説明

携帯用電子機器及び車載用電子機器

【課題】交通事故に遭遇する危険性が高い状況のときに歩行者に対してその危険を報知するようにして、歩行者の交通事故を少なくする。
【解決手段】本発明の携帯用電子機器1は、歩道と車道の分離帯の構造に応じて車道と歩道の安全度を決定した安全地図データ10を記憶する記憶手段4を備え、現在位置を検知する位置検知手段3を備え、検知された現在位置の安全度を前記安全地図データ10に基づいて判定する判定手段2を備え、判定された安全度が設定された安全度よりも低い場合に、危険報知を行う報知手段7、8、9を備えて構成されている。この構成の場合、交通事故に遭遇する危険性が高い状況、即ち、安全度が低い場合に、歩行者に対してその危険を報知できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両対歩行者の交通事故を少なくすることに役立つ携帯用電子機器及び車載用電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
車両対歩行者の交通事故を少なくするために、車両には、いくつかの安全運転支援機能が搭載されている。例えばナイトビジョンと呼ばれるシステムがあり、このシステムは、夜間の歩行者を検知して、表示器を用いて運転者に歩行者がどこにいるかを教えるシステムである。上記システムでは、自動車に搭載されたセンサが歩行者を認識すると、運転者に対して、その歩行者に衝突しないように運転を行うための情報が提供される。この場合、歩行者が自動車に気がつかなければ、自動車の運転者は歩行者を避けるために車線変更を行ったり、歩行者の近くで徐行する等の余分な操作が必要になる。
【0003】
このような状況を改善するために、車両から歩行者に向かって信号を送ることにより、歩行者に車の接近を知らせ、危険な歩行位置の変更を促すシステムがいろいろ提案されている。
【0004】
一例として、特許文献1に記載された携帯用送受信機による歩行者危険警報システムが知られている。このシステムは、IDコードを持ち、送受信可能であり、受信内容を認識し処理する事により相手の方向と危険警報を出力する携帯機と、IDコードを持ち、送受信可能で、受信内容を認識し処理して、相手側の位置を測定し、危険度を検出し危険警報を出力する車載機とを備えている。
【0005】
上記システムにおいては、歩行者用の携帯機から発信される信号に各々の携帯装置に固有のIDコードを付けると共に、車載機には、上記IDコード付信号を受信して、各々の携帯機毎に所定の物理的諸元(距離や位置)を割り出す判定装置を設けるように構成されている。具体的には、歩行者(M)の所有する歩行者携帯用送受信機(H)は随時電磁波を送信しており、自動車(A)に備え付けられた車載機は随時受信している。あるいは、車載機から随時電磁波を発生させ、歩行者携帯用送受信機がその信号を感知したときに歩行者携帯用送受信機から特定の時間、電磁波を発生させるシステムでもよい。そして、自動車と歩行者の相対位置関係に応じて警報を出すように構成されている。
【特許文献1】特開平7−306995号公報
【特許文献2】特開2002−123896号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1のシステムの場合、自動車の車載機が歩行者の位置を検知して危険度を測定するため、車載機の負荷が高くなる。また、歩行者が安全に歩道や横断歩道を歩いているときであっても、危険を報知されることになり、人によってはわずらわしさを感ずることがある。更に、歩行者が危険な道路を歩いている場合であっても、自動車が歩行者に十分近づくまで警報が出されないという問題もある。かといって、警報を与える危険距離を長く設定すると、検知される歩行者が多くなり、これら検出した多数の歩行者についての警報が運転者に与えられることから、運転者にとってわずらわしくなるという問題がある。
【0007】
また、他の例として、特許文献2に記載された構成が知られている。この構成においては、第1微弱電波受信手段で、歩行者や他車両からの微弱電波を捉え、その時の自車両の現在位置情報を位置検出手段で取得する。そして、自車両の現在位置情報と参照危険場所情報とを、位置情報比較手段によって比較する。ここで、一致すれば、第1警報手段で車の運転者に注意を促す。そして、歩行者と車両の位置関係に応じて警報を出すように構成されている。参照危険場所情報蓄積手段には、予め、歩行者や車両と衝突する可能性のある危険な場所を、参照危険場所情報として蓄積している。危険な場所の具体例としては、山道や見通しの悪い交差点、学校や幼稚園・保育園、公園、老人ホームなどの付近といった場所がある。
【0008】
しかし、上記特許文献2の構成の場合も、歩行者と車両の位置関係に応じて警報を出すように構成されているので、上記特許文献1の構成とほぼ同じ問題があった。
そこで、本発明の目的は、交通事故に遭遇する危険性が高い状況のときに歩行者に対してその危険を報知することができ、歩行者の交通事故を少なくすることができる携帯用電子機器及び車載用電子機器を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の携帯用電子機器は、歩道と車道の分離帯の構造に応じて車道と歩道の安全度を決定した安全地図データを記憶する記憶手段と、現在位置を検知する位置検知手段と、検知された現在位置の安全度を前記安全地図データに基づいて判定する判定手段と、判定された安全度が設定された安全度よりも低い場合に、危険報知を行う報知手段とを備えてなるところに特徴を有する。
【0010】
上記構成によれば、検知された現在位置の安全度を安全地図データに基づいて判定し、判定された安全度が設定された安全度よりも低い場合に、危険報知を行うように構成したので、交通事故に遭遇する危険性が高い状況(安全度が低い場合)のときに歩行者に対してその危険を報知することができ、歩行者の交通事故を少なくすることができる。
【0011】
また、上記構成の場合、前記分離帯は、ガードレール、縁石、白線、植え込み等の歩道と車道を区別する固定物であることが好ましい。更に、前記分離帯のうちの縁石の安全度は、縁石の高さ、車道と歩道の高さの違いを考慮して決定されることが良い構成である。更にまた、前記分離帯のうちのガードレールの安全度は、ガードレールの高さや強度を考慮して決定されることがより一層好ましい。
【0012】
本発明の車載用電子機器は、歩道と車道の分離帯の構造に応じて車道と歩道の安全度を決定した安全地図データを記憶する記憶手段と、車両に搭載された信号送信手段から送られた信号を受信する受信手段と、前記信号を受信した位置を検知する位置検知手段と、信号受信位置の安全度を前記安全地図データに基づいて判定する判定手段と、判定された安全度に基づいて車両接近危険報知を行う報知手段とを備えてなるところに特徴を有する。
【0013】
上記構成の場合、前記位置検知手段は、cm精度の位置検知が可能なように構成されていることが好ましい。また、前記判定手段は、歩道と車道の分離帯の構造に応じて車道と歩道の安全度を決定した前記安全地図データと、受信位置の検知結果とから受信位置の安全度を判定するように構成されていることがより一層好ましい。
【0014】
更に、前記判定手段は、歩道と車道の分離帯の構造に応じて車道と歩道の安全度を決定した前記安全地図データと、受信位置の検知結果と、前記携帯用電子機器の動作モードとから受信位置の安全度を判定するように構成されていることが良い。更にまた、前記報知手段は、安全度に応じて危険報知を変更できるように構成されていることが良い構成である。
【0015】
また、前記報知手段は、安全度に応じて危険報知を変更するに際して、音声の音量を変更するように構成されていることがより一層良い。更に、前記報知手段は、安全度に応じて危険報知を変更するに際して、表示の光の色、または光の強度を変更するように構成されていることが好ましい。更にまた、前記報知手段は、安全度に応じて危険報知を変更するに際して、物理的な動作の大小を変更するように構成されていることが良い。
【0016】
本発明の他の車載用電子機器は、歩行者が携帯する携帯用電子機器に信号を送信する信号送信手段と、前記送信信号に応答して前記携帯用電子機器から送られた信号を受信する受信手段と、受信信号に基づいて前記携帯用電子機器の存在位置における歩行者の安全度を判定する判定手段と、判定結果に基づいて運転者に報知を行う報知手段とを備えてなるところに特徴を有する。
【0017】
上記構成の場合、前記判定手段は、歩道と車道の分離帯の構造に応じて車道と歩道の安全度を決定した安全地図データに基づいて判断するように構成されていることが好ましい。また、前記信号送信手段は、前記判定手段による判定結果に基づいて前記車載用電子機器へ車両の接近情報を送信するように構成されていることがより一層好ましい。更に、前記信号送信手段は、車両の移動方向に応じて送信方向を変更できるように構成されていることが良い構成である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の第1の実施例について、図1ないし図7を参照しながら説明する。まず、図1は、本実施例の携帯用電子機器1の電気的構成を示すブロック図である。この携帯用電子機器1は、比較的小型の装置(例えばPDAや携帯電話機程度の大きさであることが好ましい)であり、歩行者が所持して歩行するのに支障がない。
【0019】
上記携帯用電子機器1は、図1に示すように、制御器2と、位置検出器(位置検出手段)3と、記憶部(記憶手段)4と、通信部5と、操作部6と、ディスプレイ7と、音出力部8と、振動出力部9とを備えて構成されている。制御器2は、携帯用電子機器1の動作全般を制御する機能を有しており、判定手段としての機能も有している。
【0020】
位置検出器3は、例えばRTK−GPS機器で構成されており、携帯用電子機器1(歩行者)の現在位置をcm単位で計測(検出)することができる。記憶部4は、例えばハードディスクやDVDドライブ装置等で構成されており、安全地図データ10を記憶している。安全地図データ10は、歩道と車道の分離帯の構造に応じて車道と歩道の安全度を決定したデータであり、その具体的内容については後述する。
【0021】
通信部5は、外部、例えば車両に搭載された無線通信機能を有する車載用電子機器11(図4参照)との間で無線通信を実行する機能を備えている。通信部5は、受信手段及び送信手段としての各機能を有している。操作部6は、各種の操作スイッチ(図示しない)や、ディスプレイ7の表示画面に設けられたタッチパネル(図示しない)等で構成されている。
【0022】
ディスプレイ7は、例えば液晶ディスプレイで構成されており、文字や地図等を表示可能である。音出力部8は、スピーカやブザーで構成されており、音声や警報音を出力する機能を有している。振動出力部9は、携帯用電子機器1の本体を振動させる駆動源(携帯電話機に使用されているものとほぼ同じもので良い)で構成されている。尚、ディスプレイ7、音出力部8、振動出力部9は、報知手段を構成している。
【0023】
また、図4は、車載用電子機器11の電気的構成を示すブロック図である。車載用電子機器11は、図4に示すように、制御部12と、位置検出器13と、地図データ入力器(記憶手段)14と、通信部15と、操作部16と、ディスプレイ17と、マイク18と、スピーカ19とを備えて構成されている。尚、車載用電子機器11の各構成のうちの通信部15を除く部分は、周知構成のカーナビゲーション装置で構成することが可能であり、通信部15は無線通信端末で構成することが可能である。
【0024】
制御部12は、車載用電子機器11の動作全般を制御する機能を有しており、判定手段としての機能も有している。位置検出器13は、例えばGPS受信機やジャイロセンサ等で構成されており、車両の現在位置を検出する機能を有している。地図データ入力器14は、例えばハードディスクやDVDドライブ装置等で構成されており、カーナビゲーション機能を実現するための地図データが格納されている。この地図データの中に、携帯用電子機器1に記憶されている安全地図データ10とほぼ同じデータが含まれている。
【0025】
通信部15は、歩行者が所持する携帯用電子機器1(図1参照)との間で無線通信を実行する機能を備えている。通信部15は、受信手段及び信号送信手段としての各機能を有している。操作部16は、各種の操作スイッチ(図示しない)や、ディスプレイ17の表示画面に設けられたタッチパネル(図示しない)等で構成されている。
【0026】
ディスプレイ17は、例えば液晶ディスプレイで構成されており、文字や地図等を表示可能である。マイク18は、ユーザーが発する音声を入力して音声信号に変換するものであり、この音声信号により音声認識処理が実行される。スピーカ19からは、合成された音声や音が出力される。上記構成の場合、ディスプレイ7、スピーカ19は、報知手段を構成している。
【0027】
さて、前記安全地図データ10について、図5ないし図7を参照して説明する。安全地図データ10は、歩行者位置安全度マップと称しても良いデータである。これは、歩行者がいる位置が交通安全上どの程度危険かが簡単にわかるようにした地図データであり、例えば10cm単位程度のメッシュの代表点に安全度を設定して構成されている。
【0028】
ここで、安全度とは、歩行者がその位置にいると交通事故にあう確率がどの程度になるかを数値化したものである。例えば、ぼんやり運転をしている運転者が車道を横切る歩行者を見逃した場合、その歩行者と衝突する確率は高い。
【0029】
その前提は、歩行者が車道に出やすい構造の歩道の場合、例えば道路に白線しかない歩道の場合や、飛び飛びの縁石が設けられた歩道の場合、歩行者は車道に容易に移動できる、あるいは車両が歩道に容易に進行できるため、その場所は危険(交通事故)に会いやすい場所となる。
【0030】
一方、歩道と車道をガードレールのように堅固な連続した固定物で分離すれば、そこは歩行者が車道へ出難く、且つ、車両も歩道に入りにくいため、その歩道の場所は危険(交通事故)に会いにくい場所になる。しかし、ガードレールに隙間(歩行者のみが通過できる程度の長さの隙間)がある場合、その場所は歩行者が車道に出易いため、歩行者にとっては危険に会い易い場所となる。そして、車両の運転者も注意が必要な場所である。
【0031】
このような考え方で、車道と道路を分離する構造物に対応した安全度マップを作成しておく。この安全度マップは、道路イメージを撮影して画像処理を行えば比較的容易に作成することができる。
【0032】
図5は、安全度マップ(安全地図データ10)のイメージ、即ち、携帯用電子機器1のディスプレイ7や車両の車載用電子機器11のディスプレイ17への表示イメージを示す図である。この図5において、歩道のような安全な場所を斜線領域20で示し、危険な場所を斜線領域21で示している。即ち、図5は、横断歩道の付近やガードレールの隙間の部分の場所の安全度が低い(危険)ことを示している。尚、ディスプレイ7、17がカラー表示可能である場合には、例えば、安全な部分を緑で表示し、危険な部分を赤で表示することが好ましい。
【0033】
そして、ガードレールの隙間や縁石の隙間の長さは、安全度を決定するときに重要な因子になる。隙間の長さが、車両が通過可能な程度の長さであれば、その歩道は車が通過する可能性が高くなり、歩道の危険度が大きい。隙間の長さが歩行者がやっと通れる程度の大きさであれば、歩道側の危険度は小さい。しかし、車道側では歩行者が飛び出る危険が高くなるため、車道の危険度はガードレール等の隙間の長さにほとんど依存しない。
【0034】
尚、携帯用電子機器1を所持する歩行者が図5中の斜線領域(危険な場所)21内に入ると、携帯用電子機器1は警報音を出力するように構成されている。そして、歩行者が車道に出た場合には、携帯用電子機器1は必ず警報音を出力する。これにより、携帯用電子機器1から歩行者に危険を知らせる構成となっている。この場合、携帯用電子機器1から歩行者へ危険を知らせる方法として、車両が近くにいる場合と、いない場合とで、報知形態(警報音の大きさや種類等)を変えるように構成することが望ましい。
【0035】
また、本実施例においては、車両の車載用電子機器11から歩行者(携帯用電子機器1)の現在位置等を問い合わせる信号が携帯用電子機器1に送られてきた場合、歩行者が図5中の斜線領域21内と車道上にいたときに、携帯用電子機器1から応答信号が車載用電子機器11へ送信されるように構成されている。
【0036】
更に、本実施例においては、車両の車載用電子機器11により、ガードレールの隙間の有る場所が判別されると、ウインドシールドガラスに該当場所があることが重畳表示されるように構成されている。これにより、運転者に注意を促すことができる。尚、上記重畳表示は、例えばHUDや透明ELディスプレイ等を使用して実現することが好ましい。
【0037】
次に、図6は、歩道と車道を分ける分離帯の構造に応じて、歩道の危険度がどのように決定されるかを示したイメージ図である。図6において、安全な歩道の部分を斜線領域22で示し、危険な所を斜線領域23で示している。尚、ディスプレイ7がカラー表示可能である場合には、例えば、安全な部分22を緑色で表示し、危険な部分23を赤色で表示することが好ましい。
【0038】
歩道と車道の分離帯として、ガードレールや連続縁石が敷設されている場合、歩道の安全度は高い。一方、歩道と車道の分離帯として、縁石が離散的に配置されていたり、白線で歩道と車道が分離されている場合は、安全度が低い。本実施例では、車両の車載用電子機器11から信号を携帯用電子機器1に送信する場合、安全度が低い領域にいる歩行者の持つ携帯用電子機器1から危険報知の信号(応答信号)が車載用電子機器11へ送信されるようになっている。
【0039】
ここで、歩道の安全度を決める方法について説明する。まず、歩道と車道の分離帯の例として、以下のものがある。
・ガードレール(高さ数10cm程度)
・連続縁石(高さ15cm程度)、連続植栽(連続縁石に準ずるもの)
・離散縁石(とびとび縁石)、
・白線のみ(高さ0cm)、等がある
そして、下記の表1は、分離帯近傍の歩道部の安全度を数値的に表した例である。この表1においては、車両が分離帯を乗り越える可能性に応じて数値が決められる。
【0040】
【表1】

この場合、ガードレールのタイプ(高さや隙間の有無や隙間の長さ)や、縁石の配置(連続的か、離散的か、離散の間隔(大、中、小))や、連続縁石のタイプ(マウントアップ、フラット、セミフラット)や、離散縁石のタイプ(直方体、台形)や、塗装色(白、灰色、茶色)や、反射板(有無、タイプ)や、分離帯からの距離(近傍、50cm内側、1m内側)等の条件を考慮して、歩道周辺の安全度が決定されるように構成されている。即ち、歩道と車道の分離帯の構造に応じて車道と歩道の安全度が決定されている。
【0041】
また、分離帯の境界周辺の安全度を分離帯からの距離に応じて変えるように構成した場合、安全度が低くなるほど(分離帯から車道へ出るほど)、携帯用電子機器1から歩行者への報知の度合い(警報音の音量、機器本体の振動)を大きくするように構成している(図7(a)、(b)参照)。そして、この場合、車両が近づいてきた場合(車両の車載用電子機器11からの信号を携帯用電子機器1が受信した場合)、車両が無い場合(図7(b)の破線Q参照)に比べて、報知の度合い(警報音の音量、機器本体の振動(物理的な動作))を大きくするように構成している(図7(b)の実線P参照)。尚、上記警報音としては、ブザー等の鳴動音に限られるものではなく、危険を知らせる音声を用いるように構成しても良い。
【0042】
尚、分離帯の境界周辺の安全度のイメージを携帯用電子機器1のディスプレイ7に表示する場合、図7(a)に示す表示画面おいて、安全度を色の濃淡(グラデーション)で表示することが好ましい。例えば、赤色で危険(安全度小)を表示すると共に、赤色が濃くなるほど安全度が低くなるように対応付ける。また、黄色で注意(安全度中)を表示する。さらに、緑色で安全度大を表示すると共に、緑色が濃くなるほど安全度が高くなるように対応付けることが好ましい。この場合、安全度に応じて、表示の光の色、または光の強度を変更する構成となっている。
【0043】
次に、上記構成の携帯用電子機器1の動作、特には、現在位置の安全度を判定し、その安全度に応じた報知を行なう動作について、図2及び図3を参照して説明する。図2及び図3のフローチャートは、携帯用電子機器1の制御内容を示している。
【0044】
まず、図2のステップS10において、携帯用電子機器1(歩行者)の現在位置を検出(計測)する。続いて、ステップS20へ進み、安全地図データ10に基づいて上記検出された現在位置の安全度を判定する。そして、ステップS30へ進み、上記判定された安全度に応じた報知処理を実行する。この報知処理は、図3のフローチャートで示すサブルーチンで実行される。
【0045】
この図3のステップS110においては、前記ステップS20で判定された現在位置の安全度の値を設定する。続いて、ステップS120へ進み、上記設定された現在位置の安全度の値が予め決められた安全限界値以上か否かを判定する。ここで、安全限界値よりも小さかった(安全限界値未満の)場合、ステップS120にて「NO」へ進み、ステップS130へ進み、車両の接近信号があるか否かを判定する。
【0046】
上記ステップS130において、車両接近信号がない場合、即ち、車両が接近していない場合、「NO」へ進み、ステップS140へ進む。このステップS140では、現在設定されている安全度の値に応じた報知動作を実行する。そして、この後はサブルーチンを完了し、図2のステップS10へ戻り、以下、上述した処理を繰り返し実行するようになっている。
【0047】
また、上記ステップS130において、車両接近信号がある場合、即ち、車両が接近している場合、「YES」へ進み、ステップS150へ進む。このステップS150では、車両接近有りの場合の現在設定された安全度の値に応じた報知動作を実行する。この場合、車両接近なしの場合に比べて、報知音の音量や機器本体の振動の強さを変更して(強くして)報知を実行するように構成されている。そして、この後はサブルーチンを完了し、図2のステップS10へ戻る。
【0048】
一方、前記ステップS120において、現在位置の安全度の値が安全限界値以上であったときには、「YES」へ進み、危険報知をしないで(ステップS160)、過去に判定した安全度を読み出す(ステップS170)。そして、ステップS180へ進み、統計処理(外挿)を行なう、具体的には、現在の安全度と過去の時点(1秒前)の安全度を時間的にどのように遷移するかを統計処理を使って予測し、少し先の未来(1秒後)の時点での外挿値を求める。
【0049】
続いて、ステップS190へ進み、外挿値の結果が安全度限界値以下の値に到達しそうであるか否かを判断する。ここで、安全度限界値以下の値に到達しそうであれば、ステップS190にて「YES」へ進み、予備報知を行う(ステップS200)。この場合、例えば小さい音で警報を出す。そして、この後はサブルーチンを完了し、図2のステップS10へ戻る。尚、ステップS190において、外挿値の結果が安全度限界値を超えておれば、「NO」へ進み、何もしないで、サブルーチンを完了し、図2のステップS10へ戻る。
【0050】
このような構成の本実施例によれば、歩行者が所持する携帯用電子機器1によって、歩行者の現在位置の安全度を安全地図データに基づいて判定し、判定された安全度が設定された安全度よりも低い場合に、危険報知を行うように構成したので、交通事故に遭遇する危険性が高い状況(安全度が低い状況)のときに、歩行者に対してその危険を報知することができる。従って、歩行者の交通事故を少なくすることができる。
【0051】
また、上記実施例においては、安全度の高いところにいる歩行者が所持する携帯用電子機器1は警告報知を行わないため、歩行者は車両の通過のたびに煩わされることはない。
更に、上記実施例では、車両が歩行者(携帯用電子機器1)に接近したときには、車両が接近していないときと異なる報知態様で報知する(図3の図150参照)ように構成したので、歩行者は、車両が接近していることを明確に認識することができ、その危険性がわかることから、安全性がより一層向上する。
【0052】
図8及び図9は、本発明の第2の実施例を示すものである。尚、第1の実施例と同一構成(及びステップ)には、同一符号を付している。この第2の実施例では、図8に示すように、車両の車載用電子機器11から携帯用電子機器1へ、車両接近信号に加えて、車両の現在位置を示す情報(車両位置情報)を送信するように構成されている。
【0053】
そして、携帯用電子機器1の制御動作は、図9に示すように、第1の実施例(図3参照)とほとんど同じであり、異なるところは、ステップS150の後に、ステップS310を実行する点である。このステップS310では、車両の車載用電子機器11から送信された車両位置情報を携帯用電子機器1が受信すると共に、携帯用電子機器1は上記受信した車両位置情報に基づいて車両位置を地図上にマッピングし、ディスプレイ7に地図と共に車両位置を表示するように構成されている。これにより、車両の方向や車両との距離がわかる報知が実行される。
【0054】
そして、上述した以外の第2の実施例の構成は、第1の実施例の構成と同じ構成となっている。従って、第2の実施例においても第1の実施例とほぼ同じ作用効果を得ることができる。特に、第2の実施例によれば、接近する車両の位置が携帯用電子機器1のディスプレイ7に表示されるので、歩行者は車両の危険性をより一層確実に認識することができる。
【0055】
尚、上記第2の実施例では、車両位置を携帯用電子機器1のディスプレイ7に表示するように構成したが、これに限られるものではなく、例えばウエアラブル機器と呼ばれる、めがね、くつ、時計、あるいは小型のディスプレイ等に前後左右の方向がわかる表示機能を設け、これらウエアラブル機器に車両位置及び地図を表示するように構成しても良い。このように構成すると、車両位置をリアルタイムに歩行者に教えることができる。
【0056】
また、上記第2の実施例の携帯用電子機器1に他の機能(例えばオーディオ機能)が組み込まれている構成において、上記オーディオ機能が動作しているモードのときに、上述した車両接近信号と車両位置情報を携帯用電子機器1が受信した場合、車両位置の表示が設定されているときには、オーディオ機能の動作画面に代えて車両位置及び地図を自動的に表示するように構成しても良い。
【0057】
この構成の一例を、図10のフローチャート(本発明の第3の実施例)に示す。この図10において、ステップS110の前にステップS320を実行し、携帯用電子機器1はオーディオ機能が動作している動作モードとなる。そして、ステップS110からステップS200、ステップS310までの処理は、上記オーディオ機能の動作と平行して、第2の実施例と同様に実行される。更に、ステップS310の後に、ステップS330を実行し、表示設定がある場合、オーディオ機能の動作画面に代えて車両位置及び地図を表示する。上述した以外の第3の実施例の構成は、第2の実施例の構成と同じ構成となっている。
【0058】
図11は、本発明の第4の実施例を示すものである。尚、第2の実施例と同一構成(ステップ)には、同一符号を付している。この第4の実施例では、図11に示すように、車両の車載用電子機器11から携帯用電子機器1へ車両接近信号と車両位置情報を送信すると、携帯用電子機器1は、上記情報を受信すると共に、危険な(安全度が低い)場所にいる歩行者の位置(携帯用電子機器1の現在位置)の情報を車載用電子機器11へ送信するように構成されている。
【0059】
そして、車載用電子機器11は、歩行者の位置の情報(位置座標)を受信すると、制御部12はその位置座標をHUD例えばウインドシールドディスプレイに重畳表示して、運転者に知らせるように構成されている。これにより、運転者は、安全度が低い歩行者を明確に認識することができる。尚、携帯用電子機器1は、受信した車両位置情報に基づいて車両位置を地図上にマッピングし、ディスプレイ7に地図と共に車両位置を表示するように構成されている。
【0060】
そして、上述した以外の第4の実施例の構成は、第2の実施例の構成と同じ構成となっている。従って、第4の実施例においても第2の実施例とほぼ同じ作用効果を得ることができる。特に、第4の実施例によれば、車両の運転者が、危険な位置にいる(安全度が低い場所にいる)歩行者を明確に認識することができるので、歩行者の安全性をより一層向上できる。
【0061】
尚、安全度の高い位置にいる歩行者の携帯用電子機器1は、車載用電子機器11へ位置情報を送信する送信処理を実行しないため、多くの携帯用電子機器1がいっせいに通信を行って生ずる通信干渉の問題も発生しない。
【0062】
また、図12は、本発明の第5の実施例を示すものである。尚、第3の実施例と同一構成(ステップ)には、同一符号を付している。この第5の実施例では、図12に示すように、携帯用電子機器1に他の機能(例えばオーディオ機能)が組み込まれた構成において、携帯用電子機器1は、危険な(安全度が低い)場所にいる歩行者の位置(携帯用電子機器1の現在位置)の情報を車載用電子機器11へ送信する(図12のステップS340参照)ように構成されている。上述した以外の第5の実施例の構成は、第3の実施例の構成と同じ構成となっている。
【0063】
また、上記第2、3、4、5の実施例において、車両の車載用電子機器11から歩行者の携帯用電子機器1へ定期的に接近信号等を送信する場合、その送信距離を車両の速度に応じて変更するように構成することが好ましい。例えば、車両の速度が大きい場合ほど、送信距離を大きくすることが好ましい。
【0064】
図13及び図14は、本発明の第6の実施例を示すものである。尚、第1の実施例と同一構成には、同一符号を付している。この第6の実施例では、携帯用電子機器1に安全度判定マップ(安全地図データ10)はなく、車両の車載用電子機器11に安全度判定マップ(安全地図データ10)が設けられているとする。
【0065】
そして、車両の車載用電子機器11は、図14に示すように、車両の走行速度と進行方向に対する角度に応じて、通信距離(電界強度)を変えて、質問信号を携帯用電子機器1へ送信するように構成されている。上記車載用電子機器11は、通常は、前方に指向性のある電波を定期的に角度を変えながら送信する。このように、指向性のある電波を定期的に角度を変えながら送信すると、空間的に電波が存在する確率が低くなるため干渉が起きにくくなる。
【0066】
次に、図13のフローチャートに従って、車載用電子機器11及び携帯用電子機器1の動作を説明する。まず、図13のステップS410において、車載用電子機器11は、車両の走行速度を測定する。続いて、ステップS420へ進み、車両の走行速度と車両の進行方向に対する角度に応じて、電界強度(通信距離)を設定する。そして、ステップS430へ進み、上記角度に応じて設定した電界強度(通信距離)で質問信号を携帯用電子機器1へ送信する。この場合、車両の移動方向に応じて送信方向を変更できる構成となっている。尚、地図情報から、見通しの悪いところがあれば、その方向の通信距離を長く設定するように構成している。
【0067】
ここで、電波を送信した方向に歩行者の携帯用電子機器1が存在すると、携帯用電子機器1は、上記質問信号を受信すると共に、該質問信号に応答して、応答信号を車載用電子機器11へ送信するように構成されている(ステップS440)。上記応答信号には、携帯用電子機器1のID、携帯用電子機器1の位置、進行方向、進行速度等の情報が含まれている。尚、応答信号として、携帯用電子機器1のIDと位置情報、またはIDのみを送信し、車載用電子機器11側で携帯用電子機器1の進行方向、進行速度を計算するように構成してもよい。
【0068】
続いて、ステップS450へ進み、車両の車載用電子機器11は、上記応答信号を受信すると共に、その応答信号の解析処理を実行する。この場合、車載用電子機器11は、応答信号に含まれる携帯用電子機器1(歩行者)の位置情報を読み出し、その位置の安全度を安全度判定マップを用いて決める。尚、応答信号に位置情報が含まれていない場合には、送信電波(質問信号)に対する応答電波(応答信号)の方向に基づいて携帯用電子機器1の概略位置を推定するように構成されている。
【0069】
そして、ステップS460へ進み、車載用電子機器11は、上記解析した歩行者の位置の安全度が低い場合には、歩行者位置をHUD例えばウインドシールドディスプレイに表示し(運転者へ報知し)、運転者の注意を喚起する。尚、歩行者位置の安全度が十分高く安全であれば、車載用電子機器11は運転者への報知を行わない。例えば、図14に示すように、歩行者が4つの位置1、2、3、4にいるとした場合、位置1、4は歩道上(図14中の斜線領域)であるから、安全であり、報知されない。これに対して、位置2、3は、車道上であるから、危険であり、報知される。
【0070】
更に、運転者が、安全な位置(または危険な位置)にいる歩行者に車両の接近を知らせたい場合、歩行者の存在位置方向に指向性の電波を送信し、その電波に報知起動命令を加えて、携帯用電子機器1の報知機能をアクティブにする。すると、携帯用電子機器1は、車両の接近を報知することが可能となる。尚、この機能をオプションで設定できるように構成するとよい。このように構成すると、いつでも車両の接近を知りたい歩行者は安心することができる。
【0071】
尚、車載用電子機器11からの質問信号に対して、携帯用電子機器1が応答信号を送信するときに、応答信号の送信タイミングに即時性があれば、携帯用電子機器1の概略方向がわかる。即ち、車両の進行方向に電波を出し、携帯用電子機器1から応答が即時に返ってくる場合は、車載用電子機器11は携帯用電子機器1からのデータを読む前に歩行者の位置が危険と判定される。
【0072】
図15は、本発明の第7の実施例を示すものである。尚、第6の実施例と同一構成には、同一符号を付している。この第7の実施例では、車両の車載用電子機器11が安全度が低い場所に入る歩行者(携帯用電子機器1)を検知すると、その歩行者の携帯用電子機器1のみが警報を出力するように構成されている。
【0073】
具体的には、ステップS410からステップS460までは、第6の実施例と同じであり、ステップS470において、車両の車載用電子機器11は、安全度が低い場所にいる歩行者が所持する携帯用電子機器1だけが警報を鳴らすようにする警報励起信号を送信する。この場合、安全度が低い場所にいる歩行者に対する方向へ送信する警報の電波だけに上記歩行者(携帯用電子機器1)を特定するIDデータを入れるように構成しても良い。また、全方向に送信する警報電波に上記IDデータを入れるように構成しても良い。
【0074】
そして、ステップS480へ進み、上記IDデータに対応する携帯用電子機器1が、上記IDデータが入った電波を受信すると、警報を出力し、該携帯用電子機器1を所持する歩行者に対して危険であることを報知するように構成されている。
【0075】
尚、上述した以外の第7の実施例の構成は、第6の実施例の構成と同じ構成となっている。従って、第7の実施例においても、第6の実施例のとほぼ同じ作用効果を得ることができる。特に、上記第7の実施例によれば、危険な位置(安全度が低い位置)にいる歩行者の携帯用電子機器1は、車両の車載用電子機器11から送信される警報励起信号を受信することにより、警報を鳴らして、歩行者に安全が低い旨の注意を促すことができるので、歩行者にとって一層安全性を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の第1の実施例を示す携帯用電子機器のブロック図
【図2】携帯用電子機器の制御内容を示すフローチャート(その1)
【図3】携帯用電子機器の制御内容を示すフローチャート(その2)
【図4】車載用電子機器のブロック図
【図5】安全地図データのイメージを示す図
【図6】安全地図データのイメージを示す図
【図7】歩道、車道、分離帯の位置に応じて警報音の音量を変化させる動作を示す図
【図8】本発明の第2の実施例を示す図1相当図
【図9】図3相当図
【図10】本発明の第3の実施例を示す図3相当図
【図11】本発明の第4の実施例を示す図1相当図
【図12】図3相当図
【図13】本発明の第5の実施例を示すフローチャート
【図14】走行速度と進行方向に対する角度に応じて通信距離(電界強度)を変えるイメージを示す図
【図15】本発明の第6の実施例を示す図13相当図
【符号の説明】
【0077】
図面中、1は携帯用電子機器、2は制御器(判定手段)、3は位置検出器(位置検出手段)、4は記憶部(記憶手段)、5は通信部(受信手段)、7はディスプレイ、8は音出力部、9は振動出力部、10は安全地図データ、11は車載用電子機器、12は制御部、13は位置検出器、14は地図データ入力器、15は通信部(信号送信手段、受信手段)、16は操作部、17はディスプレイ、18はマイク、19はスピーカを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩道と車道の分離帯の構造に応じて車道と歩道の安全度を決定した安全地図データを記憶する記憶手段と、
現在位置を検知する位置検知手段と、
検知された現在位置の安全度を前記安全地図データに基づいて判定する判定手段と、
判定された安全度が設定された安全度よりも低い場合に、危険報知を行う報知手段とを備えてなる携帯用電子機器。
【請求項2】
前記分離帯は、ガードレール、縁石、白線、植え込み等の歩道と車道を区別する固定物であることを特徴とする請求項1記載の携帯用電子機器。
【請求項3】
前記分離帯のうちの縁石の安全度は、縁石の高さ、車道と歩道の高さの違いを考慮して決定されることを特徴とする請求項2記載の携帯用電子機器。
【請求項4】
前記分離帯のうちのガードレールの安全度は、ガードレールの高さや強度を考慮して決定されることを特徴とする請求項2記載の携帯用電子機器。
【請求項5】
歩道と車道の分離帯の構造に応じて車道と歩道の安全度を決定した安全地図データを記憶する記憶手段と、
車両に搭載された信号送信手段から送られた信号を受信する受信手段と、
前記信号を受信した位置を検知する位置検知手段と、
信号受信位置の安全度を前記安全地図データに基づいて判定する判定手段と、
判定された安全度に基づいて車両接近危険報知を行う報知手段とを備えてなる携帯用電子機器。
【請求項6】
前記位置検知手段は、cm精度の位置検知が可能なように構成されていることを特徴とする請求項5記載の携帯用電子機器。
【請求項7】
前記判定手段は、歩道と車道の分離帯の構造に応じて車道と歩道の安全度を決定した前記安全地図データと、受信位置の検知結果とから受信位置の安全度を判定するように構成されていることを特徴とする請求項5記載の携帯用電子機器。
【請求項8】
前記判定手段は、歩道と車道の分離帯の構造に応じて車道と歩道の安全度を決定した前記安全地図データと、受信位置の検知結果と、前記携帯用電子機器の動作モードとから受信位置の安全度を判定するように構成されていることを特徴とする請求項5記載の携帯用電子機器。
【請求項9】
前記報知手段は、安全度に応じて危険報知を変更できるように構成されていることを特徴とする請求項5記載の携帯用電子機器。
【請求項10】
前記報知手段は、安全度に応じて危険報知を変更するに際して、音声の音量を変更するように構成されていることを特徴とする請求項9記載の携帯用電子機器。
【請求項11】
前記報知手段は、安全度に応じて危険報知を変更するに際して、表示の光の色、または光の強度を変更するように構成されていることを特徴とする請求項9記載の携帯用電子機器。
【請求項12】
前記報知手段は、安全度に応じて危険報知を変更するに際して、物理的な動作の大小を変更するように構成されていることを特徴とする請求項9記載の携帯用電子機器。
【請求項13】
歩行者が携帯する携帯用電子機器に信号を送信する信号送信手段と、
前記送信信号に応答して前記携帯用電子機器から送られた信号を受信する受信手段と、
受信信号に基づいて前記携帯用電子機器の存在位置における歩行者の安全度を判定する判定手段と、
判定結果に基づいて運転者に報知を行う報知手段とを備えてなる車載用電子機器。
【請求項14】
前記判定手段は、歩道と車道の分離帯の構造に応じて車道と歩道の安全度を決定した安全地図データに基づいて判断するように構成されていることを特徴とする請求項13記載の車載用電子機器。
【請求項15】
前記信号送信手段は、前記判定手段による判定結果に基づいて前記車載用電子機器へ車両の接近情報を送信するように構成されていることを特徴とする請求項13または14記載の車載用電子機器。
【請求項16】
前記信号送信手段は、車両の移動方向に応じて送信方向を変更できるように構成されていることを特徴とする請求項13ないし15のいずれかに記載の車載用電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−272647(P2007−272647A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−98544(P2006−98544)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】