説明

成長ホルモン分泌促進剤として有用なヘテロ環状芳香族化合物

成長ホルモンの体内における産生および放出を刺激するために有用な新規ヘテロシクロ芳香族化合物が提供される。該化合物は一般式(I)で表され、式中R1、R1′、R2、R3、R4、Xa、Y、Zおよびnは以下に定義される。ここで提供される化合物は、肥満、骨粗鬆症(骨密度の改善)、筋肉量および筋力の改善に有用である。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は米国仮特許出願60/408,099号(2002年9月4日出願)および60/491,645号(2003年7月31日出願)の優先権を主張し、その内容を援用する。
本発明は成長ホルモンの産生および/またはその放出を刺激する新規なヘテロ環状芳香族化合物に関する。更には、該化合物を使用する方法、および該化合物を含む薬学的組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
成長ホルモンは体の直線上の成長のみならず、成人の生命において体の組成、代謝および心機能維持に重要である。実際、成長ホルモン欠乏症の子供および成人の両方が該ホルモンによる治療を受けている。成長ホルモンを用いると、体脂肪減少、無脂肪質量の増加、筋肉増強、骨量および健康の改善が認められる。また、成長ホルモン療法に関連するこれらの好ましい効果は、骨粗鬆症、高齢者の脆弱、複雑骨折、心筋症、肥満、例えばAIDSや慢性透析、異化性疾患およびグルココルチコイド治療等の窒素喪失性疾患における同ホルモンの有効性を示唆する(Johan Svensson, Exp. Opin. Ther. Patents, 2000 10(7) 1071-1080; Ankersen et al., DDT, 1999, 4(11) 497-506)。更には、成長ホルモン療法はまた、老化に関連する変化からの回復について検討がなされている。
【0003】
合成成長ホルモンは注射による投与が毎日必要なため、現在の成長ホルモン投与方法は侵襲的である。従って、安全で効果があり、耐用性の良好な経口投与できる分泌促進剤が導入されたら、現在の成長ホルモン治療に代わる魅力的な治療法を提供できるであろう。
成長ホルモン分泌促進剤とは、下垂体および視床下部の両方における一つ以上の特異的受容体に作用することにより、体内における成長ホルモンの産生および/またはその放出を刺激する合成されたペプチドまたは非ペプチドである。従って、経口投与の可能な成長ホルモン分泌促進剤は従前の成長ホルモン療法に代わり得る魅力ある方法を提供し、患者体内を循環する成長ホルモン値に関連する疾患又は病気を幅広く治療できる簡便な手段を与えるであろう。
【発明の開示】
【0004】
発明の要約
本発明に従うと、一般式Iの構造を有する新規なヘテロ環状芳香族化合物
【化1】

【0005】
〔式中、Xaは2個から4個の縮合若しくはスピロ結合したシクロアルキル環、ヘテロシクロ環、アリール環又はヘテロアリール環であって、そのひとつ以上の環はRaおよびRbよりなる群から選択される1個から5個の置換基で置換されていてもよく;
1はアルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロ、アルコキシアルキル、アリールアルキルオキシアルキル、アリールオキシアルキル、ヘテロアリール、シクロアルキルアルコキシアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルよりなる群から選択される置換若しくは無置換官能基であり;〕
【0006】
2、R3およびR4は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロ、アルコキシアルキル、アリールアルキルオキシアルキル、アリールオキシアルキル、ヘテロアリール、シクロアルキルアルコキシアルキル、ヘテロアリールアルキルおよびヘテロシクロアルキルよりなる群からそれぞれ独立して選択される置換若しくは無置換官能基であり、またはR3とR4は一緒になり3員環から8員環のシクロアルキルまたはヘテロシクロ環を形成するか、若しくは(R3とR4)の一つ以上が(YとZ)の一つ以上と一緒になり単環若しくは二環のシクロアルキル環若しくはヘテロシクロ環を形成してもよく;
【0007】
1′は、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロ、アリールおよびヘテロアリールよりなる群から選択される、置換若しくは無置換官能基であり;
Yはアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリレンおよびヘテロアリレンよりなる群から選択される結合基であって、該結合基は、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロ、アルコキシアルキル、ヘテロアリール、アリールアルキル、アリールアルキルオキシアルキル、アリールオキシアルキル、シクロアルキルアルコキシアルキル、ヘテロアリールアルキルおよびヘテロシクロアルキル、ハロゲン、−OR5、−OC(O)R5、−CF3、−OCF3、−N(R5)C(O)R5′および−NR55′よりなる群から選択されるひとつ以上の官能基で任意に置換されていてもよく;
【0008】
5およびR5′はそのそれぞれの存在について、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロ、およびアリールよりなる群から独立して選択され、ここでR5およびR5′は一つ以上のRbで任意に置換されていてもよく;
RaおよびRbはそのそれぞれの存在について、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、シアノ、カルボニル、-CN、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、ヘテロシクロ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−OR2、−NR55′、−CF3、−SO26、−SO2NR66′、−(CH2)mR8およびR9よりなる群から独立して選択され;
【0009】
6およびR6′はそのそれぞれの存在について、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルチオアルキル、アルコキシアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクロ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、およびシクロアルキルよりなる群から独立して選択され、ここでR6およびR6′はそのそれぞれの存在について、ハロゲン、-OR2、アルコキシ、ヘテロシクロアルキル、−NR5C(O)NR55′、−C(O)NR55′、−NR5C(O)R5′、−CN、−NR5SO25′、−OC(O)R5、−SO2NR55′、−SOR7、−COOHおよび−C(O)OR7よりなる群から選択される1個から3個の置換基で任意に置換されていてもよく、またはR6およびR6′は一緒になって環化し-(CH2)qX(CH2)s−を形成してもよく;
【0010】
7はそのそれぞれの存在について、C1からC6アルキル、アリール、およびヘテロアリールよりなる群から独立して選択され、ここでR7は−(CH2)wOHで任意に置換されていてもよく;
8はアルコキシ、アルコキシカルボニル、−C(O)NR66′、−NR55′、−C(O)R6、−NR5C(O)NR55′、および−N-ヘテロアリールよりなる群から選択され;
【0011】
9はヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、−CN、−(CH2)pN(R6)C(O)R6′、−(CH2)pCN、−(CH2)pN(R6)C(O)OR6′、−(CH2)pN(R6)C(O)NR66′、−(CH2)pN(R6)SO26、−(CH2)pC(O)NR66′、−(CH2)pC(O)OR6、−(CH2)pOC(O)OR6、−(CH2)pOC(O)R6、−(CH2)pOC(O)NR66′、−(CH2)pN(R6)SO2NR66′、−(CH2)pOR6、−(CH2)pOC(O)N(R6)(CH2)mOH−(CH2)pSOR6、−(CH2)pOCH2C(O)N(R6)(CH2)mOHよりなる群から選択され;
Xは−CR55′−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−NC(O)OR7−、−NC(O)NR5−、および−NR5−よりなる群から選択され;
【0012】
Zは窒素;
mは1から6の整数;
nは1から6の整数;
pは0から5の整数;
wは0から5の整数;および
qとsはそれぞれ独立して1から3の整数であって、R5、R5′、R6およびR6′のいずれかがカルボニル基〔例えば、−C(O)R6〕若しくはスルホン基(例えば、−SO26)と結合する場合、そのいずれも水素ではない。〕
が、提供される。
【0013】
上記の式Iの定義は、そのプロドラッグ、プロドラッグエステル、立体異性体および薬学的に許容される塩をすべて包含する。
式Iの化合物は成長ホルモン分泌促進剤としての活性を示し、即ち、体内における成長ホルモンの産生および/または放出を刺激し、例えばここで開示するような成長ホルモンレベルに関連する病気や疾患の治療に有用である。
本発明は式Iの化合物、該化合物を用いる薬学的組成物および該化合物を使用する方法を提供する。本発明は、特に、式Iの化合物の治療上の有効量を、単独でまたは薬学的に許容される担体と組み合わせて含む薬学的組成物を提供する。
【0014】
更に、本発明に従うと体内の成長ホルモン値を増加させ、または体内における成長ホルモンの産生および/または放出を増加させる方法が提供され、この場合、式Iの化合物の治療上の有効量が、治療が必要な哺乳類、例えばヒトの患者に投与される。
更には、本発明に従うと、例えばここで開示するような哺乳類の成長ホルモンレベルに関連する病気や疾患を治療し又は予防する方法が提供され、この場合、式Iの化合物の治療上の有効量が、治療が必要な哺乳類、例えばヒトの患者に投与される。
【0015】
本発明の化合物は単独で使用することもできるし、本発明の他の化合物若しくはここに記載する治療領域で有効な一つ以上の他の薬物とそれぞれ組み合わせて使用することもできる。
本発明は、更に、上記若しくは以下で記載する病気を治療し、進行を阻止し、または予防する方法を提供する。この場合、式Iの化合物と他の式Iの化合物および/または他のタイプの治療薬を組み合わせ、その治療上の有効量が、治療が必要な哺乳類、例えばヒトの患者に投与される。
【0016】
式IにおいてはXaが下記構造
【化2】

【0017】
〔式中、Q1とQ2はそれぞれ独立してシクロアルキル環、ヘテロシクロ環、アリール環、またはヘテロアリール環であって、Q1はRaおよびRbよりなる群から選択される1個から4個の置換基で置換されてもよく、またQ2はRa、RbおよびQ3よりなる群から選択される1個から4個の置換基で置換されてもよく;
3は、3員環から8員環の縮合若しくはスピロ結合したシクロアルキル環、ヘテロシクロ環、アリール環、若しくはヘテロアリール環であって、Ra、RbおよびQ4よりなる群から選択される1個から5個の置換基で任意に置換されてもよく;
4は、3員環から8員環の縮合若しくはスピロ結合したシクロアルキル環、ヘテロシクロ環、アリール環、若しくはヘテロアリール環であって、RaおよびRbよりなる群から選択される1個から5個の置換基で任意に置換されてもよく;
【0018】
AはNまたはCR11
BはNまたはCR11
11はHまたは結合である。〕
を有するものが好ましい。
【0019】
更なる態様としてはXaが下記構造である式Iの化合物
【化3】

【0020】
【化4】

【0021】
【化5】

【0022】
【化6】

【0023】
【化7】

が、包含される。
【0024】
上記に記載された好ましいXa構造は特定のシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクロ環状にある一つ以上のRaおよび/またはRb置換基を示すけれども、好ましいXa構造は上記の特定のRa/Rb置換に限定されないし、またRaおよび/またはRb置換基が必要とはされない。むしろ、以降のクレーム、次のスキームおよび好ましいXa構造中におけるRaおよび/またはRb置換基の存在は、Rb/Rb基が関与する環上の置換可能ないずれの位置においても、一つ以上のRa/Rb基が任意に置換してもよいことを示す。従って、たとえ以降のクレーム、スキームおよび好ましいXa構造が特別の態様を参照するとしても、例えば一つ以上のRb/Ra基による置換のような種々の他の修飾、または他の変更、当業者に知られた治療上等しい化合物もここで要求する化合物の精神および範囲内で使用されることを理解すべきである。
【0025】
式Iの化合物においては、RaまたはRbがR9であり、R6が任意でヒドロキシ若しくはハロゲンが置換してもよいヘテロシクロ若しくはアルキルである化合物が好ましい。
式Iの化合物においては、RaまたはRbがR9であり、R6およびR6′がそれぞれ独立して水素、アルキル、またはシクロアルキルであって、該アルキル若しくはシクロアルキルは任意で−C(O)OR7若しくは-C(O)NR55′が置換してもよく、またはR6およびR6′は一緒になって環化し-(CH2)qX(CH2)s-を形成してもよい化合物が好ましい。
【0026】
式Iの化合物においてはまた、RaまたはRbがR9であり、R9が(CH2)pC(O)OR6、(CH2)pOC(O)R6、または(CH2)pOC(O)N(R6)(CH2)mOHである化合物が好ましい。
式Iの化合物においてはまた、R9が-(CH2)pN(R6)C(O)OR6′、-(CH2)pN(R6)C(O)NR66′、または(CH2)pOC(O)NR66′であり、R6およびR6′は独立して水素またはアルキルで、該アルキルは任意で−C(O)NR55′が置換してもよく、R5およびR5′は独立して水素またはアルキルであるような化合物が好ましい。
【0027】
更に好ましい態様としては、下記構造を含む式Iの化合物が包含される;
【化8】

【0028】
【化9】

【0029】
【化10】

【0030】
【化11】

【0031】
これに加えて、好ましい態様として下記構造を含む式Iの化合物が包含される;
【化12】

【0032】
【化13】

【0033】
【化14】

【0034】
本発明化合物はすべて、構造式Iにおいて星印で示したように少なくとも一つの不整中心を有する。これに加えて、分子上の種々の置換基の性質に依存して更に不整中心の存在することがあり得る。それぞれの不整中心は二つの光学異性体を作り出すが、それら光学異性体は分離されて純粋なもの、部分的に精製されたものおよびラセミ混合体もすべて本発明の精神および範囲の中に含まれると意図される。式Iの星印で示された不斉中心の場合、より活性で、そして好ましい立体配置はR/S規則で定義されるR体である。これら異性体は、慣用的な方法、例えばクロマトグラフィーや分別結晶により分離することができる。
【0035】
発明の詳細な説明
以下の略号を使用する;
Boc = tert-ブトキシカルボニル
CBZ = ベンジルオキシカルボニル(またはカルボベンゾキシ)
DIBAL = 水素化ジイソプロピルアルミニウム
DMAP = 4-(ジメチルアミノ)ピリジン
DMF = N,N-ジメチルホルムアミド
EDAC = 1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド・塩酸塩
EtOAc = 酢酸エチル
HOBT = ヒドロキシベンズトリアゾール
HPLC = 高速液体クロマトグラフィー
【0036】
LC/MS =高速液体クロマトグラフィー/質量分析器
MS or Mass Spec =質量分析器
Pd/C = パラジウム活性炭
TFA = トリフルオロ酢酸
YMC = YMC Co, Ltd.(京都、日本国)の商標
g = グラム時間hour(s)
min = 分
ml = ミリリットル
mg = ミリグラム
mol = モル
mmol = ミリモル
nM = ナノモル
r.t. = 室温
Et = エチル
i-Pr = イソプロピル
Me = メチル
【0037】
下記の定義は、特別な例に限定しない限り本明細書で使用される術語に適用される。
特に指定しない限り、本明細書中単独で若しくは他の置換基の一部として用いる「アルキル」の語は、直鎖若しくは分枝鎖を有する、直鎖において炭素数1から40、好ましくは1から20、更に好ましくは1から6の炭化水素であって、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t-ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、4,4-ジメチルペンチル、オクチル、2,2,4-トリメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、その種々の分枝鎖異性体等が含まれる。さらに、ここで定義されるアルキル基は任意の可能な炭素上で一つ以上の官能基が置換してもよく、該官能基はそのような鎖上に一般的に置換しているものであって、例えば、アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシ、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アリールアルキルオキシ、アルカノイル、アミノ、ハロ、チオ、シアノ、カルボキシ、カルボニル(=O)、アミノ、アミド、ハロアリール、CF3、OCF3、アリールオキシ、ヘテロアリール、シクロアルキルアルコキシアルキル、シクロヘテロアルキル、および例えばトリフルオロメチル、3-ヒドロキシヘキシル、2-カルボキシプロピル、2-フルオロエチル、カルボキシメチル、シアノブチルのようなアルキル基を形成するもの等が含まれるが限定はされない。
【0038】
特に指定しない限り、本明細書中単独で若しくは他の置換基の一部として用いる「シクロアルキル」の語は、1個から3個の環を含む飽和若しくは一部不飽和(1個または2個の二重結合を含む)の環状炭化水素基であって、単環アルキル、二環アルキルおよび三環アルキルを包含し環を構成する炭素が3個から20個、好ましくは4個から10個であり、アリールで記述する芳香環1個と縮合していてもよく、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロデシル、シクロドデシル、シクロヘキセニル、
【0039】
【化15】

等が含まれる。これらは、いずれもアルキルで定義された置換基が1個から3個置換していてもよい。
【0040】
本明細書中単独で若しくは他の置換基の一部として用いる「アリール」の語は、環部分に6個から10個の炭素原子を有する単環性若しくは二環性の芳香族基(例えばフェニルやナフチル)をいい、任意で「アリール」に縮合する1個から3個の追加的な環構造(例えば、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、またはシクロヘテロアルキル環)を含んでもよく、また、これらは水素、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アルキニル、シクロアルキルアルキル、フルオレニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールアルコキシ、アリールチオ、アリールアゾ、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ、シアノ、アミノ、アミノに1個または2個の置換基(アルキル、アリール、または定義にあるその他任意のアリール化合物)を有する置換アミノ、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アリールチオアルキル、アルコキシアリールチオ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニルアミノ、アリールスルホンアミノカルボニル、および上記に提示された任意のアルキル置換基から選択される任意の1個以上の置換基により任意の置換可能な炭素上で置換されていてもよい。
【0041】
本明細書中単独で若しくは他の置換基の一部として用いる「アリールアルキル」の語は、上記で定義されたアルキル基であってアリール置換基を有するものをいい、例えば、ベンジル、フェネチル、またはナフチルプロピルであり、該アリールおよび/またはアルキルは上記の定義のように置換されていてもよい。
本明細書中単独で若しくは他の置換基の一部として用いる「アルコキシ」、「アリールオキシ」の語は、上記で定義されたアルキルまたはアリールであって酸素原子を介して結合するものをいう。
【0042】
特に指定しない限り、本明細書中単独で若しくは他の置換基の一部として用いる「アルケニル」の語は、直鎖若しくは分枝鎖を有する、直鎖において炭素数2から20、好ましくは3から12、更に好ましくは2から6の炭化水素ラジカルであって、少なくともひとつ以上の二重結合を有し、例えば、ビニル、2-プロペニル、3-ブテニル、2-ブテニル、4-ペンテニル、3-ペンテニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、2-ヘプテニル、3-ヘプテニル、4-ヘプテニル、3-オクテニル、3-ノネニル、4-デセニル、3-ウンデセニル、4-ドデセニル、4,8,l2-テトラデカトリエニル等である。そしてこれらは、アルキルで定義された一つ以上の官能基で任意に置換されていてもよい。
【0043】
特に指定しない限り、本明細書中単独で若しくは他の置換基の一部として用いる「アルキニル」の語は、直鎖若しくは分枝鎖を有する、直鎖において炭素数2から20、好ましくは2から12、更に好ましくは2から8の炭化水素ラジカルであって、少なくともひとつ以上の三重結合を有し、例えば、2-プロピニル、3-ブチニル、2-ブチニル、4-ペンチニル、3-ペンチニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、2-ヘプチニル、3-ヘプチニル、4-ヘプチニル、3-オクチニル、3-ノニニル、4-デシニル、3-ウンデシニル、4-ドデシニル等である。そしてこれらは「アルキル」で定義された一つ以上の官能基で任意に置換されていてもよい。
【0044】
本明細書中単独で若しくは他の置換基の一部として用いる「アルキレン」の語は、他の基と結合するための単結合を二つの異なる炭素原子上に有するアルキル結合基をいい、「アルキル」で定義された置換基で任意に置換されていてもよい。
本明細書中単独で若しくは他の置換基の一部として用いる「アルケニレン」および「アルキニレン」の語は、他の基と結合するための単結合を二つの異なる炭素原子上に有するアルケニルおよびアルキニル結合基をいい、「アルキル」で定義された置換基で任意に置換されていてもよい。本明細書中単独で若しくは他の置換基の一部として用いる「ハロゲン」または「ハロ」の語は、塩素、臭素、フッ素およびヨウ素をいう。
【0045】
ここで用いる「ヘテロアリール」の語は、5員、6員若しくは7員の芳香族ヘテロ環であって窒素、硫黄、酸素および/またはSOもしくはSO2より選択される一つ以上のヘテロ原子を含むものをいう。これらの環は他のシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、またはヘテロアリール環と縮合してもよく、可能ならN-オキシドを含んでもよい。ヘテロアリールはまたアルキルについて定義されたような鎖上において一般的に結合し得る一つ以上の官能基によって置換されることができる。
ここで用いる「ヘテロシクロ(heterocyclo)」、「ヘテロシクル(heterocycle)」または「ヘテロサイクリック(heterocyclic)」の語は、置換または無置換の安定な4員、5員、6員若しくは7員の単環であって飽和若しくは不飽和であり、炭素原子;N、O、Sより選択される1個から4個のヘテロ原子;およびSO若しくはSO2より構成される。ここで窒素および硫黄ヘテロ原子は任意で酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は四級化されていてもよい。
【0046】
ヘテロ芳香環は安定な構造を形成する任意のヘテロ原子または炭素原子上で結合することができる。そのようなヘテロシクロ基の例としては、ピペリジニル、ピペラジニル、オキソピペラジニル、オキソピペリジニルおよびオキサジアゾイルが含まれるが、限定はされない。ヘテロシクロ基はアルキル基について定義されたような置換基で任意に置換されることができる。
本明細書中単独で若しくは他の置換基の一部として用いる「ヘテロシクロアルキル」または「ヘテロアリールアルキル」の語は、それぞれヘテロシクロまたはヘテロアリールであってアルキル基を介して結合するものをいう。
本明細書中単独で若しくは他の置換基の一部として用いる「アルコキシアルキル」または「アリールオキシアルキル」の語は、それぞれアルコキシまたはアリールオキシであってアルキル基を介して結合するものをいう。
【0047】
本明細書中単独で若しくは他の置換基の一部として用いる「ヘテロアリールアルコキシ」の語は、アルコキシ基を介して結合するヘテロアリール基をいう。
本明細書中単独で若しくは他の置換基の一部として用いる「シクロアルキルアルコキシアルキル」および「アリールアルキルオキシアルキル」の語は、それぞれシクロアルキル基およびアリール基であってアルコキシ基を介して結合し、代わってアルキル基を介して結合するものをいう。
本明細書中単独で若しくは他の置換基の一部として用いる「アリレン」および「ヘテロアリレン」の語は、上記で定義されたアルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン結合基であってアリール(Ar)またはヘテロアリール(Het)基を炭素鎖上に有するものをいう。その例としては、−(CH2)2−Ar−(CH2)2−または−(CH2)2−Het−(CH2)2−があるが、限定はされない。
【0048】
ここで用いる「カルボニル」の語は-C(O)-基、または置換基として可能な場合には、置換を受けている結合基若しくは官能基の可能な任意の炭素上に結合した(=O)基をいう。
ここで用いる「フェノキシ」の語は、酸素原子を介して結合したフェニル置換基をいう。フェノキシ基のフェニル環はアリールで定義されたような官能基で任意に置換されていてもよい。
本発明の治療薬の投与は、本発明薬物の治療上の有効量の投与を包含する。ここで「治療上の有効量」の語は、本発明組成物の投与によって治療可能な症状を予防し若しくは治療する治療薬の量をいう。その量は、検出可能な治療効果、予防効果または改善効果を示すのに十分な量である。その効果には、例えば、以下に掲げる症状の予防または治療が含まれる。対象に対する正確な有効量は、対象の大きさや健康状態、治療する症状の程度および性質、治療に当たる医師の勧告、投与のために選択された治療薬若しくはその組み合わせ等に依存する。従って、前もって正確な有効量を特定することは有用でない。
【0049】
in vivoで生物学的に活性な薬物(例えば、式Iの化合物)に変換される化合物はプロドラッグであり、本発明の精神および範囲内に包含される。
ここで使用される「プロドラッグエステル」の語は、式Iの化合物の一つ以上の水酸基を反応させて得られるエステルおよび炭酸エステルを含む。該反応では、アルキル、アルコキシ、またはアリールで置換されたアシル化試薬を用いて当業者に知られた方法で行われ、酢酸エステル、ピバル酸エステル、メチル炭酸エステル、安息香酸エステル等が生成される。
【0050】
プロドラッグの種々の形態が当業者に知られており、以下に記述されている;
a) The Practice of Medicinal Chemistry, Camille G. Wermuth et al., Ch 31, (Academic Press, 1996);
b) Design of Prodrugs, edited by H. Bundgaard, (Elsevier, 1985); and
c) A Textbook of Drug Design and Development, P. KrogsgaardLarson and H. Bundgaard, eds. Ch 5, pgs 113 191 (Harwood Academic Publishers, 1991)
これらは参考のためにここで援用する。
【0051】
本発明化合物の立体異性体はすべて、混合物、精製物、または実質上の精製物のいずれも考慮される。本発明化合物はR置換基も含めて任意の炭素原子上に不斉中心を有することが可能である。その結果、式Iの化合物はエナンチオマー、ジアステレオマー又はその混合物として存在し得る。製造工程においては、出発物質として、ラセミ体、エナンチオマー、またはジアステレオマーを用いることができる。ジアステレオマー又はエナンチオマー混合物が得られた場合は慣用的な方法、例えば、クロマトグラフィーや分別結晶により分離することができる。
【0052】
本発明の式Iの化合物の薬学的に許容される塩としては、例えばリチウム、ナトリウム、またはカリウム等のアルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩;亜鉛、アルミニウムの他、アンモニウム、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、t-ブチルアミン、t-オクチルアミン、デヒドロアビエチルアミン等の陽イオンの塩;また、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、酒石酸、酢酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、ステアリン酸等の薬学的に許容される陰イオン塩;アルギニン、リシン、アラニン等、天然アミノ酸の塩等、およびそれらのプロドラッグエステルが含まれる。
【0053】
一般的合成スキーム
本発明化合物は、以下の一般的合成反応スキームおよび関連する刊行物記載の方法に従い、当業者によって調製することができる。これら反応における典型的な試薬、方法、条件を以降若しくは実施例において明らかにする。出発物質は市販品を用いるか、既知の方法に従い当業者によって調製することができる。特に限定しない限り、化合物の種々の置換基は式Iにおける定義と同様である。
例えば、中間体がアミン部位またはハロゲン化Q1およびQ2のような活性化芳香族部位を有する場合は、高速アナロジング(Analoging)(HSA)を用いて化合物を調製することもできる。
【0054】
スキームI
スキーム1は式Iの化合物を調製するための一般的合成スキームを示す。式Iの化合物を調製の際一つ以上の保護基が必要であり、保護および脱保護の反応条件は、「有機合成における保護基」 Greene et al., John Wiley and Sons Inc, 1991、その他当業者に知られた他の方法の中に見出すことができる。
【0055】
【化16】

【0056】
式Iの化合物は、不活性溶媒中で適切なカルボン酸活性化試薬を用い式IIの化合物およびアミンXXXIIから調製することができる。典型的なカルボン酸活性化試薬としては、クロロ蟻酸イソブチル、カルボニルジイミダゾール、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ペントフルオロフェノールトリフルオロアセテート、または1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドが含まれる。典型的な不活性溶媒としては、エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、又は塩化メチレン等が含まれる。R3および/またはR4がアミノ保護基、例えばBoc-、CBZ-またはトリチルの場合は、脱保護により最終生成物が得られる。脱保護条件は「有機合成における保護基」 Greene et al., John Wiley and Sons Inc, 1991、その他当業者に知られた他の方法の中に見出すことができる。
【0057】
化合物XXXIIは、PGが適切なアミノ保護基、例えばBoc-、CBZ-またはトリチルである化合物IVの脱保護によって調製できる。Boc-に対する典型的な脱保護試薬はHCl/ジオキサン、塩化メチレン中のTFA等;CBZに対する典型的な脱保護は接触還元、トリチルに対する典型的な脱保護はHCl/アセトンまたはHCl/テトラヒドロフランである。
化合物XXXIIIは化合物XXXIVから調製できる。
【化17】

これをアジド基に変換し続いて還元すれば化合物XXXIIIのアミノ基を与える〔例えば、Lautens et al, J. Org. Chem. (1997) 62, 5246-5247参照〕。
【0058】
【化18】

これをヒドロキシル基に還元し、それから化合物XXXIIIのアミノ基へと変換することができる。或いは、カルボニル基をO-メチルオキシムに変換し、続いて還元して化合物XXXIIIのアミノ基を与えることができる。O-メチルオキシムからアミンへの還元はホウ素-テトラヒドロフラン錯体または当業者に知られた他の方法を用いて達成される。
【0059】
化合物XXXIVは、化合物XXXVIおよび化合物XXXVの反応により調製できる。化合物XXXV〔Y = H、SPh、Cl、NMe(OMe)〕は当業者が調製することができる。化合物XXXVI〔M = Li、MgBr、MgCl、ZnBr、ZnI〕は、有機金属中間体であって適切な前駆体または当業者に知られた他の方法から調製され得る。有機亜鉛試薬は臭化アリールまたはヨウ化アリールをRieke(登録商標)金属亜鉛と処理することにより得られる〔J.Org.Chem., (1991),56,1445, または Tetrahedron (1997), 53, 1925〕。或いはまた、臭化アリールまたはヨウ化アリールをn-BuLiまたはtert-BuLiで処理し、続いて臭化亜鉛またはヨウ化亜鉛を添加することにより調製できる。
【0060】
スキームIIa
【化19】

【0061】
式Iaの化合物は、不活性溶媒中で適切なカルボン酸活性化試薬とアミンIIIを用いて式IIの化合物をアミノリシスすることにより調製することができる。典型的なカルボン酸活性化試薬としては、クロロ蟻酸イソブチル、カルボニルジイミダゾール、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ペントフルオロフェノールトリフルオロアセテート、または1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドが含まれる。R3および/またはR4がアミノ保護基、例えばBoc-、CBZ-またはトリチルの場合は、脱保護により最終生成物が得られる。脱保護は以下に記載するように、当業者によってなされる。
式IIIの化合物は、Gが適切なアミノ保護基、例えばBoc-、CBZ-等の当業者に通常使用される保護基である化合物IVの脱保護によって調製できる。Boc-に対する典型的な脱保護試薬はHCl/ジオキサン、TFA等であり、CBZに対する典型的な脱保護は接触還元である。
【0062】
化合物IVは化合物Vの脱水工程により調製し得る。典型的な脱水試薬としては、POCl3、SOCl2、HCl、HOAcおよびMitsunobu反応が含まれる。
化合物Vは、不活性溶媒中で適切なカルボン酸活性化試薬とアミンVIを用い、化合物VIIからアミノリシスにより調製することができる。典型的なカルボン酸活性化試薬としては、クロロ蟻酸イソブチル、カルボニルジイミダゾール、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ペントフルオロフェノールトリフルオロアセテート、または1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドが含まれる。典型的な不活性溶媒としてはテトラヒドロフラン、ジオキサンを含むエーテル類、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、又は塩化メチレン等が含まれる。
【0063】
化合物VIはピリジン環上の二つのRb置換基を開示するが、該スキームは単一のRb置換基に限定されず、またRbが必要でもない。むしろ、スキームIIaおよび以降のスキームにおけるRb置換基の存在は、一つ以上のRb基がその関連する環上の置換可能ないずれの位置においても任意で置換してよいことを示す。従って、たとえスキームIIaおよび以降のスキームが特定の態様を参照させても、例えば一つ以上のRb基の置換のような種々の他の修飾、または当業者に知られた別の修飾は、この一般合成スキームの精神および範囲の中で使用できると理解すべきである。
【0064】
スキームIIb
【化20】

【0065】
別法として化合物Vは、不活性溶媒中上昇した温度における化合物IXとVIIIとの縮合(Xは例えばハロゲンのような脱離基)によって調製できる。典型的な不活性溶媒としてはDMF、THF、ジオキサン、アセトニトリル、ピリジン、および例えばエタノール等の不活性アルコールが含まれる。典型的な反応温度は40℃から150℃の範囲で変化し得る。
化合物XIは、当業者が通常用いる方法でXを加ヒドラジン分解することにより調製することができる。
【0066】
スキームIIc
【化21】

【0067】
別法として、化合物IVは、不活性溶媒中上昇した温度における化合物XIの加ヒドラジン分解により調製できる。典型的な不活性溶媒としては、ヒドラジン、HOAc、THF、ジオキサン、ピリジン、および、例えばエタノール等の不活性アルコールが含まれる。典型的な反応温度は40℃から150℃の範囲で変化し得る。
化合物XIは不活性溶媒中で適切なカルボン酸活性化試薬を用いてXIIとVIIとを縮合させることにより調製できる。典型的なカルボン酸活性化試薬としては、クロロ蟻酸イソブチル、カルボニルジイミダゾール、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ペントフルオロフェノールトリフルオロアセテート、または1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドが含まれる。典型的な不活性溶媒としてはテトラヒドロフランおよびジオキサンを含むエーテル類、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、又は塩化メチレン等が含まれる。
【0068】
スキームIIIa
【化22】

【0069】
スキームIIIaは式XIII(式中、EはCH2、CRaRb、NRa、O、S、SO2、SO、CO、C(O)O、またはC(O)NRaであり、mおよびnは独立して0から6の整数であり、mおよびnは一緒になり5員から12員環の環状構造を形成する。)を調製するための一般合成方法を示す。
式XIIIの化合物は不活性溶媒中で適切なカルボン酸活性化試薬とアミンXIVを用い、式IIの化合物のアミノリシスを介して調製できる。典型的なカルボン酸活性化試薬としては、クロロ蟻酸イソブチル、カルボニルジイミダゾール、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ペントフルオロフェノールトリフルオロアセテート、または1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドが含まれる。典型的な不活性溶媒としてはテトラヒドロフランおよびジオキサンを含むエーテル類、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、又は塩化メチレン等が含まれる。R3および/またはR4が例えばBoc-やCBZのようなアミノ保護基の場合、これらは脱保護されて最終目的物を与える。脱保護は当業者により以下に記載する方法で行われる。
【0070】
化合物XIVは、PGが例えばBoc-やCBZのような適切なアミノ保護基の場合、化合物XVを脱保護することにより調製できる。Boc-に対する典型的な脱保護試薬はHCl/ジオキサン、TFA等であり、CBZの典型的な脱保護は接触還元である。
化合物XVIは、プロトン性および非プロトン性溶媒中で化合物Xを脱水条件下において調製できる。脱水条件は、プロトン性溶媒とともに、またはHOAcやPPTSのような脱水試薬と組み合わせて、または不活性溶媒中でMitsunobu反応を行うこと等が例示される。
化合物XVIは、化合物IXおよび化合物XVIIを不活性溶媒中で縮合させて得られる。
【0071】
スキームIVa
【化23】

【0072】
スキームIVa - IVcは、スキームIIIaに記載したように同様の一般法を用いて実施することができる。ここで、中間体XVIIIa、XVIIIbおよびXVIIIcは中間体XVIIIの代わりに使用される。mおよびnは独立して0から5の整数であり、mおよびnは一緒になり6員から12員環の環状構造を形成する。
【0073】
スキームIVb
【化24】

【0074】
スキームIVc
【化25】

【0075】
スキームV
【化26】

【0076】
式XIXの化合物は、不活性溶媒中で適切なカルボン酸活性化試薬を使用し、式IIの化合物および式XXのアミンより調製できる。典型的なカルボン酸活性化試薬としては、クロロ蟻酸イソブチル、カルボニルジイミダゾール、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ペントフルオロフェノールトリフルオロアセテート、または1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドが含まれる。典型的な不活性溶媒としてはテトラヒドロフランおよびジオキサンを含むエーテル類、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、又は塩化メチレン等が含まれる。R3および/またはR4が例えばBoc-、CBZやトリチルのようなアミノ保護基の場合、これらを脱保護して最終目的物を得る。脱保護の反応条件は「有機合成における保護基」 Greene et al., John Wiley and Sons Inc, 1991、や当業者によって使用される方法中に見出すことができる。
【0077】
化合物XXはPGが例えばBoc-、CBZやトリチルのようなアミノ保護基である化合物XXIの脱保護により調製できる。脱保護の反応条件は「有機合成における保護基」 Greene et al., John Wiley and Sons Inc, 1991、や当業者によって使用される方法中に見出すことができる。Boc-に対する典型的な脱保護試薬はHCl/ジオキサン、TFA/塩化メチレン等;CBZに対する典型的な脱保護は接触還元、トリチルに対する典型的な脱保護はHCl/アセトンまたはHCl/テトラヒドロフランである。
【0078】
化合物XXIは化合物XXII(X = ClまたはF)より調製できる。最初に化合物XXIIをヒドロキシルアミンと反応させオキシム中間体とし、塩基性条件下で環化させるか、または当業者により用いられる方法に従う。
化合物XXIIは、エーテル、テトラヒドロフランまたはトルエンのような不活性溶媒中で化合物XXIIIを適切な有機亜鉛試薬で処理して調製される。有機亜鉛試薬は臭化アリールまたはヨウ化アリールをRieke(登録商標)金属亜鉛と処理することにより得られる〔J.Org.Chem., (1991),56,1445, または Tetrahedron (1997), 53, 1925〕。或いはまた、臭化アリールまたはヨウ化アリールをn-BuLiまたはtert-BuLiで処理し、続いて臭化亜鉛またはヨウ化亜鉛を添加することにより調製できる。
【0079】
化合物XXIIIは、不活性溶媒中で適切なカルボン酸活性化試薬を用いることにより、式VIIの化合物と、チオフェノールのようなメルカプト化合物から調製できる。典型的なカルボン酸活性化試薬としては、クロロ蟻酸イソブチル、カルボニルジイミダゾール、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ペントフルオロフェノールトリフルオロアセテート、または1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドが含まれる。典型的な不活性溶媒としてはテトラヒドロフランおよびジオキサンを含むエーテル類、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、又は塩化メチレン等が含まれる。
【0080】
スキームVI
【化27】

【0081】
XXIVは、不活性溶媒中で適切なカルボン酸活性化試薬を用いることにより、式IIの化合物およびアミンXXより調製できる。典型的なカルボン酸活性化試薬としては、クロロ蟻酸イソブチル、カルボニルジイミダゾール、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ペントフルオロフェノールトリフルオロアセテート、または1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドが含まれる。典型的な不活性溶媒としては、エーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、又は塩化メチレン等が含まれる。R3および/またはR4が例えばBoc-、CBZやトリチルのようなアミノ保護基の場合、これらを脱保護して最終目的物を得る。脱保護の反応条件は「有機合成における保護基」 Greene et al., John Wiley and Sons Inc, 1991、や当業者によって使用される方法中に見出すことができる。
【0082】
化合物XXは、PGが例えばBoc-、CBZまたはトリチルのような適切なアミノ保護基である化合物XXIの脱保護により得られる。脱保護の反応条件は「有機合成における保護基」 Greene et al., John Wiley and Sons Inc, 1991、や当業者によって使用される方法中に見出すことができる。Boc-に対する典型的な脱保護試薬はHCl/ジオキサン、TFA/塩化メチレン等;CBZに対する典型的な脱保護は接触還元、トリチルに対する典型的な脱保護はHCl/アセトンまたはHCl/テトラヒドロフランである。
化合物XXIは化合物XXII (X = Cl または F)から調製される。最初に化合物XXIIをヒドロキシルアミンと反応させオキシム中間体とし、塩基性条件下で環化させるか、または当業者により用いられる方法に従う。
【0083】
化合物XXIIは、アジド化合物XXVを還元し、続いて得られたアミン中間体を例えばBoc-、CBZまたはトリチル等のアミノ保護基で保護することにより得られる。典型的な還元反応には、水性テトラヒドロフラン中における水素化、またはトリフェニルホスフィンによる方法が含まれる。得られたアミン中間体の保護反応の条件は「有機合成における保護基」 Greene et al., John Wiley and Sons Inc, 1991、や当業者によって使用される方法中に見出すことができる。
化合物XXVは、式XXVIの化合物から二工程又は当該分野の公知の方法により調製できる。化合物XXVIを臭素で処理してα-ブロモケトン中間体とし、続いてアジ化ナトリウムのようなアジドイオンで処理した。
化合物XXVIは、式XXVIIの化合物を有機金属試薬XXIXaまたはXXIXbと反応させて調製できる。
【0084】
化合物XXVIIは、不活性溶媒中で適切なカルボン酸活性化試薬と塩基を使用し、酸XXVIIIとN,O-ジメチルアミン・塩酸塩から調製できる。典型的なカルボン酸活性化試薬としては、クロロ蟻酸イソブチル、カルボニルジイミダゾール、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ペントフルオロフェノールトリフルオロアセテート、または1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドが含まれる。典型的な不活性溶媒としては、エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、又は塩化メチレン等が含まれる。或いは、塩化オキサリル、塩化チオニルまたはその他の当該分野で知られた方法により酸XXVIIIを対応する酸クロリドに変換することもできる。得られた酸クロリドは不活性溶媒中でトリメチルアミンのような塩基の存在下、N,O-ジメチルアミン・塩酸塩と反応させることができる。
化合物XXIXaは一般にGrignard試薬として知られており、当業者に使用される公知の方法で調製される。
化合物XXIXbは、化合物をMeLiまたはn-BuLiで処理し、または当業者に使用される公知の方法で調製される。
【0085】
有用性
式Iの成長ホルモン放出化合物はin vivoで成長ホルモンを放出させるために、ヒトを含む動物に投与される。例えば、該化合物はブタ、ウシ、ヒツジ等の商業上重要な動物に対して投与し、その成長速度および程度を増加させ、および乳の産生を増大させ得る。
本発明はその範囲内に、薬学的な担体若しくは希釈剤と関連し、少なくとも一つの式Iの化合物を有効成分として含む薬学的組成物を包含する。該薬学的組成物の有効成分は、少なくとも一つの式Iの化合物に加えて成長促進薬、または他の活性薬、例えば、抗菌剤やその他の薬学的に活性な物質を任意で含んでもよい。
【0086】
成長促進薬には、TRH、ジエチルスチルベステロール、テオフィリン、エンケファリン、プロスタグランディンEシリーズ、米国特許3,239,345号に開示の化合物(例えば、ゼラノール)、米国特許4,036,979号に開示の化合物(例えば、スルベノックス)または米国特許4,4ll,890号に開示のペプチド等が含まれるが、これらに限定はされない。
開示された本発明の式Iの化合物の更なる使用は、他の成長ホルモン分泌促進剤、例えば、米国特許4,4ll,890号および公開されたWO 89/07ll0およびWO 89/07lllに開示されたGHRP-6、GHRP-1;B-HT920または成長ホルモン放出因子およびそのアナローグ、成長ホルモンおよびそのアナローグ、IGF-lおよびIGF-2を含むソマトメジン等との組み合わせである。開示された本発明の式Iの化合物の更なる使用は、骨粗鬆症治療における、副甲状腺ホルモンまたはビスホスホネート、例えばMK-217(アレンドロネート)との組み合わせである。
【0087】
開示された本発明の式Iの化合物の更なる使用は、エストロゲン、テストステロン、選択的なエストロゲン受容体調節剤(例えばタモキシフェン、ラロキシフェン)、または選択的なアンドロゲン受容体調節剤〔例えば、Edwards, J. P. et al., Bio.Med.Chem.Let., 9, 1003-1008 (1999)およびHamann, L. G. et al., J.Med.Chem., 42, 210-212 (1999)に開示〕との組み合わせであり、代謝症候群の側面の治療、高齢者における筋力および機能の維持、脆弱化の阻止と回復、筋量および筋力の増加と刺激、大きな手術若しくは外傷後のタンパク質異化作用の減衰化、癌やAIDS等の慢性疾患によるタンパク損失と悪液質の軽減、筋肉可動性の改善、皮膚厚みの維持等である。
本発明化合物の更なる使用は、プロゲスチン受容体作用薬(PRA)である。
当業者によく知られているように、成長ホルモンの既知の用途およびその可能性は変化に富み、多様である。そして、成長ホルモンの放出刺激を目的とする本発明化合物の投与は、成長ホルモンそれ自身と同様の用途または効果がある。
【0088】
当業者にとって、成長ホルモンの現在の用途およびその可能性は変化に富み、多様であることはよく知られている。そして、式Iの化合物与は内因性成長ホルモンの放出刺激を目的として投与することができ、成長ホルモンそれ自身と同様の用途または効果がある。式Iの化合物は成長ホルモンの放出刺激(例えば、高齢者において);筋力および機能の維持(例えば、高齢者において);高齢化に伴う機能低下(ARFD)または脆弱化の阻止若しくは回復;グルココルチコイドの異化副作用の阻止;骨粗鬆症の治療と予防;慢性疲労症候群(CFS)の治療;選択的な手術後の筋肉損失および急性疲労症候群の治療;予防接種における免疫応答の改善を含む、免疫系の刺激;創傷治癒の促進;骨折修復の促進(股関節骨折患者の修復促進を含む);複雑骨折治癒(例えば、仮骨延長術)の促進;歯の修復または成長の促進;感覚機能(例えば、聴覚、視覚、嗅覚および味覚)の維持;骨折による萎縮の治療;成長遅延の治療;腎臓傷害若しくは不全による成長遅延の治療;心筋症の治療;慢性肝疾患に関係する萎縮の治療;血小板減少の治療;クローン病に関係する萎縮の治療;短腸症候群の治療;過敏性腸症候群の治療;炎症性腸症候群の治療;クローン病および潰瘍性大腸炎の治療;慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療;
【0089】
移植関連合併症の治療;小児における成長ホルモン不足若しくは慢性疾患関連の低身長を含む、生理学的低身長の治療;肥満および肥満関連成長遅延の治療;拒食症(例えば、悪液質や加齢に関連)の治療;プラダーウィリ症候群およびターナー症候群関連の萎縮の治療;成長ホルモンの部分的不応性症候群患者の成長速度の増大;熱傷患者の入院軽減および回復促進;子宮内成長遅延、骨格形成不全症、副腎皮質機能亢進およびクッシング症候群の治療;成長ホルモンのパルス放出誘導;ストレス患者の成長ホルモンの置き換え;骨軟骨異形成症候群の治療;ヌーナン症候群の治療;統合失調症の治療;うつ病の治療;認識機能の改善(例えば、認知症の治療、アルツハイマー病の治療;遅延創傷治癒と心理社会的喪失の治療;肺機能障害と人工呼吸器依存に関連する異化作用の治療;心臓機能障害(例えば、弁膜症、心筋梗塞、心肥大、またはうっ血性心不全関連)の治療;血圧低下;心室機能障害と再灌流障害に対する保護;慢性透析成人の治療;癌やAIDS等の慢性疾患によるタンパク損失と悪液質の軽減;膵島細胞症を含む高インスリン血症の治療;
【0090】
排卵誘発の補助治療;胸腺発達の刺激と加齢による胸腺機能低下の阻止;免疫低下患者の治療;サルコペニアの治療;AIDSに関連する萎縮の治療;多発性硬化症またはその他の神経変性病の治療;筋力および筋可動性の改善と皮膚厚さの維持;毛髪/爪の成長;代謝恒常性および腎恒常性の治療(例えば、高齢虚弱者において);骨芽細胞、骨再構築および軟骨成長の刺激;食物摂取の制御;コンパニオン動物の免疫系の刺激および高齢疾患の治療;家畜の成長促進;ヒツジの毛の成長刺激;家畜の乳量増大;哺乳類(例えば、ヒト)における、NIDDMを含むインスリン抵抗性の治療;心臓におけるインスリン抵抗性の治療;睡眠の質の改善およびREM睡眠の増加とREM睡眠潜時の減少による老化の相対低ソマトトロピン症の矯正;低体温の治療;加齢に関係する脆弱性の治療:うっ血性心不全の治療;股関節骨折の治療;T4/T8細胞比の低下を伴う個人の免疫不全の治療;
【0091】
リポジストロフィ(例えば、プロテアーゼ阻害剤のようなAIDS療法若しくはHIV療法を行っている患者)の治療;筋萎縮症(例えば、運動不足、ベッドでの長期療養、体重負荷減少状態による)の治療;筋骨格の障害(例えば、加齢による)の治療;プロテインキナーゼBの活性増強;肺機能全体の改善;睡眠障害の治療;および長期重症疾患の異化状態の治療等に有用である。治療の語はまた、予防的措置を包含すると意図される。
加えて、「X症候群」または代謝症候群として一括していわれる症状、病気および疾病〔詳細はJohannsson J. Clin. Endocrinol. Metab., 82, 727-34 (l997)参照〕も、本発明化合物を用いて治療され得る。
【0092】
組み合わせ
本発明化合物は単独で、または互いにおよび/またはその他の成長ホルモン分泌促進剤と組み合わせて、または上述した疾患の治療に有用なその他の適切な治療薬と組み合わせて用いられる。他の治療薬としては、抗糖尿病薬、抗骨粗鬆症薬、抗肥満薬、抗炎症薬、抗不安薬、抗うつ薬、抗高血圧薬、抗血小板薬、抗血栓症薬、血栓溶解薬、強心配糖体、コレステロール/脂質低下薬、電解質コルチコイド受容体拮抗薬、ホスホジエステラーゼ阻害薬、プロテインチロシンキナーゼ阻害薬、甲状腺模倣薬(甲状腺受容体拮抗薬を含む)、同化薬、HIV若しくはAIDS療法、アルツハイマー症その他の認知障害の治療に有用な療法、睡眠障害の治療に有用な療法、抗増殖薬、抗ガン薬、抗潰瘍薬および/または逆流性食道炎薬が含まれる。
【0093】
本発明化合物と組み合わせて用いられる適切な抗糖尿病薬の例としては、ビグァニド(例えば、メトフォルミン)、グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース)、インスリン(インスリン分泌促進薬およびインスリン増感剤が含まれる)、メグリチニド(例えば、レパグリニド)、スルホニルウレア(例えば、グリメピリド、グリブリド、グリピジド)、ビグァニド/グリブリドの組み合わせ(例えば、グルコバンス)、チアゾリジンジオン(例えば、トログリタゾン、ロシグリタゾンおよびピオグリタゾン)、PPAR-α作用薬、PPAR-γ作用薬、PPAR-α/γ二重作用薬、SGLT2阻害薬、例えば米国特許出願09/519,079号(2000年3月6日出願、代理人整理番号LA27)に開示されているような脂肪酸結合タンパク(aP2)阻害薬、グルカゴン様ペプチド-1 (GLP-1)、およびジペプチジルペプチダーゼIV(DP4)阻害薬等が含まれる。
【0094】
本発明化合物と組み合わせて用いられる適切な抗骨粗鬆症薬の例としては、アレンドロネート、リセドロネート、ラロキシフェン、カルシトニン、非ステロイド性プロゲスチン受容体作用薬、RANKリガンド作用薬、カルシウム感知性受容体拮抗薬、TRAP阻害薬、選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)、エストロゲンおよびAP-1阻害薬が含まれる。
本発明化合物と組み合わせて用いられる適切な抗肥満薬の例としては、例えば米国特許出願09/519,079号(2000年3月6日出願、代理人整理番号LA27)に開示されているようなaP2阻害薬、PPAR-γ拮抗薬、PPAR-δ作用薬、およびオルリスタットが含まれる。
【0095】
本発明化合物と組み合わせて用いられる適切な抗炎症薬の例としては、プレドニゾン、デキサメサゾン、エンブレル、シクロオキシゲナーゼ阻害薬(即ち、例えばNSAID、アスピリン、インドメサシン、イブプロフェン、ピロキシカム、ナプロキセン、セレブレックス、ビオックス等のCOX-1および/またはCOX-2阻害薬)、CTLA4-Ig作用薬/拮抗薬、CD40リガンド拮抗薬、インテグリン拮抗薬、α4β7インテグリン拮抗薬、細胞接着阻害薬、インターフェロンγ拮抗薬、ICAM-1、腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬(例えば、インフリキシマブ、OR1384)、プロスタグランディン合成阻害薬、ブデソニド、クロファジミン、CNI-1493、CD4拮抗薬(例えば、プリリキシマブ)、p38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ阻害薬、プロテインチロシンキナーゼ(PTK)阻害薬、IKK阻害薬、過敏性腸症候群治療の療法(例えば、ゼルマックおよび米国特許6,184,231号に開示されたようなMaxi-K開放薬)が含まれる。
【0096】
本発明化合物と組み合わせて用いられる適切な抗不安薬の例としては、ジアゼパム、ロラゼパム、ブスピロン、オキサゼパム、およびパモ酸ヒドロキシジンが含まれる。
本発明化合物と組み合わせて用いられる適切な抗うつ薬の例としては、シタロプラム、フルオキセチン、ネファゾドン、セルトラリン、およびパロキセチンが含まれる。
本発明化合物と組み合わせて用いられる適切な抗高血圧薬の例としては、βアドレナリン遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬(L-タイプおよびT-タイプ;例えば、ジルチアゼム、ベラパミル、ニフェジピン、アムロジピン、およびミベフラジル)、利尿薬(例えば、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、フルメチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンドロフルメチアジド、メチルクロロチアジド、トリクロロメチアジド、ポリチアジド、ベンズチアジド、エタクリン酸トリクリナフェン、クロルサリドン、フロセミド、ムソリリン、ブメタニド、トリアムテレン、アミロリド、スピロノラクトン)、
【0097】
レニン阻害薬、ACE阻害薬(例えば、カプトプリル、ゾフェノプリル、フォシノプリル、エナラプリル、セラノプリル、シラゾプリル、デラプリル、ペントプリル、キナプリル、ラミプリル、リシノプリル)、AT-1受容体拮抗薬(例えば、ロサルタン、イルベサルタン、バルサルタン)、ET受容体拮抗薬(例えば、シタキセンタン、アトルセンタン、および米国特許5,612,359号および同6,043,265号に開示の化合物)、ET/AII二重拮抗薬(例えば、WO 00/01389に開示の化合物)、中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害薬、血管ペプチダーゼ阻害薬(NEP-ACE二重阻害薬)(例えば、オマパトリラートおよびゲモパトリラート)、および硝酸塩が含まれる。
【0098】
本発明化合物と組み合わせて用いられる適切な抗血小板薬の例としては、GPIIb/IIIa遮断薬(例えば、アプシキシマブ、エプチフィバチド、チロフィバン)、P2Y12拮抗薬(クロピドグレル、チクロピジン、CS-747)、トロンボキサン受容体拮抗薬(例えば、イフェトロバン)、アスピリン、およびPDE-III阻害薬(例えば、ジピリダモール)(単独で、若しくはアスピリンと併用)が含まれる。
本発明化合物と組み合わせて用いられる適切な強心配糖体の例としては、ジギタリスおよびウアバインが含まれる。
【0099】
本発明化合物と組み合わせて用いられる適切なコレステロール/脂質低下薬の例としては、HMG-CoA還元酵素阻害薬〔例えば、プラバスタチン、ロバスタチン、アトロバスタチン、シンバスタチン、NK-104(別名、イタバスタチン、ニスバスタチン(nisvastatin)またはニスバスタチン(nisbastatin))、ZD-4522(別名、ロスバスタチン、アタバスタチン、またはビサスタチン)〕、スカレン合成阻害薬、フィブラート、胆汁酸抑制薬、ACAT阻害薬、MTP阻害薬、リポキシゲナーゼ阻害薬、コレステロール吸収阻害薬、コレステロールエステル転移タンパク阻害薬(例えば、CP-529414)が含まれる。
【0100】
本発明化合物と組み合わせて用いられる適切な電解質コルチコイド受容体拮抗薬の例としては、スピロノラクトンおよびエプレリノンが含まれる。
本発明化合物と組み合わせて用いられる適切なホスホジエステラーゼ阻害薬の例としては、例えば、シロスタゾールのようなPDEIII阻害薬、シルデナフィルのようなPDE V阻害薬が含まれる。
本発明化合物と組み合わせて用いられる適切な甲状腺模倣薬の例としては、チロトロピン、ポリチロイド、KB-130015およびドロネダロンがある。
本発明化合物と組み合わせて用いられる適切な同化薬の例としては、テストステロンおよびSARMがある。
【0101】
本発明化合物と組み合わせて用いられる適切なHIVまたはAIDS療法の例としては、硫酸インディナビル、サキナビル、メシル酸サキナビル、アムプレナビル、リトナビル、ロピナビル、リトナビル/ロピナビルの組み合わせ、ラミブジン、ジドブジン、ラミブジン/ジドブジンの組み合わせ、ザルシタビン、ジダノシン、スタブジン、および酢酸メゲストロールがある。
本発明化合物と組み合わせて用いられる適切なアルツハイマー症および認知障害の治療法の例としては、ドネペジル、タクリン、レバスチグミン、5HT6、γセクレターゼ阻害薬、βセクレターゼ阻害薬、SKチャネル遮断薬、Maxi-K遮断薬、およびKCNQ遮断薬が含まれる。
本発明化合物と組み合わせて用いられる適切な睡眠障害の治療法の例としては、メラトニンアナログ、メラトニン受容体拮抗薬、ML1B作用薬、およびGABA/NMDA受容体拮抗薬が含まれる。
【0102】
本発明化合物と組み合わせて用いられる適切な抗増殖薬の例としては、シクロスポリンA、タキソール、FK506およびアドリアマイシンが含まれる。
本発明化合物と組み合わせて用いられる適切な抗腫瘍薬の例としては、タキソール、アドリアマイシン、エポチロン、シスプラチン、カルボプラチンがある。
本発明化合物は更に、例えば米国特許5,179,080号に開示の栄養補助剤、特に乳漿タンパクまたはカゼイン、アミノ酸(例えば、ロイシン、分枝鎖アミノ酸およびヒドロキシメチルブチレート)、トリグリセリド、ビタミン類(例えば、A、B6、B12、葉酸、C、DおよびE)、ミネラル(例えば、セレン、マグネシウム、亜鉛、クロム、カルシウム、およびカリウム)、カルニチン、脂肪酸、クレアチン、およびコエンザイムQ-10と組み合わせて使用してもよい。
【0103】
上記のたの治療薬は本発明化合物と組み合わせて使用する場合、例えば、Physicians' Desk Reference (PDR)に記載の量が使用され、または当業者によって決定される量が使用される。
本発明化合物は成長ホルモン分泌促進剤であり、種々の動物、例えばサル、イヌ、ネコ、ラット、ヒト等に対して必要な場合に投与することができる。これら薬物は例えば経口的にまたは非経口的に全身投与することができる。
本発明化合物は慣用される全身投与のための剤形、例えば錠剤、カプセル剤、エリキシル、または注射剤に組み込むことができる。上記の投与剤形はまた、生理学的に許容される必要な担体物質、賦形剤、滑沢剤、緩衝剤、抗菌剤、増量剤(例えばマンニトール)、抗酸化剤(アスコルビン酸や硫酸水素ナトリウム)等を含んでもよい。経口投与剤形が好ましいが、非経口剤、経鼻剤、エアロゾル等の剤形もまた同様に満足できるものである。
投与用量は、患者の年齢、体重、症状の他、投与経路、投与剤形および計画、および望まれる効果に従って注意深く調節しなければならない。一般には、上記の投与剤形は、約0.000lから約l00 mg/kg体重の量を、一日あたり約1から約1000mg、好ましくは、約5から500mgの範囲内で単回、または一日1回から4回に分けて投与される。
【実施例】
【0104】
以下の実施例は本発明の好ましい態様を示す。特に指定しない限り、温度はすべて℃である。
一般的方法
方法A: HPLCはShimadzu高速液体クロマトグラフィー、0-100%溶媒B[MeOH:H2O:0.2%H3PO4]で4分間のグラディエントの後1分間それぞれ溶出、UV検出器(220nM)、カラム (4.6 X 50mm) YMC C18 5ミクロン樹脂を充填。
調製用逆層HPLCはShimadzuの自動システムを用いて溶媒A(10%MeOH/90%H2O/0.2%TFA)および溶媒B(90%MeOH/10%H2O/0.2%TFA)の混合物を使用。調製用カラムにはYMC ODS C18 5ミクロン樹脂を充填。
【0105】
方法B:HPLCはShimadzu高速液体クロマトグラフィー、0-100%溶媒
B[アセトニトリル:H2O:0.1%TFA]で8分間のグラディエントの後3分間それぞれ溶出、UV検出器(220nM)、カラム(4.6 X 75 mm) Zorbax C18 5ミクロン樹脂を充填。
調製用逆層HPLCはShimadzuの自動システムを用いて溶媒A(10%アセトニトリル/90%H2O/0.1%TFA)および溶媒B(90%アセトニトリル/10%H2O/0.1%TFA)の混合物を使用。調製用カラムにはYMC ODS C18 5ミクロン樹脂を充填。
方法C:HPLCはShimadzu高速液体クロマトグラフィー、0-100%溶媒B[MeOH:H2O:0.2%H3PO4]で8分間のグラディエントの後1分間それぞれ溶出、UV検出器(220nM)、カラム(4.6 X 75 mm) Zorbax C18 5ミクロン樹脂を充填。
キラルな調製用HPLCはカラム(5 X 50cm)にChiralpak AD 2μMを充填しイソプロピルアルコールとヘキサンを溶媒として使用した。
【0106】
実施例1
2-アミノ-N-[1-(6-ブロモ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル)-3-フェニル-プロピル]-2-メチル-プロピオンアミド
【化28】

1A
【化29】

【0107】
3-ベンジルオキシ-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-プロピオン酸(20.0g、67.8mmol)をTHF(100ml)に溶解し、N-メチルモルホリン(11.2ml、101.7mmol)、続いてクロロギ酸イソブチル(11.1ml、74.mmol)を滴下した。白色の懸濁液が得られた。この懸濁液をr.t.で10min撹拌し、5-ブロモ-ピリジン-2-イルヒドラジン(14.1g、74.6mmol)を3回に分けて加えた。得られた懸濁液をr.t.で1時間撹拌し、溶媒を減圧下で除去して粘稠なスラリーを得た。水を加えて、細かい固体が分散状態となるまで該懸濁液を撹拌した。灰白色の固体を濾取し、1N NaOH(100ml)、水(100ml)および1N HCl(100ml)、そして水(200ml)で洗浄し、乾燥して1A(31.5g、100%)を得た。
【0108】
1B
【化30】

1A(30g、64.3mmol)をTHF(100ml)に溶解し、トリフェニルホスフィン(20.2g、77.2mmol)およびトリメチルシリルアジド(10.2ml、77.2mmol)を加えた。この溶液にジエチルジアザカルボキシレート(DEAD、15.2ml、96.5mmol)を速い速度で滴下した。溶液が熱くなった。滴下完了後、出発物質がすべて消失するまで溶液をr.t.で撹拌した(<2h)。減圧下に溶媒を除去して1Bを得た。
【0109】
1C
【化31】

1B(64.3mmol)を4M HCl/ジオキサン(160ml)中に懸濁した。出発物質がすべて消失するまで該懸濁液をr.t.で撹拌した。粘稠なスラリーとなるまで懸濁液を濃縮しTHF(100ml)を加えて希釈した。固体を濾取して、過剰のCH2Cl2、ジエチルエーテルで洗浄し乾燥して1C(24.5g、99%)を得た。
【0110】
1D
【化32】

2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-メチル-プロピオン酸(9.5g、47.9mmol)をTHF (100ml)に溶解し、EDAC(11.2g、58.8mmol)およびHOBT(8.0g、58.8mmol)、DMAP(4.8g、39.2mmol)および(i-Pr)2NEt(20.5ml、117.6mmol)を加えた。この溶液をr.t.で10min撹拌し、1C(15g、39.2mmol)を加えた。反応は1h以内に完結した。溶媒を減圧下で除去し残渣をEtOAc (200ml)に溶解した。有機層を水(200ml)、0.5N NaOH(200ml)、0.5N HCl(200ml)、および水(200ml)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濃縮して1D(20.0g、90%)を白色固体として得た。
【0111】
1E
【化33】

1D(1.0g、1.8mmol)を4M HCl/ジオキサン(5ml)に溶解した。出発物質がすべて消失するまで該溶液をr.t.で撹拌した。溶媒を減圧下で留去し、白色固体をジエチルエーテル中で粉砕して純粋な題記化合物(0.84g、<99%)を得た。
MS(M+H) 433、HPLC保持時間2.07min.
【0112】
実施例2−15
実施例1の方法を用いて、適切な出発物質から実施例2から15を合成した。
【0113】
【表1】

【0114】
【表2】

【0115】
実施例16
2-アミノ-2-メチル-N-[3-フェニル-1-(6-トリフルオロメチル-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル)-プロピル]-プロピオンアミド
【化34】

16A
【化35】

【0116】
2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-フェニル-ブチリックアシッド(2.0g、7.1mmol)をTHF(100ml)に溶解し、TEA(0.98ml、7.1mmol)、続いてクロロギ酸イソブチル(0.98g、7.1mmol)を滴下した。白色の懸濁液が得られた。この懸濁液をr.t.で10min撹拌し、(5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-イル)-ヒドラジン(1.3g、7.1mmol)を3回に分けて加えた。得られた懸濁液をr.t.で1h時間撹拌し、溶媒を減圧下に除去して粘稠なスラリーを得た。水を加えて、細かい固体が分散状態となるまで該懸濁液を撹拌した。灰白色の固体を濾取し、1N NaOH(100ml)、水(100ml)および1N HCl(100ml)、および水(200ml)で洗浄し、乾燥して16A(1.9g、100%)を得た。
【0117】
16B
【化36】

16A(1.9g、4.3mmol)をTHF(100ml)に溶解し、トリフェニルホスフィン(1.3g、5.2mmol)およびトリメチルシリルアジド(0.6g、5.2mmol)を加えた。これにジエチルジアザカルボキシレート(DEAD、1.8g、10.8mmol)を速い速度で滴下した。溶液が熱くなった。滴下が完了後、出発物質がすべて消失するまで該溶液をr.t.で撹拌した(<2h)。溶媒を減圧下で除去し16Bを得た。
【0118】
16C
【化37】

16Bを4M HCl/ジオキサン(160ml)中で懸濁した。出発物質がすべて消失するまで該懸濁液を撹拌した。その後、懸濁液を濃縮して粘稠なスラリーとし、THF(100ml)で希釈した。固体を濾取して、過剰のCH2Cl2、ジエチルエーテルで洗浄し乾燥して16Cを得た。
【0119】
16D
【化38】

2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-メチル-プロピオン酸(27.5mg、0.135mmol)をTHF (100ml)に溶解し、EDAC(29.2mg、0.15mmol)、HOBT(20mg、0.15mmol)、DMAP(1.5mg、0.01mmol)およびピリジンを加えた。この溶液をr.t.で10min撹拌し、16C(52mg、0.123mmol)を加えた。反応は1h以内に完結した。溶媒を減圧下に除去し残渣をEtOAc(200ml)に溶解した。有機層を、水(200 ml)、0.5N NaOH(200 ml)、0.5 N HCl(200ml)、および水(200ml)で洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥し濃縮して16Dを白色固体として得た。
【0120】
実施例16
【化39】

16Dを4M HCl/ジオキサン(5ml)に溶解した。出発物質がすべて消失するまで、該溶液をr.t.で撹拌した。溶媒を減圧下で留去し、白色固体をジエチルエーテル中で粉砕して純粋な目的物(29mg、94%)を得た
MS(M+H) 406、HPLC 保持時間 2.3min.
Table 2に示すとおり、対応する酸(ステップA)、ヒドラジン(ステップA)およびアミン(ステップD)から出発し実施例16の方法を用いて、下記の化合物を調製した。
【0121】
【表3】

【0122】
【表4】

【0123】
実施例26
6-アミノ-N-[2-フェニル-1-(6-トリフルオロメチル-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル)-エチル]-ニコチンアミド
【化40】

26A
【化41】

【0124】
2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-フェニル-プロピオン酸(2.0g、7.1mmol)をTHF(100ml)に溶解し、TEA(0.98ml、7.1mmol)、続いてクロロギ酸イソブチル(0.98g、7.1mmol)を滴下した。白色の懸濁液が得られた。この懸濁液をr.t.で10min撹拌し、(5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-イル)-ヒドラジン(1.3g、7.1mmol)を3回に分けて加えた。得られた懸濁液をr.t.で1h時間撹拌し、溶媒を減圧下に除去して粘稠なスラリーを得た。水(200ml)を加えて、細かい固体が分散状態となるまで該懸濁液を撹拌した。灰白色の固体を濾取し、1N NaOH(100ml)、水(100ml)、1N HCl(100ml)および水(200ml)で洗浄し乾燥して26A(1.9,100%)を得た。
【0125】
実施例16の方法を使用し、16Aに代えて26Aを、16Bに代えて26Bを、16Cに代えて26Cを、16Dに代えて26Dをそれぞれ用いて実施例26を調製した。実施例26は白色の泡状物質として得られた。
MS(M+H) 427、HPLC 保持時間 2.23min.
Table 3に示すとおり、実施例26の工程を用いて下記の化合物を調製した。
【0126】
【表5】

【0127】
【表6】

【0128】
実施例36
6-アミノ-N-[2-ベンジルオキシ-1-(6-トリフルオロメチル-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル)-エチル]-ニコチンアミド
【化42】

36A
【化43】

【0129】
3-ベンジルオキシ-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-プロピオン酸(2.0g、7.1mmol)をTHF(100ml)に溶解し、TEA(0.98ml、7.1mmol)、続いてクロロギ酸イソブチル(0.98g、7.1mmol)を滴下した。白色の懸濁液が得られた。この懸濁液をr.t.で10min撹拌し、(5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-イル)-ヒドラジン(1.3g、7.1mmol)を3回に分けて加えた。得られた懸濁液をr.t.で1h時間撹拌し、溶媒を減圧下に除去して粘稠なスラリーを得た。水(200ml)を加えて、細かい固体が分散状態となるまで該懸濁液を撹拌した。灰白色の固体を濾取し、1N NaOH(100ml)、水(100ml)、1N HCl(100ml)、および水(200ml)で洗浄し、乾燥して36A(1.9,100%)を得た。
【0130】
実施例16の方法を使用し、16Aに代えて36Aを、16Bに代えて36Bを、16Cに代えて36Cを、16Dに代えて36Dをそれぞれ用いて実施例36を調製した。実施例36は白色の泡状物質として得られた。
MS(M+H) 456、HPLC 保持時間 2.4in.
続くTable 4の化合物を実施例36の方法を用いて調製した。
【0131】
【表7】

【0132】
実施例45
2-アミノ-N-{2-ベンジルオキシ-1-[6-(2-フルオロ-フェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル]-エチル}-2-メチル-プロピオンアミド
【化44】

45A
【化45】

【0133】
化合物1D(300mg、0.56mmol)、2-フルオロフェニルホウ酸(120mg、0.86mmol)、Pd(OAc)2(5mg、0.022mmol)、トリフェニルホスフィン(100mg、0.38mmol)、およびEt3N(0.24ml、1.72mmol)をDMF(2ml)に溶解した。この溶液を110℃で12h加熱した。得られた混合物を水(10ml)で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層をあわせてNH4OH(10%)および食塩水で洗浄し、無水MgSO4上で乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、粘着性の液体を得た。この生成物は精製することなく直接次の工程に用いた。
【0134】
実施例45
45Aを4M HCl/ジオキサン(2ml)中に溶解した。出発物質がすべて消失するまで該懸濁液を撹拌した。溶媒を減圧下で留去した。生成物を調製用HPLCで精製して題記化合物(129mg、50%)を得た。
MS(M+H) 447、HPLC 保持時間 2.47min.
Table 5に示すとおり、適切な出発化合物を用いて、実施例1で生じる中間体と実施例45の工程を経由して下記の化合物を調製した。
【0135】
【表8】

【0136】
実施例51
2-アミノ-N-[2-ベンジルオキシ-1-(6-メタンスルフォニルアミノ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル)-エチル]-2-メチル-プロピオンアミド
【化46】

【0137】
51A
【化47】

5-ブロモ-2-ヒドラジノピリジンの代わりに5-ニトロ-2-ヒドラジノピリジンを用い、1Dの合成の記載と同じ方法によって化合物51Aを得た。
【0138】
51B
【化48】

化合物51A(1.3g、2.6mmol)をEtOH(60ml)に溶解した。Pd/C(35mg、Pd 10重量%)を窒素下で加えた。この混合物に対して50Psiで3h水素化反応を行い、51Bを得た。溶媒を減圧下で除去して得た生成物は純度が高く(>90%)、直接次の反応に用いた。
【0139】
51C
【化49】

化合物51B(200mg、0.43mmol)をCH2Cl2(5ml)に溶解し、ピリジン(0.14ml、2.1mmol)を加えた。これに、対応するメチルスルホニルクロリド(0.05ml、0.65mmol)を加えた。反応は1.5 hで完結した。反応物をCH2Cl2(25ml)で希釈し1N HCl(20ml)、NaHCO3飽和水溶液 (20ml)、および水(20ml)で洗浄した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(5% CH3OH/溶出液として)で精製し51C(90mg、40%)を得た。
【0140】
実施例51
化合物51Cを4M HCl/ジオキサン(4ml)中に溶解し、反応が完結するまでr.t.で撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、調製用HPLCで精製して題記化合物(60mg、82%)を泡状物質として得た。
MS(M+H) 447、HPLC保持時間 1.73min.
適切な出発化合物を使用し、実施例51の方法を用いて下記Table 6の化合物を調製した。
【0141】
【表9】

【0142】
実施例55
N-[1-(6-アセチルアミノ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル)-2-ベンジルオキシ-エチル]-2-アミノ-2-メチル-プロピオンアミド
【化50】

55A
化合物51B(130mg、0.28mmol)をCH2Cl2(2ml)に溶解しEt3N(0.2ml、1.4mmol)を加えた。これに塩化アセチル(0.026ml、0.36mmol)を加えた。r.tで終夜撹拌した後、反応液をCH2Cl2(25ml)で希釈し、1N HCl(20ml)、NaHCO3飽和水溶液(20ml)、および水(20ml)で洗浄した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(5%CH3OH/CH2Cl2)で精製し55A(80mg、56%)を得た。
【0143】
実施例55
化合物55Aを4M HCl/ジオキサン(4ml)中に溶解し、反応が完結するまでr.t.で撹拌した。溶媒を減圧下で除去し生成物を調製用HPLCで精製して題記化合物を泡状物質として得た。
MS(M+H) 411、HPLC 保持時間 1.86min.
適切な出発物質を使用し、実施例55の方法を用いて下記Table 7の化合物を調製した。
【0144】
【表10】

【0145】
実施例57
2-アミノ-N-[2-ベンジルオキシ-1-(6-クロロ-5-ジメチルアミノ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル)-エチル]-2-メチル-プロピオンアミド
【化51】

【0146】
57A
【化52】

1Dの合成の記載と同様の方法により、対応する2-ヒドラジノピリジンを用いて化合物57Aを得た。
【0147】
57B
【化53】

化合物57A(250mg、0.48mmol)およびジメチルアミン(3ml)を100℃で1.5時間加熱した。反応液を水(10ml)で希釈しEtOAcで抽出した。有機層をあわせてNa2SO4上で乾燥し溶媒を減圧下に留去した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(2% CH3OH/CH2Cl2)で精製し57B(140mg、55%)を得た。
【0148】
実施例57
57A(140mg、0.26mmol)を4M HCl/ジオキサン(5ml)中に溶解し、出発物質が消失するまでr.t.で撹拌した。調製用HPLCで精製し、題記化合物(51mg)を得た。
MS (M+H)431、HPLC 保持時間 2.35min.
適切な出発物質を使用し、実施例57に記載の方法を用いて下記Table 8の化合物を調製した。
【0149】
【表11】

【0150】
実施例63
2-アミノ-N-{2-ベンジルオキシ-1-[6-クロロ-5-(2-メトキシ-エトキシ)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル]-エチル}-2-メチル-プロピオンアミド
【化54】

【0151】
63A
【化55】

化合物57A(250mg、0.48mmol)、2-メトキシ-エタノール(1ml)および炭酸セシウム(155mg、0.48mmol)を100℃で1.5h加熱した。反応液を水(10 ml)で希釈しEtOAcで抽出した。有機層をあわせてNa2SO4上で乾燥し溶媒を減圧下に留去し、63Aを得た。
【0152】
実施例63
63Aを4M HCl/ジオキサン(5ml)中に溶解し、反応が完結するまでr.t.で撹拌した。溶媒を減圧下で除去し生成物を調製用HPLCで精製して題記化合物(18.6mg)を得た。
MS(M+H) 462、HPLC 保持時間 2.23min.
適切な出発物質を使用し、実施例63に記載の方法を用いて下記Table 9の化合物を調製した。
【0153】
【表12】

【0154】
実施例69
3-[1-(2-アミノ-2-メチル-プロピオニルアミノ)-2-ベンジルオキシ-エチル]-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-6-カルボン酸メチルアミド
【化56】

【0155】
69A
【化57】

DMF(10ml)およびMeOH(5ml)中の1D(0.7g、1.32mmol)に対して、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)-プロパン(217mg、0.53mmol)、DBU(240mg、1.58mmol)および酢酸パラジウム(148mg、0.66mmol)を加えた。混合物を脱気し一酸化炭素でフラッシュして20psiとし、85℃で終夜加熱した。触媒を濾別して濾液を濃縮した。残渣をEtOAcに溶解し、水、食塩水で洗浄し、乾燥して濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーで精製し69Aを白色泡状で得た。
【0156】
69B
【化58】

THF(20ml)中の69A(2.3g、4.5mmol)に対して、2N水酸化リチウム溶液(40ml)を加え、混合物をr.t.で3h撹拌した。1N HClを加えてpHを2に調節し、溶液をCH2Cl2で抽出し、洗浄し乾燥し濃縮して、69Bを得た。
【0157】
69C
【化59】

69B(150mg、0.3mmol)をCH2Cl2(2ml)に溶解し、EDAC(86mg、0.45mmol)、HOBT(60mg、0.45mmol)、(i-Pr)2NEt(58mg、0.45mmol)を加え、更にメチルアミンの2M THF溶液(0.225ml、0.45mmol)を加えた。反応液を終夜撹拌しEtOAcで抽出した。有機溶液を水、食塩水で洗浄し乾燥し濃縮して、69Cを白色固体として得た。
【0158】
実施例69
69Cを4M HCl/ジオキサン(5ml)中に溶解し、反応が完結するまでr.t.で撹拌した。溶媒を減圧下で除去し生成物を調製用HPLCで精製して題記化合物をオイルとして得た。
MS(M+H) 410、HPLC 保持時間 2.4min.
適切な出発物質を使用し、実施例69に記載の方法を用いて下記Table 10の化合物を調製した。
【0159】
【表13】

【0160】
実施例75
メチル-カルバミン酸3-[1-(2-アミノ-2-メチル-プロピオニルアミノ)-2-ベンジルオキシ-エチル]-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-6-イルメチルエステル
【化60】

【0161】
75A
【化61】

59A(50mg、0.098mmol)をCH2Cl2に溶解し、-78℃で撹拌してDIBALの1.5M トルエン溶液(0.4ml、0.58mmol)を加えてその後r.t.で終夜撹拌した。溶液を0℃に冷却し、酒石酸ナトリウムカリウムの1M 溶液をゆっくり加えた。溶液をr.t.で1.5h撹拌し生じた沈殿をセライトパッドで濾過した。CH2Cl2で抽出し、洗浄し乾燥して濃縮し、75Aを得た。
【0162】
75B
【化62】

75A(180mg、0.2mmol)およびCH2Cl2(2ml)を0℃に冷却し、TEA(60mg、0.6mmol)およびメチルイソシアネート(24mg、0.4mmol)を加えた。反応液をr.t.にまで加温し終夜撹拌した。溶液を濃縮して75Bを得た。
【0163】
実施例75
75Bを4M HCl/ジオキサン(5ml)中に溶解し、反応が完結するまでr.t.で撹拌した。溶媒を減圧下で除去し生成物を調製用HPLCで精製して題記化合物をオイルとして得た。
MS(M+H) 441、HPLC 保持時間 2.48min.
【0164】
実施例76
3-[1-(2-アミノ-2-メチル-プロピオニルアミノ)-2-ベンジルオキシ-エチル]-5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-8-カルボン酸 エチルエステル
【化63】

【0165】
76A
【化64】

水酸化カリウムの40%水溶液(100ml)およびエーテル(500ml)を0℃に冷却し、1-メチル-3-ニトロ-1-ニトログアニジン(15g、0.102mol)を15minかけてゆっくりと加えた。上側の有機層を、水酸化カリウム30gを含むフラスコ中に注いだ。5min後、THF/CH2Cl2(200ml)中の3-ベンジルオキシ-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-プロピオン酸(20.5g、0.069mol)に対して、該エーテル溶液をゆっくりと加えた。5min撹拌後に溶液を濃縮し、76Aを得た。
【0166】
76B
【化65】

76A(22.8mg、74.8mmol)をMeOH(250ml)に溶解し、ヒドラジン(4.8g、149.8mmol)を加えて混合物を2日間環流した。溶液を濃縮し、76Bを粗生成物として得た。
【0167】
76C
【化66】

2-オキソピペリジン-3-カルボン酸 エチルエステル (0.86g、5mmol)をCH2Cl2(10ml)に溶解し、トリメチルオキソニウムテトラフルオロボレート(0.74g、5mmol)を加えて終夜撹拌し、それから76B(1.5g、5mmol)を加えた。混合物を24h撹拌した。溶液をCH2Cl2で希釈し、水、食塩水で洗浄し乾燥し濃縮して、76C(2.5g、<99%)を白色泡状物質として得た。
【0168】
76D
【化67】

76C(1.3g、2.8mmol)をMeOH(27ml)に溶解し、4日間環流した。混合物を濃縮して、76Dを得た。
【0169】
76E
【化68】

CH2Cl2中の76D(1.2g、2.8mmol)に4M HCl/ジオキサン(5ml)を加えて出発物質が消失するまでr.t.で撹拌した。溶液を濃縮して残渣をCH2Cl2(15ml)に溶解し、EDAC(0.8g、0.4.16mmol)、HOBT(0.56g、4.16mmol)、(i-Pr)2NEt(7.15g、55.4mmol)および2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-メチル-プロピオン酸 (0.68g、3.32mmol)を加えた。反応液を終夜撹拌し、EtOAcで抽出した。有機溶液を、水、食塩水で洗浄し、乾燥し濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:5%CH3OH/CH2Cl2)で精製し、76Eを得た。
【0170】
実施例76
CH2Cl2(5ml)中の76E(50mg、0.1mmol)に4M HCl/ジオキサン(2ml)を加え、出発物質が消失するまでr.t.で撹拌した。調製用HPLCで精製し題記化合物(22mg、55%)を塩として得た。
MS (M+H) 430、HPLC 保持時間 2.63min.
【0171】
実施例77
2-アミノ-N-[2-ベンジルオキシ-1-(5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル)-エチル]-2-メチル-プロピオンアミド
【化69】

【0172】
77A
【化70】

76E(0.32g、0.6mmol)をTHF(1ml)に溶解し、H2O(4ml)、MeOH(0.5ml)および4N水酸化リチウム水溶液(6ml)を加えた。混合物をr.t.で1.5h撹拌した。1N HClをゆっくり加えて、溶液のpHを2に調節しCH2Cl2で抽出した。水、食塩水で洗浄し乾燥し濃縮して77A(270mg、89%)を得た。
【0173】
実施例77
エーテル(2.5ml)中の77A(135mg、0.27mmol)に対して、メチルアミンの2M THF溶液(0.27ml、0.54mmol)、HOBT(73mg、0.54mmol)およびEDAC(103mg、0.54mmol)を加えた。24h撹拌後、溶液をCH2Cl2で抽出し、水、食塩水で洗浄し乾燥し濃縮した。残渣にCH2Cl2(2ml)を加えて、4M HCl/ジオキサン(1ml)で処理し、出発物質が消失するまでr.t.で撹拌した。
MS(M+H) 358、HPLC 保持時間 1.86min.
【0174】
実施例78
3-[1-(2-アミノ-2-メチル-プロピオニルアミノ)-2-ベンジルオキシ-エチル]-5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-7-カルボン酸 エチルエステル
【化71】

【0175】
78A
【化72】

イソニペコチン酸エチル(20.4g、0.13mmol)をCH2Cl2(120ml)中に溶解し、ジ-tert-ブチルジカーボネート(31.1g、0.13mol)を加えた。r.t.で5h撹拌した後、水を加えて反応を停止させ、CH2Cl2で抽出した。溶液を、水、食塩水で洗浄し乾燥し濃縮した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:1/6=EtOAc/ヘキサン)で精製し、78Aを得た。
【0176】
78B
【化73】

水(120ml)およびアセトニトリル(25ml)中に78A(10.38g、40.4mmol)を溶解し、r.t.で過ヨウ素酸ナトリウム(25.9g、121.1mmol)および酸化ルテニウム(0.5g、3.63mmol)を加えた。6h撹拌した後混合物を濾過した。残渣をCH2Cl2で洗浄し、水層をCH2Cl2で抽出した。有機層を乾燥し、濃縮して残渣にCH2Cl2(100ml)を加え4N HCl/ジオキサン(14ml)で処理して出発物質がすべて消失するまでr.t.で撹拌した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:5% CH3OH/CH2Cl2)で精製し、78Bを得た。
【0177】
78C
【化74】

76Cで記載された方法により2-オキソ-ピペリジン-3-カルボン酸 エチルエステルを78B(1.2g、7.1mmol)で置き換え、76B(2.9g、7.1mmol)を使用して78Cを調製した。78C(3.4g、<99%)を無色のオイルとして得た。
76Dの調製と同じ方法を使用し、76Cを78Cで置き換えて、題記化合物(17mg)を泡状で得た。
MS (M+H) 430、HPLC 保持時間 2.56min.
実施例78を調製用HPLCで分離して、実施例78a MS (M+H) 430、HPLC保持時間 2.55min、および実施例78b MS (M+H) 430、HPLC保持時間 1.89minを得た。
【0178】
実施例79
3-[1-(2-アミノ-2-メチル-プロピオニルアミノ)-2-ベンジルオキシ-エチル]-7-フェニル-5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-7-カルボン酸 メチルエステル
【化75】

【0179】
79A
【化76】

40%水酸化カリウム水溶液(15ml)およびエーテル(100ml)を0℃に冷却し、1-メチル-3-ニトロ-1-ニトログアニジン(5g、34mmol)を15minかけてゆっくりと加えた。上側の有機層を、水酸化カリウム30gを含むフラスコ中に注いだ。5min後、THF(20ml)中の4-ホルミル-4-フェニル-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(4.15g、13.6mmol)に対して、該エーテル溶液をゆっくりと加えた。5min撹拌した後、溶液を濃縮し79A(4.4g、<99%)を得た。
【0180】
79B
【化77】

78Aを79A (4g、12.5mmol)で置き換え、78Bの方法を用いて、79Bを調製した。79B(3.1g、75%)を無色のオイルとして得た。
【0181】
79C
【化78】

CH2Cl2/MeOH (6ml/6ml)中の79B (3.1g、9.3mmol)を4M HCl/ジオキサン(5ml)で処理し、出発物質が消失するまでで撹拌した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:5%CH3OH/CH2Cl2)で精製し、79Cを得た。
【0182】
79D
【化79】

76Cで記載された方法により、2-オキソ-ピペリジン-3-カルボン酸 エチルエステルを79C(830mg、35.6mmol)で置き換え、76B(2.9g、7.1mmol)を使用して79Dを調製した。79D(2.2g、<99%)を無色のオイルとして得た。
76D、76Eおよび実施例76の方法を使用して実施例79を調製した。ここで、76Cを79Dで、76Dを79Eで、そして76Eを79Fでそれぞれ置き換え、題記化合物(8.5mg)を泡状で得た。
MS(M+H) 492、HPLC 保持時間 2.91min.
【0183】
実施例80および実施例81
実施例79のジアステレオマー混合物を調製用HPLCで分離して、24mgの実施例80〔MS (M+H)492、HPLC 保持時間 2.89min〕および34mgの実施例81〔MS(M+H) 492、HPLC 保持時間 3.01min〕を得た。
【0184】
実施例82
3-[1-(2-アミノ-2-メチル-プロピオニルアミノ)-2-ベンジルオキシ-エチル]-5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-7-カルボン酸 エチルアミド
【化80】

82A
【化81】

76Eを78D(200mg、0.38mmol)で置き換え、77Aの方法を使用して82Aを調製した。82A(168mg、89%)を無色のオイルとして得た。
【0185】
実施例82
82A(89mg、0.18mmol)をCH2Cl2(2ml)に溶解し-40℃に冷却して、N-メチルモルホリンおよびクロロギ酸イソブチル(24.3mg、0.18mmol)を加えた。混合物を-40℃で1h撹拌し、その後エチルアミンの2M THF溶液(90μl、0.18mmol)を加えた。反応液をゆっくりとr.t.にまで加温し濃縮した。残渣を再度CH2Cl2(2ml)に溶解し、4M HCl/ジオキサン(1ml)で処理して出発物質がすべて消失するまでr.t.で撹拌した。調製用HPLCで精製して題記化合物(14mg、20%)を塩として得た。
MS(M+H) 429、HPLC 保持時間 1.89min.
実施例82に記載された方法を使用し、適切な出発化合物を用いて化合物83および83aを合成した。
【0186】
【表14】

【0187】
実施例84
2-アミノ-N-[1-(6-クロロ-ベンゾ[d]イソキサゾール-3-イル)-4-フェニルブチル]-2-メチル-プロピオンアミド
【化82】

【0188】
84A
【化83】

EtOH(60ml)に金属Na(2.3g、100mmol)をゆっくり加え、金属Naがすべて溶解するまで30分間撹拌した。それから2-アセチルアミノマロン酸 ジエチルエステル(21.7g、100mmol)を加えた。r.t.で1h撹拌した後、(3-ブロモ-プロピル)-ベンゼン(15.2ml、100mmol)を加えて75℃で終夜撹拌した。水を加えて反応を停止させ、EtOAcで抽出しNa2SO4上で乾燥し濾過して濃縮した。残渣をヘキサン中で粉砕して84A(18.7g、81%)を白色固体として得た。
【0189】
84B
【化84】

A(4.3g、18.7mmol)を1N NaOH (56 ml)およびTHF(50ml)に溶解し、撹拌しながらジ-tert-ブチルジカーボネート(4.9g、22.5mmol)をr.t.で加えた。3h撹拌した後、ベンゼンチオール(3.1g、28.1mmol)、EDAC(7.1g、37mmol)およびHOBT(5.1g、37mmol)を加えて、混合物をr.t.で終夜撹拌した。混合物をEtOAcで抽出し、水洗して、Na2SO4上で乾燥し、濾過して濃縮した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:1/9=EtOAc/ヘキサン)で精製し84B(3.8g、53%)の白色固体を得た。
【0190】
84C
【化85】

THF(10ml)中の84B(1.1g、3.8mmol)に対して、窒素下で0℃に冷却しジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(200mg、0.28mmol)を加え、続いてヨウ化3-クロロ-4-フルオロフェニル亜鉛(17ml、8.5mmol)の0.5M THF溶液をシリンジで加えた。該混合物をr.t.で3h撹拌した後、水を加えて反応を停止させEtOAcで抽出してNa2SO4上で乾燥し濾過して濃縮した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:1/9=EtOAc/ヘキサン)で精製して84C(710mg、45%)の白色固体を得た。
【0191】
84D
【化86】

84C(700mg、1.7mmol)をピリジン(5ml)に溶解し、ヒドロキシルアミン・塩酸塩(240mg、3.4mmol)を加えて封管中で2h加熱した。混合物を濃縮し、残渣をDMF(5ml)に溶解して水酸化カリウム(450mg、6.8mmol)を加えた。混合物を85℃で終夜加熱し、水を加えて反応を停止させた。EtOAcで抽出し、Na2SO4上で乾燥して濾過し濃縮した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:1/9=EtOAc/ヘキサン)で精製し、84D(390mg、57%)の白色固体を得た。
【0192】
84E
【化87】

84D(390mg、0.97mmol)の溶液中に、5mlの20% TFA/CH2Cl2を加えr.t.で2h撹拌した。混合物を濃縮し、残渣を1N NaOHに溶解し、水食塩水、乾燥して濃縮した。残渣にCH2Cl2(5ml)を加え、Boc-2-アミノイソブチリックアシッド(390mg、1.9mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(270mg、2mmol)、およびEDAC(380mg、2mmol)を加えた。混合物をr.t.で終夜撹拌し、EtOAcで抽出し、水、食塩水で洗浄しNa2SO4上で乾燥して、濾過して濃縮した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:1/9=EtOAc/ヘキサン)で精製し、84E(360mg、76%)の白色固体を得た。
【0193】
実施例84
84E(13mg、0.03mmol)を20% TFA/CH2Cl2(1ml)に溶解し、1h撹拌してから濃縮した。残渣を調製用HPLCで精製し題記化合物(34.5mg、53%)を白色固体として得た。
MS (M+H) 386、HPLC 保持時間 3.32min.
【0194】
実施例85
2-アミノ-N-[1-(5-クロロ-ベンゾ[d]イソキサゾール-3-イル)-4-フェニル-ブチル]-2-メチル-プロピオンアミド
【化88】

【0195】
85A
【化89】

2,5-ジクロロ安息香酸(3.5g、18.3mmol)をCH2Cl2(5ml)に溶解し、塩化オキサリルの2M CH2Cl2溶液(18.3ml)、続いてDMFを数滴加えた。混合物をr.t.で2h撹拌し濃縮した。残渣をCH2Cl2(20ml)に溶解し、TEA(7.6ml、55mmol)、続いてN,O-ジメチルヒドロキシルアミン・塩酸塩(3.6g、36.6mmol)を加えた。混合物をr.t.で終夜撹拌し、EtOAcで抽出して洗浄し乾燥し濾過して濃縮した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:EtOAc/ヘキサン)で精製し、85A(3g、67%)を薄茶色の固体として得た。
【0196】
85B
【化90】

THF(15ml)中の3-ブチニルベンゼン(1.5g、11.5mmol)を0℃に冷却し、n-BuLiの2.5M ヘキサン溶液(5.3ml)をシリンジを用いて加えた。30min撹拌の後、85A(2.4g、10.3mmol)をTHF(5ml)に溶解して加え、更に0℃で1h撹拌した。水を加えて反応を停止させ、EtOAcで抽出して、Na2SO4上で乾燥し、濾過して濃縮した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:1/9=EtOAc/ヘキサン)で精製し、85B(1.3g、42%)を黄色液体として得た。
【0197】
85C
【化91】

MeOH(15ml)およびEtOAc(5ml)中のC(1.3g、4.3mmol)に対してPd-C触媒(260mg、Pd 5重量%)を加え水素風船下r.t.で6h撹拌した。触媒を濾別して濾液を濃縮した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:5/95=EtOAc/ヘキサン)で精製し、85C(1.1g、85%)を黄色液体として得た。
【0198】
85D
【化92】

85C(900mg、2.9mmol)をジオキサン(5ml)に溶解し、r.t.で臭素(470mg、2.9mmol)/ジオキサン(5ml)を、シリンジを介してゆっくりと加え終夜撹拌した。水を加えて反応を停止させEtOAcで抽出し、Na2SO4上で乾燥し濾過して濃縮した。シリカパッドを通して、残渣から中間体である薄黄色のオイルを得た。該中間体をアセトン(10ml)に溶解し、アジ化ナトリウム(200mg、3.1mmol)/水(2ml)を加えた。r.t.で混合物を30min撹拌し、濃縮してEtOAcで抽出し、Na2SO4上で乾燥し濾過して濃縮した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:1/9=EtOAc/ヘキサン)で精製し、85D(710mg、70%)を得た。
【0199】
85E
【化93】

MeOH(10ml)中の85D (710mg、2mmol)に対して、ジ-tert-ブチルジカーボネート(1.3g、6mmol)およびPd-C触媒(70mg、パラジウム5重量%)を加え水素風船下r.t.で終夜撹拌した。触媒を濾別して濃縮した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:1/9=EtOAc/ヘキサン)で精製し、85E(250mg、89%)の白色固体を得た。
【0200】
85F
【化94】

84Dの方法を使用し、84Cを85E(650mg、1.5mmol)で置き換え、ヒドロキシルアミン・塩酸塩(210mg、3mmol)および水酸化カリウム(400mg、6mmol)を用いて85Fを調製した。85F(490mg、81%)を無色のオイルとして得た。
【0201】
85G
【化95】

84Eの方法を使用し、84Dを85F(490mg、1.2mmol)で置き換え、Boc-2-アミノイソブチリックアシッド (490mg、2.4mmol)を用いて85Gを調製した。85G(540mg、91%)を無色のオイルとして得た。
【0202】
85H
【化96】

キラルな調製用HPLC〔Chiralpak AD 5cmX50cm 2μm;溶出液 20% IPA/ヘキサン〕を用いて85Gをキラル分割に付し、85H(rt=6.54min) 265mg、および85I(rt=12.85min) 265mgを得た。
【0203】
実施例85
実施例84の方法に従い、85I(265mg、0.55mmol)を20%TFA/CH2Cl2(3ml)で処理して題記化合物(245mg)を純度99%の白色固体として得た。
MS(M+H) 387、HPLC 保持時間 3.34min.
【0204】
実施例86
2-アミノ-N-[1-(5-クロロ-ベンゾ[d]イソキサゾール-3-イル)-4-フェニル-ブチル]-2-メチル-プロピオンアミド
【化97】

実施例84の方法に従い、86H(10mg、0.02mmol)を20%TFA/CH2Cl2(0.7ml)で処理して、題記化合物(7.4mg)を純度97%の白色固体として得た。
MS(M+H) 386、HPLC 保持時間 3.37min
【0205】
実施例87
2-アミノ-N-[1-(6-メタンスルフォニル-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル)-3-フェニル-プロピル]-2-メチル-プロピオンアミド
【化98】

【0206】
87A
【化99】

THF(3ml)中の1C(200mg、0.447mmol)に対して塩化イソプロピルマグネシウムの2M溶液(1.34ml、2.68mmol)をr.t.で加えた。1h撹拌した後、ジメチルジスルフィド(94.2mg)を加えて終夜撹拌した。水で希釈して、CH2Cl2で抽出し、乾燥して濃縮した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:1/1=EtOAc/ヘキサン)で精製し、87Aの白色固体を得た。
【0207】
87B
【化100】

CH2Cl2(1ml)中の87A (15mg、0.03mmol)に対してm-クロロ過安息香酸 (21mg、0.07)を加え、2h撹拌した。混合物を濃縮し、CH2Cl2に再び溶解して1N NaOH、および食塩水で洗浄し乾燥して濃縮した。残渣にMeOH(1ml)を加え、4N HCl(1ml)で処理してr.t.で3h撹拌し濃縮した。残渣にCH2Cl2(1.5ml)を加え、更にBoc-2-アミノイソブチリックアシッド(390mg、1.9mmol)、1-HOAT(10mg、0.07mmol)、EDAC(14mg、0.072mmol)およびTEA(20μl、0.144mmol)を加えた。混合物をr.t.で終夜撹拌し、EtOAcで抽出し水洗してNa2SO4上で乾燥し濾過して濃縮し、87Bを得た。
【0208】
実施例87
87BをMeOH(1ml)に溶解し、4N HCl(1ml)で処理して1h撹拌し、濃縮した。残渣を調製用HPLCで精製し、題記化合物(15mg)を白色固体として得た。
MS(M+H) 432、HPLC 保持時間 2.4min.
【0209】
実施例88
メチル-カルバミン酸3-[1-(2-アミノ-2-メチル-プロピオニルアミノ)-2-ベンジルオキシ-エチル]-7-フェニル-5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-7-イルメチルエステル
【化101】

【0210】
88A
【化102】

79E(350mg、0.6mmol)をCH2Cl2(6ml)に溶解し、水素化ホウ素リチウムの2M溶液(1.2ml、2.4mmol)を0℃で加えた。混合物をr.t.にまで加温し終夜撹拌したpH 3の緩衝液を加えて反応を停止させ、30min撹拌してCH2Cl2で抽出し食塩水で洗浄して乾燥し濾過して濃縮し粗生成物の88A (336mg、<99%)を得た。
【0211】
実施例88
CH2Cl2(3ml)に88Aを溶解し、0℃に冷却してTEA(127μl、0.91mmol)およびメチルイソシアネート(35mg、0.61mmol)を加えた。混合物を室温にまで加温し終夜撹拌した。CH2Cl2(3ml)中の残渣を4M HCl/ジオキサン(1.5ml)で処理し、出発物質が消失するまでr.t.で撹拌した。調製用HPLCでジアステレオマーを分離精製し、実施例88a MS(M+H)521、HPLC 保持時間 2.55min、および実施例88b MS(M+H)521、HPLC 保持時間 2.92minを得た。
【0212】
実施例89
2-アミノ-N-[2-ベンジルオキシ-1-(6-クロロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン-3-イル)-エチル]-2-メチル-プロピオンアミド
【化103】

【0213】
89A
【化104】

3-ベンジロキシ-2-ブトキシカルボニルアミノ-プロピオン酸(740mg、2.5mmol)にCH2Cl2(10mL)を加えてスラリーとし、EDAC(475mg、2.5mmol)をr.t.で加えた。1h撹拌した後、(6-クロロピリダジン-3-イル)ヒドラジン(362mg、2.5mmol)を加えた。2h後、NaHCO3飽和水溶液で反応を停止させ、混合物をEtOAcで抽出し、乾燥し濾過して濃縮した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:1/2=EtOAc/ヘキサン)で精製し、89A(730mg、69%)を黄色泡状として得た。
【0214】
89B
【化105】

89A(210mg、0.5mmol)をアセトニトリル(5mL)に溶解し、0℃に冷却して1,2-ジブロモ-1,1,2,2-テトラクロロエタン(179mg、0.55mmol)、続いてトリエチルアミン(0.31mL、2.2mmol)およびトリフェニルホスフィン(289mg、1.1mmol)を加えた。1h撹拌した後、混合物をr.t.にまで加温しさらに2h撹拌した。溶液を濃縮し、残渣を再びEtOAcに溶解して1/1=食塩水/10%クエン酸、および食塩水で洗浄し、乾燥して濾過し濃縮した。調製用HPLCで精製し、89B(125mg、62%)を灰白色の固体として得た。
【0215】
89C
【化106】

MeOH(3.5ml)を0℃に冷却し塩化アセチル(0.8mL)を3 minかけて加えた。溶液を1h撹拌した後、CH2Cl2(0.3ml)中の89B(125mg、0.31mmol)に対して、r.t.で当該溶液を加えた。 該混合物をr.t.で2h撹拌し、CH2Cl2からの濃縮を2回行った。残渣を再びCH2Cl2(1mL)に溶解し、これを、Boc-2-アミノイソブチリックアシッド(94.4mg、0.46mmol)、HOAT(63.6mg、0.46mmol)およびN-メチルモルホリン(0.051ml、0.5mmol)/CH2Cl2(2ml)のスラリーに加えた。溶液を15h撹拌しEtOAcで希釈して、NaHCO3水溶液で洗浄し、乾燥し濾過して濃縮した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:1/99=MeOH/EtOAc)で精製し89C(69mg、46%)を無色の泡状として得た。
【0216】
実施例89
MeOH(3.5mL)を0℃に冷却して塩化アセチル(0.8mL)を3minかけて加えた。溶液を1h撹拌した後、r.t.でこの溶液を89C(69mg、0.14mmol)/CH2Cl2(0.3ml)に加えた。混合物をr.t.で2h撹拌し、濃縮した。残渣を水に溶解し0.45μのナイロンフィルターで濾過して、凍結乾燥により題記化合物を無定形の固体として得た。
MS (M+H) 389、HPLC 保持時間 2.92 min.
【0217】
実施例90
(4-ヒドロキシ-ブチル)-カルバミン酸 3-[1-(2-アミノ-2-メチル-プロピオニルアミノ)-2-ベンジルオキシ-エチル]-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イルメチルエステル
【化107】

【0218】
90A
【化108】

フタルイミドカリウム(1.04g、5.15mmol)をDMF(40mL)に溶解し、アルゴン下、r.t.で(6-ブロモメチルピリジン-2-イル)-メタノール(1.03g、5.11mmol)のDMF溶液(10 mL)を5minで加えた。スラリーを40℃で加熱し、終夜撹拌した。40-55℃(1 Torr)でDMFを留去し、得られた粉末状の残渣をCH2Cl2中で20min高速で撹拌し、その後セライトで濾過した。残渣を再びCH2Cl2に溶解し、水洗し、乾燥して濃縮し、90A(1.16g、85%)を灰白色の固体として得た。
【0219】
90B
【化109】

90A(1.2g、4.32mmol)をEtOH(60ml)に溶解し、ヒドラジン(0.41mL、13.1mmol)を加えて、反応混合物をアルゴン下で14h還流した。溶液を冷却しセライトで濾過し濾液を濃縮した。残渣を再度MeOHに溶解し、冷却して濾過し濃縮して (6-アミノメチル-ピリジン-2-イル)-メタノールを得た。Boc-(O-ベンジル)セリン(1.3g、4.32mmol)およびN-メチルモルホリン(0.484mL、4.4mmol)をTHF(10mL)に溶解し-12℃に冷却してクロロギ酸イソブチル(0.56mL、4.35mmol)を加えた。30min撹拌した後、(6-アミノメチルピリジン-2-イル)-メタノール/THFのスラリーを1minで加えた。溶液をr.t.で1h撹拌した。反応液をEtOAcで希釈し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、乾燥して濃縮し、90B(1.9 g)を黄色のオイルとして得た。これは精製することなく次の反応に用いた。
【0220】
90C
【化110】

90B(1.9g、4.3mmol)をDMF(10ml)に溶解し、イミダゾール(410mg、6.02mmol)およびt-ブチルジメチル-シリルクロリド(750mg、4.98mmol)を加えた。溶液を20h撹拌した。水を加えて反応を停止させ、EtOAcで抽出し、乾燥して濾過し濃縮した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:19/81=EtOAc/CH2Cl2)で精製し、90C(1.4g、53%)を無色のオイルとして得た。
【0221】
90D
【化111】

90C(1.4g、2.6mmol)および1,2-ジブロモ-1,1,2,2-テトラクロロエタン(1.9g、5.8mmol)をアセトニトリル(15mL)中で撹拌してスラリーとし、0℃に冷却してトリフェニルホスフィン(1.5 g、5.8mmol)およびTEA(1.60mL、11.6mmol)を加えた。30min後、得られた黄色のスラリーをr.t.で16h撹拌した。赤色の溶液が得られた。これを濃縮して水およびEtOAcに分配し、有機層を乾燥し濾過して濃縮した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:3/17=EtOAc/CH2Cl2)で精製し、90D(625mg、46%)を黄褐色のオイルとして得た。
【0222】
90E
【化112】

MeOH(8mL)を0℃に冷却し、塩化アセチル(2.0mL)を3minかけて加えた。1h撹拌した後、これを0℃で90D (620mg、1.2mmol)に加えた。溶液を2h撹拌してから濃縮した。残渣をCH2Cl2(5mL)に溶解して、Boc-2-アミノイソブチリックアシッド(370 mg、1.82mmol)、HOAt(249mg、1.82mmol)およびEDAC(346mg、1.82mmol)のスラリーに加え、続いてN-メチルモルホリン (0.3 mL、2.7mmol)を加えた。混合物を15h撹拌してから、CH2Cl2で希釈し、NaHCO3飽和水溶液で洗浄し乾燥して濃縮した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:3/17=EtOAc/ CH2Cl2)で精製し、90E(450mg、77%)を無色の泡状で得た。
【0223】
90F
【化113】

90E(279mg、0.58mmol)およびピリジン(0.12mL、1.4mmol)をTHF(3mL)に溶解し0℃に冷却して、クロロギ酸4-ニトロフェニル(256mg、1.3mmol)/CH2Cl2(3mL)を加えた。溶液を1h撹拌して濃縮した。残渣をTHF(5mL)および4-アミノブタノール(0.5mL)に溶解し、30min撹拌してからEtOAcで希釈し、1N NaOHで洗浄し、乾燥して濃縮した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:EtOAc)で精製し、90F(207mg、60%)を黄色のオイルとして得た。
【0224】
実施例90
MeOH(8mL)を0℃の冷却し、塩化アセチル(2.0mL)を3minで加えた。1h撹拌した後、0℃に冷却した90F(204mg、0.342mmol)に加えた。溶液を2h撹拌し濃縮した。残渣を凍結乾燥して題記化合物を黄色の固体として得た。
MS(M+H) 498、HPLC 保持時間 2.64 min.
実施例90に記載の方法を用いて以下の化合物を合成した。実施例263もまたこの方法により合成した。
【0225】
【表15】

【0226】
実施例92
3-[1-(2-アミノ-2-メチル-プロピオニルアミノ)-2-ベンジルオキシ-エチル]-5,6-ジヒドロ-8H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-7-カルボン酸ベンジルエステル
【化114】

【0227】
92A
【化115】

3-オキソ-ピペラジン-1-カルボン酸 ベンジルエステル(1.5g、6.4mmol)をCH2Cl2(20ml)に溶解し、トリメチルオキソニウムテトラフルオロボレート(0.99g、6.72mmol)を加えた。溶液を60h撹拌した。(2-ベンジルオキシ-1-ヒドラジノカルボニル-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(2.07g、309.7mmol)をCH2Cl2(20ml)に溶解して加えると、透明な溶液を得た。該溶液を2h撹拌した後、CH2Cl2で希釈し、水洗し、乾燥して濃縮した。92A(3.2g、95%)を白色の泡状で得た。
【0228】
92B
【化116】

92A(2.6g、4.9mmol)をEtOH(26ml)に溶解し、120℃、60Wで10min超音波処理した。混合物を4N HCl/ジオキサン(30ml)で30min処理し、濃縮し、エタノールとともに共沸させて92B(2.8g)を得た。
【0229】
92C
【化117】

2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-メチル-プロピオン酸(1.34g、66.1mmol)をCH2Cl2(100ml)に溶解しEDAC(1.8g、9.45mmol)、HOBT(1.27g、9.45mmol)、DMAP(0.77g、6.3mmol)およびTEA(2.63ml、18.9mmol)を加えた。溶液をr.t.で10min撹拌し、92B(2.8g、6.3mmol)を加えた。反応は2hで完結した。溶液をCH2Cl2で希釈し、水、1N HCl、1N NaOHで洗浄し乾燥して濃縮した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:5/95=MeOH/CH2Cl2)で精製し、92C(3g)を泡状で得た。
【0230】
実施例92
92C(250mg)をCH2Cl2に溶解し、4M HCl/ジオキサン(30ml)で処理してr.t.で1h撹拌した。溶液を濃縮して残渣をMeOH/EtOAcから結晶化させ、題記化合物(130mg)を固体として得た。
MS(M+H) 493、HPLC 保持時間 2.33min
【0231】
実施例93
3-[1-(2-アミノ-2-メチル-プロピオニルアミノ)-2-ベンジルオキシ-エチル]-5,6-ジヒドロ-8H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-7-カルボン酸 ナフタレン-2-イルメチルエステル
【化118】

【0232】
93A
【化119】

92C(2.6g、4.4mmol)および触媒パラジウム炭素 (30mg)にMeOH(70ml)を加えて、窒素下でギ酸アンモニウム(1.3g、20.9mmol)を加えた。溶液を3h撹拌して、セライトで濾過し濾液を濃縮して93A(2.45g)を得た。
【0233】
93B
【化120】

2-ナフテレンメタノール (11mg、0.07mmol)をCH2Cl2(0.25ml)に溶解し、n-メチルモルホリン(12μl、0.1mmol)およびクロロギ酸4-ニトロフェニル(15mg、0.0735mmol)/CH2Cl2(0.25ml)を加えた。溶液を終夜撹拌し、続いて93A(32mg、0.07mmol)/CH2Cl2(0.08ml)およびTEA (0.1ml、0.7mmol)を加えた。溶液を終夜撹拌し、CH2Cl2で希釈して、1N HCl、1NaOH、および水で洗浄し、乾燥して濃縮し93Bを得た。
【0234】
実施例93
93BをCH2Cl2に溶解し、TFA/CH2Cl2で処理してr.t.で1h撹拌した。溶液を濃縮し、残渣を調製用HPLCで精製し題記化合物を得た。
MS(M+H) 543、HPLC 保持時間 2.82min.
実施例93に記載の方法を用い、当業者に知られた適切な出発化合物を使用して、下記の化合物を合成した。
【0235】
【表16】

【0236】
【表17】

当業者に知られた適切な出発化合物を使用し、上記の一般的合成スキームおよび実施例に記載の方法を用いて、以下の実施例の化合物を調製した。
【0237】
【表18】

【0238】
【表19】

【0239】
【表20】

【0240】
【表21】

【0241】
【表22】

【0242】
【表23】

【0243】
【表24】

【0244】
【表25】

【0245】
【表26】

【0246】
【表27】

【0247】
【表28】

【0248】
【表29】

【0249】
【表30】

【0250】
【表31】

【0251】
【表32】

【0252】
【表33】

【0253】
【表34】

【0254】
【表35】

【0255】
【表36】

【0256】
【表37】

【0257】
【表38】

【0258】
【表39】

【0259】
【表40】

【0260】
【表41】

【0261】
【表42】

【0262】
【表43】

【0263】
【表44】

【0264】
【表45】

【0265】
【表46】

【0266】
【表47】

【0267】
【表48】

【0268】
【表49】

【0269】
【表50】

【0270】
実施例338
【化121】

338A
【化122】

【0271】
n-BuLi(2.5M THF溶液、84ml、0.21mol)をトルエン(200mL)に溶解し-10℃に冷却して、n-BuMgCl(2.0M THF溶液、52.5ml、0.105mol)を10minかけて加えた。混合を-10℃で30min撹拌し、滴下漏斗より2,6-ジブロモピリジン(71.07g、0.3mol)/トルエン(500mL)を30minかけて滴下した。得られた懸濁液を-10℃で2.5h撹拌してから、カニューレを介してこれを冷却したトルエン(200mL)中のDMFへ移した。溶液を-10℃で30min撹拌した後、30%クエン酸(300mL)を加えた。30min撹拌した後、有機層を、水(300mL)、食塩水(200mL)で洗浄し硫酸ナトリウム上で乾燥した。濾過して濾液を濃縮し、338A(54.2g)を淡黄色固体として得た。
HPLC(A) 保持時間 1.88 min
【0272】
338B
【化123】

338A(29.0g、0.151 mol)をメタノール(600mL)に溶解し、水浴中で12℃に冷却して、水素化ホウ素ナトリウム(5.89g、0.16mol)を細かく分割して20minで加える。23℃以上には上昇させない。反応混合物を更に1h撹拌し、氷冷した10% HClを注意して加えpH2(全量64mL)として反応を停止させた。減圧下で反応混合物を濃縮すると発泡した。残渣を再び塩化メチレン(250mL)に溶解し、5% 炭酸カリウム溶液(150mL、pH 8)を加えて撹拌した。水層を塩化メチレン(各250mL)で2回抽出し、有機層をあわせて硫酸ナトリウム上で乾燥した。濾過して減圧下に濃縮し、338B(27.65g)を黄色のオイルとして得た。この化合物はゆっくりと結晶化して黄色の固体となった。
MS(M+H+) 188、190; HPLC(A) 保持時間 1.99 min.
【0273】
338C
【化124】

338B(25.0g、0.129mol)をDMF(200mL)に溶解し、室温、アルゴン下でイミダゾール(17.56g、0.258mol)を加え、そのイミダゾールが溶解した後 tert-ブチルジメチルシリルクロリド(23.27g、0.155mol)を一度に加える。わずかに発熱が生じる。16h撹拌した後、氷水(500mL)を加えて反応を停止させ、ヘキサン(3x250mL)で抽出した。ヘキサン抽出物をあわせて、水(2x150mL)、次いで食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、硫酸マグネシウムを通して濾過し、溶媒を揮散させて338C(39.15g)を淡黄色のオイルとして得た。
MS(M+H) 302、304; HPLC(A) 保持時間 4.56 min.
【0274】
338D
【化125】

1 Lの三ツ口フラスコ内に338C(38.5g、0.127mol)/ピリジン(500ml)溶液を入れ、ヒドラジン(40 ml、1.28 mol)を一度に加える。わずかに発熱が生じる。反応混合物をアルゴン下で45h撹拌して還流する(容器温度109-111℃)。氷浴で室温にまで冷却し、固体の炭酸水素ナトリウム(11g)を加える。混合物を1h撹拌し、溶媒を揮散させて黄色のオイルを得る。水(200mL)を加えて結晶を接種することにより固体を生成させる。固体の塊を粉砕し、濾過して水洗する(5x100mL)。効率的に乾燥するため、固体をエーテル(500mL)に溶解し、食塩水で一度洗浄し硫酸ナトリウム上で乾燥して硫酸マグネシウムを通して濾過する。有機物を減圧下で濃縮して、338D(31.5g)を灰白色固体として得た。
MS(M+H+) 254; HPLC(A) 保持時間 2.53 min.
【0275】
338E
【化126】

1 Lの三ツ口フラスコ(オーブン内で乾燥)内にN-(tert-ブトキシカルボニル)-D-セリン(35.74g、0.12mol)/THF(250mL)溶液を入れアルゴン下-13℃(イソプロパノール/氷浴)に冷却する。N-Mエチルモルホリン (13.74ml、0.125mol)を一度に加える(温度が一次的に2℃まで上昇)。再び、-13℃に冷却し、温度を-10℃以下に保ちながらクロロギ酸イソブチル(15.69ml、0.12mol)を加える。反応混合物を20min撹拌してから、338D(30.4g、0.12mol)をTHF(100mL)に溶解して15minで滴下し、この滴下の間、温度が-5.5℃を超えないようにする。滴下漏斗をTHF(25mL)で洗って、黄色の反応スラリーを90min撹拌する。-10℃で炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(100mL)を加えて反応を停止させ、水層を酢酸エチル(2x500mL)で抽出する。有機層をあわせて、食塩水、10%クエン酸、および炭酸水素ナトリウムで一度洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。硫酸マグネシウムを通して濾過し、減圧下で留去してから、残渣に塩化メチレン/ヘキサンを加えて再度これらを揮散させ338E(63.97g)を黄色の泡状として得た。
MS(M+H+) 531; HPLC(A) 保持時間 3.91 min.
【0276】
338F
【化127】

338E(93.6g、0.177mol)をTHF(800mL)に溶解し、-78℃に冷却して窒素下で撹拌しながらトリエチルアミン(196ml、1.41mol)を加える。10min後、ジクロロトリフェニルホスフィン(194.2g、0.583mol)を少しずつ10minで加える。混合物を撹拌し、徐々に室温にまで加温して終夜撹拌した(約20h)。揮発物を除去し残渣を短いシリコンゲルカラムを通じて濾過し、該カラムをヘキサン/酢酸エチル(1:2)で洗浄した。濾液をあわせて揮発物を留去し338F(200g、トリフェニルホスフィンオキシドを含む)を粗生成物として得た。
MS: (M+H+) 513; HPLC (A) 保持時間 4.30 min.
【0277】
別法:338E(63.95g、0.12mol)をTHF(800ml)に溶解し-73℃に冷却して、アルゴン下でトリエチルアミン(134ml、0.964mol)を加える。15min後、ジクロロトリフェニルホスフィン(132.49g、0.398 mol)を分割して30minで加え、1h撹拌してから、アセトン冷却浴を室温の水浴に置き換え、-10℃にする。反応混合物を-10℃から終夜で室温にまで加温し、セライトで濾過して濾液を減圧下に濃縮する。得られた固体を塩化メチレン(750mL)に溶解し、0℃に冷却して氷冷した10%クエン酸(100mL)を加えた。混合物を高速で5min撹拌し、有機層を水、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、乾燥して(硫酸マグネシウム)、濾過して溶媒を揮散させ338F(167.74g、トリフェニルホスフィンオキシドを含む)を黄褐色の固体として得た。
【0278】
338G
【化128】

メタノール(400ml)を2℃に冷却し塩化アセチル(100g)を20minで滴下した。30min撹拌した後、溶液を45minで室温にまで戻した。該メタノール溶液を未精製の338F(<167g、約0.12mol)に直接加えて、該混合物を3h撹拌し30℃以下で減圧下に濃縮した。得られた褐色残渣をTHF(500mL)中で30min懸濁し、固体を濾取してからこれを再びTHF(500mL)中で30min懸濁した。固体を濾取して減圧下40℃で乾燥し、338G(38.6g)を淡黄色固体として得た。
MS(M+H) 299; HPLC(A) 保持時間 1.65 min.
【0279】
338H
【化129】

N-(tert-ブトキシカルボニル)-α-メチルアラニン(24.39g、0.120mol)およびHOBt(18.37 g、0.120 mol)/塩化メチレンのスラリーをアルゴン下室温で撹拌し、EDAC (22.83g、0.120 mol)を固体として10minで加える。得られた溶液を1h撹拌し、これを(綿栓を通じて濾過しながら)338G(約0.120 mol)およびN-メチルモルホリン(19.79ml、0.18mol)/塩化メチレンの溶液に室温で加える。45h撹拌した後、反応混合物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(200mL)とともに30min撹拌した。二層を分離して有機層を食塩水、10%クエン酸(pH3)で1回洗浄し、更に食塩水で再度洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し濾過して濾液を濃縮(約250mLにまで)しエーテル(約100mL)を加えた。生じた固体を濾取して338H(30.10を無色の固体として得た。母液を濃縮して固体をクロロホルム(50mL)およびヘキサン(沸騰溶液に濁りを生じるのに十分な量)から再結晶して目的物3.45gを追加的に得た。両方の固体をあわせて338H (33.55 g)とした。
mp 155-157℃. MS (M+H+) 484; HPLC(A) 保持時間 2.85 min.
【0280】
338I
【化130】

338H(25.63g、0.053mol)を塩化メチレン(300 mL)に懸濁し0℃に冷却して、ピリジン(9.0mL、0.111mol)を加えた。10min後、窒素下でクロロギ酸p-ニトロフェニル(21.4g、0.106mol)をゆっくりと加え、反応液を徐々に室温にまで加温して終夜撹拌した。混合物を濾過して固体のケーキを塩化メチレン(100mL)で洗浄した。減圧下で濾液を濃縮し、酢酸エチル/エーテル(200mL、1/1)を加えて、混合物を室温で30min撹拌した。固体を濾取して集めこれを再び酢酸エチル/エーテル(200mL、1/1)に懸濁して撹拌しこの操作を3回繰り返して338I(38.5g)を無色の固体として得た。
MS(M+H+) 649; HPLC(A) 保持時間 3.68 min.
【0281】
338J
【化131】

サルコシンアミド(2.61g、29.6mmol)を無水THF(250mL)中に懸濁し2℃に冷却して、固体の338I(16.0g、24.7mmol)を10minで加えた。黄色の混合物を室温で24h撹拌した。濃縮後、得られた黄色の泡状残渣を酢酸エチル(600mL)で希釈し、1N NaOH(7x100ml)、水(100ml)で洗浄し硫酸マグネシウム上で乾燥した。有機層を減圧下で濃縮し、無色固体の338J(14.38g)を粗生成物として得た。これをカラムクロマトグラフィーで更に精製し、10%メタノール/塩化メチレンで溶出して純粋な338J(10.47g)を得た。
MS(M+H+) 531; HPLC(A) 保持時間 3.91 min.
【0282】
338
【化132】

氷冷したイソプロパノール(200 mL)中にHClガス(67.8g、1.86mol)をバブリングさせた。得られた溶液を5℃に冷却し、固体の338J(13.8g、23.1mmol)を少しずつ5minで加えた。反応混合物を0℃で30min撹拌後、室温で更に30min撹拌してから減圧下で濃縮した。得られた粘稠な液体をイソプロパノール(100 mL)中で撹拌し、得られた無色の固体を濾取して338(12.65 g)を得た。
mp 151.4-152.6℃; MS (M+H+) 498; HPLC(A) 保持時間 1.723 min.
【0283】
実施例339
【化133】

339A
【化134】

【0284】
中間体の338I(37.41g、0.058mol)およびトリエチルアミン(12.06ml、0.087mol)/THF(300ml)のスラリーをアルゴン下室温で撹拌し、モルホリン(5.53ml、0.063mol)を2分間で加えた。5min以内に黄色の溶液が生成し、この溶液を終夜撹拌した。 15h後、反応溶液を減圧下で濃縮し、残渣をEtOAc(800mL)に溶解した。有機層を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(5x125mL)、5%硫酸水素カリウム(1x200mL)、食塩水、次いで炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(100 mL)で再度洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過して濃縮し無色の泡37.5gを得た。これを酢酸エチル/ヘキサン(5/4)から2回再結晶し339A(30.95g)を無色固体として得た。
mp 104-106℃;MS (M+H+) 597; HPLC(A) 保持時間 3.58 min.
【0285】
339
【化135】

無水メタノール(200mL)を0℃に冷却し、塩化アセチル(50ml、0.637mol)を30minで滴下した。30minの後、混合物を室温にまで加温し、1h撹拌してから固体の339A(30.2g、0.051mol)に加えた。4h後、反応混合物を濃縮して、得られた無色の非結晶性固体をTHF中に懸濁し、30min超音波照射した。濾過して得られた無色の非結晶性固体を45℃で15h乾燥して339(25.75g)を得た。
MS (M+H) 497; HPLC(A) 保持時間 2.73 min.
CHN 元素分析: C25H32N6O52HCl
当業者に知られた適切な出発化合物を使用し、上記の一般的合成スキームおよび実施例に記載の方法を用いて、以下の実施例の化合物を調製した。
【0286】
【表51】

当業者に知られた適切な出発化合物を使用し、上記の一般的合成スキームおよび実施例に記載の方法を用いて、以下の実施例の化合物を調製した。
【0287】
【表52】

【0288】
【表53】

【0289】
【表54】

【0290】
【表55】

【0291】
【表56】

【0292】
【表57】

【0293】
【表58】

【0294】
【表59】

【0295】
【表60】

【0296】
【表61】

【0297】
【表62】

【0298】
【表63】

【0299】
【表64】

【0300】
【表65】

【0301】
【表66】

【0302】
【表67】

【0303】
【表68】

【0304】
【表69】

【0305】
【表70】

【0306】
【表71】

【0307】
【表72】

【0308】
【表73】

当業者に知られた適切な出発化合物を使用し、上記の一般的合成スキームおよび実施例に記載の方法、更には実施例90に記載の方法を用いて、以下の実施例の化合物を調製した。
【0309】
【表74】

【0310】
【表75】

【0311】
【表76】

当業者に知られた適切な出発化合物を使用し、上記の一般的合成スキームおよび実施例に記載の方法、更には実施例92および93に記載の方法を用いて、以下の実施例の化合物を調製した。
【0312】
【表77】

【0313】
【表78】

【0314】
【表79】

【0315】
【表80】

当業者に知られた適切な出発化合物を使用し、上記の一般的合成スキームおよび実施例に記載の方法を用いて、以下の実施例の化合物を調製した。
【0316】
【表81】

【0317】
【表82】

【0318】
【表83】

【0319】
【表84】

当業者に知られた適切な出発化合物を使用し、上記の一般的合成スキームおよび実施例に記載の方法を用いて、以下の実施例の化合物を調製した。
【0320】
【表85】

【0321】
【表86】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物
【化1】

〔式中、式中、Xaは2個から4個の縮合若しくはスピロ結合したシクロアルキル環、ヘテロシクロ環、アリール環又はヘテロアリール環であって、そのひとつ以上の環はRaおよびRbよりなる群から選択される1個から5個の置換基で置換されていてもよく;
1はアルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロ、アルコキシアルキル、アリールアルキルオキシアルキル、アリールオキシアルキル、ヘテロアリール、シクロアルキルアルコキシアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルよりなる群から選択される置換若しくは無置換官能基であり;〕
2、R3およびR4は、水素、アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロ、アルコキシアルキル、アリールアルキルオキシアルキル、アリールオキシアルキル、ヘテロアリール、シクロアルキルアルコキシアルキル、ヘテロアリールアルキルおよびヘテロシクロアルキルよりなる群からそれぞれ独立して選択される置換若しくは無置換官能基であり、またはR3とR4は一緒になり3員環から8員環のシクロアルキル環またはヘテロシクロ環を形成するか、若しくは(R3とR4)の一つ以上が(YとZ)の一つ以上と一緒になり単環若しくは二環のシクロアルキル環若しくはヘテロシクロ環を形成してもよく;
1′は、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロ、アリールおよびヘテロアリールよりなる群から選択される、置換若しくは無置換官能基であり;
Yはアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリレンおよびヘテロアリレンよりなる群から選択される結合基であって、該結合基は、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロ、アルコキシアルキル、ヘテロアリール、アリールアルキル、アリールアルキルオキシアルキル、アリールオキシアルキル、シクロアルキルアルコキシアルキル、ヘテロアリールアルキルおよび−OR5、−OC(O)R5、−CF3、−OCF3、−N(R5)C(O)R5′および−NR55′よりなる群から選択されるひとつ以上の官能基で任意に置換されていてもよく;
5およびR5′はそのそれぞれの存在について、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロ、およびアリールよりなる群から独立して選択され、ここでR5およびR5′は一つ以上のRbで任意に置換されていてもよく;
RaおよびRbはそのそれぞれの存在について、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、シアノ、カルボニル、-CN、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、ヘテロシクロ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−OR2、−NR55′、−CF3、−SO26、−OC(O)R5、−SO2NR66′、−(CH2)mR8およびR9よりなる群から独立して選択され;
6およびR6′はそのそれぞれの存在について、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルチオアルキル、アルコキシアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクロ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、およびシクロアルキルよりなる群から独立して選択され、ここでR6およびR6′はそのそれぞれの存在について、ハロゲン、-OR2、アルコキシ、ヘテロシクロアルキル、−NR5C(O)NR55′、−C(O)NR55′、−NR5C(O)R5′、−CN、−NR5SO25′、−OC(O)R5、−SO2NR55′、−SOR7、−COOHおよび−C(O)OR7よりなる群から選択される1個から3個の置換基で任意に置換されていてもよく、またはR6およびR6′は一緒になって環化し-(CH2)qX(CH2)s−を形成してもよく;
7はそのそれぞれの存在について、C1からC6アルキル、アリール、およびヘテロアリールよりなる群から独立して選択され、ここでR7は−(CH2)wOHで任意に置換されていてもよく;
8はアルコキシ、アルコキシカルボニル、−C(O)NR66′、−NR55′、−C(O)R6、−NR5C(O)NR55′、および−N-ヘテロアリールよりなる群から選択され;
9はヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、−CN、−(CH2)pN(R6)C(O)R6′、−(CH2)pCN、−(CH2)pN(R6)C(O)OR6′、−(CH2)pN(R6)C(O)NR66′、−(CH2)pN(R6)SO26、−(CH2)pC(O)NR66′、−(CH2)pC(O)OR6、−(CH2)pOC(O)OR6、−(CH2)pOC(O)R6、−(CH2)pOC(O)NR66′、−(CH2)pN(R6)SO2NR66′、−(CH2)pOR6、−(CH2)pOC(O)N(R6)(CH2)mOH、−(CH2)pSOR6、−(CH2)pOCH2C(O)N(R6)(CH2)mOHよりなる群から選択され;
Xは−CR55′−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−NC(O)OR7−、−NC(O)NR5−、および−NR5−よりなる群から選択され;
Zは窒素;
mは1から6の整数;
nは1から6の整数;
pは0から5の整数;
wは0から5の整数;および
qとsはそれぞれ独立して1から3の整数であって、R5、R5′、R6およびR6′のいずれかがカルボニル基若しくはスルホン基と結合する場合、そのいずれも水素ではない。〕。
【請求項2】
Xaが下式
【化2】

〔式中、Q1およびQ2はそれぞれ独立してシクロアルキル環、ヘテロシクロアリール環、またはヘテロアリール環であって、Q1はRaおよびRbよりなる群から選択される1個から4個の置換基で置換されていてもよく、Q2はRa、RbおよびQ3よりなる群から選択される1個から4個の置換基で置換されていてもよく;
3は3員環から8員環の縮合若しくはスピロ結合したシクロアルキル環、ヘテロシクロ環、アリール環若しくはヘテロアリール環であって、Ra、RbおよびQ4よりなる群から選択される1個から5個の置換基で置換されていてもよく;
4は3員環から8員環の縮合若しくはスピロ結合したシクロアルキル環、ヘテロシクロ環、アリール環若しくはヘテロアリール環であって、RaおよびRbよりなる群から選択される1個から5個の置換基で置換されていてもよく;
AはNまたはCR11であり;
BはNまたはCR11であり;
11はHまたは結合である。〕
で表される、請求項1の化合物。
【請求項3】
Xaが下記の構造
【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

を有する、請求項1の化合物。
【請求項4】
Xaが下記の構造
【化8】

を有する、請求項1の化合物。
【請求項5】
RaまたはRbがR9であり、R6がヘテロシクロまたはアルキルであって、任意でヒドロキシまたはハロゲンで置換されていてもよい、請求項2の化合物。
【請求項6】
9が、(CH2)pC(O)OR6、(CH2)pOC(O)R6または(CH2)pOC(O)N(R6)(CH2)mOHである、請求項5の化合物。
【請求項7】
RaまたはRbがR9であり、R6およびR6′が独立して、水素、アルキル、またはシクロアルキルであり、アルキルまたはシクロアルキルは任意で−C(O)OR7または−C(O)NR55′で置換されていてもよく、またはR6およびR6′は一緒になって環化し-(CH2)qX(CH2)s-を形成してもよい、請求項2の化合物。
【請求項8】
9が、-(CH2)pN(R6)C(O)OR6′、-(CH2)pN(R6)C(O)NR66′、または(CH2)pOC(O)NR66′であって、R6およびR6′は独立して、水素、アルキルであり;該アルキルは任意で-C(O)NR55′により置換されていてもよく、R5およびR5′は独立して水素またはアルキルである、請求項7の化合物。
【請求項9】
下記の構造を有する
【化9】

【化10】

【化11】

請求項1の化合物。
【請求項10】
下記の構造を有する
【化12】

【化13】

請求項1の化合物。
【請求項11】
請求項1の化合物および薬学的に許容される担体を含んでなる、薬学的組成物。
【請求項12】
式Iの他の化合物、副甲状腺ホルモン、ビスホスホネート、エストロゲン、テストステロン、選択的エストロゲン受容体調節薬、選択的アンドロゲン受容体調節薬、プロゲスチン受容体作用薬、抗糖尿病薬、抗高血圧薬、抗炎症薬、抗骨粗鬆薬、抗肥満薬、強心配糖体、コレステロール低下薬および甲状腺模倣薬よりなる群から選択される少なくとも一つの追加的な治療薬を更に含む、請求項9の薬学的組成物。
【請求項13】
必要な患者に対して請求項1の化合物の治療上の有効量を投与することを含んでなる、内因性成長ホルモン値を上昇させる方法。
【請求項14】
処置を要する哺乳類患者に対し、請求項1の化合物の治療上の有効量を投与することを含んでなる、HIV消耗性症候群、筋萎縮、リポジストロフィー、長期重症疾患、骨粗鬆症、サルコペニア、高齢者のARFD若しくは脆弱、肥満、腎臓疾患、拒食症、睡眠障害、うつ病、X症候群、糖尿病、うっ血性心不全、心筋症、弁膜症に関連する心機能不全および悪液質の発病若しくは進行を遅らせ、またはこれを治療する方法。
【請求項15】
式Iの他の化合物、副甲状腺ホルモン、ビスホスホネート、エストロゲン、テストステロン、選択的エストロゲン受容体調節薬、選択的アンドロゲン受容体調節薬、プロゲスチン受容体作用薬、抗糖尿病薬、抗高血圧薬、抗炎症薬、抗骨粗鬆薬、抗肥満薬、強心配糖体、コレステロール低下薬および甲状腺模倣薬よりなる群から選択される少なくとも一つの治療薬を同時にまたは連続して、その治療上の有効量を追加的に投与することをさらに含んでなる、請求項12の治療方法。
【請求項16】
必要とする患者に対して請求項1の化合物の有効量を投与することを含んでなる、創傷の治癒および/または免疫系を刺激する方法。
【請求項17】
必要とする患者に対して請求項1の化合物の有効量を投与することを含んでなる、高齢者の筋力および機能を維持し、または筋力および/または筋肉量を増加させる方法。
【請求項18】
必要とする患者に対して請求項1の化合物の有効量を投与することを含んでなる、除脂肪体重を増加させる方法。
【請求項19】
必要とする患者に対して請求項1の化合物の有効量を投与することを含んでなる、認知機能を改善する方法。
【請求項20】
必要とする患者に対して請求項1の化合物の有効量を投与することを含んでなる、予防接種に対する免疫応答を改善する方法。
【請求項21】
必要とする患者に対して請求項1の化合物の有効量を投与することを含んでなる、股関節骨折からの回復を促進させる方法。
【請求項22】
更に、少なくとも一つの栄養補助食品を含んでなる、請求項9の薬学的組成物。



【公表番号】特表2006−502162(P2006−502162A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−534462(P2004−534462)
【出願日】平成15年9月2日(2003.9.2)
【国際出願番号】PCT/US2003/027513
【国際公開番号】WO2004/021984
【国際公開日】平成16年3月18日(2004.3.18)
【出願人】(391015708)ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー (494)
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
【Fターム(参考)】