説明

携帯端末

【課題】1画面に表示しきれないデータを閲覧する場合、すべての情報を閲覧するために時間が多くかかっていた。
【解決手段】本発明の携帯端末は十字キーに1行スクロールとページスクロールの二つの機能を割り当てることにより行う。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、データを少ない操作で表示させることができる制御部と操作性の良い操作部を有する携帯端末に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の携帯端末、例えば携帯電話において多機能化が進み、メッセージの送受信を行ったり、インターネットに接続してホームページの閲覧が可能となってきている。このため表示する情報量が増え1画面で表示しきれない場合が多いため、操作性を向上させるべくページスクロール用のキーを装備したり、4つのキーを一つのキートップに一体化したもの(いわゆる十字キー)を装備したカーソルを上下左右に移動させることができる携帯電話がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ページスクロール用のキーを装備した場合、表示画面をスクロールさせるためには、指の移動距離が大きくなるため操作性に問題がある。また、十字キーを装備した場合であっても、表示されているカーソルを1回のキー操作で上下に1行分、左右に1文字分、移動させるのみであるため大量の情報を閲覧するにはキー押下を相当回数行う必要がある。
【0004】また、表示画面を大きくすれば一度に表示する情報量が多くなりスクロール操作を少なくすることができるが、携帯端末には、持ち運びの簡便性も要求されるため小型化する必要があり、表示画面を大きくすることには、限界がある。
【0005】本発明は、上記の問題を鑑みてなされたもので、指の移動距離が小さくかつ、簡易な操作でデータをスクロール表示することができる携帯電話を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の携帯端末は、それぞれ異なる4方向が表示されているキートップを有するキーを含む操作部とキートップを第1の表示方向又は第2の表示方向に押下すると表示部に表示されたデータを1画面分スクロールさせ、第3の表示方向又は第4の表示方向に押下すると前記表示部に表示されたデータを1行分スクロールさせる制御部とを有することを特徴とする。
【0007】また、4個の個別キーを有する携帯端末であれば、第1のキーを押下すると表示部に表示されたデータの次の一画面分のデータを表示させ、第2のキーを押下すると前記表示部に表示されたデータから一行分移動して表示させる制御部を有することを特徴とする。
【0008】本発明によれば、少ない操作で情報全体を表示・閲覧することができ、また、最小限の指の動作でスクロールすることができる。さらに、十字キーであれば、キーから指を離すことなく操作することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施の形態について、説明する。図1は、本発明を実現可能な携帯電話の一実施形態を示すブロック図である。101は無線部であり、アンテナを通じてデータや音声の送受信を行う。102は操作部であり数字キーや機能キー等のボタンキー、表示データを上下左右にスクロールさせることができる十字キー(103)などが備えられている。104の制御部は、操作部からの入力を受けてデータを読み出したり、データの表示を制御する等その他携帯電話としての機能を果たすための様々な制御を行う。記憶部(105)は、無線部(101)から受信したデータや操作部(102)により使用者が入力したデータ等を記憶する。マイク(106)は、使用者の音声等を入力するものであり、スピーカ(107)は、受信した音声や着信音などを出力する。また、表示部(108)は、文字列や画像などのデータを操作部からの入力指示に応じて表示させたりする。
【0010】図2は、本発明を適用可能な十字キーの一例を示すものである。(1)は4つのキーが一つのキートップで一体化された一体型であり、キートップにはそれぞれ異なる4つの方向(例えば上下左右)が表示されている。また、4つの方向が表示されている部分それぞれが押下できるキーとなっている。この場合、201の表示方向を押下すると右にスクロール可能、202の表示方向を押下すると上にスクロール可能、203の表示方向を押下すると左にスクロール可能、204の表示方向を押下すると下にスクロール可能なキーである。これらの表示部分を押下することにより表示部(108)に表示させたデータを必要に応じて上下左右にスクロールさせることができる。またこれらは、表示画面により上方向の表示方向(202)にひらがな・かたかなから漢字に変換するための「変換」の機能を割り付けたり、下方向の表示方向(204)に決定の機能を割り当てたり等、スクロール機能だけでなくそれぞれのボタンに機能を割り当てることが可能である。なお、一体型の十字キーの形状はこれに限らす、ひし形や円形であってもよく4つのキーが一つのキートップにより一体化されたものであれば本発明を適用できる。さらに、一体型の場合にこれら四方向のボタン以外に中央にボタンを保持しているものであっても適用可能である。
【0011】図2の(2)は、十字キーの分離型の一例であり、キーはそれぞれ分離しているが(205〜208)それぞれ一体型と同様に押下可能であり、上下左右にスクロールさせたりすることができる。なお、この構成に限らず最小限の指の動作で上下左右に押下可能な形状であればよい。例として、これら4つのキーを横一列に並べた場合が挙げられる。また、それぞれのキーをここでは、三角形としているがこの形状に限らず四角形・丸など、どのような形状でも良いことは勿論である。
【0012】図3は本発明を適用して、表示部108に表示される表示データをスクロールする場合の画面表示を説明するものである。表示データは、インターネットのホームページでもメッセージでもよい。操作部102よりデータを表示部へ表示させる旨の入力指示があると制御部104は記憶部105より該当するデータを抽出し、表示部108に表示させる。表示部108がたとえば1行に20文字で10行分しか一画面に表示することができない場合で、所望のデータが2000字のデータである場合は、20字で改行して10行分、つまりデータの最初の200字分が表示部108に表示されることとなる(初期表示、301)。従って、画面の表示可能文字数に合わせて改行されるため左右のスクロールは不要となり、上下のスクロールのみが可能となる。
【0013】初期表示(301)から、下方向のキー(204,208)を押下すると、1行下にスクロールし、新たに11行目が表示され先頭の1行目は画面に表示されなくなる(303)。このキー(204,208)を押下し続けると1行ずつ一定時間間隔でスクロールすることとなる。また、303の画面表示から上方向のキー(202.206)を押下すると上方向に1行分スクロールして初期表示(301)に戻る。また、初期表示(301)の状態で十字キーの上方向のキー(202,206)を押下しても表示すべきデータがないため、無効となる。
【0014】一方、初期表示(301)から右方向のキー(201,205)を押下すると初期表示において表示されていなかったデータの先頭行(つまり11行目)から1画面分のデータが表示される(302)。これにより1画面分スクロールしたことになる。また、(302)の画面から左方向のキー(203,207)を押下すると上方向に1画面分スクロールして初期表示(301)に戻る。なお、初期表示(301)からさらに左方向のキー(203,207)を押下してもさらに表示するデータがないため、無効となる。
【0015】同様に11行目のデータが表示された画面(302)から右方向のキー(201,205)を8回押下すると1画面ずつスクロールし、91行目から100行目(データの最後)までのデータが表示される(304)。従って、1行ずつのスクロール(下方向のキー押下)の場合は、90回キーを押下する必要があるが、1画面分のスクロールの場合、初期表示から9回キーを押下するだけで、所望のデータすべてを閲覧可能となる。また、91行目から100行目のデータが表示されている場合(304)に左方向のキー(203,207)を9回押下すれば、初期表示(301)に戻ることとなる。
【0016】図4は、表示部にデータを表示している場合の本発明の操作フローチャートである。表示部に画像や文字列等のデータが表示されている場合に十字キー押下があると制御部(104)は、十字キーのどの方向のキー押下であるか判断する(402)。十字キーの上方向又は下方向のキー押下である場合は、スクロール後に表示するデータがあるか判断し(403)、表示するデータがある場合は(yes)、上方向のキー押下であれば1行分上にスクロールし、下方向のキー押下であれば、1行分下にスクロールする(405)。表示するデータがない場合(no)は、操作無効となる(407)。
【0017】左方向又は右方向のキー押下である場合は、スクロール後に表示すべきデータがあるかどうか判断し(404)、表示するデータがないとき(no)は操作無効となる(409)。また、表示するデータがある場合(yes)は、左方向のキー押下であれば一画面分前にスクロールし、右方向のキー押下の場合は、一画面分後にスクロールし(406)、スクロール後の情報を表示する(408)。なお、(406)で必要なスクロールサイズが確保できない場合、上詰め/下詰めもしくは空白行を補うのは本発明を採用する場合に任意に行うことができる。
【0018】本実施例では、左右方向にスクロールさせるキーをページスクロールとし、上下方向にスクロールさせるキーを1行スクロールとしたが、左右方向にスクロールさせるキーを1行スクロールとし、上下方向のスクロールキーをページスクロールとする構成も本発明に含まれることは勿論である。
【0019】また、本実施例では、1画面に表示可能な行数を基準として説明したが、表示画素数を基準としてスクロールする場合も本発明に含まれる。
【0020】さらに、本実施例では1画面分(つまり10行分)スクロールさせることとしているが、ページスクロールの幅は、画面表示の半分をスクロール(実施例の場合は5行分)させることや、1行残して9行分スクロールさせたり、ドット数によるスクロール等任意の値に設定することも可能である。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、大きなスクロール幅でスクロールすることが可能となるため、少ない操作で見たい情報全体を表示閲覧することができる。
【0022】また、十字キーにページスクロール機能を割り当てることにより指の最小限の動作により、ページスクロールが可能となる。
【0023】さらに、十字キーに1行スクロールとページスクロールの二つのスクロール機能を割り当てることで、指の最小限の動作で適切なスクロールが可能となると共に、使用者が見たいデータを素早く表示させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実現可能な携帯電話の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用可能な十字キーの一例を示すものである。
【図3】本発明を適用して表示データをスクロールする場合の画面表示を示すものである。
【図4】本発明を適用して表示データをスクロール操作する場合のフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】それぞれ異なる4つの方向が表示されているキートップを有する4つのキーを含む操作部、画像又は文字列を含むデータを表示させる表示部、前記キートップの第1の表示方向又は第2の表示方向を押下すると前記表示部に表示されたデータを1画面分スクロールさせ、第3の表示方向又は第4の表示方向を押下すると前記表示部に表示されたデータを1行分スクロールさせる制御部とを有することを特徴とする携帯端末。
【請求項2】前記第1の表示方向は右、前記第2の表示方向は左、前記第3の表示方向は上、前記第4の表示方向は下であることを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】4個の個別キーを有する操作部、画像又は文字列を含むデータを表示させる表示部、第1のキーを押下すると前記表示部に表示されたデータの次の一画面分のデータを表示させ、第2のキーを押下すると前記表示部に表示されたデータから一行分移動して表示させる制御部を有することを特徴とする携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2002−149301(P2002−149301A)
【公開日】平成14年5月24日(2002.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−341706(P2000−341706)
【出願日】平成12年11月9日(2000.11.9)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】