説明

地図表示システム、情報配信サーバ、地図表示装置およびプログラム

【課題】 建物を3次元画像として表示する表示モードを有する地図表示システムにおいて、スクロールモード動作中あるいはカーソル操作中は鳥瞰図表示モードであっても建物の3次元画像を含む鳥瞰図以外の地図を表示しカーソル位置を視認し易くする。
【解決手段】 地図表示装置20は、表示手段215と、表示制御手段221と、画面をスクロールし又は画面上の特定のポイントを指すためのカーソルを操作する操作・入力手段216と、地図上の建物を立体表示画像とした鳥瞰図データを作成する鳥瞰図データ作成手段220と、建物を3次元画像としない他の地図データを作成する手段218、219を備え、操作・入力手段216によりカーソルが操作されている時には、表示制御手段221は鳥瞰図データ作成手段220が作成する建物の3次元画像を含む鳥瞰図を表示せず、他の地図データ作成手段218又は219が作成する地図画像を表示手段215に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行者や自動車の運転者に出発地から目的地までの最適な経路を探索して案内するナビゲーションシステムなどに用いられる地図表示システム、情報配信サーバ、地図表示装置およびプログラムに関するものである。本発明は、特に、平面地図表示、平面鳥瞰図表示、建物を3次元的に表した鳥瞰図表示の複数の地図表示モードを有する携帯電話を地図表示装置とする地図表示システムにおいて、カーソル移動によるスクロール時にカーソル位置を視認し易く地図表示モードを制御するようにした地図表示システム、情報配信サーバ、地図表示装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、見知らぬ土地において目的地となる場所を訪れる場合、地図帳等を頼りに当該地図に描かれた交通機関、道路やランドマーク及び住所を確認しながら到達していた。また、カーナビゲーションシステム(以後単にカーナビと言う)を搭載した自動車においては、該カーナビを起動して目的地を入力することによりナビゲーションシステムからモニタ画面に表示される案内や音声出力される案内(ナビゲーション情報)を得ながら目的地に到達していた。
【0003】
上記カーナビは、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を利用したものであり、地球上を周回している複数のGPS衛星から送信されるGPS信号をGPSアンテナで受信し、該GPS信号に含まれる衛星位置や時計情報等を解析して位置の特定化を行うものである。該複数のGPS衛星の個数は少なくとも4個以上必要である。GPSの単独測位精度は一般的に10m強であるが、DGPS(Differential GPS:ディファレンシャルGPS)を採用することにより5m以下に向上する。特に、現在は一部の携帯電話にしか搭載されていない測位ユニット、例えば、GPS衛星からの信号を受信して測位するGPS受信機などの搭載が、第三世代と称される携帯電話では全ての機種に搭載されるような趨勢にある。
【0004】
このような測位機能を有する携帯端末の利用技術としては、種々の分野の技術が提案されており、例えば、自動車用のナビゲーション装置(カーナビ)を発展させ、携帯電話を端末として地図・経路情報を情報配信サーバ(経路探索サーバ)から配信する歩行者用の通信型ナビゲーションシステムが提案されている。
【0005】
近年、携帯電話、PHS等の携帯通信端末機器の性能は飛躍的に向上し、また、多機能化が進んでいる。特に通話機能の他にデータ通信機能が強化され、ユーザに対してインターネットを介した種々のデータ通信サービスが提供されている。ナビゲーションサービスもその1つであり、自動車の運転者のみならず携帯電話ユーザに対して現在位置から目的地までの経路案内を提供する通信ナビゲーションシステムが実用化されている。
【0006】
一般的なナビゲーション装置、通信ナビゲーションシステムに使用される経路探索装置、経路探索方法は、例えば、下記の特許文献1(特開2001−165681号公報)に開示されている。このナビゲーションシステムは、携帯ナビゲーション端末から出発地と目的地の情報を情報配信サーバに送り、情報配信サーバで道路網や交通網のデータから探索条件に合致した経路を探索して案内するように構成されている。探索条件としては、出発地から目的地までの移動手段、例えば、徒歩、自動車、鉄道と徒歩の併用などがあり、これを探索条件の1つとして経路探索する。
【0007】
情報配信サーバは、地図データの道路(経路)をその結節点、屈曲点の位置をノードとし、各ノードを結ぶ経路をリンクとし、全てのリンクのコスト情報(距離や所要時間)をデータベースとして備えている。そして、情報配信サーバは、データベースを参照して、出発地のノードから目的地のノードに至るリンクを順次探索し、リンクのコスト情報が最小となるノード、リンクをたどって案内経路とすることによって最短の経路を携帯ナビゲーション端末に案内することができる。このような経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。上記特許文献1には、このダイクストラ法を用いた経路探索方法も開示されている。
【0008】
ところで、経路探索サーバなどの情報配信サーバから案内経路の配信を受けた端末装置は液晶表示装置などの表示手段を備えており、表示手段に地図および案内経路を表示するとともに歩行者や自動車の現在位置(端末装置の現在位置)を案内経路上に表示して歩行者や自動車を目的地まで案内する。一般的に表示手段に表示する地図は平面図であるが、表示画像に遠近感をもたせた平面鳥瞰図として表示する方法や、利用者に付近のランドマークや建物の様子を視認し易くするため、建物を3次元的に表現した鳥瞰図として表示する方法も提案されている。
【0009】
例えば、下記の特許文献2(特開2001−27534号公報)には、建物の壁の状態まで描画して3次元的に表示する地図表示装置が開示されている。この特許文献2に開示された地図表示装置は、車両用ナビゲーション装置で使用される地図表示装置において、建造物を特定し易く、実際の風景との対応を取り易くすることを目的とするものであって、3次元的に表示される建物に、その種類に応じた窓枠形状と壁面色を設定して描画するようにしたものである。その際、窓枠の段数は実際の建物の階数と同じにし、また、目的地建物は屋上面を濃赤に着色する。すなわち、この地図表示装置は地図データ記憶手段に記憶された地図データに基づいて、表示手段に道路、建造物などを3次元的に表示する地図表示装置において、前記建造物を前記表示手段に、建造物の特徴に応じた修飾を付して表示するようにしたものである。
【0010】
上記のような表示を行うため、特許文献2に開示された地図表示装置において、地図データ記憶装置は、記憶媒体としてのDVD−ROM、ハードディスク、CD−ROMなどの大容量記憶媒体と、この記憶媒体に記憶されたデータを再生する再生装置とから構成されている。記憶媒体には、道路地図データと、各種の建造物など(官公庁、銀行、学校、駅舎、空港、ホテル、ビル、各種施設など)を3次元的に表示するためのデータなどを含む3次元デジタル(道路)地図データベースが記録されている。
【0011】
また、記録媒体には、交差点、市、村、町などの名称を文字表示するためのテキスト情報が記録されている。道路地図データ中の建造物を3次元的に表示するためのデータは、位置データと、建造物の平面的形状および高さ(階数)データなどを表記したポリゴンデータなどからなる。また、記録媒体には、建造物の種別を現す種別データと、建造物の名称を文字表示するためのテキスト情報が記録されている。
【0012】
一般的に、地図上の建物を擬似的な3次元画像にして図8に示すような鳥瞰図を表示する場合、建物が重なりあって観察される部分の処理、すなわち、後方の建物23や建物25の画像データのうち、前方の建物22や24の画像により遮られる部分の画像データを削除する、いわゆる、陰面消去処理が必要になる。例えば、下記の特許文献3(特開2003−263102号公報)には、Zバッファ法と称される手法により陰面消去処理を行った地図表示装置が開示されている。
【0013】
この特許文献3に開示された地図表示装置は、地図記憶手段を基に地図構成物が配置された3次元地図を作成する。次に、この3次元地図にアフィン変換、透視変換処理等の所定の処理を施し、その後、Zバッファ法等の陰面消去処理を施して上記の3次元地図をある視点位置から眺めたときに得られる投影図を作成する。次に、情報記憶手段から投影図に表示されている地図構成物の関連情報を読み出し、その後、投影図に表示されている地図構成物の投影図上における表示領域を検出する。そして、この検出した表示領域に基づいて、関連情報の投影図上における表示領域を設定するように構成したものである。尚、関連情報の投影図上における表示領域の設定は、投影図に表示された関連情報を有する地図構成物毎に行われる。また、地図構成物の投影図上における表示領域が変化する毎に行われる。
【0014】
しかしながら、上記特許文献2、特許文献3に開示された鳥瞰図の表示方法によると、ポリゴンデータを3次元画像に変換したり、陰面消去処理したりするため、画像データの処理負荷が大きくなり、高性能の画像処理プロセッサなどが必要になるという問題点があった。本願の出願人は、この問題を解消する目的で、既に国際特許出願PCT/JP2005/003471号の発明についての特許出願を行っている。
【0015】
この、国際特許出願PCT/JP2005/003471号(以下、「先願」という。)に開示された発明は、地図上の建物を擬似的な3次元図形にし、鳥瞰図として表示を行う際の演算処理を簡単化した地図表示装置および地図表示方法に関する。この地図表示装置は、ベクターデータで構成された地図データを表示手段に表示する地図表示装置を有する地図表示装置において、地図表示装置は、鳥瞰図用平面図形作成手段と、シフト量記憶手段と、建物位置判別手段と、図形データ複写手段とを備えて構成されている。
【0016】
上記のように構成された地図表示装置において、鳥瞰図用平面図形作成手段は、ベクターデータで構成された地図データから鳥瞰図を作成するための鳥瞰図用平面図形を作成し、図形データ複写手段は、建物位置判別手段が判別した建物位置と、シフト量記憶手段に記憶されたシフト量に基づいて、鳥瞰図上の遠方に位置する建物から順にその建物の平面図形を画面の上方向にシフト量に応じてシフトしながら鳥瞰図用平面図形を複写して描画し、鳥瞰図を表示する。
【0017】
図9、図10は、上記先願に開示された鳥瞰図表示方法の概念を示す図である。すなわち、先願の鳥瞰図表示方法においては、先ず、図9に示すように地図上の建物112の平面鳥瞰図(第1層)を作成する。この時、画面の奥、すなわち、遠い建物から順に描画していく。次に、図10に示すように、図9の平面鳥瞰図を建物112の回数(高さ)に応じて必要回数複写して積み重ねて描画する。積み重ねる回数は必ずしも建物の実際の回数によらず全ての建物を一律の高さで表現する。高層、中層、低層などの区分するために3段階程度に高さを区別してもよい。このような表示方法により立体感のある建物の図形を表示することができる。また、この表示方法によればポリゴン画像データを各種変換処理することなく容易に鳥瞰図を表示することができるようになる。
【0018】
一方、端末装置においては、表示手段に表示された地図をスクロールしたり、特定の興味対象場所をポインティングするためにスクロールカーソルやカーソルを操作することが行われる。自動者車用のナビゲーション装置においては搭載しているプロセッサの処理能力が高く、スクロールカーソルの操作に応じて表示画像をスクロールして描画する処理速度が十分確保されているが、携帯電話を端末装置として使用する場合、携帯電話に搭載されているプロセッサの処理能力には制約があり、画像をスクロールして描画能力に限界があった。このため、スクロールを飛び飛びに行うなどスクロール時の画像が視認しづらいという問題があった。
【0019】
このような問題を解消するため、携帯電話を端末として用いる場合の表示画像のスクロール制御を改善した地図表示装置が下記の特許文献4(特開2003−208095)に開示されている。この特許文献4に開示された地図表示装置は、地図スクロールモードがオフの状態では、地図画像を表示するとともに、現在位置が表示領域の中央になるように地図画像に重ねて現在位置マーク(現在位置アイコン)を表示する。
【0020】
そして、地図スクロールモードをオンにした時には、地図画像と現在位置マークは移動させずに、スクロールカーソル(スクロールモード時のカーソル)を、地図スクロール操作開始時の現在位置を初期位置(表示領域の中央)として、地図スクロール操作に応じて地図画像上を移動させていく。そして、スクロールカーソルが地図画像(表示領域)の端まで来ると、コントロール部が、記憶部の第1記憶領域に記憶された地図データを用いて、スクロールカーソル位置を中心とする地図画像をスクロールカーソル、現在位置マークとともに表示部にスクロール表示させるものである。
【0021】
図11は、特許文献4に開示された地図表示装置の画面表示の概念を示す図である。画面に表示された地図等をスクロールする場合、スクロール開始位置(スクロールカーソル位置)は画面の中央であり、スクロールさせたい方向にスクロールカーソルを移動していく。開始位置からスクロールカーソルの現在位置までは直線が表示され、この直線の実距離(地図上の距離)が画面下部に表示される。この間、地図画像や現在位置マーク(図示せず)などの画像は移動しない。スクロールカーソルが表示画面の端部に達すると、画面端部のスクロールカーソル位置が表示画面の中央になるように地図画像や現在位置マークがスクロールされる。この時、端末側に配信されている地図データが不足する場合は新たに必要にある地図データの配信が情報配信サーバ側に要求される。
【0022】
すなわち、この特許文献4に開示された表示装置は、スクロールカーソルが表示領域の端まで移動操作された時点で地図画像をスクロールカーソルが移動された量だけスクロール表示するものである。このため、スクロール画像の描画処理回数が少なくなり、プロセッサの処理能力に制約のある携帯電話を端末とする場合でも十分な描画処理能力を割り当てることができ、また表示画像の視認に悪影響を与えることもない。この時、スクロール開始時のスクロールカーソル位置と移動先のスクロールカーソル位置との間は線を表示してカーソル位置の移動状況を視認できるようにしている。従って、特許文献4に開示されたスクロール表示方法はプロセッサの処理能力に制約がある携帯電話に適した表示方法ということがいえる。
【0023】
【特許文献1】特開2001−165681号公報(図1、図2)
【特許文献2】特開2001−27534号公報(図1、図6、段落[0015]、[0037]〜[0045])
【特許文献3】特開2003−263102号公報(図29、段落[0030]〜[0034]、[0054]、[0055])
【特許文献4】特開2003−208095号公報(図1、段落[0006]、[0038])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
ナビゲーションシステム等における地図表示システムとして前述のように携帯電話を地図表示端末として使用する場合、上記特許文献3に開示されたスクロール制御方法を適用し、スクロールカーソル位置が表示領域の端に到達した時点で、スクロールカーソル位置を中心とするように地図画像をスクロール表示するように制御することが好ましい。
【0025】
一方、上記のようなスクロール制御を適用した地図表示装置が、上記特許文献1や特許文献2、あるいは、先願1のように平面地図画像を表示する地図表示モードの他に、平面鳥瞰図の画像を表示する地図表示モードや建物のポリゴンデータを3次元画像に変換して鳥瞰図として表示する地図表示モードを有する場合、建物が3次元化した図形で表示されていると、カーソル位置が3次元表示された建物の画像と重なることがあり、表示された地図上のどのポイントを指しているかわからないケースが多々生じるという問題点があった。そして上記特許文献1や特許文献2に開示され地図表示装置においては、このような問題点を示唆する開示、それを回避する技術を示唆する開示は何らなされていない。
【0026】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、地図上の建物を3次元画像として表示する地図表示モードと、表示領域の端にカーソルが移動された時に地図画像をスクロールするスクロールモードとを有する地図表示システムにおいて、スクロールモード動作中あるいはカーソル操作中には鳥瞰図画像の表示モードであっても鳥瞰図画像の表示を禁止し、平面鳥瞰図画像ないしは平面地図画像を表示すれば上記問題点を解消し得ることを想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0027】
すなわち、本発明は前記の問題点を解消することを課題とし、地図上の建物を3次元画像として鳥瞰図を表示する地図表示モードを有し、スクロールモード動作中あるいはカーソル操作中は、カーソル位置が表示領域の端に移動された時に地図画像をスクロールし、カーソルの現在位置を表示領域の中心となるように地図画像をスクロール表示する地図表示システムにおいて、鳥瞰図を表示する地図表示モード下でスクロールモード動作中あるいはカーソル操作中に、カーソル位置を視認し易く表示制御できるようにした地図表示システム、情報配信サーバ、地図表示装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0028】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
地図上の建物を3次元画像とした鳥瞰図を表示手段に表示する地図表示モードと、建物を3次元画像としない他の地図画像を表示手段に表示する地図表示モードと、表示領域の端にカーソルが移動された時に地図画像をスクロールするスクロールモードと、を有する地図表示装置と、前記地図表示装置に地図データを配信する情報配信サーバと、を備えた地図表示システムであって、
前記地図表示装置は、
表示手段への画像の表示を制御する表示制御手段と、
画面をスクロールし、または、画面上の特定のポイントをポインティングするためのカーソルを移動操作する操作・入力手段と、
少なくとも、地図上の建物を立体表示画像とした鳥瞰図データを作成する鳥瞰図データ作成手段と、建物を3次元画像としない他の地図データを作成する手段と、を備え、
前記操作・入力手段によりカーソルが操作されている時には、前記表示制御手段は鳥瞰図データ作成手段が作成する建物の3次元画像を含む鳥瞰図を表示手段に表示せず、前記他の地図データ作成手段が作成する地図画像を表示手段に表示する制御を行うように構成したことを特徴とする。
【0029】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1の発明にかかる地図表示システムにおいて、
前記操作・入力手段は、カーソルの移動操作をしてスクロールモードを設定する設定手段と、スクロールモードの解除操作をする解除手段と、を含み、
前記操作・入力手段によりスクロールモードが設定されている時には前記表示制御手段は鳥瞰図データ作成手段が作成する建物の3次元画像を含む鳥瞰図を表示手段に表示せず、前記他の地図データ作成手段が作成する地図画像を表示手段に表示する制御を行うように構成したことを特徴とする。
【0030】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項1または請求項2にかかる発明の地図表示システムにおいて、前記地図表示装置は携帯電話であることを特徴とする。
【0031】
また、本願の請求項4にかかる発明は、
表示手段への画像の表示を制御する表示制御手段と、
画面をスクロールし、または、画面上の特定のポイントをポインティングするためのカーソルを移動操作する操作・入力手段と、
少なくとも、地図上の建物を立体表示画像とした鳥瞰図データを作成する鳥瞰図データ作成手段と、建物を3次元画像としない他の地図データを作成する手段と、を備え、
前記装置・入力手段によりカーソルが操作されている時には、前記表示制御手段は鳥瞰図データ作成手段が作成する建物の3次元画像を含む鳥瞰図を表示手段に表示せず、前記他の地図データ作成手段が作成する地図画像を表示手段に表示する制御を行うように構成した地図表示装置に地図データを配信する情報配信サーバであって、
前記情報配信サーバは、経路探索のための探索用ネットワークデータと、経路探索手段と、を備え、
前記地図表示手段から配信を要求された地図データを前記地図表示装置に配信することを特徴とする。
【0032】
本願の請求項5にかかる発明は、
表示手段への画像の表示を制御する表示制御手段と、
画面をスクロールし、または、画面上の特定のポイントをポインティングするためのカーソルを移動操作する操作手段と、カーソルの移動操作をしてスクロールモードを設定する設定手段と、スクロールモードの解除操作をする解除手段と、を含む操作・入力手段と、
少なくとも、地図上の建物を立体表示画像とした鳥瞰図データを作成する鳥瞰図データ作成手段と、建物を3次元画像としない他の地図データを作成する手段と、を備え、
前記操作・入力手段によりスクロールモードが設定されている時には、前記表示制御手段は鳥瞰図データ作成手段が作成する建物の3次元画像を含む鳥瞰図を表示手段に表示せず、前記他の地図データ作成手段が作成する地図画像を表示手段に表示する制御を行うように構成した地図表示装置に地図データを配信する情報配信サーバであって、
前記情報配信サーバは、経路探索のための探索用ネットワークデータと、経路探索手段と、を備え、
前記地図表示手段から配信を要求された地図データを前記地図表示装置に配信することを特徴とする。
【0033】
また、本願の請求項6にかかる発明は、
情報配信サーバから地図データの配信を受ける地図表示装置であって、
地図上の建物を3次元画像とした鳥瞰図を表示手段に表示する地図表示モードと、建物を3次元画像としない他の地図画像を表示手段に表示する地図表示モードと、表示領域の端にカーソルが移動された時に地図画像をスクロールするスクロールモードと、を有し、
表示手段への画像の表示を制御する表示制御手段と、
画面をスクロールし、または、画面上の特定のポイントをポインティングするためのカーソルを移動操作する操作・入力手段と、
少なくとも、地図上の建物を立体表示画像とした鳥瞰図データを作成する鳥瞰図データ作成手段と、建物を3次元画像としない他の地図データを作成する手段と、を備えた地図表示装置であって、
前記装置・入力手段によりカーソルが操作されている時には、前記表示制御手段は鳥瞰図データ作成手段が作成する建物の3次元画像を含む鳥瞰図を表示手段に表示せず、前記他の地図データ作成手段が作成する地図画像を表示手段に表示する制御を行うように構成したことを特徴とする地図表示装置。
【0034】
本願の請求項7にかかる発明は、請求項6にかかる発明の地図表示装置において、
前記操作・入力手段は、カーソルの移動操作をしてスクロールモードを設定する設定手段と、スクロールモードの解除操作をする解除手段と、を含み、
前記操作・入力手段によりスクロールモードが設定されている時には前記表示制御手段は鳥瞰図データ作成手段が作成する建物の3次元画像を含む鳥瞰図を表示手段に表示せず、前記他の地図データ作成手段が作成する地図画像を表示手段に表示する制御を行うように構成したことを特徴とする。
【0035】
本願の請求項8にかかる発明は、請求項6または請求項7にかかる発明の地図表示装置において、前記地図表示装置は携帯電話であることを特徴とする。
【0036】
また、本願の請求項9にかかる発明は、
情報配信サーバから地図データの配信を受ける地図表示装置であって、
地図上の建物を3次元画像とした鳥瞰図を表示手段に表示する地図表示モードと、建物を3次元画像としない他の地図画像を表示手段に表示する地図表示モードと、表示領域の端にカーソルが移動された時に地図画像をスクロールするスクロールモードと、を有し、
表示手段への画像の表示を制御する表示制御手段と、
画面をスクロールし、または、画面上の特定のポイントをポインティングするためのカーソルを移動操作する操作・入力手段と、
少なくとも、地図上の建物を立体表示画像とした鳥瞰図データを作成する鳥瞰図データ作成手段と、建物を3次元画像としない他の地図データを作成する手段と、を備えた地図表示装置を構成するコンピュータに、
前記操作・入力手段によりカーソルが操作されている時には、前記鳥瞰図データ作成手段が作成する建物の3次元画像を含む鳥瞰図を表示手段に表示せず、前記他の地図データ作成手段が作成する地図画像を表示手段に表示する制御を行う表示制御手段としての機能を実行させることを特徴とするプログラムである。
【0037】
本願の請求項10にかかる発明は、
情報配信サーバから地図データの配信を受ける地図表示装置であって、
地図上の建物を3次元画像とした鳥瞰図を表示手段に表示する地図表示モードと、建物を3次元画像としない他の地図画像を表示手段に表示する地図表示モードと、表示領域の端にカーソルが移動された時に地図画像をスクロールするスクロールモードと、を有し、
表示手段への画像の表示を制御する表示制御手段と、
画面をスクロールし、または、画面上の特定のポイントをポインティングするためのカーソルを移動操作する操作手段と、カーソルの移動操作をしてスクロールモードを設定する設定手段と、スクロールモードの解除操作をする解除手段と、を含む操作・入力手段と、
少なくとも、地図上の建物を立体表示画像とした鳥瞰図データを作成する鳥瞰図データ作成手段と、建物を3次元画像としない他の地図データを作成する手段と、を備えた地図表示装置を構成するコンピュータに、
前記操作・入力手段によりスクロールモードが設定されている時には前記鳥瞰図データ作成手段が作成する建物の3次元画像を含む鳥瞰図を表示手段に表示せず、前記他の地図データ作成手段が作成する地図画像を表示手段に表示する制御を行う表示制御手段としての機能を実行させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0038】
請求項1にかかる発明においては、操作・入力手段によりカーソルが操作されている時には、表示制御手段は鳥瞰図データ作成手段が作成する鳥瞰図を表示手段に表示せず、他の地図データ作成手段が作成する建物の3次元画像を含む地図画像を表示手段に表示する制御を行う。
このような表示制御を行うことによりカーソルキーの操作中は、地図表示が実質的に鳥瞰図表示モード以外の他の地図表示モード、例えば、平面地図表示モードと、平面鳥瞰図表示モードのみになり、カーソルの移動中はその位置が平面画像上(地上)に見えるようになる。従って、カーソルの位置が3次元表示された建物の陰になり、カーソル位置の視認を妨げることがなくなり、カーソル位置を視認し易くすることができるようになる。
【0039】
請求項2にかかる発明においては、操作・入力手段によりスクロールモードが設定されている時には表示制御手段は鳥瞰図データ作成手段が作成する鳥瞰図を表示手段に表示せず、他の地図データ作成手段が作成する建物の3次元画像を含む地図画像を表示手段に表示する制御を行う。
このような表示制御を行うことによりスクロールモード中は、地図表示が実質的に鳥瞰図表示モード以外の他の地図表示モード、例えば、平面地図表示モードと、平面鳥瞰図表示モードのみになり、カーソルの移動中はその位置が平面画像上(地上)に見えるようになる。従って、カーソルの位置が3次元表示された建物の陰になり、カーソル位置の視認を妨げることがなくなり、カーソル位置を視認し易くすることができるようになる。
【0040】
請求項3にかかる発明においては、請求項1または請求項2にかかる発明の地図表示システムにおいて、地図表示装置は携帯電話である。従って、プロセッサの処理能力に制約がある携帯電話におけるスクロール制御においてもカーソルの表示画像上の位置を視認し易くすることができる。
【0041】
請求項4、請求項5にかかる発明においては、それぞれ請求項1、請求項2にかかる発明の地図表示システムを構成する情報配信サーバを提供することができるようになる。また、情報配信サーバは、経路探索のための探索用ネットワークデータと、経路探索手段と、を備え、地図表示手段から配信を要求された地図データを前記地図表示装置に配信するものであるから、地図表示装置にナビゲーション機能を提供することができるようになる。
【0042】
請求項6ないし請求項8にかかる発明においては、それぞれ請求項1ないし請求項3にかかる発明の地図表示システムを構成する地図表示装置を提供することができるようになる。従って、カーソルキーの操作中またはスクロールモード中は、地図表示が実質的に鳥瞰図表示モード以外の他の地図表示モード、例えば、平面地図表示モードと、平面鳥瞰図表示モードのみになり、カーソルの移動中はその位置が平面画像上(地上)に見えるようになる。従って、カーソルの位置が3次元表示された建物の陰になり、カーソル位置の視認を妨げることがなくなり、カーソル位置を視認し易くすることができるようになる。
【0043】
請求項9、請求項10にかかる発明においては、それぞれ請求項6、請求項7にかかる発明の地図表示装置を実現するためのプログラムを提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明は、建物を3次元画像として表示する表示モードと表示領域の端にカーソルが移動された時に地図画像をスクロールするスクロールモードとを有する地図表示システムにおいて、鳥瞰図表示モード下でスクロールモード動作中あるいはカーソル操作中に、カーソル位置を視認し易く表示制御するものであるが、以下の実施例においては、経路探索サーバとナビゲーション端末装置を備えたナビゲーションシステムを地図表示システムの具体例として説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例に限られるものではなく、ナビゲーション機能を持たず、地図表示装置と地図情報を配信する情報配信サーバからなる地図表示システムであってもよいことはいうまでもない。
【実施例】
【0045】
図1は、本発明の実施例にかかる地図表示制御の概念を説明するための模式図である。本発明の実施例にかかる地図表示システムであるナビゲーションシステムは、後述するように地図表示装置と経路探索サーバとを備えており、地図表示装置はナビゲーション端末装置としての機能を備えており、経路探索サーバが地図情報を配信する情報配信サーバを構成している。
【0046】
地図表示装置は、平面地図画像を表示する平面図表示モード、平面鳥瞰図画像を表示する平面鳥瞰図表示モード、建物の3次元表示を含む鳥瞰図画像を表示する鳥瞰図画像表示モードの3つの表示モードを有している。なお、本発明においては、平面鳥瞰図とは平面地図を奥行き方向に遠近感の鳥瞰状に表した画像であり、図9に例示したような画像を指し、鳥瞰図とは平面鳥瞰図上に建物を3次元的な画像として表した図8や図10に例示したような画像を指す。地図表示モードは、ナビゲーション端末装置の操作・入力部によりユーザが設定することができる。
【0047】
また、地図表示装置は、表示部をスクロールモードに設定し、あるいは、カーソルキー(以下単にカーソルという)を操作することによって表示部に表示された地図画像をスクロールすることができる。地図画像の表示とスクロールの制御は上記特許文献4に開示された地図表示装置と同様に以下のように構成されている。
すなわちカーソルが操作されていないかまたはスクロールモードがオフの状態では、地図画像を表示するとともに、現在位置が表示領域の中央になるように地図画像に重ねて現在位置マーク(現在位置アイコン)を表示する。
【0048】
そして、カーソルが操作されるかまたはスクロールモードをオンにした時には、地図画像と現在位置マークは移動させずに、カーソル位置を、スクロール操作開始時の現在位置を初期位置(表示領域の中央)として、スクロール操作に応じて地図画像上を移動させていく。そして、カーソル位置が地図画像(表示領域)の端まで来ると、カーソル位置を中心とする地図画像をカーソル、現在位置マークとともに表示部にスクロール表示させるように地図画像がスクロールされる(図11参照)。
【0049】
このような地図表示装置において、図1に示すように画面41に鳥瞰図を表示した状態であるとする。この状態では地図画像を表示するとともに、現在位置が表示領域(画面41)の中央になるように地図画像に重ねて現在位置マーク(現在位置アイコン)を表示する。なお、図1では現在位置マークは図の簡略化のため図示を省略している。
【0050】
この状態でスクロールのため、スクロールモードをオンにするか、カーソル42を操作すると、地図画像と現在位置マークは移動させずに、カーソルを地図スクロール操作開始時の現在位置を初期位置(表示領域の中央)として、カーソル操作に応じて地図画像上をカーソル位置を移動させていく。開始位置からカーソルの移動位置までは直線43で表示される。そして、スクロールカーソルが地図画像(表示領域)の端まで来ると、カーソル位置を中心とする地図画像をカーソル、現在位置マークとともに表示部にスクロール表示させる。
【0051】
ここで、図1を参照すれば明らかなように、地図表示モードが鳥瞰図表示モードであると、カーソル位置が3次元的に表示された建物の後側を指している場合、どの位置をカーソルが指しているかが視認しづらくなる。このことは、カーソルを移動して地図画像上の特定のポインティングする場合も同様である。
【0052】
そこで、本発明にかかるナビゲーションシステムにおいては、地図表示装置が鳥瞰図表示モードで動作している場合に、スクロールモードが指定されあるいはカーソルが操作された場合には、鳥瞰図表示を一時的に禁止し鳥瞰図の代わりに平面鳥瞰図を表示することによって、カーソル位置を視認し易くするように制御する。図2はこのような表示をした地図画像とカーソルを示す図である。すなわち、図1においてスクロールモードに設定されあるいはカーソルが操作された場合、図2のように鳥瞰図の表示が一時的に禁止され、平面鳥瞰図が画面41に表示される。従って、カーソル42の位置が視認し易くなる。
【0053】
次に、上記のような地図表示制御を行う本発明の実施例にかかるナビゲーションシステムの構成について説明する。本発明の実施例にかかるナビゲーションシステム10は、図3のブロック図に示すように、インターネットなどのネットワーク11を介して通信する地図表示装置20と、経路探索サーバ30と、を備えて構成されている。
【0054】
地図表示装置20はナビゲーション端末装置としての機能を有し、経路探索サーバ30に出発地と目的地などの経路探索条件を設定して経路探索要求を送信し、経路探索サーバ30は経路探索条件に従って、経路探索のための探索用ネットワークデータを参照して最適経路を探索し、その最適経路を案内経路データに編集して地図データとともに地図表示装置20に配信する。また、経路探索サーバ30は、地図表示装置20からの要求に従って要求された地図データを地図表示装置20に情報を配信する。
【0055】
経路探索サーバ30は、地図データ(DB)317、経路探索のための探索用ネットワークデータ316、制御手段(CPU)311、通信手段312、経路案内手段313、配信データ作成手段314、経路探索手段315を備えて構成されている。経路探索のための探索用ネットワークデータ316は、自動車用の経路探索のための道路ネットワークデータ316Aと歩行者用の経路探索のための歩行者ネットワークデータ316Bを含んでいる。更に、歩行者が徒歩と電車などの交通機関を併用して移動する場合の経路探索用として図示していないが、交通路線データや運行時刻データに基づく交通ネットワークデータを備えることができる。
【0056】
制御手段311は、マイクロプロセッサを中心に構成され、一般的なコンピュータ装置と同様にRAM、ROMなどの記憶手段を備えており、これらの記憶手段に蓄積されたプログラムによって各部を制御する。
経路案内手段313は、経路探索手段315が探索した最適経路あるいは複数の推奨案内経路のデータを編集して地図表示装置20に配信するためのものであり、通信手段312は、地図表示装置20からの各種要求を受信し、あるいは、地図表示装置20に各種情報を配信するためのものである。
【0057】
歩行者ナビゲーションシステムやカーナビゲーションシステムにおける経路探索のための地図データは道路ネットワークデータと呼ばれる。道路ネットワークは、例えば、道路が図4に示すように道路A、B、Cからなる場合、次のように構成される。すなわち、道路A、B、Cの端点、交差点、屈曲点などをノードとし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表す。そして各ノードのノードデータ(ノードの緯度・経度)と、各ノードのリンクデータ(リンク番号)と、各リンクのリンクコスト(リンクの距離またはリンクを走行するのに必要な所要時間)をデータとしたリンクコストデータとで構成される。
【0058】
図4において、○印、◎印がノードを示し、◎印は道路の交差点を示している。各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、道路の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図4では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0059】
このような道路ネットワークのデータを経路探索用のデータベースとして経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどりそのリンクコストを累積し、累積リンクコストの最少になる経路を探索して案内する。すなわち、図4において出発地をノードAX、目的地をノードCYとして経路探索を行う場合、ノードAXから道路Aを走行して2つ目の交差点で右折して道路Cに入りノードCYにいたるリンクを順次たどりリンクコストを累積し、リンクコストの累積値が最少になる経路を探索して案内する。
【0060】
図4ではノードAXからノードCYに至る他の経路は図示されていないが、実際にはそのような経路が他にも存在するため、ノードAXからノードCYに至る可能な経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最少になる経路を最適経路として決定するものである。この手法は、例えば、ダイクストラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。
【0061】
車載用のナビゲーションシステムにおける道路ネットワークのデータは、自動車の通行可能な道路のみによって構成され、歩行者専用の道路や車両の進入が禁止されている公園内や駅前広場の通路などの歩行者用道路ネットワークデータは不要である。一方、歩行者用のナビゲーションシステムにおいては、自動車の通行可能な道路ネットワークに加えて前述の歩行者専用の道路や車両の進入が禁止されている公園内や駅前広場の通路などの歩行者用道路ネットワークデータを含んで構成されるが、高速道路など歩行が禁止されている道路のネットワークデータは必要としない。
【0062】
このため、探索用ネットワークデータ316は、自動車用の道路ネットワークデータ316Aと歩行者用ネットワークデータ316Bを備えており、経路探索要求が歩行者用の経路探索要求である場合には、経路探索手段315は歩行者用ネットワークデータ316Bを用いて経路探索を行う。経路探索要求が自動車用の経路探索要求である場合には、経路探索手段315は道路ネットワークデータ316Aを用いて経路探索を行う。
【0063】
なお、探索用ネットワークデータ316において、自動車用、歩行者用に共通の道路ネットワークデータと、自動車専用の道路ネットワークデータ、歩行者専用の道路ネットワークデータをそれぞれ蓄積しておき、図示していないネットワークデータ編集手段が経路探索要求に応じて探索用ネットワークデータ316を編集して経路探索するように構成してもよい。
【0064】
すなわち、歩行者用の経路探索要求である場合には、ネットワークデータ編集手段が共通のネットワークデータに歩行者専用のネットワークデータを追加する編集を行って経路探索を行うように構成することができる。経路探索要求が自動車用の経路探索要求である場合は、ネットワークデータ編集手段が共通のネットワークデータに自動車専用のネットワークデータを追加する編集を行って経路探索を行えばよい。電車などの交通機関による移動を併用する場合も同様に交通ネットワークを追加すればよい。
【0065】
地図データ(DB)317に蓄積された地図データは緯度・経度で所定の大きさに区切った単位データ(メッシュデータ)からなり、経路探索サーバ30は経路探索の結果得られた最適な案内経路データを地図表示装置20に配信するとともに、地図表示装置20から受信した現在位置情報(緯度・経度)に基づいて現在位置を含む地図データ、すなわち現在位置を含むメッシュデータを中心にその周囲の8つのメッシュデータを地図表示装置20に配信する。
【0066】
地図表示装置20は、経路探索サーバ30から案内経路データと地図データを受信するとこれを記憶手段に一時記憶し、地図表示装置20の現在位置を示す現在位置マークと、現在位置を含む所定の範囲の地図と、案内経路と、をVRAMに展開して表示手段に表示する。現在位置が変化し、地図データが不足した場合には地図表示装置20は経路探索サーバ30に地図データを要求し、不足している地図データの配信を受ける。道路ネットワークデータや地図データは、ベクターデータでデータベースに蓄積されており、地図表示装置20は必要に応じてデータに所定の演算を施し、地図や案内経路を拡大したり、回転したりすることができる。
【0067】
このように地図を配信して地図表示装置20に表示させる手法は、経路探索および経路の案内を行うナビゲーションシステムに限らず、現在位置や所望の位置情報を送信して地図データの配信を受ける地図表示システムにおいても同様である。そして、地図表示装置20が地図を表示するにあたり、地図表示装置20は、平面地図を表示する平面地図表示モードと、平面鳥瞰図を表示する平面鳥瞰図表示モードと、平面鳥瞰図上の主要な建物を擬似的な3次元図形にして鳥瞰図として表示する鳥瞰図表示モードの3つの地図表示モードを、備えている。
【0068】
一方、地図表示装置20は、制御手段(CPU)211、通信手段212、データ記憶手段213、VRAM214、表示手段215、操作・入力手段216、データ要求手段217と、平面地図データ作成手段218、平面鳥瞰図データ作成手段219、鳥瞰図データ作成手段220、表示制御手段221とを備えて構成されている。
【0069】
制御手段211は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。操作・入力手段216は、数字キーやアルファベットキーやその他の機能キー(スクロールキーなど)、選択キーなどからなり、数字キーやアルファベットキーを操作して経路探索の条件などを入力するものである。表示手段215は液晶表示ユニットなどから構成されVRAM214に展開された画像データを表示する。
【0070】
また、表示手段215はメニュー画面等を表示し、このメニュー画面から所望のメニューを選択し、あるいは、表示される選択ボタン等を操作して所望の操作指示を行う操作・入力手段としての機能も有する。通信手段212は、ネットワーク11を介して経路探索サーバ30と通信するためのインターフェースである。
【0071】
出発地、目的地、出発日時、到着日時などの経路探索条件の設定はこの操作・入力手段216により行われ、データ要求手段217によって経路探索要求が作成され経路探索サーバ30に送信される。経路探索サーバ30に対して地図データを要求する場合のメッシュデータ(単位地図)の指定もこの操作・入力手段216により行われる。地図表示装置20がGPS受信機など現在位置を測位する手段を備えている場合、現在位置の情報や現在位置を含む地図データの要求は、GPS受信機によって測位した現在位置の情報に基づいてデータ要求手段217により地図データ要求が作成され、経路探索サーバ30に送信される。
【0072】
データ記憶手段213は経路探索サーバ30から配信された案内経路データや地図データを一時記憶するものであり、VRAM214はデータ記憶手段213に記憶された案内経路データや地図データを表示手段215に表示する場合に当該案内経路データ、地図データをビットマップ形式に展開するためのものである。
【0073】
地図表示装置20は、図5に示すように携帯電話を端末装置として使用するものであり、操作・入力部216と表示手段215を備えている。操作・入力部216の各キーにはスクロールキー(ランチャーキー)、クリアキー、表示モード切り替えキー(数字「5」キー)が割り当てられておいる。表示手段215には鳥瞰図を表示した地図画面41が示されており、カーソル42が操作され、カーソル操作の開始点とカーソルの現在位置が直線43で結ばれてカーソル移動状態が視認できるように表示されている。この表示画像は図1の表示画像に対応している。
【0074】
表示モード切り替えキー(数字「5」キー)の操作により、スクロールモードと通常の表示モードの切り替えが行われ、スクロールモードに切り替えられると、画面にカーソル42が表示される。カーソルの初期表示位置は画面の中央である。また、カーソルキーが操作されると、自動的にスクロールモードに切り替わり表示画面にカーソル42が表示される。この場合は、クリアキーが操作されるまでスクロールモードが継続される。カーソル42の初期表示位置は画面の中央である。
【0075】
先に述べたとおり地図表示装置20は、平面地図を表示する平面地図表示モードと、平面鳥瞰図を表示する平面鳥瞰図表示モードと、平面鳥瞰図上の主要な建物を擬似的な3次元図形にして鳥瞰図として表示する鳥瞰図表示モードの3つの地図表示モードを備えている。地図表示装置20をこれらの地図表示モードの何れで動作させるかは操作・入力手段216により設定される。
【0076】
平面地図データ作成手段218、平面鳥瞰図データ作成手段219、鳥瞰図データ作成手段220は、経路探索サーバから配信された地図データに基づいてそれぞれ、平面地図データ、平面鳥瞰図データ、鳥瞰図データを作成するものである。表示制御手段221は操作・入力手段216により設定された地図表示モードに従って、平面地図データ作成手段218、平面鳥瞰図データ作成手段219、鳥瞰図データ作成手段220の何れかを動作させ、VRAM214に平面地図データ、平面鳥瞰図データ、鳥瞰図データの何れかを展開して表示手段215に所定の形式の地図を表示する。平面鳥瞰図や鳥瞰図を作成する手法は上記特許文献2、特許文献3、先願等に開示された手法の何れであってもよい。
【0077】
また、表示制御手段211は、表示手段215に表示される画像をスクロールしたり地図上の所望の位置をポインティングしたりするためにカーソルを表示する制御を行う。このスクロール制御は、上記特許文献4に開示された地図表示装置と同様であり、画面に表示された地図等をスクロールする場合、スクロール開始位置(カーソル位置)は画面の中央であり、スクロールさせたい方向にカーソルを移動していく。
【0078】
スクロール開始位置からカーソルの現在位置までは直線が表示され、この直線の実距離(地図上の距離)が画面下部に表示される。この間、地図画像や現在位置マーク(図示せず)などの画像は移動しない。カーソルが表示画面の端部に達すると、画面端部のカーソル位置が表示画面の中央になるように地図画像や現在位置マークがスクロールされる。この時、端末側に配信されている地図データが不足する場合は新たに必要になる地図データの配信が経路探索サーバ30対して要求される。
【0079】
すなわち、上記のスクロール制御は、カーソルが表示領域の端まで移動操作された時点で地図画像をカーソルが移動された量だけスクロール表示するものである。このため、スクロール画像の描画処理回数が少なくなり、プロセッサの処理能力に制約のある携帯電話を端末とする場合でも十分な描画処理能力を割り当てることができ、また表示画像の視認に悪影響を与えることもない。この時、スクロール開始時のカーソル位置と移動先のカーソル位置との間は線を表示してカーソル位置の移動状況を視認できるようにしている。
【0080】
ここで、地図表示装置20が鳥瞰図を表示する鳥瞰図表示モードで動作している時に、スクロールモードが設定されてカーソルが表示され、当該カーソルを移動させる場合や、カーソル操作して表示された地図上の特定の地点をポインティングする場合がある。このような場合には、先に図1を参照して説明したように、カーソルの位置が3次元表示された建物の後ろ側を指している時には、地図上のどの地点を指しているかが視認しづらい。このため、本実施例にかかる地図表示装置20は表示制御手段221が以下のように地図表示を制御する。
【0081】
すなわち、地図表示装置20が鳥瞰図表示モードで動作している場合に、スクロールモードが指定されあるいはカーソルが操作された場合には、鳥瞰図表示を一時的に禁止し鳥瞰図の代わりに平面鳥瞰図を表示する。このような制御により図2のように鳥瞰図の表示が一時的に禁止され、平面鳥瞰図が画面41に表示される。従って、カーソル42の位置が視認し易くなる。
【0082】
図6は、以上のような制御を行う地図表示装置20の動作手順を示すフローチャートである。先ず、ステップS10の処理において、表示制御手段221は、VRAM214への描画を開始する。この場合、地図表示モードに従って、平面地図データ作成手段218、平面鳥瞰図データ作成手段219、鳥瞰図データ作成手段220の何れかを動作させ、VRAM214に平面地図データ、平面鳥瞰図データ、鳥瞰図データの何れかを展開する処理を開始する。
【0083】
次に、表示制御手段221はステップS11の処理において地図表示モードを判別する。平面地図を表示する平面地図表示モードと、平面鳥瞰図を表示する平面鳥瞰図表示モードと、平面鳥瞰図上の主要な建物を擬似的な3次元図形にして鳥瞰図として表示する鳥瞰図表示モードは図6のフローチャートにおいてはそれぞれモードA、モードB、モードCとして表現されている。
【0084】
地図表示モードがモードA(平面地図表示モード)またはモードB(平面鳥瞰図表示モード)の場合は、それぞれステップS13、ステップS14の処理に進み、VRAM214に平面地図データまたは平面鳥瞰図データを展開する。
ステップS11の判別処理において、地図表示モードがモードC(鳥瞰図表示モード)である場合にはステップS12の処理においてカーソルキーが操作されたかを判別する。カーソルキーが操作されていなければステップS15の処理に進み、VRAM214に鳥瞰図データを展開する。
【0085】
ステップS14の判別処理において、カーソルキーが操作されていればステップS14の処理に進み、鳥瞰図の表示を禁止してその替わりとしてVRAM214に平面鳥瞰図データを展開する。
【0086】
図7は、以上のような制御を行う地図表示装置20の他の動作手順を示すフローチャートである。先ず、ステップS20の処理において、表示制御手段221は、VRAM214への描画を開始する。この場合、地図表示モードに従って、平面地図データ作成手段218、平面鳥瞰図データ作成手段219、鳥瞰図データ作成手段220の何れかを動作させ、VRAM214に平面地図データ、平面鳥瞰図データ、鳥瞰図データの何れかを展開する処理を開始する。
【0087】
次に、表示制御手段221はステップS21の処理において地図表示モードを判別する。平面地図を表示する平面地図表示モードと、平面鳥瞰図を表示する平面鳥瞰図表示モードと、平面鳥瞰図上の主要な建物を擬似的な3次元図形にして鳥瞰図として表示する鳥瞰図表示モードは図6のフローチャートにおいてはそれぞれモードA、モードB、モードCとして表現されている。
【0088】
地図表示モードがモードA(平面地図表示モード)またはモードB(平面鳥瞰図表示モード)の場合は、それぞれステップS23、ステップS24の処理に進み、VRAM214に平面地図データまたは平面鳥瞰図データを展開する。
ステップS21の判別処理において、地図表示モードがモードC(鳥瞰図表示モード)である場合にはステップS22の処理において表示手段215がスクロールモードで動作しているかを判別する。スクロールモードで動作していなければステップS25の処理に進み、VRAM214に鳥瞰図データを展開する。
【0089】
ステップS24の判別処理において、スクロールモードで動作していればステップS24の処理に進み、鳥瞰図の表示を禁止してその替わりとしてVRAM214に平面鳥瞰図データを展開する。
【0090】
図7の手順は、スクロールモードがオンなら建物の3次元表示を行わない例である。スクロールモードとは、上記特許文献4に開示された地図表示装置と同様に、スクロールキーを押してカーソルが表示されて、クリアキーが押されて現在地中心の表示に戻るまでのモードである。このモードであることをステップS22で判別すると、建物の3次元表示を行わない。このようにすることによって、カーソルが表示されたときは、建物の3次元表示を行わない。カーソルキーから手を離しても、(スクロールしていなくても)カーソルは地表にあるので場所がわかりやすい。
【0091】
このような表示制御を行うことによりカーソルキーの操作中またはスクロールモード中は、地図表示が実質的に平面地図表示モードと、平面鳥瞰図表示モードのみになり、カーソルの移動中はその位置が平面画像(地上)に見えるようになる。
【0092】
なお、上記実施例においては、スクロールモード中あるいはカーソル操作中には鳥瞰図の表示を禁止し、平面鳥瞰図を表示する態様を説明したが、本発明はこの態様に限られるものではなく、鳥瞰図の替わりに平面地図を表示する態様としてもよいことは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、携帯電話のみならず、携帯端末装置(PDA等)においても適用可能である。またパソコンなどの地図表示においても鳥瞰図と建物の3次元画像を表示する鳥瞰図表示を行う場合に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】従来の地図表示制御の概念を説明するための模式図である。
【図2】本発明の実施例にかかる地図制御の概念を説明するための模式図である。
【図3】本発明の実施例にかかるナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図4】経路探索のためのネットワークデータを説明するための模式図である。
【図5】ナビゲーション端末装置の外観を示す図である。
【図6】本発明の実施例にかかる地図表示制御の手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施例にかかる地図表示制御の他の手順を示すフローチャートである。
【図8】地図上の建物を擬似的な3次元画像にした一般的な鳥瞰図の例を示す図である。
【図9】先願における平面鳥瞰図の表示画像の例を示す図である。
【図10】先願における鳥瞰図の画像を作成する画像データ作成方法を説明するための図である。
【図11】携帯電話を地図表示装置とした場合の従来のスクロール制御の方法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0095】
10・・・・ナビゲーションシステム
11・・・・ネットワーク
20・・・・地図表示装置
211・・・制御手段
212・・・通信手段
213・・・データ記憶手段
214・・・VRAM
215・・・表示手段
216・・・操作・入力手段
217・・・データ要求手段
218・・・平面地図データ作成手段
219・・・平面鳥瞰図データ作成手段
220・・・鳥瞰図データ作成手段
221・・・表示制御手段
30・・・・経路探索サーバ
311・・・制御手段
312・・・通信手段
313・・・経路案内手段
314・・・配信データ作成手段
315・・・経路探索手段
316・・・探索用ネットワークデータ
316A・・道路ネットワークデータ
316B・・歩行者用ネットワークデータ
317・・・地図データ(DB)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図上の建物を3次元画像とした鳥瞰図を表示手段に表示する地図表示モードと、建物を3次元画像としない他の地図画像を表示手段に表示する地図表示モードと、表示領域の端にカーソルが移動された時に地図画像をスクロールするスクロールモードと、を有する地図表示装置と、前記地図表示装置に地図データを配信する情報配信サーバと、を備えた地図表示システムであって、
前記地図表示装置は、
表示手段への画像の表示を制御する表示制御手段と、
画面をスクロールし、または、画面上の特定のポイントをポインティングするためのカーソルを移動操作する操作・入力手段と、
少なくとも、地図上の建物を立体表示画像とした鳥瞰図データを作成する鳥瞰図データ作成手段と、建物を3次元画像としない他の地図データを作成する手段と、を備え、
前記操作・入力手段によりカーソルが操作されている時には、前記表示制御手段は鳥瞰図データ作成手段が作成する建物の3次元画像を含む鳥瞰図を表示手段に表示せず、前記他の地図データ作成手段が作成する地図画像を表示手段に表示する制御を行うように構成したことを特徴とする地図表示システム。
【請求項2】
前記操作・入力手段は、カーソルの移動操作をしてスクロールモードを設定する設定手段と、スクロールモードの解除操作をする解除手段と、を含み、
前記操作・入力手段によりスクロールモードが設定されている時には前記表示制御手段は鳥瞰図データ作成手段が作成する建物の3次元画像を含む鳥瞰図を表示手段に表示せず、前記他の地図データ作成手段が作成する地図画像を表示手段に表示する制御を行うように構成したことを特徴とする請求項1に記載の地図表示システム。
【請求項3】
前記地図表示装置は携帯電話であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の地図表示システム。
【請求項4】
表示手段への画像の表示を制御する表示制御手段と、
画面をスクロールし、または、画面上の特定のポイントをポインティングするためのカーソルを移動操作する操作・入力手段と、
少なくとも、地図上の建物を立体表示画像とした鳥瞰図データを作成する鳥瞰図データ作成手段と、建物を3次元画像としない他の地図データを作成する手段と、を備え、
前記装置・入力手段によりカーソルが操作されている時には、前記表示制御手段は鳥瞰図データ作成手段が作成する建物の3次元画像を含む鳥瞰図を表示手段に表示せず、前記他の地図データ作成手段が作成する地図画像を表示手段に表示する制御を行うように構成した地図表示装置に地図データを配信する情報配信サーバであって、
前記情報配信サーバは、経路探索のための探索用ネットワークデータと、経路探索手段と、を備え、
前記地図表示手段から配信を要求された地図データを前記地図表示装置に配信することを特徴とする情報配信サーバ。
【請求項5】
表示手段への画像の表示を制御する表示制御手段と、
画面をスクロールし、または、画面上の特定のポイントをポインティングするためのカーソルを移動操作する操作手段と、カーソルの移動操作をしてスクロールモードを設定する設定手段と、スクロールモードの解除操作をする解除手段と、を含む操作・入力手段と、
少なくとも、地図上の建物を立体表示画像とした鳥瞰図データを作成する鳥瞰図データ作成手段と、建物を3次元画像としない他の地図データを作成する手段と、を備え、
前記操作・入力手段によりスクロールモードが設定されている時には、前記表示制御手段は鳥瞰図データ作成手段が作成する建物の3次元画像を含む鳥瞰図を表示手段に表示せず、前記他の地図データ作成手段が作成する地図画像を表示手段に表示する制御を行うように構成した地図表示装置に地図データを配信する情報配信サーバであって、
前記情報配信サーバは、経路探索のための探索用ネットワークデータと、経路探索手段と、を備え、
前記地図表示手段から配信を要求された地図データを前記地図表示装置に配信することを特徴とする情報配信サーバ。
【請求項6】
情報配信サーバから地図データの配信を受ける地図表示装置であって、
地図上の建物を3次元画像とした鳥瞰図を表示手段に表示する地図表示モードと、建物を3次元画像としない他の地図画像を表示手段に表示する地図表示モードと、表示領域の端にカーソルが移動された時に地図画像をスクロールするスクロールモードと、を有し、
表示手段への画像の表示を制御する表示制御手段と、
画面をスクロールし、または、画面上の特定のポイントをポインティングするためのカーソルを移動操作する操作・入力手段と、
少なくとも、地図上の建物を立体表示画像とした鳥瞰図データを作成する鳥瞰図データ作成手段と、建物を3次元画像としない他の地図データを作成する手段と、を備えた地図表示装置であって、
前記装置・入力手段によりカーソルが操作されている時には、前記表示制御手段は鳥瞰図データ作成手段が作成する建物の3次元画像を含む鳥瞰図を表示手段に表示せず、前記他の地図データ作成手段が作成する地図画像を表示手段に表示する制御を行うように構成したことを特徴とする地図表示装置。
【請求項7】
前記操作・入力手段は、カーソルの移動操作をしてスクロールモードを設定する設定手段と、スクロールモードの解除操作をする解除手段と、を含み、
前記操作・入力手段によりスクロールモードが設定されている時には前記表示制御手段は鳥瞰図データ作成手段が作成する建物の3次元画像を含む鳥瞰図を表示手段に表示せず、前記他の地図データ作成手段が作成する地図画像を表示手段に表示する制御を行うように構成したことを特徴とする請求項6に記載の地図表示装置。
【請求項8】
前記地図表示装置は携帯電話であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の地図表示装置。
【請求項9】
情報配信サーバから地図データの配信を受ける地図表示装置であって、
地図上の建物を3次元画像とした鳥瞰図を表示手段に表示する地図表示モードと、建物を3次元画像としない他の地図画像を表示手段に表示する地図表示モードと、表示領域の端にカーソルが移動された時に地図画像をスクロールするスクロールモードと、を有し、
表示手段への画像の表示を制御する表示制御手段と、
画面をスクロールし、または、画面上の特定のポイントをポインティングするためのカーソルを移動操作する操作・入力手段と、
少なくとも、地図上の建物を立体表示画像とした鳥瞰図データを作成する鳥瞰図データ作成手段と、建物を3次元画像としない他の地図データを作成する手段と、を備えた地図表示装置を構成するコンピュータに、
前記操作・入力手段によりカーソルが操作されている時には、前記鳥瞰図データ作成手段が作成する建物の3次元画像を含む鳥瞰図を表示手段に表示せず、前記他の地図データ作成手段が作成する地図画像を表示手段に表示する制御を行う表示制御手段としての機能を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
情報配信サーバから地図データの配信を受ける地図表示装置であって、
地図上の建物を3次元画像とした鳥瞰図を表示手段に表示する地図表示モードと、建物を3次元画像としない他の地図画像を表示手段に表示する地図表示モードと、表示領域の端にカーソルが移動された時に地図画像をスクロールするスクロールモードと、を有し、
表示手段への画像の表示を制御する表示制御手段と、
画面をスクロールし、または、画面上の特定のポイントをポインティングするためのカーソルを移動操作する操作手段と、カーソルの移動操作をしてスクロールモードを設定する設定手段と、スクロールモードの解除操作をする解除手段と、を含む操作・入力手段と、
少なくとも、地図上の建物を立体表示画像とした鳥瞰図データを作成する鳥瞰図データ作成手段と、建物を3次元画像としない他の地図データを作成する手段と、を備えた地図表示装置を構成するコンピュータに、
前記操作・入力手段によりスクロールモードが設定されている時には前記鳥瞰図データ作成手段が作成する建物の3次元画像を含む鳥瞰図を表示手段に表示せず、前記他の地図データ作成手段が作成する地図画像を表示手段に表示する制御を行う表示制御手段としての機能を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−317503(P2006−317503A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−137124(P2005−137124)
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】