説明

受光素子、光ピックアップ装置、光ディスク装置および受光装置

【課題】フォトダイオード形状に依存せず、加算出力を維持したまま、周波数特性を向上させることの可能な受光素子を提供する。
【解決手段】半導体基板10および半導体層11によってPN接合型のフォトダイオードが構成されている。半導体層11の上面には反射防止膜12が形成され、反射防止膜の上には受光面1Aに対応して開口部13Aを有する層間膜13が形成されている。反射防止膜12は、第1絶縁膜12Aおよび第2絶縁膜12Bを積層してなる積層構造を有しており、第1絶縁膜12Aには開口部13Aの端縁13Bに沿って延在する溝部12Cが設けられている。溝部12Cの底面には半導体層11が露出しており、溝部12Cにはシリサイドを含んで構成されたカソード電極14が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば光ディスクからの反射光を検知したり、発光素子からの射出光のパワーをモニタしたりする用途に好適に適用可能な受光素子(Photo Detector IC:PDIC)ならびにそれを備えた光ピックアップ装置、光ディスク装置および受光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フォトダイオードは用途により、主に信号用フォトダイオード(RF PD)と、フロントモニタ用フォトダイオード(FRONT PD)に分ける事ができる。RF PDは光ディスクから反射した信号を読み取るものであり、FRONT PDは半導体レーザの光出力レベルを一定にするために半導体レーザのレーザパワーをモニタするものである。通常、RF PDには、複数の領域に分割されたPDが用いられ、FRONT PDには、大面積のPDが用いられる。
【0003】
一般的なフォトダイオードでは、例えば、図15、図16に示したように、p型シリコン基板310の上面にn型不純物層311が形成されており、p型シリコン基板310とn型不純物層311とによってPN接合型のダイオード構造が構成されている。このフォトダイオードは、p型シリコン基板−n型カソードのアノードコモンとなっており、フォトダイオードへの入射光を、光電変換により電気信号(フォトカレント)に変換するようになっている。なお、図15は、フォトダイオードの上面図を、図16は図15のA−A矢視方向の断面構成図をそれぞれ表したものである。
【0004】
フォトダイオードの表面には、光の反射率を低減させる目的で、SiO層312AおよびSi層312Bの積層構造からなる反射防止膜312が形成されている。この反射防止膜312は、反射防止膜312上に形成されたSiOからなる層間膜313の開口部313A内に露出しており、反射防止膜312のうち開口部313A内に露出している部分がフォトダイオードの受光面Sとなっている。
【0005】
フォトダイオードの受光面312Aを形成する際には、反射防止膜312上に形成された層間膜313を選択的にエッチングして、層間膜313に開口部313Aを形成することが必要となる。層間膜313のエッチングに際しては、SiOとSiとのエッチングレートの違いを利用し、Si層312Bをストッパーとして用いるのが一般的である。このとき、Si層312Bへのダメージを無くするために、層間膜313のエッチングにはウエットエッチングが用いられるが、フォトダイオードのカソード電極314は、層間膜313のエッチングに用いられるエッチャントによってエッチングされ易い金属により形成されている。そのため、層間膜313内に設けられたカソード電極314までもがエッチングされることのないように、開口部313Aの位置ズレを考慮して、カソード電極314を開口端313Bから十分に離して形成しておくことが重要となる(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2003−163344号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、カソード電極314を、開口端313Bから遠く離れた部位に形成した場合には、光入射位置からカソード電極314までの距離が長くなり、カソードの抵抗が大きくなる。そのため、特に、受光面Sの面積が大きく、容量の大きなFRONT PDでは、CR積が大きくなり、周波数特性が低下してしまうという問題があった。また、RF PDにおいては、例えば、図17に示したように、複数のフォトダイオード(PD)を複雑に配置した場合に、中央のフォトダイオードのカソード電極配線(図示せず)を、開口部の位置ズレを考慮して、他のフォトダイオードの端縁(層間膜の開口端)から十分に離して引き回したときには、カソード電極を間にして互いに隣接するフォトダイオード同士の間隔D2が拡がってしまう。その結果、フォトダイオード以外の領域が広くなり、フォトダイオードに入射する光が減少するので、反射光の有効成分が失われ、演算精度を落とし、かつ、全PDの加算出力を低下させるという問題があった。そこで、中央のフォトダイオードのカソード電極を半導体基板の表面に形成した拡散層で構成し、間隔D2をあまり拡げずに済むようにすることが考えられる。しかし、そのようにした場合には、フォトダイオード以外の領域が狭くなり、フォトダイオードに入射する光が増加するが、その代わりに抵抗が大きくなり、周波数特性が低下してしまう。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、フォトダイオード形状に依存せず、加算出力を維持したまま、周波数特性を向上させることの可能な受光素子ならびにそれを備えた光ピックアップ装置、光ディスク装置および受光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の受光素子は、第1導電型半導体層の上に、第2導電型半導体層と、受光面を有する反射防止膜と、受光面に開口を有する層間膜とを第1導電型半導体層側から順に備えたものである。この受光素子は、さらに、第2導電型半導体層と電気的に接続された電極を備えており、この電極はシリサイドを含んで構成されている。
【0010】
本発明の光ピックアップ装置は、光ディスクの載置されるディスク領域に向かって光を出力する発光素子と、ディスク領域と発光素子との間に設けられた光学系と、発光素子から射出された光のうち光ディスクで反射された光を受光する受光素子とを備えたものである。受光素子は、第1導電型半導体層上に、第2導電型半導体層と、光ディスクからの反射光の入射する受光面を有する反射防止膜と、受光面に開口を有する層間膜とを第1導電型半導体層側から順に有している。この受光素子は、さらに、第2導電型半導体層と電気的に接続された電極を有しており、この電極はシリサイドを含んで構成されている。
【0011】
本発明の光ディスク装置は、光ピックアップ装置と、入力された情報を光ピックアップ装置に送信し、または光ディスクに書き込まれた情報を光ピックアップ装置から受信する情報処理部とを備えたものである。光ピックアップ装置は、光ディスクの載置されるディスク領域に向かって、情報処理部から送信されて来た情報に応じた光を出力する発光素子と、ディスク領域と発光素子との間に設けられた光学系と、発光素子から射出された光のうち光ディスクで反射された光を受光する受光素子とを有している。受光素子は、第1導電型半導体層上に、第2導電型半導体層と、光ディスクからの反射光の入射する受光面を有する反射防止膜と、受光面に開口を有する層間膜とを第1導電型半導体層側から順に有している。この受光素子は、さらに、第2導電型半導体層と電気的に接続された電極を含んでおり、この電極はシリサイドを含んで構成されている。
【0012】
本発明の受光装置は、発光素子と、発光素子から射出された光の一部を反射する光学系と、発光素子から射出された光のうち光学系で反射された光を受光する受光素子と、受光素子から入力された情報を受信すると共に、受信した情報に応じた情報を発光素子に送信する情報処理部とを備えたものである。受光素子は、第1導電型半導体層上に、第2導電型半導体層と、光学系からの反射光の入射する受光面を有する反射防止膜と、受光面に開口を有する層間膜とを第1導電型半導体層側から順に有している。この受光素子は、さらに、第2導電型半導体層と電気的に接続された電極を有しており、この電極はシリサイドを含んで構成されている。
【0013】
本発明の受光素子、光ピックアップ装置、光ディスク装置および受光装置では、第2導電型半導体層と電気的に接続された電極がシリサイドを含んで構成されている。そのため、電極を、例えば、受光面の周縁において、第2導電型半導体層と反射防止膜との間に形成することが可能となるので、電極を、開口の位置ズレを考慮して、開口端から十分に離して形成する必要がない。その結果、電極を開口端の近くに配置することができる。また、互いに隣接するフォトダイオード同士の間に電極を引き回した場合には、層間膜に形成される開口部の位置ズレを考慮する必要がないので、互いに隣接するフォトダイオード同士の間隔を狭くすることができる。また、シリサイドのシート抵抗は半導体基板に形成される拡散層のそれよりも十分に小さいので、電極を引き回した際に電極の抵抗を小さくすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の受光素子、光ピックアップ装置、光ディスク装置および受光装置によれば、第2導電型半導体層と電気的に接続された電極を、シリサイドを含んで構成するようにしたので、電極を層間膜の開口端の近くに配置することができる。これにより、光入射位置から電極までの距離を短くすることができるので、周波数特性を向上させることができる。また、互いに隣接するフォトダイオード同士の間に電極を引き回した際には、電極の抵抗を小さくすることができるので、この場合にも周波数特性を向上させることができる。また、互いに隣接するフォトダイオード同士の間に電極を引き回した場合には、互いに隣接するフォトダイオード同士の間隔を狭くすることができる。これにより、フォトダイオード以外の領域が狭くなり、加算出力の低減を防ぐ事ができる。このように、本発明では、フォトダイオード形状に依存せず、加算出力を維持したまま、周波数特性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
[第1の実施の形態]
図1は本発明の第1の実施の形態に係る受光素子1の上面構成を、図2は図1の受光素子1のA−A矢視方向の断面構成をそれぞれ表したものである。この受光素子1は、第1導電型(例えばp型)の半導体基板10(第1導電型半導体層)の上面に第1導電型とは異なる第2導電型(例えばn型)の半導体層11が形成されたPN接合型のフォトダイオードであり、発光素子からの射出光のパワーをモニタする用途に好適に適用可能なものである。
【0017】
半導体基板10は、第1導電型の不純物がドープされたシリコン基板である。半導体層11は、例えば、半導体基板10の上面に第2導電型の不純物をドープすることにより形成されたものである。
【0018】
半導体層11の上面には、反射防止膜12が形成されている。さらに、この反射防止膜の上には、所定の領域に開口部13Aを有する層間膜13が形成されており、開口部13Aの底面には反射防止膜12の上面が露出している。層間膜13は、例えば、シリコン酸化物(例えばSiO)からなる。反射防止膜12の上面のうち開口部13Aの底面に露出している部分が、受光素子1の受光面1Aとなっている。
【0019】
反射防止膜12は、外部から半導体層11に入射する光のうち受光素子1にて検出したい波長帯の光に対する反射率を低減させるものである。反射防止膜12は、例えば、図1に示したように、第1絶縁膜12Aおよび第2絶縁膜12Bを半導体層11側から順に積層してなる積層構造を有している。第1絶縁膜12Aは、例えばシリコン酸化物(例えばSiO)からなり、第2絶縁膜12Bは、第1絶縁膜12Aとは異なる絶縁材料により構成されている。ここで、反射防止膜12の最表面(第2絶縁膜12B)は、製造工程において層間膜13の選択エッチングに用いられるエッチャントに対して耐性を有する絶縁材料により構成されていることが好ましい。例えば、エッチャントとしてHF(フッ化水素)が用いられる場合には、第2絶縁膜12Bは、例えば、シリコン窒化物(例えばSi)により構成されていることが好ましい。なお、第1絶縁膜12Aおよび第2絶縁膜12Bのそれぞれの厚さは、受光素子1にて検出したい光の波長帯との関係などによって規定されている。
【0020】
この反射防止膜12は、製造工程において層間膜13を選択的にエッチングして層間膜13に開口部13Aを形成する際のエッチングストップ層としても機能することが好ましい。具体的には、第2絶縁膜12Bが、層間膜13をエッチングすることの可能なエッチャントに対して耐性を有する材料により構成されていることが好ましい。
【0021】
反射防止膜12において、第1絶縁膜12Aには、第1絶縁膜12Aの一の面内方向に(具体的には開口部13Aのうち底面側の端縁13Bに沿って)延在する溝部12Cが設けられており、その溝部12Cの底面には半導体層11が露出している。半導体層11のうち溝部12Cの底面に露出している部分には、半導体層11に含まれる第2導電型の不純物の濃度よりも高濃度の第2導電型の不純物を含む拡散層11Aが形成されている。この溝部12Cには、カソード電極14が設けられている。このカソード電極14は、第1絶縁膜12Aの一の面内方向に(具体的には開口部13Aのうち底面側の端縁13Bに沿って)延在しており、受光面1Aの周縁に形成されている。カソード電極14は、半導体層11の上面うち溝部12Cの底面に露出している部分にオーミック接触しており、半導体層11と電気的に接続されている。
【0022】
カソード電極14は、図2に示したように、半導体層11と第2絶縁膜12Bとの間に形成され、第2絶縁膜12Bによって覆われていることが好ましい。また、カソード電極14は、製造工程において層間膜13の選択エッチングに用いられるエッチャントに対して耐性を有する導電性材料を含んで構成されていることが好ましい。例えば、半導体層11と第2絶縁膜12Bとの間にカソード電極14を形成する場合には、カソード電極14は、例えば、シリサイドを含んで構成されていることが好ましい。シリサイドは、半導体層11と第2絶縁膜12Bとの間に形成可能な材料である。また、シリサイドは、単位面積当りの抵抗を極めて小さく(例えば数Ω/□)することの可能な材料であり、拡散層11A(後述)などのような、金属材料の抵抗値よりも比較的高い抵抗値を有する部材とは異なり、金属材料の代替材料として用いることが可能な材料である。
【0023】
このカソード電極14の一端には、層間膜13の上面にまで達するカソード接続端子15が電気的に接続されている。カソード接続端子15は、受光面1Aの周縁であって、かつ開口部13Aに隣接して設けられている。カソード接続端子15は、導電性材料、例えば金属からなる。
【0024】
また、半導体基板10のうち半導体層11の周囲には、第1導電型の半導体層16が設けられている。この半導体層16は、半導体基板10に含まれる第1導電型の不純物の濃度よりも高濃度の第1導電型の不純物を含んでおり、例えば、半導体基板10の上面に第1導電型の不純物をドープすることにより形成されたものである。この半導体層16の上面には、アノード電極(図示せず)が設けられており、このアノード電極は、半導体層16の上面の一の面内方向に(例えばカソード電極14に沿って)延在している。さらに、このアノード電極の上面には、層間膜13の上面にまで達するアノード接続端子(図示せず)が電気的に接続されている。このアノード接続端子は、導電性材料、例えば金属からなる。
【0025】
このような構成の受光素子1は、例えば、以下のようにして形成することができる。
【0026】
図3(A)〜(E)、図4(A),(B)および図5(A),(B)は、受光素子1の形成工程における素子の断面構成の一例を表したものである。まず、半導体基板10の表面に半導体層11,16を形成したのち、半導体層11,16上に第1絶縁膜12Dを形成する(図3(A))。次に、第1絶縁膜12D上に所定の領域に開口部H1を有するフォトレジストR1を形成したのち、フォトレジストR1をマスクとして、第1絶縁膜12Dを選択的にエッチングして、溝部12Cを有する第1絶縁膜12Aを形成する(図3(B))。次に、フォトレジストR1をマスクとして、半導体層11の導電型と同じ導電型の不純物を、半導体層11のうち開口部H1の底面に対応する部分にドープして、拡散層11Aを形成する(図3(C))。その後、フォトレジストR1を除去する。
【0027】
次に、開口部H1にカソード電極14を形成したのち(図4(A))、カソード電極14を含む表面に第2絶縁膜12Bを形成して、第1絶縁膜12Aおよび第2絶縁膜12Bからなる反射防止膜12を形成する(図4(B))。このとき、カソード電極14が第2絶縁膜12Bによって覆われる。
【0028】
次に、反射防止膜12を含む表面全体に層間膜13Dを形成したのち、層間膜13D上に、所定の領域に開口部H2を有するフォトレジストR2を形成する(図5(A))。次に、フォトレジストR2をマスクとして、ウエットエッチングにより層間膜13Dを選択的にエッチングする。これにより、開口部13Aを有する層間膜13が形成され、また、開口部13Aの底面に反射防止膜12が露出し、受光面1Aが形成される(図5(B))。その後、フォトレジストR2を除去する。
【0029】
次に、層間膜13のうちカソード電極14の一端に対応する部分に、カソード電極14にまで達する孔(図示せず)と、半導体層16にまで達する孔(図示せず)とを形成する。なお、これらの孔を、開口部13Aと同時に形成してもよい。その後、これらの孔内にカソード接続端子15およびアノード接続端子(図示せず)を形成する。このようにして、本実施の形態の受光素子1が製造される。
【0030】
ところで、半導体基板10上には、通常、受光素子1を駆動する駆動素子などの他の素子も形成されており、半導体基板10上の各素子は、製造工程数を削減するために、一部の工程を共用して形成される。例えば、受光素子1のカソード電極14をシリサイドによって形成する場合には、半導体基板10上の他の素子においてシリサイドを用いる工程を共用することが可能である。そこで、以下に、受光素子1のカソード電極14と、駆動素子に含まれるMOSトランジスタの電極とをシリサイドによって形成する際の一連の工程の一例について説明する。
【0031】
図6(A),(B)、図7(A),(B)および図8(A)〜(C)は、カソード電極14およびMOSトランジスタの電極の形成工程における素子の断面構成の一例を表したものである。
【0032】
まず、Siからなる半導体基板10の表面のうちPD領域に、PD領域を保護するSiO層22を形成したのち、半導体基板10の表面のうちMOS領域に、ポリシリコン層20およびサイドウォール層21Dを形成する(図6(A))。次に、表面全体にフォトレジスト層23を形成したのち、PD領域に開口23Aを形成し、例えばウエットエッチングにより、開口23Aを介してSiO層22を選択的に除去する(図6(B))。
【0033】
次に、フォトレジスト層23を除去したのち、表面全体に第1絶縁膜12Dを形成する(図7(A))。続いて、SiO層22の開口およびMOS領域に対応して開口H1,H2を有するフォトレジスト24を形成したのち、例えばウエットエッチングにより、開口H1,H2を介して第1絶縁膜12Dおよびサイドウォール層21Dを選択的に除去する(図7(B))。これにより、反射防止膜12の底面側の第1絶縁膜12Aが形成されると共に、サイドウォール層21がポリシリコン層20の側面に形成される。
【0034】
次に、フォトレジスト24を除去したのち、表面全体にコバルト層25を形成する(図8(A))。続いて、熱処理を行うことにより、コバルト層25内のコバルトをポリシリコン層20および半導体基板10に拡散させ、コバルトシリサイド(例えばCoSi)からなるシリサイド層26,27,28を形成する(図8(B))。その後、未反応のコバルトを除去する。その後、表面全体に第2絶縁膜12Bを形成して、反射防止膜12を形成する(図8(C))。これにより、ポリシリコン層20およびシリサイド層26によってゲート電極29が形成され、シリサイド層27,28によってソース電極およびドレイン電極が形成される。
【0035】
このような構成の受光素子1では、例えば、アノード接続端子を接地電位にしつつカソード接続端子15とアノード接続端子との間に逆バイアス電圧が印加されると、半導体基板10のうち半導体層11,16の非形成領域(第1導電型不純物層)と半導体層11(第2導電型不純物層)との界面およびその近傍において空乏層が形成される。このときに、外部からの光が受光面1Aに入射すると、所定の波長帯の光が反射防止膜12を透過して空乏層に入射したのち、空乏層で吸収され、吸収された光の出力レベルに応じた電気信号(フォトカレント)に変換される。この電流信号はカソード接続端子15およびアノード接続端子に電気的に接続されたワイヤ(図示せず)を介して演算回路(図示せず)に出力されたのち、演算回路において電圧信号に変換され、受光素子1がFRONT PDとして用いられている場合には光出力モニタ信号として用いられる。
【0036】
ところで、本実施の形態において、カソード電極14が層間膜13の選択エッチングに用いられるエッチャントに対して耐性を有する導電性材料を含んで構成されている場合や、第2絶縁膜12Bが層間膜13の選択エッチングに用いられるエッチャントに対して耐性を有しており、かつ、そのような第2絶縁膜12Bによってカソード電極14が覆われている(第2絶縁膜12Bと半導体層11との間に設けられている)場合には、カソード電極14を、開口部13Aの位置ズレを考慮して、開口部13Aの端縁13Bから十分に離して形成する必要がない。これにより、カソード電極14を端縁13Bの近くに配置することができるので、カソード電極14と層間膜13の端縁13Bとの距離D1、すなわち、光入射位置からカソード電極14までの距離を短くすることができる。その結果、周波数特性を向上させることができる。特に、カソード電極14としてシリサイドなどの低抵抗材料を用いた場合には、周波数特性を大幅に向上させることができる。また、本実施の形態では、カソード電極14は受光面1Aの周囲に形成されるので、フォトダイオード領域の面積が小さくなることはない。従って、受光素子1の加算出力が低下する虞はない。
【0037】
なお、本実施の形態では、開口の位置ズレを考慮してカソード電極を開口端から十分に離して形成していた従来の受光素子の場合よりも、カソード電極14と層間膜13の端縁13Bとの距離D1を縮める際に、受光面1Aの面積を従来の受光素子の受光面の面積よりも小さくしなければならないといった制約は何もない。つまり、本実施の形態では、カソード電極14と層間膜13の端縁13Bとの距離D1と同様、受光面1Aの面積についても自由に変更可能であり、レイアウトの自由度が極めて高い。
【0038】
また、本実施の形態において、カソード電極14としてシリサイドを用いた場合には、カソード電極14を形成する際に、半導体基板10上の他の素子においてシリサイドを用いる工程を共用することが可能である。これにより、カソード電極14としてシリサイドを用いたことによって工程数が増加することがなく、製造コストが増大する虞はない。
【0039】
[変形例]
上記実施の形態では、カソード電極14は受光面1Aの周縁に形成されていたが、例えば、図9、図10に示したように、受光面1Aの周縁から受光面1Aとの対向領域内にまで延在して形成されていてもよい。なお、図9は、受光素子1の一変形例の上面図を、図10は図9のA−A矢視方向の断面構成図をそれぞれ表したものである。また、図9、図10には、カソード電極14が受光面1Aとの対向領域内において分枝しており、かつ互いに隣接する枝同士の間隔がほぼ等間隔となっている場合が例示されている。
【0040】
このようにした場合には、光入射位置からカソード電極14までの距離をさらに短くすることができるので、周波数特性をさらに向上させることができる。なお、この場合には、カソード電極14が受光面1Aとの対向領域内にも形成されているので、入射光がカソード電極14の影響によって若干失われる。しかし、カソード電極を金属により構成していた従来の受光素子ではカソード電極を受光面との対向領域内に形成することができず、光入射位置からカソード電極までの距離を短くする場合には受光面を複数に分割することが必要であった。従って、本変形例は、加算出力の低下を最低限に抑えた上で、周波数特性を特に重視する用途に対して好ましい構成を備えていると言える。
【0041】
[第2の実施の形態]
図11は本発明の第2の実施の形態に係る受光素子2の上面構成を、図12は図11の受光素子2のA−A矢視方向の断面構成をそれぞれ表したものである。この受光素子2は、第1導電型(例えばp型)の半導体基板10(第1導電型半導体層)の上面に、第1導電型とは異なる第2導電型(例えばn型)の半導体層11が複数形成されたPN接合型のフォトダイオードである。この受光素子2は、個々の半導体層11に対応してフォトダイオードを備えており、各フォトダイオードから電気信号(フォトカレント)を得ることができるようになっている。従って、この受光素子2は、光ディスクからの反射光を検知する用途に好適に適用可能なものである。
【0042】
複数の半導体層11は、半導体基板10上に、一の半導体層11を中心として、残りの半導体層11が中心の半導体層11を囲むようにして配置されている。複数の半導体層11は、所定の間隙を介して配置されており、例えば、図11に示したように、第1導電型の半導体層17を介して配置されている。中心の半導体層11は、例えば矩形状となっており、その周囲の半導体層11(以下、単に「周囲の半導体層11」と称する。)は、中心の半導体層11との対向部分が切り欠かれたL字形状となっている。
【0043】
また、中心の半導体層11は、中心の半導体層11と電気的に接続されたカソード電極14Aを引き出すための領域(引出し領域)を、周囲の半導体層11同士の一の間隙内に有している。この引出し領域の形成されている間隙の幅D2は、引出し領域の形成されていない他の間隙の幅D3よりも、少なくとも引き出し領域の幅の分だけ広くなっている。
【0044】
この引出し領域の表面上には、引出し領域に電気的に接続されたカソード電極14Aが形成されている。カソード電極14Aは、引出し領域の延在方向に延在しており、受光面1Aの周縁から受光面1Aとの対向領域に延在している。そのため、カソード電極14のうち受光面1Aとの対向領域に設けられている部分は、入射光にとっては反射ミラーとして作用し、入射光の半導体層11への入射を妨げる要因となり得る。従って、カソード電極14のうち受光面1Aとの対向領域に設けられている部分の幅はできるだけ狭いことが好ましい。
【0045】
なお、引出し領域に入射する光を極力低減したい場合には、引出し領域の幅をなるべく狭くすることが好ましく、カソード電極14Aの幅になるべく近づけることが好ましい。中心の半導体層11に対応するフォトダイオードでは、引出し領域に入射した光と、中心の半導体層11の中心領域に入射した光とを区別することが困難だからである。
【0046】
周囲の半導体層11の表面のうち中心の半導体層11の形成されている側とは反対側には、周囲の半導体層11と電気的に接続されたカソード電極14Bが形成されている。カソード電極14Bは、受光面1Aの周縁に形成されており、受光面1Aの周縁(開口部13Aの端縁13B)に沿って延在している。従って、カソード電極14Bは、入射光の半導体層11への入射を妨げるものではない。
【0047】
カソード電極14A,14Bは、図12に示したように、第2絶縁膜12Bによって覆われていることが好ましい。また、カソード電極14A,14Bは、製造工程において層間膜13の選択エッチングに用いられるエッチャントに対して耐性を有する導電性材料を含んで構成されていることが好ましい。例えば、エッチャントとしてHF(フッ化水素)が用いられる場合には、カソード電極14A,14Bは、例えば、シリサイドを含んで構成されていることが好ましい。
【0048】
カソード電極14A,14Bの一端には、層間膜13の上面にまで達するカソード接続端子15が電気的に接続されている。また、半導体基板10のうち全ての半導体層11を取り囲む領域には半導体層16が設けられている。この半導体層16の上面には、アノード電極(図示せず)が設けられており、アノード電極の上面には、層間膜13の上面にまで達するアノード接続端子(図示せず)が電気的に接続されている。
【0049】
反射防止膜12は、全ての半導体層11の上面にまたがって形成されており、各半導体層11に対応して形成された全てのフォトダイオードに対して、1つの受光面1Aを有している。つまり、本実施の形態では、層間膜13には、1つの受光面1Aに対応して開口部13Aが1つだけ形成されている。従って、フォトダイオードごとに層間膜に開口部を別個に形成した場合よりも、入射光が受光面1Aへ入射する入射量が大きい。
【0050】
このような構成の受光素子2では、例えば、アノード接続端子を接地電位にしつつカソード接続端子15とアノード接続端子との間に逆バイアス電圧が印加されると、半導体基板10のうち半導体層11,16,17の非形成領域(第1導電型不純物層)と各半導体層11(第2導電型不純物層)との開面およびその近傍において空乏層が形成される。このときに、外部からの光が受光面1Aに入射すると、所定の波長帯の光が反射防止膜12を透過して受光面1Aのうち光入射領域に対応するフォトダイオードの空乏層に入射したのち、空乏層で吸収され、吸収された光の出力レベルに応じた電気信号(フォトカレント)に変換される。この電流信号は個々のフォトダイオードのカソード接続端子15およびアノード接続端子に電気的に接続されたワイヤ(図示せず)を介して演算回路(図示せず)に出力されたのち、演算回路において電圧信号に変換され、受光素子1がRF PDとして用いられている場合にはピット信号、トラッキング信号およびフォーカス信として用いられる。
【0051】
ところで、本実施の形態において、カソード電極14A,14Bが層間膜13の選択エッチングに用いられるエッチャントに対して耐性を有する導電性材料を含んで構成されている場合や、第2絶縁膜12Bが層間膜13の選択エッチングに用いられるエッチャントに対して耐性を有しており、かつ、そのような第2絶縁膜12Bによってカソード電極14A,14Bが覆われている(第2絶縁膜12Bと半導体層11との間に設けられている)場合には、カソード電極14A,14Bを、開口部13Aの位置ズレを考慮して、開口部13Aの端縁13Bから十分に離して形成する必要がない。これにより、カソード電極14Aを受光面1Aとの対向領域に形成することができ、かつカソード電極14Bを端縁13Bの近くに配置することができるので、光入射位置からカソード電極14A,14Bまでの距離を短くすることができる。その結果、周波数特性を向上させることができる。特に、カソード電極14としてシリサイドなどの低抵抗材料を用いた場合には、周波数特性を大幅に向上させることができる。また、本実施の形態では、カソード電極14Bは受光面1Aの周囲に形成されるので、フォトダイオード領域の面積が小さくなることはない。また、カソード電極14Aを層間膜13で覆う必要がないので、カソード電極14Aを拡散層11A(図4(A)参照)で構成した場合と比べて、引出し領域(カソード電極14A)の形成されている間隙の幅D2を、狭くすることができる。これにより、フォトダイオード以外の領域が狭くなり、加算出力の低減を防ぐことができる。これらのことから、カソード電極14Aを拡散層11A(図4(A)参照)で構成した場合と比べて、受光素子1の加算出力を向上させることができる。
【0052】
なお、本実施の形態でも、上記実施の形態と同様、カソード電極14と層間膜13の端縁13Bとの距離D1や、受光面1Aの面積について自由に変更可能であり、レイアウトの自由度が極めて高い。
【0053】
[第1の適用例]
上記第1の実施の形態およびその変形例に係る受光素子1ならびに上記第2の実施の形態に係る受光素子2は、記録媒体(光ディスク)に記録された情報を再生する情報再生装置、記録媒体に情報を記録する情報記録装置、これら両機能を備えた情報記録再生装置、または通信装置などのデバイスに種々適用可能であり、以下、その一例について説明する。
【0054】
図13は、本適用例に係る情報記録再生装置100の概略構成の一例を表すものであり、光装置110と、情報処理部120とを備えている。
【0055】
情報処理部120は、記録媒体101に記録された情報を光装置100から受信したり、入力された情報を光装置110に送信したりする受送信回路の他に、受光素子1からの出力に基いて、半導体発光装置LDの出力が安定するように半導体発光装置LDを制御するAPC回路(自動出力制御回路:Auto Power Control Unit)を有している。他方、光装置110は、例えばDVD等による高密度記録再生用の光ピックアップ装置として用いられるものであり、記録媒体101の載置される領域に向かって光を出力する半導体発光装置LDと、記録媒体101の載置される領域と半導体発光装置LDとの間に設けられた光学系とを備えている。記録媒体101の表面には、例えば数μmの大きさの多数のピット(突起)が形成されている。光学系は、半導体発光装置LDから記録媒体101への光路中に配設され、例えば、グレーティング(GRT)111、偏光ビームスプリッタ(PBS)112、平行化レンズ(CL)113、4分の1波長板(λ/4板)114、対物レンズ(OL)115を有している。また、この光学系は、例えば、半導体発光装置LDから出力された光のうちPBS112で反射されずにPBS112を透過した光が通過する光路上に、半導体発光装置LDの出力をモニタする受光素子1を有している。さらに、この光学系は、記録媒体101からの反射光のうちPBS112を透過した光が通過する光路上に、円柱レンズ(CyL)116と、半導体発光装置LDから射出された光のうち記録媒体101で反射された光を受光する受光素子2とを有している。
【0056】
この情報記録再生装置100では、光源(半導体発光装置LD)からの光は、例えば、GRT111を通り、PBS112で反射され、CL113、λ/4板114およびOL115を通って記録媒体101に焦点を結び、記録媒体101の表面のピットで反射される。記録媒体101で反射された光は、OL115,λ/4板114,CL113,PBS112,CyL116を通って受光素子2に入り、情報処理部120によってピット信号、トラッキング信号およびフォーカス信号の読取りが行われる。また、半導体発光装置LDからの光の一部は、GRT111、PBS112を通って受光素子1に入り、受光素子1からの出力に基づくフィードバック制御が情報処理部120によって光源に対して行われる。
【0057】
本実施の形態の情報記録再生装置100は、記録媒体101に記録された情報の読み出しに上記実施の形態の受光素子2を用いるようにしたので、読取りにおける周波数特性および加算出力が共に高い。また、APC制御用に上記第1の実施の形態またはその変形例に係る受光素子1を用いるようにしたので、フィードバック制御における周波数特性および加算出力が共に高い。
【0058】
[第2の適用例]
上記第1の実施の形態およびその変形例に係る受光素子1ならびに上記第2の実施の形態に係る受光素子2は、APC機能を備えた受光装置に適用可能であり、以下、その一例について説明する。
【0059】
図14は、本適用例に係る受光装置200の断面構成の一例を表すものであり、光装置210と、情報処理部220とを備えている。
【0060】
光装置210は、光源としての半導体発光装置LDと、半導体発光装置LDから射出された光の一部を反射するミラー211と、ミラー211で反射された光を受光する受光素子1と、半導体発光装置LDおよび受光素子1を支持する支持基板212と、ミラー211を支持すると共に半導体発光装置LDから射出された光を透過する透明基板213とを有している。情報処理部220は、受光素子1からの出力に基いて、半導体発光装置LDの出力が安定するように半導体発光装置LDを制御するAPC回路を有している。
【0061】
この受光装置200では、半導体発光装置LDからの光の一部が透明基板213を透過して外部に射出される。また、半導体発光装置LDからの光のうちミラー211に入射したものはミラー211で反射されたのち受光素子1で受光され、受光素子1からの出力に基づくフィードバック制御が情報処理部220によって半導体発光装置LDに対して行われる。
【0062】
本実施の形態の受光装置200では、APC制御用に上記第1の実施の形態またはその変形例に係る受光素子1を用いるようにしたので、フィードバック制御における周波数特性および加算出力が共に高い。
【0063】
以上、実施の形態、変形例および適用例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形可能である。
【0064】
例えば、上記実施の形態等では、受光素子1,2に含まれるフォトダイオードとしてPN接合型が用いられていたが、PIN接合型が用いられていてもよい。
【0065】
また、上記実施の形態等では、フォトダイオードが半導体基板10および半導体層11により構成されていたが、半導体基板10と同一の導電型の不純物を含む半導体層と半導体層11とにより構成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る受光素子の上面図である。
【図2】図1の受光素子のA−A矢視方向の断面図である。
【図3】図1の受光素子の製造過程の一例について説明するための断面図である。
【図4】図3に続く過程について説明するための断面図である。
【図5】図4に続く過程について説明するための断面図である。
【図6】図1の受光素子の製造過程の他の例について説明するための断面図である。
【図7】図6に続く過程について説明するための断面図である。
【図8】図7に続く過程について説明するための断面図である。
【図9】一変形例に係る受光素子の上面である。
【図10】図9の受光素子のA−A矢視方向の断面図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る受光素子の上面である。
【図12】図11の受光素子のA−A矢視方向の断面図である。
【図13】一適用例に係る情報再生記録装置の概略構成図である。
【図14】他の適用例に係る受光装置の概略構成図である。
【図15】従来の受光素子の上面図である。
【図16】図15の受光素子のA−A矢視方向の断面図である。
【図17】フォトダイオードの面内配置例を表す上面図である。
【符号の説明】
【0067】
1,2…受光素子、10…半導体基板、11,11A,16,17…半導体層、12…反射防止膜、12A…第1絶縁膜、12B…第2絶縁膜、12C…溝部、13…層間膜、13A…開口部、13B…端縁、14…カソード電極、15…カソード接続端子、20…ポリシリコン層、21,21D…サイドウォール層、22…SiO層、23,24…フォトレジスト層、23A,24A…開口、25…コバルト層、26,27,28…シリサイド層、29…ゲート電極、100…情報再生記録装置、101…記録媒体、110…光装置、111…GRT、112…PBS、113…CL、114…λ/4板、115…OL、116…CyL、120…情報処理部、200…受光装置、210…光装置、211…ミラー、212…支持基板、213…透明基板、220…情報処理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電型半導体基板または第1導電型半導体層と、
前記第1導電型半導体基板または前記第1導電型半導体層の上に形成された1または複数の第2導電型半導体層と、
前記第2導電型半導体層の上に形成されると共に前記第2導電型半導体層に対応して受光面を有する反射防止膜と、
前記反射防止膜の上に形成されると共に前記受光面に開口を有する層間膜と、
前記第2導電型半導体層と電気的に接続された電極と
を備え、
前記電極はシリサイドを含む受光素子。
【請求項2】
前記電極は、前記受光面の周縁に形成されている請求項1に記載の受光素子。
【請求項3】
前記電極は、前記受光面の周縁から前記受光面との対向領域に延在して形成されている請求項1に記載の受光素子。
【請求項4】
前記第2導電型半導体層を複数備え、
前記複数の第2導電型半導体層のうち少なくとも1つ(第1半導体層)は、前記複数の第2導電型半導体層のうちの前記第1半導体層以外のもの(第2半導体層)によって周囲を囲まれており、
前記第1半導体層と電気的に接続された電極が、前記第2半導体層に対応して設けられた受光面の周縁に延在して形成されている請求項1に記載の受光素子。
【請求項5】
前記層間膜は、シリコン酸化物を含み、
前記反射防止膜は、最上面にシリコン窒化物を含む請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の受光素子。
【請求項6】
前記反射防止膜は、シリコン酸化物層およびシリコン窒化物層を前記第2導電型半導体層側から順に積層してなる積層構造を有する請求項5に記載の受光素子。
【請求項7】
前記電極は、前記受光面の周縁において、前記第2導電型半導体層と前記反射防止膜との間に形成されている請求項5に記載の受光素子。
【請求項8】
前記反射防止膜は、前記シリコン酸化物層のうち前記受光面の周縁に溝部を有し、
前記電極は、前記溝部内に形成されている請求項6に記載の受光素子。
【請求項9】
光ディスクの載置されるディスク領域に向かって光を出力する発光素子と、
前記ディスク領域と前記発光素子との間に設けられた光学系と、
前記発光素子から射出された光のうち前記光ディスクで反射された光を受光する受光素子と
を備え、
前記受光素子は、
第1導電型半導体基板または第1導電型半導体層と、
前記第1導電型半導体基板または前記第1導電型半導体層の上に形成された1または複数の第2導電型半導体層と、
前記第2導電型半導体層の上に形成されると共に、前記光ディスクからの反射光の入射する受光面を前記第2導電型半導体層に対応して有する反射防止膜と、
前記反射防止膜の上に形成されると共に前記受光面に開口を有する層間膜と、
前記第2導電型半導体層と電気的に接続された電極と
を備え、
前記電極はシリサイドを含む光ピックアップ装置。
【請求項10】
光ピックアップ装置と、
入力された情報を前記光ピックアップ装置に送信し、または光ディスクに書き込まれた情報を前記光ピックアップ装置から受信する情報処理部と
を備え、
前記光ピックアップ装置は、
前記光ディスクの載置されるディスク領域に向かって、前記情報処理部から送信されて来た情報に応じた光を出力する発光素子と、
前記ディスク領域と前記発光素子との間に設けられた光学系と、
前記発光素子から射出された光のうち前記光ディスクで反射された光を受光する受光素子と
を有し、
前記受光素子は、
第1導電型半導体基板または第1導電型半導体層と、
前記第1導電型半導体基板または前記第1導電型半導体層の上に形成された1または複数の第2導電型半導体層と、
前記第2導電型半導体層の上に形成されると共に、前記光ディスクからの反射光の入射する受光面を前記第2導電型半導体層に対応して有する反射防止膜と、
前記反射防止膜の上に形成されると共に前記受光面に開口を有する層間膜と、
前記第2導電型半導体層と電気的に接続された電極と
を含み、
前記電極はシリサイドを含む光ディスク装置。
【請求項11】
発光素子と、
前記発光素子から射出された光の一部を反射する光学系と、
前記発光素子から射出された光のうち前記光学系で反射された光を受光する受光素子と、
前記受光素子から入力された情報を受信すると共に、受信した情報に応じた情報を前記発光素子に送信する情報処理部と
を備え、
前記受光素子は、
第1導電型半導体基板または第1導電型半導体層と、
前記第1導電型半導体基板または前記第1導電型半導体層の上に形成された1または複数の第2導電型半導体層と、
前記第2導電型半導体層の上に形成されると共に、前記光学系からの反射光の入射する受光面を前記第2導電型半導体層に対応して有する反射防止膜と、
前記反射防止膜の上に形成されると共に前記受光面に開口を有する層間膜と、
前記第2導電型半導体層と電気的に接続された電極と
を有し、
前記電極はシリサイドを含む受光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−277862(P2009−277862A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−127266(P2008−127266)
【出願日】平成20年5月14日(2008.5.14)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】