説明

品質計測システム、受信装置、品質計測方法及びプログラム

【課題】無線区間を含むネットワークにおいて、精度の高い通信品質計測を可能にする品質計測システム、受信装置、品質計測方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】パケットが無線フレームに分割されて伝送される無線区間を有する通信ネットワークの通信品質を計測する品質計測システムは、サイズの異なるテストパケットを生成するパケット生成部と、無線区間経由でパケットが伝送される受信装置2宛てにサイズの異なるテストパケットを混在させて送信する送信部と、を有する送信装置1と、送信装置1から送信されたテストパケットを受信し、該受信データを記録する受信部と、テストパケットのサイズ別の前記遅延データから線形近似した傾き及びテストパケットのサイズ別の前記遅延データの揺らぎに基づいて通信品質を計測する品質計測部と、を有する受信装置2と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、品質計測システム、受信装置、品質計測方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ネットワークの通信品質を計測する様々な手法が提案されている。例えば、非特許文献1に記載された技術では、大小2種類の長さのプローブパケットを送信し、パケットサイズ毎の片方向遅延の平均値を求め、その差分(平均伝送遅延差)から通信品質を推定している。非特許文献1では、高レート(例えば、200kbps)以上において平均伝送遅延差と通信品質(TCPスループット)との間に相関があることが示されている。また、非特許文献2に記載された技術では、複数サイズのプローブパケットを送信し、パケットサイズ毎の片方向遅延の最小値とパケットサイズとの回帰直線の傾きから帯域を推定している。
【非特許文献1】後藤、田上、長谷川、阿野、”携帯電話網における通信品質推定に関する一検討”、信学総大、B-16-5、Mar.2008
【非特許文献2】V.Jacobson, "pathchar - a tool to infer characteristics of Internetpaths,", ftp://ftp.ee.lbl.gov/pathchar/, Apr.1997
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、非特許文献1に記載された技術では、大小2種類のパケットサイズのみから推定を行うため、推定結果が不安定となり推定誤差が大きくなる可能性がある、という問題がある。また、物理帯域が異なるシステム間では、それぞれの環境に対してモデルを構築する必要があるため手間が掛かった。一方、非特許文献2に記載された技術では、有線ネットワークを対象としているため物理帯域と通信品質がほぼ一致するが、無線ネットワークでは物理帯域が頻繁に変動するため必ずしも通信品質を反映したものにはならない、という問題がある。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、無線区間を含むネットワークにおいて、精度の高い通信品質計測を可能にする品質計測システム、受信装置、品質計測方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、パケットが無線フレームに分割されて伝送される無線区間を有する通信ネットワークの通信品質を計測する品質計測システムにおいて、サイズの異なるテストパケットを生成するパケット生成部と、前記無線区間経由でパケットが伝送される受信装置宛てに前記サイズの異なるテストパケットを混在させて送信する送信部と、を有する送信装置と、前記送信装置から送信されたテストパケットを受信し、該遅延データを記録する受信部と、テストパケットのサイズ別の前記遅延データから線形近似した傾き及びテストパケットのサイズ別の前記遅延データの揺らぎに基づいて通信品質を計測する品質計測部と、を有する受信装置と、を備えたことを特徴とする品質計測システムである。
【0005】
また、本発明の一態様は、上記の品質計測システムにおいて、前記品質計測部は、遅延データの最小値から線形近似することを特徴とする。
【0006】
また、本発明の一態様は、上記の品質計測システムにおいて、前記揺らぎは、遅延データの最小値と各遅延データの差に基づいて算出されることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様は、上記の品質計測システムにおいて、前記揺らぎは、連続して受信したテストパケットの遅延データの差に基づいて算出されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一態様は、パケットが無線フレームに分割されて伝送される無線区間を有する通信ネットワークの通信品質を計測する品質計測システムに適用される受信装置において、送信装置から送信されたテストパケットを受信し、該受信データを記録する受信部と、テストパケットのサイズ別の前記遅延データから線形近似した傾き及びテストパケットのサイズ別の前記遅延データの揺らぎに基づいて通信品質を計測する品質計測部と、を有することを特徴とする受信装置である。
【0009】
また、本発明の一態様は、上記の受信装置において、前記品質計測部は、遅延データの最小値から線形近似することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一態様は、上記の受信装置において、前記揺らぎは、遅延データの最小値と各遅延データの差に基づいて算出されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の一態様は、上記の受信装置において、前記揺らぎは、連続して受信したテストパケットの遅延データの差に基づいて算出されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一態様は、パケットが無線フレームに分割されて伝送される無線区間を有する通信ネットワークの通信品質を計測する品質計測方法において、送信装置が、サイズの異なるテストパケットを生成するパケット生成ステップと、送信装置が、前記無線区間経由でパケットが伝送される受信装置宛てに前記サイズの異なるテストパケットを混在させて送信する送信ステップと、受信装置が、前記送信装置から送信されたテストパケットを受信し、該受信データを記録する受信ステップと、受信装置が、テストパケットのサイズ別の前記遅延データから線形近似した傾き及びテストパケットのサイズ別の前記遅延データの揺らぎに基づいて通信品質を計測する品質計測ステップと、を有することを特徴とする品質計測方法である。
【0013】
また、本発明の一態様は、パケットが無線フレームに分割されて伝送される無線区間を有する通信ネットワークの通信品質を計測するためのプログラムにおいて、送信装置から送信されたテストパケットを受信し、該受信データを記録する受信ステップと、テストパケットのサイズ別の前記遅延データから線形近似した傾き及びテストパケットのサイズ別の前記遅延データの揺らぎに基づいて通信品質を計測する品質計測ステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、受信装置は、無線区間経由で送信装置からサイズの異なるテストパケットを受信し、テストパケットのサイズ別の前記遅延データから線形近似した傾きに基づいて通信品質を計測するため、より高精度に通信品質を計測することができる。また、更にテストパケットのサイズ別の前記遅延データの揺らぎに基づいて通信品質を計測するため、通信環境が頻繁に変化する無線区間を含むネットワークにおいても、通信品質を精度よく計測することができる。また、線形近似した傾きから物理帯域を推定できるので、物理帯域の異なるシステムが混在している場合でも、特に区別することなく通信品質を計測可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施形態による品質計測システムの構成を示すブロック図である。
品質計測システムは、送信装置1と、受信装置2と、を有する。送信装置1は、品質計測システムを統括するサーバ装置である。受信装置2は、携帯電話端末、無線通信機能を有するノート型パーソナルコンピュータ或いはPDA(Personal Digital Assistants)などの移動端末である。ここで、本発明の送信装置1と受信装置2との間の通信経路上には無線区間がある。本実施形態では、受信装置2は無線基地局3との間で無線通信を行う。無線基地局3は、例えば、無線LAN、携帯電話網などの無線網の基地局である。
【0016】
本発明の品質計測システムでは、送信装置1は、IP(Internet Protocol)網を介して受信装置2宛てのテスト用のIPパケットを送信する。該IPパケットは、無線基地局3を介して受信装置2へ送信される。ここで、無線基地局3は、IPパケットを無線フレームに分割して受信装置2へ無線送信する。なお、無線フレームはIPパケットサイズよりも小さいサイズである。受信装置2は、受信した無線フレームを基にネットワークの通信品質を計測する。
【0017】
なお、本実施形態では、サーバ装置を送信装置1、移動端末を受信装置2としたが、移動端末を送信装置1、サーバ装置を受信装置2としてもよい。
【0018】
図2は、本実施形態による送信装置1の構成を示すブロック図である。
送信装置1は、送信装置1を統括して制御する制御部11と、テストパケットのデータを記憶する記憶部12と、テストパケット生成部13と、送信部14と、計時部15と、パラメータ設定部16と、を含んで構成される。
【0019】
パラメータ設定部16は、テスト用のIPパケットを送信するためのパラメータの入力を受け付け、入力されたパラメータをテストパケット生成部13に出力する。パラメータには、パケットサイズの種類N(Nは2以上の整数)と、パケットサイズL(i=1,2,・・・,N)と、送信方法と、送信間隔Tと、がある。送信方法には、予め設定された順番で繰り返し送信するか、ランダムに送信するかが設定される。計時部15は、内部にクロックを有しており、計時を行う。テストパケット生成部13は、入力されたパラメータに基づいて、記憶部12に記憶されたテストパケットのデータをIPパケット化し、送信部14に出力する。この時、テストパケット生成部13は、計時部15より現在の時刻を取得し、その時刻をIPパケットに埋め込む。送信部14は、入力されたIPパケットを受信装置2宛てに送信する。
【0020】
図3は、本実施形態による受信装置2の構成を示すブロック図である。
受信装置2は、受信装置2を統括して制御する制御部21と、受信したテスト用のIPパケットのデータを記憶する記憶部22と、受信部23と、品質計測部24と、計時部25と、を含んで構成される。
【0021】
計時部25は、内部にクロックを有しており、計時を行う。受信部23は、送信装置1からテスト用のIPパケットを受信する。この時、受信部23は、計時部25を用いて受信時刻と受信したIPパケットに埋め込まれた送信時刻の差(遅延データ)を算出する。次に、受信部23は、算出した時間差(以下、伝送遅延算出値という)を受信したIPパケットのパケットサイズ及び受信時刻とともに記憶部22に記憶する。品質計測部24は、記憶部22に記憶された複数のテスト用のIPパケットのデータを用いて、ネットワークの通信品質を計測する。その詳細については後述する。
【0022】
図4は、本実施形態における無線区間でのIPパケットの分割状況の例を示した概念図である。
送信装置1から送信されたIPパケットは、無線基地局3により複数の無線フレームに分割されて無線区間に送信される。無線フレームのサイズはIPパケットのサイズに比べて小さいため、1つのIPパケットが複数の無線フレームに分割される。このため、パケットサイズの大きいIPパケットは、パケットサイズの小さいIPパケットに比べて、より多くの無線フレームに分割される。
【0023】
ここで、無線区間においては、無線フレーム単位で送受信のスケジュールの決定やエラー訂正処理が行われるが、パケットサイズの大きいIPパケットは、パケットサイズの小さいIPパケットに比べて多くの無線フレームに分割されるので、無線区間における通信品質の劣化の影響をより多く受けることになる。例えば、同じ確率で無線フレームがロスしたとしても、パケットサイズの大きいIPパケットの方がより多くの無線フレームに分割されるので、パケットロス率が高くなる。また、1無線フレームあたりの伝送遅延のゆらぎが同じでも、パケットサイズの大きいIPパケットの方がより多くの無線フレームに分割されるので、1IPパケットあたりの伝送遅延のゆらぎが大きくなる。同様に、1無線フレームあたりの伝送遅延時間が同じでも、パケットサイズの大きいIPパケットの方がより多くの無線フレームに分割されるので、1IPパケットあたりの伝送遅延時間が大きくなる。従って、図4に示されるように、パケットサイズの大きいパケットの伝送遅延時間tは、パケットサイズの小さいパケットの伝送遅延時間tに比べて大きい。
【0024】
そこで、本発明の送信装置1は、パケットサイズの異なるN種類のテスト用のIPパケットをパラメータで設定された送信間隔Tで送信する。この時、送信装置1は、設定された送信方法に基づいてIPパケットを送信する。受信装置2は、受信したN種類のテスト用のIPパケットに基づいてネットワークの通信品質を計測する。ここで、N種類のテスト用のIPパケットのパケットサイズは充分に異なるものとする。
【0025】
以下、受信装置2の品質計測部24における通信品質の算出方法について説明する。本実施形態における通信品質であるTCPスループットThは、以下の式(1)により算出される。式(1)は、物理的な帯域Bと揺らぎFに基づいた式になっている。TCPスループットThは、値が大きいほど品質が良いと判定される。
【0026】
【数1】

【0027】
図5は、本実施形態における物理的な帯域の算出方法の概要を示した概念図である。
この図において、縦軸は片方向遅延時間OWD(つまり、伝送遅延算出値)、横軸はIPパケットのパケットサイズである。品質計測部24は、記憶部22に記憶されたテスト用のIPパケットのデータから、パケットサイズ毎に遅延代表値delay(i=1,2,・・・,N)を算出する。本実施形態では、遅延代表値delayは伝送遅延算出値の最小値である。次に、品質計測部24は、最小2乗法や最尤法を用いて回帰分析を行い、Lとdelayを式(2)に線形近似する。品質計測部24は、式(2)により算出されたaの逆数(1/a)を物理的な帯域Bとする。
【0028】
【数2】

【0029】
次に、無線区間特有の帯域の揺らぎFの算出方法について説明する。品質計測部24は、式(3)から揺らぎFを算出する。式(3)は、最小値からの揺らぎFmと時間方向の揺らぎFtに基づいた式になっている。Fm及びFtの算出方法については後述する。α1,α2及びβは、「F=Th’/B」として多変量解析により算出される。Th’は、TCPスループットの実測値であり、予め測定された値である。
【0030】
【数3】

【0031】
図6は、本実施形態における最小値からの揺らぎの概要を示した概略図である。
この図において、縦軸は片方向遅延時間OWD(つまり、伝送遅延算出値)、横軸は時間である。この図に示す例では、記憶部22は、N種類のパケットサイズ(L,L,・・・,L)のテスト用のIPパケットのデータを受信時刻順にM組記憶している。最小値からの揺らぎFmは、次の式(4)から算出される。式(4)は、遅延代表値delayと伝送遅延算出値dij(i=1,2,・・・,N;j=1,2,・・・,M)の差に基づいた式になっている。dijは、j組目のパケットサイズLのIPパケットの伝送遅延算出値である。
【0032】
【数4】

【0033】
図7は、本実施形態における時間方向の揺らぎの概要を示した概略図である。
この図において、縦軸は片方向遅延時間OWD(つまり、伝送遅延算出値)、横軸は時間である。時間方向の揺らぎFtは、次の式(5)から算出される。式(5)は、連続して受信されたテスト用のIPパケットの伝送遅延算出値の差に基づいた式になっている。
【0034】
【数5】

【0035】
このように、本実施形態によれば、複数の種類のパケットサイズ別の遅延代表値から線形近似した傾きに基づいて通信品質を算出するため、より高精度に通信品質を計測することができる。また、更に揺らぎに基づいて通信品質を計測しているため、通信環境が頻繁に変化する無線区間を含むネットワークにおいても、通信品質を精度よく計測することができる。また、線形近似した傾きから物理帯域を推定しているため、物理帯域の異なるシステムが混在している場合でも、特に区別することなく通信品質を計測可能である。また、パケットサイズ毎に独立して遅延代表値及び揺らぎを算出しているため、順にパケットを送信する必要はなく、例えば、ランダムに送信したとしても同様の結果が得られる。
【0036】
また、図2及び図3に示す送信装置1及び受信装置2の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、品質計測処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0037】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0038】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態による品質計測システムの構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態による送信装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態による受信装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態における無線区間でのIPパケットの分割状況の例を示した概念図である。
【図5】本実施形態における物理的な帯域の算出方法の概要を示した概念図である。
【図6】本実施形態における最小値からの揺らぎの概要を示した概略図である。
【図7】本実施形態における時間方向の揺らぎの概要を示した概略図である。
【符号の説明】
【0040】
1…送信装置 2…受信装置 3…無線基地局 11…制御部 12…記憶部 13…テストパケット生成部 14…送信部 15…計時部 16・・・パラメータ設定部 21…制御部 22…記憶部 23…受信部 24…品質計測部 25…計時部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケットが無線フレームに分割されて伝送される無線区間を有する通信ネットワークの通信品質を計測する品質計測システムにおいて、
サイズの異なるテストパケットを生成するパケット生成部と、前記無線区間経由でパケットが伝送される受信装置宛てに前記サイズの異なるテストパケットを混在させて送信する送信部と、を有する送信装置と、
前記送信装置から送信されたテストパケットを受信し、該遅延データを記録する受信部と、テストパケットのサイズ別の前記遅延データから線形近似した傾き及びテストパケットのサイズ別の前記遅延データの揺らぎに基づいて通信品質を計測する品質計測部と、を有する受信装置と、
を備えたことを特徴とする品質計測システム。
【請求項2】
前記品質計測部は、遅延データの最小値から線形近似することを特徴とする請求項1に記載の品質計測システム。
【請求項3】
前記揺らぎは、遅延データの最小値と各遅延データの差に基づいて算出されることを特徴とする請求項1または2に記載の品質計測システム。
【請求項4】
前記揺らぎは、連続して受信したテストパケットの遅延データの差に基づいて算出されることを特徴とする請求項1から3いずれか1の項に記載の品質計測システム。
【請求項5】
パケットが無線フレームに分割されて伝送される無線区間を有する通信ネットワークの通信品質を計測する品質計測システムに適用される受信装置において、
送信装置から送信されたテストパケットを受信し、該受信データを記録する受信部と、
テストパケットのサイズ別の前記遅延データから線形近似した傾き及びテストパケットのサイズ別の前記遅延データの揺らぎに基づいて通信品質を計測する品質計測部と、
を有することを特徴とする受信装置。
【請求項6】
前記品質計測部は、遅延データの最小値から線形近似することを特徴とする請求項5に記載の受信装置。
【請求項7】
前記揺らぎは、遅延データの最小値と各遅延データの差に基づいて算出されることを特徴とする請求項5または6に記載の受信装置。
【請求項8】
前記揺らぎは、連続して受信したテストパケットの遅延データの差に基づいて算出されることを特徴とする請求項5から7いずれか1の項に記載の受信装置。
【請求項9】
パケットが無線フレームに分割されて伝送される無線区間を有する通信ネットワークの通信品質を計測する品質計測方法において、
送信装置が、サイズの異なるテストパケットを生成するパケット生成ステップと、
送信装置が、前記無線区間経由でパケットが伝送される受信装置宛てに前記サイズの異なるテストパケットを混在させて送信する送信ステップと、
受信装置が、前記送信装置から送信されたテストパケットを受信し、該受信データを記録する受信ステップと、
受信装置が、テストパケットのサイズ別の前記遅延データから線形近似した傾き及びテストパケットのサイズ別の前記遅延データの揺らぎに基づいて通信品質を計測する品質計測ステップと、
を有することを特徴とする品質計測方法。
【請求項10】
パケットが無線フレームに分割されて伝送される無線区間を有する通信ネットワークの通信品質を計測するためのプログラムにおいて、
送信装置から送信されたテストパケットを受信し、該受信データを記録する受信ステップと、
テストパケットのサイズ別の前記遅延データから線形近似した傾き及びテストパケットのサイズ別の前記遅延データの揺らぎに基づいて通信品質を計測する品質計測ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−272800(P2009−272800A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−120342(P2008−120342)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】