説明

圧力制御装置および流量制御装置

【課題】気体の検出圧力と目標圧力との偏差が大きくなった場合に偏差を迅速に小さくすることのできる圧力制御装置および圧力の制御された気体を用いる流量制御装置を提供する。
【解決手段】電空レギュレータ40は、エアの供給源に接続されるとともに所定周期を有するパルス信号により開閉駆動される給気用電磁弁43と、電磁弁43の下流に接続されるとともに所定周期を有するパルス信号により開閉駆動される排気用電磁弁44とを備える。エア通路35に導出されるエアの圧力センサ72による検出圧力を目標圧力にするために、電磁弁43,44を各周期において駆動するパルス信号をエアの検出圧力と目標圧力との偏差に基づいてPID演算により生成するともに、エアの検出圧力と目標圧力との偏差が判定値以上であることを条件に、電磁弁43,44が駆動される周期おいて偏差を小さくするように、PID演算により生成されるパルス信号を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体の圧力を制御する圧力制御装置および圧力の制御された気体を用いる流量制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
給気用電磁弁と排気用電磁弁とを備える電空レギュレータにおいて、出力ポートの検出圧力と目標圧力とに基づいて生成されたそれぞれのパルス信号によって給気用電磁弁と排気用電磁弁とを同時に開閉駆動して、主バルブに形成されたパイロット室の圧力を制御することにより出力ポートの検出圧力を目標圧力に制御するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平7−36551号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、特許文献1の電空レギュレータでは、所定周期を有するパルス信号によって電磁弁が開閉駆動されており、各周期における通電割合に応じて電磁弁を開駆動する時間が変化する。ここで、ある周期において電磁弁が駆動される際に、異物の咬み込みや摩擦力の増大等により、電磁弁の動作が瞬間的に停止したり遅延したりすることがある。この場合は、検出圧力と目標圧力との偏差が大きくなるため、次の周期ではその大きくなった偏差を小さくするためのパルス信号によって電磁弁が駆動される。しかしながら、そのようなパルス信号によっても電磁弁が動作しないことがあり、その場合には更に次の周期でその偏差を小さくするためのパルス信号によって電磁弁が駆動される必要がある。このため、検出圧力と目標圧力との偏差が大きい状態が長く継続するおそれがある。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、所定周期を有するパルス信号により開閉駆動される電磁弁を備える圧力制御装置において、気体の検出圧力と目標圧力との偏差が大きくなった場合に偏差を迅速に小さくすることのできる圧力制御装置および圧力の制御された気体を用いる流量制御装置を提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、第1の発明は、気体の供給源に接続されるとともに所定周期を有するパルス信号により開閉駆動される給気用電磁弁と、前記給気用電磁弁に接続通路を介して接続されるとともに前記所定周期を有するパルス信号により開閉駆動される排気用電磁弁と、前記接続通路から前記気体を導出する導出通路と、前記接続通路内又は前記導出通路内の前記気体の圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段による前記気体の検出圧力を目標圧力にするために、前記給気用電磁弁および前記排気用電磁弁を各周期において駆動する前記パルス信号を前記気体の検出圧力と目標圧力との偏差に基づいて生成する第1パルス生成手段と、前記気体の検出圧力と目標圧力との偏差が判定値以上であることを条件に、前記給気用電磁弁および前記排気用電磁弁が駆動される周期おいて前記偏差を小さくするように、前記第1パルス生成手段により生成される前記パルス信号を変更する第2パルス生成手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
第1の発明によれば、気体の供給源に接続されるとともに所定周期を有するパルス信号により開閉駆動される給気用電磁弁を備えるため、気体の供給源から供給される気体は給気用電磁弁により流量が制御される。前記給気用電磁弁に接続通路を介して接続されるとともに前記所定周期を有するパルス信号により開閉駆動される排気用電磁弁を備えるため、給気用電磁弁を流通した気体は排気用電磁弁により流量が制御される。そして、前記接続通路から前記気体を導出する導出通路を備えるため、給気用電磁弁および排気用電磁弁の流量制御によって圧力の制御された気体が導出通路に導出される。
【0007】
また、前記接続通路内又は前記導出通路内の前記気体の圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段による前記気体の検出圧力を目標圧力にするために、前記給気用電磁弁および前記排気用電磁弁を各周期において駆動する前記パルス信号を前記気体の検出圧力と目標圧力との偏差に基づいて生成する第1パルス生成手段とを備えるため、このように生成されるパルス信号によって給気用電磁弁および排気用電磁弁が各周期において開閉駆動され、導出される気体の検出圧力が目標圧力になるように制御される。
【0008】
さらに、前記気体の検出圧力と目標圧力との偏差が判定値以上であることを条件に、前記給気用電磁弁および前記排気用電磁弁が駆動される周期おいて前記偏差を小さくするように、前記第1パルス生成手段により生成される前記パルス信号を変更する第2パルス生成手段を備えるため、例えば何らかの異常により電磁弁が動作せず、検出圧力と目標圧力との偏差が判定値以上になった場合には、偏差を小さくするように変更されたパルス信号により電磁弁が駆動される。その結果、変更されたパルス信号により駆動される周期において電磁弁が動作する可能性が高くなるため、気体の検出圧力と目標圧力との偏差が大きくなった場合に偏差を迅速に小さくすることができる。なお、前記偏差を小さくするように、前記第1パルス生成手段により生成される前記パルス信号を変更する態様としては、前記偏差を小さくするように、前記第1パルス生成手段により生成されたパルス信号を補正する、前記第1パルス生成手段により生成されるパルス信号よりも前記偏差を小さくするようにパルス信号を生成する等を採用することができる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記判定値は、前記給気用電磁弁又は前記排気用電磁弁が前記パルス信号の2周期にわたって動作しなかったことを検出することのできる値に設定されているため、パルス信号の2周期という短い期間で電磁弁の異常を検出して、気体の検出圧力と目標圧力との偏差をより迅速に小さくすることができる。
【0010】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記第2パルス生成手段は、前記偏差が前記判定値以上である状態が、前記所定周期よりも短く設定された判定期間以上継続することを更に条件として、前記第1パルス生成手段により生成される前記パルス信号を変更することを特徴とする。
【0011】
第3の発明によれば、偏差が判定値以上である状態が判定期間以上継続することを、第1パルス生成手段により生成されるパルス信号を変更するための更なる条件としているため、偏差が判定値以上であることをより確実に判定した上でパルス信号を変更することができる。さらに、この判定期間は、前記所定周期よりも短く設定されているため、パルス信号の1周期内において偏差が判定値以上である状態が開始する時期に関わらず、その状態が開始する周期を含めて遅くとも2周期以内で判定を終了することができる。その結果、偏差が判定値以上であることをより確実に判定しつつ、より早い周期において電磁弁を駆動するパルス信号を変更することができる。
【0012】
第4の発明は、第1〜第3のいずれかの発明に係る圧力制御装置と、前記圧力制御装置から供給される前記気体により印加される圧力に基づいて流体の流量を調整する流量調整手段と、前記流体の流量を検出する流量検出手段と、前記流量検出手段による前記流体の検出流量を目標流量にするために前記検出流量と前記目標流量との偏差に基づいて前記気体の前記目標圧力を設定する設定手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
第4の発明によれば、第1〜第3のいずれかの発明に係る圧力制御装置と、前記圧力制御装置から供給される前記気体により印加される圧力に基づいて流体の流量を調整する流量調整手段とを備えるため、圧力制御装置により制御される圧力に基づいて流量調整手段によって流体の流量が調整される。そして、前記流体の流量を検出する流量検出手段と、前記流量検出手段による前記流体の検出流量を目標流量にするために前記検出流量と前記目標流量との偏差に基づいて前記気体の前記目標圧力を設定する設定手段とを備えるため、このように設定される目標圧力になるように圧力制御装置によって気体の圧力が制御され、流体の検出流量が目標流量になるように制御される。なお、流体の流量を検出する流量検出手段は、流体の圧力を検出することにより間接的に流体の流量を検出するものを含むものとする。
【0014】
ここで、例えば何らかの異常により、流体の検出流量と目標流量との偏差が大きくなった場合には、この大きくなった偏差に基づいて圧力制御装置から導出される気体の目標圧力が設定される。しかしながら、圧力制御装置に異常が生じている場合には、圧力制御装置から導出される気体の検出圧力が目標圧力となるように適切に制御されず、流量調整手段により調整される流体の検出流量を迅速に目標流量にすることが困難となる。
【0015】
この点、第4の発明は、第1〜第3のいずれかの発明に係る圧力制御装置を備えるため、気体の検出圧力と目標圧力との偏差が大きくなった場合に偏差を迅速に小さくすることができる。その結果、圧力制御装置に異常が生じている場合であっても、流量調整手段により調整される流体の検出流量を迅速に目標流量にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る圧力制御装置を具現化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、図1は、圧力制御装置を備える薬液供給回路の全体構成を示す回路図である。
【0017】
図1に示すように、本回路には、薬液の吸引及び吐出を行うための薬液ポンプ21が設けられている。薬液ポンプ21は、例えばダイアフラムポンプやベローズポンプ等からなる。薬液タンクXに貯留された薬液は、薬液の吸引通路を構成する吸引配管31を介して薬液ポンプ21によって吸引される。
【0018】
薬液ポンプ21の吐出側には、薬液の吐出通路を構成する吐出配管32が接続されている。この吐出配管32の下流側には、流量調整手段としてのパイロットレギュレータ22が設けられている。薬液ポンプ21から吐出された薬液は、このパイロットレギュレータ22によって所定の流量に調整されてウエハ23に吐出される。なお、吐出配管32の下流側端部は、ウエハ23へ薬液を吐出する吐出ノズル32aとなっている。
【0019】
パイロットレギュレータ22は、電空レギュレータ40から導出されるエアにより操作圧を印加して、この操作圧に基づいて薬液の流量を調整する。具体的には、パイロットレギュレータ22は、パイロット室に供給されるエアによりダイアフラムを変位させ、ダイアフラムに連結された弁体を駆動することにより薬液の流量を調整する。電空レギュレータ40は、パイロットレギュレータ22に対するエアの供給および排出を制御することによりパイロットレギュレータ22の操作圧を調整する。これらパイロットレギュレータ22と電空レギュレータ40とは、エア通路35によって接続されており、操作圧を調整するためのエアがこのエア通路35を流通する。なお、電空レギュレータ40は導出する気体の圧力を制御する圧力制御装置を構成し、エア通路35は気体を導出する導出通路を構成する。
【0020】
また、吐出配管32において、薬液ポンプ21とパイロットレギュレータ22との間には、薬液の流量を検出する流量検出手段としての流量センサ71が備えられている。
【0021】
流量コントローラ60は、CPUや各種メモリ等からなるマイクロコンピュータを主体として構成される電子制御装置である。流量コントローラ60には、本システムを統括して管理する管理コンピュータから薬液の目標流量が入力される他、流量センサ71により検出される薬液の検出流量が逐次入力される。流量コントローラ60は、それら各入力に基づいて電空レギュレータ40を駆動させ、検出流量を目標流量に一致させるように流量フィードバック制御を実施する。
【0022】
流量コントローラ60は、管理コンピュータから入力された目標流量と流量センサ71により検出された検出流量との偏差を算出するとともに、その偏差に基づいてPID演算等の演算処理を行い、電空レギュレータ40に対して操作圧としての目標圧力を出力する。そして、電空レギュレータ40は流量コントローラ60からの目標圧力に基づいて、パイロットレギュレータ22に対するエアの供給および排出を制御することにより、パイロットレギュレータ22を制御するための操作圧を調整する。このような処理が繰り返し実行されることにより薬液の検出流量は目標流量に収束される。なお、流量コントローラ60は気体の目標圧力を設定する設定手段を構成する。
【0023】
次に、電空レギュレータ40の概略を図2の回路図に基づいて説明する。
【0024】
電空レギュレータ40は、エア通路35によってパイロットレギュレータ22と接続されており、パイロットレギュレータ22に対するエアの供給および排出を制御することにより、パイロットレギュレータ22を制御するための操作圧を調整する。
【0025】
電空レギュレータ40は、エアが供給される側の給気用電磁弁43と、エアを排出する側の排気用電磁弁44とを備えている。これら電磁弁43,44は、所定周期を有するパルス信号により開閉駆動されてエアの流通および遮断を行う。具体的には、各周期における通電割合に応じて、電磁弁43,44の弁体であるプランジャが開状態に変位される量および期間が変化する。例えば、パルス信号は数10msの周期を有しており、この周期における通電時間の割合が0〜100%の範囲で変化する。なお、これら電磁弁43,44は、非通電時にエアを遮断するノーマルクローズタイプの電磁弁である。
【0026】
給気用電磁弁43と排気用電磁弁44とは接続通路46で接続されており、この接続通路46に上記エア通路35が接続されている。そして、エア通路35に対するエアの供給および排出が可能となっている。
【0027】
また、給気用電磁弁43と排気用電磁弁44とを接続する接続通路46には圧力センサ72が設けられており、パイロットレギュレータ22を制御するための操作圧として、この接続通路46内のエアの圧力を圧力センサ72が検出する。この検出圧力は、圧力コントローラ41に出力される。圧力センサ72はエア通路35に設けられていてもよい。なお、圧力センサ72は、接続通路内又は導出通路内の気体の圧力を検出する圧力検出手段を構成する。
【0028】
圧力コントローラ41は、CPUや各種メモリ等からなるマイクロコンピュータを主体として構成される電子制御装置である。圧力コントローラ41には、流量コントローラ60から操作圧としての目標圧力が入力される他、圧力センサ72により検出された検出圧力が逐次入力される。圧力コントローラ41は、それら各入力に基づいて電磁弁43,44を駆動させ、エアの検出圧力を目標圧力に一致させるようにフィードバック制御を実施する。
【0029】
具体的には、圧力コントローラ41は、上記圧力センサ72によるエアの検出圧力を目標圧力にするために、給気用電磁弁43及び排気用電磁弁44を各周期において駆動するパルス信号を、エアの検出圧力と目標圧力との偏差に基づいてPID演算を行って生成する。例えば、エアの圧力を上昇させる場合は、パルス信号の1周期内において給気用電磁弁43を開く割合を増加させて、給気用電磁弁43を通じてエア通路35に供給するエアの量を増加させるとともに、パルス信号の1周期内において排気用電磁弁44を開く割合を減少させて、排気用電磁弁44を通じてエア通路35から排出するエアの量を減少させる。
【0030】
ここで、図3に示すように、電磁弁43,44が正常である場合(実線)には、パルス信号の各周期における通電割合に比例して電磁弁43,44のプランジャ変位が大きくなる。しかしながら、電磁弁43,44に何らかの異常が生じた場合(破線)には、パルス信号の各周期における通電割合に対して電磁弁43,44のプランジャ変位が比例しなくなる。例えば、ある周期において電磁弁44がデューティD1のパルス信号で駆動される際に、異物の咬み込みや摩擦力の増大等により、電磁弁44のプランジャの動作が一時的に停止したとする。この場合は、圧力センサ72から入力される検出圧力と流量コントローラ60から入力される目標圧力との偏差が大きくなるため、次の周期ではその大きくなった偏差を小さくするためにデューティD2のパルス信号で電磁弁44が駆動される。しかしながら、デューティD2のパルス信号によっても電磁弁44のプランジャがほとんど動作しないため、その場合には更に次の周期でその偏差を小さくするためのパルス信号によって電磁弁44が駆動される必要がある。このため、検出圧力と目標圧力との偏差が大きい状態が長く継続するおそれがある。
【0031】
そこで、本実施形態では、エアの検出圧力と目標圧力との偏差が判定値以上であることを条件に、給気用電磁弁43および排気用電磁弁44が駆動される周期おいて偏差を小さくするように、上記PID演算を行って生成されるパルス信号を変更するようにしている。以下に、電空レギュレータ40によるエアの圧力制御の手順について図4のフローチャートを参照して説明する。なお、本処理は、圧力コントローラ41によって所定の周期をもって繰り返し実行される。
【0032】
図4に示すように、まず、目標圧力Ptが入力される(ステップ110)。具体的には、上記流量コントローラ60によって設定される目標圧力Ptが圧力コントローラ41に入力される。このように目標圧力Ptが入力された後、検出圧力Pdが入力される(ステップ120)。具体的には、上記圧力センサ72によって検出されるエアの検出圧力Pdが圧力コントローラ41に入力される。
【0033】
続いて、これらの検出圧力Pdと目標圧力Ptとの圧力偏差ΔPが算出され(ステップ130)、この圧力偏差ΔPに基づいて各電磁弁を駆動するパルス信号Dbが生成される(ステップ140)。具体的には、圧力コントローラ41は、検出圧力Pdを目標圧力Ptにするために、給気用電磁弁43を各周期において駆動するパルス信号Db(デューティDbi)と、排気用電磁弁44を各周期において駆動するパルス信号Db(デューティDbe)とを、エアの検出圧力Pdと目標圧力Ptとの偏差ΔPに基づいてPID演算を行って生成する。例えば、エアの圧力を上昇させる場合は、パルス信号Dbの1周期内において給気用電磁弁43を開く割合を増加させて、すなわち給気用電磁弁43を駆動するパルス信号DbのデューティDbiを大きくして給気用電磁弁43を通じてエア通路35に供給するエアの量を増加させる。それとともに、パルス信号Dbの1周期内において排気用電磁弁44を開く割合を減少させて、すなわち排気用電磁弁44を駆動するパルス信号DbのデューティDbeを小さくして排気用電磁弁44を通じてエア通路35から排出するエアの量を減少させる。
【0034】
このようにパルス信号Dbが生成された後、上記圧力偏差ΔPが判定値Rp以上か否か判定される(ステップ150)。ここで、判定値Rpは、給気用電磁弁43又は排気用電磁弁44がこれらを駆動するパルス信号Dbの周期に対して1周期あるいは数周期にわたって動作しなかった、あるいは動作が遅延したことを検出することのできる値、例えばパルス信号Dbの2周期にわたって給気用電磁弁43又は排気用電磁弁44が動作しなかったことを検出することのできる値に設定されている。すなわち、給気用電磁弁43又は排気用電磁弁44のプランジャが一時的に停止した状態となって動作しない場合には、エアの供給あるいは排出を適切に行うことができないため、供給するエアの検出圧力Pdと目標圧力Ptとの偏差ΔPが大きくなる。そして、圧力センサ72の検出誤差や検出までの遅延の影響を除いた上で、このような状態を早期に検出することのできる値に判定値Rpが設定されている。
【0035】
上記判定において圧力偏差ΔPが判定値Rp以上でないと判定された場合には(ステップ150:NO)、上記パルス信号Db(デューティDbi及びデューティDbe)によって給気用電磁弁43及び排気用電磁弁44がそれぞれ駆動される(ステップ160)。すなわち、圧力偏差ΔPが判定値Rp以上でないと判定された場合には、給気用電磁弁43及び排気用電磁弁44に異常が生じておらず、エアの検出圧力Pdが目標圧力Ptに近い値に制御されていると考えられる。このため、エアの検出圧力Pdと目標圧力Ptとの偏差ΔPに基づいてPID演算を行って生成されたパルス信号Db(デューティDbi及びデューティDbe)によって、給気用電磁弁43及び排気用電磁弁44がそれぞれ駆動される。
【0036】
一方、上記判定において圧力偏差ΔPが判定値Rp以上であると判定された場合には(ステップ150:YES)、その状態の継続期間Tが判定期間Rt以上であるか否か判定される(ステップ170)。具体的には、圧力偏差ΔPが判定値Rp以上であると判定された時からタイマカウンタによりカウントが開始され、そのカウントが判定値以上であるか否かによって、継続期間Tが判定期間Rt以上であるか否か判定される。ここで、判定期間Rtは、パルス信号Dbの周期である数10msよりも短く設定されており、例えば数msに設定されている。すなわち、判定期間Rtは、圧力偏差ΔPが判定値Rp以上である状態が継続していることをより確実に判定することのできる値に設定されている。さらに、この判定期間Rtは、パルス信号Dbの周期よりも短く設定されているため、1周期内において偏差が判定値Rp以上である状態が開始する時期に関わらず、その状態が開始する周期を含めて遅くとも2周期以内で判定を終了することができる。なお、圧力偏差ΔPが判定値Rp以上でないと判定された場合には、上記タイマカウンタはリセットされる。
【0037】
上記判定において、圧力偏差ΔPが判定値Rp以上である状態の継続期間Tが判定期間Rt以上でないと判定された場合には(ステップ170:NO)、上記パルス信号Db(デューティDbi及びデューティDbe)によって給気用電磁弁43及び排気用電磁弁44がそれぞれ駆動される(ステップ160)。すなわち、圧力偏差ΔPが判定値Rp以上である状態の継続期間Tが判定期間Rt以上でないと判定された場合には、圧力偏差ΔPが判定値Rpよりも小さい状態に比較的短期間で戻った、あるいは圧力偏差ΔPが判定値Rpよりも小さい状態に戻る可能性があると考えられる。このため、直ちにパルス信号Dbを変更することは行わず、パルス信号Dbによって給気用電磁弁43及び排気用電磁弁44を駆動して、その後の状態に応じて制御を行う。
【0038】
一方、上記判定において、圧力偏差ΔPが判定値Rp以上である状態の継続期間Tが判定期間Rt以上であると判定された場合には(ステップ170:YES)、パルス信号Dbを補正してパルス信号Drが生成される(ステップ180)。すなわち、圧力偏差ΔPが判定値Rp以上である状態の継続期間Tが判定期間Rt以上であると判定された場合には、給気用電磁弁43又は排気用電磁弁44の動作が停止あるいは遅延した状態となっており、より早い周期でこれらの動作を復帰させることが望ましいと考えられる。このため、給気用電磁弁43及び排気用電磁弁44が駆動される周期おいて圧力偏差ΔPを小さくするように、上記PID演算により生成されたパルス信号Db(デューティDbi及びデューティDbe)を変更する。具体的には、偏差ΔPを小さくするように、PID演算により生成されたデューティDbi及びデューティDbeをそれぞれ増減補正する。例えば、エアの検出圧力Pdが目標圧力Ptよりも高くなっている場合には、給気用電磁弁43を開駆動する期間を短くするとともに排気用電磁弁44を開駆動する期間を長くする必要があるため、給気用電磁弁43のデューティDbiを小さくするとともに排気用電磁弁44のデューティDbeを大きくする。これらのデューティDbi及びデューティDbeを増減補正する態様としては、所定の補正値を加減してもよいし、所定の補正値によって乗除してもよい。そして、デューティDbiを補正したデューティDri及びデューティDbeを補正したデューティDreが補正後のパルス信号Drとして設定される。
【0039】
このようにパルス信号Dbを補正してパルス信号Drが生成された後、パルス信号Drによって給気用電磁弁43及び排気用電磁弁44が駆動される(ステップ190)。すなわち、パルス信号Dr(デューティDri及びデューティDre)によって給気用電磁弁43及び排気用電磁弁44がそれぞれ駆動される。したがって、パルス信号Drにより駆動される周期において給気用電磁弁43及び排気用電磁弁44が動作する可能性が高くなるため、エアの検出圧力Pdと目標圧力Ptとの圧力偏差ΔPを迅速に小さくすることができる。
【0040】
以上のように、パルス信号Dbによって給気用電磁弁43及び排気用電磁弁44が駆動された後(ステップ160)、又はパルス信号Drによって給気用電磁弁43及び排気用電磁弁44が駆動された後(ステップ190)、本処理は一旦終了される。なお、ステップ110〜140の処理が第1パルス生成手段としての処理に相当し、ステップ150,170,180の処理が第2パルス生成手段としての処理に相当する。
【0041】
次に、上記のエア圧力制御による電空レギュレータ40の動作態様について図5のタイムチャートを参照して説明する。なお、比較のために従来の電空レギュレータの動作態様を図5(a)〜(e)に示し、本発明の電空レギュレータ40の動作態様を図5(f)〜(j)に示す。
【0042】
時刻t0〜時刻t1においては、従来の電空レギュレータおよび本発明の電空レギュレータ40は共に、検出圧力Pdと目標圧力Ptとの圧力偏差ΔPに基づいてPID演算により生成されるパルス信号Dbによって、給気用電磁弁43及び排気用電磁弁44が駆動される。そして、図5(e),(j)に示すように、目標圧力Ptと検出圧力Pdとの圧力偏差ΔPが「0」付近の値になるように制御される。
【0043】
時刻t1において、排気用電磁弁44に異常が発生すると、その周期に排気用電磁弁44のプランジャの動作が停止して、図5(d),(i)に示すようにプランジャ変位が「0」になる。このため、排気用電磁弁44を通じてエアが排出されなくなるため、図5(e),(j)に示すように検出圧力Pdと目標圧力Ptとの圧力偏差ΔPが大きくなる。次の周期には、このように大きくなった圧力偏差ΔPを小さくするように、図5(a),(c),(f),(h)に示すように、PID演算によりパルス信号Db(デューティDbi0及びデューティDbe0)が生成されて給気用電磁弁43及び排気用電磁弁44がそれぞれ駆動される。しかしながら、このように生成されたデューティDbe0のパルス信号Dbによって排気用電磁弁44を駆動しても、図5(d),(i)に示すように排気用電磁弁44のプランジャは停止したままで動作しない。
【0044】
次の周期において、従来の電空レギュレータでは図5(a),(c)に示すように、パルス信号Db(デューティDbi1及びデューティDbe1)によって給気用電磁弁43及び排気用電磁弁44がそれぞれ駆動されるものの、排気用電磁弁44のプランジャは停止したままで動作しない。このため、図5(e)に示すように給気用電磁弁43が開駆動された分だけ圧力偏差ΔPが大きくなる。これに対して、本発明の電空レギュレータ40では、図5(j)に示すように、時刻t2において圧力偏差ΔPが判定値Rp以上であることが検出される。そして、時刻t3において、その状態の継続時間Tが判定期間Rt以上となるため、図5(f),(h)に示すように、PID演算により生成されたパルス信号Db(デューティDbi1及びデューティDbe1)が、パルス信号Dr(デューティDri1及びデューティDre1)に変更される。したがって、パルス信号Dr(デューティDri1及びデューティDre1)によって給気用電磁弁43及び排気用電磁弁44がそれぞれ駆動され、図5(i)に示すように時刻t4において排気用電磁弁44のプランジャの動作が再開される。また、給気用電磁弁43が開駆動されていないため、図5(j)に示すように圧力偏差ΔPが大きくなることが抑制される。
【0045】
次の周期において、従来の電空レギュレータでは、更に大きくなった圧力偏差ΔPを小さくするように、図5(a),(c)に示すように、PID演算によりパルス信号Db(デューティDbi2及びデューティDbe2)が生成されて給気用電磁弁43及び排気用電磁弁44がそれぞれ駆動される。そして、図5(d)に示すように時刻t5において排気用電磁弁44のプランジャの動作が再開される。これに対して、本発明の電空レギュレータ40では、図5(f),(h)に示すようにパルス信号Dr(デューティDri2及びデューティDre2)によって給気用電磁弁43及び排気用電磁弁44が駆動され、図5(j)に示すように圧力偏差ΔPが急速に小さくなる。
【0046】
以上詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0047】
エアの供給源に接続されるとともに所定周期を有するパルス信号により開閉駆動される給気用電磁弁43を備えるため、エアの供給源から供給されるエアは給気用電磁弁43により流量が制御される。給気用電磁弁43に接続通路46を介して接続されるとともに所定周期を有するパルス信号により開閉駆動される排気用電磁弁44を備えるため、給気用電磁弁43を流通したエアは排気用電磁弁44により流量が制御される。そして、接続通路46からエアを導出するエア通路35を備えるため、給気用電磁弁43および排気用電磁弁44の流量制御によって圧力の制御されたエアがエア通路35に導出される。
【0048】
また、接続通路46内のエアの圧力を検出する圧力センサ72と、圧力センサ72によるエアの検出圧力Pdを目標圧力Ptにするために、給気用電磁弁43及び排気用電磁弁44を各周期において駆動するパルス信号Dbをエアの検出圧力Pdと目標圧力Ptとの圧力偏差ΔPに基づいてPID演算により生成する圧力コントローラ41とを備えるため、このように生成されるパルス信号Dbによって給気用電磁弁43及び排気用電磁弁44が各周期において開閉駆動され、導出されるエアの検出圧力Pdが目標圧力Ptになるように制御される。
【0049】
さらに、エアの検出圧力Pdと目標圧力Ptとの圧力偏差ΔPが判定値Rp以上であることを条件に、給気用電磁弁43及び排気用電磁弁44が駆動される周期おいて圧力偏差ΔPを小さくするように、圧力コントローラ41はPID演算により生成されるパルス信号Dbをパルス信号Drに補正するため、例えば何らかの異常により電磁弁43,44が動作せず、検出圧力Pdと目標圧力Ptとの圧力偏差ΔPが判定値Rp以上になった場合には、圧力偏差ΔPを小さくするように変更されたパルス信号Drにより電磁弁43,44が駆動される。その結果、パルス信号Drにより駆動される周期において電磁弁43,44が動作する可能性が高くなるため、エアの検出圧力Pdと目標圧力Ptとの圧力偏差ΔPが大きくなった場合に圧力偏差ΔPを迅速に小さくすることができる。
【0050】
圧力偏差ΔPの判定値Rpは、給気用電磁弁43又は排気用電磁弁44がパルス信号Dbの2周期にわたって動作しなかったことを検出することのできる値に設定されているため、パルス信号Dbの2周期という短い期間で給気用電磁弁43又は排気用電磁弁44の異常を検出して、エアの検出圧力Pdと目標圧力Ptとの偏差ΔPをより迅速に小さくすることができる。
【0051】
圧力偏差ΔPが判定値Rp以上である状態が判定期間Rt以上継続することを、PID演算により生成されるパルス信号Dbを変更するための更に条件としているため、圧力偏差ΔPが判定値Rp以上であることをより確実に判定した上でパルス信号Dbを変更することができる。さらに、この判定期間Rtは、パルス信号Dbの周期よりも短く設定されているため、パルス信号Dbの1周期内において圧力偏差ΔPが判定値Rp以上である状態が開始する時期に関わらず、その状態が開始する周期を含めて遅くとも2周期以内で判定を終了することができる。その結果、圧力偏差ΔPが判定値Rp以上であることをより確実に判定しつつ、より早い周期において電磁弁43,44を駆動するパルス信号Dbを変更することができる。
【0052】
給気用電磁弁43を駆動するパルス信号DbのデューティDbi、及び排気用電磁弁44を駆動するパルス信号DbのデューティDbeの双方を変更しているため、給気用電磁弁43及び排気用電磁弁44のうち正常な一方の駆動による圧力偏差ΔPの拡大を抑制することができる。
【0053】
電空レギュレータ40と、電空レギュレータ40から供給されるエアにより印加される圧力に基づいて薬液の流量を調整するパイロットレギュレータ22とを備えるため、電空レギュレータ40により制御される圧力に基づいてパイロットレギュレータ22によって薬液の流量が調整される。そして、薬液の流量を検出する流量センサ71と、流量センサ71による薬液の検出流量を目標流量にするために検出流量と目標流量との偏差に基づいてエアの目標圧力Ptを設定する流量コントローラ60とを備えるため、このように設定される目標圧力Ptになるように電空レギュレータ40によってエアの圧力が制御され、薬液の検出流量が目標流量になるように制御される。
【0054】
ここで、例えば何らかの異常により、薬液の検出流量と目標流量との偏差が大きくなった場合には、この大きくなった偏差に基づいて電空レギュレータ40から導出されるエアの目標圧力Ptが設定される。しかしながら、電空レギュレータ40に異常が生じている場合には、電空レギュレータ40から導出されるエアの検出圧力Pdが目標圧力Ptとなるように適切に制御されず、パイロットレギュレータ22により調整される薬液の検出流量を迅速に目標流量にすることが困難となる。
【0055】
この点、本実施形態では、上述したエア圧力制御を行う電空レギュレータ40を備えるため、エアの検出圧力Pdと目標圧力Ptとの圧力偏差ΔPが大きくなった場合に圧力偏差ΔPを迅速に小さくすることができる。その結果、電空レギュレータ40に異常が生じている場合であっても、パイロットレギュレータ22により調整される薬液の検出流量を迅速に目標流量にすることができる。
【0056】
本発明は上記実施形態に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
【0057】
上記実施形態では、流体の流量を検出する流量検出手段として、薬液の流量を検出する流量センサ71を採用したが、薬液の圧力を検出することにより間接的に薬液の流量を検出する圧力センサを採用することもできる。
【0058】
上記実施形態では、電空レギュレータ40が操作圧を調整する際に使用する気体としてエアを用いたが、窒素等のその他の気体を用いることもできる。
【0059】
上記実施形態では、圧力偏差ΔPが判定値Rp以上である状態が、パルス信号Dbの周期よりも短く設定された判定期間Rt以上継続することを更に条件として、PID演算により生成されるパルス信号Dbを変更するようにしたが、この条件を省略することもできる。すなわち、圧力偏差ΔPが判定値Rp以上であることを条件に、PID演算により生成されるパルス信号Dbを直ちに変更するようにしてもよい。この場合には、判定期間の経過を待つ必要がないため、より早い周期においてパルス信号Dbを変更することができる可能性があり、圧力偏差ΔPをより迅速に小さくすることができる。
【0060】
上記実施形態では、給気用電磁弁43を駆動するパルス信号DbのデューティDbi、及び排気用電磁弁44を駆動するパルス信号DbのデューティDbeの双方を変更したが、デューティDbi及びデューティDbeのうち一方のみを変更してもよい。
【0061】
上記実施形態では、圧力偏差ΔPを小さくするように、PID演算により生成されたパルス信号Dbを補正してパルス信号Drを生成したが、PID演算により生成されるパルス信号Dbよりも圧力偏差ΔPを小さくするようにパルス信号Drを生成するようにしてもよい。すなわち、PID演算により生成されるパルス信号Dbとは別個にパルス信号Drを生成し、このパルス信号Drがパルス信号Dbよりも圧力偏差ΔPを小さくするように生成されるようにしてもよい。
【0062】
上記実施形態では、検出圧力Pdと目標圧力Ptとの圧力偏差ΔPに基づいてPID演算により給気用電磁弁43及び排気用電磁弁44を駆動するパルス信号Dbを生成するようにしたが、圧力偏差ΔPに基づいてPI演算等の他の演算処理によりパルス信号Dbを生成することもできる。
【0063】
上記実施形態では、電空レギュレータ40は、ダイアフラム式の流量調整装置に対してエアを導出するようにしたが、エアシリンダ式の流量調整装置に対してエアを導出するようにしてもよい。また、圧力の制御された気体を用いる装置であれば、流量調整装置以外の装置に対して本発明の圧力制御装置を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】圧力制御装置を備える薬液供給回路の全体構成を示す回路図。
【図2】電空レギュレータの概略を示す回路図。
【図3】電磁弁への通電割合と電磁弁のプランジャ変位との関係を示すグラフ。
【図4】エア圧力制御の手順を示すフローチャート。
【図5】圧力制御装置の動作態様を示すタイムチャート。
【符号の説明】
【0065】
35…導出通路としてのエア通路、40…圧力制御手段としての電空レギュレータ、43…給気用電磁弁、44…排気用電磁弁、72…圧力検出手段としての圧力センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体の供給源に接続されるとともに所定周期を有するパルス信号により開閉駆動される給気用電磁弁と、
前記給気用電磁弁に接続通路を介して接続されるとともに前記所定周期を有するパルス信号により開閉駆動される排気用電磁弁と、
前記接続通路から前記気体を導出する導出通路と、
前記接続通路内又は前記導出通路内の前記気体の圧力を検出する圧力検出手段と、
前記圧力検出手段による前記気体の検出圧力を目標圧力にするために、前記給気用電磁弁および前記排気用電磁弁を各周期において駆動する前記パルス信号を前記気体の検出圧力と目標圧力との偏差に基づいて生成する第1パルス生成手段と、
前記気体の検出圧力と目標圧力との偏差が判定値以上であることを条件に、前記給気用電磁弁および前記排気用電磁弁が駆動される周期おいて前記偏差を小さくするように、前記第1パルス生成手段により生成される前記パルス信号を変更する第2パルス生成手段と
を備えることを特徴とする圧力制御装置。
【請求項2】
前記判定値は、前記給気用電磁弁又は前記排気用電磁弁が前記パルス信号の2周期にわたって動作しなかったことを検出することのできる値に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の圧力制御装置。
【請求項3】
前記第2パルス生成手段は、前記偏差が前記判定値以上である状態が、前記所定周期よりも短く設定された判定期間以上継続することを更に条件として、前記第1パルス生成手段により生成される前記パルス信号を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の圧力制御装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧力制御装置と、
前記圧力制御装置から供給される前記気体により印加される圧力に基づいて流体の流量を調整する流量調整手段と、
前記流体の流量を検出する流量検出手段と、
前記流量検出手段による前記流体の検出流量を目標流量にするために前記検出流量と前記目標流量との偏差に基づいて前記気体の前記目標圧力を設定する設定手段と
を備えることを特徴とする流量制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−134812(P2010−134812A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−311740(P2008−311740)
【出願日】平成20年12月8日(2008.12.8)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【Fターム(参考)】