説明

圧電デバイス

【課題】構造が簡単で、かつ信頼性に優れた圧電デバイスを提供すること。
【解決手段】圧電振動子1は、傾斜するように固定された圧電振動片2と、これを収納するパッケージ3とを有している。また、導電性接着剤39bを介して、圧電振動片2の接続電極23bとパッケージ3のマウント電極34bとの間が固定されるとともに、電気的に接続される。また、導電性接着剤39bは、その内部に支持体としてワイヤ38bを包含している。このワイヤ38bの上端部は、圧電振動片2の接続電極23bに接している。これにより、圧電振動片2は、ワイヤ38bにより下方から支持されることにより、その傾斜角度が規定される。このワイヤ38bは、マウント電極34bに対してワイヤボンディング技術により設置されることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
水晶振動子等の圧電デバイスは、一般に、基板に対して水晶振動片の一端(固定端)が固定された、いわゆる片持ち梁構造になっている。このとき、水晶振動片は、基板に対して平行ではなく、他端(自由端)側が持ち上がるように傾斜した状態で固定されることがある(例えば、特許文献1参照)。
ここで、水晶振動片の傾斜の程度は、水晶振動片の自由端が基板等に接触することのないよう、落下時の自由端の変位を考慮した上で調整されている必要がある。このため、従来では、特許文献1のように、水晶振動片の自由端と基板との間にスペーサーを一時的に介在させ、スペーサーの厚さ分だけ水晶振動片の自由端側を浮かした状態で水晶振動片を固定することが行われている。
【0003】
また、特許文献1では、基板上に凸部が設けられており、この凸部で水晶振動片を支持することにより、水晶振動片の傾斜の程度が規定されている。
しかしながら、水晶振動片の自由端と基板との間にスペーサーを一時的に介在させる場合、水晶振動片の固定端を基板に対して固定する接着剤の硬化後にはスペーサーを除去する必要があるが、基板の形状によっては、基板とスペーサーとの干渉等により、スペーサーを除去することができないことがある。また、スペーサーとの干渉を避けるようにする場合、必然的に基板の形状が制約を受けることとなり、圧電デバイスの設計自由度の低下を招くこととなる。
【0004】
一方、基板上に凸部を設ける場合、特許文献1には、厚膜焼成等の技術により凸部を形成することが記載されているものの、焼成に伴って厚膜の体積が収縮するため、凸部の厚さを厳密に制御することは困難である。また、凸部を形成するために、塗布、乾燥、焼成等の一連の工程を経なければならず、圧電デバイスの製造工程が複雑化することが避けられない。
【0005】
さらには、振動片の種類やサイズ等に応じて振動片の傾斜角度を調整する必要があるが、上記のように凸部を設ける方法では、振動片に応じて異なった形状の凸部を形成する必要がある。その結果、基板(凸部)の汎用性が低下し、製造コストの上昇を招くおそれがある。
以上のようなことから、水晶振動片の傾斜の程度を厳密に制御することは極めて困難であり、したがって、信頼性の高い圧電デバイスを低コストで実現することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平5−65199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、構造が簡単で、かつ信頼性に優れた圧電デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本発明の圧電デバイスは、圧電振動片と、前記圧電振動片を収納するパッケージとを有する圧電デバイスであって、
前記圧電振動片は、前記パッケージに対して傾斜するように、支持体により片持ち支持されており、
前記支持体が、前記圧電振動片に接触するように設けられたワイヤを有していることを特徴とする。
これにより、圧電振動片の傾斜角度を規定する支持体を容易に設けることができるため、構造が簡単で、かつ信頼性に優れた圧電デバイスが得られる。
【0009】
[適用例2]
本発明の圧電デバイスでは、前記ワイヤは、その少なくとも2箇所がワイヤボンディングにより前記パッケージに接合されており、
前記ワイヤの前記2箇所の間の頂部において、前記圧電振動片を支持していることが好ましい。
これにより、圧電振動片は、ワイヤにより下方から支持されることとなる。その結果、圧電振動片の傾斜角度を一義的に決定し易くなる。また、ワイヤの形状や高さを適宜設定することにより、圧電振動片の傾斜角度を容易かつ正確に調整することができる。
また、ワイヤボンディング技術によれば、極めて高い位置精度でかつ比較的簡単にワイヤを固定するとともに、その長さや高さも高精度に制御することができる。したがって、圧電振動片の傾斜角度も高精度に制御することができる。
【0010】
[適用例3]
本発明の圧電デバイスでは、前記ワイヤの前記頂部は、アーチ状に湾曲していることが好ましい。
これにより、ワイヤの形状安定性を高めることができる。
【0011】
[適用例4]
本発明の圧電デバイスでは、前記ワイヤは、前記圧電振動片が備える接続電極と前記パッケージが備えるマウント電極との間に設けられており、
前記ワイヤは、金属材料で構成され、
前記ワイヤは、前記マウント電極に接合されており、前記接続電極を支持していることが好ましい。
これにより、ワイヤを金属等の導電性材料で構成することにより、ワイヤを介して接続電極とマウント電極とを電気的に接続することができる。
【0012】
[適用例5]
本発明の圧電デバイスでは、前記支持体は、さらに接着剤を有し、
前記接着剤は、前記ワイヤを覆うように設けられていることが好ましい。
これにより、パッケージに対して圧電振動片を確実に固定することができる。
また、ワイヤの変形が防止されるとともに、ワイヤがパッケージの内部空間の雰囲気に直接曝されるのを防止することができる。その結果、ワイヤの変質・劣化を抑制することができる。
【0013】
[適用例6]
本発明の圧電デバイスでは、前記圧電振動片は、長手形状のものであり、
前記ワイヤは、前記圧電振動片の長手方向に沿って配設されていることが好ましい。
これにより、圧電振動片のワイヤによって支持される部位を、線状にすることができる。その結果、圧電振動片をより安定して支持することができ、かつ、支持される部位の面積が拡大することから、圧電振動片の傾斜角度をより厳密に規定することができる。
【0014】
[適用例7]
本発明の圧電デバイスでは、前記圧電振動片は、長手形状のものであり、
前記ワイヤは、前記圧電振動片の長手方向に離間配置された複数の箇所にそれぞれ設けられ、前記各箇所における前記ワイヤの高さが異なっていることが好ましい。
これにより、圧電振動片の短手方向における傾きも厳密に制御することができ、圧電デバイスの特性をより安定化することができる。また、ワイヤは、頂部の高ささえ制御されていれば、ルーピング形状を厳密に制御する必要がないので、その製造容易性も高くなる。
【0015】
[適用例8]
本発明の圧電デバイスでは、前記圧電振動片を駆動する電子部品が前記パッケージに固定され、
前記電子部品と前記パッケージとを電気的に接続するワイヤと、前記支持体が有する前記ワイヤとが、同種の金属ワイヤで構成されていることが好ましい。
これにより、圧電デバイスの部品点数を削減することができ、低コスト化および構造の簡略化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の圧電デバイスの一例である圧電振動子の実施形態を示す上面図である。
【図2】図1に示す圧電振動子の断面図である。
【図3】ワイヤの他の構成例を示す断面図および上面図である。
【図4】ワイヤの他の構成例を示す断面図および上面図である。
【図5】図2に示す圧電振動子の製造方法を説明するための図である。
【図6】本発明の電子部品付き圧電デバイスの実施形態を示す断面図である。
【図7】図6に示す電子部品付き圧電デバイスの製造方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の圧電デバイスの例として、圧電振動子および電子部品付き圧電デバイスを添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
(圧電振動子)
まず、本発明の圧電デバイスの一例として圧電振動子について説明する。
図1は、本発明の圧電デバイスの一例である圧電振動子の実施形態を示す上面図、図2は、図1に示す圧電振動子の断面図である。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図2中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
【0018】
図1に示す圧電振動子1は、圧電振動片2と、これを収納するパッケージ(匡体)3とを有している。
以下、このような圧電振動子1を構成する各部について、順次、詳細に説明する。
まず、圧電振動片2について説明する。
圧電振動片2は、図1または図2に示すように、長手形状をなす圧電体基板21と、圧電体基板21の上面に設けられた励起電極22aおよび接続電極23aと、圧電体基板21の下面に設けられた励起電極22bおよび接続電極23bとを有している。
【0019】
圧電体基板21は、圧電材料で構成されており、かかる圧電材料としては、例えば、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、ホウ酸リチウム、チタン酸バリウム等が挙げられる。
励起電極22aは、圧電体基板21の上面の中央部を覆うように設けられている。また、圧電体基板21の上面のうち、長手方向の左側端部かつ短手方向の一端部には接続電極23aが設けられており、励起電極22aと接続電極23aとが配線24aを介して電気的に接続されている。
【0020】
一方、励起電極22bは、圧電体基板21の下面の中央部を覆うように設けられている。また、圧電体基板21の下面のうち、長手方向の左側端部かつ短手方向の他端部には接続電極23bが設けられており、励起電極22bと接続電極23bとが配線24bを介して電気的に接続されている。
なお、接続電極23aおよび接続電極23bは、それぞれ圧電体基板21の端面および反対側の面、すなわち接続電極23aの場合は圧電体基板21の下面、接続電極23bの場合は圧電体基板21の上面にもそれぞれ回り込むように形成されている。
【0021】
このような励起電極22a、22bに、接続電極23a、23bおよび配線24a、24bを介して電場を印加すると、圧電材料の逆圧電効果により、ある一定の周波数(共鳴周波数)で圧電体基板21を振動させることができる。また、圧電体基板21が振動すると、励起電極22a、22bの間には、圧電材料の圧電効果により、ある一定の周波数で電圧が発生する。これらの性質を利用して、圧電振動子1は、共鳴周波数で振動する電気信号を発生させることができる。
【0022】
上記のような励起電極22a、22b、接続電極23a、23bおよび配線24a、24bは、それぞれ、アルミニウム、アルミニウム合金、銀、銀合金、クロム、クロム合金等の導電性に優れた金属材料により形成することができる。
また、これらの電極の形成方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法等の物理成膜法、CVD等の化学蒸着法、インクジェット法等の各種塗布法等が挙げられる。
【0023】
次いで、圧電振動片2を収容・固定するパッケージ3について説明する。パッケージ3は、その平面視にて略長方形状をなしている。このようなパッケージ3は、図2に示すように、板状のベース基板31と、枠状の枠部材32と、板状の蓋部材33とを有している。ベース基板31、枠部材32および蓋部材33は、下方からこの順で積層されており、ベース基板31と枠部材32および枠部材32と蓋部材33は、それぞれ接着剤あるいはろう材等により接合されている。そして、パッケージ3は、ベース基板31、枠部材32および蓋部材33で画成された内部空間Sに、圧電振動片2を収納している。なお、図1では、蓋部材33の図示を省略している。
【0024】
ベース基板31の構成材料としては、絶縁性(非導電性)を有しているものが好ましく、例えば、各種ガラス、酸化物セラミックス、窒化物セラミックス、炭化物系セラミックス等の各種セラミックス材料、ポリイミド等の各種樹脂材料などを用いることができる。
また、枠部材32および蓋部材33の構成材料としては、例えば、ベース基板31と同様の構成材料、Al、Cuのような各種金属材料、各種ガラス材料等を用いることができる。特に、蓋部材33の構成材料として、ガラス材料等の光透過性を有するものを用いた場合、圧電体基板21に予め金属被覆部(図示せず)を形成しておくと、圧電振動片2をパッケージ3内に収容した後であっても、蓋部材33を介して前記金属被覆部にレーザーを照射し、前記金属被覆部を除去して圧電体基板21の質量を減少させることにより(質量削減方式により)、圧電振動片2の周波数調整を行うことができる。
【0025】
図1または図2に示すように、ベース基板31の上面には、一対のマウント電極34a、34bが内部空間Sに露出するように形成されている。このマウント電極34a、34bの上には、それぞれ、導電性粒子を含有するエポキシ系、ポリイミド系等の導電性接着剤39a、39bが塗布されて(盛られて)おり、さらに、この導電性接着剤39a、39b上に、前述した圧電振動片2が載置されている。そして、導電性接着剤39a、39bを硬化することにより、圧電振動片2がマウント電極34a、34b(ベース基板31)に確実に固定される。
【0026】
なお、この固定は、導電性接着剤39aが圧電振動片2の接続電極23aに接触するとともに、導電性接着剤39bが圧電振動片2の接続電極23bに接触するように、圧電振動片2を導電性接着剤39a、39b上に載置して行う。これにより、導電性接着剤39a、39bを介して、圧電振動片2の左側端部がベース基板31に固定されるとともに、接続電極23aとマウント電極34aおよび接続電極23bとマウント電極34bを、それぞれ電気的に接続することができる。また、これにより、圧電振動片2の左側端部は「固定端」となり、右側端部は「自由端」となる。
【0027】
さらに、圧電振動片2は、ベース基板31に対して平行ではなく、傾斜して載置されている。
また、図1または図2に示すように、ベース基板31の下面には、その四隅に位置するように4つの外部端子35a、35b、35c、35dが設けられている。
これら4つの外部端子35a〜35dのうち、外部端子35a、35bは、それぞれ、ベース基板31に形成されたビアホールに設けられた導体ポストを介してマウント電極34a、34bに電気的に接続されたホット端子である。また、他の2つの外部端子35c、35dは、それぞれ、パッケージ3を実装用基板に実装するときに、接合強度を高めたり、パッケージ3と実装用基板との間の距離を均一化するためのダミー端子である。
【0028】
このようなマウント電極34a、34bおよび外部端子35a〜35dは、それぞれ、例えば、タングステンおよびニッケルメッキの下地層に、金メッキを施すことで形成することができる。
ここで、導電性接着剤39b中には、図1に示すように、2本のワイヤ(支持体)38bが含まれている。換言すれば、2本のワイヤ38bは導電性接着剤39bに包含されるように、接続電極23bとマウント電極34bとの間に設けられている。そして、各ワイヤ38bの上端部(頂部)近傍は、図2に示すように、圧電振動片2の接続電極23bに接している。これにより、圧電振動片2は、各ワイヤ38bにより下方から支持されることとなる。その結果、圧電振動片2は、各ワイヤ38bとの接点で支持されることとなり、圧電振動片2の傾斜角度を一義的に決定し易くなる。また、各ワイヤ38bの形状や高さを適宜設定することにより、圧電振動片2の傾斜角度を容易かつ正確に調整することができる。
【0029】
また、ワイヤ38bが導電性接着剤39bで覆われることにより、ワイヤ38bの変形が防止されるとともに、ワイヤ38bがパッケージ3の内部空間Sの雰囲気に直接曝されるのを防止することができる。その結果、前記暴露によるワイヤ38bの変質・劣化を抑制することができる。
また、これらのワイヤ38bは、その両端部または途中がマウント電極34bに対して、ワイヤボンディング技術により固定(接合)されているのが好ましい。ワイヤボンディング技術によれば、極めて高い位置精度でかつ比較的簡単にワイヤ38bを固定するとともに、その長さや高さも高精度に制御することができる。したがって、圧電振動片2の傾斜角度も高精度に制御することができる。
【0030】
なお、ワイヤ38bの固定方法は、ワイヤボンディング技術に限定されず、その他の方法であってもよい。
このようなワイヤ38bは、マウント電極34b上に、マウント電極34bの上面に直交する面内において、立体的な弧を描くように形成される。この弧の形状(ルーピング形状)は、特に限定されないが、屈折することなくアーチ状に湾曲した形状であるのが好ましい。これにより、ワイヤ38bの形状安定性を高めることができる。
【0031】
また、ワイヤ38bのマウント電極34bに対する2つの固定部は、図1および図2に示すように、ワイヤ38bが圧電振動片2の長手方向に沿って延在するように配置されている。そして、ワイヤ38bの一部38b’は、図2に示すように、その形状が圧電振動片2の傾斜角度に沿った形状になっている。ワイヤ38bの形状および配置パターンを上記のようにすることにより、圧電振動片2のワイヤ38bによって支持される部位を、点状でなく線状にすることができる。その結果、圧電振動片2をより安定して支持することができるとともに、支持される部位の面積が拡大することから、圧電振動片2の傾斜角度をより厳密に規定することができる。
【0032】
また、このように圧電振動片2のワイヤ38bによって支持される部位(頂部近傍)が線状であり、ワイヤ38bの一部38b’がパッケージ3に対して傾斜角度θで傾斜した平坦部を有しているため、図2の部分拡大図(a)に示すように、圧電振動片2の左側最端部20がマウント電極34bに接していなくても圧電振動片2を確実に支持することができる。すなわち、圧電振動片2の左側最端部20がマウント電極34bから離間した状態であっても、圧電振動片2の傾斜角度を規定することが可能である。
【0033】
なお、圧電振動片2の左側最端部20は、マウント電極34bに接していてもよい。
すなわち、図2の部分拡大図(b)に示すように、圧電振動片2の左側最端部20がマウント電極34bに接していてもよい。これにより、圧電振動片2は、左側最端部20と、ワイヤ38bとの接点の、少なくとも2点で支持されることになるため、圧電振動片2の傾斜角度をより正確に規定することができる。
【0034】
一方、導電性接着剤39a中にも、導電性接着剤39bと同様、2本のワイヤ(支持体)38aが含まれている。すなわち、本実施形態では、圧電振動片2とベース基板31との間に、合計4本のワイヤが含まれていることになる。これらのワイヤ38aの構成は、前述したワイヤ38bと同様である。
これらのワイヤ38a、38bの構成材料としては、例えば、金、銅、アルミニウム、またはこれらの合金等が挙げられる。このうち、ワイヤ38a、38bの構成材料は、金または銅を主成分とするものが好ましい。このようなワイヤ38a、38bは、十分な導電性と適度な機械的特性とを両立し得るものとなるため、圧電振動片2を支持するとともに、接続電極23a、23bとマウント電極34a、34bとを電気的に接続し、かつ高い寸法精度で所望の形状に成形し易いものとなる。その結果、導電性接着剤39a、39bの導電性が不十分な場合であっても、接続電極23a、23bとマウント電極34a、34bとの間の導電性が低下するのを防止することができる。
【0035】
以上のようにして圧電振動片2を傾けた状態で固定することにより、圧電振動片を傾けることなくベース基板と平行に固定した従来の圧電振動子と比べて、圧電振動片2の自由端とベース基板31との間に十分な離間距離を確保することができる。これにより、圧電振動片2がベース基板31と接触する可能性を極めて小さくすることができ、この接触に伴う圧電振動子1の振動周波数の設計値からのズレを抑制することができる。
【0036】
また、本発明によれば、圧電振動片2の傾斜角度を厳密に制御することが可能であるため、傾斜角度のバラツキを抑制することができる。これにより、圧電振動片2の傾斜角度が足らず、ベース基板31と接触してしまったり、圧電振動片2を傾け過ぎて、蓋部材33と接触したりする不具合を避けることができる。
また、本発明によれば、このような圧電振動片2の傾斜角度を簡単かつ厳密に調整することができる。これは、従来のように厚膜焼成等の複雑な技術や凸部を形成する複雑な工程を経ることなく、単にワイヤ38a、38bを配置したことによって圧電振動片2の傾斜角度を調整可能としたためである。特に、ワイヤ38a、38bをワイヤボンディング技術を用いて配置することにより、数値制御によって高い位置精度で寸法精度の高いワイヤ38a、38bを配置することができる。しかも、ワイヤ38a、38bの形状(高さ等)は簡単に変更することができるので、例えば複数種の圧電振動片2が混在した製造ラインにおいても、圧電振動片2の種類に応じてワイヤ38a、38bの形状を個々に変更することによって、圧電振動片2の種類によらず常に最適な傾斜角度を再現することができる。
【0037】
さらには、ワイヤ38a、38bが導電性を有する場合、圧電振動片2の接続電極23a、23bとベース基板31のマウント電極34a、34bとの間が、ワイヤ38a、38bを介して電気的に接続されることとなる。これらの電極間は、前述した導電性接着剤39a、39bにより電気的に接続されているものの、ワイヤ38a、38bはその接続性をさらに補強するように作用することができる。これにより、接続電極23a、23bとマウント電極34a、34bとの間の導電性を高めることができる。
【0038】
ここで、導電性接着剤のみを介した接続では、導電性接着剤に特有の原因から、導電性が低下してしまうおそれがあった。具体的には、導電性接着剤は導電性フィラーを分散した樹脂材料からなるが、導電性接着剤が硬化するときには、導電性フィラーの周囲から先に硬化が始まり、硬化完了時には導電性接着剤の中央部分に導電性フィラーが偏在してしまう問題が知られていた。このような状態になると、被着体である接続電極やマウント電極の近傍には導電性フィラーが存在することができず、導電性接着剤の導電経路が途切れることとなる。そして、導電性が低下するとともに、導電性フィラーに偏在によって導電性接着剤の接合強度の低下をも招き、結果的に、圧電振動子の振動周波数が設計値から外れる現象、いわゆる「周波数ジャンプ」を招くことが問題となっていた。
【0039】
これに対し、本発明では、前述したように接続電極23a、23bとマウント電極34a、34bとの間の電気的接続をワイヤ38a、38bが補助的に担うことにより、前述した導電性の低下を避けるとともに、ワイヤ38a、38bが導電性接着剤39a、39bを機械的に補強することにより、接合強度の低下も避けることができる。その結果、前述した「周波数ジャンプ」の発生を防止し得る、信頼性の高い圧電振動子1を得ることができる。
【0040】
なお、ワイヤ38a、38bの外径は、支持体として機械的特性(剛性)やボンディング容易性等に応じて適宜設定されるものの、10〜100μm程度であるのが好ましく、15〜50μm程度であるのがより好ましい。
また、ワイヤ38a、38bの平面視における長さは、接続電極23a、23bやマウント電極34a、34bの長さに応じても適宜設定されるが、好ましくは圧電振動片2の長さの1〜30%程度とされ、より好ましくは2〜20%程度とされる。
【0041】
さらに、ワイヤ38a、38bのうち、圧電振動片2に接している部分の長さは、好ましくは圧電振動片2の長さの0.5〜20%程度とされ、より好ましくは1〜15%程度とされる。
ここで、ワイヤ38a、38bの他の構成例について説明する。
図3、4は、それぞれワイヤ38a、38bの他の構成例を示す(a)上面図および(b)断面図である。
【0042】
図3に示すワイヤ381a、381bは、その形状および配置パターンが異なる以外は、ワイヤ38a、38bと同様である。
具体的には、ワイヤ381a、381bは、それぞれのワイヤの両端部がマウント電極34aに対して固定される位置が異なっており、その延在方向は、圧電振動片2の短手方向である。
【0043】
また、ワイヤ381aとワイヤ381bのうち、左側に位置するワイヤ381aは、右側に位置するワイヤ381bに比べて高さが低くなっている。この高さの差は、圧電振動片2の傾斜角度に応じて設定されている。すなわち、ワイヤ381a、381bの上端部が圧電振動片2の下面を支持することにより、ワイヤ381aとワイヤ381bの高さの差に応じて圧電振動片2の傾斜角度が規定されることとなる。このようなワイヤ381a、381bによれば、圧電振動片2の短手方向における傾きも厳密に制御することができ、これにより圧電振動子1の特性をより安定化することができる。
【0044】
なお、ワイヤ38a、38bとワイヤ381a、381bとは、互いにその延在方向が異なっているが、これらは混在して設けられていてもよい。
また、ワイヤ381a、381bの上端部は、一部が平坦になっているのが好ましい。これにより、圧電振動片2のワイヤ381a、381bによって支持される部位が点状ではなく線状になるため、圧電振動片2をより安定して確実に支持することができる。また、頂部の高ささえ制御すれば、ワイヤのルーピング形状を図2の場合ほど厳密に制御する必要がないので、製造容易性も高い。
【0045】
図4に示すワイヤ382a、382bは、その形状および配置パターンが異なる以外は、ワイヤ38a、38bと同様である。
具体的には、ワイヤ382a、382bは、金属ワイヤを円柱状、球状またはこれらに準じた形状に成形したものである。この金属ワイヤの成形は、例えばワイヤボンディング技術のうちの「ボールボンディング技術」を用いて行うことができる。ボールボンディング技術では、金属ワイヤの先端を放電によりボール状に成形した後、先端をマウント電極34a、34bに押し付ける。この際、金属ワイヤを押し付ける荷重や、超音波、熱等の要素により、金属ワイヤの先端とマウント電極34a、34bに接合される。その後、先端部を残して金属ワイヤを切断することにより、ワイヤ382a、382bを形成することができる。
なお、これらのワイヤ382a、382bは、前述したワイヤ381a、381bと同様、左側に位置するワイヤ382aが右側に位置するワイヤ382bに比べて高さが低くなっている。
【0046】
(圧電振動子の製造方法)
次に、本発明の圧電デバイスの製造方法として、前述した圧電振動子1の製造方法を例に説明する。図5は、図2に示す圧電振動子の製造方法を説明するための図である。
図5に示す圧電振動子1の製造方法は、枠部材32を積層したベース基板31のマウント電極34a、34b上にワイヤ38a、38bをワイヤボンディングする工程と、マウント電極34a、34b上に導電性接着剤39a、39bを供給する工程と、圧電振動片2を載せ、固定する工程と、蓋部材33を積層する工程とを有する。
【0047】
以下、これらの各工程について順次説明する。なお、以下の説明では、接続電極23b、マウント電極34b、ワイヤ38bおよび導電性接着剤39bについて代表に説明する。
まず、図5(a)に示すように、ベース基板31のマウント電極34bにワイヤ38bをワイヤボンディング技術により配置する。なお、ワイヤ38bは、マウント電極34b上に立体的な弧を描くように成形される。
【0048】
次いで、図5(b)に示すように、ワイヤ38bを包含するように、マウント電極34b上に導電性接着剤39bを供給する。この際、導電性接着剤39bは流動性を有するものであるが、ワイヤ38bを覆うように供給することにより、導電性接着剤39bをワイヤ38b近傍に確実に留まらせることができる。その結果、導電性接着剤39bを供給する際の位置精度を高めることができる。特に、ワイヤ38bが金属ワイヤであれば、導電性接着剤39bに対して比較的親和性が高いので、上述したような作用・効果がより顕著なものとなる。
【0049】
次いで、図5(c)に示すように、導電性接着剤39b上に圧電振動片2を載せ、その後、導電性接着剤39bを硬化させる。導電性接着剤39bの硬化方法は、含まれる樹脂材料の特性等に応じて異なるものの、乾燥させる方法、紫外線を照射する方法、加熱する方法、所定の雰囲気に曝す方法等が挙げられる。これにより、圧電振動片2がマウント電極34bに対して固定されるとともに電気的に接続される。
次に、図5(d)に示すように、蓋部材33を枠部材32上に積層する。これにより、ベース基板31、枠部材32および蓋部材33の積層体からなるパッケージ3が形成されるとともに、その内部空間Sに圧電振動片2が収納された圧電振動子1が得られる。
【0050】
(電子部品付き圧電デバイス)
次に、本発明の圧電デバイスの一例として電子部品付き圧電デバイスについて説明する。
図6は、本発明の電子部品付き圧電デバイスの実施形態を示す断面図である。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図6中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
【0051】
図6に示す電子部品付き圧電デバイス100は、本発明の圧電デバイスに相当する構成を含み、さらに、圧電振動片200を駆動する電子部品400を同一のパッケージ300内に実装している。この電子部品400に発振回路を形成することにより電子部品付き圧電デバイス100を圧電発振器として構成したり、角速度検出回路を形成することにより電子部品付き圧電デバイス100を圧電ジャイロとして構成することができる。
【0052】
以下、このような電子部品付き圧電デバイス100を構成する各部について、順次、詳細に説明する。
まず、圧電振動片200の構成は、前述した圧電振動片2と同様である。
また、パッケージ300は、圧電振動片200および電子部品400をそれぞれ収納する空間を確保するために、複数の枠部材を備えている以外は、前述したパッケージ3と同様である。
【0053】
具体的には、パッケージ300は、その平面視にて略長方形状をなしている。このようなパッケージ300は、図6に示すように、板状のベース基板310と、枠状の枠部材321と、枠部材321より内側の貫通孔が大きい枠部材322と、板状の蓋部材330とを有している。これらのベース基板310、枠部材321、枠部材322および蓋部材330は、この順で積層されている。そして、パッケージ300は、ベース基板310、枠部材321、枠部材322および蓋部材330で画成された内部空間Sに、圧電振動片200および電子部品400を収納している。
【0054】
また、枠部材321、322の構成は、それぞれ前述した枠部材32と同様であるが、枠部材321は、電子部品400を収納するための貫通孔3210を有しており、枠部材322は、圧電振動片200を収納するための貫通孔3220を有している。
また、内部空間Sのうち、貫通孔3220に対応する部分の底面(枠部材321の上面)には、2つのマウント電極340が設けられている。
【0055】
さらに、ベース基板310の下面には、外部端子350が設けられている。これらの外部端子350は、電子部品付き圧電デバイス100を回路基板(図示せず)等に実装する際に、電子部品付き圧電デバイス100と回路基板とを固定するとともに、両者の電気的接続を図るための端子である。
なお、ベース基板310の下面には、必要に応じて、後述する電子部品400の特性検査や、電子部品400内の各種情報(例えば、圧電デバイスの温度補償情報)の書き換え(調整)を行うための書込端子が形成されていてもよい。
【0056】
一方、ベース基板310の上面には、配線パターン360が設けられている。そして、ベース基板310の一部にはビアホールが形成されており、このビアホール内に設けられた導体ポスト(図示せず)を介して、ベース基板310の上面の配線パターン360と下面の外部端子350とが電気的に接続されている。
また、この配線パターン360と前述したマウント電極340とが図示しない配線を介して電気的に接続されている。
【0057】
パッケージ300の内部空間Sのうち、貫通孔3210に対応する部分には電子部品400が実装(搭載)されている。電子部品400は、例えば集積回路素子(IC)であり、圧電振動片2を駆動する機能を有する。このような電子部品400は、絶縁性(非導電性)の接着剤や、接着シート等の接着部材440によりベース基板310に接合されている。また、例えばワイヤボンディング技術により形成された金属ワイヤ450(ボンディングワイヤ)により、電子部品400の電極部(図示せず)とベース基板310の上面に形成された配線パターン360とが電気的に接続されている。
【0058】
なお、接着部材440および金属ワイヤ450に代えて、いわゆるフェイスダウンボンディングにより電子部品400をベース基板310上に固定するとともに配線パターン360に電気的に接続するようにしてもよい。
また、圧電振動片200の接続電極23a、23bとパッケージ300のマウント電極340との間は、導電性接着剤390を介して固定されている。さらに、導電性接着剤390中には、ワイヤ380が含まれている。このワイヤ380は、前述したワイヤ38a、38bと同様のものであり、また、導電性接着剤390も、前述した導電性接着剤39a、39bと同様のものである。
以上のような各種配線により、電子部品付き圧電デバイス100は、外部端子350を介して、電子部品400と外部との間の信号の入出力を行うとともに、電子部品400により圧電振動片200を駆動することができる。
【0059】
(電子部品付き圧電デバイスの製造方法)
次に、本発明の電子部品付き圧電デバイスの製造方法として、前述した電子部品付き圧電デバイス100の製造方法を例に説明する。図7は、図6に示す電子部品付き圧電デバイスの製造方法を説明するための図である。
図7に示す電子部品付き圧電デバイス100の製造方法は、ベース基板310、枠部材321および枠部材322をこの順で積層した積層体のベース基板310上に電子部品400を搭載する工程と、電子部品400と配線パターン360とをワイヤボンディングするとともに、マウント電極340上にワイヤ380を形成する工程と、マウント電極340上に導電性接着剤390を供給する工程と、圧電振動片200を載せ、固定する工程と、蓋部材330を積層する工程とを有する。
【0060】
以下、これらの各工程について順次説明する。
まず、図7(a)に示すように、下からベース基板310、枠部材321および枠部材322をこの順で積層した後、貫通孔3210内のベース基板310上に電子部品400を搭載する。
次いで、ワイヤボンディング技術により、電子部品400の電極部と配線パターン360とを金属ワイヤ450で接続する。続いて、同一の工程内で、マウント電極340上にワイヤ380を配置する。これらの金属ワイヤ450およびワイヤ380に、同種のボンディングワイヤ(金属ワイヤ)を用いることにより、電子部品付き圧電デバイス100の部品点数を削減することができ、その低コスト化および構造の簡略化を図ることができる。
【0061】
次いで、図7(b)に示すように、ワイヤ380を包含するように、マウント電極340上に導電性接着剤390を供給する。
次いで、図7(c)に示すように、導電性接着剤390上に圧電振動片200を載せ、その後、導電性接着剤390を硬化させる。これにより、圧電振動片200がマウント電極340に対して固定されるとともに電気的に接続される。
【0062】
次に、図7(d)に示すように、蓋部材330を枠部材322上に積層する。これにより、ベース基板310、枠部材321、枠部材322および蓋部材330の積層体からなるパッケージ300が形成されるとともに、その内部空間Sに圧電振動片200および電子部品400が収納された電子部品付き圧電デバイス100が得られる。
以上のような本発明の電子部品付き圧電デバイスの製造方法によれば、電子部品400と配線パターン360とを接続するワイヤボンディングのプロセスと、マウント電極340上にワイヤ380を形成するプロセスとを、同一の工程内で連続して行うことができる。その結果、工程数を削減することができ、電子部品付き圧電デバイスの製造方法を簡略化することができる。
以上説明したような圧電振動子1および電子部品付き圧電デバイス100に代表される圧電デバイスは、各種の電子機器に適用することができ、得られる電子機器は、信頼性の高いものとなる。
【0063】
本発明の圧電デバイス(圧電振動子)および電子部品付き圧電デバイスを備える電子機器としては、特に限定されないが、例えば、パーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、携帯電話機、ディジタルスチルカメラ、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等が挙げられる。
以上、本発明の圧電デバイス(圧電振動子)および電子部品付き圧電デバイスについて、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0064】
例えば、電子部品付き圧電デバイス100を有するパッケージ300は、圧電振動片200と電子部品400とを同梱するものであるが、本発明の圧電デバイスはこのような構成に限定されず、例えば、圧電振動子1と電子部品とを実装用基板上に積層し、これらをモールド材で被覆したような構成であってもよい。
また、導電性接着剤とワイヤとは同じ箇所に設けられていなくてもよく、それぞれ離れた箇所に設けられていてもよい。
さらに、ワイヤの本数は、特に限定されず、1本または3本以上のワイヤが設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0065】
1‥‥圧電振動子 2‥‥圧電振動片 20‥‥左側最端部 21‥‥圧電体基板 22a、22b‥‥励起電極 23a、23b‥‥接続電極 24a、24b‥‥配線 3‥‥パッケージ 31‥‥ベース基板 32‥‥枠部材 33‥‥蓋部材 34a、34b‥‥マウント電極 35a、35b、35c、35d‥‥外部端子 38a、38b、381a、381b、382a、382b‥‥ワイヤ 38b’‥‥ワイヤの一部 39a、39b‥‥導電性接着剤 100‥‥電子部品付き圧電デバイス 200‥‥圧電振動片 300‥‥パッケージ 310‥‥ベース基板 321、322‥‥枠部材 3210、3220‥‥貫通孔 330‥‥蓋部材 340‥‥マウント電極 350‥‥外部端子 360‥‥配線パターン 380‥‥ワイヤ 390‥‥導電性接着剤 400‥‥電子部品 440‥‥接着部材 450‥‥金属ワイヤ S‥‥内部空間 θ‥‥傾斜角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電振動片と、前記圧電振動片を収納するパッケージとを有する圧電デバイスであって、
前記圧電振動片は、前記パッケージに対して傾斜するように、支持体により片持ち支持されており、
前記支持体が、前記圧電振動片に接触するように設けられたワイヤを有していることを特徴とする圧電デバイス。
【請求項2】
前記ワイヤは、その少なくとも2箇所がワイヤボンディングにより前記パッケージに接合されており、
前記ワイヤの前記2箇所の間の頂部において、前記圧電振動片を支持している請求項1に記載の圧電デバイス。
【請求項3】
前記ワイヤの前記頂部は、アーチ状に湾曲している請求項2に記載の圧電デバイス。
【請求項4】
前記ワイヤは、前記圧電振動片が備える接続電極と前記パッケージが備えるマウント電極との間に設けられており、
前記ワイヤは、金属材料で構成され、
前記ワイヤは、前記マウント電極に接合されており、前記接続電極を支持している請求項2または3に記載の圧電デバイス。
【請求項5】
前記支持体は、さらに接着剤を有し、
前記接着剤は、前記ワイヤを覆うように設けられている請求項1ないし4のいずれかにに記載の圧電デバイス。
【請求項6】
前記圧電振動片は、長手形状のものであり、
前記ワイヤは、前記圧電振動片の長手方向に沿って配設されている請求項1ないし5のいずれかに記載の圧電デバイス。
【請求項7】
前記圧電振動片は、長手形状のものであり、
前記ワイヤは、前記圧電振動片の長手方向に離間配置された複数の箇所にそれぞれ設けられ、前記各箇所における前記ワイヤの高さが異なっている請求項1ないし5のいずれかに記載の圧電デバイス。
【請求項8】
前記圧電振動片を駆動する電子部品が前記パッケージに固定され、
前記電子部品と前記パッケージとを電気的に接続するワイヤと、前記支持体が有する前記ワイヤとが、同種の金属ワイヤで構成されている請求項1ないし7のいずれかに記載の圧電デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−219719(P2010−219719A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−62392(P2009−62392)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】