情報収集装置及び情報収集方法
【課題】
複数の移動ルートにおける並行走行の比較結果を利用して、利用者の利便性を向上させる。
【解決手段】
サーバ装置730Aの選定手段731が、走行情報の収集の開始位置及び終了位置により決定される移動ルートを、着目移動体と並行して走行する他移動体を選定する。そして、第1履歴生成手段732が、着目移動体が走行した際に収集された走行情報に基づいて第1走行履歴情報を生成し、第2履歴生成手段733が、他移動体が走行した際に収集された走行情報に基づいて第2走行履歴情報を生成する。引き続き、比較手段734が、第1及び第2走行履歴情報に基づき、各移動ルートのおける所要時間情報、距離情報、燃費情報の少なくとも1つを含む第1及び第2走行結果情報を導出し、当該情報の比較を行う。そして、更新手段735が、当該比較結果に基づき、ナビゲーション処理に利用される移動ルート情報を更新する。
複数の移動ルートにおける並行走行の比較結果を利用して、利用者の利便性を向上させる。
【解決手段】
サーバ装置730Aの選定手段731が、走行情報の収集の開始位置及び終了位置により決定される移動ルートを、着目移動体と並行して走行する他移動体を選定する。そして、第1履歴生成手段732が、着目移動体が走行した際に収集された走行情報に基づいて第1走行履歴情報を生成し、第2履歴生成手段733が、他移動体が走行した際に収集された走行情報に基づいて第2走行履歴情報を生成する。引き続き、比較手段734が、第1及び第2走行履歴情報に基づき、各移動ルートのおける所要時間情報、距離情報、燃費情報の少なくとも1つを含む第1及び第2走行結果情報を導出し、当該情報の比較を行う。そして、更新手段735が、当該比較結果に基づき、ナビゲーション処理に利用される移動ルート情報を更新する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報収集装置及び情報収集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両等の移動体に搭載されるナビゲーション装置が広く普及している。こうしたナビゲーション装置に関する技術の進展は目覚しく、利用者の利便性を向上させるための様々な技術が提案されている。
【0003】
かかる提案技術の一つとして、目的地に至る複数の移動ルートにおける情報をナビゲーション処理に利用する技術がある(特許文献1参照:以下、「従来例」と呼ぶ)。この従来例の技術では、道路交通情報を提供するシステムから渋滞情報、所要時間情報等を取得し、現在の誘導経路をそのまま走行したときと、迂回路を走行したときとにおける走行距離の相違及び所要時間の相違等、複数の誘導経路を並べてグラフ表示することで、利用者が容易に走行コスト等を比較できるようになっている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−267079号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来例の技術では、道路交通情報を提供するシステムから取得した渋滞情報、所要時間情報等を、表示方法に工夫を凝らして利用者に提示している。このように、この従来例の技術は、単に、複数の移動ルートにおける道路交通に関する情報を提供しているだけである。また、利用者に提示する所要時間情報は、上述したシステムが予測したものにすぎず、実際の所要時間と食い違うことがある。このため、利用者が選択したルートが最適なものであったか否かは、確認ができない。
【0006】
ところで、目的地に至る複数の移動ルートにおける情報をナビゲーション処理に利用する際には、実際の並行走行の結果を取得し、移動ルートごとの走行結果を比較して解析することができれば、より精度の良いナビゲーション処理を行うことが可能となり、利用者の利便性は向上する。
【0007】
このため、複数の移動ルートに関する実際の並行走行の結果を比較することで、ナビゲーション処理を行うことのできる技術が待望されている。かかる要請に応えることが、本発明が解決すべき課題の一つとして挙げられる。
【0008】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、複数の移動ルートにおける並行走行の比較結果を利用して、利用者の利便性を向上させることができる新たな情報収集装置及び情報収集方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、通過位置と通過日時とを含む走行情報の収集の開始位置と終了位置とが着目移動体において指定された場合に、前記開始位置から前記終了位置までの第1移動ルートを前記着目移動体が走行した際に収集された走行情報に基づいて、第1走行履歴情報を生成する第1履歴生成手段と;前記開始位置から前記終了位置までの前記第1移動ルートとは異なる少なくとも1つの第2移動ルートを、前記着目移動体の前記第1移動ルートの走行と並行して走行した際の走行情報の収集対象となる前記着目移動体とは異なる他移動体を選定する選定手段と;前記他移動体の前記第2移動ルートに沿った走行に際して収集された走行情報に基づいて、第2走行履歴情報を生成する第2履歴生成手段と;前記第1及び第2走行履歴情報のそれぞれから導かれる前記開始位置から前記終了位置に至るまでの所要時間情報、距離情報及び燃費情報の少なくとも1つを含む第1及び第2走行結果情報の比較を行う比較手段と;を備えることを特徴とする情報収集装置である。
【0010】
請求項17に記載の発明は、通過位置と通過日時とを含む走行情報の収集の開始位置と終了位置とが着目移動体において指定された場合に、前記開始位置から前記終了位置までの第1移動ルートとは異なる少なくとも1つの第2移動ルートを、前記着目移動体の前記第1移動ルートの走行と並行して走行した際の走行情報の収集対象となる前記着目移動体とは異なる他移動体を選定する選定工程と;前記開始位置から前記終了位置までの第1移動ルートを前記着目移動体が走行した際に収集された走行情報に基づいて、第1走行履歴情報を生成する第1履歴生成工程と;前記選定工程において選定された他移動体の前記第2移動ルートに沿った走行に際して収集された走行情報に基づいて、第2走行履歴情報を生成する第2履歴生成工程と;前記第1及び第2走行履歴情報のそれぞれから導かれる前記開始位置から前記終了位置に至るまでの所要時間情報、距離情報及び燃費情報の少なくとも1つを含む第1及び第2走行結果情報の比較を行う比較工程と;を備えることを特徴とする情報収集方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0012】
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態の情報収集装置700Aについて、図1を参照して説明する。
【0013】
<構成>
図1には、第1実施形態に係る情報収集装置700Aの概略的な構成が示されている。この図1に示されるように、情報収集装置700Aは、第1移動端末装置710Aと、第2移動端末装置720と、サーバ装置730Aとを備えている。
【0014】
ここで、第1移動端末装置710Aは、移動体MV0に搭載されており、移動体MV0とともに移動するようになっている。また、第2移動端末装置720は少なくとも1つ以上であり、第2移動端末装置720のそれぞれは、移動体MVp(p=1,2,…)に搭載され、移動体MVpとともに移動するようになっている。また、サーバ装置730Aは、固定的な位置に配置されている。
【0015】
そして、第1移動端末装置710Aと、第2移動端末装置720と、サーバ装置730Aとは、ネットワークシステムNWSを介して、データ通信を行うことができるようになっている。なお、各装置間の詳細な情報のやり取りについては後述する。ここで、各装置間の情報の全てのやり取りは、ネットワークシステムNWSを介して行われるものとして、以下の説明をする。
【0016】
《第1移動端末装置710Aの構成》
上記の第1移動端末装置710Aは、本第1実施形態では、収集区間通知手段711と、第1検出手段712Aと、第1報告手段713とを備えている。
【0017】
上記の収集区間通知手段711は、第1移動端末装置710Aの利用者により、走行情報の収集の開始位置及び終了位置が指定された場合に、指定結果を収集区間情報として、サーバ装置730Aに通知する。
【0018】
上記の第1検出手段712Aは、所定時間ごとに移動体MV0に関する走行情報を検出する。ここで、「走行情報」には、移動体の通過位置と通過日時とが含まれる。第1検出手段712Aによる検出結果は、第1報告手段713へ送られる。
【0019】
上記の第1報告手段713は、第1検出手段712Aによる検出結果である移動体MV0に関する走行情報を受ける。そして、第1報告手段713は、当該走行情報をサーバ装置730Aに報告する。
【0020】
《第2移動端末装置720の構成》
上記の第2移動端末装置720は、第2検出手段721と、第2報告手段722とを備えている。
【0021】
上記の第2検出手段721は、所定時間ごとに、第2移動端末装置720を搭載した移動体MVp(p=1,2,…)に関する走行情報を検出する。第2検出手段721による検出結果は、第2報告手段722へ送られる。
【0022】
上記の第2報告手段722は、第2検出手段721による検出結果である移動体MVpに関する走行情報を受ける。そして、第2報告手段722は、当該走行情報をサーバ装置730Aに報告する。
【0023】
《サーバ装置730Aの構成》
上記のサーバ装置730Aは、本第1実施形態では、選定手段731と、第1履歴生成手段732と、第2履歴生成手段733と、比較手段734と、更新手段735を備えている。
【0024】
上記の選定手段731は、第1移動端末装置710Aの収集区間通知手段711から、第1移動端末装置710Aの利用者により指定された走行情報の収集の開始位置及び終了位置を、収集区間情報として受ける。この収集区間情報を受けると、選定手段731は、移動体MV0を「着目移動体」として認識する。以下、「着目移動体」となるのは、移動体MV0であるものとして、説明する。
【0025】
なお、上述した第1移動端末装置710Aと同様に構成される装置を搭載した移動体MV0以外の移動体から収集区間情報を受けた場合には、選定手段731は、当該移動体を「着目移動体」として認識する。
【0026】
また、選定手段731は、移動体MV0,MV1,MV2,…の全てから走行情報を受ける。そして、移動体MV0を「着目移動体」として認識すると、選定手段731は、当該開始位置及び終了位置により決定される複数の移動ルートのうちで、着目移動体が移動する第1移動ルートとは異なる少なくとも1つの第2移動ルートを、着目移動体と並行して走行した際の走行情報の収集対象となる「他移動体」を、移動体MV1,MV2,…の中から選定する。当該他移動体の選定に関する処理については、後述する。
【0027】
上記の第1履歴生成手段732は、第1移動端末装置710Aの第1報告手段713から、着目移動体に関する走行情報を受ける。そして、第1履歴生成手段732は、第1移動ルートを着目移動体が走行した際に収集された走行情報に基づいて、着目移動体の走行情報の履歴である第1走行履歴情報を生成する。第1履歴生成手段732による生成結果は、比較手段734へ送られる。
【0028】
上記の第2履歴生成手段733は、他移動体として選定された移動体MVpに搭載された第2移動端末装置720の第2報告手段722から、他移動体に関する走行情報を受ける。そして、第2履歴生成手段733は、他移動体の第2移動ルートに沿った走行に際して収集された走行情報に基づいて、他移動体の走行情報の履歴である第2走行履歴情報を生成する。第2履歴生成手段733による生成結果は、比較手段734へ送られる。
【0029】
上記の比較手段734は、第1履歴生成手段732から第1走行履歴情報を受けるとともに、第2履歴生成手段733から第2走行履歴情報を受ける。そして、比較手段734は、第1走行履歴情報に基づいて、開始位置から終了位置に至るまでの第1移動ルートにおける所要時間情報、距離情報、燃費情報の少なくとも1つを含む第1走行結果情報を導出する。また、比較手段734は、第2走行履歴情報に基づいて、開始位置から終了位置に至るまでの第2移動ルートにおける所要時間情報、距離情報、燃費情報の少なくとも1つを含む第2走行結果情報を導出する。引き続き、比較手段734は、第1及び第2走行結果情報の比較を行い、比較結果を、第1及び第2走行結果情報とともに、比較情報として、更新手段735に送る。
【0030】
なお、比較情報には、曜日情報、時間帯情報等が更に含まれるようにすることができる。また、例えば、第1又は第2移動ルートの少なくとも1つにおいて渋滞が発生していた場合には、比較情報は、渋滞原因情報を更に含むようにすることができる。
【0031】
上記の更新手段735は、比較手段734から比較情報を受ける。そして、更新手段735は、当該比較情報に基づいて、ナビゲーション処理に利用される移動ルート情報を更新する。このナビゲーション処理には、目的地までの最適移動ルートを探索する処理が含まれるようにすることができる。すなわち、この移動ルート情報を利用することにより、所要時間、距離、燃費等を考慮した利用者にとっての最適移動ルートの探索を行うことが可能となる。
【0032】
<動作>
上記のように構成された情報収集装置700Aの動作について、情報収集処理に主に着目して、説明する。
【0033】
なお、サーバ装置730Aは、所定時間ごとに、移動体MV0,MV1,MV2,…の全てから走行情報を受けているものとする。
【0034】
《他移動体の選定処理》
まず、他移動体の選定処理について説明する。なお、この処理は、主として、サーバ装置730Aにおいて行われるようになっている。
【0035】
第1移動端末装置710Aの利用者により、走行情報の収集の開始位置及び終了位置が指定されると、第1移動端末装置710Aの収集区間通知手段711が、指定結果を収集区間情報として、サーバ装置730Aに通知する。
【0036】
この収集区間情報を受けたサーバ装置730Aでは、選定手段731が、移動体MV0を着目移動体として認識する。そして、選定手段731は、当該開始位置及び終了位置により決定される第1移動ルートとは異なる少なくとも1つの第2移動ルートを、着目移動体と並行して走行した際の走行情報の収集対象となる他移動体を、移動体MV1,MV2,…の中から選定する。
【0037】
かかる他移動体の選定に際して、選定手段731は、着目移動体が開始位置付近にいる時に、着目移動体からの距離が第1所定距離以内であり、第2移動ルートを走行する可能性がある少なくとも1つの移動体を、移動体MV1,MV2,…の中から、他移動体として選定する。
【0038】
そして、選定手段731は、選定されている他移動体の走行を監視し、選定されている他移動体が第2移動ルートから離脱した場合には、離脱地点における選定されている他移動体からの距離が第2所定距離以内であり、第2移動ルートを走行する可能性がある少なくとも1つの移動体を、新たな他移動体として選定する。
【0039】
ここで、第1所定距離は、収集の開始位置における着目移動体の特定時に、着目移動体と位置的に同一視することができる他移動体を選定するという観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められるようになっている。また、第2所定距離は、離脱地点における選定されている他移動体と新たに選定する他移動体とを位置的に同一視することができるという観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められるようになっている。
【0040】
なお、上述した第1及び第2移動ルートの少なくとも1つの移動ルートが、交通渋滞の発生している渋滞ルートとなることがある。この場合において、第1移動ルートが渋滞ルートであるときには、着目移動体は渋滞ルートを走行し、他移動体は交通渋滞を迂回するルートを走行していることが考えられる。また、第2移動ルートの少なくとも1つの移動ルートが渋滞ルートであるときには、着目移動体が交通渋滞を迂回するルートを走行していることが考えられる。
【0041】
《走行結果情報の生成処理》
次に、走行結果情報の生成処理について説明する。なお、本第1実施形態では、この処理は、サーバ装置730Aにおいて行われるようになっている。
【0042】
サーバ装置730Aの第1履歴生成手段732が、第1移動ルートを着目移動体が走行した際の走行情報を収集する。そして、第1履歴生成手段732は、着目移動体が上述した終了位置に到達すると、収集された走行情報に基づいて、第1走行履歴情報を生成する。この第1走行履歴情報は、比較手段734へ送られる。
【0043】
かかる第1履歴生成手段732による着目移動体に関する走行情報の収集処理と並行して、第2履歴生成手段733が、他移動体の第2移動ルートに沿った走行に際して走行情報を収集する。そして、第2履歴生成手段733は、他移動体が終了位置に到達すると、収集された走行情報に基づいて、第2走行履歴情報を生成する。この第2走行履歴情報は、比較手段734へ送られる。
【0044】
こうして生成された第1及び第2走行履歴情報を受けた比較手段734は、上述した第1及び第2走行結果情報を導出する。引き続き、比較手段734は、第1及び第2走行結果情報の比較を行う。そして、比較手段734は、比較結果、並びに、第1及び第2走行結果情報を含む比較情報を、更新手段735に送る。
【0045】
《走行結果情報の更新処理》
次いで、走行結果情報の更新処理について説明する。なお、本第1実施形態では、この処理は、サーバ装置730Aにおいて行われるようになっている。
【0046】
第1及び第2走行結果情報、並びに、当該情報の比較結果を含む比較情報を受けたサーバ装置730Aの更新手段735では、当該比較情報に基づいて、ナビゲーション処理に利用される移動ルート情報を更新する。
【0047】
以上説明したように、本第1実施形態では、第1移動端末装置710Aの収集区間通知手段711が、利用者により指定された走行情報の収集の開始位置及び終了位置を、収集区間情報として、サーバ装置730Aに通知する。サーバ装置730Aでは、選定手段731が、当該収集区間情報を通知した移動体(移動体MV0)を着目移動体として認識する。また、選定手段731は、当該開始位置及び終了位置により決定される第1移動ルートとは異なる少なくとも1つの第2移動ルートを、着目移動体と並行して走行した際の走行情報の収集対象となる他移動体を選定する。
【0048】
そして、第1履歴生成手段732が、第1移動ルートを着目移動体が走行した際に収集された走行情報に基づいて、第1走行履歴情報を生成するとともに、第2履歴生成手段733が、他移動体の第2移動ルートに沿った走行に際して収集された走行情報に基づいて、第2走行履歴情報を生成する。引き続き、比較手段734が、第1及び第2走行履歴情報に基づいて、開始位置から終了位置に至るまでの第1及び第2移動ルートのそれぞれにおける所要時間情報、距離情報、燃費情報の少なくとも1つを含む第1及び第2走行結果情報を導出し、第1及び第2走行結果情報の比較を行う。そして、更新手段735が、当該比較結果に基づいて、ナビゲーション処理に利用される移動ルート情報を更新する。
【0049】
したがって、本発明の第1実施形態によれば、複数の移動ルートにおける並行走行の比較結果を利用して、利用者の利便性を向上させることができる。
【0050】
なお、第1移動端末装置710A及びサーバ装置730Aのいずれか一方が、収集区間が指定された後、他移動体の最初の選定前に、第1及び第2移動ルートを探索するルート探索手段を更に備える構成とすることができる。この場合において、第1移動端末装置710Aにルート探索手段が備えられているときには、第1移動端末装置710Aが、ルート探索手段による探索結果をサーバ装置730Aに通知するルート通知手段を更に備える構成とする。
【0051】
また、サーバ装置730Aが、上述した更新手段735に代えて、又は、更新手段735とともに、第1及び第2走行結果情報を第1移動端末装置710Aに通知する走行結果通知手段を更に備える構成とし、第1移動端末装置710Aが、サーバ装置730Aから受けた第1及び第2走行結果情報を提示する提示手段を更に備える構成とすることができる。この場合には、着目移動体に搭乗する利用者に、並行走行の比較結果を提示できるので、利用者の利便性を向上させることができる。
【0052】
また、本第1実施形態においては、第2移動端末装置720が収集区間通知手段を更に備えることで、第1移動端末装置710Aと第2移動端末装置720とを、同様の構成とすることができる。
【0053】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態の情報収集装置700Bについて、図2を参照して説明する。
【0054】
<構成>
図2には、第2実施形態に係る情報収集装置700Bの概略的な構成が示されている。この図2に示されるように、情報収集装置700Bは、上述した第1実施形態の情報収集装置700Aと比べて、第1移動端末装置710Aに代えて第2移動端末装置710Bを備える点、及び、サーバ装置730Aに代えてサーバ装置730Bを備える点が異なっている。以下、この相違点に主に着目して説明する。
【0055】
《第1移動端末装置710Bの構成》
上記の第1移動端末装置710Bは、第1移動端末装置710Aと比べて、第1検出手段712Aに代えて第1検出手段712Bを備える点、第1履歴生成手段714、第2履歴生成手段715、比較手段716、更新手段717を更に備える点、及び、第1報告手段713を備えていない点が異なっている。
【0056】
なお、本第2実施形態においても、上述した第1実施形態の場合と同様に、第1移動端末装置710Bの収集区間通知手段711が、収集区間情報をサーバ装置730Bに通知すると、サーバ装置730Bの選定手段731が、移動体MV0を着目移動体として認識する。また、選定手段731は、移動体MV1,MV2,…から走行情報を受けて、移動体MV1,MV2,…の中から他移動体を選定する。
【0057】
上記の第1検出手段712Bは、上述した第1検出手段712Aと同様に、所定時間ごとに移動体MV0に関する走行情報を検出する。第1検出手段712Bによる検出結果は、第1履歴生成手段714へ送られる。
【0058】
上記の第1履歴生成手段714は、第1検出手段712Bからの移動体MV0に関する走行情報を受ける。そして、移動体MV0が着目移動体となった後において、第1履歴生成手段714は、第1移動ルートを移動体MV0(着目移動体)が走行した際に収集された走行情報に基づいて、上述した第1履歴生成手段732と同様に、第1走行履歴情報を生成する。第1履歴生成手段714による生成結果は、比較手段716へ送られる。
【0059】
上記の第2履歴生成手段715は、サーバ装置730Bの後述する転送手段736から、他移動体に関する走行情報を受ける。そして、第2履歴生成手段715は、他移動体の第2移動ルートに沿った走行に際して収集された走行情報に基づいて、上述した第2履歴生成手段733と同様に、第2走行履歴情報を生成する。第2履歴生成手段715による生成結果は、比較手段716へ送られる。
【0060】
上記の比較手段716は、第1履歴生成手段714から第1走行履歴情報を受けるとともに、第2履歴生成手段715から第2走行履歴情報を受ける。そして、比較手段716は、第1及び第2走行履歴情報に基づいて、上述した比較手段734と同様に、開始位置から終了位置に至るまでの第1及び第2移動ルートのそれぞれにおける第1及び第2走行結果情報を導出する。引き続き、比較手段716は、第1及び第2走行結果情報の比較を行う。そして、比較手段716は、比較結果、並びに、第1及び第2走行結果情報を含む比較情報を、更新手段717に送る。
【0061】
上記の更新手段717は、比較手段716による比較情報を受ける。そして、更新手段716は、当該比較情報に基づいて、上述した更新手段735と同様に、ナビゲーション処理に利用される移動ルート情報を更新する。
【0062】
《サーバ装置730Bの構成》
上記のサーバ装置730Bは、サーバ装置730Aと比べて、転送手段736を更に備える点、及び、第1履歴生成手段732、第2履歴生成手段733、比較手段734、更新手段735を備えていない点が異なっている。
【0063】
上記の転送手段736は、移動体MVpに搭載された第2移動端末装置720の第2報告手段722から、第2検出手段721による検出結果である移動体MVpに関する走行情報を受ける。そして、転送手段736は、他移動体が移動体MV1,MV2,…の中から選定された後において、他移動体の走行情報を第1移動端末装置710Bに転送する。
【0064】
<動作>
上記のように構成された情報収集装置700Bの動作について、情報収集処理に主に着目して、説明する。
【0065】
なお、サーバ装置730Bは、所定時間ごとに、移動体MV1,MV2,…から走行情報を受けているものとする。
【0066】
《他移動体の選定処理》
サーバ装置730Bによる他移動体の選定処理は、第1実施形態のサーバ装置730Aの場合と、同様に実行される。
【0067】
《走行結果情報の生成処理》
次に、走行結果情報の生成処理について説明する。なお、本第2実施形態では、この処理は、第1移動端末装置710Bにおいて行われるようになっている。
【0068】
第1移動端末装置710Bの第1履歴生成手段714が、第1移動ルートを着目移動体(移動体MV0)が走行した際の走行情報を収集する。そして、第1履歴生成手段714は、着目移動体が終了位置に到達すると、収集された走行情報に基づいて、第1走行履歴情報を生成する。この第1走行履歴情報は、比較手段716へ送られる。
【0069】
かかる第1履歴生成手段714による着目移動体に関する走行情報の収集処理と並行して、第2履歴生成手段715が、他移動体の第2移動ルートに沿った走行に際して走行情報を収集する。そして、第2履歴生成手段715は、他移動体が終了位置に到達すると、収集された走行情報に基づいて、第2走行履歴情報を生成する。この第2走行履歴情報は、比較手段716へ送られる。
【0070】
こうして生成された第1及び第2走行履歴情報を受けた比較手段716は、上述した第1及び第2走行結果情報を導出する。引き続き、比較手段716は、第1及び第2走行結果情報の比較を行う。そして、比較手段716は、比較結果、並びに、第1及び第2走行結果情報を含む比較情報を、更新手段717に送る。
【0071】
《走行結果情報の更新処理》
次いで、走行結果情報の更新処理について説明する。なお、本第2実施形態では、この処理は、第1移動端末装置710Bにおいて行われるようになっている。
【0072】
第1及び第2走行結果情報、並びに、当該情報の比較結果を含む比較情報を受けた第1移動端末装置710Bの更新手段717が、当該比較情報に基づいて、ナビゲーション処理に利用される移動ルート情報を更新する。
【0073】
以上説明したように、本第2実施形態では、第1移動端末装置710Bの収集区間通知手段711が、利用者により指定された走行情報の収集の開始位置及び終了位置を、収集区間情報として、サーバ装置730Bに通知する。サーバ装置730Bでは、選定手段731が、当該収集区間情報を通知した移動体MV0を着目移動体として認識する。また、選定手段731は、当該開始位置及び終了位置により決定される第1移動ルートとは異なる少なくとも1つの第2移動ルートを、着目移動体と並行して走行した際の走行情報の収集対象となる他移動体を選定する。
【0074】
そして、第1移動端末装置710Bでは、第1履歴生成手段714が、第1移動ルートを着目移動体が走行した際に収集された走行情報に基づいて、第1走行履歴情報を生成するとともに、第2履歴生成手段715が、他移動体の第2移動ルートに沿った走行に際して収集され、サーバ装置730Bから転送された走行情報に基づいて、第2走行履歴情報を生成する。引き続き、比較手段716が、第1及び第2走行履歴情報に基づいて、上述した第1及び第2走行結果情報を導出し、第1及び第2走行結果情報の比較を行う。そして、更新手段717が、当該比較結果に基づいて、ナビゲーション処理に利用される移動ルート情報を更新する。
【0075】
したがって、本発明の第2実施形態によれば、複数の移動ルートにおける並行走行の比較結果を利用して、利用者の利便性を向上させることができる。
【0076】
なお、第1移動端末装置710B及びサーバ装置730Bのいずれか一方が、収集区間が指定された後、他移動体の最初の選定前に、第1及び第2移動ルートを探索するルート探索手段を更に備える構成とすることができる。この場合において、第1移動端末装置710Bにルート探索手段が備えられているときには、第1移動端末装置710Bが、ルート探索手段による探索結果をサーバ装置730Bに通知するルート通知手段を更に備える構成とする。
【0077】
また、第1移動端末装置710Bは、上述した更新手段717に代えて、又は、更新手段717とともに、第1及び第2走行結果情報を提示する提示手段を更に備える構成とすることができる。この場合には、着目移動体に搭乗する利用者に、並行走行の比較結果を提示できるので、利用者の利便性を向上させることができる。
【0078】
また、本第2実施形態においては、第1移動端末装置710Bが、上述した第1移動端末装置710Aにおける第1報告手段を更に備え、第2移動端末装置720が収集区間通知手段、第1履歴生成手段、第2履歴生成手段、比較手段、更新手段を更に備えることで、第1移動端末装置710Aと第2移動端末装置720とを、同様の構成とすることができる。
【0079】
また、上記の第1及び第2実施形態の情報収集装置700A,700Bを、演算手段としての3個以上のコンピュータを備えて構成し、第1検出手段712A,712B及び第2検出手段721を除く上述した各手段の機能を、プログラムを実行することにより実現するようにすることができる。これらのプログラムは、CD−ROM,DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにすることができる。
【実施例】
【0080】
以下、本発明の情報収集装置の実施例を、図3〜図17を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0081】
[第1実施例]
まず、本発明の第1実施例を、図3〜図11を主に参照して説明する。
【0082】
図3には、第1実施例に係る情報収集装置100Aの概略的な構成が示されている。なお、情報収集装置100Aは、上述した第1実施形態の情報収集装置700A(図1参照)の一態様となっている。
【0083】
<構成>
図3に示されるように、情報収集装置100Aは、第1移動端末装置710Aとしてのナビゲーション装置200Aと、第2移動端末装置720としての車載装置300と、サーバ装置730Aとしてのサーバ装置400Aとを備えている。
【0084】
ここで、ナビゲーション装置200Aは、移動体MV0としての車両CR0に搭載されており、車両CR0とともに走行するようになっている。また、車載装置300は、移動体MVp(p=1,2,…)としての車両CRpに搭載されており、車両CRpとともに走行するようになっている。また、サーバ装置400Aは、例えば、所定の建物内の固定的な位置に配置されている。
【0085】
上記のナビゲーション装置200Aには、車両CR0に搭載された車速センサ290が接続されている。また、ナビゲーション装置200Aは、ネットワークシステム500を介して、サーバ装置400Aとデータ通信を行うようになっている。ナビゲーション装置200Aが、車速センサ290及びサーバ装置400Aとの間で授受するデータの内容については、後述する。
【0086】
上記の車載装置300には、車両CRpに搭載された車速センサ390が接続されている。また、車載装置300は、ネットワークシステム500を介して、サーバ装置400Aとデータ通信を行うようになっている。車載装置300が、車速センサ390及びサーバ装置400Aとの間で授受するデータの内容については、後述する。
【0087】
上記のサーバ装置400Aは、ネットワークシステム500を介して、ナビゲーション装置200A及び車載装置300と通信可能となっている。サーバ装置400Aが、ナビゲーション装置200A及び車載装置300との間で授受するデータの内容については、後述する。
【0088】
《ナビゲーション装置200Aの構成》
上記のナビゲーション装置200Aは、走行情報の収集区間通知機能、車両CR0に関する走行情報の検出機能、当該走行情報の報告機能、移動ルート情報の提示機能を有している。これらの機能を有するナビゲーション装置200Aは、図4に示されるように、制御ユニット210Aと、記憶ユニット220Aと、無線通信ユニット230とを備えている。また、ナビゲーション装置200Aは、提示手段の一部としての音出力ユニット240と、提示手段の一部としての表示ユニット250と、操作入力ユニット260とを備えている。さらに、ナビゲーション装置200Aは、第1検出手段712Aの一部としての走行情報取得ユニット270と、第1検出手段712Aの一部としてのGPS(Global Positioning System)受信ユニット280とを備えている。
【0089】
制御ユニット210Aは、ナビゲーション装置200Aの全体を統括制御する。この制御ユニット210Aについては、後述する。
【0090】
上記の記憶ユニット220Aは、不揮発性の記憶装置であるハードディスク装置等から構成される。記憶ユニット220Aは、ナビゲーション用情報(NVI)等の様々なデータを記憶する。この記憶ユニット220Aには、制御ユニット210Aがアクセスできるようになっている。
【0091】
上記のナビゲーション用情報(NVI)には、地図データ、POI(Point Of Interests)データ、背景データ等のナビゲーションのために利用される様々なデータが記憶されている。これらのデータは、制御ユニット210Aによって読み取られるようになっている。
【0092】
上記の無線通信ユニット230は、不図示のアンテナ等を備えて構成されている。この無線通信ユニット230は、当該アンテナにより受信したネットワークシステム500において用意された基地局からの受信信号を処理して、制御ユニット210Aで処理可能なデジタルデータ信号に変換する。また、無線通信ユニット230は、制御ユニット210Aからの送信信号を処理し、当該アンテナを介して、無線信号の態様でネットワークシステム500(より詳しくは、基地局)へ送る。
【0093】
この無線通信ユニット230を利用することにより、ナビゲーション装置200A(より詳しくは、制御ユニット210A)が、サーバ装置400Aとの間で通信を行うことができるようになっている。
【0094】
また、この無線通信ユニット230を利用し、渋滞情報、速度規制・車線規制情報等を含む交通情報を提供する不図示の道路交通情報サーバから、当該交通情報を受信することができる。こうして受信された交通情報は、制御ユニット210Aへ送られる。
【0095】
上記の音出力ユニット240は、スピーカを備えて構成され、制御ユニット210Aから受信した音声データに対応する音声を出力する。この音出力ユニット240は、制御ユニット210Aによる制御のもとで、複数の移動ルートにおける走行結果情報及びその比較結果、車両CR0の進行方向、走行状況、交通状況等の案内音声を出力する。
【0096】
上記の表示ユニット250は、液晶パネル等の表示デバイスを備えて構成され、制御ユニット210Aから受信した表示データに対応する画像を表示する。この表示ユニット250は、制御ユニット210Aによる制御のもとで、複数の移動ルートにおける走行結果情報及びその比較結果、地図情報、ルート情報等の画像、ガイダンス情報等を表示する。
【0097】
上記の操作入力ユニット260は、ナビゲーション装置200Aの本体部に設けられたキー部、及び/又はキー部を備えるリモート入力装置等により構成される。ここで、本体部に設けられたキー部としては、表示ユニット250の表示デバイスに設けられたタッチパネルを用いることができる。なお、キー部を有する構成に代えて、又は併用して音声認識技術を利用して音声にて入力する構成を採用することもできる。
【0098】
この操作入力ユニット260を利用者が操作することにより、ナビゲーション装置200Aの動作内容の設定や動作指令が行われる。例えば、走行情報の収集の開始位置及び終了位置の指定等の設定を、利用者が操作入力ユニット260を利用して行う。こうした入力内容は、操作入力データとして、操作入力ユニット260から制御ユニット210Aへ向けて送られる。
【0099】
上記の走行情報取得ユニット270は、加速度センサ、角速度センサ等を備えて構成されており、車両CR0に作用している加速度、角速度を検出する。また、走行情報取得ユニット270は、ナビゲーション装置200Aと、車両CR0に搭載されている車速センサ290との間におけるデータ授受に関して利用され、車速センサ290による検出結果である速度データを取得する。こうして得られた各データは、走行データとして制御ユニット210Aへ送られる。
【0100】
上記のGPS受信ユニット280は、複数のGPS衛星からの電波の受信結果に基づいて、車両CRの現在位置を算出する。また、GPS受信ユニット280は、GPS衛星から送出された日時情報に基づいて、現在時刻を計時する。これらの現在位置および現在時刻に関する情報は、GPSデータとして制御ユニット210Aへ送られる。
【0101】
次に、上記の制御ユニット210Aについて説明する。この制御ユニット210Aは、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路を備えて構成されている。制御ユニット210Aが様々なプログラムを実行することにより、上記の各種機能が実現されるようになっている。こうした機能の中には、上述した第1実施形態における収集区間通知手段711、第1報告手段713としての機能も含まれている。
【0102】
この制御ユニット210Aは、ナビゲーション装置200Aの利用者により、走行情報の収集の開始位置及び終了位置が指定された場合に、指定結果を収集区間情報として、無線通信ユニット230を介してサーバ装置730Aに通知する。ここで、利用者による当該指定は、操作入力ユニット260からの操作入力データとして、制御ユニット210Aに送られる。
【0103】
また、制御ユニット210Aは、所定時間ごとに、走行情報取得ユニット270からの走行データ、及び、GPS受信ユニット280からのGPSデータを取得する。そして、制御ユニット210Aは、車両CR0の通過位置を検出するとともに、GPSデータにおける計時結果及び内部タイマの計時結果に基づいて、通過日時を検出する。引き続き、制御ユニット210Aは、当該通過位置及び通過日時を、車両CR0に関する走行情報として、無線通信ユニット230を介して、サーバ装置400Aに報告する。
【0104】
また、制御ユニット210Aは、無線通信ユニット230を介して、定期的に、道路交通情報サーバからの渋滞情報、速度規制・車線規制情報等を含む交通情報を受信する。
【0105】
また、制御ユニット210Aは、走行情報取得ユニット270からの走行データ、及び、GPS受信ユニット280からのGPSデータに基づいて、記憶ユニット220A中のナビゲーション用情報(NVI)を適宜参照し、利用者へのナビゲーション情報の提供処理を行う。こうしたナビゲーション情報の提供処理には、(a)利用者が指定する地域の地図を表示ユニット250の表示デバイスに表示するための地図表示、(b)車両CR0が地図上のどこに位置するのか、また、どの方角に向かっているのかを算出し、表示ユニット250の表示デバイスに表示して利用者に提示するマップマッチング、(c)道路交通情報サーバから受信した交通情報に関する表示ユニット250の表示デバイスへの表示、(d)進行すべき方向等を的確にアドバイスするために行われる、表示ユニット250の表示デバイスへの案内誘導の表示のための制御、及び、音出力ユニット240のスピーカから案内誘導を行う音声を出力するための制御等の処理が含まれる。
【0106】
また、制御ユニット210Aは、無線通信ユニット230を介して、サーバ装置400Aから後述する比較情報を取得し、音出力ユニット240及び表示ユニット250を利用した利用者への提示のための制御を行う。
【0107】
《車載装置300の構成》
上記の車載装置300は、当該車載装置を搭載した車両CRp(p=1,2,…)に関する走行情報の検出機能、当該走行情報の報告機能を有している。これらの機能を有する車載装置300は、図5に示されるように、無線通信部310と、第2検出手段721の一部としての走行情報取得部320と、第2検出手段721の一部としてのGPS受信部330とを備えている。また、車載装置300は、第2報告手段722としての制御部340を備えている。
【0108】
上記の無線通信部310は、不図示のアンテナ等を備えて構成されている。この無線通信部310は、当該アンテナにより受信したネットワークシステム500において用意された基地局からの受信信号を処理して、制御部340で処理可能なデジタルデータ信号に変換する。また、無線通信部310は、制御部340からの送信信号を処理し、当該アンテナを介して、無線信号の態様でネットワークシステム500(より詳しくは、基地局)へ送る。
【0109】
上記の走行情報取得部320は、上述したナビゲーション装置200Aにおける走行情報取得ユニット270と同様に、加速度センサ、角速度センサ等を備えて構成されており、車両CRpに作用している加速度、角速度を検出する。また、走行情報取得部320は、車載装置300と、車両CRpに搭載されている車速センサ390との間におけるデータ授受に関して利用され、車速センサ390による検出結果である速度データを取得する。こうして得られた各データは、走行データとして制御部340へ送られる。
【0110】
上記のGPS受信部330は、上述したナビゲーション装置200AにおけるGPS受信ユニット280と同様に、複数のGPS衛星からの電波の受信結果に基づいて、車両CRの現在位置を算出する。また、GPS受信部330は、GPS衛星から送出された時刻情報に基づいて、現在時刻を計時する。これらの現在位置及び現在時刻に関する情報は、GPSデータとして制御部340へ送られる。
【0111】
上記の制御部340は、所定時間ごとに、走行情報取得部320からの走行データ、及び、GPS受信部330からのGPSデータを取得する。そして、制御部340は、車両CRpの通過位置を検出するとともに、GPSデータにおける計時結果及び内部タイマの計時結果に基づいて、通過日時を検出する。引き続き、制御部340は、当該通過位置及び通過日時を、走行情報として、無線通信部310を介して、サーバ装置400Aへ送信する。
【0112】
《サーバ装置400Aの構成》
上記のサーバ装置400Aは、他車両の選定機能、第1及び第2走行履歴情報の生成機能、走行結果情報の比較機能、当該比較による比較情報に基づく移動ルート情報の更新機能、ルート探索機能を有している。これらの機能を有するサーバ装置400Aは、図6に示されるように、記憶装置410Aと、送受信部420と、処理制御部430Aとを備えている。
【0113】
上記の記憶装置410Aは、不揮発性の記憶装置であるハードディスク装置等から構成される。記憶装置410Aは、ルート探索用情報(RSI)、移動ルート情報(RTI)等の様々なデータを記憶する。この記憶装置410Aには、処理制御部430Aがアクセスできるようになっている。
【0114】
上記のルート探索用情報(RSI)には、地図データ、POIデータ等のルート探索のために利用される様々なデータが記憶されている。これらのデータは、処理制御部430Aによって読み取られるようになっている。
【0115】
上記の移動ルート情報(RTI)には、図7に示されるように、走行情報の収集の開始位置(SRj)及び終了位置(SPj)を通過する複数の移動ルート(RTj,k)についての走行結果情報である所要時間情報(TTj,k)、距離情報(DDj,k)、燃費情報(MMj,k)が記憶されている。この移動ルート情報(RTI)は、処理制御部430Aによって読み取られるようになっており、後述する移動ルート情報の収集処理により更新され、上述したルート探索用情報(RSI)と併用して利用することにより、目的地までの最適移動ルートを探索することができるようになっている。
【0116】
図6に戻り、上記の送受信部420は、ネットワークシステム500との通信制御を行う。この送受信部420は、ネットワークシステム500から受信したデータを処理制御部430Aへ送る。また、送受信部420は、処理制御部430Aから受信したデータをネットワークシステム500へ送る。送受信部420を利用することにより、サーバ装置400A(より詳しくは、処理制御部430A)は、ナビゲーション装置200A及び車載装置300との間で通信を行うことができるようになっている。
【0117】
また、この送受信部420を利用し、渋滞情報、速度規制・車線規制情報等を含む交通情報を提供する不図示の道路交通情報サーバから、当該交通情報を受信することができる。こうして受信された交通情報は、処理制御部430Aへ送られる。
【0118】
上記の処理制御部430Aは、サーバ装置400Aの全体を統括制御する。この処理制御部430Aは、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路を備えて構成されている。処理制御部430Aが様々なプログラムを実行することにより、上記の各種機能が実現されるようになっている。こうした機能の中には、上述した第1実施形態における選定手段731、第1履歴生成手段732、第2履歴生成手段733、比較手段734、更新手段735としての機能も含まれている。また、本第1実施例では、処理制御部430Aがプログラムを実行して実現する機能の中には、ルート探索手段としての機能も含まれている。
【0119】
この処理制御部430Aは、送受信部420を介して、ナビゲーション装置200Aから走行情報の収集の開始位置及び終了位置である収集区間情報を受ける。処理制御部430Aは、この収集区間情報を受けると、車両CR0を「着目車両」として認識する。
【0120】
また、処理制御部430Aは、記憶装置410Aに記憶されているルート探索用情報(RSI)を利用して、当該開始位置及び終了位置を含む複数の移動ルートを探索する。なお、以下の説明においては、複数の移動ルートのうち、着目車両が走行する移動ルートを「第1移動ルート」といい、それ以外の移動ルートを「第2移動ルート」という。
【0121】
また、処理制御部430Aは、車両CR0,CR1,CR2,…の全てから走行情報を受ける。そして、処理制御部430Aは、着目車両が走行情報の収集の開始位置付近に接近したときに、着目車両と並行して第2移動ルートを走行する「他車両」を、車両CR1,CR2,…の中から選定する。かかる他車両の選定に関する処理については、後述する。
【0122】
また、処理制御部430Aは、着目車両が収集の開始位置を通過してから終了位置に到達するまでの間において、着目車両に関する走行情報を収集する。そして、処理制御部430Aは、第1移動ルートを着目車両が走行した際に収集された走行情報に基づいて、着目車両の第1走行履歴情報を生成する。
【0123】
また、処理制御部430Aは、上述した着目車両に関する走行情報の収集処理と並行して、他車両が収集の開始位置を通過してから終了位置に到達するまでの間において、他車両に関する走行情報を収集する。そして、処理制御部430Aは、他車両の第2移動ルートに沿った走行に際して収集された走行情報に基づいて、他車両の第2走行履歴情報を生成する。
【0124】
引き続き、処理制御部430Aは、第1走行履歴情報に基づいて、第1移動ルートにおける所要時間情報、距離情報、燃費情報を含む第1走行結果情報を導出するとともに、第2走行履歴情報に基づいて、第2移動ルートにおける所要時間情報、距離情報、燃費情報を含む第2走行結果情報を導出する。そして、処理制御部430Aは、第1及び第2走行結果情報の比較を行い、第1及び第2走行結果情報、並びに、当該情報の比較結果を含む比較情報を利用し、ナビゲーション処理に利用される移動ルート情報(RTI)を更新する。
【0125】
かかる移動ルート情報(RTI)の更新に際して、処理制御部430Aは、走行情報の収集区間が移動ルート情報(RTI)に登録されていないときには、収集した比較情報を新規に追加する更新処理を行う。また、処理制御部430Aは、走行情報の収集区間が移動ルート情報(RTI)に登録されているときには、既に登録されている当該収集区間に関する移動ルート情報を新たな移動ルート情報に書き換える等の更新処理を行う。
【0126】
また、処理制御部430Aは、上述したナビゲーション装置200Aにおける制御ユニット210Aと同様に、送受信部420を介して、定期的に、道路交通情報サーバからの渋滞情報、速度規制・車線規制情報等を含む交通情報を受信する。そして、処理制御部430Aは、当該移動ルート情報を更新するに際して、例えば、自然渋滞が発生していた場合には移動ルート情報を更新し、事故渋滞が発生していた場合には移動ルート情報を更新しない等の処理を行う。
【0127】
また、処理制御部430Aは、ナビゲーション装置200Aの利用者により指定された出発地及び目的地を指定した最適移動ルート探索要求を、ナビゲーション装置200Aから受けたときは、ルート探索用情報(RSI)及び移動ルート情報(RTI)を利用して、移動ルート情報(RTI)に含まれる所要時間、距離、燃費等を考慮した利用者にとってのルート探索を行う。
【0128】
<動作>
以上のようにして構成された情報収集装置100Aの動作について、移動ルート情報の収集処理に主に着目して説明する。
【0129】
なお、サーバ装置400Aは、所定時間ごとに、車両CR0,CR1,CR2,…の全てから走行情報を受けているものとする。
【0130】
かかる移動ルート情報の収集処理に際して、図8に示されるように、ステップS11において、ナビゲーション装置200Aの制御ユニット210Aが、利用者により指定された走行情報の収集の開始位置及び終了位置を、収集区間情報(CST)として、無線通信ユニット230を介して、サーバ装置400Aに報告する。
【0131】
収集区間情報(CST)を受けたサーバ装置400Aでは、処理制御部430Aが、車両CR0を着目車両として認識し、ステップS12において、上述した開始位置及び終了位置を含む複数の移動ルートを探索する。
【0132】
引き続き、ステップS13において、サーバ装置400Aの処理制御部430Aが、着目車両に関する走行情報の収集処理、並びに、他車両の選定及び当該他車両に関する走行情報の収集処理を、並行して行う。ステップS13における着目車両に関する走行情報の収集処理は、図9に示されるように、まず、ステップS21において、処理制御部430Aが、着目車両が開始位置付近に到達したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS21:N)には、ステップS21の処理が繰り返される。
【0133】
一方、ステップS21における判定の結果が肯定的になると(ステップS21:Y)、処理はステップS22へ進む。このステップS22では、処理制御部430Aが、着目車両に関する走行情報の収集を行う。
【0134】
引き続き、ステップS23において、処理制御部430Aが、着目車両が終了位置に到達したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS23:N)には、ステップS22へ戻る。以後、ステップS23における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS22,S23の処理が繰り返される。
【0135】
ステップS23における判定の結果が肯定的になると(ステップS23:Y)、処理はステップS24へ進む。このステップS24では、処理制御部430Aが、着目車両に関する走行情報の収集を終了する。このようにして、着目車両に関する走行情報の収集処理が行われる。
【0136】
図8のステップS13では、上述のように、ステップS21〜S24における着目車両に関する走行情報の収集処理と並行して、他車両の選定及び当該他車両に関する走行情報の収集処理が行われる。この処理は、図10に示されるように、まず、ステップS31において、処理制御部430Aが、上述したステップS21と同様に、着目車両が開始位置付近に到達したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS31:N)には、ステップS31の処理が繰り返される。
【0137】
一方、ステップS31における判定の結果が肯定的になると(ステップS31:Y)、処理はステップS32へ進む。このステップS32では、処理制御部430Aが、着目し車両と並行して第2移動ルートを走行する可能性のある他車両を、車両CR1,CR2,…の中から選定する。かかる他車両の選定に際して、処理制御部430Aは、着目車両からの距離が第1所定距離以内であり、第2移動ルートを走行する可能性がある少なくとも1つの車両を、他車両として選定する。こうした他車両の選定の一例が、図11(A)に示されている。なお、図11(A)においては、着目車両には「CR0」を付し、処理制御部430Aにより選定された他車両には「CR1」を付している。この後、処理は、図10のステップS33へ進む。
【0138】
このステップS33では、処理制御部430Aが、他車両に関する走行情報の収集を行う。
【0139】
引き続き、ステップS34において、処理制御部430Aが、他車両が終了位置に到達したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS34:N)には、処理はステップS35へ進む。
【0140】
ステップS35では、処理制御部430Aが、他車両が第2移動ルートから離脱したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS35:N)には、処理はステップS33へ戻る。
【0141】
一方、ステップS35における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS35:Y)には、処理はステップS36へ進む。このステップS36では、処理制御部430Aが、新たな他車両を選定する。かかる新たな他車両の選定に際して、処理制御部430Aは、離脱地点における選定されている他車両からの距離が第2所定距離以内であり、第2移動ルートを走行する可能性がある車両を、新たな他車両として選定する。こうした新たな他車両CRpの選定の一例が、図11(B)に示されている。なお、図11(B)においては、処理制御部430Aにより新たに選定された他車両には「CR2」を付している。この後、処理は、図10のステップS33へ戻る。以後、ステップS34における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS33〜S36の処理が繰り返される。
【0142】
一方、ステップS34における判定の結果が肯定的になると(ステップS34:Y)、処理はステップS37へ進む。このステップS37では、処理制御部430Aが、他車両に関する走行情報の収集を終了する。このようにして、他車両に関する走行情報の収集処理が行われる。
【0143】
図8へ戻り、着目車両及び他車両に関する走行情報の収集処理が終了すると、移動ルート情報の収集処理は、ステップS14へ進む。ステップS14では、処理制御部430Aが、着目車両に関する走行情報に基づいて、第1走行履歴情報を生成する。また、このステップS14では、処理制御部430Aが、他車両に関する走行情報に基づいて、第2走行履歴情報を生成する。この後、処理はステップS15へ進む。
【0144】
ステップS15では、処理制御部430Aが、第1及び第2走行履歴情報に基づいて、上述した第1及び第2走行結果情報を導出する。そして、処理制御部430Aは、第1及び第2走行結果情報の比較処理を行う。
【0145】
また、処理制御部430Aは、第1及び第2走行結果情報、並びに、当該情報の比較結果を含む比較情報(RRT)を、送受信部410を介して、ナビゲーション装置200Aに送信する。
【0146】
引き続き、ステップS16において、処理制御部430Aが、第1及び第2走行結果情報、並びに、第1及び第2走行結果情報の比較結果に基づき、ナビゲーション処理に利用される移動ルート情報を更新する。かかる移動ルート情報の更新に際して、処理制御部430Aは、前述したように、走行情報の収集区間が移動ルート情報に登録されていないときには、収集した比較情報を新規に追加する更新処理を行い、走行情報の収集区間が移動ルート情報(RTI)に登録されているときには、既に登録されている当該収集区間に関する移動ルート情報を新たな移動ルート情報に書き換える等の更新処理を行う。
【0147】
また、比較情報(RRT)を受けたナビゲーション装置200Aでは、ステップS17において、制御ユニット210Aが、比較情報を提示するための制御を行う。この結果、当該比較情報が、表示ユニット250の表示デバイスに表示されるとともに、音出力ユニット240のスピーカから音声として出力される。
【0148】
以上説明したように、本第1実施例では、ナビゲーション装置200Aの制御ユニット210Aが、利用者により指定された走行情報の収集の開始位置及び終了位置を、収集区間情報としてサーバ装置400Aに通知する。サーバ装置400Aでは、処理制御部430Aが、当該収集区間情報を通知した車両CR0を着目車両として認識する。また、処理制御部430Aは、着目車両が走行する第1移動ルートとは異なる第2移動ルートを、着目車両と並行して走行した際の走行情報の収集対象となる他車両を選定する。そして、処理制御部430Aが、並行して、第1移動ルートを着目車両が走行した際に収集された走行情報に基づいて、第1走行履歴情報を生成するとともに、他車両の第2移動ルートに沿った走行に際して収集された走行情報に基づいて、第2走行履歴情報を生成する。引き続き、処理制御部430Aが、第1及び第2走行履歴情報に基づいて、開始位置から終了位置に至るまでの第1及び第2移動ルートのそれぞれにおける所要時間情報、距離情報、燃費情報を含む第1及び第2走行結果情報を導出し、第1及び第2走行結果情報の比較を行う。そして、処理制御部430Bが、当該比較の結果に基づき、移動ルート情報を更新する。
【0149】
また、本第1実施例では、ナビゲーション装置200Aの音出力ユニット240及び表示ユニット250利用して、走行比較の結果を利用者に提示する。
【0150】
したがって、本第1実施例によれば、複数の移動ルートにおける並行走行の比較情報を利用して、利用者の利便性を向上させることができる。
【0151】
[第2実施例]
次に、本発明の第2実施例を、図12〜図17を主に参照して説明する。
【0152】
図12には、第2実施例に係る情報収集装置100Bの概略的な構成が示されている。なお、情報収集装置100Bは、上述した第2実施形態の情報収集装置700B(図2参照)の一態様となっている。
【0153】
<構成>
図12に示されるように、情報収集装置100Bは、第1移動端末装置710Bとしてのナビゲーション装置200Bと、第2移動端末装置720としての車載装置300と、サーバ装置730Bとしてのサーバ装置400Bとを備えている。すなわち、情報収集装置100Bは、上述した第1実施例の情報収集装置100Aと比べて、ナビゲーション装置200Aに代えてナビゲーション装置200Bを備えるとともに、サーバ装置400Aに代えてサーバ装置400Bを備えている。以下、これらの相違点に主に着目して、説明を行う。
【0154】
《ナビゲーション装置200Bの構成》
上記のナビゲーション装置200Bは、上述したナビゲーション装置200Aと比べて、第1及び第2走行履歴の生成機能、走行結果情報の比較機能、当該比較による比較情報に基づく移動ルート情報の更新機能、当該移動ルート情報の提示機能、ルート探索機能、ルート探索結果の通知機能を更に有し、車両CR0に関する走行情報の報告機能を有していない。これらの機能を有するナビゲーション装置200Bは、図13に示されるように、ナビゲーション装置200Aと比べて、記憶ユニット220Aに代えて記憶ユニット220Bを備える点、制御ユニット210Aに代えて制御ユニット210Bを備える点が異なっている。
【0155】
制御ユニット210Bは、ナビゲーション装置200Bの全体を統括制御する。この制御ユニット210Bについては、後述する。
【0156】
上記の記憶ユニット220Bは、上述した記憶ユニット220Aと同様に、不揮発性の記憶装置であるハードディスク装置等から構成される。この記憶ユニット220Bは、記憶ユニット220Aと比べて、上述した移動ルート情報(RTI)を更に記憶している点が異なっている。
【0157】
上記の制御ユニット210Bは、上述した制御ユニット210Aと同様に、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路を備えて構成され、様々なプログラムを実行するようになっている。こうした機能の中には、上述した第2実施形態における収集区間通知手段711、第1履歴生成手段714、第2履歴生成手段715、比較手段716、更新手段717としての機能も含まれている。また、第2実施例では、制御ユニット210Bがプログラムを実行して実現する機能の中には、ルート探索手段、ルート通知手段としての機能も含まれている。
【0158】
この制御ユニット210Bは、上述した制御ユニット210Aと同様に、ナビゲーション装置200Bの利用者により、走行情報の収集の開始位置及び終了位置が指定された場合に、指定結果を収集区間情報として、無線通信ユニット230を介してサーバ装置730Bに通知する。
【0159】
また、制御ユニット210Bは、記憶ユニット220Bに記憶されているナビゲーション用情報(NVI)を利用して、開始位置及び終了位置を含む複数の移動ルートを探索する。そして、制御ユニット210Bは、当該複数の移動ルートを、無線通信ユニット230を介してサーバ装置400Bに通知する。
【0160】
また、制御ユニット210Bは、車両CR0(着目車両)が収集の開始位置を通過してから終了位置に到達するまでの間において、着目車両に関する走行情報を収集する。そして、制御ユニット210Bは、第1移動ルートを着目車両が走行した際に収集された走行情報に基づいて、着目車両の第1走行履歴情報を生成する。
【0161】
また、制御ユニット210Bは、上述した着目車両に関する走行情報の収集処理と並行して、他車両が収集の開始位置を通過してから終了位置に到達するまでの間において、サーバ装置400Bから他車両に関する走行情報を収集する。そして、制御ユニット210Bは、他車両の第2移動ルートに沿った走行に際して収集された走行情報に基づいて、他車両の第2走行履歴情報を生成する。
【0162】
引き続き、制御ユニット210Bは、第1走行履歴情報に基づいて、第1移動ルートにおける所要時間情報、距離情報、燃費情報を含む第1走行結果情報を導出するとともに、第2走行履歴情報に基づいて、第2移動ルートにおける所要時間情報、距離情報、燃費情報を含む第2走行結果情報を導出する。そして、制御ユニット210Bは、第1及び第2走行結果情報の比較を行い、上述した比較情報を利用し、移動ルート情報(RTI)を更新する。
【0163】
かかる移動ルート情報(RTI)の更新に際して、制御ユニット210Bは、上述した処理制御部430Aと同様に、走行情報の収集区間が移動ルート情報(RTI)に登録されていないときには、収集した比較情報を新規に追加する更新処理を行う。また、制御ユニット210Bは、走行情報の収集区間が移動ルート情報(RTI)に登録されているときには、既に登録されている当該収集区間に関する移動ルート情報を新たな移動ルート情報に書き換える等の更新処理を行う。
【0164】
また、制御ユニット210Bは、音出力ユニット240及び表示ユニット250を利用して、比較情報の利用者へ提示するための制御を行う。
【0165】
また、制御ユニット210Bは、上述した制御ユニット210Aと同様に、利用者へのナビゲーション情報の提供処理(a)〜(d)を行う。
【0166】
また、制御ユニット210Bは、上述した処理制御部430Aと同様に、ナビゲーション装置200Bの利用者から最適移動ルート探索要求を受けたときは、ナビゲーション用情報(NVI)及び移動ルート情報(RTI)を利用して、移動ルート情報(RTI)に含まれる所要時間、距離、燃費等を考慮した利用者にとってのルート探索を行う。
【0167】
《サーバ装置400Bの構成》
上記のサーバ装置400Bは、上述したサーバ装置400Aと比べて、転送機能を更に有し、第1及び第2走行履歴情報の生成機能、走行結果情報の比較機能、当該比較による比較情報に基づく移動ルート情報の更新機能、ルート探索機能を有していない。これらの機能を有するサーバ装置400Bは、サーバ装置400Aと比べて、記憶装置410Aに代えて記憶装置410Bを備える点、処理制御部430Aに代えて処理制御部430Bを備える点が異なっている。
【0168】
上記の記憶装置410Bは、上述した記憶装置410Aと同様に、不揮発性の記憶装置であるハードディスク装置等から構成される。この記憶装置410Bは、記憶装置410Aと比べて、移動ルート情報(RTI)を記憶していない点が異なっている。
【0169】
上記の処理制御部430Bは、サーバ装置400Bの全体を統括制御する。この処理制御部430Bは、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路を備えて構成されている。処理制御部430Bが様々なプログラムを実行することにより、上記の各種機能が実現されるようになっている。こうした機能の中には、上述した第2実施形態における選定手段731、転送手段736としての機能も含まれている。
【0170】
この処理制御部430Bは、上述した処理制御部430Aと同様に、ナビゲーション装置200Bから収集区間情報を受ける。処理制御部430Bは、この収集区間情報を受けると、車両CR0を「着目車両」として認識する。
【0171】
また、処理制御部430Bは、送受信部420を介して、ナビゲーション装置200Bからのルート探索結果を受ける。
【0172】
また、処理制御部430Bは、車両CR1,CR2,…から走行情報を受ける。そして、処理制御部430Bは、着目車両が走行情報の収集の開始位置付近に接近したときに、着目車両と並行して第2移動ルートを走行する「他車両」を、車両CR1,CR2,…の中から選定する。
【0173】
また、処理制御部430Bは、他車両が収集の開始位置を通過してから終了位置に到達するまでの間において、他車両に関する走行情報を、送受信部420を介して、ナビゲーション装置200Bに転送する。なお、かかる走行情報の転送に際して、処理制御部430Bは、ナビゲーション装置200Bに対して、他車両の開始位置の通過時に転送開始通知を送信し、他車両の終了位置への到達時に転送終了通知を送信する。
【0174】
<動作>
以上のようにして構成された情報収集装置100Bの動作について、移動ルート情報の収集処理に主に着目して説明する。
【0175】
なお、サーバ装置400Bは、所定時間ごとに、車両CR1,CR2,…から走行情報を受けているものとする。
【0176】
かかる移動ルート情報の収集処理に際して、図15に示されるように、ステップS41において、ナビゲーション装置200Bの制御ユニット210Bが、第1実施例におけるステップS11と同様に、利用者により指定された走行情報の収集の開始位置及び終了位置を、収集区間情報(CST)として、無線通信ユニット230を介して、サーバ装置400Bに報告する。
【0177】
収集区間情報(CST)を受けたサーバ装置400Bでは、処理制御部430Bが、ステップS42において、車両CR0を着目車両として認識する。
【0178】
次に、ステップS43では、ナビゲーション装置200Bの制御ユニット210Bが、上述した開始位置及び終了位置を含む複数の移動ルートを探索する。そして、制御ユニット210Bは、当該複数の移動ルートを、無線通信ユニット230を介してサーバ装置400Bに通知する。
【0179】
次いで、サーバ装置400Bが実行するステップS44における他車両の選定及び走行情報の転送処理と、ナビゲーション装置200Bが実行するステップS45における走行情報の収集処理とが、並行して行われる。
【0180】
ステップS44における他車両の選定及び走行情報の転送処理は、図16に示されるように、上述した第1実施形態における図10の処理と比べて、ステップS33における「他車両に関する走行情報の収集」に代えてステップS63における「走行情報(CPS)の転送」を実行する点、及び、ステップS37における「走行情報の収集終了」を実行しない点が異なっており、その他の処理は、図10の処理と、同様にして行われる。
【0181】
また、ステップS45における走行情報の収集処理は、着目車両に関する走行情報の収集処理と、他車両に関する走行情報の収集処理とが、並行して行われる。ステップS45における着目車両に関する走行情報の収集処理は、収集主体が、第1実施形態と比べて、処理制御部430Aに代えて制御ユニット210Bであることを除いて、上述した図9と同様にして行われる。
【0182】
また、ステップS45における他車両に関する走行情報の収集処理は、図17に示されるように、まず、ステップS71において、制御ユニット210Bが、サーバ装置200Bからの転送を受けたか否かを判定する。この判定の結果が、否定的であった場合(ステップS71)には、ステップS71の処理が繰り返される。
【0183】
一方、ステップS71における判定の結果が肯定的になると(ステップS71:Y)、サーバ装置400Bからの他車両に関する走行情報の転送処理が開始され、処理はステップS72へ進む。このステップS72では、制御ユニット210Bが、他車両に関する走行情報の収集を開始する。
【0184】
引き続き、ステップS73において、制御ユニット210Bが、サーバ装置400Bから転送終了通知を受けたか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS73:N)には、ステップS73の処理が繰り返される。
【0185】
一方、ステップS73における判定の結果が肯定的になると(ステップS73:Y)、サーバ装置400Bからの他車両に関する走行情報の転送処理が終了し、処理はステップS74へ進む。ステップS74では、制御ユニット210Bが、着目車両に関する走行情報の収集を終了する。
【0186】
こうして着目車両及び他車両に関する走行情報の収集処理が終了すると、移動ルート情報の収集処理は、図15のステップS46へ進む。ステップS46では、制御ユニット210Bが、着目車両に関する走行情報に基づいて第1走行履歴情報を生成するとともに、他車両に関する走行情報に基づいて、第2走行履歴情報を生成する。この後、処理はステップS47へ進む。
【0187】
ステップS47では、制御ユニット210Bが、第1及び第2走行履歴情報に基づいて、上述した第1及び第2走行結果情報を導出し、第1及び第2走行結果情報の比較を行う。引き続き、ステップS48において、制御ユニット210Bが、第1及び第2走行結果情報、並びに、第1及び第2走行結果情報の比較結果に基づき、ナビゲーション処理に利用される移動ルート情報を更新する。
【0188】
また、ステップS49において、制御ユニット210Bが、比較情報を提示するための制御を行う。この結果、当該比較情報が、表示ユニット250の表示デバイスに表示されるとともに、音出力ユニット240のスピーカから音声として出力される。
【0189】
以上説明したように、本第2実施例では、ナビゲーション装置200Bの制御ユニット210Bが、利用者により指定された走行情報の収集の開始位置及び終了位置を、収集区間情報としてサーバ装置400Bに通知する。サーバ装置400Bでは、処理制御部430Bが、当該収集区間情報を通知した車両CR0を着目車両として認識する。また、処理制御部430Bは、着目車両が走行する第1移動ルートとは異なる第2移動ルートを、着目車両と並行して走行した際の走行情報の収集対象となる他車両を選定する。そして、制御ユニット210B、並行して、第1移動ルートを着目車両が走行した際に収集された走行情報に基づいて、第1走行履歴情報を生成するとともに、サーバ装置400Bから受けた他車両に関する走行情報に基づいて、第2走行履歴情報を生成する。引き続き、制御ユニット210Bが、第1及び第2走行履歴情報に基づいて、開始位置から終了位置に至るまでの第1及び第2移動ルートのそれぞれにおける所要時間情報、距離情報、燃費情報を含む第1及び第2走行結果情報を導出し、第1及び第2走行結果情報の比較を行う。そして、制御ユニット210Bは、当該比較の結果に基づき、移動ルート情報を更新する。
【0190】
また、本第2実施例では、上述した第1実施例の場合と同様に、ナビゲーション装置200Bの音出力ユニット240及び表示ユニット250利用して、走行比較の結果を利用者に提示する。
【0191】
したがって、本第2実施例によれば、上述した第1実施例と同様に、複数の移動ルートにおける並行走行の比較結果を利用して、利用者の利便性を向上させることができる。
【0192】
[実施例の変形]
本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0193】
例えば、上記の第1実施例では、サーバ装置が第1及び第2移動ルートを探索することとしたが、ナビゲーション装置が移動ルートの探索を行うようにしてもよい。この場合は、ナビゲーション装置が、ルート探索結果をサーバ装置へ送信することになる。
【0194】
また、上記の第2実施例では、ナビゲーション装置が第1及び第2移動ルートを探索することとしたが、サーバ装置が移動ルートの探索を行うようにしてもよい。
【0195】
また、上記の第1及び第2実施例では、比較情報に基づき、移動ルート情報の更新処理、及び、比較情報の提示処理を行うこととした。これに対して、情報収集装置においては、移動ルート情報の更新処理のみを行うものであってもよいし、比較情報の提示処理のみを行うものであってもよい。
【0196】
また、上記の第1実施例では、図11において、第2移動ルートが1つである場合を例示して説明したが、第2移動ルートの数は任意の複数であってよい。
【0197】
また、上記の第2実施例では、比較情報を表示ユニットに表示することとしたが、サーバ装置から転送された他車両に関する走行情報に基づき、第2移動ルートを走行中の他車両の現在位置等を表示ユニットに表示することもできる。この場合には、着目車両に搭乗する利用者に、他車両の現在位置等を提示できるので、利用者の利便性を向上させることができる。
【0198】
また、上記の第1及び第2実施例では、利用者により、走行情報の収集の開始位置及び終了位置が指定されると、サーバ装置の処理制御部が、着目車両が開始位置付近に到達したか否かを判定し、当該判定の結果が肯定的であった場合に、他車両の選定が行われるとともに、着目車両及び他車両に関する走行情報の収集が行われることとした。これに対して、利用者は、走行情報の収集の終了位置のみを指定するようにしてもよい。この場合には、ナビゲーション装置は、当該指定を行った時点における車両の位置及び収集の終了位置を、収集区間情報として、サーバ装置に報告する。そして、第1実施例におけるステップS21,S31の判定、及び第2実施例におけるステップS61の判定を行わず、直ちに、他車両の選定、並びに、着目車両及び他車両に関する走行情報の収集を行うようにすればよい。
【0199】
また、上記の第1及び第2実施例では、コンピュータによるプログラムの実行により、第1検出手段、第2検出手段及び提示手段を除く各手段の機能を実現するようにしたが、これらの各手段の全部又は一部を、専用のLSI(Large Scale Integrated circuit)等を用いたハードウェアにより構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0200】
【図1】本発明の第1実施形態に係る情報収集装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る情報収集装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図3】本発明の第1実施例に係る情報収集装置の構成を概略的に説明するためのブロック図である。
【図4】図3のナビゲーション装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図5】図3の車載装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図6】図3のサーバ装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図7】図6の移動ルート情報の構成を説明するための図である。
【図8】第1実施例における移動ルート情報の収集処理を説明するためのシーケンス図である。
【図9】図8における着目車両に関する走行情報の収集処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】図8における他車両に関する走行情報の収集処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】他車両の選定方法を説明するための図である。
【図12】本発明の第2実施例に係る情報収集装置の構成を概略的に説明するためのブロック図である。
【図13】図12のナビゲーション装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図14】図12のサーバ装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図15】第2実施例における移動ルート情報の収集処理を説明するためのシーケンス図である。
【図16】図15における他車両の選定処理を説明するためのフローチャートである。
【図17】図15における他車両に関する走行情報の収集処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0201】
100A,100B … 情報収集装置
200A,200B … ナビゲーション装置(第1移動端末装置)
210A … 制御ユニット(収集区間通知手段、第1報告手段)
210B … 制御ユニット(収集区間通知手段、第1履歴生成手段、第2
履歴生成手段、比較手段、更新手段、ルート探索手段、ルー
ト通知手段)
240 … 音出力ユニット(提示手段の一部)
250 … 表示ユニット(提示手段の一部)
270 … 走行情報取得ユニット(第1検出手段の一部)
280 … GPS受信ユニット(第1検出手段の一部)
300 … 車載装置(第2移動端末装置)
320 … 走行情報取得部(第2検出手段の一部)
330 … GPS受信部(第2検出手段の一部)
340 … 制御部(第2報告手段)
400A,400B … サーバ装置
430A … 処理制御部(選定手段、第1履歴生成手段、第2履歴生成手
段、比較手段、更新手段、ルート探索手段)
430B … 処理制御部(選定手段、転送手段)
700A,700B … 情報収集装置
710A,710B … 第1移動端末装置
711 … 収集区間通知手段
712A,712B … 第1検出手段
713 … 第1報告手段
714 … 第1履歴生成手段
715 … 第2履歴生成手段
716 … 比較手段
717 … 更新手段
720 … 第2移動端末装置
721 … 第2検出手段
722 … 第2報告手段
730A,730B … サーバ装置
731 … 選定手段
732 … 第1履歴生成手段
733 … 第2履歴生成手段
734 … 比較手段
735 … 更新手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報収集装置及び情報収集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両等の移動体に搭載されるナビゲーション装置が広く普及している。こうしたナビゲーション装置に関する技術の進展は目覚しく、利用者の利便性を向上させるための様々な技術が提案されている。
【0003】
かかる提案技術の一つとして、目的地に至る複数の移動ルートにおける情報をナビゲーション処理に利用する技術がある(特許文献1参照:以下、「従来例」と呼ぶ)。この従来例の技術では、道路交通情報を提供するシステムから渋滞情報、所要時間情報等を取得し、現在の誘導経路をそのまま走行したときと、迂回路を走行したときとにおける走行距離の相違及び所要時間の相違等、複数の誘導経路を並べてグラフ表示することで、利用者が容易に走行コスト等を比較できるようになっている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−267079号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来例の技術では、道路交通情報を提供するシステムから取得した渋滞情報、所要時間情報等を、表示方法に工夫を凝らして利用者に提示している。このように、この従来例の技術は、単に、複数の移動ルートにおける道路交通に関する情報を提供しているだけである。また、利用者に提示する所要時間情報は、上述したシステムが予測したものにすぎず、実際の所要時間と食い違うことがある。このため、利用者が選択したルートが最適なものであったか否かは、確認ができない。
【0006】
ところで、目的地に至る複数の移動ルートにおける情報をナビゲーション処理に利用する際には、実際の並行走行の結果を取得し、移動ルートごとの走行結果を比較して解析することができれば、より精度の良いナビゲーション処理を行うことが可能となり、利用者の利便性は向上する。
【0007】
このため、複数の移動ルートに関する実際の並行走行の結果を比較することで、ナビゲーション処理を行うことのできる技術が待望されている。かかる要請に応えることが、本発明が解決すべき課題の一つとして挙げられる。
【0008】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、複数の移動ルートにおける並行走行の比較結果を利用して、利用者の利便性を向上させることができる新たな情報収集装置及び情報収集方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、通過位置と通過日時とを含む走行情報の収集の開始位置と終了位置とが着目移動体において指定された場合に、前記開始位置から前記終了位置までの第1移動ルートを前記着目移動体が走行した際に収集された走行情報に基づいて、第1走行履歴情報を生成する第1履歴生成手段と;前記開始位置から前記終了位置までの前記第1移動ルートとは異なる少なくとも1つの第2移動ルートを、前記着目移動体の前記第1移動ルートの走行と並行して走行した際の走行情報の収集対象となる前記着目移動体とは異なる他移動体を選定する選定手段と;前記他移動体の前記第2移動ルートに沿った走行に際して収集された走行情報に基づいて、第2走行履歴情報を生成する第2履歴生成手段と;前記第1及び第2走行履歴情報のそれぞれから導かれる前記開始位置から前記終了位置に至るまでの所要時間情報、距離情報及び燃費情報の少なくとも1つを含む第1及び第2走行結果情報の比較を行う比較手段と;を備えることを特徴とする情報収集装置である。
【0010】
請求項17に記載の発明は、通過位置と通過日時とを含む走行情報の収集の開始位置と終了位置とが着目移動体において指定された場合に、前記開始位置から前記終了位置までの第1移動ルートとは異なる少なくとも1つの第2移動ルートを、前記着目移動体の前記第1移動ルートの走行と並行して走行した際の走行情報の収集対象となる前記着目移動体とは異なる他移動体を選定する選定工程と;前記開始位置から前記終了位置までの第1移動ルートを前記着目移動体が走行した際に収集された走行情報に基づいて、第1走行履歴情報を生成する第1履歴生成工程と;前記選定工程において選定された他移動体の前記第2移動ルートに沿った走行に際して収集された走行情報に基づいて、第2走行履歴情報を生成する第2履歴生成工程と;前記第1及び第2走行履歴情報のそれぞれから導かれる前記開始位置から前記終了位置に至るまでの所要時間情報、距離情報及び燃費情報の少なくとも1つを含む第1及び第2走行結果情報の比較を行う比較工程と;を備えることを特徴とする情報収集方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0012】
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態の情報収集装置700Aについて、図1を参照して説明する。
【0013】
<構成>
図1には、第1実施形態に係る情報収集装置700Aの概略的な構成が示されている。この図1に示されるように、情報収集装置700Aは、第1移動端末装置710Aと、第2移動端末装置720と、サーバ装置730Aとを備えている。
【0014】
ここで、第1移動端末装置710Aは、移動体MV0に搭載されており、移動体MV0とともに移動するようになっている。また、第2移動端末装置720は少なくとも1つ以上であり、第2移動端末装置720のそれぞれは、移動体MVp(p=1,2,…)に搭載され、移動体MVpとともに移動するようになっている。また、サーバ装置730Aは、固定的な位置に配置されている。
【0015】
そして、第1移動端末装置710Aと、第2移動端末装置720と、サーバ装置730Aとは、ネットワークシステムNWSを介して、データ通信を行うことができるようになっている。なお、各装置間の詳細な情報のやり取りについては後述する。ここで、各装置間の情報の全てのやり取りは、ネットワークシステムNWSを介して行われるものとして、以下の説明をする。
【0016】
《第1移動端末装置710Aの構成》
上記の第1移動端末装置710Aは、本第1実施形態では、収集区間通知手段711と、第1検出手段712Aと、第1報告手段713とを備えている。
【0017】
上記の収集区間通知手段711は、第1移動端末装置710Aの利用者により、走行情報の収集の開始位置及び終了位置が指定された場合に、指定結果を収集区間情報として、サーバ装置730Aに通知する。
【0018】
上記の第1検出手段712Aは、所定時間ごとに移動体MV0に関する走行情報を検出する。ここで、「走行情報」には、移動体の通過位置と通過日時とが含まれる。第1検出手段712Aによる検出結果は、第1報告手段713へ送られる。
【0019】
上記の第1報告手段713は、第1検出手段712Aによる検出結果である移動体MV0に関する走行情報を受ける。そして、第1報告手段713は、当該走行情報をサーバ装置730Aに報告する。
【0020】
《第2移動端末装置720の構成》
上記の第2移動端末装置720は、第2検出手段721と、第2報告手段722とを備えている。
【0021】
上記の第2検出手段721は、所定時間ごとに、第2移動端末装置720を搭載した移動体MVp(p=1,2,…)に関する走行情報を検出する。第2検出手段721による検出結果は、第2報告手段722へ送られる。
【0022】
上記の第2報告手段722は、第2検出手段721による検出結果である移動体MVpに関する走行情報を受ける。そして、第2報告手段722は、当該走行情報をサーバ装置730Aに報告する。
【0023】
《サーバ装置730Aの構成》
上記のサーバ装置730Aは、本第1実施形態では、選定手段731と、第1履歴生成手段732と、第2履歴生成手段733と、比較手段734と、更新手段735を備えている。
【0024】
上記の選定手段731は、第1移動端末装置710Aの収集区間通知手段711から、第1移動端末装置710Aの利用者により指定された走行情報の収集の開始位置及び終了位置を、収集区間情報として受ける。この収集区間情報を受けると、選定手段731は、移動体MV0を「着目移動体」として認識する。以下、「着目移動体」となるのは、移動体MV0であるものとして、説明する。
【0025】
なお、上述した第1移動端末装置710Aと同様に構成される装置を搭載した移動体MV0以外の移動体から収集区間情報を受けた場合には、選定手段731は、当該移動体を「着目移動体」として認識する。
【0026】
また、選定手段731は、移動体MV0,MV1,MV2,…の全てから走行情報を受ける。そして、移動体MV0を「着目移動体」として認識すると、選定手段731は、当該開始位置及び終了位置により決定される複数の移動ルートのうちで、着目移動体が移動する第1移動ルートとは異なる少なくとも1つの第2移動ルートを、着目移動体と並行して走行した際の走行情報の収集対象となる「他移動体」を、移動体MV1,MV2,…の中から選定する。当該他移動体の選定に関する処理については、後述する。
【0027】
上記の第1履歴生成手段732は、第1移動端末装置710Aの第1報告手段713から、着目移動体に関する走行情報を受ける。そして、第1履歴生成手段732は、第1移動ルートを着目移動体が走行した際に収集された走行情報に基づいて、着目移動体の走行情報の履歴である第1走行履歴情報を生成する。第1履歴生成手段732による生成結果は、比較手段734へ送られる。
【0028】
上記の第2履歴生成手段733は、他移動体として選定された移動体MVpに搭載された第2移動端末装置720の第2報告手段722から、他移動体に関する走行情報を受ける。そして、第2履歴生成手段733は、他移動体の第2移動ルートに沿った走行に際して収集された走行情報に基づいて、他移動体の走行情報の履歴である第2走行履歴情報を生成する。第2履歴生成手段733による生成結果は、比較手段734へ送られる。
【0029】
上記の比較手段734は、第1履歴生成手段732から第1走行履歴情報を受けるとともに、第2履歴生成手段733から第2走行履歴情報を受ける。そして、比較手段734は、第1走行履歴情報に基づいて、開始位置から終了位置に至るまでの第1移動ルートにおける所要時間情報、距離情報、燃費情報の少なくとも1つを含む第1走行結果情報を導出する。また、比較手段734は、第2走行履歴情報に基づいて、開始位置から終了位置に至るまでの第2移動ルートにおける所要時間情報、距離情報、燃費情報の少なくとも1つを含む第2走行結果情報を導出する。引き続き、比較手段734は、第1及び第2走行結果情報の比較を行い、比較結果を、第1及び第2走行結果情報とともに、比較情報として、更新手段735に送る。
【0030】
なお、比較情報には、曜日情報、時間帯情報等が更に含まれるようにすることができる。また、例えば、第1又は第2移動ルートの少なくとも1つにおいて渋滞が発生していた場合には、比較情報は、渋滞原因情報を更に含むようにすることができる。
【0031】
上記の更新手段735は、比較手段734から比較情報を受ける。そして、更新手段735は、当該比較情報に基づいて、ナビゲーション処理に利用される移動ルート情報を更新する。このナビゲーション処理には、目的地までの最適移動ルートを探索する処理が含まれるようにすることができる。すなわち、この移動ルート情報を利用することにより、所要時間、距離、燃費等を考慮した利用者にとっての最適移動ルートの探索を行うことが可能となる。
【0032】
<動作>
上記のように構成された情報収集装置700Aの動作について、情報収集処理に主に着目して、説明する。
【0033】
なお、サーバ装置730Aは、所定時間ごとに、移動体MV0,MV1,MV2,…の全てから走行情報を受けているものとする。
【0034】
《他移動体の選定処理》
まず、他移動体の選定処理について説明する。なお、この処理は、主として、サーバ装置730Aにおいて行われるようになっている。
【0035】
第1移動端末装置710Aの利用者により、走行情報の収集の開始位置及び終了位置が指定されると、第1移動端末装置710Aの収集区間通知手段711が、指定結果を収集区間情報として、サーバ装置730Aに通知する。
【0036】
この収集区間情報を受けたサーバ装置730Aでは、選定手段731が、移動体MV0を着目移動体として認識する。そして、選定手段731は、当該開始位置及び終了位置により決定される第1移動ルートとは異なる少なくとも1つの第2移動ルートを、着目移動体と並行して走行した際の走行情報の収集対象となる他移動体を、移動体MV1,MV2,…の中から選定する。
【0037】
かかる他移動体の選定に際して、選定手段731は、着目移動体が開始位置付近にいる時に、着目移動体からの距離が第1所定距離以内であり、第2移動ルートを走行する可能性がある少なくとも1つの移動体を、移動体MV1,MV2,…の中から、他移動体として選定する。
【0038】
そして、選定手段731は、選定されている他移動体の走行を監視し、選定されている他移動体が第2移動ルートから離脱した場合には、離脱地点における選定されている他移動体からの距離が第2所定距離以内であり、第2移動ルートを走行する可能性がある少なくとも1つの移動体を、新たな他移動体として選定する。
【0039】
ここで、第1所定距離は、収集の開始位置における着目移動体の特定時に、着目移動体と位置的に同一視することができる他移動体を選定するという観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められるようになっている。また、第2所定距離は、離脱地点における選定されている他移動体と新たに選定する他移動体とを位置的に同一視することができるという観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められるようになっている。
【0040】
なお、上述した第1及び第2移動ルートの少なくとも1つの移動ルートが、交通渋滞の発生している渋滞ルートとなることがある。この場合において、第1移動ルートが渋滞ルートであるときには、着目移動体は渋滞ルートを走行し、他移動体は交通渋滞を迂回するルートを走行していることが考えられる。また、第2移動ルートの少なくとも1つの移動ルートが渋滞ルートであるときには、着目移動体が交通渋滞を迂回するルートを走行していることが考えられる。
【0041】
《走行結果情報の生成処理》
次に、走行結果情報の生成処理について説明する。なお、本第1実施形態では、この処理は、サーバ装置730Aにおいて行われるようになっている。
【0042】
サーバ装置730Aの第1履歴生成手段732が、第1移動ルートを着目移動体が走行した際の走行情報を収集する。そして、第1履歴生成手段732は、着目移動体が上述した終了位置に到達すると、収集された走行情報に基づいて、第1走行履歴情報を生成する。この第1走行履歴情報は、比較手段734へ送られる。
【0043】
かかる第1履歴生成手段732による着目移動体に関する走行情報の収集処理と並行して、第2履歴生成手段733が、他移動体の第2移動ルートに沿った走行に際して走行情報を収集する。そして、第2履歴生成手段733は、他移動体が終了位置に到達すると、収集された走行情報に基づいて、第2走行履歴情報を生成する。この第2走行履歴情報は、比較手段734へ送られる。
【0044】
こうして生成された第1及び第2走行履歴情報を受けた比較手段734は、上述した第1及び第2走行結果情報を導出する。引き続き、比較手段734は、第1及び第2走行結果情報の比較を行う。そして、比較手段734は、比較結果、並びに、第1及び第2走行結果情報を含む比較情報を、更新手段735に送る。
【0045】
《走行結果情報の更新処理》
次いで、走行結果情報の更新処理について説明する。なお、本第1実施形態では、この処理は、サーバ装置730Aにおいて行われるようになっている。
【0046】
第1及び第2走行結果情報、並びに、当該情報の比較結果を含む比較情報を受けたサーバ装置730Aの更新手段735では、当該比較情報に基づいて、ナビゲーション処理に利用される移動ルート情報を更新する。
【0047】
以上説明したように、本第1実施形態では、第1移動端末装置710Aの収集区間通知手段711が、利用者により指定された走行情報の収集の開始位置及び終了位置を、収集区間情報として、サーバ装置730Aに通知する。サーバ装置730Aでは、選定手段731が、当該収集区間情報を通知した移動体(移動体MV0)を着目移動体として認識する。また、選定手段731は、当該開始位置及び終了位置により決定される第1移動ルートとは異なる少なくとも1つの第2移動ルートを、着目移動体と並行して走行した際の走行情報の収集対象となる他移動体を選定する。
【0048】
そして、第1履歴生成手段732が、第1移動ルートを着目移動体が走行した際に収集された走行情報に基づいて、第1走行履歴情報を生成するとともに、第2履歴生成手段733が、他移動体の第2移動ルートに沿った走行に際して収集された走行情報に基づいて、第2走行履歴情報を生成する。引き続き、比較手段734が、第1及び第2走行履歴情報に基づいて、開始位置から終了位置に至るまでの第1及び第2移動ルートのそれぞれにおける所要時間情報、距離情報、燃費情報の少なくとも1つを含む第1及び第2走行結果情報を導出し、第1及び第2走行結果情報の比較を行う。そして、更新手段735が、当該比較結果に基づいて、ナビゲーション処理に利用される移動ルート情報を更新する。
【0049】
したがって、本発明の第1実施形態によれば、複数の移動ルートにおける並行走行の比較結果を利用して、利用者の利便性を向上させることができる。
【0050】
なお、第1移動端末装置710A及びサーバ装置730Aのいずれか一方が、収集区間が指定された後、他移動体の最初の選定前に、第1及び第2移動ルートを探索するルート探索手段を更に備える構成とすることができる。この場合において、第1移動端末装置710Aにルート探索手段が備えられているときには、第1移動端末装置710Aが、ルート探索手段による探索結果をサーバ装置730Aに通知するルート通知手段を更に備える構成とする。
【0051】
また、サーバ装置730Aが、上述した更新手段735に代えて、又は、更新手段735とともに、第1及び第2走行結果情報を第1移動端末装置710Aに通知する走行結果通知手段を更に備える構成とし、第1移動端末装置710Aが、サーバ装置730Aから受けた第1及び第2走行結果情報を提示する提示手段を更に備える構成とすることができる。この場合には、着目移動体に搭乗する利用者に、並行走行の比較結果を提示できるので、利用者の利便性を向上させることができる。
【0052】
また、本第1実施形態においては、第2移動端末装置720が収集区間通知手段を更に備えることで、第1移動端末装置710Aと第2移動端末装置720とを、同様の構成とすることができる。
【0053】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態の情報収集装置700Bについて、図2を参照して説明する。
【0054】
<構成>
図2には、第2実施形態に係る情報収集装置700Bの概略的な構成が示されている。この図2に示されるように、情報収集装置700Bは、上述した第1実施形態の情報収集装置700Aと比べて、第1移動端末装置710Aに代えて第2移動端末装置710Bを備える点、及び、サーバ装置730Aに代えてサーバ装置730Bを備える点が異なっている。以下、この相違点に主に着目して説明する。
【0055】
《第1移動端末装置710Bの構成》
上記の第1移動端末装置710Bは、第1移動端末装置710Aと比べて、第1検出手段712Aに代えて第1検出手段712Bを備える点、第1履歴生成手段714、第2履歴生成手段715、比較手段716、更新手段717を更に備える点、及び、第1報告手段713を備えていない点が異なっている。
【0056】
なお、本第2実施形態においても、上述した第1実施形態の場合と同様に、第1移動端末装置710Bの収集区間通知手段711が、収集区間情報をサーバ装置730Bに通知すると、サーバ装置730Bの選定手段731が、移動体MV0を着目移動体として認識する。また、選定手段731は、移動体MV1,MV2,…から走行情報を受けて、移動体MV1,MV2,…の中から他移動体を選定する。
【0057】
上記の第1検出手段712Bは、上述した第1検出手段712Aと同様に、所定時間ごとに移動体MV0に関する走行情報を検出する。第1検出手段712Bによる検出結果は、第1履歴生成手段714へ送られる。
【0058】
上記の第1履歴生成手段714は、第1検出手段712Bからの移動体MV0に関する走行情報を受ける。そして、移動体MV0が着目移動体となった後において、第1履歴生成手段714は、第1移動ルートを移動体MV0(着目移動体)が走行した際に収集された走行情報に基づいて、上述した第1履歴生成手段732と同様に、第1走行履歴情報を生成する。第1履歴生成手段714による生成結果は、比較手段716へ送られる。
【0059】
上記の第2履歴生成手段715は、サーバ装置730Bの後述する転送手段736から、他移動体に関する走行情報を受ける。そして、第2履歴生成手段715は、他移動体の第2移動ルートに沿った走行に際して収集された走行情報に基づいて、上述した第2履歴生成手段733と同様に、第2走行履歴情報を生成する。第2履歴生成手段715による生成結果は、比較手段716へ送られる。
【0060】
上記の比較手段716は、第1履歴生成手段714から第1走行履歴情報を受けるとともに、第2履歴生成手段715から第2走行履歴情報を受ける。そして、比較手段716は、第1及び第2走行履歴情報に基づいて、上述した比較手段734と同様に、開始位置から終了位置に至るまでの第1及び第2移動ルートのそれぞれにおける第1及び第2走行結果情報を導出する。引き続き、比較手段716は、第1及び第2走行結果情報の比較を行う。そして、比較手段716は、比較結果、並びに、第1及び第2走行結果情報を含む比較情報を、更新手段717に送る。
【0061】
上記の更新手段717は、比較手段716による比較情報を受ける。そして、更新手段716は、当該比較情報に基づいて、上述した更新手段735と同様に、ナビゲーション処理に利用される移動ルート情報を更新する。
【0062】
《サーバ装置730Bの構成》
上記のサーバ装置730Bは、サーバ装置730Aと比べて、転送手段736を更に備える点、及び、第1履歴生成手段732、第2履歴生成手段733、比較手段734、更新手段735を備えていない点が異なっている。
【0063】
上記の転送手段736は、移動体MVpに搭載された第2移動端末装置720の第2報告手段722から、第2検出手段721による検出結果である移動体MVpに関する走行情報を受ける。そして、転送手段736は、他移動体が移動体MV1,MV2,…の中から選定された後において、他移動体の走行情報を第1移動端末装置710Bに転送する。
【0064】
<動作>
上記のように構成された情報収集装置700Bの動作について、情報収集処理に主に着目して、説明する。
【0065】
なお、サーバ装置730Bは、所定時間ごとに、移動体MV1,MV2,…から走行情報を受けているものとする。
【0066】
《他移動体の選定処理》
サーバ装置730Bによる他移動体の選定処理は、第1実施形態のサーバ装置730Aの場合と、同様に実行される。
【0067】
《走行結果情報の生成処理》
次に、走行結果情報の生成処理について説明する。なお、本第2実施形態では、この処理は、第1移動端末装置710Bにおいて行われるようになっている。
【0068】
第1移動端末装置710Bの第1履歴生成手段714が、第1移動ルートを着目移動体(移動体MV0)が走行した際の走行情報を収集する。そして、第1履歴生成手段714は、着目移動体が終了位置に到達すると、収集された走行情報に基づいて、第1走行履歴情報を生成する。この第1走行履歴情報は、比較手段716へ送られる。
【0069】
かかる第1履歴生成手段714による着目移動体に関する走行情報の収集処理と並行して、第2履歴生成手段715が、他移動体の第2移動ルートに沿った走行に際して走行情報を収集する。そして、第2履歴生成手段715は、他移動体が終了位置に到達すると、収集された走行情報に基づいて、第2走行履歴情報を生成する。この第2走行履歴情報は、比較手段716へ送られる。
【0070】
こうして生成された第1及び第2走行履歴情報を受けた比較手段716は、上述した第1及び第2走行結果情報を導出する。引き続き、比較手段716は、第1及び第2走行結果情報の比較を行う。そして、比較手段716は、比較結果、並びに、第1及び第2走行結果情報を含む比較情報を、更新手段717に送る。
【0071】
《走行結果情報の更新処理》
次いで、走行結果情報の更新処理について説明する。なお、本第2実施形態では、この処理は、第1移動端末装置710Bにおいて行われるようになっている。
【0072】
第1及び第2走行結果情報、並びに、当該情報の比較結果を含む比較情報を受けた第1移動端末装置710Bの更新手段717が、当該比較情報に基づいて、ナビゲーション処理に利用される移動ルート情報を更新する。
【0073】
以上説明したように、本第2実施形態では、第1移動端末装置710Bの収集区間通知手段711が、利用者により指定された走行情報の収集の開始位置及び終了位置を、収集区間情報として、サーバ装置730Bに通知する。サーバ装置730Bでは、選定手段731が、当該収集区間情報を通知した移動体MV0を着目移動体として認識する。また、選定手段731は、当該開始位置及び終了位置により決定される第1移動ルートとは異なる少なくとも1つの第2移動ルートを、着目移動体と並行して走行した際の走行情報の収集対象となる他移動体を選定する。
【0074】
そして、第1移動端末装置710Bでは、第1履歴生成手段714が、第1移動ルートを着目移動体が走行した際に収集された走行情報に基づいて、第1走行履歴情報を生成するとともに、第2履歴生成手段715が、他移動体の第2移動ルートに沿った走行に際して収集され、サーバ装置730Bから転送された走行情報に基づいて、第2走行履歴情報を生成する。引き続き、比較手段716が、第1及び第2走行履歴情報に基づいて、上述した第1及び第2走行結果情報を導出し、第1及び第2走行結果情報の比較を行う。そして、更新手段717が、当該比較結果に基づいて、ナビゲーション処理に利用される移動ルート情報を更新する。
【0075】
したがって、本発明の第2実施形態によれば、複数の移動ルートにおける並行走行の比較結果を利用して、利用者の利便性を向上させることができる。
【0076】
なお、第1移動端末装置710B及びサーバ装置730Bのいずれか一方が、収集区間が指定された後、他移動体の最初の選定前に、第1及び第2移動ルートを探索するルート探索手段を更に備える構成とすることができる。この場合において、第1移動端末装置710Bにルート探索手段が備えられているときには、第1移動端末装置710Bが、ルート探索手段による探索結果をサーバ装置730Bに通知するルート通知手段を更に備える構成とする。
【0077】
また、第1移動端末装置710Bは、上述した更新手段717に代えて、又は、更新手段717とともに、第1及び第2走行結果情報を提示する提示手段を更に備える構成とすることができる。この場合には、着目移動体に搭乗する利用者に、並行走行の比較結果を提示できるので、利用者の利便性を向上させることができる。
【0078】
また、本第2実施形態においては、第1移動端末装置710Bが、上述した第1移動端末装置710Aにおける第1報告手段を更に備え、第2移動端末装置720が収集区間通知手段、第1履歴生成手段、第2履歴生成手段、比較手段、更新手段を更に備えることで、第1移動端末装置710Aと第2移動端末装置720とを、同様の構成とすることができる。
【0079】
また、上記の第1及び第2実施形態の情報収集装置700A,700Bを、演算手段としての3個以上のコンピュータを備えて構成し、第1検出手段712A,712B及び第2検出手段721を除く上述した各手段の機能を、プログラムを実行することにより実現するようにすることができる。これらのプログラムは、CD−ROM,DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにすることができる。
【実施例】
【0080】
以下、本発明の情報収集装置の実施例を、図3〜図17を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0081】
[第1実施例]
まず、本発明の第1実施例を、図3〜図11を主に参照して説明する。
【0082】
図3には、第1実施例に係る情報収集装置100Aの概略的な構成が示されている。なお、情報収集装置100Aは、上述した第1実施形態の情報収集装置700A(図1参照)の一態様となっている。
【0083】
<構成>
図3に示されるように、情報収集装置100Aは、第1移動端末装置710Aとしてのナビゲーション装置200Aと、第2移動端末装置720としての車載装置300と、サーバ装置730Aとしてのサーバ装置400Aとを備えている。
【0084】
ここで、ナビゲーション装置200Aは、移動体MV0としての車両CR0に搭載されており、車両CR0とともに走行するようになっている。また、車載装置300は、移動体MVp(p=1,2,…)としての車両CRpに搭載されており、車両CRpとともに走行するようになっている。また、サーバ装置400Aは、例えば、所定の建物内の固定的な位置に配置されている。
【0085】
上記のナビゲーション装置200Aには、車両CR0に搭載された車速センサ290が接続されている。また、ナビゲーション装置200Aは、ネットワークシステム500を介して、サーバ装置400Aとデータ通信を行うようになっている。ナビゲーション装置200Aが、車速センサ290及びサーバ装置400Aとの間で授受するデータの内容については、後述する。
【0086】
上記の車載装置300には、車両CRpに搭載された車速センサ390が接続されている。また、車載装置300は、ネットワークシステム500を介して、サーバ装置400Aとデータ通信を行うようになっている。車載装置300が、車速センサ390及びサーバ装置400Aとの間で授受するデータの内容については、後述する。
【0087】
上記のサーバ装置400Aは、ネットワークシステム500を介して、ナビゲーション装置200A及び車載装置300と通信可能となっている。サーバ装置400Aが、ナビゲーション装置200A及び車載装置300との間で授受するデータの内容については、後述する。
【0088】
《ナビゲーション装置200Aの構成》
上記のナビゲーション装置200Aは、走行情報の収集区間通知機能、車両CR0に関する走行情報の検出機能、当該走行情報の報告機能、移動ルート情報の提示機能を有している。これらの機能を有するナビゲーション装置200Aは、図4に示されるように、制御ユニット210Aと、記憶ユニット220Aと、無線通信ユニット230とを備えている。また、ナビゲーション装置200Aは、提示手段の一部としての音出力ユニット240と、提示手段の一部としての表示ユニット250と、操作入力ユニット260とを備えている。さらに、ナビゲーション装置200Aは、第1検出手段712Aの一部としての走行情報取得ユニット270と、第1検出手段712Aの一部としてのGPS(Global Positioning System)受信ユニット280とを備えている。
【0089】
制御ユニット210Aは、ナビゲーション装置200Aの全体を統括制御する。この制御ユニット210Aについては、後述する。
【0090】
上記の記憶ユニット220Aは、不揮発性の記憶装置であるハードディスク装置等から構成される。記憶ユニット220Aは、ナビゲーション用情報(NVI)等の様々なデータを記憶する。この記憶ユニット220Aには、制御ユニット210Aがアクセスできるようになっている。
【0091】
上記のナビゲーション用情報(NVI)には、地図データ、POI(Point Of Interests)データ、背景データ等のナビゲーションのために利用される様々なデータが記憶されている。これらのデータは、制御ユニット210Aによって読み取られるようになっている。
【0092】
上記の無線通信ユニット230は、不図示のアンテナ等を備えて構成されている。この無線通信ユニット230は、当該アンテナにより受信したネットワークシステム500において用意された基地局からの受信信号を処理して、制御ユニット210Aで処理可能なデジタルデータ信号に変換する。また、無線通信ユニット230は、制御ユニット210Aからの送信信号を処理し、当該アンテナを介して、無線信号の態様でネットワークシステム500(より詳しくは、基地局)へ送る。
【0093】
この無線通信ユニット230を利用することにより、ナビゲーション装置200A(より詳しくは、制御ユニット210A)が、サーバ装置400Aとの間で通信を行うことができるようになっている。
【0094】
また、この無線通信ユニット230を利用し、渋滞情報、速度規制・車線規制情報等を含む交通情報を提供する不図示の道路交通情報サーバから、当該交通情報を受信することができる。こうして受信された交通情報は、制御ユニット210Aへ送られる。
【0095】
上記の音出力ユニット240は、スピーカを備えて構成され、制御ユニット210Aから受信した音声データに対応する音声を出力する。この音出力ユニット240は、制御ユニット210Aによる制御のもとで、複数の移動ルートにおける走行結果情報及びその比較結果、車両CR0の進行方向、走行状況、交通状況等の案内音声を出力する。
【0096】
上記の表示ユニット250は、液晶パネル等の表示デバイスを備えて構成され、制御ユニット210Aから受信した表示データに対応する画像を表示する。この表示ユニット250は、制御ユニット210Aによる制御のもとで、複数の移動ルートにおける走行結果情報及びその比較結果、地図情報、ルート情報等の画像、ガイダンス情報等を表示する。
【0097】
上記の操作入力ユニット260は、ナビゲーション装置200Aの本体部に設けられたキー部、及び/又はキー部を備えるリモート入力装置等により構成される。ここで、本体部に設けられたキー部としては、表示ユニット250の表示デバイスに設けられたタッチパネルを用いることができる。なお、キー部を有する構成に代えて、又は併用して音声認識技術を利用して音声にて入力する構成を採用することもできる。
【0098】
この操作入力ユニット260を利用者が操作することにより、ナビゲーション装置200Aの動作内容の設定や動作指令が行われる。例えば、走行情報の収集の開始位置及び終了位置の指定等の設定を、利用者が操作入力ユニット260を利用して行う。こうした入力内容は、操作入力データとして、操作入力ユニット260から制御ユニット210Aへ向けて送られる。
【0099】
上記の走行情報取得ユニット270は、加速度センサ、角速度センサ等を備えて構成されており、車両CR0に作用している加速度、角速度を検出する。また、走行情報取得ユニット270は、ナビゲーション装置200Aと、車両CR0に搭載されている車速センサ290との間におけるデータ授受に関して利用され、車速センサ290による検出結果である速度データを取得する。こうして得られた各データは、走行データとして制御ユニット210Aへ送られる。
【0100】
上記のGPS受信ユニット280は、複数のGPS衛星からの電波の受信結果に基づいて、車両CRの現在位置を算出する。また、GPS受信ユニット280は、GPS衛星から送出された日時情報に基づいて、現在時刻を計時する。これらの現在位置および現在時刻に関する情報は、GPSデータとして制御ユニット210Aへ送られる。
【0101】
次に、上記の制御ユニット210Aについて説明する。この制御ユニット210Aは、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路を備えて構成されている。制御ユニット210Aが様々なプログラムを実行することにより、上記の各種機能が実現されるようになっている。こうした機能の中には、上述した第1実施形態における収集区間通知手段711、第1報告手段713としての機能も含まれている。
【0102】
この制御ユニット210Aは、ナビゲーション装置200Aの利用者により、走行情報の収集の開始位置及び終了位置が指定された場合に、指定結果を収集区間情報として、無線通信ユニット230を介してサーバ装置730Aに通知する。ここで、利用者による当該指定は、操作入力ユニット260からの操作入力データとして、制御ユニット210Aに送られる。
【0103】
また、制御ユニット210Aは、所定時間ごとに、走行情報取得ユニット270からの走行データ、及び、GPS受信ユニット280からのGPSデータを取得する。そして、制御ユニット210Aは、車両CR0の通過位置を検出するとともに、GPSデータにおける計時結果及び内部タイマの計時結果に基づいて、通過日時を検出する。引き続き、制御ユニット210Aは、当該通過位置及び通過日時を、車両CR0に関する走行情報として、無線通信ユニット230を介して、サーバ装置400Aに報告する。
【0104】
また、制御ユニット210Aは、無線通信ユニット230を介して、定期的に、道路交通情報サーバからの渋滞情報、速度規制・車線規制情報等を含む交通情報を受信する。
【0105】
また、制御ユニット210Aは、走行情報取得ユニット270からの走行データ、及び、GPS受信ユニット280からのGPSデータに基づいて、記憶ユニット220A中のナビゲーション用情報(NVI)を適宜参照し、利用者へのナビゲーション情報の提供処理を行う。こうしたナビゲーション情報の提供処理には、(a)利用者が指定する地域の地図を表示ユニット250の表示デバイスに表示するための地図表示、(b)車両CR0が地図上のどこに位置するのか、また、どの方角に向かっているのかを算出し、表示ユニット250の表示デバイスに表示して利用者に提示するマップマッチング、(c)道路交通情報サーバから受信した交通情報に関する表示ユニット250の表示デバイスへの表示、(d)進行すべき方向等を的確にアドバイスするために行われる、表示ユニット250の表示デバイスへの案内誘導の表示のための制御、及び、音出力ユニット240のスピーカから案内誘導を行う音声を出力するための制御等の処理が含まれる。
【0106】
また、制御ユニット210Aは、無線通信ユニット230を介して、サーバ装置400Aから後述する比較情報を取得し、音出力ユニット240及び表示ユニット250を利用した利用者への提示のための制御を行う。
【0107】
《車載装置300の構成》
上記の車載装置300は、当該車載装置を搭載した車両CRp(p=1,2,…)に関する走行情報の検出機能、当該走行情報の報告機能を有している。これらの機能を有する車載装置300は、図5に示されるように、無線通信部310と、第2検出手段721の一部としての走行情報取得部320と、第2検出手段721の一部としてのGPS受信部330とを備えている。また、車載装置300は、第2報告手段722としての制御部340を備えている。
【0108】
上記の無線通信部310は、不図示のアンテナ等を備えて構成されている。この無線通信部310は、当該アンテナにより受信したネットワークシステム500において用意された基地局からの受信信号を処理して、制御部340で処理可能なデジタルデータ信号に変換する。また、無線通信部310は、制御部340からの送信信号を処理し、当該アンテナを介して、無線信号の態様でネットワークシステム500(より詳しくは、基地局)へ送る。
【0109】
上記の走行情報取得部320は、上述したナビゲーション装置200Aにおける走行情報取得ユニット270と同様に、加速度センサ、角速度センサ等を備えて構成されており、車両CRpに作用している加速度、角速度を検出する。また、走行情報取得部320は、車載装置300と、車両CRpに搭載されている車速センサ390との間におけるデータ授受に関して利用され、車速センサ390による検出結果である速度データを取得する。こうして得られた各データは、走行データとして制御部340へ送られる。
【0110】
上記のGPS受信部330は、上述したナビゲーション装置200AにおけるGPS受信ユニット280と同様に、複数のGPS衛星からの電波の受信結果に基づいて、車両CRの現在位置を算出する。また、GPS受信部330は、GPS衛星から送出された時刻情報に基づいて、現在時刻を計時する。これらの現在位置及び現在時刻に関する情報は、GPSデータとして制御部340へ送られる。
【0111】
上記の制御部340は、所定時間ごとに、走行情報取得部320からの走行データ、及び、GPS受信部330からのGPSデータを取得する。そして、制御部340は、車両CRpの通過位置を検出するとともに、GPSデータにおける計時結果及び内部タイマの計時結果に基づいて、通過日時を検出する。引き続き、制御部340は、当該通過位置及び通過日時を、走行情報として、無線通信部310を介して、サーバ装置400Aへ送信する。
【0112】
《サーバ装置400Aの構成》
上記のサーバ装置400Aは、他車両の選定機能、第1及び第2走行履歴情報の生成機能、走行結果情報の比較機能、当該比較による比較情報に基づく移動ルート情報の更新機能、ルート探索機能を有している。これらの機能を有するサーバ装置400Aは、図6に示されるように、記憶装置410Aと、送受信部420と、処理制御部430Aとを備えている。
【0113】
上記の記憶装置410Aは、不揮発性の記憶装置であるハードディスク装置等から構成される。記憶装置410Aは、ルート探索用情報(RSI)、移動ルート情報(RTI)等の様々なデータを記憶する。この記憶装置410Aには、処理制御部430Aがアクセスできるようになっている。
【0114】
上記のルート探索用情報(RSI)には、地図データ、POIデータ等のルート探索のために利用される様々なデータが記憶されている。これらのデータは、処理制御部430Aによって読み取られるようになっている。
【0115】
上記の移動ルート情報(RTI)には、図7に示されるように、走行情報の収集の開始位置(SRj)及び終了位置(SPj)を通過する複数の移動ルート(RTj,k)についての走行結果情報である所要時間情報(TTj,k)、距離情報(DDj,k)、燃費情報(MMj,k)が記憶されている。この移動ルート情報(RTI)は、処理制御部430Aによって読み取られるようになっており、後述する移動ルート情報の収集処理により更新され、上述したルート探索用情報(RSI)と併用して利用することにより、目的地までの最適移動ルートを探索することができるようになっている。
【0116】
図6に戻り、上記の送受信部420は、ネットワークシステム500との通信制御を行う。この送受信部420は、ネットワークシステム500から受信したデータを処理制御部430Aへ送る。また、送受信部420は、処理制御部430Aから受信したデータをネットワークシステム500へ送る。送受信部420を利用することにより、サーバ装置400A(より詳しくは、処理制御部430A)は、ナビゲーション装置200A及び車載装置300との間で通信を行うことができるようになっている。
【0117】
また、この送受信部420を利用し、渋滞情報、速度規制・車線規制情報等を含む交通情報を提供する不図示の道路交通情報サーバから、当該交通情報を受信することができる。こうして受信された交通情報は、処理制御部430Aへ送られる。
【0118】
上記の処理制御部430Aは、サーバ装置400Aの全体を統括制御する。この処理制御部430Aは、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路を備えて構成されている。処理制御部430Aが様々なプログラムを実行することにより、上記の各種機能が実現されるようになっている。こうした機能の中には、上述した第1実施形態における選定手段731、第1履歴生成手段732、第2履歴生成手段733、比較手段734、更新手段735としての機能も含まれている。また、本第1実施例では、処理制御部430Aがプログラムを実行して実現する機能の中には、ルート探索手段としての機能も含まれている。
【0119】
この処理制御部430Aは、送受信部420を介して、ナビゲーション装置200Aから走行情報の収集の開始位置及び終了位置である収集区間情報を受ける。処理制御部430Aは、この収集区間情報を受けると、車両CR0を「着目車両」として認識する。
【0120】
また、処理制御部430Aは、記憶装置410Aに記憶されているルート探索用情報(RSI)を利用して、当該開始位置及び終了位置を含む複数の移動ルートを探索する。なお、以下の説明においては、複数の移動ルートのうち、着目車両が走行する移動ルートを「第1移動ルート」といい、それ以外の移動ルートを「第2移動ルート」という。
【0121】
また、処理制御部430Aは、車両CR0,CR1,CR2,…の全てから走行情報を受ける。そして、処理制御部430Aは、着目車両が走行情報の収集の開始位置付近に接近したときに、着目車両と並行して第2移動ルートを走行する「他車両」を、車両CR1,CR2,…の中から選定する。かかる他車両の選定に関する処理については、後述する。
【0122】
また、処理制御部430Aは、着目車両が収集の開始位置を通過してから終了位置に到達するまでの間において、着目車両に関する走行情報を収集する。そして、処理制御部430Aは、第1移動ルートを着目車両が走行した際に収集された走行情報に基づいて、着目車両の第1走行履歴情報を生成する。
【0123】
また、処理制御部430Aは、上述した着目車両に関する走行情報の収集処理と並行して、他車両が収集の開始位置を通過してから終了位置に到達するまでの間において、他車両に関する走行情報を収集する。そして、処理制御部430Aは、他車両の第2移動ルートに沿った走行に際して収集された走行情報に基づいて、他車両の第2走行履歴情報を生成する。
【0124】
引き続き、処理制御部430Aは、第1走行履歴情報に基づいて、第1移動ルートにおける所要時間情報、距離情報、燃費情報を含む第1走行結果情報を導出するとともに、第2走行履歴情報に基づいて、第2移動ルートにおける所要時間情報、距離情報、燃費情報を含む第2走行結果情報を導出する。そして、処理制御部430Aは、第1及び第2走行結果情報の比較を行い、第1及び第2走行結果情報、並びに、当該情報の比較結果を含む比較情報を利用し、ナビゲーション処理に利用される移動ルート情報(RTI)を更新する。
【0125】
かかる移動ルート情報(RTI)の更新に際して、処理制御部430Aは、走行情報の収集区間が移動ルート情報(RTI)に登録されていないときには、収集した比較情報を新規に追加する更新処理を行う。また、処理制御部430Aは、走行情報の収集区間が移動ルート情報(RTI)に登録されているときには、既に登録されている当該収集区間に関する移動ルート情報を新たな移動ルート情報に書き換える等の更新処理を行う。
【0126】
また、処理制御部430Aは、上述したナビゲーション装置200Aにおける制御ユニット210Aと同様に、送受信部420を介して、定期的に、道路交通情報サーバからの渋滞情報、速度規制・車線規制情報等を含む交通情報を受信する。そして、処理制御部430Aは、当該移動ルート情報を更新するに際して、例えば、自然渋滞が発生していた場合には移動ルート情報を更新し、事故渋滞が発生していた場合には移動ルート情報を更新しない等の処理を行う。
【0127】
また、処理制御部430Aは、ナビゲーション装置200Aの利用者により指定された出発地及び目的地を指定した最適移動ルート探索要求を、ナビゲーション装置200Aから受けたときは、ルート探索用情報(RSI)及び移動ルート情報(RTI)を利用して、移動ルート情報(RTI)に含まれる所要時間、距離、燃費等を考慮した利用者にとってのルート探索を行う。
【0128】
<動作>
以上のようにして構成された情報収集装置100Aの動作について、移動ルート情報の収集処理に主に着目して説明する。
【0129】
なお、サーバ装置400Aは、所定時間ごとに、車両CR0,CR1,CR2,…の全てから走行情報を受けているものとする。
【0130】
かかる移動ルート情報の収集処理に際して、図8に示されるように、ステップS11において、ナビゲーション装置200Aの制御ユニット210Aが、利用者により指定された走行情報の収集の開始位置及び終了位置を、収集区間情報(CST)として、無線通信ユニット230を介して、サーバ装置400Aに報告する。
【0131】
収集区間情報(CST)を受けたサーバ装置400Aでは、処理制御部430Aが、車両CR0を着目車両として認識し、ステップS12において、上述した開始位置及び終了位置を含む複数の移動ルートを探索する。
【0132】
引き続き、ステップS13において、サーバ装置400Aの処理制御部430Aが、着目車両に関する走行情報の収集処理、並びに、他車両の選定及び当該他車両に関する走行情報の収集処理を、並行して行う。ステップS13における着目車両に関する走行情報の収集処理は、図9に示されるように、まず、ステップS21において、処理制御部430Aが、着目車両が開始位置付近に到達したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS21:N)には、ステップS21の処理が繰り返される。
【0133】
一方、ステップS21における判定の結果が肯定的になると(ステップS21:Y)、処理はステップS22へ進む。このステップS22では、処理制御部430Aが、着目車両に関する走行情報の収集を行う。
【0134】
引き続き、ステップS23において、処理制御部430Aが、着目車両が終了位置に到達したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS23:N)には、ステップS22へ戻る。以後、ステップS23における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS22,S23の処理が繰り返される。
【0135】
ステップS23における判定の結果が肯定的になると(ステップS23:Y)、処理はステップS24へ進む。このステップS24では、処理制御部430Aが、着目車両に関する走行情報の収集を終了する。このようにして、着目車両に関する走行情報の収集処理が行われる。
【0136】
図8のステップS13では、上述のように、ステップS21〜S24における着目車両に関する走行情報の収集処理と並行して、他車両の選定及び当該他車両に関する走行情報の収集処理が行われる。この処理は、図10に示されるように、まず、ステップS31において、処理制御部430Aが、上述したステップS21と同様に、着目車両が開始位置付近に到達したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS31:N)には、ステップS31の処理が繰り返される。
【0137】
一方、ステップS31における判定の結果が肯定的になると(ステップS31:Y)、処理はステップS32へ進む。このステップS32では、処理制御部430Aが、着目し車両と並行して第2移動ルートを走行する可能性のある他車両を、車両CR1,CR2,…の中から選定する。かかる他車両の選定に際して、処理制御部430Aは、着目車両からの距離が第1所定距離以内であり、第2移動ルートを走行する可能性がある少なくとも1つの車両を、他車両として選定する。こうした他車両の選定の一例が、図11(A)に示されている。なお、図11(A)においては、着目車両には「CR0」を付し、処理制御部430Aにより選定された他車両には「CR1」を付している。この後、処理は、図10のステップS33へ進む。
【0138】
このステップS33では、処理制御部430Aが、他車両に関する走行情報の収集を行う。
【0139】
引き続き、ステップS34において、処理制御部430Aが、他車両が終了位置に到達したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS34:N)には、処理はステップS35へ進む。
【0140】
ステップS35では、処理制御部430Aが、他車両が第2移動ルートから離脱したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS35:N)には、処理はステップS33へ戻る。
【0141】
一方、ステップS35における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS35:Y)には、処理はステップS36へ進む。このステップS36では、処理制御部430Aが、新たな他車両を選定する。かかる新たな他車両の選定に際して、処理制御部430Aは、離脱地点における選定されている他車両からの距離が第2所定距離以内であり、第2移動ルートを走行する可能性がある車両を、新たな他車両として選定する。こうした新たな他車両CRpの選定の一例が、図11(B)に示されている。なお、図11(B)においては、処理制御部430Aにより新たに選定された他車両には「CR2」を付している。この後、処理は、図10のステップS33へ戻る。以後、ステップS34における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS33〜S36の処理が繰り返される。
【0142】
一方、ステップS34における判定の結果が肯定的になると(ステップS34:Y)、処理はステップS37へ進む。このステップS37では、処理制御部430Aが、他車両に関する走行情報の収集を終了する。このようにして、他車両に関する走行情報の収集処理が行われる。
【0143】
図8へ戻り、着目車両及び他車両に関する走行情報の収集処理が終了すると、移動ルート情報の収集処理は、ステップS14へ進む。ステップS14では、処理制御部430Aが、着目車両に関する走行情報に基づいて、第1走行履歴情報を生成する。また、このステップS14では、処理制御部430Aが、他車両に関する走行情報に基づいて、第2走行履歴情報を生成する。この後、処理はステップS15へ進む。
【0144】
ステップS15では、処理制御部430Aが、第1及び第2走行履歴情報に基づいて、上述した第1及び第2走行結果情報を導出する。そして、処理制御部430Aは、第1及び第2走行結果情報の比較処理を行う。
【0145】
また、処理制御部430Aは、第1及び第2走行結果情報、並びに、当該情報の比較結果を含む比較情報(RRT)を、送受信部410を介して、ナビゲーション装置200Aに送信する。
【0146】
引き続き、ステップS16において、処理制御部430Aが、第1及び第2走行結果情報、並びに、第1及び第2走行結果情報の比較結果に基づき、ナビゲーション処理に利用される移動ルート情報を更新する。かかる移動ルート情報の更新に際して、処理制御部430Aは、前述したように、走行情報の収集区間が移動ルート情報に登録されていないときには、収集した比較情報を新規に追加する更新処理を行い、走行情報の収集区間が移動ルート情報(RTI)に登録されているときには、既に登録されている当該収集区間に関する移動ルート情報を新たな移動ルート情報に書き換える等の更新処理を行う。
【0147】
また、比較情報(RRT)を受けたナビゲーション装置200Aでは、ステップS17において、制御ユニット210Aが、比較情報を提示するための制御を行う。この結果、当該比較情報が、表示ユニット250の表示デバイスに表示されるとともに、音出力ユニット240のスピーカから音声として出力される。
【0148】
以上説明したように、本第1実施例では、ナビゲーション装置200Aの制御ユニット210Aが、利用者により指定された走行情報の収集の開始位置及び終了位置を、収集区間情報としてサーバ装置400Aに通知する。サーバ装置400Aでは、処理制御部430Aが、当該収集区間情報を通知した車両CR0を着目車両として認識する。また、処理制御部430Aは、着目車両が走行する第1移動ルートとは異なる第2移動ルートを、着目車両と並行して走行した際の走行情報の収集対象となる他車両を選定する。そして、処理制御部430Aが、並行して、第1移動ルートを着目車両が走行した際に収集された走行情報に基づいて、第1走行履歴情報を生成するとともに、他車両の第2移動ルートに沿った走行に際して収集された走行情報に基づいて、第2走行履歴情報を生成する。引き続き、処理制御部430Aが、第1及び第2走行履歴情報に基づいて、開始位置から終了位置に至るまでの第1及び第2移動ルートのそれぞれにおける所要時間情報、距離情報、燃費情報を含む第1及び第2走行結果情報を導出し、第1及び第2走行結果情報の比較を行う。そして、処理制御部430Bが、当該比較の結果に基づき、移動ルート情報を更新する。
【0149】
また、本第1実施例では、ナビゲーション装置200Aの音出力ユニット240及び表示ユニット250利用して、走行比較の結果を利用者に提示する。
【0150】
したがって、本第1実施例によれば、複数の移動ルートにおける並行走行の比較情報を利用して、利用者の利便性を向上させることができる。
【0151】
[第2実施例]
次に、本発明の第2実施例を、図12〜図17を主に参照して説明する。
【0152】
図12には、第2実施例に係る情報収集装置100Bの概略的な構成が示されている。なお、情報収集装置100Bは、上述した第2実施形態の情報収集装置700B(図2参照)の一態様となっている。
【0153】
<構成>
図12に示されるように、情報収集装置100Bは、第1移動端末装置710Bとしてのナビゲーション装置200Bと、第2移動端末装置720としての車載装置300と、サーバ装置730Bとしてのサーバ装置400Bとを備えている。すなわち、情報収集装置100Bは、上述した第1実施例の情報収集装置100Aと比べて、ナビゲーション装置200Aに代えてナビゲーション装置200Bを備えるとともに、サーバ装置400Aに代えてサーバ装置400Bを備えている。以下、これらの相違点に主に着目して、説明を行う。
【0154】
《ナビゲーション装置200Bの構成》
上記のナビゲーション装置200Bは、上述したナビゲーション装置200Aと比べて、第1及び第2走行履歴の生成機能、走行結果情報の比較機能、当該比較による比較情報に基づく移動ルート情報の更新機能、当該移動ルート情報の提示機能、ルート探索機能、ルート探索結果の通知機能を更に有し、車両CR0に関する走行情報の報告機能を有していない。これらの機能を有するナビゲーション装置200Bは、図13に示されるように、ナビゲーション装置200Aと比べて、記憶ユニット220Aに代えて記憶ユニット220Bを備える点、制御ユニット210Aに代えて制御ユニット210Bを備える点が異なっている。
【0155】
制御ユニット210Bは、ナビゲーション装置200Bの全体を統括制御する。この制御ユニット210Bについては、後述する。
【0156】
上記の記憶ユニット220Bは、上述した記憶ユニット220Aと同様に、不揮発性の記憶装置であるハードディスク装置等から構成される。この記憶ユニット220Bは、記憶ユニット220Aと比べて、上述した移動ルート情報(RTI)を更に記憶している点が異なっている。
【0157】
上記の制御ユニット210Bは、上述した制御ユニット210Aと同様に、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路を備えて構成され、様々なプログラムを実行するようになっている。こうした機能の中には、上述した第2実施形態における収集区間通知手段711、第1履歴生成手段714、第2履歴生成手段715、比較手段716、更新手段717としての機能も含まれている。また、第2実施例では、制御ユニット210Bがプログラムを実行して実現する機能の中には、ルート探索手段、ルート通知手段としての機能も含まれている。
【0158】
この制御ユニット210Bは、上述した制御ユニット210Aと同様に、ナビゲーション装置200Bの利用者により、走行情報の収集の開始位置及び終了位置が指定された場合に、指定結果を収集区間情報として、無線通信ユニット230を介してサーバ装置730Bに通知する。
【0159】
また、制御ユニット210Bは、記憶ユニット220Bに記憶されているナビゲーション用情報(NVI)を利用して、開始位置及び終了位置を含む複数の移動ルートを探索する。そして、制御ユニット210Bは、当該複数の移動ルートを、無線通信ユニット230を介してサーバ装置400Bに通知する。
【0160】
また、制御ユニット210Bは、車両CR0(着目車両)が収集の開始位置を通過してから終了位置に到達するまでの間において、着目車両に関する走行情報を収集する。そして、制御ユニット210Bは、第1移動ルートを着目車両が走行した際に収集された走行情報に基づいて、着目車両の第1走行履歴情報を生成する。
【0161】
また、制御ユニット210Bは、上述した着目車両に関する走行情報の収集処理と並行して、他車両が収集の開始位置を通過してから終了位置に到達するまでの間において、サーバ装置400Bから他車両に関する走行情報を収集する。そして、制御ユニット210Bは、他車両の第2移動ルートに沿った走行に際して収集された走行情報に基づいて、他車両の第2走行履歴情報を生成する。
【0162】
引き続き、制御ユニット210Bは、第1走行履歴情報に基づいて、第1移動ルートにおける所要時間情報、距離情報、燃費情報を含む第1走行結果情報を導出するとともに、第2走行履歴情報に基づいて、第2移動ルートにおける所要時間情報、距離情報、燃費情報を含む第2走行結果情報を導出する。そして、制御ユニット210Bは、第1及び第2走行結果情報の比較を行い、上述した比較情報を利用し、移動ルート情報(RTI)を更新する。
【0163】
かかる移動ルート情報(RTI)の更新に際して、制御ユニット210Bは、上述した処理制御部430Aと同様に、走行情報の収集区間が移動ルート情報(RTI)に登録されていないときには、収集した比較情報を新規に追加する更新処理を行う。また、制御ユニット210Bは、走行情報の収集区間が移動ルート情報(RTI)に登録されているときには、既に登録されている当該収集区間に関する移動ルート情報を新たな移動ルート情報に書き換える等の更新処理を行う。
【0164】
また、制御ユニット210Bは、音出力ユニット240及び表示ユニット250を利用して、比較情報の利用者へ提示するための制御を行う。
【0165】
また、制御ユニット210Bは、上述した制御ユニット210Aと同様に、利用者へのナビゲーション情報の提供処理(a)〜(d)を行う。
【0166】
また、制御ユニット210Bは、上述した処理制御部430Aと同様に、ナビゲーション装置200Bの利用者から最適移動ルート探索要求を受けたときは、ナビゲーション用情報(NVI)及び移動ルート情報(RTI)を利用して、移動ルート情報(RTI)に含まれる所要時間、距離、燃費等を考慮した利用者にとってのルート探索を行う。
【0167】
《サーバ装置400Bの構成》
上記のサーバ装置400Bは、上述したサーバ装置400Aと比べて、転送機能を更に有し、第1及び第2走行履歴情報の生成機能、走行結果情報の比較機能、当該比較による比較情報に基づく移動ルート情報の更新機能、ルート探索機能を有していない。これらの機能を有するサーバ装置400Bは、サーバ装置400Aと比べて、記憶装置410Aに代えて記憶装置410Bを備える点、処理制御部430Aに代えて処理制御部430Bを備える点が異なっている。
【0168】
上記の記憶装置410Bは、上述した記憶装置410Aと同様に、不揮発性の記憶装置であるハードディスク装置等から構成される。この記憶装置410Bは、記憶装置410Aと比べて、移動ルート情報(RTI)を記憶していない点が異なっている。
【0169】
上記の処理制御部430Bは、サーバ装置400Bの全体を統括制御する。この処理制御部430Bは、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路を備えて構成されている。処理制御部430Bが様々なプログラムを実行することにより、上記の各種機能が実現されるようになっている。こうした機能の中には、上述した第2実施形態における選定手段731、転送手段736としての機能も含まれている。
【0170】
この処理制御部430Bは、上述した処理制御部430Aと同様に、ナビゲーション装置200Bから収集区間情報を受ける。処理制御部430Bは、この収集区間情報を受けると、車両CR0を「着目車両」として認識する。
【0171】
また、処理制御部430Bは、送受信部420を介して、ナビゲーション装置200Bからのルート探索結果を受ける。
【0172】
また、処理制御部430Bは、車両CR1,CR2,…から走行情報を受ける。そして、処理制御部430Bは、着目車両が走行情報の収集の開始位置付近に接近したときに、着目車両と並行して第2移動ルートを走行する「他車両」を、車両CR1,CR2,…の中から選定する。
【0173】
また、処理制御部430Bは、他車両が収集の開始位置を通過してから終了位置に到達するまでの間において、他車両に関する走行情報を、送受信部420を介して、ナビゲーション装置200Bに転送する。なお、かかる走行情報の転送に際して、処理制御部430Bは、ナビゲーション装置200Bに対して、他車両の開始位置の通過時に転送開始通知を送信し、他車両の終了位置への到達時に転送終了通知を送信する。
【0174】
<動作>
以上のようにして構成された情報収集装置100Bの動作について、移動ルート情報の収集処理に主に着目して説明する。
【0175】
なお、サーバ装置400Bは、所定時間ごとに、車両CR1,CR2,…から走行情報を受けているものとする。
【0176】
かかる移動ルート情報の収集処理に際して、図15に示されるように、ステップS41において、ナビゲーション装置200Bの制御ユニット210Bが、第1実施例におけるステップS11と同様に、利用者により指定された走行情報の収集の開始位置及び終了位置を、収集区間情報(CST)として、無線通信ユニット230を介して、サーバ装置400Bに報告する。
【0177】
収集区間情報(CST)を受けたサーバ装置400Bでは、処理制御部430Bが、ステップS42において、車両CR0を着目車両として認識する。
【0178】
次に、ステップS43では、ナビゲーション装置200Bの制御ユニット210Bが、上述した開始位置及び終了位置を含む複数の移動ルートを探索する。そして、制御ユニット210Bは、当該複数の移動ルートを、無線通信ユニット230を介してサーバ装置400Bに通知する。
【0179】
次いで、サーバ装置400Bが実行するステップS44における他車両の選定及び走行情報の転送処理と、ナビゲーション装置200Bが実行するステップS45における走行情報の収集処理とが、並行して行われる。
【0180】
ステップS44における他車両の選定及び走行情報の転送処理は、図16に示されるように、上述した第1実施形態における図10の処理と比べて、ステップS33における「他車両に関する走行情報の収集」に代えてステップS63における「走行情報(CPS)の転送」を実行する点、及び、ステップS37における「走行情報の収集終了」を実行しない点が異なっており、その他の処理は、図10の処理と、同様にして行われる。
【0181】
また、ステップS45における走行情報の収集処理は、着目車両に関する走行情報の収集処理と、他車両に関する走行情報の収集処理とが、並行して行われる。ステップS45における着目車両に関する走行情報の収集処理は、収集主体が、第1実施形態と比べて、処理制御部430Aに代えて制御ユニット210Bであることを除いて、上述した図9と同様にして行われる。
【0182】
また、ステップS45における他車両に関する走行情報の収集処理は、図17に示されるように、まず、ステップS71において、制御ユニット210Bが、サーバ装置200Bからの転送を受けたか否かを判定する。この判定の結果が、否定的であった場合(ステップS71)には、ステップS71の処理が繰り返される。
【0183】
一方、ステップS71における判定の結果が肯定的になると(ステップS71:Y)、サーバ装置400Bからの他車両に関する走行情報の転送処理が開始され、処理はステップS72へ進む。このステップS72では、制御ユニット210Bが、他車両に関する走行情報の収集を開始する。
【0184】
引き続き、ステップS73において、制御ユニット210Bが、サーバ装置400Bから転送終了通知を受けたか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS73:N)には、ステップS73の処理が繰り返される。
【0185】
一方、ステップS73における判定の結果が肯定的になると(ステップS73:Y)、サーバ装置400Bからの他車両に関する走行情報の転送処理が終了し、処理はステップS74へ進む。ステップS74では、制御ユニット210Bが、着目車両に関する走行情報の収集を終了する。
【0186】
こうして着目車両及び他車両に関する走行情報の収集処理が終了すると、移動ルート情報の収集処理は、図15のステップS46へ進む。ステップS46では、制御ユニット210Bが、着目車両に関する走行情報に基づいて第1走行履歴情報を生成するとともに、他車両に関する走行情報に基づいて、第2走行履歴情報を生成する。この後、処理はステップS47へ進む。
【0187】
ステップS47では、制御ユニット210Bが、第1及び第2走行履歴情報に基づいて、上述した第1及び第2走行結果情報を導出し、第1及び第2走行結果情報の比較を行う。引き続き、ステップS48において、制御ユニット210Bが、第1及び第2走行結果情報、並びに、第1及び第2走行結果情報の比較結果に基づき、ナビゲーション処理に利用される移動ルート情報を更新する。
【0188】
また、ステップS49において、制御ユニット210Bが、比較情報を提示するための制御を行う。この結果、当該比較情報が、表示ユニット250の表示デバイスに表示されるとともに、音出力ユニット240のスピーカから音声として出力される。
【0189】
以上説明したように、本第2実施例では、ナビゲーション装置200Bの制御ユニット210Bが、利用者により指定された走行情報の収集の開始位置及び終了位置を、収集区間情報としてサーバ装置400Bに通知する。サーバ装置400Bでは、処理制御部430Bが、当該収集区間情報を通知した車両CR0を着目車両として認識する。また、処理制御部430Bは、着目車両が走行する第1移動ルートとは異なる第2移動ルートを、着目車両と並行して走行した際の走行情報の収集対象となる他車両を選定する。そして、制御ユニット210B、並行して、第1移動ルートを着目車両が走行した際に収集された走行情報に基づいて、第1走行履歴情報を生成するとともに、サーバ装置400Bから受けた他車両に関する走行情報に基づいて、第2走行履歴情報を生成する。引き続き、制御ユニット210Bが、第1及び第2走行履歴情報に基づいて、開始位置から終了位置に至るまでの第1及び第2移動ルートのそれぞれにおける所要時間情報、距離情報、燃費情報を含む第1及び第2走行結果情報を導出し、第1及び第2走行結果情報の比較を行う。そして、制御ユニット210Bは、当該比較の結果に基づき、移動ルート情報を更新する。
【0190】
また、本第2実施例では、上述した第1実施例の場合と同様に、ナビゲーション装置200Bの音出力ユニット240及び表示ユニット250利用して、走行比較の結果を利用者に提示する。
【0191】
したがって、本第2実施例によれば、上述した第1実施例と同様に、複数の移動ルートにおける並行走行の比較結果を利用して、利用者の利便性を向上させることができる。
【0192】
[実施例の変形]
本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0193】
例えば、上記の第1実施例では、サーバ装置が第1及び第2移動ルートを探索することとしたが、ナビゲーション装置が移動ルートの探索を行うようにしてもよい。この場合は、ナビゲーション装置が、ルート探索結果をサーバ装置へ送信することになる。
【0194】
また、上記の第2実施例では、ナビゲーション装置が第1及び第2移動ルートを探索することとしたが、サーバ装置が移動ルートの探索を行うようにしてもよい。
【0195】
また、上記の第1及び第2実施例では、比較情報に基づき、移動ルート情報の更新処理、及び、比較情報の提示処理を行うこととした。これに対して、情報収集装置においては、移動ルート情報の更新処理のみを行うものであってもよいし、比較情報の提示処理のみを行うものであってもよい。
【0196】
また、上記の第1実施例では、図11において、第2移動ルートが1つである場合を例示して説明したが、第2移動ルートの数は任意の複数であってよい。
【0197】
また、上記の第2実施例では、比較情報を表示ユニットに表示することとしたが、サーバ装置から転送された他車両に関する走行情報に基づき、第2移動ルートを走行中の他車両の現在位置等を表示ユニットに表示することもできる。この場合には、着目車両に搭乗する利用者に、他車両の現在位置等を提示できるので、利用者の利便性を向上させることができる。
【0198】
また、上記の第1及び第2実施例では、利用者により、走行情報の収集の開始位置及び終了位置が指定されると、サーバ装置の処理制御部が、着目車両が開始位置付近に到達したか否かを判定し、当該判定の結果が肯定的であった場合に、他車両の選定が行われるとともに、着目車両及び他車両に関する走行情報の収集が行われることとした。これに対して、利用者は、走行情報の収集の終了位置のみを指定するようにしてもよい。この場合には、ナビゲーション装置は、当該指定を行った時点における車両の位置及び収集の終了位置を、収集区間情報として、サーバ装置に報告する。そして、第1実施例におけるステップS21,S31の判定、及び第2実施例におけるステップS61の判定を行わず、直ちに、他車両の選定、並びに、着目車両及び他車両に関する走行情報の収集を行うようにすればよい。
【0199】
また、上記の第1及び第2実施例では、コンピュータによるプログラムの実行により、第1検出手段、第2検出手段及び提示手段を除く各手段の機能を実現するようにしたが、これらの各手段の全部又は一部を、専用のLSI(Large Scale Integrated circuit)等を用いたハードウェアにより構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0200】
【図1】本発明の第1実施形態に係る情報収集装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る情報収集装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図3】本発明の第1実施例に係る情報収集装置の構成を概略的に説明するためのブロック図である。
【図4】図3のナビゲーション装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図5】図3の車載装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図6】図3のサーバ装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図7】図6の移動ルート情報の構成を説明するための図である。
【図8】第1実施例における移動ルート情報の収集処理を説明するためのシーケンス図である。
【図9】図8における着目車両に関する走行情報の収集処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】図8における他車両に関する走行情報の収集処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】他車両の選定方法を説明するための図である。
【図12】本発明の第2実施例に係る情報収集装置の構成を概略的に説明するためのブロック図である。
【図13】図12のナビゲーション装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図14】図12のサーバ装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図15】第2実施例における移動ルート情報の収集処理を説明するためのシーケンス図である。
【図16】図15における他車両の選定処理を説明するためのフローチャートである。
【図17】図15における他車両に関する走行情報の収集処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0201】
100A,100B … 情報収集装置
200A,200B … ナビゲーション装置(第1移動端末装置)
210A … 制御ユニット(収集区間通知手段、第1報告手段)
210B … 制御ユニット(収集区間通知手段、第1履歴生成手段、第2
履歴生成手段、比較手段、更新手段、ルート探索手段、ルー
ト通知手段)
240 … 音出力ユニット(提示手段の一部)
250 … 表示ユニット(提示手段の一部)
270 … 走行情報取得ユニット(第1検出手段の一部)
280 … GPS受信ユニット(第1検出手段の一部)
300 … 車載装置(第2移動端末装置)
320 … 走行情報取得部(第2検出手段の一部)
330 … GPS受信部(第2検出手段の一部)
340 … 制御部(第2報告手段)
400A,400B … サーバ装置
430A … 処理制御部(選定手段、第1履歴生成手段、第2履歴生成手
段、比較手段、更新手段、ルート探索手段)
430B … 処理制御部(選定手段、転送手段)
700A,700B … 情報収集装置
710A,710B … 第1移動端末装置
711 … 収集区間通知手段
712A,712B … 第1検出手段
713 … 第1報告手段
714 … 第1履歴生成手段
715 … 第2履歴生成手段
716 … 比較手段
717 … 更新手段
720 … 第2移動端末装置
721 … 第2検出手段
722 … 第2報告手段
730A,730B … サーバ装置
731 … 選定手段
732 … 第1履歴生成手段
733 … 第2履歴生成手段
734 … 比較手段
735 … 更新手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通過位置と通過日時とを含む走行情報の収集の開始位置と終了位置とが着目移動体において指定された場合に、前記開始位置から前記終了位置までの第1移動ルートを前記着目移動体が走行した際に収集された走行情報に基づいて、第1走行履歴情報を生成する第1履歴生成手段と;
前記開始位置から前記終了位置までの前記第1移動ルートとは異なる少なくとも1つの第2移動ルートを、前記着目移動体の前記第1移動ルートの走行と並行して走行した際の走行情報の収集対象となる前記着目移動体とは異なる他移動体を選定する選定手段と;
前記他移動体の前記第2移動ルートに沿った走行に際して収集された走行情報に基づいて、第2走行履歴情報を生成する第2履歴生成手段と;
前記第1及び第2走行履歴情報のそれぞれから導かれる前記開始位置から前記終了位置に至るまでの所要時間情報、距離情報及び燃費情報の少なくとも1つを含む第1及び第2走行結果情報の比較を行う比較手段と;
を備えることを特徴とする情報収集装置。
【請求項2】
前記選定手段は、前記着目移動体が前記開始位置付近にいる時に、前記着目移動体からの距離が第1所定距離以内であり、前記第2移動ルートを走行する可能性がある少なくとも1つの移動体を初期他移動体として選定する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報収集装置。
【請求項3】
前記選定手段は、選定されている他移動体が前記第2移動ルートから離脱した場合には、離脱地点における前記選定されている他移動体からの距離が第2所定距離以内であり、前記第2移動ルートを走行する可能性がある少なくとも1つの移動体を新たな他移動体として選定する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報収集装置。
【請求項4】
前記第1及び第2移動ルートのうちの少なくとも1つの移動ルートは、交通渋滞が発生している渋滞ルートである、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報収集装置。
【請求項5】
前記着目移動体とともに走行する第1移動端末装置と;
前記他移動体とともに走行する第2移動端末装置と;
前記第1及び第2移動端末装置と通信可能なサーバ装置と;を備え、
前記第1移動端末装置は、
前記開始位置及び前記終了位置が指定された場合に、指定結果を前記サーバ装置に通知する収集区間通知手段と;
前記着目移動体に関する前記走行情報を検出する第1検出手段と;
前記第1検出手段による検出結果を、前記サーバ装置に報告する第1報告手段と;を備え、
前記第2移動端末装置は、
前記他移動体に関する前記走行情報を検出する第2検出手段と;
前記第2検出手段による検出結果を、前記サーバ装置に報告する第2報告手段と;を備え、
前記サーバ装置は、前記第1走行履歴生成手段、前記選定手段、前記第2走行履歴生成手段及び前記比較手段を備え、
前記第1走行履歴生成手段は、前記第1移動端末装置から報告された前記第1検出手段による検出結果に基づいて、前記第1走行履歴情報を生成し、
前記第2走行履歴生成手段は、前記第2移動端末装置から報告された前記第2検出手段による検出結果に基づいて、前記第2走行履歴情報を生成する、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報収集装置。
【請求項6】
前記サーバ装置は、前記比較手段による比較結果に基づいて、ナビゲーション処理に利用される移動ルート情報を更新する更新手段を更に備える、ことを特徴とする請求項5に記載の情報収集装置。
【請求項7】
前記ナビゲーション処理には、目的地までの最適移動ルートを探索する処理が含まれる、ことを特徴とする請求項5又は6に記載の情報収集装置。
【請求項8】
前記サーバ装置は、前記第1及び第2走行結果情報を前記第1移動端末装置に通知する走行結果通知手段を更に備え、
前記第1移動端末装置は、前記第1及び第2走行結果情報を提示する提示手段を更に備える、
ことを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の情報収集装置。
【請求項9】
前記サーバ装置は、前記第1及び第2移動ルートを探索するルート探索手段を更に備える、ことを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載の情報収集装置。
【請求項10】
前記第1移動端末装置は、
前記第1及び第2移動ルートを探索するルート探索手段と;
前記ルート探索手段による探索結果を前記サーバ装置に通知するルート通知手段と;
を更に備える、ことを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載の情報収集装置。
【請求項11】
前記着目移動体とともに走行する第1移動端末装置と;
前記他移動体とともに走行する第2移動端末装置と;
前記第1及び第2移動端末装置と通信可能なサーバ装置と;を備え、
前記第1移動端末装置は、前記第1走行履歴生成手段、前記第2走行履歴生成手段及び前記比較手段に加えて、
前記開始位置及び前記終了位置が指定された場合に、指定結果を前記サーバ装置に通知する収集区間通知手段と;
前記着目移動体に関する前記走行情報を検出する第1検出手段と;を更に備え、
前記第2移動端末装置は、
前記他移動体に関する前記走行情報を検出する第2検出手段と;
前記第2検出手段による検出結果を前記サーバ装置に報告する報告手段と;を更に備え、
前記サーバ装置は、前記選定手段に加えて、前記第2検出手段による検出結果を、前記第1移動端末装置に転送する転送手段を更に備え、
前記第1走行履歴生成手段は、前記第1検出手段による検出結果に基づいて、前記第1走行履歴情報を生成し、
前記第2走行履歴生成手段は、前記サーバ装置から転送された前記第2検出手段による検出結果に基づいて、前記第2走行履歴情報を生成する、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報収集装置。
【請求項12】
前記第1移動端末装置は、前記比較手段による比較結果に基づいて、ナビゲーション処理に利用される移動ルート情報を更新する更新手段を更に備える、ことを特徴とする請求項11に記載の情報収集装置。
【請求項13】
前記ナビゲーション処理には、目的地までの最適移動ルートを探索する処理が含まれる、ことを特徴とする請求項11又は12に記載の情報収集装置。
【請求項14】
前記第1移動端末装置は、前記第1及び第2走行結果情報を提示する提示手段を更に備える、ことを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載の情報収集装置。
【請求項15】
前記サーバ装置は、前記第1及び第2移動ルートを探索するルート探索手段を更に備える、ことを特徴とする請求項11〜14のいずれか一項に記載の情報収集装置。
【請求項16】
前記第1移動端末装置は、
前記第1及び第2移動ルートを探索するルート探索手段と;
前記ルート探索手段による探索結果を前記サーバ装置に通知するルート通知手段と;
を更に備える、ことを特徴とする請求項11〜14のいずれか一項に記載の情報収集装置。
【請求項17】
通過位置と通過日時とを含む走行情報の収集の開始位置と終了位置とが着目移動体において指定された場合に、前記開始位置から前記終了位置までの第1移動ルートとは異なる少なくとも1つの第2移動ルートを、前記着目移動体の前記第1移動ルートの走行と並行して走行した際の走行情報の収集対象となる前記着目移動体とは異なる他移動体を選定する選定工程と;
前記開始位置から前記終了位置までの第1移動ルートを前記着目移動体が走行した際に収集された走行情報に基づいて、第1走行履歴情報を生成する第1履歴生成工程と;
前記選定工程において選定された他移動体の前記第2移動ルートに沿った走行に際して収集された走行情報に基づいて、第2走行履歴情報を生成する第2履歴生成工程と;
前記第1及び第2走行履歴情報のそれぞれから導かれる前記開始位置から前記終了位置に至るまでの所要時間情報、距離情報及び燃費情報の少なくとも1つを含む第1及び第2走行結果情報の比較を行う比較工程と;
を備えることを特徴とする情報収集方法。
【請求項1】
通過位置と通過日時とを含む走行情報の収集の開始位置と終了位置とが着目移動体において指定された場合に、前記開始位置から前記終了位置までの第1移動ルートを前記着目移動体が走行した際に収集された走行情報に基づいて、第1走行履歴情報を生成する第1履歴生成手段と;
前記開始位置から前記終了位置までの前記第1移動ルートとは異なる少なくとも1つの第2移動ルートを、前記着目移動体の前記第1移動ルートの走行と並行して走行した際の走行情報の収集対象となる前記着目移動体とは異なる他移動体を選定する選定手段と;
前記他移動体の前記第2移動ルートに沿った走行に際して収集された走行情報に基づいて、第2走行履歴情報を生成する第2履歴生成手段と;
前記第1及び第2走行履歴情報のそれぞれから導かれる前記開始位置から前記終了位置に至るまでの所要時間情報、距離情報及び燃費情報の少なくとも1つを含む第1及び第2走行結果情報の比較を行う比較手段と;
を備えることを特徴とする情報収集装置。
【請求項2】
前記選定手段は、前記着目移動体が前記開始位置付近にいる時に、前記着目移動体からの距離が第1所定距離以内であり、前記第2移動ルートを走行する可能性がある少なくとも1つの移動体を初期他移動体として選定する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報収集装置。
【請求項3】
前記選定手段は、選定されている他移動体が前記第2移動ルートから離脱した場合には、離脱地点における前記選定されている他移動体からの距離が第2所定距離以内であり、前記第2移動ルートを走行する可能性がある少なくとも1つの移動体を新たな他移動体として選定する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報収集装置。
【請求項4】
前記第1及び第2移動ルートのうちの少なくとも1つの移動ルートは、交通渋滞が発生している渋滞ルートである、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報収集装置。
【請求項5】
前記着目移動体とともに走行する第1移動端末装置と;
前記他移動体とともに走行する第2移動端末装置と;
前記第1及び第2移動端末装置と通信可能なサーバ装置と;を備え、
前記第1移動端末装置は、
前記開始位置及び前記終了位置が指定された場合に、指定結果を前記サーバ装置に通知する収集区間通知手段と;
前記着目移動体に関する前記走行情報を検出する第1検出手段と;
前記第1検出手段による検出結果を、前記サーバ装置に報告する第1報告手段と;を備え、
前記第2移動端末装置は、
前記他移動体に関する前記走行情報を検出する第2検出手段と;
前記第2検出手段による検出結果を、前記サーバ装置に報告する第2報告手段と;を備え、
前記サーバ装置は、前記第1走行履歴生成手段、前記選定手段、前記第2走行履歴生成手段及び前記比較手段を備え、
前記第1走行履歴生成手段は、前記第1移動端末装置から報告された前記第1検出手段による検出結果に基づいて、前記第1走行履歴情報を生成し、
前記第2走行履歴生成手段は、前記第2移動端末装置から報告された前記第2検出手段による検出結果に基づいて、前記第2走行履歴情報を生成する、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報収集装置。
【請求項6】
前記サーバ装置は、前記比較手段による比較結果に基づいて、ナビゲーション処理に利用される移動ルート情報を更新する更新手段を更に備える、ことを特徴とする請求項5に記載の情報収集装置。
【請求項7】
前記ナビゲーション処理には、目的地までの最適移動ルートを探索する処理が含まれる、ことを特徴とする請求項5又は6に記載の情報収集装置。
【請求項8】
前記サーバ装置は、前記第1及び第2走行結果情報を前記第1移動端末装置に通知する走行結果通知手段を更に備え、
前記第1移動端末装置は、前記第1及び第2走行結果情報を提示する提示手段を更に備える、
ことを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の情報収集装置。
【請求項9】
前記サーバ装置は、前記第1及び第2移動ルートを探索するルート探索手段を更に備える、ことを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載の情報収集装置。
【請求項10】
前記第1移動端末装置は、
前記第1及び第2移動ルートを探索するルート探索手段と;
前記ルート探索手段による探索結果を前記サーバ装置に通知するルート通知手段と;
を更に備える、ことを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載の情報収集装置。
【請求項11】
前記着目移動体とともに走行する第1移動端末装置と;
前記他移動体とともに走行する第2移動端末装置と;
前記第1及び第2移動端末装置と通信可能なサーバ装置と;を備え、
前記第1移動端末装置は、前記第1走行履歴生成手段、前記第2走行履歴生成手段及び前記比較手段に加えて、
前記開始位置及び前記終了位置が指定された場合に、指定結果を前記サーバ装置に通知する収集区間通知手段と;
前記着目移動体に関する前記走行情報を検出する第1検出手段と;を更に備え、
前記第2移動端末装置は、
前記他移動体に関する前記走行情報を検出する第2検出手段と;
前記第2検出手段による検出結果を前記サーバ装置に報告する報告手段と;を更に備え、
前記サーバ装置は、前記選定手段に加えて、前記第2検出手段による検出結果を、前記第1移動端末装置に転送する転送手段を更に備え、
前記第1走行履歴生成手段は、前記第1検出手段による検出結果に基づいて、前記第1走行履歴情報を生成し、
前記第2走行履歴生成手段は、前記サーバ装置から転送された前記第2検出手段による検出結果に基づいて、前記第2走行履歴情報を生成する、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報収集装置。
【請求項12】
前記第1移動端末装置は、前記比較手段による比較結果に基づいて、ナビゲーション処理に利用される移動ルート情報を更新する更新手段を更に備える、ことを特徴とする請求項11に記載の情報収集装置。
【請求項13】
前記ナビゲーション処理には、目的地までの最適移動ルートを探索する処理が含まれる、ことを特徴とする請求項11又は12に記載の情報収集装置。
【請求項14】
前記第1移動端末装置は、前記第1及び第2走行結果情報を提示する提示手段を更に備える、ことを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載の情報収集装置。
【請求項15】
前記サーバ装置は、前記第1及び第2移動ルートを探索するルート探索手段を更に備える、ことを特徴とする請求項11〜14のいずれか一項に記載の情報収集装置。
【請求項16】
前記第1移動端末装置は、
前記第1及び第2移動ルートを探索するルート探索手段と;
前記ルート探索手段による探索結果を前記サーバ装置に通知するルート通知手段と;
を更に備える、ことを特徴とする請求項11〜14のいずれか一項に記載の情報収集装置。
【請求項17】
通過位置と通過日時とを含む走行情報の収集の開始位置と終了位置とが着目移動体において指定された場合に、前記開始位置から前記終了位置までの第1移動ルートとは異なる少なくとも1つの第2移動ルートを、前記着目移動体の前記第1移動ルートの走行と並行して走行した際の走行情報の収集対象となる前記着目移動体とは異なる他移動体を選定する選定工程と;
前記開始位置から前記終了位置までの第1移動ルートを前記着目移動体が走行した際に収集された走行情報に基づいて、第1走行履歴情報を生成する第1履歴生成工程と;
前記選定工程において選定された他移動体の前記第2移動ルートに沿った走行に際して収集された走行情報に基づいて、第2走行履歴情報を生成する第2履歴生成工程と;
前記第1及び第2走行履歴情報のそれぞれから導かれる前記開始位置から前記終了位置に至るまでの所要時間情報、距離情報及び燃費情報の少なくとも1つを含む第1及び第2走行結果情報の比較を行う比較工程と;
を備えることを特徴とする情報収集方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−122817(P2010−122817A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294723(P2008−294723)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】
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