基板処理装置
【課題】処理流体室内の圧力異常を精度良く検出することができる基板処理装置を提供する。
【解決手段】
制御装置は、第1サンプリング窓および第2サンプリング窓の開閉状態に応じて、第1〜第4設定圧力検出信号のうち1つの設定圧力検出信号を選択する(ステップS1)。制御装置は、選択された設定圧力検出信号が圧力センサから出力されるか否かを監視している(ステップS2)。選択された設定圧力検出信号が圧力センサから出力されると(ステップS2でYES)、制御装置は薬液キャビネット内に圧力異常が発生したと判定し(ステップS4)、警報器から所定の警報音または警報表示を出力させる(ステップS5)。
【解決手段】
制御装置は、第1サンプリング窓および第2サンプリング窓の開閉状態に応じて、第1〜第4設定圧力検出信号のうち1つの設定圧力検出信号を選択する(ステップS1)。制御装置は、選択された設定圧力検出信号が圧力センサから出力されるか否かを監視している(ステップS2)。選択された設定圧力検出信号が圧力センサから出力されると(ステップS2でYES)、制御装置は薬液キャビネット内に圧力異常が発生したと判定し(ステップS4)、警報器から所定の警報音または警報表示を出力させる(ステップS5)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、その内部で処理流体が取り扱われる処理流体室を有し、基板を処理するための基板処理装置に関する。処理の対象となる基板には、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、FED(Filed Emission Display)用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体装置や液晶表示装置の製造工程では、半導体ウエハや液晶表示パネル用ガラス基板等を、処理液によって処理する基板処理装置が用いられる。このような基板処理装置は、基板に薬液や純水からなる処理液を供給して、基板の表面に処理を施すための処理室を有している。処理室には、薬液キャビネットが接続されている。薬液キャビネット内には、処理室内で基板に供給される薬液を溜めておくための薬液タンクが収容されている(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−351709号公報
【0003】
このような薬液キャビネットは一般的に、薬液タンクに溜められている薬液を採取するためのサンプリング窓を有している。サンプリング窓には、そのサンプリング窓を開閉する開閉扉が取り付けられている。薬液の採取は、たとえば、薬液タンク内の薬液濃度を調べる際に必要となる。薬液キャビネットに薬液タンク内の薬液濃度を表示する濃度計が備えられている場合であっても、たとえば、濃度計の信頼性を確認する目的で、薬液タンク内の薬液を採取してその濃度の計測が必要となることがある。
【0004】
薬液キャビネットでは、薬液成分を含む雰囲気が薬液キャビネットの外部に漏洩しないように、内部の雰囲気を排気し、薬液キャビネット内を薬液キャビネットの外部の雰囲気圧力よりも低い圧力(負圧)にしている。そして、薬液キャビネット内に配設された圧力センサによって薬液キャビネット内の圧力が検出されている。
この圧力センサには、たとえば接点付き圧力計が用いられている。接点付き圧力計は、マイクロスイッチを内蔵しており、予め設定した圧力に達したときにマイクロスイッチが作動して警報信号を出力する。この警報信号を利用して、薬液キャビネット内における圧力異常が検出される。薬液キャビネット内の圧力の検出には、従来から、一つの圧力のみの設定が可能な1接点型の圧力計が適用されてきた。これは、上限圧力で警報信号を出力できれば充分であり、下限圧力での警報出力を併せて行える2接点型圧力計を適用する利益がないと考えられていたからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
薬液キャビネット内の圧力は、サンプリング窓が開状態か閉状態かで大きく異なる。すなわち、サンプリング窓が閉状態であれば、薬液キャビネット内を充分に排気でき、その内部の圧力を充分な負圧に維持できる。これに対して、薬液キャビネットが開状態のときには、サンプリング窓から周囲の雰囲気が流入するので、それに応じて薬液キャビネット内の圧力が高くなる。むろん、サンプリング窓を開いたときでも、薬液キャビネット内を負圧に維持できるように排気設計が行われていることは言うまでもない。
【0006】
一方、1接点型圧力計で構成される圧力センサによって検出すべき上限圧力は、サンプリング窓が開状態のときの薬液キャビネット内気圧を基準に設定されている。これは、サンプリング窓の閉状態を基準に上限圧力設定を行うと、サンプリング窓の開成時に圧力異常が検出されるおそれがあるからである。
しかし、サンプリング窓の開状態を基準とした上限圧力は、サンプリング窓の閉状態の圧力異常を検出するには高すぎるおそれがある。そのため、サンプリング窓が閉じられた状態で排気異常が発生した場合に、圧力異常を検出することができないおそれがある。そのため、薬液キャビネット内の圧力異常の発生を、精度良く検出することができなかった。
【0007】
基板に処理液が供給されて内部で基板を処理する処理室についても同様の課題がある。すなわち、外部に薬液成分を含む雰囲気が漏洩することがないように、処理室内の排気が行われるようになっている。処理室には、基板の搬入および搬出のための開口が形成されている。この開口は、シャッタで開閉できるようになっている。シャッタは、基板の搬入および搬出時には開かれ、その他の期間には閉成状態に保持される。処理室内の雰囲気の漏洩を防ぐために、処理室内の圧力を検出する圧力センサが備えられている。この圧力センサには、1接点型圧力計が適用される。そして、圧力センサから出力される警報信号に基づいて、処理室内の圧力異常を検出するようになっている。シャッタの開閉により、処理室内の圧力が大きく変動するので、圧力センサによって検出すべき上限圧力は、シャッタの開状態に対応する大きな値にせざるを得ない。そのため、シャッタ閉成時の圧力異常検出精度が犠牲になっている。
【0008】
そこで、この発明の目的は、処理流体室内の圧力異常を精度良く検出することができる基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、開口(18,19;67)を有し、内部で処理流体が取り扱われる処理流体室(4;3)と、前記処理流体室を負圧にするために、前記処理流体室内の雰囲気を排気する排気手段(23;71)と、前記処理流体室内の圧力を検出する圧力検出手段(25;41,42,43,44;51;70)と、前記開口を開閉するための開閉手段(20,21;68)と、前記開閉手段による前記開口の開閉状態を検出する開閉状態検出手段(35,36;69)と、この開閉状態検出手段による検出結果に応じて、前記圧力検出手段の出力に基づいて前記処理流体室内の圧力異常を判定するための判定基準を可変設定し、その設定された判定基準に基づいて圧力異常を判定する圧力異常判定手段(30)とを含む、基板処理装置である。
【0010】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
この発明によれば、圧力異常を判定するための判定基準が、開口の開閉状態に応じて変更される。したがって、開口の開閉状態に対応する処理流体室内の圧力を基準として判定基準を設定することにより、開口の開閉状態によらずに処理流体室内の圧力異常を検出することができる。これにより、処理流体室内の圧力異常を精度良く検出することができる。
【0011】
ここで、「負圧」とは、処理流体室の周囲の雰囲気圧力よりも低い圧力のことをいう。処理流体室内が負圧に維持されることによって、処理流体室内の雰囲気(処理流体を含む雰囲気)が処理流体室外に流出することを防止できる。
請求項2記載の発明は、前記圧力検出手段は、複数の異なる設定圧力を検出したときにそれぞれ設定圧力検出信号を出力するものであり、前記圧力異常判定手段は、前記開閉状態検出手段による検出結果に応じて、前記複数の異なる設定圧力のいずれかに対応する設定圧力検出信号を選択する信号選択手段(30)を含み、この選択手段によって選択された設定圧力検出信号が出力されると、圧力異常が発生したと判定するものである、請求項1記載の基板処理装置である。
【0012】
この発明によれば、複数の異なる設定圧力に対応する設定圧力検出信号が、開口の開閉状態に応じて選択される。そして、選択手段によって選択された設定圧力検出信号が圧力検出手段から出力されると、圧力異常が発生したと判定される。したがって、開口の開閉状態に対応する処理流体室内の圧力を基準として、設定圧力検出信号を選択することにより、開口の開閉状態にかかわらず処理流体室内の圧力異常を検出することができる。これにより、処理流体室内の圧力異常を精度良く検出することができる。
【0013】
前記圧力検出手段は、複数の異なる設定圧力を検出したときにそれぞれ設定圧力検出信号を出力する1つの圧力センサを用いて構成してもよい。より具体的には、たとえば、異なる設定圧力で信号出力が可能な2接点型の圧力センサを用いてもよい。
また、前記圧力検出手段は、複数の異なる設定圧力を検出したときにそれぞれ設定圧力検出信号を出力する複数の圧力センサを用いて構成することもできる。より具体的には、たとえば、1接点型の圧力センサを複数個用い、各圧力センサが異なる設定圧力で信号出力をするようにしておけばよい。
【0014】
請求項3記載の発明は、前記圧力検出手段は、前記処理流体室内の圧力に対して連続的に変化する出力信号を出力するものであり、前記圧力異常判定手段は、前記開閉状態検出手段による検出結果に応じて異なる判定閾値を設定する閾値設定手段(52)を含み、前記圧力検出手段の出力信号と前記閾値設定手段によって設定される判定閾値との比較結果に基づいて、圧力異常を判定するものである、請求項1記載の基板処理装置である。
【0015】
この発明によれば、開口の開閉状態に応じた判定閾値に基づいて、処理流体室内の圧力異常が判定される。したがって、開口の開閉状態に対応する処理流体室内の圧力を基準として判定閾値を設定することにより、開口の開閉状態にかかわらず処理流体室内の圧力異常を検出することができる。これにより、処理流体室内の圧力異常を精度良く検出することができる。
【0016】
なお、開閉状態検出手段は、請求項4に記載のように、前記開口が前記開閉手段によって閉じられた閉状態か、前記開口が開閉手段によって閉じられていない開状態かを検出するための開閉検出手段(35,36;69)を含むことが好ましい。
この場合、開口が開状態にあるときには、開口が閉状態のときよりも判定基準となる圧力値を大きくすることで、開口の開閉状態に伴う処理流体室内の圧力変化の影響を排除することができる。
【0017】
また、開閉状態検出手段は、開口の開度(開閉の度合い)を検出するものであってもよい。
さらに、処理流体室に複数の開口が形成されている場合には、開閉状態検出手段は、前記複数の開口がそれぞれ開状態か閉状態かを検出する複数の開閉検出手段を含むものであってもよい。たとえば、複数の開口の大きさ(開口面積)が等しい場合には、開閉状態検出手段は、開状態にある開口の個数を検出するようにしてもよい。また、複数の開口の大きさが互いに異なる場合には、開閉状態検出手段は、各開口の開閉状態を区別して検出するものであることが好ましい。
【0018】
また、開閉状態検出手段は、開閉手段の動作や位置を検出するセンサを含むものであってもよいし、たとえば、処理流体室内の圧力の急変(急減または急増)に基づいて開口の開閉を判定する手段を含むものであってもよい。
請求項5に記載のように、前記基板処理装置は、基板に処理流体を供給して基板を処理するための処理室(3)と、この処理室に処理流体を供給するための処理流体供給機構(10)を収容した処理流体キャビネット(4)とを含む場合に、前記処理流体室が、前記処理流体キャビネットを含んでいてもよい。この場合、処理流体キャビネット内の圧力異常を精度良く検出することができる。
【0019】
また、請求項6に記載のように、前記処理流体室が、基板に処理流体を供給して基板を処理するための処理室(3)を含むものであってもよい。この場合、処理室内の圧力異常を精度良く検出することができる。
さらに、前記圧力異常判定手段によって圧力異常が発生したと判定されたときに、警報を発生する警報発生手段(37)をさらに含んでいてもよい。
【0020】
この場合、処理流体室における圧力異常の発生を、オペレータに報らせることができる。これにより、処理流体室内の圧力異常の解消を促すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態(第1の実施形態)に係る基板処理装置1のレイアウトを示す図解的な平面図である。基板処理装置1は、基板の一例としての半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)Wの表面に処理流体としての薬液による処理を1枚ずつ施す枚葉式の装置であり、処理部PCと、処理部PCに結合されたインデクサ部INDとを備えている。
【0022】
処理部PCには、搬送路TPと、搬送路TPの両側に、この搬送路TPに沿って並べて形成された複数(この実施形態では、4つ)の処理室3と、同数の薬液キャビネット4とが配置されている。薬液キャビネット4は、各処理室3に隣接して配置されている。
搬送路TPには、搬送ロボットTRが配置されている。この搬送ロボットTRは、処理室3に対してハンドをアクセスさせることでウエハWを搬入および搬出することができる。
【0023】
インデクサ部INDの処理部PCと反対側には、複数のカセットCが並べて配置されるカセット載置部CSが設けられている。カセットCは、複数枚のウエハWを多段に積層した状態で収容することができる。
インデクサ部INDには、インデクサロボットIRが配置されている。このインデクサロボットIRは、カセット載置部CSに配置された各カセットCにハンドをアクセスさせて、カセットCからウエハWを取り出したり、カセットCにウエハWを収納したりすることができる。また、インデクサロボットIRは、搬送ロボットTRとの間でウエハWの受け渡しを行うことができる。
【0024】
各処理室3内には、後述するように、ウエハWをほぼ水平に保持して、回転させるスピンチャック5(図11参照)と、スピンチャック5に保持されたウエハWの表面に対して薬液を供給するための薬液ノズル6(図11参照)とが収容されている。
図2は、薬液キャビネット4の構成を示す図解的な断面図である。薬液キャビネット4は、その内部空間が、上壁7、下壁8および側壁9によって取り囲まれている。薬液キャビネット4には、処理室3の薬液ノズル6に供給すべき薬液を溜めておくための処理流体供給機構としての薬液タンク10が収容されている。薬液タンク10を収容しているために、薬液キャビネット4内の雰囲気は薬液成分を含む。
【0025】
薬液タンク10には、薬液供給管11の一端が接続されている。薬液供給管11の他端は、薬液ノズル6に接続されている。薬液供給管11の途中部には、薬液タンク10に溜められた薬液を汲み上げるためのポンプ12と、薬液供給管11の開閉を切り換えるための薬液バルブ13とが、薬液タンク10側からこの順で介装されている。
また、薬液タンク10の底部には、薬液採取管14の一端が接続されている。薬液採取管14の他端には、薬液採取ノズル15が接続されている。薬液採取管14の途中部には、薬液採取バルブ16が介装されている。
【0026】
薬液キャビネット4の側壁9には、薬液タンク10に溜められている薬液を採取する際に、薬液キャビネット4内にオペレータが手を差し入れるための第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19(図2では図示を省略。図3参照)が開口されている。
第1および第2サンプリング窓18,19の開口面積は等しくてもよいが、この実施形態では、第1サンプリング窓18は、第2サンプリング窓19よりも、その開口面積が大きくされている。第1サンプリング窓18は、片開き可能に取り付けられた開閉手段としての第1開閉扉20により開閉されている。第1サンプリング窓18に関連して、第1サンプリング窓18が第1開閉扉20によって閉じられた閉状態か、第1サンプリング窓18が第1開閉扉20によって閉じられていない開状態かを検出するための開閉検出手段としての第1開閉センサ35が取り付けられている。また、第2サンプリング窓19は、片開き可能に取り付けられた開閉手段としての第2開閉扉21(図2では図示を省略。図3参照)により開閉されている。第2サンプリング窓19に関連して、第2サンプリング窓19が第2開閉扉21によって閉じられた閉状態か、第2サンプリング窓19が第2開閉扉21によって閉じられていない開状態かを検出するための開閉検出手段としての第2開閉センサ36(図2では図示を省略。図3参照)が取り付けられている。
【0027】
薬液キャビネット4内には、薬液の採取のために用いられる薬液採取台22が収容されている。オペレータは、第1開閉扉20を開いて第1サンプリング窓18を開状態にしておき、薬液採取台22上に載置した容器に薬液採取ノズル15の先端を向けて、薬液採取バルブ16を開く。これにより、薬液タンク10に溜められている薬液を容器に採取することができる。
【0028】
また、薬液キャビネット4内には、薬液キャビネット4内の薬液成分を含む雰囲気を排気するための排気手段としての排気ダクト23が接続されている。この排気ダクト23は、工場内の排気設備に接続されている。この工場内の排気設備は常時稼動しており、排気ダクト23からの排気も常時行われている。
側壁9には、薬液キャビネット4の外部の清浄な空間からクリーンエアを取り込むための吸気口24が形成されている。薬液成分を含む雰囲気が排気ダクト23から排気されて、薬液キャビネット4内の圧力が、薬液キャビネット4の周囲の雰囲気圧力よりも低くなる。このため、クリーンエアが吸気口24から取り込まれる。薬液キャビネット4内がクリーンエアで置換される。これにより、薬液成分を含む雰囲気の薬液キャビネット4の外部への漏洩が防止されている。
【0029】
薬液キャビネット4内には、薬液キャビネット4内の圧力を検出するための圧力検出手段としての圧力センサ25が配設されている。
以下の説明では、圧力センサ25として、たとえば4接点型圧力センサを用いる構成を例にとって説明する。
この圧力センサ25は、4つの接点(第1接点,第2接点,第3接点,第4接点)を有しており、各接点に個別の圧力を設定できる構成になっている。第1接点には、第1設定圧力(たとえば、−100Pa)が設定されている。第2接点には、第2設定圧力(たとえば、−70Pa)が設定されている。第3接点には、第3設定圧力(たとえば、−50Pa)が設定されている。第4接点には、第4設定圧力(たとえば、−35Pa)が設定されている。
【0030】
圧力センサ25の測定圧力が第1接点に達すると、圧力センサ25から第1設定圧力検出信号が出力される。圧力センサ25の測定圧力が第2接点に達すると、圧力センサ25から第2設定圧力検出信号が出力される。圧力センサ25の測定圧力が第3接点に達すると、圧力センサ25から第3設定圧力検出信号が出力される。圧力センサ25の測定圧力が第4接点に達すると、圧力センサ25から第4設定圧力検出信号が出力される。
【0031】
図3は、薬液キャビネットの構成を模式的に示す平面図である。
薬液キャビネット4内の圧力は、第1サンプリング窓18の開閉および第2サンプリング窓19の開閉により変化する。具体的には、第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19の双方が閉状態にあるとき(図3(a)参照)、薬液キャビネット4内の圧力は、−120Pa程度と比較的低くなる。そして、第1サンプリング窓18が閉状態にあり、第2サンプリング窓19が開状態にあるとき(図3(b)参照)、薬液キャビネット4内の圧力は、−90Pa程度となる。第1サンプリング窓18が開状態にあり、第2サンプリング窓19が閉状態にあるとき(図3(c)参照)には、薬液キャビネット4内の圧力は、−70Pa程度となる。さらに、第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19の双方が開状態にあるとき、薬液キャビネット内の圧力は、−50Pa程度となる。
【0032】
図4は、基板処理装置1の電気的構成を示すブロック図である。
基板処理装置1は、マイクロコンピュータを含む構成の制御装置30を備えている。制御装置30には、薬液バルブ13が接続されている。
また、制御装置30には、圧力センサ25から出力される第1〜第4設定圧力検出信号、第1開閉センサ35から出力される検出信号、および第2開閉センサ36から出力される検出信号が入力されるようになっている。
【0033】
さらに、制御装置30には、警報発生手段としての警報器37が接続されている。この警報器37からは、所定の警報音または警報表示を出力することができるようになっている。
図5は、圧力異常検出動作を示すフローチャートである。
制御装置30は、第1開閉センサ35から出力される検出信号、および第2開閉センサ36から出力される検出信号を監視している。制御装置30は、第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19の開閉状態に応じて、第1〜第4設定圧力検出信号のうち1つの設定圧力検出信号を選択する(ステップS1)。
【0034】
制御装置30は、選択された設定圧力検出信号が圧力センサ25から出力されるか否かを監視している(ステップS2)。選択された設定圧力検出信号が圧力センサ25から出力されると(ステップS2でYES)、制御装置30は薬液キャビネット4内に圧力異常が発生したと判定し(ステップS4)、警報器37から所定の警報音または警報表示を出力させる(ステップS5)。
【0035】
図6は、ステップS1における設定圧力検出信号の選択動作を示すフロートチャートである。
制御装置30は、第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19の双方が閉状態にあるとき(ステップS12でYES、ステップS13でYES。図3(a)参照)、第1設定圧力(−100Pa)に対応する第1設定圧力検出信号を選択する(ステップS14)。第1サンプリング窓18が閉状態にあり、第2サンプリング窓19が開状態にあるとき(ステップS12でYES、ステップS13でNO。図3(b)参照)、制御装置30は第2設定圧力(−70Pa)に対応する第2設定圧力検出信号を選択する(ステップS15)。第1サンプリング窓18が開状態にあり、第2サンプリング窓19が閉状態にあるとき(ステップS12でNO、ステップS16でYES。図3(c)参照)、制御装置30は第3設定圧力(−50Pa)に対応する第3設定圧力検出信号を選択する(ステップS17)。また、第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19の双方が開状態にあるとき(ステップS12でNO、ステップS16でNO。図3(d)参照)、制御装置30は第4設定圧力(−35Pa)に対応する第4設定圧力検出信号を選択する(ステップS18)。
【0036】
以上により、この実施形態によれば、第1〜第4設定圧力に対応する第1〜第4設定圧力検出信号が、第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19の開閉に応じて選択される。そして、選択された設定圧力検出信号が圧力センサ25から出力されると、圧力異常が発生したと判定される。したがって、第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19の開閉に対応する薬液キャビネット4内の圧力を基準として、設定圧力検出信号を選択することにより、第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19の開閉にかかわらず薬液キャビネット4内の圧力異常を検出することができる。これにより、薬液キャビネット4内の圧力異常を精度良く検出することができる。
【0037】
図7は、この発明の他の実施形態(第2の実施形態)に係る基板処理装置40の電気的構成を示すブロック図である。この実施形態において、前述の図1〜図6の実施形態(第1の実施形態)に示された各部に対応する部分には、図1〜図6の場合と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。
この実施形態に係る基板処理装置40では、圧力検出手段として、4接点型の圧力センサ25に代えて4つの1接点型の圧力センサ41,42,43,4が用いられている。具体的には、薬液キャビネット4内には、第1圧力センサ41、第2圧力センサ42、第3圧力センサ43および第4圧力センサ44が配設されている。
【0038】
各圧力センサ41〜44は、1つの接点を有しており、その接点に所定の圧力を設定できるようになっている。第1圧力センサ41の接点には、第1設定圧力(たとえば、−100Pa)が設定されている。第2圧力センサ42の接点には、第2設定圧力(たとえば、−70Pa)が設定されている。第3圧力センサ43の接点には、第3設定圧力(たとえば、−50Pa)が設定されている。第4圧力センサ44の接点には、第4設定圧力(たとえば、−35Pa)が設定されている。
【0039】
第1圧力センサ41の測定圧力が第1接点に達すると、第1圧力センサ41から第1設定圧力検出信号が出力される。第2圧力センサ42の測定圧力が第2接点に達すると、第2圧力センサ42から第2設定圧力検出信号が出力される。第3圧力センサ43の測定圧力が第3接点に達すると、第3圧力センサ43から第3設定圧力検出信号が出力される。第4圧力センサ44の測定圧力が第4接点に達すると、第4圧力センサ44から第4設定圧力検出信号が出力される。第1〜第4圧力センサ41〜44からそれぞれ出力される設定圧力検出信号は、制御装置30に入力される。
【0040】
図5のステップS1と同様に、制御装置30は、第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19の開閉状態に応じて、第1〜第4設定圧力検出信号のうち1つの設定圧力検出信号を選択する。
そして、選択された設定圧力検出信号が第1〜第4圧力センサ41〜44から出力されると、制御装置30は、図5のステップS4,S5と同様、薬液キャビネット4内に圧力異常が発生したと判定し、警報器37から警報音または警報表示を出力させる。
【0041】
図8は、この発明のさらに他の実施形態(第3の実施形態)に係る基板処理装置50の電気的構成を示すブロック図である。この第3の実施形態において、前述の図1〜図6の実施形態(第1の実施形態)に示された各部に対応する部分には、図1〜図6の場合と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。
この実施形態では、接点付き圧力計からなる圧力センサ25に代えて、計測圧力に対して連続的に変化する出力信号を出力する圧力計測センサ51が用いられている。圧力計測センサ51は、たとえば電子式(シリコンダイヤフラム式)のものである。制御装置30には、この圧力計測センサ51から出力信号が入力されるようになっている。
【0042】
制御装置30には、薬液キャビネット4内の圧力異常のための判定上限値が設定された閾値設定手段としての判定上限値設定部52が設けられている。この判定上限値設定部52には、後述するように、第1開閉センサ35および第2開閉センサ36による検出結果に応じて、異なる判定上限値が設定される。
図9は、圧力異常検出動作を示すフローチャートである。
【0043】
制御装置30は、圧力計測センサ51から出力される出力信号を監視している。所定の制御周期毎に、制御装置30は圧力計測センサ51からの出力信号をチェックする(ステップS21)。また、制御装置30は、第1開閉センサ35および第2開閉センサ36の検出出力に基づいて、判定上限値設定部52に判定上限値を設定する(ステップS22)。
【0044】
圧力計測センサ51からの出力信号に対応する圧力値が、判定上限値設定部52に設定された判定上限値以上であるときには(ステップS23でYES)、制御装置30は薬液キャビネット4内に圧力異常が発生したと判定し(ステップS24)、警報器37から警報音または警報表示を出力させる(ステップS25)。
圧力計測センサ51からの出力信号に対応する圧力値が、判定上限値設定部52に設定された判定上限値未満であるときには、薬液キャビネット4内に圧力異常は生じていないとして、制御装置30は、再び、圧力計測センサ51からの出力信号を監視する。
【0045】
図10は、判定上限値の設定動作を示すフロートチャートである。
制御装置30は、第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19の双方が閉状態にあるとき(ステップS32でYES、ステップS33でYES。図3(a)参照)、第1設定圧力(−100Pa)を上限値に設定する(ステップS34)。第1サンプリング窓18が閉状態にあり、第2サンプリング窓19が開状態にあるとき(ステップS32でYES、ステップS33でNO。図3(b)参照)、制御装置30は第2設定圧力(−70Pa)を判定上限値に設定する(ステップS35)。第1サンプリング窓18が開状態にあり、第2サンプリング窓19が閉状態にあるとき(ステップS32でNO、ステップS36でYES。図3(c)参照)、第3設定圧力(−50Pa)を判定上限値に設定する(ステップS37)。また、第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19の双方が開状態にあるとき(ステップS32でNO、ステップS36でNO。図3(d)参照)、第4設定圧力(−35Pa)を判定上限値に設定する(ステップ38)。そして、判定上限値の設定動作は終了する。
【0046】
以上により、この実施形態によれば、第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19の開閉に応じた判定上限判定値に基づいて、薬液キャビネット4内の圧力異常が判定される。そして、したがって、第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19の開閉に対応する薬液キャビネット4内の圧力を基準として判定上限値を設定することにより、第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19の開閉にかかわらず薬液キャビネット4内の圧力異常を検出することができる。これにより、薬液キャビネット4内の圧力異常を精度良く検出することができる。
【0047】
図11は、この発明のさらに他の実施形態(第4の実施形態)に係る基板処理装置60の処理室の構成を模式的に示す断面図である。この第4の実施形態において、前述の図1〜図6の実施形態(第1の実施形態)に示された各部に対応する部分には、図1〜図6の場合と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。
処理室3は、その内部空間が、上壁61、下壁62および側壁63によって取り囲まれている。処理室3内には、ウエハWをほぼ水平に保持して、回転させるスピンチャック5と、スピンチャック5に保持されたウエハWの表面に対して薬液を供給するための薬液ノズル6とが収容されている。
【0048】
スピンチャック5は、モータ64と、このモータ64の回転駆動力によって鉛直軸線まわりに回転される円盤状のスピンベース65と、スピンベース65の周縁部の複数箇所にほぼ等間隔で設けられ、ウエハWをほぼ水平な姿勢で挟持するための複数個の挟持部材66とを備えている。これにより、スピンチャック5は、ウエハWを、ほぼ水平な姿勢を保った状態で、スピンベース65とともに鉛直軸線まわりに回転させることができる。
【0049】
薬液ノズル5には、薬液供給管11が接続されている。薬液ノズル5には、薬液供給管11を通して薬液タンク10に溜められている薬液が供給されるようになっている。
処理室3の側壁9には、処理室3内に対してウエハWを搬入および搬出するための開口67が形成されている。処理室3の外側には、開口67に基板搬送ロボットTRが対向している。基板搬送ロボットTRは、開口67を通して処理室3内にハンドをアクセスさせ、スピンチャック5上に未処理のウエハWを載置したり、スピンチャック5上から処理済のウエハWを取り除いたりすることができるようになっている。側壁63に形成された開口67に関連して、処理室3の外側には、開口67を開閉するための開閉手段としてのシャッタ68が設けられている。この開口67に関連して、開口67がシャッタ68によって閉じられた閉状態か、開口67がシャッタ68によって閉じられていない開状態かを検出するための開閉検出手段としての開閉センサ69が設けられている。
【0050】
処理室3内には、接点付き圧力計からなる圧力センサ70が配設されている。圧力センサ70には、第1実施形態の圧力センサ25とは異なり、2つの接点(第1接点(上限接点),第2接点(下限接点))を有する2接点型圧力センサが適用されている。
圧力センサ70は、各接点に個別の圧力を設定できる構成になっている。第1接点には、第1設定圧力(たとえば、−100Pa)が設定されている。第2接点には、第2設定圧力(たとえば、−50Pa)が設定されている。
【0051】
圧力センサ70の測定圧力が第1接点に達すると、圧力センサ70から第1設定圧力検出信号が出力される。圧力センサ70の測定圧力が第2接点に達すると、圧力センサ70から第2設定圧力検出信号が出力される。
また、処理室3内は、処理室3内の薬液成分を含む雰囲気を排気するための排気手段としての排気ダクト71が接続されている。この排気ダクト71は、工場内の排気設備に接続されている。薬液成分を含む雰囲気が排気ダクト71から排気されて、薬液キャビネット4内の圧力が、薬液キャビネット4の周囲の雰囲気圧力よりも低くなる。このため、クリーンエアが吸気口から取り込まれる。薬液キャビネット4内がクリーンエアで置換される。これにより、薬液成分を含む雰囲気の処理室3の外部への漏洩が防止されている。
【0052】
図12は、基板処理装置60の電気的構成を示すブロック図である。
制御装置30には、モータ64および警報器37が接続されている。
また、制御装置30には、圧力センサ70から出力される設定圧力検出信号、および開閉センサ69から出力される検出信号が入力されるようになっている。
制御装置30は、開口67の開閉状態に応じて、第1設定圧力検出信号および第2設定圧力検出信号のうちいずれかの設定圧力検出信号を選択する。具体的には、制御装置30は、開口67が閉状態にあるとき、第1設定圧力(−100Pa)を選択し、開口67が開状態にあるとき、第2設定圧力(−70Pa)を選択する。
【0053】
そして、選択された設定圧力検出信号が圧力センサ70から出力されると、制御装置30は、処理室3内に圧力異常が発生したと判定し、警報器37から警報音または警報表示を出力させる。
以上により、この実施形態によれば、第1設定圧力および第2設定圧力にそれぞれ対応する第1設定圧力検出信号および第2設定圧力検出信号が、開口67の開閉に応じて選択されている。そして、選択された設定圧力検出信号が圧力センサ70から出力されると、圧力異常が発生したと判定される。したがって、開口67の開閉に対応する処理室3内の圧力を基準として、設定圧力検出信号を選択することにより、開口67の開閉にかかわらず処理室3内の圧力異常を検出することができる。これにより、処理室3内の圧力異常を精度良く検出することができる。
【0054】
以上、この発明の4つの実施形態について説明したが、この発明は、さらに他の形態で実施することもできる。
第4実施形態では、処理室3は1つの開口67を有しているものとして説明したが、処理室3に複数の開口67(たとえば、基板搬入用開口および基板搬出用開口)が形成されていてもよい。この場合、複数の開口67の大きさが異なる場合には、第1および第2実施形態のように、3以上(好ましくは4)の設定圧力に対応する設定圧力検出信号を用いて、圧力異常の判定が行うことができる。複数の開口67の開口面積が等しく、かつ、一度に1つの開口のみが開かれるのであれば、2つの設定圧力に対応する設定圧力検出信号が得られれば充分である。
【0055】
また、処理室3内の圧力異常の検出を、第3実施形態のように圧力計測センサ51からの出力信号に対応する圧力値に基づいて用い、制御装置30の判定上限値設定部52に設定された判定上限値以上であるか否かに基づいて、処理室3内に圧力異常が判定される構成とすることもできる。
また、第1実施形態では、4接点型の圧力センサ25を用いたが、2接点型の圧力センサを2つ(第1圧力センサおよび第2圧力センサ)用いてもよい。この場合、第1圧力センサの上限接点U1、下限接点L1、および、第2圧力センサの上限接点U2、下限接点L2に、それぞれ異なる圧力値が設定されていて(たとえば、U1>U2>L1>L2)、第1および第2圧力センサの測定圧力が各接点に達すると、各圧力センサから設定圧力検出信号(第1実施形態における第1〜第4設定圧力検出信号)が出力される構成であることが好ましい。これにより、2接点型の圧力センサを2つ用いて、薬液キャビネット4内の圧力異常を検出することができる。
【0056】
また、第2実施形態では、1接点型の圧力センサ41〜44を用いたが、2接点型の圧力センサを用い、2つの接点のうち1つだけに圧力設定がされた構成であってもよい。
第1〜第3実施形態では、薬液キャビネット4には2つのサンプリング窓18,19が設けられているとして説明したが、サンプリング窓の個数は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0057】
サンプリング窓が1つだけ設けられる場合には、第1および第2実施形態において、異常圧力の判定に用いられる設定圧力検出信号は、4つある必要はなく、2つあれば足りる。この場合、圧力検出手段として、2接点型の圧力センサが用いられていてもよいし、圧力センサ40のような4接点型の圧力センサが用いられていて、そのうちの2つの接点だけに圧力設定がされていてもよい。
【0058】
また、第1、第2および第4の実施形態において、第1サンプリング窓18、第2サンプリング窓19および開口67のそれぞれの開度により、設定圧力検出信号の選択が行われていてもよい。すなわち、たとえば、開口67の一部のみをシャッタ68が覆う半閉成状態(半開成状態)が存在するならば、その状態に対応する上限圧力を設定してもよい。
同様に、第3の実施形態において、第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19の開度に応じた判定上限値の設定が行われていてもよい。
【0059】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】この発明の一実施形態に係る基板処理装置のレイアウトを示す図解的な平面図である。
【図2】薬液キャビネットの構成を示す図解的な断面図である。
【図3】薬液キャビネットの構成を模式的に示す平面図である。
【図4】基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】圧力異常検出動作を示すフローチャートである。
【図6】設定圧力検出信号の選択動作を示すフロートチャートである。
【図7】第2の実施形態に係る基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図8】第3の実施形態に係る基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図9】第3の実施形態に係る基板処理装置において行われる圧力異常検出を示すフローチャートである。
【図10】第3の実施形態に係る基板処理装置において行われる判定上限値の設定動作を示すフロートチャートである。
【図11】第4の実施形態に係る基板処理装置の処理室の構成を模式的に示す断面図である。
【図12】第4の実施形態に係る基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0061】
1,40,50,60 基板処理装置
3 処理室
4 薬液キャビネット(流体キャビネット)
10 薬液タンク(処理流体供給機構)
18 第1サンプリング窓(開口)
19 第2サンプリング窓(開口)
20 第1開閉扉(開閉手段)
21 第2開閉扉(開閉手段)
23,71 排気ダクト(排気手段)
25 圧力センサ(圧力検出手段)
30 制御装置
35 第1開閉センサ(開閉検出手段)
36 第2開閉センサ(開閉検出手段)
37 警報器(警報発生手段)
41 第1圧力センサ(圧力検出手段)
42 第2圧力センサ(圧力検出手段)
43 第3圧力センサ(圧力検出手段)
44 第4圧力センサ(圧力検出手段)
52 判定上限値設定部(閾値設定手段)
67 開口
68 シャッタ(開閉手段)
69 開閉センサ(開閉検出手段)
W ウエハ(基板)
【技術分野】
【0001】
本発明は、その内部で処理流体が取り扱われる処理流体室を有し、基板を処理するための基板処理装置に関する。処理の対象となる基板には、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、FED(Filed Emission Display)用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体装置や液晶表示装置の製造工程では、半導体ウエハや液晶表示パネル用ガラス基板等を、処理液によって処理する基板処理装置が用いられる。このような基板処理装置は、基板に薬液や純水からなる処理液を供給して、基板の表面に処理を施すための処理室を有している。処理室には、薬液キャビネットが接続されている。薬液キャビネット内には、処理室内で基板に供給される薬液を溜めておくための薬液タンクが収容されている(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−351709号公報
【0003】
このような薬液キャビネットは一般的に、薬液タンクに溜められている薬液を採取するためのサンプリング窓を有している。サンプリング窓には、そのサンプリング窓を開閉する開閉扉が取り付けられている。薬液の採取は、たとえば、薬液タンク内の薬液濃度を調べる際に必要となる。薬液キャビネットに薬液タンク内の薬液濃度を表示する濃度計が備えられている場合であっても、たとえば、濃度計の信頼性を確認する目的で、薬液タンク内の薬液を採取してその濃度の計測が必要となることがある。
【0004】
薬液キャビネットでは、薬液成分を含む雰囲気が薬液キャビネットの外部に漏洩しないように、内部の雰囲気を排気し、薬液キャビネット内を薬液キャビネットの外部の雰囲気圧力よりも低い圧力(負圧)にしている。そして、薬液キャビネット内に配設された圧力センサによって薬液キャビネット内の圧力が検出されている。
この圧力センサには、たとえば接点付き圧力計が用いられている。接点付き圧力計は、マイクロスイッチを内蔵しており、予め設定した圧力に達したときにマイクロスイッチが作動して警報信号を出力する。この警報信号を利用して、薬液キャビネット内における圧力異常が検出される。薬液キャビネット内の圧力の検出には、従来から、一つの圧力のみの設定が可能な1接点型の圧力計が適用されてきた。これは、上限圧力で警報信号を出力できれば充分であり、下限圧力での警報出力を併せて行える2接点型圧力計を適用する利益がないと考えられていたからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
薬液キャビネット内の圧力は、サンプリング窓が開状態か閉状態かで大きく異なる。すなわち、サンプリング窓が閉状態であれば、薬液キャビネット内を充分に排気でき、その内部の圧力を充分な負圧に維持できる。これに対して、薬液キャビネットが開状態のときには、サンプリング窓から周囲の雰囲気が流入するので、それに応じて薬液キャビネット内の圧力が高くなる。むろん、サンプリング窓を開いたときでも、薬液キャビネット内を負圧に維持できるように排気設計が行われていることは言うまでもない。
【0006】
一方、1接点型圧力計で構成される圧力センサによって検出すべき上限圧力は、サンプリング窓が開状態のときの薬液キャビネット内気圧を基準に設定されている。これは、サンプリング窓の閉状態を基準に上限圧力設定を行うと、サンプリング窓の開成時に圧力異常が検出されるおそれがあるからである。
しかし、サンプリング窓の開状態を基準とした上限圧力は、サンプリング窓の閉状態の圧力異常を検出するには高すぎるおそれがある。そのため、サンプリング窓が閉じられた状態で排気異常が発生した場合に、圧力異常を検出することができないおそれがある。そのため、薬液キャビネット内の圧力異常の発生を、精度良く検出することができなかった。
【0007】
基板に処理液が供給されて内部で基板を処理する処理室についても同様の課題がある。すなわち、外部に薬液成分を含む雰囲気が漏洩することがないように、処理室内の排気が行われるようになっている。処理室には、基板の搬入および搬出のための開口が形成されている。この開口は、シャッタで開閉できるようになっている。シャッタは、基板の搬入および搬出時には開かれ、その他の期間には閉成状態に保持される。処理室内の雰囲気の漏洩を防ぐために、処理室内の圧力を検出する圧力センサが備えられている。この圧力センサには、1接点型圧力計が適用される。そして、圧力センサから出力される警報信号に基づいて、処理室内の圧力異常を検出するようになっている。シャッタの開閉により、処理室内の圧力が大きく変動するので、圧力センサによって検出すべき上限圧力は、シャッタの開状態に対応する大きな値にせざるを得ない。そのため、シャッタ閉成時の圧力異常検出精度が犠牲になっている。
【0008】
そこで、この発明の目的は、処理流体室内の圧力異常を精度良く検出することができる基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、開口(18,19;67)を有し、内部で処理流体が取り扱われる処理流体室(4;3)と、前記処理流体室を負圧にするために、前記処理流体室内の雰囲気を排気する排気手段(23;71)と、前記処理流体室内の圧力を検出する圧力検出手段(25;41,42,43,44;51;70)と、前記開口を開閉するための開閉手段(20,21;68)と、前記開閉手段による前記開口の開閉状態を検出する開閉状態検出手段(35,36;69)と、この開閉状態検出手段による検出結果に応じて、前記圧力検出手段の出力に基づいて前記処理流体室内の圧力異常を判定するための判定基準を可変設定し、その設定された判定基準に基づいて圧力異常を判定する圧力異常判定手段(30)とを含む、基板処理装置である。
【0010】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
この発明によれば、圧力異常を判定するための判定基準が、開口の開閉状態に応じて変更される。したがって、開口の開閉状態に対応する処理流体室内の圧力を基準として判定基準を設定することにより、開口の開閉状態によらずに処理流体室内の圧力異常を検出することができる。これにより、処理流体室内の圧力異常を精度良く検出することができる。
【0011】
ここで、「負圧」とは、処理流体室の周囲の雰囲気圧力よりも低い圧力のことをいう。処理流体室内が負圧に維持されることによって、処理流体室内の雰囲気(処理流体を含む雰囲気)が処理流体室外に流出することを防止できる。
請求項2記載の発明は、前記圧力検出手段は、複数の異なる設定圧力を検出したときにそれぞれ設定圧力検出信号を出力するものであり、前記圧力異常判定手段は、前記開閉状態検出手段による検出結果に応じて、前記複数の異なる設定圧力のいずれかに対応する設定圧力検出信号を選択する信号選択手段(30)を含み、この選択手段によって選択された設定圧力検出信号が出力されると、圧力異常が発生したと判定するものである、請求項1記載の基板処理装置である。
【0012】
この発明によれば、複数の異なる設定圧力に対応する設定圧力検出信号が、開口の開閉状態に応じて選択される。そして、選択手段によって選択された設定圧力検出信号が圧力検出手段から出力されると、圧力異常が発生したと判定される。したがって、開口の開閉状態に対応する処理流体室内の圧力を基準として、設定圧力検出信号を選択することにより、開口の開閉状態にかかわらず処理流体室内の圧力異常を検出することができる。これにより、処理流体室内の圧力異常を精度良く検出することができる。
【0013】
前記圧力検出手段は、複数の異なる設定圧力を検出したときにそれぞれ設定圧力検出信号を出力する1つの圧力センサを用いて構成してもよい。より具体的には、たとえば、異なる設定圧力で信号出力が可能な2接点型の圧力センサを用いてもよい。
また、前記圧力検出手段は、複数の異なる設定圧力を検出したときにそれぞれ設定圧力検出信号を出力する複数の圧力センサを用いて構成することもできる。より具体的には、たとえば、1接点型の圧力センサを複数個用い、各圧力センサが異なる設定圧力で信号出力をするようにしておけばよい。
【0014】
請求項3記載の発明は、前記圧力検出手段は、前記処理流体室内の圧力に対して連続的に変化する出力信号を出力するものであり、前記圧力異常判定手段は、前記開閉状態検出手段による検出結果に応じて異なる判定閾値を設定する閾値設定手段(52)を含み、前記圧力検出手段の出力信号と前記閾値設定手段によって設定される判定閾値との比較結果に基づいて、圧力異常を判定するものである、請求項1記載の基板処理装置である。
【0015】
この発明によれば、開口の開閉状態に応じた判定閾値に基づいて、処理流体室内の圧力異常が判定される。したがって、開口の開閉状態に対応する処理流体室内の圧力を基準として判定閾値を設定することにより、開口の開閉状態にかかわらず処理流体室内の圧力異常を検出することができる。これにより、処理流体室内の圧力異常を精度良く検出することができる。
【0016】
なお、開閉状態検出手段は、請求項4に記載のように、前記開口が前記開閉手段によって閉じられた閉状態か、前記開口が開閉手段によって閉じられていない開状態かを検出するための開閉検出手段(35,36;69)を含むことが好ましい。
この場合、開口が開状態にあるときには、開口が閉状態のときよりも判定基準となる圧力値を大きくすることで、開口の開閉状態に伴う処理流体室内の圧力変化の影響を排除することができる。
【0017】
また、開閉状態検出手段は、開口の開度(開閉の度合い)を検出するものであってもよい。
さらに、処理流体室に複数の開口が形成されている場合には、開閉状態検出手段は、前記複数の開口がそれぞれ開状態か閉状態かを検出する複数の開閉検出手段を含むものであってもよい。たとえば、複数の開口の大きさ(開口面積)が等しい場合には、開閉状態検出手段は、開状態にある開口の個数を検出するようにしてもよい。また、複数の開口の大きさが互いに異なる場合には、開閉状態検出手段は、各開口の開閉状態を区別して検出するものであることが好ましい。
【0018】
また、開閉状態検出手段は、開閉手段の動作や位置を検出するセンサを含むものであってもよいし、たとえば、処理流体室内の圧力の急変(急減または急増)に基づいて開口の開閉を判定する手段を含むものであってもよい。
請求項5に記載のように、前記基板処理装置は、基板に処理流体を供給して基板を処理するための処理室(3)と、この処理室に処理流体を供給するための処理流体供給機構(10)を収容した処理流体キャビネット(4)とを含む場合に、前記処理流体室が、前記処理流体キャビネットを含んでいてもよい。この場合、処理流体キャビネット内の圧力異常を精度良く検出することができる。
【0019】
また、請求項6に記載のように、前記処理流体室が、基板に処理流体を供給して基板を処理するための処理室(3)を含むものであってもよい。この場合、処理室内の圧力異常を精度良く検出することができる。
さらに、前記圧力異常判定手段によって圧力異常が発生したと判定されたときに、警報を発生する警報発生手段(37)をさらに含んでいてもよい。
【0020】
この場合、処理流体室における圧力異常の発生を、オペレータに報らせることができる。これにより、処理流体室内の圧力異常の解消を促すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態(第1の実施形態)に係る基板処理装置1のレイアウトを示す図解的な平面図である。基板処理装置1は、基板の一例としての半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)Wの表面に処理流体としての薬液による処理を1枚ずつ施す枚葉式の装置であり、処理部PCと、処理部PCに結合されたインデクサ部INDとを備えている。
【0022】
処理部PCには、搬送路TPと、搬送路TPの両側に、この搬送路TPに沿って並べて形成された複数(この実施形態では、4つ)の処理室3と、同数の薬液キャビネット4とが配置されている。薬液キャビネット4は、各処理室3に隣接して配置されている。
搬送路TPには、搬送ロボットTRが配置されている。この搬送ロボットTRは、処理室3に対してハンドをアクセスさせることでウエハWを搬入および搬出することができる。
【0023】
インデクサ部INDの処理部PCと反対側には、複数のカセットCが並べて配置されるカセット載置部CSが設けられている。カセットCは、複数枚のウエハWを多段に積層した状態で収容することができる。
インデクサ部INDには、インデクサロボットIRが配置されている。このインデクサロボットIRは、カセット載置部CSに配置された各カセットCにハンドをアクセスさせて、カセットCからウエハWを取り出したり、カセットCにウエハWを収納したりすることができる。また、インデクサロボットIRは、搬送ロボットTRとの間でウエハWの受け渡しを行うことができる。
【0024】
各処理室3内には、後述するように、ウエハWをほぼ水平に保持して、回転させるスピンチャック5(図11参照)と、スピンチャック5に保持されたウエハWの表面に対して薬液を供給するための薬液ノズル6(図11参照)とが収容されている。
図2は、薬液キャビネット4の構成を示す図解的な断面図である。薬液キャビネット4は、その内部空間が、上壁7、下壁8および側壁9によって取り囲まれている。薬液キャビネット4には、処理室3の薬液ノズル6に供給すべき薬液を溜めておくための処理流体供給機構としての薬液タンク10が収容されている。薬液タンク10を収容しているために、薬液キャビネット4内の雰囲気は薬液成分を含む。
【0025】
薬液タンク10には、薬液供給管11の一端が接続されている。薬液供給管11の他端は、薬液ノズル6に接続されている。薬液供給管11の途中部には、薬液タンク10に溜められた薬液を汲み上げるためのポンプ12と、薬液供給管11の開閉を切り換えるための薬液バルブ13とが、薬液タンク10側からこの順で介装されている。
また、薬液タンク10の底部には、薬液採取管14の一端が接続されている。薬液採取管14の他端には、薬液採取ノズル15が接続されている。薬液採取管14の途中部には、薬液採取バルブ16が介装されている。
【0026】
薬液キャビネット4の側壁9には、薬液タンク10に溜められている薬液を採取する際に、薬液キャビネット4内にオペレータが手を差し入れるための第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19(図2では図示を省略。図3参照)が開口されている。
第1および第2サンプリング窓18,19の開口面積は等しくてもよいが、この実施形態では、第1サンプリング窓18は、第2サンプリング窓19よりも、その開口面積が大きくされている。第1サンプリング窓18は、片開き可能に取り付けられた開閉手段としての第1開閉扉20により開閉されている。第1サンプリング窓18に関連して、第1サンプリング窓18が第1開閉扉20によって閉じられた閉状態か、第1サンプリング窓18が第1開閉扉20によって閉じられていない開状態かを検出するための開閉検出手段としての第1開閉センサ35が取り付けられている。また、第2サンプリング窓19は、片開き可能に取り付けられた開閉手段としての第2開閉扉21(図2では図示を省略。図3参照)により開閉されている。第2サンプリング窓19に関連して、第2サンプリング窓19が第2開閉扉21によって閉じられた閉状態か、第2サンプリング窓19が第2開閉扉21によって閉じられていない開状態かを検出するための開閉検出手段としての第2開閉センサ36(図2では図示を省略。図3参照)が取り付けられている。
【0027】
薬液キャビネット4内には、薬液の採取のために用いられる薬液採取台22が収容されている。オペレータは、第1開閉扉20を開いて第1サンプリング窓18を開状態にしておき、薬液採取台22上に載置した容器に薬液採取ノズル15の先端を向けて、薬液採取バルブ16を開く。これにより、薬液タンク10に溜められている薬液を容器に採取することができる。
【0028】
また、薬液キャビネット4内には、薬液キャビネット4内の薬液成分を含む雰囲気を排気するための排気手段としての排気ダクト23が接続されている。この排気ダクト23は、工場内の排気設備に接続されている。この工場内の排気設備は常時稼動しており、排気ダクト23からの排気も常時行われている。
側壁9には、薬液キャビネット4の外部の清浄な空間からクリーンエアを取り込むための吸気口24が形成されている。薬液成分を含む雰囲気が排気ダクト23から排気されて、薬液キャビネット4内の圧力が、薬液キャビネット4の周囲の雰囲気圧力よりも低くなる。このため、クリーンエアが吸気口24から取り込まれる。薬液キャビネット4内がクリーンエアで置換される。これにより、薬液成分を含む雰囲気の薬液キャビネット4の外部への漏洩が防止されている。
【0029】
薬液キャビネット4内には、薬液キャビネット4内の圧力を検出するための圧力検出手段としての圧力センサ25が配設されている。
以下の説明では、圧力センサ25として、たとえば4接点型圧力センサを用いる構成を例にとって説明する。
この圧力センサ25は、4つの接点(第1接点,第2接点,第3接点,第4接点)を有しており、各接点に個別の圧力を設定できる構成になっている。第1接点には、第1設定圧力(たとえば、−100Pa)が設定されている。第2接点には、第2設定圧力(たとえば、−70Pa)が設定されている。第3接点には、第3設定圧力(たとえば、−50Pa)が設定されている。第4接点には、第4設定圧力(たとえば、−35Pa)が設定されている。
【0030】
圧力センサ25の測定圧力が第1接点に達すると、圧力センサ25から第1設定圧力検出信号が出力される。圧力センサ25の測定圧力が第2接点に達すると、圧力センサ25から第2設定圧力検出信号が出力される。圧力センサ25の測定圧力が第3接点に達すると、圧力センサ25から第3設定圧力検出信号が出力される。圧力センサ25の測定圧力が第4接点に達すると、圧力センサ25から第4設定圧力検出信号が出力される。
【0031】
図3は、薬液キャビネットの構成を模式的に示す平面図である。
薬液キャビネット4内の圧力は、第1サンプリング窓18の開閉および第2サンプリング窓19の開閉により変化する。具体的には、第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19の双方が閉状態にあるとき(図3(a)参照)、薬液キャビネット4内の圧力は、−120Pa程度と比較的低くなる。そして、第1サンプリング窓18が閉状態にあり、第2サンプリング窓19が開状態にあるとき(図3(b)参照)、薬液キャビネット4内の圧力は、−90Pa程度となる。第1サンプリング窓18が開状態にあり、第2サンプリング窓19が閉状態にあるとき(図3(c)参照)には、薬液キャビネット4内の圧力は、−70Pa程度となる。さらに、第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19の双方が開状態にあるとき、薬液キャビネット内の圧力は、−50Pa程度となる。
【0032】
図4は、基板処理装置1の電気的構成を示すブロック図である。
基板処理装置1は、マイクロコンピュータを含む構成の制御装置30を備えている。制御装置30には、薬液バルブ13が接続されている。
また、制御装置30には、圧力センサ25から出力される第1〜第4設定圧力検出信号、第1開閉センサ35から出力される検出信号、および第2開閉センサ36から出力される検出信号が入力されるようになっている。
【0033】
さらに、制御装置30には、警報発生手段としての警報器37が接続されている。この警報器37からは、所定の警報音または警報表示を出力することができるようになっている。
図5は、圧力異常検出動作を示すフローチャートである。
制御装置30は、第1開閉センサ35から出力される検出信号、および第2開閉センサ36から出力される検出信号を監視している。制御装置30は、第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19の開閉状態に応じて、第1〜第4設定圧力検出信号のうち1つの設定圧力検出信号を選択する(ステップS1)。
【0034】
制御装置30は、選択された設定圧力検出信号が圧力センサ25から出力されるか否かを監視している(ステップS2)。選択された設定圧力検出信号が圧力センサ25から出力されると(ステップS2でYES)、制御装置30は薬液キャビネット4内に圧力異常が発生したと判定し(ステップS4)、警報器37から所定の警報音または警報表示を出力させる(ステップS5)。
【0035】
図6は、ステップS1における設定圧力検出信号の選択動作を示すフロートチャートである。
制御装置30は、第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19の双方が閉状態にあるとき(ステップS12でYES、ステップS13でYES。図3(a)参照)、第1設定圧力(−100Pa)に対応する第1設定圧力検出信号を選択する(ステップS14)。第1サンプリング窓18が閉状態にあり、第2サンプリング窓19が開状態にあるとき(ステップS12でYES、ステップS13でNO。図3(b)参照)、制御装置30は第2設定圧力(−70Pa)に対応する第2設定圧力検出信号を選択する(ステップS15)。第1サンプリング窓18が開状態にあり、第2サンプリング窓19が閉状態にあるとき(ステップS12でNO、ステップS16でYES。図3(c)参照)、制御装置30は第3設定圧力(−50Pa)に対応する第3設定圧力検出信号を選択する(ステップS17)。また、第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19の双方が開状態にあるとき(ステップS12でNO、ステップS16でNO。図3(d)参照)、制御装置30は第4設定圧力(−35Pa)に対応する第4設定圧力検出信号を選択する(ステップS18)。
【0036】
以上により、この実施形態によれば、第1〜第4設定圧力に対応する第1〜第4設定圧力検出信号が、第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19の開閉に応じて選択される。そして、選択された設定圧力検出信号が圧力センサ25から出力されると、圧力異常が発生したと判定される。したがって、第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19の開閉に対応する薬液キャビネット4内の圧力を基準として、設定圧力検出信号を選択することにより、第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19の開閉にかかわらず薬液キャビネット4内の圧力異常を検出することができる。これにより、薬液キャビネット4内の圧力異常を精度良く検出することができる。
【0037】
図7は、この発明の他の実施形態(第2の実施形態)に係る基板処理装置40の電気的構成を示すブロック図である。この実施形態において、前述の図1〜図6の実施形態(第1の実施形態)に示された各部に対応する部分には、図1〜図6の場合と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。
この実施形態に係る基板処理装置40では、圧力検出手段として、4接点型の圧力センサ25に代えて4つの1接点型の圧力センサ41,42,43,4が用いられている。具体的には、薬液キャビネット4内には、第1圧力センサ41、第2圧力センサ42、第3圧力センサ43および第4圧力センサ44が配設されている。
【0038】
各圧力センサ41〜44は、1つの接点を有しており、その接点に所定の圧力を設定できるようになっている。第1圧力センサ41の接点には、第1設定圧力(たとえば、−100Pa)が設定されている。第2圧力センサ42の接点には、第2設定圧力(たとえば、−70Pa)が設定されている。第3圧力センサ43の接点には、第3設定圧力(たとえば、−50Pa)が設定されている。第4圧力センサ44の接点には、第4設定圧力(たとえば、−35Pa)が設定されている。
【0039】
第1圧力センサ41の測定圧力が第1接点に達すると、第1圧力センサ41から第1設定圧力検出信号が出力される。第2圧力センサ42の測定圧力が第2接点に達すると、第2圧力センサ42から第2設定圧力検出信号が出力される。第3圧力センサ43の測定圧力が第3接点に達すると、第3圧力センサ43から第3設定圧力検出信号が出力される。第4圧力センサ44の測定圧力が第4接点に達すると、第4圧力センサ44から第4設定圧力検出信号が出力される。第1〜第4圧力センサ41〜44からそれぞれ出力される設定圧力検出信号は、制御装置30に入力される。
【0040】
図5のステップS1と同様に、制御装置30は、第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19の開閉状態に応じて、第1〜第4設定圧力検出信号のうち1つの設定圧力検出信号を選択する。
そして、選択された設定圧力検出信号が第1〜第4圧力センサ41〜44から出力されると、制御装置30は、図5のステップS4,S5と同様、薬液キャビネット4内に圧力異常が発生したと判定し、警報器37から警報音または警報表示を出力させる。
【0041】
図8は、この発明のさらに他の実施形態(第3の実施形態)に係る基板処理装置50の電気的構成を示すブロック図である。この第3の実施形態において、前述の図1〜図6の実施形態(第1の実施形態)に示された各部に対応する部分には、図1〜図6の場合と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。
この実施形態では、接点付き圧力計からなる圧力センサ25に代えて、計測圧力に対して連続的に変化する出力信号を出力する圧力計測センサ51が用いられている。圧力計測センサ51は、たとえば電子式(シリコンダイヤフラム式)のものである。制御装置30には、この圧力計測センサ51から出力信号が入力されるようになっている。
【0042】
制御装置30には、薬液キャビネット4内の圧力異常のための判定上限値が設定された閾値設定手段としての判定上限値設定部52が設けられている。この判定上限値設定部52には、後述するように、第1開閉センサ35および第2開閉センサ36による検出結果に応じて、異なる判定上限値が設定される。
図9は、圧力異常検出動作を示すフローチャートである。
【0043】
制御装置30は、圧力計測センサ51から出力される出力信号を監視している。所定の制御周期毎に、制御装置30は圧力計測センサ51からの出力信号をチェックする(ステップS21)。また、制御装置30は、第1開閉センサ35および第2開閉センサ36の検出出力に基づいて、判定上限値設定部52に判定上限値を設定する(ステップS22)。
【0044】
圧力計測センサ51からの出力信号に対応する圧力値が、判定上限値設定部52に設定された判定上限値以上であるときには(ステップS23でYES)、制御装置30は薬液キャビネット4内に圧力異常が発生したと判定し(ステップS24)、警報器37から警報音または警報表示を出力させる(ステップS25)。
圧力計測センサ51からの出力信号に対応する圧力値が、判定上限値設定部52に設定された判定上限値未満であるときには、薬液キャビネット4内に圧力異常は生じていないとして、制御装置30は、再び、圧力計測センサ51からの出力信号を監視する。
【0045】
図10は、判定上限値の設定動作を示すフロートチャートである。
制御装置30は、第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19の双方が閉状態にあるとき(ステップS32でYES、ステップS33でYES。図3(a)参照)、第1設定圧力(−100Pa)を上限値に設定する(ステップS34)。第1サンプリング窓18が閉状態にあり、第2サンプリング窓19が開状態にあるとき(ステップS32でYES、ステップS33でNO。図3(b)参照)、制御装置30は第2設定圧力(−70Pa)を判定上限値に設定する(ステップS35)。第1サンプリング窓18が開状態にあり、第2サンプリング窓19が閉状態にあるとき(ステップS32でNO、ステップS36でYES。図3(c)参照)、第3設定圧力(−50Pa)を判定上限値に設定する(ステップS37)。また、第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19の双方が開状態にあるとき(ステップS32でNO、ステップS36でNO。図3(d)参照)、第4設定圧力(−35Pa)を判定上限値に設定する(ステップ38)。そして、判定上限値の設定動作は終了する。
【0046】
以上により、この実施形態によれば、第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19の開閉に応じた判定上限判定値に基づいて、薬液キャビネット4内の圧力異常が判定される。そして、したがって、第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19の開閉に対応する薬液キャビネット4内の圧力を基準として判定上限値を設定することにより、第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19の開閉にかかわらず薬液キャビネット4内の圧力異常を検出することができる。これにより、薬液キャビネット4内の圧力異常を精度良く検出することができる。
【0047】
図11は、この発明のさらに他の実施形態(第4の実施形態)に係る基板処理装置60の処理室の構成を模式的に示す断面図である。この第4の実施形態において、前述の図1〜図6の実施形態(第1の実施形態)に示された各部に対応する部分には、図1〜図6の場合と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。
処理室3は、その内部空間が、上壁61、下壁62および側壁63によって取り囲まれている。処理室3内には、ウエハWをほぼ水平に保持して、回転させるスピンチャック5と、スピンチャック5に保持されたウエハWの表面に対して薬液を供給するための薬液ノズル6とが収容されている。
【0048】
スピンチャック5は、モータ64と、このモータ64の回転駆動力によって鉛直軸線まわりに回転される円盤状のスピンベース65と、スピンベース65の周縁部の複数箇所にほぼ等間隔で設けられ、ウエハWをほぼ水平な姿勢で挟持するための複数個の挟持部材66とを備えている。これにより、スピンチャック5は、ウエハWを、ほぼ水平な姿勢を保った状態で、スピンベース65とともに鉛直軸線まわりに回転させることができる。
【0049】
薬液ノズル5には、薬液供給管11が接続されている。薬液ノズル5には、薬液供給管11を通して薬液タンク10に溜められている薬液が供給されるようになっている。
処理室3の側壁9には、処理室3内に対してウエハWを搬入および搬出するための開口67が形成されている。処理室3の外側には、開口67に基板搬送ロボットTRが対向している。基板搬送ロボットTRは、開口67を通して処理室3内にハンドをアクセスさせ、スピンチャック5上に未処理のウエハWを載置したり、スピンチャック5上から処理済のウエハWを取り除いたりすることができるようになっている。側壁63に形成された開口67に関連して、処理室3の外側には、開口67を開閉するための開閉手段としてのシャッタ68が設けられている。この開口67に関連して、開口67がシャッタ68によって閉じられた閉状態か、開口67がシャッタ68によって閉じられていない開状態かを検出するための開閉検出手段としての開閉センサ69が設けられている。
【0050】
処理室3内には、接点付き圧力計からなる圧力センサ70が配設されている。圧力センサ70には、第1実施形態の圧力センサ25とは異なり、2つの接点(第1接点(上限接点),第2接点(下限接点))を有する2接点型圧力センサが適用されている。
圧力センサ70は、各接点に個別の圧力を設定できる構成になっている。第1接点には、第1設定圧力(たとえば、−100Pa)が設定されている。第2接点には、第2設定圧力(たとえば、−50Pa)が設定されている。
【0051】
圧力センサ70の測定圧力が第1接点に達すると、圧力センサ70から第1設定圧力検出信号が出力される。圧力センサ70の測定圧力が第2接点に達すると、圧力センサ70から第2設定圧力検出信号が出力される。
また、処理室3内は、処理室3内の薬液成分を含む雰囲気を排気するための排気手段としての排気ダクト71が接続されている。この排気ダクト71は、工場内の排気設備に接続されている。薬液成分を含む雰囲気が排気ダクト71から排気されて、薬液キャビネット4内の圧力が、薬液キャビネット4の周囲の雰囲気圧力よりも低くなる。このため、クリーンエアが吸気口から取り込まれる。薬液キャビネット4内がクリーンエアで置換される。これにより、薬液成分を含む雰囲気の処理室3の外部への漏洩が防止されている。
【0052】
図12は、基板処理装置60の電気的構成を示すブロック図である。
制御装置30には、モータ64および警報器37が接続されている。
また、制御装置30には、圧力センサ70から出力される設定圧力検出信号、および開閉センサ69から出力される検出信号が入力されるようになっている。
制御装置30は、開口67の開閉状態に応じて、第1設定圧力検出信号および第2設定圧力検出信号のうちいずれかの設定圧力検出信号を選択する。具体的には、制御装置30は、開口67が閉状態にあるとき、第1設定圧力(−100Pa)を選択し、開口67が開状態にあるとき、第2設定圧力(−70Pa)を選択する。
【0053】
そして、選択された設定圧力検出信号が圧力センサ70から出力されると、制御装置30は、処理室3内に圧力異常が発生したと判定し、警報器37から警報音または警報表示を出力させる。
以上により、この実施形態によれば、第1設定圧力および第2設定圧力にそれぞれ対応する第1設定圧力検出信号および第2設定圧力検出信号が、開口67の開閉に応じて選択されている。そして、選択された設定圧力検出信号が圧力センサ70から出力されると、圧力異常が発生したと判定される。したがって、開口67の開閉に対応する処理室3内の圧力を基準として、設定圧力検出信号を選択することにより、開口67の開閉にかかわらず処理室3内の圧力異常を検出することができる。これにより、処理室3内の圧力異常を精度良く検出することができる。
【0054】
以上、この発明の4つの実施形態について説明したが、この発明は、さらに他の形態で実施することもできる。
第4実施形態では、処理室3は1つの開口67を有しているものとして説明したが、処理室3に複数の開口67(たとえば、基板搬入用開口および基板搬出用開口)が形成されていてもよい。この場合、複数の開口67の大きさが異なる場合には、第1および第2実施形態のように、3以上(好ましくは4)の設定圧力に対応する設定圧力検出信号を用いて、圧力異常の判定が行うことができる。複数の開口67の開口面積が等しく、かつ、一度に1つの開口のみが開かれるのであれば、2つの設定圧力に対応する設定圧力検出信号が得られれば充分である。
【0055】
また、処理室3内の圧力異常の検出を、第3実施形態のように圧力計測センサ51からの出力信号に対応する圧力値に基づいて用い、制御装置30の判定上限値設定部52に設定された判定上限値以上であるか否かに基づいて、処理室3内に圧力異常が判定される構成とすることもできる。
また、第1実施形態では、4接点型の圧力センサ25を用いたが、2接点型の圧力センサを2つ(第1圧力センサおよび第2圧力センサ)用いてもよい。この場合、第1圧力センサの上限接点U1、下限接点L1、および、第2圧力センサの上限接点U2、下限接点L2に、それぞれ異なる圧力値が設定されていて(たとえば、U1>U2>L1>L2)、第1および第2圧力センサの測定圧力が各接点に達すると、各圧力センサから設定圧力検出信号(第1実施形態における第1〜第4設定圧力検出信号)が出力される構成であることが好ましい。これにより、2接点型の圧力センサを2つ用いて、薬液キャビネット4内の圧力異常を検出することができる。
【0056】
また、第2実施形態では、1接点型の圧力センサ41〜44を用いたが、2接点型の圧力センサを用い、2つの接点のうち1つだけに圧力設定がされた構成であってもよい。
第1〜第3実施形態では、薬液キャビネット4には2つのサンプリング窓18,19が設けられているとして説明したが、サンプリング窓の個数は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0057】
サンプリング窓が1つだけ設けられる場合には、第1および第2実施形態において、異常圧力の判定に用いられる設定圧力検出信号は、4つある必要はなく、2つあれば足りる。この場合、圧力検出手段として、2接点型の圧力センサが用いられていてもよいし、圧力センサ40のような4接点型の圧力センサが用いられていて、そのうちの2つの接点だけに圧力設定がされていてもよい。
【0058】
また、第1、第2および第4の実施形態において、第1サンプリング窓18、第2サンプリング窓19および開口67のそれぞれの開度により、設定圧力検出信号の選択が行われていてもよい。すなわち、たとえば、開口67の一部のみをシャッタ68が覆う半閉成状態(半開成状態)が存在するならば、その状態に対応する上限圧力を設定してもよい。
同様に、第3の実施形態において、第1サンプリング窓18および第2サンプリング窓19の開度に応じた判定上限値の設定が行われていてもよい。
【0059】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】この発明の一実施形態に係る基板処理装置のレイアウトを示す図解的な平面図である。
【図2】薬液キャビネットの構成を示す図解的な断面図である。
【図3】薬液キャビネットの構成を模式的に示す平面図である。
【図4】基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】圧力異常検出動作を示すフローチャートである。
【図6】設定圧力検出信号の選択動作を示すフロートチャートである。
【図7】第2の実施形態に係る基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図8】第3の実施形態に係る基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図9】第3の実施形態に係る基板処理装置において行われる圧力異常検出を示すフローチャートである。
【図10】第3の実施形態に係る基板処理装置において行われる判定上限値の設定動作を示すフロートチャートである。
【図11】第4の実施形態に係る基板処理装置の処理室の構成を模式的に示す断面図である。
【図12】第4の実施形態に係る基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0061】
1,40,50,60 基板処理装置
3 処理室
4 薬液キャビネット(流体キャビネット)
10 薬液タンク(処理流体供給機構)
18 第1サンプリング窓(開口)
19 第2サンプリング窓(開口)
20 第1開閉扉(開閉手段)
21 第2開閉扉(開閉手段)
23,71 排気ダクト(排気手段)
25 圧力センサ(圧力検出手段)
30 制御装置
35 第1開閉センサ(開閉検出手段)
36 第2開閉センサ(開閉検出手段)
37 警報器(警報発生手段)
41 第1圧力センサ(圧力検出手段)
42 第2圧力センサ(圧力検出手段)
43 第3圧力センサ(圧力検出手段)
44 第4圧力センサ(圧力検出手段)
52 判定上限値設定部(閾値設定手段)
67 開口
68 シャッタ(開閉手段)
69 開閉センサ(開閉検出手段)
W ウエハ(基板)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有し、内部で処理流体が取り扱われる処理流体室と、
前記処理流体室を負圧にするために、前記処理流体室内の雰囲気を排気する排気手段と、
前記処理流体室内の圧力を検出する圧力検出手段と、
前記開口を開閉するための開閉手段と、
前記開閉手段による前記開口の開閉状態を検出する開閉状態検出手段と、
この開閉状態検出手段による検出結果に応じて、前記圧力検出手段の出力に基づいて前記処理流体室内の圧力異常を判定するための判定基準を可変設定し、その設定された判定基準に基づいて圧力異常を判定する圧力異常判定手段とを含む、基板処理装置。
【請求項2】
前記圧力検出手段は、複数の異なる設定圧力を検出したときにそれぞれ設定圧力検出信号を出力するものであり、
前記圧力異常判定手段は、前記開閉状態検出手段による検出結果に応じて、前記複数の異なる設定圧力のいずれかに対応する設定圧力検出信号を選択する信号選択手段を含み、この選択手段によって選択された設定圧力検出信号が出力されると、圧力異常が発生したと判定するものである、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記圧力検出手段は、前記処理流体室内の圧力に対して連続的に変化する出力信号を出力するものであり、
前記圧力異常判定手段は、前記開閉状態検出手段による検出結果に応じて異なる判定閾値を設定する閾値設定手段を含み、前記圧力検出手段の出力信号と前記閾値設定手段によって設定される判定閾値との比較結果に基づいて、圧力異常を判定するものである、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記開閉状態検出手段は、前記開口が前記開閉手段によって閉じられた閉状態か、前記開口が開閉手段によって閉じられていない開状態かを検出するための開閉検出手段を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記基板処理装置は、基板に処理流体を供給して基板を処理するための処理室と、この処理室に処理流体を供給するための処理流体供給機構を収容した処理流体キャビネットとを含み、
前記処理流体室は、前記処理流体キャビネットを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記処理流体室は、基板に処理流体を供給して基板を処理するための処理室を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項1】
開口を有し、内部で処理流体が取り扱われる処理流体室と、
前記処理流体室を負圧にするために、前記処理流体室内の雰囲気を排気する排気手段と、
前記処理流体室内の圧力を検出する圧力検出手段と、
前記開口を開閉するための開閉手段と、
前記開閉手段による前記開口の開閉状態を検出する開閉状態検出手段と、
この開閉状態検出手段による検出結果に応じて、前記圧力検出手段の出力に基づいて前記処理流体室内の圧力異常を判定するための判定基準を可変設定し、その設定された判定基準に基づいて圧力異常を判定する圧力異常判定手段とを含む、基板処理装置。
【請求項2】
前記圧力検出手段は、複数の異なる設定圧力を検出したときにそれぞれ設定圧力検出信号を出力するものであり、
前記圧力異常判定手段は、前記開閉状態検出手段による検出結果に応じて、前記複数の異なる設定圧力のいずれかに対応する設定圧力検出信号を選択する信号選択手段を含み、この選択手段によって選択された設定圧力検出信号が出力されると、圧力異常が発生したと判定するものである、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記圧力検出手段は、前記処理流体室内の圧力に対して連続的に変化する出力信号を出力するものであり、
前記圧力異常判定手段は、前記開閉状態検出手段による検出結果に応じて異なる判定閾値を設定する閾値設定手段を含み、前記圧力検出手段の出力信号と前記閾値設定手段によって設定される判定閾値との比較結果に基づいて、圧力異常を判定するものである、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記開閉状態検出手段は、前記開口が前記開閉手段によって閉じられた閉状態か、前記開口が開閉手段によって閉じられていない開状態かを検出するための開閉検出手段を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記基板処理装置は、基板に処理流体を供給して基板を処理するための処理室と、この処理室に処理流体を供給するための処理流体供給機構を収容した処理流体キャビネットとを含み、
前記処理流体室は、前記処理流体キャビネットを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記処理流体室は、基板に処理流体を供給して基板を処理するための処理室を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−158786(P2009−158786A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−336736(P2007−336736)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】
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