説明

平面状薄膜モジュールの作製

本願発明は、平面状薄膜モジュールを作製する方法、前記方法によって得られる平面状薄膜モジュール、熱交換モジュールを作製する方法、及び前記方法によって得られる熱交換モジュールに向けられる。一の態様において、本願発明の方法は、固体状態の平面状薄膜を提供するステップと、前記薄膜をサポートするための1つ又は複数の注封フレーム内に注封材料を射出するステップと、好ましくは熱圧によって、前記1つ又は複数の注封フレームを前記固体状態の平面状薄膜とともに組み立て、それによって薄膜フレームを形成するステップと、必要に応じて、前記平面状薄膜の少なくとも一方の側にスペーサーを提供するステップと、平面状薄膜モジュールを形成するために、気密方法で前記薄膜フレームの積み重ねを接合するステップと、を備え、前記接合するステップは、注封材料の溶着を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、平面状薄膜モジュールを作製する方法、前記方法によって得られる平面状薄膜モジュール、熱交換モジュールを作製する方法、及び前記方法によって得られる熱交換モジュールを記載する。
【背景技術】
【0002】
多くの産業は、流体及び/又は気体(から成分)を分離するために、薄膜を使用する処理を適用する。そのような処理の代表的なものは、例えば精密ろ過、限外ろ過、逆浸透、電気透析、拡散透析、気体分離、パートラクション(pertraction)、薄膜蒸留、及び透析蒸発(pervaporation)である。薄膜が適用されることができる他の処理は、薄膜モジュールにおける化学反応/化学処理(触媒反応/触媒処理)、逆電気透析(reversed electro dialysis)又は圧力遅延浸透(pressure retarded osmosis)による水の流れの塩分濃度における差からのエネルギーの製造を含む。
【0003】
そのような薄膜処理における薄膜は、構造(多孔性/非多孔性)において変更されてもよく、かつ材料(有機/無機)において変更されてもよい。薄膜は、成分レベルで特定の分離及び輸送を達成するために、薄膜と浸透している/輸送された成分との間の物理的性質及び/又は化学的性質の差を使用する。薄膜を通じた輸送は、駆動力が供給における化合物/成分に適用される場合に生じる。該駆動力は例えば、薄膜間の(蒸気)圧力差、電位差、又は濃度差(又は活動差)である。多くの場合、選択度(selectivity)も重要である。
【0004】
薄膜モジュールは、例えば化合物の分離又は化合物間の化学反応が、薄膜を通じて一の相(phase)から薄膜の反対側の他の相への特定の駆動力に起因して達成される装置である。この薄膜モジュールは、他の相内に一の相の分散(dispersion)なしで、気体/液体、気体/気体、又は液体/液体の物質移動を達成する。薄膜は、境界面を示し、2つ以上の(非)均一な相の間で選択透過性バリア(perm selective barrier)として画定されることができる。従来の分散相接触器(dispersed phase contactors)と対比して、薄膜モジュールの重要な利点のいくつかは、例えば、早い流速でのフラッジング(flooding)が無い点、遅い流速でのアンローディングが無い点、エマルジョンが無い点、及び必要とされる流体間の密度差が無い点である。それらは、装置の体積を減少させ、薄膜間の非分散的接触におけるより多くの境界面積を提供する。薄膜は注意深く、物質移動効率のできる限り高い値を可能にするように選択されるべきである。薄膜モジュールは典型的に、2つ以上の入口と、2つ以上の出口を有する。それに対して、例えばフィルターモジュールは、1つの入口と、1つのろ過された出口と、を有しており、フィルター残液が、フィルターによって遮断され、且つフィルターモジュール内に捕獲される。
【0005】
それらの分離を達成するために使用された薄膜は、平面状シート、スパイラル巻きシート(spiral wound sheet)、管状の中空繊維などの様々な幾可学的形状で製造される。薄膜の幾可学的形状は一般に、達成されるべき分離の性質及び薄膜製造設備の制限によって要求される。単位容積あたりの薄膜面積を最大化させるために、多数の薄膜が一般的に薄膜モジュール内に含まれる。多数の平面状薄膜モジュールは例えば、ネジ、ボルト、シール、及び/又は接着剤などの組立手段を使用して積み重ねられることができる。そのような組立手段は一般的に、低い耐化学性を有する。
【0006】
発明者らは、高温及び/又は化学物質との接触などの特定の条件下において、従来の平面状薄膜モジュールが十分に実行されていないとの問題に直面した。一方、良好な耐熱性及び化学慣性(chemical inertia)を示す中空繊維の薄膜モジュールは、利用可能である。しかしながら、それらの中空繊維の薄膜モジュールは、非常に高価であり、限定された用途を有し、中空繊維の周りの難しい流れ特性(flow characteristics)をこうむる。さらに、平面状薄膜は、非常に豊富であり、それ故に非常に容易に適用可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願発明の目的はそれ故に、幅広い適用性を有し、且つ比較的安価であり、該薄膜モジュールが良好な耐化学性を高い耐熱性と組み合わせる、平面状薄膜モジュールを作製する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明者らは、この目的が、注封(potting)が射出成形され、且つ異なる薄膜フレームが溶融によって組み合わされる、平面状薄膜モジュールを作製する方法を提供することによって対処されることができることを発見した。
【0009】
それ故に、第1の態様において、本願発明は、平面状薄膜モジュールを作製する方法であって、
固体状態の平面状薄膜を提供するステップと、
前記薄膜をサポートするための1つ又は複数の注封フレーム内に注封材料を射出成形するステップと、
好ましくは熱圧によって、前記1つ又は複数の注封フレームを前記固体状態の平面状薄膜とともに組み立て、それによって薄膜フレームを形成するステップと、
必要に応じて、前記平面状薄膜の少なくとも一方の側にスペーサーを提供するステップと、
平面状薄膜モジュールを形成するために、気密方法で前記薄膜フレームの積み重ねを接合するステップと、
を備え、前記接合するステップは、注封材料の溶着を含むことを特徴とする方法に向けられる。
【0010】
さらなる態様において、本願発明は、平面状薄膜モジュールを作製する方法であって、
固体状態の平面状薄膜を提供するステップと、
必要に応じて、前記平面状薄膜の少なくとも一方の側にスペーサーを配置し、熱圧によって、前記平面状薄膜の周囲で前記平面状薄膜上に前記スペーサーを取り付け、それによって、スペーサー及び平面状薄膜の半組立体を形成するステップと、
前記平面状薄膜の周りに、又は前記スペーサー及び平面状薄膜の半組立体の周りに、注封を射出成形し、それによって、薄膜フレームを形成するステップと、
平面状薄膜モジュールを形成するために、気密方法で前記薄膜フレームの積み重ねを接合するステップと、
を備え、前記接合するステップは、注封材料の溶着を含むことを特徴とする方法に向けられる。
【0011】
本願発明の処理は有利には、異なる構成要素のためのあらゆる熱可塑性材料の選択によって、化学的に安定であり、且つ高い動作温度(例えば、90℃、150℃、又はそれ以上の温度までの動作温度)までの使用に適した薄膜モジュールをもたらす。同時に、本願発明は、動作中に高い圧力差で使用されることができる薄膜モジュールを設計することを可能にする。さらに、平面状薄膜を使用する本願発明のアプローチは、幅広い材料の選択を可能にし、それによって、幅広い分野の用途を可能にする。さらに、単純な処理ステップを使用することによって、製造コストは低いままであり、生産速度は高くすることができる。他の利点は、本願発明が用途に応じて、異なる寸法の薄膜モジュールの製造を可能にし、例えば、(モジュール当たり0.1〜10m、好ましくはモジュール当たり0.5〜5mなどの)小さな寸法の薄膜モジュール、(モジュール当たり10〜200m、好ましくはモジュール当たり50〜100mなどの)中間の寸法の薄膜モジュール、及び(モジュール当たり200m以上、好ましくはモジュール当たり500〜1000mなどの)大きな寸法の薄膜モジュール、の製造を可能にする。
【0012】
さらに、本願発明は有利には、プラスチック材料が処理流れ(process flow)と接触する薄膜モジュールの製造を可能にする。これゆえに、液体及び/又は気体との接触によって生じる腐食しやすい材料の腐食は有利には、避けられることができる。それ故に、本願発明は、高い耐腐食性の薄膜モジュールの製造を可能にし、例えば、塩水流れ及び/又は海水の処理の分野において適用され、且つ腐食が重要な役割を果たす他の用途において適用される。有利には、本願発明によれば、接着剤及びネジなどによる固定から生じる弱み又は弱点は、最小化され、それによって薄膜モジュールの寿命を延ばす。
【0013】
本願発明の方法に従って使用される固体状態の平面状薄膜の種類は制限されず、平面状薄膜モジュールが使用されるべき用途に強く依存する。薄膜は、例えば、微孔性とされ、均一性とされ、不斉性(asymmetric)とされ、帯電され、且つ必要に応じて、表面処理されることができる。1つ又は複数の付加的な層が、例えば機械的サポートのために薄膜に適用されることも、可能である。
【0014】
平面状薄膜に使用される材料の例は、(ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene)などの)フッ素ポリマー、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、スルホン酸化したポリエーテルエーテルケトン(sulphonated poly ether ether ketone)、ポリエーテルサルホン(poly ether sulphone)、イオン選択性薄膜(すなわち、陽イオン又は陰イオンの浸透性薄膜)、及びいわゆる双極性薄膜(bipolar membrane)を含む。本願発明の方法に従って使用される薄膜は、1つ又は複数のそれらの材料を適切に備えることができる。有利には、それらの材料は、比較的高い耐化学性及び/又は熱抵抗を有することができる。
【0015】
用途に応じて、平面状薄膜は、適切な前処理にさらされることができる。そのような前処理は例えば、薄膜の孔の含浸(impregnation)、薄膜表面の被覆、及び/又は薄膜表面のエッチングを含むことができる。例えば、親水性薄膜は、薄膜の孔を疎水性溶剤で含浸することによって、疎水性を与えられることができる。
【0016】
本願発明に従って使用される平面状薄膜は、多孔性又は非多孔性とされることができる。多孔性薄膜は、幅広く変化する孔径を有することができる。平面状薄膜の平均孔径は一般的に、300μmより小さいとされ、例えば(特に液体/液体(成分)の分離又はパートラクションのための)0.02〜0.05μm、(特に薄膜蒸留のための)0.05〜0.2μm、又は100〜200μmとされる。0.01μm未満の平均孔径を有する平面状薄膜、例えば、電気化学において使用されるなどのイオンのための多孔性である薄膜を使用することでさえ、可能である。平均孔径は、ASTM F−360−80(Fischer et al. "Eine Methode zur Ermittlung der Porengrossenverteilung" in Messtechnik 1968, 76(12))に明確にされた起泡点方法(bubble point method)に従って測定されることができる。
【0017】
さらに、様々な薄膜の厚さは適用されることができる。一般には、薄膜は、500μmを越える厚さを有さないであろう。好ましくは、薄膜の厚さは、150μm以下であり、具体的には100μm以下とされるであろう。薄膜があまりに厚い場合に、薄膜を通じた物質移動がますます遅くなり、分離の全体的な処理時間が増加するであろう。薄膜の厚さは一般的に、十分な機械的強度を備えるために、少なくとも10μmの厚さを有するであろう。
【0018】
薄膜モジュールにおける平面状薄膜がそれぞれ、同一の厚さを有し、且つ同一の材料から全て構成されることは、必要とされない。1つの薄膜モジュール内に2つ以上の異なる薄膜を組み合わせることは、可能である。例えば、電気透析において、薄膜モジュールは、陽イオン薄膜及び陰イオン薄膜を備えることができ、又は薄膜モジュールは、陽イオン薄膜、陰イオン薄膜、及び双極性薄膜を備えることができる。
【0019】
平面状薄膜、任意のスペーサー、及び注封を別にして、さらなる構成要素は、薄膜モジュール内に含まれる場合がある。例えば、薄膜モジュール内に1つ又は複数のフォイルを含むことは、可能である。プラスチック材料を別にして、フォイルは、腐食に対して感応性である材料を備えることができる。それにもかかわらず、処理流れと接触する任意のフォイルの上面層は、非腐食性材料から製造される。例えば、薄膜蒸留において、ポリマーフォイルは、凝縮熱を蒸留液から冷たい供給水へ移動させるために導入される。温かい供給水は次いで、水蒸気が移送される薄膜によって蒸留液から分離される。
【0020】
本願発明の方法の特別な実施形態において、固体状態の平面状薄膜はフォルのために、非腐食性材料の表面と置換される。該方法はその結果、薄膜モジュールを形成しないが、熱交換モジュールを生み出す。該フォイルは例えば、プラスチックフォイルとされることができ、又は腐食に対して感応性とされ得る中央層を有するフォイルとされているが、非腐食性とされる1つ又は複数のプラスチック材料によって両側で積層される。
【0021】
さらに、フォイルは、例えば、薄膜及びスペーサーの熱圧中、又は後方の段階において薄膜フレーム内に適用される緩いスペーサーによる穿孔に起因して、薄膜をスペーサーによる損傷から保護するために、薄膜の一方の側又は両方の側(好ましくは両方の側)に適用されることができる。任意のフォイルは好ましくは、薄膜の周囲のみに適用され、薄膜の縁部に亘って薄膜の中央へ僅かに延在する。それ故に、好ましくは、フォイルは、フレーム又はウィンドウの形状を有しており、薄膜の中央を覆われていない状態にする。これは、薄膜フレームの組立中に、薄膜の効果的な保護を可能にする。これゆえに、任意のスペーサーが適用される場合に、曝された薄膜(bare membrane)は保護される。
【0022】
必要に応じて、薄膜は、サポート層又はキャリアによって機械的にサポートされてもよい。
【0023】
本願発明によれば、少なくとも1つのスペーサーは必要に応じて、各2つの薄膜の間に提供される。それらのスペーサーは、圧密(consolidation)、セル厚み、及び/又は流れ制御のために使用されることができる。必要に応じて、薄膜の少なくとも一方の側に配置されるスペーサーは、特定の用途に応じて選択されることができる。該スペーサーは、薄膜モジュールにおける異なる平面状薄膜の間の接触が存在しないこと、及び薄膜モジュールにおける薄膜への流体の輸送及び薄膜からの流体の輸送の供給を容易にすることを確実にする。薄膜モジュールのためのスペーサーの幅広い範囲は、先行技術において周知である。プラスチックスペーサーは、押し出し成形及び射出成形によって製造されることができる。より一般的なプラスチック材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、フッ化ポリビニリデン、エチレン‐クロロトリフルオロエチレン共重合体、及びポリアミドである。しかしながら、ほとんど全てのプラスチック材料は適用されることができ、エラストマー種類のいくつかも適用されることができる。
【0024】
スペーサーは、様々な形状を有することができる。一般的に、スペーサーは、グリッド又は格子の形態とされる。しかしながら、いわゆる不織布などのスペーサーの他の形態は、同様に使用されることができる。各薄膜の間に使用されるスペーサーの数及び種類は、変更することができる。単一のスペーサーは使用されることができるが、2つ、3つ、又は4つのスペーサーなどの多数のスペーサー(類似のスペーサー又は異なるスペーサー)は、各薄膜の間に適用されることができる。薄膜モジュールにおけるスペーサーがそれぞれ、同一の厚さ及び形状を有し、且つ同一の材料から構成されることは、必要とされない。薄膜モジュールにおける構成要素の少なくとも1つにおいて、スペーサーを使用しないことは、可能である。
【0025】
本願発明の一の実施形態において、スペーサーは、注封材料とともに射出成形され、それによって、注封材料及びスペーサーが1つの部品として製造される。例えば、スペーサーは、1つ又は複数の注封フレーム内に、注封材料とともに射出成形されることができる。この実施形態において、有利には、注封又は薄膜上にスペーサーを固定する必要性を避ける。
【0026】
各スペーサーの厚さは独立的に、0.1mm以上とされることができる。用途に応じて、各スペーサーの厚さは独立的に、20mm未満とされることができる。一般に、各スペーサーは独立的に、0.1〜10mmの範囲、例えば0.1〜1mmの範囲、1〜5mmの範囲、又は5〜10mmの範囲における厚さを有するであろう。
【0027】
本願発明の第1の態様によれば、注封材料は、薄膜をサポートするための1つ又は複数の注封フレーム内に第1に射出成形される。射出成形処理及び使用された注封材料は、上記と同一とされることができる。固体状態の平面状薄膜がその間に組み立てられることができる2つの注封フレームを作製することは、好ましい(それら2つの注封フレームが必ずしも同一の形状及び/又は寸法を有する必要がない)。
【0028】
後続のステップにおいて、1つ又は複数の射出成形された注封フレームは、薄膜フレームを形成するために固体状態の平面状薄膜とともに組み立てられる。上述したように、薄膜フレームは好ましくは、2つの注封フレームの間に挟まれた薄膜(必要に応じて、サポート層及びキャリアによってサポートされる)を備える。薄膜フレームを組み立てることは好ましくは、本願明細書に記載されるような熱圧によって実施される。例えば、2つの注封フレームの間に挟まれた固体状態の平面状薄膜は、薄膜フレームを形成するために、熱圧によって組み立てられることができる。
【0029】
しかしながら、1つ又は複数の注封フレームを射出成形し、且つフォイルフレーム又はウィンドウを使用して1つ又は複数の注封フレームを固体状態の平面状薄膜とともに組み立てることも、可能である。上記で説明されるように、そのようなフォイルフレーム又はウィンドウは、薄膜の周囲を覆うが、薄膜の中央を覆われない状態にする。そのような実施形態において、フォイルフレーム又はウィンドウは、薄膜の一方の側又は両方の側に配置され、1つ又は複数のフォイルフレーム又はウィンドウと薄膜の半組立体は次いで、例えば半組立体を1つ又は複数の注封フレームに配置することによって、又は2つの注封フレームの間に半組立体を配置することによって、1つ又は複数の注封フレームと組み立てられ、それ故に、薄膜フレームを形成する。また、この半組立体は好ましくは、熱圧によって実施される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1A】スペーサーが注封材料とともに注封フレーム内に射出成形される状態の注封フレームを示す図である。
【図1B】図1に類似の実施形態を示す図である。
【図2A】注封フレームの形態を示す図である。
【図2B】薄膜フレームの積み重ねの接合を示す図である。
【図2C】ハウジングを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
必要に応じて、スペーサーは、平面状薄膜の少なくとも一方の側に設けられることができる。一の実施形態において、これは、薄膜フレームを作製した後で、すなわち、固体状態の平面状薄膜と1つ又は複数の注封フレームの組み立て後に、スペーサーを薄膜フレーム内に配置することによって実現される。他の好ましい実施形態において、これは、注封材料とともにスペーサーを1つ又は複数の注封フレーム内に射出成形することによって、すなわち、1つ又は複数の注封フレームを固体状態の平面状薄膜と組み立てる前に、実現される。スペーサーが注封材料とともに注封フレーム内に射出成形される注封フレームの一例は、図1Aに示される。この図には、薄膜2は、射出成形された注封フレーム(potting frame)1と射出成形された注封フレーム3との間に挟まれる。この実施形態は、注封材料とスペーサー材料との間の干渉がもはや存在しないので、非常に有利である。さらに、豊富に市販されている(commercially abundantly available)スペーサーの選択が制限されることに留意されたい。しかしながら、スペーサー材料を注封材料とともに注封フレーム内に射出成形することによって、所望のスペーサー材料の幅広い範囲は、想定される用途に応じて選択されることができる。別に射出成形されたスペーサーを使用することはまた、可能である。図1Bは、類似の実施形態を示しており、図1Bにおいて、薄膜6は、薄膜フレームを形成するために、フォイルフレーム又はウィンドウ5及び7を使用して、注封フレーム4及び8と組み立てられる。
【0032】
本願発明の第2の態様によれば、1つ又は複数のスペーサーを平面状薄膜の一方の側又は両方の側に配置した後で、又は、2つの薄膜の間にスペーサーを配置した後で、スペーサー(複数のスペーサー)及び薄膜(複数の薄膜)は、平面状薄膜の周囲で「熱圧」される。本願で使用される「熱圧」との用語は、十分な力及び温度を提供する圧力及び加熱、例えば、押圧又は超音波溶着と組み合わされた赤外線を含んでいる任意の動作に言及することを意味しており、それによって、スペーサーを薄膜上に取り付け、又は、薄膜を1つ又は複数の注封フレームに取り付ける。熱圧するステップ中に、スペーサー材料は、薄膜上に押圧され、好ましくは、成形材料が射出成形ステップ中に流れることができる開口部を実質的に有していない周囲を形成する。熱圧中に、平面状薄膜は通常、スペーサー材料に固定され、それによって、さらに処理されることができるスペーサー及び平面状薄膜の半組立体(sub-assembly)を形成する。(エッチング、浸染(dipping)、又は照射などの)薄膜の前処理は、スペーサーに対する薄膜の良好な接着を達成するために適用されることができる。
【0033】
スペーサー薄膜結合体を熱圧することは通常、ポリエチレン及び/又はポリプロピレンなどのスペーサー材料が含まれる場合に100℃〜200℃の範囲の温度と、2〜40バールの圧力、好ましくは5〜20バールの圧力と、を含む。ポリアミド、フッ化ポリビニリデン(polyvinylidene fluoride)、エチレン‐クロロトリフルオロエチレン共重合体(ethylene chlorotrifluoroethylene copolymer)、及び/又はポリエーテルエーテルケトン(poly ether ether ketone)などの材料が含まれる場合に、一般的に、200℃〜400℃の範囲の温度及び2〜40バールの範囲の圧力が適用される。薄膜の溶融温度に近い温度は、薄膜の損傷及び/又は穿孔に導く場合があり、それ故に好ましくない。使用される正確な温度及び圧力は、薄膜材料及びスペーサー材料に依存する。
【0034】
その後のステップにおいて、注封は、平面状薄膜の周りに、又はスペーサー及び平面状薄膜の半組立体の周りに射出成形され、それによって薄膜フレームを形成する。注封は、様々な異なる材料を備える場合がある。しかしながら、良好な結果は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、及び/又は、射出成形と適合性のあるポリフッ素重合体(polyfluoropolymers)(例えば、パーフルオロアルコキシ共重合体(perfluoralkoxy copolymer)、4フッ化エチレン‐エチレン共重合体(ethylene‐tetrafluoroethylene copolymer)、及びフッ化エチレンプロピレン共重合体(fluorinated ethylene propylene copolymer)、フッ化ビニリデン樹脂(polyvinylidene fluoride)及び変性ポリテトラフルオロエチレン(modified polytetrafluorethylene)など)によって達成される。
【0035】
射出成形は、薄膜フレームの容易な製造を可能にする比較的安価な技術であり、且つ多くの列(large series)のための比較的安価な技術である。任意のスペーサーを薄膜上に熱圧することによって、半組立体は、その周囲が開口部を実質的に有していない射出成形より前に形成される。有利には、これは、スペーサー/薄膜半組立体内に延在する成形材料を有することなく、注封を射出成形することを可能にする。例えば、ピンチエッジ(pinch edge)を備えた射出成形はその結果、任意の流れ開口部を切断するように適用されることができる。注封とともにスペーサーを射出成形することは、さらに可能である。この方法で、スペーサーは、例えば平面状薄膜に対して直接的に射出成形されることができ、それによって、スペーサーを平面状薄膜上に熱圧させるステップを不要にさせる。
【0036】
本願発明の第1の態様及び第2の態様によれば、本願発明の平面状薄膜モジュールは、互いの上面に複数の薄膜フレームを積み重ねることによって作製されることができる。各フレームは、同一の外寸を有することができる。しかしながら、本願発明による薄膜モジュールはまた、例えば寸法又は化学的性質に対して2つ以上の異なるフレームを備えることができる。例えば、平面状薄膜モジュールにおける1つ又は複数の薄膜フレームには、スペーサーが設けられてもよい一方、薄膜モジュールにおける他の薄膜モジュールには、スペーサーが設けられていない。複数の孔を有するフレームを提供し、それらの孔を互いに位置合わせさせることによって、通路は、例えば、給水、排出、浸透、製品、及び/又は濃縮水の共通の供給のために形成されることができる。好ましい実施形態において、薄膜フレーム(同一の形状及び/又は寸法を必ずしも有さない)は、交互の鏡反転様式(alternating mirror wise fashion)において積み重ねられ、それによって、薄膜の各側での流体は、逆方向に流れるであろう。
【0037】
2つ以上の薄膜フレームが互いの上面に配置された後で、積み重ねは、注封材料を溶着する(注封材料の溶融を含む)ことによって、特に、注封材料を熱的に溶着することによって接合される。複数の薄膜フレームの間の接合は気密とされるべきである。該接合は、例えばワイヤ溶着によって実施されることができ、そのワイヤ溶着によれば、金属ワイヤは、フレームの間に設けられる。(該ワイヤを通じて電流を一時的に印加することによって)該ワイヤを加熱すると、異なる薄膜フレームの注封材料及び薄膜フレームは、相互接続されることができ、好ましくはフレームを一緒に押圧する間に相互接続されることができる。冷却後、注封材料は凝固し、それによって複数の薄膜フレームを接合する。熱圧溶着によって2つのフレームを同時に接合することは、可能である。そのような熱圧溶着は、薄膜フレームの非常に特別な位置で実施されることができ、それによって正確な接合を可能にする。さらに、赤外線を使用して、注封材料を溶融することによって異なる薄膜フレームを接合し、その後、薄膜フレームが互いに対して押圧されることができることは、可能である。同様に、超音波溶着、ミラー溶着、及び同様のものは、使用されることができる。注封材料の溶融を含む異なる接合技術の組み合わせは、同様に使用されることができる。
【0038】
本願発明によれば、任意のスペーサー及び注封の材料が類似の溶融点を有することが好ましい。薄膜材料の溶融点が任意のスペーサー材料及び注封材料の溶融点と等しい、又は溶融点を越えることが好ましい。この方法において、本願発明は有利には、例えばポリテトラフルオロエチレン薄膜及びポリプロピレン注封を有する薄膜モジュール、ポリプロピレン薄膜及びポリプロピレン注封を有する薄膜モジュール、又はポリテトラフルオロエチレン薄膜及びパーフルオロアルコキシ共重合体注封(perfluoralkoxy copolymer potting)を有する薄膜モジュール、を作製することを可能にする。この場合、任意のスペーサーは、熱圧によって薄膜に取り付けられるべきであり、スペーサー材料の溶融温度及び注封材料の溶融温度が互いに近接していることが好ましい。偏差は好ましくは、20℃の範囲内に維持される。スペーサーが注封材料とともに射出成形される実施形態において、注封材料及びスペーサー材料は同一である。
【0039】
本願発明の方法はさらに、図2の概略図によって図示される。注封フレームのあらゆる形態は、図2Aに記載される。薄膜フレームにおける複数の孔は、例えば給水、排出、浸透、及び/又は濃縮水の供給を可能にする。交互の反転様式(alternating mirror wise fashion)で薄膜フレームの積み重ねを接合することは、図2Bに示されるように、有利な逆流設計(counter-current design)を生じさせる。薄膜フレームにおける複数の孔の提供及び例えば給水、排出、浸透、及び/又は濃縮水の供給のためのハウジングは、図2Cに示されるように、さらなる装置に対する薄膜システムの単純な結合を可能にする。
【0040】
有利には、生じた平面状薄膜モジュールは、Oリング、ネジ、ボルト、接着剤、又は複数の薄膜フレームを薄膜モジュール内に組み合わせるための他の付加的な要素を必要としない。これは、そのような付加的な要素が一般的に、完成した薄膜モジュールの早期の漏れ(premature leakage)を引き起こす欠点又は潜在的な理由であるので、非常に有利である。
【0041】
それ故に、さらなる態様において、本願発明は、本願発明による処理によって得られる平面状薄膜モジュールに向けられている。好ましい実施形態において、本願発明の薄膜モジュールは、Oリング、ネジ、ボルト、及び接着剤が存在しない。本願発明の処理によって得られる平面状薄膜モジュールは、従来の技術を使用して、外部フレーム内に収納されることができる。外部フレームは、薄膜モジュールの機械的性質を改善し、例えば動作中の圧力吸収を手助けする。
【0042】
一の実施形態において、本願発明の薄膜モジュールは、プラスチック材料から構成される。すなわち、モジュールの内側でプロセス流体(液体及び/又は気体)と接触する全ての部品及び材料は、金属などの腐食しやすい材料(corrosion sensitive materials)を含まない。そのような薄膜モジュールは、高い耐腐食性を有する。
【0043】
本願の薄膜モジュールは、幅広い用途に適用されることができる。薄膜モジュールは、液体/液体システム、気体/気体システム、及び液体/気体システムの薄膜処理のために使用されることができる。用途のいくつかの例は、汚水から有機相/有機成分の抽出、気体吸着、及び薄膜蒸留を含む。用途は、大規模(約100,000〜500,000m以上の薄膜表面)から、中規模(約100〜10,000m程度の薄膜表面)までの規模において幅広い範囲とされることができ、例えば、分散される用途のための約0.1〜10m程度の薄膜面積における低規模までの幅広い範囲とされることができる。
【0044】
(使用された材料に応じて)薄膜モジュールは、80℃、120℃、150℃、又はそれ以上の温度までの動作温度で使用されることができる。通常、薄膜モジュールは5℃以下の温度で動作しないであろう。さらに、薄膜モジュールにおける異なる薄膜フレームの間の高い品質の溶着接合に起因して、かなりの圧力差を取り扱うことは可能である。動作中に、薄膜モジュールの特定の位置での圧力差が例えば約1〜2バールの値に到達することができるので、これは重要である。通常、この圧力差は、4バールを越えないであろう。好ましくは、圧力差は、3バール以下である。
【0045】
本願発明は次いで、以下の実施例によって図示されるであろう。
【実施例1】
【0046】
ポリプロピレン注封フレームは、射出成形によって製造された。この射出成形された注封フレームは、フレーム内に直接的に射出成形された一体型のスペーサー構造を有する。第2の注封フレームは、第1のフレームに類似して射出成形された。
【0047】
射出成形された注封フレームの両方の間には、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)薄膜シートが配置される。
【0048】
半組立体(薄膜フレーム)は、165℃の温度及び10バールで、射出成形された注封フレームとともにPTFE薄膜シートを、使用されるべき薄膜表面の縁部に熱圧することによって製造された。
【0049】
1mmの直径の金属製ワイヤである伝導性ワイヤは、第1の薄膜フレームの流体ポケット及び周囲の周りに配置された。第2の薄膜フレームは、第1の薄膜フレームの上面に配置され、それによって、逆流流れ(counter-current-flow)が各薄膜の2つの側上に形成された。
【0050】
伝導性ワイヤは、薄膜フレームのポリプロピレンを局所的に溶融させるのに十分長い期間、30V及び8Aの範囲の電流によって加熱された。ポリプロピレンが溶融された場合に、電流は停止され、2つの薄膜フレームは、ポリプロピレンが100℃以下に冷却されるまで、互いに押圧された。
【0051】
より大きな薄膜領域は、上述した方法で、互いの上面により多くの薄膜フレームを載置することによって形成されることができる。
【0052】
薄膜ユニットを仕上げるために、第1の流体のための入口及び出口を有する端部プレートは一方の側に配置されており、第2の流体のための入口及び出口を有する端部プレートは他方の側に配置されている。両方の端部プレートは、上述した伝導性ワイヤで溶着された。
【実施例2】
【0053】
典型的に0.5mmの厚さの2つのポリプロピレンは、PTFE薄膜シートの周囲で両側に熱圧される。2つの熱圧されたフレームを有するこの薄膜は、スペーサーなしで、薄膜フレームを射出成形するための金型内に配置される。ポリプロピレン薄膜フレームを射出成形することによって、射出成形されたポリプロピレンは、両者が互いに溶融される方法で、熱圧されたフレームを溶融する。この方法において、薄膜フレームは形成される。
【0054】
別個の射出成形されたスペーサー又は市販のスペーサーは、薄膜フレーム上に配置された。
【0055】
1mmの直径の金属製ワイヤである伝導性ワイヤは、第1の薄膜フレームの流体ポケット及び周囲の周りに配置された。第2の薄膜フレームは、第1の薄膜フレームの上面に配置され、それによって、逆流流れが各薄膜の2つの側上に形成された。
【0056】
伝導性ワイヤは、薄膜フレームのポリプロピレンを局所的に溶融させるのに十分長い期間、30V及び8Aの範囲の電流によって加熱された。ポリプロピレンが溶融された場合に、電流は停止され、2つの薄膜フレームは、ポリプロピレンが100℃以下に冷却されるまで、互いに押圧された。
【0057】
より大きな薄膜領域は、上述した方法で、互いの上面により多くの薄膜フレームを載置することによって形成されることができる。
【0058】
薄膜ユニットを仕上げるために、第1の流体のための入口及び出口を有する端部プレートは一方の側に配置されており、第2の流体のための入口及び出口を有する端部プレートは他方の側に配置されている。両方の端部プレートは、上述した伝導性ワイヤで溶着された。
【符号の説明】
【0059】
1 注封フレーム
2 薄膜
3 注封フレーム
4 注封フレーム
5 フォイルフレーム又はウィンドウ
6 薄膜
7 フォイルフレーム又はウィンドウ
8 注封フレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面状薄膜モジュールを作製する方法であって、
固体状態の平面状薄膜を提供するステップと、
前記薄膜をサポートするための1つ又は複数の注封フレーム内に、注封材料を射出成形するステップと、
好ましくは熱圧によって、前記1つ又は複数の注封フレームを前記固体状態の平面状薄膜とともに組み立て、それによって薄膜フレームを形成するステップと、
必要に応じて、前記平面状薄膜の少なくとも一方の側にスペーサーを提供するステップと、
平面状薄膜モジュールを形成するために、気密方法で前記薄膜フレームの積み重ねを接合するステップと、
を備え、前記接合するステップは、注封材料の溶着を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記スペーサーは、前記注封フレーム内に前記注封材料とともに射出成形されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スペーサーは、前記固体状態の平面状薄膜と前記1つ又は複数の注封フレームの組立後に、前記薄膜フレーム内に配置されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記固体状態の平面状薄膜と前記1つ又は複数の注封フレームの組立は、フォイルフレーム又はウィンドウの使用を含み、前記フォイルフレーム又はウィンドウが好ましくは、前記薄膜の周囲を覆い、前記薄膜の中央を覆われていない状態にすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
熱交換モジュールを作製する方法であって、
非腐食性材料の表面を有するフォイルを提供するステップと、
前記フォイルのためのサポート内に、注封材料を射出成形するステップと、
好ましくは熱圧によって、前記サポートを前記フォイルとともに組み立て、それによってフレームを形成するステップと、
必要に応じて、前記フォイルの少なくとも一方の側にスペーサーを提供するステップと、
熱交換モジュールを形成するために、気密方法で前記フレームの積み重ねを接合するステップと、
を備え、前記接合するステップが、注封材料の溶着を含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
平面状薄膜モジュールを作製する方法であって、
固体状態の平面状薄膜を提供するステップと、
必要に応じて、前記平面状薄膜の少なくとも一方の側にスペーサーを配置し、熱圧によって、前記平面状薄膜の周囲で前記平面状薄膜上に前記スペーサーを取り付け、それによって、スペーサー及び平面状薄膜の半組立体を形成するステップと、
前記平面状薄膜の周りに、又は前記スペーサー及び平面状薄膜の半組立体の周りに、注封を射出成形し、それによって、薄膜フレームを形成するステップと、
平面状薄膜モジュールを形成するために、気密方法で前記薄膜フレームの積み重ねを接合するステップと、
を備え、前記接合するステップは、注封材料の溶着を含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
前記取り付けステップは、その後、前記スペーサー及び平面状薄膜の半組立体の周囲が、成形材料が射出成形ステップ中に流れることができる開口部を実質的に有していないようなものであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記平面状薄膜が、含浸、被覆、及び/又はエッチングを含む前処理にさらされることを特徴とする請求項1〜4及び6〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記薄膜材料の溶融点が、前記注封材料及び前記任意のスペーサー材料の溶融点と等しい、又は溶融点を越えることを特徴とする請求項1〜4及び6〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記固体状態の薄膜は多孔性であり、0.01〜300μmの範囲の平均孔径、例えば、0.02〜0.05μmの範囲、0.1〜0.2μmの範囲、又は100〜200μmの範囲の平均孔径を有しており、
又は、前記固体状態の薄膜が非多孔性であることを特徴とする請求項1〜4及び6〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
熱交換モジュールを作製する方法であって、
非腐食性材料の表面を有するフォイルを提供するステップと、
必要に応じて、前記フォイルの少なくとも一方の側にスペーサーを配置し、熱圧によって前記スペーサーを前記フォイルの周囲で前記フォイル上に取り付け、それによって、スペーサー及びフォイルの半組立体を形成するステップと、
前記フォイルの周りに、又は前記スペーサー及びフォイルの半組立体の周りに、注封を射出成形し、それによって、フレームを形成するステップと、
熱交換モジュールを形成するために、気密方法で前記フレームの積み重ねを接合するステップと、
を備え、前記接合するステップは、注封材料の溶着を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記熱圧は、100〜400℃の温度及び2〜40バールの圧力を適用することを含む請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記注封材料は、ポリオレフィンなどの適合性プラスチックを射出成形すること、及び/又は適合性フッ素ポリマーを射出成形することを備えることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記溶着は、ワイヤ溶着、赤外線溶着、超音波溶着、ミラー溶着、及び/又は圧力溶着を備えることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
請求項1〜4、6〜10、及び12〜14のいずれか一項に記載の工程によって得られる平面状薄膜モジュール。
【請求項16】
前記薄膜モジュールには、プロセスガス及び/又は処理液との接触するOリング、ネジ、ボルト、及び接着剤が存在しないことを特徴とする請求項15に記載の平面状薄膜モジュール。
【請求項17】
請求項5及び11〜14のいずれか一項に記載の工程によって得られる熱交換モジュール。
【請求項18】
前記熱交換モジュールには、プロセスガス及び/又は処理液との接触するOリング、ネジ、ボルト、及び接着剤が存在しないことを特徴とする請求項17に記載の熱交換モジュール。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【公表番号】特表2013−501652(P2013−501652A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524669(P2012−524669)
【出願日】平成22年8月13日(2010.8.13)
【国際出願番号】PCT/NL2010/050508
【国際公開番号】WO2011/019278
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(511095850)ネーデルランドセ・オルガニサティ・フォール・トゥーヘパスト−ナトゥールウェテンスハッペライク・オンデルズーク・テーエヌオー (16)
【Fターム(参考)】