である。
【0037】
次に、図5(a)に示すように、窒化膜20、酸化膜19をエッチングにより除去した後に、半導体基板1上に熱酸化によりゲート絶縁膜4を形成するとともに、半導体基板1との間にゲート絶縁膜4を挟んだ状態で、半導体基板1上及び酸化膜14上にゲート電極5を設ける。ここで、例えばゲート絶縁膜4の膜厚は2〜100nm程度であり、本実施形態のLDMOSトランジスタと同一基板上に混載されているロジック部の低圧トランジスタのゲート絶縁膜と同時に形成することが可能である。
【0038】
次に、図5(b)に示すように、半導体基板1(ドリフト拡散領域10)の上部であってゲート電極5のゲート長方向の端部下に位置する領域にp型のボディ拡散領域2を形成する。ここでは、例えば、注入エネルギーを80〜150keV、注入ドーズ量を1×1013cm−2〜1×1014cm−2程度とし、注入深さを0.2〜1.2μm程度とする条件でp型不純物イオンをゲート電極5をマスクとして半導体基板1(ドリフト拡散領域10)の上部に注入する。この注入条件は一例であり、所望する耐圧、閾値、電流能力に応じて適宜設定する。
【0039】
次に、図5(c)、(d)に示すように、公知のイオン注入等によりボディ拡散領域2の上部に第1導電型(n型)のソース拡散領域6を形成するとともに、ボディ拡散領域2の上部であってソース拡散領域6とは重ならない位置に(ボディ拡散領域2の他の部分よりも)高濃度に第2導電型(p型)の不純物を含むバックゲート拡散領域8とを形成する。また、ソース拡散領域6と同時に、ドリフト拡散領域10の上部のうち、酸化膜14(及びゲート電極5)から見てソース拡散領域6とは逆の方向に隣接する領域にn型のドレイン拡散領域7を形成する。
【0040】
続いて、ゲート電極5上及び半導体基板1の上面上にBPSGなどからなる層間絶縁膜23を形成した後、ソース拡散領域6上及びバックゲート拡散領域8上に金属等からなるソース電極16を、ドレイン拡散領域7上には金属等からなるドレイン電極17を、それぞれ形成する。以上の工程により、図1に示すLDMOSトランジスタを作製できる。
【0041】
本実施形態のLDMOSトランジスタは、STI構造を有する他の半導体素子と同一基板上に混載する場合、酸化膜14を素子分離領域の形成と同時に行うことができるので、工程数は増加しない。また、ドリフト拡散領域10の表面領域12は基板内部領域11よりも高濃度のn型不純物を含むが、表面領域12は基板内部領域11と同じマスクを用いたイオン注入により形成できるので、従来の半導体装置に比べて工程数を大幅に増加させることなく半導体装置の低抵抗化及び高耐圧化を実現することができる。
【0042】
−実施形態の第1の変形例−
図6は、本発明の実施形態に係るLDMOSトランジスタの第1の変形例を示す断面図である。本変形例に係るLDMOSトランジスタは、酸化膜14の直下に位置する領域に、基板内部領域11よりも高濃度のn型不純物を含むドリフト拡散部15が形成されている点が、図1に示すLDMOSトランジスタと異なっている。
【0043】
すなわち、本変形例に係るLDMOSトランジスタは、p型(第2導電型)の半導体基板1と、半導体基板1の上部に形成されたn型(第1導電型)のドリフト拡散領域10と、ドリフト拡散領域10の上部に形成されたp型のボディ拡散領域2と、ボディ拡散領域2の上部に形成され、互いに接するp型のバックゲート拡散領域8及びn型のソース拡散領域6と、ドリフト拡散領域10の上部に形成されたn型のドレイン拡散領域7と、ソース拡散領域6とドレイン拡散領域7との間に形成され、ソース拡散領域6及びボディ拡散領域2と離間して配置された酸化膜(絶縁膜)14とを備えている。
【0044】
また、LDMOSトランジスタは、ボディ拡散領域2の一部上からドリフト拡散領域10上及び酸化膜14の一部上に亘って形成されたゲート絶縁膜4と、ゲート絶縁膜4上に形成されたゲート電極5と、ゲート電極5上及び半導体基板1上に形成され、ソース拡散領域6及びバックゲート拡散領域8の上方及びドレイン拡散領域7の上方に開口を有する層間絶縁膜23と、ソース拡散領域6の一部上及びバックゲート拡散領域8の一部上に形成されたソース電極16と、ドレイン拡散領域7上に形成されたドレイン電極17とを備えている。
【0045】
ゲート電極5は、平面的に見てソース拡散領域6とドレイン拡散領域7との間に位置している。バックゲート拡散領域8は半導体基板1よりも高濃度のp型不純物を含んでいる。バックゲート拡散領域8はソース拡散領域6から見てドレイン拡散領域7とは逆の位置に設けられている。
【0046】
本実施形態の半導体装置において、ドリフト拡散領域10はゲート電極5(ゲート絶縁膜4)の直下であって、ボディ拡散領域2と酸化膜14との間に位置する領域に形成されたn型の表面領域12と、表面領域12の下に位置し、表面領域12よりもn型不純物濃度が低い基板内部領域11と、トレンチ13の底面部に形成され、基板内部領域11よりも高濃度のn型不純物を含むドリフト拡散部15とを有している。基板内部領域11、表面領域12、及びドリフト拡散部15のn型不純物濃度は、ソース拡散領域6及びドレイン拡散領域7中のn型不純物濃度よりも低い。
【0047】
本実施形態のLDMOSトランジスタでは、オン時にキャリアの経路となるドリフト拡散領域10の表面領域12のn型不純物濃度を基板内部領域11よりも濃くしているので、従来のLDMOSトランジスタに比べて表面領域12における抵抗が低減されており、結果としてオン抵抗を低減することが可能である。
【0048】
なお、図17に示すような、オフセット領域をLOCOSで形成している一般的なLDMOSトランジスタでは、ドリフト拡散領域の表面領域の不純物濃度を濃くした場合、ソース拡散領域306に近い方のLOCOS酸化膜303端部のバーズピーク部で電界が集中して耐圧が低下する。すなわち、一般的なLDMOSトランジスタでは、ゲート電極5のドレイン拡散領域7側の端部近傍で電界が集中しやすくなっている。
【0049】
これに対し、図1に示す本実施形態のLDMOSトランジスタでは、半導体基板1のうち、ゲート電極5のドレイン拡散領域7側の端部近傍に位置する領域にトレンチ13を形成している。このように、当該端部近傍領域から不純物濃度の高い表面領域12を除去することで、ドリフト拡散領域10のうち、ゲート電極5のドレイン拡散領域7側の端部付近に位置する領域に加わる電界集中を緩和することが可能となり、耐圧の低下を抑制することが可能である。
【0050】
また、図17に示すLDMOSにおいて、半導体基板301のうちボディ拡散領域302とドレイン拡散領域307との間に位置する領域(図6のドリフト拡散領域10に相当する領域)全体のn型不純物濃度を高くしてオン抵抗の低減を図る場合、ボディ拡散領域302底部のコーナー領域に電界が集中することで耐圧が低下する。
【0051】
しかし、本変形例に係るLDMOSトランジスタでは、半導体基板1のうちオン時にキャリアの経路となるトレンチ13の底面部(ドリフト拡散部15)のn型不純物濃度を局所的に高くし、ボディ拡散領域2のカバーチャ領域に接する基板内部領域11のn型不純物濃度は高くしていないので、耐圧の低下を招くことなくオン抵抗を低減することができる。
【0052】
次に、第1の変形例に係るLDMOSトランジスタの製造方法を説明する。図7(a)、(c)、(d)、図8(b)〜(d)、及び図9(b)は、本変形例に係るLDMOSトランジスタの製造方法を示す工程断面図であり、図7(b)は図7(a)に示す工程における半導体基板内のn型不純物濃度分布を示す図であり、図8(a)は、図7(d)に示す工程終了後のLDMOSトランジスタにおいて、トレンチ13の底部と同じ深さ位置での半導体基板1のn型不純物濃度を示す図である。図9(a)は、図8(d)に示す工程終了後のLDMOSトランジスタにおいて、トレンチ13の底部と同じ深さ位置での半導体基板1の不純物濃度を示す図である。
【0053】
まず、図7(a)に示すように、p型の半導体基板1にn型のドリフト拡散領域10を形成する。具体的には、異なる注入エネルギーで2回以上のn型不純物イオンの注入を実施し、且つ浅い位置に注入する際のドーズ量を深い位置に注入する際のドーズ量よりも大きくする。これにより、ドリフト拡散領域10の表面領域12のn型不純物濃度を内部領域11のn型不純物濃度よりも大きくすることができる。ここで、注入するn型不純物として例えばリンを使用し、基板内部領域11を形成するためのn型不純物注入は少なくとも1回以上行い、注入ドーズ量は1×1012cm−2〜6×1012cm−2程度、加速エネルギーは100keV以上とする。また、表面領域12を形成するためのn型不純物注入は少なくとも1回以上行い、注入ドーズ量は2×1012cm−2〜1×1013cm−2程度、加速エネルギーは80keV以下とする。このようにして形成されたドリフト拡散領域10の注入直後の濃度プロファイルは図7(b)のようになっている。
【0054】
次に、図7(c)に示すように、半導体基板1上に酸化膜19、窒化膜20を順次形成した後、窒化膜20上にレジスト21を塗布、現像し、レジスト21のうち後にボディ拡散領域2を形成する領域から離れた所定領域に開口を形成する。次いで、レジスト21をマスクとして窒化膜20、酸化膜19の一部を順にエッチングにより除去する。続いて、半導体基板1(ドリフト拡散領域10)の上部にトレンチ13をエッチングにより形成する。ここで、トレンチ13の深さは、例えば0.4μm〜2.0μm程度とし、少なくとも表面領域12に達するようにする。
【0055】
次に、図7(d)に示すように、レジスト21をマスクとして半導体基板1にn型不純物イオンを注入して、半導体基板1のうちトレンチ13の底面部に位置する領域にn型のドリフト拡散部15を形成する。ドリフト拡散部15のn型不純物濃度は同じ深さの基板内部領域11のn型不純物濃度よりも高くなっている。
【0056】
本工程では、注入するn型不純物注入として例えばリンを使用し、注入ドーズ量は1×1012cm−2〜1×1013cm−2程度、注入ドーズ量を100keV以下とする。このようにして形成されたドリフト拡散領域11のトレンチ溝の底面と同じ深さにおける半導体基板1のイオン注入直後の濃度プロファイルは、図8(a)に示すようになっている。
【0057】
次に、図8(b)に示すように、レジスト21を除去後、半導体基板1の上方に例えば、CVD法により、絶縁膜として例えば酸化膜14を形成してトレンチ13を埋め込む。次いで、酸化膜14にCMP処理を施して窒化膜20上から酸化膜14を取り除く。この平坦化処理では、窒化膜20がCMP処理のストッパーとして機能する。このようにして酸化膜14で埋め込まれたトレンチ13は、素子間を分離するためのSTI構造と同時に形成することが可能である。
【0058】
次に、図8(c)に示すように、窒化膜20、酸化膜19をエッチングにより除去した後に、半導体基板1上に熱酸化によりゲート絶縁膜4を形成し、ゲート電極5を設ける。ここで、例えばゲート絶縁膜4の膜厚は2〜100nm程度であり、本実施形態のLDMOSトランジスタと同一基板上に混載されているロジック部の低圧トランジスタのゲート絶縁膜と同時に形成することが可能である。
【0059】
次に、図8(d)に示すように、半導体基板1(ドリフト拡散領域10)の上部であってゲート電極5のゲート長方向の端部下に位置する領域にp型のボディ拡散領域2を形成する。ここでは、例えば、注入エネルギーを80〜150keV、注入ドーズ量を1×1013cm−2〜1×1014cm−2程度とし、注入深さを0.2〜1.2μm程度とする条件でp型不純物イオンをゲート電極5をマスクとして半導体基板1(ドリフト拡散領域10)の上部に注入する。この注入条件は一例であり、所望する耐圧、閾値、電流能力に応じて適宜設定する。
【0060】
本工程が終了した時点でのLDMOSトランジスタでは、図9(a)に示すように、ドリフト拡散部15のn型不純物濃度が、ドリフト拡散部15と同じ深さ位置に形成されている基板内部領域11のn型不純物濃度よりも高くなっており、p型のボディ拡散領域2と接している領域のn型不純物濃度が低くなっていることが分かる。
【0061】
次に、図9(b)に示すように、公知のイオン注入等によりボディ拡散領域2の上部にn型のソース拡散領域6を形成するとともに、ボディ拡散領域2の上部であってソース拡散領域6とは重ならない位置に(ボディ拡散領域2の他の部分よりも)高濃度にp型不純物を含むバックゲート拡散領域8とを形成する。また、ソース拡散領域6と同時に、ドリフト拡散領域10の上部のうち、酸化膜14(及びゲート電極5)から見てソース拡散領域6とは逆の方向に隣接する領域にn型のドレイン拡散領域7を形成する。
【0062】
続いて、ゲート電極5上及び半導体基板1の上面上にBPSGなどからなる層間絶縁膜23を形成した後、ソース拡散領域6上及びバックゲート拡散領域8上に金属等からなるソース電極16を、ドレイン拡散領域7上には金属等からなるドレイン電極17を、それぞれ形成する。以上の工程により、図6に示すLDMOSトランジスタを作製できる。
【0063】
本変形例で説明した方法によれば、トレンチ13を形成するためのマスクを用いたイオン注入によってドリフト拡散部15を形成できるので、別個にマスクを作製する場合に比べて工程数の増加を抑えつつ、半導体装置のさらなる低抵抗化を実現することができる。
【0064】
−実施形態の第2の変形例−
図10は、本発明の実施形態に係るLDMOSトランジスタの第2の変形例を示す断面図である。本変形例に係るLDMOSトランジスタは、トレンチ13のコーナー部が丸められていることを除いては、図1に示すLDMOSトランジスタと同様の構成を有している。
【0065】
図1に示すLDMOSトランジスタでは、ゲート絶縁膜4を挟んでゲート電極5の直下に位置する表面領域12とドレイン拡散領域7との間にトレンチ13が形成されており、このトレンチ13縦方向の断面は台形等、角張ったコーナー部を有している。このトレンチ13はドリフト拡散領域10の上部に形成されている。
【0066】
これに対し、図10に示す第2の変形例に係るLDMOSトランジスタでは、トレンチ13の上端部及びトレンチ13底部のコーナー部が丸められている。
【0067】
動作時にボディ拡散領域2から空乏層が延びるため、トレンチ13のソース拡散領域6に近い方のコーナー部には、他の部分に比べて電界集中が生じやすい。本変形例のLDMOSトランジスタによれば、トレンチ13の上端部及びトレンチ13底部のコーナー部が丸められているので、図1に示すLDMOSトランジスタに比べてトレンチ13のコーナー部における電界集中を効果的に緩和することができ、十分な耐圧性を確保することが可能となる。
【0068】
本変形例に係るLDMOSトランジスタは以下の方法で作製できる。
【0069】
図11(a)、(c)、(d)、図12(a)〜(d)、図13(a)、(b)は、本変形例に係るLDMOSトランジスタの製造方法を示す工程断面図であり、図11(b)は図11(a)に示す工程における半導体基板内のn型不純物濃度分布を示す図である。
【0070】
まず、図11(a)に示すように、p型の半導体基板1にn型のドリフト拡散領域10を形成する。具体的には、異なる注入エネルギーで2回以上のn型不純物イオンの注入を実施し、且つ浅い位置に注入する際のドーズ量を深い位置に注入する際のドーズ量よりも大きくする。これにより、ドリフト拡散領域10の表面領域12のn型不純物濃度を基板内部領域11のn型不純物濃度よりも大きくすることができる。
【0071】
ここで、注入するn型不純物として例えばリンを使用し、基板内部領域11を形成するためのn型不純物注入は少なくとも1回以上行い、注入ドーズ量は1×1012cm−2〜6×1012cm−2程度、加速エネルギーは100keV以上とする。また、表面領域12を形成するためのn型不純物注入は少なくとも1回以上行い、注入ドーズ量は2×1012cm−2〜1×1013cm−2程度、加速エネルギーは80keV以下とする。このようにして形成されたドリフト拡散領域10の注入直後の濃度プロファイルは図11(b)のようになっている。
【0072】
次に、図11(c)に示すように、半導体基板1上に酸化膜19、窒化膜20を順次形成する。
【0073】
次に、図11(d)に示すように、窒化膜20上にレジスト(図示せず)を塗布してからこれを現像処理することで、レジスト21のうち後にボディ拡散領域2を形成する領域から離れた所定領域に開口を形成する。次いで、レジストをマスクとして窒化膜20、酸化膜19の一部を順にエッチングにより除去後、レジストも除去する。
【0074】
次に、図12(a)に示すように、半導体基板1の上面部のうち露出した部分を選択的に熱酸化することにより、半導体基板1の上面上に酸化膜24を形成する。ここで、熱酸化により形成された酸化膜24の膜厚は、例えば0.4μm〜1μm程度とする。酸化膜24は、上端部と底部のコーナー部が丸くなった形状を有している。なお、酸化膜24は熱酸化以外にも酸化剤に半導体基板を浸漬すること等によって形成することが可能である。
【0075】
次に、図12(b)に示すように、酸化膜24をエッチングにより除去後、さらに酸化膜24が設けられていた領域の半導体基板1の上部をエッチングすることで、トレンチ13を形成する。ここで、例えばトレンチ13の深さは0.4μm〜2.0μm程度である。
【0076】
次に、図12(c)に示すように、窒化膜20の上面上及び半導体基板1のトレンチ13が形成された部分上に酸化膜14を形成してトレンチ13を埋め込む。この酸化膜14の形成は例えばCVD法により行う。続いて、酸化膜14の上面にCMP処理を施して窒化膜20上から酸化膜14を取り除く。この平坦化処理では、窒化膜20がCMP処理のストッパーとして機能する。このようにして酸化膜14で埋め込まれたトレンチ13は、素子間を分離するためのSTI構造と同時に形成することが可能である。
【0077】
次に、図12(d)に示すように、窒化膜20、酸化膜19をエッチングにより除去した後に、半導体基板1上に熱酸化によりゲート絶縁膜4を形成し、ゲート電極5を設ける。ここで、例えばゲート絶縁膜4の膜厚は2〜100nm程度であり、本実施形態のLDMOSトランジスタと同一基板上に混載されているロジック部の低圧トランジスタのゲート絶縁膜と同時に形成することが可能である。
【0078】
次に、図13(a)に示すように、半導体基板1(ドリフト拡散領域10)の上部であってゲート電極5のゲート長方向の端部下に位置する領域にp型のボディ拡散領域2を形成する。ここでは、例えば、注入エネルギーを80〜150keV、注入ドーズ量を1×1013cm−2〜1×1014cm−2程度とし、注入深さを0.2〜1.2μm程度とする条件でp型不純物イオンをゲート電極5をマスクとして半導体基板1(ドリフト拡散領域10)の上部に注入する。この注入条件は一例であり、所望する耐圧、閾値、電流能力に応じて適宜設定する。
【0079】
次に、図13(b)に示すように、公知のイオン注入等によりボディ拡散領域2の上部にn型のソース拡散領域6を形成するとともに、ボディ拡散領域2の上部であってソース拡散領域6とは重ならない位置に(ボディ拡散領域2の他の部分よりも)高濃度にp型の不純物を含むバックゲート拡散領域8とを形成する。また、ソース拡散領域6と同時に、ドリフト拡散領域10の上部のうち、酸化膜14(及びゲート電極5)から見てソース拡散領域6とは逆の方向に隣接する領域にn型のドレイン拡散領域7を形成する。
【0080】
続いて、ゲート電極5上及び半導体基板1の上面上にBPSGなどからなる層間絶縁膜23を形成した後、ソース拡散領域6上及びバックゲート拡散領域8上に金属等からなるソース電極16を、ドレイン拡散領域7上には金属等からなるドレイン電極17を、それぞれ形成する。以上の工程により、図1に示すLDMOSトランジスタを作製できる。
【0081】
−実施形態の第3の変形例−
図14は、本発明の実施形態に係るLDMOSトランジスタの第3の変形例を示す断面図である。同図に示すように、本変形例に係るLDMOSトランジスタでは、半導体基板1の上部に形成されたn型のドリフト拡散領域210がソース拡散領域6の下方には形成されておらず、p型のボディ拡散領域2とも離れた位置に形成されている点が図1に示すLDMOSトランジスタと異なっている。
【0082】
ドリフト拡散領域210はトレンチ13に埋め込まれた酸化膜14の側面及び下面を覆うように形成されている。ドリフト拡散領域210は、酸化膜14及びドレイン拡散領域207の下に形成された基板内部領域211と、基板内部領域211の上であってゲート絶縁膜4を挟んでゲート電極5の下に位置し、基板内部領域211よりも高濃度のn型不純物を含む表面領域212とを有している。
【0083】
また、LDMOSトランジスタは、ボディ拡散領域2の一部上から表面領域212上及び酸化膜14の一部上に亘って形成されたゲート絶縁膜4と、ゲート絶縁膜4上に形成されたゲート電極5と、ゲート電極5上及び半導体基板1上に形成され、ソース拡散領域6及びバックゲート拡散領域8の上方及びドレイン拡散領域7の上方に開口を有する層間絶縁膜23と、ソース拡散領域6の一部上及びバックゲート拡散領域8の一部上に形成されたソース電極16と、ドレイン拡散領域7上に形成されたドレイン電極17とを備えている。
【0084】
本実施形態のLDMOSトランジスタでは、オン時にキャリアの経路となるドリフト拡散領域210の表面領域12のn型不純物濃度を基板内部領域211よりも濃くしているので、従来のLDMOSトランジスタに比べて表面領域212における抵抗が低減されており、結果としてオン抵抗を低減することが可能である。
【0085】
なお、図17に示すような、オフセット領域をLOCOSで形成している一般的なLDMOSトランジスタでは、ドリフト拡散領域の表面領域の不純物濃度を濃くした場合、ソース拡散領域306に近い方のLOCOS酸化膜303端部のバーズピーク部で電界が集中して耐圧が低下する。すなわち、一般的なLDMOSトランジスタでは、ゲート電極5のドレイン拡散領域7側の端部近傍で電界が集中しやすくなっている。
【0086】
これに対し、図14に示す本実施形態のLDMOSトランジスタでは、半導体基板1のうち、ゲート電極5のドレイン拡散領域7側の端部近傍に位置する領域にトレンチ13を形成している。このように、当該端部近傍領域から不純物濃度の高い表面領域212を除去することで、ドリフト拡散領域210のうち、ゲート電極5のドレイン拡散領域7側の端部付近に位置する領域に加わる電界集中を緩和することが可能となり、耐圧の低下を抑制することが可能である。
【0087】
また、この構成によれば、ボディ拡散領域2とドリフト拡散領域210とが接しておらず、且つボディ拡散領域2とドリフト拡散領域210との間には半導体基板1のp型領域が存在する。このため、本変形例に係るLDMOSトランジスタでは、図1に示すLDMOSトランジスタに比べてより耐圧が向上しているので高電圧が印加される用途に好ましく用いることができる。
【0088】
次に、本変形例に係るLDMOSトランジスタの製造方法について説明する。図15(a)、(c)、(d)、図16(a)〜(c)は、本変形例に係るLDMOSトランジスタの製造方法を示す工程断面図であり、図15(b)は図15(a)に示す工程における半導体基板内のn型不純物濃度分布を示す図であり、図16(d)は、図16(c)に示す工程終了後のLDMOSトランジスタを示す平面図である。
【0089】
まず、図15(a)に示すように、p型の半導体基板1にn型のドリフト拡散領域210を形成する。具体的には、半導体基板1のうち、後にソース拡散領域を形成する領域を覆うレジスト50を形成する。次いで、レジスト50をマスクとして異なる注入エネルギーで2回以上のn型不純物イオンの注入を実施し、且つ浅い位置に注入する際のドーズ量を深い位置に注入する際のドーズ量よりも大きくする。これにより、ドリフト拡散領域210の表面領域212のn型不純物濃度を内部領域211のn型不純物濃度よりも大きくすることができる。
【0090】
ここで、注入するn型不純物として例えばリンを使用し、内部領域211を形成するためのn型不純物注入は少なくとも1回以上行い、注入ドーズ量は1×1012cm−2〜6×1012cm−2程度、加速エネルギーは100keV以上とする。また、表面領域212を形成するためのn型不純物注入は少なくとも1回以上行い、注入ドーズ量は2×1012cm−2〜1×1013cm−2程度、加速エネルギーは80keV以下とする。このようにして形成されたドリフト拡散領域210の注入直後の濃度プロファイルは図15(b)のようになっている。
【0091】
次に、図15(c)に示すように、半導体基板1上に酸化膜19、窒化膜20を順次形成した後、窒化膜20上にレジスト21を塗布、現像し、レジスト21のうち後にボディ拡散領域2を形成する領域から離れた所定領域に開口を形成する。次いで、レジスト21をマスクとして窒化膜20、酸化膜19の一部を順にエッチングにより除去する。続いて、半導体基板1(ドリフト拡散領域210)の上部にトレンチ13をエッチングにより形成する。ここで、トレンチ13の深さは、例えば0.4μm〜2.0μm程度とし、少なくとも表面領域12に達するようにする。
【0092】
次に、図15(d)に示すように、レジスト21を除去後、半導体基板1の上方に例えば、CVD法により、絶縁膜として例えば酸化膜14を形成してトレンチ13を埋め込む。次いで、酸化膜14にCMP処理を施して窒化膜20上から酸化膜14を取り除く。この平坦化処理では、窒化膜20がCMP処理のストッパーとして機能する。このようにして酸化膜14で埋め込まれたトレンチ13は、素子間を分離するためのSTI構造と同時に形成することが可能である。
【0093】
次に、図16(a)に示すように、窒化膜20、酸化膜19をエッチングにより除去した後に、半導体基板1上に熱酸化によりゲート絶縁膜4を形成し、ゲート電極5を設ける。ここで、例えばゲート絶縁膜4の膜厚は2〜100nm程度であり、本実施形態のLDMOSトランジスタと同一基板上に混載されているロジック部の低圧トランジスタのゲート絶縁膜と同時に形成することが可能である。
【0094】
次に、図16(b)に示すように、半導体基板1の上部であってドリフト拡散領域210に接触しない領域にp型のボディ拡散領域2を形成する。ここでは、例えば、注入エネルギーを80〜150keV、注入ドーズ量を1×1013cm−2〜1×1014cm−2程度とし、注入深さを0.2〜1.2μm程度とする条件でp型不純物イオンをゲート電極5をマスクとして半導体基板1の上部に注入する。この注入条件は一例であり、所望する耐圧、閾値、電流能力に応じて適宜設定する。
【0095】
次に、図16(c)、(d)に示すように、公知のイオン注入等によりボディ拡散領域2の上部にn型のソース拡散領域6を形成するとともに、ボディ拡散領域2の上部であってソース拡散領域6とは重ならない位置に(ボディ拡散領域2の他の部分よりも)高濃度にp型不純物を含むバックゲート拡散領域8とを形成する。また、ソース拡散領域6と同時に、ドリフト拡散領域210の上部のうち、酸化膜14(及びゲート電極5)から見てソース拡散領域6とは逆の方向に隣接する領域にn型のドレイン拡散領域7を形成する。
【0096】
続いて、ゲート電極5上及び半導体基板1の上面上にBPSGなどからなる層間絶縁膜23を形成した後、ソース拡散領域6上及びバックゲート拡散領域8上に金属等からなるソース電極16を、ドレイン拡散領域7上には金属等からなるドレイン電極17を、それぞれ形成する。以上の工程により、図14に示すLDMOSトランジスタを作製できる。
【0097】
なお、上述したように、以上で説明した実施形態やその変形例に係るLDMOSトランジスタの構成を適宜組み合わせてもよい。例えば、第3の変形例に係るLDMOSトランジスタにおいて、トレンチ13のコーナー部が丸められていてもよいし、ドリフト拡散領域210のうちトレンチ13の底部に位置する領域に、基板内部領域211よりもn型不純物濃度が高いドリフト拡散部15(図6参照)が設けられていてもよい。
【0098】
また、以上で説明した製造工程の順序、イオン注入やエッチングの条件などは実施可能な範囲で適宜変更してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0099】
以上で説明したように、本発明の一例であるLDMOSトランジスタは、耐圧を維持しながら、オン抵抗を低減することが可能なため、例えばドライバICや電源IC等の分野において、例えば10V〜40V程度の高電圧下で用いられる耐圧デバイスとして有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0100】
1 半導体基板
2 ボディ拡散領域
4 ゲート絶縁膜
5 ゲート電極
6 ソース拡散領域
7、207 ドレイン拡散領域
8 バックゲート拡散領域
10、210 ドリフト拡散領域
11、211 基板内部領域
12、212 表面領域
13 トレンチ
14 酸化膜
15 ドリフト拡散部
16 ソース電極
17 ドレイン電極
19 酸化膜
20 窒化膜
21 レジスト
23 層間絶縁膜
24 酸化膜
25 空乏層
26 キャリアの経路
50 レジスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の上部に形成された第1導電型のドリフト拡散領域と、
前記半導体基板の上部に形成された第2導電型のボディ拡散領域と、
前記ボディ拡散領域の上部に形成された第1導電型のソース拡散領域と、
前記ドリフト拡散領域の上部に形成されたトレンチ内に埋め込まれ、前記ボディ拡散領域とは離間した位置に形成された絶縁膜と、
前記ドリフト拡散領域の上部に形成され、前記絶縁膜から見て前記ソース拡散領域と逆の方向に隣接する第1導電型のドレイン拡散領域と、
ゲート絶縁膜を間に挟んだ状態で、前記ボディ拡散領域上から前記ドリフト拡散領域上を越えて前記絶縁膜上にまで形成されたゲート電極とを備え、
前記ドリフト拡散領域は、基板内部領域と、前記基板内部領域上で且つ前記ゲート電極の下に形成され、前記基板内部領域よりも高濃度の第1導電型不純物を含む表面領域とを有している半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記ドリフト拡散領域のうち前記トレンチの底部に位置する部分は、同じ深さに位置する前記基板内部領域よりも高濃度の第1導電型不純物を含んでいる半導体装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の半導体装置において、
前記トレンチの上端部及び前記トレンチ底部のコーナー部は丸められている半導体装置。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
前記ボディ拡散領域は前記ドリフト拡散領域の上部に形成されており、
前記ボディ拡散領域と前記表面領域とは接している半導体装置。
【請求項5】
請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
前記ボディ拡散領域と前記ドリフト拡散領域とは互いに離間して形成されており、
前記半導体基板のうち前記ボディ拡散領域と前記ドリフト拡散領域との間に位置する部分は第2導電型を示す半導体装置。
【請求項6】
請求項1〜5のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
前記ドリフト拡散領域に含まれる第1導電型不純物の濃度は、前記ソース拡散領域及び前記ドレイン拡散領域に含まれる第1導電型不純物の濃度よりも低い半導体装置。
【請求項7】
第1のイオン注入によって第1導電型の不純物イオンを半導体基板に注入し、第1導電型の基板内部領域を形成するとともに、前記第1のイオン注入よりも低い注入エネルギー、大きいドーズ量の第2のイオン注入によって第1導電型の不純物イオンを前記半導体基板に注入し、前記基板内部領域よりも浅い位置に第1導電型の表面領域を形成することで、前記基板内部領域及び前記表面領域を含むドリフト拡散領域を形成する工程(a)と、
前記ドリフト拡散領域の所定の領域にトレンチを形成する工程(b)と、
前記トレンチを埋める絶縁膜を形成する工程(c)と、
前記半導体基板との間にゲート絶縁膜を挟んで、前記半導体基板上及び前記絶縁膜上にゲート電極を形成する工程(d)と、
前記半導体基板の上部であって、前記ゲート電極のゲート長方向の端部下に位置する領域に、前記トレンチとは離間した第2導電型のボディ拡散領域を形成する工程(e)と、
前記ボディ拡散領域の上部に第1導電型のソース拡散領域を形成するとともに、前記ドリフト拡散領域の上部であって、前記絶縁膜から見て前記ソース拡散領域と逆の方向に隣接する領域に第1導電型のドレイン拡散領域を形成する工程(f)とを備えている半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(b)は前記工程(a)の後に行われ、
前記工程(b)では前記所定の領域に開口が形成された第1のマスクを用いて前記ドリフト拡散領域をエッチングすることで前記トレンチを形成し、
前記工程(b)の後、前記工程(c)の前に、前記第1のマスクを用いて前記ドリフト拡散領域のうち前記トレンチの底部に位置する領域に第1導電型の不純物イオンを注入し、前記基板内部領域よりも高濃度の第1導電型の不純物を含むドリフト拡散部を形成する工程をさらに備えている半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項7または8に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(b)は、
前記ドリフト拡散領域の前記所定の領域を選択的に酸化することにより、前記所定の領域上に酸化膜を形成する工程(b1)と、
前記酸化膜を除去することで、前記所定の領域に、底部のコーナー部が丸められた前記トレンチを形成する工程(b1)とを含んでいる半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項7〜9のうちいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(a)では、前記半導体基板の一部を覆う第2のマスクを用いたイオン注入によって前記基板内部領域及び前記表面領域を形成し、
前記工程(e)では、前記ドリフト拡散領域から離れた位置に前記ボディ拡散領域を形成する半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−187853(P2011−187853A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−53972(P2010−53972)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】