説明

半導体装置

【課題】金属パッドの下方に位置する層間絶縁膜にクラックが発生し、クラック内に水分が進入することがあっても、金属パッドの近傍の配線の信頼性が低下することを防止する。
【解決手段】半導体基板10上に形成された層間絶縁膜18と、層間絶縁膜18を貫通して設けられたリング用金属配線20Aと、層間絶縁膜18を貫通して設けられたコンタクト用金属配線20Bと、層間絶縁膜18上及びリング用金属配線20Aの全上面上に形成された第1の保護絶縁膜21と、第1の保護絶縁膜21上に形成された金属パッド23とを備え、リング用金属配線20Aは、層間絶縁膜18のうち金属パッド23の下方に位置する領域にリング状に設けられており、金属パッド23は、第1の保護絶縁膜21に形成された第1の開口部21aを通じてコンタクト用金属配線20Bに接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に、金属パッドを備えた半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置の高機能化及び高集積化の進行に従い、デバイスチップにおいて、金属パッド数の増加、半導体素子の微細化、及び配線の多層化が進行している。そのため、デバイスチップのサイズを縮小化するために、金属パッドの下方領域に、配線又は半導体素子等を配置し、金属パッドの下方領域を有効活用することが重要になってきている。
【0003】
しかしながら、例えば、プローブ針等による検査工程、又はワイヤボンド等との接続工程において、金属パッドにプローブ針を当てる、又は金属パッドにワイヤボンドを接続する際に、金属パッドに比較的大きな外部圧力が印加されるため、金属パッドが削られたり、金属パッドの下方領域に、配線に到達するクラックが発生し、電圧印加によるエレクトロマイグレーション等により金属パッドと配線間にショートが発生するという問題があった。
【0004】
この問題の対策として、以下に示す半導体装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。従来の半導体装置について、図16及び図17を参照しながら説明する。図16は、従来の半導体装置の構成を示す平面図である。図16において、簡略的に図示するために、第2の開口部114a、金属パッド113、第1の開口部111a、コンタクト用金属配線110、及びビアプラグ109のみを図示する。図17は、従来の半導体装置の構成を示す断面図であり、具体的には、図16に示すXVII-XVII線における断面図である。
【0005】
従来の半導体装置は、図17に示すように、半導体基板100上に順次形成された層間絶縁膜101,103,106,108と、層間絶縁膜103に形成された金属配線104A,104Bと、層間絶縁膜106に形成されたビアプラグ109と、層間絶縁膜108に形成されたコンタクト用金属配線110と、層間絶縁膜108上に形成された第1の保護絶縁膜111と、第1の保護絶縁膜111上にバリアメタル膜112を介して形成された金属パッド113と、金属パッド113上に形成された第2の保護絶縁膜114とを備えている。第1の開口部111aは第1の保護絶縁膜111に形成され、第2の開口部114aは第2の保護絶縁膜114に形成されている。
【0006】
図17に示すように、金属パッド113は、第1の開口部111a内にバリアメタル膜112を介して形成されたコンタクト部113Cを介して、コンタクト用金属配線110と接続している。コンタクト用金属配線110は、ビアプラグ109を介して、金属配線104Bと接続している。このように、金属配線104Bは、金属パッド113と電気的に接続し、金属パッド113と同電位の配線である。一方、金属配線104Aは、図17から判るように、金属パッド113と電気的に接続されておらず、金属パッド113と異電位の配線である。
【0007】
図16に示すように、複数のビアプラグ109の各々は、コンタクト用金属配線110下に、互いに離間して配置されている。
【0008】
従来では、層間絶縁膜108のうち、金属配線104Bの上方に形成された領域のみにコンタクト用金属配線110を形成し、金属パッド113と、金属パッド113と異電位の金属配線104Aとの間に存在する層間絶縁膜数を増加させ、金属配線104Aを、金属パッド113と離間させることができる。
【0009】
そのため、例えば、金属パッド113にプローブ針200を当てる(図18(a) 参照)、又は金属パッド113にワイヤボンド300を接続する(図18(b) 参照)際に、プローブ針又はワイヤボンドにより、金属パッド113が削れてバリアメタル膜112が割れて、さらに、金属パッド113の削れ部分の下方に位置する第1の保護絶縁膜111及び層間絶縁膜108,106に、金属配線104Aに到達するクラックが発生することを抑制できるため、金属パッド113と、金属パッド113と異電位の金属配線104A間にショートが発生することを抑制できる。
【特許文献1】特許第3727818号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来の半導体装置では、以下に示す問題がある。
【0011】
従来では、既述の通り、金属配線104Aに到達するクラックの発生を抑制することは可能なものの、クラックの発生自体を防止することはできず、例えば、金属パッド113の削れ部分の下方に位置する第1の保護絶縁膜111及び層間絶縁膜108に、クラックが発生する。
【0012】
ここで、第1の保護絶縁膜111は、比較的耐湿性の高い膜であるものの、層間絶縁膜108,106,103,101は、比較的耐湿性の低い膜である。そのため、クラック内に進入した水分は、層間絶縁膜108中に拡散し、さらに、層間絶縁膜108下の層間絶縁膜106,103,101中に順次拡散する。
【0013】
そのため、例えば、金属パッド113の近傍の素子形成領域(後述の図1:Re参照)に配置された配線に水分が到達し、配線のうち水分との接触部分が腐食されて断線する、又は例えば、金属パッド113の近傍の素子形成領域に配置された配線と他の配線間に水分が拡散し、配線が他の配線とショートする。このように、従来では、金属パッド113の近傍の配線の信頼性が低下するという問題がある。
【0014】
前記に鑑み、本発明の目的は、金属パッドの下方に位置する層間絶縁膜にクラックが発生し、クラック内に水分が進入することがあっても、金属パッドの近傍の配線の信頼性が低下することを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記の目的を達成するために、本発明に係る半導体装置は、半導体基板上に形成された層間絶縁膜と、層間絶縁膜を貫通して設けられたリング用金属配線と、層間絶縁膜を貫通して設けられたコンタクト用金属配線と、層間絶縁膜上及びリング用金属配線の全上面上に形成された第1の保護絶縁膜と、第1の保護絶縁膜上に形成された金属パッドとを備え、リング用金属配線は、層間絶縁膜のうち金属パッドの下方に位置する領域にリング状に設けられており、金属パッドは、第1の保護絶縁膜に形成された第1の開口部を通じてコンタクト用金属配線に接続されていることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る半導体装置によると、例えば、金属パッドにプローブ針を当てる、又は金属パッドにワイヤボンドを接続する際に、プローブ針又はワイヤボンドにより、金属パッドが削れて、金属パッドの削れ部分の下方に位置する層間絶縁膜にクラックが発生し、クラック内に水分が進入することがあっても、リング用金属配線により、クラック内に進入した水分のうち特に横方向に拡散する水分が、リング用金属配線に囲まれていない外側領域に拡散することを防止できるため、金属パッドの近傍の配線の信頼性が低下することを防止できる。
【0017】
本発明に係る半導体装置において、層間絶縁膜下に形成された下地絶縁膜をさらに備え、下地絶縁膜は、層間絶縁膜に比べて耐湿性が高いことが好ましい。
【0018】
このようにすると、下地絶縁膜により、クラック内に進入した水分のうち特に下方向に拡散する水分が、下地絶縁膜下に拡散することを防止できる。従って、側面がリング用金属配線に囲まれ、底面が下地絶縁膜に囲まれた内側領域に水分を留めることができるため、金属パッドの近傍の配線の信頼性が低下することをより一層防止できる。
【0019】
本発明に係る半導体装置において、下地絶縁膜は、窒化物絶縁膜からなることが好ましい。
【0020】
本発明に係る半導体装置において、コンタクト用金属配線の配線幅は、リング用金属配線の配線幅と同等、又はそれ以上の大きさを有することが好ましい。
【0021】
本発明に係る半導体装置において、金属パッド上に形成された第2の保護絶縁膜をさらに備え、第2の保護絶縁膜に形成された第2の開口部は、金属パッド上に形成され、且つ、リング用金属配線に囲まれた内側領域の上方に配置されていることが好ましい。
【0022】
このように、第2の開口部を、リング用金属配線に囲まれた内側領域の上方に配置する、言い換えれば、リング用金属配線を、第2の開口部の外側に位置する領域(即ち、第2の保護絶縁膜)の下方に配置することにより、リング用金属配線により、層間絶縁膜のうち、クラックが発生する可能性の高い領域(即ち、金属パッドのうち第2の開口部内に露出する領域の下方に位置する領域)を囲うことができる。
【0023】
本発明に係る半導体装置において、コンタクト用金属配線及びリング用金属配線は、銅配線からなることが好ましい。
【0024】
本発明に係る半導体装置において、金属パッドは、アルミパッドからなることが好ましい。
【0025】
本発明に係る半導体装置において、コンタクト用金属配線は、リング用金属配線のうち対向する第1配線部と第2配線部との間の中央位置と第1配線部との間で、且つ、中央位置よりも第1配線部に近い位置に配置されており、中央位置と第2配線部との間には配置されていないことが好ましい。
【0026】
このようにすると、コンタクト用金属配線が、リング用金属配線の第1配線部側に配置されるため、例えば、ワイヤボンドを、リング用金属配線の第2配線部側に設けて、ワイヤボンドを、その下方にコンタクト用金属配線が配置されることがないように、金属パッド上に設けることができる。
【0027】
本発明に係る半導体装置において、コンタクト用金属配線は、リング用金属配線に囲まれた内側領域に、リング用金属配線から離間して設けられており、第1の開口部は、コンタクト用金属配線及び層間絶縁膜の上に形成されていることが好ましい。
【0028】
本発明に係る半導体装置において、第1の開口部は、その内部にコンタクト用金属配線の全上面が露出するように形成されていることが好ましい。
【0029】
このようにすると、第1の開口部の底面側角部を、コンタクト用金属配線と離間させることができる。そのため、コンタクト用金属配線が、バリアメタル膜の角部部分(膜厚の薄い部分)と接することはないため、バリアメタル膜の角部部分を通って、コンタクト用金属配線の金属が、金属パッドに析出することを防止できる。
【0030】
本発明に係る半導体装置において、第1の開口部は、その内部にコンタクト用金属配線の一部上面が露出するように形成されていることが好ましい。
【0031】
本発明に係る半導体装置において、コンタクト用金属配線は、リング用金属配線に囲まれた内側領域に、リング用金属配線から離間して設けられており、第1の開口部は、コンタクト用金属配線上のみに形成されていることが好ましい。
【0032】
本発明に係る半導体装置において、コンタクト用金属配線は、リング用金属配線に囲まれていない外側領域に、リング用金属配線から離間して設けられており、第1の開口部は、コンタクト用金属配線上のみに形成されていることが好ましい。
【0033】
本発明に係る半導体装置において、リング用金属配線は、電源配線に接続されていることが好ましい。
【0034】
このようにすると、リング用金属配線の電位が一定電位に固定されるため、リング用金属配線の電位の変動によって、金属パッドに対しノイズが発生することを抑制できる。
【0035】
加えて、リング用金属配線の固定電位が電源電位であるため、リング用金属配線により、金属パッドをシールドし、金属パッドのノイズが、金属パッドと隣り合う他の金属パッド、及び金属パッドの周囲に配置される配線に伝播することを抑制できる。
【0036】
本発明に係る半導体装置において、リング用金属配線は、金属パッドに接続されていることが好ましい。
【0037】
このようにすると、リング用金属配線の電位が一定電位(金属パッドと同電位)に固定されるため、リング用金属配線の電位の変動によって、金属パッドに対しノイズが発生することを抑制できる。
【発明の効果】
【0038】
本発明に係る半導体装置によると、例えば、金属パッドにプローブ針を当てる、又は金属パッドにワイヤボンドを接続する際に、プローブ針又はワイヤボンドにより、金属パッドが削れて、金属パッドの削れ部分の下方に位置する層間絶縁膜にクラックが発生し、クラック内に水分が進入することがあっても、リング用金属配線により、クラック内に進入した水分のうち特に横方向に拡散する水分が、リング用金属配線に囲まれていない外側領域に拡散することを防止できるため、金属パッドの近傍の配線の信頼性が低下することを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下に、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0040】
(第1の実施形態)
以下に、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置について、図1、図2、及び図3を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構成を示す平面図であり、具体的には、半導体装置におけるデバイスチップの構成を示す平面図である。
【0041】
図1に示すように、デバイスチップDには、その中央領域に素子が形成される素子形成領域Reが設けられ、その周辺領域に複数の金属パッドが配置されるパッド配置領域Rpが設けられている。
【0042】
以下に、パッド配置領域Rpのうち1コの金属パッド23を含む領域rp(図1参照)の構成について、図2及び図3を参照しながら説明する。図2(a) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構成を示す平面図であり、具体的には、図1に示す金属パッドを含む領域rpの構成を示す拡大平面図である。図2(a) において、簡略的に図示するために、第2の開口部24a、金属パッド23、第1の開口部21a、リング用金属配線20A、コンタクト用金属配線20B、及びビアプラグ19のみを図示する。また、図2(b) において、断面図(図3の右側に示す断面図と同一の断面図)を示し、図2(a) に示す平面構成と断面構成との対応関係を示す図である。なお、詳細な断面構成については図3に示す。図3は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図であり、具体的には、半導体装置における金属パッドを含む領域rpの構成を右側に示す一方、素子形成領域Reの部分領域reの構成を左側に示す断面図である。即ち、図3に示す断面図は、図1に示すIII-III線における拡大断面図であり、図3の右側に示す断面図は、図2に示すIIIrp-IIIrp線における断面図(図2(b) に示す断面図と同一の断面図)である。なお、図2(a) 及び以降の平面図において、実線及び点線を用いて図示しているが、これらの線の違いによる区別は特にない。
【0043】
図3に示すように、本実施形態に係る半導体装置は、シリコンからなる半導体基板10上に順次形成された層間絶縁膜11、下地絶縁膜12、及び層間絶縁膜13と、層間絶縁膜13及び下地絶縁膜12を貫通して設けられた金属配線14A,14B、及び信号配線14reと、層間絶縁膜13上に順次形成された下地絶縁膜15、層間絶縁膜16、下地絶縁膜17、及び層間絶縁膜18と、層間絶縁膜16及び下地絶縁膜15を貫通して設けられたビアプラグ19、及びビアプラグ19reと、層間絶縁膜18及び下地絶縁膜17を貫通して設けられたリング用金属配線20A、コンタクト用金属配線20B、及び信号配線20reと、層間絶縁膜18、リング用金属配線20A、及び信号配線20reの上に形成された第1の保護絶縁膜21と、第1の保護絶縁膜21上にバリアメタル膜22を介して形成された金属パッド23と、金属パッド23上に形成された第2の保護絶縁膜24とを備えている。第1の保護絶縁膜21には第1の開口部21aが形成され、第2の保護絶縁膜24には第2の開口部24aが形成されている。
【0044】
金属パッドを含む領域rpにおいて、金属パッド23は、第1の保護絶縁膜21に形成された第1の開口部21aを通じてコンタクト用金属配線20Bに接続されている。具体的には、金属パッド23のうち第1の開口部21a内に形成されたコンタクト部23Cがバリアメタル膜22を介して、コンタクト用金属配線20Bと接続している(ここで、本明細書の各実施形態における金属パッドのコンタクト部とは、金属パッドのうち、第1の開口部内にバリアメタル膜を介して形成された部分の全体を意味し、本実施形態における金属パッド23のコンタクト部23Cは、その一部下面がバリアメタル膜22を介してコンタクト用金属配線20Bと接している)。コンタクト用金属配線20Bは、ビアプラグ19を介して、下層の金属配線14Bと接続している。このように、金属配線14Bは、金属パッド23と電気的に接続し、金属パッド23と同電位の配線である。一方、金属配線14Aは、図3から判るように、金属パッド23と電気的に接続されておらず、金属パッド23と異電位の配線である。一方、素子形成領域の部分領域reにおいて、信号配線20reは、ビアプラグ19reを介して、下層の信号配線14reと接続している。
【0045】
なお、図3中に図示しないが、金属配線14A,14B及び信号配線14reは、層間絶縁膜13及び下地絶縁膜12を貫通する配線溝内に、バリアメタル膜(図示せず)を介して形成されている。また、ビアプラグ19,19reは、層間絶縁膜16及び下地絶縁膜15を貫通するビアホール内に、バリアメタル膜(図示せず)を介して形成されている。また、リング用,コンタクト用金属配線20A,20B及び信号配線20reは、層間絶縁膜18及び下地絶縁膜17を貫通する配線溝内に、バリアメタル膜(図示せず)を介して形成されている。
【0046】
図2に示すように、複数のビアプラグ19の各々は、コンタクト用金属配線20B下に、互いに離間して配置されている。金属パッド23の下方に配置されたリング用金属配線20Aは、第1,第2の開口部21a,24aの外側下方に位置する領域に、第2の開口部24aの下方に位置する領域を囲うようにリング状に配置されている。金属パッド23下に配置されたコンタクト用金属配線20Bは、第1の開口部21aの下方に位置する領域に配置されており、リング用金属配線20Aによって囲まれている。
【0047】
ここで、本実施形態に係る半導体装置を構成する各構成要素について、以下に説明する。
【0048】
層間絶縁膜11,13,16,18は、例えばシリコン酸化膜(SiO2)、若しくはTEOSを用いたTEOS酸化膜等の酸化物絶縁膜、又は炭素がドープされたシリコン酸化膜(SiOC膜)、若しくはフッ素がドープされたシリコン酸化膜(FSG膜)等の低誘電率絶縁膜からなる。
【0049】
下地絶縁膜12,15,17は、層間絶縁膜11,13,16,18に比べて耐湿性が高く、下地絶縁膜12,15,17内を通って水分が下地絶縁膜12,15,17外に拡散することを防止できる。下地絶縁膜12,15,17の材料としては、例えば、シリコン窒化膜(SiN膜)、シリコン炭窒化膜(SiCN膜)、又はシリコン酸窒化膜(SiON膜)等の窒化物絶縁膜が挙げられる。また、下地絶縁膜12,15,17の膜厚は、例えば10nm〜300nmである。
【0050】
リング用金属配線20Aは、図2及び図3に示すように、下地絶縁膜17及び層間絶縁膜18のうち、金属パッド23の下方に位置する領域にリング状に設けられている。また、リング用金属配線20Aは、第1の開口部21aの外側に位置する領域(即ち、第1の保護絶縁膜21)の下方に配置され、その全上面は、第1の保護絶縁膜21と接している。さらに、リング用金属配線20Aは、第2の開口部24aの外側に位置する領域(即ち、第2の保護絶縁膜24)の下方に配置されている。また、リング用金属配線20Aのバリアメタル膜は、例えば窒化タンタル膜(TaN膜)からなる。
【0051】
コンタクト用金属配線20Bは、図2及び図3に示すように、リング用金属配線20Aに囲まれた内側領域18Iに形成され、リング用金属配線20Aと離間して設けられている。ここで、内側領域18Iとは、図3に示すように、層間絶縁膜18のうちリング用金属配線20Aに囲まれた領域をいう。また、コンタクト用金属配線20Bは、その全上面が第1の開口部21a内に露出され、第1の開口部21aの側面と底面との間の角部(以下、「底面側角部」と称す)と離間している。即ち、コンタクト用金属配線20Bは、その全上面がバリアメタル膜22のうち第1の開口部21aの底面に形成された部分と接している。また、コンタクト用金属配線20Bのバリアメタル膜は、例えば窒化タンタル膜(TaN膜)からなる。
【0052】
ここで、コンタクト用金属配線20Bの配置は、次の位置に配置されることが好ましい。即ち、図2に示すように、リング用金属配線20Aのうちコンタクト用金属配線20Bの延びる方向Pと垂直な方向Vに沿って対向する部分を、「第1配線部20A1」及び「第2配線部20A2」とし、第1配線部20A1と第2配線部20A2との間の領域を2分の1に区画する区画線の位置を、「中央位置C」とした場合、コンタクト用金属配線20Bは、中央位置Cと第1配線部20A1との間で、且つ、中央位置Cよりも第1配線部20A1に近い位置に配置されていることが好ましい。言い換えれば、コンタクト用金属配線20Bは、中央位置Cと第2配線部20A2との間には配置されていないことが好ましい。
【0053】
リング用金属配線20A及びコンタクト用金属配線20Bは、銅又は銅合金(例えば、銅を主成分としてアルミニウムが微量に添加されたCu−Al)からなる銅配線からなる。また、コンタクト用金属配線20Bの配線幅(図3:W20B参照)は、リング用金属配線20Aの配線幅(図3:W20A参照)と同等、又はそれ以上の大きさを有する。例えば、リング用金属配線20Aの配線幅は0.1μm〜10μmで、コンタクト用金属配線20Bの配線幅は5μm〜30μmである。
【0054】
第1の保護絶縁膜21は、シリコン窒化膜の単層膜、又はシリコン窒化膜及びTEOS酸化膜の積層膜からなる。また、第1の開口部21aは、図2及び図3に示すように、コンタクト用金属配線20B及び層間絶縁膜18の上に、その内部にコンタクト用金属配線20Bの全上面が露出するように形成され、第1の開口部21aは、その底面側角部がコンタクト用金属配線20Bと離間して設けられている。即ち、第1の開口部21aは、その底面側角部に配線が存在することのないように設けられている。
【0055】
金属パッド23は、例えば、アルミニウム、又はアルミニウム合金(アルミニウム合金としては、例えば、アルミニウムを主成分としてシリコンが微量に添加されたAl−Si、アルミニウムを主成分として銅が微量に添加されたAl−Cu、又はアルミニウムを主成分としてシリコン及び銅が微量に添加されたAl−Si−Cu)からなるアルミパッドからなる。ここで、金属パッド23のうち第2の開口部24a内に露出される領域は、例えば、プローブ検査時にプローブ針(前述の図18(a):200参照)が当てられる領域、又は/及びワイヤボンド(前述の図18(b):300参照)が接続される領域である。また、金属パッド23下のバリアメタル膜22は、例えばチタン膜及び窒化チタン膜の積層膜(Ti膜/TiN膜)からなる。
【0056】
第2の保護絶縁膜24は、例えばシリコン窒化膜からなる。また、第2の開口部24aは、金属パッド23上に形成され、リング用金属配線20Aに囲まれた内側領域18Iの上方に配置されている。
【0057】
ここで、第2の開口部24a内に露出する金属パッド23に当てるプローブ針、又は金属パッド23に接続するワイヤボンドは、コンタクト用金属配線20Bの側面位置X(図3参照)と第2の開口部24aの側面位置Y(図3参照)との間に、側面位置Xよりも側面位置Yに近い位置に配置されることが好ましい。一方、コンタクト用金属配線20Bは、既述の通り、中央位置Cと第1配線部20A1との間に、中央位置Cよりも第1配線部20A1に近い位置に配置されることが好ましい。簡単に言えば、コンタクト用金属配線20Bは、第1配線部20A1側に配置される一方、ワイヤボンドは、第2配線部20A2側に配置されることが好ましい。このようにすると、ワイヤボンドを、その下方にコンタクト用金属配線20Bが配置されることがないように、金属パッド23上に設けることができる。
【0058】
以下に、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置における金属パッドを含む領域rp及び部分領域reの製造方法について、図3を参照しながら説明する。
【0059】
例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により、半導体基板10上に、層間絶縁膜11、下地絶縁膜12、及び層間絶縁膜13を順次形成する。その後、例えば、フォトリソグラフィー及びエッチングにより、下地絶縁膜12及び層間絶縁膜13に配線溝を形成した後、スパッタ法により、層間絶縁膜13上、並びに配線溝の底面及び側壁にバリアメタル膜を形成する。その後、例えば、スパッタ法により、バリアメタル膜上に、銅を含むシード膜を形成した後、電解めっき法により、シード膜上に銅を含む導電膜を形成する。その後、CMP(Chemical Mechanical Planarization)法により、導電膜、シード膜、及びバリアメタル膜のうち配線溝外に形成された部分を除去する。このようにして、配線溝内に、バリアメタル膜(図示せず)を介して金属配線14A,14Bを形成する。このとき、素子形成領域の部分領域reにおいて、信号用配線溝内に、バリアメタル膜(図示せず)を介して信号配線14reを形成する。
【0060】
次に、例えば、CVD法により、層間絶縁膜13上に、下地絶縁膜15、層間絶縁膜16、下地絶縁膜17、及び層間絶縁膜18を順次形成する。その後、フォトリソグラフィー及びエッチングにより、層間絶縁膜18、下地絶縁膜17、層間絶縁膜16、及び下地絶縁膜15を貫通するホールを形成し、下地絶縁膜15及び層間絶縁膜16にビアホールを形成した後、フォトリソグラフィー及びエッチングにより、下地絶縁膜17及び層間絶縁膜18に、ビアホールと連通するコンタクト用配線溝を形成すると共に、下地絶縁膜17及び層間絶縁膜18にリング用配線溝を形成する。又はフォトリソグラフィー及びエッチングにより、下地絶縁膜17及び層間絶縁膜18に、コンタクト用配線溝及びリング用配線溝を形成した後、フォトリソグラフィー及びエッチングにより、コンタクト用配線溝内に露出する層間絶縁膜16及び下地絶縁膜15を貫通し、コンタクト用配線溝と連通するビアホールを形成しても良い。このとき、素子形成領域の部分領域reにおいて、信号用配線溝及び該信号用配線溝と連通するビアホールを形成する。
【0061】
次に、例えば、スパッタ法により、層間絶縁膜18上、ビアホールの底面及び側壁、コンタクト用配線溝の底面及び側壁、並びにリング用配線溝の底面及び側壁に、バリアメタル膜を形成する。その後、例えば、スパッタ法により、バリアメタル膜上に、銅(Cu)を含むシード膜を形成した後、電解めっき法により、シード膜上に、銅(Cu)を含む導電膜を形成する。その後、CMP法により、導電膜、シード膜、及びバリアメタル膜のうち、コンタクト用配線溝及びリング用配線溝外に形成された部分を除去する。このようにして、ビアホール内に、バリアメタル膜(図示せず)を介してビアプラグ19を形成すると共に、コンタクト用配線溝内に、バリアメタル膜(図示せず)を介してビアプラグ19と連接するコンタクト用金属配線20Bを形成する。それと共に、リング用配線溝内に、バリアメタル膜(図示せず)を介してリング用金属配線20Aを形成する。このとき、素子形成領域の部分領域reにおいて、ビアホール内に、バリアメタル膜(図示せず)を介してビアプラグ19reを形成すると共に、信号用配線溝内に、バリアメタル膜(図示せず)を介してビアプラグ19reと連接する信号配線20reを形成する。従って、ビアプラグ19及びコンタクト用金属配線20Bが一体化形成される一方、ビアプラグ19re及び信号配線20reが一体化形成される。
【0062】
次に、例えば、CVD法により、層間絶縁膜18上に、第1の保護絶縁膜21を形成した後、フォトリソグラフィー及びエッチングにより、第1の保護絶縁膜21に、コンタクト用金属配線20Bの全上面を露出させる第1の開口部21aを形成する。その後、例えば、スパッタ法により、第1の保護絶縁膜21上、並びに第1の開口部21aの底面及び側壁に、バリアメタル膜を形成した後、スパッタ法により、バリアメタル膜上に、アルミニウム(Al)を含む導電膜を形成する。その後、例えば、フォトリソグラフィー及びエッチングにより、導電膜、及びバリアメタル膜を順次パターニングして、第1の開口部21a内及びその外側周辺部に位置する第1の保護絶縁膜21上に、バリアメタル膜22を介して、アルミパッドからなる金属パッド23を形成する。
【0063】
次に、例えば、CVD法により、金属パッド23上に、第2の保護絶縁膜24を形成した後、フォトリソグラフィー及びエッチングにより、第2の保護絶縁膜24に、金属パッド23の一部上面を露出させる第2の開口部24aを形成する。
【0064】
以上のようにして、本実施形態に係る半導体装置を製造することができる。
【0065】
本実施形態によると、例えば、第2の開口部24a内に露出する金属パッド23にプローブ針を当てる、又は金属パッド23にワイヤボンドを接続する際に、プローブ針又はワイヤボンドにより、金属パッド23が削れてバリアメタル膜22が割れ、金属パッド23の削れ部分の下方に位置する層間絶縁膜18にクラックが発生し、クラック内に水分が進入することがあっても、リング用金属配線20Aにより、クラック内に進入した水分のうち特に横方向に拡散する水分が、リング用金属配線20Aに囲まれていない外側領域18Oに拡散することを防止できる。ここで、外側領域18Oとは、図3に示すように、層間絶縁膜18のうちリング用金属配線20Aに囲まれていない領域をいう。
【0066】
さらに、層間絶縁膜18よりも耐湿性の高い下地絶縁膜17により、クラック内に進入した水分のうち特に下方向に拡散する水分が、下地絶縁膜17下の層間絶縁膜16に拡散することを防止できる。
【0067】
従って、側面がリング用金属配線20Aに囲まれ、底面が下地絶縁膜17に囲まれた内側領域18Iに水分を留めることができるため、従来のように金属パッド113の近傍の配線の信頼性が低下する(具体的には例えば、金属パッド113の近傍の素子形成領域に配置された配線に水分が到達し、配線のうち水分との接触部分が腐食されて断線する、又は配線と他の配線間に水分が拡散し、配線が他の配線とショートする)ことを防止できる(以下、「配線の信頼性低下の防止効果」と称す)。
【0068】
加えて、図3に示すように、第1の開口部21aを、コンタクト用金属配線20B及び層間絶縁膜18の上に形成することにより、金属パッド23のうち第1の保護絶縁膜21の上面と第1の開口部21aの底面との間の段差部分に形成された段差部分Pdを、コンタクト用金属配線20Bと離間させることができる。これにより、例えば、ワイヤボンドを、その左側にコンタクト用金属配線20Bが配置される一方、その右側に金属パッド23の段差部分Pdが配置されるように、金属パッド23上に設けることができる。そのため、ワイヤボンドとコンタクト用金属配線20B間を流れる電流が、金属パッド23の段差部分Pd(言い換えれば、カバレッジの悪い部分、即ち、膜厚の薄い部分)を流れることはないため、金属パッド23の段差部分Pdが欠損することを防止し、金属パッド23のエレクトロマイグレーション耐性を向上させることができる(以下、「金属パッド23の欠損の防止効果」と称す)。
【0069】
これに対し、従来では、第1の開口部111aが、コンタクト用金属配線110上のみに形成されるため、例えば、図18(b) に示すように、ワイヤボンド300の左側にコンタクト用金属配線110が配置されると共に、ワイヤボンド300の左側に金属パッド113の段差部分Pdが配置されるため、ワイヤボンド300とコンタクト用金属配線110間を流れる電流が、金属パッド113の段差部分Pdを流れて、金属パッド113の段差部分Pdが欠損する虞がある。
【0070】
さらに、第1の開口部21aを、その内部にコンタクト用金属配線20Bの全上面が露出するように形成することにより、第1の開口部21aの底面側角部を、コンタクト用金属配線20Bと離間させることができる。そのため、コンタクト用金属配線20Bは、その全上面がバリアメタル膜22のうち第1の開口部21aの底面に形成された部分と接し、バリアメタル膜22のうち第1の開口部21aの底面側角部に形成された角部部分Peと接することはない。そのため、バリアメタル膜22の角部部分Pe(言い換えれば、カバレッジの悪い部分、即ち、膜厚の薄い部分)を通って、コンタクト用金属配線20Bの金属が、金属パッド23に析出することを防止できる。従って、金属パッド23のうち金属析出領域が腐食することを防止できる。さらに、例えば、金属パッド23のうち金属析出領域とワイヤボンドとの接続不良が発生することを防止できる(以下、「金属パッド23への金属析出の防止効果」と称す)。
【0071】
これに対し、従来では、図17に示すように、第1の開口部111aが、その内部にコンタクト用金属配線110の一部上面が露出するように形成されるため、コンタクト用金属配線110は、バリアメタル膜112の角部部分Peと接する。そのため、バリアメタル膜112の角部部分Peを通って、コンタクト用金属配線110の金属が、金属パッド113に析出する虞がある。
【0072】
なお、言うまでもないが、第2の開口部24aを、リング用金属配線20Aに囲まれた内側領域18Iの上方に配置する、言い換えれば、リング用金属配線20Aを、第2の開口部24aの外側に位置する領域(即ち、第2の保護絶縁膜24)の下方に配置することにより、リング用金属配線20Aにより、層間絶縁膜18のうち、クラックが発生する可能性の高い領域(即ち、金属パッド23のうち第2の開口部24a内に露出する領域の下方に位置する領域)を囲うことができる。言い換えれば、第2の開口部24a内に露出する金属パッド23に、例えばプローブ針を当てる、又はワイヤボンドを接続する際に、層間絶縁膜18にクラックが発生することがあっても、クラックを、リング用金属配線20Aに囲まれた内側領域18Iに発生させることができる。
【0073】
<第1の実施形態の変形例1>
以下に、本発明の第1の実施形態の変形例1に係る半導体装置について、図4及び図5を参照しながら説明する。図4は、本発明の第1の実施形態の変形例1に係る半導体装置の構成を示す平面図であり、具体的には、半導体装置における金属パッドを含む領域の構成を示す平面図である。図5は、本発明の第1の実施形態の変形例1に係る半導体装置の構成を示す断面図であり、具体的には、図4に示すV-V線における断面図である。なお、図4及び図5において、第1の実施形態における構成要素と同一の構成要素には、図2及び図3に示す符号と同一の符号を付す。従って、本変形例では、第1の実施形態と相違する点について説明する。
【0074】
本変形例と第1の実施形態との相違点は、以下に示す点である。
【0075】
本変形例におけるコンタクト用金属配線20Baは、図4及び図5に示すように、その一部上面が第1の開口部21a内に露出されている(言い換えれば、第1の開口部21aは、その内部にコンタクト用金属配線20Baの一部上面が露出するように形成されている)。これに対し、第1の実施形態におけるコンタクト用金属配線20Bは、図2及び図3に示すように、その全上面が第1の開口部21a内に露出されている。
【0076】
このように、本変形例と第1の実施形態とでは、コンタクト用金属配線の配置位置が異なる。
【0077】
本変形例によると、第1の実施形態と同様に、配線の信頼性低下の防止効果を発揮できる。加えて、第1の実施形態と同様に、金属パッド23の欠損の防止効果を発揮できる。
【0078】
<第1の実施形態の変形例2>
以下に、本発明の第1の実施形態の変形例2に係る半導体装置について、図6を参照しながら説明する。図6は、本発明の第1の実施形態の変形例2に係る半導体装置の構成を示す断面図であり、具体的には、半導体装置における金属パッドを含む領域の構成を示す断面図である。なお、図6において、第1の実施形態における構成要素と同一の構成要素には、図3に示す符号と同一の符号を付す。従って、本変形例では、第1の実施形態と相違する点について説明する。
【0079】
本変形例に係る半導体装置は、第1の実施形態における構成要素に加えて、図6に示すように、リング用金属配線20Aの下方に位置する層間絶縁膜13及び下地絶縁膜12を貫通して設けられ電源配線(図示せず)と連接する接続用金属配線14bと、層間絶縁膜16及び下地絶縁膜15を貫通して設けられたビアプラグ19bとをさらに備えている。リング用金属配線20Aは、ビアプラグ19bを介して、電源配線と連接する接続用金属配線14bと接続している。ここで、接続用金属配線14bは、デバイスチップ(図1:D参照)の素子形成領域(図1:Re参照)に形成された電源配線に連接し、素子形成領域からパッド配置領域(図1:Rp参照)まで引き延ばして形成された配線である。なお、接続用金属配線14bは、銅を含む導電膜からなり、金属配線14A,14Bの形成と同時に、配線溝内にバリアメタル膜を介して形成される。また、ビアプラグ19bは、銅を含む導電膜からなり、ビアプラグ19の形成と同時に、ビアホール内にバリアメタル膜を介して形成され、且つリング用金属配線20Aと一体化形成される。
【0080】
このように、本変形例における特徴点は、リング用金属配線20Aが、電源配線と電気的に接続し、リング用金属配線20Aの電位が電源電位に固定されている点である。
【0081】
本変形例によると、第1の実施形態と同様に、配線の信頼性低下の防止効果を発揮できる。加えて、第1の実施形態と同様に、金属パッド23の欠損の防止効果を発揮できる。さらに、第1の実施形態と同様に、金属パッド23への金属析出の防止効果を発揮できる。
【0082】
加えて、リング用金属配線20Aの電位が一定電位(詳細には電源電位)に固定されることにより、リング用金属配線20Aの電位の変動によって、金属パッド23に対しノイズが発生することを抑制できる。
【0083】
さらに、リング用金属配線20Aの固定電位が電源電位であるため、リング用金属配線20Aにより、金属パッド23をシールドし、金属パッド23のノイズが、金属パッド23と隣り合う他の金属パッド、及び金属パッド23の周囲に配置される配線に伝播することを抑制できる。
【0084】
<第1の実施形態の変形例3>
以下に、本発明の第1の実施形態の変形例3に係る半導体装置について、図7を参照しながら説明する。図7は、本発明の第1の実施形態の変形例3に係る半導体装置の構成を示す断面図であり、具体的には、半導体装置における金属パッドを含む領域の構成を示す断面図である。なお、図7において、第1の実施形態における構成要素と同一の構成要素には、図3に示す符号と同一の符号を付す。従って、本変形例では、第1の実施形態と相違する点について説明する。
【0085】
本変形例に係る半導体装置は、第1の実施形態における構成要素に加えて、図7に示すように、層間絶縁膜18及び下地絶縁膜17を貫通して設けられ、リング用金属配線20Aとコンタクト用金属配線20B間を連接する接続用金属配線20cをさらに備えている。リング用金属配線20Aは、接続用金属配線20cにより、金属パッド23と電気的に接続している。ここで、接続用金属配線20cは、リング用金属配線20Aとコンタクト用金属配線20Bとが対向する領域のうちの間隔の狭い領域の一部分に設けられる。なお、接続用金属配線20cは、銅を含む導電膜からなり、リング用金属配線20A及びコンタクト用金属配線20Bの形成と同時に、配線溝内にバリアメタル膜を介して形成される。
【0086】
このように、本変形例における特徴点は、リング用金属配線20Aが、金属パッド23と電気的に接続し、リング用金属配線20Aの電位が金属パッド23の電位に固定されている点である。
【0087】
本変形例によると、第1の実施形態と同様に、配線の信頼性低下の防止効果を発揮できる。加えて、第1の実施形態と同様に、金属パッド23の欠損の防止効果を発揮できる。
【0088】
加えて、リング用金属配線20Aの電位が一定電位(詳細には金属パッド23の電位)に固定されることにより、リング用金属配線20Aの電位の変動によって、金属パッド23に対しノイズが発生することを抑制できる。
【0089】
<第1の実施形態の変形例4>
以下に、本発明の第1の実施形態の変形例4に係る半導体装置について、図8を参照しながら説明する。図8は、本発明の第1の実施形態の変形例4に係る半導体装置の構成を示す断面図であり、具体的には、半導体装置における金属パッドを含む領域の構成を示す断面図である。なお、図8において、第1の実施形態における構成要素と同一の構成要素には、図3に示す符号と同一の符号を付す。従って、本変形例では、第1の実施形態と相違する点について説明する。
【0090】
本変形例に係る半導体装置は、第1の実施形態における構成要素に加えて、図8に示すように、層間絶縁膜13及び下地絶縁膜12を貫通して設けられ、金属配線14Bと連接する接続用金属配線14dと、層間絶縁膜16及び下地絶縁膜15を貫通して設けられたビアプラグ19dとをさらに備えている。リング用金属配線20Aは、ビアプラグ19dを介して、金属配線14Bと連接する接続用金属配線14dと接続している。即ち、リング用金属配線20Aは、ビアプラグ19d及び接続用金属配線14dにより、金属パッド23と電気的に接続する金属配線14Bと接続している。なお、接続用金属配線14dは、銅を含む導電膜からなり、金属配線14A,14Bの形成と同時に、配線溝内にバリアメタル膜を介して形成され、且つ金属配線14Bと一体化形成される。また、ビアプラグ19dは、銅を含む導電膜からなり、ビアプラグ19の形成と同時に、ビアホール内にバリアメタル膜を介して形成され、且つリング用金属配線20Aと一体化形成される。
【0091】
このように、本変形例における特徴点は、リング用金属配線20Aが、金属パッド23と電気的に接続し、リング用金属配線20Aの電位が金属パッド23の電位に固定されている点である。
【0092】
ここで、本変形例と第1の実施形態の変形例3との相違点は、次に示す点である。本変形例では、図8に示すように、金属配線14Bと連接する接続用金属配線14dを設け、ビアプラグ19dを介して、リング用金属配線20Aを接続用金属配線14dと接続させることにより、リング用金属配線20Aを金属パッド23と電気的に接続させる。これに対し、第1の実施形態の変形例3では、コンタクト用金属配線20Bとリング用金属配線20A間を連接する接続用金属配線20cを設けることにより、リング用金属配線20Aを金属パッド23と電気的に接続させる。このように、本変形例と第1の実施形態の変形例3とでは、リング用金属配線20Aを金属パッド23と電気的に接続させる構成が異なる。
【0093】
本変形例によると、第1の実施形態と同様に、配線の信頼性低下の防止効果を発揮できる。加えて、第1の実施形態と同様に、金属パッド23の欠損の防止効果を発揮できる。さらに、第1の実施形態と同様に、金属パッド23への金属析出の防止効果を発揮できる。
【0094】
加えて、第1の実施形態の変形例3と同様に、リング用金属配線20Aの電位の変動によって、金属パッド23に対しノイズが発生することを抑制できる。
【0095】
<第1の実施形態の変形例5>
以下に、本発明の第1の実施形態の変形例5に係る半導体装置について、図9(a) 及び(b) を参照しながら説明する。図9(a) は、本発明の第1の実施形態の変形例5に係る半導体装置の構成を示す平面図であり、具体的には、半導体装置におけるデバイスチップの構成を示す平面図である。なお、図9(a) において、第1の実施形態における構成要素と同一の構成要素には、図1に示す符号と同一の符号を付す。図9(b) は、本発明の第1の実施形態の変形例5に係る半導体装置の構成を示す平面図であり、具体的には、図9(a) に示す複数の金属パッドを含む領域rppの構成を示す拡大平面図である。
【0096】
図9(a) 及び(b) に示すように、パッド配置領域Rpには、例えば、パッド配置領域Rpの延びる方向(言い換えれば、コンタクト用金属配線20Bの延びる方向Pと垂直な方向V)に沿って、金属パッド23が2列に配置されている。ここで、図9(b) から判るように、図9(b) 中に代表して図示された5コの金属パッド23のうち、1コの金属パッド23を含む領域の平面構成は、第1の実施形態における図2に示す構成と同様である。
【0097】
このように、本変形例は、第1の実施形態における金属パッド23のレイアウトの一例を示す例である。
【0098】
本変形例によると、第1の実施形態と同様の効果(即ち、配線の信頼性低下の防止効果、金属パッド23の欠損の防止効果、及び金属パッド23への金属析出の防止効果)を発揮できる。
【0099】
なお、本変形例では、パッド配置領域Rpに、図9(b) に示すように、金属パッド23が、コンタクト用金属配線20Bの延びる方向Pと垂直な方向Vに沿って、2列に配置されている場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0100】
また、本変形例では、1コの金属パッド23を含む領域の平面構成が、図9(b) に示すように、第1の実施形態における図2に示す構成と同様の場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1の実施形態の変形例1における図4に示す構成と同様の場合でもよい。
【0101】
また、本変形例では、図9(b) に示すように、5コの金属パッド23の各々の下方にリング用金属配線20Aを設ける場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、5コの金属パッドのうち選択された金属パッドの下方のみにリング用金属配線を設けてもよい。
【0102】
<第1の実施形態の変形例6>
以下に、本発明の第1の実施形態の変形例6に係る半導体装置について、図10を参照しながら説明する。図10は、本発明の第1の実施形態の変形例6に係る半導体装置の構成を示す平面図であり、具体的には、半導体装置における複数の金属パッドを含む領域の構成を示す平面図である。図10において、第1の実施形態の変形例5における構成要素と同一の構成要素には、図9(b) に示す符号と同一の符号を付す。従って、本変形例では、第1の実施形態の変形例5と相違する点について説明する。
【0103】
ここで、本変形例と第1の実施形態の変形例5との相違点は、以下に示す点である。
【0104】
本変形例では、図10に示すように、コンタクト用金属配線20Bが延びる方向Pと垂直な方向Vに沿って隣接するリング用金属配線20A同士は、共通配線部20Avにより共通化されている。また、コンタクト用金属配線20Bが延びる方向Pに沿って隣接するリング用金属配線20A同士は、共通配線部20Apにより共通化されている。
【0105】
これに対し、第1の実施形態の変形例5では、図9(b) に示すように、コンタクト用金属配線20Bが延びる方向Pと垂直な方向Vに沿って隣り合うリング用金属配線20A同士は、間隔Wvを空けて個別化されている。また、コンタクト用金属配線20Bが延びる方向Pに沿って隣り合うリング用金属配線20A同士は、間隔Wpを空けて個別化されている。
【0106】
本変形例によると、第1の実施形態の変形例5と同様の効果を発揮できる。
【0107】
加えて、本変形例によると、デバイスチップDに占めるリング用金属配線20Aの割合を、第1の実施形態の変形例5に比べて、小さくすることができるため、デバイスチップDを縮小化することができる。
【0108】
(第2の実施形態)
以下に、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置について、図11及び図12を参照しながら説明する。図11は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の構成を示す平面図であり、具体的には、半導体装置における金属パッドを含む領域の構成を示す平面図である。図12は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図であり、具体的には、図11に示すXII-XII線における断面図である。なお、図11及び図12において、第1の実施形態における構成要素と同一の構成要素には、図2及び図3に示す符号と同一の符号を付す。従って、本実施形態では、第1の実施形態と相違する点について主に説明し、第1の実施形態と共通する点については説明を適宜省略する。
【0109】
本実施形態では、図11及び図12に示すように、リング用金属配線20Aが、第1の実施形態と同様に、下地絶縁膜17及び層間絶縁膜18のうち、金属パッド23の下方に位置する領域にリング状に設けられている。また、第2の開口部24aが、第1の実施形態と同様に、リング用金属配線20Aに囲まれた内側領域18Iの上方に配置されている。また、コンタクト用金属配線20Bは、第1の実施形態と同様に、リング用金属配線20Aに囲まれた内側領域18Iに形成され、リング用金属配線20Aと離間して設けられている。ここで、コンタクト用金属配線20Bの配置位置は、第1の実施形態と同様に、中央位置Cと第1配線部20A1との間で、且つ、中央位置Cよりも第1配線部20Aに近い位置であることが好ましい。
【0110】
ここで、本実施形態と第1の実施形態との相違点は、以下に示す点である。
【0111】
本実施形態における第1の開口部21aeは、図11及び図12に示すように、コンタクト用金属配線20B上のみに形成されている。これに対し、第1の実施形態における第1の開口部21aは、図3に示すように、コンタクト用金属配線20B及び層間絶縁膜18の上に形成されている。言い換えれば、本実施形態における金属パッド23のコンタクト部23Ceは、その全下面がバリアメタル膜22を介してコンタクト用金属配線20Bと接している。これに対し、第1の実施形態における金属パッド23のコンタクト部23Cは、その一部下面がバリアメタル膜22を介してコンタクト用金属配線20Bと接している。
【0112】
このように、本実施形態と第1の実施形態とは、金属パッド23のコンタクト部と、コンタクト用金属配線20Bとが接続する構成が異なる。
【0113】
本実施形態によると、例えば、第2の開口部24a内に露出する金属パッド23にプローブ針を当てる、又は金属パッド23にワイヤボンドを接続する際に、プローブ針又はワイヤボンドにより、金属パッド23が削れてバリアメタル膜22が割れ、金属パッド23の削れ部分の下方に位置する第1の保護絶縁膜21及び層間絶縁膜18にクラックが発生し、クラック内に水分が進入することがあっても、リング用金属配線20Aにより、クラック内に進入した水分のうち特に横方向に拡散する水分が、リング用金属配線20Aに囲まれていない外側領域18Oに拡散することを防止できる。
【0114】
さらに、層間絶縁膜18よりも耐湿性の高い下地絶縁膜17により、クラック内に進入した水分のうち特に下方向に拡散する水分が、下地絶縁膜17下の層間絶縁膜16に拡散することを防止できる。
【0115】
従って、側面がリング用金属配線20Aに囲まれ、底面が下地絶縁膜17に囲まれた内側領域18Iに水分を留めることができるため、金属パッド23の近傍の配線の信頼性が低下することを防止できる。即ち、第1の実施形態と同様に、配線の信頼性低下の防止効果を発揮できる。
【0116】
<第2の実施形態の変形例>
以下に、本発明の第2の実施形態の変形例に係る半導体装置について、図13及び図14を参照しながら説明する。図13は、本発明の第2の実施形態の変形例に係る半導体装置の構成を示す平面図であり、具体的には、半導体装置における金属パッドを含む領域の構成を示す平面図である。図14は、本発明の第2の実施形態の変形例に係る半導体装置の構成を示す断面図であり、具体的には、図13に示すXIV-XIV線における断面図である。なお、図13及び図14において、第2の実施形態における構成要素と同一の構成要素には、図11及び図12に示す符号と同一の符号を付す。従って、本変形例では、第2の実施形態と相違する点について主に説明し、第2の実施形態と共通する点については説明を適宜省略する。
【0117】
本変形例では、図13及び図14に示すように、リング用金属配線20Aが、第2の実施形態と同様に、下地絶縁膜17及び層間絶縁膜18のうち金属パッド23の下方に位置する領域にリング状に設けられている。また、第2の開口部24aは、第2の実施形態と同様に、リング用金属配線20Aに囲まれた内側領域18Iの上方に配置されている。
【0118】
ここで、本変形例と第2の実施形態との相違点は、以下に示す点である。
【0119】
本変形例におけるコンタクト用金属配線20Bfは、図13及び図14に示すように、リング用金属配線20Aに囲まれていない外側領域18Oに形成され、リング用金属配線20Aと離間して設けられている。これに対し、第2の実施形態におけるコンタクト用金属配線20Bは、図11及び図12に示すように、リング用金属配線20Aに囲まれた内側領域18Iに形成され、リング用金属配線20Aと離間して設けられている。
【0120】
なお、本変形例では、第1の開口部21afが、第2の実施形態と同様に、コンタクト用金属配線20Bf上のみに形成されている。言い換えれば、金属パッド23のコンタクト部23Cfは、その全下面がバリアメタル膜22を介してコンタクト用金属配線20Bfと接している。
【0121】
このように、本変形例と第2の実施形態とでは、コンタクト用金属配線の配置位置が異なる。
【0122】
本変形例によると、第2の実施形態と同様に、配線の信頼性低下の防止効果を発揮できる。
【0123】
なお、第1の実施形態及びその変形例1〜6、並びに第2の実施形態及びその変形例では、本発明の目的を効果的に達成するために、リング用金属配線20Aの全てを、第2の保護絶縁膜24(即ち、第2の開口部24aの外側に位置する領域)の下方に配置させる場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、リング用金属配線の一部のみを、第2の保護絶縁膜の下方に配置させても、本発明の目的を達成することは可能である。
【0124】
また、第1の実施形態及びその変形例1〜6、並びに第2の実施形態及びその変形例では、リング用金属配線20Aの平面形状が、金属パッド23の周縁に沿う形状(即ち、方形状)の場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、円形、楕円形、又は多角形状でもよい。
【0125】
また、第1の実施形態及びその変形例1〜6、並びに第2の実施形態及びその変形例では、層間絶縁膜18にクラックを発生させる具体例として、プローブ検査時に金属パッド23に当てるプローブ針、及び金属パッド23に接続するワイヤボンドを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0126】
また、第1の実施形態及びその変形例1〜6、並びに第2の実施形態及びその変形例では、金属パッド23上に、第2の保護絶縁膜24を形成する場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、金属パッド上に、第2の保護絶縁膜を形成しなくてもよい。
【0127】
また、第1の実施形態及びその変形例1〜6、並びに第2の実施形態及びその変形例では、リング用金属配線20Aの他に、下地絶縁膜15及び層間絶縁膜16のうち金属パッド23の下方に位置する領域に、リング用金属配線をさらに設けてもよい。この場合、仮に層間絶縁膜16にクラックが発生し、クラック内に水分が進入することがあっても、層間絶縁膜16のうちリング用金属配線に囲まれた領域内に水分を留めて、該領域外に水分が拡散することを防止できる。
【0128】
(その他の実施形態)
以下に、本発明のその他の実施形態に係る半導体装置について、図15を参照しながら説明する。図15は、本発明のその他の実施形態に係る半導体装置の構成を示す平面図であり、具体的には、半導体装置における複数の金属パッドを含む領域の構成を示す平面図である。なお、図15において、第1の実施形態の変形例5における構成要素と同一の構成要素には、図9(b) に示す符号と同一の符号を付す。従って、本実施形態では、第1の実施形態の変形例5と相違する点について説明する。
【0129】
本実施形態では、1コのリング用金属配線20Xが、図15に示すように、5コの金属パッド23群を囲うように設けられている。これに対し、第1の実施形態の変形例5では、5コのリング用金属配線20Aが、図9(b) に示すように、5コの金属パッド23の各々の下方に設けられ、5コの金属パッド23の各々を囲うように設けられている。即ち、本実施形態におけるリング用金属配線20Xの囲う範囲は、図15に示すように、5コの金属パッド23群を含む範囲である。これに対し、第1の実施形態の変形例5におけるリング用金属配線20Aの囲う範囲は、1コの金属パッド23を含む範囲である。
【0130】
このように、本実施形態と第1の実施形態の変形例5とは、リング用金属配線の囲う範囲が異なる。
【0131】
ここで、コンタクト用金属配線20Bの延びる方向Pと垂直な方向Vに沿って隣り合うリング用金属配線20X同士は、図15に示すように、共通配線部20Xvにより共通化されている。また、図15から判るように、図15に示す構成から1コのリング用金属配線20Xを除いた構成は、第1の実施形態の変形例5における図9(b) に示す構成から5コのリング用金属配線20Aを除いた構成と同様である。
【0132】
なお、本実施形態では、リング用金属配線20Xが囲う金属パッド23群の個数が5コの場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明は、金属パッドの近傍の配線の信頼性が低下することを防止できるため、金属パッドを備えた半導体装置に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置におけるデバイスチップの構成を示す平面図である。
【図2】(a) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置における金属パッドを含む領域の構成を示す平面図であり、(b) は、断面図であり、図2(a) に示す平面構成と断面構成との対応関係を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置における金属パッドを含む領域の構成を右側に示す一方、素子形成領域の部分領域の構成を左側に示す断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の変形例1に係る半導体装置における金属パッドを含む領域の構成を示す平面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の変形例1に係る半導体装置における金属パッドを含む領域の構成を示す断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態の変形例2に係る半導体装置における金属パッドを含む領域の構成を示す断面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態の変形例3に係る半導体装置における金属パッドを含む領域の構成を示す断面図である。
【図8】本発明の第1の実施形態の変形例4に係る半導体装置における金属パッドを含む領域の構成を示す断面図である。
【図9】(a) は、本発明の第1の実施形態の変形例5に係る半導体装置におけるデバイスチップの構成を示す平面図であり、(b) は、本発明の第1の実施形態の変形例5に係る半導体装置における複数の金属パッドを含む領域の構成を示す平面図である。
【図10】本発明の第1の実施形態の変形例6に係る半導体装置における複数の金属パッドを含む領域の構成を示す平面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置における金属パッドを含む領域の構成を示す平面図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置における金属パッドを含む領域の構成を示す断面図である。
【図13】本発明の第2の実施形態の変形例に係る半導体装置における金属パッドを含む領域の構成を示す平面図である。
【図14】本発明の第2の実施形態の変形例に係る半導体装置における金属パッドを含む領域の構成を示す断面図である。
【図15】本発明のその他の実施形態に係る半導体装置における複数の金属パッドを含む領域の構成を示す平面図である。
【図16】従来の半導体装置の構成を示す平面図である。
【図17】従来の半導体装置の構成を示す断面図である。
【図18】(a) は、金属パッドに当てるプローブ針を示す断面図であり、(b) は、金属パッドに接続するワイヤボンドを示す断面図である。
【符号の説明】
【0135】
D デバイスチップ
Re 素子形成領域
Rp パッド配置領域
rp 金属パッドを含む領域
rpp 複数の金属パッドを含む領域
10 半導体基板
11,13,16,18 層間絶縁膜
12,15,17 下地絶縁膜
14A,14B 金属配線
14re 信号配線
14b,14d 接続用金属配線
19 ビアプラグ
19re ビアプラグ
19b,19d ビアプラグ
20A リング用金属配線
20A1 第1配線部
20A2 第2配線部
20Av,20Ap 共通配線部
20B,20Ba,20Bf コンタクト用金属配線
20re 信号配線
20c 接続用金属配線
20X リング用金属配線
20Xv 共通配線部
21 第1の保護絶縁膜
21a,21ae,21af 第1の開口部
22 バリアメタル膜
23 金属パッド
23C,23Ce,23Cf コンタクト部
24 第2の保護絶縁膜
24a 第2の開口部
18I 内側領域
18O 外側領域
Pd 段差部分
Pe 角部部分
C 中央位置
X,Y 側面位置
W20A,W20B 配線幅
P,V 方向
Wv,Wp 間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に形成された層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜を貫通して設けられたリング用金属配線と、
前記層間絶縁膜を貫通して設けられたコンタクト用金属配線と、
前記層間絶縁膜上及び前記リング用金属配線の全上面上に形成された第1の保護絶縁膜と、
前記第1の保護絶縁膜上に形成された金属パッドとを備え、
前記リング用金属配線は、前記層間絶縁膜のうち前記金属パッドの下方に位置する領域にリング状に設けられており、
前記金属パッドは、前記第1の保護絶縁膜に形成された第1の開口部を通じて前記コンタクト用金属配線に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記層間絶縁膜下に形成された下地絶縁膜をさらに備え、
前記下地絶縁膜は、前記層間絶縁膜に比べて耐湿性が高いことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項2に記載の半導体装置において、
前記下地絶縁膜は、窒化物絶縁膜からなることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記コンタクト用金属配線の配線幅は、前記リング用金属配線の配線幅と同等、又はそれ以上の大きさを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記金属パッド上に形成された第2の保護絶縁膜をさらに備え、
前記第2の保護絶縁膜に形成された第2の開口部は、前記金属パッド上に形成され、且つ、前記リング用金属配線に囲まれた内側領域の上方に配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記コンタクト用金属配線及び前記リング用金属配線は、銅配線からなることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記金属パッドは、アルミパッドからなることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記コンタクト用金属配線は、前記リング用金属配線のうち対向する第1配線部と第2配線部との間の中央位置と前記第1配線部との間で、且つ、前記中央位置よりも前記第1配線部に近い位置に配置されており、前記中央位置と前記第2配線部との間には配置されていないことを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項1〜8のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記コンタクト用金属配線は、前記リング用金属配線に囲まれた内側領域に、前記リング用金属配線から離間して設けられており、
前記第1の開口部は、前記コンタクト用金属配線及び前記層間絶縁膜の上に形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項9に記載の半導体装置において、
前記第1の開口部は、その内部に前記コンタクト用金属配線の全上面が露出するように形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
請求項9に記載の半導体装置において、
前記第1の開口部は、その内部に前記コンタクト用金属配線の一部上面が露出するように形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項1〜8のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記コンタクト用金属配線は、前記リング用金属配線に囲まれた内側領域に、前記リング用金属配線から離間して設けられており、
前記第1の開口部は、前記コンタクト用金属配線上のみに形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記コンタクト用金属配線は、前記リング用金属配線に囲まれていない外側領域に、前記リング用金属配線から離間して設けられており、
前記第1の開口部は、前記コンタクト用金属配線上のみに形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項14】
請求項1〜13のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記リング用金属配線は、電源配線に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項15】
請求項1〜13のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記リング用金属配線は、前記金属パッドに接続されていることを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−93163(P2010−93163A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−263599(P2008−263599)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】