説明

地名・退出方向対応関係報知装置および地名・退出方向対応関係報知装置用のプログラム

【課題】分岐点における複数の退出方向と複数の地名との対応関係を報知する技術において、その地名と、その地名の示す位置にたどり着くために適切な退出方向との対応関係を、柔軟に変更可能とする。
【解決手段】車両用ナビゲーション装置1は、自車両がある進入リンクから分岐路に近づき(110)、かつ、方面案内表示ありの設定となっているとき(115)、地名・退出方向対応データ中の当該分岐路に対応するレコードの、さらに当該進入リンクに対応する分岐路パターンデータを読み出す(130)。さらに、読み出した分岐路パターンデータから、現在設定されている表示条件に対応する表示パターンアイテムを抽出し(135)、その表示パターンアイテムの内容に従って地名と退出方向との対応関係を方面看板の形式で画像表示装置12に表示させる(140)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分岐点の退出方向と地名との対応関係を報知する装置および当該装置用のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、分岐点における複数の退出方向と複数の地名との対応関係を報知する装置が知られている。例えば、特許文献1には、分岐点に設置されている方面看板と同じ内容の画像表示を行うナビゲーション装置の技術が記載されている。
【特許文献1】特開2001―311625号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、ユーザの道路選択の好みやその時の道路の状況によっては、方面看板に記載された地名と分岐点の退出方向との対応関係が必ずしも適切とは言えない場合が発生することが考えられる。
【0004】
本発明は上記点に鑑み、分岐点における複数の退出方向と複数の地名との対応関係を報知する技術において、その地名と、その地名の示す位置にたどり着くために適切な退出方向との対応関係を、柔軟に変更可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、分岐点における複数の退出方向と複数の地名との対応関係を報知する地名・退出方向対応関係報知装置が、あらかじめ定められた条件に基づいて、道路の分岐点からの複数の退出方向と複数の地名との間の対応関係を変更し、変更した対応関係を表示装置に表示させることである。
【0006】
このような地名・退出方向対応関係報知装置により、あらかじめ定められた条件に基づいて、道路の分岐点からの複数の退出方向と複数の地名との間の対応関係が柔軟に変化する。なお、ここでいう「あらかじめ定められた」の「あらかじめ」とは、「対応関係の変更の前に」という意味である。
【0007】
また、地名・退出方向対応関係報知装置は、対応関係を複数組記憶する記憶媒体を備えていてもよい。この場合、地名・退出方向対応関係報知装置は、記憶媒体から読み出した当該複数組の対応関係のうち1つを条件に基づいて選択し、選択した当該1つの対応関係を表示装置に表示させるようになっていてもよい。このように、表示する対応関係の変更対象を、記憶媒体に記憶されていた複数組から選択することで、対応関係の変更のための処理を簡易にすることができる。
【0008】
また、地名・退出方向対応関係報知装置は、分岐点から当該複数の地名のうち1つの示す地点までの経路を算出し、当該複数の方向のうち当該経路が分岐点から向かう1つの方向と、当該1つの地名と、を対応付けることで、対応関係を変更するようになっていてもよい。
【0009】
また、当該条件は、当該経路の算出の際に用いられる、VICS送信機からの交通状況の情報であってもよい。また、当該条件は、道路の交通状況に基づく条件であってもよいし、当該交通状況をVICS送信機から受信するようになっていてもよい。
【0010】
また、本発明の特徴は、あらかじめ定められた条件に基づいて、道路の分岐点からの複数の退出方向と複数の地名との間の対応関係を変更する対応関係変更手段、および、
前記対応関係変更手段が変更した前記対応関係を表示装置に表示させる表示制御手段として、コンピュータ機能させるプログラムとしても捉えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係る車両用ナビゲーション装置1のハードウェア構成図を示す。
【0012】
図1に、本実施形態に係る車両用ナビゲーション装置1のハードウェア構成を示す。この車両用ナビゲーション装置1は、位置検出器11、画像表示装置12、操作スイッチ群13、スピーカ14、VICS受信機15、地図データ取得部16、および制御回路17を有している。
【0013】
位置検出器11は、いずれも周知の図示しない地磁気センサ、ジャイロスコープ、車速センサ、およびGPS受信機等のセンサを有しており、これらセンサの各々の性質に基づいた、車両の現在位置や向きを特定するための情報を制御回路17に出力する。
【0014】
VICS受信機15は、FMラジオ放送局または道路沿いに設置された路上機等のVICS(Vehicle Information and Communication Service)送信機から無線送信された道路の渋滞情報、交通規制情報等を受信して制御回路17に出力する無線受信機である。
【0015】
地図データ取得部16は、DVD、CD、HDD等の不揮発性の記憶媒体およびそれら記憶媒体に対してデータの読み出し(および可能ならば書き込み)を行う装置から成り、制御回路17が実行するプログラム、経路案内用の地図データ等を記憶している。地図データは、道路の位置情報、種別情報、交差点の位置情報、種別情報、および、交差点と道路との接続関係の情報等を含んでいる。また、地図データは、後述する地名・退出方向対応データを含んでいる。
【0016】
制御回路(コンピュータに相当する)17は、図示しないCPU、RAM、ROMを備え、ROM、地図データ取得部16から読み出した車両用ナビゲーション装置1の動作のためのプログラムを実行し、その実行の際にはRAM、ROM、および地図データ取得部16から情報を読み出し、RAMに対して情報の書き込みを行い、位置検出器11、画像表示装置12、操作スイッチ群13、スピーカ14、VICS受信機15と信号の授受を行う。
【0017】
制御回路17がプログラムを実行することによって行う具体的な処理としては、現在位置特定処理、地図表示処理、経路算出処理、経路案内処理等がある。
【0018】
現在位置特定処理は、位置検出器11からの信号に基づいて、周知のマップマッチング等の技術を用いて車両の現在位置や向きを特定する処理である。地図表示処理は、現在位置またはユーザが操作スイッチ群13を用いて指定した位置を含む領域の地図データを地図データ取得部16から取得し、取得した地図データに基づいて画像表示装置12に地図画像を表示させる処理である。
【0019】
経路算出処理は、地図データ、VICS受信機15からの交通状況のデータ等に基づいて、目的地までの最適な経路を算出する処理である。経路案内処理は、算出された最適な経路に沿えば右左折することになる右左折交差点の手前に自車両が到達したとき等の必要時に、右折、左折等を指示する案内音声をスピーカ14に出力させ、画像表示装置12に地図を拡大表示させる処理である。
【0020】
また、制御回路17は、地図表示処理において、自車両が特定の分岐点(例えば交差点、Y字路)に近づいたときに、複数の地名と、その分岐点からの複数の退出路(すなわち退出リンク)と、の対応関係を示す、方面看板に類似した画像(以下、方面案内画像という)を、画像表示装置12に表示させる。
【0021】
特定の分岐点であるか否かは、地図データ取得部16が有する地名・退出方向対応データに基づいて決まる。具体的には、地名・退出方向対応データが有する複数のレコードのうち1つが、ある分岐点に対応したレコードである場合、その分岐点は特定の分岐点となる。
【0022】
地名・退出方向対応データは、複数のレコードを有し、それぞれが別々の分岐点に対応している。図2に、分岐点としての交差点ノード21に対応するレコードのデータ構造を概略的に示す。この図に例示されるように、1つのレコード21は、対象となる分岐点に接続する複数のリンクに1対1で対応する分岐路パターンデータ31〜33を、複数(図中では3つ)有している。さらに、分岐路パターンデータ31〜33のそれぞれは、複数種類(図中では各3種類)の表示パターンアイテム31a〜31c、32a〜32c、33a〜33cを有している。
【0023】
1つの分岐路パターンデータが有する複数の表示パターンアイテムのそれぞれは、複数の表示条件(“あらかじめ定められた条件”の一例に相当する)と1対1に対応している。表示条件としては、“通常”、“幹線道路優先”、“距離優先”、“一般道優先”の4つがある。
【0024】
“通常”に対応する表示パターンアイテムは、対応するリンク(以下、進入リンクという)から対応する分岐点に進入するときに車両から見える位置に実際に表示されている方面看板を模倣した表示パターンアイテムに相当する。すなわち、“通常”に対応する表示パターンアイテムは、当該方面看板中に示された地名と退出方向(すなわち退出リンク)の対応関係(例えば、直進はA市、左折はB市、右折はC市)と同じ対応関係の情報を有している。
【0025】
幹線道路優先、距離優先、一般道優先のいずれかに対応する表示パターンアイテムは、対応する進入リンクから対応する分岐点に進入し、対応する表示条件に従って走行した場合における、地名と、その地名の示す地点に到達するために最適な退出方向と、の(1対1、多対1、または1対多の)対応関係の情報を有している。これら3つの表示条件についての対応関係の情報は、車両用ナビゲーション装置1の製造時に、各種方法によってあらかじめ決定されて、記録されているものである。
【0026】
図3に、方面案内画像を画像表示装置12に表示させるために制御回路17がくり返し実行するプログラム100のフローチャートを示す。以下、このプログラムに従った制御回路17の作動について、図4に示すような場面を例に挙げて、説明する。
【0027】
図4の例においては、車両用ナビゲーション装置1を搭載した車両50が、進入リンク51上をノード52に向かって走行している。ノード52を退出リンク53から退出する(すなわちノード52を左折する)と、B市にたどり着く。また、ノード52を退出リンク54から退出する(すなわちノード52を右折する)と、C市にたどり着く。また、ノード52を退出リンク55から退出し(すなわちノード52を直進し)、その後直進を続けると、A市にたどり着く。ただし、ノード52を退出リンク55から退出し、その後幹線道路のリンク56に右折した場合は、C市にたどり着く。
【0028】
進入リンク51から見える位置に設置された方面看板の表示内容は、図5のようになっている。すなわち、当該方面看板においては、左折、直進、右折の退出方向のそれぞれに、B市、A市、C市が、それぞれ対応付けられている。
【0029】
このような場面におけるプログラム100の実行において、制御回路17は、まずステップ110で、車両が分岐路に近づいている(例えば、分岐路と分岐路の手前の現在位置との間の距離が所定距離(例えば200メートル)以内になった)と判定する。そして、続いてステップ115で、表示モードの設定が「方面案内表示あり」となっていれば、続いてステップ120を実行し「方面案内表示なし」となっていれば、プログラム100の1回分の実行を終了する、ここで、表示モードの設定については、あらかじめユーザが操作スイッチ群13を用いて、「方面案内表示あり」と「方面案内表示なし」との間で切り替えることができるようになっている。
【0030】
ステップ120では、現在、方面案内画像の表示中でないと判定し、続いてステップ130で、地名・退出方向対応データ中の当該分岐路52に対応するレコード21の、さらに当該進入リンク51に対応する分岐路パターンデータ31を読み出す。
【0031】
続いてステップ135で、さらに、読み出した分岐路パターンデータから、現在設定されている表示条件に対応する表示パターンアイテムを抽出する。なお、表示条件は、ユーザが操作スイッチ群13を用いてあらかじめ設定可能となっている。この抽出により、設定された表示条件に合致する地名と退出リンクとの対応関係が特定される。
【0032】
続いてステップ140では、ステップ130で特定した地名と退出リンクとの関係を示す方面案内画像を画像表示装置12に表示させる。図5および図6に、方面案内画像の例を示す。これら図中の複数の矢印のそれぞれが1つの退出方向を示し、各矢印の先端に記載された地名が、当該矢印の示す退出方向に対応する。図5は、表示条件が“通常”である場合の方面案内画像を表している。また、図6は、表示条件が“幹線道路優先”である場合の方面案内画像を表している。図5の場合と図6の場合とで異なるのは、C市に対応する退出方向が直進方向となっていることである。これは、通常の方面看板には、幹線道路でない退出リンク54の方向がC市に対応付けられているが、幹線道路を優先適に走行しようとする場合には、退出リンク55および幹線道路リンク56を通る経路の方が、退出リンク54を通る経路よりも、C市への経路としてより好ましいという事実によるものである。ステップ140の後、プログラム100の1回分の実行が終了する。
【0033】
なお、方面案内画像を画像表示装置12に表示させた状態で制御回路17がプログラム100の実行を再度行うと、ステップ120で「現在方面案内画像の表示中である」と判定し、続いてステップ125で、方面案内画像の表示する対象の分岐点と、直前のステップ110で近接したと判定した分岐点とが同一であると判定すれば、再度方面案内画像の表示を行うことなくプログラム100の実行を終了する。また、ステップ125で、方面案内画像の表示する対象の分岐点と、直前のステップ110で近接したと判定した分岐点とが同一でなければ、改めて新たな分岐点についての方面案内画像の表示を行うために、続いてステップ130を実行する。このようになっていることで、ある分岐点に近接して当該分岐点についての方面案内画像を表示している間であっても、別の分岐点に近接した場合、その分岐点についての方面案内画像を表示する。これによって、車両用ナビゲーション装置1は、近接している複数の分岐点のそれぞれについての方面案内画像を表示することができる。
【0034】
また、方面案内画像を画像表示装置12に表示させた状態で車両50が表示対象の分岐点を通過した場合、制御回路17は、ステップ110で車両が分岐点に近接していないと判定し、続いてステップ145で方面案内の表示中であると判定し、さらに続いてステップ150で画像表示装置12に方面案内表示画像を消去させ、その後プログラム100の1回分の実行を終了する。
【0035】
以上のようなプログラム100を制御回路17に実行させることで、車両用ナビゲーション装置1は、自車両がある進入リンクから分岐点に近づき(ステップ110参照)、かつ、方面案内表示ありの設定となっているとき(ステップ115参照)、地名・退出方向対応データ中の当該分岐点に対応するレコードの、さらに当該進入リンクに対応する分岐路パターンデータを読み出す(ステップ130参照)。さらに、読み出した分岐路パターンデータから、現在設定されている表示条件に対応する表示パターンアイテムを抽出し(ステップ135参照)、その表示パターンアイテムの内容に従って地名と退出方向との対応関係を示す方面案内画像を画像表示装置12に表示させる(ステップ140参照)。
【0036】
このように、車両用ナビゲーション装置1が、あらかじめ定められた条件に基づいて、道路の分岐点からの複数の退出方向と複数の地名との間の対応関係を変更し、変更した対応関係を表示装置に表示させるようになっていることで、ユーザが設定する条件の変化とともに、画像表示装置12が表示する地名と退出方向との対応関係が柔軟に変化する。
【0037】
また、車両用ナビゲーション装置1は、この対応関係を複数組記憶し、当該複数組の対応関係のうち1つを表示条件に基づいて選択し、選択した当該1つの対応関係を表示装置に表示させる。このように、表示する対応関係の変更対象を、記憶媒体に記憶されていた複数組から選択することで、対応関係の変更のための処理を簡易になる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態と第1実施形態との違いは、本実施形態の地図データ取得部16は、図2に示したデータ構造の地名・退出方向対応データに代えて、図7に示すデータ構造の地名・退出方向対応データを有していること、および、図3に示したプログラム100に代えて図8に示すプログラム200をくり返し実行することである。なお、図2、3および図7、8中の構成要件および処理ステップのうち、同等の意味付けおよび処理内容を有しているもの同士には、同一の符号を付し、それらの説明については省略する。
【0038】
図7に示す通り、本実施形態における地名・退出方向対応データにおいては、分岐路パターンデータ31〜33のそれぞれは、ただ1つの表示パターンアイテム41〜43を有する。そして、表示パターンアイテム41〜43のそれぞれは、複数の退出リンク(すなわち退出方向)と複数の地名との(1対1、多対1、1対多の)対応関係の情報に加え、各地名の所在位置(例えば緯度、経度)の情報を含んでいる。この対応関係は、進入リンクから対応する分岐点に進入するときに車両から見える位置に実際に表示されている方面看板中に示された地名と退出方向の対応関係と同一になっている。
【0039】
また、制御回路17は、プログラム200の実行において、ステップ130で、地名・退出方向対応データ中の接近している分岐路に対応するレコードの、さらに当該進入リンクに対応する分岐路パターンデータを読み出した後、続いてステップ232を実行する。
【0040】
そして、ステップ232では、読み出した分岐路パターンデータ中の表示パターンアイテムから、複数の地名の所在位置(例えば緯度、経度)を読み出し、読み出した複数の所在位置のそれぞれについて、あらかじめユーザが設定した表示条件に基づいた当該所在位置までの最適経路の算出を、経路算出処理の実行によって実現する。なお、ここで算出する、当該所在位置までの最適経路は、現在自車両が走行する進入リンク(図4における進入リンク51に相当する)から、現在接近している分岐点(図4におけるノード52に相当する)に進入し、その後当該分岐点を退出した後に当該所在位置に到る経路である。
【0041】
最適経路の算出に用いられる表示条件としては“通常”、“幹線道路優先”、“距離優先”、“一般道優先”の4つがある。現在の表示条件が“幹線道路優先”の場合は、幹線道路を優先的に通過するような経路を最適経路として算出する。現在の表示条件が“距離優先”の場合は、当該所在位置までの総行程距離が最も短い経路を最適経路として算出する。現在の表示条件が“一般道優先”の場合は、有料道路を避ける経路を最適経路として算出する。現在の表示条件が“通常”の場合は、最適経路の計算を行わない。
【0042】
続いてステップ234では、算出した最適経路に基づいて、退出リンク(図4中ではリンク53〜55)と地名との対応関係を特定する。すなわち、複数の地名のそれぞれについて、算出された最適経路が通る退出リンクと、当該地名とを対応付ける。ただし、現在の表示条件が“通常”の場合には、ステップ130で読み出した分岐路パターンデータ中の唯一の表示パターンアイテムに記載された内容に従って、退出リンクと地名との対応関係を特定する。ステップ234に続いては、ステップ140を実行する。
【0043】
以上のようなプログラム200を制御回路17に実行させることで、車両用ナビゲーション装置1は、自車両がある進入リンクから分岐路に近づき(ステップ110参照)、かつ、方面案内表示ありの設定となっているとき(ステップ115参照)、地名・退出方向対応データ中の当該分岐路に対応するレコードの、さらに当該進入リンクに対応する分岐路パターンデータを読み出す(ステップ130参照)。さらに、読み出した分岐路パターンデータ中の唯一の表示パターンアイテム中の各地名への最適経路を表示条件に従って特定し(ステップ232参照)、特定した最適経路の通る退出リンクと最適経路とを対応付け(ステップ234参照)、その対応付けの結果の対応関係を示す方面案内画像を画像表示装置12に表示させる(ステップ140参照)。
【0044】
このように、車両用ナビゲーション装置1は、分岐点から当該複数の地名のうち1つの示す地点までの経路を、あらかじめ定められた条件に基づいて算出し、当該複数の方向のうち当該経路が分岐点から向かう1つの方向と、当該1つの地名と、を対応付けることで、対応関係を変更する。このようになっていることで、ユーザが設定する表示条件の変化とともに、画像表示装置12が表示する地名と退出方向との対応関係が柔軟に変化する。
また、このように、必要時に変更対象の対応関係を算出することで、1つの分岐路パターンデータが複数の表示パターンアイテムを有する必要がなくなり、地図データ取得部16のデータ容量の節約となる。
【0045】
なお、本実施形態においては、表示条件のみならず、VICSからの情報、すなわち、交通状況に基づいても、地名と退出方向との対応関係が変化する。したがって、表示条件のみならず、交通状況も“あらかじめ定められた条件”の一例に相当する。
【0046】
なお、上記の各実施形態において、車両用ナビゲーション装置1が地名・退出方向対応関係報知装置の一例に相当し、地図データ取得部16が記憶媒体の一例に相当する。また、制御回路17が、プログラム100のステップ140を実行することで表示制御手段の一例として機能する。また、また、制御回路17が、プログラム100のステップ135、または、プログラム200のステップ232、234を実行することで、対応関係変更手段の一例として機能する。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の各発明特定事項の機能を実現し得る種々の形態を包含するものである。
【0047】
例えば、表示条件としては、上記のようなものに限らず、どのようなものでもよい。どのような表示条件であっても、それら各種表示条件に対応する地名・退出方向対応データが記憶媒体に記録されていれば、本発明の構成は実現可能である。また、どのような表示条件であっても、それら各種表示条件に基づいて最適な経路を算出して対応関係を決定するようになっていれば、本発明の構成は実現可能である。
【0048】
また、車両用ナビゲーション装置1は、特定した地名と退出方向との対応関係を、スピーカ14を用いて音声のみでユーザに通知してもよい。
【0049】
また、上記の実施形態において、制御回路17がプログラムを実行することで実現している各機能は、それらの機能を有するハードウェア(例えば回路構成をプログラムすることが可能なFPGA)を用いて実現するようになっていてもよい。
【0050】
また、本発明に係る地名・退出方向対応関係報知装置は、車両用ナビゲーション装置1である必要はなく、本発明の特徴を実現する限りにおいて、どのような装置であってもうよい。例えば、地名・退出方向対応関係報知装置は、車両に搭載される必要はなく、人が携帯可能なものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用ナビゲーション装置1のハードウェア構成図である。
【図2】第1実施形態における地名・退出方向対応データ中の1レコードのデータ構造を示す図である。
【図3】制御回路17が実行するプログラム100のフローチャートである。
【図4】本実施形態が適用される場面を示す図である。
【図5】車両用ナビゲーション装置1による地名と退出方向との対応関係の表示例を示す図である。
【図6】車両用ナビゲーション装置1による地名と退出方向との対応関係の表示例を示す図である。
【図7】第2実施形態における地名・退出方向対応データ中の1レコードのデータ構造を示す図である。
【図8】制御回路17が実行するプログラム200のフローチャートである。
【符号の説明】
【0052】
1…車両用ナビゲーション装置、11…位置検出器、12…画像表示装置、
13…操作スイッチ群、14…スピーカ、15…VICS受信機、
16…地図データ取得部、17…制御回路、21…交差点ノード、
31〜33…分岐路パターンデータ、
31a〜c、32a〜c、33a〜c、41〜43…表示パターンアイテム、
50…車両、51…進入リンク、52…ノード、53〜55…退出リンク
56…幹線道路リンク、100、200…プログラム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
あらかじめ定められた条件に基づいて、道路の分岐点からの複数の退出方向と複数の地名との間の対応関係を変更する対応関係変更手段と、
前記対応関係変更手段が変更した前記対応関係を表示装置に表示させる表示制御手段と、を備えた地名・退出方向対応関係報知装置。
【請求項2】
前記対応関係を複数組記憶する記憶媒体を更に備え、
前記対応関係変更手段は、前記記憶媒体から読み出した複数組の前記対応関係のうち1つを前記条件に基づいて選択し、
前記表示制御手段は、前記対応関係変更手段が選択した前記1つの対応関係を前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項1に記載の地名・退出方向対応関係報知装置。
【請求項3】
前記対応関係変更手段は、前記分岐点から前記複数の地名のうち1つの示す地点までの経路を算出し、前記複数の方向のうち前記経路が前記分岐点から向かう1つの方向と、当該1つの地名と、を対応付けることで、前記対応関係を変更することを特徴とする請求項1または2記載の地名・退出方向対応関係報知装置。
【請求項4】
前記条件は、前記経路の算出の際に用いられる、VICS送信機からの交通状況の情報であることを特徴とする請求項3に記載の地名・退出方向対応関係報知装置。
【請求項5】
前記条件は、道路の交通状況に基づく条件であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の地名・退出方向対応関係報知装置。
【請求項6】
前記交通状況をVICS送信機から受信することを特徴とする請求項5に記載の地名・退出方向対応関係報知装置。
【請求項7】
コンピュータを、
あらかじめ定められた条件に基づいて、道路の分岐点からの複数の退出方向と複数の地名との間の対応関係を変更する対応関係変更手段、および、
前記対応関係変更手段が変更した前記対応関係を表示装置に表示させる表示制御手段として、機能させるプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−70192(P2008−70192A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−247951(P2006−247951)
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】