説明

吊下型の流体封入式防振装置

【課題】吊下型の流体封入式防振装置を、部品点数の少ない簡単な構造で且つコンパクトに実現して、提供する。
【解決手段】防振支持対象体84を吊下げ支持する吊下型の流体封入式防振装置10において、第2の取付部材14が本体ゴム弾性体16の軸方向下端面に重ね合わされる円環板状部64と、本体ゴム弾性体16の外周面に重ね合わされる外側円筒状部66とを有しており、本体ゴム弾性体16の軸方向下端面に開口形成された主ポケット部58が円環板状部64で覆蓋されて主液室70が形成されている一方、本体ゴム弾性体16の外周面に開口形成された副ポケット部60が外側円筒状部66で覆蓋されて副液室74が形成されて、副ポケット部60の上側ゴム壁部が薄肉のゴム弾性膜62とされていると共に、本体ゴム弾性体16と第2の取付部材14との重ね合わせ面間に第1のオリフィス通路80が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車のエンジンマウント等に適用される流体封入式防振装置に係り、特に、パワーユニット等の防振支持対象体が筒状とされた本体ゴム弾性体の中心孔に挿通される支持軸を介して第1の取付部材に取り付けられて、吊下げ支持されるようにした吊下型の流体封入式防振装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、流体の流動作用に基づく防振作用を利用する流体封入式防振装置が知られており、例えば自動車のエンジンマウント等に適用されている。この流体封入式防振装置は、第1の取付部材と第2の取付部材が本体ゴム弾性体で連結されており、壁部の一部が本体ゴム弾性体で構成された主液室と、壁部の一部がゴム弾性膜で構成された副液室とが設けられて、それら主液室と副液室に非圧縮性流体が封入されていると共に、それら主液室と副液室がオリフィス通路を通じて相互に連通された構造を有している。
【0003】
ところで、流体封入式防振装置には、第1の取付部材に対して上方からパワーユニット等の防振支持対象体が載荷されるようにした構造の他に、第1の取付部材に対して下方に配置された防振支持対象体が吊下げ支持されるようにした構造のものがある。更に、吊下型の流体封入式防振装置の一種としては、筒状の本体ゴム弾性体の軸方向上端部に第1の取付部材が固着されると共に軸方向下端部に第2の取付部材が固着されており、第1の取付部材から本体ゴム弾性体の中心孔を通じて軸方向下方に延びる支持軸が防振支持対象体に固定されることによって、防振支持対象体が第1の取付部材によって吊下げ支持される構造も提案されている。例えば、特開2007−321964号公報(特許文献1)が、それである。
【0004】
しかし、特許文献1の吊下型の流体封入式防振装置では、第1の取付部材の上方に副液室が形成されており、副液室の壁部を構成するゴム弾性膜や、オリフィス通路の流体流動を制限するための流量制限手段(可動板)等の別部品を第1の取付部材に取り付ける必要があることから、部品点数が多くなって、構造の複雑化を避け難く、製造時の作業工程数が多くなるおそれがあった。しかも、多数の部品が組み合わされていることから、シール構造が複雑になってしまうという問題もある。加えて、第1の取付部材の上方に、オリフィス通路を形成するための部材とゴム弾性膜が軸方向で重ね合わされて配設されていることから、軸方向での大型化が問題になり易かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−321964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、吊下型の流体封入式防振装置を、部品点数の少ない簡単な構造で且つコンパクトに実現して、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明の第1の態様は、筒状の本体ゴム弾性体の軸方向上端部に第1の取付部材が固着されると共に軸方向下端部に第2の取付部材が固着されており、該第1の取付部材から該本体ゴム弾性体の中心孔を通じて軸方向下方に延びる支持軸によって防振支持対象体を吊下支持する一方、該本体ゴム弾性体で壁部が構成されて振動が入力される主液室と、ゴム弾性膜で壁部が構成された副液室とが設けられて、それら主液室と副液室が第1のオリフィス通路を通じて連通された吊下型の流体封入式防振装置において、前記第2の取付部材が前記本体ゴム弾性体の軸方向下端面に重ね合わされる円環板状部と、該本体ゴム弾性体の外周面に重ね合わされる外側筒状部とを有しており、該本体ゴム弾性体の軸方向下端面に開口形成された主ポケット部が該円環板状部で覆蓋されて前記主液室が形成されている一方、該本体ゴム弾性体の外周面に開口形成された副ポケット部が該外側筒状部で覆蓋されて前記副液室が形成されて、該副ポケット部の上側ゴム壁部が薄肉の前記ゴム弾性膜とされていると共に、該本体ゴム弾性体と該第2の取付部材との重ね合わせ面間に前記第1のオリフィス通路が形成されていることを特徴とする。
【0008】
このような第1の態様に記載された吊下型の流体封入式防振装置によれば、本体ゴム弾性体に対して軸方向下端面に開口する主ポケット部と外周面に開口する副ポケット部が形成されており、第2の取付部材が本体ゴム弾性体の軸方向下端面および外周面に重ね合わされることによってそれらポケット部が覆蓋されて、主液室と副液室が形成されている。そして、副ポケット部が形成されることによって、副ポケット部の上側ゴム壁部を構成するゴム弾性膜が本体ゴム弾性体と一体で形成されている。それ故、本体ゴム弾性体とゴム弾性膜が互いに別体で設けられる従来の構造に比して、部品点数が削減されて構造が簡略化される。
【0009】
さらに、主液室と副液室を連通する第1のオリフィス通路が、本体ゴム弾性体と第2の取付部材の重ね合わせ面間に形成されている。これにより、第1のオリフィス通路を形成するための特別な部品(オリフィス部材)を設ける必要がなくなって、部品点数のより少ない簡単な構造とすることができる。
【0010】
また、主ポケット部が軸方向下端面に開口するように形成されると共に、副ポケット部が外周面に開口するように形成されることから、それらポケット部の両方を軸方向端面に開口させる場合に比して径方向での小型化が図られると共に、それらポケット部の両方を外周面に開口させる場合に比して軸方向での小型化が図られる。従って、軸方向および径方向の何れにおいても大型化が回避されて、吊下型の流体封入式防振装置をコンパクトに実現することができる。
【0011】
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載された吊下型の流体封入式防振装置において、筒形の外側周壁部の軸方向下端に内向きのフランジ状部が設けられた中間スリーブが前記本体ゴム弾性体の外周面に固着されて、該本体ゴム弾性体の軸方向下端面を覆う該フランジ状部に形成された窓部を通じて前記主ポケット部が開口されていると共に、該本体ゴム弾性体の外周面を覆う該外側周壁部に形成された窓部を通じて前記副ポケット部が開口されており、該中間スリーブに対して前記第2の取付部材が外嵌固定されている一方、該中間スリーブに設けられた小径部と該第2の取付部材の対向面間に前記第1のオリフィス通路が形成されているものである。
【0012】
第2の態様によれば、本体ゴム弾性体の外周面に固着された中間スリーブに対して第2の取付部材が外嵌固定されることから、第2の取付部材の固定に際して中間スリーブの形状が保持されることによって、本体ゴム弾性体の変形が抑えられる。しかも、中間スリーブが窓部によってポケット部の開口部を確保した一体的な構造とされていることによって、中間スリーブにおいて本体ゴム弾性体の固着部分とゴム弾性膜の固着部分が第2の取付部材の嵌着前に相対変位するといった不具合も防止される。それらの結果、本体ゴム弾性体の形状安定性が確保されて、ポケット部の形状や液室への連通部分における第1のオリフィス通路の形状等が安定することから、目的とする防振性能を精度良く得ることができる。
【0013】
しかも、中間スリーブと第2の取付部材の間にシールゴム層が設けられていれば、第2の取付部材の中間スリーブへの嵌着によって面圧が大きく得られることから、液室や第1のオリフィス通路においてシール性能の向上が図られる。
【0014】
また、第1のオリフィス通路が中間スリーブと第2の取付部材の間に形成されることから、第1のオリフィス通路の形状安定性が高められて、第1のオリフィス通路のチューニング周波数を制振対象振動の周波数に設定することができる。
【0015】
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載された吊下型の流体封入式防振装置において、前記小径部が前記フランジ状部に形成された窓部と前記外側周壁部に形成された窓部との間で周方向に延びているものである。
【0016】
第3の態様によれば、第1のオリフィス通路が主液室の外周側且つ副液室の下側において周方向に延びるように形成されることから、第1のオリフィス通路が流体封入式防振装置の大型化を要することなく充分な長さで形成されている。このように、第1のオリフィス通路が優れたスペース効率で形成されることにより、コンパクトな流体封入式防振装置において第1のオリフィス通路のチューニング自由度を大きく確保することができる。
【0017】
本発明の第4の態様は、第2又は第3の態様に記載された吊下型の流体封入式防振装置において、前記中間スリーブには前記フランジ状部の内周縁部で軸方向下方に延びる内側周壁部が設けられていると共に、前記第2の取付部材には前記円環板状部の内周縁部で軸方向下方に延びる内側筒状部が設けられており、該中間スリーブの該内側周壁部に対して該第2の取付部材の該内側筒状部が外嵌固定されているものである。
【0018】
第4の態様によれば、内側周壁部によって中間スリーブの強度の向上が図られると共に、内側筒状部によって第2の取付部材の強度の向上が図られて、それら中間スリーブと第2の取付部材の固定力が充分に得られる。しかも、内側周壁部と内側筒状部の間にシールゴム層を設ければ、主液室および副液室や第1のオリフィス通路等の流体密性がより高められて、封入流体の漏れが効果的に防止される。
【0019】
なお、例えば、第1の取付部材から延びる支持軸に径方向のストッパ部を設ければ、ストッパ部と内側周壁部との当接によって第1の取付部材と第2の取付部材の径方向での相対変位量を制限する径方向のストッパ機構を構成することも可能である。
【0020】
本発明の第5の態様は、第1〜第4の何れか1つの態様に記載された吊下型の流体封入式防振装置において、前記副ポケット部が隔壁部によって周上で仕切られて、周上で複数の前記副液室が形成されていると共に、それら複数の副液室を相互に連通する第2のオリフィス通路が形成されているものである。
【0021】
第5の態様によれば、軸直角方向の振動入力時に、複数の副液室間で第2のオリフィス通路を通じての流体流動が生じて、流体の流動作用に基づいた防振効果が発揮される。これにより、軸方向の振動と軸直角方向の振動の何れに対しても有効な防振効果を得ることができる多方向型の流体封入式防振装置を実現することができる。
【0022】
なお、複数の副液室は、径方向で対向する一対乃至は複数対をなすように配置されていることが望ましく、それによってそれら副液室の対向方向で入力される振動に対する防振効果を効率的に得ることができる。しかしながら、副液室は径方向で対向して対をなすように配置されるものに限定されず、例えば3つの副液室が周上で等間隔に配置される等しても良い。
【0023】
本発明の第6の態様は、第5の態様に記載された吊下型の流体封入式防振装置において、前記第2のオリフィス通路が前記第2の取付部材の前記外側筒状部と前記隔壁部との重ね合わせ面間に形成されているものである。
【0024】
第6の態様によれば、第2のオリフィス通路を形成するための特別なオリフィス部材も不要とされて、多方向型の流体封入式防振装置が部品点数の増加を要することなく簡単な構造で実現される。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、主ポケット部が本体ゴム弾性体の軸方向下端面に開口して形成されていると共に、副ポケット部が本体ゴム弾性体の外周面に開口して形成されていることから、本体ゴム弾性体の大型化を回避しながら、主液室と副液室を形成することができる。しかも、本体ゴム弾性体に副ポケット部が形成されることによって副ポケット部の上側ゴム壁部が薄肉のゴム弾性膜とされており、ゴム弾性膜が本体ゴム弾性体の一部で構成されていることから、部品点数を減らして構造の簡略化が図られる。更に、第1のオリフィス通路が本体ゴム弾性体と第2の取付部材の重ね合わせ面間に形成されていることにより、第1のオリフィス通路を形成するための特別な部品も不要となって、部品点数の更なる減少が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1の実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図であって、図2のI−I断面に相当する図。
【図2】図1に示されたエンジンマウントの平面図。
【図3】図1のIII−III断面図。
【図4】図1に示されたエンジンマウントの斜視図であって、一部を切り欠いて断面形状を示した図。
【図5】図1に示されたエンジンマウントを構成する中間スリーブの斜視図。
【図6】図1に示されたエンジンマウントを構成する本体ゴム弾性体の一体加硫成形品を示す右側面図。
【図7】図6に示された一体加硫成形品の平面図。
【図8】図6に示された一体加硫成形品の底面図。
【図9】図7のIX−IX断面図。
【図10】本発明の第2の実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図であって、図11のX−X断面に相当する図。
【図11】図10のXI−XI断面図。
【図12】図10に示されたエンジンマウントを構成する本体ゴム弾性体の一体加硫成形品を示す右側面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0028】
図1には、本発明に従う構造とされた吊下型の流体封入式防振装置の第1の実施形態として、自動車用のエンジンマウント10が示されている。エンジンマウント10は、図1〜図4に示されているように、第1の取付部材12と第2の取付部材14が本体ゴム弾性体16によって連結された構造を有している。なお、以下の説明において、上下方向とは、原則として、車両装着状態での鉛直方向となる図1中の上下方向を言う。
【0029】
より詳細には、第1の取付部材12は、軸直角方向に広がる略円板形状の固着板部18と、固着板部18の外周縁部から上方に突出するリブ部20とを含んでいる。また、固着板部18の径方向中央部分には、上下方向に貫通する挿通孔22が形成されている。
【0030】
第1の取付部材12には、中間スリーブ24が径方向に所定距離を隔てて外挿されている。中間スリーブ24は、図5に示されているように、薄肉大径の略円筒形状とされた外側周壁部26の軸方向下端から内向きのフランジ状部28が延び出していると共に、フランジ状部28の内周縁部から下方に向かって略円筒形状の内側周壁部30が延び出した構造を有しており、全体として略段付円筒形状とされている。
【0031】
また、中間スリーブ24のフランジ状部28には、軸方向窓部32が形成されている。軸方向窓部32は、フランジ状部28を上下に貫通しており、径方向一方向で対向する一対がそれぞれ周方向に半周弱の長さで形成されている。また、一対の軸方向窓部32,32の周方向間には、径方向に延びる一対の径方向連結部34,34が設けられている。更に、一方の径方向連結部34には、周方向に延びる連通溝36が形成されて、下方に開口している。
【0032】
また、中間スリーブ24の外側周壁部26には、一対の径方向窓部38,38が形成されている。径方向窓部38は外側周壁部26の軸方向中間部分を径方向に貫通しており、それぞれ周方向に半周弱の長さで延びる一対の径方向窓部38,38が、一対の軸方向窓部32,32の対向方向と同じ径方向一方向で対向する部分に形成されている。かかる一対の径方向窓部38,38が形成されることによって、外側周壁部26は、径方向窓部38,38の上側枠部を構成する上側環状部40と、径方向窓部38,38の下側枠部を構成する下側環状部42と、それら上側環状部40と下側環状部42を一対の径方向窓部38,38の周方向間で上下に連結する軸方向連結部44とを、一体的に備えている。
【0033】
さらに、外側周壁部26の下側環状部42には、下方に行くに従って次第に縮径するテーパ部46が形成されており、テーパ部46から下方に向かって略円筒形状の小径部48が延び出している。これにより、中間スリーブ24の外側周壁部26の下端部には、外周側に開口して周方向に延びる環状の切欠状凹部50が形成されて、軸方向窓部32,32と径方向窓部38,38の間を周方向に延びている。なお、小径部48は、外側周壁部26におけるテーパ部46よりも上側部分よりも小径とされていると共に、内側周壁部30よりも大径とされている。
【0034】
そして、図6〜図9に示されているように、第1の取付部材12が中間スリーブ24の外側周壁部26に上側開口部から挿し入れられて同一中心軸上で配置されており、それら第1の取付部材12と中間スリーブ24が本体ゴム弾性体16によって弾性連結されている。本体ゴム弾性体16は、全体として厚肉の略円筒形状を有していると共に、下方に向かって次第に大径となっており、その上端面に第1の取付部材12が重ね合わされて加硫接着されていると共に、その下端部が中間スリーブ24に加硫接着されている。なお、本体ゴム弾性体16は、その外周面が中間スリーブ24の下側環状部42および内側周壁部30の内周面に固着されていると共に、その下端面がフランジ状部28の上面に固着されている。また、本実施形態の本体ゴム弾性体16は、図6〜図9に示されているような、第1の取付部材12と中間スリーブ24を備えた一体加硫成形品として形成されている。
【0035】
また、中間スリーブ24の外周面上には、シールゴム層52が被着形成されている。シールゴム層52は、薄肉のゴム弾性体であって、本体ゴム弾性体16と一体形成されて、中間スリーブ24における外側周壁部26および内側周壁部30の外周面とフランジ状部28の下面とに加硫接着されている。なお、シールゴム層52において外側周壁部26の上下の環状部40,42および内側周壁部30に固着される部分には、径方向外側に突出して周方向環状に延びるシール突条54がそれぞれ一体形成されている。
【0036】
さらに、中間スリーブ24の外側周壁部26における小径部48の外周面上には、シールゴム層52は設けられておらず、図3に示されているように、周上の一部に流路隔壁56が設けられている。流路隔壁56は、シールゴム層52と一体形成されて中間スリーブ24の小径部48から径方向外側に向かって突出しており、その突出先端面が外側周壁部26に固着されたシールゴム層52の外周面と同じ円筒面上に位置している。
【0037】
また、本体ゴム弾性体16の下端部には、主ポケット部58が形成されている。主ポケット部58は、本体ゴム弾性体16の軸方向下端面に開口する凹所であって、内周側に行くに従って次第に軸方向の深さが大きくなっている。更に、径方向一方向で対向する部分に一対の主ポケット部58,58が形成されており、それぞれ周方向に半周弱の長さとされている。それら一対の主ポケット部58,58の周方向間には、本体ゴム弾性体16と一体形成された弾性隔壁59が設けられて、それら一対の主ポケット部58,58を周方向で相互に隔てている。そして、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品において、一対の主ポケット部58,58は、中間スリーブ24のフランジ状部28に形成された一対の軸方向窓部32,32を通じて下方に開口している。
【0038】
また、本体ゴム弾性体16の外周側には、副ポケット部60が形成されている。副ポケット部60は、本体ゴム弾性体16の外周部分において周方向環状に延びる空所であって、内周側に行くに従って次第に軸方向寸法が小さくなっている。更に、副ポケット部60は、周上で外周面に開口する凹所状の部分と周方向に延びるトンネル状の部分を交互に各一対が設けられており、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品において、凹所状の部分が中間スリーブ24の外側周壁部26に形成された一対の径方向窓部38,38を通じて外周側に開口している。
【0039】
また、副ポケット部60は、下側ゴム壁部が厚肉の略中空円錐台形状を呈する本体ゴム弾性体16の一部で構成されていると共に、上側ゴム壁部が薄肉の略円環板形状を呈するゴム弾性膜としての可撓性膜62で構成されている。可撓性膜62は、薄肉のゴム弾性体で形成されており、第1の取付部材12のリブ部20から外周側に延び出して、外周縁部が中間スリーブ24の上側環状部40に加硫接着されている。更に、可撓性膜62は、軸方向に充分な弛みを有していると共に、外周端が内周端よりも上方に位置しており、本実施形態では径方向の中間部分に段差状の弛み部が設けられている。このような可撓性膜62で副ポケット部60の壁部の一部が構成されることにより、副ポケット部60では比較的容易に容積変化が生ぜしめられるようになっている。
【0040】
このような構造の本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品には、第2の取付部材14が取り付けられている。第2の取付部材14は、薄肉大径の略段付円筒形状を呈する高剛性の部材であって、環板状部としての円環板状部64の外周縁から上方に向かって延び出す外側筒状部としての外側円筒状部66と、円環板状部64の内周縁から下方に向かって延び出す内側筒状部としての内側円筒状部68とを、備えている。
【0041】
そして、第2の取付部材14は、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品の中間スリーブ24に対して下方から外挿された後、八方絞り等の縮径加工を施されて中間スリーブ24に外嵌固定されている。これにより、第2の取付部材14の円環板状部64が中間スリーブ24のフランジ状部28を介して本体ゴム弾性体16の下端面に重ね合わされていると共に、第2の取付部材14の外側円筒状部66が中間スリーブ24の外側周壁部26に外嵌されて本体ゴム弾性体16の外周面に重ね合わされている。また、第2の取付部材14の内側円筒状部68が中間スリーブ24の内側周壁部30に外嵌固定されている。なお、第2の取付部材14と中間スリーブ24の重ね合わせ面間でシールゴム層52が径方向に圧縮されており、それら第2の取付部材14と中間スリーブ24が流体密に嵌着されている。
【0042】
かくの如き第2の取付部材14の中間スリーブ24への固定によって、中間スリーブ24の軸方向窓部32,32が第2の取付部材14の円環板状部64によって流体密に覆蓋されており、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成された主液室70が主ポケット部58,58を利用して形成されている。なお、主ポケット部58,58は弾性隔壁59によって隔てられて径方向で対向するように配置されているが連通路72を通じて相互に連通されており、それら主ポケット部58,58によって1つの主液室70が構成されている。この連通路72は、中間スリーブ24のフランジ状部28に形成された連通溝36の下側開口部が、第2の取付部材14の円環板状部64で覆蓋されることによって形成されており、周方向に延びて、その周方向両端の開口部が一対の主ポケット部58,58の各一方の周方向端面に開口している。
【0043】
また、中間スリーブ24の径方向窓部38,38が第2の取付部材14の外側円筒状部66によって流体密に覆蓋されることによって、壁部の一部が可撓性膜62で構成された副液室74が副ポケット部60を利用して形成されている。なお、主液室70と副液室74には、非圧縮性流体が封入されている。主液室70と副液室74に封入される非圧縮性流体は、特に限定されるものではないが、例えば、水やアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、シリコーン油、或いはそれらの混合液が好適である。更に、後述する流体の流動作用に基づく防振効果を有利に得るためには、0.1Pa・s以下の低粘性流体が好適に採用される。
【0044】
また、中間スリーブ24の外周面に開口する切欠状凹部50が第2の取付部材14によって覆蓋されることにより、中間スリーブ24の小径部48と第2の取付部材14の外側円筒状部66との径方向対向面間には、周方向に一周弱の所定長さで延びるトンネル状の流路が形成されている。そして、この流路の一方の端部が連通孔76を通じて主液室70に連通されると共に、他方の端部が連通孔78を通じて副液室74に連通されることにより、主液室70と副液室74を相互に連通する第1のオリフィス通路80が、第2の取付部材14と中間スリーブ24(本体ゴム弾性体16)との間に切欠状凹部50を利用して形成されている。なお、第1のオリフィス通路80は、通路断面積(A)と通路長(L)の比(A/L)を、主液室70および副液室74の壁ばね剛性等を考慮して調節することによって、エンジンシェイク等に相当する10Hz程度の低周波数にチューニングされている。
【0045】
このような構造とされたエンジンマウント10では、図1に2点鎖線で示されているように、支持軸82が第1の取付部材12に固定されて本体ゴム弾性体16の中心孔を通じて下方に延び出しており、支持軸82が防振支持対象体としてのパワーユニット84に取り付けられることによって、パワーユニット84が第1の取付部材12に対して支持軸82を介した吊下げ状態で取り付けられるようになっている。更に、第2の取付部材14が図示しない車両ボデーに対してブラケット等を介して取り付けられることによって、パワーユニット84が車両ボデーに対してエンジンマウント10を介して防振支持されるようになっている。
【0046】
そして、車両への装着状態において、軸方向でエンジンシェイクに相当する低周波大振幅振動がエンジンマウント10に入力されると、本体ゴム弾性体16の弾性変形によって主液室70に内圧変動が及ぼされる。これにより、主液室70と副液室74の間に相対的な圧力差が生ぜしめられて、第1のオリフィス通路80を通じて両室70,74間で流体が積極的に流動させられて、流体の流動作用に基づく防振効果(高減衰効果)が発揮される。
【0047】
このような本実施形態に従う構造とされたエンジンマウント10では、主液室70を構成する主ポケット部58が本体ゴム弾性体16の軸方向下面に開口して形成されていると共に、副液室74を構成する副ポケット部60が本体ゴム弾性体16の軸方向外周面に開口して形成されている。それ故、主液室70と副液室74が優れたスペース効率で配置されて、エンジンマウント10の小型化が実現される。
【0048】
特に、主液室70が内周側に行くに従って次第に軸方向寸法が大きくなっていると共に、副液室74が内周側に行くに従って次第に軸方向寸法が小さくなっている。それ故、主液室70と副液室74が上下に配置されていても、本体ゴム弾性体16の軸方向寸法が著しく大きく確保される必要はなく、充分な容積の主液室70と副液室74を備えたエンジンマウント10がコンパクトに形成される。
【0049】
さらに、主液室70と副液室74は、周方向に延びており、略環状とされていることから、筒状の本体ゴム弾性体16において容積が効率的に確保されて、コンパクトなエンジンマウント10に充分な容積の主液室70と副液室74を設けることができる。
【0050】
また、副ポケット部60が本体ゴム弾性体16の外周面に開口するように形成されていることによって、本体ゴム弾性体16の一部が薄肉化されて可撓性膜62とされている。このように、可撓性膜62が本体ゴム弾性体16に一体形成されていることから、部品点数が削減されて、構造の簡略化が図られる。
【0051】
しかも、第1のオリフィス通路80が中間スリーブ24の小径部48と第2の取付部材14の間に形成されていることから、第1のオリフィス通路80を形成するための特別な部材も不要とされている。その結果、部品点数がより少なくされて、構造の更なる簡略化が実現される。更に、中間スリーブ24において小径部48が軸方向窓部32と径方向窓部38の間で設けられて筒状とされており、第1のオリフィス通路80が周方向に延びて形成されている。これにより、第1のオリフィス通路80の通路長を長く設定することができて、第1のオリフィス通路80のチューニング自由度を大きく確保することができる。
【0052】
また、窓部32,38を備えた中間スリーブ24が本体ゴム弾性体16の外周面に固着されており、中間スリーブ24に対して第2の取付部材14が外嵌固定されていることから、中間スリーブ24の窓部32,38や切欠状凹部50が第2の取付部材14で覆われて、主液室70および副液室74、第1のオリフィス通路80が容易に形成される。しかも、第2の取付部材14の固定に際して、本体ゴム弾性体16の変形が抑えられて、目的とする形状の液室70,74や第1のオリフィス通路80を得ることができる。加えて、中間スリーブ24と第2の取付部材14の間にシールゴム層52が配設されることによって、液室70,74および第1のオリフィス通路80の流体密性が容易に且つ十分に確保される。
【0053】
また、中間スリーブ24に内側周壁部30が設けられていると共に、第2の取付部材14に内側円筒状部68が設けられている。これにより、中間スリーブ24および第2の取付部材14の剛性が高められて、変形が防止される。更に、内側周壁部30と内側円筒状部68が嵌着固定されており、それら内側周壁部30と内側円筒状部68の間にシールゴム層52が挟み込まれていることによって、中間スリーブ24と第2の取付部材14の重ね合わせ面間のシール性の確保が実現される。
【0054】
図10,図11には、本発明に従う構造とされた吊下型の流体封入式防振装置の第2の実施形態として、自動車用のエンジンマウント90が示されている。なお、以下の説明において、第1の実施形態と実質的に同一の部材および部位については、図中に同一の符号を付すことによって説明を省略する。
【0055】
すなわち、エンジンマウント90では、一対の主ポケット部58,58を連通する連通路72が設けられておらず、一対の主ポケット部58,58の開口部が第2の取付部材14の円環板状部64で覆われることによって、一対の主液室92,92が径方向一方向で対向する位置に互いに独立して設けられている。
【0056】
また、エンジンマウント90の本体ゴム弾性体16には、径方向一方向で対向する一対の副ポケット部96,96が形成されており、図12に示されているように、それら一対の副ポケット部96,96の周方向間には、一対の副ポケット部96,96を周方向で隔てる隔壁部98が設けられている。隔壁部98は、本体ゴム弾性体16と一体形成されたゴム弾性体であって、径方向両側に一対が設けられて、それらの外周面が中間スリーブ24の軸方向連結部44の各一方に加硫接着されている。そして、第2の取付部材14が中間スリーブ24に外嵌固定されることによって、一対の副ポケット部96,96の開口部が第2の取付部材14によって流体密に覆蓋されて、一対の副液室100,100が形成方向一方向で対向する位置に互いに独立して設けられている。要するに、本実施形態の副ポケット部96,96は、前記第1の実施形態の副ポケット部60においてトンネル状とされていた部分が隔壁部98によって閉塞されて、周方向で分断された構造となっている。なお、一対の副液室100,100を隔てる隔壁部98,98と、一対の主液室92,92を隔てる弾性隔壁59,59が周上の同じ部分に設けられており、主液室92,92と副液室100,100が上下に配置されている。
【0057】
また、中間スリーブ24の周上において一対の主ポケット部58,58を隔てる弾性隔壁59が固着された部分には、径方向一方向で両側に向かって突出する一対の流路隔壁56,56が設けられている。そして、第2の取付部材14の中間スリーブ24に対する外嵌固定によって、一対の流路隔壁56,56の外周面が第2の取付部材14の内周面に密着されて、中間スリーブ24の小径部48と第2の取付部材14の間に形成される流路が周方向で二分されている。これにより、一方の主液室92と一方の副液室100が一方の第1のオリフィス通路102によって連通されていると共に、他方の主液室92と他方の副液室100が他方の第1のオリフィス通路102によって連通されている。
【0058】
また、一対の副ポケット部96,96を隔てる隔壁部98,98の少なくとも一方には、周溝104が形成されている。周溝104は、隔壁部98の外周面に開口して周方向に延びる溝であって、周方向一方の開口部が一方の副ポケット部96の周方向壁面に開口していると共に、周方向他方の開口部が他方の副ポケット部96の周方向壁面に開口している。そして、第2の取付部材14が中間スリーブ24に対して外嵌固定されて、周溝104の外周側開口部が第2の取付部材14によって流体密に覆蓋されることにより、一対の副液室100,100を相互に連通する第2のオリフィス通路106が形成されている。この第2のオリフィス通路106は、第2の取付部材14の外側円筒状部66と隔壁部98との重ね合わせ面間に形成されており、そのチューニング周波数がエンジンスタート時に発生するクランク時振動等に相当する10Hz程度の低周波数に設定されている。
【0059】
このような本実施形態のエンジンマウント90の車両への装着状態下、エンジンシェイクに相当する低周波大振幅振動が軸方向で入力されると、一対の主液室92,92に圧力変動が及ぼされる。これにより、一対の主液室92,92と一対の副液室100,100の間で一対の第1のオリフィス通路102,102を通じての流体流動が生じて、流体の流動作用に基づいた防振効果(高減衰効果)が発揮される。
【0060】
一方、エンジンクランク時振動に相当する低周波大振幅振動が軸直角方向(一対の副液室100,100が対向する径方向)で入力されると、一対の副液室100,100の間で相対的な圧力差が発生する。その結果、一対の副液室100,100の間で第2のオリフィス通路106を通じての流体流動が生ぜしめられて、流体の流動作用に基づいた防振効果(高減衰効果)が発揮される。
【0061】
なお、軸直角方向の振動入力に対する防振効果を効率的に発揮させるためには、可撓性膜62のばねがある程度硬く設定されて、副液室100,100の圧力変動が可撓性膜62の変形による容積変化で吸収され難くなっていることが望ましい。尤も、軸方向の振動入力に対する防振効果を効率的に発揮させるためには、可撓性膜62が容易に変形する方が望ましいことから、可撓性膜62の形状や形成材料等は、軸方向および軸直角方向の振動に対して要求される防振性能を満たすように設定される。
【0062】
また、パワーユニット84が第1の取付部材12に吊り下げられた状態では、パワーユニット84の質量によって第1の取付部材12が図10に示された位置よりも下方に変位することから、軸直角方向の振動入力に対して副液室100の液圧変動が有効に惹起される。
【0063】
このように、本実施形態によれば、軸方向だけでなく軸直角方向の振動入力に対しても有効な防振効果を得ることができる2方向型のエンジンマウント90が、部品点数の少ない簡単な構造によって実現される。
【0064】
なお、周方向に4分の1周弱の長さで延びる副ポケット部96を周上で4つ形成して、互いに直交する径方向2方向で対向する2対の副液室100を形成し、径方向で対向する副液室100を相互に連通する2つの第2のオリフィス通路106を形成すれば、軸方向の振動に加えて軸直角方向2方向の振動に対しても防振効果を発揮する多方向型のエンジンマウントが実現される。
【0065】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、中間スリーブ24は、必須ではなく、省略することも可能である。この場合には、例えば、本体ゴム弾性体16の外周面および下端面に対して第2の取付部材14が直接重ね合わされて、接着等の手段で固定される。
【0066】
また、中間スリーブ24の内側周壁部30や、第2の取付部材14の内側円筒状部68は、強度を確保するために有効であるが、設けられていなくても良い。
【符号の説明】
【0067】
10,90:エンジンマウント(吊下型の流体封入式防振装置)、12:第1の取付部材、14:第2の取付部材、16:本体ゴム弾性体、24:中間スリーブ、26:外側周壁部、28:フランジ状部、30:内側周壁部、32:軸方向窓部(フランジ状部に形成された窓部)、38:径方向窓部(外側周壁部に形成された窓部)、58:主ポケット部、60,98:副ポケット部、62:可撓性膜(ゴム弾性膜)、64:円環板状部(環板状部)、66:外側円筒状部(外側筒状部)、68:内側円筒状部(内側筒状部)、70,92:主液室、74,100:副液室、80,102:第1のオリフィス通路、82:支持軸、84:パワーユニット(防振支持対象体)、100:隔壁部、106:第2のオリフィス通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の本体ゴム弾性体の軸方向上端部に第1の取付部材が固着されると共に軸方向下端部に第2の取付部材が固着されており、該第1の取付部材から該本体ゴム弾性体の中心孔を通じて軸方向下方に延びる支持軸によって防振支持対象体を吊下支持する一方、該本体ゴム弾性体で壁部が構成されて振動が入力される主液室と、ゴム弾性膜で壁部が構成された副液室とが設けられて、それら主液室と副液室が第1のオリフィス通路を通じて連通された吊下型の流体封入式防振装置において、
前記第2の取付部材が前記本体ゴム弾性体の軸方向下端面に重ね合わされる環板状部と、該本体ゴム弾性体の外周面に重ね合わされる外側筒状部とを有しており、該本体ゴム弾性体の軸方向下端面に開口形成された主ポケット部が該環板状部で覆蓋されて前記主液室が形成されている一方、該本体ゴム弾性体の外周面に開口形成された副ポケット部が該外側筒状部で覆蓋されて前記副液室が形成されて、該副ポケット部の上側ゴム壁部が薄肉の前記ゴム弾性膜とされていると共に、該本体ゴム弾性体と該第2の取付部材との重ね合わせ面間に前記第1のオリフィス通路が形成されていることを特徴とする吊下型の流体封入式防振装置。
【請求項2】
筒形の外側周壁部の軸方向下端に内向きのフランジ状部が設けられた中間スリーブが前記本体ゴム弾性体の外周面に固着されて、該本体ゴム弾性体の軸方向下端面を覆う該フランジ状部に形成された窓部を通じて前記主ポケット部が開口されていると共に、該本体ゴム弾性体の外周面を覆う該外側周壁部に形成された窓部を通じて前記副ポケット部が開口されており、該中間スリーブに対して前記第2の取付部材が外嵌固定されている一方、該中間スリーブに設けられた小径部と該第2の取付部材の対向面間に前記第1のオリフィス通路が形成されている請求項1に記載の吊下型の流体封入式防振装置。
【請求項3】
前記小径部が前記フランジ状部に形成された窓部と前記外側周壁部に形成された窓部との間で周方向に延びている請求項2に記載の吊下型の流体封入式防振装置。
【請求項4】
前記中間スリーブには前記フランジ状部の内周縁部で軸方向下方に延びる内側周壁部が設けられていると共に、前記第2の取付部材には前記環板状部の内周縁部で軸方向下方に延びる内側筒状部が設けられており、該中間スリーブの該内側周壁部に対して該第2の取付部材の該内側筒状部が外嵌固定されている請求項2又は3に記載の吊下型の流体封入式防振装置。
【請求項5】
前記副ポケット部が隔壁部によって周上で仕切られて、周上で複数の前記副液室が形成されていると共に、それら複数の副液室を相互に連通する第2のオリフィス通路が形成されている請求項1〜4の何れか1項に記載の吊下型の流体封入式防振装置。
【請求項6】
前記第2のオリフィス通路が前記第2の取付部材の前記外側筒状部と前記隔壁部との重ね合わせ面間に形成されている請求項5に記載の吊下型の流体封入式防振装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−225375(P2012−225375A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91751(P2011−91751)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【Fターム(参考)】