説明

実装構造体、電気光学装置、電子部品の実装方法

【課題】電子部品を、加圧接着して実装する際の圧着ずれを確実に防止する。
【解決手段】駆動用IC4の突起電極4aと接続すべき張り出し部12αの接続端子39のうちの一部の接続端子39間に、加圧時に、位置決め後の駆動用IC4の位置を保持するための壁状のガイド部材40を形成する。また、突起電極4aと接続端子39とを接着材料により接着したときに、ガイド部材40の上端が、突起電極4aの側面に対向するようにガイド部材40を形成する。駆動用IC4を位置決めした後、加圧に伴い、接続端子39に対して駆動用IC4の位置がずれると、突起電極4aがガイド部材40に接触し、ガイド部材40により突起電極4aの移動が制限されるため、駆動用IC4の圧着ずれを抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を、基板に加圧接着するようにした実装構造体、電気光学装置及び電子部品の実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電気光学装置としての液晶表示装置は、複数の透明電極を備えた一対の基板をシール材及びスペーサを挟んで互いに接合し、両基板間に形成されたセルギャップ内に液晶を封入することによって形成される。液晶を挟む基板の一方又は両方には外部へ張り出す張り出し部が形成され、その張り出し部には、複数の透明電極につながる電極端子が形成される。
【0003】
液晶表示装置において、基板上に液晶駆動用ICを直接に接合する構造は、一般に、COG(Chip On Glass)方式と呼ばれる。このCOG方式においては、基板上のIC装着位置に粘着性を有するACF(Anisotropic Conductive Film;異方性導電膜)等の接着用テープを接着し、さらにその接着用テープの上に液晶駆動用ICを載置しこれを加圧接着する。これにより、例えば基板に形成された電極と液晶駆動用ICのバンプとが、接着用テープの中に含有する導電性粒子を介して、お互いを圧着することにより、電気的に接続可能状態になる。
【0004】
しかしながら、このようにACFを用いて接着する場合、基板に形成された電極に対して液晶駆動用ICのバンプを位置決めしたとしても、加圧接着のため加圧するとこれに伴い液晶駆動用ICが電極に対して位置ずれしてしまい、液晶駆動用ICのバンプが電極からずれた状態で圧着される可能性がある。
このため、この圧着ずれを考慮してバンプ及び電極のサイズを決定する必要があり、例えば、バンプの幅を電極の幅よりも広くすることで、圧着ずれが生じた場合であってもこれら間の電気的導通を確実に確保するようにしている。
【0005】
しかしながら、バンプの幅を広くするということは、液晶駆動用ICの小型化の妨げになっている。このため、液晶駆動用ICのバンプが接続される、整列配置された複数の電極について、これらの四隅の電極の外側を囲むように又はこれらの複数の電極全てを囲むように突出したガイド部材を設け、このガイド部材により、液晶駆動用ICのバンプを電極側に向けてガイドすることで、圧着時のずれを防止するようにしたものも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−133259号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、ガイド部材を設けることによって、圧着時のずれを防止することができる。しかしながら、このガイド部材は、液晶駆動用ICに対向する複数の電極の単位でガイドを行うものである。ここで、ガイド内に複数のバンプが収まるようにするためには、複数のバンプの取り付け誤差等を考慮して、ある程度の余裕をもってガイドの配置位置を決定する必要がある。このため、バンプの配置位置によっては、加圧接着時の位置ずれ量が大きくなるため、これに合わせて、バンプの幅も確保する必要がある。そのため、さらなる小型化を図るためにも、加圧接着時のずれをより高精度に防止することの可能な方法が望まれていた。
そこで、この発明は、上記従来の未解決の問題に着目してなされたものであり、加圧接着時の位置ずれを防止することの可能な実装構造体、電気光学装置及び電子部品の実装方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するために、本発明の実装構造体は、導電体が形成された基板を有し、前記導電体と電子部品の突起電極とを接合部材により加圧接着して、前記電子部品を前記基板に実装する実装構造体であって、前記基板の前記導電体が形成された面に、前記導電体1つを挟んでその両側に形成される壁状のガイド部材を備えることを特徴としている。
【0008】
これにより、突起電極を導電体に対して位置決めした後、加圧接着による加圧に伴い突起電極の位置が導電体に対してずれようとした場合には、ガイド部材が突起電極の位置を保持するように作用するため、結果的に突起電極の位置ずれを抑制することができる。
また、上記実装構造体において、前記ガイド部材は、前記接合部材排出用の案内口を有することを特徴としている。
【0009】
ガイド部材が導電体の周囲を囲むように形成されたとしても、ガイド部材は、接合部材排出用の案内口を有するため、導電体と突起電極との接着に用いられる接合部材の不要分は、案内口から排出されることになり、導電体の周囲に不要な接合部材が溜まることを回避することができる。
また、本発明の実装構造体は、導電体が形成された基板を有し、前記導電体と電子部品の突起電極とを接合部材により加圧接着して、前記電子部品を前記基板に実装する実装構造体であって、前記基板の前記導電体が形成された面に、隣接する前記導電体間に形成され且つこれら導電体それぞれと対向する端面を有するガイド部材を備えることを特徴としている。
【0010】
また、上記実装構造体において、前記ガイド部材は、前記導電体それぞれに沿って形成される一対の壁状部材であることを特徴としている。
このように、隣接する導電体間にガイド部材を設けることにより、突起電極を導電体に対して位置決めした後、加圧接着による加圧に伴い突起電極の位置が導電体に対してずれようとした場合には、ガイド部材が突起電極の位置を保持するように作用するため、結果的に突起電極の位置ずれを抑制することができる。
【0011】
また、上記した実装構造体において、前記ガイド部材は、前記接合部材により前記電子部品の突起電極が前記導電体に加圧接着されたときに、前記基板側面から見て、前記ガイド部材の上端が前記突起電極の突起部分の付け根と先端との間に位置する高さに形成されることを特徴としている。
接合部材により電子部品の突起電極が導電体に加圧接着されるとき、ガイド部材の上端は、突起電極の突起部分の付け根と先端との間に位置するため、ガイド部材を突起電極と確実に対向させることができ、突起電極を確実にその位置に保持することができる。また、ガイド部材の先端が電子部品の突起電極が形成された面に接触することはないから、電子部品の突起電極と導電体との接合の妨げとなることはない。
【0012】
また、上記した実装構造体において、前記接合部材は導電性粒子を含み、前記電子部品の突起電極と前記導電体とを前記接合部材により加圧接着し且つ前記突起電極と前記導電体とを前記導電性粒子を介して電気的に接続する実装構造体であって、前記ガイド部材は、前記接合部材により前記電子部品の突起電極と前記導電体とが前記導電性粒子を介して電気的に接続されたときに、前記基板側面から見て、前記ガイド部材の上端が前記突起電極の突起部分の付け根と先端との間に位置する高さに形成されることを特徴としている。
【0013】
接合部材により電子部品の突起電極が導電性粒子を介して導電体に電気的に接続された状態で電子部品が基板に実装されるとき、ガイド部材の上端は、突起電極の突起部分の付け根と先端との間に位置するため、ガイド部材を突起電極と確実に対向させることができ、突起電極を確実にその位置に保持することができる。また、ガイド部材の先端が電子部品の突起電極が形成された面に接触することはないから、電子部品の突起電極と導電体との接合の妨げとなることはない。
【0014】
また、本発明の電気光学装置は、電気光学物質を支持する一の基板を有し且つ当該一の基板には導電体が形成され、当該導電体と電子部品の突起電極とを、接合部材により加圧接着して、前記電子部品を前記基板に実装する電気光学装置において、前記基板の前記導電体が形成された面に、前記導電体1つを挟んでその両側に形成される壁状のガイド部材を備えることを特徴としている。
【0015】
また、本発明の電気光学装置は、電気光学物質を支持する一の基板を有し且つ当該一の基板には導電体が形成され、当該導電体と電子部品の突起電極とを、接合部材により加圧接着して、前記電子部品を前記基板に実装する電気光学装置において、前記基板の前記導電体が形成された面に、隣接する前記導電体間に形成され且つこれら導電体それぞれと対向する端面を有するガイド部材を備えることを特徴としている。
【0016】
また、上記電気光学装置において、前記ガイド部材は、前記導電体それぞれに沿って形成される一対の壁状部材であることを特徴としている。
このように、導電体1つを挟んでその両側、又は隣接する導電体間にガイド部材を設けることによって、加圧に伴い、突起電極が導電体に対してずれようとした場合には、ガイド部材が突起電極の位置を保持するように作用するため、結果的に突起電極の位置ずれを抑制することができる。
【0017】
さらに、本発明の電子部品の実装方法は、導電体が形成されると共に、前記導電体一つを挟んでその両側に壁状のガイド部材が形成された基板に、前記導電体と電子部品の突起電極とを接合部材により加圧接着して前記電子部品を前記基板に実装する、電子部品の実装方法であって、前記電子部品の突起電極と当該突起電極に対応する所定の前記導電体とが対向するように、前記ガイド部材をガイドとして前記電子部品を基板上に位置決めする位置決め工程と、当該位置決め工程で位置決めした前記電子部品を加圧して、接合部材により前記電子部品の突起電極を前記導電体に接着する圧着工程と、を含むことを特徴としている。
【0018】
また、本発明の電子部品の実装方法は、導電体が形成されると共に、隣接する前記導電体間に、これら導電体それぞれと対向する端面を有するガイド部材が形成された基板に前記導電体と電子部品の突起電極とを接合部材により加圧接着して前記電子部品を前記基板に実装する、電子部品の実装方法であって、前記電子部品の突起電極と当該突起電極に対応する所定の前記導電体とが対向するように、前記ガイド部材をガイドとして前記電子部品を基板上に位置決めする位置決め工程と、当該位置決め工程で位置決めした前記電子部品を加圧して、接合部材により前記電子部品の突起電極を前記導電体に接着する圧着工程と、を含むことを特徴としている。
【0019】
また、上記電子部品の実装方法において、前記ガイド部材は、前記導電体それぞれに沿って形成される一対の壁状部材であることを特徴としている。
このように、導電体1つを挟んでその両側、又は隣接する導電体間にガイド部材を設けることによって、ガイド部材をガイドとして電子部品の突起電極の位置決めが行われた後、突起電極と導電体とが接着材料により圧着されるが、このとき、加圧に伴い、導電体に対して突起電極がずれようとしたとしても、ガイド部材が、突起電極の位置を保持するよう作用するため、結果的に突起電極の位置ずれを抑制することができ、圧着ずれが生じることなく、突起電極を目的とする位置に実装することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、本発明を適用した液晶表示装置100の一例を示す概略構成図である。
この液晶表示装置100は、一対の基板11及び12間に液晶13が保持されてなる液晶パネル1と、この一方の基板12に実装される液晶表示装置駆動用の駆動用IC4と、液晶パネル1の背面側に配設されるバックライトユニット5と、を有する。
【0021】
このバックライトユニット5は、LED等からなる光源21と、光源21からの光を入射する光入射面22aを有する導光板22とを備える。導光板22の液晶パネル1と対向する面には、必要に応じて拡散層23が設けられ、反対側の面には反射シート24が設けられている。光源21からの光が光入射面22aを通して導光板22の内部へ導入されることにより、導光板22が面状に発光し、バックライトユニット5として機能する。
【0022】
この光源21は、図示しないFPC基板等の可撓性基板により基板12に形成された後述の外部接続配線38に接続される。この外部接続配線38は駆動用IC4に接続され、光源21は、この駆動用IC4によって駆動制御される。
液晶パネル1は、一対の基板11及び12をシール材31で貼り合わせることにより形成される。基板11及び12は、ガラス基板等の透光性の基板で構成され、基板表面側から見て略長方形状に形成される。基板12は、基板11と同等の長さの短辺を有するが、基板12の長辺は基板11の長辺よりも長く形成され、基板11よりも長手方向に張り出した張り出し部12αを形成している。
【0023】
液晶パネル1は、これら一対の基板11及び12を、一方の端部どうしが対向するようにして貼り合わせることにより形成され、これら基板11及び12間に形成されたセルギャップ内に液晶13が封入されて液晶層が形成される。セルギャップは、例えば円柱形状を有したフォトスペーサ32によって一定の間隔に保持される。このフォトスペーサ32は、例えば感光性樹脂をフォトリソグラフィ処理によりパターニングして形成する。フォトスペーサ32は、立った状態の円柱形状に形成される。
【0024】
また、基板11及び12の外側の面には、それぞれ位相差板11a、12a、偏光板11b、12bが貼着等により装着される。
一方、基板12の内側表面には、TFT素子等のスイッチング素子33が複数設けられ、各スイッチング素子33にはドット電極34が付設される。基板12側から見て、これらスイッチング素子33及びドット電極34の上には、配向膜35が形成される。この配向膜35は、例えば、ポリイミド等を塗布及び焼成すること、又はオフセット印刷すること等により形成される。
【0025】
また、基板11の内側表面には、遮光部材41が格子状に設けられ、この遮光部材41によって囲まれる複数の空間内に着色要素42が設けられる。複数の着色要素42は、遮光部材41により囲まれて形成される略直方体の空間と同等の形状を有し、B,G,R又はC,M,Yのいずれかに着色された透光性材料によって形成され、ストライプ配列等、所定の配列に配置される。また、遮光部材41は、遮光性の材料で形成され、着色要素42を透過した光によって表示される像のコントラストを向上させる。
【0026】
基板11側からみて、遮光部材41及び着色要素42の上には、オーバーコート層43が設けられ、その上に面上電極からなる共通電極44が設けられ、さらにその上に配向膜45が設けられる。
前記基板12に形成された張り出し部12αには、複数の駆動配線37及び複数の外部接続配線38が形成され、駆動配線37は、基板12に形成された内部配線と接続され、この内部配線は、前記ドット電極34や共通電極44に直接又は間接的に導電接続される。
【0027】
また、この張り出し部12αには、突起電極4aを有する駆動用IC4がACF36を用いたCOG技術により実装され、駆動用IC4の突起電極4aと前記駆動配線37及び外部接続配線38とが電気的に接続される。
この駆動用IC4は、複数の前記突起電極4aと略直方体状の本体4bとを有し、当該本体4bの下面に前記突起電極4aが配置される。この突起電極4aは、駆動用IC4の上面視で長手方向に2列に整列配置される。
【0028】
図2は、張り出し部12αの駆動用IC4の実装部分を模式的に表した図である。
図2において図2(a)は、張り出し部12αを駆動用IC4側の上面側から見た平面図であって、駆動用IC4を破線で示している。また、図2(b)は、側面図である。
図2(a)に示すように、張り出し部12αに形成された駆動配線37及び外部接続配線38の先端部分にはそれぞれ接続端子39が形成され、これら接続端子39は、駆動用IC4の実装面側に形成された突起電極4aと対向する位置に配置される。そして、駆動用IC4の各突起電極4aと接続端子39とを対向させ、ACF36により接続することによって、図2(b)に示すように、ACF36に含まれる導電性粒子36aを介して突起電極4aと接続端子39とが電気的に接続される。
【0029】
図2に示すように、駆動用IC4を、その長手方向が左右に延びるように配置したときの、突起電極4aの左右方向の長さを突起電極4aの幅w1、また、このときの突起電極4aに対向する接続端子39の左右方向の長さを接続端子39の幅w2としたとき、この接続端子39の幅w2は、突起電極4aの幅w1と同等、もしくは若干狭く形成される。
図2に示すように、駆動用IC4の各突起電極4aと接続される、基板12側の複数の接続端子39のうちの数個、図2の場合には、駆動配線37及び外部接続配線38の2列に配列された接続端子39のうち、駆動用IC4の長手方向略中央に位置する4つの接続端子39の、隣接する接続端子間には、壁状のガイド部材40が形成されている。
このガイド部材40は、図2(b)に示すように、接続端子39間に略平行に配置され且つその間隔Wは、当該接続端子39に接続される突起電極4aの幅w1よりも若干大きく設定され、突起電極4aがガイド部材40間で幅方向に移動したとしても、突起電極4aと接続端子39とを導通状態に維持することの可能な間隔に設定される。
【0030】
また、基板側面からみて、張り出し部12αの、ガイド部材40が形成された表面位置を基準としたとき、ガイド部材40の高さHは、接続端子39の基準からの高さh1と、ACF36の導電性粒子36aの直径h2との和であるH1よりも大きな値に設定され、且つ、接続端子39の基準からの高さh1とACF36の導電性粒子36aの直径h2と、突起電極4aの、駆動用IC4の実装面から突出した部分の長さh3との和であるH2よりも小さな値に設定される。つまり、図2(b)に示すように、接続端子39と突起電極4aとを、導電性粒子36aを含むACF36で接着したときに、ガイド部材40の上端が、突起電極4aの付け根と先端との間に位置してガイド部材40の側面と対向し、且つ、駆動用IC4の本体4bの下面に接することのない高さに設定される。なお、ガイド部材40の高さや、突起電極4aの基準からの高さ、導電性粒子36aの直径等に含まれる誤差や取り付け誤差、また、加圧による導電性粒子36aの歪み等を考慮し、ガイド部材40の先端が、接続端子39と突起電極4aとを、導電性粒子36aを含むACF36で接着したときに、ガイド部材40の上端が、突起電極4aの付け根と先端との中間付近に位置する高さに形成することが望ましい。
【0031】
このガイド部材40は、前記基板12に形成されるフォトスペーサ32と同一材質で形成され、フォトスペーサ32の製作工程で、フォトスペーサ32の形成と同時に、フォトリソグラフィ処理によりパターニングすることで形成される。
そして、駆動用IC4を基板12に実装する場合には、ACF36を用いて、ボンディングツールを含んだ圧着機械を用いて熱圧着が行われる。具体的には、張り出し部12α上の駆動用IC4の実装領域に予めACF36を張り付けておき、圧着機械によって、張り出し部12αの上の実装領域の各接続端子39と、駆動用IC4の突起電極4aとが対向するように、ガイド部材40をガイドにして駆動用IC4を位置決めして載置し(仮圧着)、その後、ACF36を加熱しながら、駆動用IC4を所定の圧力で張り出し部12αに押圧し、実装する(本圧着)。
【0032】
次に、上記構成からなる液晶表示装置100を製造する方法について、図3に示す工程図を参照して説明する。
なお、ここでは、図1に示す基板11及び基板12を一つずつ形成するのではなく、各基板11及び12は、それぞれ、当該基板を複数形成することの可能な大きさの面積を有する大判の基板素材の上に、各基板の複数個分の要素を同時に形成するものとする。
【0033】
まず、図3の工程P1において、図1の基板12の複数個分の大きさを有する大判の基板素材を、ガラス、プラスチック等によって形成し、この大判基板部材に対し、スイッチング素子33、ドット電極34、配線等を、周知の形成方法で形成する。例えば、スイッチング素子33として、TFT素子を、フォトエッチング処理を用いて所定の積層構造に形成する。次いで、TFT素子の電極と重なるようにドット電極34を、ITOを材料としてフォトエッチング処理により所定の形状に形成する。
【0034】
次いで、工程P2において、フォトスペーサ32を、ネガ型感光性樹脂材料を材料としてフォトリソグラフィ処理によって形成する。このとき、フォトスペーサ32を形成すると共に、フォトスペーサ32と同一部材を用いてガイド部材40を形成する。
次に、工程P3において、例えばポリイミドを材料としてオフセット印刷することにより、配向膜35を形成する。次いで工程P4において、配向膜35に配向性を持たせるため配向膜35に対してラビング処理を行い、次いで工程P5において、例えばエポキシ系樹脂を材料としてスクリーン印刷によって、シール部材31を枠状に形成する。以上によって、基板12用の大判基板部材の上に、基板12複数個分の要素が形成された大判の基板部材が形成される。
【0035】
他方、工程P6において、基板11用の大判基板部材の表面上に、遮光部材41を、Crを材料としてフォトエッチング処理によって所定のパターンで形成し、また、着色要素42を、B,G,Rの色毎に形成する。例えば、各色の顔料や、染料を感光性樹脂に分散させてなる着色材料をフォトリソグラフィ処理によって所定のドット配列に形成する。
次いで、工程P7において、遮光部材41、着色要素42の上にオーバーコート層43をアクリル樹脂、ポリイミド樹脂等といった感光性樹脂を材料としてフォトリソグラフィ処理によって形成する。次いで工程P8において、共通電極44を、ITOを材料としてフォトエッチング処理によって形成する。次に、工程P9において、配向膜45をポリイミド等といった感光性樹脂を材料としてフォトリソグラフィ処理によって形成し、さらに工程P10において、配向膜45に配向性を持たせるため配向膜45に対してラビング処理を行う。以上によって、基板11用の大判基板部材の上に、基板11複数個分の要素が形成された大判の基板部材が形成される。
【0036】
次に、工程P11において、基板11用の大判基板部材及び基板12用の大判基板部材を、シール部材31を挟んで重ね合わせ、加圧すること等により両基板を貼り合わせる。これによって、図1の液晶表示装置100の主たる部分である液晶パネル構造を複数個含む大きさの大判パネル構造体が形成される。
以上のようにして大判パネル構造体が製作された後、第1ブレイク工程(工程P12)を実施する。具体的には、大判パネル構造体を一次切断、すなわち一次ブレイクして、液晶パネル構造が複数1列に並んだ状態で含まれる中面積のパネル構造体、いわゆる短冊状のパネル構造体を複数形成する。シール材31には予め適所に開口が形成されており、上記の一次ブレイクによって、短冊状のパネル構造体が形成されると、そのシール部材31の開口が外部に露出する。
【0037】
次いで、工程P13において、上記シール部材31の開口を通して各液晶パネル部分の内部へ液晶を注入し、その注入の完了後、その開口を樹脂によって封止する。
次に、2回目の切断、すなわち二次ブレイク工程(工程P14)を行い、短冊状のパネル構造体から、図1に示す個々の液晶パネル1を切り出す。
次いで、工程P15において、駆動用IC4を実装するための仮圧着を行う。すなわち、基板12の張り出し部12αにおいて、この駆動用IC4用の接続端子39と対向する位置に、ガイド部材40をガイドとして駆動用IC4を位置決めした後、ACF36により仮圧着し、工程P16で、駆動用IC4を基板12に実装するための本圧着を行う。
【0038】
次いで、工程P17で、液晶パネル1の外側表面に、位相差板11a、12a、偏光板11b、12bをこの順に貼着によって装着し、さらに工程P18で、バックライトユニット5を液晶パネル1に取り付ける。これにより、液晶表示装置100が完成する。
次に、上記実施の形態の作用を説明する。
前述のように、駆動用IC4を、基板12の張り出し部12αに実装する際に、張り出し部12α上の駆動用IC4用の接続端子39と、駆動用IC4の突起電極4aとが対向するように位置決めを行って仮圧着を行ったとしても、本圧着により駆動用IC4を加圧した際に、この加圧に伴って、突起電極4aの位置が接続端子39に対してずれてしまう可能性がある。
【0039】
しかしながら、本実施形態においては、駆動用IC4用の接続端子39のうちの、一部の接続端子39間にガイド部材40を形成している。このため、本圧着に伴う加圧により、接続端子39に対して突起電極4aの位置がずれたとしても、突起電極4aはガイド部材40と接触し、結果的にガイド部材40によって移動が制限されるため、突起電極4aの位置ずれが抑制され、突起電極4aの位置は、仮圧着時の位置決めされた位置に保持されることになる。
【0040】
したがって、本圧着時の加圧に伴う、突起電極4aの位置ずれを抑制することができ、突起電極4aを目的とする位置に高精度に実装することができる。このため、突起電極4aと接続端子39との間の接触不良や短絡を防止することができ、さらには、接触不良や短絡等の生じることのない安定した表示を行うことの可能な液晶表示装置100を実現することができる。
【0041】
また、このガイド部材40は、接続端子39間に配置しており、ガイド部材40の間隔は、各接続端子39に対向する一の突起電極4aの幅に応じて設定している。つまり、一の突起電極4aの取り付け誤差、これに対向する接続端子39の位置誤差等を考慮した余裕代のみに基づきガイド部材40の間隔を設定すればよいため、余裕代をより小さく設定することができる。よって、加圧に伴う位置ずれ量をより小さくすることができる。
【0042】
ここで、上記従来のように、駆動用IC4の突起電極4aに対応する接続端子39を全て囲むようにガイド部材を設けた場合、駆動用IC4の複数の突起電極4a全てがガイド部材で囲まれる範囲内に収まるように、ガイド部材を配置する必要がある。つまり、ガイド部材で囲まれる複数の突起電極4aの取り付け誤差やこれに対応する複数の接続端子39の配置誤差等を考慮する必要があり、つまり、突起電極4aが本体4bの下面の外縁方向に取り付け誤差を持って配置された状態であって、全ての突起電極4aを囲む外周が最大となると予測されるときの突起電極4aの配置位置を基準に、このときの突起電極4aを保持するようにガイド部材を形成する必要がある。
【0043】
しかしながら、ガイド部材に囲まれる整列配置された突起電極4aのうちガイド部材と接する突起電極4aのうちの何れかが、駆動用IC4の本体4bの中心方向に取り付け誤差を持って配置された場合には、取り付け誤差が生じている突起電極4aとこれに接する側のガイド部材との間の間隙が、突起電極4aとガイド部材との間の余裕代分に加えてさらに取り付け誤差相当だけより大きくなるため、駆動用IC4全体としては、2つのガイド部材と突起電極4aとの間のそれぞれの余裕代分と取り付け誤差との和相当だけ移動することが可能となる。つまり、接着に伴う加圧を行った際には、2つのガイド部材との間の余裕代分と取り付け誤差との和相当だけ位置ずれ量が生じる可能性がある。
【0044】
これに対し、一の突起電極4aに対してガイド部材40が形成されている場合には、この一の突起電極4aに取り付け誤差が生じたとしても、この突起電極4aはその両側に形成されたガイド部材40により位置が制限されるため、突起電極4aはその両側のガイド部材40との間のそれぞれの余裕代分しか移動することができず、すなわち、加圧を行った際には、2つのガイド部材との間のそれぞれの余裕代分相当しか位置ずれ量は生じない。つまり、駆動用IC4全体としては、ガイド部材40と突起電極4aとの間の余裕代相当だけしか位置ずれ量が生じない。
【0045】
したがって、一の突起電極4aに対してガイド部材40を設けることにより、ACFによる加圧接着時の位置ずれ量をより抑制することができ、すなわち、駆動用IC4をより高精度に目的の位置に実装することができる。
また、加圧に伴う位置ずれが生じた場合であっても突起電極4aと接続端子39との導通を確保するためには、位置ずれ量を考慮して突起電極4aの幅w1或いは接続端子39の幅w2を設定する必要がある。しかしながら、上述のように、高精度に加圧に伴う位置ずれを抑制することができるため、突起電極4aの幅w1を狭くすることができる。よって、駆動用IC4の小型化を図ることができる。
【0046】
また、ガイド部材40を接続端子39間に略平行に設けているから、2つのガイド部材40間における突起電極4aの変位可能な範囲をより狭くすることができ、突起電極4aの変位を効率よく抑制することができる。
また、図2に示すように、ガイド部材40を接続端子39間に配置しており、接続端子39を囲まないようにしている。ここで、接続端子39と突起電極4aとはACF36を用いて接着しており、このACF36は、加熱することによりACF36に含まれる樹脂が液状化すると共に、樹脂に含まれる導電性粒子36aが流動し、接続端子39及び突起電極4a間の不要な樹脂が排出されて突起電極4aと接続端子39とが導電性粒子36aを介して電気的に接続される。
【0047】
このため、接続端子39をガイド部材40で囲んでしまった場合、接続端子39と突起電極4aとを接着した際の不要な樹脂が、ガイド部材40で囲まれた接続端子39の周囲に溜まってしまうことになる。
しかしながら、本実施の形態においては、上述のように、ガイド部材40によって接続端子39を囲んでしまわずに、接続端子39の幅方向両側にのみガイド部材40を形成しているから、接続端子39の長さ方向両端は開放された状態となっている。したがって、不要な樹脂は、この両端の開口部から排出されることになるから、接続端子39の周囲に、必要以上の樹脂、すなわち接着材が残ることはない。また、接続端子39の両側面にのみガイド部材40を形成しているから、不要な樹脂の排出経路を直線状に2方向に確保することができ、不要な樹脂を効果的に排出することができる。
【0048】
また、図2(b)に示すように、導電性粒子36aを介して突起電極4aと接続端子39とを接続した時の、突起電極4aの側面と対向する位置に、ガイド部材40の上端が位置するように、ガイド部材40を形成しているから、突起電極4aをガイド部材40により確実に保持することができると共に、駆動用IC4の圧着を妨げることなく、突起電極4aと接続端子39との間を確実に電気的に接続させることができる。
【0049】
また、図3に示すように、ガイド部材40を、フォトスペーサ32を形成する工程P2で、フォトスペーサ32と同一部材を用いて形成している。したがって、ガイド部材40を形成するための新たな工程を設けることなく、ガイド部材40を形成することができる。
また、上記実施の形態においては、駆動用IC4の各突起電極4aと対向する、張り出し部12α側の接続端子39のうち、駆動用IC4の長手方向略中央部分の一部の接続端子39にのみ、ガイド部材40を設けている。ここで、駆動用IC4の複数の突起電極4aのうち一部についてのみその位置決め位置を保持するようにすれば、基板12に対する駆動用IC4全体の位置を維持することができるから、他の突起電極4aについても位置決め時の位置を保持することができる。また、このように、一部についてのみガイド部材40を形成することによって、その分、ガイド部材40を形成する手間を削減することができる。
【0050】
また、一般に、駆動用ICは、圧着時に熱で伸び、冷えると縮んで元に戻る特性がある。つまり、駆動量IC4の長手方向中央付近ほど伸びに伴う移動量が少なく、逆に長手方向両端に近いほど伸びに伴う移動量が大きくなる。したがって、長手方向中央付近の突起電極4aと対向する接続端子39にガイド部材40を設けることによって、駆動用ICの伸びによる影響をより抑えることができる。よって、この伸び分として考慮すべき余裕代をより小さくすることができるため、位置ずれ量をより低減することができる。
【0051】
なお、ここでは、駆動用IC4の突起電極4aと対向する接続端子のうち、駆動用IC4の長手方向中央付近の突起電極4aと対向する接続端子39の幅方向両側にガイド部材40を設けた場合について説明したが、これに限るものではなく、任意の位置に任意数のガイド部材40を設けることも可能である。例えば、ガイド部材40による実際の位置ずれの抑制度合を考慮して、位置ずれを十分抑制することの可能な数のガイド部材40を配置するようにしてもよい。
【0052】
また、図2(a)に示すように、上面視で、ガイド部材40が連なる方向への長さを、このガイド部材40により保持される接続端子39の側面の長さと同等程度に形成した場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、接続端子39の側面の中央付近の一部にのみ設けるようにしてもよく、加圧接着時の加圧に伴う突起電極4aの位置ずれを抑制することが可能であればどのような長さでもよい。
【0053】
また、ガイド部材40を、接続端子39間に設けているが、これに限るものではない。前述のように、ガイド部材40により接続端子39の周囲を囲んでしまうと、不要な接着材が排出されないため、少なくとも何れか一カ所に開口部を設ければ、接続端子39の近傍のどの位置に配置してもよい。また、ガイド部材40は接続端子39と平行に設けているが、これに限るものではなく、任意の方向に形成することができ、また、接続端子39の両側面に形成される一対のガイド部材40も平行に限らず、任意の向きに配置することができる。
また、上記実施の形態においては、ガイド部材40を一の接続端子39の両側に設けた場合について説明したが、これに限るものではない。
【0054】
図4(a)に示すように、隣接する接続端子39間に、一のガイド部材40を形成し、且つ基板側面から見て、ガイド部材40の幅を、隣接する接続端子39間の間隔と同等程度に形成することにより、ガイド部材40の幅方向両端のそれぞれで、隣接する2つの接続端子39のそれぞれに対向する突起電極4aを保持することにより、位置ずれを抑制するようにしてもよい。この場合、基板側面から見て、接続端子39間の幅が狭い場合にはガイド部材40の幅も狭くなる。このため、接続端子39間のみにガイド部材40を設けただけでは、突起電極4aを十分保持することができない可能性がある場合には、上述のように、接続端子39を挟んで他方の側にもガイド部材40を設ければよい。
【0055】
また、例えば図4(b)に示すように、隣接する接続端子39間に一対のガイド部材40を設け、且つそれぞれのガイド部材40を隣接する接続端子39それぞれに沿うように形成することにより、ガイド部材40により2つの接続端子39に対向する突起電極4aをそれぞれ保持するようにしてもよい。
なお、図4(a)及び図4(b)は、張り出し部12αの駆動用IC4の実装部分を模式的に表した図である。張り出し部12αを駆動用IC4側の上面側から見た平面図であって、駆動用IC4を破線で示している。
【0056】
また、上記実施の形態においては、突起電極4aを、駆動配線37と接続された接続端子39に接続する場合について説明したが、駆動配線37と接続された接続端子39に接続される場合に限るものではなく、例えば、接続端子39に代えてボンディングパッドに接続する場合であっても適用することができる。
また、ここでは、ガイド部材40を、フォトスペーサ32を形成する工程P2で、フォトスペーサ32と同一部材を用いて形成する場合について説明したが、これに限るものではなく、他の工程で、形成するようにしてもよい。例えば、新たにガイド部材40を形成する工程を設けてもよく、また、配向膜35を形成する工程P3で、配向膜35を形成する際に、配向膜35と共にガイド部材40をオフセット印刷するようにしてもよく、このように一の要素を作成する他の工程で、一の要素と共に作成すれば、新たにガイド部材40を形成する工程を設けることなく実現することができる。
【0057】
また、上記実施の形態においては、ドット電極34を形成する側の基板12に、駆動用IC4を実装する場合について説明したが、これに限るものではなく、共通電極44を形成する側の基板11に駆動用IC4を実装する場合であっても適用することができ、この場合も、基板11側にフォトスペーサ32を形成する場合には、このフォトスペーサ32を形成する工程において、フォトスペーサ32と共にガイド部材40を形成すればよく、また、配向膜45と共に作成してもよい。
また、スペーサとして柱状のフォトスペーサ32ではなく、球状のスペーサを分散配置することでセルギャップを確保する構成であっても適用することができ、この場合には、駆動用IC4が実装される側の基板の配向膜を形成する際に、これと共にガイド部材40を形成すればよい。
【0058】
また、上記実施の形態においては、導電性粒子36aを有するACF36により、突起電極4aと接続端子39とを接続する場合について説明したが、これに限るものではなく、導電性粒子を含まないエポキシ系熱効果型樹脂からなるNCP(Non Conductive Paste)、NCF(Non Conductive Film)等の接着材料を用いて接着する場合であっても適用することができる。このように、導電性粒子36aを含まない接着材料を用いる場合には、突起電極4aと接続端子49とを接着材料で接着したときに、ガイド部材40の上端が、突起電極4aの付け根と先端との間に位置するように、ガイド部材40を形成すればよい。また、この場合も、突起電極4aや突起電極4a、また、ガイド部材40の寸法誤差等を考慮して、ガイド部材40の先端が、突起電極4aの付け根と先端との中間近傍に位置するように形成することが望ましい。
【0059】
また、上記実施の形態においては、突起電極4aを有する駆動用IC4に適用した場合について説明したが、樹脂突起と電極パッドから樹脂突起の表面にかけて配設された導電膜とで構成される樹脂コアバンプを有する駆動用IC4′に適用することも可能である。
図5は、樹脂コアバンプを有する駆動用IC4′を、樹脂コアバンプ(以下バンプともいう。)101が設けられている側から見た斜視図を表す。また、図6は、図5のB−B′断面図を上下反転した図である。
【0060】
この駆動用IC4′は、基材102と、基材102の能動面102a上に形成された複数のバンプ101とを有する。能動面とは、半導体素子が形成された面であると共に半導体素子を含む内部回路につながった端子(パッドともいう。)が外部の臨み出ている面である。基材102は、例えばシリコン(Si)等の材料を用いて略直方体形状に形成されている。駆動用IC4′の能動面下には、図示は省略するが、例えば薄膜トランジスタ等といった複数の電子素子や各電子素子間を接続する配線等が形成されている。
【0061】
バンプ101は、複数個が能動面102aの互いに対向する2つの長辺102b及び102cに沿って一定の間隔をおいて配設されている。個々のバンプ101は、図5の矢印Cで示す拡大図及び図6に示すように、電極パッド103と、突起体104と、導電膜105とによって構成されている。電極パッド103は、例えば、Al(アルミニウム)等といった導電性の金属材料を用いて形成されている。この電極パッド103は、駆動用IC4′内の電子素子等に接続される電極である。したがって、導電膜105は電極パッド103を介して駆動用IC4′内部の電子素子等に導電接続されている。
【0062】
突起体104は、図5に示すように、能動面102aの長辺102b及び102cに沿って複数配置され、相隣接する突起体104は、それらの間に設けられた繋ぎ部104aにより繋がっている。したがって、各突起体104と繋ぎ部104aとを結合した形状は略直線状の形状を有する。
図5に示すように、この突起体104は、その延材方向に対して直角方向の断面の形状が半円形状となっている。なお、突起体の断面形状は、半円形状に限らず、底部から頂部へ向かって徐々に狭くなる形状であればよい。例えば、半楕円形状、半長円形状、三角形状等に形成できる。突起体104は、弾性を有する樹脂、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂等により形成される。
【0063】
導電膜105は、電極パッド103の表面ら突起体104の表面にわたって形成されている。この導電膜105は、導電性の金属材料、例えば、Au(金)、TiW(チタンタングステン)、Cu(銅)、Ni(ニッケル)、Al(アルミニウム)、Cr(クロム)等を用いて単層構造又は多層構造に形成することができる。多層構造にすることにより、導電膜105の電気抵抗を低減することができる。この導電膜105を突起体104の表面に島状に等間隔に複数個並べて形成することにより、図5に示すように、複数のバンプ101からなる1つのバンプ群107が形成される。
【0064】
そして、図6に示すように、駆動用IC4′の各バンプ101と接続される、基板12側の複数の接続端子39のうち、駆動用IC4の長手方向略中央に位置する4つの接続端子39の、隣接する接続端子間に、壁状のガイド部材40を形成しておき、このガイド部材40をガイトとして、駆動用IC4′を位置決めし、NCF等の接着材料を用いて加圧接着する。
【0065】
加圧に伴い、接続端子39に対してバンプ101が位置ずれしようとすると、ガイド部材40がバンプ101の位置ずれを抑制するように作用するから、この場合も、位置ずれを抑制し、駆動用IC4′を、高精度に目標とする位置に実装することができる。
また、上記実施の形態においては、液晶表示装置100において、駆動用IC4の実装領域にガイド部材40を形成する場合について説明したがこれに限るものではなく、有機EL装置、無機EL装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、等といった各種の電気光学装置に適用することができる。また、このような電気光学装置に限るものではなく、ICチップの突起電極とこれに対向する接続端子とを、ACFで接着する場合等、加圧により圧着する場合であっても適用することができる。
【0066】
また、上記実施の形態においては、ガイド部材40を基板12側の駆動用IC4の実装領域にガイド部材40を形成する場合について説明したがこれに限るものではなく、駆動用IC4側にガイド部材40を形成してもよい。つまり、図7に示すように、一の突起電極4aの両側に壁状のガイド部材40を設け、且つガイド部材40を、接続端子39と突起電極4aとを導電性粒子36aを含むACF36で接着したときに、ガイド部材40の下端が、接続端子39の張り出し部12αの表面から突起している部分の最下部と先端との間に位置して接続端子39の側面と対向し、且つ、張り出し部12α表面に接することのない高さに形成すればよい。
【0067】
なお、上記実施の形態において、張り出し部12αが基板に対応し、駆動用IC4が電子部品に対応し、ACF36が接合部材に対応し、接続端子39が導電体に対応している。
また、図3のP15の仮圧着工程において、突起電極4aをガイド部材40に合わせて位置決めする工程が位置決め工程に対応し、P15の仮圧着工程及びP16の本圧着工程において加圧し圧着する工程が圧着工程に対応している。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明を適用した液晶表示装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】図1の駆動用ICの実装領域近傍の一例を示す概略構成図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図3】図1の液晶表示装置の製造方法の一例を示す工程図である。
【図4】ガイド部材のその他の配置例である。
【図5】樹脂コアバンプを有する駆動用ICの一例を示す斜視図である。
【図6】図5のB−B′断面図を上下反転した図である。
【図7】ガイド部材のその他の配置例である。
【符号の説明】
【0069】
1 液晶パネル、4 駆動用IC、4a 突起電極、5 バックライトユニット、11,12 基板、12α 張り出し部、39 接続端子、40 ガイド部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電体が形成された基板を有し、前記導電体と電子部品の突起電極とを接合部材により加圧接着して、前記電子部品を前記基板に実装する実装構造体であって、
前記基板の前記導電体が形成された面に、前記導電体1つを挟んでその両側に形成される壁状のガイド部材を備えることを特徴とする実装構造体。
【請求項2】
前記ガイド部材は、前記接合部材排出用の案内口を有することを特徴とする請求項1記載の実装構造体。
【請求項3】
導電体が形成された基板を有し、前記導電体と電子部品の突起電極とを接合部材により加圧接着して、前記電子部品を前記基板に実装する実装構造体であって、
前記基板の前記導電体が形成された面に、隣接する前記導電体間に形成され且つこれら導電体それぞれと対向する端面を有するガイド部材を備えることを特徴とする実装構造体。
【請求項4】
前記ガイド部材は、前記導電体それぞれに沿って形成される一対の壁状部材であることを特徴とする請求項3記載の実装構造体。
【請求項5】
前記ガイド部材は、前記接合部材により前記電子部品の突起電極が前記導電体に加圧接着されたときに、
前記基板側面から見て、前記ガイド部材の上端が前記突起電極の突起部分の付け根と先端との間に位置する高さに形成されることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の実装構造体。
【請求項6】
前記接合部材は導電性粒子を含み、前記電子部品の突起電極と前記導電体とを前記接合部材により加圧接着し且つ前記突起電極と前記導電体とを前記導電性粒子を介して電気的に接続する実装構造体であって、
前記ガイド部材は、前記接合部材により前記電子部品の突起電極と前記導電体とが前記導電性粒子を介して電気的に接続されたときに、
前記基板側面から見て、前記ガイド部材の上端が前記突起電極の突起部分の付け根と先端との間に位置する高さに形成されることを特徴とする請求項5記載の実装構造体。
【請求項7】
電気光学物質を支持する一の基板を有し且つ当該一の基板には導電体が形成され、当該導電体と電子部品の突起電極とを、接合部材により加圧接着して、前記電子部品を前記基板に実装する電気光学装置において、
前記基板の前記導電体が形成された面に、前記導電体1つを挟んでその両側に形成される壁状のガイド部材を備えることを特徴とする電気光学装置。
【請求項8】
電気光学物質を支持する一の基板を有し且つ当該一の基板には導電体が形成され、当該導電体と電子部品の突起電極とを、接合部材により加圧接着して、前記電子部品を前記基板に実装する電気光学装置において、
前記基板の前記導電体が形成された面に、隣接する前記導電体間に形成され且つこれら導電体それぞれと対向する端面を有するガイド部材を備えることを特徴とする電気光学装置。
【請求項9】
前記ガイド部材は、前記導電体それぞれに沿って形成される一対の壁状部材であることを特徴とする請求項8記載の電気光学装置。
【請求項10】
導電体が形成されると共に、前記導電体一つを挟んでその両側に壁状のガイド部材が形成された基板に、前記導電体と電子部品の突起電極とを接合部材により加圧接着して前記電子部品を前記基板に実装する、電子部品の実装方法であって、
前記電子部品の突起電極と当該突起電極に対応する所定の前記導電体とが対向するように、前記ガイド部材をガイドとして前記電子部品を基板上に位置決めする位置決め工程と、
当該位置決め工程で位置決めした前記電子部品を加圧して、接合部材により前記電子部品の突起電極を前記導電体に接着する圧着工程と、を含むことを特徴とする電子部品の実装方法。
【請求項11】
導電体が形成されると共に、隣接する前記導電体間に、これら導電体それぞれと対向する端面を有するガイド部材が形成された基板に前記導電体と電子部品の突起電極とを接合部材により加圧接着して前記電子部品を前記基板に実装する、電子部品の実装方法であって、
前記電子部品の突起電極と当該突起電極に対応する所定の前記導電体とが対向するように、前記ガイド部材をガイドとして前記電子部品を基板上に位置決めする位置決め工程と、
当該位置決め工程で位置決めした前記電子部品を加圧して、接合部材により前記電子部品の突起電極を前記導電体に接着する圧着工程と、を含むことを特徴とする電子部品の実装方法。
【請求項12】
前記ガイド部材は、前記導電体それぞれに沿って形成される一対の壁状部材であることを特徴とする請求項11記載の電子部品の実装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−88096(P2009−88096A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−253586(P2007−253586)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(304053854)エプソンイメージングデバイス株式会社 (2,386)
【Fターム(参考)】