説明

印刷装置、テストパターン印刷方法及びプログラム

【課題】一枚の用紙で複数回のテストパターン印刷を実施し、かつ印刷し終えた用紙の入れ直し忘れによる未使用の用紙へのテストパターンの印刷を防止する。
【解決手段】搬送部107は、印刷回数記憶部111が記憶する印刷実施回数にテストパターンの搬送方向の長さを乗じた長さだけ、用紙トレイ101が積載する用紙束から用紙を1枚搬送する。また、用紙判定部105は、印刷ヘッド109が用紙を排出した後、用紙トレイ101に新たに用紙が積載されたか否かを判定し、用紙判定部105が、用紙トレイ101に新たに用紙が積載されていないと判定した場合、搬送部107及び印刷ヘッド109は、処理を実行しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷ヘッドのメンテナンス実行後にテストパターンの印刷を実施する印刷装置、テストパターン印刷方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、印刷装置による印刷品質が低下した場合、印刷装置が備える印刷ヘッドのメンテナンスを行うことが推奨される。具体的には、印刷ヘッドのノズルの詰まりを除去することなどが挙げられる。そして、メンテナンスの実施後、印刷品質が向上したか否かを確認するために、印刷装置は、テストパターンの印刷を行う。テストパターンは、印刷装置の各インクに対応する色(例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の階調を示す画像や文字情報によって構成された画像であり、用紙の所定の位置に印刷される。
しかしながら、テストパターンを用紙の所定の位置に印刷する手法では、同一の用紙にテストパターンを1つしか印刷できないため、用紙の無駄が発生してしまうという問題がある。特に、印刷品質が回復しない場合は、テストパターンの印刷を複数回実施する必要が生じ、その度に新しい用紙が必要となり、ユーザへの消耗材費の負担が大きくなってしまう。
【0003】
この問題を解決するため、特許文献1では用紙にマーキングを印刷し、当該マーキングに基づいて1枚の用紙に複数のテストパターンを印刷する技術が開示されている。この技術によれば、テストパターンが印刷された用紙を、用紙トレイに入れなおすことで、再度同じ用紙にテストパターンを印刷することができる。これにより、用紙の無駄の発生を抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−181977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の方法など、1枚の用紙に複数のテストパターンを印刷する場合、印刷し終えた用紙を用紙トレイに入れなおして再度テストパターンの印刷を実行する必要がある。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、テストパターンの印刷の実行後、印刷し終えた用紙を再度用紙トレイに入れ直すことを忘れてしまい、そのまま次のテストパターンの印刷を実行してしまう可能性がある。このとき、用紙トレイに既に未使用の用紙が積載されていると、当該未使用の用紙に対してテストパターンの印刷がなされてしまい、用紙の無駄が発生してしまうという問題がある。
また、特許文献1に記載の方法では、テストパターンの印刷以外にマーキングを印刷することとなるため、インクを余計に消費してしまうという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、1枚または複数枚の用紙からなる用紙束を積載する用紙トレイと、テストパターンの印刷実施回数を記憶する印刷回数記憶部と、前記印刷回数記憶部が記憶する印刷実施回数にテストパターンの搬送方向の長さを乗じた長さだけ、前記用紙トレイが積載する用紙束から用紙を1枚搬送する搬送部と、前記搬送部が搬送した用紙に新たなテストパターンを印刷して当該用紙を排出する印刷部と、前記印刷部がテストパターンを印刷した後、前記印刷回数記憶部が記憶する印刷実施回数に1を加算する加算部と、前記印刷部が前記用紙を排出した後、前記用紙トレイに新たに用紙が積載されたか否かを判定する用紙判定部と、を備え、前記用紙判定部が、前記用紙トレイに新たに用紙が積載されていないと判定した場合、前記搬送部及び前記印刷部は処理を実行しないことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、1枚または複数枚の用紙からなる用紙束を積載する用紙トレイとテストパターンの印刷実施回数を記憶する印刷回数記憶部とを備える印刷装置を用いたテストパターン印刷方法であって、搬送部は、前記印刷回数記憶部が記憶する印刷実施回数にテストパターンの搬送方向の長さを乗じた長さだけ、前記用紙トレイが積載する用紙束から用紙を1枚搬送し、印刷部は、前記搬送部が搬送した用紙に新たなテストパターンを印刷して当該用紙を排出し、加算部は、前記印刷部がテストパターンを印刷した後、前記印刷回数記憶部が記憶する印刷実施回数に1を加算し、用紙判定部は、前記印刷部が前記用紙を排出した後、前記用紙トレイに新たに用紙が積載されたか否かを判定し、前記用紙判定部が、前記用紙トレイに新たに用紙が積載されていないと判定した場合、前記搬送部及び前記印刷部は処理を実行しないことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、1枚または複数枚の用紙からなる用紙束を積載する用紙トレイとテストパターンの印刷実施回数を記憶する印刷回数記憶部とを備える印刷装置を、前記印刷回数記憶部が記憶する印刷実施回数にテストパターンの搬送方向の長さを乗じた長さだけ、前記用紙トレイが積載する用紙束から用紙を1枚搬送する搬送部、前記搬送部が搬送した用紙に新たなテストパターンを印刷して当該用紙を排出する印刷部、前記印刷部がテストパターンを印刷した後、前記印刷回数記憶部が記憶する印刷実施回数に1を加算する加算部、前記印刷部が前記用紙を排出した後、前記用紙トレイに新たに用紙が積載されたか否かを判定する用紙判定部、として機能させ、前記用紙判定部が、前記用紙トレイに新たに用紙が積載されていないと判定した場合、前記搬送部及び前記印刷部は処理を実行しないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、搬送部が、テストパターンを印刷する位置を調整する。これにより、印刷装置は、一枚の用紙で複数回のテストパターン印刷を実施することができる。
また、本発明によれば、用紙判定部が、印刷部がテストパターンを印刷した後に用紙トレイに新たに用紙がセットされていないと判定した場合、搬送部は用紙の搬送を行わず、印刷部はテストパターンの印刷を実行しない。これにより、印刷し終えた用紙の入れ直し忘れによる未使用の用紙へのテストパターンの印刷を防止することができるので、用紙の無駄の発生を抑えることができる。
また、本発明によれば、マーキングを用いずにテストパターンの複数回印刷を実現できるため、インクの余計な消費を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態による印刷装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】印刷装置から出力されるテストパターンのプリントアウト例を示す図である。
【図3】印刷装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施形態による印刷装置の構成を示す概略ブロック図である。
印刷装置100は、用紙トレイ101、用紙厚さ測定部102、用紙厚さ記録部103、用紙厚さ記憶部104、用紙判定部105、搬送制御部106、搬送部107、印刷制御部108(印刷部)、印刷ヘッド109、加算部110、印刷回数記憶部111、表示部112を備える。なお、印刷装置100は、汎用ネットワークを介してホスト装置と接続されている。
【0012】
用紙トレイ101は、印刷に用いる1枚または複数枚の用紙からなる用紙束を積載する。
用紙厚さ測定部102は、用紙トレイ101に積載された用紙束の厚さを測定する。具体的には、用紙厚さ測定部102は、反射型フォトセンサによって所定の位置から用紙束の最上面の用紙までの距離を測定し、反射型フォトセンサと用紙トレイ101との間の距離から、当該測定した距離を減算することで、用紙束の厚さを測定する。
用紙厚さ記録部103は、印刷制御部108からの指示によって、用紙厚さ測定部102から用紙束の厚さを読み出し、用紙厚さ記憶部104に記録する。
用紙厚さ記憶部104は、用紙トレイ101に積載された用紙束の厚さを記憶する。
用紙判定部105は、用紙厚さ測定部102が測定した用紙束の厚さと用紙厚さ記憶部104が記憶する用紙束の厚さとを比較することで、用紙トレイ101に新たに用紙が積載されたか否かを判定する。また、搬送制御部106は、判定結果に基づいて、表示部112にメッセージを表示させるためのメッセージ表示信号を送信する。
【0013】
搬送制御部106は、用紙判定部105の判定結果、印刷制御部108からの制御信号、及び印刷回数記憶部111が記憶する印刷実施回数を用いて、搬送部107の動作を制御する。
搬送部107は、用紙トレイ101に積載された用紙のうち、最上面の用紙を所定の搬送方向に搬送する。
印刷制御部108は、搬送制御部106及び印刷ヘッド109に制御信号を出力し、用紙にテストパターンの印刷を行う。
印刷ヘッド109は、印刷制御部108から制御信号を入力し、用紙にテストパターンを印刷する。
加算部110は、印刷ヘッド109がテストパターンを印刷した後、印刷回数記憶部111が記憶する印刷実施回数に1を加算する。
印刷回数記憶部111は、印刷ヘッド109によるテストパターンの印刷実施回数を記憶する。
表示部112は、用紙判定部105からメッセージ表示信号を受信し、ユーザに対するメッセージの表示を行う。
【0014】
そして、このような構成を備えることで、印刷装置100において、搬送部107は、印刷回数記憶部111が記憶する印刷実施回数にテストパターンの搬送方向の長さを乗じた長さだけ、用紙トレイ101が積載する用紙束から用紙を1枚搬送する。次に、印刷ヘッド109は、搬送部107が搬送した用紙に新たなテストパターンを印刷して当該用紙を排出する。次に、加算部110は、印刷ヘッド109がテストパターンを印刷した後、印刷回数記憶部111が記憶する印刷実施回数に1を加算する。
用紙判定部105は、印刷ヘッド109が用紙を排出した後、用紙トレイ101に新たに用紙が積載されたか否かを判定する。そして、用紙判定部105が、用紙トレイ101に新たに用紙が積載されていないと判定した場合、搬送部107及び印刷ヘッド109は、処理を実行しない。
これにより、印刷し終えた用紙の入れ直し忘れによる未使用の用紙へのテストパターンの印刷を防止することができるので、用紙の無駄の発生を抑えることができる。
【0015】
図2は、印刷装置から出力されるテストパターンのプリントアウト例を示す図である。
ここで、「テストパターンの搬送方向の長さ」とは、印刷装置100が用紙にテストパターンを印刷した場合における、当該用紙に印刷されたテストパターンの領域の搬送方向の長さを示す。
【0016】
次に、本実施形態による印刷装置100によるテストパターン印刷処理の動作を説明する。
図3は、印刷装置の動作を示すフローチャートである。
ユーザがホスト装置を介して印刷装置100に対してヘッドメンテナンスコマンドを指示すると、印刷装置100は、印刷ヘッド109のメンテナンス処理を行う(ステップS1)。印刷装置100は、印刷ヘッド109のメンテナンス処理を終了するとテストパターンの印刷処理を開始する。
【0017】
テストパターンの印刷処理を開始すると、加算部110は、印刷回数記憶部111が記憶する印刷実施回数を「0」に書き換える(ステップS2)。次に、搬送制御部106は、印刷回数記憶部111が記憶する印刷実施回数を読み出し、当該印刷実施回数が「0」より大きくかつ所定の印刷回数閾値以下であるか否かを判定する(ステップS3)。ここで、印刷回数閾値とは、一枚の用紙に連続してテストパターンを印刷する回数の上限を示す閾値であり、用紙の搬送方向の長さをテストパターンの搬送方向の長さで除算することで得られる値である。
【0018】
搬送制御部106が、印刷実施回数が「0」であると判定した場合、または印刷実施回数が印刷回数閾値を超えていると判定した場合(ステップS3:NO)、用紙厚さ測定部102は、用紙トレイ101に積載された用紙束の厚さを測定する(ステップS4)。具体的には、用紙厚さ測定部102は、まず、用紙トレイ101の上方向の所定の位置に設置された光源から用紙トレイ101に向けて光を照射する。次に、用紙厚さ測定部102の反射型フォトセンサは、用紙トレイ101に積載された用紙束の最上面の用紙による、照射した光の反射光を受光する。そして、用紙厚さ測定部102は、反射型フォトセンサと用紙束の最上面との間の距離を測定する。次に、用紙厚さ測定部102は、予め記憶している反射型フォトセンサと用紙トレイ101との間の距離から、測定した距離を減算することで、用紙束の厚さを測定する。
【0019】
用紙厚さ測定部102が用紙束の厚さを測定すると、用紙判定部105は、用紙トレイ101に用紙が1枚以上存在するか否かを判定する(ステップS5)。具体的には、用紙判定部105は、用紙厚さ測定部102が測定した用紙束の厚さが「0」である場合、用紙トレイ101に用紙が存在しないと判定する。
用紙判定部105は、用紙が存在しないと判定した場合(ステップS5:NO)、表示部112にメッセージ表示信号を送信し、表示部112に「新しい用紙をセットしてください」のように、用紙トレイ101に新たな用紙の載置を要求する旨を示すメッセージを表示させる(ステップS6)。そして、ステップS4に戻り、再度用紙の有無の判定を行う。
【0020】
他方、用紙判定部105が、用紙が1枚以上存在すると判定した場合(ステップS5:YES)、加算部110は、印刷回数記憶部111が記憶する印刷実施回数を「0」に書き換える(ステップS7)。
次に、搬送制御部106は、印刷回数記憶部111から印刷実施回数を読み出し、当該印刷実施回数にテストパターンの搬送方向の長さを乗算した値を搬送距離として算出する。そして、搬送制御部106は、算出した搬送距離だけ用紙を搬送させる搬送命令を搬送部107に送信する。そして、搬送部107は、搬送制御部106から搬送命令を受信し、用紙トレイ101に積載された用紙束の最上面の用紙1枚を、搬送命令が示す搬送距離だけ搬送する(ステップS8)。これにより、搬送部107は、前回までにテストパターンが印刷された位置より後方の未印刷位置に印刷ヘッド109が位置するように用紙を搬送することができる。
【0021】
次に、印刷制御部108は、印刷ヘッド109及び搬送制御部106に制御信号を送信し、用紙にテストパターンの印刷を行う(ステップS9)。具体的には、印刷制御部108は、印刷ヘッド109に、インクの射出及びヘッド位置を制御する制御信号を送信し、搬送制御部106に、印刷に伴う用紙の搬送を制御する制御信号を送信する。
印刷ヘッド109によるテストパターンの印刷が終了すると、印刷制御部108は、搬送制御部106に用紙を排出させる制御信号を送信する。搬送制御部は、印刷制御部108から受信した制御信号に基づいて搬送部107を制御することで、用紙を排出する(ステップS10)。
【0022】
搬送部107が用紙を排出し終えると、用紙厚さ測定部102は、用紙トレイ101に積載された用紙束の厚さを測定する。次に、用紙厚さ記録部103は、用紙厚さ測定部102が測定した用紙束の厚さを用紙厚さ記憶部104に記録する(ステップS11)。
次に、印刷装置100は、ホスト装置から次のコマンドとしてヘッドメンテナンスコマンドが指示されたか否かを判定する(ステップS12)。印刷装置100は、次のコマンドがヘッドメンテナンスコマンドでないと判定した場合(ステップS12:NO)、テストパターン印刷処理を終了する。
【0023】
他方、印刷装置100が、次のコマンドがヘッドメンテナンスコマンドであると判定した場合(ステップS12:YES)、加算部110は、印刷回数記憶部111が記憶する印刷実施回数に1を加算する(ステップS13)。そして、ステップS3に戻り、印刷実施回数が印刷回数閾値以下であるか否かの判定を行う。
ステップS3において、搬送制御部106が、印刷実施回数が「0」より大きく、かつ印刷回数閾値以下であると判定した場合(ステップS3:YES)、用紙厚さ測定部102は、用紙トレイ101に積載された用紙束の厚さを測定する(ステップS14)。
【0024】
用紙厚さ測定部102が用紙束の厚さを測定すると、用紙判定部105は、ステップS10による用紙の排出後に用紙トレイ101に用紙が新たに積載されたか否かを判定する(ステップS15)。具体的には、用紙判定部105は、用紙厚さ測定部102が測定した用紙束の厚さが、用紙厚さ記憶部104が記憶する用紙束の厚さより大きい場合に、用紙トレイ101に新たに用紙が積載されたと判定する。
用紙判定部105は、用紙トレイ101に新たに用紙が積載されていないと判定した場合(ステップS15:NO)、表示部112にメッセージ表示信号を送信し、表示部112に「さきほどの用紙を再セットしてください」のように、用紙トレイ101にステップS10で排出した用紙の載置を要求する旨を示すメッセージを表示させる(ステップS16)。そして、ステップS14に戻り、再度用紙の有無の判定を行う。
他方、用紙判定部105が、用紙トレイ101に新たに用紙が積載されたと判定した場合(ステップS15:YES)、ステップS8へ処理を移行し、テストパターンの印刷を実行する。
【0025】
このように、本実施形態によれば、搬送部107が、用紙を搬送することでテストパターンを印刷する位置を調整する。これにより、一枚の用紙で複数回のテストパターン印刷を実施することができる。
また、本実施形態によれば、用紙判定部105が、印刷ヘッド109がテストパターンを印刷し、搬送部107が用紙を排出した後に、用紙トレイ101に新たに用紙が積載されていないと判定した場合、搬送部107は用紙の搬送を行わず、また印刷ヘッド109はテストパターンの印刷を実行しない。これにより、印刷し終えた用紙の入れ直し忘れによる未使用の用紙へのテストパターンの印刷を防止することができるので、用紙の無駄の発生を抑えることができる。
また、本実施形態によれば、テストパターンの印刷以外にインクを使用しないため、インクを余計に消費することを防ぐことができる。
【0026】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、本実施形態では、用紙厚さ測定部102が反射型フォトセンサを備え、当該反射型フォトセンサを用いて用紙の厚さを測定する場合を説明したが、これに限られない。例えば、用紙厚さ測定部102は、デジタルノギスを備え、当該デジタルノギスの出力を用紙の厚さとして出力しても良い。また、用紙厚さ測定部102は、用紙トレイ101に積載された用紙の重さを計測し、当該重さを用いて用紙の厚さを算出しても良い。
【0027】
上述の印刷装置100は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0028】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0029】
100…印刷装置 101…用紙トレイ 102…用紙厚さ測定部 103…用紙厚さ記録部 104…用紙厚さ記憶部 105…用紙判定部 106…搬送制御部 107…搬送部 108…印刷制御部 109…印刷ヘッド 110…加算部 111…印刷回数記憶部 112…表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚または複数枚の用紙からなる用紙束を積載する用紙トレイと、
テストパターンの印刷実施回数を記憶する印刷回数記憶部と、
前記印刷回数記憶部が記憶する印刷実施回数にテストパターンの搬送方向の長さを乗じた長さだけ、前記用紙トレイが積載する用紙束から用紙を1枚搬送する搬送部と、
前記搬送部が搬送した用紙に新たなテストパターンを印刷して当該用紙を排出する印刷部と、
前記印刷部がテストパターンを印刷した後、前記印刷回数記憶部が記憶する印刷実施回数に1を加算する加算部と、
前記印刷部が前記用紙を排出した後、前記用紙トレイに新たに用紙が積載されたか否かを判定する用紙判定部と、
を備え、
前記用紙判定部が、前記用紙トレイに新たに用紙が積載されていないと判定した場合、前記搬送部及び前記印刷部は処理を実行しない
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記用紙トレイに積載された用紙束の厚さを断続的に測定する用紙厚さ測定部と、
前記印刷部が前記用紙を排出した直後に、前記用紙厚さ測定部が測定した用紙束の厚さを用紙厚さ記憶部に記録する用紙厚さ記録部と
を備え、
前記用紙判定部は、前記用紙厚さ測定部が測定した用紙束の厚さが、前記用紙厚さ記憶部が記憶する用紙束の厚さより厚い場合に、前記用紙トレイに新たに用紙が積載されたと判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
1枚または複数枚の用紙からなる用紙束を積載する用紙トレイとテストパターンの印刷実施回数を記憶する印刷回数記憶部とを備える印刷装置を用いたテストパターン印刷方法であって、
搬送部は、前記印刷回数記憶部が記憶する印刷実施回数にテストパターンの搬送方向の長さを乗じた長さだけ、前記用紙トレイが積載する用紙束から用紙を1枚搬送し、
印刷部は、前記搬送部が搬送した用紙に新たなテストパターンを印刷して当該用紙を排出し、
加算部は、前記印刷部がテストパターンを印刷した後、前記印刷回数記憶部が記憶する印刷実施回数に1を加算し、
用紙判定部は、前記印刷部が前記用紙を排出した後、前記用紙トレイに新たに用紙が積載されたか否かを判定し、
前記用紙判定部が、前記用紙トレイに新たに用紙が積載されていないと判定した場合、前記搬送部及び前記印刷部は処理を実行しない
ことを特徴とするテストパターン印刷方法。
【請求項4】
1枚または複数枚の用紙からなる用紙束を積載する用紙トレイとテストパターンの印刷実施回数を記憶する印刷回数記憶部とを備える印刷装置を、
前記印刷回数記憶部が記憶する印刷実施回数にテストパターンの搬送方向の長さを乗じた長さだけ、前記用紙トレイが積載する用紙束から用紙を1枚搬送する搬送部、
前記搬送部が搬送した用紙に新たなテストパターンを印刷して当該用紙を排出する印刷部、
前記印刷部がテストパターンを印刷した後、前記印刷回数記憶部が記憶する印刷実施回数に1を加算する加算部、
前記印刷部が前記用紙を排出した後、前記用紙トレイに新たに用紙が積載されたか否かを判定する用紙判定部、
として機能させ、
前記用紙判定部が、前記用紙トレイに新たに用紙が積載されていないと判定した場合、前記搬送部及び前記印刷部は処理を実行しない
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図3】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−218556(P2011−218556A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−86310(P2010−86310)
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】