情報装置
【課題】 カバー体の中のデータを入力する入力手段を構成するキースイッチをカバー体の開閉を検出する開閉検出手段として使用することにより、製造コストを低減すると共にカバー体の開閉検出の信頼性を向上させた情報装置を提供する。
【解決手段】 入力手段は、表面に複数の固定接点15を設けた回路基板11と、回路基板11に載置され、固定接点15に対向して可動接点14を備えた弾性変形可能な連続したラバースプリング13と、ラバースプリング13の弾性変形により固定接点15と可動接点14がスイッチ動作するスイッチング部16と頭部18とからなる複数のキースイッチ5を備え、キースイッチ5の少なくとも一つを第1カバー体3の開閉を検出する開閉検出スイッチ17として使用する。
【解決手段】 入力手段は、表面に複数の固定接点15を設けた回路基板11と、回路基板11に載置され、固定接点15に対向して可動接点14を備えた弾性変形可能な連続したラバースプリング13と、ラバースプリング13の弾性変形により固定接点15と可動接点14がスイッチ動作するスイッチング部16と頭部18とからなる複数のキースイッチ5を備え、キースイッチ5の少なくとも一つを第1カバー体3の開閉を検出する開閉検出スイッチ17として使用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置筺体に対して開閉可能に配設されたカバー体と、該カバー体の開閉状態を検出する開閉検出手段とを備えた情報装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ファクシミリ装置、コピー機、プリンタ等の情報装置では、装置筺体に対して開閉可能に配設されたカバー体の開閉状態を検出するために、マイクロスイッチ等の個別部品による開閉検出手段を設けることが考えられている。
例えば、特許文献1には、装置筺体に貫通孔を穿設すると共にカバー体に突起部を設け、カバー体が閉じられたときには突起部が貫通孔を貫通して、その奥に配設されたマイクロスイッチを押下する装置が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、カバー体の開閉状態を検出するスイッチとして内部にホールICが組み込まれた無接点スイッチが使用され、ホールICをカバー体の開閉に従ってオン・オフするための磁石がカバー体のホールICに対応する位置に埋め込まれている装置が開示されている。
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第2536761号公報
【0005】
【特許文献2】特開平1−278384号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1、2の装置に使用されるカバー体の開閉状態を検出するスイッチにおいては、高価なホールICやフォトセンサ等の単体の部品を使用するのでそのまま部品費、組立費のコストアップの要因になるという問題がある。
また、スイッチを取り付けるためのスペースを確保しなければならないという問題があり、更には、その位置は確実にスイッチのオン・オフ動作がなされる場所でなければならない。
更に、スイッチとして単体の部品を取り付けるために、スイッチ取り付け位置までの専用ハーネスが必要となるが、専用ハーネスは、カバー体の中を引き回されるのでノイズ対策も重要な問題となる。その結果、専用ハーネスの必要性とノイズ対策のために製造コストが上昇してしまうという問題もある。
更に、スイッチとして単体の部品を取り付けるのでスイッチを作動させる操作側との位置決めを極めて正確に行う必要があり、微調整のために作業費がアップする要因になるという問題がある。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、装置筐体に対して開閉可能に配設されたカバー体を備える情報装置であって、カバー体内に設けられているキースイッチ(データや使用者の指示を入力するための入力手段)をカバー体の開閉状態を検出する開閉検出手段として使用することにより、製造コストを低減するとともにカバー体の開閉検出の信頼性を向上させた情報装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために請求項1に係る情報装置は、データを入力可能な入力手段を備えるとともに第2カバー体に対して開閉可能に配設される第1カバー体と、第2カバー体に対する第1カバー体の開閉状態を検出する開閉検出手段とを備えた情報装置であって、前記入力手段は、固定接点の配置された回路基板と、前記固定接点と接離可能な可動接点を有し圧力によって弾性変形可能なラバースプリングと、からなるスイッチング部を備えた複数の連続したキースイッチから構成されており、前記開閉検出手段は、少なくとも一つの前記キースイッチから構成されていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に係る情報装置は、請求項1に記載の情報装置において、前記開閉検出手段を構成するキースイッチには、常に前記ラバースプリングに圧力を付与する付勢部材と、当該付勢部材が前記ラバースプリングに付与する圧力を解除する解除部材とが設けられており、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じたとき、前記解除部材は前記付勢部材が前記ラバースプリングに付与する圧力を解除することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に係る情報装置は、請求項2に記載の情報装置において、前記解除部材は、前記ラバースプリングと前記付勢部材との間に配置されて前記ラバースプリングを押圧可能な基部と、該基部から延出され、前記回路基板と前記第1カバー体とに穿設された貫通孔を貫通する延出部とからなり、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じたとき、前記延出部の先端部が前記第2カバー体と当接し前記基部が前記付勢部材の圧力に抗して前記ラバースプリングから離間することで前記ラバースプリングに対する圧力を解除することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に係る情報装置は、請求項2に記載の情報装置において、前記解除部材は、一端部が前記第1カバー体内に回動可能に係止されるとともに他端部が前記ラバースプリングに圧力を付与可能な押下部を構成し、両端部間に突出部を備えるアクチュエータからなり、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じたとき、前記突出部の先端部が前記第2カバー体と当接し前記押下部が前記付勢部材の圧力に抗して前記ラバースプリングから離間することで前記ラバースプリングに対する圧力を解除することを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に係る情報装置は、請求項1に記載の情報装置において、前記開閉検出手段は、一つのキースイッチと、一端部が前記第1カバー体内に固定されるとともに略中央部が前記キースイッチのラバースプリングに常に圧力を付与する押下部を構成する片持ち形状の弾性部材と、前記第2カバー体に設けられている突起部とからなり、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じたとき、前記突起部の先端部が前記弾性部材の他端部と当接し前記押下部が前記ラバースプリングから離間することで前記ラバースプリングに対する圧力を解除することを特徴とする。
【0013】
また、請求項6に係る情報装置は、請求項1に記載の情報装置において、前記開閉検出手段は、一つのキースイッチと、略中央部が前記第1カバー体内で回動可能に支持され、一端部が前記キースイッチのラバースプリングに圧力を付与可能な押下部を構成するアクチュエータと、前記第2カバー体に設けられている突起部とからなり、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じたとき、前記突起部の先端部が前記アクチュエータの他端部と当接し前記押下部が前記ラバースプリングを押下することで前記可動接点が前記固定接点と当接することを特徴とする。
【0014】
また、請求項7に係る情報装置は、請求項1に記載の情報装置において、前記開閉検出手段は、一つのキースイッチと、略中央部が前記第1カバー体内に設けられている支持部に回動可能に支持され、一端部が前記キースイッチのラバースプリングに圧力を付与可能な押下部を構成するアクチュエータと、前記第2カバー体に設けられ、その先端に前記アクチュエータの他端部と弾性的に係脱可能な係合部を備えた突起部とからなり、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じる途中で、前記突起部の係合部が前記アクチュエータの他端部と係合することで前記押下部が前記ラバースプリングを押圧するとともに、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して完全に閉じたとき、前記係合部が前記アクチュエータの他端部から弾性的に離脱することで前記押下部が前記ラバースプリングから離間することにより、前記可動接点が前記固定接点と短時間だけ当接することを特徴とする。
【0015】
また、請求項8に係る情報装置は、請求項7に記載の情報装置において、前記支持部には、前記アクチュエータの回動を規制することで、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して開くとき、前記係合部が前記アクチュエータの他端部に当接した後に弾性的に離脱する動作を補助する規制部材が配設されていることを特徴とする。
【0016】
また、請求項9に係る情報装置は、請求項1に記載の情報装置において、前記開閉検出手段は、二つのキースイッチと、前記第1カバー体内で前記二つのキースイッチ間に設けられている支持部に略中央部が回動可能に支持され、一端部側に一方のキースイッチのラバースプリングに圧力を付与可能な第1押下部を備えるとともに、他端部側に他方のキースイッチのラバースプリングに圧力を付与可能な第2押下部を備えるアクチュエータと、前記第2カバー体に設けられ、その先端に前記アクチュエータの他端部と弾性的に係脱可能な係合部を備えた突起部とからなり、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じる途中で、前記突起部の係合部が前記アクチュエータの他端部と係合することで前記第1押下部が一方のキースイッチのラバースプリングを押圧するとともに、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して完全に閉じたとき、前記係合部が前記アクチュエータの他端部から弾性的に離脱することで前記第1押下部が一方のキースイッチのラバースプリングの押圧を解除することにより、前記可動接点が前記固定接点と短時間だけ当接するとともに、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して開く途中で、前記突起部の係合部が前記アクチュエータの他端部と係合することで前記第2押下部が他方のキースイッチのラバースプリングを押圧するとともに、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して完全に開いたとき、前記係合部が前記アクチュエータの他端部から弾性的に離脱することで前記第2押下部が他方のキースイッチのラバースプリングの押圧を解除することにより、前記可動接点が前記固定接点と短時間だけ当接することを特徴とする。
【0017】
また、請求項10に係る情報装置は、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の情報装置において、前記開閉検出手段を構成するキースイッチのラバースプリング内には、前記ラバースプリングの弾性変形を解除するように付勢する変形解除部材が設けられていることを特徴とする。
【0018】
また、請求項11に係る情報装置は、請求項10に記載の情報装置において、前記変形解除部材は、導電性弾性部材からなる可動接点であることを特徴とする。
【0019】
また、請求項12に係る情報装置は、請求項1に記載の情報装置において、前記開閉検出手段として使用されるキースイッチは、共にリング状の固定接点と可動接点とが常に当接するようにラバースプリングの中心と同軸状に配置され、前記回路基板には固定接点の中心と同軸状の貫通孔が穿設され、前記第2カバー体には突起部が設けられており、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じたとき、前記突起部の先端部が前記貫通孔を介してラバースプリングの中心を押し上げることにより、前記可動接点が前記固定接点から離間することを特徴とする。
【0020】
また、請求項13に係る情報装置は、請求項12に記載の情報装置において、前記ラバースプリングの頭部には、前記固定接点と可動接点とが常に当接するよう付勢する弾性部材が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に係る情報装置では、入力手段は、固定接点の配置された回路基板と、固定接点と接離可能な可動接点を有し圧力によって弾性変形可能なラバースプリングと、からなるスイッチング部を備えた複数の連続したキースイッチから構成されており、開閉検出手段は、少なくとも一つのキースイッチから構成されているので、カバー体の開閉状態を検出する専用スイッチと、専用スイッチまでの専用ハーネスと、専用ハーネスのためのノイズ対策を無くすことができ、合わせてこれらを組み立てる組立費や位置決め等の微調整の作業費が削減できるので製造コストが低減できるという極めて大きな効果がある。また、回路基板の固定接点やラバースプリングはその機能のブロック毎にまとまっているので、開閉状態を検出するスイッチを設けるために、そのブロックとブロックの空いている部分にスイッチを追加する事が出来るので従来価格とほぼ同じ価格で購入できるという効果もある。
【0022】
また、請求項2に係る情報装置では、開閉検出手段を構成するキースイッチには、常にラバースプリングに圧力を付与する付勢部材と、付勢部材がラバースプリングに付与する圧力を解除する解除部材とが設けられており、第1カバー体を第2カバー体に対して閉じたとき、解除部材は付勢部材がラバースプリングに付与する圧力を解除するようにしたので、情報装置の使用上状態では、第1カバー体を第2カバー体に対して閉じた状態で使用されるが、閉じた状態で解除部材により、付勢部材がラバースプリングに付与する圧力を解除するため、ラバースプリングのクリープ対策に効果がある。
【0023】
また、請求項3に係る情報装置では、解除部材は、ラバースプリングと付勢部材との間に配置されてラバースプリングを押圧可能な基部と、基部から延出され、回路基板と第1カバー体とに穿設された貫通孔を貫通する延出部とからなり、第1カバー体を第2カバー体に対して閉じたとき、延出部の先端部が第2カバー体と当接し基部が付勢部材の圧力に抗してラバースプリングから離間することでラバースプリングに対する圧力を解除するようにしたことにより、情報装置の使用上状態では、第1カバー体を第2カバー体に対して閉じた状態で使用されるが、閉じた状態で解除部材により、付勢部材がラバースプリングに付与する圧力を解除するため、ラバースプリングのクリープ対策に効果がある。また、延出部の先端を第2カバー体が平面であれば何処でも受けられるので、微妙な位置調整をする必要が無いという効果と、開閉状態を検出するスイッチの配置決めは、入力手段の範囲内であればどこでもよいので設計的に余裕ができたという効果もある。更に、開閉状態を検出するスイッチ機能が完結しているので組立ても簡単になるという効果もある。
【0024】
また、請求項4に係る情報装置では、解除部材は、一端部が第1カバー体内に回動可能に係止されるとともに他端部がラバースプリングに圧力を付与可能な押下部を構成し、両端部間に突出部を備えるアクチュエータからなり、第1カバー体を第2カバー体に対して閉じたとき、突出部の先端部が第2カバー体と当接し押下部が付勢部材の圧力に抗してラバースプリングから離間することでラバースプリングに対する圧力を解除するようにしたので、情報装置の使用上状態では、第1カバー体を第2カバー体に対して閉じた状態で使用されるが、閉じた状態で解除部材により、付勢部材がラバースプリングに付与する圧力を解除するため、ラバースプリングのクリープ対策に効果がある。また、突出部を第2カバー体のどこでも受けることができるので、微妙な位置調整をする必要が無いという効果もある。更に、開閉状態を検出するスイッチ機能が完結しているので組立ても簡単になるという効果もある。そして、この形態は、開閉状態を検出するスイッチの配置が第1カバー体の端部に配置できるのでデータを入力する入力手段の下を記録媒体が通過する情報装置において記録媒体の通過を妨げないという効果もある。
【0025】
また、請求項5に係る情報装置では、開閉検出手段は、一つのキースイッチと、一端部が第1カバー体内に固定されるとともに略中央部がキースイッチのラバースプリングに常に圧力を付与する押下部を構成する片持ち形状の弾性部材と、第2カバー体に設けられている突起部とからなり、第1カバー体を第2カバー体に対して閉じたとき、突起部の先端部が弾性部材の他端部と当接し押下部がラバースプリングから離間することでラバースプリングに対する圧力を解除するようにしたので、情報装置の使用上状態では、第1カバー体を第2カバー体に対して閉じた状態で使用されるが、閉じた状態で解除部材により、弾性部材がラバースプリングに付与する圧力を解除するため、ラバースプリングのクリープ対策に効果がある。また、片持ち形状の弾性部材がアクチュエータを兼ねるので部品点数が削減できコストダウンの効果もある。更に、構造が簡単になるのでスペースに余裕ができ、薄型化の設計ができる効果もある。そして、部品点数が減ることによって信頼性をあげることができるという効果もある。
【0026】
また、請求項6に係る情報装置では、開閉検出手段は、一つのキースイッチと、略中央部が第1カバー体内で回動可能に支持され、一端部が前記キースイッチのラバースプリングに圧力を付与可能な押下部を構成するアクチュエータと、第2カバー体に設けられている突起部とからなり、第1カバー体を第2カバー体に対して閉じたとき、突起部の先端部がアクチュエータの他端部と当接し押下部がラバースプリングを押下することで可動接点が固定接点と当接するので、装置の都合で第1カバー体が閉じているときにオン状態にしなければならないときに効果がある。また、部品点数が最小で更に安価な樹脂成型で部品ができるのでコストダウンに対する効果もある。
【0027】
また、請求項7に係る情報装置では、開閉検出手段は、一つのキースイッチと、略中央部が第1カバー体内に設けられている支持部に回動可能に支持され、一端部がキースイッチのラバースプリングに圧力を付与可能な押下部を構成するアクチュエータと、第2カバー体に設けられ、その先端にアクチュエータの他端部と弾性的に係脱可能な係合部を備えた突起部とからなり、第1カバー体を第2カバー体に対して閉じる途中で、突起部の係合部がアクチュエータの他端部と係合することで押下部がラバースプリングを押圧するとともに、第1カバー体を第2カバー体に対して完全に閉じたとき、係合部がアクチュエータの他端部から弾性的に離脱することで押下部がラバースプリングから離間することにより、可動接点が固定接点と短時間だけ当接するので、第1カバー体が閉じはじめたことを報知するトリガ信号にできる効果がある。また、第1カバー体を完全に閉じるとラバースプリングの復帰力のみでラバースプリングが復帰するので、ラバースプリングのクリープ問題を考慮する必要が無いという効果がある。そして、部品点数が最小で更に安価な樹脂成型の部品を使用してクリープ対策と信頼性確保及びコストダウンができる効果もある。
【0028】
また、請求項8に係る情報装置では、支持部には、アクチュエータの回動を規制することで、第1カバー体を第2カバー体に対して開くとき、係合部がアクチュエータの他端部に当接した後に弾性的に離脱する動作を補助する規制部材が配設されているので、第1カバー体を開くとき、アクチュエータが回動してしまい、次に第1カバー体を閉じたときにアクチュエータが正常に動作しないという問題を防止できる効果がある。
【0029】
また、請求項9に係る情報装置では、開閉検出手段は、二つのキースイッチと、第1カバー体内で二つのキースイッチ間に設けられている支持部に略中央部が回動可能に支持され、一端部側に一方のキースイッチのラバースプリングに圧力を付与可能な第1押下部を備えるとともに、他端部側に他方のキースイッチのラバースプリングに圧力を付与可能な第2押下部を備えるアクチュエータと、第2カバー体に設けられ、その先端にアクチュエータの他端部と弾性的に係脱可能な係合部を備えた突起部とからなり、第1カバー体を第2カバー体に対して閉じる途中で、突起部の係合部がアクチュエータの他端部と係合することで第1押下部が一方のキースイッチのラバースプリングを押圧するとともに、第1カバー体を第2カバー体に対して完全に閉じたとき、係合部がアクチュエータの他端部から弾性的に離脱することで第1押下部が一方のキースイッチのラバースプリングの押圧を解除することにより、可動接点が固定接点と短時間だけ当接するとともに、第1カバー体を第2カバー体に対して開く途中で、突起部の係合部がアクチュエータの他端部と係合することで第2押下部が他方のキースイッチのラバースプリングを押圧するとともに、第1カバー体を第2カバー体に対して完全に開いたとき、係合部がアクチュエータの他端部から弾性的に離脱することで第2押下部が他方のキースイッチのラバースプリングの押圧を解除することにより、可動接点が固定接点と短時間だけ当接するようにしたことにより、第1カバー体が閉じているときでも開いているときでもラバースプリングの復帰力のみで復帰させることができるので、クリープフリーとなりクリープの問題を考慮する必要が無いという効果がある。また、第1カバー体を閉じるときでも開くときでもその動作のトリガ信号を出力できるという効果もある。
【0030】
また、請求項10に係る情報装置では、開閉検出手段を構成するキースイッチのラバースプリング内には、ラバースプリングの弾性変形を解除するように付勢する変形解除部材が設けられているので、ラバースプリングを必要以上に連続して押圧した場合に発生する変形を解除できる効果がある。また、スイッチのオン・オフの追従性を良くする効果もある。
【0031】
また、請求項11に係る情報装置では、変形解除部材は、導電性弾性部材からなる可動接点であるので、スイッチのオン・オフの追従性を良くする効果がある。
【0032】
また、請求項12に係る情報装置では、開閉検出手段として使用されるキースイッチは、共にリング状の固定接点と可動接点とが常に当接するようにラバースプリングの中心と同軸状に配置され、回路基板には固定接点の中心と同軸状の貫通孔が穿設され、第2カバー体には突起部が設けられており、第1カバー体を第2カバー体に対して閉じたとき、突起部の先端部が貫通孔を介してラバースプリングの中心を押し上げることにより、可動接点が固定接点から離間するようにしたので、ラバースプリングを常に押圧する弾性部材もなく、更に、中間に可動部材が介在しない構成になったので製造コスト低減に効果がある。また、部品点数を削減することによって信頼性を上げることができるという効果もある。
【0033】
また、請求項13に係る情報装置では、ラバースプリングの頭部には、固定接点と可動接点とが常に当接するよう付勢する弾性部材が設けられているので、第1カバー体を開けたとき、開閉状態を検出するスイッチのオン状態をより確実に保持できるという効果があり、信頼性が向上するという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の第1実施形態を図面と共に説明する。先ず、本第1実施形態に係る情報装置1の概略構成について図1乃至図5に基づき説明する。図1は、第1実施形態で本発明が適用された情報装置の外観を表す正面図である。図2は、第1実施形態で本発明が適用された情報装置の第1カバー体が横開きにされた外観を表す正面図である。図3は、第1実施形態で第1カバー体に備えられた操作パネルを構成する構成部材の分解図である。図4は、第1実施形態でキースイッチと開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオン状態であることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じて開閉検出スイッチがオフ状態であることを示す図である。図5は、第1実施形態で操作パネルの組立て順序を示す図である。
【0035】
先ず、情報装置1は、図1、図2に示すように、第1カバー体3と、装置筺体としての第2カバー体2とを各々の一端部を回動の中心として接合することで第1カバー体3を第2カバー体2に対して開閉可能に取り付けてなるクラムシェル(clam・shell)型の開閉構造を備えている。即ち、第1カバー体3は、第2カバー体2を覆うことで開放部2aを閉じる閉塞位置A(図1参照)と、第2カバー体2から離間して開放部2aを開放する開放位置B(図2参照)との間で、一端部を回動の中心として上下方向に沿って回動可能に構成されている。より具体的には、この情報装置1は、プリンタ機能、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能を備えた多機能装置(MFD:Multi Function Device)に本発明を適用したものである。第2カバー体2の上部には、コピー機能やファクシミリ機能を実行する際に使用する画像読取装置を内蔵した第1カバー体3が配置されている。また、第1カバー体3の画像読取装置の前方には、各種キースイッチ5(入力手段に相当)や液晶表示部(LCD)5等を備えた操作パネル4が設けられている。更に第1カバー体3には、後述する開閉検出スイッチ17(開閉検出手段に相当)も配設されている。第2カバー体2は、複数枚の記録用紙を積層収納可能な給紙カセットが着脱可能に構成されており、更に図示しない記録用紙の給紙/分離機構、搬送機構、インクジェット記録方式の記録機構、排紙機構等が収納されている。そして、この情報装置1は、図示しない外部のパーソナルコンピュータや外部のファクシミリ装置等の通信装置と通信回線を介して接続可能に構成されている。従って、外部のパーソナルコンピュータや通信装置或いは操作パネル4から何らかの記録指示が入力された場合には、給紙カセットに収納されている記録用紙が給紙/分離機構により1枚だけ分離され、搬送機構によって搬送され、記録機構により画像が記録され、排紙機構により排紙されるのである。そして、この構成により通常時は第1カバー体3を閉塞位置Aに位置させて第2カバー体2の開放部2aを閉塞した状態で情報装置1は使用される。しかし、記録用紙のジャムが第2カバー体2の内部で発生した場合やインクカートリッジの交換をする場合など、使用者が第2カバー体2の内部の作業をおこなう必要がある場合には、第1カバー体3を閉塞位置Aから開放位置Bまで回動して第2カバー体2の開放部2aを開放した状態で第2カバー体2の内部で作業をおこなうこととなる。
【0036】
次に、操作パネル4の構成について図3に基づいて説明する。(LCD6を除く) 図3に示すように、操作パネル4は、操作パネルカバー7と第1カバー12とによって、複数の固定接点15(図4参照)が設けられた回路基板11と、この回路基板11上に載置され、可動接点14と頭部18(図4参照)とをそれぞれ有する複数のラバースプリング13が一体的に連続して形成されているラバースプリングシート10とが挟持されて構成されている。また、回路基板11とラバースプリングシート10との組合せによって形成される複数のキースイッチ5(図4参照)のうちの1つを開閉検出スイッチ17として使用するために、アクチュエータ9(解除部材に相当)とスプリング8(付勢部材に相当)とが、操作パネルカバー7と第1カバー12とによって狭持されている。
【0037】
次に、キースイッチ5、開閉検出スイッチ17のより詳細な構成について図4(A)、(B)及び図5に基づいて説明する。但し、図5は操作パネル4の組立て順序を説明するための図なので、図4に対して天地が逆に記載してある。図4及び図5に示すように、キースイッチ5は、複数の固定接点15が設けられた回路基板11に、回路基板11の固定接点15の位置に対向する可動接点14が設けられたシリコンゴム等からなるラバースプリング13を載置した構成のスイッチング部16を有し、更に、ラバースプリング13に頭部18が設けられた構成になっている。基本的に頭部18は、操作パネルカバー7に設けられたガイド孔19から操作パネルカバー7の表面よりも上方に突出している。また、その頭部18の最上面には、文字、記号等が記載、或いは表示されているものもある。同様に回路基板11の他の固定接点15に対向して可動接点14と頭部18が設けられている他のラバースプリング13が載置され、複数のキースイッチ5を形成している。そして、上述したように、ラバースプリング13は、他のラバースプリング13と連続してラバースプリングシート10を形成している。
開閉検出スイッチ17は、上記のように構成されたキースイッチ5の頭部18より短い頭部27を備えるキースイッチ5が開閉検出スイッチ17として使用される。そして、開閉検出スイッチ17は、図3に示すように回路基板11とラバースプリングシート10が機能によってブロックごとになっているので、ブロックとブロックの間やブロックの空いているスペースに、回路基板11とラバースプリングシート10を製作するときに開閉検出スイッチ17用として同時に製作される。同時に製作するのでコストアップは無いという利点がある。
従って、開閉検出スイッチ17を構成する頭部27は、操作パネル7の表面には現出しない。そこで、図2に示すように第1カバー体3が第2カバー体2に対して開いているときは、図4(A)に示すように、操作パネルカバー7に設けられた係止部20にスプリング8を介して係止されたアクチュエータ9の基部24が、上記のように構成された開閉検出スイッチ17の頭部27に、スプリング8の付勢力によって当接してラバースプリング13を押下している。このため、可動接点14が固定接点15と接触するので、第1カバー体3が開放位置Bにあることが検出され得る。このとき、アクチュエータ9の基部24の両端部から延出された二つの延出部25のそれぞれの先端部26の一端が、ラバースプリングシート10に設けられた貫通孔28、回路基板11に設けられた貫通孔30、第1カバー12に設けられた貫通孔32を貫通して第1カバー12の下側に突出し、他端が、ラバースプリングシート10に設けられた貫通孔29、回路基板11に設けられた貫通孔31、第1カバー12に設けられた貫通孔33を貫通して第1カバー12の下側に突出している。更に、図1に示すように第1カバー体3が第2カバー体2に対して閉じているときは、図4(B)に示すように、第2カバー39の表面がアクチュエータ9の先端部26をスプリング8の付勢力に抗して持ち上げているので、基部24が開閉検出スイッチ17の頭部27から離間するため、ラバースプリング13は復帰する。このため、可動接点14は固定接点15から離間するので、第1カバー体3が第2カバー体2に対して閉塞位置Aにあることが検出され得るのである。
【0038】
ここで、キースイッチ5、開閉検出スイッチ17を含む操作パネル4を組み立てる順序を図5に基づいて説明する。図5において、先ず、操作パネルカバー7が、その裏側を上にした状態で静置される。次に、操作パネルカバー7に設けられた係止部20の内部に設けられたボス21に、スプリング8の一端が嵌合されて取り付けられる。次に、アクチュエータ9の基部24に設けられたボス23がスプリング8の他端に挿入された状態で、係止部20に設けられたフック22にアクチュエータ9が弾性的に係止されるまで、アクチュエータ9は操作パネルカバー7に向かって押し下げられる。アクチュエータ9が係止部20に係止されると、アクチュエータ9はスプリング8の付勢力によって図5の上方に向かって押圧されるため、アクチュエータ9はフック22に当接されるが、フック22に係止されるため、アクチュエータ9が係止部20から外れることはない。次に、アクチュエータ9の基部24の両端部から延出された二つの延出部25の各先端部26が、ラバースプリングシート10に設けられた貫通孔28、29を貫通するように、更に、ラバースプリングシート10に設けられたラバースプリング13の頭部18が操作パネルカバー7に設けられたガイド孔19に挿入されるように、ラバースプリングシート10は操作パネルカバー7から延出されたボス37、38上に載置される。図5ではガイド孔19は1つのみ、更にボス37、38は各々1つのみ記載されているが、実際にはより多くのガイド孔19やボス37、38が操作パネルカバー7に設けられていることは言うまでもない。このとき、ラバースプリングシート10に設けられた開閉検出スイッチ17用のラバースプリング13の頭部27は、スプリング8の付勢力によってアクチュエータ9の基部24が図5における上方向に位置しているため、基部24と当接している。次に、ラバースプリングシート10に設けられた貫通孔28、29から突出しているアクチュエータ9の二つの延出部25の各先端部26が回路基板11に設けられた貫通孔30、31に貫通するように回路基板11がラバースプリングシート10上に載置される。このとき、操作パネルカバー7から延出された図示しないフックによって回路基板11とラバースプリングシート10が操作パネルカバー7に固定される。次に、回路基板11に設けられた貫通孔30、31から突出しているアクチュエータ9の二つの延出部25の各先端部26が第1カバー12に設けられた貫通孔32、33に貫通するように、第1カバー12が回路基板11上に載置される。最後に、操作パネルカバー7から延出された図示しないボスに第1カバー12の裏面から図示しないネジでネジ締めすることによって、第1カバー12に操作パネルカバー7が固定される。このようにして組み立てられた第1カバー12に画像読取装置、その他関連部品が取り付けられて第1カバー体3が完成し、装置筺体としての第2カバー体2に対して第1カバー体3が開閉可能に取り付けられる。完成して、第2カバー体2に取り付けられた第1カバー体3は、図1、図2、図4に示すように、図5とは天地が逆の状態で配設されるので、第1カバー12の支えリブ34、35、36が回路基板11を支えることとなる。
【0039】
続いて、キースイッチ5、開閉検出スイッチ17の動作を図1、図2、図4に基づいて説明する。キースイッチ5の動作は、図4(A)、(B)に示すように、頭部18が使用者により押下されていなければ、回路基板11に設けられた固定接点15とラバースプリング13に設けられた可動接点14とは離間しているのでオフ状態になっている。頭部18が使用者により押下されると、固定接点15と可動接点14とが当接してオン状態になる。このとき、キースイッチ5に割り当てられた機能でデータが入力される。次に、開閉検出スイッチ17の動作を説明する。情報装置1の通常の使用時においては、図1に示すように、第1カバー体3が閉塞位置Aに位置して第2カバー体2の開放部2aを閉塞している。このとき、開閉検出スイッチ17の状態は、図4(B)に示す状態になっている。即ち、第2カバー39がアクチュエータ9の基部24の両端部から延出された二つの延出部25の各先端部26をスプリング8の付勢力に抗して持ち上げているので、アクチュエータ9の基部24とラバースプリング13の頭部27の間に隙間ができてラバースプリング13は自力で復帰している。これによって、回路基板11に設けられた固定接点15とラバースプリング13に設けられた可動接点14とが離間するので開閉検出スイッチ17はオフ状態になっている。このオフ状態を図示しない制御部は、第1カバー体3が閉じている状態であると判断する。また、情報装置1の内部で記録用紙のジャムが発生した場合やインクカートリッジの交換をする場合など、使用者が第2カバー体2の内部の作業をおこなう必要がある場合には、使用者は、図2に示すように、第1カバー体3を閉塞位置Aから開放位置Bまで回動して第2カバー体2の開放部2aを開放した状態で、第2カバー体2の内部で作業をおこなうことになる。このとき、開閉検出スイッチ17の状態は、図4(A)に示す状態になっている。即ち、アクチュエータ9の基部24の両端部から延出された二つの延出部25の各先端部26が第2カバー39から離間してフリーになっているので、スプリング8の付勢力によってラバースプリング13の頭部27をアクチュエータ9の基部24が押下している。これによって、回路基板11に設けられた固定接点15とラバースプリング13に設けられた可動接点14が当接するので開閉検出スイッチ17はオン状態になっている。このオン状態を図示しない制御部は、第1カバー体3が開いている状態であると判断し使用者に対して開放状態である旨の報知を含む危険防止の措置を取る。また、第1カバー体3が開放位置Bにある時間は、ジャムの発生した記録用紙の除去や、インクカートリッジの交換等の間だけであって、通常の使用時に閉塞位置Aにある時間に比して極めて短時間であるのでラバースプリング13で発生するクリープ現象は無いと考えてよい。
【0040】
以上詳細に説明した通り、第1実施形態に係る情報装置1では、入力手段は、固定接点15の配置された回路基板11と、固定接点15と接離可能な可動接点14を有し圧力によって弾性変形可能なラバースプリング13と、からなるスイッチング部16を備えた複数の連続したキースイッチ5から構成されており、開閉検出スイッチ17は、少なくとも一つのキースイッチ5から構成されているので、第1カバー体3の開閉状態を検出する専用スイッチと、専用スイッチまでの専用ハーネスと、専用ハーネスのためのノイズ対策を無くすことができ、合わせてこれらを組み立てる組立費や位置決め等の微調整の作業費が削減できるので製造コストが低減できるという極めて大きな効果がある。また、回路基板11の固定接点15やラバースプリング13はその機能のブロック毎にまとまっているので、開閉状態を検出する開閉検出スイッチ17を設けるために、そのブロックとブロックの空いている部分に開閉検出スイッチ17を追加する事が出来るので従来価格とほぼ同じ価格で購入できるという効果もある。また、使用状態で開閉検出スイッチ17のラバースプリング13をオフ状態にしているのでクリープ対策に効果がある。
【0041】
また、第1実施形態に係る情報装置1では、開閉検出手段を構成する開閉検出スイッチ17には、常にラバースプリング13に圧力を付与するスプリング8と、スプリング8がラバースプリング13に付与する圧力を解除するアクチュエータ9とが設けられており、第1カバー体3を第2カバー体2に対して閉じたとき、アクチュエータ9はスプリング8がラバースプリング13に付与する圧力を解除するようにしたので、情報装置1の使用上状態では、第1カバー体3を第2カバー体2に対して閉じた状態で使用されるが、閉じた状態でアクチュエータ9により、スプリング8がラバースプリング13に付与する圧力を解除するため、ラバースプリング13のクリープ対策に効果がある。
【0042】
また、第1実施形態に係る情報装置1では、アクチュエータ9は、ラバースプリング13とスプリング8との間に配置されてラバースプリング13を押圧可能な基部24と、基部24から延出され、ラバースプリング13と回路基板11及び第1カバー体3とに穿設された貫通孔28乃至33貫通する延出部25とからなり、第1カバー体3を第2カバー体2に対して閉じたとき、延出部25の先端部26が第2カバー体2と当接し基部24がスプリング8の圧力に抗してラバースプリング13から離間することでラバースプリング13に対する圧力を解除するようにしたことにより、情報装置1の使用上状態では、第1カバー体3を第2カバー体2に対して閉じた状態で使用されるが、閉じた状態でアクチュエータ9により、スプリング8がラバースプリング13に付与する圧力を解除するため、ラバースプリング13のクリープ対策に効果がある。また、延出部25の先端部26を第2カバー体2が平面であれば何処でも受けられるので、微妙な位置調整をする必要が無いという効果と、開閉状態を検出する開閉検出スイッチ17の配置決めは、入力手段の範囲内であればどこでもよいので設計的に余裕ができたという効果もある。更に、開閉状態を検出する開閉検出スイッチ17のスイッチ機能が完結しているので組立ても簡単になるという効果もある。
【0043】
更に、本発明の第2実施形態を図6乃至図10を参照して説明する。一般に、小型のファクシミリ装置やコピー機、更には画像読取装置では、原稿用紙が操作パネルの下側を搬送されながら、固定配置された画像読取部によって読み取られる構成のものがある。その為、このような装置では、開閉検出スイッチ117が原稿用紙の搬送に障害にならない位置に配置されなければならない。このような点に鑑み、第2実施形態に係る情報装置101は、原稿用紙の搬送に障害にならないように操作パネルカバー107の端部に開閉検出スイッチ117が設けられた操作パネル104を備えている。図6は、第2実施形態で本発明が適用された情報装置の外観を表す斜視図である。図7は、第2実施形態で本発明が適用された情報装置の第1カバー体が前開きにされた外観を表す斜視図である。図8は、第2実施形態で第1カバー体に備えられた操作パネルを構成する構成部材の分解図である。図9は、第2実施形態でキースイッチと開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオン状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。図10は、第2実施形態で操作パネルの組立て順序を示す図である。
【0044】
先ず、情報装置101は、図6、図7に示すように、第1カバー体103と、装置筺体としての第2カバー体102とを各々の一端部を回動の中心として接合することで第1カバー体103を第2カバー体102に対して開閉可能に取り付けてなるクラムシェル(clam・shell)型の開閉構造を備えている。即ち、第1カバー体103は、第2カバー体102を覆うことで開放部102aを閉じる閉塞位置C(図6参照)と、第2カバー体102から離間して開放部102aを開放する開放位置D(図7参照)との間で、一端部を回動の中心として上下方向に沿って回動可能に構成されている。そして、この構成により通常時は第1カバー体103を閉塞位置Cに位置させて第2カバー体102の開放部102aを閉塞した状態で情報装置101は使用される。しかし、記録用紙のジャムが第2カバー体102の内部で発生した場合やインクカートリッジの交換をする場合など、使用者が第2カバー体102の内部の作業をおこなう必要がある場合には、第1カバー体103を閉塞位置Cから開放位置Dまで回動して第2カバー体102の開放部102aを開放した状態で第2カバー体102の内部で作業をおこなうこととなる。尚、操作パネル104は、使用しないときには操作パネル蓋104aによって覆われている。(図6、図7参照)
【0045】
次に、操作パネル104の構成について図8に基づいて説明する。図8に示すように、操作パネル104は、操作パネルカバー107と第1カバー112とによって、複数の固定接点115(図9参照)が設けられた回路基板111と、この回路基板111上に載置され、可動接点114と頭部118(図9参照)とをそれぞれ有する複数のラバースプリング113が一体的に連続して形成されているラバースプリングシート110とが狭持されて構成されている。また、回路基板111とラバースプリングシート110との組合せによって形成される複数のキースイッチ105(図9参照)のうちの1つを開閉検出スイッチ117として使用するために、アクチュエータ109とスプリング108(付勢部材に相当)とが、操作パネルカバー107と第1カバー112とによって狭持されている。
【0046】
次に、キースイッチ105、開閉検出スイッチ117のより詳細な構成について図9(A)、(B)及び図10に基づいて説明する。但し、図10は操作パネル104の組立て順序を説明するための図なので、図9に対して天地が逆に記載してある。図9及び図10に示すように、キースイッチ105は、複数の固定接点115が設けられた回路基板111に、回路基板111の固定接点115の位置に対向する可動接点114が設けられたシリコンゴム等からなるラバースプリング113を載置した構成のスイッチング部116を有し、更に、ラバースプリング113に頭部118が設けられた構成になっている。基本的に頭部118は、操作パネルカバー107に設けられたガイド孔119から操作パネルカバー107の表面よりも上方に突出している。また、その頭部118の最上面には、文字、記号等が記載、或いは表示されているものもある。同様に回路基板111の他の固定接点115に対向して可動接点114と頭部118が設けられている他のラバースプリング113が載置され、複数のキースイッチ105が形成されている。そして、上述したように、ラバースプリング113は、他のラバースプリング113と連続してラバースプリングシート110を形成している。
開閉検出スイッチ117は、上記のように構成されたキースイッチ105の頭部118より短い頭部127を備えるキースイッチ105が開閉検出スイッチ117として使用される。そして、開閉検出スイッチ117は、図8に示すように回路基板111とラバースプリングシート110が機能によってブロックごとになっているので、ブロックとブロックの間やブロックの空いているスペースに、回路基板111とラバースプリングシート110を製作するときに開閉検出スイッチ117用として同時に製作される。同時に製作するのでコストアップは無いという利点がある。
従って、頭部127は、操作パネルカバー107の表面には現出しない。そこで、図7に示すように第1カバー体103が第2カバー体102に対して開いているときは、図9(A)に示すように、操作パネルカバー107に設けられた回動係止部129に回動係止端131の回動係止ピン132で回動係止されたアクチュエータ109(解除部材に相当)の押下部124が、上記のように構成された開閉検出スイッチ117の頭部127に、操作パネルカバー107のスプリング係止部121とアクチュエータ109のスプリング収納部123に備えられたスプリング108の付勢力によって当接してラバースプリング113を押下している。このため、可動接点114が固定接点115と接触するので、第1カバー体103が第2カバー体102に対して開放位置にあることが検出され得る。そして、アクチュエータ109の突出部125の先端部126が、回路基板111から外れた位置で操作パネルカバー107の端部になるように設けられている。そして、図6に示すように、第1カバー体103が第2カバー体102に対して閉じているときは、図9(B)に示すように、第2カバー体102の押圧部139aがアクチュエータ109の突出部125の先端部126をスプリング108の付勢力に抗して持ち上げているので、押下部124が開閉検出スイッチ117の頭部127から離間するため、ラバースプリング113は復帰する。このため、可動接点114は固定接点115から離間するので、第1カバー体103が第2カバー体102に対して閉塞位置にあることが検出され得るのである。
【0047】
ここで、キースイッチ105、開閉検出スイッチ117を含む操作パネル104を組み立てる順序を図10に基づいて説明する。図10において、先ず、操作パネルカバー107が、その裏側を上にした状態で静置される。次に、操作パネルカバー107から延出された回動係止部129に設けられた係止孔130に、アクチュエータ109の回動係止端131に設けられた回動係止ピン132でアクチュエータ109が係止される。次に、操作パネルカバー107に設けられたスプリング係止部121に、スプリング108の一端が嵌合されて取り付けられる。次に、アクチュエータ109のスプリング収納部123にスプリング108の他端が挿入された状態で、操作パネルカバー107から延出された延出部128のフック122にアクチュエータ109が弾性的に係止されるまで、アクチュエータ109は操作パネルカバー107に向かって押し下げられる。アクチュエータ109が延出部128のフック122に係止されると、アクチュエータ109はスプリング108の付勢力によって図10の上方に向かって押圧されるためアクチュエータ109はフック122に当接されるが、フック122に係止されるため、アクチュエータ109が延出部128から外れることはない。次に、ラバースプリングシート110に設けられたラバースプリング113の頭部118が操作パネルカバー107に設けられたガイド孔119に挿入されるように、更には、ラバースプリングシート110に設けられたラバースプリング113の頭部127がアクチュエータ109の押下部124上に載置されるように、ラバースプリングシート110は操作パネルカバー107から延出されたボス137、138上に載置される。尚、図10ではガイド孔119は1つのみ、更にボス137、138は各々1つのみ記載されているが、実際にはより多くのガイド孔119やボス137、138が操作パネルカバー107に設けられていることは言うまでもない。次に、回路基板111上の各固定電極115がラバースプリングシート110の呼応する可動電極114と対向するように回路基板111がラバースプリングシート110上に載置され、操作パネルカバー107から延出されている図示しないフックによって回路基板111とラバースプリングシート110とが操作パネルカバー107に固定される。そして、アクチュエータ109の突出部125の先端部126が、回路基板111から外れた位置で操作パネルカバー107の端部になるように、更には、その先端部126が第1カバー112の操作パネルカバー107側ではない表面よりも突出するように、第1カバー112が回路基板111上に載置される。最後に、操作パネルカバー107から延出されている図示しないボスに第1カバー112の裏面から図示しないネジがネジ締めされることによって、第1カバー112に操作パネルカバー107が固定される。そして、図9に示すように、操作パネル104の天地を逆にすると、第1カバー112の支えリブ134、135、136は回路基板111を支えることとなる。このようにして組み立てられた第1カバー112にその他関連部品が取り付けられて第1カバー体103が完成し、装置筺体としての第2カバー体102に対して第1カバー体103が開閉可能に取り付けられる。
【0048】
続いて、キースイッチ105、開閉検出スイッチ117の動作を図6、図7、図9に基づいて説明する。キースイッチ105の動作は、図9(A)、(B)に示すように、頭部118が使用者により押下されていなければ、回路基板111に設けられた固定接点115とラバースプリング113に設けられた可動接点114とは離間しているのでオフ状態になっている。頭部118が使用者により押下されると、固定接点115と可動接点114とが当接してオン状態になる。このとき、キースイッチ105に割り当てられた機能でデータが入力される。次に、開閉検出スイッチ117の動作を説明する。情報装置100の通常の使用時においては、図6に示すように、第1カバー体103が閉塞位置Cに位置して第2カバー体102の開放部102aを閉塞している。このとき、開閉検出スイッチ117の状態は、図9(B)に示す状態になっている。即ち、第2カバー体102の第2カバー139に設けられている押圧部139aの表面がアクチュエータ109の突出部125の先端部126をスプリング108の付勢力に抗して持ち上げているので、アクチュエータ109の押下部124とラバースプリング113の頭部127の間に隙間ができてラバースプリング113は自力で復帰している。これによって、回路基板111に設けられた固定接点115とラバースプリング113に設けられた可動接点114とが離間するので開閉検出スイッチ117はオフ状態になっている。このオフ状態を図示しない制御部は、第1カバー体103が閉じている状態であると判断する。また、情報装置100の内部で記録用紙のジャムが発生した場合やインクカートリッジの交換をする場合など、使用者が第2カバー体102の内部の作業を行なう必要がある場合には、使用者は、図7に示すように、第1カバー体103を閉塞位置Cから開放位置Dまで回動して第2カバー体102の開放部102aを開放した状態で、第2カバー体102の内部で作業を行なうことになる。このとき、開閉検出スイッチ117の状態は、図9(A)に示す状態になっている。即ち、アクチュエータ109の突出部125の先端部126が第2カバー139から離間してフリーになっているので、スプリング108の付勢力によってラバースプリング113の頭部127をアクチュエータ109の押下部124が押下している。これによって、回路基板111に設けられた固定接点115とラバースプリング113に設けられた可動接点114が当接するので開閉検出スイッチ117はオン状態になっている。このオン状態を図示しない制御部は、第1カバー体103が開いている状態であると判断し使用者に対して開放状態である旨の報知を含む危険防止の措置を取る。また、第1カバー体103が開放位置Dにある時間は、ジャムの発生した記録用紙の除去や、インクカートリッジの交換等の間だけであって、通常の使用時に閉塞位置Cにある時間に比して極めて短時間であるのでラバースプリング113で発生するクリープ現象は無いと考えてよい。
【0049】
以上詳細に説明した通り、第2実施形態に係る情報装置101では、解除部材は、一端部が第1カバー体103内に回動可能に係止されるとともに他端部がラバースプリング113に圧力を付与可能な押下部124を構成し、両端部間に突出部125を備えるアクチュエータ109からなり、第1カバー体103を第2カバー体102に対して閉じたとき、突出部125の先端部126が第2カバー体102と当接し押下部124がスプリング108の圧力に抗してラバースプリング113から離間することでラバースプリング113に対する圧力を解除するようにしたので、情報装置101の使用上状態では、第1カバー体103を第2カバー体102に対して閉じた状態で使用されるが、閉じた状態でアクチュエータ109により、スプリング108がラバースプリング113に付与する圧力を解除するため、ラバースプリング113のクリープ対策に効果がある。また、突出部125を第2カバー体102のどこでも受けることができるので、微妙な位置調整をする必要が無いという効果もある。更に、開閉状態を検出する開閉検出スイッチ117のスイッチ機能が完結しているので組立ても簡単になるという効果もある。そして、この形態は、開閉状態を検出する開閉検出スイッチ117の配置が第1カバー体103の端部に配置できるのでデータを入力する操作パネル104の下を記録媒体が通過する情報装置101において記録媒体の通過を妨げないという効果もある。また、使用状態で開閉検出スイッチ117のラバースプリング113をオフ状態にしているのでクリープ対策に効果がある。
【0050】
更に、本発明の第3実施形態を図面と共に説明する。第3実施形態に係る情報装置は、第1実施形態に係る情報装置1とほぼ同様の構成であり、開閉検出スイッチの部分の構成のみが異なるので、開閉検出スイッチ217について図11に基づいて説明する。図11は、第3実施形態で開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオン状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。
【0051】
先ず、開閉検出スイッチ217の構成について図11(A)、(B)に基づいて説明する。開閉検出スイッチ217は、複数の固定接点215が設けられた回路基板211の一つの固定接点215とラバースプリングシート210の中の可動接点214を備える一つのラバースプリング213とで構成されるスイッチング部216に頭部227を備えた構成になっている。また、板バネ208(弾性部材に相当)の一方の固定端231が操作パネルカバー207に固定され、他方の先端226はフリーになっている。そこで、図11(A)に示すように、第1カバー体203が図示しない第2カバー体に対して開いているときは、板バネ208の両端の間に設けられたラバースプリング押下部224が、板バネ208の付勢力によってラバースプリング213の頭部227を押下する。このため、可動接点214が固定接点215と接触するので、第1カバー体203が図示しない第2カバー体に対して開放位置にあることが検出され得る。また、第1カバー体203が図示しない第2カバー体に対して閉じているときは、図11(B)に示すように、第2カバー体の上面の第2カバー239に設けられた突起部240の先端部241が板バネ208の先端226を板バネ208の付勢力に抗して持ち上げているので、板バネ208のラバースプリング押下部224が開閉検出スイッチ217(開閉検出手段に相当)の頭部227から離間するため、ラバースプリング213は復帰する。このため、可動接点214は固定接点214から離間するので、第1カバー体203が図示しない第2カバー体に対して閉塞位置にあることが検出され得るのである。
【0052】
続いて、開閉検出スイッチ217の動作を図11に基づいて説明する。第1カバー体203を図示しない第2カバー体に対して閉じたとき、開閉検出スイッチ217の状態は、図11(B)に示す状態になっている。即ち、第1カバー212の貫通孔232に、第2カバー体の上面の第2カバー239のボス240の先端部241が貫通して板バネ208の先端226を板バネ208の付勢力に抗して持ち上げているので、板バネ208のラバースプリング押下部224(押下部に相当)の下側に空間ができラバースプリング213が自力で復帰している。これによって、回路基板211に設けられた固定接点215とラバースプリング213に設けられた可動接点214とが離間するので開閉検出スイッチ217はオフ状態になっている。このオフ状態を図示しない制御部は、第1カバー体203が閉じている状態であると判断する。また、情報装置の内部で記録用紙のジャムが発生した場合やインクカートリッジの交換をする場合など、使用者が図示しない第2カバー体の内部の作業を行なう必要がある場合には、使用者は、第1カバー体203を閉塞位置から開放位置まで回動して第2カバー体の開放部を開放した状態で、第2カバー体の内部で作業を行なうことになる。このとき、開閉検出スイッチ217の状態は、図11(A)に示す状態になっている。即ち、第1カバー体203内の板バネ208の先端226がフリーになっているので板バネ208の付勢力によって、ラバースプリング213の頭部227は板バネ208のラバースプリング押下部224によって押下されている。これによって、回路基板211に設けられた固定接点215とラバースプリング213に設けられた可動接点214とが当接するので開閉検出スイッチ217はオン状態になっている。このオン状態を図示しない制御部は、第1カバー体203が開いている状態であると判断し使用者に対して開放状態である旨の報知を含む危険防止の措置を取る。また、第1カバー体203が開放位置にある時間は、ジャムの発生した記録用紙の除去や、インクカートリッジの交換等の間だけであって、通常の使用時に閉塞位置にある時間に比して極めて短時間であるのでラバースプリング213で発生するクリープ現象は無いと考えてよい。
【0053】
以上詳細に説明した通り、第3実施形態に係る情報装置では、開閉検出スイッチ217において、ラバースプリング213に常に押加圧力を印加する片持ちの板バネ208を備え、第1カバー体203の下方に配設された第2カバー239に設けられた突起部240の先端部241によって、第1カバー体203を閉じたときに片持ちの板バネ208が押し上げられることにより、片持ちの板バネ208の押加圧力が解除されるようにしたので、片持ちの板バネ208がアクチュエータを兼ねるので部品点数が削減できコストダウンに効果がある。また、構造が簡単になるのでスペースに余裕ができ、薄型化の設計ができる効果もある。そして、部品点数が減ることによって信頼性をあげることができるという効果もある。更に、通常の使用状態(閉塞位置)で開閉検出スイッチ217のラバースプリング213をオフ状態にしているのでクリープ対策に効果がある。
【0054】
更に、本発明の第4実施形態を図面と共に説明する。第4実施形態に係る情報装置は、第3実施形態に係る情報装置1とほぼ同様の構成であり、開閉検出スイッチの一部構成が異なっている。図12は、第4実施形態で開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオン状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。上述した通り、第4実施形態は第3実施形態とほぼ同一であるので、図中で使用されている符号は、第3実施形態と同一機能のものは同じ符号を使用し、その説明を省略してポイントのみを説明する。ポイントは、第4実施形態に係る情報装置の開閉検出スイッチ217の可動接点214に導電性のある金属製の皿バネ250を使用したことである。その為、スイッチのオン・オフの切れを良くすることができ、第1カバー体203の開閉に対して素早く対応することができる。また、開閉検出スイッチ217のオン状態が長く続いた後でも素早くオフ状態にすることができる。
【0055】
以上説明した通り、第4実施形態に係る情報装置では、開閉検出スイッチ217において、ラバースプリング213の下方に配置され固定接点215を覆う導電性の皿バネ250の可動接点214を備えたので、開閉検出スイッチ217のオン・オフの追従性を良くする効果がある。また、ラバースプリング213のクリープ対策にも効果がある。
【0056】
更に、本発明の第5実施形態を図面と共に説明する。第5実施形態に係る情報装置も、第1実施形態に係る情報装置1とほぼ同様の構成であり、開閉検出スイッチの部分の構成のみが異なるので、開閉検出スイッチ317について図13に基づいて説明する。図13は、第5実施形態でキースイッチと開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオン状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。
【0057】
先ず、キースイッチ305、開閉検出スイッチ317の構成について図13(A)、(B)に基づいて説明する。図13(A)に示すように、キースイッチ305は、複数の固定接点315が設けられた回路基板311に、回路基板311の固定接点315の位置に対向する可動接点314が設けられたシリコンゴム等からなるラバースプリング313を載置した構成のスイッチング部316を有し、更に、ラバースプリング313に頭部318が設けられた構成になっている。基本的に頭部318は、操作パネルカバー307に設けられたガイド孔319から操作パネルカバー307の表面よりも上方に突出している。また、その頭部318の最上面には、文字、記号等が記載、或いは表示されているものもある。同様に回路基板311の他の固定接点315に対向して可動接点314と頭部318が設けられている他のラバースプリング313が載置され、複数のキースイッチ305が形成されている。そして、ラバースプリング313は、他のラバースプリング313と連続してラバースプリングシート310を形成している。
開閉検出スイッチ317は、回路基板311とラバースプリングシート310の空いているスペースに、回路基板311とラバースプリングシート310を製作するときに開閉検出スイッチ317用として同時に製作される。同時に製作するのでコストアップは無いという利点がある。開閉検出スイッチ317の構成は、回路基板311の貫通孔330の周囲にリング形状に固定接点315が設けられ、この固定接点315に対向する位置にリング形状の可動接点314が設けられたシリコンゴム等からなるラバースプリング313を載置した構成のスイッチング部316を有し、更に、ラバースプリング313には頭部318より短い頭部327が設けられている。従って、頭部327は、操作パネルカバー307の表面には現出しない。また、実装状態で可動接点314に付勢力を付与する為に、開閉検出スイッチ317の可動接点314は、部品状態ではラバースプリングシート310の下面よりも下方に突出している。そこで、第1カバー体303が図示しない第2カバー体に対して開いているときは、回路基板311のリング形状の固定接点315に対して、リング形状の可動接点314がその付勢力によって当接されている。このため、可動接点314が固定接点315と接触するので、第1カバー体303が図示しない第2カバー体に対して開放位置にあることが検出され得る。そして、第1カバー体303が図示しない第2カバー体に対して閉じているときは、図13(B)に示すように、第2カバー体の上面の第2カバー339に設けられた突起部340の先端部341でラバースプリング313のほぼ中心を持ち上げているので、回路基板311の固定接点315とラバースプリング313の可動接点314は離間している。このため、第1カバー体303が図示しない第2カバー体に対して閉塞位置にあることが検出され得る。
【0058】
続いて、キースイッチ305、開閉検出スイッチ317の動作を図13に基づいてより詳細に説明する。キースイッチ305の動作は、図13(A)、(B)に示すように、頭部318が使用者により押下されていなければ、回路基板311に設けられた固定接点315とラバースプリング313に設けられた可動接点314とは離間しているのでオフ状態になっている。頭部318が使用者により押下されると、固定接点315と可動接点314とが当接してオン状態になる。このとき、キースイッチ305に割り当てられた機能でデータが入力される。次に、開閉検出スイッチ317の動作を説明する。第1カバー体303が図示しない第2カバー体に対して閉じられたとき、開閉検出スイッチ317の状態は、図13(B)に示す状態になっている。即ち、図示しない第2カバー体の第2カバー339に設けられている突起部340の先端部341が、回路基板311の貫通孔330と第1カバー312の貫通孔332を貫通して、ラバースプリング313の中心を持ち上げているので、回路基板311の固定接点315とラバースプリング313の可動接点314は離間している。これによって、開閉検出スイッチ317はオフ状態になっている。このオフ状態を図示しない制御部は、第1カバー体303が閉じている状態であると判断する。また、第1カバー体303が図示しない第2カバー体に対して開かれたとき、開閉検出スイッチ317の状態は、図13(A)に示す状態になっている。即ち、ラバースプリング313の構造によって、回路基板311のリング形状の固定接点315にリング形状の可動接点314が付勢されて当接される。これによって、開閉検出スイッチ317はオン状態になっている。このオン状態を図示しない制御部は、第1カバー体303が開いている状態であると判断し使用者に対して開放状態である旨の報知を含む危険防止の措置を取る。
【0059】
以上詳細に説明した通り、第5実施形態に係る情報装置301では、開閉検出スイッチ317において、固定接点315と可動接点314は、ラバースプリング313の中心に対してリング状に配置されて常に接触状態にあり、回路基板311及び第1カバー312には、ラバースプリング313の中心に対応する位置に貫通孔330、332が穿設され、第1カバー体303の下方に配設された第2カバー339に設けられた突起部340の先端部341が、第1カバー体303を閉じたときに、貫通孔330、332を貫通してラバースプリング313の中心を押し上げることにより固定接点315と可動接点314が離間されるようにしたので、ラバースプリング313に常に押加圧力を印加する弾性部材も無く、更に、中間に可動部材が介在しない構造になったので製造コスト低減に効果がある。また、部品点数を減らすことによって信頼性をあげることができるという効果もある。
【0060】
更に、本発明の第6実施形態を図面と共に説明する。先ず、第6実施形態に係る情報装置301Aの概略構成について図14に基づいて説明する。図14は、第6実施形態で開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオン状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。ここで、第6実施形態は第5実施形態とほぼ同一であるので、図中で使用されている符号は、第5実施形態と同一機能のものは同じ符号を使用し、その説明を省略して異なる構成部位のみを説明する。構成の異なる部位としては、第5実施形態に係る情報装置の開閉検出スイッチ317において、ラバースプリング313の頭部327と操作パネルカバー307の間に配置されたスプリング308(弾性部材に相当)である。このスプリング308の存在により、ラバースプリング313の頭部327に押加圧力が常に付与されるため、回路基板311のリング形状の固定接点315にリング形状の可動接点314が安定して当接される。
【0061】
以上説明した通り、第6実施形態に係る情報装置301Aでは、ラバースプリング313の頭部327に常に押加圧力を付与するスプリング308を設けたので、第1カバー体303が図示しない第2カバー体に対して開けられたとき、開閉検出スイッチ317(開閉検出手段に相当)のオン状態がより確実に保持されるという効果があり、信頼性が向上するという効果がある。また、ラバースプリング313のクリープ対策にもなる、
【0062】
更に、本発明の第7実施形態を図面と共に説明する。第7実施形態に係る情報装置では、他の方法で実現した開閉検出スイッチ417(開閉検出手段に相当)について図15に基づいて説明する。図15は、第7実施形態で開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じて開閉検出スイッチがオン状態にあることを示す図である。
【0063】
先ず、開閉検出スイッチ417の構成について図15(A)、(B)に基づいて説明する。開閉検出スイッチ417の構成は、複数の固定接点415が設けられた回路基板411の一つの固定接点415と、ラバースプリングシート410の一つのラバースプリング413の中に可動接点414を設けた導電性金属バネ450(変形解除部材に相当)とを備えて構成されるスイッチング部416に頭部427を備えた構成になっている。また、操作パネルカバー407に設けられた回動係止部429の係止孔448に、一端にラバースプリング押下端424(押下部に相当)、他端に作用端426(他端部に相当)を備えるアクチュエータ409の両端の略中央に設けられた回動係止ピン449によってアクチュエータ409が回動可能に係止されている。そこで、図15(A)に示すように、第1カバー体403が図示しない第2カバー体に対して開いているときは、作用端426を押し上げる力が存在しないのでラバースプリング413は復帰し、固定接点415と可動接点414は離間することとなる。そして、第1カバー体403が図示しない第2カバー体に対して閉じているときは、図15(B)に示すように、第2カバー体の第2カバー439に設けられた突起部440の先端部441でアクチュエータ409の作用端426を押し上げることにより、ラバースプリング押下端424がラバースプリング413を押下して固定接点415と可動接点414を当接させることとなる。
【0064】
続いて、開閉検出スイッチ417の動作を図15に基づいてより詳細に説明する。第1カバー体403を閉じたとき、開閉検出スイッチ417の状態は、図15(B)に示す状態になっている。即ち、第1カバー412の貫通孔432、回路基板411の貫通孔430、ラバースプリングシート410の貫通孔428を第2カバー439に設けられた突起部440の先端部441が貫通してアクチュエータ409の作用端426を押し上げることにより、ラバースプリング押下端424がラバースプリング413を押下して固定接点415と可動接点414を当接させているので、開閉検出スイッチ417はオン状態になっている。このオン状態を図示しない制御部は、第1カバー体403が閉じている状態であると判断する。また、第1カバー体403を開いたとき、開閉検出スイッチ417の状態は、図15(A)に示す状態になっている。即ち、作用端426を押し上げる力が存在しないのでラバースプリング413は復帰し、固定接点415と可動接点414は離間しているので、開閉検出スイッチ417はオフ状態になっている。このオフ状態を図示しない制御部は、第1カバー体403が開いている状態であると判断し使用者に対して開放状態である旨の報知を含む危険防止の措置を取る。また、ラバースプリング413は常に押下されている時間が長いが導電性金属バネ450を取り付けているので、ラバースプリング押下端424による押下を解除したときでもラバースプリング413は直に復帰し機能上の問題はない。更に、ラバースプリング413は接点部の塵除けにもなっている。
【0065】
以上詳細に説明した通り、第7実施形態に係る情報装置401では、開閉検出スイッチ417において、ラバースプリング413の下方に配置され固定接点415を覆う導電性金属バネ450の可動接点414と、ラバースプリング413を押下するアクチュエータ409を備え、アクチュエータ409は、略中央部で第1カバー体403に設けられた回動係止部429に回動可能に係止され、第1カバー体403を閉じたときに、アクチュエータ409の一端の作用端426を第1カバー体403の下方に配設された第2カバー439に設けられた突起部440の先端部441が当接して押上げ、他端のラバースプリング押下端424でラバースプリング413の頭部427を押下げることにより、固定接点415と可動接点414が当接されるようにしたので、装置の都合で第1カバー体403が閉じているときにオン状態にしなければならない場合に効果がある。また、ラバースプリング413は常に押下されている時間が長いが導電性金属バネ450を取り付けているので、スイッチのオン・オフの追従性を良くする効果がある。また、ラバースプリングのクリープ対策にも効果がある。
【0066】
更に、本発明の第8実施形態を図面と共に説明する。第8実施形態に係る情報装置では、他の方法で実現した開閉検出スイッチ517(開閉検出手段に相当)について図16に基づいて説明する。図16は、第8実施形態で開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じられる途中で開閉検出スイッチが短時間だけオン状態とされることを示す図、(C)は、第1カバー体が完全に閉じて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。
【0067】
先ず、開閉検出スイッチ517の構成について図16(A)、(B)、(C)に基づいて説明する。開閉検出スイッチ517の構成は、複数の固定接点が設けられた回路基板511の一つの固定接点515とラバースプリングシート510の中の可動接点514を備える一つのラバースプリング513とで構成されるスイッチング部516に頭部527を備えた構成になっている。また、操作パネルカバー507に設けられた回動係止部529の係止孔548に、一端にラバースプリング押下端524(押下部に相当)、他端に作用端526(他端部に相当)を備えるアクチュエータ509の両端の略中央に設けられた回動係止ピン549によってアクチュエータ509が回動可能に係止されている。そこで、図16(A)に示すように、第1カバー体503が図示しない第2カバー体に対して開いているときは、アクチュエータ509の作用端526を押し上げる力が存在しないのでラバースプリング513は復帰し、固定接点515と可動接点514は離間している。そして、第1カバー体503が図示しない第2カバー体に対して完全に閉じる前には、即ち、第1カバー体503が第2カバー体に対して閉じられる途中では、図16(B)に示すように、第2カバー539に設けられた略L字形状をなす突起部540の楕円形状の先端541でアクチュエータ509の作用端526を押し上げることにより、ラバースプリング押下端524がラバースプリング513を押下して固定接点515と可動接点514を短時間だけ当接させる。更に、第1カバー体503が図示しない第2カバー体に対して完全に閉じられたときには、図16(C)に示すように、突起部540又は作用端526の弾性により、第2カバー539に設けられた略L字形状をなす突起部540の楕円形状の先端541からアクチュエータ509の作用端526が外れ、ラバースプリング513が復帰して固定接点515と可動接点514が離間する構成になっている。
【0068】
続いて、開閉検出スイッチ517の動作を図16に基づいてより詳細に説明する。先ず、図16(A)に示すように、第1カバー体503が図示しない次第2カバー体に対して開いているときは、アクチュエータ509の作用端526を押し上げる力が存在しないのでラバースプリング513は復帰し、回路基板511の固定接点515とラバースプリング513の可動接点514は離間している。そして、第1カバー体503を第2カバー体に対して閉じ始めて第1カバー体503が完全に閉じる前には、図16(B)に示すように、第2カバー539に設けられた略L字状の突起部540の楕円形状の先端541でアクチュエータ509の作用端526を押し上げることにより、ラバースプリング押下端524がラバースプリング513を押下して固定接点515と可動接点514を短時間だけ当接させる。このとき、開閉検出スイッチ517はオン状態になる。そして、このオン状態をトリガにして図示しない制御部は第1カバー体503が閉じている状態であると判断する。更に、第1カバー体503を図示しない第2カバー体に対して完全に閉じたときには、図16(C)に示すように、突起部540又は作用端526の弾性により、第2カバー539に設けられた略L字状の突起部540の楕円形状の先端541からアクチュエータ509の作用端526が外れ、ラバースプリング513が復帰して固定接点515と可動接点514が離間する。この為、ラバースプリング513を押下したままにする状態を避けることができる。また、図16(A)の状態に戻すときは、アクチュエータ509の作用端526が第2カバー539に設けられた略L字形状をなす突起部540の楕円形状の先端541で掬われるが、突起部540又は作用端526の弾性により、アクチュエータ509の作用端526が外れて図16(A)の状態にもどる。上述の動作をスムースに行う為に、アクチュエータ509が回転しないようにストッパーピン551(規制部材に相当)が設けられている。
【0069】
以上詳細に説明した通り、第8実施形態に係る情報装置501では、開閉検出スイッチ517であって、ラバースプリング513を押下するアクチュエータ509を備え、アクチュエータ509は、略中央部で第1カバー体503に設けられた回動係止部529(支持部に相当)に回動可能に係止され、第1カバー体503を閉じる途中において、アクチュエータ509の一端の作用端526を第1カバー体503の下方に配設された第2カバー539に設けられた突起部540の先端541(係合部に相当)が当接して押上げ、他端に設けられたラバースプリング押下端524でラバースプリング513を押下げることにより、固定接点515と可動接点514が当接され、第1カバー体503を閉じる最終段階において、アクチュエータ509の一端の作用端526が突起部540の先端541からアクチュエータ509又は突起部540の弾性力によって外れるようにしたことにより、ラバースプリング513が復帰して、固定接点515と可動接点514の当接が開放されるようにしたので、第1カバー体503が閉じているときに、ラバースプリング513の復帰力のみで復帰することができるので、クリープの問題を考慮する必要が無いという効果がある。
【0070】
更に、本発明の第9実施形態を図面と共に説明する。第9実施形態に係る情報装置では、他の方法で実現した開閉検出スイッチ617(開閉検出手段に相当)について図17、図18に基づいて説明する。図17は、第9実施形態で二つの開閉検出スイッチが装着された操作パネルを閉じるときの動きを説明する断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて二つの開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じながら左側開閉検出スイッチがオフ状態、右側開閉検出スイッチがオン状態にあることを示す図、(C)は、第1カバー体が完全に閉じて二つの開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。図18は、第9実施形態で二つの開閉検出スイッチが装着された操作パネルを開くときの動きを説明する断面図である。(A)は、第1カバー体が完全に閉じて二つの開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が開きながら左側開閉検出スイッチがオン状態、右側開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図、(C)は、第1カバー体が完全に開いて二つの開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。
【0071】
先ず、開閉検出スイッチ617の構成について図17(A)、(B)、(C)、図18(A)、(B)、(C)に基づいて説明する。開閉検出スイッチ617の構成は、複数の固定接点が設けられた回路基板611の一つの固定接点615とラバースプリングシート610の中の可動接点614を備える一つのラバースプリング613とで構成されるスイッチング部616に頭部627を備えた構成になっている。そして、第9実施形態では、この開閉検出スイッチ617を2個使用している。また、操作パネルカバー607に設けられた回動係止部629の係止孔648に、一端に右側ラバースプリング押下端624(第1押下部に相当)、他端に作用端626(他端部に相当)と作用端626の右側に左側ラバースプリング押下端652を備えるアクチュエータ609の両端の間に設けられた回動係止ピン649によって、アクチュエータ609が回動可能に係止されている。そこで、図17(A)に示すように、第1カバー体603が図示しない第2カバー体に対して開いているときは、作用端626を押し上げる力が存在しないので二つのラバースプリング613は復帰しており、それぞれの固定接点615と可動接点614は離間している。そして、第1カバー体603が第2カバー体に対して完全に閉じられる前には、図17(B)に示すように、第2カバー639に設けられた略L字形状をなす突起部640の楕円形状の先端641でアクチュエータ609の作用端626を押し上げることにより、右側ラバースプリング押下端624が右側のラバースプリング613を押下して固定接点615と可動接点614を当接させている。更に、第1カバー体603が図示しない第2カバー体に対して完全に閉じられたときには、図17(C)に示すように、突起部640又は作用端626の弾性により、第2カバー639に設けられた略L字形状をなす突起部640の楕円形状の先端641からアクチュエータ609の作用端626が外れ、右側のラバースプリング613が復帰して固定接点615と可動接点614が離間する構成になっている。また、図18(A)に示すように、第1カバー体603が完全に閉じているときは、作用端626を押し上げる力が存在しないので二つのラバースプリング613は復帰しており、それぞれの固定接点615と可動接点614は離間している。そして、第1カバー体603が開かれた直後には、図18(B)に示すように、アクチュエータ609の作用端626が第2カバー639に設けられた略L字形状をなす突起部640の楕円形状の先端641で掬われて、左側ラバースプリング押下端652が左側のラバースプリング613を押下して固定接点615と可動接点614を当接させている。更に、第1カバー体603を完全に開いたときには、図18(C)に示すように、突起部640又は作用端626の弾性により、第2カバー639に設けられた略L字形状をなす突起部640の楕円形状の先端641からアクチュエータ609の作用端626が外れ、左側のラバースプリング613が復帰して固定接点615と可動接点614が離間する構成になっている。
【0072】
続いて、開閉検出スイッチ617の動作を図17、図18に基づいてより詳細に説明する。先ず、図17(A)に示すように、第1カバー体603が図示しない第2カバー体に対して開いているときは、アクチュエータ609の作用端626を押し上げる力が存在しないので二つのラバースプリング613は復帰しており、それぞれ回路基板611の固定接点615とラバースプリング613の可動接点614は離間している。そして、第1カバー体603が第2カバー体に対して完全に閉じる前には、図17(B)に示すように、第2カバー639に設けられた略L字形状をなす突起部640の楕円形状の先端641でアクチュエータ609の作用端626を押し上げることにより、右側ラバースプリング押下端624が右側のラバースプリング613を押下して固定接点615と可動接点614を当接させている。このとき、右側開閉検出スイッチ617はオン状態になる。そして、このオン状態をトリガにして図示しない制御部は第1カバー体603が閉じている状態であると判断する。更に、第1カバー体603を完全に閉じたときには、図17(C)に示すように、突起部640又は作用端626の弾性により、第2カバー639に設けられた略L字形状をなす突起部640の楕円形状の先端641からアクチュエータ609の作用端626が外れ、右側のラバースプリング613が復帰して固定接点615と可動接点614が離間する。このため、右側ラバースプリング513が押下されたままの状態が継続されることを避けることができる。また、図18(A)に示すように、第1カバー体603が図示しない第2カバー体に対して完全に閉じられているときは、作用端626を押し上げる力が存在しないので二つのラバースプリング613は復帰しており、それぞれの固定接点615と可動接点614は離間している。そして、第1カバー体603が開かれた直後には、図18(B)に示すように、アクチュエータ609の作用端626が第2カバー639に設けられた略L字形状をなす突起部640の楕円形状の先端641で掬われて、左側ラバースプリング押下端652が左側のラバースプリング613を押下して固定接点615と可動接点614を当接させる。このとき、左側開閉検出スイッチ617はオン状態になる。そして、このオン状態をトリガにして図示しない制御部は第1カバー体603が開いている状態であると判断する。更に、第1カバー体603が第2カバー体に対して完全に開かれたときには、図18(C)に示すように、突起部640又は作用端626の弾性により、第2カバー639に設けられた略L字形状をなす突起部640の楕円形状の先端641からアクチュエータ609の作用端626が外れ、左側のラバースプリング613が復帰して固定接点615と可動接点614が離間する。このため、左側ラバースプリング513が押下されたままの状態が継続されることを避けることができる。このように左右の開閉検出スイッチ617を使用することによって、開閉のトリガ信号を取り出すことができる。
【0073】
以上詳細に説明した通り、第9実施形態に係る情報装置では、開閉検出スイッチ617であって、左右のラバースプリング613の二つをそれぞれ交互に押下するアクチュエータ609を備え、アクチュエータ609は、第1カバー体603に設けられた回動係止部629(支持部に相当)に回動可能に係止され、第1カバー体603を閉じる途中において、アクチュエータ609の一端の作用端626を第1カバー体603の下方に配設された第2カバー639に設けられた突起部640の先端641(係合部に相当)が当接して押上げ、他端に設けられた右側ラバースプリング押下部材624で右側のラバースプリング613の頭部627を押下げることにより、右側のラバースプリング613の固定接点615と可動接点614が当接され、更に、第1カバー体603を閉じる最終段階において、アクチュエータ609の作用端626が突起部640の先端641からアクチュエータ609又は突起部640の弾性力によって外れるようにしたことにより、右側のラバースプリングが復帰して右側のラバースプリング613の固定接点615と可動接点614の当接が開放されるとともに、第1カバー体603を開く途中において、アクチュエータ609の作用端626を突起部640の先端641に当接することによって、作用端626側に設けられた左側ラバースプリング押下端652(第2押下部に相当)が左側のラバースプリング613を押下げることにより、左側のラバースプリング613の固定接点615と可動接点614が当接され、更に、第1カバー体603を開く最終段階では、アクチュエータ609の作用端626が突起部640の先端641からアクチュエータ609又は突起部640の弾性力によって外れるようにしたことにより、左側のラバースプリング613が復帰して、左側のラバースプリング613の固定接点615と可動接点614の当接が開放されているようにしたので、第1カバー体603が閉じているときでも開いているときでもラバースプリングの復帰力のみで復帰させるようにしたことによって、クリープフリーとなりクリープの問題を考慮する必要が無いという効果がある。また、第1カバー体603を閉じるときでも開くときでもその動作のトリガ信号を出力できるという効果もある。
【0074】
尚、本発明は前記第1実施形態乃至第9実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、図1、図2において、第1カバー体3が水平に閉められず片側が浮いている状態を検出する為に、操作パネル4の両端に開閉検出スイッチ17を配置(図示せず)してこの障害を検出するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】第1実施形態で本発明が適用された情報装置の外観を表す正面図である。
【図2】第1実施形態で本発明が適用された情報装置の第1カバー体が横開きにされた外観を表す正面図である。
【図3】第1実施形態で第1カバー体に備えられた操作パネルを構成する構成部材の分解図である。
【図4】第1実施形態でキースイッチと開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオン状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。
【図5】第1実施形態で操作パネルの組立て順序を示す図である。
【図6】第2実施形態で本発明が適用された情報装置の外観を表す斜視図である。
【図7】第2実施形態で本発明が適用された情報装置の第1カバー体が前開きにされた外観を表す斜視図である。
【図8】第2実施形態で第1カバー体に備えられた操作パネルを構成する構成部材の分解図である。
【図9】第2実施形態でキースイッチと開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオン状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。
【図10】第2実施形態で操作パネルの組立て順序を示す図である。
【図11】第3実施形態で開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオン状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。
【図12】第4実施形態で開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオン状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。
【図13】第5実施形態でキースイッチと開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオン状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。
【図14】第6実施形態で開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオン状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。
【図15】第7実施形態で開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じて開閉検出スイッチがオン状態にあることを示す図である。
【図16】第8実施形態で開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じながら開閉検出スイッチをオン状態にあることを示す図、(C)は、第1カバー体が完全に閉じて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。
【図17】第9実施形態で二つの開閉検出スイッチが装着された操作パネルを閉じるときの動きを示す断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて二つの開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じながら左側開閉検出スイッチがオフ状態、右側開閉検出スイッチがオン状態にあることを示す図、(C)は、第1カバー体が完全に閉じて二つの開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。
【図18】第9実施形態で二つの開閉検出スイッチが装着された操作パネルを開くときの動きを示す断面図である。(A)は、第1カバー体が完全に閉じて二つの開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が開きながら左側開閉検出スイッチがオン状態、右側開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図、(C)は、第1カバー体が完全に開いて二つの開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。
【符号の説明】
【0076】
1.情報装置
2.第2カバー体
3.第1カバー体
4.操作パネル
5.キースイッチ
7.操作パネルカバー
8.スプリング
9.アクチュエータ
11.回路基板
12.第1カバー
13.ラバースプリング
14.可動接点
15.固定接点
17.開閉検出スイッチ
20.係止部
21.ボス
22.フック
23.ボス
24.基部
25.延出部
26.先端部
27.頭部
28〜33.貫通孔
39.第2カバー
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置筺体に対して開閉可能に配設されたカバー体と、該カバー体の開閉状態を検出する開閉検出手段とを備えた情報装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ファクシミリ装置、コピー機、プリンタ等の情報装置では、装置筺体に対して開閉可能に配設されたカバー体の開閉状態を検出するために、マイクロスイッチ等の個別部品による開閉検出手段を設けることが考えられている。
例えば、特許文献1には、装置筺体に貫通孔を穿設すると共にカバー体に突起部を設け、カバー体が閉じられたときには突起部が貫通孔を貫通して、その奥に配設されたマイクロスイッチを押下する装置が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、カバー体の開閉状態を検出するスイッチとして内部にホールICが組み込まれた無接点スイッチが使用され、ホールICをカバー体の開閉に従ってオン・オフするための磁石がカバー体のホールICに対応する位置に埋め込まれている装置が開示されている。
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第2536761号公報
【0005】
【特許文献2】特開平1−278384号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1、2の装置に使用されるカバー体の開閉状態を検出するスイッチにおいては、高価なホールICやフォトセンサ等の単体の部品を使用するのでそのまま部品費、組立費のコストアップの要因になるという問題がある。
また、スイッチを取り付けるためのスペースを確保しなければならないという問題があり、更には、その位置は確実にスイッチのオン・オフ動作がなされる場所でなければならない。
更に、スイッチとして単体の部品を取り付けるために、スイッチ取り付け位置までの専用ハーネスが必要となるが、専用ハーネスは、カバー体の中を引き回されるのでノイズ対策も重要な問題となる。その結果、専用ハーネスの必要性とノイズ対策のために製造コストが上昇してしまうという問題もある。
更に、スイッチとして単体の部品を取り付けるのでスイッチを作動させる操作側との位置決めを極めて正確に行う必要があり、微調整のために作業費がアップする要因になるという問題がある。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、装置筐体に対して開閉可能に配設されたカバー体を備える情報装置であって、カバー体内に設けられているキースイッチ(データや使用者の指示を入力するための入力手段)をカバー体の開閉状態を検出する開閉検出手段として使用することにより、製造コストを低減するとともにカバー体の開閉検出の信頼性を向上させた情報装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために請求項1に係る情報装置は、データを入力可能な入力手段を備えるとともに第2カバー体に対して開閉可能に配設される第1カバー体と、第2カバー体に対する第1カバー体の開閉状態を検出する開閉検出手段とを備えた情報装置であって、前記入力手段は、固定接点の配置された回路基板と、前記固定接点と接離可能な可動接点を有し圧力によって弾性変形可能なラバースプリングと、からなるスイッチング部を備えた複数の連続したキースイッチから構成されており、前記開閉検出手段は、少なくとも一つの前記キースイッチから構成されていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に係る情報装置は、請求項1に記載の情報装置において、前記開閉検出手段を構成するキースイッチには、常に前記ラバースプリングに圧力を付与する付勢部材と、当該付勢部材が前記ラバースプリングに付与する圧力を解除する解除部材とが設けられており、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じたとき、前記解除部材は前記付勢部材が前記ラバースプリングに付与する圧力を解除することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に係る情報装置は、請求項2に記載の情報装置において、前記解除部材は、前記ラバースプリングと前記付勢部材との間に配置されて前記ラバースプリングを押圧可能な基部と、該基部から延出され、前記回路基板と前記第1カバー体とに穿設された貫通孔を貫通する延出部とからなり、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じたとき、前記延出部の先端部が前記第2カバー体と当接し前記基部が前記付勢部材の圧力に抗して前記ラバースプリングから離間することで前記ラバースプリングに対する圧力を解除することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に係る情報装置は、請求項2に記載の情報装置において、前記解除部材は、一端部が前記第1カバー体内に回動可能に係止されるとともに他端部が前記ラバースプリングに圧力を付与可能な押下部を構成し、両端部間に突出部を備えるアクチュエータからなり、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じたとき、前記突出部の先端部が前記第2カバー体と当接し前記押下部が前記付勢部材の圧力に抗して前記ラバースプリングから離間することで前記ラバースプリングに対する圧力を解除することを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に係る情報装置は、請求項1に記載の情報装置において、前記開閉検出手段は、一つのキースイッチと、一端部が前記第1カバー体内に固定されるとともに略中央部が前記キースイッチのラバースプリングに常に圧力を付与する押下部を構成する片持ち形状の弾性部材と、前記第2カバー体に設けられている突起部とからなり、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じたとき、前記突起部の先端部が前記弾性部材の他端部と当接し前記押下部が前記ラバースプリングから離間することで前記ラバースプリングに対する圧力を解除することを特徴とする。
【0013】
また、請求項6に係る情報装置は、請求項1に記載の情報装置において、前記開閉検出手段は、一つのキースイッチと、略中央部が前記第1カバー体内で回動可能に支持され、一端部が前記キースイッチのラバースプリングに圧力を付与可能な押下部を構成するアクチュエータと、前記第2カバー体に設けられている突起部とからなり、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じたとき、前記突起部の先端部が前記アクチュエータの他端部と当接し前記押下部が前記ラバースプリングを押下することで前記可動接点が前記固定接点と当接することを特徴とする。
【0014】
また、請求項7に係る情報装置は、請求項1に記載の情報装置において、前記開閉検出手段は、一つのキースイッチと、略中央部が前記第1カバー体内に設けられている支持部に回動可能に支持され、一端部が前記キースイッチのラバースプリングに圧力を付与可能な押下部を構成するアクチュエータと、前記第2カバー体に設けられ、その先端に前記アクチュエータの他端部と弾性的に係脱可能な係合部を備えた突起部とからなり、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じる途中で、前記突起部の係合部が前記アクチュエータの他端部と係合することで前記押下部が前記ラバースプリングを押圧するとともに、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して完全に閉じたとき、前記係合部が前記アクチュエータの他端部から弾性的に離脱することで前記押下部が前記ラバースプリングから離間することにより、前記可動接点が前記固定接点と短時間だけ当接することを特徴とする。
【0015】
また、請求項8に係る情報装置は、請求項7に記載の情報装置において、前記支持部には、前記アクチュエータの回動を規制することで、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して開くとき、前記係合部が前記アクチュエータの他端部に当接した後に弾性的に離脱する動作を補助する規制部材が配設されていることを特徴とする。
【0016】
また、請求項9に係る情報装置は、請求項1に記載の情報装置において、前記開閉検出手段は、二つのキースイッチと、前記第1カバー体内で前記二つのキースイッチ間に設けられている支持部に略中央部が回動可能に支持され、一端部側に一方のキースイッチのラバースプリングに圧力を付与可能な第1押下部を備えるとともに、他端部側に他方のキースイッチのラバースプリングに圧力を付与可能な第2押下部を備えるアクチュエータと、前記第2カバー体に設けられ、その先端に前記アクチュエータの他端部と弾性的に係脱可能な係合部を備えた突起部とからなり、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じる途中で、前記突起部の係合部が前記アクチュエータの他端部と係合することで前記第1押下部が一方のキースイッチのラバースプリングを押圧するとともに、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して完全に閉じたとき、前記係合部が前記アクチュエータの他端部から弾性的に離脱することで前記第1押下部が一方のキースイッチのラバースプリングの押圧を解除することにより、前記可動接点が前記固定接点と短時間だけ当接するとともに、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して開く途中で、前記突起部の係合部が前記アクチュエータの他端部と係合することで前記第2押下部が他方のキースイッチのラバースプリングを押圧するとともに、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して完全に開いたとき、前記係合部が前記アクチュエータの他端部から弾性的に離脱することで前記第2押下部が他方のキースイッチのラバースプリングの押圧を解除することにより、前記可動接点が前記固定接点と短時間だけ当接することを特徴とする。
【0017】
また、請求項10に係る情報装置は、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の情報装置において、前記開閉検出手段を構成するキースイッチのラバースプリング内には、前記ラバースプリングの弾性変形を解除するように付勢する変形解除部材が設けられていることを特徴とする。
【0018】
また、請求項11に係る情報装置は、請求項10に記載の情報装置において、前記変形解除部材は、導電性弾性部材からなる可動接点であることを特徴とする。
【0019】
また、請求項12に係る情報装置は、請求項1に記載の情報装置において、前記開閉検出手段として使用されるキースイッチは、共にリング状の固定接点と可動接点とが常に当接するようにラバースプリングの中心と同軸状に配置され、前記回路基板には固定接点の中心と同軸状の貫通孔が穿設され、前記第2カバー体には突起部が設けられており、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じたとき、前記突起部の先端部が前記貫通孔を介してラバースプリングの中心を押し上げることにより、前記可動接点が前記固定接点から離間することを特徴とする。
【0020】
また、請求項13に係る情報装置は、請求項12に記載の情報装置において、前記ラバースプリングの頭部には、前記固定接点と可動接点とが常に当接するよう付勢する弾性部材が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に係る情報装置では、入力手段は、固定接点の配置された回路基板と、固定接点と接離可能な可動接点を有し圧力によって弾性変形可能なラバースプリングと、からなるスイッチング部を備えた複数の連続したキースイッチから構成されており、開閉検出手段は、少なくとも一つのキースイッチから構成されているので、カバー体の開閉状態を検出する専用スイッチと、専用スイッチまでの専用ハーネスと、専用ハーネスのためのノイズ対策を無くすことができ、合わせてこれらを組み立てる組立費や位置決め等の微調整の作業費が削減できるので製造コストが低減できるという極めて大きな効果がある。また、回路基板の固定接点やラバースプリングはその機能のブロック毎にまとまっているので、開閉状態を検出するスイッチを設けるために、そのブロックとブロックの空いている部分にスイッチを追加する事が出来るので従来価格とほぼ同じ価格で購入できるという効果もある。
【0022】
また、請求項2に係る情報装置では、開閉検出手段を構成するキースイッチには、常にラバースプリングに圧力を付与する付勢部材と、付勢部材がラバースプリングに付与する圧力を解除する解除部材とが設けられており、第1カバー体を第2カバー体に対して閉じたとき、解除部材は付勢部材がラバースプリングに付与する圧力を解除するようにしたので、情報装置の使用上状態では、第1カバー体を第2カバー体に対して閉じた状態で使用されるが、閉じた状態で解除部材により、付勢部材がラバースプリングに付与する圧力を解除するため、ラバースプリングのクリープ対策に効果がある。
【0023】
また、請求項3に係る情報装置では、解除部材は、ラバースプリングと付勢部材との間に配置されてラバースプリングを押圧可能な基部と、基部から延出され、回路基板と第1カバー体とに穿設された貫通孔を貫通する延出部とからなり、第1カバー体を第2カバー体に対して閉じたとき、延出部の先端部が第2カバー体と当接し基部が付勢部材の圧力に抗してラバースプリングから離間することでラバースプリングに対する圧力を解除するようにしたことにより、情報装置の使用上状態では、第1カバー体を第2カバー体に対して閉じた状態で使用されるが、閉じた状態で解除部材により、付勢部材がラバースプリングに付与する圧力を解除するため、ラバースプリングのクリープ対策に効果がある。また、延出部の先端を第2カバー体が平面であれば何処でも受けられるので、微妙な位置調整をする必要が無いという効果と、開閉状態を検出するスイッチの配置決めは、入力手段の範囲内であればどこでもよいので設計的に余裕ができたという効果もある。更に、開閉状態を検出するスイッチ機能が完結しているので組立ても簡単になるという効果もある。
【0024】
また、請求項4に係る情報装置では、解除部材は、一端部が第1カバー体内に回動可能に係止されるとともに他端部がラバースプリングに圧力を付与可能な押下部を構成し、両端部間に突出部を備えるアクチュエータからなり、第1カバー体を第2カバー体に対して閉じたとき、突出部の先端部が第2カバー体と当接し押下部が付勢部材の圧力に抗してラバースプリングから離間することでラバースプリングに対する圧力を解除するようにしたので、情報装置の使用上状態では、第1カバー体を第2カバー体に対して閉じた状態で使用されるが、閉じた状態で解除部材により、付勢部材がラバースプリングに付与する圧力を解除するため、ラバースプリングのクリープ対策に効果がある。また、突出部を第2カバー体のどこでも受けることができるので、微妙な位置調整をする必要が無いという効果もある。更に、開閉状態を検出するスイッチ機能が完結しているので組立ても簡単になるという効果もある。そして、この形態は、開閉状態を検出するスイッチの配置が第1カバー体の端部に配置できるのでデータを入力する入力手段の下を記録媒体が通過する情報装置において記録媒体の通過を妨げないという効果もある。
【0025】
また、請求項5に係る情報装置では、開閉検出手段は、一つのキースイッチと、一端部が第1カバー体内に固定されるとともに略中央部がキースイッチのラバースプリングに常に圧力を付与する押下部を構成する片持ち形状の弾性部材と、第2カバー体に設けられている突起部とからなり、第1カバー体を第2カバー体に対して閉じたとき、突起部の先端部が弾性部材の他端部と当接し押下部がラバースプリングから離間することでラバースプリングに対する圧力を解除するようにしたので、情報装置の使用上状態では、第1カバー体を第2カバー体に対して閉じた状態で使用されるが、閉じた状態で解除部材により、弾性部材がラバースプリングに付与する圧力を解除するため、ラバースプリングのクリープ対策に効果がある。また、片持ち形状の弾性部材がアクチュエータを兼ねるので部品点数が削減できコストダウンの効果もある。更に、構造が簡単になるのでスペースに余裕ができ、薄型化の設計ができる効果もある。そして、部品点数が減ることによって信頼性をあげることができるという効果もある。
【0026】
また、請求項6に係る情報装置では、開閉検出手段は、一つのキースイッチと、略中央部が第1カバー体内で回動可能に支持され、一端部が前記キースイッチのラバースプリングに圧力を付与可能な押下部を構成するアクチュエータと、第2カバー体に設けられている突起部とからなり、第1カバー体を第2カバー体に対して閉じたとき、突起部の先端部がアクチュエータの他端部と当接し押下部がラバースプリングを押下することで可動接点が固定接点と当接するので、装置の都合で第1カバー体が閉じているときにオン状態にしなければならないときに効果がある。また、部品点数が最小で更に安価な樹脂成型で部品ができるのでコストダウンに対する効果もある。
【0027】
また、請求項7に係る情報装置では、開閉検出手段は、一つのキースイッチと、略中央部が第1カバー体内に設けられている支持部に回動可能に支持され、一端部がキースイッチのラバースプリングに圧力を付与可能な押下部を構成するアクチュエータと、第2カバー体に設けられ、その先端にアクチュエータの他端部と弾性的に係脱可能な係合部を備えた突起部とからなり、第1カバー体を第2カバー体に対して閉じる途中で、突起部の係合部がアクチュエータの他端部と係合することで押下部がラバースプリングを押圧するとともに、第1カバー体を第2カバー体に対して完全に閉じたとき、係合部がアクチュエータの他端部から弾性的に離脱することで押下部がラバースプリングから離間することにより、可動接点が固定接点と短時間だけ当接するので、第1カバー体が閉じはじめたことを報知するトリガ信号にできる効果がある。また、第1カバー体を完全に閉じるとラバースプリングの復帰力のみでラバースプリングが復帰するので、ラバースプリングのクリープ問題を考慮する必要が無いという効果がある。そして、部品点数が最小で更に安価な樹脂成型の部品を使用してクリープ対策と信頼性確保及びコストダウンができる効果もある。
【0028】
また、請求項8に係る情報装置では、支持部には、アクチュエータの回動を規制することで、第1カバー体を第2カバー体に対して開くとき、係合部がアクチュエータの他端部に当接した後に弾性的に離脱する動作を補助する規制部材が配設されているので、第1カバー体を開くとき、アクチュエータが回動してしまい、次に第1カバー体を閉じたときにアクチュエータが正常に動作しないという問題を防止できる効果がある。
【0029】
また、請求項9に係る情報装置では、開閉検出手段は、二つのキースイッチと、第1カバー体内で二つのキースイッチ間に設けられている支持部に略中央部が回動可能に支持され、一端部側に一方のキースイッチのラバースプリングに圧力を付与可能な第1押下部を備えるとともに、他端部側に他方のキースイッチのラバースプリングに圧力を付与可能な第2押下部を備えるアクチュエータと、第2カバー体に設けられ、その先端にアクチュエータの他端部と弾性的に係脱可能な係合部を備えた突起部とからなり、第1カバー体を第2カバー体に対して閉じる途中で、突起部の係合部がアクチュエータの他端部と係合することで第1押下部が一方のキースイッチのラバースプリングを押圧するとともに、第1カバー体を第2カバー体に対して完全に閉じたとき、係合部がアクチュエータの他端部から弾性的に離脱することで第1押下部が一方のキースイッチのラバースプリングの押圧を解除することにより、可動接点が固定接点と短時間だけ当接するとともに、第1カバー体を第2カバー体に対して開く途中で、突起部の係合部がアクチュエータの他端部と係合することで第2押下部が他方のキースイッチのラバースプリングを押圧するとともに、第1カバー体を第2カバー体に対して完全に開いたとき、係合部がアクチュエータの他端部から弾性的に離脱することで第2押下部が他方のキースイッチのラバースプリングの押圧を解除することにより、可動接点が固定接点と短時間だけ当接するようにしたことにより、第1カバー体が閉じているときでも開いているときでもラバースプリングの復帰力のみで復帰させることができるので、クリープフリーとなりクリープの問題を考慮する必要が無いという効果がある。また、第1カバー体を閉じるときでも開くときでもその動作のトリガ信号を出力できるという効果もある。
【0030】
また、請求項10に係る情報装置では、開閉検出手段を構成するキースイッチのラバースプリング内には、ラバースプリングの弾性変形を解除するように付勢する変形解除部材が設けられているので、ラバースプリングを必要以上に連続して押圧した場合に発生する変形を解除できる効果がある。また、スイッチのオン・オフの追従性を良くする効果もある。
【0031】
また、請求項11に係る情報装置では、変形解除部材は、導電性弾性部材からなる可動接点であるので、スイッチのオン・オフの追従性を良くする効果がある。
【0032】
また、請求項12に係る情報装置では、開閉検出手段として使用されるキースイッチは、共にリング状の固定接点と可動接点とが常に当接するようにラバースプリングの中心と同軸状に配置され、回路基板には固定接点の中心と同軸状の貫通孔が穿設され、第2カバー体には突起部が設けられており、第1カバー体を第2カバー体に対して閉じたとき、突起部の先端部が貫通孔を介してラバースプリングの中心を押し上げることにより、可動接点が固定接点から離間するようにしたので、ラバースプリングを常に押圧する弾性部材もなく、更に、中間に可動部材が介在しない構成になったので製造コスト低減に効果がある。また、部品点数を削減することによって信頼性を上げることができるという効果もある。
【0033】
また、請求項13に係る情報装置では、ラバースプリングの頭部には、固定接点と可動接点とが常に当接するよう付勢する弾性部材が設けられているので、第1カバー体を開けたとき、開閉状態を検出するスイッチのオン状態をより確実に保持できるという効果があり、信頼性が向上するという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の第1実施形態を図面と共に説明する。先ず、本第1実施形態に係る情報装置1の概略構成について図1乃至図5に基づき説明する。図1は、第1実施形態で本発明が適用された情報装置の外観を表す正面図である。図2は、第1実施形態で本発明が適用された情報装置の第1カバー体が横開きにされた外観を表す正面図である。図3は、第1実施形態で第1カバー体に備えられた操作パネルを構成する構成部材の分解図である。図4は、第1実施形態でキースイッチと開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオン状態であることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じて開閉検出スイッチがオフ状態であることを示す図である。図5は、第1実施形態で操作パネルの組立て順序を示す図である。
【0035】
先ず、情報装置1は、図1、図2に示すように、第1カバー体3と、装置筺体としての第2カバー体2とを各々の一端部を回動の中心として接合することで第1カバー体3を第2カバー体2に対して開閉可能に取り付けてなるクラムシェル(clam・shell)型の開閉構造を備えている。即ち、第1カバー体3は、第2カバー体2を覆うことで開放部2aを閉じる閉塞位置A(図1参照)と、第2カバー体2から離間して開放部2aを開放する開放位置B(図2参照)との間で、一端部を回動の中心として上下方向に沿って回動可能に構成されている。より具体的には、この情報装置1は、プリンタ機能、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能を備えた多機能装置(MFD:Multi Function Device)に本発明を適用したものである。第2カバー体2の上部には、コピー機能やファクシミリ機能を実行する際に使用する画像読取装置を内蔵した第1カバー体3が配置されている。また、第1カバー体3の画像読取装置の前方には、各種キースイッチ5(入力手段に相当)や液晶表示部(LCD)5等を備えた操作パネル4が設けられている。更に第1カバー体3には、後述する開閉検出スイッチ17(開閉検出手段に相当)も配設されている。第2カバー体2は、複数枚の記録用紙を積層収納可能な給紙カセットが着脱可能に構成されており、更に図示しない記録用紙の給紙/分離機構、搬送機構、インクジェット記録方式の記録機構、排紙機構等が収納されている。そして、この情報装置1は、図示しない外部のパーソナルコンピュータや外部のファクシミリ装置等の通信装置と通信回線を介して接続可能に構成されている。従って、外部のパーソナルコンピュータや通信装置或いは操作パネル4から何らかの記録指示が入力された場合には、給紙カセットに収納されている記録用紙が給紙/分離機構により1枚だけ分離され、搬送機構によって搬送され、記録機構により画像が記録され、排紙機構により排紙されるのである。そして、この構成により通常時は第1カバー体3を閉塞位置Aに位置させて第2カバー体2の開放部2aを閉塞した状態で情報装置1は使用される。しかし、記録用紙のジャムが第2カバー体2の内部で発生した場合やインクカートリッジの交換をする場合など、使用者が第2カバー体2の内部の作業をおこなう必要がある場合には、第1カバー体3を閉塞位置Aから開放位置Bまで回動して第2カバー体2の開放部2aを開放した状態で第2カバー体2の内部で作業をおこなうこととなる。
【0036】
次に、操作パネル4の構成について図3に基づいて説明する。(LCD6を除く) 図3に示すように、操作パネル4は、操作パネルカバー7と第1カバー12とによって、複数の固定接点15(図4参照)が設けられた回路基板11と、この回路基板11上に載置され、可動接点14と頭部18(図4参照)とをそれぞれ有する複数のラバースプリング13が一体的に連続して形成されているラバースプリングシート10とが挟持されて構成されている。また、回路基板11とラバースプリングシート10との組合せによって形成される複数のキースイッチ5(図4参照)のうちの1つを開閉検出スイッチ17として使用するために、アクチュエータ9(解除部材に相当)とスプリング8(付勢部材に相当)とが、操作パネルカバー7と第1カバー12とによって狭持されている。
【0037】
次に、キースイッチ5、開閉検出スイッチ17のより詳細な構成について図4(A)、(B)及び図5に基づいて説明する。但し、図5は操作パネル4の組立て順序を説明するための図なので、図4に対して天地が逆に記載してある。図4及び図5に示すように、キースイッチ5は、複数の固定接点15が設けられた回路基板11に、回路基板11の固定接点15の位置に対向する可動接点14が設けられたシリコンゴム等からなるラバースプリング13を載置した構成のスイッチング部16を有し、更に、ラバースプリング13に頭部18が設けられた構成になっている。基本的に頭部18は、操作パネルカバー7に設けられたガイド孔19から操作パネルカバー7の表面よりも上方に突出している。また、その頭部18の最上面には、文字、記号等が記載、或いは表示されているものもある。同様に回路基板11の他の固定接点15に対向して可動接点14と頭部18が設けられている他のラバースプリング13が載置され、複数のキースイッチ5を形成している。そして、上述したように、ラバースプリング13は、他のラバースプリング13と連続してラバースプリングシート10を形成している。
開閉検出スイッチ17は、上記のように構成されたキースイッチ5の頭部18より短い頭部27を備えるキースイッチ5が開閉検出スイッチ17として使用される。そして、開閉検出スイッチ17は、図3に示すように回路基板11とラバースプリングシート10が機能によってブロックごとになっているので、ブロックとブロックの間やブロックの空いているスペースに、回路基板11とラバースプリングシート10を製作するときに開閉検出スイッチ17用として同時に製作される。同時に製作するのでコストアップは無いという利点がある。
従って、開閉検出スイッチ17を構成する頭部27は、操作パネル7の表面には現出しない。そこで、図2に示すように第1カバー体3が第2カバー体2に対して開いているときは、図4(A)に示すように、操作パネルカバー7に設けられた係止部20にスプリング8を介して係止されたアクチュエータ9の基部24が、上記のように構成された開閉検出スイッチ17の頭部27に、スプリング8の付勢力によって当接してラバースプリング13を押下している。このため、可動接点14が固定接点15と接触するので、第1カバー体3が開放位置Bにあることが検出され得る。このとき、アクチュエータ9の基部24の両端部から延出された二つの延出部25のそれぞれの先端部26の一端が、ラバースプリングシート10に設けられた貫通孔28、回路基板11に設けられた貫通孔30、第1カバー12に設けられた貫通孔32を貫通して第1カバー12の下側に突出し、他端が、ラバースプリングシート10に設けられた貫通孔29、回路基板11に設けられた貫通孔31、第1カバー12に設けられた貫通孔33を貫通して第1カバー12の下側に突出している。更に、図1に示すように第1カバー体3が第2カバー体2に対して閉じているときは、図4(B)に示すように、第2カバー39の表面がアクチュエータ9の先端部26をスプリング8の付勢力に抗して持ち上げているので、基部24が開閉検出スイッチ17の頭部27から離間するため、ラバースプリング13は復帰する。このため、可動接点14は固定接点15から離間するので、第1カバー体3が第2カバー体2に対して閉塞位置Aにあることが検出され得るのである。
【0038】
ここで、キースイッチ5、開閉検出スイッチ17を含む操作パネル4を組み立てる順序を図5に基づいて説明する。図5において、先ず、操作パネルカバー7が、その裏側を上にした状態で静置される。次に、操作パネルカバー7に設けられた係止部20の内部に設けられたボス21に、スプリング8の一端が嵌合されて取り付けられる。次に、アクチュエータ9の基部24に設けられたボス23がスプリング8の他端に挿入された状態で、係止部20に設けられたフック22にアクチュエータ9が弾性的に係止されるまで、アクチュエータ9は操作パネルカバー7に向かって押し下げられる。アクチュエータ9が係止部20に係止されると、アクチュエータ9はスプリング8の付勢力によって図5の上方に向かって押圧されるため、アクチュエータ9はフック22に当接されるが、フック22に係止されるため、アクチュエータ9が係止部20から外れることはない。次に、アクチュエータ9の基部24の両端部から延出された二つの延出部25の各先端部26が、ラバースプリングシート10に設けられた貫通孔28、29を貫通するように、更に、ラバースプリングシート10に設けられたラバースプリング13の頭部18が操作パネルカバー7に設けられたガイド孔19に挿入されるように、ラバースプリングシート10は操作パネルカバー7から延出されたボス37、38上に載置される。図5ではガイド孔19は1つのみ、更にボス37、38は各々1つのみ記載されているが、実際にはより多くのガイド孔19やボス37、38が操作パネルカバー7に設けられていることは言うまでもない。このとき、ラバースプリングシート10に設けられた開閉検出スイッチ17用のラバースプリング13の頭部27は、スプリング8の付勢力によってアクチュエータ9の基部24が図5における上方向に位置しているため、基部24と当接している。次に、ラバースプリングシート10に設けられた貫通孔28、29から突出しているアクチュエータ9の二つの延出部25の各先端部26が回路基板11に設けられた貫通孔30、31に貫通するように回路基板11がラバースプリングシート10上に載置される。このとき、操作パネルカバー7から延出された図示しないフックによって回路基板11とラバースプリングシート10が操作パネルカバー7に固定される。次に、回路基板11に設けられた貫通孔30、31から突出しているアクチュエータ9の二つの延出部25の各先端部26が第1カバー12に設けられた貫通孔32、33に貫通するように、第1カバー12が回路基板11上に載置される。最後に、操作パネルカバー7から延出された図示しないボスに第1カバー12の裏面から図示しないネジでネジ締めすることによって、第1カバー12に操作パネルカバー7が固定される。このようにして組み立てられた第1カバー12に画像読取装置、その他関連部品が取り付けられて第1カバー体3が完成し、装置筺体としての第2カバー体2に対して第1カバー体3が開閉可能に取り付けられる。完成して、第2カバー体2に取り付けられた第1カバー体3は、図1、図2、図4に示すように、図5とは天地が逆の状態で配設されるので、第1カバー12の支えリブ34、35、36が回路基板11を支えることとなる。
【0039】
続いて、キースイッチ5、開閉検出スイッチ17の動作を図1、図2、図4に基づいて説明する。キースイッチ5の動作は、図4(A)、(B)に示すように、頭部18が使用者により押下されていなければ、回路基板11に設けられた固定接点15とラバースプリング13に設けられた可動接点14とは離間しているのでオフ状態になっている。頭部18が使用者により押下されると、固定接点15と可動接点14とが当接してオン状態になる。このとき、キースイッチ5に割り当てられた機能でデータが入力される。次に、開閉検出スイッチ17の動作を説明する。情報装置1の通常の使用時においては、図1に示すように、第1カバー体3が閉塞位置Aに位置して第2カバー体2の開放部2aを閉塞している。このとき、開閉検出スイッチ17の状態は、図4(B)に示す状態になっている。即ち、第2カバー39がアクチュエータ9の基部24の両端部から延出された二つの延出部25の各先端部26をスプリング8の付勢力に抗して持ち上げているので、アクチュエータ9の基部24とラバースプリング13の頭部27の間に隙間ができてラバースプリング13は自力で復帰している。これによって、回路基板11に設けられた固定接点15とラバースプリング13に設けられた可動接点14とが離間するので開閉検出スイッチ17はオフ状態になっている。このオフ状態を図示しない制御部は、第1カバー体3が閉じている状態であると判断する。また、情報装置1の内部で記録用紙のジャムが発生した場合やインクカートリッジの交換をする場合など、使用者が第2カバー体2の内部の作業をおこなう必要がある場合には、使用者は、図2に示すように、第1カバー体3を閉塞位置Aから開放位置Bまで回動して第2カバー体2の開放部2aを開放した状態で、第2カバー体2の内部で作業をおこなうことになる。このとき、開閉検出スイッチ17の状態は、図4(A)に示す状態になっている。即ち、アクチュエータ9の基部24の両端部から延出された二つの延出部25の各先端部26が第2カバー39から離間してフリーになっているので、スプリング8の付勢力によってラバースプリング13の頭部27をアクチュエータ9の基部24が押下している。これによって、回路基板11に設けられた固定接点15とラバースプリング13に設けられた可動接点14が当接するので開閉検出スイッチ17はオン状態になっている。このオン状態を図示しない制御部は、第1カバー体3が開いている状態であると判断し使用者に対して開放状態である旨の報知を含む危険防止の措置を取る。また、第1カバー体3が開放位置Bにある時間は、ジャムの発生した記録用紙の除去や、インクカートリッジの交換等の間だけであって、通常の使用時に閉塞位置Aにある時間に比して極めて短時間であるのでラバースプリング13で発生するクリープ現象は無いと考えてよい。
【0040】
以上詳細に説明した通り、第1実施形態に係る情報装置1では、入力手段は、固定接点15の配置された回路基板11と、固定接点15と接離可能な可動接点14を有し圧力によって弾性変形可能なラバースプリング13と、からなるスイッチング部16を備えた複数の連続したキースイッチ5から構成されており、開閉検出スイッチ17は、少なくとも一つのキースイッチ5から構成されているので、第1カバー体3の開閉状態を検出する専用スイッチと、専用スイッチまでの専用ハーネスと、専用ハーネスのためのノイズ対策を無くすことができ、合わせてこれらを組み立てる組立費や位置決め等の微調整の作業費が削減できるので製造コストが低減できるという極めて大きな効果がある。また、回路基板11の固定接点15やラバースプリング13はその機能のブロック毎にまとまっているので、開閉状態を検出する開閉検出スイッチ17を設けるために、そのブロックとブロックの空いている部分に開閉検出スイッチ17を追加する事が出来るので従来価格とほぼ同じ価格で購入できるという効果もある。また、使用状態で開閉検出スイッチ17のラバースプリング13をオフ状態にしているのでクリープ対策に効果がある。
【0041】
また、第1実施形態に係る情報装置1では、開閉検出手段を構成する開閉検出スイッチ17には、常にラバースプリング13に圧力を付与するスプリング8と、スプリング8がラバースプリング13に付与する圧力を解除するアクチュエータ9とが設けられており、第1カバー体3を第2カバー体2に対して閉じたとき、アクチュエータ9はスプリング8がラバースプリング13に付与する圧力を解除するようにしたので、情報装置1の使用上状態では、第1カバー体3を第2カバー体2に対して閉じた状態で使用されるが、閉じた状態でアクチュエータ9により、スプリング8がラバースプリング13に付与する圧力を解除するため、ラバースプリング13のクリープ対策に効果がある。
【0042】
また、第1実施形態に係る情報装置1では、アクチュエータ9は、ラバースプリング13とスプリング8との間に配置されてラバースプリング13を押圧可能な基部24と、基部24から延出され、ラバースプリング13と回路基板11及び第1カバー体3とに穿設された貫通孔28乃至33貫通する延出部25とからなり、第1カバー体3を第2カバー体2に対して閉じたとき、延出部25の先端部26が第2カバー体2と当接し基部24がスプリング8の圧力に抗してラバースプリング13から離間することでラバースプリング13に対する圧力を解除するようにしたことにより、情報装置1の使用上状態では、第1カバー体3を第2カバー体2に対して閉じた状態で使用されるが、閉じた状態でアクチュエータ9により、スプリング8がラバースプリング13に付与する圧力を解除するため、ラバースプリング13のクリープ対策に効果がある。また、延出部25の先端部26を第2カバー体2が平面であれば何処でも受けられるので、微妙な位置調整をする必要が無いという効果と、開閉状態を検出する開閉検出スイッチ17の配置決めは、入力手段の範囲内であればどこでもよいので設計的に余裕ができたという効果もある。更に、開閉状態を検出する開閉検出スイッチ17のスイッチ機能が完結しているので組立ても簡単になるという効果もある。
【0043】
更に、本発明の第2実施形態を図6乃至図10を参照して説明する。一般に、小型のファクシミリ装置やコピー機、更には画像読取装置では、原稿用紙が操作パネルの下側を搬送されながら、固定配置された画像読取部によって読み取られる構成のものがある。その為、このような装置では、開閉検出スイッチ117が原稿用紙の搬送に障害にならない位置に配置されなければならない。このような点に鑑み、第2実施形態に係る情報装置101は、原稿用紙の搬送に障害にならないように操作パネルカバー107の端部に開閉検出スイッチ117が設けられた操作パネル104を備えている。図6は、第2実施形態で本発明が適用された情報装置の外観を表す斜視図である。図7は、第2実施形態で本発明が適用された情報装置の第1カバー体が前開きにされた外観を表す斜視図である。図8は、第2実施形態で第1カバー体に備えられた操作パネルを構成する構成部材の分解図である。図9は、第2実施形態でキースイッチと開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオン状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。図10は、第2実施形態で操作パネルの組立て順序を示す図である。
【0044】
先ず、情報装置101は、図6、図7に示すように、第1カバー体103と、装置筺体としての第2カバー体102とを各々の一端部を回動の中心として接合することで第1カバー体103を第2カバー体102に対して開閉可能に取り付けてなるクラムシェル(clam・shell)型の開閉構造を備えている。即ち、第1カバー体103は、第2カバー体102を覆うことで開放部102aを閉じる閉塞位置C(図6参照)と、第2カバー体102から離間して開放部102aを開放する開放位置D(図7参照)との間で、一端部を回動の中心として上下方向に沿って回動可能に構成されている。そして、この構成により通常時は第1カバー体103を閉塞位置Cに位置させて第2カバー体102の開放部102aを閉塞した状態で情報装置101は使用される。しかし、記録用紙のジャムが第2カバー体102の内部で発生した場合やインクカートリッジの交換をする場合など、使用者が第2カバー体102の内部の作業をおこなう必要がある場合には、第1カバー体103を閉塞位置Cから開放位置Dまで回動して第2カバー体102の開放部102aを開放した状態で第2カバー体102の内部で作業をおこなうこととなる。尚、操作パネル104は、使用しないときには操作パネル蓋104aによって覆われている。(図6、図7参照)
【0045】
次に、操作パネル104の構成について図8に基づいて説明する。図8に示すように、操作パネル104は、操作パネルカバー107と第1カバー112とによって、複数の固定接点115(図9参照)が設けられた回路基板111と、この回路基板111上に載置され、可動接点114と頭部118(図9参照)とをそれぞれ有する複数のラバースプリング113が一体的に連続して形成されているラバースプリングシート110とが狭持されて構成されている。また、回路基板111とラバースプリングシート110との組合せによって形成される複数のキースイッチ105(図9参照)のうちの1つを開閉検出スイッチ117として使用するために、アクチュエータ109とスプリング108(付勢部材に相当)とが、操作パネルカバー107と第1カバー112とによって狭持されている。
【0046】
次に、キースイッチ105、開閉検出スイッチ117のより詳細な構成について図9(A)、(B)及び図10に基づいて説明する。但し、図10は操作パネル104の組立て順序を説明するための図なので、図9に対して天地が逆に記載してある。図9及び図10に示すように、キースイッチ105は、複数の固定接点115が設けられた回路基板111に、回路基板111の固定接点115の位置に対向する可動接点114が設けられたシリコンゴム等からなるラバースプリング113を載置した構成のスイッチング部116を有し、更に、ラバースプリング113に頭部118が設けられた構成になっている。基本的に頭部118は、操作パネルカバー107に設けられたガイド孔119から操作パネルカバー107の表面よりも上方に突出している。また、その頭部118の最上面には、文字、記号等が記載、或いは表示されているものもある。同様に回路基板111の他の固定接点115に対向して可動接点114と頭部118が設けられている他のラバースプリング113が載置され、複数のキースイッチ105が形成されている。そして、上述したように、ラバースプリング113は、他のラバースプリング113と連続してラバースプリングシート110を形成している。
開閉検出スイッチ117は、上記のように構成されたキースイッチ105の頭部118より短い頭部127を備えるキースイッチ105が開閉検出スイッチ117として使用される。そして、開閉検出スイッチ117は、図8に示すように回路基板111とラバースプリングシート110が機能によってブロックごとになっているので、ブロックとブロックの間やブロックの空いているスペースに、回路基板111とラバースプリングシート110を製作するときに開閉検出スイッチ117用として同時に製作される。同時に製作するのでコストアップは無いという利点がある。
従って、頭部127は、操作パネルカバー107の表面には現出しない。そこで、図7に示すように第1カバー体103が第2カバー体102に対して開いているときは、図9(A)に示すように、操作パネルカバー107に設けられた回動係止部129に回動係止端131の回動係止ピン132で回動係止されたアクチュエータ109(解除部材に相当)の押下部124が、上記のように構成された開閉検出スイッチ117の頭部127に、操作パネルカバー107のスプリング係止部121とアクチュエータ109のスプリング収納部123に備えられたスプリング108の付勢力によって当接してラバースプリング113を押下している。このため、可動接点114が固定接点115と接触するので、第1カバー体103が第2カバー体102に対して開放位置にあることが検出され得る。そして、アクチュエータ109の突出部125の先端部126が、回路基板111から外れた位置で操作パネルカバー107の端部になるように設けられている。そして、図6に示すように、第1カバー体103が第2カバー体102に対して閉じているときは、図9(B)に示すように、第2カバー体102の押圧部139aがアクチュエータ109の突出部125の先端部126をスプリング108の付勢力に抗して持ち上げているので、押下部124が開閉検出スイッチ117の頭部127から離間するため、ラバースプリング113は復帰する。このため、可動接点114は固定接点115から離間するので、第1カバー体103が第2カバー体102に対して閉塞位置にあることが検出され得るのである。
【0047】
ここで、キースイッチ105、開閉検出スイッチ117を含む操作パネル104を組み立てる順序を図10に基づいて説明する。図10において、先ず、操作パネルカバー107が、その裏側を上にした状態で静置される。次に、操作パネルカバー107から延出された回動係止部129に設けられた係止孔130に、アクチュエータ109の回動係止端131に設けられた回動係止ピン132でアクチュエータ109が係止される。次に、操作パネルカバー107に設けられたスプリング係止部121に、スプリング108の一端が嵌合されて取り付けられる。次に、アクチュエータ109のスプリング収納部123にスプリング108の他端が挿入された状態で、操作パネルカバー107から延出された延出部128のフック122にアクチュエータ109が弾性的に係止されるまで、アクチュエータ109は操作パネルカバー107に向かって押し下げられる。アクチュエータ109が延出部128のフック122に係止されると、アクチュエータ109はスプリング108の付勢力によって図10の上方に向かって押圧されるためアクチュエータ109はフック122に当接されるが、フック122に係止されるため、アクチュエータ109が延出部128から外れることはない。次に、ラバースプリングシート110に設けられたラバースプリング113の頭部118が操作パネルカバー107に設けられたガイド孔119に挿入されるように、更には、ラバースプリングシート110に設けられたラバースプリング113の頭部127がアクチュエータ109の押下部124上に載置されるように、ラバースプリングシート110は操作パネルカバー107から延出されたボス137、138上に載置される。尚、図10ではガイド孔119は1つのみ、更にボス137、138は各々1つのみ記載されているが、実際にはより多くのガイド孔119やボス137、138が操作パネルカバー107に設けられていることは言うまでもない。次に、回路基板111上の各固定電極115がラバースプリングシート110の呼応する可動電極114と対向するように回路基板111がラバースプリングシート110上に載置され、操作パネルカバー107から延出されている図示しないフックによって回路基板111とラバースプリングシート110とが操作パネルカバー107に固定される。そして、アクチュエータ109の突出部125の先端部126が、回路基板111から外れた位置で操作パネルカバー107の端部になるように、更には、その先端部126が第1カバー112の操作パネルカバー107側ではない表面よりも突出するように、第1カバー112が回路基板111上に載置される。最後に、操作パネルカバー107から延出されている図示しないボスに第1カバー112の裏面から図示しないネジがネジ締めされることによって、第1カバー112に操作パネルカバー107が固定される。そして、図9に示すように、操作パネル104の天地を逆にすると、第1カバー112の支えリブ134、135、136は回路基板111を支えることとなる。このようにして組み立てられた第1カバー112にその他関連部品が取り付けられて第1カバー体103が完成し、装置筺体としての第2カバー体102に対して第1カバー体103が開閉可能に取り付けられる。
【0048】
続いて、キースイッチ105、開閉検出スイッチ117の動作を図6、図7、図9に基づいて説明する。キースイッチ105の動作は、図9(A)、(B)に示すように、頭部118が使用者により押下されていなければ、回路基板111に設けられた固定接点115とラバースプリング113に設けられた可動接点114とは離間しているのでオフ状態になっている。頭部118が使用者により押下されると、固定接点115と可動接点114とが当接してオン状態になる。このとき、キースイッチ105に割り当てられた機能でデータが入力される。次に、開閉検出スイッチ117の動作を説明する。情報装置100の通常の使用時においては、図6に示すように、第1カバー体103が閉塞位置Cに位置して第2カバー体102の開放部102aを閉塞している。このとき、開閉検出スイッチ117の状態は、図9(B)に示す状態になっている。即ち、第2カバー体102の第2カバー139に設けられている押圧部139aの表面がアクチュエータ109の突出部125の先端部126をスプリング108の付勢力に抗して持ち上げているので、アクチュエータ109の押下部124とラバースプリング113の頭部127の間に隙間ができてラバースプリング113は自力で復帰している。これによって、回路基板111に設けられた固定接点115とラバースプリング113に設けられた可動接点114とが離間するので開閉検出スイッチ117はオフ状態になっている。このオフ状態を図示しない制御部は、第1カバー体103が閉じている状態であると判断する。また、情報装置100の内部で記録用紙のジャムが発生した場合やインクカートリッジの交換をする場合など、使用者が第2カバー体102の内部の作業を行なう必要がある場合には、使用者は、図7に示すように、第1カバー体103を閉塞位置Cから開放位置Dまで回動して第2カバー体102の開放部102aを開放した状態で、第2カバー体102の内部で作業を行なうことになる。このとき、開閉検出スイッチ117の状態は、図9(A)に示す状態になっている。即ち、アクチュエータ109の突出部125の先端部126が第2カバー139から離間してフリーになっているので、スプリング108の付勢力によってラバースプリング113の頭部127をアクチュエータ109の押下部124が押下している。これによって、回路基板111に設けられた固定接点115とラバースプリング113に設けられた可動接点114が当接するので開閉検出スイッチ117はオン状態になっている。このオン状態を図示しない制御部は、第1カバー体103が開いている状態であると判断し使用者に対して開放状態である旨の報知を含む危険防止の措置を取る。また、第1カバー体103が開放位置Dにある時間は、ジャムの発生した記録用紙の除去や、インクカートリッジの交換等の間だけであって、通常の使用時に閉塞位置Cにある時間に比して極めて短時間であるのでラバースプリング113で発生するクリープ現象は無いと考えてよい。
【0049】
以上詳細に説明した通り、第2実施形態に係る情報装置101では、解除部材は、一端部が第1カバー体103内に回動可能に係止されるとともに他端部がラバースプリング113に圧力を付与可能な押下部124を構成し、両端部間に突出部125を備えるアクチュエータ109からなり、第1カバー体103を第2カバー体102に対して閉じたとき、突出部125の先端部126が第2カバー体102と当接し押下部124がスプリング108の圧力に抗してラバースプリング113から離間することでラバースプリング113に対する圧力を解除するようにしたので、情報装置101の使用上状態では、第1カバー体103を第2カバー体102に対して閉じた状態で使用されるが、閉じた状態でアクチュエータ109により、スプリング108がラバースプリング113に付与する圧力を解除するため、ラバースプリング113のクリープ対策に効果がある。また、突出部125を第2カバー体102のどこでも受けることができるので、微妙な位置調整をする必要が無いという効果もある。更に、開閉状態を検出する開閉検出スイッチ117のスイッチ機能が完結しているので組立ても簡単になるという効果もある。そして、この形態は、開閉状態を検出する開閉検出スイッチ117の配置が第1カバー体103の端部に配置できるのでデータを入力する操作パネル104の下を記録媒体が通過する情報装置101において記録媒体の通過を妨げないという効果もある。また、使用状態で開閉検出スイッチ117のラバースプリング113をオフ状態にしているのでクリープ対策に効果がある。
【0050】
更に、本発明の第3実施形態を図面と共に説明する。第3実施形態に係る情報装置は、第1実施形態に係る情報装置1とほぼ同様の構成であり、開閉検出スイッチの部分の構成のみが異なるので、開閉検出スイッチ217について図11に基づいて説明する。図11は、第3実施形態で開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオン状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。
【0051】
先ず、開閉検出スイッチ217の構成について図11(A)、(B)に基づいて説明する。開閉検出スイッチ217は、複数の固定接点215が設けられた回路基板211の一つの固定接点215とラバースプリングシート210の中の可動接点214を備える一つのラバースプリング213とで構成されるスイッチング部216に頭部227を備えた構成になっている。また、板バネ208(弾性部材に相当)の一方の固定端231が操作パネルカバー207に固定され、他方の先端226はフリーになっている。そこで、図11(A)に示すように、第1カバー体203が図示しない第2カバー体に対して開いているときは、板バネ208の両端の間に設けられたラバースプリング押下部224が、板バネ208の付勢力によってラバースプリング213の頭部227を押下する。このため、可動接点214が固定接点215と接触するので、第1カバー体203が図示しない第2カバー体に対して開放位置にあることが検出され得る。また、第1カバー体203が図示しない第2カバー体に対して閉じているときは、図11(B)に示すように、第2カバー体の上面の第2カバー239に設けられた突起部240の先端部241が板バネ208の先端226を板バネ208の付勢力に抗して持ち上げているので、板バネ208のラバースプリング押下部224が開閉検出スイッチ217(開閉検出手段に相当)の頭部227から離間するため、ラバースプリング213は復帰する。このため、可動接点214は固定接点214から離間するので、第1カバー体203が図示しない第2カバー体に対して閉塞位置にあることが検出され得るのである。
【0052】
続いて、開閉検出スイッチ217の動作を図11に基づいて説明する。第1カバー体203を図示しない第2カバー体に対して閉じたとき、開閉検出スイッチ217の状態は、図11(B)に示す状態になっている。即ち、第1カバー212の貫通孔232に、第2カバー体の上面の第2カバー239のボス240の先端部241が貫通して板バネ208の先端226を板バネ208の付勢力に抗して持ち上げているので、板バネ208のラバースプリング押下部224(押下部に相当)の下側に空間ができラバースプリング213が自力で復帰している。これによって、回路基板211に設けられた固定接点215とラバースプリング213に設けられた可動接点214とが離間するので開閉検出スイッチ217はオフ状態になっている。このオフ状態を図示しない制御部は、第1カバー体203が閉じている状態であると判断する。また、情報装置の内部で記録用紙のジャムが発生した場合やインクカートリッジの交換をする場合など、使用者が図示しない第2カバー体の内部の作業を行なう必要がある場合には、使用者は、第1カバー体203を閉塞位置から開放位置まで回動して第2カバー体の開放部を開放した状態で、第2カバー体の内部で作業を行なうことになる。このとき、開閉検出スイッチ217の状態は、図11(A)に示す状態になっている。即ち、第1カバー体203内の板バネ208の先端226がフリーになっているので板バネ208の付勢力によって、ラバースプリング213の頭部227は板バネ208のラバースプリング押下部224によって押下されている。これによって、回路基板211に設けられた固定接点215とラバースプリング213に設けられた可動接点214とが当接するので開閉検出スイッチ217はオン状態になっている。このオン状態を図示しない制御部は、第1カバー体203が開いている状態であると判断し使用者に対して開放状態である旨の報知を含む危険防止の措置を取る。また、第1カバー体203が開放位置にある時間は、ジャムの発生した記録用紙の除去や、インクカートリッジの交換等の間だけであって、通常の使用時に閉塞位置にある時間に比して極めて短時間であるのでラバースプリング213で発生するクリープ現象は無いと考えてよい。
【0053】
以上詳細に説明した通り、第3実施形態に係る情報装置では、開閉検出スイッチ217において、ラバースプリング213に常に押加圧力を印加する片持ちの板バネ208を備え、第1カバー体203の下方に配設された第2カバー239に設けられた突起部240の先端部241によって、第1カバー体203を閉じたときに片持ちの板バネ208が押し上げられることにより、片持ちの板バネ208の押加圧力が解除されるようにしたので、片持ちの板バネ208がアクチュエータを兼ねるので部品点数が削減できコストダウンに効果がある。また、構造が簡単になるのでスペースに余裕ができ、薄型化の設計ができる効果もある。そして、部品点数が減ることによって信頼性をあげることができるという効果もある。更に、通常の使用状態(閉塞位置)で開閉検出スイッチ217のラバースプリング213をオフ状態にしているのでクリープ対策に効果がある。
【0054】
更に、本発明の第4実施形態を図面と共に説明する。第4実施形態に係る情報装置は、第3実施形態に係る情報装置1とほぼ同様の構成であり、開閉検出スイッチの一部構成が異なっている。図12は、第4実施形態で開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオン状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。上述した通り、第4実施形態は第3実施形態とほぼ同一であるので、図中で使用されている符号は、第3実施形態と同一機能のものは同じ符号を使用し、その説明を省略してポイントのみを説明する。ポイントは、第4実施形態に係る情報装置の開閉検出スイッチ217の可動接点214に導電性のある金属製の皿バネ250を使用したことである。その為、スイッチのオン・オフの切れを良くすることができ、第1カバー体203の開閉に対して素早く対応することができる。また、開閉検出スイッチ217のオン状態が長く続いた後でも素早くオフ状態にすることができる。
【0055】
以上説明した通り、第4実施形態に係る情報装置では、開閉検出スイッチ217において、ラバースプリング213の下方に配置され固定接点215を覆う導電性の皿バネ250の可動接点214を備えたので、開閉検出スイッチ217のオン・オフの追従性を良くする効果がある。また、ラバースプリング213のクリープ対策にも効果がある。
【0056】
更に、本発明の第5実施形態を図面と共に説明する。第5実施形態に係る情報装置も、第1実施形態に係る情報装置1とほぼ同様の構成であり、開閉検出スイッチの部分の構成のみが異なるので、開閉検出スイッチ317について図13に基づいて説明する。図13は、第5実施形態でキースイッチと開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオン状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。
【0057】
先ず、キースイッチ305、開閉検出スイッチ317の構成について図13(A)、(B)に基づいて説明する。図13(A)に示すように、キースイッチ305は、複数の固定接点315が設けられた回路基板311に、回路基板311の固定接点315の位置に対向する可動接点314が設けられたシリコンゴム等からなるラバースプリング313を載置した構成のスイッチング部316を有し、更に、ラバースプリング313に頭部318が設けられた構成になっている。基本的に頭部318は、操作パネルカバー307に設けられたガイド孔319から操作パネルカバー307の表面よりも上方に突出している。また、その頭部318の最上面には、文字、記号等が記載、或いは表示されているものもある。同様に回路基板311の他の固定接点315に対向して可動接点314と頭部318が設けられている他のラバースプリング313が載置され、複数のキースイッチ305が形成されている。そして、ラバースプリング313は、他のラバースプリング313と連続してラバースプリングシート310を形成している。
開閉検出スイッチ317は、回路基板311とラバースプリングシート310の空いているスペースに、回路基板311とラバースプリングシート310を製作するときに開閉検出スイッチ317用として同時に製作される。同時に製作するのでコストアップは無いという利点がある。開閉検出スイッチ317の構成は、回路基板311の貫通孔330の周囲にリング形状に固定接点315が設けられ、この固定接点315に対向する位置にリング形状の可動接点314が設けられたシリコンゴム等からなるラバースプリング313を載置した構成のスイッチング部316を有し、更に、ラバースプリング313には頭部318より短い頭部327が設けられている。従って、頭部327は、操作パネルカバー307の表面には現出しない。また、実装状態で可動接点314に付勢力を付与する為に、開閉検出スイッチ317の可動接点314は、部品状態ではラバースプリングシート310の下面よりも下方に突出している。そこで、第1カバー体303が図示しない第2カバー体に対して開いているときは、回路基板311のリング形状の固定接点315に対して、リング形状の可動接点314がその付勢力によって当接されている。このため、可動接点314が固定接点315と接触するので、第1カバー体303が図示しない第2カバー体に対して開放位置にあることが検出され得る。そして、第1カバー体303が図示しない第2カバー体に対して閉じているときは、図13(B)に示すように、第2カバー体の上面の第2カバー339に設けられた突起部340の先端部341でラバースプリング313のほぼ中心を持ち上げているので、回路基板311の固定接点315とラバースプリング313の可動接点314は離間している。このため、第1カバー体303が図示しない第2カバー体に対して閉塞位置にあることが検出され得る。
【0058】
続いて、キースイッチ305、開閉検出スイッチ317の動作を図13に基づいてより詳細に説明する。キースイッチ305の動作は、図13(A)、(B)に示すように、頭部318が使用者により押下されていなければ、回路基板311に設けられた固定接点315とラバースプリング313に設けられた可動接点314とは離間しているのでオフ状態になっている。頭部318が使用者により押下されると、固定接点315と可動接点314とが当接してオン状態になる。このとき、キースイッチ305に割り当てられた機能でデータが入力される。次に、開閉検出スイッチ317の動作を説明する。第1カバー体303が図示しない第2カバー体に対して閉じられたとき、開閉検出スイッチ317の状態は、図13(B)に示す状態になっている。即ち、図示しない第2カバー体の第2カバー339に設けられている突起部340の先端部341が、回路基板311の貫通孔330と第1カバー312の貫通孔332を貫通して、ラバースプリング313の中心を持ち上げているので、回路基板311の固定接点315とラバースプリング313の可動接点314は離間している。これによって、開閉検出スイッチ317はオフ状態になっている。このオフ状態を図示しない制御部は、第1カバー体303が閉じている状態であると判断する。また、第1カバー体303が図示しない第2カバー体に対して開かれたとき、開閉検出スイッチ317の状態は、図13(A)に示す状態になっている。即ち、ラバースプリング313の構造によって、回路基板311のリング形状の固定接点315にリング形状の可動接点314が付勢されて当接される。これによって、開閉検出スイッチ317はオン状態になっている。このオン状態を図示しない制御部は、第1カバー体303が開いている状態であると判断し使用者に対して開放状態である旨の報知を含む危険防止の措置を取る。
【0059】
以上詳細に説明した通り、第5実施形態に係る情報装置301では、開閉検出スイッチ317において、固定接点315と可動接点314は、ラバースプリング313の中心に対してリング状に配置されて常に接触状態にあり、回路基板311及び第1カバー312には、ラバースプリング313の中心に対応する位置に貫通孔330、332が穿設され、第1カバー体303の下方に配設された第2カバー339に設けられた突起部340の先端部341が、第1カバー体303を閉じたときに、貫通孔330、332を貫通してラバースプリング313の中心を押し上げることにより固定接点315と可動接点314が離間されるようにしたので、ラバースプリング313に常に押加圧力を印加する弾性部材も無く、更に、中間に可動部材が介在しない構造になったので製造コスト低減に効果がある。また、部品点数を減らすことによって信頼性をあげることができるという効果もある。
【0060】
更に、本発明の第6実施形態を図面と共に説明する。先ず、第6実施形態に係る情報装置301Aの概略構成について図14に基づいて説明する。図14は、第6実施形態で開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオン状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。ここで、第6実施形態は第5実施形態とほぼ同一であるので、図中で使用されている符号は、第5実施形態と同一機能のものは同じ符号を使用し、その説明を省略して異なる構成部位のみを説明する。構成の異なる部位としては、第5実施形態に係る情報装置の開閉検出スイッチ317において、ラバースプリング313の頭部327と操作パネルカバー307の間に配置されたスプリング308(弾性部材に相当)である。このスプリング308の存在により、ラバースプリング313の頭部327に押加圧力が常に付与されるため、回路基板311のリング形状の固定接点315にリング形状の可動接点314が安定して当接される。
【0061】
以上説明した通り、第6実施形態に係る情報装置301Aでは、ラバースプリング313の頭部327に常に押加圧力を付与するスプリング308を設けたので、第1カバー体303が図示しない第2カバー体に対して開けられたとき、開閉検出スイッチ317(開閉検出手段に相当)のオン状態がより確実に保持されるという効果があり、信頼性が向上するという効果がある。また、ラバースプリング313のクリープ対策にもなる、
【0062】
更に、本発明の第7実施形態を図面と共に説明する。第7実施形態に係る情報装置では、他の方法で実現した開閉検出スイッチ417(開閉検出手段に相当)について図15に基づいて説明する。図15は、第7実施形態で開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じて開閉検出スイッチがオン状態にあることを示す図である。
【0063】
先ず、開閉検出スイッチ417の構成について図15(A)、(B)に基づいて説明する。開閉検出スイッチ417の構成は、複数の固定接点415が設けられた回路基板411の一つの固定接点415と、ラバースプリングシート410の一つのラバースプリング413の中に可動接点414を設けた導電性金属バネ450(変形解除部材に相当)とを備えて構成されるスイッチング部416に頭部427を備えた構成になっている。また、操作パネルカバー407に設けられた回動係止部429の係止孔448に、一端にラバースプリング押下端424(押下部に相当)、他端に作用端426(他端部に相当)を備えるアクチュエータ409の両端の略中央に設けられた回動係止ピン449によってアクチュエータ409が回動可能に係止されている。そこで、図15(A)に示すように、第1カバー体403が図示しない第2カバー体に対して開いているときは、作用端426を押し上げる力が存在しないのでラバースプリング413は復帰し、固定接点415と可動接点414は離間することとなる。そして、第1カバー体403が図示しない第2カバー体に対して閉じているときは、図15(B)に示すように、第2カバー体の第2カバー439に設けられた突起部440の先端部441でアクチュエータ409の作用端426を押し上げることにより、ラバースプリング押下端424がラバースプリング413を押下して固定接点415と可動接点414を当接させることとなる。
【0064】
続いて、開閉検出スイッチ417の動作を図15に基づいてより詳細に説明する。第1カバー体403を閉じたとき、開閉検出スイッチ417の状態は、図15(B)に示す状態になっている。即ち、第1カバー412の貫通孔432、回路基板411の貫通孔430、ラバースプリングシート410の貫通孔428を第2カバー439に設けられた突起部440の先端部441が貫通してアクチュエータ409の作用端426を押し上げることにより、ラバースプリング押下端424がラバースプリング413を押下して固定接点415と可動接点414を当接させているので、開閉検出スイッチ417はオン状態になっている。このオン状態を図示しない制御部は、第1カバー体403が閉じている状態であると判断する。また、第1カバー体403を開いたとき、開閉検出スイッチ417の状態は、図15(A)に示す状態になっている。即ち、作用端426を押し上げる力が存在しないのでラバースプリング413は復帰し、固定接点415と可動接点414は離間しているので、開閉検出スイッチ417はオフ状態になっている。このオフ状態を図示しない制御部は、第1カバー体403が開いている状態であると判断し使用者に対して開放状態である旨の報知を含む危険防止の措置を取る。また、ラバースプリング413は常に押下されている時間が長いが導電性金属バネ450を取り付けているので、ラバースプリング押下端424による押下を解除したときでもラバースプリング413は直に復帰し機能上の問題はない。更に、ラバースプリング413は接点部の塵除けにもなっている。
【0065】
以上詳細に説明した通り、第7実施形態に係る情報装置401では、開閉検出スイッチ417において、ラバースプリング413の下方に配置され固定接点415を覆う導電性金属バネ450の可動接点414と、ラバースプリング413を押下するアクチュエータ409を備え、アクチュエータ409は、略中央部で第1カバー体403に設けられた回動係止部429に回動可能に係止され、第1カバー体403を閉じたときに、アクチュエータ409の一端の作用端426を第1カバー体403の下方に配設された第2カバー439に設けられた突起部440の先端部441が当接して押上げ、他端のラバースプリング押下端424でラバースプリング413の頭部427を押下げることにより、固定接点415と可動接点414が当接されるようにしたので、装置の都合で第1カバー体403が閉じているときにオン状態にしなければならない場合に効果がある。また、ラバースプリング413は常に押下されている時間が長いが導電性金属バネ450を取り付けているので、スイッチのオン・オフの追従性を良くする効果がある。また、ラバースプリングのクリープ対策にも効果がある。
【0066】
更に、本発明の第8実施形態を図面と共に説明する。第8実施形態に係る情報装置では、他の方法で実現した開閉検出スイッチ517(開閉検出手段に相当)について図16に基づいて説明する。図16は、第8実施形態で開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じられる途中で開閉検出スイッチが短時間だけオン状態とされることを示す図、(C)は、第1カバー体が完全に閉じて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。
【0067】
先ず、開閉検出スイッチ517の構成について図16(A)、(B)、(C)に基づいて説明する。開閉検出スイッチ517の構成は、複数の固定接点が設けられた回路基板511の一つの固定接点515とラバースプリングシート510の中の可動接点514を備える一つのラバースプリング513とで構成されるスイッチング部516に頭部527を備えた構成になっている。また、操作パネルカバー507に設けられた回動係止部529の係止孔548に、一端にラバースプリング押下端524(押下部に相当)、他端に作用端526(他端部に相当)を備えるアクチュエータ509の両端の略中央に設けられた回動係止ピン549によってアクチュエータ509が回動可能に係止されている。そこで、図16(A)に示すように、第1カバー体503が図示しない第2カバー体に対して開いているときは、アクチュエータ509の作用端526を押し上げる力が存在しないのでラバースプリング513は復帰し、固定接点515と可動接点514は離間している。そして、第1カバー体503が図示しない第2カバー体に対して完全に閉じる前には、即ち、第1カバー体503が第2カバー体に対して閉じられる途中では、図16(B)に示すように、第2カバー539に設けられた略L字形状をなす突起部540の楕円形状の先端541でアクチュエータ509の作用端526を押し上げることにより、ラバースプリング押下端524がラバースプリング513を押下して固定接点515と可動接点514を短時間だけ当接させる。更に、第1カバー体503が図示しない第2カバー体に対して完全に閉じられたときには、図16(C)に示すように、突起部540又は作用端526の弾性により、第2カバー539に設けられた略L字形状をなす突起部540の楕円形状の先端541からアクチュエータ509の作用端526が外れ、ラバースプリング513が復帰して固定接点515と可動接点514が離間する構成になっている。
【0068】
続いて、開閉検出スイッチ517の動作を図16に基づいてより詳細に説明する。先ず、図16(A)に示すように、第1カバー体503が図示しない次第2カバー体に対して開いているときは、アクチュエータ509の作用端526を押し上げる力が存在しないのでラバースプリング513は復帰し、回路基板511の固定接点515とラバースプリング513の可動接点514は離間している。そして、第1カバー体503を第2カバー体に対して閉じ始めて第1カバー体503が完全に閉じる前には、図16(B)に示すように、第2カバー539に設けられた略L字状の突起部540の楕円形状の先端541でアクチュエータ509の作用端526を押し上げることにより、ラバースプリング押下端524がラバースプリング513を押下して固定接点515と可動接点514を短時間だけ当接させる。このとき、開閉検出スイッチ517はオン状態になる。そして、このオン状態をトリガにして図示しない制御部は第1カバー体503が閉じている状態であると判断する。更に、第1カバー体503を図示しない第2カバー体に対して完全に閉じたときには、図16(C)に示すように、突起部540又は作用端526の弾性により、第2カバー539に設けられた略L字状の突起部540の楕円形状の先端541からアクチュエータ509の作用端526が外れ、ラバースプリング513が復帰して固定接点515と可動接点514が離間する。この為、ラバースプリング513を押下したままにする状態を避けることができる。また、図16(A)の状態に戻すときは、アクチュエータ509の作用端526が第2カバー539に設けられた略L字形状をなす突起部540の楕円形状の先端541で掬われるが、突起部540又は作用端526の弾性により、アクチュエータ509の作用端526が外れて図16(A)の状態にもどる。上述の動作をスムースに行う為に、アクチュエータ509が回転しないようにストッパーピン551(規制部材に相当)が設けられている。
【0069】
以上詳細に説明した通り、第8実施形態に係る情報装置501では、開閉検出スイッチ517であって、ラバースプリング513を押下するアクチュエータ509を備え、アクチュエータ509は、略中央部で第1カバー体503に設けられた回動係止部529(支持部に相当)に回動可能に係止され、第1カバー体503を閉じる途中において、アクチュエータ509の一端の作用端526を第1カバー体503の下方に配設された第2カバー539に設けられた突起部540の先端541(係合部に相当)が当接して押上げ、他端に設けられたラバースプリング押下端524でラバースプリング513を押下げることにより、固定接点515と可動接点514が当接され、第1カバー体503を閉じる最終段階において、アクチュエータ509の一端の作用端526が突起部540の先端541からアクチュエータ509又は突起部540の弾性力によって外れるようにしたことにより、ラバースプリング513が復帰して、固定接点515と可動接点514の当接が開放されるようにしたので、第1カバー体503が閉じているときに、ラバースプリング513の復帰力のみで復帰することができるので、クリープの問題を考慮する必要が無いという効果がある。
【0070】
更に、本発明の第9実施形態を図面と共に説明する。第9実施形態に係る情報装置では、他の方法で実現した開閉検出スイッチ617(開閉検出手段に相当)について図17、図18に基づいて説明する。図17は、第9実施形態で二つの開閉検出スイッチが装着された操作パネルを閉じるときの動きを説明する断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて二つの開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じながら左側開閉検出スイッチがオフ状態、右側開閉検出スイッチがオン状態にあることを示す図、(C)は、第1カバー体が完全に閉じて二つの開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。図18は、第9実施形態で二つの開閉検出スイッチが装着された操作パネルを開くときの動きを説明する断面図である。(A)は、第1カバー体が完全に閉じて二つの開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が開きながら左側開閉検出スイッチがオン状態、右側開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図、(C)は、第1カバー体が完全に開いて二つの開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。
【0071】
先ず、開閉検出スイッチ617の構成について図17(A)、(B)、(C)、図18(A)、(B)、(C)に基づいて説明する。開閉検出スイッチ617の構成は、複数の固定接点が設けられた回路基板611の一つの固定接点615とラバースプリングシート610の中の可動接点614を備える一つのラバースプリング613とで構成されるスイッチング部616に頭部627を備えた構成になっている。そして、第9実施形態では、この開閉検出スイッチ617を2個使用している。また、操作パネルカバー607に設けられた回動係止部629の係止孔648に、一端に右側ラバースプリング押下端624(第1押下部に相当)、他端に作用端626(他端部に相当)と作用端626の右側に左側ラバースプリング押下端652を備えるアクチュエータ609の両端の間に設けられた回動係止ピン649によって、アクチュエータ609が回動可能に係止されている。そこで、図17(A)に示すように、第1カバー体603が図示しない第2カバー体に対して開いているときは、作用端626を押し上げる力が存在しないので二つのラバースプリング613は復帰しており、それぞれの固定接点615と可動接点614は離間している。そして、第1カバー体603が第2カバー体に対して完全に閉じられる前には、図17(B)に示すように、第2カバー639に設けられた略L字形状をなす突起部640の楕円形状の先端641でアクチュエータ609の作用端626を押し上げることにより、右側ラバースプリング押下端624が右側のラバースプリング613を押下して固定接点615と可動接点614を当接させている。更に、第1カバー体603が図示しない第2カバー体に対して完全に閉じられたときには、図17(C)に示すように、突起部640又は作用端626の弾性により、第2カバー639に設けられた略L字形状をなす突起部640の楕円形状の先端641からアクチュエータ609の作用端626が外れ、右側のラバースプリング613が復帰して固定接点615と可動接点614が離間する構成になっている。また、図18(A)に示すように、第1カバー体603が完全に閉じているときは、作用端626を押し上げる力が存在しないので二つのラバースプリング613は復帰しており、それぞれの固定接点615と可動接点614は離間している。そして、第1カバー体603が開かれた直後には、図18(B)に示すように、アクチュエータ609の作用端626が第2カバー639に設けられた略L字形状をなす突起部640の楕円形状の先端641で掬われて、左側ラバースプリング押下端652が左側のラバースプリング613を押下して固定接点615と可動接点614を当接させている。更に、第1カバー体603を完全に開いたときには、図18(C)に示すように、突起部640又は作用端626の弾性により、第2カバー639に設けられた略L字形状をなす突起部640の楕円形状の先端641からアクチュエータ609の作用端626が外れ、左側のラバースプリング613が復帰して固定接点615と可動接点614が離間する構成になっている。
【0072】
続いて、開閉検出スイッチ617の動作を図17、図18に基づいてより詳細に説明する。先ず、図17(A)に示すように、第1カバー体603が図示しない第2カバー体に対して開いているときは、アクチュエータ609の作用端626を押し上げる力が存在しないので二つのラバースプリング613は復帰しており、それぞれ回路基板611の固定接点615とラバースプリング613の可動接点614は離間している。そして、第1カバー体603が第2カバー体に対して完全に閉じる前には、図17(B)に示すように、第2カバー639に設けられた略L字形状をなす突起部640の楕円形状の先端641でアクチュエータ609の作用端626を押し上げることにより、右側ラバースプリング押下端624が右側のラバースプリング613を押下して固定接点615と可動接点614を当接させている。このとき、右側開閉検出スイッチ617はオン状態になる。そして、このオン状態をトリガにして図示しない制御部は第1カバー体603が閉じている状態であると判断する。更に、第1カバー体603を完全に閉じたときには、図17(C)に示すように、突起部640又は作用端626の弾性により、第2カバー639に設けられた略L字形状をなす突起部640の楕円形状の先端641からアクチュエータ609の作用端626が外れ、右側のラバースプリング613が復帰して固定接点615と可動接点614が離間する。このため、右側ラバースプリング513が押下されたままの状態が継続されることを避けることができる。また、図18(A)に示すように、第1カバー体603が図示しない第2カバー体に対して完全に閉じられているときは、作用端626を押し上げる力が存在しないので二つのラバースプリング613は復帰しており、それぞれの固定接点615と可動接点614は離間している。そして、第1カバー体603が開かれた直後には、図18(B)に示すように、アクチュエータ609の作用端626が第2カバー639に設けられた略L字形状をなす突起部640の楕円形状の先端641で掬われて、左側ラバースプリング押下端652が左側のラバースプリング613を押下して固定接点615と可動接点614を当接させる。このとき、左側開閉検出スイッチ617はオン状態になる。そして、このオン状態をトリガにして図示しない制御部は第1カバー体603が開いている状態であると判断する。更に、第1カバー体603が第2カバー体に対して完全に開かれたときには、図18(C)に示すように、突起部640又は作用端626の弾性により、第2カバー639に設けられた略L字形状をなす突起部640の楕円形状の先端641からアクチュエータ609の作用端626が外れ、左側のラバースプリング613が復帰して固定接点615と可動接点614が離間する。このため、左側ラバースプリング513が押下されたままの状態が継続されることを避けることができる。このように左右の開閉検出スイッチ617を使用することによって、開閉のトリガ信号を取り出すことができる。
【0073】
以上詳細に説明した通り、第9実施形態に係る情報装置では、開閉検出スイッチ617であって、左右のラバースプリング613の二つをそれぞれ交互に押下するアクチュエータ609を備え、アクチュエータ609は、第1カバー体603に設けられた回動係止部629(支持部に相当)に回動可能に係止され、第1カバー体603を閉じる途中において、アクチュエータ609の一端の作用端626を第1カバー体603の下方に配設された第2カバー639に設けられた突起部640の先端641(係合部に相当)が当接して押上げ、他端に設けられた右側ラバースプリング押下部材624で右側のラバースプリング613の頭部627を押下げることにより、右側のラバースプリング613の固定接点615と可動接点614が当接され、更に、第1カバー体603を閉じる最終段階において、アクチュエータ609の作用端626が突起部640の先端641からアクチュエータ609又は突起部640の弾性力によって外れるようにしたことにより、右側のラバースプリングが復帰して右側のラバースプリング613の固定接点615と可動接点614の当接が開放されるとともに、第1カバー体603を開く途中において、アクチュエータ609の作用端626を突起部640の先端641に当接することによって、作用端626側に設けられた左側ラバースプリング押下端652(第2押下部に相当)が左側のラバースプリング613を押下げることにより、左側のラバースプリング613の固定接点615と可動接点614が当接され、更に、第1カバー体603を開く最終段階では、アクチュエータ609の作用端626が突起部640の先端641からアクチュエータ609又は突起部640の弾性力によって外れるようにしたことにより、左側のラバースプリング613が復帰して、左側のラバースプリング613の固定接点615と可動接点614の当接が開放されているようにしたので、第1カバー体603が閉じているときでも開いているときでもラバースプリングの復帰力のみで復帰させるようにしたことによって、クリープフリーとなりクリープの問題を考慮する必要が無いという効果がある。また、第1カバー体603を閉じるときでも開くときでもその動作のトリガ信号を出力できるという効果もある。
【0074】
尚、本発明は前記第1実施形態乃至第9実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、図1、図2において、第1カバー体3が水平に閉められず片側が浮いている状態を検出する為に、操作パネル4の両端に開閉検出スイッチ17を配置(図示せず)してこの障害を検出するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】第1実施形態で本発明が適用された情報装置の外観を表す正面図である。
【図2】第1実施形態で本発明が適用された情報装置の第1カバー体が横開きにされた外観を表す正面図である。
【図3】第1実施形態で第1カバー体に備えられた操作パネルを構成する構成部材の分解図である。
【図4】第1実施形態でキースイッチと開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオン状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。
【図5】第1実施形態で操作パネルの組立て順序を示す図である。
【図6】第2実施形態で本発明が適用された情報装置の外観を表す斜視図である。
【図7】第2実施形態で本発明が適用された情報装置の第1カバー体が前開きにされた外観を表す斜視図である。
【図8】第2実施形態で第1カバー体に備えられた操作パネルを構成する構成部材の分解図である。
【図9】第2実施形態でキースイッチと開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオン状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。
【図10】第2実施形態で操作パネルの組立て順序を示す図である。
【図11】第3実施形態で開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオン状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。
【図12】第4実施形態で開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオン状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。
【図13】第5実施形態でキースイッチと開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオン状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。
【図14】第6実施形態で開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオン状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。
【図15】第7実施形態で開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じて開閉検出スイッチがオン状態にあることを示す図である。
【図16】第8実施形態で開閉検出スイッチが装着された操作パネルの断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じながら開閉検出スイッチをオン状態にあることを示す図、(C)は、第1カバー体が完全に閉じて開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。
【図17】第9実施形態で二つの開閉検出スイッチが装着された操作パネルを閉じるときの動きを示す断面図である。(A)は、第1カバー体が開いて二つの開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が閉じながら左側開閉検出スイッチがオフ状態、右側開閉検出スイッチがオン状態にあることを示す図、(C)は、第1カバー体が完全に閉じて二つの開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。
【図18】第9実施形態で二つの開閉検出スイッチが装着された操作パネルを開くときの動きを示す断面図である。(A)は、第1カバー体が完全に閉じて二つの開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図、(B)は、第1カバー体が開きながら左側開閉検出スイッチがオン状態、右側開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図、(C)は、第1カバー体が完全に開いて二つの開閉検出スイッチがオフ状態にあることを示す図である。
【符号の説明】
【0076】
1.情報装置
2.第2カバー体
3.第1カバー体
4.操作パネル
5.キースイッチ
7.操作パネルカバー
8.スプリング
9.アクチュエータ
11.回路基板
12.第1カバー
13.ラバースプリング
14.可動接点
15.固定接点
17.開閉検出スイッチ
20.係止部
21.ボス
22.フック
23.ボス
24.基部
25.延出部
26.先端部
27.頭部
28〜33.貫通孔
39.第2カバー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを入力可能な入力手段を備えるとともに第2カバー体に対して開閉可能に配設される第1カバー体と、第2カバー体に対する第1カバー体の開閉状態を検出する開閉検出手段とを備えた情報装置であって、
前記入力手段は、
固定接点の配置された回路基板と、前記固定接点と接離可能な可動接点を有し圧力によって弾性変形可能なラバースプリングと、からなるスイッチング部を備えた複数の連続したキースイッチから構成されており、
前記開閉検出手段は、少なくとも一つの前記キースイッチから構成されていることを特徴とする情報装置。
【請求項2】
前記開閉検出手段を構成するキースイッチには、常に前記ラバースプリングに圧力を付与する付勢部材と、当該付勢部材が前記ラバースプリングに付与する圧力を解除する解除部材とが設けられており、
前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じたとき、前記解除部材は前記付勢部材が前記ラバースプリングに付与する圧力を解除することを特徴とする請求項1に記載の情報装置。
【請求項3】
前記解除部材は、前記ラバースプリングと前記付勢部材との間に配置されて前記ラバースプリングを押圧可能な基部と、該基部から延出され、前記回路基板と前記第1カバー体とに穿設された貫通孔を貫通する延出部とからなり、
前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じたとき、前記延出部の先端部が前記第2カバー体と当接し前記基部が前記付勢部材の圧力に抗して前記ラバースプリングから離間することで前記ラバースプリングに対する圧力を解除することを特徴とする請求項2に記載の情報装置。
【請求項4】
前記解除部材は、一端部が前記第1カバー体内に回動可能に係止されるとともに他端部が前記ラバースプリングに圧力を付与可能な押下部を構成し、両端部間に突出部を備えるアクチュエータからなり、
前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じたとき、前記突出部の先端部が前記第2カバー体と当接し前記押下部が前記付勢部材の圧力に抗して前記ラバースプリングから離間することで前記ラバースプリングに対する圧力を解除することを特徴とする請求項2に記載の情報装置。
【請求項5】
前記開閉検出手段は、一つのキースイッチと、一端部が前記第1カバー体内に固定されるとともに略中央部が前記キースイッチのラバースプリングに常に圧力を付与する押下部を構成する片持ち形状の弾性部材と、前記第2カバー体に設けられている突起部とからなり、
前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じたとき、前記突起部の先端部が前記弾性部材の他端部と当接し前記押下部が前記ラバースプリングから離間することで前記ラバースプリングに対する圧力を解除することを特徴とする請求項1に記載の情報装置。
【請求項6】
前記開閉検出手段は、一つのキースイッチと、略中央部が前記第1カバー体内で回動可能に支持され、一端部が前記キースイッチのラバースプリングに圧力を付与可能な押下部を構成するアクチュエータと、前記第2カバー体に設けられている突起部とからなり、
前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じたとき、前記突起部の先端部が前記アクチュエータの他端部と当接し前記押下部が前記ラバースプリングを押下することで前記可動接点が前記固定接点と当接することを特徴とする請求項1に記載の情報装置。
【請求項7】
前記開閉検出手段は、一つのキースイッチと、略中央部が前記第1カバー体内に設けられている支持部に回動可能に支持され、一端部が前記キースイッチのラバースプリングに圧力を付与可能な押下部を構成するアクチュエータと、前記第2カバー体に設けられ、その先端に前記アクチュエータの他端部と弾性的に係脱可能な係合部を備えた突起部とからなり、
前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じる途中で、前記突起部の係合部が前記アクチュエータの他端部と係合することで前記押下部が前記ラバースプリングを押圧するとともに、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して完全に閉じたとき、前記係合部が前記アクチュエータの他端部から弾性的に離脱することで前記押下部が前記ラバースプリングから離間することにより、前記可動接点が前記固定接点と短時間だけ当接することを特徴とする請求項1に記載の情報装置。
【請求項8】
前記支持部には、前記アクチュエータの回動を規制することで、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して開くとき、前記係合部が前記アクチュエータの他端部に当接した後に弾性的に離脱する動作を補助する規制部材が配設されていることを特徴とする請求項7に記載の情報装置。
【請求項9】
前記開閉検出手段は、二つのキースイッチと、前記第1カバー体内で前記二つのキースイッチ間に設けられている支持部に略中央部が回動可能に支持され、一端部側に一方のキースイッチのラバースプリングに圧力を付与可能な第1押下部を備えるとともに、他端部側に他方のキースイッチのラバースプリングに圧力を付与可能な第2押下部を備えるアクチュエータと、前記第2カバー体に設けられ、その先端に前記アクチュエータの他端部と弾性的に係脱可能な係合部を備えた突起部とからなり、
前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じる途中で、前記突起部の係合部が前記アクチュエータの他端部と係合することで前記第1押下部が一方のキースイッチのラバースプリングを押圧するとともに、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して完全に閉じたとき、前記係合部が前記アクチュエータの他端部から弾性的に離脱することで前記第1押下部が一方のキースイッチのラバースプリングの押圧を解除することにより、前記可動接点が前記固定接点と短時間だけ当接するとともに、
前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して開く途中で、前記突起部の係合部が前記アクチュエータの他端部と係合することで前記第2押下部が他方のキースイッチのラバースプリングを押圧するとともに、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して完全に開いたとき、前記係合部が前記アクチュエータの他端部から弾性的に離脱することで前記第2押下部が他方のキースイッチのラバースプリングの押圧を解除することにより、前記可動接点が前記固定接点と短時間だけ当接することを特徴とする請求項1に記載の情報装置。
【請求項10】
前記開閉検出手段を構成するキースイッチのラバースプリング内には、前記ラバースプリングの弾性変形を解除するように付勢する変形解除部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の情報装置。
【請求項11】
前記変形解除部材は、導電性弾性部材からなる可動接点であることを特徴とする請求項10に記載の情報装置。
【請求項12】
前記開閉検出手段として使用されるキースイッチは、共にリング状の固定接点と可動接点とが常に当接するようにラバースプリングの中心と同軸状に配置され、前記回路基板には固定接点の中心と同軸状の貫通孔が穿設され、前記第2カバー体には突起部が設けられており、
前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じたとき、前記突起部の先端部が前記貫通孔を介してラバースプリングの中心を押し上げることにより、前記可動接点が前記固定接点から離間することを特徴とする請求項1に記載の情報装置。
【請求項13】
前記ラバースプリングの頭部には、前記固定接点と可動接点とが常に当接するよう付勢する弾性部材が設けられていることを特徴とする請求項12に記載の情報装置。
【請求項1】
データを入力可能な入力手段を備えるとともに第2カバー体に対して開閉可能に配設される第1カバー体と、第2カバー体に対する第1カバー体の開閉状態を検出する開閉検出手段とを備えた情報装置であって、
前記入力手段は、
固定接点の配置された回路基板と、前記固定接点と接離可能な可動接点を有し圧力によって弾性変形可能なラバースプリングと、からなるスイッチング部を備えた複数の連続したキースイッチから構成されており、
前記開閉検出手段は、少なくとも一つの前記キースイッチから構成されていることを特徴とする情報装置。
【請求項2】
前記開閉検出手段を構成するキースイッチには、常に前記ラバースプリングに圧力を付与する付勢部材と、当該付勢部材が前記ラバースプリングに付与する圧力を解除する解除部材とが設けられており、
前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じたとき、前記解除部材は前記付勢部材が前記ラバースプリングに付与する圧力を解除することを特徴とする請求項1に記載の情報装置。
【請求項3】
前記解除部材は、前記ラバースプリングと前記付勢部材との間に配置されて前記ラバースプリングを押圧可能な基部と、該基部から延出され、前記回路基板と前記第1カバー体とに穿設された貫通孔を貫通する延出部とからなり、
前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じたとき、前記延出部の先端部が前記第2カバー体と当接し前記基部が前記付勢部材の圧力に抗して前記ラバースプリングから離間することで前記ラバースプリングに対する圧力を解除することを特徴とする請求項2に記載の情報装置。
【請求項4】
前記解除部材は、一端部が前記第1カバー体内に回動可能に係止されるとともに他端部が前記ラバースプリングに圧力を付与可能な押下部を構成し、両端部間に突出部を備えるアクチュエータからなり、
前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じたとき、前記突出部の先端部が前記第2カバー体と当接し前記押下部が前記付勢部材の圧力に抗して前記ラバースプリングから離間することで前記ラバースプリングに対する圧力を解除することを特徴とする請求項2に記載の情報装置。
【請求項5】
前記開閉検出手段は、一つのキースイッチと、一端部が前記第1カバー体内に固定されるとともに略中央部が前記キースイッチのラバースプリングに常に圧力を付与する押下部を構成する片持ち形状の弾性部材と、前記第2カバー体に設けられている突起部とからなり、
前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じたとき、前記突起部の先端部が前記弾性部材の他端部と当接し前記押下部が前記ラバースプリングから離間することで前記ラバースプリングに対する圧力を解除することを特徴とする請求項1に記載の情報装置。
【請求項6】
前記開閉検出手段は、一つのキースイッチと、略中央部が前記第1カバー体内で回動可能に支持され、一端部が前記キースイッチのラバースプリングに圧力を付与可能な押下部を構成するアクチュエータと、前記第2カバー体に設けられている突起部とからなり、
前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じたとき、前記突起部の先端部が前記アクチュエータの他端部と当接し前記押下部が前記ラバースプリングを押下することで前記可動接点が前記固定接点と当接することを特徴とする請求項1に記載の情報装置。
【請求項7】
前記開閉検出手段は、一つのキースイッチと、略中央部が前記第1カバー体内に設けられている支持部に回動可能に支持され、一端部が前記キースイッチのラバースプリングに圧力を付与可能な押下部を構成するアクチュエータと、前記第2カバー体に設けられ、その先端に前記アクチュエータの他端部と弾性的に係脱可能な係合部を備えた突起部とからなり、
前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じる途中で、前記突起部の係合部が前記アクチュエータの他端部と係合することで前記押下部が前記ラバースプリングを押圧するとともに、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して完全に閉じたとき、前記係合部が前記アクチュエータの他端部から弾性的に離脱することで前記押下部が前記ラバースプリングから離間することにより、前記可動接点が前記固定接点と短時間だけ当接することを特徴とする請求項1に記載の情報装置。
【請求項8】
前記支持部には、前記アクチュエータの回動を規制することで、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して開くとき、前記係合部が前記アクチュエータの他端部に当接した後に弾性的に離脱する動作を補助する規制部材が配設されていることを特徴とする請求項7に記載の情報装置。
【請求項9】
前記開閉検出手段は、二つのキースイッチと、前記第1カバー体内で前記二つのキースイッチ間に設けられている支持部に略中央部が回動可能に支持され、一端部側に一方のキースイッチのラバースプリングに圧力を付与可能な第1押下部を備えるとともに、他端部側に他方のキースイッチのラバースプリングに圧力を付与可能な第2押下部を備えるアクチュエータと、前記第2カバー体に設けられ、その先端に前記アクチュエータの他端部と弾性的に係脱可能な係合部を備えた突起部とからなり、
前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じる途中で、前記突起部の係合部が前記アクチュエータの他端部と係合することで前記第1押下部が一方のキースイッチのラバースプリングを押圧するとともに、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して完全に閉じたとき、前記係合部が前記アクチュエータの他端部から弾性的に離脱することで前記第1押下部が一方のキースイッチのラバースプリングの押圧を解除することにより、前記可動接点が前記固定接点と短時間だけ当接するとともに、
前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して開く途中で、前記突起部の係合部が前記アクチュエータの他端部と係合することで前記第2押下部が他方のキースイッチのラバースプリングを押圧するとともに、前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して完全に開いたとき、前記係合部が前記アクチュエータの他端部から弾性的に離脱することで前記第2押下部が他方のキースイッチのラバースプリングの押圧を解除することにより、前記可動接点が前記固定接点と短時間だけ当接することを特徴とする請求項1に記載の情報装置。
【請求項10】
前記開閉検出手段を構成するキースイッチのラバースプリング内には、前記ラバースプリングの弾性変形を解除するように付勢する変形解除部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の情報装置。
【請求項11】
前記変形解除部材は、導電性弾性部材からなる可動接点であることを特徴とする請求項10に記載の情報装置。
【請求項12】
前記開閉検出手段として使用されるキースイッチは、共にリング状の固定接点と可動接点とが常に当接するようにラバースプリングの中心と同軸状に配置され、前記回路基板には固定接点の中心と同軸状の貫通孔が穿設され、前記第2カバー体には突起部が設けられており、
前記第1カバー体を前記第2カバー体に対して閉じたとき、前記突起部の先端部が前記貫通孔を介してラバースプリングの中心を押し上げることにより、前記可動接点が前記固定接点から離間することを特徴とする請求項1に記載の情報装置。
【請求項13】
前記ラバースプリングの頭部には、前記固定接点と可動接点とが常に当接するよう付勢する弾性部材が設けられていることを特徴とする請求項12に記載の情報装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−156159(P2006−156159A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−345796(P2004−345796)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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