説明

定電圧電源回路

【課題】 出力電流の制限値が測定装置の測定範囲を超えた場合でも該測定装置で制限電流値を測定することができる、電流制限回路を備えた定電圧電源回路を得る。
【解決手段】 制限電流測定時には、測定装置から負荷10に、所定の定電圧V1よりも少し小さい電圧Vsが印加されると共に、該測定装置によってテスト信号S1をハイレベルにして負荷10に大きな電流を流し、入力電圧VddとNMOSトランジスタM4のドレインとの間に接続される抵抗値を、抵抗R4と抵抗R3の各抵抗値の和になるようにして、通常動作時と比較して小さい電流値で出力電流ioの電流制限がかかるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出力電流の制限を行う電流制限回路を備えた定電圧電源回路に関し、特に、出力電流の制限電流値が測定装置の測定範囲を超える場合でも該測定装置で測定することができる定電圧電源回路に関する。
【背景技術】
【0002】
図6は、電流制限回路を備えた定電圧電源回路の従来例を示した回路図である。
図6において、定電圧電源回路100は、入力電圧Vddを所定の定電圧に変換し出力電圧Voとして出力端子OUTから出力する定電圧回路部101と、出力端子OUTから出力される電流ioの制限を行う電流制限回路部102とで構成されている。
定電圧回路部101は、PMOSトランジスタからなる電圧制御素子Maと、出力電圧Voを分圧して出力する抵抗Ra,Rb、所定の基準電圧Vrを生成して出力する基準電圧発生回路105及び演算増幅回路AMPaで構成されている。
【0003】
電流制限回路部102は、電圧制御素子Maと同じゲート電圧が入力されるPMOSトランジスタMbと、PMOSトランジスタMbのドレイン電流ibと同じ電流が流れるNMOSトランジスタMcと、NMOSトランジスタMcとカレントミラー回路を構成するNMOSトランジスタMdと、NMOSトランジスタMdに流れる電流idを電圧に変換する抵抗Rcと、抵抗Rcで変換された電圧がゲートに入力されているPMOSトランジスタMeで構成されている。
【0004】
なお、定電圧回路部101を構成している抵抗Ra,Rbは、大きな抵抗値の抵抗であり、抵抗Ra及びRbに流れる電流は、電圧制御素子Maに流れる電流iaと比較して無視できるほど小さく、出力端子OUTから出力される電流ioは電流iaと同じ電流値であるものとする。
電流制限回路部102のPMOSトランジスタMbのゲートが電圧制御素子Maのゲートに接続され、電圧制御素子MaとPMOSトランジスタMbのソースは共に電源電圧Vddに接続されている。このことから、PMOSトランジスタMbのドレイン電流ibは電圧制御素子Maに流れる電流iaと同じか、又は比例した電流になる。通常の構成ではia≫ibになるようにしている。
【0005】
NMOSトランジスタMcのゲートとNMOSトランジスタMdのゲートは接続され、更にNMOSトランジスタMcにおいてゲートはドレインに接続されている。また、NMOSトランジスタMcのソースとNMOSトランジスタMdのソースは共に接地電圧に接続され、NMOSトランジスタMcとNMOSトランジスタMdはカレントミラー回路を構成している。
PMOSトランジスタMbのドレインとNMOSトランジスタMcのドレインは接続されていることから、PMOSトランジスタMbのドレイン電流ibはNMOSトランジスタMcのドレイン電流icでもある。NMOSトランジスタMcとNMOSトランジスタMdはカレントミラー回路を構成していることから、NMOSトランジスタMdのドレイン電流idも電圧制御素子Maに流れる電流iaと同じか、又は比例した電流になる。通常の構成ではia≫idになるようにしている。
【0006】
NMOSトランジスタMdのドレインと電源電圧Vddとの間には抵抗Rcが接続されていることから、抵抗RcにはNMOSトランジスタMdのドレイン電流idが流れ、抵抗Rcの両端にはNMOSトランジスタMdのドレイン電流idに比例した電圧が発生する。更に、前述したように、ドレイン電流idと電圧制御素子Maに流れる電流iaは比例関係にあるので、抵抗Rcの両端の電圧は電圧制御素子Maに流れる電流iaに比例した電圧になる。
定電圧回路部101の出力電流ioが増加して、電圧制御素子Maに流れる電流iaが増加すると、該電流iaに比例して抵抗Rcに流れる電流idが増加し電圧降下が大きくなる。
【0007】
このため、PMOSトランジスタMeのソース・ゲート間電圧が増加し、PMOSトランジスタMeのしきい値電圧を超えるとPMOSトランジスタMeがオンする。PMOSトランジスタMeは、ドレインが電圧制御素子Maのゲートに接続されているため、電圧制御素子Maのソース・ゲート間電圧を増加させないように動作する。この結果、図7で示すように、電圧制御素子Maに流れる電流iaを抑制し、出力電流ioが所定の制限電流値imaxに制限される。
【0008】
また、短絡電流制限回路とリミット回路とを1つの回路構成として組み込み、回路の簡略化と小型化を可能にし、両回路での制限値を随意に設定することができ、複数の制限値を持たせることができる過電流保護回路があった(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−186554号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
近年、電子機器の多機能化が進むと共に該機器の消費電流も増加し、機器の回路を作動させる定電圧電源回路から供給することができる電流も増加してきている。このため、定電圧電源回路の出力電流の制限電流値も以前と比較して大きくなってきた。
しかし、従来の定電圧電源回路に対する測定装置では、大きくなった定電圧電源回路の出力電流に対応することができない状態にある。例えば、300mAまでの電流を測定することができる従来の測定装置では、出力電流ioの制限電流が500mAの定電圧電源回路の制限電流を測定することができなかった。言うまでもなく、設備を更新して500mA以上の電流を測定できる測定装置を導入すればこの問題は解決するが、このようにするためには多額の投資を必要とする。しかも従来の測定装置で十分な定電圧電源回路が多数を占めている現状では、新しい設備を直ぐに導入することは経済上の観点からも得策ではなかった。
【0010】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、出力電流の制限値が測定装置の測定範囲を超えた場合でも該測定装置で制限電流値を測定することができる、電流制限回路を備えた定電圧電源回路を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係る定電圧電源回路は、入力端子INに入力された入力電圧を所定の定電圧V1に変換して出力端子OUTから出力する定電圧回路部と、該出力端子OUTから出力される電流ioを所定の制限電流値に制限する電流制限回路部とを備えた定電圧電源回路において、
前記電流制限回路部は、
出力電流ioに比例した電流を生成して出力する比例電流生成回路部と、
該比例電流生成回路部から出力された比例電流を電圧に変換する電流−電圧変換回路部と、
該電流−電圧変換回路部で変換された電圧に応じて、出力電流ioが所定の第1制限電流値以下になるように前記定電圧回路部に対して出力電流ioの制限を行う制限回路部と、
を備え、
前記電流−電圧変換回路部は、前記制限電流値を測定する測定動作を行うために外部から所定のテスト信号が入力されると、前記制限電流値が第1制限電流値未満の所定の第2制限電流値以下になるように前記比例電流に対する変換電圧値を変えるものである。
【0012】
具体的には、前記電流−電圧変換回路部は、
前記比例電流を電圧に変換する、複数の抵抗で構成された抵抗回路と、
前記外部からのテスト信号に応じて該抵抗回路の合成抵抗値を変え、前記比例電流に対する変換電圧値を変える抵抗値制御回路と、
を備えるようにした。
【0013】
また、この発明に係る定電圧電源回路は、入力端子INに入力された入力電圧を所定の定電圧V1に変換して出力端子OUTから出力する定電圧回路部と、該出力端子OUTから出力される電流ioを所定の制限電流値に制限する電流制限回路部とを備えた定電圧電源回路において、
前記電流制限回路部は、
出力電流ioに比例した電流を生成して出力する比例電流生成回路部と、
該比例電流生成回路部から出力された比例電流を電圧に変換する電流−電圧変換回路部と、
該電流−電圧変換回路部で変換された電圧に応じて、出力電流ioが所定の第1制限電流値以下になるように前記定電圧回路部に対して出力電流ioの制限を行う制限回路部と、
を備え、
前記比例電流生成回路部は、外部から所定のテスト信号が入力されると、前記制限電流値が第1制限電流値未満の所定の第2制限電流値以下になるように、出力電流ioに対する比例電流値を変えるものである。
【0014】
具体的には、前記比例電流生成回路部は、
出力電流ioに比例した電流を生成して出力する電流生成回路部と、
該電流生成回路部から出力された電流に応じた電流を前記電流−電圧変換回路部に出力するカレントミラー回路部と、
を備え、
前記カレントミラー回路部は、前記外部からのテスト信号に応じて、電流−電圧変換回路部への出力電流値を変えるようにした。
【0015】
また、前記カレントミラー回路部は、
前記電流生成回路部からの電流が入力される入力側トランジスタと、
該入力側トランジスタに入力された電流に応じた電流をそれぞれ生成して出力する複数の出力側トランジスタと、
前記外部からのテスト信号に応じて、該各出力側トランジスタで生成されたそれぞれの電流の前記電流−電圧変換回路部への出力制御を行う出力電流制御回路と、
を備えるようにした。
【0016】
また、前記カレントミラー回路部は、
前記電流生成回路からの電流がそれぞれ入力される複数の入力側トランジスタと、
該各入力側トランジスタに入力された電流に応じた電流を生成して出力する出力側トランジスタと、
前記外部からのテスト信号に応じて、前記各入力側トランジスタの動作を制御するトランジスタ制御回路と、
を備え、
前記トランジスタ制御回路は、前記テスト信号が所定の制限電流値測定動作を行うことを示している場合は、該テスト信号が通常動作を行うことを示している場合よりも、動作させる前記入力側トランジスタの数が少なくなるように、前記各入力側トランジスタの動作を制御するようにしてもよい。
【0017】
一方、前記比例電流生成回路部は、
出力電流ioに比例した電流を生成して出力する電流生成回路部と、
該電流生成回路部から出力された電流に応じた電流を前記電流−電圧変換回路部に出力するカレントミラー回路部と、
を備え、
前記電流生成回路部は、前記外部からのテスト信号に応じて、カレントミラー回路部への出力電流値を変えるようにしてもよい。
【0018】
この場合、前記電流生成回路部は、
前記出力電流ioに比例した電流をそれぞれ生成して出力する各電流源と、
前記外部からのテスト信号に応じて、該各電流源からのそれぞれの電流に対して前記カレントミラー回路部への出力制御を行う出力制御回路と、
を備え、
前記出力制御回路は、前記テスト信号が所定の制限電流測定動作を行うことを示している場合は、該テスト信号が通常動作を行うことを示している場合よりも前記カレントミラー回路部への出力電流値が大きくなるように、前記各電流源からのそれぞれの電流に対して前記カレントミラー回路部への出力制御を行うようにした。
【0019】
また、前記定電圧回路部は、制限電流値の測定を行う前記制限電流測定動作時に、出力端子OUTに前記定電圧V1未満の電圧が外部から印加されるようにした。
【発明の効果】
【0020】
本発明の定電圧電源回路によれば、出力電流ioの制限電流値を測定する測定動作を行う際に、該制限電流値を通常動作時の制限電流値よりも小さくなるようにしたことから、通常動作時の制限電流値が大き過ぎて測定することができなかった測定装置を使用して、制限電流値の測定を行うことができる。このため、新しい設備投資を行うことなく、定電圧電源回路における出力電流ioの制限電流値を測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、図面に示す実施の形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
第1の実施の形態.
図1は、本発明の第1の実施の形態における定電圧電源回路の構成例を示した図である。
図1において、定電圧電源回路1は、入力端子INに入力された入力電圧Vddを、所定の定電圧V1に変換し出力電圧Voとして出力端子OUTから負荷10に出力する。
【0022】
定電圧電源回路1は、入力電圧Vddを所定の定電圧に変換して出力端子OUTから出力する定電圧回路部2と、出力端子OUTから出力される電流ioの制限を行う電流制限回路部3とで構成されている。
定電圧回路部2は、出力端子OUTから出力される電流値に対応したゲート電圧が印加されて出力端子OUTの電圧を所定の定電圧値となるように制御を行うPMOSトランジスタからなる電圧制御素子M1と、出力電圧Voを分圧して分圧電圧VFBを生成し出力する出力電圧検出用の抵抗R1,R2と、所定の基準電圧Vrを生成して出力する基準電圧発生回路11と、分圧電圧VFBが基準電圧Vrになるように電圧制御素子M1の動作制御を行う演算増幅回路AMP1とで構成されている。
【0023】
入力電圧Vddと接地電圧との間には、電圧制御素子M1、抵抗R1及びR2が直列に接続されており、電圧制御素子M1と抵抗R1との接続部は出力端子OUTに接続されている。抵抗R1とR2は、出力電圧Voを分圧して分圧電圧VFBを生成し、該分圧電圧VFBは演算増幅回路AMP1の非反転入力端に入力されている。演算増幅回路AMP1の反転入力端には基準電圧Vrが入力され、演算増幅回路AMP1の出力端は電圧制御素子M1のゲートに接続されている。なお、定電圧回路部2を構成している抵抗R1,R2は、大きな抵抗値の抵抗であり、抵抗R1及びR2に流れる電流iRは、電圧制御素子M1に流れる電流i1と比較して無視できるほど小さく、出力端子OUTから出力される電流ioは電流i1と同じ電流値であるものとする。
【0024】
次に、電流制限回路部3は、電圧制御素子M1と同じゲート電圧が入力されるPMOSトランジスタM2と、PMOSトランジスタM2のドレイン電流i2と同じ電流が流れるNMOSトランジスタM3と、NMOSトランジスタM3とカレントミラー回路を構成するNMOSトランジスタM4と、NMOSトランジスタM4に流れる電流i4を電圧に変換する抵抗R3,R4と、抵抗R3,R4で変換された電圧がゲートに入力されているPMOSトランジスタM5とで構成されている。なお、PMOSトランジスタM2及びNMOSトランジスタM3,M4は比例電流生成回路部を、抵抗R3,R4及びPMOSトランジスタM6は電流−電圧変換回路部を、PMOSトランジスタM5は制限回路部をそれぞれなす。また、抵抗R3,R4は抵抗回路を、PMOSトランジスタM6は抵抗値制御回路をそれぞれなす。
【0025】
入力電圧Vddと接地電圧との間にはPMOSトランジスタM2及びNMOSトランジスタM3が直列に接続されており、PMOSトランジスタM2のゲートは電圧制御素子M1のゲートに接続されている。NMOSトランジスタM3及びM4の各ゲートは接続され、該接続部はNMOSトランジスタM3のドレインに接続されている。また、入力電圧Vddと接地電圧との間には抵抗R4、抵抗R3及びNMOSトランジスタM4が直列に接続され、抵抗R4にはPMOSトランジスタM6が並列に接続されている。PMOSトランジスタM6のゲートには、外部からのテスト信号S1が入力されている。また、入力電圧Vddと電圧制御素子M1のゲートとの間には、PMOSトランジスタM5が接続され、PMOSトランジスタM5のゲートは、抵抗R3とNMOSトランジスタM4との接続部に接続されている。
【0026】
このような構成において、通常動作時には、制限電流測定装置(図示せず)からのテスト信号S1がローレベルになってPMOSトランジスタM6をオンさせ、抵抗R4をショートさせている。この状態では、電圧制御素子M1とPMOSトランジスタM2のソースは共に入力電圧Vddに接続されていることから、PMOSトランジスタM2のドレイン電流i2は電圧制御素子M1に流れる電流i1と同じか、又は比例した電流になる。通常の構成ではi1≫i2になるようにしている。
PMOSトランジスタM2のドレインとNMOSトランジスタM3のドレインは接続されていることから、PMOSトランジスタM2のドレイン電流i2はNMOSトランジスタM3のドレイン電流i3でもある。NMOSトランジスタM3とNMOSトランジスタM4はカレントミラー回路を構成していることから、NMOSトランジスタM4のドレイン電流i4も電圧制御素子M1に流れる電流i1と同じか、又は比例した電流になる。通常の構成ではi1≫i4になるようにしている。
【0027】
NMOSトランジスタM4のドレインと入力電圧Vddとの間にはPMOSトランジスタM6を介して抵抗R3が接続されていることから、抵抗R3にはNMOSトランジスタM4のドレイン電流i4が流れ、抵抗R3の両端にはNMOSトランジスタM4のドレイン電流i4に比例した電圧が発生する。更に、前述したように、ドレイン電流i4と電圧制御素子M1に流れる電流i1は比例関係にあるので、抵抗R3の両端の電圧は電圧制御素子M1に流れる電流i1に比例した電圧になる。
定電圧回路部2の出力電流ioが増加して、電圧制御素子M1に流れる電流i1が増加すると、該電流i1に比例して抵抗R3に流れる電流i4が増加し電圧降下が大きくなる。
【0028】
このため、PMOSトランジスタM5のソース・ゲート間電圧が増加し、PMOSトランジスタM5のしきい値電圧を超えるとPMOSトランジスタM5がオンする。PMOSトランジスタM5は、ドレインが電圧制御素子M1のゲートに接続されているため、電圧制御素子M1のソース・ゲート間電圧を増加させないように動作する。この結果、図2で示すように、電圧制御素子M1に流れる電流i1を抑制し、出力電流ioが所定の制限電流値imaxに制限される。
【0029】
次に、制限電流測定装置(以下、測定装置と呼ぶ)による制限電流測定時の動作について説明する。
制限電流測定時には、該測定装置から負荷10に、所定の定電圧V1よりも少し小さい電圧Vsを印加すると共に、該測定装置によってテスト信号S1がハイレベルになる。負荷10に所定の定電圧V1よりも少し小さい電圧Vsが印加されると、定電圧回路部2は、出力電圧Voを所定の電圧V1まで上昇させようとして、負荷10に大きな電流を流す。測定装置によって負荷10に印加される電圧Vsのインピーダンスが十分に小さければ、定電圧回路部2の出力電流ioは、テスト信号S1がローレベルの通常動作時には、電流制限回路が電流制限動作を開始する電流値imaxまで大きくなる。
【0030】
一方、テスト信号S1がハイレベルになるとPMOSトランジスタM6をオフさせるので、入力電圧VddとNMOSトランジスタM4のドレインとの間に接続される抵抗値は、抵抗R4と抵抗R3の各抵抗値の和になる。
PMOSトランジスタM5のゲート電圧は、抵抗R3と抵抗R4の抵抗値の和とNMOSトランジスタM4のドレイン電流i4の積であることから、通常動作時に比べて小さい電流値で出力電流ioの電流制限がかかる。抵抗R3と抵抗R4の抵抗値の関係が分かっていれば、制限電流測定時の制限電流値と通常動作時の制限電流値との関係も分かるので、通常動作時の制限電流値を求めることができる。
【0031】
図2は出力電圧Voと出力電流ioとの関係例を示した図である。
図2のimaxが通常動作時の出力電流ioの制限電流値であり、imax1が制限電流測定時の出力電流ioの制限電流値である。制限電流値imax1を測定装置の測定可能電流値以下になるようにすることで、通常動作時は測定装置の最大値を超える制限電流値imaxであっても、測定時の制限電流値が測定可能な制限電流値imax1に設定される。このため、従来の測定装置で制限電流値を測定し、その測定結果から通常動作時の制限電流値を求めることができる。なお、制限電流値imaxは第1制限電流値を、制限電流値imax1は第2制限電流値をそれぞれなす。
【0032】
ここで、制限電流値imax1から制限電流値imaxを求める方法について説明する。
電流制限がかかるときのPMOSトランジスタM5のゲート電圧をVmax、抵抗R3の抵抗値をr3、抵抗R4の抵抗値をr4、通常動作時のNMOSトランジスタM4のドレイン電流をi4、制限電流測定時のNMOSトランジスタM4のドレイン電流をi4tとすると、通常動作時のVmaxは下記(1)式で示すことができる。
Vmax=r3×i4………………(1)
【0033】
制限電流測定時のVmaxは下記(2)式で示すことができる。
Vmax=(r3+r4)×i4t………………(2)
前記(1)式と(2)式のVmaxは同じ値であることから、
r3×i4=(r3+r4)×i4t………………(3)
i4t=i4×r3/(r3+r4)………………(4)
NMOSトランジスタM4のドレイン電流i4及びi4tは制限電流値imaxとimax1に比例した電流であるから、制限電流測定時の制限電流値imax1はr3/(r3+r4)倍に減少することが分かる。
【0034】
例えば、抵抗R3と抵抗R4の抵抗値を同じにすると、通常動作時と比較して、制限電流測定時の制限電流値を半分にすることができる。すなわち、最大測定電流が300mAの測定装置においても通常動作時の制限電流が500mAの定電圧電源回路の制限電流に対して、制限電流測定値が250mAとして測定することができ、該測定値を2倍にすれば通常動作時の制限電流値500mAを求めることができる。
【0035】
このように、制限電流測定時には、該測定装置から負荷10に、所定の定電圧V1よりも少し小さい電圧Vsが印加されると共に、測定装置によってテスト信号S1をハイレベルにして負荷10に大きな電流を流し、入力電圧VddとNMOSトランジスタM4のドレインとの間に接続される抵抗値を、抵抗R4と抵抗R3の各抵抗値の和になるようにして、通常動作時と比較して小さい電流値で出力電流ioの電流制限がかかるようにした。このことから、制限電流測定時において、通常動作時に比べて小さい電流値で出力電流ioの電流制限がかかるようにし、抵抗R3と抵抗R4の抵抗値の関係から制限電流測定時の制限電流値と通常動作時の制限電流値の関係が分かり、通常動作時の制限電流値を求めることができる。このため、通常動作時の出力電流の制限値が測定装置の測定範囲を超える場合でも該測定装置で制限電流値を測定することができる。
【0036】
第2の実施の形態.
前記第1の実施の形態では、制限電流測定時に電流−電圧変換抵抗を大きくすることにより、電流制限回路部3が電流制限動作を開始する出力電流ioの電流値を小さくするようにしたが、制限電流測定時に抵抗R3に流れる電流を増加させて、電流制限回路部3が電流制限動作を開始する出力電流ioの電流値を小さくするようにしてもよく、このようにしたものを本第2の実施の形態とする。
図3は、本第2の実施の形態における定電圧電源回路の例を示した回路図である。なお、図3では、図1と同じもの又は同様のものは同じ符号で示し、ここではその説明を省略すると共に図1との相違点のみ説明する。
【0037】
図3における図1との相違点は、PMOSトランジスタM6及び抵抗R4をなくし、NMOSトランジスタM7及びM8を追加し、カレントミラー回路を構成するトランジスタの構成比を変えることによって抵抗R3に流れる電流値を変えるようにしたことにある。これに伴って、図1の電流制限回路部3を電流制限回路部3aに、図1の定電圧電源回路1を定電圧電源回路1aにした。
図3において、定電圧電源回路1aは、定電圧回路部2と、出力端子OUTから出力される電流ioの制限を行う電流制限回路部3aとで構成されている。
【0038】
電流制限回路部3aは、PMOSトランジスタM2と、NMOSトランジスタM3と、NMOSトランジスタM3とカレントミラー回路を構成するNMOSトランジスタM4,M7と、NMOSトランジスタM4に流れる電流i4又は電流i4にNMOSトランジスタM7に流れる電流i7を加えた電流(i4+i7)を電圧に変換する抵抗R3と、抵抗R3で変換された電圧がゲートに入力されているPMOSトランジスタM5と、テスト信号S1に応じてNMOSトランジスタM7の抵抗R3への接続制御を行うNMOSトランジスタM8で構成されている。なお、PMOSトランジスタM2及びNMOSトランジスタM3,M4,M7,M8は比例電流生成回路部を、抵抗R3は電流−電圧変換回路部をそれぞれなし、NMOSトランジスタM3,M4,M7,M8はカレントミラー回路部をなす。
【0039】
NMOSトランジスタM3、M4及びM7の各ゲートは接続され、該接続部はNMOSトランジスタM3のドレインに接続されている。また、入力電圧Vddと接地電圧との間には抵抗R3及びNMOSトランジスタM4が直列に接続され、NMOSトランジスタM4にはNMOSトランジスタM8及びM7の直列回路が並列に接続されている。NMOSトランジスタM8のゲートには、外部からのテスト信号S1が入力されている。
【0040】
このような構成において、通常動作時は、テスト信号S1をローレベルにしていることから、NMOSトランジスタM8はオフし、NMOSトランジスタM7のドレイン電流i7は抵抗R3に流れず、抵抗R3にはNMOSトランジスタM4のドレイン電流i4のみが流れる。制限電流測定時には、測定装置によって負荷10に所定の定電圧V1よりも少し小さい電圧Vsが印加されると共に、テスト信号S1がハイレベルになる。負荷10に所定の定電圧V1よりも少し小さい電圧Vsを印加した場合の動作は、前記第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0041】
制限電流測定時においてテスト信号S1がハイレベルになると、NMOSトランジスタM8はオンし、NMOSトランジスタM7のドレインと抵抗R3が接続され、抵抗R3にはNMOSトランジスタM4のドレイン電流i4とNMOSトランジスタM7のドレイン電流i7との和電流が流れる。このため、同じ出力電流値に対して通常動作時よりも抵抗R3には多くの電流が流れるため、通常動作時よりも小さい電流値で出力電流ioの制限をかけることができる。
例えば、NMOSトランジスタM7のドレイン電流i7がNMOSトランジスタM4のドレイン電流i4と同じ電流値になるようにNMOSトランジスタM7をNMOSトランジスタM4と同じものにすると、通常動作時と比較して、制限電流測定時の制限電流値を半分にすることができる。すなわち、最大測定電流が300mAの測定装置においても、例えば、通常動作時の制限電流が500mAの定電圧電源回路の制限電流値を測定することができ、前記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0042】
第3の実施の形態.
前記第2の実施の形態では、カレントミラー回路の出力側のトランジスタ構成を変えることにより抵抗R3に流れる電流を変えるようにしたが、カレントミラー回路の入力側のトランジスタ構成を変えることにより抵抗R3に流れる電流を変えるようにしてもよく、このようにしたものを本発明の第3の実施の形態とする。
図4は、本発明の第3の実施の形態の定電圧電源回路の例を示した回路図である。なお、図4では、図1と同じもの又は同様のものは同じ符号で示し、ここではその説明を省略すると共に図1との相違点のみ説明する。
【0043】
図4における図1との相違点は、PMOSトランジスタM6及び抵抗R4をなくし、NMOSトランジスタM3の代わりにNMOSトランジスタM3a及びM3bを設けると共に、NMOSトランジスタM9,M10及びインバータINVを追加して、カレントミラー回路を構成するトランジスタの構成比を変えることによって抵抗R3に流れる電流値を変えるようにしたことにある。これに伴って、図1の電流制限回路部3を電流制限回路部3bに、図1の定電圧電源回路1を定電圧電源回路1bにした。
図4において、定電圧電源回路1bは、定電圧回路部2と、出力端子OUTから出力される電流ioの制限を行う電流制限回路部3bとで構成されている。
【0044】
電流制限回路部3bは、PMOSトランジスタM2、カレントミラー回路の入力側のトランジスタをなすNMOSトランジスタM3a,M3b、カレントミラー回路の出力側のトランジスタをなすNMOSトランジスタM4、抵抗R3、PMOSトランジスタM5、テスト信号S1に応じてNMOSトランジスタM3bの動作制御を行うNMOSトランジスタM9,M10及びインバータINVで構成されている。なお、PMOSトランジスタM2、NMOSトランジスタM3a,M3b,M4,M9,M10及びインバータINVは比例電流生成回路部を、NMOSトランジスタM3a,M3b,M4,M9,M10及びインバータINVはカレントミラー回路部をそれぞれなす。NMOSトランジスタM3a,M3bはそれぞれカレントミラー回路部の入力側トランジスタを、NMOSトランジスタM4はカレントミラー回路部の出力側トランジスタを、NMOSトランジスタM9,M10及びインバータINVはトランジスタ制御回路をそれぞれなす。
【0045】
NMOSトランジスタM3a及びM4の各ゲートは接続され、該接続部はNMOSトランジスタM3aのドレインに接続されている。また、入力電圧Vddと接地電圧との間にはPMOSトランジスタM2及びM3aが直列に接続され、NMOSトランジスタM3aにはNMOSトランジスタM3bが並列に接続されている。NMOSトランジスタM3bのドレインとゲートとの間には、NMOSトランジスタM9が接続され、NMOSトランジスタM3bのゲートと接地電圧との間にはNMOSトランジスタM10が接続されている。NMOSトランジスタM10のゲートにはテスト信号S1が入力され、NMOSトランジスタM9のゲートには、テスト信号S1の信号レベルがインバータINVによって反転された信号が入力されている。
【0046】
このような構成において、通常動作時はテスト信号S1がローレベルであり、NMOSトランジスタM9はオンして、NMOSトランジスタM10はオフする。このため、NMOSトランジスタM3a及びM3bの各ゲートは同電圧になり、NMOSトランジスタM3aに流れる電流i3aにNMOSトランジスタM3bに流れる電流i3bを加算した電流は、PMOSトランジスタM2のドレイン電流i2に等しい電流になり、該電流は図1のドレイン電流i3と同じ電流値になるようにNMOSトランジスタM3a及びM3bが形成されている。このため、定電圧電源回路1bは、通常動作時には、図1の定電圧電源回路1と同じ動作を行う。
【0047】
次に、制限電流測定時において、負荷10に所定の定電圧V1よりも少し小さい電圧Vsを印加すると共にテスト信号S1がハイレベルになる。負荷10に所定の定電圧V1よりも少し小さい電圧Vsを印加した場合の動作は、前記第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
制限電流測定時においてテスト信号S1がハイレベルになると、NMOSトランジスタM9はオフしてNMOSトランジスタM10がオンすることから、NMOSトランジスタM3bのゲート電圧が接地電圧になり、NMOSトランジスタM3bはオフする。このため、カレントミラー回路を形成するトランジスタの構成比が変わり、通常動作時に対してNMOSトランジスタM4のドレイン電流i4は、(i3a+i3b)/i3a倍になる。このように、同じ出力電流値に対して通常動作時よりも抵抗R3には多くの電流が流れるため、通常動作時よりも小さい電流値で出力電流ioの制限をかけることができる。
【0048】
例えば、NMOSトランジスタM3a、M3bに流れる電流i3a、i3bが、i3a=i3b=i2/2になるように、NMOSトランジスタM3a及びM3bを形成すると、制限電流測定時にはドレイン電流i4が通常動作時よりも2倍になり、通常動作時に比べて制限電流測定時の制限電流値を半分にすることができる。すなわち、最大測定電流が300mAの測定装置においても通常動作時の制限電流が500mAの定電圧電源回路の制限電流を測定することができ、前記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0049】
第4の実施の形態.
前記第1の実施の形態では、制限電流測定時に電流−電圧変換抵抗を大きくすることにより、電流制限回路部3が電流制限動作を開始する出力電流ioの電流値を小さくするようにしたが、制限電流測定時にNMOSトランジスタM3に流れる電流を増加させて、電流制限回路部3が電流制限動作を開始する出力電流ioの電流値を小さくするようにしてもよく、このようにしたものを本第4の実施の形態とする。
図5は、本第4の実施の形態における定電圧電源回路の例を示した回路図である。なお、図5では、図1と同じもの又は同様のものは同じ符号で示し、ここではその説明を省略すると共に図1との相違点のみ説明する。
【0050】
図5における図1との相違点は、PMOSトランジスタM6及び抵抗R4をなくし、PMOSトランジスタM11、PMOSトランジスタM12及びインバータINVを追加し、カレントミラー回路の入力側トランジスタをなすNMOSトランジスタM3に流れる電流i3の電流値を変えることによって、抵抗R3に流れる電流値を変えるようにしたことにある。これに伴って、図1の電流制限回路部3を電流制限回路部3cに、図1の定電圧電源回路1を定電圧電源回路1cにした。
図5において、定電圧電源回路1cは、定電圧回路部2と、出力端子OUTから出力される電流ioの制限を行う電流制限回路部3cとで構成されている。
【0051】
電流制限回路部3cは、PMOSトランジスタM2,M11,M12と、カレントミラー回路を形成するNMOSトランジスタM3,M4と、抵抗R3と、PMOSトランジスタM5と、インバータINVとで構成されている。なお、PMOSトランジスタM2,M11,M12、NMOSトランジスタM3,M4及びインバータINVは比例電流生成回路部を、PMOSトランジスタM2,M11,M12及びインバータINVは電流生成回路部をそれぞれなす。また、PMOSトランジスタM2及びM12はそれぞれ電流源をなし、PMOSトランジスタM11及びインバータINVは出力制御回路をなす。
【0052】
PMOSトランジスタM12は、電圧制御素子M1に流れる電流i1に応じたドレイン電流i12が流れるように動作し、PMOSトランジスタM11は、テスト信号S1に応じてPMOSトランジスタM12のNMOSトランジスタM3への接続制御を行う。
NMOSトランジスタM2及びM12の各ゲートは接続され、該接続部は電圧制御素子M1のゲートに接続されている。また、入力電圧VddとNMOSトランジスタM3のドレインとの間にはPMOSトランジスタM12及びM11が直列に接続されている。NMOSトランジスタM11のゲートには、インバータINVを介してテスト信号S1が入力されている。
【0053】
このような構成において、通常動作時は、テスト信号S1をローレベルにしていることから、PMOSトランジスタM11はオフし、PMOSトランジスタM12のドレイン電流i12はNMOSトランジスタM3に流れず、NMOSトランジスタM3にはPMOSトランジスタM2のドレイン電流i2が流れる。制限電流測定時には、測定装置によって負荷10に所定の定電圧V1よりも少し小さい電圧Vsが印加されると共に、テスト信号S1がハイレベルになる。負荷10に所定の定電圧V1よりも少し小さい電圧Vsを印加した場合の動作は、前記第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0054】
制限電流測定時においてテスト信号S1がハイレベルになると、PMOSトランジスタM11がオンし、PMOSトランジスタM12のドレインとNMOSトランジスタM3のドレインが接続される。そのため、NMOSトランジスタM3のドレイン電流i3にはPMOSトランジスタM2のドレイン電流i2とPMOSトランジスタM12のドレイン電流i12の和電流が流れる。すなわち、通常動作時はi3=i2であるが、制限電流測定時にはi3=i2+i12になる。
【0055】
このことから、抵抗R3に流れる電流i4は、通常動作時と比較して同じ出力電流ioに対しても(i2+i12)/i2倍の電流になる。このため、同じ出力電流値に対して通常動作時よりも抵抗R3には多くの電流が流れるため、通常動作時よりも小さい電流値で出力電流ioの制限をかけることができる。
例えば、PMOSトランジスタM2のドレイン電流i2とPMOSトランジスタM12のドレイン電流i12が同じ電流値になるようにPMOSトランジスタM12を形成すると、通常動作時と比較して、制限電流測定時の制限電流を半分にすることができる。すなわち、最大測定電流が300mAの測定装置においても通常動作時の制限電流が500mAの定電圧電源回路の制限電流を測定することができ、前記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第1の実施の形態における定電圧電源回路の構成例を示した図である。
【図2】図1の定電圧電源回路1における出力電圧と出力電流との関係例を示した図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態における定電圧電源回路の構成例を示した図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態における定電圧電源回路の構成例を示した図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態における定電圧電源回路の構成例を示した図である。
【図6】電流制限回路を備えた定電圧電源回路の従来例を示した回路図である。
【図7】図6の定電圧電源回路100における出力電圧と出力電流との関係例を示した図である。
【符号の説明】
【0057】
1 定電圧電源回路
2 定電圧回路部
3 電流制限回路部
10 負荷
11 基準電圧発生回路
AMP1 演算増幅回路
M1 電圧制御素子
R1〜R4 抵抗
M2,M5,M6,M11,M12 PMOSトランジスタ
M3,M4,M7〜M10,M3a,M3b NMOSトランジスタ
INV インバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力端子INに入力された入力電圧を所定の定電圧V1に変換して出力端子OUTから出力する定電圧回路部と、該出力端子OUTから出力される電流ioを所定の制限電流値に制限する電流制限回路部とを備えた定電圧電源回路において、
前記電流制限回路部は、
出力電流ioに比例した電流を生成して出力する比例電流生成回路部と、
該比例電流生成回路部から出力された比例電流を電圧に変換する電流−電圧変換回路部と、
該電流−電圧変換回路部で変換された電圧に応じて、出力電流ioが所定の第1制限電流値以下になるように前記定電圧回路部に対して出力電流ioの制限を行う制限回路部と、
を備え、
前記電流−電圧変換回路部は、前記制限電流値を測定する測定動作を行うために外部から所定のテスト信号が入力されると、前記制限電流値が第1制限電流値未満の所定の第2制限電流値以下になるように前記比例電流に対する変換電圧値を変えることを特徴とする定電圧電源回路。
【請求項2】
前記電流−電圧変換回路部は、
前記比例電流を電圧に変換する、複数の抵抗で構成された抵抗回路と、
前記外部からのテスト信号に応じて該抵抗回路の合成抵抗値を変え、前記比例電流に対する変換電圧値を変える抵抗値制御回路と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の定電圧電源回路。
【請求項3】
入力端子INに入力された入力電圧を所定の定電圧V1に変換して出力端子OUTから出力する定電圧回路部と、該出力端子OUTから出力される電流ioを所定の制限電流値に制限する電流制限回路部とを備えた定電圧電源回路において、
前記電流制限回路部は、
出力電流ioに比例した電流を生成して出力する比例電流生成回路部と、
該比例電流生成回路部から出力された比例電流を電圧に変換する電流−電圧変換回路部と、
該電流−電圧変換回路部で変換された電圧に応じて、出力電流ioが所定の第1制限電流値以下になるように前記定電圧回路部に対して出力電流ioの制限を行う制限回路部と、
を備え、
前記比例電流生成回路部は、外部から所定のテスト信号が入力されると、前記制限電流値が第1制限電流値未満の所定の第2制限電流値以下になるように、出力電流ioに対する比例電流値を変えることを特徴とする定電圧電源回路。
【請求項4】
前記比例電流生成回路部は、
出力電流ioに比例した電流を生成して出力する電流生成回路部と、
該電流生成回路部から出力された電流に応じた電流を前記電流−電圧変換回路部に出力するカレントミラー回路部と、
を備え、
前記カレントミラー回路部は、前記外部からのテスト信号に応じて、電流−電圧変換回路部への出力電流値を変えることを特徴とする請求項3記載の定電圧電源回路。
【請求項5】
前記カレントミラー回路部は、
前記電流生成回路部からの電流が入力される入力側トランジスタと、
該入力側トランジスタに入力された電流に応じた電流をそれぞれ生成して出力する複数の出力側トランジスタと、
前記外部からのテスト信号に応じて、該各出力側トランジスタで生成されたそれぞれの電流の前記電流−電圧変換回路部への出力制御を行う出力電流制御回路と、
を備えることを特徴とする請求項4記載の定電圧電源回路。
【請求項6】
前記カレントミラー回路部は、
前記電流生成回路部からの電流がそれぞれ入力される複数の入力側トランジスタと、
該各入力側トランジスタに入力された電流に応じた電流を生成して出力する出力側トランジスタと、
前記外部からのテスト信号に応じて、前記各入力側トランジスタの動作を制御するトランジスタ制御回路と、
を備え、
前記トランジスタ制御回路は、前記テスト信号が所定の制限電流値測定動作を行うことを示している場合は、該テスト信号が通常動作を行うことを示している場合よりも、動作させる前記入力側トランジスタの数が少なくなるように、前記各入力側トランジスタの動作を制御することを特徴とする請求項4記載の定電圧電源回路。
【請求項7】
前記比例電流生成回路部は、
出力電流ioに比例した電流を生成して出力する電流生成回路部と、
該電流生成回路部から出力された電流に応じた電流を前記電流−電圧変換回路部に出力するカレントミラー回路部と、
を備え、
前記電流生成回路部は、前記外部からのテスト信号に応じて、カレントミラー回路部への出力電流値を変えることを特徴とする請求項3記載の定電圧電源回路。
【請求項8】
前記電流生成回路部は、
前記出力電流ioに比例した電流をそれぞれ生成して出力する各電流源と、
前記外部からのテスト信号に応じて、該各電流源からのそれぞれの電流に対して前記カレントミラー回路部への出力制御を行う出力制御回路と、
を備え、
前記出力制御回路は、前記テスト信号が所定の制限電流測定動作を行うことを示している場合は、該テスト信号が通常動作を行うことを示している場合よりも前記カレントミラー回路部への出力電流値が大きくなるように、前記各電流源からのそれぞれの電流に対して前記カレントミラー回路部への出力制御を行うことを特徴とする請求項7記載の定電圧電源回路。
【請求項9】
前記定電圧回路部は、制限電流値の測定を行う前記制限電流測定動作時に、出力端子OUTに前記定電圧V1未満の電圧が外部から印加されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の定電圧電源回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−48116(P2006−48116A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−223929(P2004−223929)
【出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】